説明

新規ピペリジン誘導体

ヒスタミンH3受容体アンタゴニストを提供し、肥満症、糖尿病、等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全等の各種疾患、例えば特発性過眠症、反復性過眠症等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病等の中枢及び末梢神経系疾患の治療剤及び/又は予防剤を提供するものである。一般式(I)[式中、X及びXは独立して窒素原子又はCHを示し、Yは特定の基を示し、XはO−(CHを示し、R及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示し、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。]で表されるピペリジン誘導体化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするヒスタミンH3受容体アンタゴニスト。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ピペリジン誘導体や、新規ピペリジン誘導体を有効成分として含有するヒスタミンH3受容体アンタゴニストや、代謝系疾患、循環器系疾患、中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物をはじめとする生物において、生理学的に活性な内因性因子であるヒスタミンは、神経伝達物質として機能し、広範囲にわたる薬理活性を有することが明らかとなっている(例えば、Life Science,17,503,(1975)参照。)。免疫組織化学的研究により後視床下部の結節乳頭核にヒスタミン作動性(産生)細胞体が存在し、また、ヒスタミン神経繊維が脳内の非常に広い範囲にヒスタミンを投射していることが明らかとなっており、ヒスタミンが多様な薬理作用を有することの裏付となっている(例えば、Journal of Comprehensive Neurology,273,283参照。)。後視床下部の結節乳頭核におけるヒスタミン作動性神経の存在は、脳機能においてヒスタミンが特に視床下部の機能(睡眠、覚醒リズム、内分泌、摂食・摂水行動、性行動など)に関連する生理機能の制御に重要な役割を果たしていることを示唆している(例えば、Progress in Neurobiology,63,637,(2001)参照。)。覚醒状態の維持に関連する脳の領域、例えば大脳皮質へのヒスタミンの投射が存在することは、ヒスタミンが覚醒状態又は覚醒−睡眠のサイクルの調整の役割を有することを示唆する。海馬又は扁桃様複合体のような多くの辺縁構造に対するヒスタミンの投射が存在することは、ヒスタミンが自律神経の調節、情緒、動機付けられた行動の制御及び学習・記憶過程での役割を有することを示唆する。
【0003】
一方、ヒスタミンは、産生細胞より放出されると細胞膜表面上又は標的細胞内の受容体と称される特定の高分子と作用することによりその薬理作用を発揮し、種々の身体機能の調整を行っている。これまでに4種のヒスタミン受容体(H1〜H4)が見出されている。特に、中枢及び末梢の神経機能に関与するヒスタミン受容体として、ヒスタミンH3受容体の存在が種々の薬理学・生理学的研究により示されてきたが(例えば、Trends in Pharmacological Science,8,24,(1986)参照。)、近年になり、ヒト及び齧歯類ヒスタミンH3受容体遺伝子が同定され、その存在が明らかとされた(例えば、Molecular Pharmacology,55,1101,(1999)参照。)。ヒスタミンH3受容体は中枢又は末梢神経細胞のシナプス前膜に存在して自己受容体として機能し、ヒスタミンの放出を制御するとともに、他の神経伝達物質の放出をも制御することが示されている。即ち、ヒスタミンH3受容体作動薬、又は拮抗薬若しくは逆作動薬(いわゆるアンタゴニスト)は、神経終末からのヒスタミン、ノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリン又はドーパミンなどの遊離調整を行っていることが報告されている。例えば、(R)−(α)−メチルヒスタミンのような作動薬によりこれら神経伝達物質の放出は抑制され、またチオペラミド(Thioperamide)のような拮抗剤あるいは逆作動性薬によりこれら神経伝達物質の放出が促進される(例えば、Trends in Pharmacological Science,19,177,(1998)参照。)。最近の研究により、ヒスタミンH3受容体は受容体発現細胞・組織又は発現細胞・組織由来の膜画分において、更には生体内において非常に高い恒常的活性(内因性作動性因子、例えば、ヒスタミンが不在の状態で観察される活性)を有することが示されている(例えば、Nature,408,860参照。)。これらの恒常的活性は、拮抗薬若しくは逆作動薬により抑制されること、例えば、チオペラミド或いはシプロキシファンにより、恒常的な自己受容体活性が抑制され、その結果、神経終末よりの神経伝達物質の放出、例えばヒスタミンの放出・遊離が促進されることが報告されている。
【0004】
かかるヒスタミンH3受容体が有する作用を知るため種々の研究がなされており、ラット動物実験において、ヒスタミン合成酵素(ヒスチジンデカルボキシラーゼ)の高度な選択的阻害剤が覚醒を阻害することから、ヒスタミンH3受容体が行動的覚醒を調整する上で機能していることが示されている。また、ネコにおいて、ヒスタミンH3受容体の作動薬である(R)−(α)−メチルヒスタミンは、深い徐波の睡眠を増加させ(例えば、Brain Research,523,325,(1990)参照。)、逆に、ヒスタミンH3受容体の拮抗薬若しくは逆作動薬であるチオペラミドは、用量依存的に覚醒状態を増加させ、徐波及びレム睡眠を減少させることが明かにされ(Science,48,2397,(1991)参照。)、ヒスタミンH3受容体が覚醒−睡眠の調整に関与していること、選択的ヒスタミンH3受容体の作動薬又は、拮抗剤若しくは逆作動薬が睡眠障害の治療に有用である可能性が示唆されている。更に、ラット動物実験において、脳室内にヒスタミンを投与することにより摂食行動が抑制されることから、ヒスタミンが摂食行動調整に関与していることが示唆され(例えば、Research,793,279,(1998)参照。)、チオペラミドが、用量依存的に摂食行動を抑制し、また、脳内ヒスタミンの遊離を促進することが明かにされている(例えば、Life Science,69,469,(2001)参照。)ことから、ヒスタミンH3受容体が摂食行動調整に関与していること、ヒスタミンH3受容体の拮抗剤又は逆作動薬が摂食障害・肥満・糖尿病・やせ・高脂血症等の代謝系疾患の予防又は治療に有用である可能性が示唆されている。また、ラット動物実験において、ヒスタミンH3受容体の作動薬である(R)−(α)−メチルヒスタミンの投与は、基礎拡張期血圧を用量依存的に低下させ、これらの作用はヒスタミンH3受容体の拮抗薬又は逆作動薬であるチオペラミドにより拮抗されることが明かにされている(例えば、Journal of Physiology and Pharmacology,49,191,(1998)参照。)ことから、ヒスタミンH3受容体が、血圧、心拍、心臓血管の拍出量の調整に関与していること、ヒスタミンH3受容体の作動薬、又は拮抗剤若しくは逆作動薬が、高血圧・各種心疾患等の循環器系疾患の予防又は治療に有用であることの可能性が示唆される。
【0005】
また、ラット動物実験において、ヒスタミンH3受容体の作動薬である(R)−(α)−メチルヒスタミンの投与は、対物認識テスト及び受動退避テストにおける対物認識力・学習効果を低下させ、一方、ヒスタミンH3受容体の拮抗薬又は逆作動薬であるチオペラミドの投与は、スコポラミン誘発健忘症試験において、同薬剤による健忘を、用量依存的に軽減させることが報告されており(例えば、Behavioural Brain Research,104,147,(1999)参照。)、これらのことから、ヒスタミンH3受容体の拮抗剤又は逆作動薬が、記憶・学習障害を伴う各種疾患、例えばアルツハイマー病・パーキンソン病或いは注意欠陥・多動性症等の予防又は治療に有用である可能性が示唆される。更に、マウス動物実験において、ヒスタミンH3受容体の拮抗薬又は逆作動薬であるチオペラミドは、電撃刺激により誘導される痙攣や、ペンチレンテトラゾール(PTZ)により誘発されるてんかん様発作を用量依存的に抑制することが明かにされており(例えば、European Journal of Pharmacology,234,129,(1993)、Pharmacology,Biochemistry and Behavor,68,735,(2001)参照。)、ヒスタミンH3受容体の拮抗薬又は逆作動薬が、てんかん若しくは中枢性痙攣の予防又は治療に有用である可能性が示唆される。また、ヒスタミンH3受容体拮抗薬或いは逆作動薬であるチオペラミドまたはGT−2331は、ナルコレプシー犬の情動脱力発作及び睡眠を減少させる(例えば、Brain Research,793,279,(1998)参照)。
これらの知見は、H3受容体が覚醒−睡眠の調整及び睡眠障害を伴う疾患に関与していることを示唆しており、選択的ヒスタミンH3作動薬または拮抗剤、或いは逆作動薬が睡眠障害や睡眠障害を伴う各種疾患(例えば特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、慢性疲労症候群、レム睡眠障害、老齢者不眠、夜勤勤労者睡眠不衛生、特発性不眠症、反復性不眠症、真性不眠症、うつ病、統合失調症)の治療に有用である可能性があることを示唆する。
ラット動物実験において、ヒスタミンH3受容体拮抗薬或いは逆作動薬であるチオペラミドまたはGT−2331の投与は、学習障害(LD)注意欠陥多動性障害(ADHD)様症状を改善させる(例えば、Life Science,69,469,(2001)参照)。
これらの知見は、選択的H3作動薬または拮抗剤、或いは逆作動薬が、学習障害又は注意欠陥他動性障害の治療及び/又は予防に有用である可能性を示唆する。
【0006】
ところで、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト及び/又はアゴニストとして、新規イミダゾール誘導体類(例えば、特表平10−501001号公報参照。)や、ヒスタミンH3受容体に拮抗作用を有する4−(4(5)−イミダゾリル)ブチラミジン、2−(4)−イミダゾリルエチルイソチオウレア、これらのN−メチル誘導体を用いた偏頭痛剤、精神安定剤、睡眠剤、麻酔薬、鎮静剤、抗不安剤、抗喘息剤、抗気管支炎剤、抗炎症剤(例えば、特開平6−87742号公報参照。)や、N−メチル−N−(4−(ピペリジン−1−イル)−2−アリールブチル)ベンズアミド誘導体を用いたアレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患、喘息、気管支炎、嘔吐の治療に有用なヒスタミン受容体アンタゴニスト(例えば、特表2002−504082号公報参照。)等が知られているが、ピペリジンに窒素含有シクロ環と、特定の窒素含有ヘテロアリール環又はフェニル基が結合した骨格を有するピペリジン誘導体がヒスタミンH3受容体アンタゴニストであることは知られておらず、このピペリジン誘導体が代謝系疾患、循環器系疾患、中枢又は神経系疾患に効能を有し、特に肥満の改善に対して有効であることは知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、新規ピペリジン誘導体や、これを用いたヒスタミンH3受容体アンタゴニストを提供し、特に肥満に対して有効な副作用が少ない、代謝系疾患、循環器系疾患、中枢又は神経系疾患の予防剤又は治療剤を提供することにある。
【0008】
本発明者は、ピペリジン誘導体がヒスタミンH3受容体に対して拮抗作用又は逆作用を有し、ヒスタミンH3受容体アンタゴニストとなり得ると想定し鋭意研究を行った結果、ピペリジン環に特定の窒素含有シクロ環と、特定の窒素含有ヘテロアリール環又はフェニル基が結合した骨格を有する特定のピペリジン誘導体が代謝系疾患、循環器系疾患、中枢又は神経系疾患を改善する作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、一般式(I)
【0010】
【化19】

[式(I)中、X及びXは独立して窒素原子又はCHを示し、XはO−(CHを示し(ここで、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。)、Yは、一般式(II)
【0011】
【化20】

(式(II)中、j、k又はlは、独立して0又は1を示し、LはC1〜C4の低級アルキレン基又は単結合を示し、Mは酸素原子又は一般式(III)
【0012】
【化21】

(式(III)中、Rは、水素原子又はC1〜C4の低級アルキル基を示す。)で表される基を示し、Qは、未置換、又は、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、又はヘテロアリールで置換されていてもよい。)、シクロアルキル基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基からなる群より選択される置換基を有する、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、縮合していてもよいC3〜C9シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基(該ヘテロ環基内に、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3有していてもよい。)を示す(但し、
1)Yがアルコキシカルボニル基である場合、又は
2)上記一般式(II)で表されるYが、式(II−1)
−L−O−Q (II−1)
(式(II−1)中、L及びQは式(II)におけるL及びQと同義の基を示す。)で表される基を示す場合を除く。)。)で表される基を示し、R及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示す。]で表される化合物(但し、1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(7−カルバモイル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン、1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}4−(5−シアノ−6−オキソ−ピリジン−2−イル)ベンゼン及び1−{4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}−4−(5−シアノ−6−オキソ−ピリジン−2−イル)ベンゼンを除く。)又はその薬学的に許容される塩(請求項1)に関する。
【0013】
また、本発明は、一般式(I)中、R及びRが水素原子を示し、Xにおけるmが1〜3のいずれかの整数を示し、sが0を示すことを特徴とする請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項2)に関する。
【0014】
さらに、本発明は、一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0015】
【化22】

で表される基を示し、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(V)
【0016】
【化23】

[式(V)中、Rは、水素原子、低級アルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、アラルキル基、又はヘテロアリール基を示し、nは、0又は1〜4のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項3)や、一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0017】
【化24】

で表される基を示し、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(VI)
−(CH−A (VI)
[式(VI)中、Aは、アリール基、ヘテロアリール基、C4〜C7のシクロアルキル基とアリール基の縮合双環基、又はC4〜C7のシクロアルキル基とヘテロアリール基の縮合双環基を示し、qは、0又は1〜3のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項4)や、一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0018】
【化25】

で表される基を示し、一般式(IV)中、R及びRが、互いに結合する窒素原子と一体となった窒素含有ヘテロシクロ環基を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項5)に関する。
【0019】
また、さらに、本発明は、窒素含有ヘテロシクロ環基が、ピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼチジニル基、ホモピペリジニル基、若しくはヘプタメチレンイミニル基の単環基、又はこれらの単環とC4〜C7のシクロアルキル基、フェニル基若しくはピリジル基との双環基であることを特徴とする請求項5記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項6)や、X及びXが、同時にCHを示し、又はいずれか一方が窒素原子を示すことを特徴とする請求項3〜6のいずれか記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項7)や、一般式(II)で表されるYが、未置換、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は2の置換基を環内に有する、アリール基又は5員若しくは6員のヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1〜3有する。)を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項8)や、X及びXが、同時に窒素原子を示すことを特徴とする請求項8記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項9)や、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体化合物が、N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(1)、
N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(2)、
N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(3)、
N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(4)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(5)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(6)、
N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(7)、
N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(8)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(9)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(10)、
N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩(11)、
2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(12)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン(14)
N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(15)、
N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(16)、
N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(17)、
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(18)
4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン−1−イル(19)
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(20)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(21)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(22)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(23)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン(24)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン(25)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(26)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン(27)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン(28)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]ピリミジン(29)、
1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン(30)、
1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン(31)であることを特徴とする請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩(請求項10)に関する。
【0020】
さらに、本発明は、請求項1〜10のいずれか記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするヒスタミンH3アンタゴニスト又はインバースアゴニスト(請求項11)や、請求項1〜10のいずれか記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする、肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝等の代謝系疾患、狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、睡眠障害や睡眠障害を伴う各種疾患、例えば特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、慢性疲労症候群、レム睡眠障害、老齢者不眠、夜勤勤労者睡眠不衛生、特発性不眠症、反復性不眠症、真性不眠症、電解質異常等の循環器系疾患、過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、アルツハイマー氏病、パーキンソン病、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、てんかん、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤(請求項12)や、一般式(Ia)
【0021】
【化26】

[式中、X、X、X、R及びRは、上記一般式(I)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同義の基を示し、Lは脱離基を示す。]で表される化合物と、一般式(IIa)
Met−Y1p (IIa)
[式中、Metは、金属原子含有原子団を示し、Y1pは、上記一般式(II)
【0022】
【化27】

で表されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ酸、水酸基、カルボキシル基等において保護基を有する基を示す。]で表される化合物とを触媒存在下、反応させ、一般式(Ib)
【0023】
【化28】

[式中、X、X,X、R及びRは、一般式(Ia)におけるX、X,X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Y1pは、一般式(IIa)におけるY1pと同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じて、Y1pにおける官能基の保護基の除去又は変換を行うことを特徴とする、一般式(I−1)
【0024】
【化29】

[式中、X、X,X、R及びRは、一般式(Ib)におけるX、X,X、R及びRと同じ基を示し、Yは一般式(Ib)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物の製造方法(請求項13)や、一般式(Ic)
【0025】
【化30】

[式中、X及びXは、上記一般式(I)におけるX及びXとそれぞれ同義の基を示し、Y1pは上記一般式(II)で表されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ酸、水酸基、カルボキシル基等の保護基を有する基を示し、Lは脱離基を示す。]で表される化合物と、式(Id)
【0026】
【化31】

[式中、R、R及びXは、上記一般式(I)におけるR、R及びXとそれぞれ同義の基を示す。]で表される化合物とを塩基性条件下又は触媒存在下で反応させ、一般式(Ie)
【0027】
【化32】

[式中、X、X及びY1pは、一般式(Ic)におけるX、X及びY1pとそれぞれ同じ基を示し、X、R及びRは、一般式(Id)におけるX、R及びRとそれぞれ同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じて、Y1pにおける官能基の保護基の除去又は変換を行うことを特徴とする、一般式(I−2)
【0028】
【化33】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ie)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは、一般式(Ie)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物の製造方法(請求項14)や、一般式(If)
【0029】
【化34】

[式中、X、X、X、R及びRは、上記一般式(I)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同義の基を示し、Metは金属原子含有原子団を示す。]で表される化合物と、一般式(IIb)
1p−L (IIb)
[式中、Y1pは、上記一般式(II)で示されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ酸、水酸基、カルボキシル基等の保護基を有する基を示し、Lは一般的な脱離基を示す。]で表される化合物とを反応させ、一般式(Ig)
【0030】
【化35】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(If)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Y1pは、一般式(IIb)におけるY1pと同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じてY1pにおける官能基の保護基の除去又は変換を行うことを特徴とする、一般式(I−3)
【0031】
【化36】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ig)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは、一般式(Ig)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物を製造する方法(請求項15)に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本明細書において、特に断りがない限り、下記の基としては、以下のものを具体的に挙げることができる。
【0033】
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
【0034】
「低級アルキル基」としては、直鎖又は分岐を有するC1〜C6のアルキル基であって、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等を挙げることができる。
【0035】
「低級アルコキシ基」としては、水酸基の水素原子が前記低級アルキル基で置換された基であって、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
【0036】
「モノ低級アルキルカルボニルオキシ基」としては、ホルミルオキシ基の水素原子が前記低級アルキル基と置換して形成されるカルボニルオキシ基であって、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0037】
「アルカノイル基」としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基等の低級アルカノイル基を挙げることができる。
【0038】
「C3〜C9のシクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基等を挙げることができる。
【0039】
「アリール基」としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を例示することができる。
【0040】
「アラルキル基」としては、前記アリール基を有する前記低級アルキル基であって、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0041】
「ヘテロアリール基」としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子を1〜3含んだ5員又は6員の単環のヘテロアリール基であって、例えば、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、1−(1,2,4−トリアゾリル)基、3−(1,2,4−トリアゾリル)基、1−(1,2,3−トリアゾリル)基、4−(1,2,3−トリアゾリル)基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、4−(1,2,3−チアジアゾリル)基、3−(1,2,4−チアジアゾリル)基、2−(1,3,4−チアジアゾリル)基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソキサゾリル基、4−イソキサゾリル基等の5員環基や、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、5−ピリダジニル基、2−ピラジニル基等の6員環基を挙げることができる。
【0042】
「ヘテロシクロ環基」としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子を1〜3を含んだ3員〜8員の単環のヘテロシクロ環基であって、例えば、1−アジリジニル基、1−アゼチジニル基、2−アゼチジニル基、1−ピロリジニル基、2−ピロリジニル基、3−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、4−ピペリジル基、1−ヘキサメチレンイミニル基、2−ヘキサメチレンイミニル基、3−ヘキサメチレンイミニル基、4−ヘキサメチレンイミニル基、1−ヘプタメチレンイミニル基、2−ヘプタメチレンイミニル基、3−ヘプタメチレンイミニル基、4−ヘプタメチレンイミニル基、1−ピラゾリジニル基、3−ピラゾリジニル基、4−ピラゾリジニル基、1−ピペラジニル基、2−ピペラジニル基、1−ホモピペラジニル基、2−ホモピペラジニル基、5−ホモピペラジニル基、6−ホモピペラジニル基、2−オキセタニル基、3−オキセタニル基、2−テトラヒドロフラニル基、3−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基、4−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロチオフェニル基、3−テトラヒドロチオフェニル基、2−チアニル基、3−チアニル基、4−チアニル基、2−モルホリニル基、3−モルホリニル基、モルホリノ基、2−チアゾリジニル基、3−チアゾリジノ基、4−チアゾリジニル基、5−チアゾリジニル基等を挙げることができる。
【0043】
「シクロアルキルイミノカルバモイル基」は、シクロアルキルイミノ基で置換されたカルバモイル基である。ここで、シクロアルキルイミノ基とは、前記定義のシクロアルキル基を構成するCHの1つが、NHで置換された基を意味する。シクロアルキルイミノカルバモイル基としては、例えば、アゼチジン−2−イル−カルバモイル基、アゼチジン−3−イル−カルバモイル基、ピロリジン−2−イル−カルバモイル基、ピロリジン−3−イル−カルバモイル基、ピペリジン−2−イル−カルバモイル基、ピペリジン−3−イル−カルバモイル基、ピペリジン−4−イル−カルバモイル基、ヘキサメチレンイミン−2−イル−カルバモイル基、ヘキサメチレンイミン−3−イル−カルバモイル基、ヘキサメチレンイミン−4−イル−カルバモイル基、ヘプタメチレンイミン−2−イル−カルバモイル基、ヘプタメチレンイミン−3−イル−カルバモイル基、ヘプタメチレンイミン−4−イル−カルバモイル基、ヘプタメチレンイミン−5−イル−カルバモイル基等を挙げることができる。
【0044】
「モノ低級アルキルカルバモイル基」としては、1つの前記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基であって、例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、sec−ブチルカルバモイル基、tert−ブチルカルバモイル基等を挙げることができる。
【0045】
「ジ低級アルキルカルバモイル基」としては、2つの同一又は異なる前記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基であって、例えば、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイル基、メチルプロピルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基等を挙げることができる。
【0046】
また、かかるジ低級アルキルカルバモイル基には、カルバモイル基を構成する窒素原子と該窒素原子に結合した同一又は異なる低級アルキル基が一緒になって、形成される5員〜8員の単環やスピロ環や、5員〜8員の単環とベンゼン環若しくはピリジン環とが縮合した双環も含まれ、具体的には、下記の式(b)で表される基等を挙げることができる。
【0047】
【化37】

「ラクタム環」としては、環内に、−N(R)−C(O)−で表される基を含む3員〜9員の単環や、かかる環中に、炭素−炭素二重結合を1又は2有するものや、−N−C(O)−を構成する窒素原子以外に、酸素原子若しくは窒素原子を1又は2有するものであってもよい。ラクタム環の結合位置は、結合可能な位置であれば、特に限定されることはない。ここで、Rは水素原子又は低級アルキル基を示す。かかるラクタム環としては、より具体的には、例えば、下記の式(c)で表される基等が挙げられる。
【0048】
【化38】

これらのうち、β−プロピオラクタム、2−ピロリドン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2−ピペラドン−1−イル、2−モルホリドン−1−イルが好ましい。
【0049】
「モノ低級アルキルアミノ基」としては、1つの前記低級アルキル基で置換されたアミノ基であって、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基又はtert−ブチルアミノ基等を挙げることができる。
【0050】
「ジ低級アルキルアミノ基」としては、2つの前記低級アルキル基で置換されたアミノ基であって、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基又はメチルプロピルアミノ基等を挙げることができる。
【0051】
「モノ低級アルキルアミノカルボニルオキシ基」とは、1つの前記低級アルキル基で置換されたアミノ基がホルミルオキシ基の水素原子と置換して形成されるカルボニルオキシ基であって、例えば、メチルアミノカルボニルオキシ基、エチルアミノカルボニルオキシ基、プロピルアミノカルボニルオキシ基、イソプロピルアミノカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0052】
「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」としては、2つの同一又は異なる前記低級アルキル基で置換されたアミノ基がカルバモイルオキシ基であって、例えば、ジメチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基、ジイソプロピルカルバモイルオキシ基、エチルメチルカルバモイルオキシ基等を挙げることができる。
【0053】
「アルキレン基」とは、C1〜C6の直鎖又は分岐を有するアルキレン基を意味し、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
【0054】
本発明の新規ピペリジン誘導体は、一般式(I)
【0055】
【化39】

で表されるように、ピペリジン環の4位に所定の窒素含有ヘテロシクロ環が結合され、ピペリジン環の1位に所定の芳香族環が結合されたピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を含有するものであれば特に限定されるものではない。
【0056】
一般式(I)中、ピペリジン環の4位に結合される窒素含有ヘテロシクロ環基におけるXは、O−(CHを示し、sは0又は1を、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示し、窒素含有ヘテロシクロ環基としては、4員〜8員環基であって、具体的には、1−アゼチジニル基、1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミニル基、1−ヘプタメチレンイミニル基、モルホリノ基等を挙げることができ、このうち、1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミニル基が好ましく、特にピペリジノ基が好ましい。
【0057】
かかる窒素含有ヘテロシクロ環基におけるR及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示し、R及びRが示すハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基としては、具体的に上記記載の基などを挙げることができ、また、R及びRが示す2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基としては、パーフルオロアセチル基、ジフルオロアセチル基等を挙げることができる。かかる置換基のうち、R及びRは水素原子を示すことが好ましい。
【0058】
一般式(I)中、ピペリジン環の1位に結合される芳香族環におけるX及びXは、独立して窒素原子又はCHを示すものであるが、後述するようにかかる芳香族環に結合される水素原子又は置換基Yにより、好ましい組み合わせが選択される。
【0059】
一般式(I)中、ピペリジン環の1位に結合される芳香族環の置換基Yは、一般式(II)
【0060】
【化40】

で表される。一般式(II)中、LはC1〜C4のアルキレン基又は単結合を示し、好ましくは単結合又は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のC1〜C3のアルキレン基を示し、単結合、メチレン基、エチレン基を示すことがより好ましい。
【0061】
一般式(II)中、Mは酸素原子又は一般式(III)
【0062】
【化41】

で表される基を示す。一般式(III)中、Rは、水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示し、Rが示すC1〜C4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができ、これらのうちメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基が好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基をより好ましいものとして挙げることができる。
【0063】
かかる一般式(II)におけるj、k又はlは、独立して0又は1を示し、一般式(II)によりYが示す基としては、
−Q、−(CH−Q(nは1〜4の整数を示す。以下同じ。)、
−O−Q、−(NR)−Q、−(CH−(NR)−Q
−(CO)−Q、−(CO)−(CH−Q、−(CO)−O−Q、−(CO)−(NR)−Q、−(CO)−(CH−O−Q、−(CO)−(CH−(NR)−Q
−O−(CH−Q
−O−O−Q、−O−(NR)−Q、−O−(CH−O−Q、−O−(CH−(NR)−Q
−O−(CO)−Q、−O−(CO)−(CH−Q、−O−(CO)−O−Q、−O−(CO)−(NR)−Q、−O−(CO)−(CH−O−Q、−O−(CO)−(CH−(NR)−Q
であるが、このうち、−(CH−Q、−(CO)−Q、−(CO)−O−Q、−(CH−(CO)−Q、−(CH−(CO)−O−Q、−(CO)−(NR)−Q、−(CH−(CO)−(NR)−Q、−O−Q、−O−(CH−Qが好ましく、より好ましくは、−(CH−Q、−(CO)−O−Q、−(CH−(CO)−O−Q、−(CO)−(NR)−Q、−(CH−(CO)−(NR)−Q、−O−Q、−O−(CH−Qである。
【0064】
一般式(II)中、Qは、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、縮合していてもよいC3〜C9シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基を示し、これらの基は未置換又は、置換基として、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、又はヘテロアリール基で置換されていてもよい。)、シクロアルキル基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、アルカノイル基から選ばれる1又は2以上を有していてもよい。
【0065】
かかるQが示す直鎖若しくは分岐の低級アルキル基としては、直鎖又は分岐を有するC1〜C6のアルキル基を挙げることができ、具体的には上記記載の基などを挙げることができ、これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基がより好ましい。
【0066】
かかるQが示す直鎖又は分岐の低級アルキル基が有していてもよい置換基としては、前記置換基のうち、シアノ基、水酸基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、ジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイル基、及びトリフルオロメチル基が好ましく、水酸基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、及びトリフルオロメチル基がより好ましい。
【0067】
ここでQが示す直鎖又は分岐の低級アルキル基における置換基の低級アルコキシ基としては、具体的に上記記載の基などを挙げることができ、かかる低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、具体的に上記記載の基などを挙げることができる。また、Qが示す直鎖又は分岐の低級アルキル基における置換基のジ低級アルキルカルバモイル基や、ジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基としては、具体的に上記記載の基などを挙げることができる。Qが示す直鎖又は分岐の低級アルキル基において上記の置換基を結合可能な位置に1又は2有していてもよい。
【0068】
一般式(II)中、Qが示すC3〜C9のシクロアルキル基としては、具体的に上記記載の基などを挙げることができ、これらのうち、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が好ましく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。Qが示すC3〜C9のシクロアルキル基としては、ベンゼン環と縮合した、例えば、1−ベンゾ[b]シクロプロピル基、1−ベンゾ[b]シクロブチル基、1−ベンゾ[b]シクロペンチル基、1−ベンゾ[b]シクロヘキシル基、1−ベンゾ[c]ヘプチル基、1−ベンゾ[c]シクロオクチル基、1−ベンゾ[c]シクロノニル基等の双環基であってもよい。
【0069】
かかるQが示すC3〜C9のシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基が好ましく、このうち水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基がより好ましい。ここで、Qが示すC3〜C9のシクロアルキル基の置換基における「低級アルキル基」、「低級アルコキシ基」、「ハロゲン原子」、「モノ低級アルキルカルボニルオキシ基」、「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」、「モノ低級アルキルカルバモイル基」、「ジ低級アルキルカルバモイル基」、「シクロアルキルイミノカルバモイル基」、「ラクタム環」、「モノ低級アルキルアミノ基」、「ジ低級アルキルアミノ基」としては、具体的には前記のものと同様の基などを挙げることができる。Qが示すC3〜C9のシクロアルキル基においてこれらの置換基を結合可能な位置に1又は2有していてもよい。
【0070】
一般式(II)中、Qが示すフェニル基が有していてもよい置換基としては、前記記載の置換基のうち、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基が好ましく、このうち水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基がより好ましい。ここで、Qが示すフェニル基の置換基における「低級アルキル基」、「低級アルコキシ基」、「ハロゲン原子」、「モノ低級アルキルカルボニルオキシ基」、「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」、「モノ低級アルキルカルバモイル基」、「ジ低級アルキルカルバモイル基」、「シクロアルキルイミノカルバモイル基」、「ラクタム環」、「モノ低級アルキルアミノ基」、「ジ低級アルキルアミノ基」としては、具体的には前記記載の基などと同様の基などを挙げることができる。Qが示すフェニル基はこれらの置換基を結合可能な位置に1又は2有していてもよい。
【0071】
一般式(II)中、Qが示すナフチル基の有していてもよい置換基としては、前記記載の置換基のうち、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基が好ましく、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基がより好ましい。ここで、Qが示すC3〜C9のナフチル基の置換基における「低級アルキル基」、「低級アルコキシ基」、「ハロゲン原子」、「モノ低級アルキルカルボニルオキシ基」、「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」、「モノ低級アルキルカルバモイル基」、「ジ低級アルキルカルバモイル基」、「ラクタム環」、「モノ低級アルキルアミノ基」、「ジ低級アルキルアミノ基」としては、具体的には前記のものと同様の基などを挙げることができる。Qが示すナフチル基はこれらの置換基を結合可能な位置に1又は2有していてもよい。
【0072】
一般式(II)中、Qが示す縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3含んだ3員〜8員の環状の化合物であり、かかるヘテロ環基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3有する、5員又は6員のヘテロアリール基としての単環基や、これら単環のヘテロアリール環にベンゼン環若しくはピリジン環とが縮合した双環基や3環基、また、3員〜8員のヘテロシクロ環基としての単環基や、これら単環のヘテロシクロ環にベンゼン環若しくはピリジン環とが縮合した双環基を挙げることができる。かかる5員又は6員のヘテロアリール基としては、上記記載の基と同様の基などを挙げることができ、これらのうち、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、ピラゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基がより好ましい。
【0073】
また、かかるQが示す単環のヘテロアリール環とベンゼン環若しくはピリジン環とが縮合して形成される双環基や3環基として、例えば、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−キノリル基、4−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、3−ベンゾオキサゾリル基、1−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、1−フタラジニル基、2−フタラジニル基、キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、4−(4H−キノリジニル)基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、1−ピリドイミダゾリル基、2−イミダゾピリジル基、2−(1,5−ナフチリジニル)基、2−(1,8−ナフチリジニル)基、2−(2,7−ナフチリジニル)基、2−ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリドオキサゾリル基、ピリドチアゾリル基、ピリドイソチアゾリル基、ベンゾチエニル基等の双環基や、2−ベンゾ[g]キノリル基、2−ピリド[g]キノリル基、2−ベンゾ[g]キナゾリニル基、2−ピリド[g]キナゾリニル基、3−ベンゾ[g]シンノリル基、3−ピリド[g]シンノリル基、2−ベンゾ[g]キノキサリル基、2−ピリド[g]キノキサリル基等の3環基が挙げられ、これらのうち、ベンズフラニル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、イミダゾピリジニル基が好ましく、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、イミダゾピリジニル基がより好ましい。
【0074】
また、かかるQが示す3員〜8員のヘテロシクロ環としては、上記記載のものと同様の基などを挙げることができ、これらのうち、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ホモピペリジニル基、モルホリニル基、ホモモルホニリル基が好ましく、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基がより好ましい。
【0075】
また、かかるQが示す単環の3員〜8員のヘテロシクロ環とベンゼン環若しくはピリジン環とが縮合した双環基としては、例えば、1−ベンゾ[b]アゼチジニル基、2−ベンゾ[c]アゼチジニル基、1−ベンゾ[b]ピロリジニル基、2−ベンゾ[d]ピロリジニル基、3−ベンゾ[d]ピロリジニル基、1−ベンゾ[b]ピペリジノ基、2−ベンゾ[e]ピペリジル基、3−ベンゾ[e]ピペリジル基、4−ベンゾ[b]ピペリジル基、1−ベンゾ[c]ヘキサメチレンイミニル基、2−ベンゾ[d]ヘキサメチレンイミニル基、3−ベンゾ[e]ヘキサメチレンイミニル基、4−ベンゾ[f]ヘキサメチレンイミニル基、1−ベンゾ[e]ヘプタメチレンイミニル基、2−ベンゾ[e]ヘプタメチレンイミニル基、3−ベンゾ[c]ヘプタメチレンイミニル基、4−ベンゾ[c]ヘプタメチレンイミニル基、1−ベンゾ[d]ピラゾリジニル基、3−ベンゾ[d]ピラゾリジニル基、4−ベンゾ[d]ピラゾリジニル基、1−ベンゾ[b]ピペラジニル基、2−ベンゾ[b]ピペラジニル基、1−ベンゾ[b]ホモピペラジニル基、2−ベンゾ[e]ホモピペラジニル基、5−ベンゾ[f]ホモピペラジニル基、6−ベンゾ[b]ホモピペラジニル基、2−ピリド[b]テトラヒドロフラニル基、3−ピリド[b]テトラヒドロフラニル基、2−ピリド[b]テトラヒドロピラニル基、3−ピリド[d]テトラヒドロピラニル基、4−ピリド[b]テトラヒドロピラニル基、2−ピリド[e]モルホリニル基、3−ピリド[e]モルホリニル基、ピリド[b]モルホリノ基、2−ベンゾ[d]チアゾリジニル基、3−ベンゾ[d]チアゾリジノ基等の双環基を挙げることができる。
【0076】
また、上記Qが示す縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基の有していてもよい置換基としては、前記記載の置換基のうち、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基が好ましく、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子又はアミノ基で置換されていてもよい。)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルボニルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基がより好ましい。ここで、Qが示す3員〜8員のヘテロ環基における「低級アルキル基」、「低級アルコキシ基」、「ハロゲン原子」、「モノ低級アルキルカルボニルオキシ基」、「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」、「モノ低級アルキルカルバモイル基」、「ジ低級アルキルカルバモイル基」、「ラクタム環」、「モノ低級アルキルアミノ基」、「ジ低級アルキルアミノ基」としては、具体的には前記のものと同様の基などを挙げることができる。Qが示す3員〜8員のヘテロ環基や、これらとベンゼン環若しくはピリジン環とが縮合した双環基又は3環基は、上記置換基を結合可能な位置に1又は2有していてもよい。
【0077】
更に、一般式(II)で表されるYとしては、以下に示す(1)、(2)が好ましい。
(1)の場合
一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0078】
【化42】

で表される基であることが好ましく、一般式(IV)で表されるYは、以下の4態様であることが好ましい。
【0079】
第1の態様としては、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(V)
【0080】
【化43】

(式中、Rは、水素原子、低級アルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、アラルキル基又はヘテロアリール基を示し、nは、0又は1〜4のいずれかの整数を示す。)で表される基を示す場合である。一般式(IV)中、Rが示す低級アルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基等を挙げることができ、Rが示す基としては、メチル基、水素原子、エチル基の順に好ましい。Rを示す一般式(V)におけるRが示す低級アルキル基としては、メチル基、エチル基等を挙げることができ、アラルキル基としては、具体的に上記記載のものと同様の基などを挙げることができ、C3〜C8のシクロアルキル基としては、上記記載のC3〜C9のシクロアルキル基において例示のシクロノニル基以外のものと同様の基などを挙げることができ、ヘテロアリール基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有する5員又は6員のヘテロアリール基の単環基であって、上記記載のヘテロアリール基と同様のものなどを挙げることができる。
【0081】
第2の態様としては、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(VI)
−(CH−A (VI)
で表される基(式中、Aは、アリール基、ヘテロアリール基、C4〜C7のシクロアルキル基とアリール基の縮合双環基、又はC4〜C7のシクロアルキル基とヘテロアリール基の縮合双環基を示し、qは、0又は1〜3のいずれかの整数を示す。)を示す場合である。一般式(IV)中、Rが示す低級アルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基等を挙げることができ、Rを示す一般式(VI)におけるAが示す、アリール基やヘテロアリール基としては具体的に上記記載のものと同様の基などを挙げることができ、C4〜C7のシクロアルキル基としては、具体的に、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを挙げることができる。
【0082】
第3の態様としては、一般式(IV)中、R及びRが互いに結合する窒素原子と一体となった窒素含有ヘテロシクロ環基を示す場合である。かかる窒素含有ヘテロシクロ環基としては、ピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼチジニル基、ホモピペリジニル基、若しくはヘプタメチレンイミニル基等の単環基を挙げることができる。
【0083】
第4の態様としては、第3の態様に示す窒素含有ヘテロシクロ環基と、フェニル基若しくはピリジル基とが縮合した双環である場合である。かかる双環基としては、上記記載のヘテロシクロ環基と同様の基などを挙げることができる。
【0084】
一般式(II)中で表されるYが上記4つの態様の場合、Yが結合する一般式(I)における芳香族環としては、X及びXが、同時にCHを示すフェニル基、又はいずれか一方が窒素原子を示すピリジン環であることが好ましい。
(2)の場合
一般式(II)で表されるYが、未置換、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は2の置換基を環内に有し、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1〜3有するアリール基又は5員若しくは6員のヘテロアリール基であることが好ましい。かかるアリール基又は5員若しくは6員のヘテロアリール基としては、一般式(V)におけるRや、一般式(VI)におけるAが示すアリール基又は5員若しくは6員のヘテロアリール基と同様の基などを挙げることができる。更に、かかるアリール基又は5員若しくは6員のヘテロアリール基の環内における置換基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基や、メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基や、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子や、水酸基などを挙げることができる。一般式(II)で表されるYが、未置換若しくは上記置換基を有するアリール基やヘテロアリール基の場合、Yが結合する一般式(I)におけるピペリジン環の1位に結合する芳香族環は、X及びXが、同時に窒素原子を示すピリミジン環であることが好ましい。
【0085】
かかる一般式(I)で表されるピペリジン誘導体としては、具体的に、表1〜表5に記載する化合物等を例示することができる。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
【表3】


【0089】
【表4】

【0090】
【表5】

【0091】
更に、これらのピペリジン誘導体のうち、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(1)、
N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(2)、
N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(3)、
N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(4)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(5)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(6)、
N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(7)、
N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(8)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(9)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(10)、
N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(11)、
2−{4−(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(12)、
1−{4−(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13)、
1−{4−(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン(14)、
N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(15)、
N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(16)、
N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(17)、
1−{4−(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(18)、
1−{4−(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン(19)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(20)が好ましい。
【0092】
更に、本発明のピペリジン誘導体として、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(21)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(22)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(23)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン(24)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン(25)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(26)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン(27)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン(28)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]ピリミジン(29)、
1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン(30)、
1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン(31)等が好ましい。
【0093】
かかる一般式(I)で表されるピペリジン誘導体の薬学的に許容される塩としては、特に限定されるものではなく、例えば、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩や、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩等の無機酸塩や、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等の低級アルキルスルホン酸塩や、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のアリ−ルスルホン酸塩や、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩や、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸等の有機酸などの酸付加塩を挙げることができ、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩や、アンモニウム塩、グアニジン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基等の塩基付加塩を挙げることができる。更に、本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体は、これらのエステルであってもよく、また、遊離化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルの任意の水和物又は溶媒和物としての存在であってもよい。
【0094】
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体の製造方法について説明する。一般式(I)で表されるピペリジン誘導体は、公知の反応手段や、公知方法に従って、通常の液相における合成法のみならず、近年発達の目覚ましい例えばコンビナトリアル合成法やパラレル合成法等の固相を用いた方法によっても製造することができる。
【0095】
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体の製造方法を、以下に説明する。
[製造方法1]
一般式(Ia)
【0096】
【化44】

[式中、X、X、X、R及びRは、上記一般式(I)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同義の基を示し、Lは脱離基を示す。]で表される化合物と、一般式(IIa)
Met−Y1p (IIa)
[式中、Metは金属原子含有原子団を示し、Y1pは、上記一般式(II)
【0097】
【化45】

で表されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ基、水酸基、カルボキシル基等において保護基を有する基を示す。]で表される化合物とを触媒存在下、反応させ、一般式(Ib)
【0098】
【化46】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ia)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Y1pは、一般式(IIa)におけるY1pと同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じてY1pにおける官能基の保護基の除去又は変換(アミン残基のアシル化、カルボン酸残基のアミド化、アルコール残基のアルキル化等)を行なうことにより、一般式(I−1)
【0099】
【化47】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ib)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは一般式(Ib)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物を製造することができる。
【0100】
上記一般式(IIa)におけるMetで表される金属原子含有原子団は、クロスカップリング反応に一般的に用いられる有機金属原子団が好ましく、かかる金属原子含有原子団に含有される金属原子としては、例えばリチウム、ホウ素、珪素、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、錫等、より好ましくはホウ素、亜鉛、錫等が挙げられ、これらの金属原子含有原子団の具体的な形態としては、例えばホウ素についてはホウ酸又はホウ酸エステル等、亜鉛については塩化亜鉛、臭化亜鉛又はヨウ化亜鉛等、錫についてはトリ低級アルキル錫等を挙げることができる。一般式(IIa)におけるYの保護基を含むY1pについては後述する。
【0101】
上記一般式(Ia)で表される化合物と一般式(IIa)で表される化合物から、一般式(Ib)で表される化合物を製造する反応は、通常、化合物(Ia)の1モルに対して、化合物(IIa)を0.5モルないし5モル、好ましくは0.7モルないし3モル用いて行われる。反応に用いられる触媒としては、例えば、銅、ニッケル、パラジウム等のクロスカップリング反応で一般的に用いられる遷移金属が挙げられ、より具体的には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、パラジウム(II)アセテート、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド等が好ましい。反応は、通常、不活性溶媒中で行われ、当該不活性溶媒としては、例えば水、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、室温ないし反応に用いる溶媒の沸点、好ましくは20℃ないし200℃である。反応時間は、通常、30分間ないし7日間、好ましくは3時間ないし2日間である。
【0102】
また上記一般式(Ia)で表される化合物と一般式(IIa)で表される化合物との反応は、塩基の存在下で行うことが好ましく、当該塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の有機塩基が挙げられる。当該塩基の使用量としては、通常、一般式(Ia)で表される化合物1モルに対して、当該塩基を0.5モルないし5モル、好ましくは0.7モルないし3モル用いて行われる。
【0103】
上記一般式(Ia)で表される化合物と一般式(IIa)で表される化合物との反応において、一般式(Ia)で表される化合物や、一般式(IIa)におけるY1pにおいて、反応に関与させないアミノ基、イミノ基、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、カルボニル基等について保護基で保護した後に反応を行い、反応後に当該保護基を除去することができる。かかるアミノ基若しくはイミノ基の保護基としては、その機能を有するものであればいずれのものであってもよく、例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基や;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基等の低級アルカノイル基や;ベンゾイル基、フェニルアセチル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル基や;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基や;ベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基や;トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基や;テトラヒドロピラニル基や;トリメチルシリルエトキシメチル基や;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等の低級アルキルスルホニル基や;ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基などが挙げられ、特にアセチル基、ベンゾイル基、tert−ブトキシカルボニル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、メチルスルホニル基等が好ましい。
【0104】
一般式(Ia)で表される化合物や、一般式(IIa)におけるY1pにおいて、反応に関与させない水酸基の保護基としては、その機能を有するものであればいずれのものであってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基や;トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基や;メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基や;テトラヒドロピラニル基や;トリメチルシリルエトキシメチル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等のアラルキル基や;ホルミル基、アセチル基等のアシル基などが挙げられ、特にメチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリチル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、アセチル基等が好ましい。
【0105】
一般式(Ia)で表される化合物や、一般式(IIa)におけるY1pにおいて、反応に関与させないカルボキシル基の保護基としては、その機能を有するものであればいずれのものであってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基や;2,2,2−トリクロロエチル基等のハロ低級アルキル基や;2−プロペニル基等の低級アルケニル基や;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基などが挙げられ、特にメチル基、エチル基、tert−ブチル基、2−プロペニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ベンズヒドリル基等が好ましい。
【0106】
一般式(Ia)で表される化合物や、一般式(IIa)におけるY1pにおいて、反応に関与させないオキソ基又はカルボニル基の保護基としては、その機能を有するものであればいずれのものであってもよく、例えばエチレンケタール、トリメチレンケタール、ジメチルケタール等のアセタール、ケタール等が挙げられる。
【0107】
このようにして得られた一般式(Ib)で表される化合物を常法に従って精製し、又は精製することなく、式中、Y1pに保護されたアミノ基、水酸基、カルボキシル基、オキソ基及びカルボニル基等を有する場合、かかる保護基の除去又は変換を行うことにより、一般式(I−1)で表される化合物を製造することができる。かかる保護基の除去法は、当該保護基の種類及び目的化合物(I−1)の安定性等により異なるが、例えば文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981年)参照]又はそれに準じる方法に従って、酸又は塩基を用いる加溶媒分解、例えば0.01モルないし大過剰の酸、好ましくはトリフルオロ酢酸、ギ酸、塩酸等、又は等モルないし大過剰の塩基、好ましくは水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を作用させる方法や、水素化金属錯体等を用いる化学的還元、又はパラジウム−炭素触媒、ラネーニッケル触媒等を用いる接触還元等により行うことができる。
[製造方法2]
一般式(Ic)
【0108】
【化48】

[式中、X及びXは上記一般式(I)におけるX及びXとそれぞれ同義の基を示し、Y1pは上記一般式(II)で表されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ基、水酸基、カルボキシル基等の保護基を有する基を示し、Lは脱離基を示す。]で表される化合物と、一般式(Id)
【0109】
【化49】

[式中、R、R及びXは上記一般式(I)におけるR、R及びXとそれぞれ同義の基を示す。]で表される化合物とを塩基性条件下又は触媒存在下で反応させ、一般式(Ie)
【0110】
【化50】

[式中、X、X及びY1pは一般式(Ic)におけるX、X及びY1pとそれぞれ同じ基を示し、X、R及びRは一般式(Id)におけるX、R及びRとそれぞれ同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じてY1pにおける官能基の保護基の除去又は変換(アミン残基のアシル化、カルボン酸残基のアミド化、アルコール残基のアルキル化等)を行なうことにより、一般式(I−2)
【0111】
【化51】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ie)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは一般式(Ie)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物を製造することができる。
【0112】
それぞれの化合物やY1pにおいて反応に関与させない官能基に対しての保護基の導入や、反応後のかかる保護基の除去又は変換や、反応終了後の処理等は、上述の製造方法1に記載した方法に準じた方法により行うことができる。
[製造方法3]
一般式(If)
【0113】
【化52】

[式中、X、X、X、R、及びRは上記一般式(I)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同義の基を示し、Metは金属原子含有原子団を示す。]で表される化合物と、一般式(IIb)
1P−L (IIb)
[式中、Y1pは、上記一般式(II)で示されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ基、水酸基、カルボキシル基等の保護基を有する基を示し、Lは一般的な脱離基を示す。]で表される化合物とを触媒存在下、反応させ、一般式(Ig)
【0114】
【化53】

[式中、X、X、X、R及びRは一般式(If)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Y1pは一般式(IIb)におけるY1pと同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じてY1pにおける官能基の保護基の除去又は変換(アミン残基のアシル化、カルボン酸残基のアミド化、アルコール残基のアルキル化等)を行なうことにより、一般式(I−3)
【0115】
【化54】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ig)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは、一般式(Ig)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物を製造することができる。
【0116】
上記各製造方法において使用する出発物質である一般式(Ia)、一般式(IIa)で表される化合物や、一般式(Ic)、一般式(Id)で表される化合物や、一般式(IIb)で表される化合物は、公知の方法若しくはそれに準じる方法、又は実施例・参考例に記載する方法等を必要に応じ適宜組み合わせることにより得ることができる。
【0117】
また、上記製造方法において使用する出発物質である一般式(If)で表される化合物は、
1)一般式(Ia)で表される化合物と低級アルキル金属との反応
2)一般式(Ia)で表される化合物と低級アルキル金属と反応した後、金属ハラ イド若しくはエステルとの反応
3)一般式(Ia)で表される化合物と触媒存在下、例えば、ビス(トリ低級アル キルスズ)若しくは、ビス(ボロン酸エステル)との反応
により得ることができる。
【0118】
また、上記製造方法において、生成される一般式(Ib)、一般式(I−1)、一般式(Ie)、一般式(I−2)、一般式(Ig)又は一般式(I−3)で表される化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製できる。かかる手段としては、例えば溶媒抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等を例示することができる。
【0119】
一般式(I)で表されるピペリジン誘導体の薬学的に許容できる塩の製造方法は、上記方法等によって得られたピペリジン誘導体に酸、塩基を付加する方法を挙げることができる。ピペリジン誘導体の酸付加塩を製造するには、例えば、ピペリジン誘導体に塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸、硝酸、過塩素酸、硫酸、燐酸、炭酸等の無機酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の低級アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリ−ルスルホン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、シュ酸、マレイン酸等の有機酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸等の有機酸を添加することができる。また、ピペリジン誘導体の酸付加塩を製造するには、例えば、ピペリジン誘導体にナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、グアニジン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基を添加することにより製造することができる。
【0120】
また、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体のエステルも、常法により製造することができ、逆に、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体の薬学的に許容され得る塩又はエステルの変換により、遊離のピペリジン誘導体とすることも常法に従って行うことができる。
【0121】
一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、ヒスタミンH3受容体発現細胞へのNα−methylhistamine(ヒスタミンアナログ)の結合を著しく阻害し、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストとして有効に作用する。また、R−α−methylhistamine(選択的アゴニスト)のin vitroでの作用を著しく阻害する。
【0122】
本発明のヒスタミンH3受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするものであれば、特に制限されるものではなく、投与方法も経口又は非経口的いずれであってもよく、投与に適する形態に製剤化して適用することができる。かかるヒスタミンH3受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストは、例えば肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝等の代謝系疾患や、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患や、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、アルツハイマー氏病、パーキンソン病、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、てんかん、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患に効能を有する。
【0123】
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を臨床的に用いるにあたり、その投与形態に合わせ薬剤学的に許容される添加剤を加え各種製剤化して投与することができる。その際の添加剤としては、製剤分野において通常用いられる各種の添加剤が使用可能であり、例えばゼラチン、乳糖、白糖、酸化チタン、デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプン、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水りん酸カルシウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、植物油、ベンジルアルコール、アラビアゴム、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロデキストリン又はヒドロキシプロピルシクロデキストリン等が挙げられる。
【0124】
これらの添加剤との混合物として製剤化される剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは坐剤等の固形製剤;又は例えばシロップ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤等が挙げられ、これらは、製剤分野における通常の方法に従って調製することができる。なお、液体製剤にあっては、適用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させる形であってもよい。また、特に注射剤の場合、必要に応じて生理食塩水又はブドウ糖液に溶解又は懸濁させてもよく、更に緩衝剤や保存剤を添加してもよい。これらの製剤中、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を全薬剤1.0〜100重量%、好ましくは1.0〜60重量%の割合で含有することができる。
【0125】
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を臨床の場で使用する場合、その投与量及び投与回数は、患者の性別、年齢、体重、症状の程度及び目的とする処置効果の種類と範囲等により異なるが、一般に経口投与の場合、成人1日あたり、0.01〜100mg/kg、好ましくは0.03〜1mg/kgを1〜数回に分けて、また非経口投与の場合は、0.001〜10mg/kg、好ましくは0.001〜0.1mg/kgを1〜数回に分けて投与することができるが、この範囲に限定されることはなく、通常の内科医、獣医又は臨床医が病状進行を阻止し、抑制し又は停止させるに必要と判断する効果的薬物量を投与することができる。
【0126】
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、代謝障害及び/又は摂食障害、循環器系障害、中枢及び末梢神経系障害に対して治療上有効な1種又は2種以上の他剤と組み合わせて使用することができる。そのような組み合わせの個々の成分は、処置期間中、同時、別々の異なる時又は時間をおいて順次に、分割された又は単一の製剤で投与することができる。かかる成分として、例えば高血圧、肥満に関連する高血圧、高血圧関連疾病、心臓肥大、左心室肥大、代謝性疾患、肥満、肥満関連疾病等に有効な薬剤を挙げることができ、いわゆるコンビネーション療法の併用用薬剤として併用することができる。
【0127】
かかるコンビネーション療法の併用用薬剤は、本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩とその1種又は2種以上を同時に投与する場合、単一の投与形態である医薬組成物であってもよく、同時に、別々に、又は順次に投与する場合、異なった包装であってもよい。併用用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。併用用薬剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩と併用用薬剤とを適宜組み合わせて適用することができる。併用用薬剤との投与形態としては、例えば、1)本発明の化合物と併用用薬剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、2)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、3)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、4)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、5)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物、併用用薬剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩と併用用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
【0128】
かかる併用用薬剤に適用できる糖尿病治療薬としては、例えば1)グリダゾン類(glitazones)[例えばシグリダゾン(ciglitazone)、ダルグリダゾン(darglitazone)、エングリダゾン(englitazone)、イサグリダゾン(isaglitazone)(MCC−555)等]、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリダゾン(rosiglitazone)、トログリタゾン(troglitazone)、BRL49653、CLX−0921、5−BTZD、GW−0207、LG−100641、LY−300512等のPPARγアゴニスト;2)メトホルミン(metformin)、ブホルミン(buformin)、フェンホルミン(phenformin)等のビグアナイド剤;3)プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害剤;4)アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネス(diabinese)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリピジド(glipizide)、グリブリド(glyburide)、グリメピリド(glimepiride)、グリクラジド(gliclazide)、グリペンジド(glipentide)、グリキドン(gliquidone)、グリソラミド(glisolamide)、トラザミド、トルブタミド等のスルホニルウレア;5)レパグリニド(repaglinide)、ナテグリニド(nateglinide)等のメグリチニド(meglitinides)類;6)アカルボース(acarbose)、アジポシン(adiposine)、カミグリボース(camiglibose)、エミグリテート(emiglitate)、ミグリトール(miglitol)、ボグリボース(voglibose)、プラジミシン−Q(pradimicin−Q)、サルボスタチン(salbostatin)、CKD−711、MDL−25,673、MDL−73,945、MOR14等のα−グルコシドヒドロキシラーゼ阻害薬;7)テンダミスタット(tendamistat)、トレスタチン(trestatin)、Al3688等のα−アミラーゼ阻害剤;8)リノグリリド(linogliride)、A−4166等のインスリン分泌促進剤;9)クロモキシル(clomoxir)、エトモキシル(etomoxir)等の脂肪酸酸化抑制剤;10)ミダグリゾール(midaglizole)、イサグリドール(isaglidole)、デリグリドール(deriglidole)、イダゾキサン(idazoxan)、エラロキサン(earoxan)、フルパロキサン(fluparoxan)等のA2アンタゴニスト;11)ビオタ(biota)、LP−100、ノバラピド、insulin detemir、insulin lispro、insulin glargine、インスリン亜鉛、Lys−Pro−インスリン、GLP−1(73−7)、GLP1アミド(7−36)等のインスリン又はインスリンミメティックス;12)JT−501、ファルグリタゾール(farglitazar)等の非チアゾリジンジオン;13)CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90及びSB219994等のPPARα/γ双アゴニスト等が挙げられる。
【0129】
また、上記併用用薬剤に適用できる高脂血症治療薬としては、例えば、1)コレステリルアミン、コレセヴェレム(colesevelem)、コレスチポール(colestipol)、交差デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid登録商標、LoCholest登録商標、Questran登録商標等の胆汁酸吸収促進剤;2)アトルバスタチン(atorvastatin)、イタバスタチン(itavastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、リバスタチン(rivastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、ZD−4522等のHMG−CoA還元酵素阻害薬;3)HMG−CoA合成阻害剤;4)スナトールエステル、β−シトステロール、ステロールグルコシド、エゼチミベ(ezetimibe)等のコレステロール吸収阻害剤;5)アバシミベ(avasimibe)、エフルシミベ(eflucimibe)、KY−505、SMP−709等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵素阻害剤;6)JTT705、トルセトラピブ(torcetrapib)、CP532632、BAY−63−2149、SC−591、SC−795等のCETP阻害剤;7)スクワレン合成阻害剤、8)プロブコール等の抗酸化剤、9)ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、ジェンカベン(gemcabene)、ジェンフィブロジル(gemfibrozil)、GW−7647、BM−170744、LY−518674、フィブリック酸誘導体(例えばAtromid登録商標、Lopid登録商標、Tricor登録商標等)等のPPARαアゴニスト;10)GW−4064、SR−103912等のFXRレセプターアンタゴニスト;11)GW3965、T9013137、XTCO−179628等のLXRレセプターアゴニスト;12)ナイアシン等のリポプロテイン合成阻害剤;13)レニン−アンジオテンシン系阻害剤;14)ミクロゾーム性トリグリセリド輸送阻害剤;15)BARA1453、SC435、PHA384640、S−435、AZD7706等の胆汁酸再吸収阻害剤;16)GW501516、GW590735等のPPARδアゴニスト;17)トリグリセリド合成阻害剤;18)LAB687、CP346086等のMTTP阻害剤;19)低密度リポプロテイン;20)スクワレンエポキシダーゼ阻害剤;21)血小板凝集阻害剤;22)MK−591等の5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク阻害剤;等が挙げられる。
【0130】
また、上記併用用薬剤に適用できる高血圧治療薬としては、例えば1)クロロチアリドン、クロロチアジド、ジクロロフェナミド、ヒドロフルオロチアジド、インダパミド(indapamide)、ヒドロクロロチアジド等のチアジド系;ブメタニド(bumetanide)、エサクリニック酸(ethacrynic acid)、フロセミド、トルセミド等のループ系、アミロリド、トリアムテレン等のナトリウム系、スピロノラクトン、エピレノン等のアルドステロンアンタゴニスト系等の利尿剤;2)アセブトロール(acebutolol)、アテノロール、ベタゾロール(betaxolol)、ベバントロール(bevantolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、ボピンドロール(bopindolol)、カルテオロール(carteolol)、カルベジロール(carvedilol)、セリプロロール(celiprolol)、エスモロール(esmolol)、インデノロール(indenolol)、メタプロロール(metaprolol)、ナドロール(nadolol)、ネビボロール(nebivolol)、ペンブトロール(penbutolol)、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、タータトロール(tertatolol)、チリソロール(tilisolol)、チモロール等のβ−アドレナリンブロッカー;3)アムロジピン(amlodipine)、アラニジピン(aranidipine)、アゼルニジピン(azelnidipine)、バルニジピン(barnidipine)、ベニジピン(benidipine)、ベプリジル(bepridil)、シナルジピン(cinaldipine)、クレビジピン(clevidipine)、ジルチアゼム(diltiazem)、エホニジピン(efonidipine)、フェロジピン(felodipine)、ガロパミル(gallopamil)、イスラジピン(isradipine)、ラシジピン(lacidipine)、レミルジピン(lemildipine)、レルカニジピン(lercanidipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ジフェニピン(nifedipine)、ニルヴァジピン(nilvadipine)、ニモデピン(nimodepine)、シソルジピン(nisoldipine)、ニトレジピン(nitrendipine)、マニジピン(manidipine)、プラニジピン(pranidipine)、バラパミル(verapamil)等のカルシウムチャンネルブロッカー;4)ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapril)、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、イミダプリル、ロシノプリル、モエキシプリル(moexipril)、キナプリル(quinapril)、キナプリラット(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、ペリンドプリル(perindopril)、ペリンドロプリル(perindropri)、カニプリル(quanipril)、スピラプリル(spirapril)、テノカプリル(tenocapril)、トランドラプリル(trandolapril)、ゾフェノプリル(zofenopril)等のアンジオテンシン変換酵素阻害薬;5)オマパトリラット(omapatrilat)、カドキサトリル(cadoxatril)、エカドトリル、フォシドトリル(fosidotril)、サンパトリラット(sampatrilat)、AVE7688、ER4030等の中性エンドペプチダーゼ阻害剤;6)テゾセンタン(tezosentan)、A308165、YM62899等のエンドセリンアンタゴニスト;7)ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジル、ニコチニルアルコール等の血管拡張剤;8)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プラトサルタン(pratosartan)、タソサルタン(tasosartan)、テルミサルタン(telmisartan)、バルサルタン、EXP−3137、FI6828K、RNH6270等のアンジオテンシンII拮抗薬;9)ニプラジロール、アロチノロール、アモスラロール等のα/βアドレナリンブロッカー;10)テラゾシン、ウラピジル(urapidil)、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナフトピジル、インドラミン、WHIP164、XEN010等のα1ブロッカー;11)ロフェキシジン(lofexidine)、チアメニジン(tiamenidine)、モキソニジン(moxonidine)、リレメニジン(rilmenidine)、グアノベン(guanobenz)等のα2アゴニスト;12)アルドステロン阻害剤等が挙げられる。
【0131】
また、上記併用用薬剤に適用できる抗肥満薬としては、例えば1)パロセチン(paroxetine)、フルオキセチン(fluoxetine)、フェンフルラミン(fenfluramine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、セルトラリン(sertraline)、イミプラミン等の5HT(セロトニン)トランスポーター阻害剤;2)GW320659、デシプラミン、タルスプラム(talsupram)、ノミフェンシン等のノルエピネフリントランスポーター阻害剤;3)リモナバント(Sanofi Synthelabo)、SR−147778(Sanofi Synthelabo)、BAY−65−2520(バイエル)、SLV−319(ソルベイ)、その他USP5,532,237、USP4,973,587、USP5,013,837、USP5,081,122、USP5,112,820、USP5,292,736、USP5,624,941、USP6,028,084、WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO01/96330、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO02/076949、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO03/006007、WO03/007887及びEP−658546に開示化合物等のカンナビノイド1受容体1(CB−1)アンタゴニスト/インバースアゴニスト;4)WO01/87355、WO02/08250等に開示化合物等のグレリンアンタゴニスト;5)チオペラミド、3−(1Hイミダゾール−4−イル)プロピル N−(ペンテニル)カーボネート、クロベンプロピット(clobenpropit)、ヨードフェンプロピット、イモプロキシフェン、GT2395、A331440、WO02/15905に開示化合物、O−[3−(1H−イミダゾ−4−イル)プロパノール]カーバメート、ピペラジン含有H3受容体アンタゴニスト(Lazewska,D.et al.,Pharmazie,56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体(Sasse,A.et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカーバメート(Reidemeister,S.et al.,Pharmazie,55:83−6(2000))、プロキシフェン誘導体(Sasse,A.et al.,J.Med.Chem..43:3335−43(2000))等のヒスタミン(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト;6)T−226296(Takeda)、SNP−7941(Synaptic)、その他WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027及び特開2001−226269号に開示の化合物等のMCH−1Rアンタゴニスト;7)MCH−2Rアゴニスト/アンタゴニスト;8)3−クロロ−5−(1−(6−[2−(5−エチル−4−メチル−チアゾール−2−イル)−エチル]−4−モルホリニル−4−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチル)フェニル]カルバミン酸イソプロピルエステル、BIBP3226、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879、その他USP6001836、WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示化合物等のNPY1アンタゴニスト;9)152804、GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR235,208、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、JCF−104、H409/22、その他USP6,140,354、USP6,191,160、USP6,258,837、USP6,313,298、USP6,337,332、USP6,329,395、USP340,683、USP6,326,375、USP6,329,395、USP6,337,332、USP6,335,345、EP−01010691、EP−01044970、WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/27063、WO00/107409、WO00/185714、WO00/185730、WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376、WO01/85714、WO1/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/20488、WO02/22592、WO02/48152、WO02/49648、WO02/094789及びNorman et al.,J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示の化合物等のNPY5アンタゴニスト;10)ヒト組換えレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)、組換えメチオニルレプチン(アムゲン)等のレプチン;11)USP5,552,524、USP5,552,523、USP5,552,522、USP5,521,283、WO96/23513、WO96/23514、WO96/23515、WO96/23516、WO96/23517、WO96/23518、WO96/23519及びWO96/23520に開示化合物等のレプチン誘導体;12)ナルメフェン(Revex登録商標)、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、WO00/21509の開示化合物等のオピオイドアンタゴニスト;13)SB−334867A、その他WO01/96302、WO01/68609、WO02/51232、WO02/51838及びWO03/023561に開示化合物等のオーレキシンンタゴニスト;14)ボンベシン受容体サブタイプ3アゴニスト;15)AR−R15849、GI−181771、JMV−180、A−71378、A−71623、SR−146131、その他USP−5739106に開示化合物等のコレシストキニンA(CCK−A)アゴニスト;16)GI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンダイド(butabindide)、PD170,292、PD149164(ファイザー)等のCNTF(ciliary neurotrophic factors);17)axokine(Regeneron)、その他WO94/09134、WO98/22128、WO99/43813に開示の化合物等のCNTF誘導体;18)NN703、ヘキサレリン(hexarelin)、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、L−163,255、USP6358951、アメリカ特許庁出願番号2002/049196、同2002/022637、WO01/56592、WO02/32888に開示の化合物等の成長ホルモン分泌受容体アゴニスト;19)BVT933、DPCA37215、IK264、PNU22394、WAY161503、R−1065、YM348、その他USP3,914,250、WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456及びWO02/40457に開示の化合物等のセロトニンレセプター2Cアゴニスト;20)メラノコルチン3受容体アゴニスト;21)CHIR86036(Chiron)、ME−10142、ME−10145(Melacure)、その他WO99/64002、WO00/74679、WO01/991752、WO01/74844、WO01/70708、WO01/70337、WO01/91752、WO02/059095、WO02/059107、WO02/059108、WO02/059117、WO02/12166、WO02/11715、WO02/12178、WO02/15909、WO02/068387、WO02/068388、WO02/067869、WO03/007949及びWO03/009847に開示の化合物等のメラノコルチン4受容体アゴニスト;22)シブトラミン(Meridia登録商標/Reductil登録商標)及びその塩、その他USP4,746,680、USP4,806,570、USP5,436,272、アメリカ特許庁出願番号2002/0006964、WO01/27068及びWO01/62341に開示の誘導体等のモノアミン再吸収阻害剤;23)デキシフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フルオレチン(fluoxetine)、その他USP6,365,633、WO01/27060及びWO01/162341に開示のセロトニン再取り込み阻害剤;24)グルカゴン様ペプチド1(glucagon−like peptide1)アゴニスト;25)トピラメート(Topiramate)(Topimax登録商標);26)フィトファーム化合物57(phytopharm)(例えば、CP644,673);27)アセチルCoAカルボキシラーゼ2(ACC2)阻害剤;28)AD9677/TAK677(大日本製薬/武田薬品)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、W427353、トレカドリン(Trecadrine)、ZenecaD7114、SR59119A、その他USP5705515、USP5451677、WO01/74782及びWO02/32897、に開示化合物等のβアドレナリンレセプター3アゴニスト;29)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1阻害剤;30)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2阻害剤;31)カルレニン(Cerulenin)、C75等の脂肪酸合成阻害剤;32)テオフィリン、ペントキシフィレン(pentoxifylline)、ザプリナスト(zaprinast)、シルデナフィル(sildenafil)、アミリノン(amrinone)、ミルリノン(milrinone)、シルスタミド(cilostamide)、ロピプラム(rolipram)、及びシロミラスト(cilomilast)等のホスホジエステラーゼ阻害剤;32)KB−2611(KaroBioBMS)、その他WO02/15845、特開2000−256190に開示の化合物等のサイロイドホルモンβアゴニスト;33)フィタニン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイック酸(retinoic acid)、その他WO99/00123に開示の化合物等のフィタニック酸(phytanic acid);34)オレオイルエストロン、その他del Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示の化合物等のアシルエストロゲン;35)グルココルチコイドアンタゴニスト;36)BVT3498、BVT2733、その他WO01/90091、WO01/90090、WO01/90092に開示化合物等の11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型阻害剤;37)ステアリルcoA脱飽和剤1阻害剤(stearoyl−CoA desaturase−1);38)イソロイシンチアゾリジド(isoleucine thiazolidide)、バリンピロリジド(valine pyrrolidide)、NVP−DPP728、AF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、その他WO03/004498、WO03/004496、EP1258476、WO02/083128、WO02/062764、WO03/000250、WO03/002530、WO03/002531、WO03/002553、WO03/002593、WO03/000180及びWO03/000181に開示の化合物等のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤;39)テトラヒドロリプタチン(orlistat/Xenical登録商標)、TritonWR1339、RHC80267、リプスタチン、テアサポニン(tea saponin)、ジエチルウンベリフェリルホスフェート(diethylumbelliferyl phosphate)、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン(valilactone)、エステラシン(esteracin)、エベラクトンA(ebelactoneA)、エベラクトンB(ebelactoneB)、RHC80267、その他WO01/77094、USP4,598,089、USP4,452,813、USP5,512,565、USP5,391,571、USP5,602,151、USP4,405,644、USP4,189,438及びUSP4,242,453に開示の化合物等のリパーゼ阻害剤;39)脂肪酸トランスポーター阻害剤;40)ジカルボキシレートトランスポータ阻害剤;41)グルコーストランスポーター阻害剤;42)ホスフェートトランスポーター阻害剤等が挙げられる。
【0132】
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩との上記併用用薬剤の組み合わせとして、糖尿病治療薬及び高脂血症治療薬からなる群から選択される1種又は2種以上の薬剤との組み合わせは、代謝性疾患の予防又は治療に有用であり、特に、高血圧治療薬及び抗肥満薬と、糖尿病治療薬及び/又は高脂血症治療薬との組み合わせは、相乗的効果をもって代謝性疾患の予防又は治療に有用である。
【0133】
本発明の代謝系疾患の予防剤又は治療剤は、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするものであれば特に限定されるものではない。
【0134】
【化55】

かかる一般式(I)中、X及びXは独立して窒素原子又はCHを示し、XはO−(CHを示し(ここで、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。)、Yは、一般式(II)
【0135】
【化56】

(式(II)中、j、k又はlは、独立して0又は1を示し、LはC1〜C4のアルキレン基又は単結合を示し、Mは酸素原子又は一般式(III)
【0136】
【化57】

(式(III)中、Rは、水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表される基を示す。)で表される基を示し、Qは、未置換、又は、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、又はヘテロアリール基で置換されていてもよい。)、シクロアルキル基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有する、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、縮合していてもよいC3〜C9シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基(該ヘテロ環基内に、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3有していてもよい。)を示す。)で表される基を示し、R及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示し、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。
【0137】
本発明の代謝系疾患の予防剤又は治療剤は、一般式(I)中、R及びRが水素原子を示し、Xにおけるmが1〜3のいずれかの整数を示し、sが0を示すことが好ましく、また、一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0138】
【化58】

で表される基を示すことが好ましい。
【0139】
一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(V)
【0140】
【化59】

[式(V)中、Rは、水素原子、低級アルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、アラルキル基、又はヘテロアリール基を示し、nは、0又は1〜4のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すこと、
又は、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(VI)
−(CH−A (VI)
[式(VI)中、Aは、アリール基、ヘテロアリール基、C4〜C7のシクロアルキル基とアリール基の縮合双環基、又はC4〜C7のシクロアルキル基とヘテロアリール基の縮合双環基を示し、qは、0又は1〜3のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すこと、
又は、一般式(IV)中、R及びRが、互いに結合する窒素原子と一体となった窒素含有ヘテロシクロ環基を示すこと、特に、窒素含有ヘテロシクロ環基が、ピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼチジニル基、ホモピペリジニル基、若しくはヘプタメチレンイミニル基の単環、
又はこれらの単環とC4〜C7のシクロアルキル基、フェニル基若しくはピリジル基との双環であることが好ましく、この場合、X及びXが、同時にCHを示し、又はいずれか一方が窒素原子を示すことが好ましい。
【0141】
また、本発明の代謝系疾患の予防剤又は治療剤は、一般式(II)で表されるYが、未置換、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は2の置換基を環内に有する、アリール基若しくは5員又は6員のヘテロアリール基を示すことが好ましく、この場合、X及びXが、同時に窒素原子を示すことが好ましい。
【0142】
本発明の代謝系疾患の予防剤又は治療剤は、上記一般式(I)で表されるピペリジン誘導体として、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(1)、
N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(2)、
N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(3)、
N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(4)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(5)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(6)、
N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(7)、
N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(8)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(9)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(10)、
N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩(11)、
2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(12)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン(14)
N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(15)、
N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(16)、
N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(17)、
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(18)
4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン−1−イル(19)
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(20)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(21)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(22)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(23)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン(24)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン(25)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(26)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン(27)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン(28)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]ピリミジン(29)、
1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン(30)、
1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン(31)を有効成分とすることが好ましい。
【0143】
本発明の循環器系疾患予防剤又は治療剤は、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするものであれば特に限定されるものではない。
【0144】
【化60】

かかる一般式(I)中、X及びXは独立して窒素原子又はCHを示し、XはO−(CHを示し(ここで、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。)、Yは、一般式(II)
【0145】
【化61】

(式(II)中、j、k又はlは、独立して0又は1を示し、LはC1〜C4のアルキレン基又は単結合を示し、Mは酸素原子又は一般式(III)
【0146】
【化62】

(式(III)中、Rは、水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表される基を示す。)で表される基を示し、Qは、未置換、又は、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、又はヘテロアリール基で置換されていてもよい。)、シクロアルキル基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、アルカノイル基からなる群より選択される置換基を有する、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、縮合していてもよいC3〜C9シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基(該ヘテロ環基内に、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3有していてもよい。)を示す(但し、Yがアルコキシカルボニル基である場合を除く。)。)で表される基を示し、R及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示し、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。
【0147】
本発明の循環器系疾患の予防剤又は治療剤は、かかる一般式(I)中、R及びRが水素原子を示し、Xにおけるmが1〜3のいずれかの整数を示し、sが0を示すことが好ましく、また、一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0148】
【化63】

で表される基を示すことが好ましい。
【0149】
一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(V)
【0150】
【化64】

[式(V)中、Rは、水素原子、低級アルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、アラルキル基、又はヘテロアリール基を示し、nは、0又は1〜4のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すこと、
又は、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(VI)
−(CH−A (VI)
[式(VI)中、Aは、アリール基、ヘテロアリール基、C4〜C7のシクロアルキル基とアリール基の縮合双環基、又はC4〜C7のシクロアルキル基とヘテロアリール基の縮合双環基を示し、qは、0又は1〜3のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すこと、
又は、一般式(IV)中、R及びRが、互いに結合する窒素原子と一体となった窒素含有ヘテロシクロ環基を示すこと、特に、窒素含有ヘテロシクロ環基が、ピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼチジニル基、ホモピペリジニル基、若しくはヘプタメチレンイミニル基の単環、
又はこれらの単環とC4〜C7のシクロアルキル基、フェニル基若しくはピリジル基との双環であることが好ましく、この場合、X及びXが、同時にCHを示し、又はいずれか一方が窒素原子を示すことが好ましい。
【0151】
また、本発明の循環器系疾患予防剤又は治療剤は、一般式(II)で表されるYが、未置換、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は2の置換基を環内に有する、アリール基若しくは5員又は6員のヘテロアリール基を示すことが好ましく、この場合、X及びXが、同時に窒素原子を示すことが好ましい。
【0152】
本発明の循環器系疾患予防剤又は治療剤は、上記一般式(I)で表されるピペリジン誘導体として、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(1)、
N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(2)、
N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(3)、
N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(4)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(5)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(6)、
N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(7)、
N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(8)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(9)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(10)、
N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩(11)、
2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(12)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン(14)
N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(15)、
N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(16)、
N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(17)、
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(18)
4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン−1−イル(19)
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(20)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(21)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(22)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(23)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン(24)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン(25)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(26)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン(27)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン(28)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]ピリミジン(29)、
1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン(30)、
1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン(31)を有効性成分とすることが好ましい。
【0153】
本発明の循環器系疾患予防剤又は治療剤は、特に、狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、睡眠障害や睡眠障害を伴う各種疾患、例えば特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、慢性疲労症候群、レム睡眠障害、老齢者不眠、夜勤勤労者睡眠不衛生、特発性不眠症、反復性不眠症、真性不眠症、又は電解質異常に対して有効である。
【0154】
本発明の中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤は、一般式(I)で表されるピペリジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするものであれば特に限定されるものではない。
【0155】
【化65】

かかる一般式(I)中、X及びXは独立して窒素原子又はCHを示し、XはO−(CHを示し(ここで、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。)、Yは、一般式(II)
【0156】
【化66】

(式(II)中、j、k又はlは、独立して0又は1を示し、LはC1〜C4のアルキレン基又は単結合を示し、Mは酸素原子又は一般式(III)
【0157】
【化67】

(式(III)中、Rは、水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表される基を示す。)で表される基を示し、Qは、未置換、又は、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、(アリール基)、又はヘテロアリール基で置換されていてもよい。)、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基からなる群より選択される置換基を有する、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、縮合していてもよいC3〜C9シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基(該ヘテロ環基内に、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3有していてもよい。)を示す(但し、Yがアルコキシカルボニル基である場合を除く。)。)で表される基を示し、R及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示し、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。
【0158】
かかる一般式(I)中、R及びRが水素原子を示し、Xにおけるmが1〜3のいずれかの整数を示し、sが0を示すことが好ましく、また、一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【0159】
【化68】

で表される基を示すことが好ましい。
【0160】
一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(V)
【0161】
【化69】

[式中、Rは、水素原子、低級アルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、アラルキル基、又はヘテロアリール基を示し、nは、0又は1〜4のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すこと、
又は、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(VI)
−(CH−A (VI)
[式(VI)中、Aは、アリール基、ヘテロアリール基、C4〜C7のシクロアルキル基とアリール基の縮合双環基、又はC4〜C7のシクロアルキル基とヘテロアリール基の縮合双環基を示し、qは、0又は1〜3のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すこと、
又は、一般式(IV)中、R及びRが、互いに結合する窒素原子と一体となった窒素含有ヘテロシクロ環基を示すこと、特に、窒素含有ヘテロシクロ環基が、ピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼチジニル基、ホモピペリジニル基、若しくはヘプタメチレンイミニル基の単環、
又はこれらの単環とC4〜C7のシクロアルキル基、フェニル基若しくはピリジル基との双環であることが好ましく、この場合、X及びXが、同時にCHを示し、又はいずれか一方が窒素原子を示すことが好ましい。
【0162】
また、本発明の中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤は、一般式(II)で表されるYが、未置換、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は2の置換基を環内に有する、アリール基若しくは5員又は6員のヘテロアリール基を示すことが好ましく、この場合、X及びXが、同時に窒素原子を示すことが好ましい。
【0163】
本発明の中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤は、上記一般式(I)で表されるピペリジン誘導体として、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(1)、
N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(2)、
N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(3)、
N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(4)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(5)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(6)、
N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(7)、
N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(8)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(9)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(10)、
N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩(11)、
2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(12)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン(14)
N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(15)、
N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(16)、
N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(17)、
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(18)
4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン−1−イル(19)
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(20)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(21)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(22)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(23)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン(24)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン(25)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(26)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン(27)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン(28)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]ピリミジン(29)、
1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン(30)、
1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン(31)を有効成分とすることが好ましい。
【0164】
本発明の中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤は、特に、過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、アルツハイマー氏病、パーキンソン病、睡眠障害、睡眠障害や睡眠障害を伴う各種疾患、例えば特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、慢性疲労症候群、レム睡眠障害、老齢者不眠、夜勤勤労者睡眠不衛生、特発性不眠症、反復性不眠症、真性不眠症、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、てんかん、モルヒネ耐性、麻薬依存症、又はアルコール依存症に対して有効である。
【0165】
以下、製剤例及び製造例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0166】
以下、化合物の薄層クロマトグラフは、プレートとしてSilicagel 60F245(Merck)を、検出法としてUV検出器を用いた。カラム用シリカゲルとしては、WakogelTM C−300(和光純薬)を、逆相カラム用シリカゲルとしては、LC−SORBTM SP−B−ODS(Chemco)又はYMC−GELTM ODS−AQ 120−S50(山村化学研究所)を用いた。
【0167】
マススペクトルはQuattroII(マイクロマス社製)を用いてエレクトロスプレイイオン化法(ESI)で測定した。
【実施例1】
【0168】
[ピペリジン誘導体の製造]
化合物1:N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0169】
【化70】

【0170】
参考例1で得られた4−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]安息香酸・塩酸塩(103mg,0.32mmol)のジメチルホルムアミド溶液(1.0mL)に、室温で、1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジン(0.056mL,0.38mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(121mg,0.32mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.17mL,0.96mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で14時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水=10:1:0.1)で精製することにより標記化合物(56mg,44%)を得た。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.43−2.07(18H,m),2.24−2.31(3H,m),2.50−2.70(4H,m),2.72−2.82(2H,m),2.86−2.96(5H,m),3.79−3.87(2H,m),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):399(M+H)
以下、化合物2から23を化合物1の製造方法と同様の方法、又はこれに準じた方法、あるいはこれらと常法とを組み合わせた方法により製造した。
【0171】
化合物2:N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0172】
【化71】

【0173】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−メチル−4−アミノピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−1.78(10H,m),1.88−1.96(2H,m),1.99−2.06(2H,m),2.11−2.20(2H,m),2.29(3H,s),2.41−2.58(5H,m),2.74−2.85(4H,m),3.83−3.90(2H,m),3.92−4.02(1H,m),5.80(1H,brd,J=7.6Hz),6.86(2H,d,J=8.8Hz),7.62(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):385(M+H)
【0174】
化合物3:N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0175】
【化72】

【0176】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−シクロブチル(4−メチルアミノ)ピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−2.07(21H,m),2.40−2.59(6H,m),2.62−2.80(4H,m),2.83−2.90(2H,m),2.90(3H,s),3.79−3.86(2H,m),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.27(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):439(M+H)
【0177】
化合物4:N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0178】
【化73】

【0179】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−シクロペンチル(4−メチルアミノ)ピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.33−2.10(25H,m),2.40−2.58(6H,m),2.72−2.80(2H,m),2.90(3H,s),3.04−3.14(2H,m),3.79−3.86(2H,m),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):453(M+H)
【0180】
化合物5:N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0181】
【化74】

【0182】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−シクロヘキシル(4−メチルアミノ)ピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.00−1.30(6H,m),1.40−1.49(2H,m),1.56−1.1.95(19H,m),2.24−2.35(1H,m),2.38−2.47(1H,m),2.49−2.57(4H,m),2.71−2.80(2H,m),2.86−3.00(2H,m),2.90(3H,s),3.79−3.86(2H,m),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):467(M+H)
【0183】
化合物6:N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0184】
【化75】

【0185】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−シクロヘキシルメチル(4−メチルアミノ)ピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):0.78−0.91(2H,m),1.05−1.28(4H,m),1.33−1.49(4H,m),1.52−1.95(20H,m),2.02−2.12(2H,m),2.38−2.60(4H,m),2.68−2.80(2H,m),2.82−2.97(1H,m),2.90(3H,s),3.77−3.86(2H,m),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):481(M+H)
【0186】
化合物7:N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0187】
【化76】

【0188】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−シクロペンチル((3R)−メチルアミノ)ピロリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.33−2.13(20H,m),2.32−2.78(12H,m),3.01(3H,s),3.77−3.84(2H,m),4.50−4.80(1H,m),6.86(2H,d,J=8.4Hz),7.27(2H,d,J=8.4Hz);マススペクトル(ESI):439(M+H)
【0189】
化合物8:N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0190】
【化77】

【0191】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−シクロペンチル((3S)−メチルアミノ)ピロリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.33−2.13(20H,m),2.32−2.78(12H,m),3.01(3H,s),3.77−3.84(2H,m),4.50−4.80(1H,m),6.86(2H,d,J=8.4Hz),7.27(2H,d,J=8.4Hz);マススペクトル(ESI):439(M+H)
【0192】
化合物9:N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0193】
【化78】

【0194】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−ベンジル((3R)−メチルアミノ)ピロリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−1.48(2H,m),1.55−1.74(8H,m),1.86−1.95(3H,m),2.24−2.31(1H,m),2.38−2.58(6H,m),2.69−2.79(3H,m),2.81−2.88(1H,m),3.03(3H,s),3.45−3.50(1H,m),3.62−3.68(1H,m),3.78−3.85(2H,m),6.85(2H,d,J=8.0Hz),7.20−7.30(5H,m),7.28(2H,d,J=8.0Hz);マススペクトル(ESI):461(M+H)
【0195】
化合物10:N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0196】
【化79】

【0197】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−ベンジル((3S)−メチルアミノ)ピロリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−1.48(2H,m),1.55−1.74(8H,m),1.86−1.95(3H,m),2.24−2.31(1H,m),2.38−2.58(6H,m),2.69−2.79(3H,m),2.81−2.88(1H,m),3.03(3H,s),3.45−3.50(1H,m),3.62−3.68(1H,m),3.78−3.85(2H,m),6.85(2H,d,J=8.0Hz),7.20−7.30(5H,m),7.28(2H,d,J=8.0Hz);マススペクトル(ESI):461(M+H)
【0198】
化合物11:N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
【0199】
【化80】

【0200】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに4−アミノピリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDOD,δppm):1.47−1.60(1H,m),1.70−1.90(5H,m),1.95−2.05(2H,m),2.16−2.25(2H,m),2.90−3.08(4H,m),3.32−3.48(1H,m),3.50−3.59(2H,m),4.13−4.21(2H,m),7.08(2H,d,J=8.8Hz),7.94(2H,d,J=8.8Hz),8.29(2H,d,J=8.4Hz),8.57(2H,d,J=8.4Hz);マススペクトル(ESI):365(M+H)
【0201】
化合物12:2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
【0202】
【化81】

【0203】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−1.51(2H,m),1.57−1.73(6H,m),1.88−1.97(2H,m),2.41−2.61(5H,m),2.73−2.83(2H,m),2.88−2.97(2H,m),3.72−3.92(4H,m),4.70−4.83(2H,m),6.89(2H,d,J=8.8Hz),7.01−7.21(4H,m),7.37(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):404(M+H)
【0204】
化合物13:1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン
【0205】
【化82】

【0206】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.28−4.42(25H,m),6.68−7.77(8H,m);マススペクトル(ESI):404(M+H)
化合物14:1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン
【0207】
【化83】

【0208】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに4−フェニルピペラジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.40−1.50(2H,m),1.55−1.72(6H,m),1.88−1.98(2H,m),2.40−2.60(5H,m),2.72−2.82(2H,m),3.10−3.23(4H,m),3.70−3.88(6H,m),6.81−6.98(5H,m),7.21−7.30(2H,m),7.35(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):433(M+H)
【0209】
化合物15:N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0210】
【化84】

【0211】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに1−(ピリミジン−2−イル)−4−メチルアミノピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.40−1.50(2H,m),1.55−1.88(11H,m),1.90−2.01(2H,m),2.41−2.63(5H,m),2.71−2.99(4H,m),2.87(3H,s),3.80−3.90(2H,m),4.82−4.92(2H,m),6.46(1H,t,J=4.8Hz),6.88(2H,d,J=8.8Hz),7.31(2H,d,J=8.8Hz),8.28(2H,d,J=4.8Hz);マススペクトル(ESI):463(M+H)
【0212】
化合物16:N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0213】
【化85】

【0214】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに2−メチルアミノメチルチオフェンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.40−1.50(2H,m),1.57−1.72(6H,m),1.88−1.97(2H,m),2.41−2.60(5H,m),2.70−2.80(2H,m),3.00(3H,s),3.80−3.88(2H,m),4.70−4.81(2H,m),6.86(2H,d,J=8.8Hz),6.92−7.00(2H,m),7.21−7.28(1H,m),7.39(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):398(M+H)
【0215】
化合物17:N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0216】
【化86】

【0217】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりにメチルフェネチルアミンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.37−1.50(2H,m),1.52−2.72(6H,m),1.79−1.99(2H,m),2.01−2.62(6H,m),2.66−2.80(2H,m),2.82−3.12(4H,m),3.43−3.72(2H,m),3.77−3.90(2H,m),6.80−6.92(2H,m),6.96−7.40(7H,m);マススペクトル(ESI):406(M+H)
【0218】
化合物18:1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
【0219】
【化87】

【0220】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりに3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法により製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.40−1.50(2H,m),1.55−1.78(6H,m),1.85−2.12(4H,m),2.20−2.68(6H,m),2.70−2.88(2H,m),3.22−4.15(6H,m),6.82−7.20(5H,m),7.43−7.59(2H,m);マススペクトル(ESI):454(M+H)
【0221】
化合物19:4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン−1−イル
【0222】
【化88】

【0223】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンの代わりにピペリジンを用いた他は化合物1の製造方法と同様の方法に製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.16−2.10(16H,m),2.34−2.64(5H,m),3.22−3.90(4H,m),6.87(2H,d,J=7.2Hz),7.28(2H,d,J=7.2Hz);マススペクトル(ESI):356(M+H)
【0224】
化合物20:N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0225】
【化89】

【0226】
参考例で製造した4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩の製造方法と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせて製造した4−{4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩を用いて、化合物1の製造方法と同様の方法により標記化合物を製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.62−1.72(4H,m),1.79−2.04(12H,m),2.16−2.24(1H,m),2.26(3H,s),2.59−2.66(4H,m),2.77−2.92(3H,m),2.90(3H,s),3.72−3.79(2H,m),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):385(M+H)
【0227】
化合物21:N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0228】
【化90】

【0229】
参考例で製造した4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩の製造方法と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせて製造した4−{4−(アセチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩を用いて、化合物1の製造方法と同様の方法により標記化合物を製造した。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.40−1.53(2H,m),1.57−2.35(14H,m),2.29(3H,s),2.77−3.00(3H,m),2.90(3H,s),3.24−3.37(3H,m),3.66−3.75(2H,m),6.60(2H,d,J=8.8Hz),7.29(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):371(M+H)
【0230】
化合物22:N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【0231】
【化91】

【0232】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンと5−{(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリジン−2−カルボン酸とを反応させ標記の化合物を製造した。5−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリジン−2−カルボン酸は、参考例1で得られた4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]安息香酸・塩酸塩の製造方法と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより製造することができる。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−1.52(2H,m),1.57−1.73(6H,m),1.75−2.02(7H,m),2.10−2.36(4H,m),2.42−2.53(2H,m),2.54(3H,s),2.77−3.02(3H,m),2.98(3H,s),3.79−3.97(3H,m),4.46−4.58(1H,m),7.18(1H,dd,J=2.8,8.8Hz),7.52(1H,d,J=8.8Hz),8.19(1H,d,J=2.8Hz);マススペクトル(ESI):400(M+H)
【0233】
化合物23:N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド
【0234】
【化92】

【0235】
1−メチル(4−メチルアミノ)ピペリジンと4−{(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩とを反応させ標記の化合物を製造した。4−{(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩は、参考例1で得られた4−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]安息香酸・塩酸塩の製造方法と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより製造することができる。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.56−1.76(6H,m),1.84−2.06(9H,m),2.27(3H,brs),2.48−2.58(1H,m),2.64−2.70(4H,m),2.73−2.82(2H,m),2.84−2.97(2H,m),2.90(3H,s),3.78−2.86(2H,m),6.87(2H,d,J=8.4Hz),7.28(2H,d,J=8.4Hz);マススペクトル(ESI):435(M+H)
【0236】
化合物24:2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン
【0237】
【化93】

【0238】
1)2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−ブロモピリミジンの製造
2−クロロ−5−ブロモピリミジン(300mg,1.56mmol)のDMF溶液(10mL)に、4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン(342mg,2.03mmol)、炭酸セシウム(764mg,2.34mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(C−300,クロロホルム:メタノール=100:3)で精製することにより、表記化合物(349mg,69%)を得た。
【0239】
2)5−ブロモ−2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリミジン(169mg,0.52mmol)に1,2−ジメトキエタン(2.0mL)及び、2N炭酸ナトリウム水溶液(0.7mL)を加え、次いで、4−シアノボロン酸(95mg,0.65mmol)及び、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15mg,0.013mmol)を加え、窒素雰囲気下、90℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(C−300,クロロホルム:メタノール=100:3)で精製することにより、表記化合物(113mg,62%)を得た。
HNMR(300MHz,CDCl,δppm):1.38−1.66(8H,m),1.87−1.98(2H,m),2.47−2.62(5H,m),2.86−2.97(2H,m),4.84−4.94(2H,m),7.57(2H,d,J=8.3Hz),7.71(1H,d,J=8.3Hz),8.51(2H,s);マススペクトル(ESI):348(M+H)
【0240】
以下、化合物25から30を化合物24の製造方法と同様の方法、又はこれに準じた方法、あるいはこれらと常法とを組み合わせた方法により製造した。
【0241】
化合物25:2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン
【0242】
【化94】

【0243】
化合物24の製造工程で得られた5−ブロモ−2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリミジンとピリジン−3−ホウ酸とを反応させて標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl,δppm):1.41−1.77(9H,m),1.91−2.00(2H,m),2.51−2.65(4H,m),2.86−2.95(2H,m),4.84−4.91(2H,m),7.34(1H,dd,J=4.8,8.0Hz),7.74(1H,d,J=8.0Hz),8.51(2H,s),8.55(1H,d,J=4.8Hz),8.73(1H,s);マススペクトル(ESI):324(M+H)
【0244】
化合物26:2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン
【0245】
【化95】

【0246】
化合物24の製造工程で得られた5−ブロモ−2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリミジンと3−トリフルオロメチル−フェニルホウ酸とを反応させて標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl,δppm):1.38−1.74(9H,m),1.89−2.00(2H,m),2.49−2.64(4H,m),2.83−2.96(2H,m),4.82−4.93(2H,m),7.51−7.67(3H,m),7.70(1H,s),8.54(2H,s);マススペクトル(ESI):391(M+H)
【0247】
化合物27:2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン
【0248】
【化96】

【0249】
化合物24の製造工程で得られた5−ブロモ−2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリミジンと3,5−ジクロロフェニルホウ酸とを反応させて標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl,δppm):1.38−1.86(8H,m),1.87−2.00(2H,m),2.48−2.64(5H,m),2.83−2.97(2H,m),4.83−4.94(2H,m),7.30(1H,s),7.32(2H,s),8.47(2H,s);マススペクトル(ESI):391(M+H)
【0250】
化合物28:2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン
【0251】
【化97】

【0252】
化合物24の製造工程で得られた5−ブロモ−2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリミジンとナフタレン−2−ボロン酸とを反応させて標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl,δppm):1.40−1.67(8H,m),1.89−2.01(2H,m),2.50−2.63(5H,m),2.86−2.98(2H,m),4.85−4.95(2H,m),7.43−7.54(2H,m),7.58−7.65(1H,m),7.83−7.95(4H,m),8.67(2H,s);マススペクトル(ESI):373(M+H)
【0253】
化合物29:2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1イルカルボニル)フェニル]ピリミジン
【0254】
【化98】

【0255】
化合物24の製造工程で得られた5−ブロモ−2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}ピリミジンと4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニルホウ酸とを反応させて標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl,δppm):1.38−1.75(9H,m),1.83−2.04(6H,m),2.46−2.63(4H,m),2.83−2.97(2H,m),3.43−3.52(2H,m),3.62−3.71(2H,m),4.82−4.93(2H,m),7.49(2H,d,J=8.3Hz),7.60(2H,d,J=8.3Hz),8.55(2H,s);マススペクトル(ESI):420(M+H)
【0256】
化合物30:1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン
【0257】
【化99】

【0258】
4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−ブロモベンゼンとピリジン−3−ホウ酸とを反応させて標記の化合物を得た。4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−ブロモベンゼンは、実施例24で製造した5−ブロモ−2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリミジンと同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより製造することができる。
HNMR(300MHz,CDCl,δppm):1.49−2.04(9H,m),2.61−2.84(8H,m),3.83−3.87(2H,m),7.01(2H,d,J=8.5Hz),7.26−7.34(1H,m),7.49(2H,d,J=8.4Hz),7.81−7.84(1H,m),8.51(1H,d,J=3.8Hz),8.81(1H,d,J=2.3Hz).;マススペクトル(ESI):322(M+H)
【0259】
化合物31:1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン・2塩酸塩
【0260】
【化100】

【0261】
化合物19を水素化リチウムアルミニウムで定法に従って還元することにより得た。
HNMR(400MHz,DMSO−d,δppm):1.20−2.10(16H,m),2.10−2.30(2H,m),2.62−3.00(6H,m),3.10−3.50(5H,m),3.70−4.42(2H,m),7.03(2H,d,J=8.8Hz),7.40(2H,d,J=8.8Hz);マススペクトル(ESI):342(M+H)
【0262】
参考例:4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}安息香酸・塩酸塩
【0263】
【化101】

【0264】
1)4−[(4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾニトリルの製造
4−フルオロベンゾニトリル(3.63g,30mmol)のジメチルスルホキシド溶液(10mL)に炭酸カリウム(4.14g,30mmol)、(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン(6.05g,36mmol)を加え、95℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、氷水(300mL)に加え撹拌した。生成した不溶物を濾取後、乾燥することにより、表記化合物(6.53g,81%)を得た。
【0265】
2)4−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾニトリル(3.81g,14.1mmol)に濃塩酸(10mL)を加え、130℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を濾取後メタノール−クロロホルム(2:1)で洗浄後乾燥することにより、表題化合物(4.23g,92%)を得た。
【0266】
[薬剤の調製]
製剤例1
実施例1の化合物10部、重質酸化マグネシウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、350μm以下の粉末状又は細粒状の散剤とした。この散剤をカプセル容器に入れてカプセル剤とすることができる。
【0267】
製剤例2
製造例1の化合物45部、澱粉15部、乳糖16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコール3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別して直径1410乃至177μmの大きさの顆粒剤とすることができる。
【0268】
製剤例3
製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製することができる。
【0269】
製剤例4
製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加えて糖衣錠を作製することができる。
【実施例2】
【0270】
[薬理試験]
本発明の一般式(I)で表されるピペリジン誘導体を含有するヒスタミンH3受容体アンタゴニストについて医薬としての有用性は、下記の薬理試験例において証明された。
薬理試験例1(ヒスタミンアナログ結合阻害試験)
ヒトヒスタミンH3受容体をコードするcDNA配列[国際特許出願WO00/39164号明細書参照]を、発現ベクターpCR2.1、pEF1x(インビトロジェン社製)及びpCI−neo(プロメガ社製)にクローニングした。得られた発現ベクターをカチオン性脂質法[プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the national academy of sciences of the United States of America)、84巻、7413頁(1987年)参照]を用いて宿主細胞、HEK293及びCHO−K1(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)にトランスフェクトし、ヒスタミンH3受容体発現細胞を得た。
【0271】
ヒスタミンH3受容体を発現させた細胞から調製した膜標品を被検化合物及び20,000cpmの[H]N−methylhistamine(NEN社製)とともに、アッセイ緩衝液(50mM Tris緩衝液、pH7.4)中で25℃、2時間インキュベーションした後、グラスフィルターGF/Cにて濾過した。50mM Tris緩衝液、pH7.4にて洗浄後、グラスフィルター上の放射活性を求めた。非特異的結合は10μM thioperamide(SIGAM社製)存在下で測定し、特異的N−methylhistamine結合に対する被験化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求めた[モレキュラー・ファーマコロジー(Molecular Pharmacology)、55巻、1101頁(1999年)参照]。
薬理試験例2(ヒスタミンアナログ結合阻害試験)
ヒスタミン3受容体を発現させた細胞から調製した膜標品を被検化合物、20nMのR−methylhistamine(ヒスタミンアナログ、シグマ社製)、10mM GDP(グアニンヌクレオチド二リン酸、シグマ社製)、200pM[35S]GTPγS(グアニンヌクレオチド三リン酸アナログ、アマシャム社製)、SPA樹脂(Wheatgerm agglutinin SPA beads、アマシャム社製)とともに、アッセイ緩衝液(50mMトリス緩衝液、100mM NaCl,5mM MgCl,pH7.4)中で96ウェルオプティプレート(パッカード社)において、25℃、3時間インキュベーションし、3,000rpmで遠心後、トップカウント(パッカード社)にて活性を求めた。非特異的結合は10μM GTPγS(シグマ社製)存在下で測定し、特異的[35S]GTPγS結合に対する被験化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求めた[ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)、135巻、383頁(2002年)参照]。
また、薬理試験例1及び2の結果を、表6に示す。
【0272】
【表6】




【0273】
結果からも明かなように、ピペリジン誘導体は、ヒスタミンH3受容体に対するN−methylhistamine(ヒスタミンアナログ)の結合を強力に阻害した。
【産業上の利用可能性】
【0274】
本発明の新規ピペリジン誘導体は、ヒスタミンH3受容体発現細胞へのNα−methylhistamine(ヒスタミンアナログ)の結合を著しく阻害し、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト又はインバースアンタゴニストとして有効に作用し、R−α−methylhistamine(選択的アゴニスト)のin vitroでの作用を著しく阻害し、肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝等の代謝系疾患や、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、睡眠障害や睡眠障害を伴う各種疾患、例えば特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、慢性疲労症候群、レム睡眠障害、老齢者不眠、夜勤勤労者睡眠不衛生、特発性不眠症、反復性不眠症、真性不眠症、電解質異常等の循環器系疾患や、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、アルツハイマー氏病、パーキンソン病、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、てんかん、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患の予防又は治療剤として有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式(I)中、X及びXは独立して窒素原子又はCHを示し、XはO−(CHを示し(ここで、sは0又は1を示し、mは(m+s)が0又は1〜4となる整数を示す。)、Yは、一般式(II)
【化2】

(式(II)中、j、k又はlは、独立して0又は1を示し、LはC1〜C4の低級アルキレン基又は単結合を示し、Mは酸素原子又は一般式(III)
【化3】

(式(III)中、Rは、水素原子又はC1〜C4の低級アルキル基を示す。)で表される基を示し、Qは、未置換、又は、シアノ基、水酸基、低級アルキル基(該低級アルキル基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、又はヘテロアリールで置換されていてもよい。)、シクロアルキル基、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイル基、シクロアルキルイミノカルバモイル基、ラクタム環、トリフルオロメチル基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基及びアルカノイル基からなる群より選択される置換基を有する、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、縮合していてもよいC3〜C9シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は縮合していてもよい3員〜8員のヘテロ環基(該ヘテロ環基内に、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3有していてもよい。)を示す(但し、
1)Yがアルコキシカルボニル基である場合、又は
2)上記一般式(II)で表されるYが、式(II−1)
−L−O−Q (II−1)
(式(II−1)中、L及びQは式(II)におけるL及びQと同義の基を示す。)で表される基を示す場合を除く。)。)で表される基を示し、R及びRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は2若しくは3のフッ素原子で置換されたアセチル基を示す。]で表される化合物(但し、1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(7−カルバモイル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン、1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}4−(5−シアノ−6−オキソ−ピリジン−2−イル)ベンゼン及び1−{4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル}−4−(5−シアノ−6−オキソ−ピリジン−2−イル)ベンゼンを除く。)又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
一般式(I)中、R及びRが水素原子を示し、Xにおけるmが1〜3のいずれかの整数を示し、sが0を示すことを特徴とする請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【化4】

で表される基を示し、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(V)
【化5】

[式(V)中、Rは、水素原子、低級アルキル基、C3〜C8のシクロアルキル基、アラルキル基、又はヘテロアリール基を示し、nは、0又は1〜4のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【化6】

で表される基を示し、一般式(IV)中、Rが水素原子又は低級アルキル基を示し、Rが、一般式(VI)
−(CH−A (VI)
[式(VI)中、Aは、アリール基、ヘテロアリール基、C4〜C7のシクロアルキル基とアリール基の縮合双環基、又はC4〜C7のシクロアルキル基とヘテロアリール基の縮合双環基を示し、qは、0又は1〜3のいずれかの整数を示す。]で表される基を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
一般式(II)で表されるYが、一般式(IV)
【化7】

で表される基を示し、一般式(IV)中、R及びRが、互いに結合する窒素原子と一体となった窒素含有ヘテロシクロ環基を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
窒素含有ヘテロシクロ環基が、ピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼチジニル基、ホモピペリジニル基、若しくはヘプタメチレンイミニル基の単環基、又はこれらの単環とC4〜C7のシクロアルキル基、フェニル基若しくはピリジル基との双環基であることを特徴とする請求項5記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
及びXが、同時にCHを示し、又はいずれか一方が窒素原子を示すことを特徴とする請求項3〜6のいずれか記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
一般式(II)で表されるYが、未置換、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は2の置換基を環内に有する、アリール基又は5員若しくは6員のヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1〜3有する。)を示すことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
及びXが、同時に窒素原子を示すことを特徴とする請求項8記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
一般式(I)で表されるピペリジン誘導体化合物が、N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(1)、
N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(2)、
N−メチル−N−(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(3)、
N−メチル−N−(1−シクロペンチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(4)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(5)、
N−メチル−N−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(6)、
N−メチル−N−[(3R)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(7)、
N−メチル−N−[(3S)−1−シクロペンチルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(8)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(9)、
N−メチル−N−[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(10)、
N−(ピリジン−4−イル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩(11)、
2−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(12)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13)
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−4−フェニルピペラジン(14)
N−メチル−N−[1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(15)、
N−メチル−N−(チオフェン−2−イル)メチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(16)、
N−メチル−N−フェネチル−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(17)、
1−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(18)
4−{4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゾイルピペリジン−1−イル(19)
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(20)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(21)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(22)、
N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4−[4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンズアミド(23)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(4−シアノフェニル)ピリミジン(24)、
2−[(4−ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−ピリジル)ピリミジン(25)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(26)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン(27)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−(2−ナフチル)ピリミジン(28)、
2−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]ピリミジン(29)、
1−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]−4−(3−ピリジル)ベンゼン(30)、
1−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−[4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]ベンゼン(31)であることを特徴とする請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするヒスタミンH3アンタゴニスト又はインバースアゴニスト。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする、肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝等の代謝系疾患、狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、睡眠障害や睡眠障害を伴う各種疾患、例えば特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、慢性疲労症候群、レム睡眠障害、老齢者不眠、夜勤勤労者睡眠不衛生、特発性不眠症、反復性不眠症、真性不眠症、電解質異常等の循環器系疾患、過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、アルツハイマー氏病、パーキンソン病、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、てんかん、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項13】
一般式(Ia)
【化8】

[式中、X、X、X、R及びRは、上記一般式(I)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同義の基を示し、Lは脱離基を示す。]で表される化合物と、一般式(IIa)
Met−Y1p (IIa)
[式中、Metは、金属原子含有原子団を示し、Y1pは、上記一般式(II)
【化9】

で表されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ酸、水酸基、カルボキシル基等において保護基を有する基を示す。]で表される化合物とを触媒存在下、反応させ、一般式(Ib)
【化10】

[式中、X、X,X、R及びRは、一般式(Ia)におけるX、X,X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Y1pは、一般式(IIa)におけるY1pと同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じて、Y1pにおける官能基の保護基の除去又は変換を行うことを特徴とする、一般式(I−1)
【化11】

[式中、X、X,X、R及びRは、一般式(Ib)におけるX、X,X、R及びRと同じ基を示し、Yは一般式(Ib)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物の製造方法。
【請求項14】
一般式(Ic)
【化12】

[式中、X及びXは、上記一般式(I)におけるX及びXとそれぞれ同義の基を示し、Y1pは上記一般式(II)で表されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ酸、水酸基、カルボキシル基等の保護基を有する基を示し、Lは脱離基を示す。]で表される化合物と、式(Id)
【化13】

[式中、R、R及びXは、上記一般式(I)におけるR、R及びXとそれぞれ同義の基を示す。]で表される化合物とを塩基性条件下又は触媒存在下で反応させ、一般式(Ie)
【化14】

[式中、X、X及びY1pは、一般式(Ic)におけるX、X及びY1pとそれぞれ同じ基を示し、X、R及びRは、一般式(Id)におけるX、R及びRとそれぞれ同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じて、Y1pにおける官能基の保護基の除去又は変換を行うことを特徴とする、一般式(I−2)
【化15】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ie)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは、一般式(Ie)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物の製造方法。
【請求項15】
一般式(If)
【化16】

[式中、X、X、X、R及びRは、上記一般式(I)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同義の基を示し、Metは金属原子含有原子団を示す。]で表される化合物と、一般式(IIb)
1p−L (IIb)
[式中、Y1pは、上記一般式(II)で示されるYと同義の基、又はそれらの置換基に含まれるアミノ酸、水酸基、カルボキシル基等の保護基を有する基を示し、Lは一般的な脱離基を示す。]で表される化合物とを反応させ、一般式(Ig)
【化17】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(If)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Y1pは、一般式(IIb)におけるY1pと同じ基を示す。]で表される化合物とし、必要に応じてY1pにおける官能基の保護基の除去又は変換を行うことを特徴とする、一般式(I−3)
【化18】

[式中、X、X、X、R及びRは、一般式(Ig)におけるX、X、X、R及びRとそれぞれ同じ基を示し、Yは、一般式(Ig)におけるY1pにおいて官能基の保護基を除去又は変換した基を示す。]で表される化合物を製造する方法。

【国際公開番号】WO2005/028438
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514090(P2005−514090)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013768
【国際出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000005072)萬有製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】