説明

有効成分組成物

本発明は、改質修飾多糖類(すなわち、各部分が分離された修飾多糖類)をベースにしたマトリックス中に脂溶性有効成分および/または着色剤を含有する組成物、およびそうした組成物の調製方法、ならびに改質修飾多糖類そのものとそれらの製造方法に関する。本発明はさらに、食物、飲料、動物飼料、化粧品および医薬組成物の、富栄養化、強化および/または着色のために本発明の組成物を使用すること、ならびにそのような食物、飲料、動物飼料、化粧品および医薬組成物そのものに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、改質修飾多糖類(特に改質OSA−デンプン類)、その製造方法、ならびにそれらの改質修飾多糖類をベースにした(特にそれらの改質OSA−デンプン類をベースにした)マトリックス中に有効成分(好ましくは脂溶性有効成分)、および/または着色剤を含有する組成物、およびそうした組成物の調製方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の、富栄養化、強化および/または着色のために本発明の組成物を使用することに関する。
【0003】
さらに詳細には、本発明は、改質修飾多糖(特に改質OSA−デンプン)および脂溶性有効成分および/または着色剤(特にカロチノイド)を含む組成物、そうした組成物の調製方法、および食物、飲料(好ましい)、動物飼料、化粧品または医薬組成物の富栄養化、強化および/または着色のためにそうした組成物を添加剤として使用すること;ならびにそのような組成物を含有する食物、飲料(好ましい)、動物飼料、化粧品または医薬組成物に関する。
【0004】
先行技術において知られている修飾多糖類を、(脂溶性)有効成分および/または着色剤を含有する組成物のマトリックスとして使用した場合、得られたそのような組成物の物理パラメーターは、多くの場合、修飾多糖類の特性の相違ゆえに異なる。それゆえに、修飾多糖の特性が標準化された、または改質さえされた組成物が必要とされている。
【0005】
この必要は、
i)少なくとも1種の改質修飾多糖(以下に説明する本発明の方法で得られるものであることが好ましい)、
ii)少なくとも1種の脂溶性有効成分、および/または着色剤、および
iii)任意選択的に、少なくとも1種の補助剤および/または賦形剤
を含んでいる組成物によって満たされる。
【0006】
そのような組成物は、食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の、富栄養化、強化および/または着色のために使用され、前記使用は本発明のさらなる態様である。さらに、本発明は、そのような組成物を含有する食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物に関する。
【0007】
構成成分i)〜iii)について、以下にさらに詳細に説明する。
【0008】
[構成成分i)]
修飾多糖とは、親水性部分および親油性部分を多糖が持つような化学構造となるように、既知の方法で化学修飾された多糖のことである。修飾多糖は、その構造の一部として長い炭化水素鎖(好ましくは、C5〜C18)を有することが好ましい。
【0009】
好ましくは少なくとも1種の修飾多糖を用いて本発明の組成物を作るが、2種以上の異なる修飾多糖の組合せを1つの組成物中で用いることが可能である。
【0010】
好ましい修飾多糖は修飾デンプンである。デンプン類は親水性であるため、乳化力を有していない。しかし、修飾デンプン類は、既知の化学的方法により、疎水性部分で置換されたデンプン類から作られる。例えば、デンプンは、炭化水素鎖で置換された環状ジカルボン酸無水物(無水コハク酸など)で処理することができる(O.B.Wurzburg(編)、「Modified Starches:Properties and Uses、CRC Press,Inc.、フロリダ州ボカラートン(Boca Raton,Florida)、1986年(およびそれ以後の版)を参照のこと)。特に好ましい本発明の修飾デンプンは、以下の式(I)で表される。
【化1】


式中、Stはデンプンであり、Rはアルキレン基であり、R’は疎水性基である。Rは、ジメチレンまたはトリメチレンなどの低級アルキレン基であることが好ましい。R’は、アルキルまたはアルケニル基(好ましくは、5〜18個の炭素原子を有する)であってよい。好ましい式(I)の化合物は、「OSA−デンプン」(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(starch sodium octenyl succinate))である。置換度(すなわち、エステル化されていないフリーのヒドロキシル基の数に対するエステル化されたヒドロキシル基の数)は、普通は、0.1%〜10%の範囲、好ましくは0.5%〜4%の範囲、より好ましくは3%〜4%の範囲でさまざまである。
【0011】
「OSA−デンプン」という用語は、オクテニルコハク酸無水物(octenyl succinic anhydride)(OSA)で処理した任意のデンプン(穀類、ワキシートウモロコシ(waxy maize)、ワキシーコーン(waxy corn)、小麦、タピオカおよびジャガイモなどの任意の天然源からのもの、または合成されたもの)を指す。置換度(すなわち、エステル化されていないフリーのヒドロキシル基の数に対するOSAでエステル化されたヒドロキシル基の数)は、普通は、0.1%〜10%の範囲、好ましくは0.5%〜4%の範囲、より好ましくは3%〜4%の範囲でさまざまである。OSA−デンプン類は、「修飾食物デンプン」という表現でも知られている。
【0012】
こうしたOSA−デンプン類は、さらに親水コロイド(デンプン、マルトデキストリン、炭水化物、ゴム、コーンシロップなど)および任意選択的に任意の典型的な乳化剤(共乳化剤(co−emulgator)として)(脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、レシチン、ソルビタンモノステアレート、および植物の繊維または糖質など)を含有していてよい。
【0013】
「OSA−デンプン類」という用語は、例えば、National StarchからHiCap 100、Capsul、Capsul HS、Purity Gum 2000、UNI−PURE、HYLON VIIという商品名で市販されているデンプン;Roquette Freresから市販されているデンプン;セレスター(CereStar)からCEmCapという商品名で市販されているデンプンまたはテート・アンド・ライル(Tate&Lyle)から市販されているデンプンといったものも包含する。これらの市販のデンプン類も、本発明の改質OSA−デンプン類の好適な出発物質である。
【0014】
「修飾多糖類」、「修飾デンプン類」および「OSA−デンプン類」という用語は、酵素(例えば、グリコシラーゼ(EC 3.2;http://www.chem.qmul.ac.uk/iubmb/enzvme/EC3.2/を参照のこと)またはヒドロラーゼ)によって部分加水分解された修飾多糖類/修飾デンプン類/OSA−デンプン類、ならびに既知の方法で化学的に部分加水分解された修飾多糖類/修飾デンプン類/OSA−デンプン類もさらに包含する。「修飾多糖類」、「修飾デンプン類」および「OSA−デンプン類」という用語は、最初に酵素によって部分加水分解され、その後でさらに化学的に加水分解された修飾多糖類/修飾デンプン類/OSA−デンプン類も包含する。あるいはまた、最初にデンプン(酵素的または化学的に、あるいはその両方で)デンプンを加水分解し、その後でその部分加水分解されたデンプンを、炭化水素鎖で置換された環状ジカルボン酸無水物(無水コハク酸など)で処理すること、好ましくはオクテニル無水コハク酸で処理することも可能でありうる。
【0015】
酵素的加水分解は慣例的に、約5〜約<100℃の温度、好ましくは約5〜約70℃の温度、より好ましくは約20〜約55℃の温度で実施する。
【0016】
グリコシラーゼ/ヒドロラーゼは、果物、動物起源、バクテリアまたは菌類からのものであってよい。グリコシラーゼ/ヒドロラーゼは、細胞内活性(endo−activity)および/または細胞外活性(exo−activity)を有しうる。したがって、細胞内および細胞外グリコシラーゼ/細胞内および細胞外ヒドロラーゼまたはそれらの任意の混合物の酵素調製物を用いることができる。普通は、グリコシラーゼ/ヒドロラーゼは知られていない副活性(side activities)も示すが、それらは所望の生成物の製造にとって重大なものではない。
【0017】
グリコシラーゼの例として、ノボザイムズ(Novozymes)、ジェネンコア(Genencor)、AB−Enzymes、DSMフード・スペシャリティーズ(DSM Food Specialities)、Amanoなどの供給業者から市販されている酵素製品がある。
【0018】
ヒドロラーゼは、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β−アミラーゼまたは脱分枝酵素(イソアミラーゼおよびプルラナーゼなど)であることが好ましい。
【0019】
グリコシラーゼ/ヒドロラーゼは、修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンの乾燥重量を基準にして濃度が約0.01〜約10重量%、好ましくは約0.1〜約1重量%となるように加える。本発明の方法の好ましい実施態様では、酵素は一度に加える。酵素的加水分解は、段階的に実施してもよい。例えば、グリコシラーゼ/ヒドロラーゼまたはグリコシラーゼ/ヒドロラーゼの混合物を、例えば1%の量だけインキュベーションバッチ(incubation batch)に加え、それから、例えば5〜10分間(35℃の温度)経ってから、最初に加えたグリコシラーゼ/ヒドロラーゼまたはグリコシラーゼ/ヒドロラーゼの混合物と同じかまたは異なってよいグリコシラーゼ/ヒドロラーゼまたはグリコシラーゼ/ヒドロラーゼの混合物を、例えば2%の量だけさらに加え、それからインキュベーションバッチを35℃で10分間かけて加水分解する。この手順を用いて、加水分解度がほとんど0の出発物質となる修飾多糖類/修飾デンプン類/OSA−デンプン類を使用できる。
【0020】
加水分解の継続時間は、約数秒〜約300分間までさまざまでありうる。酵素的処置の正確な継続時間は、修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンの所望の性質(乳化安定性、乳化力、エマルジョンの液滴直径など)との関連で経験的な仕方で求めることができるが、これは酵素活性のようなパラメーター、または基質の組成に強く依存する。あるいはまた、重量オスモル濃度を測定して求めることもできる(W.DzwokakおよびS.Ziajka、Journal of food science、1999年、64(3)393−395)。
【0021】
グリコシラーゼ/ヒドロラーゼの不活性化は、好適には、熱変性によって、例えば、インキュベーションバッチを約80〜85℃まで5〜30分間、特に5〜10分間かけて加熱することによって達成される。
【0022】
「改質修飾多糖類」という用語は、一部が分離されている修飾多糖類を指す。「改質修飾デンプン類」が好ましい。特に好ましいのは「改質OSA−デンプン類」である。
【0023】
沈降分離(=遠心分離)および/または精密濾過による分離の場合、1〜<100℃(例えば、1〜98℃)の範囲、好ましくは30〜75℃の範囲の温度の水に大気圧において不溶の部分が分離される。
【0024】
限外濾過による分離の場合、特に1〜<100℃の範囲の温度(例えば、1〜98℃)で各部分が分離される。それらの部分は、溶解度にしたがって分離されるのではなく、公称分画分子量にしたがって分離される。公称分画分子量は、好ましくは150Da〜500KDaの範囲、より好ましくは1kDa〜200kDaの範囲、もっとも好ましくは10kDa〜100kDaの範囲に及ぶ。限外濾過の際の膜間圧(trans membrane pressure)(TMP)は、0.5〜3バールの範囲、より好ましくは0.8〜2バールの範囲、もっとも好ましくは0.8〜1バールの範囲である。小粒子が分離され、次いで膜上に残った各部分がさらに使用される。
【0025】
本発明の好ましい実施態様では、「改質修飾多糖類」という用語(好ましくは「改質修飾デンプン類」、より好ましくは「改質OSA−デンプン類」)は、修飾多糖類(好ましくは修飾デンプン類、より好ましくはOSA−デンプン類)を指し、前記修飾多糖類(好ましくは前記修飾デンプン類、より好ましくは前記OSA−デンプン類)の10%水溶液の濁り度は、1〜200NTUの範囲、好ましくは1〜150NTUの範囲、より好ましくは1〜110NTUの範囲、さらにより好ましくは1〜100NTUの範囲、もっとも好ましくは≦100NTUである。一定の濁り度を有するこのような修飾多糖類/修飾デンプン類/OSA−デンプン類も、本発明との関連では「改質」修飾多糖類/改質修飾デンプン類/改質OSA−デンプン類であり、これらは1〜<100℃の範囲の温度(例えば、1〜98℃)の水に大気圧において不溶の各部分を遠心分離で分離することによって得られる。
【0026】
前記水溶液の濁り度は、HACH 2100 AN濁り度計を用いて、USEPA法(USEPA Method)180.1にしたがって室温および大気圧において455nmの波長で分光光度的に測定する。その後、濁り度を比濁分析濁度単位(nephelometric turbidity unit)(NTU)で表す。
【0027】
[構成成分ii)]
本明細書で使用される「有効成分」という用語は、「脂溶性有効成分」ならびに「水溶性有効成分」を包含する。好ましいのは「脂溶性有効成分」である。
【0028】
本明細書で使用される「脂溶性有効成分」という用語は、食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の富栄養化または強化に使用できる、脂溶性ビタミン類および機能的に関連した化合物を包含する。
【0029】
そのような脂溶性ビタミン類の例として、ビタミンA群、D群、E群またはK群あるいはそれらの誘導体があり、誘導体には、それらのアセテート(例えば、ビタミンAアセテートまたはトコフェロールアセテート)、あるいはそれらの長鎖の脂肪酸エステル(例えば、ビタミンAパルミテートまたはトコフェロールパルミテート)などがある。
【0030】
機能的に関連した化合物の例として、例えば、多価不飽和脂肪酸(PUFA)またはその誘導体、多価不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)またはγ−リノレン酸(GLA)など)に富んだトリグリセリド、または補酵素Q10(CoQ10)がある。サンケア(sun care)および化粧品に使用される脂溶性の日焼け止め剤(UV−A防止剤(UV−A filter)およびUV−B防止剤(UV−B filter)も含まれる。
【0031】
本明細書で使用される「着色剤」という用語は、食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物用の着色剤として使用できるカロチンまたは構造的に関連したポリエン化合物を含む。
【0032】
そのようなカロチンまたは構造的に関連したポリエン化合物の例として、α−カロチン、β−カロチン、8’−アポ−β−カロテナール、8’−アポ−β−カロチン酸エステル(エチルエステルなど)、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチンエステル、リコピン、ルテイン、ルテイン(ジ)エステル、ゼアキサンチンまたはクロセチン、α−またはβ−ゼアカロチンなどのカロチノイドまたはそれらの混合物がある。好ましいカロチノイドはβ−カロチンである。
【0033】
したがって、本発明の好ましい態様では、少なくとも1種の改質修飾多糖(好ましくは改質修飾デンプン、より好ましくは改質OSA−デンプン)およびβ−カロチン(着色剤として)を含有する組成物を取り扱う。こうした組成物は、水に溶解または分散させて、または水で希釈してβ−カロチンの最終濃度が10ppmになるようにした場合、典型的には、脱イオン水を基準として用いた紫外/可視分光法によって特徴付けられる。試料の厚さが1cmでは、分散液(dispersions)は、400〜600nmの範囲の最大光学濃度の波長において、吸光度が少なくとも0.2(好ましくは1.0より上)吸光度単位である。これは、β−カロチンの水性分散液での正式吸光度係数(formal extinction coefficient)E(1%、1cm)の200〜1000(好ましくは>1000)と同等である。
【0034】
El/1の測定については、実施例40で明確に説明されている。
【0035】
上に示したカテゴリー「脂溶性有効成分」および「着色剤」の物質は、本発明の組成物内において混合物としても使用できることが理解される。
【0036】
好ましい実施態様では、組成物の総量を基準にして、改質修飾多糖i)の量は、10〜99.9重量%の範囲(好ましくは20〜80重量%の範囲、より好ましくは40〜60重量%の範囲)であり、(脂溶性)有効成分および/または着色剤ii)の量は、0.1〜90重量%(好ましくは5〜20重量%の範囲)であり、補助剤および/または賦形剤iii)の量は、0〜50重量%の範囲である。
【0037】
[構成成分iii)]
好適には、本発明の組成物は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類、グリセロール、トリグリセリド(上述の多価不飽和脂肪酸に富んだトリグリセリドとは異なる)、水溶性酸化防止剤および脂溶性酸化防止剤からなる群から選択される、1種または複数種の賦形剤および/または補助剤を(さらに)含有する。
【0038】
本発明の組成物中に存在してよい単糖類および二糖類の例として、ショ糖、転化糖、キシロースブドウ糖、果糖、乳糖、マルトース、サッカロースおよび糖アルコールがある。
【0039】
オリゴ糖類および多糖類の例として、デンプン、デンプン加水分解物(例えば、デキストリンおよびマルトデキストリン、特に5〜65の範囲のデキストロース当量(DE)を有するもの)、およびグルコース・シロップ(特に20〜95の範囲のDEを有するもの)がある。「デキストロース当量」(DE)という用語は、加水分解度を表し、乾燥重量に基づいてD−ブドウ糖として計算された還元糖の量の尺度である。このスケールは、DEが0に近い天然デンプンおよびDEが100のブドウ糖に基づいている。
【0040】
トリグリセリドは、好適には、植物油または植物性脂肪、好ましくはトウモロコシ油、ヒマワリ油、ダイズ油、サフラワー油、ナタネ油、ラッカセイ油、パーム油、パーム核油、綿実油、オリーブ油またはやし油である。
【0041】
固体組成物は、固化防止剤(ケイ酸またはリン酸三カルシウムなど)および(固体組成物の全重量を基準にして)10重量%までの水、通例は2〜5重量%の水をさらに含有してよい。
【0042】
水溶性酸化防止剤は、例えば、アスコルビン酸またはその塩、好ましくはアスコルビン酸ナトリウム、水溶性ポリフェノール(ヒドロキシチロソール(hydroxytyrosol)およびオロイロペインアグリコンなど)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、あるいはローズマリーまたはオリーブの抽出物であってよい。
【0043】
脂溶性酸化防止剤は、例えば、トコフェロール、例えば、dl−α−トコフェロール(すなわち、合成トコフェロール)、d−α−トコフェロール(すなわち、天然トコフェロール)、β−またはγ−トコフェロール、あるいはこれらの2種以上の混合物;ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA);エトキシキン、没食子酸プロピル;tert.ブチルヒドロキシキノリン;または6−エトキシ−1,2−ジヒドロキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(EMQ)、あるいは脂肪酸のアスコルビン酸エステル、好ましくはパルミチン酸アスコルビルまたはステアリン酸アスコルビルであってよい。
【0044】
マトリックス水溶液のpHに応じて、脂肪酸のアスコルビン酸エステル(特に、パルミチン酸アスコルビルまたはステアリン酸アスコルビル)を代わりに水相に加えてよい。
【0045】
本発明の組成物は、固体組成物、すなわち、安定した水溶性または水分散性の粉末であってよく、あるいは液体組成物、すなわち、上述の粉末の水性コロイド溶液または水中油型分散液であってもよい。安定化させた水中油型分散液は、水中油型エマルジョンであってもよいか、または懸濁させた(すなわち、固体の)粒子および乳化させた(すなわち、液体の)小滴の混合物を特徴としてよく、これは以下に説明する方法またはそれに類似した方法で調製できる。
【0046】
さらに具体的には、本発明は、改質修飾多糖組成物のマトリックス中に、1種または複数種の(脂溶性)有効成分および/または1種または複数種の着色剤を含む、粉末形態の安定した組成物に関する。
【0047】
典型的には、本発明による粉末組成物は以下を含む。
【0048】
【表1】

【0049】
本発明のさらに別の態様では、本発明による組成物は、保護コロイドとして働く(植物または動物起源の)タンパク質または加水分解タンパク質、例えば、ダイズ、米(内乳)またはルピナスからのタンパク質、またはダイズ、米(内乳)またはルピナスからの加水分解タンパク質、ならびに植物ゴム(アラビアゴム(Gum Acacia)またはアラビアガム(Gum arabic)など)または修飾植物ゴムをさらに含んでよい。そのような追加のタンパク質または植物ゴムは、配合物/組成物中の改質修飾多糖の総量を基準にして1〜50重量%の量だけ本発明の配合物中に存在してよい。
【0050】
[構成成分i)である改質修飾多糖の製造]
改質修飾多糖/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプンは、以下のステップを含む方法で製造できる:
a)好ましくは水溶液または水性懸濁液の全重量を基準にして0.5〜80重量%の範囲の乾燥質量含量を有する、修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンの水溶液または水性懸濁液を調製し、それによって水の温度が好ましくは1〜<100℃の範囲にされる、水溶液または水性懸濁液を調製するステップ;
b)修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンの各部分を、好ましくは大気圧において1〜<100℃の範囲の温度の水の中で分離するステップ;
c)任意選択的に、そのようにして得られた改質修飾多糖/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプンを固体形態に転化するステップ。
【0051】
沈降分離(遠心分離)または精密濾過による分離の場合、分離される各部分は、特に大気圧において1〜<100℃の範囲の温度の水の中に不溶性の各部分である。
【0052】
限外濾過による分離の場合、好ましくは150Da〜500KDaの範囲、より好ましくは1kDa〜200kDaの範囲、もっとも好ましくは10kDa〜100kDaの範囲に及ぶ公称分画分子量を有する各部分が分離されるのが好ましい。
【0053】
この方法の詳細を以下に記載する。
【0054】
[ステップa)]
ステップa)では、好ましくは、乾燥質量含量が0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜80重量%の範囲にある(定義および好ましい値は、上の構成成分i)の見出しで記載されている)修飾多糖の水溶液または水性懸濁液が調製されるが、これはステップb)を沈降分離/遠心分離および/または精密濾過で行う場合である。ステップb)を限外濾過で行う場合、好ましくは、乾燥質量含量が0.1〜60重量%の範囲にある修飾多糖の水溶液または水性懸濁液(定義および好ましい値は、上の構成成分i)の見出しで記載されている)が調製される。
【0055】
修飾多糖類の混合物、特にOSA−デンプン類の混合物を使用することも可能である。2種類の異なるOSA−デンプンの混合物の重量比は、1:99〜99:1の範囲でさまざまであってよい。好ましくは、HiCap 100とCapsul HSとの混合物を使用する。より好ましくは、50〜80重量%のHiCap 100と20〜50重量%のCapsul HSとの混合物を使用する。もっとも好ましくは、50重量%のHiCap 100と50重量%のCapsul HSとの混合物を使用する。
【0056】
本発明のさらに好ましい実施態様では、水の温度は30〜75℃の範囲である。
【0057】
[ステップb)]
ステップb)は、好ましくは1〜<100℃の範囲の温度(例えば、1〜98℃)、より好ましくは30〜75℃の範囲の温度で実施する。
【0058】
ステップb)は、沈降分離(好ましくは遠心分離)または濾過(好ましくは精密濾過、特にクロスフロー精密濾過、または限外濾過)あるいはその両方によって実施してよい。
【0059】
沈降分離は、密度にしたがって分離が行われる方法である。
【0060】
(精密)濾過は、粒径にしたがって分離が行われる方法である。
【0061】
限外濾過では、低分子量のフラクションが分離される。さらに取り扱う限外濾過の残りの部分は、濃縮水、すなわち、フィルター上に残る部分である。限外濾過は、粒径および分子量にしたがって分離が行われる方法である。限外濾過による分離の場合、各部分は、特に1〜<100℃の範囲の温度(例えば、1〜98℃)で分離される。それらの各部分は、溶解度にしたがって分離されるのではなく、その公称分画分子量にしたがって分離され、公称分画分子量は好ましくは150Da〜500KDaの範囲、より好ましくは1kDa〜200kDaの範囲、もっとも好ましくは10kDa〜100kDaの範囲に及ぶ。限外濾過の際の膜間圧(TMP)は、好ましくは0.5〜3バールの範囲、より好ましくは0.8〜2バールの範囲、もっとも好ましくは0.8〜1バールの範囲にある。小粒子が分離され、次いで膜上に残った各部分がさらに使用される。
【0062】
両方(沈降分離/遠心分離および濾過)を実施する場合、普通は、沈降分離/遠心分離を最初に実施し、その後で濾過を行う。すなわち、本発明の好ましい実施態様では、最初に遠心分離を実施し、その後で限外濾過または精密濾過のいずれかを行う。
【0063】
別の好ましい実施態様では、ステップb)は、濾過(好ましくは精密濾過、特にクロスフロー精密濾過)のみで実施することができる。
【0064】
遠心分離は、水溶液または水性懸濁液中の修飾多糖の乾燥質量含量に応じて1000〜20000gで実施してよい。水溶液または水性懸濁液中の修飾多糖の乾燥質量含量が大きい場合、加える遠心分離力も大きくする。例えば、修飾多糖の乾燥質量含量が30重量%である水溶液または水性懸濁液の場合、所望の分離を達成するのに12000gの遠心分離力が好適であろう。
【0065】
遠心分離は、0.1〜60重量%の範囲、好ましくは10〜50重量%の範囲、もっとも好ましくは15〜40重量%の範囲の乾燥分含量で、2〜99℃の範囲、好ましくは10〜75℃の範囲、もっとも好ましくは40〜60℃の範囲の温度で実施することができる。
【0066】
本発明との関連では、精密濾過は、径が0.05μmより大きく10μmまでの粒子、特に径が1μmより大きく5μmまでの粒子が分離されることを意味する。分離されたこれらの各部分は、いわゆる精密濾過の濃縮水を形成する。
【0067】
精密濾過は、セラミック膜(例えば、「Ceram inside」という名称でTamiから市販されているもの)などの親水性膜を用いて、あるいは再生セルロースの膜(例えば、「ハイドロザルト(Hydrosart)」という名称でザルトリウス(Sartorius)から市販されているもの)または多孔質鋼管フィルター(LIGACON W.Roell&CO.AG)(スイス国)から市販されているもの)を用いて行うことができる。こうした膜は、0.5〜5μmの範囲の細孔径を有していることが好ましい。
【0068】
本発明との関連では、精密濾過によって分離された各部分は「濃縮水」と呼ぶが、分離された各部分以外の残りの溶液を「透過水」と呼ぶ。
【0069】
本発明との関連での限外濾過は、好ましくは150Da〜500KDaの範囲、より好ましくは1kDa〜200kDaの範囲、もっとも好ましくは10kDa〜100kDaの範囲に及ぶ公称分画分子量を有する粒子が分離されることを意味する。分離されたそれらの各部分は、いわゆる限外濾過の透過水を形成する。限外濾過に使用する膜は、分離される粒子に影響する。小さな」膜は、例えば、分子量が≦10kDaのすべての粒子を切り捨てる(すなわち、そのような粒子は膜を通過する)が、より大きいかまたは重い粒子は膜上に残り、さらに使用するために洗い落とされる。
【0070】
「不溶性部分」は、「固体フラクション」と「温水可溶性の各部分」にさらに分割できる。「温水可溶性の各部分」という用語は、1〜30℃の範囲の温度の水には溶けないが、>30℃〜<100℃(例えば、31〜98℃)の温度の水には溶ける各部分を意味する。
【0071】
「固体フラクション」という用語は、1〜<100℃の範囲の温度に溶けない各部分を意味する。したがって、そのような固体フラクションは、30〜<100℃の範囲(例えば、30〜98℃範囲)の温度の水であっても溶けない。
【0072】
ステップa)およびb)は、引き続いて何度も別々の温度で実施してよい。このことは、2種類の異なるOSA−デンプンの混合物(例えば、HiCap 100とCapsulとの混合物)を使用する場合、それらを別個または一緒に精製できることも意味する。意外なことに、2種類の異なるOSA−デンプンの混合物(1種類のOSA−デンプンのみが本発明の方法にしたがって改質されたもの)であっても、非改質OSA−デンプン類の混合物を使用した場合よりも優れたβ−カロチン組成物およびそれを含有する飲料が得られることが見出された。2種類の異なる(本発明の方法にしたがって改質された)改質OSA−デンプンの混合物の場合、1種類のOSA−デンプンのみが本発明の方法にしたがって改質された、2種類の異なるOSA−デンプンの混合物を使用した場合よりもさらに優れたβ−カロチン組成物およびそれを含有する飲料が得られる。
【0073】
本発明の1つの実施態様では、水溶液または水性懸濁液は冷水(1〜30℃の温度の水)を用いて調製してよく(ステップa)、かつその温度で沈降分離(遠心分離)および/または濾過を行ってもよい(ステップb)。
【0074】
本発明の別の実施態様では、水溶液または水性懸濁液は温水(>30〜<100℃の温度の水)を用いて調製してよく(ステップa)、かつその温度で沈降分離(遠心分離)および/または濾過を行ってもよい(ステップb)。
【0075】
本発明の更なる実施態様では、水溶液または水性懸濁液は、温水(>30〜<100℃の温度の水)を用いて調製してよく(ステップa)、その後で、30℃未満の温度まで冷やしてから、その低い温度で沈降分離(遠心分離)および/または濾過を行ってよい(ステップb)。
【0076】
本発明の更なる実施態様では、さらに修飾多糖の水溶液または水性懸濁液のpHを調整して2〜5の値にする。
【0077】
[ステップc)]
固体形態(例えば、乾燥粉末)への転化は、噴霧乾燥または凍結乾燥によって達成できる。噴霧乾燥は、好ましくは140℃〜210℃の入口温度、50℃〜75℃の出口温度で実施する。凍結乾燥は、好ましくは−20℃〜−50℃の温度で10〜48時間かけて実施する。
【0078】
固体形態をさらに粒状化してもよい。
【0079】
特に、上述の修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンを改質するための本発明による方法により、乳化特性の向上、水溶液への溶解度が概して増大しかつ速くなること、ならびに冷水への溶解度の向上、皮膜形成能の向上など、修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンの機能特性が全体的に改質される。
【0080】
したがって、本発明の更なる態様は、上述の本発明による方法によって得られる改質修飾多糖/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプンである。
【0081】
図1は、クロスフロー精密濾過によって分離を行う本発明の1つの実施態様を示す。膜は、パルス式に透過水の逆流によって清浄にされるのが有利である。ここでは以下のような略号を使用している:DP=差圧(difference pressure)、T=温度、F=流れ、I=指示、C=制御。
【0082】
[本発明による組成物の製造方法]
本発明はさらに、以下のステップを含む上述のそのような組成物の製造方法に関する。
I)修飾多糖/修飾デンプン/OSA−デンプンの水溶液またはコロイド溶液を1〜<100℃の範囲の温度で調製するステップ、
II)ステップI)で得られた水溶液またはコロイド溶液の各部分(遠心分離および/または精密濾過による分離の場合、不溶性の各部分;限外濾過による分離の場合は、好ましくは公称分画分子量が、好ましくは150Da〜500KDaの範囲、より好ましくは1kDa〜200kDaの範囲、もっとも好ましくは10kDa〜100kDaの範囲に及ぶ各部分)を分離して、改質修飾多糖/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプンの水溶液を得るステップ、
あるいは、IおよびIIを実施する代わりに、引き続いてステップI−II)を実施する(すなわち、改質修飾多糖/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプンの水溶液またはコロイド溶液、好ましくはステップa)〜c)を含む上述の本発明の方法で得られる改質修飾多糖/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプンの水溶液またはコロイド溶液を調製する)、
III)任意選択的に、ステップI)、II)またはI−II)で調製された溶液に少なくとも1種の水溶性の賦形剤および/または補助剤を加えるステップ、
IV)少なくとも1種の有効成分、好ましくは少なくとも1種の脂溶性有効成分および/または着色剤および任意選択的に少なくとも1種の脂溶性補助剤および/または賦形剤の、溶液または分散液を調製するステップ、
V)ステップII)(またはI−II))〜IV)で調製した溶液を互いに混合するステップ、
VI)このように得られた混合物を均質化するステップ、
VII)任意選択的に、ステップVI)で得られた分散液を粉末に転化し、それによって任意選択的に、ステップII)(またはステップb))で分離された各部分(遠心分離および/または精密濾過の場合、特に不溶性の各部分;限外濾過による分離の場合、好ましくは公称分画分子量が好ましくは150Da〜500KDaの範囲、より好ましくは1kDa〜200kDaの範囲、もっとも好ましくは10kDa〜100kDaの範囲に及ぶ各部分)を転化の間またはその前に任意選択的に水を加えながら一部または全部加えるステップ、および
VIII)任意選択的に、ステップVII)で得られた粉末を乾燥させるステップ。
【0083】
本発明の組成物を製造するためのこの方法は、食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の富栄養化、強化および/または着色するための、(脂溶性)有効成分および/または着色剤の組成物のマトリックスをベースにした組成物の調製に関して、例えば、EP−A 0 285 682号明細書、EP−A 0 347 751号明細書、EP−A 0 966 889号明細書、EP−A 1 066 761号明細書、EP−A 1 106 174号明細書、国際公開第98/15195号パンフレット、EP−A 0 937 412号明細書、EP−A 0 065 193号明細書またはそれに対応する米国特許第4,522,743号明細書、国際公開第02/102298号パンフレット、EP−A 1 300 394号明細書およびEP−A 0 347 751号明細書(これらの内容は本明細書に援用する)に開示されている対応した方法に従って実施できる。
【0084】
ステップI〜IIIはマトリックスの調製を包含しているのに対し、ステップV〜VIはエマルジョンの調製を対象としている。
【0085】
[ステップIおよびII]
これらのステップは、ステップa)およびb)に関して上述したようにして実施できる。これらはこの後で何度も実施することもできる。そのうえ温水可溶性の各部分も固体フラクションならびに両方として分離できる。ステップb)に関してすでに上で開示した修飾多糖類(特にOSA−デンプン類)の混合物も使用できる。
【0086】
ステップIの間に、最終組成物の他の水溶性成分(水溶性酸化防止剤など)を加えてもよい。
【0087】
[ステップIII]
水溶性の賦形剤および/または補助剤の例として、単糖類、二糖類、オリゴ糖類と多糖類、グリセロールならびに水溶性酸化防止剤がある。それらの例は上に示してある。
【0088】
ステップIIIの間に、最終組成物の他の水溶性成分(水溶性酸化防止剤など)を加えてもよい。
【0089】
[ステップIV]
(脂溶性)有効成分および/または着色剤および任意選択の脂溶性賦形剤および補助剤は、それ自体が使用されるか、あるいはトリグリセリドおよび/または(有機)溶媒に溶かすかまたは懸濁させる。
【0090】
好適な有機溶媒は、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂肪族エーテル、脂肪族および環状炭酸エステル、脂肪族エステルおよび環状エステル(ラクトン)、脂肪族および環状ケトン、脂肪族アルコールならびにそれらの混合物である。
【0091】
ハロゲン化脂肪族炭化水素の例は、C〜C15の線状、分岐または環状のモノ−またはポリハロゲン化アルカンである。特に好ましい例は、C〜C15の線状、分岐または環状のモノ−またはポリ塩化または臭素化アルカンである。より好ましいのは、C〜C15の線状、分岐または環状のモノ−またはポリ塩化アルカンである。最も好ましいのは、塩化メチレンおよびクロロホルムである。
【0092】
脂肪族エステルおよび環状エステル(ラクトン)の例として、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよびn−酢酸ブチル;およびγ−ブチロラクトンがある。
【0093】
脂肪族および環状ケトンの例として、アセトン、ジエチルケトンおよびイソブチルメチルケトン;ならびにシクロペンタノンおよびイソホロンがある。
【0094】
環状炭酸エステルの例は、特に炭酸エチレンと炭酸プロピレンおよびそれらの混合物である。
【0095】
脂肪族エーテルの例は、ジアルキルエーテルであり、ここでアルキル部分は1〜4個の炭素原子を有する。1つの好ましい例はジメチルエーテルである。
【0096】
脂肪族アルコールの例として、エタノール、イソプロパノール、プロパノールおよびブタノールがある。
【0097】
さらに、任意の油(トリグリセリド)、オレンジ油、リモネンなどおよび水を、溶媒として使用できる。
【0098】
[ステップV]
次いで(脂溶性)有効成分および/または着色剤あるいはそれらの溶液または分散液をそれぞれ、攪拌しながら水性の(コロイド状)溶液に加える。
【0099】
[ステップVI]
均質化を行う場合、高圧均質化、高剪断乳化(回転子−固定子システム(rotor−stator systems))、微粒子化、湿式粉砕、マイクロチャネル(microchanel)乳化、膜乳化または超音波処理(ultrasonification)などの従来の技術を利用できる。食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の富栄養化、強化および/または着色を行うための、(脂溶性)有効成分および/または着色剤を含有する組成物の調製に使用されるその他の手法は、EP−A 0 937 412号明細書(特に段落[0008]、[0014]、[0015]、[0022]〜[0028])、EP−A 1 008 380号明細書(特に段落[0005]、[0007]、[0008]、[0012]、[0022]、[0023]〜[0039])および米国特許第6,093,348明細書(特に第2欄第24行〜第3欄第32行;第3欄第48〜65行;第4欄第53行〜第6欄第60行)に開示されており、これらの内容を本明細書に援用する。
【0100】
[ステップVII]
このように得られた分散液(水中油型の分散液である)は、有機溶媒(存在する場合)を除去した後に、噴霧乾燥、噴霧乾燥と流動床顆粒化との併用(後者の手法は一般に流動噴霧乾燥またはFSDとして知られている)などの任意の従来の技術を用いて、あるいは粉末捕そく手法(この方法では、噴霧されたエマルジョンの液滴がデンプンなどの吸着剤の床に捕そくされ、その後で乾燥させられる)によって、固体組成物(例えば、乾燥粉末)に転化することができる。
【0101】
[ステップVIII]
入口温度が100〜250℃、好ましくは150℃〜200℃、より好ましくは160〜190℃、および/または出口温度が45〜160℃、好ましくは55〜110℃、より好ましくは65〜95℃で、乾燥を行ってよい。
【0102】
遠心分離および/または精密濾過による分離の場合、「転化の間に不溶性部分を加える」とは、分離された不溶性部分(温水可溶性の各部分または固体フラクションのいずれか、あるいはその両方)を、ステップVIの完了後に均質化混合物(エマルジョン)に加えてよいこと、または追加の構成成分として別個に噴霧乾燥機に加えてよいこと、または吸着剤床に加えてよいこと、またはプロセスの幾つかの異なる時点で加えてよいことを意味する。
【0103】
限外濾過による分離の場合、「転化の間に各部分を加える」とは、分離された各部分を、ステップVIの完了後に均質化混合物(エマルジョン)に加えてよいこと、または追加の構成成分として別個に噴霧乾燥機に加えてよいこと、または吸着剤床に加えてよいこと、またはプロセスの幾つかの異なる時点で加えてよいことを意味する。
【0104】
本発明の別の実施態様では、修飾多糖(本発明にしたがって改質されたもの、または改質されていないもの)または2種以上の異なる修飾多糖類(好ましくは2種以上の異なるOSA−デンプン類)の混合物を、乾燥させる前にエマルジョンに加える。
【0105】
水中油型の懸濁液、水中油型のエマルジョンまたは粉末などの、液体および固体の生成物形態の製造の場合、それらの中で使用する改質修飾多糖類/改質修飾デンプン/改質OSA−デンプン(上述のもの)は、多機能成分として作用する。
【0106】
本発明はまた、食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の富栄養化、強化および/または着色、好ましくは飲料の富栄養化、強化および/または着色のために、上述の組成物を使用することに関する。「リンギング(ringing)」はない。すなわち、本発明の組成物を含有する飲料で満たされたボトルの表面に不溶性の各部分の望ましくない分離はない。
【0107】
本発明の別の態様は、上述の組成物を含有する食物、飲料、動物飼料、化粧品および医薬組成物、特に飲料である。
【0108】
本発明の生成物形態を着色剤または機能成分として使用できる飲料は、炭酸飲料(例えば、風味をつけたセルツア水、清涼飲料またはミネラルドリンク(mineral drinks))、ならびに非炭酸飲料(例えば、風味をつけた水、果汁、フルーツ・ポンチおよびこれらの飲料の濃縮形態)であってよい。それらは、天然果実または野菜のジュースあるいは人工香料をベースにしたものであってよい。アルコール飲料およびインスタント飲料粉末(instant beverage powders)も含まれる。さらに、砂糖含有飲料、ノンカロリーの人工甘味料を含んだダイエット飲料も含まれる。
【0109】
さらに、天然源または合成源から得られる乳製品は、本発明の生成物形態を着色剤または機能成分として使用できる食品の範囲に含まれる。そのような製品の典型的な例は、ミルク飲料、アイスクリーム、チーズ、ヨーグルトなどである。ミルクの代替製品(豆乳飲料など)および豆腐製品もこの適用範囲に含まれる。
【0110】
菓子製品、キャンディー、ガム、デザート(例えば、アイスクリーム、ゼリー、プディング、インスタントプディング粉末(instant pudding powders)など)など、着色剤または機能成分として本発明の生成物形態を含有する甘いものも含まれる。
【0111】
本発明の生成物形態を着色剤または機能成分として含有するシリアル、スナック、クッキー、パスタ、スープおよびソース、マヨネーズ、サラダドレッシングなども含まれる。さらに、乳製品やシリアルに使用する果実製品(fruit preparations)も含まれる。
【0112】
本発明の生成物形態で食品に加えられる(脂溶性)有効成分および/または着色剤の最終濃度は、着色または強化する特定の食品および意図する着色または強化の程度に応じて、食物組成の全重量を基準にして、0.1〜500ppm、特に1〜50ppmであってよい。
【0113】
本発明の生成物形態で飲料に加えられる(脂溶性)有効成分および/または着色剤(特にβ−カロチン)の最終濃度は、着色または強化する特定の飲料および意図する着色または強化の程度に応じて、飲料の全重量を基準にして、0.1〜50ppm、特に1〜30ppm、より好ましくは3〜20ppmであってよい。
【0114】
本発明の食物組成物は、(脂溶性)有効成分および/または着色剤を本発明の組成物の形態で食品に加えることによって得ることが好ましい。食物または医薬品の着色または強化の場合、本発明の組成物は、水分散性の固体生成物形態の利用に関してそれ自体知られている方法に従って使用することができる。
【0115】
一般に、組成物は、特定の用途に応じて、保存水溶液として、乾燥粉末混合物として、または他の好適な食物成分と事前に混合したものとして加えてもよい。混合は、最終用途の配合物に応じて、例えば、乾燥粉末ブレンダー、低剪断ミキサー、高圧ホモジナイザーまたは高剪断ミキサーを使用して行うことができる。容易に分かるように、そのような専門事項は専門家の技術によって取り扱えるものである。
【0116】
組成物が着色剤として使用される錠剤またはカプセル剤などの医薬組成物も、本発明の範囲に含まれる。錠剤の着色は、液体または固体の着色剤組成物の形態の生成物形態を別個に錠剤被覆混合物に加えるか、または着色剤組成物を錠剤被覆混合物の構成成分の1つに加えることによって、達成することができる。着色されたハードシェル(hard−shell)またはソフトシェル(soft−shell)のカプセル剤は、着色剤組成物をカプセル集団の水溶液中に加えることによって調製できる。
【0117】
錠剤(咀嚼錠、発泡性錠またはフィルムコート錠など)またはカプセル剤(ハードシェルカプセル剤など)など、組成物が有効成分として使用されている医薬組成物も、本発明の範囲に含まれる。生成物形態は、典型的には、粉末として錠剤化混合物に加えるか、またはカプセル剤の製造に関してそれ自体知られている方法でカプセル剤に充填される。
【0118】
着色剤(例えば、卵黄、食用鳥(table poultry)、ブロイラーまたは水性動物を着色するためのもの)として、または有効成分のいずれかとして組成物が使用される、栄養成分のプレミックス、複合飼料、代用乳、流動食または飼料製品(feed preparations)などの動物飼料製品も本発明の範囲に入る。
【0119】
組成物が着色剤または有効成分として使用される化粧品、トイレタリーおよび皮膚製品(derma products)(すなわち、クリーム、化粧水、浴用剤、口紅、洗髪剤、コンディショナー、スプレーまたはジェルなどのスキンケアおよびヘアケア製品)も、本発明の範囲に含まれる。
【0120】
以下の非限定実施例により、本発明をさらに例示する。
【0121】
[実施例]
[実施例1:細孔径が1.4μmのセラミック膜を用いた修飾多糖(OSA−デンプン)の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の45重量%水溶液を、50℃において、細孔径が1.4μmのセラミック膜で濾過した。分析結果が示すように、透過水の含水量は、出発溶液の含水量と比べてほとんど変化していない。それにもかかわらず、透過水の濁り度は非常に小さい。
【0122】
[実施例2:細孔径が0.2μmのセラミック膜を用いた修飾多糖(OSA−デンプン)の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の35重量%水溶液を、50℃において、細孔径が0.2μmのセラミック膜で濾過した。ここで、原子量および分子構造により顕著に分離するのが見受けられた。それで透過水の固体フラクションはほんの25.9重量%であった。そのため、水を透過水から除去して固形分の最終濃度を42.5重量%にし、実施例1の透過水を用いた乳化試験の結果と比較できるようにした。
【0123】
以下の表1は、出発溶液、濃縮水、および透過水の固体フラクションの重量%ならびに乳化試験で用いられた固体フラクションの重量%を示している。
【0124】
【表2】

【0125】
図2は、濾過されたデンプン溶液(デンプン濃度が43重量%)の粘度を示す。
【0126】
[実施例3:乳化試験]
本発明による組成物を、以下の手順にしたがって製造した。
【0127】
β−カロチンを56℃において有機溶媒に溶かした。得られた溶液を実施例1または2にしたがって水溶液に加えた。比較例としてHiCap 100の水溶液を使用した。エマルジョン中の(改質)Hi−Cap 100の正確な量および水の量(エマルジョンの全重量を基準にしたもの)を表2に示す。
【0128】
【表3】

【0129】
乳化した後、溶媒が含まれていないエマルジョンを、コーンスターチとドライアイスの混合物中に回転ノズル(rotary nozzle)を用いて霧状にした。その後、得られた生成物をふるい分けてから、最終的に流動床中で圧縮空気によって乾燥させた。
【0130】
[結果]
実施例1および2にしたがって改質修飾多糖類を用いた場合、非改質修飾多糖類を用いた場合よりも、乳化プロセス自体はより安定しており、プロセス条件の変化による影響は少なかった。
【0131】
表3を見て分かるように、得られた生成物は濾過残渣が減少しているか、または色の強さが大きくなっているかのいずれかだった。濾過していないHiCap 100の代わりに、濾過したHiCap 100を使用した場合、エマルジョンおよび最終粉末の性質も互いにいっそう類似していた。
【0132】
濾過残渣は、実施例3で製造した生成物(組成物)を室温で(例えば、組成物を飲料の着色に使用するときに行うように)水に溶かすことによって得られるエマルジョンの特性を決定する指標(value)である。濾過残渣は、エマルジョンを濾紙で濾過したときにフィルター上に残る組成物(主にβ−カロチンなどのフリーの有効成分)の量である。濾過残渣が2重量%未満であることは、生成物/組成物の乳化力が良好であることを示す。濾過残渣が多いことは、親水コロイドのマトリックス(すなわち、(改質)修飾多糖)に有効成分が十分に取り込まれなかったことを示す。
【0133】
色の強さが大きいということは、食物、飼料、飲料などを同じ色にするのに必要な組成物/粉末が少なくてすむことを意味する。
【0134】
【表4】

【0135】
[実施例4〜8:さまざまな細孔径を有するセラミック膜および多孔質金属フィルター膜を用いた修飾多糖の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の40重量%水溶液を、以下の膜の1つで濾過した。
− 細孔径が5μmの多孔質金属フィルター(実施例4)、
− 細孔径が1μmの多孔質金属フィルター(実施例5)、
− 細孔径が0.5μmの多孔質金属フィルター(実施例6)、
− 細孔径が1.4μmのセラミック膜(実施例7)、
− 細孔径が0.8μmのセラミック膜(実施例8)。
【0136】
使用した多孔質鋼管フィルターは、LIGACON W.Roell&CO.AG(スイス国)から市販されているものである。
【0137】
得られた濾過溶液を噴霧乾燥させた。噴霧乾燥させた改質Hi−Cap 100のデンプンを、実施例3に記載したように、再び溶かしてβ−カロチン組成物に転化した。エマルジョン(ステップVの後の状態)の結果を、以下の表4に示す。
【0138】
【表5】

【0139】
比較例は、非改質Hi−Cap 100を用いた場合の(実施例3にしたがった)乳化試験である。
【0140】
[実施例9〜24:さまざまな細孔径を有する多孔質金属フィルター膜による修飾多糖の精密濾過]
[実施例9および10:比較例]
実施例9および実施例10は、比較例(すなわち、非改質Hi−Cap 100を使用した)である。この非改質OSA−デンプン類の場合、生成物は実施例3に記載されているようにして製造した。結果を表5〜8に開示する。
【0141】
[実施例11〜14:1μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
表5に示す濃度を有するHiCap 100(National Starchから市販されているもの)の水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。結果を表5に開示する。
【0142】
[実施例15:1μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の37重量%水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。粉末捕そくステップを行う前に、追加のステップとして、濾過されていない(=元の)HiCap 100をエマルジョンに加えた。結果を表6に開示する。
【0143】
[実施例16:5μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の39.9重量%水溶液を、細孔径が5μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。粉末捕そくステップを行う前に、追加のステップとして、濾過されていない(=元の)HiCap 100をエマルジョンに加えた。結果を表6に開示する。
【0144】
[実施例17:1μm/20μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の37重量%水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。濃縮水を細孔径が20μmの多孔質金属フィルターでさらに濾過し、実施例3に記載されているようにして、この濾過ステップの透過水を組成物の調製に使用した。粉末捕そくステップを行う前に、追加のステップとして、濾過されていない(=元の)HiCap 100をエマルジョンに加えた。結果を表6に開示する。
【0145】
[実施例18:1μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の40重量%水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。追加ステップとして、乳化の際に、この濾過ステップで得られた濃縮水をエマルジョンに加えた。結果を表7に開示する。
【0146】
[実施例19:1μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の40重量%水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。追加ステップとして、粉末捕そくステップを行う前に、この濾過ステップで得られた濃縮水をエマルジョンに加えた。結果を表7に開示する。
【0147】
[実施例20:5μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の39.9重量%水溶液を、細孔径が5μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。追加ステップとして、粉末捕そくステップを行う前に、この濾過ステップで得られた濃縮水をエマルジョンに加えた。結果を表7に開示する。
【0148】
[実施例21:1μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の37重量%水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、透過水を組成物の調製にさらに使用した。この濾過ステップの濃縮水は、細孔径が20μmの多孔質金属フィルターでさらに濾過した。この20μmの濾過ステップの透過水は、粉末捕そくステップを行う前に、エマルジョンに加えた。結果を表7に開示する。
【0149】
[実施例15R:1μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過および濃縮水の使用]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。実施例3に記載されているようにして、濃縮水を組成物の調製にさらに使用した。
【0150】
[実施例22〜24:1μm/20μmの多孔質金属フィルター膜によるHiCap 100の精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の37重量%水溶液を、細孔径が1μmの多孔質金属フィルターで濾過した。この1μmの濾過ステップの濃縮水は、細孔径が20μmの多孔質金属フィルターでさらに濾過した。この20μmの濾過ステップの透過水は、実施例3に記載したようにして組成物の調製にさらに使用した。結果を表8に開示する。
【0151】
[実施例25:ハイドロザルト0.45膜による精密濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の30重量%水溶液を、(ザルトリウスから市販されている)ハイドロザルト0.45膜で濾過した。
【0152】
[実施例26:限外濾過]
HiCap 100(National Starchから市販されているもの)の12重量%水溶液/水性懸濁液を、NMWC(公称分画分子量)が100kDaであるポリスルホン中空糸カートリッジUFP−100−E−6A(ニュージャージー州ピスカタウェイのアマシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)で、5.4〜3.5kg/時の流量、0.8〜2.2バールの圧力(膜間圧)において2時間にわたって濾過した。濃縮水を膜から洗い落として、噴霧乾燥させた。
【0153】
[実施例27:乳化試験]
本発明による組成物を、以下の手順にしたがって製造した。
A)実施例26による噴霧乾燥させたHi−Cap 100を水に溶かした。次いで懸濁液を約80℃まで加熱し、1000回転/分で20分間攪拌した。次いで懸濁液を約50℃まで冷やし、pH4.16に10分間維持した。
B)β−カロチン、dl−α−トコフェロールおよびトウモロコシ油を有機溶媒に溶かし、70℃で溶解機ディスクを用いて500回転/分で30分間攪拌した。
【0154】
得られた溶液Bは、溶解機ディスクを用いて5600回転/分で攪拌しながら水溶液Aに加え、5000回転/分で30分間、約50℃に維持した。有機溶媒は、回転蒸発器(rotator evaporator)において、55℃、20回転/分および約170ミリバール(絶対)の最終圧力(final pressure)で、30分間かけて除去した。泡状のエマルジョンを、50℃において10分間、3000回転/分(約1700g)で遠心分離した。その後、それを冷やしたコーンスターチ流動床中に噴霧した。さらに、コーンスターチを加え、15℃の温度になるまで、得られた小ビーズを流動床中に30分間保持した。余分なコーンスターチを除去し、小ビーズを空気流中で2時間乾燥させた。
【0155】
比較例としてHiCap 100の水溶液を使用した。成分の正確な量を表9に示す。
【0156】
【表6】

【0157】
[結果]
結果を表10に要約する。
【0158】
【表7】

【0159】
濾過残渣は、実施例27で製造した生成物(組成物)を室温で(例えば、組成物を飲料の着色に使用するときに行うように)水に溶かすことによって得られるエマルジョンの特性を決定する指標である。濾過残渣は、エマルジョンを濾紙で濾過したときにフィルター上に残る組成物(主にβ−カロチンなどのフリーの有効成分)の量である。濾過残渣が少ないことは、生成物/組成物の乳化力が良好であることを示す。濾過残渣が多いことは、親水コロイドのマトリックス(すなわち、(改質)修飾多糖)に有効成分が十分に取り込まれなかったことを示す。
【0160】
色の強さ(水中に分散させた生成物形態;λ(Emax)で測定;最大吸収を示す波長(λ)において20℃、水中、650nmで基準線補正)が大きくなるということは、食物、飼料、飲料などを同じ色にするのに必要な組成物/粉末が少なくてすむことを意味する。
【0161】
[実施例28:遠心分離による分離]
Hi−Cap 100(National Starchから市販されているもの)の20重量%水溶液/水性懸濁液を、攪拌しながら2時間60℃に維持し、加熱することなくさらに12時間維持した(終了温度:40℃)。懸濁液は、ウエストファリア(Westfalia)AGのディスク分離機(disk separator)のタイプSC 20−06−076(分離ディスクパッケージのm=26000)を使用し、7650rpm(8500gと同等)、500リットル/時の体積流量および4バールの対圧で浄化した。修飾食物デンプン(=改質修飾食物デンプンI)の浄化溶液を噴霧乾燥させた。
【0162】
[実施例29:遠心分離および限外濾過による分離]
Hi−Cap 100(National Starchから市販されているもの)の20重量%水溶液/水性懸濁液を、攪拌しながら2時間60℃に維持し、加熱することなくさらに12時間維持した(終了温度:40℃)。懸濁液は、ウエストファリアAGのディスク分離機のタイプSC 20−06−076(分離ディスクパッケージのm=26000)を使用し、7650rpm(8500gと同等)、500リットル/時の体積流量および4バールの対圧で浄化した。修飾食物デンプン(=改質修飾食物デンプンI)の浄化溶液を、ドイツ国のクライルシェイム(Crailsheim)のPallのポリスルホン膜の(NMWCが10kDaである)マイクローザ(Microza)SLP3053を用いて、75〜90リットル/時の流量および1〜2バールの膜間圧でダイアフィルトレーションにかけた。濃縮水を膜から洗い落とし、噴霧乾燥させた。
【0163】
[実施例30および31:乳化試験]
本発明による組成物を、以下の手順にしたがって製造した。
A)実施例28および実施例29による噴霧乾燥させたHi−Cap 100をそれぞれ水に溶かした。次いでその懸濁液を約40℃まで加熱し、溶解機ディスクを用いて1000回転/分で60分間攪拌した。懸濁液を約40℃およびpH約4に10分間維持した。
B)β−カロチン、dl−α−トコフェロールおよびトウモロコシ油を有機溶媒に溶かし、70℃で溶解機ディスクを用いて500回転/分で30分間攪拌した。
【0164】
得られた溶液Bは、溶解機ディスクを用いて5600回転/分で攪拌しながら水溶液Aに加え、5000回転/分で30分間、約50℃に維持した。有機溶媒は、回転蒸発器において、55℃、20回転/分および約170ミリバール(絶対)の最終圧力で、60分間除去した。泡状のエマルジョンを、50℃において10分間、3000回転/分(約1700g)で遠心分離した。その後、それを冷やしたコーンスターチ流動床中に噴霧した。さらに、コーンスターチを加え、15℃の温度になるまで、得られた小ビーズを流動床中に30分間保持した。余分なコーンスターチを除去し、小ビーズを空気流中で2時間乾燥させた。
【0165】
比較例(実施例32)として、HiCap 100の水溶液を使用した。成分の平均量を表11に示す。
【0166】
【表8】

【0167】
[結果]
結果を表12に要約する。
【0168】
【表9】

【0169】
濾過残渣は、実施例30/31で製造した生成物(組成物)を室温で(例えば、組成物を飲料の着色に使用するときに行うように)水に溶かすことによって得られるエマルジョンの特性を決定する指標である。濾過残渣は、エマルジョンを濾紙で濾過したときにフィルター上に残る組成物(主にβ−カロチンなどのフリーの有効成分)の量である。濾過残渣が少ないことは、生成物/組成物の乳化力が良好であることを示す。濾過残渣が多いことは、親水コロイドのマトリックス(すなわち、(改質)修飾多糖)に有効成分が十分に取り込まれなかったことを示す。
【0170】
色の強さ(水中に分散させた生成物形態;λ(Emax)で測定;最大吸収を示す波長(λ)において20℃、水中、650nm(20℃)で基準線補正(650nmで基準線補正))が大きくなるということは、食物、飼料、飲料などを同じ色にするのに必要な組成物/粉末が少なくてすむことを意味する。
【0171】
[実施例33]
実施例28および29に加えて、任意の他のデンプン、例えば、Capsul HS(National Starchから市販されているもの)を使用することができ、ディスク分離および任意選択のダイアフィルトレーション(ダイアフィルトレーションとは、透過水の代わりにHOを用いた場合の限外濾過のことである)による清澄化を実施できた。
【0172】
さらに、これらの改質修飾食物デンプン類の混合物(1:99から99:1までの比率、好ましくは50:50)は、実施例30/31にしたがった組成物に用いるのに好適である。組成物(実施例33)は、改質HiCap 100および改質Capsul HS(両方とも実施例28と同様にして製造した)の混合物(比率50:50)を使用して調製した。
【0173】
比較例(実施例34)として、HiCap 100およびCapsul HSの混合物(比率50:50)の水溶液を使用した。成分の平均量を詳細に表11に示す。
【0174】
[結果]
結果を表13に要約する。
【0175】
【表10】

【0176】
[実施例35:遠心分離による分離]
Hi−Cap 100(National Starchから市販されているもの)の38重量%水溶液/水性懸濁液を、攪拌しながら2時間50℃に維持し、その後室温まで冷やした。懸濁液を室温で数時間維持してから65℃まで加熱し、ウエストファリアAGのディスク分離機のタイプCSA 160−47−076(ディスクパケット(Tellerpaketes)[英語での名称は不明]の平方メートル=160000m)を使用し、6,800rpm(約15000g)、約500リットル/時以上の体積流量および6〜9バールの対圧で浄化した。修飾食物デンプン(=改質修飾食物デンプン)の浄化溶液は、実施例30/31にしたがって有効成分(例えば、β−カロチン)の配合に使用できる。
【0177】
[実施例36:遠心分離による分離]
Hi−Cap 100(National Starchから市販されているもの)の20重量%水溶液/水性懸濁液を、攪拌しながら2時間60℃に維持し、加熱することなくさらに12時間維持した(終了温度:40℃)。懸濁液は、ウエストファリアAGのディスク分離機のタイプSC35(ディスクパケット(Tellerpaketes)[英語での名称は不明]の平方メートル=48000m)を使用し、7250rpm(約7500g)、約750kg/時の体積流量および6〜8バールの対圧で浄化した。修飾食物デンプン(=改質修飾食物デンプン)の浄化溶液を噴霧乾燥させた。
【0178】
[実施例37:乳化試験]
本発明による組成物を、以下の手順にしたがって製造した。
A)実施例36による噴霧乾燥させたHi−Cap 100を水に溶かした。次いで懸濁液を約40℃まで加熱し、溶解機ディスクを用いて20分間1000回転/分で攪拌した。次いで懸濁液を約50℃まで加熱し、約4のpHに10分間維持した。
B)β−カロチン、dl−α−トコフェロールおよびトウモロコシ油を有機溶媒に溶かし、70℃で溶解機ディスクを用いて500回転/分で30分間攪拌した。
【0179】
得られた溶液Bは、溶解機ディスクを用いて5600回転/分で攪拌しながら水溶液Aに加え、5000回転/分で30分間約50℃に維持した。有機溶媒は、回転蒸発器において、55℃、20回転/分および約170ミリバール(絶対)の最終圧力で、30分間除去した。泡状のエマルジョンを、50℃において10分間、3000回転/分(約1700g)で遠心分離した。その後、それを冷やしたコーンスターチ流動床中に噴霧した。さらに、コーンスターチを加え、15℃の温度になるまで、得られた小ビーズを流動床中に30分間保持した。余分なコーンスターチを除去し、小ビーズを空気流中で2時間乾燥させた。
【0180】
比較例(実施例38)として、HiCap 100の水溶液を使用した。成分の正確な量を表14に示す。
【0181】
【表11】

【0182】
[結果]
結果を表15に要約する。
【0183】
【表12】

【0184】
濾過残渣は、実施例37で製造した生成物(組成物)を室温で(例えば、組成物を飲料の着色に使用するときに行うように)水に溶かすことによって得られるエマルジョンの特性を決定する指標である。濾過残渣は、エマルジョンを濾紙で濾過したときにフィルター上に残る組成物(主にβ−カロチンなどのフリーの有効成分)の量である。濾過残渣が少ないことは、生成物/組成物の乳化力が良好であることを示す。濾過残渣が多いことは、親水コロイドのマトリックス(すなわち、(改質)修飾多糖)に有効成分が十分に取り込まれなかったことを示す。
【0185】
色の強さ(水中に分散させた生成物形態;λ(Emax)で測定;最大吸収を示す波長(λ)において20℃、水中、650nm(20℃)で基準線補正(650nmで基準線補正))が大きくなるということは、食物、飼料、飲料などを同じ色にするのに必要な組成物/粉末が少なくてすむことを意味する。
【0186】
[実施例39:濁り度の測定]
遠心分離OSA−デンプン類の浄化度(水溶液からの不溶性の各部分の分離)の尺度として、定義した溶液の濁り度が好適である。
【0187】
前記水溶液の濁り度は、HACH 2100 AN濁り度計を用いて、USEPA法(USEPA Method)180.1にしたがって室温および大気圧において455nmの波長で分光光度的に測定する。次いで、濁り度を比濁分析濁度単位(NTU)で表す。
【0188】
表16は、ディスク分離技術を用いた数種類の精製(=改質)修飾食物デンプン類の濁り度を、非改質物質の場合と比べて例示している。
【0189】
【表13】

【0190】
濁り度の値の減少は、不溶性部分の分離に関して、用いた原料(すなわち、「分離前」)が改質されたことを示す。
【0191】
[実施例40:El/1の測定]
十分な量の配合物を、50〜55℃の水浴中で超音波を使用して、水に分散および/または溶解させ、および/または水で希釈する。得られた「溶液」を希釈して脂溶性有効成分の最終濃度を10ppmにし、そのUV/VIS−スペクトルを参照としての水と比べる。得られたUV/VISスペクトルから、最大または肩の指定波長での吸光度(Amax)を測定する。さらに、650nmにおける吸光度(A650)を求める。色の強さEl/1は、1%溶液および厚さ1cmの吸光度であり、次のようにして計算する:E1/1(Amax−A650)*希釈係数/(試料の重量*生成物形態の含量(%))。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】クロスフロー精密濾過によって分離を行う本発明の1つの実施態様を示す。
【図2】濾過されたデンプン溶液(デンプン濃度が43重量%)の粘度を示す。
【図3】実施例11〜14の結果を開示する。
【図4】実施例15〜17の結果を開示する。
【図5】実施例18〜21の結果を開示する。
【図6】実施例22〜24の結果を開示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質修飾多糖の製造方法であって、
a)修飾多糖の水溶液または水性懸濁液を調製するステップであって、好ましくは前記水溶液または水性懸濁液の全重量を基準にして0.5〜80重量%の範囲の乾燥質量含量を有する修飾多糖の水溶液または水性懸濁液を調製し、それによって水の温度が好ましくは1〜<100℃の範囲にされるステップと、
b)1〜<100℃の範囲の温度で水中の前記修飾多糖の各部分を分離するステップと、
c)任意選択的に、こうして得られた改質修飾多糖を固体形態に転化するステップと
を含む、改質修飾多糖の製造方法。
【請求項2】
ステップa)において前記水の温度が30〜75℃の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)を、遠心分離、精密濾過または限外濾過の方法のうちの少なくとも1つで実施する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)の実施される温度が1〜<100℃の範囲、好ましくは30〜70℃の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップa)およびb)は、前記修飾多糖の前記水溶液または水性懸濁液を>30〜<100℃の温度まで加熱し(ステップa)、次いで30℃未満の温度にまで冷やし、その低温において遠心分離、精密濾過および/または限外濾過を行う(ステップb)ようにして実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記修飾多糖がOSA−デンプンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項にしたがって得られる改質修飾多糖。
【請求項8】
i)少なくとも1種の改質修飾多糖、
ii)少なくとも1種の脂溶性有効成分および/または着色剤、および
iii)任意選択的に少なくとも1種の補助剤および/または賦形剤
を含む組成物。
【請求項9】
前記改質修飾多糖が請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法にしたがって得られるものである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記改質修飾多糖は、修飾多糖の10%水溶液の濁り度が1〜200NTUの範囲、好ましくは1〜150NTUの範囲、より好ましくは1〜110NTUの範囲、もっとも好ましくは1〜100NTUの範囲にある修飾多糖である、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記脂溶性有効成分および/または着色剤ii)が、カロチンまたは構造的に関連したポリエン化合物、脂溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸の豊富なトリグリセリド、油溶性UV−A防止剤、UV−B防止剤あるいはそれらの混合物である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記カロチンまたは構造的に関連したポリエン化合物が、α−カロチン、β−カロチン、8’−アポ−β−カロテナール、8’−アポ−β−カロチン酸(8’−apo−β−carotenoic acid)エステル、カンタキサンチン、アスタキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、クロセチン、α−ゼアカロチン(α−zeacarotene)、β−ゼアカロチン(β−zeacarotene)などのカロチノイドまたはそれらの混合物である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記カロチノイドがβ−カロチンである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記脂溶性ビタミンがビタミンAまたはEである、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、グリセロール、トリグリセリド、水溶性酸化防止剤および脂溶性酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物がさらに存在する、請求項8〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記単糖または二糖が、ショ糖、転化糖、キシロース、ブドウ糖、果糖、乳糖、マルトース、サッカロースおよび糖アルコールである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記オリゴ糖または多糖がデンプンまたはデンプン加水分解物である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記デンプン加水分解物が、デキストリン、マルトデキストリンまたはグルコース・シロップである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記トリグリセリドが植物油または植物性脂肪である、請求項11または15に記載の組成物。
【請求項20】
脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、レシチン、およびソルビタンモノステアレートからなる群から選択される共乳化剤がさらに存在する、請求項8〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物の全重量を基準にして、前記改質修飾多糖i)の量が10〜99.9重量%であり、前記(脂溶性)有効成分および/または着色剤の量が0.1〜90重量%であり、前記補助剤および/または賦形剤iii)の量が0〜50重量%である、請求項8〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
粉末形態の、請求項8〜21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記修飾多糖が、以下の式(I)
【化1】


(式中、Stはデンプンであり、Rはアルキレン基であり、R’は疎水性基である)
で表される修飾デンプンである、請求項8〜22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記改質修飾多糖が改質OSA−デンプンである、請求項8〜23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
組成物の製造方法であって、
I)修飾多糖の水溶液またはコロイド溶液を1〜<100℃の範囲の温度において調製するステップ、
II)ステップI)で得られたその水溶液またはコロイド溶液の各部分を分離して、改質修飾多糖の水溶液を得るステップ、
III)任意選択的に、少なくとも1種の水溶性の賦形剤および/または補助剤をステップI)またはII)で調製した前記溶液に加えるステップ、
IV)少なくとも1種の有効成分、好ましくは少なくとも1種の脂溶性有効成分および/または着色剤ならびに任意選択的に少なくとも1種の脂溶性補助剤および/または賦形剤の、溶液または分散液を調製するステップ、
V)ステップII)〜IV)で調製した前記溶液を互いに混合するステップ、
VI)こうして得られた混合物を均質化するステップ、
VII)任意選択的に、ステップVI)で得られた前記分散液を粉末に転化し、それによって任意選択的に、ステップII)(またはステップb))で分離された各部分を、転化の間またはその前に任意選択的に水を加えながら一部または全部加えるステップ、および
VIII)任意選択的に、ステップVII)で得られた前記粉末を乾燥させるステップ
を含む、請求項8〜24のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項26】
ステップI)およびII)は、前記修飾多糖の前記水溶液または水性懸濁液を>30〜<100℃の温度まで加熱し(ステップI)、次いで30℃未満の温度まで冷やし、その低温において沈降分離、精密濾過および/または限外濾過を行う(ステップII)ようにして実施する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記修飾多糖がOSA−デンプンである、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
食物、飲料、動物飼料、化粧品または医薬組成物の富栄養化、強化および/または着色のための、請求項8〜24のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項29】
飲料の富栄養化、強化および/または着色のための、請求項8〜24のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項30】
請求項8〜24のいずれか一項に記載の組成物を含有する食物、飲料、動物飼料、化粧品および医薬組成物。
【請求項31】
請求項8〜24のいずれか一項に記載の組成物を含有する飲料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−526102(P2009−526102A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553669(P2008−553669)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001015
【国際公開番号】WO2007/090614
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】