説明

施設案内装置、施設案内方法及びコンピュータプログラム

【課題】施設の検索を行うユーザに応じた施設のみを効率良く案内することが可能とした施設案内装置、施設案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】検索する施設のジャンルをユーザの操作に基づいて選択し、登録地点(例えばユーザの自宅)から検索対象地点(例えば車両の現在位置)までの距離を取得し、取得した距離から基準値を設定し、検索範囲内を対象として選択されたジャンルと同一ジャンルの施設であり、且つ基準値以上の評価指標が対応付けられていることを検索条件として施設の検索処理を実行する。そして、検索条件に適合すると判定された施設の情報を案内するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に位置する施設を案内する施設案内装置、施設案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより車両の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置では、車両の現在位置の周辺にある施設等の地点の種別や位置等の地点情報(POI:Point of Interest)を案内することも行われている。そして、ユーザは案内されたPOIに基づいて、目的地や経由地を設定したり、車両位置周辺にある地点を確認する。
【0003】
ここで、POIの内、特に施設に関する施設情報を案内する際には、車両の現在位置情報やユーザの入力した検索条件に基づいてユーザの希望条件に適合する施設を検索し、条件に適合した施設について案内することが一般的である。例えば、特開2008−286585号公報には、目的地までの推奨経路の周辺エリアを対象としてユーザの指定した種別(即ち施設のジャンルであり、例えば和食、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア等)の施設を検索し、検索された施設を案内する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−286585号公報(第8頁〜第12頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、前記した特許文献1に記載された技術のように施設の案内を行う際には、一般的にPOIが記憶されたDB等を検索し、検索条件に適合する施設に関するPOIを選別して取得し、取得したPOIに基づいて検索条件に適合する施設の名称、位置、施設までの経路等を案内することが行われている。ここで、POIとしては、例えば施設のジャンルや施設の位置に関する情報が記憶されており、従って、ユーザによってジャンルや検索対象地点が指定されると、指定された検索対象地点の周囲にあって指定されたジャンルに該当する全ての施設が検索条件に適合する施設として案内されていた。
【0006】
また、近年ではインターネット等において施設を評価する基準として、評価指標が使われている。例えば、施設を利用した客がつけた評価点の平均点等が評価指標に該当する。そこで、評価指標を用いて検索対象地点の周囲にある施設を検索することが考えられる。その場合、評価指標は訪れる施設を選択する際の基準として使用されることが多いため、評価指標が一定の基準以上の施設を案内することが自然である。
【0007】
ここで、例えば、自宅付近等のユーザが土地勘のある場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、ユーザは周辺の施設の情報を把握できているので、評価指標が一定の基準以上の施設を案内することで、ユーザにとって有用な施設を案内できる。しかしながら、ユーザの土地勘の無い場所において施設を検索する場合には、評価指標の高い施設についてはガイドブック等により情報を把握しているが、評価指標の低い施設については把握できていないことが考えられる。その為、評価指標の低い施設であっても、ユーザによって有用な施設である場合も少なくないので、ユーザが土地勘の無い場所において施設を検索する場合には、このような評価指標の低い施設についても案内することが望ましい。
【0008】
即ち、自宅付近等のユーザが土地勘の有る場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、一部の評価指標の高い施設のみが案内されれば施設を案内するという目的を十分に達成できる。一方、観光地等のユーザが土地勘の無い場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、ユーザは周辺の施設の情報をほとんど把握できていないので、評価指標の高い施設だけではなく、評価指標の低い施設も案内を希望することが考えられる。以上のように、検索対象地点の場所によって検索する施設の評価指標の基準値を設定すれば、ユーザの要求を満たすことが可能となる。
【0009】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、地図上に位置する施設の予め設定された評価指標を施設毎に取得し、登録地点から検索対象地点までの距離に基づいて検索する施設の評価指標の基準値を設定することにより、ユーザにとって案内が必要な施設を選別して案内することを可能とした施設案内装置、施設案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る施設案内装置(1)は、地図上に位置する施設の評価指標を施設毎に取得する評価指標取得手段(13)と、登録地点から検索対象地点までの距離を取得する距離取得手段(13)と、前記距離取得手段により取得された距離に基づいて評価指標の基準値を設定し、前記評価指標取得手段により取得した施設の評価指標と前記設定した基準値とに基づいて前記検索対象地点の周囲にある施設を検索する施設検索手段(13)と、前記施設検索手段によって検索された施設を案内する施設案内手段(13)と、を有することを特徴とする。
ここで、「評価指標」とは、施設のサービス、利用し易さ、雰囲気、提供される飲食物の味等を評価する評価基準となる値であり、評価が高い施設ほどその施設の評価指標は高くなる。
尚、「登録地点」とは、ユーザによってあらかじめ登録されている地点であり、例えば、ユーザの自宅、ユーザの勤務地などがある。
また、「登録地点から検索対象地点までの距離」とは、直線距離でも良いし、リンクに沿った道なり距離でも良い。
【0011】
また、請求項2に係る施設案内装置(1)は、請求項1に記載の施設案内装置において、前記基準値は、前記距離取得手段(13)により取得された距離が長いほど小さくなり、前記施設検索手段(13)は、前記基準値以上の評価指標の施設を検索することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る施設案内装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の施設案内装置において、前記検索対象地点の周囲にある施設の密度を取得する密度取得手段(13)を有し、前記基準値は、前記密度取得手段により取得された施設の密度と前記距離取得手段により取得された距離に基づいて設定されることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る施設案内方法は、地図上に位置する施設の評価指標を施設毎に取得する評価指標取得ステップと、登録地点から検索対象地点までの距離を取得する距離取得ステップと、前記距離取得ステップにより取得された距離に基づいて評価指標の基準値を設定し、前記評価指標取得ステップにより取得した施設の評価指標と前記設定した基準値とに基づいて前記検索対象地点の周囲にある施設を検索する施設検索ステップと、前記施設検索ステップによって検索された施設を案内する施設案内ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、地図上に位置する施設の評価指標を施設毎に取得する評価指標取得機能と、登録地点から検索対象地点までの距離を取得する距離取得機能と、前記距離取得機能により取得された距離に基づいて評価指標の基準値を設定し、前記評価指標取得機能により取得した施設の評価指標と前記設定した基準値とに基づいて前記検索対象地点の周囲にある施設を検索する施設検索機能と、前記施設検索機能によって検索された施設を案内する施設案内機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前記構成を有する請求項1に記載の施設案内装置によれば、登録地点と検索対象地点との位置関係に基づいて、ユーザにとって案内が必要な施設を選別することができ、一律に全ての施設を案内するのではなく、ユーザにとって案内が必要な施設のみを効率良く案内することが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0016】
また、請求項2に記載の施設案内装置によれば、登録地点から近いユーザが土地勘の有る場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、一部の評価指標の高い施設のみを案内し、登録地点から遠いユーザが土地勘の無い場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、評価指標の低い施設も案内することができる。その結果、ユーザの必要とする情報を適切に提供することが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載の施設案内装置によれば、設定される基準値が施設の密度に応じて変化するので、検索結果に基づいて案内される施設数を適度な数に調整することが可能となる。例えば、施設が密集している地域で検索を行う場合には、検索条件を絞ることにより、その後に案内対象となる施設数を制限することができる。また、施設が疎らな地域で検索を行う場合には、検索条件を緩くすることにより、その後に案内対象とする施設数を増加させることができる。
【0018】
また、請求項4に記載の施設案内方法によれば、登録地点と検索対象地点との位置関係に基づいて、ユーザにとって案内が必要な施設を選別することができ、一律に全ての施設を案内するのではなく、施設の検索を行うユーザに応じた施設のみを効率良く案内することが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0019】
更に、請求項5に記載のコンピュータプログラムによれば、登録地点と検索対象地点との位置関係に基づいて、ユーザにとって案内が必要な施設をコンピュータに選別させることができ、一律に全ての施設を案内するのではなく、施設の検索を行うユーザに応じた施設のみを効率良く案内させることが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】POIとして記憶される地点の一例を示した図である。
【図3】第1実施形態に係る施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図4】液晶ディスプレイに表示されるジャンル選択画面を示した図である。
【図5】ステップ7の基準値の設定処理について説明した説明図である。
【図6】ステップ8の施設の検索処理について説明した説明図である。
【図7】第1実施形態において液晶ディスプレイに表示されるPOI案内画面を示した図である。
【図8】第2実施形態に係る施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図9】ステップ39の施設の検索処理について説明した説明図である。
【図10】第2実施形態において液晶ディスプレイに表示されるPOI案内画面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る施設案内装置をナビゲーション装置に具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(評価指標取得手段、距離取得手段、施設検索手段、施設案内手段、密度取得手段)13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して地図やPOIの案内等に関する各種情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、交通情報センタや施設情報提供センタやプローブセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。尚、POIとは施設情報、スポット情報など位置情報と連動したデジタルコンテンツデータのことをいう。
【0023】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24、高度計(図示せず)等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0024】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0025】
ここで、地図情報DB31は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データが記録されている。
また、地図データは、具体的には、道路(リンク)形状に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設等の地点に関する情報であるPOIデータ34、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。
【0026】
ここで、POIデータ34としては、ナビゲーション装置1において出発地、目的地、通過点等となる地点に関する情報が記憶される。例えば、ホテル、旅館等の宿泊施設、ガソリンスタンド等の給油施設、ショッピングモール、スーパーマーケット、ショッピングセンタ等の商業施設、テーマパーク、ゲームセンタ等の娯楽施設、レストラン、バー、居酒屋等の飲食施設、公共駐車場等の駐車施設、交通施設、寺院、教会等の宗教施設、美術館、博物館等の公共施設等の施設や、名所旧跡、観光スポット、ビューポイント(景勝地)、広場、交差点、公共建造物、モニュメント等の地点に関する情報が該当する。
また、POIデータ34は、地点毎に、地点の識別子であるPOI番号、地点の名称を示すPOI名称、地点の種別(施設でいうとジャンルであり「駐車場」、「郵便局」、「レストラン」等)を示すPOI種別、地点の座標を示すPOI座標等から構成されている。
【0027】
更に、第1実施形態の施設に関するPOIデータ34には、施設を評価する評価指標に関する情報についても含まれる。ここで、評価指標は、後述のように施設情報提供センタやプローブセンタ等から取得され、当該施設のサービス、利用し易さ、雰囲気、提供される飲食物の味等を評価する評価基準となる値である。具体的には、施設情報提供センタやプローブセンタが、当該施設を利用した各ユーザからの評価点(『1(低)』〜『5(高)』の5段階評価)を集計し、平均した平均値である。従って、評価指標は『1』が最も評価が低く、『5』が最も評価が高い施設となる。
【0028】
ここで、図2はPOIデータ34として記憶される地点に関する情報の内、特に施設に関する情報の一例を示した図である。
例えば、図2に示すPOIデータ34の例では、座標(x1,y1)の地点においてPOI番号:「10001」に該当するA寺(ジャンル:寺、評価指標『4.2』)が設置されていることを示している。また、座標(x2,y2)の地点においてPOI番号:「10002」に該当する○×駐車場(ジャンル:駐車場、評価指標『3.3』)が設置されていることを示している。同様に他の施設に関する情報についても記憶されている。
【0029】
そして、ナビゲーション装置1は、地点の検索をする場合において、上記POIデータ34を用いて所定の検索対象地点(例えば車両の現在位置)の周辺に位置する地点(種別の指定がされている場合には指定された種別に該当する地点のみ)を検索し、検索条件に適合する地点に関するPOIを地図情報DB31から取得する。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の該当位置に対してランドマークを表示したり、検索条件に適合する地点の地点名称や評価指標の一覧を表示することにより、地点に関する情報をユーザに対して案内する。
更に、第1実施形態では後述するように、検索対象地点(例えば車両の現在位置)から所定距離以内(例えば半径10km内)の範囲を検索範囲と定義する。そして、地点として特に施設を検索する場合には、検索範囲内に位置するとともに評価指標が基準値以上の施設のみを検索する。尚、基準値は登録地点(例えばユーザの自宅)から検索対象地点までの距離に基づいて設定される。
【0030】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定処理、検索対象地点(例えば車両の現在位置)周辺にある地点を検索するとともに検索結果に基づいて検索条件に適合する地点の案内をするPOI案内処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、施設案内処理プログラム(図3参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
【0031】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0032】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、地点の検索が行われた場合には、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の該当位置に対してランドマークを表示したり、検索条件に適合する地点の地点名称や評価指標の一覧を表示する。
【0033】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0034】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0035】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
更に、第1実施形態では、通信モジュール18は、定期的に施設の評価指標に関するPOIデータ34ついて施設情報提供センタやプローブセンタから受信する。そして、施設情報提供センタやプローブセンタから受信したPOIデータ34に基づいて地図情報DB31を更新する。
【0036】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU41が実行する施設案内処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係る施設案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、施設案内処理プログラムは、操作部14においてユーザの所定の操作を受け付けた場合に実行され、検索対象地点(例えば車両の現在位置)周辺にある地点として特に施設を検索するとともに、検索結果に基づいて検索条件に適合する施設の案内をするプログラムである。尚、以下の図3にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0037】
先ず、施設案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、ナビゲーション装置1に現在設定されている走行予定経路を取得する。ここで、走行予定経路は、例えば、操作部14の操作により目的地が入力された場合において、経路探索の結果により設定された出発地(例えばユーザの自宅)から目的地までの経路である。尚、経路探索の処理に関しては既に公知であるのでその説明は省略する。
【0038】
次に、S2においてCPU41は、液晶ディスプレイ15に対してジャンル選択画面を表示する。そして、液晶ディスプレイ15に表示されたジャンル選択画面において、ユーザは検索する施設のジャンル(種別)を選択する。
【0039】
ここで、図4は液晶ディスプレイ15に表示されるジャンル選択画面51を示した図である。図4に示すようにジャンル選択画面51には、ユーザに選択可能なジャンルの一覧表52が表示される。そして、ユーザによってジャンルの一覧表52に表示されたジャンル名が選択されると、CPU41は選択されたジャンル名のジャンルを検索する施設のジャンルとして選択する。
更に、ジャンルの一覧表52の左側には各種スクロールボタン54が配置される。そして、ユーザによってスクロールボタン54が操作されると、CPU41は操作内容に従ってジャンルの一覧表52に表示されるジャンル名を他のジャンル名へと変更する。
また、ジャンルの一覧表の右側にはジャンル選択ボタン55が配置される。そして、ユーザによっていずれかのジャンル選択ボタン55が選択されると、CPU41は選択されたジャンル選択ボタン55に対応するジャンル(例えば、車のボタンが操作された場合には『車』に関連するジャンル)を表示対象エリア52に表示する。
尚、ジャンル選択画面ではユーザは一種類のジャンルのみでなく、複数種類のジャンルを同時に選択することが可能である。
【0040】
続いて、S3においてCPU41は、ジャンル選択画面51において受け付けたユーザの操作に基づいて、検索する施設のジャンルを一種類又は複数種類選択する。
【0041】
また、S4においてCPU41は、検索対象地点として車両の現在位置の位置座標を現在位置検出部11により取得する。
【0042】
次に、S5においてCPU41は、登録地点としてユーザの自宅の位置座標を取得する。尚、ユーザの自宅の位置座標は、予めユーザによって入力された自宅の住所や電話番号等と地図情報に基づいて特定されるものであり、RAM42等に記憶されている。尚、第1実施形態ではユーザの自宅を登録地点とするが、登録地点はユーザの土地勘のある場所であればよく、ユーザの勤務地等を検索対象地点としても良い。
【0043】
その後、S6においてCPU41は、前記S4及び前記S5で取得した位置座標と地図情報に基づいて、ユーザの自宅(登録地点)から車両の現在位置(検索対象地点)までの距離を算出する。尚、基本的には走行予定経路の形状に関わらず、ユーザの自宅から検索対象地点までの直線距離を算出する。
【0044】
続いて、S7においてCPU41は、前記S6で算出したユーザの自宅から車両の現在位置までの距離に基づいて、評価指標の基準値を設定する。ここで、基準値は、後述のように施設を検索する際に検索条件となる評価指標の下限の値に用いられる。
【0045】
以下に、上記S7の基準値の設定処理について詳細に説明する。図5は前記S7の基準値の設定処理について説明した説明図である。尚、図5では特に走行予定経路64の出発地が登録地点、即ち、ユーザの自宅である場合を示す。
図5に示すように、第1実施形態において基準値は、ユーザの自宅から車両の現在位置までの距離に基づいて、「1」、「2」、「3」のいずれかの値が設定される。その際には、ユーザの自宅から車両の現在位置までの距離が長いほど基準値が低く設定される。
具体的には、ユーザの自宅を中心として“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの直線距離”の1/3以内の範囲61(例えば、“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの直線距離”が30kmである場合には、ユーザの自宅から半径10km内の範囲)に車両が位置する場合に、CPU41は基準値を「3」に設定する。尚、車両が走行予定経路64上を走行しているとすれば、経路A上に車両が位置するときに基準値が「3」に設定される。
また、ユーザの自宅を中心として“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの直線距離”の1/3〜2/3内の範囲62(例えば、“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの直線距離”が30kmである場合には、ユーザの自宅から半径10km〜20km内の範囲)に車両が位置する場合に、CPU41は基準値を「2」に設定する。尚、車両が走行予定経路64上を走行しているとすれば、経路B上に車両が位置するときに基準値が「2」に設定される。
一方、ユーザの自宅を中心として“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの直線距離”の2/3以上の範囲63(例えば、“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの直線距離”が30kmである場合には、ユーザの自宅から半径20kmの円の外側の範囲)に車両が位置する場合に、CPU41は基準値を「1」に設定する。尚、車両が走行予定経路64上を走行しているとすれば、経路C上に車両が位置するときに基準値が「1」に設定される。
例えば、図5に示す例では車両65が範囲62内の経路B上に位置するので、基準値として「2」が設定される。尚、車両が走行予定経路上に位置しない場合であっても、車両が位置する範囲61〜63に基づいて基準値を設定する。
そして、CPU41は後述のように、選択されたジャンルと同一ジャンルの施設であり、且つ設定された基準値以上の評価指標が対応付けられた施設のみを検索する検索処理を実行する。
【0046】
その後、S8においてCPU41は、車両の現在位置から所定距離以内(例えば10km以内)の範囲を検索範囲とし、選択されたジャンルと同一ジャンルの施設であり、前記S7で設定された基準値以上の評価指標が対応付けられていることを検索条件として施設の検索処理を実行する。具体的には、先ず地図情報DB31のPOIデータ34(図2参照)から検索範囲内に位置するとともに選択されたジャンルと同ジャンルが関連付けられた施設のPOIデータを抽出する。更に、抽出したPOIデータの評価指標を取得する。そして、抽出されたPOIデータの中に基準値以上の評価指標が対応付けられているPOIデータがあるか否か判定し、基準値以上の評価指標が対応付けられているPOIデータがある場合には、そのPOIデータのみを、検索条件に適合するPOIデータとして更に抽出する。
そして、検索処理の結果、検索条件に適合すると判定された施設のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
【0047】
以下に、上記S8の施設の検索処理について詳細に説明する。図6は前記S8の施設の検索処理について説明した説明図である。尚、以下では、図5に示したユーザの自宅から目的地までの走行予定経路64の周辺に、A寺〜G寺が存在する場合であって、ユーザが「寺」をジャンルに選択して施設検索を行った場合を例に挙げて説明する。
図6に示すように、走行予定経路64の周辺には7か所にA寺〜G寺が存在する。また、A寺〜G寺に対応付けられているそれぞれの評価指標は、A寺が「4.2」、B寺が「2.7」、C寺が「3.6」、D寺が「1.8」、E寺が「4.1」、F寺が「1.9」、G寺が「2.8」である。
従って、図6に示す経路A上の位置に車両があるときに施設の検索を行うと、先ず、検索範囲71内に位置する施設の内、ジャンルが「寺」の施設であるA寺とB寺のPOIデータが抽出される。その後、前記S7で設定されている基準値(範囲61では「3」)以上の評価指標が対応付けられたA寺のみが検索条件に適合すると判定され、A寺のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
また、図6に示す経路B上の位置に車両があるときに施設の検索を行うと、先ず、検索範囲72内に位置する施設の内、ジャンルが「寺」の施設であるC寺とD寺のPOIデータが抽出される。その後、前記S7で設定されている基準値(範囲62では「2」)以上の評価指標が対応付けられたC寺のみが検索条件に適合すると判定され、C寺のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
また、図6に示す経路C上の位置に車両があるときに施設の検索を行うと、先ず、検索範囲73内に位置する施設の内、ジャンルが「寺」の施設であるE寺とF寺とG寺のPOIデータが抽出される。その後、前記S7で設定されている基準値(範囲63では「1」)以上の評価指標が対応付けられたE寺とF寺とG寺が検索条件に適合すると判定され、E寺とF寺とG寺のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
【0048】
続いて、S9においてCPU41は、前記S8でRAM42に記憶された施設のPOIデータ34(即ち、施設の検索処理で検索条件に適合すると判定された施設のPOIデータ)を読み出す。
【0049】
そして、S10においてCPU41は、前記S9で読み出した施設のPOIデータ34を液晶ディスプレイ15に表示することにより、検索条件に適合する施設の位置、名称、評価指標等を案内する。
【0050】
ここで、図7は前記S10において液晶ディスプレイ15に表示されるPOI案内画面81を示した図である。
図7に示すように、POI案内画面81は、車両周辺の地図画像を表示する左画面82と、検索条件に適合する施設のPOIデータ34を表示する右画面83の2つの表示領域から構成される。
そして、左画面82は、車両の現在位置を示す自車位置マーク84と、地図画像上で走行予定経路に沿って描かれた走行予定経路線85と、検索条件に適合すると判定された施設の位置を示す施設マーク86〜88とから構成される。
また、右画面83には、施設のPOIデータ34を表示する情報表示スペース91〜93が設けられている。例えば、図7に示す例では、各情報表示スペース91〜93には、検索条件に適合する施設のPOIデータ34の内、施設名、車両の現在位置からの距離、利用可能時間(営業時間、拝観時間等)、評価指標等を表示する。また、情報表示スペース91〜93には、検索範囲内で検索された施設のPOIデータ34を評価指標が高い順に並べて表示する。
【0051】
尚、検索条件に適合すると判定された施設が多数ある場合には、評価指標が一定値(例えば基準値+1.0)以上の施設のPOIデータ34のみ案内することとしても良い。また、評価指標の高い施設の情報を表示する文字サイズや文字色を変更するように構成しても良い。また、情報表示スペース91〜93には、評価指標の高い順ではなく、車両の現在位置から近い順や目的地に近い順に検索範囲内で検索された施設のPOIデータ34を並べて表示しても良い。
【0052】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による施設案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、検索する施設のジャンルをユーザの操作に基づいて選択し(S2)、登録地点(例えばユーザの自宅)から検索対象地点(例えば車両の現在位置)までの距離を取得し(S6)、取得した距離から基準値を設定し(S7)、検索範囲内を対象として選択されたジャンルと同一ジャンルの施設であり、且つ基準値以上の評価指標が対応付けられていることを検索条件として施設の検索処理を実行する(S8)。そして、検索条件に適合すると判定された施設の情報を案内する(S10)ので、登録地点と検索対象地点との位置関係に基づいて、ユーザにとって案内が必要な施設を選別することができる。即ち、一律に全ての施設を案内するのではなく、施設の検索を行うユーザに応じた施設のみを効率良く案内することが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
また、登録地点から検索対象地点までの距離が長いほど基準値が低く設定されるので、登録地点から近いユーザが土地勘の有る場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、一部の評価指標の高い施設のみを案内し、登録地点から遠いユーザが土地勘の無い場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、評価指標の低い施設も案内することができる。その結果、ユーザの必要とする情報を適切に提供することが可能となる。
【0053】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置について、図8乃至図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図7の第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0054】
この第2実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係るナビゲーション装置は、施設の検索処理を行う際にナビゲーション装置で現在設定されている走行予定経路沿いにある施設を検索する点で第1実施形態に係るナビゲーション装置1と異なっている。
【0055】
以下に、第2実施形態に係るナビゲーション装置においてナビゲーションECU13が実行する施設案内処理プログラムについて図8に基づき説明する。ここで、第2実施形態に係る施設案内処理プログラムは、操作部14においてユーザの所定の操作を受け付けた場合に実行され、走行予定経路沿いにある地点として特に施設を検索するとともに、検索結果に基づいて検索条件に適合する施設の案内をするプログラムである。
【0056】
先ず、S31においてCPU41は、ナビゲーション装置1に現在設定されている走行予定経路を取得する。ここで、走行予定経路は、例えば、操作部14の操作により目的地が入力された場合において、経路探索の結果により設定された出発地(例えばユーザの自宅)から目的地までの経路である。尚、経路探索の処理に関しては既に公知であるのでその説明は省略する。
【0057】
次に、S32においてCPU41は、液晶ディスプレイ15に対してジャンル選択画面を表示する。そして、液晶ディスプレイ15に表示されたジャンル選択画面において、ユーザは検索する施設のジャンル(種別)を選択する。尚、液晶ディスプレイ15に表示されるジャンル選択画面については第1実施形態(図4参照)と同様であるので説明は省略する。
【0058】
続いて、S33においてCPU41は、ジャンル選択画面51において受け付けたユーザの操作に基づいて、検索する施設のジャンルを一種類又は複数種類選択する。
【0059】
また、S34においてCPU41は、登録地点としてユーザの自宅の位置座標を取得する。尚、第2実施形態ではユーザの自宅を登録地点とするが、登録地点はユーザの土地勘のある場所であればよく、ユーザの勤務地等を検索対象地点としても良い。
【0060】
次に、S35においてCPU41は、前記S31で取得した走行予定経路上に検索範囲の基準となる検索対象地点を設定する。例えば、CPU41は走行予定経路上にある全てのノード点に対して検索対象地点を設定する。また、走行予定経路を所定距離毎(例えば100m毎)に区分した際の区分点に対して検索対象地点を設定しても良い。
【0061】
続いて、以下のS36〜S39の処理は、前記S35で設定された各検索対象地点に対して実行される。具体的には、走行予定経路の出発地の近くに設定された検索対象地点から順にS36〜S39の処理を繰り返し実行する。そして、設定されている全ての検索対象地点に対する処理が完了した後にS40へと移行する。
【0062】
先ず、S36においてCPU41は、処理対象の検索対象地点の位置座標を地図情報DB31から取得する。尚、検索対象地点が走行予定経路上のノード点に設定されている場合には、ノード点の座標がノードデータ33から取得される。
【0063】
次に、S37においてCPU41は、前記S34及び前記S36で取得した位置座標と地図情報に基づいて、ユーザの自宅(登録地点)から処理対象の検索対象地点までの距離を算出する。尚、このときに算出される距離は走行予定経路に沿った道なり距離とする。
【0064】
続いて、S38においてCPU41は、前記S37で算出したユーザの自宅から処理対象の検索対象地点までの距離に基づいて、評価指標の基準値を設定する。ここで、基準値は、第1実施形態と同じく施設を検索する際に検索条件となる評価指標の下限の値に用いられる。尚、上記S38の基準値の設定処理は、車両の現在位置を処理対象の検索対象地点へと置き換えれば、第1実施形態の施設案内処理プログラムのS7において実行される基準値の設定処理と同様の処理であるので説明は省略する(図5参照)。但し、第2実施形態では、ユーザの自宅から検索対象地点までの直線距離ではなく、道なり距離に基づいて、基準値が「1」、「2」、「3」のいずれかの値に設定される。
【0065】
その後、S39においてCPU41は、処理対象の検索対象地点から所定距離以内(例えば100m以内)の範囲を検索範囲とし、選択されたジャンルと同一ジャンルの施設であり、前記S38で設定された基準値以上の評価指標が対応付けられていることを検索条件として施設の検索処理を実行する。具体的には、先ず地図情報DB31のPOIデータ34(図2参照)から検索範囲内に位置するとともに選択されたジャンルと同ジャンルが関連付けられた施設のPOIデータを抽出する。更に、抽出したPOIデータの評価指標を取得する。そして、抽出されたPOIデータの中に基準値以上の評価指標が対応付けられているPOIデータがあるか否か判定し、基準値以上の評価指標が対応付けられているPOIデータがある場合には、そのPOIデータのみを、検索条件に適合するPOIデータとして更に抽出する。
そして、検索処理の結果、検索条件に適合すると判定された施設のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
【0066】
以下に、上記S39の施設の検索処理について詳細に説明する。図9は前記S39の施設の検索処理について説明した説明図である。尚、以下では、第1実施形態の説明で用いた図9に示すユーザの自宅から目的地までの走行予定経路64の周辺に、H寺〜N寺が存在する場合であって、ユーザが「寺」をジャンルに選択して施設検索を行った場合を例に挙げて説明する。また。図9では特に走行予定経路64の出発地が登録地点、即ち、ユーザの自宅である場合を示す。
図9に示すように、走行予定経路64の周辺には7か所にH寺〜N寺が存在する。また、H寺〜N寺に対応付けられているそれぞれの評価指標は、H寺が「4.2」、I寺が「2.7」、J寺が「3.6」、K寺が「1.8」、L寺が「4.1」、M寺が「1.9」、N寺が「2.8」である。
従って、図9に示す“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの道なり距離”の1/3以内の経路A上にある4個の各検索対象地点102について、前記S39の施設の検索を繰り返し実行すると、結果として、各検索範囲103内に位置する施設の内、ジャンルが「寺」の施設であるH寺とI寺のPOIデータが抽出される。但し、前記S38で設定されている基準値(経路A上にある検索対象地点では「3」)以上の評価指標が対応付けられたH寺のみが検索条件に適合すると判定され、H寺のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
また、図9に示す“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの道なり距離”の1/3〜2/3内の経路B上にある7個の各検索対象地点104について、前記S39の施設の検索を繰り返し実行すると、結果として、各検索範囲105内に位置する施設の内、ジャンルが「寺」の施設であるJ寺とK寺のPOIデータが抽出される。但し、前記S38で設定されている基準値(経路B上にある検索対象地点では「2」)以上の評価指標が対応付けられたJ寺のみが検索条件に適合すると判定され、J寺のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
また、図9に示す“ユーザの自宅から走行予定経路の目的地までの道なり距離”の2/3以上の経路C上にある4個の各検索対象地点106について、前記S39の施設の検索を繰り返し実行すると、結果として、各検索範囲107内に位置する施設の内、ジャンルが「寺」の施設であるL寺とM寺とN寺のPOIデータが抽出される。但し、前記S38で設定されている基準値(経路C上にある検索対象地点では「1」)以上の評価指標が対応付けられたL寺とM寺とN寺が検索条件に適合すると判定され、L寺とM寺とN寺のPOIデータ(POI番号、評価指標等を含む)をRAM42等に記憶する。
【0067】
その後、前記S35で設定された全ての検索対象地点に対して上記S36〜S39の処理を実行した場合には、S40へと移行する。一方、全ての検索対象地点に対して上記S36〜S39の処理を実行していない場合には、現在処理対象の検索対象地点に対して走行予定経路の目的地方向に隣接する検索対象地点を新たに処理対象とする検索対象地点として選択し、S36以降の処理を再度実行する。
【0068】
S40においてCPU41は、前記S39でRAM42に記憶された施設のPOIデータ34(即ち、各検索対象地点に対して実行した施設の検索処理で検索条件に適合すると判定された施設のPOIデータ)を読み出す。
【0069】
そして、S41においてCPU41は、前記S40で読み出した施設のPOIデータ34を液晶ディスプレイ15に表示することにより、走行予定経路沿いにある検索条件に適合する施設の位置、名称、評価指標等を案内する。
【0070】
ここで、図10は前記S41において液晶ディスプレイ15に表示されるPOI案内画面111を示した図である。
図10に示すように、POI案内画面111は、ナビゲーション装置に設定されている走行予定経路の概略全体形状を表示する左画面112と、走行予定経路沿いにある検索条件に適合する施設のPOIデータ34を表示する右画面113の2つの表示領域から構成される。
そして、左画面112は、走行予定経路の形状を示す走行予定経路線114と、車両の現在位置を示す自車位置マーク115と、走行予定経路沿いにある検索条件に適合すると判定された施設の位置を示す施設マーク116〜120とから構成される。
また、右画面113には、施設のPOIデータ34を表示する情報表示スペース121〜125が設けられている。例えば、図10に示す例では、各情報表示スペース121〜125には、走行予定経路沿いにある検索条件に適合する施設のPOIデータ34の内、施設名、車両の現在位置からの距離、営業時間、評価指標等を表示する。また、情報表示スペース121〜125には、検索された施設のPOIデータ34を評価指標が高い順に並べて表示する。
【0071】
例えば、図10に示す例では、ジャンル『寺』で走行予定経路沿いの施設検索を行った場合において、走行予定経路沿いの検索範囲内で地点A〜地点Eに検索条件に適合する6つの施設が検索された場合を示す。
その場合には、走行予定経路沿いの検索範囲内で検索された6つの施設の内、評価指標が最も高い『H寺』に関する情報を情報表示スペース121に表示する。また、検索範囲内で検索された6つの施設の内、次に評価指標が高い『L寺』に関する情報を情報表示スペース122に表示する。以下同様に評価指標が高い順に情報表示スペース123〜125に対して『J寺』、『N寺』、『M寺』に関する情報を表示する。
この結果、走行予定経路沿いに検索条件に適合すると判定された施設が複数ある場合に、評価指標の高い施設のPOIデータ34から優先してそれぞれ表示される。
尚、検索条件に適合すると判定された施設が多数ある場合には、評価指標が一定値(例えば基準値+1.0)以上の施設のPOIデータ34のみ案内することとしても良い。また、評価指標の高い施設の情報を表示する文字サイズや文字色を変更するように構成しても良い。また、情報表示スペース121〜125には、評価指標の高い順ではなく、車両の現在位置から近い順や目的地に近い順に検索された施設のPOIデータ34を並べて表示しても良い。
【0072】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るナビゲーション装置、ナビゲーション装置による施設案内方法及びナビゲーション装置で実行されるコンピュータプログラムでは、ナビゲーション装置において設定されている走行予定経路を取得し(S31)、検索する施設のジャンルをユーザの操作に基づいて選択し(S32)、走行予定経路上に検索対象地点を設定し(S35)、登録地点(例えばユーザの自宅)から各検索対象地点までの距離を取得し(S37)、取得した距離から基準値を設定し(S38)、各検索対象地点の周囲を対象として選択されたジャンルと同一ジャンルの施設であり、且つ基準値以上の評価指標が対応付けられていることを検索条件として施設の検索処理を実行する(S39)。そして、各検索対象地点に対して実行した施設の検索処理の結果、検索条件に適合すると判定された施設の情報を案内する(S41)ので、登録地点と検索対象地点との位置関係に基づいて、ユーザにとって案内が必要な施設を選別することができる。即ち、一律に全ての施設を案内するのではなく、施設の検索を行うユーザに応じた施設のみを効率良く案内することが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
また、登録地点から検索対象地点までの距離が長いほど基準値が低く設定されるので、登録地点から近いユーザが土地勘の有る場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、一部の評価指標の高い施設のみを案内し、登録地点から遠いユーザが土地勘の無い場所に設定された検索対象地点の周囲を検索する場合には、評価指標の低い施設も案内することができる。その結果、ユーザの必要とする情報を適切に提供することが可能となる。
【0073】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、登録地点(例えばユーザの自宅)から検索対象地点までの距離に基づいて基準値を設定する(S7、S38)こととしているが、検索対象地点の周囲の施設の密度についても考慮し、基準値を設定しても良い。即ち、施設の密度が高い地域では検索条件に適合する施設が多数あり、施設の密度が低い地域では検索条件に適合する施設が少ないと考えられるので、検索対象地点の周囲の施設の密度が高い場合には通常より基準値を高く設定し、検索対象地点の周囲の施設の密度が低い場合には通常より基準値を低く設定することが望ましい。
具体的には、先ず、検索対象地点を中心とした検索範囲(第1実施形態では検索対象地点を中心とした半径10km以内、第2実施形態では検索対象地点を中心とした半径100m以内)の施設の密度を取得する。その結果、取得した施設の密度が10個/km以下である場合には、図5に示す通常の基準値より0.5低く基準値を設定する。一方、取得した施設の密度が30個/km以上である場合には、図5に示す通常の基準値より0.5高く基準値を設定する。それによって、検索結果に基づいて案内される施設数を適度な数に調整することが可能となる。
【0074】
また、ユーザの操作に基づいて基準値を設定可能に構成しても良い。具体的には、施設の検索処理を行う際に前記S7又はS38で設定された基準値をユーザに案内する。そして、ユーザが案内された基準値を変更することを希望した場合には、操作部14を用いてユーザに新たな基準値を入力させる構成とする。そして、入力された基準値に基づいて施設の検索処理(S8、S39)を実行する。尚、第2実施形態のように走行予定経路沿いの施設検索を行う場合には、各範囲61〜63に対してそれぞれ基準値をユーザに入力させる構成とする。
【0075】
また、第1実施形態及び第2実施形態では施設の評価指標を通信モジュール18を介して施設情報提供センタやプローブセンタから取得する構成としているが、ナビゲーションECU13が車両の走行履歴やユーザの目的地設定履歴から設定しても良い。例えば、立ち寄った回数が多い施設や目的地に設定された回数の多い施設に対してより高い評価指標を設定するように構成する。
【0076】
また、検索範囲のサイズをユーザの操作に基づいて変更可能に構成しても良い。更に、基準範囲や広域基準範囲の形状は円形状や円環形状に限られることはない。例えば、行政区画を基準範囲や広域基準範囲に設定しても良い。
【0077】
また、第1実施形態に係る施設の検索処理では、ナビゲーション装置1において走行予定経路が設定されていなくても良い。また、第2実施形態で施設の検索対象となる走行予定経路はユーザの自宅以外が出発地となっている経路であっても良い。
【符号の説明】
【0078】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
34 POIデータ
41 CPU
42 RAM
43 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に位置する施設の評価指標を施設毎に取得する評価指標取得手段と、
登録地点から検索対象地点までの距離を取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段により取得された距離に基づいて評価指標の基準値を設定し、前記評価指標取得手段により取得した施設の評価指標と前記設定した基準値とに基づいて前記検索対象地点の周囲にある施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段によって検索された施設を案内する施設案内手段と、を有することを特徴とする施設案内装置。
【請求項2】
前記基準値は、前記距離取得手段により取得された距離が長いほど小さくなり、
前記施設検索手段は、前記基準値以上の評価指標の施設を検索することを特徴とする請求項1に記載の施設案内装置。
【請求項3】
前記検索対象地点の周囲にある施設の密度を取得する密度取得手段を有し、
前記基準値は、前記密度取得手段により取得された施設の密度と前記距離取得手段により取得された距離に基づいて設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の施設案内装置。
【請求項4】
地図上に位置する施設の評価指標を施設毎に取得する評価指標取得ステップと、
登録地点から検索対象地点までの距離を取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップにより取得された距離に基づいて評価指標の基準値を設定し、前記評価指標取得ステップにより取得した施設の評価指標と前記設定した基準値とに基づいて前記検索対象地点の周囲にある施設を検索する施設検索ステップと、
前記施設検索ステップによって検索された施設を案内する施設案内ステップと、を有することを特徴とする施設案内方法。
【請求項5】
コンピュータに搭載され、
地図上に位置する施設の評価指標を施設毎に取得する評価指標取得機能と、
登録地点から検索対象地点までの距離を取得する距離取得機能と、
前記距離取得機能により取得された距離に基づいて評価指標の基準値を設定し、前記評価指標取得機能により取得した施設の評価指標と前記設定した基準値とに基づいて前記検索対象地点の周囲にある施設を検索する施設検索機能と、
前記施設検索機能によって検索された施設を案内する施設案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−204831(P2010−204831A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48112(P2009−48112)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】