説明

有機活性化剤

本発明は、次の一般式(I)を有する有機活性化剤に関する。


式中、Rは、少なくとも5個の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル又はアリール部分であり、Rは、5個未満の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル部分であり、Rは、適した架橋部分であり、Rは、帯電部分であり、Nは窒素であり、Gはそれぞれ独立して、酸素含有部分であり、さらにZは、存在するときには、帯電平衡対イオンである。
本発明はまた、前記有機活性化剤を含む洗浄組成物、並びに上述の有機活性化剤及び洗浄組成物の製造方法及び使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機活性化剤及びこのような活性化剤を含む洗浄組成物並びにこのような活性化剤及び洗浄製品を製造及び使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素漂白剤、例えば、過酸化水素は、典型的には、衣類及び種々の表面から染み及び汚れを除去するのを容易にするために使用される。残念なことに、このような試剤の効果は、極端に温度依存性である。結果として、このような試剤が温度のより低い溶液中で使用される場合、このような溶液の漂白作用は顕著に減少する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の性能上の問題を解決するために、産業界は、「漂白活性化剤」として知られる種類の物質を開発した。しかし、このような物質には、ある種の洗濯機部品に有害な又は基本的に不溶性の油類の化合物を形成し、洗浄組成物内に使用するには大変な費用がかかるという副作用の問題がある。それ故に、改善された有機活性化剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、次の一般式を有する有機活性化剤に関する。
【化1】

式中、Rは、少なくとも5個の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル又はアリール部分であり、Rは、5個未満の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル部分であり、Rは、適した架橋部分であり、Rは、帯電部分であり、Nは窒素であり、Gはそれぞれ独立して、酸素含有部分であり、そしてZは、存在するときには、帯電平衡対イオンである。
【0005】
本発明はまた、前記有機活性化剤を含む洗浄組成物、並びに上述の有機活性化剤及び洗浄組成物の製造方法及び使用方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
定義
本明細書で使用する用語「洗浄組成物」は、特に記述しない限り、粒状又は粉末形態の万能又は「強力」洗浄剤、特に洗浄洗剤、液体、ゲル又はペースト形態の万能洗浄剤、特にいわゆる強力液体型、液体の高級布地用洗剤、手洗い食器洗浄剤、又は軽質食器洗浄剤、特に高起泡型のもの、種々の錠剤、粒状、液体及び家庭及び企業での使用のためのリンス補助型を含む機械食器洗浄剤、抗菌ハンドウォッシュ型、洗浄バー、うがい薬、義歯クリーナー、車又はカーペット用シャンプー、浴室クリーナーを含む液体洗浄剤及び消毒剤、ヘアシャンプー及びヘアリンス、シャワージェル及び泡バス及び金属クリーナー、並びに、漂白添加物質及び「染み用スティック」又は前処理型のような洗浄補助剤を含む。
【0007】
本明細書で使用する「独立して、〜から成る群から選択される」なる言い回しは、引用されるマーカッシュ群から選択される部分又は要素が同じか、異なるか、又は以下の例中に示されるような要素のいずれかの混合物であってもよいことを意味する。
【0008】
3つのR基を有する分子であって、ここでR基がそれぞれ独立して、A、B及びCから成る群から選択される。ここで3つのR基は、AAA、BBB、CCC、AAB、AAC、BBA、BBC、CCA、CCB、ABCであってもよい。
【0009】
本明細書で使用する時、「置換(された)」とは、当該用語が適用される有機組成物又はラジカルが、
(a)少なくとも1つの元素又はラジカルの脱離によって不飽和になること、又は
(b)化合物又はラジカル中の少なくとも1つの水素が、1つ以上の(i)炭素、(ii)酸素、(iii)イオウ、(iV)窒素若しくは(V)ハロゲン原子を含有する部分で置換されていること、又は
(c)(a)及び(b)の両方である、ことを意味する。
【0010】
すぐ前の(b)に記載されているように水素と置き換えてもよい、炭素及び水素原子のみを含有する部分は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジエニル基、シクロアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、フルオリル基、ステロイド基、及びこれらの基の互いの組み合わせ並びにアルキレン基、アルキリデン基及びアルキリジン基のような多価炭化水素基との組み合わせを含むがこれらに限定されない炭化水素部分である。すぐ前の(b)に記述した様に、水素と置き換えてもよい酸素原子を含む部分は、ヒドロキシ、アシル、ケト、エーテル、エポキシ、カルボキシ及びエステルを含む基を含むが、これらに限定されない。すぐ前の(b)で記述した様に、水素と置き換えてもよいイオウ原子を含む部分は、イオウ含有酸類及び酸エステル基類、チオエーテル基類、メルカプト基類及びチオケト基類を含むが、これらに限定されない。すぐ前の(b)に記述したように、水素と置き換えてもよい窒素原子を含有する部分には、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、アンモニウム基、アミド基、アジド基、イソシアネート基、シアノ基及びニトリル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。すぐ前の(b)で説明したように、水素と置き換えてもよいハロゲン原子を含有する部分には、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード基、及び水素又はペンダントアルキル基が安定な置換部分を形成するようにハロ基で置換されている、前述されたいずれかの部分が挙げられる。
【0011】
上述の部分(b)(i)〜(b)(V)のいずれも、一価の置換、又は多価の置換における水素の喪失のいずれかによって互いに置換され、有機化合物又はラジカル中の水素を置換できる別の一価部分を形成することができることが理解される。
【0012】
本明細書で使用する時、冠詞「aa」及び「an」は、特許請求の範囲で使用される時には、請求又は記載される1つ以上のものを意味するものと理解される。
【0013】
特に記載のない限り、すべての成分又は組成物の量は、その成分又は組成物の活性量を基準にし、不純物例えば、市販の原材料内に存在する可能性がある残留溶媒又は副生成物を除外する。
【0014】
すべての百分率及び比率は、特に記述しない限り、重量基準にて計算される。百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0015】
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限界は、それより小さいあらゆる数値限界が、あたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に収まるそれよりも狭いあらゆる数値範囲が、あたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0016】
すべての引用される文書は、関連部分において参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【0017】
有機活性化剤
本発明は、次の一般式を有する有機活性化剤に関する。
【化2】

式中、Rは、少なくとも5個の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル又はアリール部分であり、Rは、5個未満の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル部分であり、Rは、適した架橋部分であり、Rは、帯電部分であり、Gはそれぞれ独立して、酸素含有部分であり、例えばGは、独立して−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−からなる群から選択される部分であり、そしてXは、存在するときには、帯電平衡対イオンである。
【0018】
理論に拘束されるものではないが、R及びR部分を適正に選択し、それと正しく選択したR及びR部分と組み合わせると、活性化剤となり、単一構造体から親水性及び疎水性の過酸類が形成され、洗浄組成物内で使用すると影響を受けやすい固体やペーストなどの物理的形態の処理をしながら、改善された洗浄性能が提供される。
【0019】
本出願人らの発明の一態様では、R又はRの少なくとも1つが、R又はRの少なくとも1つに直接共有結合しており、これにより非限定実施例として、下記式IIを有する構造体が生成される。
【化3】

【0020】
本出願人らの発明の一態様では、Rは、少なくとも5〜17個あるいは7〜13個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキル又はアリール部分である。
【0021】
本出願人らの発明の一態様では、Rは、1〜2個の炭素原子を含む置換又は非置換アルキル部分である。
【0022】
本出願人らの発明の一態様では、Rは、置換芳香族部分、非置換芳香族部分又は下記式IIIを有する部分から選択される。
−(CR−X−Q−X−[(CR−O]−(CR10
式III
式中、
a.)インデックスb及びcは、独立して0又は1であり、
b.)cが0で、dが0の場合、インデックスdは、0又は1であり、
c.)インデックスa及びgは、独立して0〜10の整数であり、
d.)インデックスfは、0〜20の整数であり、
e.)インデックスeは、1〜6の整数であり、
f.)R、R、R、R、R及びR10は、各々独立にH、置換C〜C20アルキル、非置換C〜C20アルキル、置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリール又は非置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリールであり、
g.)各Xは、独立してO,S,NR11から選択され、式中、R11は、H、置換C〜C20アルキル、非置換C〜C20アルキル、置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリール又は非置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリールから選択され、及び
h.)Qは、CO、SO、SO、PO又はPOである。
【0023】
本出願人らの発明の一態様では、上記式IIIのインデックスc及びdは0でもよく、インデックスb、c、d及びfは0でよく、又はインデックスb、c、d及びfが0であり、a又はgの一つが0でなければ、インデックスa及びgが各々独立して0〜3の整数であってよい。
【0024】
本出願人らの発明の一態様では、上記式IIIのR、R、R又はR10部分の少なくとも1つは、少なくとも別のR、R、R又はR10部分に共有結合しており、これにより非限定実施例として、下記式IVを有する構造体を生成する。
【化4】

【0025】
本出願人らの発明の一態様では、Rは、20個未満の炭素原子を含む陰イオン性、陽イオン性又は双性イオン性部分である。
【0026】
本出願人らの発明の一態様では、Rは、
a.)カルボキシレート類、カーボネート類、サルフェート類、スルホネート類、ホスフェート類、又はホスホネート類からなる群から選択される陰イオン性部分、
b.)アンモニウム類又はピリジニウム類からなる群から選択される陽イオン性部分、又は
c.)アンモニウムカルボン酸塩類、アンモニウム硫酸塩類、又はアンモニウムスルホン酸塩類からなる群から選択される双性イオン性部分である。
【0027】
本出願人らの発明の一態様では、Zは、
a.)ハロゲン化物類、好ましくは塩化物類又は臭化物類、カルボキシレート類、カーボネート類、サルフェート類、スルホネート類、ホスフェート類、又はホスホネート類からなる群から選択される陰イオン性部分、又は
b.)ナトリウムイオン類、カリウムイオン類、アンモニウムイオン類、水素イオン類、カルシウムイオン類又はマグネシウムイオン類からなる群から選択される陽イオン性部分である。
【0028】
本出願人らの発明の一態様では、上記式Iにおいて、
a.)Rは、C〜C11アルキルから選択され、
b.)Rは、メチルであり、
c.)各Gは、−C(O)−であり、
d.)Rは、式−N(R11を有する陽イオン性アンモニウムであり、式中、R11は、C〜Cアルキル、又は式−SOを有する陰イオン性部分であり、
e.)Zは、帯電平衡対イオンであり、及び
f.)Rは、置換芳香族部分、非置換芳香族部分又は上記式IIIを有する部分で、式中、インデックスb、c、d及びfが0で、インデックスa及びgの合計が2〜6の整数であり、R、R、R及びR10の各々がHであるものから選択される。
【0029】
有機活性化剤の製造方法
当業者は、本記述及び実施例に含まれる下記教示に従って、本発明の活性化剤を製造することができる。本発明の有機活性化剤の適した調製経路は、適した荷電アミド又はスルファミドを1当量の適したハロゲン化アシル又はハロゲン化スルホニルと接触させて、所望の活性化剤を得ることを含むが、これらに限定するものではない。あるいは、本発明の有機活性化剤の適した調製経路は、三級アミン部分を含む適したアミド又はスルファミドを、適したハロゲン化アシル又はハロゲン化スルホニル1当量と接触させて、非荷電活性化剤を得て、次にこのような活性化剤を適したアルキル化剤と接触させて所望の荷電活性化剤を得ることを含むが、これらに限定するものではない。
【0030】
本出願人らの有機活性化剤は、回分式、半回分式及び連続工程を含む、種々の反応容器及び工程を用いて、商業的規模の量で作り出すことができる。当業者には理解されるように、反応条件はバッチサイズ及び容器の種類によって変わる。しかし、本明細書中に含まれる教示を把握していれば、このような条件は容易に決定される。
【0031】
本出願人の有機活性化剤を含む洗浄組成物及び洗浄組成物添加物
本発明の洗浄組成物は、例えば、洗濯用途、硬質表面洗浄、自動食器洗浄用途、並びに義歯、歯、毛髪及び皮膚のような美容用途において有利に使用されることができる。さらに、本発明の有機活性化剤は、水性洗浄用途に使用するための粒状及び液体組成物並びにドライクリーニング組成物のような非水系脂溶性溶媒を含む洗浄組成物の両方に使用できる。非水系脂溶性流体の好ましい群は、低揮発性非フッ化有機物類、シリコーン類、特にアミノ官能性シリコーン類以外のもの、及びこれらの混合物を含む。組成物の主構成成分として、例えば、50%を超過して用いられる適したシリコーンは、「D5」と呼ばれることもあるシクロペンタシロキサン類、及び/又はほぼ同様の揮発性を有し、任意に他の適合性のあるシリコーンにより補完される直鎖類似体を含む。適したシリコーン類は、文献で周知であり、例えば、「カークオスマー工業化学百科事典(Kirk Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology)」を参照のこと。そして、これは、ゼネラル・エレクトリック社(GE)シリコーン流体を含む多くの市販品から入手可能である。
【0032】
本発明の有機活性化剤はまた、洗浄添加物製品において使用されてもよい。本発明の有機活性化剤を含む洗浄添加物製品は、追加の漂白効果が望まれる場合、理想的には、洗浄工程において含まれるのに適している。このような例としては、低温溶液での洗浄用途を挙げることができるが、これに限定されない。添加剤製品は、その最も単純な形態では、本出願人らの有機活性化剤でもよい。好ましくは、添加物は、過酸素供給源が使用され、漂白効果が増大することが望まれる洗浄工程に追加するための剤形でパッケージできる。このような単一剤形は、丸薬、錠剤、ジェルキャップ又は予め測定された粉末若しくは液体のような他の単一用量単位を含んでもよい。充填剤又は担体物質は、このような組成物の体積を増加させるために包含されてもよい。適した充填剤又は担体物質としては、硫酸塩、炭酸塩及びケイ酸塩という様々な塩、並びにタルク、粘土等が挙げられるが、これらに限定されない。液体組成物のための充填剤又は担体物質は、水又はポリオール及びジオールを含めた低分子量の一級及び二級アルコールであってもよい。このようなアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられるが、これらに限定されない。一価アルコール類を使用してもよい。該組成物は、このような物質を約5%〜約90%含有してもよい。酸性充填剤は、pHを下げるために使用することができる。あるいは、洗浄添加物は、以下に規定される活性化過酸素供給源、及び/又は以下に完全に規定されるような補助剤成分を含んでもよい。
【0033】
本出願人らの洗浄組成物及び洗浄添加物は、本出願人の有機活性化剤の有効量を必要とする。このような活性化剤の必要量は、本出願人らの有機活性化剤の1つ以上の実施形態を追加することによって達成してよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書中の組成物及び洗浄工程は、洗浄媒体中に本出願人の有機活性化剤を少なくとも1ppmのオーダーで提供するために調整することができ、好ましくは、約1ppm〜約1500ppm、より好ましくは約5ppm〜約1000ppm、最も好ましくは約10ppm〜約500ppmの有機活性化剤を洗浄溶液中で提供する。洗浄溶液中で、本出願人らの有機活性化剤をこうした濃度で得るために、本明細書の典型的な組成物は、少なくとも0.1重量%、好ましくは約0.5重量%〜約60重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約40重量%の漂白組成物を含む。
【0034】
本出願人らの有機活性化剤に加えて、本出願人らの洗浄組成物のある種の実施形態は、過酸素供給源、過酸化水素及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含まなければならない。本出願人らの有機活性化剤対過酸素供給源の適したモル比としては、約3:1〜約1:100、約1:1〜約1:50あるいは約1:2〜約1:20が挙げられるが、これらに限定するものではない。適した過酸素供給源としては、過ホウ酸塩化合物、過炭酸塩化合物、過リン酸塩化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
存在する場合、過酸化水素供給源は、典型的には洗浄組成物の約1重量%から、好ましくは約5重量%〜約30重量%、好ましくは約20重量%までの濃度である。存在する場合、過酸又は漂白活性化剤は、典型的には洗浄組成物の約0.1重量%から、好ましくは約0.5重量%〜約60重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約40重量%含まれる。
【0036】
上記開示に加えて、過酸素及び活性化過酸素供給源の適した種類及び濃度は、参考として組み込まれた米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号及び同第6,326,348B1号中に見いだされる。
【0037】
本明細書の洗浄組成物は、典型的には、水性洗浄操作にて使用中に、洗浄水が約6.5〜約11、又はそれに代えて約7.5〜約10.5のpHを有するように処方される。液体食器洗浄製品の処方は、典型的には約6.8〜約9.0のpHを有する。洗濯製品の処方は、典型的に約8〜約11のpHを有する。推奨される使用量でのpHを制御する技術には、緩衝剤類、アルカリ類、酸類などの使用を含み、当業者には周知である。
【0038】
補助剤物質
本発明の目的には必須でないが、以下に示される補助剤の非限定的なリストは、本洗浄組成物において使用するのに適しており、それらは、例えば、洗浄性能を補助若しくは向上させるために、洗浄されるべき基材の処理のために、又は、香料、着色剤、染料などの場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の好ましい実施形態に組み込まれることができる。このような追加成分の正確な性質、及びその組み込み量は、組成物の物理的形態及び使用する洗浄操作の性質に依存する。適した補助剤物質は、追加の漂白活性化剤、予め形成された過酸、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染抑制剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー性分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は顔料を含むが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助剤の適した及び使用量は、米国特許第5,576,282号、同6,306,812B1号及び同6,326,348B1号に見ることができる。
【0039】
付加的漂白活性化剤−本出願人の有機活性化剤と組み合わせて使用できる適した漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4−ニトロベンゾイルカプロラクタム、3−クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、フェニルベンゾエート(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10−OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C−OBS)、過加水分解性(perhydrolyzable)エステル、過加水分解性カーボネート、過加水分解性イミド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
予め形成された過酸類 − 適した予め形成された過酸類としては、過カルボン酸類及び塩類、過炭酸類及び塩類、ペルイミド酸類及び塩類、ペルオキシ一硫酸類及び塩類並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
界面活性剤 − 好ましくは、本発明の洗浄組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含み、その際、界面活性剤は、非イオン性及び/又は陰イオン性及び/又は陽イオン性界面活性剤及び/又は両性及び/又は双性イオン性及び/又は半極性非イオン性界面活性剤から選択される。
【0042】
界面活性剤又は界面活性剤系は、典型的には洗浄組成物の約0.1重量%から、好ましくは約1重量%から、より好ましくは約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%まで、好ましくは約80重量%まで、より好ましくは約35重量%まで、最も好ましくは約30重量%までの濃度で存在する。
【0043】
ビルダー類 − 本発明の洗剤組成物は、好ましくは1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含む。存在する場合、該組成物は典型的に、洗浄組成物の少なくとも約1重量%、好ましくは約5重量%、より好ましくは約10重量%〜約80重量%、好ましくは約50重量%まで、より好ましくは約30重量%までのビルダーを含む。
【0044】
ビルダー類には、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属シリケート、アルカリ土類及びアルカリ金属の炭酸塩、アルミノシリケートビルダーポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びにこれらの可溶性塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
キレート剤 − 本発明の洗剤組成物は、任意に1つ以上の銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤を含有してもよい。
【0046】
利用される場合、キレート剤は、一般に洗浄組成物の約0.1重量%から、より好ましくは約3.0重量%から、約15重量%までで含まれる。
【0047】
移染抑制剤 − 本発明の洗浄組成物はまた、1つ以上の移染抑制剤を含んでもよい。適したポリマー移染抑制剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明の洗浄組成物中に存在する場合、移染抑制剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、より好ましくは約0.01重量%から、最も好ましくは約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、より好ましくは約2重量%まで、最も好ましくは約1重量%までの濃度で存在する。
【0049】
分散剤 − 本発明の洗浄組成物はまた、分散剤を含有することができる。適した水溶性有機塩類は、ホモポリマー又はコポリマーの酸類又はそれらの塩類であり、そのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0050】
酵素 − 洗浄組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の酵素を含むことができる。適した酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい組み合わせは、本発明のアミラーゼと併用して、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような慣行施用可能な酵素のカクテルを有する洗浄組成物である。
【0051】
酵素安定化剤 − 洗剤に使用するための酵素は、最終洗浄組成物におけるカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の使用を含む種々の技術によって安定化できる。
【0052】
漂白増強化合物 − 本明細書の洗浄組成物は、1つ以上の漂白増強化合物、例えば、ジオキシラン、オキサジリジン、若しくはオキサジリジニウム又はその場でそのような種を形成できる化合物を含んでもよい。
【0053】
本発明での使用に適した漂白増強化合物には、陽イオン性イミン類、双性イオン性イミン類、陰イオン性イミン類及び/又は約+3〜約−3の実効電荷を有するポリイオン性イミン類及びそれらの混合物がある。本発明におけるこれらのイミン漂白増強化合物は、以下の一般的構造のものを含む。
【化5】

上記式Vにおいて、R〜Rは、水素又はフェニル、アリール、ヘテロ環、アルキル若しくはシクロアルキル遊離基からなる群から選択される非置換若しくは置換ラジカルである。
【0054】
好ましい漂白増強化合物の中には、両性イオン性漂白促進剤があり、これらは米国特許第5,576,282号及び同5,718,614号に記載されている。他の漂白増強化合物は、米国特許第5,360,569号及び同5,370,826号に記載されているもののような陽イオン性漂白促進剤を含む。
【0055】
触媒金属錯体 − 本出願人らの洗浄組成物は、触媒金属錯体を含むことができる。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、コバルト、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンの陽イオンのような特定の漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウムの陽イオンのような漂白触媒活性をほとんど又は全くもたない補助金属陽イオン、並びに触媒金属や補助金属の陽イオンに対して特定の安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩類を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0056】
所望する場合、本明細書の洗浄組成物は、マンガン化合物によって触媒することができる。このような化合物及び使用量は、当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0057】
本発明において有用なコバルト漂白触媒は公知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び同5,595,967号に記載されている。
【0058】
本明細書の組成物はまた、適しては、大多環状の剛性配位子(「MRL」と省略される)の遷移金属錯体を含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び洗浄工程は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、好ましくは、約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0059】
本遷移金属漂白触媒における好ましい遷移金属には、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、及びクロムが含まれる。本明細書の好ましいMRLは、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンのような架橋した特別の種類の超剛性配位子である。
【0060】
適した遷移金属MRL類は、公知の手順、例えば、PCT国際公開特許WO00/332601、及び米国特許第6,225,464号にて教示される手順によって容易に調製される。
【0061】
洗浄組成物の製造及び使用方法
本発明の洗浄組成物は、配合者によって選択される任意の適した工程によって、任意の形態へと配合され及び調製されることができ、それらの非限定例は、米国特許第5,879,584号(ビアンケッティ(Bianchetti)ら、1999年3月9日発行)、米国特許第5,691,297号(ナッサノ(Nassano)ら、1997年11月11日発行)、米国特許第5,574,005号(ウェルチ(Welch)ら、1996年11月12日発行)、米国特許第5,569,645号(ディニウェル(Dinniwell)ら、1996年10月29日発行)、米国特許第5,565,422号(デル・グレコ(Del Greco)ら、1996年10月15日発行)、米国特許第5,516,448号(カペシ(Capeci)ら、1996年5月14日発行)、米国特許第5,489,392号(カペシ(Capeci)ら、1996年2月6日発行)、米国特許第5,486,303号(カペシ(Capeci)ら、1996年1月23日発行)に記載され、これらはすべて本明細書に参考として組み込まれる。
【0062】
使用方法
本明細書に開示される有機活性化剤含有洗浄組成物は、場所とりわけ表面又は布地を洗浄するために使用することができる。通常、前記場所の少なくとも一部が、良い形態の又は洗浄液で希釈された本出願人らの洗浄組成物の実施形態と接触され、そしてその後所望により当該場所が洗われ及び/又はすすがれる。本発明の目的のために、洗浄には擦ること及び機械的攪拌が含まれるが、これらに限定されない。該布地には、通常の消費者の使用条件で洗濯可能なほとんどあらゆる布地が含まれる。このような洗浄組成物は、典型的には、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は、通常約5℃〜約90℃であり、前記場所が布地を含む場合、水対布地の比は、通常約1:1〜約30:1である。
【0063】
実施例I
【化6】

【0064】
冷却管、温度計、加熱マントル(mantel)、電磁攪拌棒、マグネチックスターラー及び乾燥アルゴン導入口を備えた火炎乾燥した500mLの三つ口丸底フラスコに、3−ドデカンアミドプロピルジメチルアミン(1)(アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Company, Inc.)、1001ウェストセントポールアベニュー、ミルウォーキー、ウィスコンシン州、53233、米国))(10gm、35mmol)及びキシレン(アルドリッチケミカル社)(50ml)を加える。該撹拌溶液に、無水酢酸(アルドリッチケミカル社)5当量及び無水炭酸ナトリウム(アルドリッチケミカル社)2当量を加え、該反応物が還流するまで加温する。該反応物を72時間還流させ、室温まで冷却する。該反応物を琥珀色の固形物になるまで蒸発させ、該固形物をトルエン(アルドリッチケミカル社)200ml中に懸濁させて、飽和NaHCO(アルドリッチケミカル社)で3回(150ml)洗浄する。該トルエン層を、NaSO(アルドリッチケミカル社)で乾燥させ、濾過及び蒸発により琥珀色の油を得る。該油を、高真空蒸留により更に精製し、化合物(2)を得る。該化合物(2)(4.0gm、12mmol)を、アセトニトリル(アルドリッチケミカル社)(50ml)中に溶解させ、該溶液を冷却管、アルゴン導入口、電磁攪拌棒、及びマグネチックスターラーを備えた100mlの丸底フラスコ内で、室温にて、乾燥アルゴン雰囲気下で攪拌する。攪拌溶液に、メチルp−トルエンスルホネート(アルドリッチケミカル社)1当量を加え、反応物を24時間攪拌する。溶媒を、減圧下で除去し、得られた固形物を真空下で乾燥させて粗化合物(3)を得る。該化合物(3)は、結晶化により更に精製することができる。
【0065】
実施例II
【化7】

【0066】
冷却管、温度計、加熱マントル(mantel)、電磁攪拌棒、マグネチックスターラー及び乾燥アルゴン導入口を備えた火炎乾燥した500mLの三つ口丸底フラスコに、3−アセチルアミノ−1−プロパンスルホン酸(4)(トロント・リサーチ・ケミカルズ社(Toronto Research Chemicals Inc.)、2ブリズベンロード、ノース・ヨーク、オンタリオ州、M3J2J8、カナダ))(5gm、28mmol)及びキシレン(アルドリッチケミカル社)(50ml)を加える。該攪拌溶液に、オクタノイルクロライド(アルドリッチケミカル社)1.5当量を加え、反応物を加温し還流させる。該反応物を、72時間還流させ、室温まで冷却し、その後溶媒を減圧下にて除去する。得られた固形物をエタノール中に溶解し、室温にて攪拌する。該攪拌溶液中に、エタノール性水酸化ナトリウム1.1当量を加え、該溶液を室温で24時間攪拌する。得られた固形物を濾過によって集め、粗化合物(5)を得る。
【0067】
実施例III
【化8】

【0068】
冷却管、温度計、加熱マントル(mantel)、電磁攪拌棒、マグネチックスターラー及び乾燥アルゴン導入口を備えた火炎乾燥した500mLの三つ口丸底フラスコに、4−アセトアミドベンゼンスルホン酸(6)(アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Company, Inc.)、1001ウェストセントポールアベニュー、ミルウォーキー、ウィスコンシン州、53233、米国))(10gm、47mmol)及び無水テトラヒドロフラン(アルドリッチケミカル社)(50ml)を加える。該攪拌溶液中に、水素化ナトリウム(アルドリッチケミカル社)2.1当量を加え、反応物をゆっくり加温して還流させ、18時間還流させる。18時間後に、該反応物を室温まで冷却する。次に、反応容器へデカノイルクロライド1.1当量を加え、反応物を再び還流させ、72時間還流する。該反応物を室温まで冷却し、得られた固形物を濾過により集め、粗化合物(7)を得る。該化合物(7)は、アルコールからの再結晶化により更に精製することができる。
【0069】
実施例IV
【化9】

【0070】
冷却管、温度計、加熱マントル(mantel)、電磁攪拌棒、マグネチックスターラー及び乾燥アルゴン導入口を備えた火炎乾燥した500mLの三つ口丸底フラスコに、4−ジエチルアミノアセトアニリド(8)(ケムブリッジ社(ChemBridge Corporation)、16981、ビアタゾン(Via Tazon)、スイートG(Suite G)サンディエゴ、カルフォルニア州、92127、USA)(2gm、10mmol)及び無水テトラヒドロフラン(アルドリッチケミカル社)(25ml)を加える。攪拌溶液中に、水素化ナトリウム(アルドリッチケミカル社)1.1当量を加え、反応物をゆっくり加温して還流させ、18時間還流させる。18時間後に、該反応物を室温まで冷却する。冷却後、該反応物へオクタノイルクロライド1.1当量を加え、該反応物を再び還流させ、その後72時間還流する。該反応物を室温まで冷却し、減圧下で溶媒を除去する。残留物をトルエン(100ml)中に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム(アルドリッチケミカル社)で2回洗浄し、該トルエンを分離し、NaSOで乾燥し、濾過及び蒸発により未精製物(9)を得る。化合物(9)(1.0gm、3mmol)を、アセトニトリル(アルドリッチケミカル社)(10ml)中に溶解させ、該溶液を冷却管、加熱マントル(mantel)、アルゴン導入口、電磁攪拌棒、及びマグネチックスターラーを備えた50mlの丸底フラスコ内で、室温にて、乾燥アルゴン雰囲気下で攪拌する。該攪拌溶液に、メチルp−トルエンスルホネート(アルドリッチケミカル社)1当量を加え、反応物を加温して還流させる。該溶液を24時間還流させてから、周囲温度まで冷却する。溶媒を、減圧下で除去し、得られた固形物を真空下で乾燥させて粗化合物(10)を得る。化合物(10)は、アルコールからの結晶化によって更に精製することができる。
【0071】
実施例V
【化10】

【0072】
実施例Iに記載の通り調製した化合物(2)(1.0gm、3mmol)を、アセトニトリル(アルドリッチケミカル社)(10ml)中に溶解させ、該溶液を冷却管、加熱マントル(mantel)、アルゴン導入口、電磁攪拌棒、及びマグネチックスターラーを備えた50mlの丸底フラスコ内で、室温にて、乾燥アルゴン雰囲気下で攪拌する。該攪拌溶液に、クロロ酢酸ナトリウム塩1当量(アルドリッチケミカル社)を加え、反応物を加温して還流させる。該溶液を24時間還流させてから、室温まで冷却する。溶媒を、減圧下で除去し、得られた固形物を真空下で乾燥させて粗化合物(11)を得る。該化合物(11)は、結晶化により更に精製することができる。
【0073】
実施例VI
ピペラジン−2−オンは、エシュバイラー・クラーク(Eschwiler-Clark)反応によってメチル化される。得られたN−メチルピペラジン−2−オンは、ノナノイルクロライドでアシル化し、アシル化反応の生成物は、メチルトシラートとの反応で四級化され、本発明の有機活性化剤であるN−ノナノイル−N,N’−ジメチルピペラジン−2−オントシラートを得る。
【0074】
実施例VII
冷却管、温度計、加熱マントル(mantel)、電磁攪拌棒、マグネチックスターラー及び乾燥アルゴン導入口を備えた火炎乾燥した500mLの三つ口丸底フラスコに、アセトアニリド(アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Company, Inc.)、1001ウェストセントポールアベニュー、ミルウォーキー、ウィスコンシン州、53233、米国))(10gm、74mmol)及び無水テトラヒドロフラン(アルドリッチケミカル社)(150ml)を加える。攪拌溶液中に、水素化ナトリウム(アルドリッチケミカル社)1.1当量を加え、反応物が還流するまでゆっくりと加温し、1時間還流させる。1時間後に、該反応物を室温にまで冷却する。次に、反応容器へノナノイルクロライド(アルドリッチケミカル社)1.1当量を加え、該反応物を50℃にて、8時間攪拌する。該反応物を低温まで冷却し、乾燥するまで蒸発させる。得られた固形物を、5%重炭酸ナトリウム溶液(100ml)中にて懸濁させ、イミド(17)を塩化メチレン(150ml)中にて抽出する。有機相を分離し、2回、水(150ml)で洗浄し、分離した該有機相をNaSO(アルドリッチケミカル社)で乾燥させ、濾過、蒸発して、半固体の粗化合物(17)を得る。該粗製物質を、クロロスルホン酸(25ml)に加え、60℃にて2時間攪拌する。該反応物を室温まで冷却し、クラッシュ・アイス(60ml)に滴下して加える。加える操作が完了したら、得られた固形物を集めて、水で洗浄し、該固定物をエタノールに溶解する。該溶液に、水酸化ナトリウム1当量を加え、得られた固形物を濾過により集めて、エタノールで洗浄し、乾燥させて、所望のナトリウム塩(18)を得る。
【化11】

【0075】
実施例VIII
粒状洗濯洗剤の形態を有する漂白組成物は、以下の処方によって例示される。
【表1】

1実施例I〜VIIいずれかに記載の漂白活性化剤
【0076】
実施例IX
本実施例は、漂白組成物、より具体的には、本発明の液体漂白剤添加剤組成物を示す。
【表2】

1アルキルエトキシレートは、シェルオイル社(Shell Oil Company)より入手可能である。
2実施例I〜VIIのいずれかに記載の漂白活性化剤。
【0077】
実施例X
粒状自動食器洗浄用洗剤組成物は、以下のものを含む。
【表3】

1実施例I〜VIIのいずれかに記載の漂白活性化剤。
これらの過酸化水素供給源は、利用可能な酸素の重量%基準で表示される。全組成物の百分率基準に換算するには、約0.15で除する。
遷移金属漂白触媒:ペンタアミンアセトコバルト(III)ニトレートは、MnTACNで置き換えてもよい。
【0078】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式を有する化合物。
【化1】

[上記式中、
a.)Rは、少なくとも5個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキル又はアリール部分、好ましくはRは、5〜17個、より好ましくは7〜13個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキル又はアリール部分、
b.)Rは、5個未満の炭素原子、好ましくは1〜2個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキル部分、
c.)Rは、架橋部分、
d.)Rは、帯電部分、好ましくはRは、20個未満の炭素原子を含む陰イオン性、陽イオン性又は双性イオン性部分、より好ましくはRは、カルボキシレート類、サルフェート類、スルホネート類又はアンモニウム部分からなる群から選択される陰イオン性部分、
e.)各Gは、独立して−C(O)−、−S(O)−又は−S(O)−からなる群から選択される部分、
f.)Zは、存在するときには、荷電平衡対イオンであり、好ましくはZは、ハロゲン化合物類、カルボキシレート類、カーボネート類、サルフェート類、スルホネート類、ホスフェート類若しくはホスホネート類からなる群から選択される陰イオン性部分又はリチウムイオン類、ナトリウムイオン類、カリウムイオン類、アンモニウムイオン類、水素イオン類、カルシウムイオン類若しくはマグネシウムイオン類からなる群から選択される陽イオン性部分である。]
【請求項2】
又はRの少なくとも1つが、R又はRの少なくとも1つに直接共有結合している、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、置換芳香族部分、非置換芳香族部分又は下記式:
−(CR−X−Q−X−[(CR−0]−(CR10
[上記式中、
a.)インデックスb及びcは、それぞれ独立して0又は1であり、好ましくはインデックスb及びcは0であり、
b.)cが0で、dが0の場合、インデックスdは、0又は1であり、
c.)インデックスa及びgは、それぞれ独立して0〜10の整数であり、好ましくはインデックスa及びgは、a又はgの1つが0でない場合、独立して0〜3の整数であり、
d.)インデックスfは、0〜20の整数であり、好ましくはインデックスfは、0であり、
e.)インデックスeは、1〜6の整数であり、
f.)R、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立にH、
置換C〜C20アルキル、非置換C〜C20アルキル、置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリール又は非置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリールであり、
g.)各Xは、独立してO,S,NR11から選択され、式中、R11は、
H、置換C〜C20アルキル、非置換C〜C20アルキル、
置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリール、又は非置換C〜C10アリール若しくはヘテロアリールから選択され、及び
h.)Qは、CO、SO、SO、PO又はPOである。]
を有する部分から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
a.)化学式
−(CR−X−Q−X−[(CR−O]−(CR10
で、インデックスb、c、d及びfは、0であり、インデックスa及びgの合計は、2〜6の整数であり、そして各R、R、R及びR10は、Hであり、
b.)Rは、C〜C11アルキルから選択され、
c.)Rは、メチルであり、
d.)各Gは、−C(O)−であり、及び
e.)Rは、式−N(R11を有する陽イオン性アンモニウムであり、式中、R11は、C〜Cアルキル、又は式−SOを有する陰イオン性部分であり、
f.)Zは、帯電平衡対イオンである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
、R、R又はR10部分の少なくとも1つのが、別のR、R、R又はR10部分の少なくとも1つに共有結合している、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
が、置換芳香族部分、非置換芳香族部分又は下記式:
−(CR−X−Q−X−[(CR−O]−(CR10
[上記式中、
a.)インデックスb、c、d及びfが、0であり、及び
b.)a又はgの一つが0でない場合に、インデックスa及びgが、独立して0〜3の整数である。]
を有する部分から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
a.)請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、
b.)少なくとも1つの補助剤成分、及び
c.)所望により、過酸素供給源、過酸化水素及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む、洗浄組成物。
【請求項8】
a.)請求項4に記載の化合物、
b.)少なくとも1つの補助剤成分、及び
c.)所望により、過酸素供給源、過酸化水素及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む、洗浄組成物。
【請求項9】
該組成物が、漂白増強化合物、触媒金属錯体及びこれらの組み合わせから成る群から選択される物質を含む、請求項7に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
a.)少なくとも場所の一部分を、請求項7に記載の洗浄組成物で接触させること、及び
b.)次に、所望により前記場所又は前記場所の前記一部分を洗浄及び/又はすすぎ洗いすることを含む、場所を洗浄する方法。

【公表番号】特表2008−501040(P2008−501040A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515633(P2007−515633)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/019637
【国際公開番号】WO2005/118526
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】