説明

施設及びそのクライアントに関係する活動及びデータを監視し、記録するための電子セキュリティシステム

グループの個人を識別する上で使用するための追跡調査システムであって、該個人のそれぞれはそれらの個人のアイデンティティを示す関連付けられるデータセットを有し、該追跡調査システムは、その電磁識別装置のコンテンツデータセットを示す電磁識別信号を提供するために個人のそれぞれについて構成される電磁識別装置と、該電磁識別装置の上に該個人を示す信号で該電磁識別信号を符号化する際に使用するための書き込み装置と、該符号化された信号を受信するため、及び該符号化された信号をマスタデータベース記憶装置に記憶するためのコントローラと、該コントローラから遠隔して配置され、該電磁識別装置と通信し、該コンテンツデータ信号セットに対応する該符号化された信号をそこから受信するために構成された読取装置であって、同を示す信号を前記コントローラに提供するための読取装置と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設のデータ及び活動を電子的に監視し、記録するためのシステム及び方法に関し、さらに詳細には病院、刑務所、または他の施設における個人に関連するデータを、それらの個人に関連するデータが変化するにつれて、また彼らがその施設の範囲を動き回るにつれ記録するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設の設備におけるより確かな安全に対するニーズは、2001年9月11日に発生した大規模な安全破壊事件以来、高まってきた。このニーズは、個人が自らの面倒を見ることが十分にできる、またはできない可能性がある状況、あるいは医学的または精神状態のための治療の過程にあるそれらの状況においてだけではなく、刑務所のケースにおいてのように当局者と施設の管理者との間に敵対関係があるそれらの期間においても特に深刻である。このことは、病院及び精神病の施設においても当てはまる。
【0003】
過去には、コンピュータシステムは、中央コンピュータシステムに個々の患者に関するデータを入力するために、おもに病院の環境におけるこれらの施設の管理に導入された。過去において、患者は、氏名、病棟、病室等のその個人を識別するすべての情報を記憶したリストバンドを与えられた。その結果、個人が刑務所のケースでのように非協力的であるか、あるいは答えることができない場合、当局及び施設の人員は(手動で、またはコンピュータによってのどちらかで)その個人を迅速に識別し、その個人に関する関連情報を確かめるために中央コンピュータシステムに連絡できるであろう。
【0004】
この特定の構成は多くの分野で不完全である。それは患者及び/または囚人のリアルタイム追跡調査を実現できない。それは組織全体での個人の移動の記録を提供できず、彼らがいることを許可されていない、あるいは個人が過度の時間を過ごしているある特定の場所に個人がいる場合に警報を発することができない。例えば、既存のシステムは制限区域内にいる囚人または洗面所またはおそらく浴室で過ごす時間が長すぎる患者を捕らえることができないのであり、後者の場合には、おそらく医学的な問題を示しているであろう。
【0005】
周知であるように、在庫商品と輸送中の商品を監視し、その制御を維持する技術にはかなりの進展があった。しかしながら、施設の中の個人の管理のための従来の技術のシステムは単にこの技術を結合させる、あるいはそれ以外の場合組み込むことはできない。このような技術はおもに単純な紙やテープリストバンド技術の使用に固有に制限されている。
【0006】
必要とされているのは、個人の安全及びデータ自体の完全性を維持しつつ、施設の中の個人の位置及び移動に関する活動及びデータを監視し、記録するためのシステムである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、リアルタイム追跡調査及び在庫管理を可能にする、施設の中の個人に関係する活動及びデータを記録するためのシステム及び方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、設備に収容された個人に関する完全な個人データを局所的に提供できる、前述のタイプのシステム及び方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、施設の中の個人の所在及び移動の恒久的な記録を取ることができる、前述のタイプのシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある態様では、本発明はグループの個人を識別する上で使用するための追跡調査システムを目的とし、該個人のそれぞれはそれらの個人のアイデンティティを示す関連付けられるデータセットを有する。このようなシステムは、その装置のコンテンツデータセットを示す電磁識別信号を提供するために個人のそれぞれについて構成される電磁識別装置と、該電磁識別装置の上に該個人を示す信号で該電磁識別信号を符号化する際に使用するための書き込み装置と、該符号化された信号を受信するため、及び該符号化された信号をマスタデータベース記憶装置に記憶するためのコントローラと、該コントローラから遠隔して配置され、該電磁識別装置と通信し、該コンテンツデータ信号セットに対応する該符号化された信号を該電磁識別装置から受信するために構成された読取装置であって、前記コンテンツデータ信号セットを示す信号を前記コントローラに提供するための読取装置と、を含む。
【0011】
本発明の優位点の1つは、それが電磁識別タグの内容の局所化された読み取りを可能にする点である。これは、例えば、看護婦が個人に関係する食餌療法、薬等に関するあらゆる特定の制限があるかどうかだけではなく、該個人のアイデンティティを突き止めるために識別タグの内容を迅速にポーリングできるようにする。本発明のシステムは、中央データシステムに対する接続が損ねられる可能性がある、あるいはその場所からは不可能である可能性がある状況のためにデータの単一の独自のソースだけに依存しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
従来の技術に優る本発明の重要な出発点は、好ましくは貨物追跡調査及び在庫管理などの他の分野に見られる種類の無線周波数識別(RFID)タグの形を取る電磁識別タグの組み込みである。この特定の技術は、期間内の個人についての関連のある情報のすべてを記憶できる小型チップタイプデバイスを提供する。この特定の技術は、施設における個人の滞在期間を通した絶えず続く更新も可能にし、情報がタグに記憶されていることを確かめるためにタグの局所的な読み取りも可能にする。
【0013】
本発明の重要な態様の1つは、電磁識別タグが、例えば、タグが(それが個人に関連付けられているので)位置している病室、ホールまたは病棟内でポーリングされるタグに近接して配置できる読取装置によってポーリングできるという点である。複数のタグはそれぞれのポーリングされたタグから情報を提供するために個人の一人一人から同時に応答できる。これは、施設内での個人の位置を示すその特定の瞬間での施設のマップを作成するために施設全体を周期的にポーリングできるようにする。
【0014】
例えば、手術室、X線設備、理学療法設備等などの院内の多様な使用できる現場のそれぞれは、特定の近傍で識別タグを周期的にポーリングする局所化された読取装置を有することができる。大学附属病院における解剖用の死体または死体安置所の遺体も、識別及び追跡調査の目的でタグを付けることができる。情報は記録され、次に記録の一部として中央演算処理装置に記憶される。
【0015】
加えて、特定のイベントが電磁識別タグの手動読み取りのトリガーとなることができる。例えば、患者が手術室に運び込まれると、RFIDタグが読み取られ、患者が手術室に入り、再び手術室を出るときに更新できる。その結果、手術室でどのくらいの時間が費やされたのかだけではなく事前及び事後の患者のステータスも入手できる。治療をした医師、随行者等の他の情報も、システムが患者のRFIDタグ及び同様に担当医と看護婦をポーリングするとシステムによって注記される。また、本発明は、病院の人員が、例えば、食餌療法及び薬の摂取量などを決定する個人のための特定のパラメータをリアルタイムで監視できるようにする。電磁識別タグは看護婦、担当医、または他の許可された個人または組織によってポーリングできる。
【0016】
この種の情報は、従来の治療プロトコルに加えて種々の観点のために様々なパラメータを絶対的に識別しようとする病院及び健康管理施設にとって計り知れないほど貴重である場合がある。このような観点は、ある特定の場所において既定の時間に随行していた個人の識別に依存することがある潜在的な法的責任の問題を含むが、これに限定されず、このような個人は任意の種類の訴訟手続きにおいて後に供述書を提供するまたは検証することができる。
【0017】
同様に、刑事収容設備は既定の監房、独房棟、またはレクレーション設備、食堂等の他の設備におけるすべての個人を識別することができる。さらに、守衛及び他の警備人員が配置され、彼らがどこにいるのかの所在はバッジ等に電磁識別タグを含めることによって正確に突き止めることができる。
【0018】
後述される好適実施形態は患者と病院とのシナリオに関して示されているが、本発明が、施設の安全性及びその中の人員の識別が重要になる任意の状況に適用できることは理解されるべきである。他の状況は、保護設備の場面での患者の監視及び刑事収容設備内または自宅軟禁状態での受刑者の監視及び/または追跡調査を含むが、これに限定されない。本発明は、また、放射能物質の取り扱い、銀行の運営、通貨業務等の安全な業務に、及び政府設備、医療研究設備、及び安全性が最重要である工業会社のために適用可能である。
【0019】
図1を参照すると、本発明は、コントローラ12と、データベース14と、表示装置16と、読取装置18と、RFIDタグ装置20と、書き込み装置20とを有するRFIDシステム10(以後「システム10」と呼ぶ)を含む。好適実施形態では、コントローラ12は以下に開示される動作を説明し、情報の適切な処理とその表示に備えるために十分なメモリを有することができるホストコンピュータである。タグ装置20は、好ましくはタグアセンブリ20を形成する複数の個別タグを含む。各タグは監視されている個人によって着用されてよい物品に組み込まれてよい。例えば、タグはブレスレット、ネックレス、ベルト、襟等の構造の中に組み込まれてよい。代わりに、タグはインプラント方式またはピアス方式を使用して監視される個人に取り付けられてよい。
【0020】
図2を参照すると、タグはタグアセンブリ20を形成する3つのタグを備えるものとして示されている。3つのタグだけが20a、20b、及び20cとして示されているが、任意の数の個々のタグがタグアセンブリ20を構成してよいことが理解されなければならない。
【0021】
本発明のシステムとともに使用される個々のタグは、受動的、能動的またはその組み合わせであってよい。能動タグは、読取装置18から約300フィートの範囲で動作できる電池式送信機を含んでよい。これらはかなり高価であり、刑務所の受刑者を監視するための使用に好ましい場合がある。受動タグは、通常費用が一ドル($1)未満であるためより多く出回っている。受動タグは約十(10)フィート未満という限られた範囲を有する。受動タグの動作モードは重要である。受動タグの動作中、読取装置18は装置上のアンテナによって受信される電波を送出する。受動タグが装置に記憶されている情報を読取装置18に、及びコントローラ12に送り返すための電力を引き出すことができるようにするために電波から磁場が作り出される。いくつかの構成では、特定の応用例でのより長い距離のために読取装置に送信し直すために電池が使用できる。応用例に応じて、読み取り−書き込み可能または読取専用のRFタグが使用される。
【0022】
好適実施形態では、RFIDタグは、受動動作を有し、EPI(電子製品コード)及びISO(国際標準化機構)に準拠しているIntermec 915メガヘルツ(MHz)Intellitagである。このようなタグは最高約13フィートの読み取り範囲を有し、アドヘシブストリップに取り付け可能であり、さらに人間が読めるラベルにもなる。Intermec 915MHz Intellitagは、衣服、宝飾品類、または他の着用可能な品目に取り付けられる大きさに作られる。初期のRFIDタグの活性化は製造時に、あるいはタグが監視される個人に取り付けられる時点で発生してよい。
【0023】
タグアセンブリ20は、好ましくは本発明のシステムのデータ特性を記憶するために活用される。個別タグに記憶できるデータの例は、氏名、住所、病棟番号、ベッド番号、投薬法、アレルギー、食事制限、リスクアセスメントインジケータ等を含むが、これらに限定されない。
【0024】
ここで図3を参照すると、タグ20は好ましくは信号装置26と、内部メモリチップ(不図示)と、識別コード28(例えば、走査装置によって走査できるバーコード)を含む。要すれば、好ましい装置は電池なしで動作するが、タグ20aは電池24を含んでよいことは任意である。しかしながら、電池24が存在する場合は、デューティサイクル及び動作周波数が寿命を著しく短縮することに寄与する可能性があるが、電池24の寿命は約5年を超える。識別コード28は、個人の識別及び個人の移動の監視に役立つために好ましくは各タグに一意で、独特のものである。各タグは、接着性の構成物、機械的な留め具、その組み合わせ等の任意の適切な方法を使用してカードの構造に取り付け可能である。タグは、積層技法を使用してカードに追加で、あるいは代わりに組み込まれてよい。
【0025】
タグ20aの内部メモリチップは、通常総メモリが1,024ビットのEEPROMを備える。バイト境界メモリアドレス指定及びバイト境界メモリロックが使用される。ポーリングされたタグからデータを受信するための通信プラットホームは好ましくは衝突防止プロトコルバイナリツリー型衝突防止アルゴリズムである。
【0026】
図4を参照すると、読取装置18の1つの例示的な実施形態がタグアセンブリ20(例えば、タグ20a、20b、及び20c)を照会し、読み取り、タグからデータを表示し、タグデータを書き込み、タグデータを消去し、(適用可能な場合)タグのための信号装置及び警報データを表示する能力を有する。複数の読取装置18が信号ネットワークに接続できる。
【0027】
好ましいシステムは、四(4)つのアドレスアンテナポート、RS232シリアルポートを有し、12ミリ秒以内にタグを読み取り、タグあたり1バイト毎31ミリ秒平均で検証された書き込みを実行する機能を有する915 MHzの固定読取装置及びタグ書き込み装置であるIntermec ITRF 91501読取装置を使用する。このような装置は、単一のアンテナを用いて約3メートルの距離で読み取る。
【0028】
代わりに、読取装置18は遠隔場所で人員によって使用されるIntermec IP3携帯型読取装置であってよい。ここでは、図5と図6を参照すると、Intermec IP3はモバイル読み取り/書き込み機能を有し、Intermec 700シリーズモバイルコンピュータを含む。読み取り動作は、充電式リチウムイオンバッテリパックによって動く内蔵円偏光アンテナによって達成され、コンピュータはRFIDタグデータを処理するためにシステムアプリケーションに電力を提供する。英数字キーパッド30及び画面32はユーザから及びユーザへの通信の入出力を容易にする。携帯型読取装置は屋内使用と屋外使用のために構築され、+14°から+140°Fの動作温度を有し、耐雨性且つ防塵性であり、IP64に準拠し、リチウムイオン7.2ボルト電池式であり、Pocket PC用Microsoft Windowsをオペレーティングシステムとして使用している。64メガバイトまたは128メガバイトどちらかのランダムアクセスメモリ(RAM)及び32バイトのフラッシュ読取専用メモリ(ROM)がある。内部スロットは安全デジタルコンパクトフラッシュ(CF)タイプII型カードを有する。それはRS232、IrDA1.1(毎秒115キロバイト(KBPS))の標準通信プロトコルに依存する。読取装置のテン(10)ベースTイーサネット及びUSBポート構成が使用できる。読取装置用の統合無線オプション及び統合スキャナオプションもある。好ましくは、読取装置18はデスクトップ接続性を提供するためにドッキングステーション34によって収容できる。
【0029】
任意の時点で、(一意のユーザ識別子とパスワードを有し、確立されたセキュリティ要件を満たす)許可されたユーザが読取装置18を使用してタグアセンブリ20からファイルを読み取ることができる。読み取られたデータは、投薬法、外科処置または他の治療、検査及び追訪等を予定するために使用できる。本発明の好適実施形態では、読み取られたファイルはコンピュータまたは他の制御装置(例えばラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、またはパーソナルデジタルアシスタント(PDA))にコピーまたは転送できる。読み取られたデータの詳細は、生成され、表示され、印刷される、あるいは処理のために中央コンピュータに送信されてよい。例えば、読み取られたデータは患者のケアスタッフによる適切な使用のために院内のナースステーションで表示、またはナースステーションに出力できる。さらに、読取装置18(複数の場合がある)を使用して、タグが走査され、結果が、データがタグに関する情報を更新するためにロードされた同じ装置に渡すことができる。さらに、制御機構(例えばソフトウェア)の下で、タグから読み取られたデータは走査データと比較できる。異常及び相違も調査のためにフラグを立てることができる。レポートは印刷または表示されてよい。
【0030】
図1及び図2を参照し直すと、書き込み装置22は好ましくはEasyLAN 100/10ベースT内部イーサネット構成を有し、IPLプリンタコマンド言語(Printer Command Language)ソフトウェア及びIntermec LabelShop START ラベルデザイン印刷(Label Design and Print)パッケージを使用して動作可能であるIntermec PM41 EasyCoderである。このような装置は4メガバイトのフラッシュROMと8メガバイトのSDRAMを有し、115/230ボルトACの自動スイッチ電源で動作する。
【0031】
ここで図7を参照すると、好ましいシステムは、金属から製造される、あるいは無線信号の送信に干渉するほど十分な金属量を有する壁38を通して通信する際に使用するためのバリア通信システム36も含む。障壁通信システム36は、金属を通る無線信号の双方向非同期伝送を維持できるトランシーバシステムを備える。トランシーバシステムは二重トランシーバ、つまり第1の壁表面42に取り付けられている第1のトランシーバ40と、第2の壁表面46に取り付けられている第2のトランシーバ44を備える。第1のトランシーバ40と第2のトランシーバ44はタグ20及び遠隔に配置された読取装置と、無線周波数を介して通信する。複数の無線周波数信号が、ポーリングされた体の正確な指紋シグネチャを提供するために結合されてよい。
【0032】
第1のトランシーバ40及び第2のトランシーバ44はバッテリ式であってよく、100KBPSというデータ通信能力を有する。無線周波数変調は振幅偏移キーイング(ASK)を使用し、装置は0℃から50℃の温度の間で使用できる。好ましくは、バリア通信システム36のトランシーバは耐水性であり、防塵性である。
【0033】
第2のトランシーバ44は、コントローラ12との通信で無線アクセスポイント(RAP)装置48と統合できる。RAP装置48はタグとの通信能力を提供する固定装置である。それは、必要に応じて、第2のトランシーバ44に近接して、あるいはそこから遠隔に取り付けることができる。RAP装置48は、好ましくは単一の読み取りで最高1,000個のタグを読み取るように設計され、15秒以内に約100のタグを提供する。デバイスは約433.92MHzの周波数で動作する。読み取り範囲は、タグの向きと金属の存在をさらに条件とする約30フィートまでである。このような装置により、広大な規模で多数の患者を同時に監視することが可能になる。
【0034】
図1から図7を参照して前述されたように、システム10はデータを収集するためにコントローラ12を介して制御可能なコンピュータとなるように構成される。それは高性能イーサネットネットワークインタフェースケーブルを通してPCデータ制御システムに容易に接続する。
【0035】
前述されたシステムの電子機械はタグが付けられた個人に関するデータを入力し、処理し、記憶し、送信し、このようなデータを、後述されるように多様なアルゴリズムの実行を介して多様な端末にリンクすることができる。データは移動中の個人の移動を追跡調査する機能を提供するために既存のデータベースと相互参照されるように適応されてもよい。システム自体は変化する様々な程度の安全性に対処するために読取専用または書き込み許可とすることができる。外部記憶装置(例えば、CD ROM等)が必要な読み出しを提供するために活用できる。
【0036】
システムは、患者または囚人が治療されるまたは処理される効率を最適化する、つまり誤診、不適切な処置の施行、逃亡等の機会を制限し、好ましくは排除し、それにより誤り及び/または安全違反が発生する機会を削減する一方で、院内環境における目的地間での患者、または施設内の囚人の非侵襲的な遠隔無線追跡調査を実現する。双方向RF伝送技術を使用すると、処置プロセスの関連するパラメータを決定するための最大のシステム完全性が可能になる。データの伝送は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの分析を提供するために、衛星、GPRS(ジェネラルパケットラジオサービス)、またはセルラーアプリケーションを介して統合されてよい。
【0037】
システムはタグ付き装置の任意の集合体と使用するために適応できる。例えば、システムは個々の患者、患者の病室、患者の病棟、患者または受刑者のセルブロック、あるいは個人のさらに大きな集合体と使用するために適応できる。任意の装置または装置のネスティングでは、特性シグネチャがRFIDタグ装置によって生成される。装置の実際のネスティング(例えば、建物の中の1つまたは複数の病棟の患者)に応じて、様々な異なる層(tier)が形成される。各層は個人の存在を検証するために何時でも電子的にポーリングできる特性シグネチャを有する。電子ポーリングは磁場フラックスの変化に依存することによって任意の個人またはタグ集合体の調査を実現する。任意の装置の第2の(または以後の)層は、個人の複数の集まりまたは個人の複数のグループの内容を含む。各層の特性シグネチャは、層の総数の任意の部分を特徴とする総計シグネチャを生成するために結合できる。完全総計シグネチャは最大層の全体的な特性シグネチャに適切に一致しなければならない。完全総計シグネチャの読み取り値と記憶されているシグネチャとを比較した結果、同じ値が生じなければならない。該シグネチャの偏差は(その個人にタグが付けられている場合には)余計な個人の存在または許可された個人の不在を示している。
【0038】
個別的であるか、その集合体であるかのどちらかのシグネチャは記録され、必要に応じて、及び適切なプロトコルとの一致に応えて必要な政府機関に提供できる。このような政府機関は、次に、タグを調査し、無線周波数識別を読み取り、何時でもリアルタイムシグネチャを作成するというオプションを有してよい。
【0039】
図8を参照すると、RFIDを使用する患者ケアシステムの総括が符号100で示され、「システム100」と呼ばれる。開始ステップ102でのシステム100の開始時に、個人(例えば患者)が救急のケースであるのか、あるいは救急ではないケースであるのかを判断するために照会104が行われる。救急のケースまたは救急ではないケースのどちらかで、患者は登録ステップ106で登録される。情報は、患者記録を作成するために病院情報システム110に送信される。
【0040】
救急ではないケースでは、登録ステップ106の後に、患者は入院前(preadmission)検査処置112を受ける。入院前検査処置112の後、患者は入院ステップ116で入院する。入院前検査処置112と入院ステップ116の療法の完了時、または最中に、病院情報システム110は更新される。
【0041】
患者がいったん入院すると、受けるべきケアの種類に関する照会120が行われる。照会120の中で、患者が外来患者治療を受けるのか、あるいは入院患者治療を受けるのかに関する判断が下される。外来患者治療を受ける患者のケースでは、必要とされる処方、治療、検査処置と治療処置、退院処置、フォローアップ処置等を提供する医師と療法士を示す情報が病院情報システム110に書き込まれ、必要に応じて(患者に固定されるリストバンドに好ましくは組み込まれる)タグにコピーされる。入院患者治療を受ける患者のケースでは、患者が特定の場所(例えば、棟、病棟、病室、ベッド等)に割り当てられる場所割り当てステップ126が実行される。必要とされる処方、治療を行う医師及び療法士、実行されたまたは実行される外科処置、特殊ケア要件、検討/再検査処置、試験及び治療処置、退院処置、フォローアップ処置等を示す情報が病院情報システム110に書き込まれ、必要に応じてリストバンドにコピーされる。
【0042】
救急のケースでの照会104から(及び登録ステップ106後に)、患者は、患者が必要に応じて検査され、X線を取られ、試験される診断ステップ130を受ける。実行されてよい試験は、血液型分類試験、ウィルススクリーニング、生体信号スクリーニング等を含むが、それらに限定されるものではない。関連データは病院情報システム110に書き込まれ、必要に応じてリストバンドにコピーされる。次に照会132が、患者が救急として治療可能かどうかを判断するために実行される。患者が救急として治療できない場合、患者は入院ステップ116で入院し、相応して治療される。患者が救急ケースとして治療可能である場合には、患者は関連する治療と、必要とされる治療、治療を行う医師と療法士、実行されたまたは実行される外科処置、特殊ケア要件、検討/再検査処置、試験及び治療処置、退院処置、フォローアップ処置等を示す情報が病院情報システム110に書き込まれ、必要に応じてリストバンドにコピーされる。
【0043】
ここで図9を参照すると、リストバンドに書き込み可能であり、病院情報システム110と通信可能な多様なパラメータの部分的なリストが示されている。リストバンドに書き込み可能なパラメータは、診断と追跡調査情報、回復処置、手術室データと手順、手術前情報、X線データ及び結果、実験室試験データと結果等だけではなく、薬局及び処方情報、入院前検査データ、登録情報、外来患者/入院患者ステータス、救急ステータス、医師データ、外科医データ、看護婦データ及び他の看護情報、病棟/ベッド情報、療法データ、患者要件(例えば、特殊な食餌療法要件、洗濯要件、血液型、薬物アレルギー等)も含む。
【0044】
すべてのRFIDフィールド及び関連データは、前記し、また特に図8と図9の手順に関して概略された装置及び手順に関して説明したように、医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)、病院認定合同委員会(JCAHO)、米国病院協会(AHA)指針、及び他のすべての業界規格要件により定められるように不正改竄を防止する譲渡できない積極的な患者識別に準拠する。
【0045】
患者識別に関して、JCAHOによって提案される安全性目標は患者ごとに二(2)つの識別組織を要求することに留意する必要がある。患者の主要な識別番号は患者の社会保障番号である。二次的な識別は患者の姓である。社会保障番号のない患者の場合(あるいは社会保障番号が入手できない場合)、社会保障番号に代わって一意の独特な番号が作成され、使用される。しかしながら、社会保障番号なしで入院した患者が既存の(履歴)患者医療記録データベースで正確に識別できる場合には、社会保障番号(あるいは、社会保障番号が記録されていない場合作成された一意の患者識別番号)はデータベースから抽出され、患者の一次識別として使用される。
【0046】
患者が入院の時点で社会保障番号を提供し、既存の患者の医療記録が同じ患者について存在するが、社会保障番号なしの場合、既存の患者医療記録(複数の場合がある)は社会保障番号で更新され、社会保障番号は一次患者識別として使用される。
【0047】
記録が作成された一意の患者識別番号で識別される患者が後に社会保障番号を提示できる場合には、患者医療記録(複数の場合がある)は、社会保障番号を含むように病院情報システムデータベースで更新され、社会保障番号は一次患者識別として使用され、患者のリストバンドは適切に更新される。
【0048】
患者が(入院によりX線、救急、手術などの多様な科を通ってベッド等へ)病院設備を移動するとき、患者の所在は便利に配置されるワークステーションに入力され、患者のRFIDリストバンド及び病院情報システムデータベースの彼らの患者医療記録に記録される。
【0049】
患者が救急科を通して入院した場合、患者はRFIDブレスレットを与えられる。ブレスレットは設備内のどこにその患者がいるのかを識別するために各ステーションで更新される。病院情報システムは次にその所在データをステータス情報に変換する。例えば、患者が待合室から出されるとすぐに、トリアージナースには、患者が待機していることが通知される。いったんトリアージが完了すると、担当看護婦は、患者が科に戻される準備が完了したことを通知される。患者が科の部屋に入るとすぐに、部屋はその患者のために予約され、医師と看護婦が患者の到着を通知される。患者の移動が通知のすべてをトリガーする。
【0050】
入院管理システム、登録管理システム、研究室管理システム、及びベッド管理システムに対するインタフェースとともにここに説明される装置と手順を使用して得られた情報を組み合わせることにより、RFID識別が非常に効率的に病院設備(または刑務所)の管理を可能にする。
【0051】
本発明は、その詳細な実施形態に関して図示され、説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく多様な変更が加えられ、均等物がその要素に代わってよいことが当業者によって理解されるであろう。例えば、ここで使用されるような「個人」は一意の識別を可能とする何かを含むように人間を超えて拡張的に定義される。加えて、本発明の教示には、その本質的な範囲から逸脱することなく特定の状況または構成要素を適応させるために変形が加えられてもよい。したがって、本発明は前記の詳細な説明に開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の請求項の範囲に含まれるすべての実施形態を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】個人の監視及び組織型の環境におけるそれらに関するデータの管理に適用可能な電子識別システムの概略図である。
【図2】識別情報が複数のタグを有するタグ付けアセンブリに書き込まれる図1のシステムの概略図である。
【図3】本発明の電子識別システムとともに活用できる無線周波数タグの斜視図である。
【図4】複数のタグを有するタグ付けアセンブリから識別情報が読み取られる図1のシステムの概略図である。
【図5】本発明の電子識別システムとともに活用できる携帯型読取装置の斜視図である。
【図6】本発明の電子識別システムとともに活用できる携帯型読取装置の斜視図である。
【図7】金属壁を通して通信を提供できるトランシーバシステムの概略図である。
【図8】無線周波数識別(RFID)を使用する患者ケアシステムを示す簡略化された流れ図である。
【図9】図8の患者ケアシステムにおける患者と多様な組織の間の関係性を示す簡略化された流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループの個人を識別する際に使用するための追跡調査システムであって、前記個人のそれぞれがそれらの個人のアイデンティティを示す関連付けられたデータセットを有し、
その電磁識別装置のコンテンツデータセットを示す電磁識別信号を提供するために個人のそれぞれについて構成される電磁識別装置と、
前記電磁識別装置の上に前記個人を示す信号で前記電磁識別信号を符号化する際に使用するための書き込み装置と、
前記符号化された信号を受信するため、及び前記符号化された信号をマスタデータベース記憶装置に記憶するためのコントローラと、
前記コントローラから遠隔して配置され、前記電磁識別装置と通信し、該コンテンツデータ信号セットに対応する前記符号化された信号を前記電磁識別装置から受信するために構成された読取装置であって、前記コンテンツデータ信号セットを示す信号を前記コントローラに提供するための読取装置と、
を備える追跡調査システム。
【請求項2】
限られた地理的地域内で互いから離れて設置される複数の前記読取装置をさらに備え、前記コントローラが前記電磁識別装置のそれぞれから前記符号化された信号を要求する照会信号を発生させるための手段をさらに備える請求項1に記載の追跡調査システム。
【請求項3】
前記電磁識別装置がさらにRFIDタグを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記読取装置が選択されたシステム内で前記RFIDタグのそれぞれをポーリングするための手段をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラが前記読取装置の範囲内でRFIDタグをポーリングするためにポーリングコマンド信号を発生させるよう前記読取装置に人員を配置する手段をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記読取装置からポーリングされたRFID信号を受信し、前記マスタデータベース記憶装置にそのRFID信号を記録するための手段をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが前記読取装置から受信されたポーリング済みRFID信号を比較し、それらをRFIDタグ信号の予想されるセットに対応する信号と比較するための手段をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
選択地理場所に配置される複数の読取装置をさらに備え、前記コントローラが前記読取装置のそれぞれの範囲内で前記RFIDタグをポーリングするためのポーリングコマンド信号を組織的に発生させ、信号を提供し、前記マスタデータベース記憶装置に前記信号を記録するための手段をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラが前記読取装置のそれぞれに前記ポーリングコマンド信号を周期的に発生させるための手段をさらに備える請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
既定のRFIDタグからポーリングされたRFID信号を提供し、時間及び場所を示す信号とともに前記マスタデータベース記憶装置に前記信号を記憶するための手段をさらに備える請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記RFIDタグが、時間変形である特殊な個別パラメータを識別する信号を記憶するための手段をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記マスタデータベース記憶装置に記憶される受信されたRFIDタグ信号をコンパイルし、前記受信されたRFIDタグ信号を、前記RFIDタグ信号のそれぞれについての許可された時間及び場所に対応する前記RFIDタグ信号と比較し、前記受信されたRFIDタグ信号が前記読取装置のそれぞれについての許可されたRFIDタグ信号との相違を示した場合には、アラーム信号を発生させるための手段をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記読取装置がIntermec IP3携帯読取装置プラットホームを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
さらに、前記受信された電磁識別タグから信号を生成するための手段をさらに備え、
前記信号生成手段は、
アセンブリの中の電磁識別タグの選択セットを示す信号に対応する第1層の総計シグネチャと、
前記マスタデータベース記憶装置に前記第1の集計シグネチャ信号を記憶するための手段と、
選択読取装置の範囲内で電磁識別タグの修正された集合に対応する第2層の集計信号を作成するためのコマンド信号を受信し、修正するための手段と、
を生成する請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
記憶されている集計シグネチャ信号を現在受信された集計シグネチャ信号と比較するための手段をさらに備える請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記比較が、前記記憶されている集計シグネチャ信号に関連付けられる信号と、前記現在受信された集計シグネチャ信号を備える信号の間の相違を示した場合には、アラーム信号を発生させるための手段をさらに備える請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
壁の対向する側面にそれぞれ設置されるように対応される第1の構成要素と第2の構成要素を有するトランシーバ装置をさらに備え、前記トランシーバ装置が前記壁を通して電磁識別タグ信号を提供するため、及び前記電磁識別タグのそれぞれに前記壁を通して前記読取装置から受信されたポーリングコマンド信号を提供するためである請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−526541(P2007−526541A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517424(P2006−517424)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/019582
【国際公開番号】WO2004/114685
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
2.イーサネット
3.コンパクトフラッシュ
【出願人】(505465483)ユナイテッド・セキュリティー・アプリケーションズ・アイディー、インク (4)
【氏名又は名称原語表記】UNITED SECURITY APPLICATIONS ID, INC.
【Fターム(参考)】