映像配信システム
【課題】コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能な映像配信システムを得る。
【解決手段】映像配信システム1は、複数の監視カメラ2と、複数の表示装置6と、複数の監視カメラ2と複数の表示装置6との間に接続されたスイッチングハブ3と、を備え、監視カメラ2は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によってスイッチングハブ3を介して表示装置6に送信する。
【解決手段】映像配信システム1は、複数の監視カメラ2と、複数の表示装置6と、複数の監視カメラ2と複数の表示装置6との間に接続されたスイッチングハブ3と、を備え、監視カメラ2は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によってスイッチングハブ3を介して表示装置6に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システムに関し、特に、複数の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを複数の表示装置に配信する映像配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の監視カメラと、複数の表示装置と、解像度変換機能及び配信機能を有する一台の配信装置とを備える監視システムが実用化されている。この既存の監視システムにおいて、配信装置には、複数の表示装置が接続されるとともに、ハブを介して複数の監視カメラが接続される。配信装置は、各監視カメラによって撮影された映像に関する映像データを、ハブを介して受信する。そして、受信した映像データを、各表示装置から要求された解像度の映像データに変換して、各表示装置に配信する。
【0003】
なお、複数の監視カメラによって撮影した映像をモニタに表示する監視システムに関する技術は、例えば下記特許文献1〜3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−41770号公報
【特許文献2】特開2007−68214号公報
【特許文献3】特開2008−259074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した既存の監視システムによると、配信装置の処理能力に応じて、監視カメラ及び表示装置の設置台数に一定の制限がある。配信装置の処理能力を高めることによって、監視カメラ及び表示装置の設置台数を増やすことは可能である。しかし、配信装置の処理能力を高めるにしても技術上の限界があり、また、監視カメラ及び表示装置の台数が増大した場合にそれに対応できる処理能力を配信装置に持たせたのでは、却ってコストの増大を招く。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能な映像配信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る映像配信システムは、複数の撮影装置と、複数の表示装置と、前記複数の撮影装置と前記複数の表示装置との間に接続された中継装置と、を備え、前記撮影装置は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によって前記中継装置を介して前記表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様に係る映像配信システムによれば、撮影装置が映像データをマルチキャスト送信によって表示装置に送信することにより、複数の撮影装置から映像データを取得して複数の表示装置に配信するための配信装置が不要となる。従って、コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る映像配信システムは、第1の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記中継装置は、IGMP(Internet Group Management Protocol)対応の
スイッチングハブであることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係る映像配信システムによれば、IGMP対応のスイッチングハブを用いることにより、そのフィルタリング機能によって不要データの転送を回避できるため、トラフィックの増大を防止することが可能となる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る映像配信システムは、第1又は第2の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、解像度が異なる複数の映像データを送信することを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係る映像配信システムによれば、複数の表示装置から異なる解像度の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた解像度の映像データを撮影装置から各表示装置に提供することが可能となる。また、解像度変換機能を有する配信装置をシステム内に設置する必要がないため、コストの低減を図ることが可能となる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る映像配信システムは、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、通信レートが異なる複数の映像データを送信することを特徴とするものである。
【0014】
第4の態様に係る映像配信システムによれば、複数の表示装置から異なる通信レートの映像データを要求された場合であっても、要求に応じた通信レートの映像データを撮影装置から各表示装置に提供することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る映像配信システムは、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、圧縮率が異なる複数の映像データを送信することを特徴とするものである。
【0016】
第5の態様に係る映像配信システムによれば、複数の表示装置から異なる圧縮率の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた圧縮率の映像データを撮影装置から各表示装置に提供することが可能となる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る映像配信システムは、第3〜第5のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、映像データの圧縮方式としてH.264を用いることを特徴とするものである。
【0018】
第6の態様に係る映像配信システムによれば、映像データの圧縮方式として高圧縮率のH.264を用いることにより、解像度等が異なる複数の映像データを撮影装置から送信する場合であっても、データ送信に必要な帯域を低減することが可能となる。
【0019】
本発明の第7の態様に係る映像配信システムは、第1〜第6のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して受信した映像データを記録する記録装置と、外部ネットワークを介して前記中継装置に接続された外部表示装置と、をさらに備え、前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記記録装置に要求することを特徴とするものである。
【0020】
第7の態様に係る映像配信システムによれば、所望の撮影装置の映像データを外部表示装置が記録装置に要求することにより、外部表示装置は常に記録装置にアクセスすれば足りる。従って、撮影装置のアドレスや表示装置のアドレスを事前に外部表示装置に教示する必要がないため、システムの運用の簡素化を図ることが可能となる。
【0021】
本発明の第8の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しており、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から受信している映像データを前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0022】
第8の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元を表示装置等の中から選択する必要がないため、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0023】
本発明の第9の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0024】
第9の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元を表示装置等の中から選択する必要がないため、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0025】
本発明の第10の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記所望の撮影装置に対して、当該所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させることを特徴とするものである。
【0026】
第10の態様に係る映像配信システムによれば、所望の撮影装置から外部表示装置に映像データを送信することにより、表示装置を経由する場合と比較すると、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0027】
本発明の第11の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記複数の表示装置の中から最も大きな余剰能力を有している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させることを特徴とするものである。
【0028】
第11の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元として、最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択することにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0029】
本発明の第12の態様に係る映像配信システムは、第11の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信している場合には、当該映像データを前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0030】
第12の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置が要求している映像デー
タを、所定の表示装置から外部表示装置に提供することが可能となる。
【0031】
本発明の第13の態様に係る映像配信システムは、第11の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信していない場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0032】
第13の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置が要求している映像データを、所定の表示装置から外部表示装置に提供することが可能となる。
【0033】
本発明の第14の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記複数の表示装置の中から、前記所望の撮影装置から映像データを受信している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置から受信している映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させることを特徴とするものである。
【0034】
第14の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元として、所望の撮影装置から映像データを受信している表示装置を選択することにより、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0035】
本発明の第15の態様に係る映像配信システムは、第14の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記所定の表示装置が複数存在する場合には、複数の所定の表示装置の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択することを特徴とするものである。
【0036】
第15の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元として、複数の所定の表示装置の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択することにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0037】
本発明の第16の態様に係る映像配信システムは、第14又は第15の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記複数の表示装置のうち、自動表示切り替えモードに設定されている表示装置は、選択の候補から除外されることを特徴とするものである。
【0038】
第16の態様に係る映像配信システムによれば、自動表示切り替えモードに設定されている表示装置においては、映像データの取得元の撮影装置が定期的に変更されるため、かかる表示装置を選択の候補から除外することにより、外部表示装置への映像データの送信元が頻繁に変更されるという事態を回避することが可能となる。
【0039】
本発明の第17の態様に係る映像配信システムは、第11〜第16のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在有している余剰能力を問い合わせることを特徴とするものである。
【0040】
第17の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置から表示装置に対して現在有している余剰能力を問い合わせることにより、記録装置は、各表示装置が現在有している余剰能力を比較して、外部表示装置への映像データの送信元を適切に選択することが可能となる。
【0041】
本発明の第18の態様に係る映像配信システムは、第11〜第16のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、自己が有している余剰能力を前記記録装置に通知することを特徴とするものである。
【0042】
第18の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置は、ヘルスチェック時の通知により、各表示装置が有している余剰能力を取得する。そのため、外部表示装置から映像データの要求を受けた時には、すでに取得している各表示装置の余剰能力を比較することにより、外部表示装置への映像データの送信元を速やかに選択することが可能となる。
【0043】
本発明の第19の態様に係る映像配信システムは、第11〜第18のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在受信している映像データに関する情報を問い合わせることを特徴とするものである。
【0044】
第19の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置から表示装置に対して現在受信している映像データに関する情報を問い合わせることにより、記録装置は、各表示装置が現在受信している映像データに基づいて、外部表示装置への映像データの送信元を適切に選択することが可能となる。
【0045】
本発明の第20の態様に係る映像配信システムは、第11〜第18のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、現在受信している映像データに関する情報を前記記録装置に通知することを特徴とするものである。
【0046】
第20の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置は、ヘルスチェック時の通知により、各表示装置が現在受信している映像データに関する情報を取得する。そのため、外部表示装置から映像データの要求を受けた時には、すでに取得している各表示装置の映像データの受信状況に基づいて、外部表示装置への映像データの送信元を速やかに選択することが可能となる。
【0047】
本発明の第21の態様に係る映像配信システムは、第1〜第6のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得する配信装置と、外部ネットワークを介して前記配信装置に接続された外部表示装置と、をさらに備え、前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記配信装置に要求し、前記配信装置は、前記所望の撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得して、当該映像データを前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0048】
第21の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信を行う専用の配信装置を設けることにより、外部表示装置への映像データの送信元を選択する必要がないため、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能な映像配信システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】監視カメラから出力される映像データを示す図である。
【図3】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】記録装置の構成を示すブロック図である。
【図5】モニタにおける表示レイアウトを示す図である。
【図6】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第1の例を示す図である。
【図7】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第2の例を示す図である。
【図8】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第3の例を示す図である。
【図9】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第4の例を示す図である。
【図10】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第5の例を示す図である。
【図11】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第6の例を示す図である。
【図12】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第7の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る映像配信システムの全体構成の他の例を示す図である。
【図14】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第8の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0052】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像配信システム1の全体構成を示す図である。図1の接続関係で示すように、映像配信システム1は、ディジタルビデオカメラ等の複数の監視カメラ2(図1における符号21〜2M)と、IGMP(Internet Group Management Protocol)対応のスイッチングハブ3と、ディジタルビデオレコーダ等の記録装置4と、液晶表示装置等のモニタ5と、複数の表示装置6(図1における符号61〜6N)と、IPネットワーク等の外部ネットワーク7と、複数の外部表示装置8(図1における符号81〜83)とを備えて構成されている。スイッチングハブ3は、実際には複数のスイッチングハブがカスケード接続された構成を有している。監視カメラ21〜2M、記録装置4、表示装置61〜6N、及び外部ネットワーク7は、スイッチングハブ3の異なるポートに接続されている。外部表示装置81〜83は、液晶表示装置等のモニタを有するパーソナルコンピュータ等であり、外部ネットワーク7に接続されている。
【0053】
既存システムでは、解像度変換機能及び配信機能を有する配信装置がシステム内に配置されており、当該配信装置の処理能力の制約により、監視カメラ及び表示装置の設置台数に一定の制限があった。これに対して、本実施の形態に係る映像配信システム1では、当該配信装置を省略したことにより、監視カメラ2及び表示装置6の設置台数に制限がなくなったため、それぞれ任意の台数の監視カメラ2及び表示装置6を設置することが可能である。
【0054】
また、既存システムでは、外部ネットワークが記録装置に接続されており、外部モニタへの映像データの配信は記録装置によって行われていた。従って、記録装置の処理能力の制約により、外部ネットワークに接続できる外部表示装置の台数に一定の制限があった。
これに対して、本実施の形態に係る映像配信システム1では、外部ネットワーク7は記録装置4ではなくスイッチングハブ3に接続されており、スイッチングハブ3から外部ネットワーク7を介して外部表示装置8への映像データの配信が行われる。これにより、外部表示装置8の設置台数に制限がなくなったため、任意の台数の外部表示装置8を設置することが可能である。
【0055】
しかも、既存システムでは、外部表示装置への映像データの配信は記録装置によって行われていたため、記録装置が低解像度の映像データを受信している時に外部表示装置が高解像度の映像データを要求しても、記録装置から外部表示装置には低解像度の映像データが送信されていた。従って、外部表示装置上での表示サイズを大きくしたい場合には、低解像度の映像データを拡大する必要があるため、外部表示装置には粗い映像が表示されていた。逆に、記録装置が高解像度の映像データを受信している時に外部表示装置が低解像度の映像データを要求しても、記録装置から外部表示装置には高解像度の映像データが送信されていた。従って、外部表示装置上での表示サイズを小さくしたい場合には、高解像度の映像データを縮小する必要があるため、外部表示装置の処理能力によっては十分な表示レートを確保できず、スムーズなライブ表示を行えない場合があった。これに対して、本実施の形態に係る映像配信システム1では、外部ネットワーク7は記録装置4ではなくスイッチングハブ3に接続されており、スイッチングハブ3から外部ネットワーク7を介して外部表示装置8への映像データの配信が行われる。従って、記録装置4が現在受信している映像データの解像度に制限されることなく、外部表示装置8が要求する解像度の映像データを外部表示装置8に提供できるため、画質を向上できるとともに、スムーズなライブ表示を行うことが可能である。
【0056】
図2は、監視カメラ2から出力される映像データを示す図である。監視カメラ2は、撮影した映像に関して、その内部で解像度変換を行うことにより、解像度が異なる複数の映像データD1,D2を出力する。本実施の形態の例では、監視カメラ2は、VGA(640×480画素)の映像データD1と、QVGA(320×240画素)の映像データD2とを出力する。また、監視カメラ2は、H.264の圧縮符号化方式を採用するエンコーダを内部に有しており、監視カメラ2からは、H.264で圧縮された映像データD1,D2が出力される。なお、モニタ5、表示装置6、及び外部表示装置8における表示形式に対応して、監視カメラ2からは、解像度が異なる複数の映像データに代えて(又は加えて)、通信レートが異なる複数の映像データ、又は圧縮率が異なる複数の映像データが出力されてもよい。
【0057】
図3は、表示装置6の構成を示すブロック図である。図3の接続関係で示すように、表示装置6は、IGMP対応の通信部101と、H.264のデコーダ等を有する表示制御部102と、液晶表示装置等のモニタ103とを備えている。
【0058】
図4は、記録装置4の構成を示すブロック図である。図4の接続関係で示すように、記録装置4は、IGMP対応の通信部201と、H.264のデコーダ等を有する表示制御部202と、記録制御部203と、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体204と、制御部205とを備えている。
【0059】
図5は、モニタ5,103及び外部表示装置8における表示レイアウトを示す図である。モニタ5,103及び外部表示装置8は、図5の(A)に示すように、1台の監視カメラ2の映像を全画面表示することができ、この場合にはVGAの映像データを用いる。また、図5の(B)に示すように、4台の監視カメラ2の映像を4分割表示することができ、この場合にもVGAの映像データを用いる。また、図5の(C)に示すように、9台の監視カメラ2の映像を9分割表示することができ、この場合にはQVGAの映像データを用いる。また、図5の(D)に示すように、16台の監視カメラ2の映像を16分割表示
することができ、この場合にもQVGAの映像データを用いる。なお、分割数や解像度はこの例に限定されるものではなく、例えば、監視カメラ2からフルHD(1920×1080画素)の映像データとQQVGA(160×120画素)の映像データとを出力することにより、フルHDの映像データを用いて全画面表示を行い、QQVGAの映像データを用いて32分割表示や64分割表示等を行うこともできる。
【0060】
図1,2を参照して、監視カメラ2は、映像データD1,D2を、UDP(User Datagram Protocol)のマルチキャスト送信によって、スイッチングハブ3を介して記録装置4及び表示装置6に送信する。例えば表示装置61が監視カメラ21の映像をモニタ103に全画面表示する場合には、表示装置61の通信部101は、監視カメラ21の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットを送信する。そして、スイッチングハブ3は、そのパケットをスヌープすることにより、監視カメラ21から送信された映像データD1を、表示装置61が接続されているポートに転送する。また、例えば監視カメラ21〜24の映像をモニタ5に4分割表示する場合には、記録装置4の通信部201は、監視カメラ21〜24の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットを送信する。そして、スイッチングハブ3は、そのパケットをスヌープすることにより、監視カメラ21〜24から送信された映像データD1を、記録装置4が接続されているポートに転送する。
【0061】
また、外部ネットワーク7がUDPに対応する広域網である場合には、監視カメラ2は、映像データD1,D2を、UDPのマルチキャスト送信によって、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置8に送信する。例えば監視カメラ21の映像を外部表示装置81に全画面表示する場合には、外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットを送信する。そして、スイッチングハブ3は、そのパケットをスヌープすることにより、監視カメラ21から送信された映像データD1を、外部ネットワーク7が接続されているポートに転送する。その後、当該映像データD1は、外部ネットワーク7を介して外部表示装置81によって受信される。
【0062】
一方、外部ネットワーク7がUDPに対応しない広域網である場合には、監視カメラ2から出力された映像データD1,D2は、TCP(Transmission Control Protocol)のユニキャスト送信によって、記録装置4、監視カメラ2、又は表示装置6から、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置8に配信される。
【0063】
以下、監視カメラ21の映像を外部表示装置81に全画面表示する場合を例にとり、監視カメラ21から出力された映像データD1をTCPのユニキャスト送信によって外部表示装置81に送信するための処理シーケンスについて説明する。なお、複数の監視カメラ2の映像を外部表示装置81に分割表示する場合には、以下に述べる処理と同様の処理が、外部表示装置81が要求する映像データの数だけ繰り返し実行されることとなる。
【0064】
図6は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第1の例を示す図である。図6の例では、記録装置4は、モニタ5へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS11が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。なお、記録装置4のIPアドレスは、事前に外部表示装置81に教示されている。
【0065】
要求メッセージS11を受信した記録装置4は、制御部205によって、外部表示装置81への監視カメラ21の映像データD1の送信元となる装置(以下「送信元装置」と称
す)を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81へ送信し得る余剰能力(つまり、記録装置4が有する最大処理能力から、モニタ5へのライブ表示処理に必要な処理能力と記録媒体204への記録処理に必要な処理能力とを差し引いた残りの処理能力)を記録装置4が有している場合には、記録装置4を送信元装置として決定する。そして、送信元装置である記録装置4のIPアドレスを通知する応答メッセージS12を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0066】
応答メッセージS12を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS13を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である記録装置4に送信する。要求メッセージS13を受信した記録装置4は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。なお、記録装置4のIPアドレスは事前に外部表示装置81に教示されているため、応答メッセージS12及び要求メッセージS13の送受信は省略することもできる。
【0067】
図6に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を自らがすでに受信しており、かつ、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有している場合には、監視カメラ21の映像データD1を自らが外部表示装置81に送信する。従って、監視カメラ2や表示装置6の中から送信元装置を選択する処理が不要であるため、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0068】
図7は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第2の例を示す図である。図7の例では、記録装置4は、監視カメラ21から出力された映像データD1を受信していない。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS21が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0069】
要求メッセージS21を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81へ送信し得る余剰能力を記録装置4が有している場合には、記録装置4を送信元装置として決定する。そして、記録装置4への映像データD1の送信を要求する要求メッセージS22を、スイッチングハブ3を介して監視カメラ21に送信するとともに、送信元装置である記録装置4のIPアドレスを通知する応答メッセージS23を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0070】
要求メッセージS22を受信した監視カメラ21は、映像データD1を、スイッチングハブ3を介して記録装置4に送信する。また、応答メッセージS23を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS24を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である記録装置4に送信する。要求メッセージS24を受信した記録装置4は、バックグラウンド処理によって、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。なお、記録装置4のIPアドレスは事前に外部表示装置81に教示されているため、応答メッセージS23及び要求メッセージS24の送受信は省略することもできる。
【0071】
図7に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を自らが受信しておらず、かつ、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有している場合には、監視カメラ21の映像データD1
を自らが監視カメラ21から取得して外部表示装置81に送信する。従って、他の監視カメラ2や表示装置6の中から送信元装置を選択する処理が不要であるため、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0072】
図8は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第3の例を示す図である。図8の例では、記録装置4は、監視カメラ21から出力された映像データD1を受信していない。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS31が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0073】
要求メッセージS31を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81へ送信し得る余剰能力を記録装置4が有していない場合には、監視カメラ21を送信元装置として決定する。そして、送信元装置である監視カメラ21のIPアドレスを通知する応答メッセージS32を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0074】
応答メッセージS32を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS33を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である監視カメラ21に送信する。要求メッセージS33を受信した監視カメラ21は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0075】
図8に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信しておらず、又は、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有していない場合には、監視カメラ21に対して、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81に向けて送信させる。このように、監視カメラ21から外部表示装置81に映像データD1を送信することにより、表示装置6を経由する場合と比較すると、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0076】
図9は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第4の例を示す図である。図9の例では、表示装置61は、モニタ103へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS41が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0077】
要求メッセージS41を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、全ての表示装置6の中から、余剰能力(つまり、各表示装置6が有する最大処理能力から、モニタ103へのライブ表示処理に必要な処理能力を差し引いた残りの処理能力)が最大であるもの(この例では表示装置61とする)を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置61のIPアドレスを通知する応答メッセージS42を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0078】
ここで、制御部205は、外部表示装置81から要求メッセージS41を受信した時に、全ての表示装置6に対して、各々が現在有している余剰能力を問い合わせる。制御部205から各表示装置6に対して現在有している余剰能力を問い合わせることにより、制御
部205は、各表示装置6が現在有している余剰能力を比較して、送信元装置を適切に選択することが可能となる。
【0079】
あるいは、制御部205は、制御部205から各表示装置6に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、各表示装置6が有している余剰能力を制御部205に対して通知させてもよい。この場合、制御部205は、ヘルスチェック時に各表示装置6から受領する通知により、各表示装置6が有している余剰能力を取得する。そのため、外部表示装置81からの要求メッセージS41の受信時には、すでに取得している各表示装置6の余剰能力を比較することにより、送信元装置を速やかに選択することが可能となる。
【0080】
応答メッセージS42を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS43を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置61に送信する。要求メッセージS43を受信した表示装置61は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0081】
図9に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信しておらず、又は、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有していない場合には、全ての表示装置6の中から最も大きな余剰能力を有している表示装置61を送信元装置として選択して、その表示装置61に対して、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81に向けて送信させる。最も大きな余剰能力を有している表示装置61を送信元装置として選択することにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0082】
また、表示装置61は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21からすでに受信している場合には、当該映像データD1を外部表示装置81に送信する。これにより、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、表示装置61から外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0083】
図10は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第5の例を示す図である。図10の例では、表示装置61は、監視カメラ21から出力された映像データD1を受信していない。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS51が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0084】
要求メッセージS51を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、全ての表示装置6の中から、余剰能力が最大であるもの(この例では表示装置61とする)を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置61のIPアドレスを通知する応答メッセージS52を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0085】
応答メッセージS52を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS53を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置61に送信する。要求メッセージS53を受信した表示装置61は、表示装置61への映像データD1の送信を要求する要求メッセージS54を、スイッチングハブ3を介して監視カメラ21に送信する。要求メッセージS54を受信した監視カメラ21は、映像データD1を、スイッチングハブ3を介して表示装置61に送信する。表示装置61は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0086】
図10に示した例によれば、表示装置61は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信していない場合には、当該映像データD1を監視カメラ21から取得して外部表示装置81に送信する。これにより、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、表示装置61から外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0087】
図11は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第6の例を示す図である。図11の例では、表示装置62は、モニタ103へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS61が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0088】
要求メッセージS61を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している表示装置62を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置62のIPアドレスを通知する応答メッセージS62を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0089】
ここで、制御部205は、外部表示装置81から要求メッセージS61を受信した時に、全ての表示装置6に対して、各々が現在受信している映像データに関する情報(つまり、映像データの送信元の監視カメラ2、映像データの解像度、通信レート、及び圧縮率)を問い合わせる。制御部205から各表示装置6に対して現在受信している映像データに関する情報を問い合わせることにより、制御部205は、当該情報に基づいて、送信元装置を適切に選択することが可能となる。
【0090】
あるいは、制御部205は、制御部205から各表示装置6に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、各表示装置6が現在受信している映像データに関する情報を制御部205に対して通知させてもよい。この場合、制御部205は、ヘルスチェック時に各表示装置6から受領する通知により、各表示装置6が現在受信している映像データに関する情報を取得する。そのため、外部表示装置81からの要求メッセージS61の受信時には、すでに取得している各表示装置6における映像データの受信状況に基づいて、送信元装置を速やかに選択することが可能となる。
【0091】
応答メッセージS62を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS63を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置62に送信する。要求メッセージS63を受信した表示装置62は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0092】
図11に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信しておらず、又は、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を有していない場合には、監視カメラ21から映像データD1を受信している表示装置62を送信元装置として選択して、表示装置62に対して、監視カメラ21から受信している映像データD1を外部表示装置81に向けて送信させる。監視カメラ21から映像データD1を受信している表示装置62を送信元装置として選択することにより、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0093】
図12は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信す
る処理シーケンスの第7の例を示す図である。図12の例では、表示装置62,63は、モニタ103へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS71が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0094】
要求メッセージS71を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している複数の表示装置62,63のうち、余剰能力が最も大きいもの(この例では表示装置62とする)を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置62のIPアドレスを通知する応答メッセージS72を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0095】
応答メッセージS72を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS73を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置62に送信する。要求メッセージS73を受信した表示装置62は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0096】
図12に示した例によれば、記録装置4は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している表示装置6が複数存在する場合には、これらの表示装置6の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置62を送信元装置として選択する。これにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0097】
なお、図12に示した例において、記録装置4は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している表示装置6であっても、自動表示切り替えモード(つまり、モニタ103に映像を表示する監視カメラ2が数秒等の一定の時間間隔で自動的に切り替えられる表示モード)に設定されている表示装置6については、その余剰能力の如何に拘わらず送信元装置の選択の候補から除外する。自動表示切り替えモードに設定されている表示装置6においては、映像データの取得元の監視カメラ2が定期的に変更されるため、かかる表示装置6を送信元装置の選択の候補から除外することにより、外部表示装置81への映像データの送信元が頻繁に変更されるという事態を回避することが可能となる。
【0098】
図13は、本発明の実施の形態に係る映像配信システム1の全体構成の他の例を示す図である。図1に示した構成に対して、スイッチングハブ3と外部ネットワーク7との間に、外部用配信装置としてのゲートウェイ9が追加されている。
【0099】
図14は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第8の例を示す図である。監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS81は、外部表示装置81から外部ネットワーク7を介してゲートウェイ9に送信される。なお、ゲートウェイ9のIPアドレスは、事前に外部表示装置81に教示されている。
【0100】
要求メッセージS81を受信したゲートウェイ9は、監視カメラ21の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットS82を送信する。スイッチングハブ3は、そのパケットS82をスヌープすることにより、監視カメラ21から送信された映像データD1を、ゲートウェイ9が接続されているポートに転送する。これにより、監視カメラ21からマルチキャスト送信された映像データD1が、スイッチングハブ3を介してゲートウェイ9に送信される。ゲートウェイ9は、受信した監視カメラ21の映像データD1を、TCPのユニキャスト送信によって、外部ネットワーク7を
介して外部表示装置81に送信する。
【0101】
図14に示した例によれば、外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信をゲートウェイ9に対して要求し、ゲートウェイ9は、監視カメラ21からスイッチングハブ3を介して映像データD1を取得して、当該映像データD1を外部表示装置81に送信する。外部表示装置8への映像データの送信を行う専用のゲートウェイ9を設けることにより、外部表示装置8への映像データの送信元装置を選択する処理が不要となるため、外部表示装置8が要求している映像データを、速やかに外部表示装置8に提供することが可能となる。しかも、記録装置4や表示装置6においては、外部表示装置8への映像データの送信に伴う新たな負荷の発生を回避することが可能となる。
【0102】
このように本実施の形態に係る映像配信システム1は、複数の監視カメラ2(撮影装置)と、複数の表示装置6と、複数の監視カメラ2と複数の表示装置6との間に接続されたスイッチングハブ3(中継装置)とを備える。そして、監視カメラ2は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によってスイッチングハブ3を介して表示装置6に送信する。監視カメラ2が映像データをマルチキャスト送信によって表示装置6に送信することにより、複数の監視カメラ2から映像データを取得して複数の表示装置6に配信するための配信装置が不要となる。従って、コストの増大を抑制しつつ、監視カメラ2及び表示装置6の設置台数を既存システムより増やすことが可能となる。
【0103】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、IGMP対応のスイッチングハブ3が用いられる。IGMP対応のスイッチングハブ3を用いることにより、そのフィルタリング機能によって不要データの転送を回避できるため、トラフィックの増大を防止することが可能となる。
【0104】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、解像度が異なる複数の映像データを送信する。従って、複数の表示装置6から異なる解像度の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた解像度の映像データを監視カメラ2から各表示装置6に提供することが可能となる。また、解像度変換機能を有する配信装置をシステム内に設置する必要がないため、コストの低減を図ることが可能となる。
【0105】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、通信レートが異なる複数の映像データを送信する。従って、複数の表示装置6から異なる通信レートの映像データを要求された場合であっても、要求に応じた通信レートの映像データを監視カメラ2から各表示装置6に提供することが可能となる。
【0106】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、圧縮率が異なる複数の映像データを送信する。従って、複数の表示装置6から異なる圧縮率の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた圧縮率の映像データを監視カメラ2から各表示装置6に提供することが可能となる。
【0107】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、映像データの圧縮方式としてH.264を用いる。映像データの圧縮方式として高圧縮率のH.264を用いることにより、解像度等が異なる複数の映像データを監視カメラ2から送信する場合であっても、データ送信に必要な帯域を低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0108】
1 映像配信システム
2(21〜2M) 監視カメラ
3 スイッチングハブ
4 記録装置
5,103 モニタ
6(61〜6N) 表示装置
7 外部ネットワーク
8(81〜83) 外部表示装置
9 ゲートウェイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システムに関し、特に、複数の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを複数の表示装置に配信する映像配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の監視カメラと、複数の表示装置と、解像度変換機能及び配信機能を有する一台の配信装置とを備える監視システムが実用化されている。この既存の監視システムにおいて、配信装置には、複数の表示装置が接続されるとともに、ハブを介して複数の監視カメラが接続される。配信装置は、各監視カメラによって撮影された映像に関する映像データを、ハブを介して受信する。そして、受信した映像データを、各表示装置から要求された解像度の映像データに変換して、各表示装置に配信する。
【0003】
なお、複数の監視カメラによって撮影した映像をモニタに表示する監視システムに関する技術は、例えば下記特許文献1〜3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−41770号公報
【特許文献2】特開2007−68214号公報
【特許文献3】特開2008−259074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した既存の監視システムによると、配信装置の処理能力に応じて、監視カメラ及び表示装置の設置台数に一定の制限がある。配信装置の処理能力を高めることによって、監視カメラ及び表示装置の設置台数を増やすことは可能である。しかし、配信装置の処理能力を高めるにしても技術上の限界があり、また、監視カメラ及び表示装置の台数が増大した場合にそれに対応できる処理能力を配信装置に持たせたのでは、却ってコストの増大を招く。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能な映像配信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る映像配信システムは、複数の撮影装置と、複数の表示装置と、前記複数の撮影装置と前記複数の表示装置との間に接続された中継装置と、を備え、前記撮影装置は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によって前記中継装置を介して前記表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様に係る映像配信システムによれば、撮影装置が映像データをマルチキャスト送信によって表示装置に送信することにより、複数の撮影装置から映像データを取得して複数の表示装置に配信するための配信装置が不要となる。従って、コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る映像配信システムは、第1の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記中継装置は、IGMP(Internet Group Management Protocol)対応の
スイッチングハブであることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係る映像配信システムによれば、IGMP対応のスイッチングハブを用いることにより、そのフィルタリング機能によって不要データの転送を回避できるため、トラフィックの増大を防止することが可能となる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る映像配信システムは、第1又は第2の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、解像度が異なる複数の映像データを送信することを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係る映像配信システムによれば、複数の表示装置から異なる解像度の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた解像度の映像データを撮影装置から各表示装置に提供することが可能となる。また、解像度変換機能を有する配信装置をシステム内に設置する必要がないため、コストの低減を図ることが可能となる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る映像配信システムは、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、通信レートが異なる複数の映像データを送信することを特徴とするものである。
【0014】
第4の態様に係る映像配信システムによれば、複数の表示装置から異なる通信レートの映像データを要求された場合であっても、要求に応じた通信レートの映像データを撮影装置から各表示装置に提供することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る映像配信システムは、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、圧縮率が異なる複数の映像データを送信することを特徴とするものである。
【0016】
第5の態様に係る映像配信システムによれば、複数の表示装置から異なる圧縮率の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた圧縮率の映像データを撮影装置から各表示装置に提供することが可能となる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る映像配信システムは、第3〜第5のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記撮影装置は、映像データの圧縮方式としてH.264を用いることを特徴とするものである。
【0018】
第6の態様に係る映像配信システムによれば、映像データの圧縮方式として高圧縮率のH.264を用いることにより、解像度等が異なる複数の映像データを撮影装置から送信する場合であっても、データ送信に必要な帯域を低減することが可能となる。
【0019】
本発明の第7の態様に係る映像配信システムは、第1〜第6のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して受信した映像データを記録する記録装置と、外部ネットワークを介して前記中継装置に接続された外部表示装置と、をさらに備え、前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記記録装置に要求することを特徴とするものである。
【0020】
第7の態様に係る映像配信システムによれば、所望の撮影装置の映像データを外部表示装置が記録装置に要求することにより、外部表示装置は常に記録装置にアクセスすれば足りる。従って、撮影装置のアドレスや表示装置のアドレスを事前に外部表示装置に教示する必要がないため、システムの運用の簡素化を図ることが可能となる。
【0021】
本発明の第8の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しており、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から受信している映像データを前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0022】
第8の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元を表示装置等の中から選択する必要がないため、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0023】
本発明の第9の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0024】
第9の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元を表示装置等の中から選択する必要がないため、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0025】
本発明の第10の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記所望の撮影装置に対して、当該所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させることを特徴とするものである。
【0026】
第10の態様に係る映像配信システムによれば、所望の撮影装置から外部表示装置に映像データを送信することにより、表示装置を経由する場合と比較すると、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0027】
本発明の第11の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記複数の表示装置の中から最も大きな余剰能力を有している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させることを特徴とするものである。
【0028】
第11の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元として、最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択することにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0029】
本発明の第12の態様に係る映像配信システムは、第11の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信している場合には、当該映像データを前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0030】
第12の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置が要求している映像デー
タを、所定の表示装置から外部表示装置に提供することが可能となる。
【0031】
本発明の第13の態様に係る映像配信システムは、第11の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信していない場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0032】
第13の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置が要求している映像データを、所定の表示装置から外部表示装置に提供することが可能となる。
【0033】
本発明の第14の態様に係る映像配信システムは、第7の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記複数の表示装置の中から、前記所望の撮影装置から映像データを受信している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置から受信している映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させることを特徴とするものである。
【0034】
第14の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元として、所望の撮影装置から映像データを受信している表示装置を選択することにより、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【0035】
本発明の第15の態様に係る映像配信システムは、第14の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記所定の表示装置が複数存在する場合には、複数の所定の表示装置の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択することを特徴とするものである。
【0036】
第15の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信元として、複数の所定の表示装置の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択することにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0037】
本発明の第16の態様に係る映像配信システムは、第14又は第15の態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記複数の表示装置のうち、自動表示切り替えモードに設定されている表示装置は、選択の候補から除外されることを特徴とするものである。
【0038】
第16の態様に係る映像配信システムによれば、自動表示切り替えモードに設定されている表示装置においては、映像データの取得元の撮影装置が定期的に変更されるため、かかる表示装置を選択の候補から除外することにより、外部表示装置への映像データの送信元が頻繁に変更されるという事態を回避することが可能となる。
【0039】
本発明の第17の態様に係る映像配信システムは、第11〜第16のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在有している余剰能力を問い合わせることを特徴とするものである。
【0040】
第17の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置から表示装置に対して現在有している余剰能力を問い合わせることにより、記録装置は、各表示装置が現在有している余剰能力を比較して、外部表示装置への映像データの送信元を適切に選択することが可能となる。
【0041】
本発明の第18の態様に係る映像配信システムは、第11〜第16のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、自己が有している余剰能力を前記記録装置に通知することを特徴とするものである。
【0042】
第18の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置は、ヘルスチェック時の通知により、各表示装置が有している余剰能力を取得する。そのため、外部表示装置から映像データの要求を受けた時には、すでに取得している各表示装置の余剰能力を比較することにより、外部表示装置への映像データの送信元を速やかに選択することが可能となる。
【0043】
本発明の第19の態様に係る映像配信システムは、第11〜第18のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在受信している映像データに関する情報を問い合わせることを特徴とするものである。
【0044】
第19の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置から表示装置に対して現在受信している映像データに関する情報を問い合わせることにより、記録装置は、各表示装置が現在受信している映像データに基づいて、外部表示装置への映像データの送信元を適切に選択することが可能となる。
【0045】
本発明の第20の態様に係る映像配信システムは、第11〜第18のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、現在受信している映像データに関する情報を前記記録装置に通知することを特徴とするものである。
【0046】
第20の態様に係る映像配信システムによれば、記録装置は、ヘルスチェック時の通知により、各表示装置が現在受信している映像データに関する情報を取得する。そのため、外部表示装置から映像データの要求を受けた時には、すでに取得している各表示装置の映像データの受信状況に基づいて、外部表示装置への映像データの送信元を速やかに選択することが可能となる。
【0047】
本発明の第21の態様に係る映像配信システムは、第1〜第6のいずれか一つの態様に係る映像配信システムにおいて特に、前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得する配信装置と、外部ネットワークを介して前記配信装置に接続された外部表示装置と、をさらに備え、前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記配信装置に要求し、前記配信装置は、前記所望の撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得して、当該映像データを前記外部表示装置に送信することを特徴とするものである。
【0048】
第21の態様に係る映像配信システムによれば、外部表示装置への映像データの送信を行う専用の配信装置を設けることにより、外部表示装置への映像データの送信元を選択する必要がないため、外部表示装置が要求している映像データを、速やかに外部表示装置に提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、コストの増大を抑制しつつ、撮影装置及び表示装置の設置台数を既存システムより増やすことが可能な映像配信システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】監視カメラから出力される映像データを示す図である。
【図3】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】記録装置の構成を示すブロック図である。
【図5】モニタにおける表示レイアウトを示す図である。
【図6】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第1の例を示す図である。
【図7】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第2の例を示す図である。
【図8】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第3の例を示す図である。
【図9】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第4の例を示す図である。
【図10】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第5の例を示す図である。
【図11】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第6の例を示す図である。
【図12】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第7の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る映像配信システムの全体構成の他の例を示す図である。
【図14】監視カメラから出力された映像データをモニタに送信する処理シーケンスの第8の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0052】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像配信システム1の全体構成を示す図である。図1の接続関係で示すように、映像配信システム1は、ディジタルビデオカメラ等の複数の監視カメラ2(図1における符号21〜2M)と、IGMP(Internet Group Management Protocol)対応のスイッチングハブ3と、ディジタルビデオレコーダ等の記録装置4と、液晶表示装置等のモニタ5と、複数の表示装置6(図1における符号61〜6N)と、IPネットワーク等の外部ネットワーク7と、複数の外部表示装置8(図1における符号81〜83)とを備えて構成されている。スイッチングハブ3は、実際には複数のスイッチングハブがカスケード接続された構成を有している。監視カメラ21〜2M、記録装置4、表示装置61〜6N、及び外部ネットワーク7は、スイッチングハブ3の異なるポートに接続されている。外部表示装置81〜83は、液晶表示装置等のモニタを有するパーソナルコンピュータ等であり、外部ネットワーク7に接続されている。
【0053】
既存システムでは、解像度変換機能及び配信機能を有する配信装置がシステム内に配置されており、当該配信装置の処理能力の制約により、監視カメラ及び表示装置の設置台数に一定の制限があった。これに対して、本実施の形態に係る映像配信システム1では、当該配信装置を省略したことにより、監視カメラ2及び表示装置6の設置台数に制限がなくなったため、それぞれ任意の台数の監視カメラ2及び表示装置6を設置することが可能である。
【0054】
また、既存システムでは、外部ネットワークが記録装置に接続されており、外部モニタへの映像データの配信は記録装置によって行われていた。従って、記録装置の処理能力の制約により、外部ネットワークに接続できる外部表示装置の台数に一定の制限があった。
これに対して、本実施の形態に係る映像配信システム1では、外部ネットワーク7は記録装置4ではなくスイッチングハブ3に接続されており、スイッチングハブ3から外部ネットワーク7を介して外部表示装置8への映像データの配信が行われる。これにより、外部表示装置8の設置台数に制限がなくなったため、任意の台数の外部表示装置8を設置することが可能である。
【0055】
しかも、既存システムでは、外部表示装置への映像データの配信は記録装置によって行われていたため、記録装置が低解像度の映像データを受信している時に外部表示装置が高解像度の映像データを要求しても、記録装置から外部表示装置には低解像度の映像データが送信されていた。従って、外部表示装置上での表示サイズを大きくしたい場合には、低解像度の映像データを拡大する必要があるため、外部表示装置には粗い映像が表示されていた。逆に、記録装置が高解像度の映像データを受信している時に外部表示装置が低解像度の映像データを要求しても、記録装置から外部表示装置には高解像度の映像データが送信されていた。従って、外部表示装置上での表示サイズを小さくしたい場合には、高解像度の映像データを縮小する必要があるため、外部表示装置の処理能力によっては十分な表示レートを確保できず、スムーズなライブ表示を行えない場合があった。これに対して、本実施の形態に係る映像配信システム1では、外部ネットワーク7は記録装置4ではなくスイッチングハブ3に接続されており、スイッチングハブ3から外部ネットワーク7を介して外部表示装置8への映像データの配信が行われる。従って、記録装置4が現在受信している映像データの解像度に制限されることなく、外部表示装置8が要求する解像度の映像データを外部表示装置8に提供できるため、画質を向上できるとともに、スムーズなライブ表示を行うことが可能である。
【0056】
図2は、監視カメラ2から出力される映像データを示す図である。監視カメラ2は、撮影した映像に関して、その内部で解像度変換を行うことにより、解像度が異なる複数の映像データD1,D2を出力する。本実施の形態の例では、監視カメラ2は、VGA(640×480画素)の映像データD1と、QVGA(320×240画素)の映像データD2とを出力する。また、監視カメラ2は、H.264の圧縮符号化方式を採用するエンコーダを内部に有しており、監視カメラ2からは、H.264で圧縮された映像データD1,D2が出力される。なお、モニタ5、表示装置6、及び外部表示装置8における表示形式に対応して、監視カメラ2からは、解像度が異なる複数の映像データに代えて(又は加えて)、通信レートが異なる複数の映像データ、又は圧縮率が異なる複数の映像データが出力されてもよい。
【0057】
図3は、表示装置6の構成を示すブロック図である。図3の接続関係で示すように、表示装置6は、IGMP対応の通信部101と、H.264のデコーダ等を有する表示制御部102と、液晶表示装置等のモニタ103とを備えている。
【0058】
図4は、記録装置4の構成を示すブロック図である。図4の接続関係で示すように、記録装置4は、IGMP対応の通信部201と、H.264のデコーダ等を有する表示制御部202と、記録制御部203と、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体204と、制御部205とを備えている。
【0059】
図5は、モニタ5,103及び外部表示装置8における表示レイアウトを示す図である。モニタ5,103及び外部表示装置8は、図5の(A)に示すように、1台の監視カメラ2の映像を全画面表示することができ、この場合にはVGAの映像データを用いる。また、図5の(B)に示すように、4台の監視カメラ2の映像を4分割表示することができ、この場合にもVGAの映像データを用いる。また、図5の(C)に示すように、9台の監視カメラ2の映像を9分割表示することができ、この場合にはQVGAの映像データを用いる。また、図5の(D)に示すように、16台の監視カメラ2の映像を16分割表示
することができ、この場合にもQVGAの映像データを用いる。なお、分割数や解像度はこの例に限定されるものではなく、例えば、監視カメラ2からフルHD(1920×1080画素)の映像データとQQVGA(160×120画素)の映像データとを出力することにより、フルHDの映像データを用いて全画面表示を行い、QQVGAの映像データを用いて32分割表示や64分割表示等を行うこともできる。
【0060】
図1,2を参照して、監視カメラ2は、映像データD1,D2を、UDP(User Datagram Protocol)のマルチキャスト送信によって、スイッチングハブ3を介して記録装置4及び表示装置6に送信する。例えば表示装置61が監視カメラ21の映像をモニタ103に全画面表示する場合には、表示装置61の通信部101は、監視カメラ21の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットを送信する。そして、スイッチングハブ3は、そのパケットをスヌープすることにより、監視カメラ21から送信された映像データD1を、表示装置61が接続されているポートに転送する。また、例えば監視カメラ21〜24の映像をモニタ5に4分割表示する場合には、記録装置4の通信部201は、監視カメラ21〜24の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットを送信する。そして、スイッチングハブ3は、そのパケットをスヌープすることにより、監視カメラ21〜24から送信された映像データD1を、記録装置4が接続されているポートに転送する。
【0061】
また、外部ネットワーク7がUDPに対応する広域網である場合には、監視カメラ2は、映像データD1,D2を、UDPのマルチキャスト送信によって、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置8に送信する。例えば監視カメラ21の映像を外部表示装置81に全画面表示する場合には、外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットを送信する。そして、スイッチングハブ3は、そのパケットをスヌープすることにより、監視カメラ21から送信された映像データD1を、外部ネットワーク7が接続されているポートに転送する。その後、当該映像データD1は、外部ネットワーク7を介して外部表示装置81によって受信される。
【0062】
一方、外部ネットワーク7がUDPに対応しない広域網である場合には、監視カメラ2から出力された映像データD1,D2は、TCP(Transmission Control Protocol)のユニキャスト送信によって、記録装置4、監視カメラ2、又は表示装置6から、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置8に配信される。
【0063】
以下、監視カメラ21の映像を外部表示装置81に全画面表示する場合を例にとり、監視カメラ21から出力された映像データD1をTCPのユニキャスト送信によって外部表示装置81に送信するための処理シーケンスについて説明する。なお、複数の監視カメラ2の映像を外部表示装置81に分割表示する場合には、以下に述べる処理と同様の処理が、外部表示装置81が要求する映像データの数だけ繰り返し実行されることとなる。
【0064】
図6は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第1の例を示す図である。図6の例では、記録装置4は、モニタ5へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS11が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。なお、記録装置4のIPアドレスは、事前に外部表示装置81に教示されている。
【0065】
要求メッセージS11を受信した記録装置4は、制御部205によって、外部表示装置81への監視カメラ21の映像データD1の送信元となる装置(以下「送信元装置」と称
す)を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81へ送信し得る余剰能力(つまり、記録装置4が有する最大処理能力から、モニタ5へのライブ表示処理に必要な処理能力と記録媒体204への記録処理に必要な処理能力とを差し引いた残りの処理能力)を記録装置4が有している場合には、記録装置4を送信元装置として決定する。そして、送信元装置である記録装置4のIPアドレスを通知する応答メッセージS12を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0066】
応答メッセージS12を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS13を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である記録装置4に送信する。要求メッセージS13を受信した記録装置4は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。なお、記録装置4のIPアドレスは事前に外部表示装置81に教示されているため、応答メッセージS12及び要求メッセージS13の送受信は省略することもできる。
【0067】
図6に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を自らがすでに受信しており、かつ、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有している場合には、監視カメラ21の映像データD1を自らが外部表示装置81に送信する。従って、監視カメラ2や表示装置6の中から送信元装置を選択する処理が不要であるため、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0068】
図7は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第2の例を示す図である。図7の例では、記録装置4は、監視カメラ21から出力された映像データD1を受信していない。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS21が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0069】
要求メッセージS21を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81へ送信し得る余剰能力を記録装置4が有している場合には、記録装置4を送信元装置として決定する。そして、記録装置4への映像データD1の送信を要求する要求メッセージS22を、スイッチングハブ3を介して監視カメラ21に送信するとともに、送信元装置である記録装置4のIPアドレスを通知する応答メッセージS23を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0070】
要求メッセージS22を受信した監視カメラ21は、映像データD1を、スイッチングハブ3を介して記録装置4に送信する。また、応答メッセージS23を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS24を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である記録装置4に送信する。要求メッセージS24を受信した記録装置4は、バックグラウンド処理によって、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。なお、記録装置4のIPアドレスは事前に外部表示装置81に教示されているため、応答メッセージS23及び要求メッセージS24の送受信は省略することもできる。
【0071】
図7に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を自らが受信しておらず、かつ、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有している場合には、監視カメラ21の映像データD1
を自らが監視カメラ21から取得して外部表示装置81に送信する。従って、他の監視カメラ2や表示装置6の中から送信元装置を選択する処理が不要であるため、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0072】
図8は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第3の例を示す図である。図8の例では、記録装置4は、監視カメラ21から出力された映像データD1を受信していない。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS31が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0073】
要求メッセージS31を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81へ送信し得る余剰能力を記録装置4が有していない場合には、監視カメラ21を送信元装置として決定する。そして、送信元装置である監視カメラ21のIPアドレスを通知する応答メッセージS32を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0074】
応答メッセージS32を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS33を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である監視カメラ21に送信する。要求メッセージS33を受信した監視カメラ21は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0075】
図8に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信しておらず、又は、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有していない場合には、監視カメラ21に対して、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81に向けて送信させる。このように、監視カメラ21から外部表示装置81に映像データD1を送信することにより、表示装置6を経由する場合と比較すると、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0076】
図9は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第4の例を示す図である。図9の例では、表示装置61は、モニタ103へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS41が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0077】
要求メッセージS41を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、全ての表示装置6の中から、余剰能力(つまり、各表示装置6が有する最大処理能力から、モニタ103へのライブ表示処理に必要な処理能力を差し引いた残りの処理能力)が最大であるもの(この例では表示装置61とする)を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置61のIPアドレスを通知する応答メッセージS42を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0078】
ここで、制御部205は、外部表示装置81から要求メッセージS41を受信した時に、全ての表示装置6に対して、各々が現在有している余剰能力を問い合わせる。制御部205から各表示装置6に対して現在有している余剰能力を問い合わせることにより、制御
部205は、各表示装置6が現在有している余剰能力を比較して、送信元装置を適切に選択することが可能となる。
【0079】
あるいは、制御部205は、制御部205から各表示装置6に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、各表示装置6が有している余剰能力を制御部205に対して通知させてもよい。この場合、制御部205は、ヘルスチェック時に各表示装置6から受領する通知により、各表示装置6が有している余剰能力を取得する。そのため、外部表示装置81からの要求メッセージS41の受信時には、すでに取得している各表示装置6の余剰能力を比較することにより、送信元装置を速やかに選択することが可能となる。
【0080】
応答メッセージS42を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS43を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置61に送信する。要求メッセージS43を受信した表示装置61は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0081】
図9に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信しておらず、又は、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を自らが有していない場合には、全ての表示装置6の中から最も大きな余剰能力を有している表示装置61を送信元装置として選択して、その表示装置61に対して、監視カメラ21の映像データD1を外部表示装置81に向けて送信させる。最も大きな余剰能力を有している表示装置61を送信元装置として選択することにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0082】
また、表示装置61は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21からすでに受信している場合には、当該映像データD1を外部表示装置81に送信する。これにより、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、表示装置61から外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0083】
図10は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第5の例を示す図である。図10の例では、表示装置61は、監視カメラ21から出力された映像データD1を受信していない。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS51が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0084】
要求メッセージS51を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、全ての表示装置6の中から、余剰能力が最大であるもの(この例では表示装置61とする)を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置61のIPアドレスを通知する応答メッセージS52を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0085】
応答メッセージS52を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS53を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置61に送信する。要求メッセージS53を受信した表示装置61は、表示装置61への映像データD1の送信を要求する要求メッセージS54を、スイッチングハブ3を介して監視カメラ21に送信する。要求メッセージS54を受信した監視カメラ21は、映像データD1を、スイッチングハブ3を介して表示装置61に送信する。表示装置61は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0086】
図10に示した例によれば、表示装置61は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信していない場合には、当該映像データD1を監視カメラ21から取得して外部表示装置81に送信する。これにより、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、表示装置61から外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0087】
図11は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第6の例を示す図である。図11の例では、表示装置62は、モニタ103へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS61が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0088】
要求メッセージS61を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している表示装置62を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置62のIPアドレスを通知する応答メッセージS62を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0089】
ここで、制御部205は、外部表示装置81から要求メッセージS61を受信した時に、全ての表示装置6に対して、各々が現在受信している映像データに関する情報(つまり、映像データの送信元の監視カメラ2、映像データの解像度、通信レート、及び圧縮率)を問い合わせる。制御部205から各表示装置6に対して現在受信している映像データに関する情報を問い合わせることにより、制御部205は、当該情報に基づいて、送信元装置を適切に選択することが可能となる。
【0090】
あるいは、制御部205は、制御部205から各表示装置6に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、各表示装置6が現在受信している映像データに関する情報を制御部205に対して通知させてもよい。この場合、制御部205は、ヘルスチェック時に各表示装置6から受領する通知により、各表示装置6が現在受信している映像データに関する情報を取得する。そのため、外部表示装置81からの要求メッセージS61の受信時には、すでに取得している各表示装置6における映像データの受信状況に基づいて、送信元装置を速やかに選択することが可能となる。
【0091】
応答メッセージS62を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS63を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置62に送信する。要求メッセージS63を受信した表示装置62は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0092】
図11に示した例によれば、記録装置4は、外部表示装置81から要求された監視カメラ21の映像データD1を監視カメラ21から受信しておらず、又は、映像データD1を外部表示装置81に送信し得る余剰能力を有していない場合には、監視カメラ21から映像データD1を受信している表示装置62を送信元装置として選択して、表示装置62に対して、監視カメラ21から受信している映像データD1を外部表示装置81に向けて送信させる。監視カメラ21から映像データD1を受信している表示装置62を送信元装置として選択することにより、外部表示装置81が要求している監視カメラ21の映像データD1を、速やかに外部表示装置81に提供することが可能となる。
【0093】
図12は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信す
る処理シーケンスの第7の例を示す図である。図12の例では、表示装置62,63は、モニタ103へのライブ表示のために、監視カメラ21から出力された映像データD1をすでに受信している。この状態で、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS71が、外部表示装置81から外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して記録装置4に送信される。
【0094】
要求メッセージS71を受信した記録装置4は、制御部205によって送信元装置を決定する。制御部205は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している複数の表示装置62,63のうち、余剰能力が最も大きいもの(この例では表示装置62とする)を、送信元装置として決定する。そして、送信元装置である表示装置62のIPアドレスを通知する応答メッセージS72を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0095】
応答メッセージS72を受信した外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS73を、外部ネットワーク7及びスイッチングハブ3を介して、送信元装置である表示装置62に送信する。要求メッセージS73を受信した表示装置62は、監視カメラ21の映像データD1を、スイッチングハブ3及び外部ネットワーク7を介して外部表示装置81に送信する。
【0096】
図12に示した例によれば、記録装置4は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している表示装置6が複数存在する場合には、これらの表示装置6の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置62を送信元装置として選択する。これにより、システム全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0097】
なお、図12に示した例において、記録装置4は、監視カメラ21の映像データD1をすでに受信している表示装置6であっても、自動表示切り替えモード(つまり、モニタ103に映像を表示する監視カメラ2が数秒等の一定の時間間隔で自動的に切り替えられる表示モード)に設定されている表示装置6については、その余剰能力の如何に拘わらず送信元装置の選択の候補から除外する。自動表示切り替えモードに設定されている表示装置6においては、映像データの取得元の監視カメラ2が定期的に変更されるため、かかる表示装置6を送信元装置の選択の候補から除外することにより、外部表示装置81への映像データの送信元が頻繁に変更されるという事態を回避することが可能となる。
【0098】
図13は、本発明の実施の形態に係る映像配信システム1の全体構成の他の例を示す図である。図1に示した構成に対して、スイッチングハブ3と外部ネットワーク7との間に、外部用配信装置としてのゲートウェイ9が追加されている。
【0099】
図14は、監視カメラ21から出力された映像データD1を外部表示装置81に送信する処理シーケンスの第8の例を示す図である。監視カメラ21の映像データD1の配信を要求する要求メッセージS81は、外部表示装置81から外部ネットワーク7を介してゲートウェイ9に送信される。なお、ゲートウェイ9のIPアドレスは、事前に外部表示装置81に教示されている。
【0100】
要求メッセージS81を受信したゲートウェイ9は、監視カメラ21の映像データD1に関するマルチキャストグループへの参加を宣言するためのパケットS82を送信する。スイッチングハブ3は、そのパケットS82をスヌープすることにより、監視カメラ21から送信された映像データD1を、ゲートウェイ9が接続されているポートに転送する。これにより、監視カメラ21からマルチキャスト送信された映像データD1が、スイッチングハブ3を介してゲートウェイ9に送信される。ゲートウェイ9は、受信した監視カメラ21の映像データD1を、TCPのユニキャスト送信によって、外部ネットワーク7を
介して外部表示装置81に送信する。
【0101】
図14に示した例によれば、外部表示装置81は、監視カメラ21の映像データD1の配信をゲートウェイ9に対して要求し、ゲートウェイ9は、監視カメラ21からスイッチングハブ3を介して映像データD1を取得して、当該映像データD1を外部表示装置81に送信する。外部表示装置8への映像データの送信を行う専用のゲートウェイ9を設けることにより、外部表示装置8への映像データの送信元装置を選択する処理が不要となるため、外部表示装置8が要求している映像データを、速やかに外部表示装置8に提供することが可能となる。しかも、記録装置4や表示装置6においては、外部表示装置8への映像データの送信に伴う新たな負荷の発生を回避することが可能となる。
【0102】
このように本実施の形態に係る映像配信システム1は、複数の監視カメラ2(撮影装置)と、複数の表示装置6と、複数の監視カメラ2と複数の表示装置6との間に接続されたスイッチングハブ3(中継装置)とを備える。そして、監視カメラ2は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によってスイッチングハブ3を介して表示装置6に送信する。監視カメラ2が映像データをマルチキャスト送信によって表示装置6に送信することにより、複数の監視カメラ2から映像データを取得して複数の表示装置6に配信するための配信装置が不要となる。従って、コストの増大を抑制しつつ、監視カメラ2及び表示装置6の設置台数を既存システムより増やすことが可能となる。
【0103】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、IGMP対応のスイッチングハブ3が用いられる。IGMP対応のスイッチングハブ3を用いることにより、そのフィルタリング機能によって不要データの転送を回避できるため、トラフィックの増大を防止することが可能となる。
【0104】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、解像度が異なる複数の映像データを送信する。従って、複数の表示装置6から異なる解像度の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた解像度の映像データを監視カメラ2から各表示装置6に提供することが可能となる。また、解像度変換機能を有する配信装置をシステム内に設置する必要がないため、コストの低減を図ることが可能となる。
【0105】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、通信レートが異なる複数の映像データを送信する。従って、複数の表示装置6から異なる通信レートの映像データを要求された場合であっても、要求に応じた通信レートの映像データを監視カメラ2から各表示装置6に提供することが可能となる。
【0106】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、圧縮率が異なる複数の映像データを送信する。従って、複数の表示装置6から異なる圧縮率の映像データを要求された場合であっても、要求に応じた圧縮率の映像データを監視カメラ2から各表示装置6に提供することが可能となる。
【0107】
また、本実施の形態に係る映像配信システム1によれば、監視カメラ2は、映像データの圧縮方式としてH.264を用いる。映像データの圧縮方式として高圧縮率のH.264を用いることにより、解像度等が異なる複数の映像データを監視カメラ2から送信する場合であっても、データ送信に必要な帯域を低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0108】
1 映像配信システム
2(21〜2M) 監視カメラ
3 スイッチングハブ
4 記録装置
5,103 モニタ
6(61〜6N) 表示装置
7 外部ネットワーク
8(81〜83) 外部表示装置
9 ゲートウェイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮影装置と、
複数の表示装置と、
前記複数の撮影装置と前記複数の表示装置との間に接続された中継装置と、
を備え、
前記撮影装置は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によって前記中継装置を介して前記表示装置に送信する、映像配信システム。
【請求項2】
前記中継装置は、IGMP(Internet Group Management Protocol)対応のスイッチングハブである、請求項1に記載の映像配信システム。
【請求項3】
前記撮影装置は、解像度が異なる複数の映像データを送信する、請求項1又は2に記載の映像配信システム。
【請求項4】
前記撮影装置は、通信レートが異なる複数の映像データを送信する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項5】
前記撮影装置は、圧縮率が異なる複数の映像データを送信する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項6】
前記撮影装置は、映像データの圧縮方式としてH.264を用いる、請求項3〜5のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項7】
前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して受信した映像データを記録する記録装置と、
外部ネットワークを介して前記中継装置に接続された外部表示装置と、
をさらに備え、
前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記記録装置に要求する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項8】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しており、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から受信している映像データを前記外部表示装置に送信する、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項9】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信する、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項10】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記所望の撮影装置に対して、当該所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させる、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項11】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有して
いない場合には、前記複数の表示装置の中から最も大きな余剰能力を有している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させる、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項12】
前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信している場合には、当該映像データを前記外部表示装置に送信する、請求項11に記載の映像配信システム。
【請求項13】
前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信していない場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信する、請求項11に記載の映像配信システム。
【請求項14】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記複数の表示装置の中から、前記所望の撮影装置から映像データを受信している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置から受信している映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させる、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項15】
前記記録装置は、前記所定の表示装置が複数存在する場合には、複数の所定の表示装置の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択する、請求項14に記載の映像配信システム。
【請求項16】
前記複数の表示装置のうち、自動表示切り替えモードに設定されている表示装置は、選択の候補から除外される、請求項14又は15に記載の映像配信システム。
【請求項17】
前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在有している余剰能力を問い合わせる、請求項11〜16のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項18】
前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、自己が有している余剰能力を前記記録装置に通知する、請求項11〜16のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項19】
前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在受信している映像データに関する情報を問い合わせる、請求項11〜18のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項20】
前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、現在受信している映像データに関する情報を前記記録装置に通知する、請求項11〜18のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項21】
前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得する配信装置と、
外部ネットワークを介して前記配信装置に接続された外部表示装置と、
をさらに備え、
前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記配信装置に要求し、
前記配信装置は、前記所望の撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得して
、当該映像データを前記外部表示装置に送信する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項1】
複数の撮影装置と、
複数の表示装置と、
前記複数の撮影装置と前記複数の表示装置との間に接続された中継装置と、
を備え、
前記撮影装置は、撮影した映像に関する映像データを、マルチキャスト送信によって前記中継装置を介して前記表示装置に送信する、映像配信システム。
【請求項2】
前記中継装置は、IGMP(Internet Group Management Protocol)対応のスイッチングハブである、請求項1に記載の映像配信システム。
【請求項3】
前記撮影装置は、解像度が異なる複数の映像データを送信する、請求項1又は2に記載の映像配信システム。
【請求項4】
前記撮影装置は、通信レートが異なる複数の映像データを送信する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項5】
前記撮影装置は、圧縮率が異なる複数の映像データを送信する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項6】
前記撮影装置は、映像データの圧縮方式としてH.264を用いる、請求項3〜5のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項7】
前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して受信した映像データを記録する記録装置と、
外部ネットワークを介して前記中継装置に接続された外部表示装置と、
をさらに備え、
前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記記録装置に要求する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項8】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しており、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から受信している映像データを前記外部表示装置に送信する、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項9】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、かつ、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有している場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信する、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項10】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記所望の撮影装置に対して、当該所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させる、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項11】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有して
いない場合には、前記複数の表示装置の中から最も大きな余剰能力を有している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置が撮影している映像に関する映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させる、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項12】
前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信している場合には、当該映像データを前記外部表示装置に送信する、請求項11に記載の映像配信システム。
【請求項13】
前記所定の表示装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信していない場合には、前記所望の撮影装置から映像データを取得して前記外部表示装置に送信する、請求項11に記載の映像配信システム。
【請求項14】
前記記録装置は、前記外部表示装置から要求された映像データを前記所望の撮影装置から受信しておらず、又は、映像データを前記外部表示装置に送信し得る余剰能力を有していない場合には、前記複数の表示装置の中から、前記所望の撮影装置から映像データを受信している所定の表示装置を選択して、当該所定の表示装置に対して、前記所望の撮影装置から受信している映像データを、前記外部表示装置に向けて送信させる、請求項7に記載の映像配信システム。
【請求項15】
前記記録装置は、前記所定の表示装置が複数存在する場合には、複数の所定の表示装置の中で最も大きな余剰能力を有している表示装置を選択する、請求項14に記載の映像配信システム。
【請求項16】
前記複数の表示装置のうち、自動表示切り替えモードに設定されている表示装置は、選択の候補から除外される、請求項14又は15に記載の映像配信システム。
【請求項17】
前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在有している余剰能力を問い合わせる、請求項11〜16のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項18】
前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、自己が有している余剰能力を前記記録装置に通知する、請求項11〜16のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項19】
前記記録装置は、前記外部表示装置から映像データの要求を受けた時に、前記表示装置に対して、現在受信している映像データに関する情報を問い合わせる、請求項11〜18のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項20】
前記表示装置は、前記記録装置から前記表示装置に対して定期的に行われるヘルスチェック時に、現在受信している映像データに関する情報を前記記録装置に通知する、請求項11〜18のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【請求項21】
前記中継装置に接続され、前記撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得する配信装置と、
外部ネットワークを介して前記配信装置に接続された外部表示装置と、
をさらに備え、
前記外部表示装置は、前記複数の撮影装置のうちの所望の撮影装置によって撮影された映像に関する映像データを、前記配信装置に要求し、
前記配信装置は、前記所望の撮影装置から前記中継装置を介して映像データを取得して
、当該映像データを前記外部表示装置に送信する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の映像配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−114764(P2011−114764A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271337(P2009−271337)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
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