説明

有機物の燃焼化装置及び燃料化方法

【課題】燃焼装置に、ガス化装置で発生させた高温ガスを導入する一方で、ガス化装置で発生するガスを燃焼装置の燃料とすることで熱効率の高い有機物の燃焼化装置を提供すること。
【解決手段】本発明の有機物の燃焼化装置は、有機物を炭化処理することでガスを発生させるガス化装置10と、ガス化装置10で発生させたガスを燃料とする燃焼装置20とを有し、燃焼装置20を、燃焼空間21aを形成する第一の筒21と、空気流通路22a、22bを形成する第二の筒22とで構成し、燃焼空間21aの輻射熱を、空気流通路22a、22bを流れる空気に与え、第二の筒22で加熱された加熱空気をガス化装置10内に導入し、加熱空気によってガス化装置10内の可燃物をガス化させ、ガス化装置10内で発生したガスを燃焼空間21a内に導入して燃焼させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物をガス化し、このガスを燃焼用燃料として利用できる有機物の燃焼化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機物をガス化し、このガスを燃焼用燃料として利用できる有機物の燃焼化装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、有機物から発生させたガスによって、有機物を乾燥又は発酵させ、その後にこのガスに空気を混合してバーナーで燃焼させている。
また、特許文献2では、有機物から発生させたガスを燃焼室で燃焼させ、この燃焼ガスによって有機物を乾燥させている。
また、特許文献3では、有機物から発生させたガスを燃焼炉の燃料として利用することで、運転当初以外は、この有機物から発生させたガスを燃料として運転する装置を提案している。
なお、有機物を堆肥化する場合には、発酵工程を必要とする(例えば特許文献4)。
しかし、有機物を加熱して炭化させる場合には、発酵させる必要がないため、あえて発酵に時間をかけることは行っていない。
【特許文献1】特開平10−66951号公報
【特許文献2】特開2000−117220号公報
【特許文献3】特開2001−3062号公報
【特許文献4】特開2002−126700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1で提案されている装置では、有機物を炭化させるために、バーナーを備えており、このバーナーの燃料として有機物から発生させたガスを利用するものではない。また、有機物から発生させたガスは、有機物の乾燥に用いた後にバーナーで燃焼させるために、燃焼温度を低下させてしまう。また、燃焼用空気を外部から取り入れているために、更に燃焼温度は低下してしまう。さらにこの燃焼熱を有機物の乾燥に利用する構成を提案しているが、完全燃焼させる構成は提案されていない。従って、有機物から発生させたガスの燃焼温度は、十分に高くなく、更に完全燃焼させるための構成となっていないことから、排気ガスに、ダイオキシンなどの有害物質が含まれてしまう可能性がある。
また、特許文献2で提案されている装置でも、有機物を炭化させるために、バーナーを備えており、このバーナーの燃料として有機物から発生させたガスを利用するものではない。また、有機物から発生させたガスは、バーナーで燃焼させているが、完全燃焼させる構成は提案されていない。従って、排気ガスに、ダイオキシンなどの有害物質が含まれてしまう可能性がある。なお、特許文献2では、燃焼用空気の温度を高める構成が示されているが、熱交換器を介在させて、バーナーの廃熱を利用する構成であり、装置が複雑化するとともにバーナーの廃熱を燃焼用空気の加熱だけに利用するために熱損失が大きい。
また、特許文献3で提案されている装置では、有機物から発生させたガスを燃焼炉の燃料として利用しているが、燃焼用空気を外部から取り入れているために、燃焼温度を高くしにくい。また、本装置の燃焼室は、筒状に構成され、一端から他端に向かって燃焼ガスが移動するが、燃焼温度は一端が最も高く、その後は低下するだけであるので、不完全燃焼による未燃ガスが存在する可能性が高くなり、排気ガスに、ダイオキシンなどの有害物質が含まれてしまう可能性が高くなってしまう。
【0004】
そこで本発明は、燃焼装置に、ガス化装置で発生させた高温ガスを導入する一方で、ガス化装置で発生するガスを燃焼装置の燃料とすることで熱効率の高い有機物の燃焼化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の有機物の燃焼化装置は、有機物を炭化処理することでガスを発生させるガス化装置と、前記ガス化装置で発生させたガスを燃料とする燃焼装置とを有する有機物の燃焼化装置であって、前記燃焼装置を、燃焼空間を形成する第一の筒と、空気流通路を形成する第二の筒とで構成し、前記燃焼空間の輻射熱を、前記空気流通路を流れる空気に与え、前記第二の筒で加熱された加熱空気を前記ガス化装置内に導入し、前記加熱空気によって前記ガス化装置内の可燃物をガス化させ、前記ガス化装置内で発生したガスを前記燃焼空間内に導入して燃焼させることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の有機物の燃焼化装置において、前記第一の筒を、内部を燃焼空間とする内管とし、前記空気流通路を通過させた前記加熱空気の一部を、前記燃焼空間に導入する燃焼用空気としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の有機物の燃焼化装置において、前記空気流通路の上流側に空気導入口を設け、前記空気流通路の下流側に空気吐出口を設け、前記空気流通路の空気流れ方向と前記内管の燃焼流れ方向を同一方向とすることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の有機物の燃焼化装置において、前記燃焼用空気を前記燃焼空間の上流側に導入する一次燃焼用空気導入管と、前記燃焼用空気を前記燃焼空間の下流側に導入する二次燃焼用空気導入管と、前記一次燃焼用空気導入管に燃料を供給する追加燃料配管と、前記追加燃焼配管から前記一次燃焼用空気導入管に供給する前記燃料の量を調整するバルブと、前記燃焼空間の二次燃焼よりも下流側位置の温度を検出する温度センサーと、前記温度センサーからの信号に基づいて前記バルブの開閉制御を行う制御部とを備え、前記制御部では、前記温度センサーによる検出温度が低下したときに前記バルブを開動作させることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項2に記載の有機物の燃焼化装置において、前記内管の下流側端部に絞り部を形成したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項2に記載の有機物の燃焼化装置において、前記内管の下流側端部に、ハニカム状の加熱体を形成したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載の有機物の燃焼化装置において、前記燃焼装置の温度を、前記ガス化装置への前記可燃物の投入量によって制御することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の有機物の燃焼化装置において、前記燃焼装置の温度を、前記燃焼用空気吐出口からの空気量によって制御することを特徴とする。
請求項9記載の本発明の有機物の燃料化方法は、前記有機物を粉砕する粉砕工程と、粉砕後の前記有機物を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程の後に加熱によってガス化する気化工程とを有し、前記気化工程で発生させたガスを燃焼用ガスとする有機物の燃料化方法であって、前記乾燥工程の前に、前記有機物を一次発酵分解させる発酵工程を有することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1に記載の有機物の燃焼化装置において、前記ガス化装置として、円筒形状のガス化空間を形成する外筒管を備え、前記外筒管の上部には、前記有機物を投入する投入管と前記有機物の加熱によって生じるガスを導出する吐出管とを設け、前記外筒管の下部には、前記有機物の加熱によって生じる炭化物を排出する排出管とを設けたことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項10に記載の有機物の燃焼化装置において、前記投入管と前記排出管とを循環経路によって接続し、前記有機物を前記循環経路を介して前記導入管から供給し、前記循環経路内の加熱空気が循環されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、燃焼装置に、ガス化装置で発生させた高温ガスを導入し、この高温ガスには空気が存在するため、燃焼温度を低下させることなく、継続的な安定した燃焼を行うことができる。
また本発明によれば、燃焼空間の輻射熱を、ガス化装置内に導入する加熱空気と、燃焼空間に導入する燃焼用空気として利用することができる。
また本発明によれば、燃焼空間での下流側での温度低下を防止することができ、燃焼空間において完全燃焼を行わせることができる。
また本発明によれば、十分に温度を高めた燃焼用空気を燃焼空間に導入することで、燃焼空間の下流側での燃焼温度を高めることができ、完全燃焼を行わせることができる。
また本発明によれば、絞り部やハニカム状の加熱体によって、燃焼温度を高め、完全燃焼を行わせることができる。
また本発明によれば、燃焼空間の温度を、ガス化装置への可燃物の投入量によって制御することで、流量制御弁などを用いずに燃焼量を制御でき、特に高温下での装置の信頼性を高めることができる。
また本発明によれば、燃焼空間の温度を、燃焼用空気吐出口からの空気量によって制御することで、完全燃焼を行いやすくすることができる。
また本発明によれば、乾燥工程の前に、有機物を一次発酵分解させることで、発酵させることなく乾燥させる場合と比較して、トータルでの熱効率を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態による有機物の燃焼化装置は、燃焼装置を、燃焼空間を形成する第一の筒と、空気流通路を形成する第二の筒とで構成し、燃焼空間の輻射熱を、空気流通路を流れる空気に与え、第二の筒で加熱された加熱空気をガス化装置内に導入して、加熱空気によってガス化装置内の可燃物をガス化させ、ガス化装置内で発生したガスを燃焼空間内に導入して燃焼させるものである。本実施の形態によれば、有機物を炭化処理するための加熱気体として、燃焼ガスを用いるのではなく、新鮮な空気を加熱空気として用いる。従って、ガス化装置で発生したガスには、燃焼に必要な空気が存在するため、新たに空気を混合することなく、ガス化装置で発生したガスを燃焼装置に導入して燃焼させることができる。そのため、燃焼装置では、高温で空気の混ざったガスが導入されるため、燃焼温度を低下させることがなく、継続的な安定した燃焼を行うことができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、第一の筒を、内部を燃焼空間とする内管とし、空気流通路を通過させた加熱空気の一部を、燃焼空間に導入する燃焼用空気としたものである。本実施の形態によれば、燃焼空間の輻射熱を、ガス化装置に導入する空気の加熱に用いるとともに、燃焼空間に導入する燃焼用空気の加熱に用いることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、空気流通路の上流側に空気導入口を設け、空気流通路の下流側に空気吐出口を設け、空気流通路の空気流れ方向と内管の燃焼流れ方向を同一方向とするものである。本実施の形態によれば、空気の流れ方向と燃焼流れ方向とを同一方向とすることで、燃焼温度の下流側での低下を防止することができ、完全燃焼を行わせることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第2の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、燃焼用空気を燃焼空間の上流側に導入する一次燃焼用空気導入管と、燃焼用空気を燃焼空間の下流側に導入する二次燃焼用空気導入管と、一次燃焼用空気導入管に燃料を供給する追加燃料配管と、追加燃焼配管から一次燃焼用空気導入管に供給する燃料の量を調整するバルブと、燃焼空間の二次燃焼よりも下流側位置の温度を検出する温度センサーと、温度センサーからの信号に基づいてバルブの開閉制御を行う制御部とを備え、制御部では、温度センサーによる検出温度が低下したときにバルブを開動作させるものである。本実施の形態によれば、追加燃料配管から燃料を供給することで、燃焼温度の低下を防止することができるとともに、十分に温度を高めた燃焼用空気を燃焼空間に導入することで、燃焼空間の下流側での燃焼温度を高めることができ、完全燃焼を行わせることができる。
本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、内管の下流側端部に絞り部を形成したものである。本実施の形態によれば、絞り部によって流速を高め、燃焼温度を高めることができるので、完全燃焼を行わせることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第2の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、内管の下流側端部に、ハニカム状の加熱体を形成したものである。本実施の形態によれば、ハニカム状の加熱体によって流速を高め、燃焼温度を高めることができるので、完全燃焼を行わせることができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、燃焼装置の温度を、ガス化装置への可燃物の投入量によって制御するものである。本実施の形態によれば、燃焼装置に供給する燃焼ガス量を可燃物の投入量によって制御することで、燃焼ガスの流量制御弁などを用いないため、特に高温下での装置の信頼性を高めることができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、燃焼装置の温度を、燃焼用空気吐出口からの空気量によって制御するものである。本実施の形態によれば、燃焼空間の下流側で導入する空気によって燃焼温度を制御することで、完全燃焼を行いやすくすることができる。
本発明の第9の実施の形態による有機物の燃焼化方法は、乾燥工程の前に、有機物を一次発酵分解させる発酵工程を有するものである。本実施の形態によれば、発酵させることなく乾燥させる場合と比較して、有機物から発生させるガス量が発酵によって減少するが、乾燥に要する加熱量を減少させることができるので、トータルでの熱効率を高くすることができる。
本発明の第10の実施の形態は、第1の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、ガス化装置として、円筒形状のガス化空間を形成する外筒管を備え、外筒管の上部には、有機物を投入する投入管と有機物の加熱によって生じるガスを導出する吐出管とを設け、外筒管の下部には、有機物の加熱によって生じる炭化物を排出する排出管とを設けたものである。本実施の形態によれば、有機物を自然落下によって下方に導くことで、下方に移動するに従って加熱処理を進行させることができ、炭化処理時間を十分に確保することができる。
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態による有機物の燃焼化装置において、投入管と排出管とを循環経路によって接続し、有機物を循環経路を介して導入管から供給し、循環経路内の加熱空気が循環されるものである。本実施の形態によれば、炭化処理後の有機物の排出による温度低下を防止することができ、ガス化空間の温度を高温に維持することができる。
【実施例】
【0008】
以下本発明の一実施例による有機物の燃焼化装置について説明する。
図1は本実施例による有機物の燃焼化装置を示す構成図、図2は図1のII―II線断面図、図3は同実施例による装置の配置図である。
【0009】
図1に示すように、本実施例による有機物の燃焼化装置は、有機物を炭化処理することでガスを発生させるガス化装置10と、ガス化装置10で発生させたガスを燃料とする燃焼装置20と、ガス化装置10へ投入する有機物を乾燥させる乾燥装置40とを有する。
ガス化装置10は、両端を閉塞した円筒形状のガス化空間11aを形成する外筒管11と、この外筒管11内部に配置される攪拌搬送部材12とを有する。外筒管11は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材13で内周部を覆っている。外筒管11の上部には、外筒管11の一端側に投入管14を、外筒管11の他端側にガス吐出管15を接続している。なお、投入管14には、投入管14の通路の開閉を行う開閉弁14bが設けられている。また、外筒管11の下部には、多数の空気吐出孔16が形成されている。また外筒管11の他端側の下部には、炭化有機物を排出する排出管17を設けている。
攪拌搬送部材12は、送り羽根12aと、この送り羽根12aを回転させる回転軸12bと、この回転軸12bを駆動する駆動モータ12cとから構成されている。送り羽根12aには、複数の突起を備えており、この突起によって有機物を攪拌することができる。
外筒管11内部には、乾燥装置40で乾燥させた有機物とともに加熱材18を投入することが好ましい。ここで加熱材18は、金属、陶磁器、溶融スラズ、自然石で構成する。加熱材18の形状は、円柱形状、楕円球形状、球形状、破砕形状のもので、球形状や楕円球形状が最も好ましい。この加熱材18を有機物に混合することによって、加熱材18からの熱で有機物を加熱するとともに、ガス化時における有機物の固形化を防止することができる。また、加熱材18と有機物との混合物は、有機物だけの場合と比較して流動性もよい。
外筒管11の下部には、加熱空気供給部19を備え、この加熱空気供給部19には加熱空気導入口19aを有する。また、加熱空気導入口19aに熱風を送出するガス化予熱バーナー19bが設けられている。
【0010】
燃焼装置20は、図2にも示すように、燃焼空間21aを形成する円筒形状の第一の筒(内管)21と、内管21との間に第一の空気流通路22a及び第二の空気流通路22bを形成する円筒形状の第二の筒(外管)22とを有する。内管21の一端側には、始動バーナー23aと連通する燃焼口23と、ガス化装置10からのガスを吐出させる燃料供給口24を有する。内管21の他端側には、下流側の流路径を小さくした円錐台形の絞り部25aが形成され、この絞り部25aの下流側であって、外管22よりも外方には加熱体25bが接続されている。ここで加熱体25bは、断面がハニカム状の複数の通路を形成している。また、内管21の下流側には、第二の空気流通路22bと連通する多数の孔21bが設けられている。また、絞り部25aにも、第二の空気流通路22bと連通する複数の孔21cを設けることが好ましい。絞り部25aの外周部及び加熱体25bの外周部は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材25cで覆っている。
外管22は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材26で内周部を覆っている。外管22には、一端側に第一の空気導入口27及び第二の空気導入口28を、他端側に空気吐出口29を有する。また、燃焼装置20は、第一の空気導入口27に空気を送り込む送風機27aと、第二の空気導入口28に空気を送り込む送風機28aを備えている。
内管21と外管22との間の空間は、内管21及び外管22の軸線に平行に設けた分離板30によって、第一の空気流通路22aと第二の空気流通路22bとに仕切られている。
第一の空気導入口27及び空気吐出口29は、第一の空気流通路22aに設けており、第二の空気導入口28及び孔21b、21cは、第二の空気流通路22bに設けている。
【0011】
乾燥装置40は、乾燥空間41aを形成する円筒形状の外筒41と、この外筒41内部に配置される攪拌部材42とを有する。攪拌部材42は、攪拌羽根42aと、この攪拌羽根42aを回転させる攪拌軸42bと、この攪拌軸42bを駆動する駆動モータ42cとから構成されている。攪拌羽根42aは、櫛状の板で構成されていることが好ましく、大きな塊の有機物を、この櫛状の板で解塊するとともに、小さな塊の有機物だけを投入口44に導く構成が好ましい。また、外筒41の底面には、内部を加熱する加熱空間43を形成している。そして加熱空間43には、加熱空気を導入する加熱空気吹出口43aと、導入した加熱空気を排出する加熱空気排出口43bとが接続されている。また、外筒41の底面には、ガス化装置10の投入管14を接続する投入口44が設けられている。
なお、乾燥装置40には、有機物とともに加熱材18を投入することで、有機物の乾燥を促進するとともに、有機物を解塊することができる。
【0012】
ガス化装置10のガス吐出管15と燃焼装置20の燃料供給口24とはガス配管51で連接され、燃焼装置20の空気吐出口29とガス化装置10の加熱空気導入口19aとは空気配管52で連接されている。ガス配管51には、液体物を投入する液物投入管51aが設けられている。
ガス化装置10には、ガス化空間11a内の温度を検出する温度検出センサー53aを、燃焼装置20には、燃焼空間21a内の温度を検出する温度検出センサー53b、第二の空気流通路22b内の温度を検出する温度検出センサー53c、加熱体25b内の温度を検出する温度検出センサー53dを、それぞれ設けている。
また、それぞれの温度検出センサー53a、53b、53c、53dの検出信号は、制御部54に入力される。制御部54では、これらの検出信号に基づいて、ガス化予熱バーナー19b、駆動モータ12c、始動バーナー23a、送風機27a、28aの運転制御を行う。
ガス化装置10と燃焼装置20とは、図3に示すように併設することで、小型の装置を実現できるとともに、燃焼装置20で加熱した空気をガス化装置10に有効に利用できるとともに、ガス化装置10で発生させたガスを燃焼装置20で有効に利用できる。
【0013】
次に、本実施例による有機物の燃焼化装置の動作について説明する。
まず、本装置を動作させる前に、図示しない装置によって、有機物を粉砕し、一次発酵による分解を行う。一次発酵は、発酵熱によって自然発酵させてもよいが、発酵菌を投入して所定温度に加温して行うことが好ましい。一次発酵させた有機物を本装置における乾燥装置40に投入して乾燥させる。有機物をガス化させて燃焼用燃料とする場合には、一次発酵工程を行うことで発生ガス量は減少するが、一次発酵によって乾燥工程で必要とする熱量を減らすことができ、トータルとして熱効率を高めることができる。
なお、本装置で利用可能な有機物としては、木材、プラスチック材、植物、食物残渣、汚泥、廃油などがあり、特に埋め立てや焼却処分の対象となっている廃棄物、プラスチックその他の混入によって堆肥化が困難な食物残渣、間伐材、農作物から生じる枝葉が適している。
【0014】
最初に、ガス化予熱バーナー19bと始動バーナー23aを作動させ、ガス化装置10のガス化空間11aと、燃焼装置20の燃焼空間21aとを加熱する。
ガス化空間11a内には、あらかじめ加熱材18を投入しておくことが好ましい。
温度検出センサー53aによって、ガス化空間11aの温度が、400℃〜500℃に上昇したことを検出すると、開閉弁14bを開放して乾燥装置40から乾燥有機物をガス化装置10に投入する。また、駆動モータ12cを動作させることで、投入された乾燥有機物を、送り羽根12aによって攪拌しながら、外筒管11の一端から他端に向けて搬送する。乾燥有機物は、外筒管11の一端から他端に向けて搬送される間に、ガス化される。例えば油は120℃〜200℃の温度でガス化され、木材は220℃〜330℃の温度でガス化され、プラスチック材は230℃〜280℃でガス化される。従って、ガス化空間11aの内部温度が350℃程度であれば、ほとんどの有機物はガス化され、ガス化された後には炭化物が残留する。この炭化物は、加熱材18とともに排出管17から排出される。
ガス化空間11aにて発生したガスは、ガス吐出管15から排出され、ガス配管51を経由し、燃焼装置20の燃料供給口24から燃焼空間21aに供給される。
燃焼装置20では、始動バーナー23aによって600℃〜700℃に加熱されており、ガス化空間11aで発生したガスが導入されることで、始動バーナー23aを停止する。始動バーナー23aの停止は、ガス化空間11aにおける所定温度の検出から所定時間遅延させることで行うことができる。
【0015】
燃焼装置20では、始動バーナー23aの作動とともに、又は始動バーナー23aの作動から所定時間遅延させて、送風機27a、28aを作動させる。
送風機27aによって空気導入口27から第一の空気流通路22aに送り込まれた空気は、第一の空気流通路22aを通過する間に加熱される。そして加熱された空気は、空気吐出口29から吐出され、空気配管52を経由してガス化装置10の加熱空気導入口19aから加熱空気供給部19に導入される。加熱空気供給部19に導入された加熱空気は、空気吐出孔16からガス化空間11a内に噴出し、ガス化空間11a内に導入される。
一方、送風機28aによって空気導入口28から第二の空気流通路22bに送り込まれた空気は、第二の空気流通路22bを通過する間に加熱される。そして加熱された空気は、孔21b、21cから燃焼空間21a内に吐出される。燃焼空間21a内では、孔21b、21cからの加熱空気の導入によって燃焼が促進され、さらに絞り部25a、加熱体25bを通過することで完全燃焼し、900℃〜1100℃の熱風となって外部へ吐出される。
始動運転後の安定運転状態では、制御部54は、送風機27aの送風量を調整することで、温度検出センサー53bで検出される燃焼空間21aの温度を所定範囲となるように制御する。
しかし、温度検出センサー53bでの検出温度が所定範囲の温度を下回ると、乾燥装置40からガス化装置10への有機物の投入量を増加することで、燃焼空間21aへのガス供給量を増加させる。また、燃焼空間21aへのガス供給量を増加させても温度検出センサー53bでの検出温度が所定温度に到達しない場合には、始動バーナー23aを作動させる。
温度検出センサー53cでの検出温度が所定温度以下となると、送風機28aから第二空気流通路22bへの空気の供給量を減少させることで、燃焼空間21aへの供給空気の温度を高める。
温度検出センサー53dでの検出温度が温度検出センサー53bでの検出温度以下となると、送風機28aから第二空気流通路22bへの空気の供給量を増加させることで、燃焼空間21aへの供給空気量を増加させる。
【0016】
以上のように、本実施例によれば、燃焼空間21aの輻射熱を、第一の空気流通路22aを流れる空気に与え、第一の空気流通路22aで加熱された加熱空気をガス化装置10内に導入し、この加熱空気によってガス化装置10内の可燃物をガス化させ、ガス化装置10内で発生したガスを燃焼空間21a内に導入して燃焼させる。従って、有機物を炭化処理するための加熱気体として、新鮮な空気を加熱空気として用いるため、ガス化装置10で発生したガスには、燃焼に必要な空気が存在し、新たに空気を混合することなく、ガス化装置10で発生したガスを燃焼装置20に導入して燃焼させることができる。このように、燃焼装置20では、空気の混ざった高温ガスが導入されるため、燃焼温度を低下させることなく、継続的な安定した燃焼を行うことができる。
また本実施例によれば、第一の空気流通路22aを通過させた空気を、ガス化装置10内に導入する加熱空気とし、第二の空気流通路22bで加熱した空気を燃焼空間21aに導入する燃焼用空気としているので、燃焼空間21aの輻射熱を、有効に利用して熱効率の高い装置を提供することができる。
また、本実施例によれば、第一の空気流通路22aの上流側に空気導入口27を設け、第一の空気流通路22bの下流側に空気吐出口29を設け、第一の空気流通路22aの空気流れ方向と燃焼空間21aの燃焼流れ方向を同一方向とすることで、燃焼温度の下流側での低下を防止することができ、燃焼空間21aにおいて完全燃焼を行わせることができる。
また、本実施例によれば、第二の空気流通路22bの上流側に空気導入口28を設け、第二の空気流通路22bの下流側に燃焼用空気吐出口21b、21cを設け、第二の空気流通路22bの空気流れ方向と燃焼空間21aの燃焼流れ方向を同一方向とすることで、燃焼空間21aの下流側での温度低下を防止することができるとともに、十分に温度を高めた燃焼用空気を燃焼空間21aに導入することで、燃焼空間21aの下流側での燃焼温度を高めることができ、完全燃焼を行わせることができる。
また、本実施例によれば、燃焼空間21aの下流側端部に絞り部25aを形成し、更にハニカム状の加熱体25bを形成することで、燃焼温度を高め完全燃焼を行わせることができる。
また、本実施例によれば、燃焼空間21aの温度を、ガス化装置10への可燃物の投入量によって制御することで、流量制御弁などを用いずに燃焼量を制御でき、特に高温下での装置の信頼性を高めることができる。
また、本実施例によれば、燃焼空間の温度を、燃焼用空気吐出口21b、21cからの空気量によって制御することで、完全燃焼を行いやすくすることができる。
また、本実施例によれば、乾燥工程の前に、有機物を一次発酵分解させることで、発酵させることなく乾燥させる場合と比較して、トータルでの熱効率を高くすることができる。
【0017】
次に本発明の他の実施例による有機物の燃焼化装置について説明する。
図4は本実施例による有機物の燃焼化装置の要部を示す構成図である。
本実施例による有機物の燃焼装置では、図1に示す燃焼用空気吐出口21cを、内管21に設ける代わりに、内管21内に挿入した空気導入管21dに設けたものである。空気導入管21dは、その一端を内管21に設けるとともに、その他端を燃焼空間21aの中心部であって、絞り部25aの位置に配置して構成する。そして、空気導入管21dの他端側に複数の燃焼用空気吐出口21cを設けている。ここで燃焼用空気吐出口21cは、切り起こしや通路構成によって、下流側に向かって空気が噴出することが好ましい。なお、その他の構成は、図1から図3に示す実施例と同じであるため説明を省略する。
本実施例のように、燃焼用空気吐出口21cを空気導入管21dに設けることで、図1に示すように耐火材25cに加工を施す必要が無いため製造が容易となる。
【0018】
以下本発明の更に他の実施例による有機物の燃焼化装置について説明する。
図5は本実施例による有機物の燃焼化装置を示す構成図、図6は図5のIII―III線断面図である。
図5に示すように、本実施例による有機物の燃焼化装置は、有機物を炭化処理することでガスを発生させるガス化装置10と、ガス化装置10で発生させたガスを燃料とする燃焼装置20と、ガス化装置10へ投入する有機物を乾燥させる乾燥装置40とを有する。
ガス化装置10は、上下方向を軸とする円筒形状のガス化空間11aを形成する外筒管11を備えている。外筒管11は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材13で外周部を覆われている。外筒管11の上部には、投入管14が接続されるとともにガス吐出管15を接続している。また、外筒管11の内部下方には、加熱空気供給部19が配置されている。この加熱空気供給部19には加熱空気導入口19aを有する。また外筒管11の下部には、炭化有機物と加熱材18を排出する排出管17を設けている。そして、外筒管11と耐火材13との間に熱風を送出するガス化予熱バーナー19bが設けられている。
ここで、図6に示すように、加熱空気供給部19は、環状に形成され、複数の空気吐出孔16は、中心に向けて噴出するように放射状に設けられている。また、環状に形成された加熱空気供給部19の上部には、キノコ状の複数の突出部19cを設けている。
このように、複数の空気吐出孔16を中心に向けて放射状に設けるとともに、キノコ状の複数の突出部19cを設けることで、高温空気の上昇速度と有機物の降下速度を遅延させるとともに、有機物の間に高温空気を効果的に供給することができる。
外筒管11内部には、乾燥装置40で乾燥させた有機物とともに加熱材18が投入される。加熱材18は、既に上記実施例で説明した通り、金属、陶磁器、溶融スラズ、自然石で構成され、円柱形状、楕円球形状、球形状、破砕形状をし、球形状や楕円球形状が最も好ましい。この加熱材18を有機物に混合することによって、加熱材18からの熱で有機物を加熱するとともに、ガス化時における有機物の固形化を防止することができる。また、加熱材18と有機物との混合物は、有機物だけの場合と比較して流動性もよい。
投入管14及び排出管17は、循環経路61に接続されている。循環経路61内には、チェーンコンベアのような移送手段62が設けられている。移送手段62は、駆動モータ12Cによって駆動される。循環経路61内の加熱空気は、循環経路61内を循環する。
【0019】
燃焼装置20は、燃焼空間21aを形成する円筒形状の第一の筒(内管)21と、内管21との間に空気流通路22aを形成する円筒形状の第二の筒(外管)22とを有する。内管21の一端側には、始動バーナー23aと連通する燃焼口23と、ガス化装置10からのガスを吐出させる燃料供給口24と、空気流通路22aで加熱された加熱空気を燃焼空間21aの上流側に導入する一次燃焼用空気口21eとを有する。内管21の他端側には、下流側の流路径を小さくした円錐台形の絞り部25aが形成され、この絞り部25aの下流側であって、外管22よりも外方には加熱体25bが接続されている。ここで加熱体25bは、断面がハニカム状の複数の通路を形成している。また、内管21の下流側には、空気流通路22aで加熱された加熱空気が噴出する二次燃焼用空気口21fが設けられている。この二次燃焼用空気口21fを形成する空気配管52cは、内管21の一端側から挿入されている。絞り部25aの外周部及び加熱体25bの外周部は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材25cで覆っている。また、加熱体25bの出口には、熱交換部25dが設けられている。
外管22は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材26で内周部を覆っている。外管22には、一端側に空気導入口28を、他端側に空気吐出口29を有する。燃焼装置20は、空気導入口28に空気を送り込む送風機28aを備えている。
【0020】
乾燥装置40は、乾燥空間41aを形成する円筒形状の外筒41と、この外筒41内部に配置される攪拌部材42とを有する。攪拌部材42は、攪拌羽根42aと、この攪拌羽根42aを回転させる攪拌軸42bと、この攪拌軸42bを駆動する駆動モータ42cとから構成されている。攪拌羽根42aは、櫛状の板で構成されていることが好ましく、大きな塊の有機物を、この櫛状の板で解塊するとともに、小さな塊の有機物だけを投入口44に導く構成が好ましい。また、外筒41の底面には、内部を加熱する加熱空間43を形成している。そして加熱空間43には、加熱空気を導入する加熱空気吹出口43aと、導入した加熱空気を排出する加熱空気排出口43bとが接続されている。また、外筒41の底面には、投入管14に接続する投入口44が設けられている。投入管14は、ホッパー45に接続されている。
なお、乾燥装置40には、有機物とともに加熱材18を投入することで、有機物の乾燥を促進するとともに、有機物を解塊することができる。
投入管14には、投入管14の通路の開閉を行う開閉弁14bが設けられている。
また、ホッパー45の出口は、通路の開閉を行うダンパー46を介して、循環経路61に接続されている。また、循環経路61には、排出管17の接続位置より下流側でホッパー45の接続位置より上流側に、灰出し部63が設けられている。この灰出し部63では、一定の大きさ以下の炭化物を落下させ、未炭化物の有機物の塊は循環経路61によって再びガス化装置10に戻される。
移送手段62は、排出管17から排出される有機物の残渣と加熱材18を搬送し、灰出し部63に有機物の残渣を落下させ、加熱材18を移動させる。
【0021】
ガス化装置10のガス吐出管15と燃焼装置20の燃料供給口24とはガス配管51で連接されている。ガス配管51には、液体物を投入する液物投入管51aが設けられている。燃焼装置20の空気吐出口29には、ガス化装置10の加熱空気供給部19と連接される空気配管52aと、一次燃焼用空気口21eと連接される空気配管52bと、二次燃焼用空気口21fと連接される空気配管52cとが接続されている。空気配管52a、52b、52cには、それぞれバルブが設けられており、それぞれの空気配管52a、52b、52cに供給される加熱空気の比率を設定することができる。
空気配管52bには、熱交換可能に燃料タンク71が設けられ、この燃料タンク71には、空気配管52bに燃料を供給する追加燃料配管72が設けられている。追加燃料配管72には空気導入管73が設けられている。また、追加燃料配管72及び空気導入管73には、燃料及び空気の供給量を調整するバルブ74、75が設けられている。
空気配管52cは、二次燃焼用空気口21fに至るまでの間に触媒空間21gを形成している。この触媒空間21gは、一次燃焼空間と二次燃焼空間の間に配置され、触媒を保持している。
また、熱交換部25dでの高温加熱空気は、空気配管52dによって空気配管52aに導入される。なお、熱交換部25dでの高温加熱空気に代えて、又は熱交換部25dでの高温加熱空気とともに、燃焼空間21a内の高温加熱空気を加熱空気導入口19aに導入することが好ましい。
ガス化装置10には、ガス化空間11a内の温度を検出する温度検出センサー53aを、燃焼装置20には、加熱体25b内の温度を検出する温度検出センサー53dを設けている。
また、それぞれの温度検出センサー53a、53dの検出信号は、制御部54に入力される。制御部54では、これらの検出信号に基づいて、ガス化予熱バーナー19b、駆動モータ12c、始動バーナー23a、送風機28aの運転制御を行う。
【0022】
次に、本実施例による有機物の燃焼化装置の動作について説明する。
まず、本装置を動作させる前に、図示しない装置によって、有機物を粉砕し、一次発酵による分解を行う。一次発酵は、発酵熱によって自然発酵させてもよいが、発酵菌を投入して所定温度に加温して行うことが好ましい。一次発酵させた有機物を本装置における乾燥装置40に投入して乾燥させる。有機物をガス化させて燃焼用燃料とする場合には、一次発酵工程を行うことで発生ガス量は減少するが、一次発酵によって乾燥工程で必要とする熱量を減らすことができ、トータルとして熱効率を高めることができる。
なお、本装置で利用可能な有機物としては、木材、プラスチック材、植物、食物残渣、汚泥、廃油などがあり、特に埋め立てや焼却処分の対象となっている廃棄物、プラスチックその他の混入によって堆肥化が困難な食物残渣、間伐材、農作物から生じる枝葉が適している。
【0023】
最初に、ガス化予熱バーナー19bと始動バーナー23aを作動させ、ガス化装置10のガス化空間11aと、燃焼装置20の燃焼空間21aとを加熱する。
ガス化空間11a内又は乾燥空間41aには、あらかじめ加熱材18を投入しておく。
図5は、既にガス化空間11aに、乾燥有機物と加熱材18が投入されている状態を示している。
温度検出センサー53aによって、ガス化空間11aの温度が、400℃〜500℃に上昇したことを検出すると、予熱バーナー19bの運転を停止し、加熱空気供給部19からの加熱空気の導入だけによるガス化に移行する。
乾燥装置40で乾燥された有機物は、一旦ホッパー45に蓄えられる。ホッパー45に蓄えられた乾燥有機物は、ダンパー46を開放することで、循環経路61に供給される。循環経路61に供給された乾燥有機物は、移送手段62によって移送され、投入管14からガス化装置10のガス化空間11aに投入される。ガス化空間11aに投入された乾燥有機物は、外筒管11の一端から他端に向けて搬送される間に、加熱空気供給部19からの加熱空気によってガス化される。例えば油は120℃〜200℃の温度でガス化され、木材は220℃〜330℃の温度でガス化され、プラスチック材は230℃〜280℃でガス化される。従って、ガス化空間11aの内部温度が350℃程度であれば、ほとんどの有機物はガス化され、ガス化された後には炭化物が残留する。この炭化物は、加熱材18とともに排出管17から排出される。
有機物のガス化空間11aでの滞留時間は、移送手段62の移動速度によって制御される。すなわち、温度検出センサー53aの検出信号に基づいて制御部54によって駆動モータ12cを制御する。具体的には、温度検出センサー53aでの検出温度が設定値より低い場合には、駆動モータ12cを低速で駆動し、温度検出センサー53aでの検出温度が設定値より高い場合には、駆動モータ12cを高速で駆動する。
ガス化空間11aにて発生したガスは、ガス吐出管15から排出され、ガス配管51を経由し、燃焼装置20の燃料供給口24から燃焼空間21aに供給される。
燃焼装置20では、始動バーナー23aによって600℃〜700℃に加熱されており、ガス化空間11aで発生したガスが導入されることで、始動バーナー23aを停止する。始動バーナー23aの停止は、ガス化空間11aにおける所定温度の検出から所定時間遅延させることで行うことができる。
【0024】
燃焼装置20では、始動バーナー23aの作動とともに、又は始動バーナー23aの作動から所定時間遅延させて、送風機28aを作動させる。
送風機28aによって空気導入口28から空気流通路22aに送り込まれた空気は、空気流通路22aを通過する間に加熱される。そして加熱された空気は、空気吐出口29から吐出され、空気配管52a、52b、52cに供給される。
空気配管52aから供給される加熱空気は、ガス化装置10の加熱空気供給口19aから加熱空気供給部19に導入される。加熱空気供給部19に導入された加熱空気は、空気吐出孔16からガス化空間11a内に噴出される。
一方、空気配管52bから供給される加熱空気は、燃焼空間21a内の上流側に吐出され、一次燃焼空気として利用される。
また、空気配管52cから供給される加熱空気は、燃焼空間21a内の下流側に吐出され、二次燃焼空気として利用される。
燃焼空間21a内では、空気配管52cから供給される加熱空気の導入によって燃焼が促進され、さらに絞り部25a、加熱体25bを通過することで完全燃焼し、900℃〜1100℃の熱風となって外部へ吐出される。
始動運転後の安定運転状態では、制御部54は、送風機28aの送風量を調整することで、温度検出センサー25bで検出される温度を所定範囲となるように制御する。
温度検出センサー25bでの検出温度が所定範囲の温度を下回ると、バルブ74、75を開放し、追加燃料配管72及び空気導入管73からの燃料及び空気の供給を開始する。
【0025】
以上のように、本実施例によれば、燃焼空間21aの輻射熱を、空気流通路22aを流れる空気に与え、空気流通路22aで加熱された加熱空気をガス化装置10内に導入し、この加熱空気によってガス化装置10内の可燃物をガス化させ、ガス化装置10内で発生したガスを燃焼空間21a内に導入して燃焼させる。従って、有機物を炭化処理するための加熱気体として、新鮮な空気を加熱空気として用いるため、ガス化装置10で発生したガスには、燃焼に必要な空気が存在し、ガス化装置10で発生したガスを燃焼装置20に導入して燃焼させることができる。また、本実施例では、空気流通路22aで加熱された加熱空気を一次燃焼用空気及び二次燃焼用空気として利用することで、燃焼装置20では、空気の混ざった高温ガスが導入されるため、燃焼温度を低下させることなく、継続的な安定した燃焼を行うことができる。
更に本実施例では、燃焼装置20における送風機能を、送風機28a一台で実現することで、有機物の種類によって生じる燃焼条件の制御を容易に行うことができる。
また本実施例では、循環経路61内の加熱空気を循環させることで、ガス化装置10内の温度を高温に保つことができる。
【0026】
図7は図5に示す有機物の燃焼化装置における二次燃焼用器具の他の実施例を示す。
二次燃焼用器具21hの一端には、二次燃焼用空気口21fが形成され、二次燃焼用器具21hの内部には触媒空間21gが形成され、触媒が封入されている。空気配管52cは、その端部側面が二次燃焼用器具21hの胴部に接合されている。図7に示すように、二次燃焼用器具21hの胴部下部に、空気配管52cの端部側面が接合され、二次燃焼用器具21hの胴部下部に形成したスリット21iから高温加熱空気が触媒空間21gに導入されることが好ましい。触媒空間21gには、上部に空間が形成されるように触媒が封入されている。スリット21iから触媒空間21gに導入された高温加熱空気は、触媒によって更に温度が高められ、触媒間を通過して、触媒空間21g上部空間に抜けた後に二次燃焼用空気口21fから噴出する。
本実施例によれば、触媒との接触を多くしつつ、触媒による通風抵抗を小さくでき、高温加熱空気の温度を高めることができる。
【0027】
以下本発明の更に他の実施例による有機物の燃焼化装置について説明する。
図8は本実施例による有機物の燃焼化装置を示す構成図、図9は図8の上面図、図10は図8のIV−IV線側面図である。
図に示すように、本実施例による有機物の燃焼化装置は、有機物を炭化処理することでガスを発生させるガス化装置10と、ガス化装置10で発生させたガスを燃料とする燃焼装置20と、ガス化装置10へ投入する有機物を乾燥させる乾燥装置40とを有する。
ガス化装置10は、ガス化空間11aを複数の外壁パネル11bで形成している。外壁パネル11bは、全てフラットなパネルであり、外壁パネル11bによって箱を構成している。外壁パネル11bの一部は、傾斜面を構成する傾斜パネル11cとなっている。この傾斜パネル11cは、投入管14の下方に位置しており、投入管14から落下する有機物を受け、搬送面11dに導いている。搬送面11dの下端には、排出管17が形成されている。なお、外壁パネル11bは、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材13で外周部を覆われている。外壁パネル11bの上部には、ガス吐出管15を接続している。ガス吐出管15の上流側には、フィルター15aと触媒15bを配置している。このフィルター15a及び触媒15bによって、火炎の伝搬を防止し、タール成分を除去する。また、外壁パネル11bの内部下方には、加熱空気導入口19aを有する。加熱空気導入口19aは、搬送面11dの下方に位置し、搬送面11dを落下する有機物に加熱空気を供給する。また外壁パネル11bの下部には、炭化有機物と加熱材18を排出する排出管17を設けている。また、搬送面11dの下方空間に熱風を送出するガス化予熱バーナー19bが設けられている。
外壁パネル11b内部には、乾燥装置40で乾燥させた有機物とともに加熱材18が投入される。加熱材18は、既に上記実施例で説明した通り、金属、陶磁器、溶融スラズ、自然石で構成され、円柱形状、楕円球形状、球形状、破砕形状をし、球形状や楕円球形状が最も好ましい。この加熱材18を有機物に混合することによって、加熱材18からの熱で有機物を加熱するとともに、ガス化時における有機物の固形化を防止することができる。また、加熱材18と有機物との混合物は、有機物だけの場合と比較して流動性もよい。
乾燥装置40及び排出管17は、循環経路61a、61b、61cで接続されている。循環経路61a、61b、61c内には、チェーンコンベアやスクリュー搬送機のような移送手段62a、62b、62cが設けられている。移送手段62a、62b、62cは、駆動モータ(図示せず)によって駆動される。
【0028】
燃焼装置20は、燃焼空間21aを形成する円筒形状の第一の筒(内管)21と、内管21との間に空気流通路22aを形成する円筒形状の第二の筒(外管)22とを有する。内管21の一端側には、始動バーナー23aと連通する燃焼口23と、ガス化装置10からのガスを吐出させる燃料供給口24と、空気流通路22aで加熱された加熱空気を燃焼空間21aの上流側に導入する一次燃焼用空気口21eとを有する。内管21の他端側には、下流側の流路径を小さくした円錐台形の絞り部25aが形成され、この絞り部25aの下流側であって、外管22よりも外方には加熱体25bが接続されている。ここで加熱体25bは、断面がハニカム状の複数の通路を形成している。また、内管21の下流側には、空気流通路22aで加熱された加熱空気が噴出する二次燃焼用器具21hが設けられている。二次燃焼用器具21hの一端には、二次燃焼用空気口21fが形成され、二次燃焼用器具21hの内部には触媒空間21gが形成され、触媒が封入されている。二次燃焼用器具21hの胴部下部に、空気配管52cの端部側面が接合され、二次燃焼用器具21hの胴部下部に形成したスリット21iから高温加熱空気が触媒空間21gに導入されることが好ましい。触媒空間21gには、上部に空間が形成されるように触媒が封入されている。スリット21iから触媒空間21gに導入された高温加熱空気は、触媒によって更に温度が高められ、触媒間を通過して、触媒空間21g上部空間に抜けた後に二次燃焼用空気口21fから噴出する。空気配管52cは、その端部側面が二次燃焼用器具21hの胴部に接合されている。絞り部25aの外周部及び加熱体25bの外周部は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材25cで覆っている。また、加熱体25bの出口には、熱交換部25dが設けられている。
外管22は、耐火セメントや耐火煉瓦などの耐火材26で内周部を覆っている。外管22には、一端側に空気導入口28を、他端側に空気吐出口(図示せず)を有する。燃焼装置20は、空気導入口28に空気を送り込む送風機28aを備えている。
【0029】
乾燥装置40は、乾燥空間41aを形成する円筒形状の外筒41と、この外筒41内部に配置される攪拌部材42とを有する。攪拌部材42は、攪拌羽根42aと、この攪拌羽根42aを回転させる攪拌軸42bと、この攪拌軸42bを駆動する駆動モータ42cとから構成されている。攪拌羽根42aは、櫛状の板で構成されていることが好ましく、大きな塊の有機物を、この櫛状の板で解塊するとともに、小さな塊の有機物だけを投入管14に導く構成が好ましい。また、外筒41の底面には、内部を加熱する加熱空間43を形成している。そして加熱空間43には、加熱空気を導入する加熱空気吹出口43aと、導入した加熱空気を排出する加熱空気排出口43bとが接続されている。また、外筒41の底面には、攪拌搬送部材12を有する。攪拌搬送部材12は、送り羽根12aと、この送り羽根12aを回転させる回転軸12bと、この回転軸12bを駆動する駆動モータ12cとから構成されている。送り羽根12aには、複数の突起を備えており、この突起によって有機物を攪拌することができる。
なお、乾燥装置40には、有機物とともに加熱材18を投入することで、有機物の乾燥を促進するとともに、有機物を解塊することができる。この加熱材18は、排出管17から排出されるが、循環経路61a、61b、61cを経由して再び乾燥装置40内に戻される。
有機物を投入するホッパー45の出口は、循環経路61cに接続されている。なお、循環経路61aには、ホッパー45の接続位置より上流側に、灰出し部63が設けられている。灰出し部63では、一定の大きさ以下の炭化物を落下させ、未炭化物の有機物の塊は循環経路61b、61cによって再び乾燥装置40に戻される。
移送手段62a、62b、62cは、排出管17から排出される有機物の残渣と加熱材18を搬送し、灰出し部63に有機物の残渣を落下させ、加熱材18を移動させる。
【0030】
ガス化装置10のガス吐出管15と燃焼装置20の燃料供給口24とはガス配管51で連接されている。ガス配管51内にはブロワーを設けている。燃焼装置20の空気吐出口(図示せず)には、ガス化装置10の加熱空気供給口19aと連接される空気配管(図示せず)と、一次燃焼用空気口21eと連接される空気配管(図示せず)と、二次燃焼用空気口21fと連接される空気配管52cとが接続されている。空気配管52cには、それぞれバルブが設けられており、それぞれの空気配管52cに供給される加熱空気の比率を設定することができる。
熱交換部25dでの高温加熱空気は、空気配管(図示せず)によって加熱空気導入口19aに導入される。なお、熱交換部25dでの高温加熱空気に代えて、又は熱交換部25dでの高温加熱空気とともに、燃焼空間21a内の高温加熱空気を加熱空気導入口19aに導入することが好ましい。図8に示す導出管81は、燃焼空間21a内の高温加熱空気を加熱空気導入口19aに導入する配管である。
ガス化装置10には、ガス化空間11a内の温度を検出する温度検出センサー53aを、燃焼装置20には、加熱体25b内の温度を検出する温度検出センサー53dを設けている。
また、それぞれの温度検出センサー53a、53dの検出信号は、制御部(図示せず)に入力される。制御部(図示せず)では、これらの検出信号に基づいて、ガス化予熱バーナー19b、始動バーナー23a、送風機28aの運転制御を行う。
【0031】
次に、本実施例による有機物の燃焼化装置の動作について説明する。
まず、本装置を動作させる前に、図示しない装置によって、有機物を粉砕し、一次発酵による分解を行う。一次発酵は、発酵熱によって自然発酵させてもよいが、発酵菌を投入して所定温度に加温して行うことが好ましい。一次発酵させた有機物をホッパー45に投入し、循環経路61cによって乾燥装置40に搬送する。有機物をガス化させて燃焼用燃料とする場合には、一次発酵工程を行うことで発生ガス量は減少するが、一次発酵によって乾燥工程で必要とする熱量を減らすことができ、トータルとして熱効率を高めることができる。
なお、本装置で利用可能な有機物としては、木材、プラスチック材、植物、食物残渣、汚泥、廃油などがあり、特に埋め立てや焼却処分の対象となっている廃棄物、プラスチックその他の混入によって堆肥化が困難な食物残渣、間伐材、農作物から生じる枝葉が適している。
【0032】
最初に、ガス化予熱バーナー19bと始動バーナー23aを作動させ、ガス化装置10のガス化空間11aと、燃焼装置20の燃焼空間21aとを加熱する。
ガス化空間11a内又は乾燥空間41aには、あらかじめ加熱材18を投入しておく。
温度検出センサー53aによって、ガス化空間11aの温度が、400℃〜500℃に上昇したことを検出すると、予熱バーナー19bの運転を停止し、加熱空気供給口19aからの加熱空気の導入だけによるガス化に移行する。
乾燥装置40で乾燥された有機物は、投入管14からガス化装置10のガス化空間11aに投入される。ガス化空間11aに投入された乾燥有機物は、外壁パネル11bの上方から下方に向けて搬送される間に、加熱空気供給口19aからの加熱空気によってガス化される。例えば油は120℃〜200℃の温度でガス化され、木材は220℃〜330℃の温度でガス化され、プラスチック材は230℃〜280℃でガス化される。従って、ガス化空間11aの内部温度が350℃程度であれば、ほとんどの有機物はガス化され、ガス化された後には炭化物が残留する。この炭化物は、加熱材18とともに排出管17から排出される。
ガス化空間11aにて発生したガスは、ガス吐出管15から排出され、ガス配管51を経由し、燃焼装置20の燃料供給口24から燃焼空間21aに供給される。
燃焼装置20では、始動バーナー23aによって600℃〜700℃に加熱されており、ガス化空間11aで発生したガスが導入されることで、始動バーナー23aを停止する。始動バーナー23aの停止は、ガス化空間11aにおける所定温度の検出から所定時間遅延させることで行うことができる。なお、本実施例の装置では、有機物の処理量が少ない場合に適したものであり、有機物の処理量が少ない場合には、始動時以外にも始動バーナー23aを適宜運転する。
【0033】
燃焼装置20では、始動バーナー23aの作動とともに、又は始動バーナー23aの作動から所定時間遅延させて、送風機28aを作動させる。
送風機28aによって空気導入口28から空気流通路22aに送り込まれた空気は、空気流通路22aを通過する間に加熱される。そして加熱された空気は、空気吐出口(図示せず)から吐出され、それぞれの空気配管52cに供給される。
空気配管52aから供給される加熱空気は、ガス化装置10の加熱空気供給口19aからガス化空間11a内に噴出される。
燃焼空間21a内では、空気配管52cから供給される加熱空気の導入によって燃焼が促進され、さらに絞り部25a、加熱体25bを通過することで完全燃焼し、900℃〜1100℃の熱風となって外部へ吐出される。
始動運転後の安定運転状態では、制御部(図示せず)は、送風機28aの送風量を調整することで、温度検出センサー25bで検出される温度を所定範囲となるように制御する。
温度検出センサー25bでの検出温度が所定範囲の温度を下回ると、始動バーナー23aの運転を開始する。
【0034】
以上のように、本実施例によれば、燃焼空間21aの輻射熱を、空気流通路22aを流れる空気に与え、空気流通路22aで加熱された加熱空気をガス化装置10内に導入し、この加熱空気によってガス化装置10内の可燃物をガス化させ、ガス化装置10内で発生したガスを燃焼空間21a内に導入して燃焼させる。従って、有機物を炭化処理するための加熱気体として、新鮮な空気を加熱空気として用いるため、ガス化装置10で発生したガスには、燃焼に必要な空気が存在し、ガス化装置10で発生したガスを燃焼装置20に導入して燃焼させることができる。また、本実施例では、空気流通路22aで加熱された加熱空気を一次燃焼用空気及び二次燃焼用空気として利用することで、燃焼装置20では、空気の混ざった高温ガスが導入されるため、燃焼温度を低下させることなく、継続的な安定した燃焼を行うことができる。
更に本実施例では、燃焼装置20における送風機能を、送風機28a一台で実現することで、有機物の種類によって生じる燃焼条件の制御を容易に行うことができる。
また本実施例では、循環経路61内の加熱空気を循環させることで、ガス化装置10内の温度を高温に保つことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の有機物の燃焼化装置は、温水ボイラー、乾燥機、冷暖房機の熱源として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例による有機物の燃焼化装置を示す構成図
【図2】図1のII―II線断面図
【図3】同実施例による装置の配置図
【図4】他の実施例による有機物の燃焼化装置の要部を示す構成図
【図5】更に他の実施例による有機物の燃焼化装置を示す構成図
【図6】図5のIII―III線断面図
【図7】図5に示す有機物の燃焼化装置における二次燃焼用器具の他の実施例を示す図
【図8】更に他の実施例による有機物の燃焼化装置を示す構成図
【図9】図8の上面図
【図10】図8のIV−IV線側面図
【符号の説明】
【0037】
10 ガス化装置
20 燃焼装置
21a 燃焼空間
21 第一の筒
22 第二の筒
22a、22b 空気流通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物を炭化処理することでガスを発生させるガス化装置と、前記ガス化装置で発生させたガスを燃料とする燃焼装置とを有する有機物の燃焼化装置であって、
前記燃焼装置を、燃焼空間を形成する第一の筒と、空気流通路を形成する第二の筒とで構成し、
前記燃焼空間の輻射熱を、前記空気流通路を流れる空気に与え、
前記第二の筒で加熱された加熱空気を前記ガス化装置内に導入し、前記加熱空気によって前記ガス化装置内の可燃物をガス化させ、前記ガス化装置内で発生したガスを前記燃焼空間内に導入して燃焼させることを特徴とする有機物の燃焼化装置。
【請求項2】
前記第一の筒を、内部を燃焼空間とする内管とし、前記第二の筒を、前記内管を覆う外管とし、
前記空気流通路を通過させた前記加熱空気の一部を、前記燃焼空間に導入する燃焼用空気としたことを特徴とする請求項1に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項3】
前記空気流通路の上流側に空気導入口を設け、前記空気流通路の下流側に空気吐出口を設け、前記空気流通路の空気流れ方向と前記内管の燃焼流れ方向を同一方向とすることを特徴とする請求項2に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項4】
前記燃焼用空気を前記燃焼空間の上流側に導入する一次燃焼用空気導入管と、前記燃焼用空気を前記燃焼空間の下流側に導入する二次燃焼用空気導入管と、前記一次燃焼用空気導入管に燃料を供給する追加燃料配管と、前記追加燃焼配管から前記一次燃焼用空気導入管に供給する前記燃料の量を調整するバルブと、前記燃焼空間の二次燃焼よりも下流側位置の温度を検出する温度センサーと、前記温度センサーからの信号に基づいて前記バルブの開閉制御を行う制御部とを備え、前記制御部では、前記温度センサーによる検出温度が低下したときに前記バルブを開動作させることを特徴とする請求項2に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項5】
前記内管の下流側端部に絞り部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項6】
前記内管の下流側端部に、ハニカム状の加熱体を形成したことを特徴とする請求項2に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項7】
前記燃焼装置の温度を、前記ガス化装置への前記可燃物の投入量によって制御することを特徴とする請求項1に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項8】
前記燃焼装置の温度を、前記燃焼用空気吐出口からの空気量によって制御することを特徴とする請求項1に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項9】
前記有機物を粉砕する粉砕工程と、粉砕後の前記有機物を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程の後に加熱によってガス化する気化工程とを有し、前記気化工程で発生させたガスを燃焼用ガスとする有機物の燃料化方法であって、
前記乾燥工程の前に、前記有機物を一次発酵分解させる発酵工程を有することを特徴とする有機物の燃料化方法。
【請求項10】
前記ガス化装置として、円筒形状のガス化空間を形成する外筒管を備え、前記外筒管の上部には、前記有機物を投入する投入管と前記有機物の加熱によって生じるガスを導出する吐出管とを設け、前記外筒管の下部には、前記有機物の加熱によって生じる炭化物を排出する排出管とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機物の燃焼化装置。
【請求項11】
前記投入管と前記排出管とを循環経路によって接続し、前記有機物を、前記循環経路を介して前記導入管から供給し、前記循環経路内の加熱空気が循環されることを特徴とする請求項10に記載の有機物の燃焼化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−298418(P2008−298418A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118372(P2008−118372)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(500524752)トラスト企画株式会社 (2)
【Fターム(参考)】