説明

新規化合物

大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネルオープナー(BKチャネルオープナー)であり、尿道障害の治療において有用な式(I):


の化合物またはその医薬上許容される塩が開示される。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、医薬的に活性な化合物に、これらを含有する医薬組成物に、およびカリウムチャネル活性化に付随する障害の治療におけるその使用に関する。かかる障害としては、脳梗塞、痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、仙骨上部脊髄疾患、中枢神経系障害、高血圧、卒中、アンギーナ、鬱血性心不全、クモ膜下出血、頻尿症、尿失禁、切迫尿失禁、過活動膀胱、排尿筋不安定に関連する疾患、過敏膀胱、過敏性腸症候群、膀胱炎、尿道炎、腎臓結石病、憩室炎または流出閉塞、および気管支喘息、疼痛、炎症性疼痛、神経症性疼痛および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられる。
【0002】
(従来技術)
カリウムは最も豊富な細胞内陽イオンであり、生理的恒常性の維持において非常に重要である。カリウムチャネルはほとんどすべての脊椎動物細胞において存在し、これらのチャネルを通るカリウム流入は、過分極化された静止膜電位を維持するのに不可欠である。
大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネル(BKチャネルまたはmaxi−Kチャネルとも言う)は、ニューロン、心臓および平滑筋細胞において発現される。maxi−Kチャネルは、細胞内カルシウム濃度の増加および膜脱分極の両方により活性化されるので、電圧に依存したカルシウム流入の制御において中心的な役割と果たすと考えられてきた。細胞内カルシウム濃度の増加は、神経伝達物質の放出、平滑筋の収縮、細胞成長および死などの多くのプロセスを媒介する。実際に、maxi−Kチャネルの開放は強力な膜の過分極を引き起こし、これにより、これらのカルシウム誘発性応答を阻害する。従って、様々な脱分極による生理学的応答を阻害することにより、maxi−Kチャネルの開放の活性を有する物質は、脳梗塞、痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、仙骨上部脊髄疾患、中枢神経系障害、高血圧、卒中、アンギーナ、鬱血性心不全、クモ膜下出血、頻尿症、尿失禁、切迫尿失禁、過活動膀胱、排尿筋不安定に関連する疾患、過敏膀胱、過敏性腸症候群、膀胱炎、尿道炎、腎臓結石病、憩室炎または流出閉塞、および気管支喘息、疼痛、炎症性疼痛、神経症性疼痛および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に有効であると期待される。
【0003】
(発明の開示)
本発明は、大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネルの活性化に付随する障害を治療または抑制する方法であって、これを必要とする対象に、有効量の式(I):
【化1】

(式中:
は存在しないか、あるいは(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
XはNR、O、またはSである;
Bはアリールまたは複素環である;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
はCOOH、CONR、SOH、SONR、CONRSO
【化2】



各RおよびRは、水素、(C1−6)アルキル、アリール、複素環、(C1−6)アルキル−アリール、および(C1−6)アルキル−複素環から独立して選択される)
の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法を含む。
【0004】
式(I)に関して:
好適には、XはOまたはNRであり、ここにおいて、NRは水素、(C1−6)アルキル、または(C1−6)アルキル−複素環である。
好適には、Bはフェニル、チオフェン、フラン、またはピリジンである。
好適には、RはCOOHである。
【0005】
本発明は、大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネルを活性化する新規化合物も含む。本発明は、式(II):
【化3】

(式中:
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
XはNR、O、またはSである;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、NRおよびCO(式中、Rはアリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルである)から独立して選択される3個までの置換基を表す;
各RおよびRは、水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルから独立して選択される)
の化合物またはその医薬上許容される塩(ただし、4−メトキシ−3−(ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸または3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)安息香酸でないとする)を含む。
【0006】
式(II)に関して:
好適には、各Rは独立して、メチル、ハロ、トリフルオロメチル、モルホリニル、NR、またはORであり、ここにおいて、各RおよびRは独立して、水素、(C1−6)アルキルまたはピペリジンである。
好適には、XはOまたはNRであり、ここにおいてRは水素、(C1−6)アルキル、または(C1−6)アルキル−複素環である。さらに好適には、XはOまたはNRであり、ここにおいてRは水素、メチル、または4−エチルモルホリニルである。
好適には、Rはハロ、(C1−6)アルキル、ORa、またはNRであり、ここにおいて、各RおよびRは独立して、水素または(C1−6)アルキルである。
【0007】
本発明のもう一つの態様は、式(III):
【化4】

(式中:
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
XはNR、O、またはSである;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
はSOH、SONR、CONRSO
【化5】



各RおよびRは、水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルから独立して選択される)
の化合物またはその医薬上許容される塩である。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、式(IV):
【化6】

(式中:
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、CORa、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
は、COOH、SOH、SONR、CONRSO
【化7】



は水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルである;
Hはチオフェン、フラン、またはピリジンである;
各RおよびRは、水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルから独立して選択される)
の化合物またはその医薬上許容される塩である。
【0009】
本発明の新規化合物の代表例は、次の通りである:
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−フラン−2−カルボン酸;
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸;
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−1−メチルインドール−2−イル)−安息香酸;
5−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸;
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸;
3−(5−クロロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジフルオロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
5,6−ジクロロ−2−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−1H−インドール;および
3−(1−ベンジル−5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)安息香酸
またはその医薬上許容される塩である化合物。
【0010】
大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネルの活性化に付随する障害を治療または抑制する代表的化合物は次の通りである:
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸;
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−フラン−2−カルボン酸;
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸;
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−1−メチル−インドール−2−イル)−安息香酸
5−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸;
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸;
3−(5−クロロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジフルオロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;および
4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸;またはその医薬上許容される塩。
【0011】
本発明には、本発明の化合物の医薬上許容される付加塩および複合体も含まれる。本発明の化合物が1以上のキラル中心を有する場合、特に記載しない限り、本発明は、通常の技術により合成し、分割することができる、それぞれの独自の非ラセミ化合物を包含する。化合物が不飽和炭素−炭素二重結合を有する場合、シス(Z)およびトランス(E)異性体はどちらも本発明の範囲内に含まれる。化合物が互変異性形態、例えばケト−エノール互変異性体、例えば
【化8】

において存在する場合、各互変異性形態は、平衡状態で存在するか、または適当なR’での置換によりロックされているかどうかによらず、本発明に含まれる。
本発明の化合物のプロドラッグも本発明に含まれる。プロドラッグは、式(II)、(III)、および(IV)の活性な親ドラッグをインビボで放出する任意の共有結合した担体であると考えられる。
【0012】
式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物およびその医薬上許容される塩はBKチャネルアクチベーターである。膀胱細胞におけるBKチャネルの活性化の結果、膀胱平滑筋組織が弛緩する。このように、本発明の化合物は、過度の尿道の平滑筋収縮を伴う疾患の治療において有用である。これらの障害には、尿失禁、過活動膀胱、頻尿症、切迫尿失禁、排尿筋不安定に関連する疾患、過敏膀胱、膀胱炎、尿道炎、および腎臓結石病が含まれる。さらに、本発明の化合物はBKチャネルを活性化するので、これらの化合物はBKチャネルの活性化が状態を改善する他の状態または疾患の治療においても有用である。かかる状態または疾患は、脳梗塞、痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、仙骨上部脊髄疾患、中枢神経系障害、高血圧、卒中、アンギーナ、鬱血性心不全、クモ膜下出血、過敏性腸症候群、尿道炎、腎臓結石病、憩室炎または流出閉塞、および気管支喘息、疼痛、炎症性疼痛、神経症性疼痛および慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
【0013】
ペプチドおよび化学分野において一般的に用いられる略語および記号を本発明の化合物を記載するために本明細書において使用する。
特に定義しない限り、(C1−6)アルキルなる用語は、単独で用いられるか、または他の基の一部を形成する場合(例えば、「(C1−6)アルキル−アリール」基)、1〜6個の炭素原子を含有する置換または非置換、直鎖または分岐鎖アルキル基を包含する。(C1−6)アルキル基の例としては、メチル、エチル、nプロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、およびヘキシルが挙げられる。
(C2−6)アルケニルなる用語は、2〜6個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル基であって、1つの炭素−炭素単結合が炭素−炭素二重結合により置換されているものを意味する。(C2−6)アルケニルの例としては、エチレン、1−プロペン、2−プロペン、1−ブテン、2−ブテン、およびイソブテンが挙げられる。シスおよびトランス異性体は両方とも含まれる。
【0014】
(C3−7)シクロアルキルなる用語は、3〜7個の炭素原子を有する置換または非置換炭素環式環系であって、2個までの不飽和炭素−炭素結合を含有するものを意味する。(C3−7)シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプチルが挙げられる。
特に定義しない限り、任意の(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、および(C3−7)シクロアルキル基の好適な置換基としては、単独で用いられるか、または他の基の一部を形成する場合(例えば、「(C1−6)アルキル−アリール」基)、安定な構造をもたらし、通常の合成技術により得られる任意の炭素原子上の5個までの置換基を含む。好適な置換基は、ハロ、−OR’、−SR’、(C1−6)アルキルスルホニル、(C1−6)アルキルスルホキシル、−N(R’)、−CHN(R’)、ニトロ、シアノ、−COR’、−CON(R’)、−COR’、および−NR’C(O)R’であり、ここにおいて、各R’は独立して、Hまたは非置換(C1−6)アルキルである。
ハロまたはハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含する。
【0015】
Arまたはアリールは、本明細書において用いられる場合、フェニルまたはナフチル、あるいは安定な構造をもたらし、通常の合成技術により得ることができる任意の炭素上の1〜3個の置換基で置換されたフェニルまたはナフチルを意味する。好適な置換基は、ハロ、−OR’、−SR’、(C1−6)アルキルスルホニル、(C1−6)アルキルスルホキシル、−N(R’)、−CHN(R’)、ニトロ、シアノ、−COR’、−CON(R’)、−COR’、および−NR’C(O)R’であり、ここにおいて各R’は独立してHまたは非置換(C1−6)アルキルである。
「het」または「複素環」なる用語は、非置換または置換5または6員単環、あるいは窒素、酸素、および硫黄の群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する9または10員二環式環であって、安定で、通常の化学合成により得ることができるものを示す。複素環の例は、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンゾピラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、フラン、イミダゾール、インドリン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピリジン、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、キノリン、イソキノリン、ピロリジン、ピリジン、およびピペリジンである。特に規定しない限り、任意の複素環基は、ハロ、−OR’、−SR’、(C1−6)アルキルスルホニル、(C1−6)アルキルスルホキシル、−N(R’)、−CHN(R’)、ニトロ、シアノ、−COR’、−CON(R’)、−COR’、および−NR’C(O)R’(ここにおいて、各R’は独立してHまたは非置換(C1−6)アルキルである)の群から選択される3個までの置換基を含有する。
【0016】
あるラジカル基は本明細書においては略記される。t−Buはターシャリーブチルラジカルを意味し、Bocは、t−ブチルオキシカルボニルラジカルを意味し、Fmocはフルオレニルメトキシカルボニルラジカルを意味し、Phはフェニルラジカルを意味し、Cbzはベンジルオキシカルボニルラジカルを意味し、Bnはベンジルラジカルを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Acはアセチルを意味し、AlkはC1−4アルキルを意味し、Nphは1−または2−ナフチルを意味し、cHexはシクロヘキシルを意味する。Tetは5−テトラゾリルを意味する。
ある試薬は本明細書においては略記される。DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドを意味し、DMAPはジメチルアミノピリジンを意味し、DIEAはジイソプロピルエチルアミンを意味し、EDCは、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を意味する。HOBtは1ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味し、THFはテトラヒドロフランを意味し、DIEAはジイソプロピルエチルアミンを意味し、DEADはジエチルアゾジカルボキシレートを意味し、PPhはトリフェニルホスフィンを意味し、DIADはジイソプロピルアゾジカルボキシレートを意味し、DMEはジメトキシエタンを意味し、DMFはジメチルホルムアミドを意味し、NBSはN−ブロモスクシンイミドを意味し、Pd/Cは炭素上パラジウム触媒を意味し、PPAはポリリン酸を意味し、DPPAはジフェニルホスホリルアジドを意味し、BOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチル−アミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、HFはフッ化水素酸を意味し、TEAはトリエチルアミンを意味し、TFAはトリフルオロ酢酸を意味し、PCCはピリジニウムクロロクロメートを意味する。
【0017】
式II〜IVの化合物は、スキームI〜IIIに記載されている一般法により調製される。
【化9】

【0018】
スキームIは、XがNRである式Iの化合物を調製するための一般的スキームを表す。特に記載しない限り、RおよびRは前記定義の通りである。RはCOOHとして表されるが、スキームIは、適当な出発物質を置換することにより、Rが任意の他の所定の基である化合物を調製するために用いることができる。スキームIの出発物質および試薬は、商業的に入手可能であるか、または商業的に入手可能な出発物質から当業者に公知の方法を用いて調製される。
【0019】
トリメチルシリルアセチレンを適当なアリール−またはヘテロアリール−ヨージド(例えば、エチル−2−ヨード−ベンゾエートおよびエチル−5−ブロモ−フロエート)と、ヨウ化銅、ビス(トリフェニルホスフィン)−ジクロロパラジウム、およびトリエチルアミンの存在下で反応させて、所望のトリメチルシリル−フェニル−アセチレン3を得る。トリメチルシリル基を炭酸カリウムおよびメタノールで除去して、4を得る。アニリン(例えば、3,4−ジクロロ−アニリン)を三臭化ホウ素と反応させて、ヨードアニリン6を得る。ヨードアニリン6を次いでフェニルアセチレン4と、ヨウ化銅、ビス(トリフェニルホスフィン)−ジクロロパラジウム、およびトリエチルアミンの存在下で反応させて、ジフェニルアセチレン7を得る。アニリン7をアセトニトリル中、ビス(アセトニトリル)−ジクロロパラジウムの存在下で加熱して、環化生成物8を得る。ベンゾエート8を次いで加水分解して、対応する安息香酸9を得る。別法として水素化ナトリウムおよびアルキルハライド(例えば、ヨウ化メチル)を用いてベンゾエート8をアルキル化して、N−アルキル化生成物10を得る。ベンゾエート10を次いで加水分解して、対応する安息香酸9を得る。
【0020】
【化10】

【0021】
スキームIIは、XがNHであり、Rがテトラゾリルである式Iの化合物を調製するための別のスキームを表す。RおよびRは特に記載しない限り前記定義の通りである。スキームIIの出発物質および試薬は、商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法を用いて商業的に入手可能な出発物質から調製される。
【0022】
ヨード−アニリン1をBOC無水物とジオキサン中で反応させて、カーバメート2を得る。ヨードフェニル2の置換エチニル−ニトリル3との、ヨウ化銅、ビス(トリフェニルホスフィン)−ジクロロパラジウム、およびトリエチルアミンの存在下での反応により、ジフェニルアセチレン中間体を得る。ジフェニルアセチレンを次いでTBAFと還流THF中で反応させて、インドール4を得る。ニトリル4をアジ化ナトリウムと還流1−メチル−ピペリジン−2−オン中で反応させて、テトラゾール5を得る。
【0023】
【化11】

【0024】
スキームIIIは、XがOまたはSである式Iの化合物を調製するための一般的スキームを表す。RおよびRは特に記載しない限り前記定義の通りである。RはCOOHとして表されるが;スキームIIIは、適当な出発物質を置換することにより、Rが任意の他の規定された基である化合物を調製するために用いることができる。スキームIIIの出発物質および試薬は、商業的に入手可能であるか、または商業的に入手可能な出発物質から当業者に公知の方法を用いて調製される。
【0025】
トリメチル−アセチレンを適当なアリール−またはヘテロアリール−ヨージド(例えば、エチル−2−ヨード−ベンゾエート)とヨウ化銅およびビス(トリフェニルホスフィン)−ジクロロパラジウムの存在下で反応させて、所望のトリメチルシリル−フェニル−アセテチレン3を得る。トリメチルシリル基を炭酸カリウムおよびメタノールで除去して、4を得る。アニソール(例えば、4−クロロ−アニソール)を三臭化ホウ素と反応させて、ヨードフェノール6を得ることができる。ヨードフェノール(例えば、ヨードフェノール、2−ヨード−4−クロロ−フェノール、または2−ヨード−4,5−ジクロロ−フェノール)を次いでフェニル−アセチレン4とヨウ化銅およびビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウムの存在下で反応させて、環化生成物7を得る。安息香酸エチルを次いで加水分解して、対応する安息香酸8を得る。
【0026】
化合物の酸付加塩は、適当な溶媒中、標準的方法で、親化合物および過剰の酸、例えば塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸またはメタンスルホン酸から調製される。ある種の化合物は、許容できる分子内塩または双性イオンを形成する。ある種の塩は、親化合物を、適当な陽イオンを含有する過剰のアルカリ性試薬、例えば、水酸化物、炭酸塩またはアルコキシド;あるいは適当な有機アミンで処理することにより調製される。陽イオン、例えば、Li、Na、K、Ca++、Mg++およびNHは、医薬上許容される塩中に存在する陽イオンの具体例である。
【0027】
本発明はさらに、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物も提供する。従って、式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物は、医薬の製造において用いることができる。前述のようにして調製される式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物の医薬組成物は、非経口投与用溶液または凍結乾燥粉末として処方することができる。粉末は、使用前に適当な希釈剤または他の医薬上許容される担体を添加することにより復元することができる。液体処方は、緩衝等張水性溶液であってもよい。適当な希釈剤の例は、標準等張塩溶液、標準5%水または緩衝酢酸ナトリウムまたはアンモニウム溶液中デキストロースである。このような処方は、非経口投与に特に好適であるが、経口投与用に用いるか、または吸入のために計量式吸入器またはネブライザー中に入れることもできる。賦形剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アカシア、ポリエチレングリコール、マンニトール、塩化ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムを添加することが望ましい。
【0028】
別法として、これらの化合物は、経口投与用に、カプセル化、錠剤化あるいはエマルジョンまたはシロップに調製することができる。組成物を向上させるか、または安定化させるために、あるいは組成物の調製を容易にするために、医薬上許容される固体または液体担体を添加することができる。固体担体としては、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、白土、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸、タルク、ペクチン、アカシア、寒天またはゼラチンが挙げられる。液体担体としては、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、塩溶液および水が挙げられる。担体は、徐放性物質、例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートを、単独またはワックスと共に含むこともできる。固体担体の量は変化し得るが、投与単位あたり好ましくは約20mg〜約1gの間である。医薬製剤は、錠剤形態については、粉砕、混合、造粒、および必要ならば圧縮;またはハードゼラチンカプセル形態については、粉砕、混合および充填を含む通常の製薬技術に従って調製される。液体担体が用いられる場合、製剤は、シロップ、エリキシル、エマルジョンあるいは水性または非水性懸濁液の形態である。かかる液体処方は、直接経口投与することができるか、またはソフトゼラチンカプセル中に充填することができる。
【0029】
直腸投与に関して、本発明の化合物は、賦形剤、例えばカカオ脂、グリセリン、ゼラチンまたはポリエチレングリコールと組み合わせて、坐剤に成形することができる。
局所投与に関して、本発明の化合物を希釈剤と組み合わせて、軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、粉末またはスプレーの形態をとることができる。軟膏、ゲル、ペーストまたはクリームである組成物は、希釈剤、例えば、動物性および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコンベントナイト、珪酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含有する。粉末またはスプレーである組成物は、希釈剤、例えば、ラクトース、タルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有する。さらに、局所眼科的投与に関して、典型的な担体は、水、水と水混和性溶媒、例えば低級アルカノールまたは植物性油、および水溶性非毒性ポリマー、例えばセルロース誘導体、例えばメチルセルロースの混合物である。
【0030】
本明細書に記載される化合物は、BKチャネルアクチベーターであり、BKチャネルの活性化が望ましいかまたは改善をもたらす状態または疾患を治療するために有用である。例えば、これらの化合物は、平滑筋収縮に関連する障害の治療において有用であり、従って、本発明の化合物は、尿道の過度の平滑筋収縮を伴う障害の治療において有用である。従って、本発明の化合物は、尿失禁、過活動膀胱、切迫性尿失禁、排尿筋不安定に関連する疾患、過敏膀胱、頻尿、膀胱炎、尿道炎、および腎臓結石病の治療において有用である。BKチャネルは、ニューロン心臓および平滑筋細胞上でも見いだされるので、本発明の化合物は、次の状態または疾患の治療において有用であると考えられる:脳梗塞、痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、仙骨上部脊髄疾患、中枢神経系障害、高血圧、卒中、アンギーナ、鬱血性心不全、クモ膜下出血、過敏性腸症候群、憩室炎または流出閉塞、気管支喘息、疼痛、炎症性疼痛、神経症性疼痛および慢性閉塞性肺疾患(COPD)。
【0031】
本発明の化合物は、薬剤の濃度が、尿失禁、または他のかかる適応症を治療するために十分であるような方法で患者に投与される。前記化合物を含有する医薬組成物は、約10mg〜約1000mgの間の経口用量で、一日に1回または数回、患者の状態と一致する方法で投与される。好ましくは、経口用量は、約50mgから約500mgであるが、用量は、患者の年齢、体重および症状に応じて変えることができる。救急治療に関しては、非経口投与が好ましい。式(I)の化合物の水または標準塩溶液中5%デキストロース中静脈内注入物、または適当な賦形剤を有する類似した処方が最も有効であるが、筋肉内ボーラス注射も有用である。化合物が投与される正確な量および方法は、当業者により容易に決定される。
【0032】
所定の医薬的効果を有することが必要とされる化合物の濃度を決定するためのいくつかの生物学的検定のうちの1つにおいて化合物を試験することができる。
新たに単離された膀胱平滑筋細胞におけるBK電流のパッチ−クランプ研究
細胞の単離
過剰量のペントバルビタールナトリウムで屠殺したオスSprague−Dawleyラット(体重250〜400g)またはオスニュージーランドシロウサギ(体重2.5〜3.5kg)から膀胱を摘出した。膀胱を、137mM NaCl、5mM KHPO、1mM MgSO、10mMグルコース、5mM HEPES、8mMタウリンおよび1mg/mlウシ血清アルブミンを含有する名目上Ca2+を含まない冷塩溶液(pH=7.4)で洗浄した。小束の圧迫筋を切り刻んで小片にし、名目上Ca2+を含まない塩溶液中、室温で30分間インキュベートした。組織片を次いで、50μMのCaCl、1.5mg/mlコラゲナーゼII型(Worthington Biochemical Corporation)および1mg/mlプロテアーゼXXIV(Sigma)を名目上Ca2+を含まない塩溶液に添加することにより調製された酵素溶液中、37℃でインキュベートし、Oを吹き込んだ。単一の平滑筋細胞を上清中に収穫し、組織片を新鮮な酵素溶液中で再度インキュベートした。細胞収集を3回繰り返した。ウサギおよびラットについてそれぞれ約90分および120分で最大数の伸長された細胞が得られた。膀胱平滑筋細胞を4℃で、80mMグルタミン酸カリウム、20mM KHPO、20mM KCl、5mM MgCl、0.5mM KEGTA、2mM NaATP、5mM ピルビン酸Na、5mMクレアチン、20mMタウリン、10mMグリシン、10mMグルコース、および5mM HEPESからなるKB−培地中で保存した。細胞を8時間以内に実験に使用した。
【0033】
BK電流の記録
細胞外溶液(140mM NaCl、4mM KCl、1mM MgCl、2mM CaCl、10mMグルコース、10mM HEPES;pH=7.4)で一定して灌流された細胞を小実験チャンバー中に入れた。BK電流を記録するために、全細胞電圧クランプ技術を使用した。ピペット溶液は、140mM KCl、5mM EGTA、1mM MgCl、5mM MgATP、0.2mM CaCl、5mM HEPES、pH=7.2から構成されていた。薬剤をDMSO中に、10mMストックとして溶解させ、細胞外溶液中、所望の濃度に希釈した。細胞を0mVに維持し、BK電流を、10mVの増分で、10から80mVの間の200ms脱分極電圧ステップの間に記録した。インターパルス間隔は3sであった。BK電流の大きさを、電圧ステップの最後の30ms中の平均電流として測定し、膜電圧に対してプロットした。様々な薬剤の不在下および存在下で記録された電流/電圧の関係を比較して、薬剤の効果を決定した。
本発明の化合物は、5%対照(基礎反応)よりも大きな電流の増加を示す。
【0034】
単離された膀胱片のKCl誘発性収縮に対する化合物の影響。
ニュージーランドシロウサギから膀胱を摘出し、縦軸の小片(長さ15mm、幅4mm)に切り出す。粘膜を除去し、小片を15mlの垂直組織浴中に入れ、95%Oおよび5%COで通気し、次の組成:NaCl 118mM;KCl 4.7mM;NAHCO 25mM;KHPO 1.2mM;MgSO 0.58mM;CaCl 2.5mMおよびグルコース 11mMを有する生理学的塩溶液中に入れた。組織を2gの静止張力下で1時間平衡化させ、37℃で保持した。15mM KClを添加することにより組織を次いで前収縮させ、反応が安定化した後(約20分)、試験化合物を浴に累積的に添加した。PCベースの記録および分析システムに接続された等張力変換器を用いて張力における変化を記録し、0.1mMパパベリンにより生じる弛緩のパーセンテージとして表した。
化合物が10μM化合物濃度で平滑筋の10%より大きな弛緩を示すならば、前記化合物は平滑筋を弛緩させると見なされる。本発明のある化合物は10%より大きな平滑筋弛緩を示す。
【0035】
以下の実施例は、本発明の範囲を制限することを意図せず、本発明の化合物の調製法および使用法を例示するためのものである。多くの他の具体例は当業者には容易に明らかになるであろう。
実施例および実験
一般論
Bruker AC400分光計を用いて核磁気共鳴スペクトルを400MHzで記録した。CDClは重クロロホルムであり、DMSO−dは6重水素化ジメチルスルホキシドであり、CDODは重メタノールである。化学シフトは内部標準テトラメチルシランからダウンフィールドのppm(δ)で記録する。NMRデータの略語は次の通りである:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、dd=二重項の二重項、dt=三重項の二重項、app=みかけ、br=ブロード。JはHzで測定されたNMRカップリング定数を示す。連続波赤外(IR)スペクトルをPerkin−Elmer 683赤外分光計で記録し、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルは、Nicolet Impact 400 D赤外分光計で記録した。IRおよびFTIRスペクトルを伝送モードで記録し、バンド位置は波数の逆数(cm−1)で記録する。質量スペクトルは、VG 70 FE、PE Syx API III、またはVG ZAB HF装置のいずれかで、高速原子衝撃(FAB)またはエレクトロスプレー(ES)イオン化技術を用いて得られた。元素分析は、Perkin−Elmer 240C元素分析器を用いて得られた。融点は、Thomas−Hoover融点装置を用いて得られ。校正しなかった。全ての温度は摂氏度で記録する。
【0036】
AnaltechシリカゲルGFおよびE.Merckシリカゲル60 F−254薄層プレートを薄層クロマトグラフィーに使用した。フラッシュおよび重力クロマトグラフィーはどちらもE.Merck Kieselgel 60(230−400メッシュ)シリカゲル上で行った。
【0037】
実施例1
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸の調製
a)2−ヨード−3,4−ジクロロ−アニリン
3,4−ジクロロアニリン(10.00g、61.73ミリモル)をアルゴン下、酢酸(150mL)中に溶解させた。ICl(15g、92.6ミリモル)を酢酸(125mL)中に溶解させ、ゆっくりとアニリン溶液に1時間かけて添加した。3時間後、反応混合物を濾過し、固体を少量の酢酸で洗浄して、黄褐色結晶を得た。これらの結晶を水で磨砕し、濾過して、クリーム色固体(6.00g)を得た。酢酸濾液中にさらに固体が形成された。これらを濾過し、水で磨砕して、クリーム色固体(2.09g)を得た。両結晶性バッチを合し、温シクロヘキサン(35mL)から再結晶して、結晶性固体として白色の4,5−ジクロロ−2−ヨードアニリン(6.25g、35%)を得た。mp 79.5−80.5℃。TLC:酢酸エチル−ヘキサン 1:9、シングルスポット。LCMS 288(M+H)。NMR(d DMSO),7.74(s,1H),6.92(s,1H),5.63(s,2H)。
【0038】
b)3−(2−アミノ−4,5−ジクロロ−フェニルエチニル)−安息香酸エチルエステル
2−ヨード−3,4−ジクロロ−アニリン(1.2g、4.16ミリモル)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(20mL)およびTHF(20mL)中3−エチニル安息香酸エチルエステル(0.72g、4.14ミリモル;Iijima,Toru;Endo,Yasuyuki,Tsuji,Motonori;Kawachi,Emico;Kagechika,Hiroyuki;Shudo,Koichi;Chem.Pharm.Bull.1999,47(3),398−404)を添加した。この溶液に、ヨウ化銅(7mg、0.037ミリモル)およびパラジウムビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリドを添加した。混合物を3.5時間室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をEtOAc中に溶解させた。EtOAc溶液を飽和水性重炭酸塩、HO、および塩溶液で洗浄した。EtOAc層をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(15%EtOAc:ヘキサン)に付して、標記化合物を得た(0.66g、47%)。LCMS 334.2(M+H)。
【0039】
c)4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸エチルエステル
前記アニリン(0.33g、1.0ミリモル)の撹拌溶液に、アセトニトリル(25mL)中パラジウムビス(アセトニトリル)ジクロリドを添加した。反応混合物を65℃で3時間加熱した。混合物を冷却し、濾過した。得られた結晶性生成物をEtOH中で洗浄し、真空乾燥して、灰白色固体として標記化合物を得た(0.2g、60%)。LCMS 334.2(M+H)。
【0040】
d)4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸
前記エステルのEtOH(8mL)およびTHF(8mL)中撹拌溶液に、1N水性NaOH(0.72mL)を添加した。混合物を3.5時間還流させ、濃縮した。残留物をHOで希釈し、HOAcで酸性化した。得られた固体をEtOAc中に溶解させ、HO、塩溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過した。EtOAc溶液を濃縮して、ベージュ色固体として標記化合物を得た(0.15g、83%)。LCMS 306.0(M+H)。
【0041】
実施例2
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−フラン−2−カルボン酸の調製
標記化合物を実施例1と同様にして調製した。LCMS 296.2(M+)。
【0042】
実施例3
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−安息香酸の調製
実施例1と同様にして標記化合物を調製した。LCMS 265.6(M+)。
【0043】
実施例4
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸の調製
実施例1と同様にして標記化合物を調製した。LCMS 336.2(M+)。
【0044】
実施例5
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸の調製
実施例1と同様にして標記化合物を調製した。LCMS 340.4(M+)。
【0045】
実施例6
3−(5,6−ジクロロ−1−メチル−インドール−2−イル)−安息香酸の調製
a)4−(5,6−ジクロロ−1−Me−インドール−2−イル)−安息香酸エチルエステル
実施例1工程a〜cからのエステル(100mg、0.3ミリモル)のDMSO(2mL)中撹拌溶液に、60%NaH(16mg、0.4ミリモル)を添加した。混合物を45℃で45分間加熱し、次いでMeI(0.05ml、0.8ミリモル)を添加した。反応混合物をさらに30分間室温で撹拌した。残留物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc層を分離し、HO、塩溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗固体を含有するフラスコにエーテルを添加し、異種混合物を10分間撹拌した。白色固体を濾過し、真空下で乾燥して、白色固体として標記化合物を得た(0.07g、67%)。LCMS 348.0(M+H)。
【0046】
b)4−(5,6−ジクロロ−1−メチルインドール−2−イル)−安息香酸
前記エステル(70mg、0.2ミリモル)のEtOH(8mL)およびTHF(3mL)中撹拌溶液に、1N水性NaOH(0.2mL)を添加した。混合物を3.5時間還流させ、濃縮した。残留物をHOで希釈し、HOAcで酸性化した。得られた固体をEtOAc中に溶解させ、HOおよび塩溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過した。EtOAc溶液を濃縮して、白色固体として標記化合物を得た(60mg、90%)。LCMS 320.2(M+H)。
【0047】
実施例7
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸の調製
実施例1と同様にして標記化合物を調製した。LCMS 296.2(M+)。
【0048】
実施例8
5−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸の調製
実施例1と同様にして標記化合物を調製した。LCMS 300.2(M+)。
【0049】
実施例9
3−(5−クロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸の調製
a)3−[(トリメチルシリル)エチニル]安息香酸エチル
エチニル(トリメチル)シラン(8.68g、88.6ミリモル)および3−ヨード安息香酸エチル(16.5g、59.8ミリモル)の90mlの乾燥トリエチルアミン中撹拌溶液を脱気し、0℃に冷却し、CuI(79mg、0.41ミリモル)およびPd(PPh(1.0g、0.86ミリモル)で処理した。得られた混合物を90℃で一夜還流加熱した後、真空中で濃縮し、次いで250mlのエーテルで希釈し、濾過した。濾液を濃縮して、18.6gの標記化合物を暗褐色油状物として得た。MS(ES)m/e 247.2[M+H]
【0050】
b)3−エチニル安息香酸エチル
3−[(トリメチルシリル)エチニル]安息香酸エチル(8.6g、88ミリモル)の250mlのメタノール中溶液をKCO(23.9g、239ミリモル)で処理した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、次いで濾過し、濃縮し、500mlのエーテルで希釈し、再度濾過した。濾液を集め、溶媒を真空中で除去した。フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)により精製して、淡緑色固体として標記化合物を得た(9.68g、a〜bについて93%)。MS(ES)m/e 175.2[M+H]
【0051】
c)3−(5−クロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸エチル
4−クロロ−2−ヨードアニソール(2.68g、10ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(60ml)中撹拌溶液を三臭化ホウ素(15.0ml、1Mジクロロメタン中溶液)で、室温で処理した。反応を一夜行った後、100mlの水で急冷した。得られた混合物をジクロロメタンで2回(250ml)洗浄し、有機層を塩溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体として標記化合物を得た(2.5g、100%)。
前記4−クロロ−2−ヨードフェノール(0.75g、2.96ミリモル)、3−エチニル安息香酸エチル(0.566g、3.25ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(59mg、0.225ミリモル)の15mlの乾燥トリエチルアミン中撹拌溶液を脱気し、CuI(5.7mg、0.03ミリモル)およびPd(PPhCl(42mg、0.06ミリモル)で処理した。得られた混合物を90℃で一夜加熱し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。分取HPLC(CHCN 60%−98% 10分)により、白色固体として標記化合物(0.463g、52%)を得た。MS(ES)m/e 301.2(M)。
【0052】
d)3−(5−クロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸
3−(5−クロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸エチル(0.440g、1.46ミリモル)の10mlのエタノールおよび10mlのTHF中溶液をNaOH(2.0ml 1M水中溶液)で処理した。得られた溶液を55℃で3時間加熱し、次いで室温に冷却した。有機溶媒を真空中で除去し、得られた物質を100mlの水中で希釈し、ジクロロメタンで2回(50ml)洗浄した。無機層のpHをAcOHで〜4に調節し、得られた混合物をEtOAc(300ml)で3回抽出した。有機層を合し、水、塩溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機抽出物を濃縮して、黄色固体として 標記化合物を得た(0.39g、98%)。MS(ES)m/e 273.2(M)。
【0053】
実施例10
3−(5,6−ジクロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸の調製
工程cにおいて4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノールを5−クロロ−2−ヨードフェノールの代わりに使用する以外は実施例1工程a〜dの手順に従って、標記化合物を合成した。MS(ES) m/e 307.2(M)。
【0054】
実施例11
3−(1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸の調製
工程cにおいて2−ヨードフェノールを5−クロロ−2−ヨードフェノールの代わりに使用する以外は実施例1工程a〜dの手順にしたがって、標記化合物を合成した。MS(ES)m/e 238.8(M)。
【0055】
実施例12
3−(5,6−ジフルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)安息香酸の調製
工程cにおいて2−ブロモ−4,5−ジフルオロフェノールを5−クロロ−2−ヨードフェノールの代わりに使用する以外は実施例1工程a〜dの手順に従って標記化合物を合成した。MS(ES)m/e 275.2[M+H]
【0056】
実施例13
4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸の調製
実施例1と同様にして標記化合物を調製した。LCMS 306.0(M+H)。
【0057】
実施例14
5,6−ジクロロ−2−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−1H−インドールの調製
a)[4,5−ジクロロ−2−(4−シアノ−フェニルエチニル)−フェニル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
(4,5−ジクロロ−2−ヨード−フェニル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(1.2g、0.48ミリモル)(2−ヨード−3,4−ジクロロ−アニリンおよびBOCOを反応させることにより調製)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.8mL)およびDMF(16mL)中4−エチニルベンゾニトリル(0.16g、1.24ミリモル)を添加した。この溶液に、ヨウ化銅(47mg、0.25ミリモル)およびパラジウムビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリド(88mg、0.12ミリモル)を添加した。混合物を3.5時間室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をEtOAc中に溶解させた。EtOAc溶液を飽和水性重炭酸塩、HO、および塩溶液で洗浄した。EtOAc層をNaSO上で乾燥し、濾過した。EtOAc抽出物をCHCNで磨砕して、沈殿を得た。灰白色固体をEtOAcで洗浄し、真空下で乾燥して、標記化合物を得た(0.32g、67%)。LCMS 387.0(M+H)。
【0058】
b)4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−ベンゾニトリル
[4,5−ジクロロ−2−(4−シアノ−フェニルエチニル)−フェニル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.32g、0.83ミリモル)の撹拌溶液に、THF(25mL)中テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.7mL、1.74ミリモル−THF中1N溶液から)を添加した。反応混合物を還流温度で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、1/2の体積まで濃縮し、EtOAc(25mL)で希釈した。EtOAc溶液を飽和水性塩溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過した。EtOAc抽出物をCHCNで磨砕して、沈殿を得た。固体をEtOAcで洗浄し、真空下で乾燥して、標記化合物を得た(0.16g、68%)。CMS287.2(M+H)。
【0059】
c)5,6−ジクロロ−2−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−1H−インドール
4−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−ベンゾニトリル(0.14g、0.5ミリモル)の撹拌溶液に、1−メチルピペリジン−2−オン(5mL)中アジ化ナトリウム(0.1g、1.5ミリモル)およびトリエチルアミン(0.1g、0.75ミリモル)を添加した。反応混合物を120℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HO中に注いだ。水性混合物をEtOAc(150mL)で抽出した。EtOAc抽出物をHO、飽和水性塩溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄褐色固体を得た。固体をCHCN(5mL)中で撹拌し、濾過して、標記化合物を得た(0.13g、79%)。LCMS 330.0(M+H)。
【0060】
実施例15
3−(1−ベンジル−5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸の調製
a)3−(1−ベンジル−5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸エチルエステル
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸エチルエステル(1.2g、0.48ミリモル)(工程1(a)−(c))の撹拌溶液に、臭化ベンジル(120uL、1.0ミリモル)およびアセトン(25mL)中KCO(0.2g、1.45ミリモル)を添加した。混合物を還流温度で10時間加熱した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をEtOAc中に溶解させた。EtOAc溶液をHO、飽和水性NaClで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc−ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た(0.13g、77%)。LCMS 424.0(M+H)。
【0061】
b)3−(1−ベンジル−5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸
3−(1−ベンジル−5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸エチルエステル(60mg、0.14ミリモル)の撹拌溶液に、THF−EtOHの1:1混合物(合計体積1mL)中1N水性NaOH(0.25mL、0.25ミリモル)を添加した。反応混合物を10時間室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、残存する白色固体をHO(2mL)中に懸濁させ、次いで氷酢酸で酸性化した。酸性溶液をEtOAcで抽出した。EtOAc抽出物をHO、飽和水性NaClで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。アセトニトリルを粗生成物に添加して、異種混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、得られた固体を真空下で乾燥して、標記化合物を得た(38mg、69%)。LCMS 396.2(M+H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネルの活性化に付随する障害を治療または抑制する方法であって、これを必要とする対象に、有効量の式(I):
【化1】

[式中:
は存在しないか、あるいは(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
XはNR、O、またはSを表す;
Bはアリールまたは複素環である;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
はCOOH、CONR、SOH、SONR、CONRSO
【化2】



およびRは、各々独立して、水素、(C1−6)アルキル、アリール、複素環、(C1−6)アルキル−アリール、および(C1−6)アルキル−複素環から選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項2】
大きなコンダクタンスのカルシウム活性化カリウムチャネルの活性化により膀胱平滑筋組織を弛緩させる請求項1記載の方法。
【請求項3】
尿失禁または過活動膀胱を治療する請求項2記載の方法。
【請求項4】
請求項1記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項5】
式(II):
【化3】

[式中:
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
XはNR、O、またはSである;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、NRおよびCO(ここで、Rはアリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルである)から独立して選択される3個までの置換基を表す;
およびRは、各々、水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルから独立して選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩;ただし、4−メトキシ−3−(ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸または3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−安息香酸以外の化合物とする。
【請求項6】
式(III):
【化4】

[式中:
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
XはNR、O、またはSである;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
はSOH、SONR、CONRSO
【化5】



およびRは、各々、水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルから独立して選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
式(IV):
【化6】

[式中:
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、COR、CO、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、CONR、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
は存在しないか、または(C1−6)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C3−6)シクロアルキル、アリール、(C1−6)アルキル−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、OR、SR、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、COR、CORa、SOH、(C1−6)アルキル−CO−(C1−6)アルキル、およびNRから独立して選択される3個までの置換基を表す;
は、COOH、SOH、SONR、CONRSO
【化7】



は水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルである;
Hはチオフェン、フラン、またはピリジンである;
およびRは、各々、水素、アリール、(C1−6)−アリール、複素環、(C1−6)アルキル−複素環、および(C1−6)アルキルから独立して選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−フラン−2−カルボン酸;
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸;
5−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−1−メチルインドール−2−イル)−安息香酸;
5−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−2−クロロ−安息香酸;
3−(5,6−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−4−メトキシ−安息香酸;
3−(5−クロロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(5,6−ジクロロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
3−(ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;または
3−(5,6−ジフルオロ−ベンゾフラン−2−イル)−安息香酸;
またはその医薬上許容される塩である化合物。

【公表番号】特表2007−523873(P2007−523873A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520325(P2006−520325)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/022706
【国際公開番号】WO2005/009993
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(591002957)スミスクライン・ビーチャム・コーポレイション (341)
【氏名又は名称原語表記】SMITHKLINE BEECHAM CORPORATION
【Fターム(参考)】