説明

有機電界発光素子および有機電界発光素子の製造方法

【課題】薄膜トランジスタと第1の電極との間にカラーフィルタ層を形成して,工程を単純化し,工程安全性が高く,前面発光及び背面発光の具現が容易な有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】本発明にかかる有機電界発光素子は,基板300の複数の画素領域上に形成され,半導体層310,ゲート電極330及びソース/ドレイン電極345を含む薄膜トランジスタと,複数の画素領域の全面に形成されるカラーフィルタ層360と,カラーフィルタ層360内のビアホール365を介して,薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極345のうちいずれか一つと接触するようにパターニングされて形成される第1の電極370と,第1の電極370の表面の一部を露出させる開口部385を有する画素定義膜380と,露出された第1の電極370上に形成される発光層390と,基板300全面に発光層390の上部に形成される第2の電極400とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,有機電界発光素子に関し,より詳しくは,薄膜トランジスタと第1の電極との間にカラーフィルタ層を有する有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示素子(Flat Panel Display Device)の中で有機電界発光素子(Organic Electroluminescence Display Device)は,自発光であり,視野角が広くて応答速度が速いだけではなく,厚さが薄く,低い製作費用及び高いコントラスト(Contrast)などの特性により今後の次世代平板表示素子として注目されている。
【0003】
一般に,有機電界発光素子は,基板と,基板上に位置したアノード(anode)と,アノード上に位置した発光層(EML:emission layer)と,発光層上に位置したカソード(cathode)とにより構成される。このような有機電界発光素子において,アノードとカソードとの間に電圧を印加すると,正孔と電子が発光層内に注入される。発光層内に注入された正孔と電子は,その発光層で再結合して励起子(exiton)を生成し,このような励起子が励起状態から基底状態に転移する際に発生するエネルギーにより発光する。
【0004】
有機電界発光素子は,マトリックス形態に配置された画素を駆動する方式によって,受動マトリックス(Passive matrix)方式と能動マトリックス(Active matrix)方式に分けられる。受動マトリックス方式は,アノード電極とカソード電極を直交するように形成してラインを選択して駆動する方式であり,能動マトリックス方式は,表示領域が画素毎に薄膜トランジスタとキャパシタを各ITO画素電極に接続してキャパシタ容量により電圧を維持するようにする駆動方式である。
【0005】
また,有機電界発光素子は,有機電界発光層から発生した光が放出される方向によって背面発光型と前面発光型に分けられる。背面発光型は,形成された基板側に光が放出されるものであり,有機発光層の上部に反射電極が形成され,その有機電界発光層の下部には透明電極が形成される。ここで,有機電界発光素子が能動マトリックス方式を採択する場合には,薄膜トランジスタが形成された部分は光が透過することができないので,光が発光する面積が減少する。一方,前面発光型は,有機発光層の上部に透明電極が形成され,その有機発光層の下部に反射電極が形成されることにより,光が基板側と反対方向に放出されるものである。このため,光が透過する面積が拡大し,輝度が向上される。
【0006】
有機電界発光素子のフルカラー化を具現するためには,R,G及びB各々の色に該当する発光層を形成する方法がある。しかし,この場合,R,G及びB各々に該当する発光層は相異なる寿命特性を有するので,長期間駆動する場合にホワイトバランスを維持しにくいという短所がある。これを解決するためには,単色光を放出する発光層を形成し,その発光層から放出される光から所定色に該当する光を抽出するためのカラーフィルタまたはその発光層から放出される光を所定色の光に変換する色変換層を形成する方法がある。その例として,特許文献1には,白色光を発する有機発光層とカラーフィルタ層及び色変換層を形成してR,G及びBの光を取り出す有機電界発光素子が開示されている。
【0007】
また,関連従来技術が特許文献2,特許文献3及び特許文献4に開示されている。
【0008】
図1は,従来技術によるカラーフィルタ層を有する背面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【0009】
図1を参照すれば,従来の背面発光型有機電界発光素子は,透明な基板10上にカラーフィルタ層11R,11G,11Bが形成されており,カラーフィルタ層11の上部には基板全面にかけて保護膜(パッシベーション膜)12が形成されている。また,保護膜12の上部には,透明電極層13がカラーフィルタ層11に対応するようにパターニングされて形成されている。透明電極層13の上部には,正孔伝達層14,発光層15,電子注入層16及び背面電極層17が形成されている。ここで,背面電極層17を除く正孔伝達層14,発光層15,電子注入層16は有機薄膜である。
【0010】
図2及び図3は,従来技術によるカラーフィルタ層を有する前面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【0011】
図2及び図3を参照すれば,例えばシリコン(SiO)またはガラス基板11上にパターニングされたカソード電極またはアノード電極である第1の電極層12が形成されている。第1の電極層12を形成した後に有機膜層21が形成される。有機膜層21は,有機発光物質20を含み,有機発光物質20として,例えば白色発光物質または青色発光物質を使用することができる。
【0012】
有機膜層21の上部には第2の電極層16が形成されている。第2の電極層16は,第1の電極層12がカソード電極である場合にはアノード電極層になり(図2参照),第1の電極層16がアノード電極層である場合にはカソード電極層になる(図3参照)。このような第1の電極層16としては,ITOまたはIZOのような透明電極が使われる。有機膜層21は,必要によって正孔注入層13,正孔伝達層19及び電子伝達層15を含むことができる。有機膜層21が正孔注入層13,正孔伝達層19及び電子伝達層15を含む場合は,第1の電極層がアノード電極の場合には正孔注入層(HIL)13,正孔伝達層(HTL)19,有機発光物質20及び電子伝達層(ETL)15の順に有機膜層が積層され(図2参照),カソード電極である場合には逆順に積層される(図3参照)。また,第1の電極層16としてアノード電極を積層する場合には,アノード電極に反射板を具備して積層される(図3参照)。
【0013】
第2の電極層16の上部には,透明な無機物質である保護膜層17が基板全面にかけて一定な厚さで塗布されている。保護膜層17としては,例えばSiO,Yのような透明無機物質を使用することができる。
【0014】
次に,保護膜層17上の従来のR/G/Bに該当する画素領域に,有機発光物質として白色発光物質を使用する場合にはカラーフィルタ18’を使用し,有機発光物質として青色発光物質を使用する場合にはカラーフィルタ18’の代わりに色変換層(CCM:color changing medium)を使用する。
【0015】
従来のカラーフィルタ層を有する背面発光及び前面発光有機電界発光素子は,カラーフィルタ層の位置により上板または下板ガラスにカラーフィルタ層を形成する工程を進行してカラーフィルタ層を合着することにより,カラーフィルタ層の合着時に上/下基板のアラインメントマージン(Alignment Margin)が小さくて工程安全性が低い,工程が複雑,さらに前面発光及び背面発光の具現が容易ではない等の問題点がある。また,薄膜トランジスタの上部に保護膜を形成するので工程が複雑になる。
【0016】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2004−00540号明細書
【特許文献2】大韓民国特許公開第2002−52793号明細書
【特許文献3】特開平8−321380号公報
【特許文献4】米国特許第6525758号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,薄膜トランジスタの上部と第1の電極との間にカラーフィルタ層を形成することにより保護膜を省略して工程を単純化し,カラーフィルタ層の合着時に上/下基板のアラインメントマージン(Alignment Margin)を大きくして工程安全性を高めて,前面発光及び背面発光の具現が容易な,新規かつ改良された有機電界発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,複数の画素領域を有する基板と,基板の各画素領域上に形成され,半導体層,ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタと,複数の画素領域の全面にわたり形成されるカラーフィルタ層と,カラーフィルタ層内のビアホールを介して,薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極のうちいずれか一つと接触するようにパターニングされて形成される第1の電極と,第1の電極の表面の一部を露出させる開口部を有する画素定義膜と,露出された第1の電極上に形成される発光層と,基板全面にわたり発光層の上部に形成される第2の電極と,を含む有機電界発光素子が提供される。
【0019】
ここで,画素領域は,例えば赤色画素領域,緑色画素領域及び青色画素領域からなる。赤色画素領域における前記カラーフィルタ層は,赤色カラーフィルタ層からなり,緑色画素領域における前記カラーフィルタ層は,緑色カラーフィルタ層からなり,青色画素領域における前記カラーフィルタ層は,青色カラーフィルタ層からなる。
【0020】
カラーフィルタ層の厚さは,約1.0〜2.5μmとするのがよい。また,カラーフィルタ層は,アクリル樹脂,顔料,高分子バインダー及び機能性単量体を含むように形成することもできる。このとき,カラーフィルタ層は,顔料分散法または染色法のうちいずれかの方法により形成することができる。
【0021】
また,発光層は,単色光を放出する層であってもよい。ここで,単色光は,カラーフィルタ層を有する場合,白色光または青色光を放出する。一方,色変換層を有する場合,青色光を放出する。さらに,発光層は,赤色発光物質,緑色発光物質または青色発光物質からなるようにしてもよい。このとき,赤色発光物質,緑色発光物質及び青色発光物質は,低分子発光物質または高分子発光物質とすることができる。また,発光層は,正孔注入層,正孔伝達層及び電子伝達層のうち,少なくとも一つ以上の層をさらに含むように形成することもできる。
【0022】
さらに,第1の電極は,アノード電極またはカソード電極としてもよい。
【0023】
有機電界発光素子は,ブラックマトリックスをさらに含むように形成してもよく,反射膜をさらに含むように形成してもよい。反射膜は,例えば,Al,Ag,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質により形成することができる。
【0024】
また,本発明の他の観点によれば,複数の画素領域を有する基板に対し,複数の画素領域上に半導体層,ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成する段階と,複数の画素領域の全面にわたりカラーフィルタ層を形成する段階と,カラーフィルタ層内のビアホールを介して,薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極のうちいずれか一つに接触するように第1の電極をパターニングして形成する段階と,第1の電極の表面の一部を露出させる開口部を有する画素定義膜を形成する段階と,露出された第1の電極上に形成される段階と,基板全面にわたり発光層の上部に第2の電極を形成する段階とを含む,有機電界発光素子の製造方法が提供される。
【0025】
ここで,画素領域は,赤色画素領域,緑色画素領域及び青色画素領域からなる。赤色画素領域における前記カラーフィルタ層は,赤色カラーフィルタ層からなり,緑色画素領域における前記カラーフィルタ層は,緑色カラーフィルタ層からなり,青色画素領域における前記カラーフィルタ層は,青色カラーフィルタ層からなる。また,カラーフィルタ層の厚さは,例えば約1.0〜2.5μmとすることができる。
【0026】
また,発光層は,単色光を放出する。単色光は,カラーフィルタ層を有する場合,白色光または青色光を放出する。一方,色変換層を有する場合には,青色光を放出する。また,発光層は,正孔注入層,正孔伝達層及び電子伝達層のうち,少なくとも一つ以上の層をさらに含む。さらに,発光層は,赤色発光物質,緑色発光物質及び青色発光物質からなるように形成することもできる。このとき,赤色発光物質,緑色発光物質及び青色発光物質は,低分子発光物質または高分子発光物質とすることができる。
【0027】
第1の電極は,アノード電極またはカソード電極であってもよい。
【0028】
有機電界発光素子は,ブラックマトリックスをさらに含むように形成することもでき,反射膜をさらに含むように形成することもできる。反射膜は,例えばAl,Ag,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質により形成することができる。
【0029】
このように,有機電界発光素子において薄膜トランジスタと第1の電極との間にカラーフィルタ層を形成することにより,保護膜を省略することができる。これにより,工程を単純化することができ,カラーフィルタ層の合着時に上/下基板のアラインメントマージンを大きくして工程安全性を高めて,前面発光及び背面発光の具現が容易である。
【0030】
また,互いに寿命特性が異なる赤色発光層,緑色発光層及び青色発光層を各々形成せず,単色光を放出する発光層を形成するので,長期間の駆動後にもホワイトバランスを維持することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によれば,有機電界発光素子において薄膜トランジスタと第1の電極との間にカラーフィルタ層を形成することにより,保護膜を省略して工程を単純化し,カラーフィルタ層の合着時に上/下基板のアラインメントマージンを大きくして工程安全性を高めて,前面発光及び背面発光の具現が容易な有機電界発光素子およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
(第1の実施形態)
まず,図4に基づいて,本発明の第1の実施形態にかかる背面発光型有機電界発光素子について説明する。ここで,図4は,本実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する背面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【0034】
図4に示すように,本実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する背面発光型有機電界発光素子は,赤色(画像領域a),緑色(画像領域b)及び青色(画像領域c)の画素領域を有する基板300上に,互いに離隔されたブラックマトリックス(BM:Black Matrix)305を形成する。ブラックマトリックス305は,外光及び散乱光を吸収する役割をする。より詳しくは,ブラックマトリックス305は,背面発光時にR,G及びBのカラーフィルタ層から光が取り出されてゲート電極及びソース/ドレイン電極などのような金属配線による光の反射を通じた隣接カラーフィルタ層の間の混色を防止するために形成し,Cr,Cr/CrOxの金属物質または樹脂のような有機膜などにより形成する。金属物質はスパッタリング法により形成し,有機膜は真空蒸着法やスピンコーティング法により形成する。
【0035】
次に,ブラックマトリックス305上の各画素領域a,b,cにソース/ドレイン領域310a,310c及びチャンネル領域310bを具備する半導体層310を形成する。半導体層310は,例えば非晶質シリコンまたは多結晶シリコンにより形成することができ,好ましくは,多結晶シリコンにより形成する。
【0036】
半導体層310は,非晶質シリコンを化学気相蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)方式を利用して蒸着した後,結晶化を利用してポリシリコン膜に結晶化した後にパターニングして形成する。CVD方式としては,PECVD,LPCVDのような化学気相蒸着法を利用することができる。このとき,非晶質シリコンをPECVD方式により処理する場合には,シリコン膜を蒸着した後に熱処理により脱水素処理して水素の濃度を低める工程が行われる。また,非晶質シリコン膜の結晶化法は,RTA(Rapid Thermal Annealing)工程,SPC法(Solid Phase Crystallization),ELA法(Excimer Laser Crystallization),MIC法(Metal Induced Crystallization),SLS法(Sequential Lateral Solidification)またはMILC法(Metal Induced Lateral Crystallization)のうち,いずれの一つ以上の方法を利用することができる。
【0037】
次に,半導体層310を含んだ基板上部の全面にかけてゲート絶縁膜320を形成する。ゲート絶縁膜320は,シリコン酸化膜,シリコン窒化膜またはこれらの二重層に形成することができ,例えばPECVDやLPCVD法などを利用して形成する。
【0038】
次に,ゲート絶縁膜320上に半導体層310の所定領域に対応するゲート電極330を形成する。ゲート電極330は,モリブデン(Mo),タングステン(W),タングステンモリブデン(MoW),タングステンシリサイド(WSi),二珪化モリブデン(MoSi)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択される1種の物質により形成され,例えばスパッタリング法や真空蒸着法に利用して形成する。
【0039】
次に,マスクを利用して半導体層310に不純物を注入することにより,半導体層にソース/ドレイン領域310a,310cを形成し,ソース/ドレイン領域310a,310cの間に介在されたチャンネル領域310bを定義する。不純物は,n型またはp型の中で選択される一つの物質により形成する。n型不純物はP,As,Bi及びSbのような物質の中から選択される1種の物質により形成される。p型不純物は,B,BF,Al,Ga,Ti及びInなどのような物質の中から選択される1種により形成される。
【0040】
次に,ゲート電極330を含んだ基板上部の全面に層間絶縁膜340を形成する。層間絶縁膜340は,外部からの水気吸着を防止するために,上部はシリコン窒化膜(SiNx),下部はシリコン酸化膜(SiO)からなった二重層に形成され,例えばPECVDやLPCVD法などを利用して形成する。
【0041】
層間絶縁膜340内には,ソース/ドレイン領域310a,310cを各々露出させるコンタクトホール(Contact hole)341が形成される。コンタクトホール341内に露出されたソース/ドレイン領域310a,310c及び層間絶縁膜340上に金属膜を積層してこれをパターニングすることにより,ソース/ドレイン領域310a,310cを電気的に連結させるソース/ドレイン電極345が形成される。
【0042】
以上のように,半導体層310,ゲート電極330及びソース/ドレイン電極345は,薄膜トランジスタを構成し,各々の画素領域a,b,c上に形成される。
【0043】
次に,基板上部の各々の画素領域a,b,cの全面にわたり,薄膜トランジスタの上部にカラーフィルタ層360を形成する。本実施形態において,カラーフィルタ層360は,従来の保護膜の位置に形成し,各画素領域a,b,cは,赤色画素領域(a),緑色画素領域(b)及び青色画素領域(c)に形成される。赤色画素領域(a)には赤色カラーフィルタ層360Rが形成され,緑色画素領域(b)には緑色カラーフィルタ層360Gが形成され,青色画素領域(c)には青色カラーフィルタ層360Bが形成される。カラーフィルタ層360は,薄膜トランジスタと後続工程により形成される第1の電極との絶縁層としても機能する。
【0044】
また,各々のカラーフィルタ層360R,360G,360Bは,支持体であるアクリル樹脂以外に顔料,高分子バインダー及び機能性単量体を含むことができ,色相を具現する顔料の種類によって,赤色カラーフィルタ層360R,緑色カラーフィルタ層360G及び青色カラーフィルタ層360Bに区分することができる。赤色カラーフィルタ層360R,緑色カラーフィルタ層360G及び青色カラーフィルタ層360Bは,後続工程において形成される発光層から発光された光を,各々赤色領域の波長,緑色領域の波長及び青色領域の波長で透過させる特性を有する。このとき,各々のカラーフィルタ層360R,360G,360Bの構成物は,各々のR,G,Bの着色を示す。高分子バインダーは,常温で液体状態の単量体を現像液から保護し,顔料分散の安定化及びRGBパターンの耐熱性,耐光性及び耐薬品などの信頼性を決定する。顔料は,耐光性,耐熱性が優秀な有機物粒子で光を散乱させ,粒子のサイズが小さいほど透明度が高くて優秀な分散特性を示す。
【0045】
本実施形態において,蒸着により形成されるカラーフィルタ層は,例えば約1.0〜2.5μmの厚さで形成する。カラーフィルタ層の厚さが1.0μm以下であると,色純度が低下してしまい,一方,2.5μm以上であれば,透過度が低くなり,顔料の結晶が析出されるか,カラーフィルタ層あるいはカラーフィルタにひびが入ることがある。
【0046】
カラーフィルタ層360は,例えば顔料分散法または染色法を利用して形成することができるが,これに限定されるものではない。好ましくは,カラーフィルタ層360は,顔料分散法により形成する。顔料分散法は,透明な基板上に着色剤を含有する光重合性組成物をコーティングして形成しようとする形態のパターンを露光した後,非露光部位を溶剤により除去して熱硬化させる一連の段階を繰り返すことによりR,G,Bのカラーフィルタを製造する方法である。このような顔料分散法は,カラーフィルタの一番重要な性質である耐熱性及び耐久性を向上させてフィルムの厚さを均一に維持できるという長所を有するので,カラーフィルタの製造に多く利用されている。
【0047】
カラーフィルタ層360は,薄膜トランジスタのすぐ上部に形成されることにより,封止(Encapsulation)工程時に上/下基板のアラインメントマージン(Alignment Margin)を大きくして工程安全性を高めることができ,保護膜の工程を省略して工程を単純化することができる。
【0048】
次に,各画素領域a,b,cにカラーフィルタ層360上部からビアホール365を介して薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極345のうちいずれの一つと接触するように,カラーフィルタ層360内に第1の電極370が形成される。
【0049】
前記第1の電極370は,アノード電極である場合にはITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)のような透明電極により形成され,カソード電極である場合にはMg,Ca,Al,Ag及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質から,厚さの薄い透過電極に形成される。第1の電極370は,光を放出することができる電極で形成し,好ましくは,ITOにより形成する。
【0050】
第1の電極370は,スパッタリング(Sputtering),イオンプレーティング(Ion Plating)または真空蒸着法(Evaporation)のような方法により形成する。好ましくは,第1の電極370は,スパッタリングの通常的な方法により形成する。第1の電極370は,蒸着後の写真工程のうちに形成されたフォトレジスト(PR)などのパターンを利用して選択的に除去する湿式蝕刻(Wet Etching)工程通じてパターニングする。第1の電極370をパターニングする湿式蝕刻工程を行うことにより,第1の電極370とカラーフィルタ層360との選択比(Etch Rate)が大きいエッチャント(etchant)を通じてカラーフィルタが損傷されることを防止する。
【0051】
次に,第1の電極370の上部に第1の電極表面の一部を露出させる開口部385を有する画素定義膜(PDL:Pixel Define Layer)380を形成する。画素定義膜380は,通常,有機系としてポリイミド(PI:polyimide),ポリアミド(PA:polyamide),アクリル樹脂(Acryl Resin),ベンゾサイクロブテン(BCB:Benzo Cyclo Butene)及びフェノール樹脂(Phenolic Resin)よりなる群から選択される1種の物質により形成される。画素定義膜380は,例えばスピンコーティング(Spin Coating)法により形成することができる。
【0052】
次に,基板全面にわたり露出した第1の電極370の上部に発光層390を形成する。発光層390は,単色光を放出するように形成し,その単色光は,白色光または青色光とすることができる。好ましくは,発光層は,白色光を放出する発光層に形成する。
【0053】
発光層390は,相異なる色を出す発光物質とドーパント(Dopant)を添加して使用する,もしくはPVKという高分子にPBD,TPB,Coumarin6,DCM1,Nile redを適正の割合で混ぜることにより白色光を得ることができる。また,発光層390は,相異なる二つの色相の発光物質を混合した後に残りの他の発光物質を追加して白色発光物質を得ることができる。例えば,赤色発光物質と緑色発光物質を混合した後に青色発光物質を追加して白色発光物質を得る。
【0054】
ここで,赤色発光物質は,低分子物質であるBSA−2,高分子物質であるPT(Polythiophene)及びその誘導体よりなる群から選択される一つの物質により形成される。また,緑色発光物質は,低分子物質であるAlq,BeBq及びAlmq,高分子物質であるPPV(poly(p−phenylenevinylene))及びその誘導体よりなる群から選択される一つの物質により形成される。さらに,青色発光物質は,低分子物質であるZnPBO,Balq,DPVBi及びOXA−D,高分子物質であるPPP(Polyphenylene)及びその誘導体よりなる群から選択される一つの物質により形成される。
【0055】
有機発光層は,正孔輸送性化合物,電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト(Host)物質を含み,正孔及び電子の注入機能,正孔及び電子の輸送機能または正孔及び電子の再結合により励起子を生成する機能を有しており,電子的に比較的中性的な化合物を含むことができる。有機発光側のホスト物質として使用される正孔輸送性化合物では,トリアゾール誘導体,イミダゾール誘導体,フェニレンジアミン誘導体,アリルアミン誘導体及び芳香族3次アミンが使用できる。好ましくは,トリフェニルジアミン誘導体のテトラアリルベンジディン化合物(TPD:トリアリルジアミンまたはトリフェニルジアミン)を使用する。好ましくは,有機発光層のホスト物質として使用される電子輸送性化合物では,トリス(8−キノリナト)アルミニウム(Alq)を使用する。
【0056】
有機発光層は,正孔輸送性化合物,電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質に蛍光物質であるドーパントが添加された構造を有していることが好ましい。本実施形態において,ドーパントとして含有させる蛍光物質には,好ましくは,ルブレン系化合物,クマリン系化合物,キナクリドン系化合物,ジシアノメチルピラン系化合物などの化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物が使用される。ドーパントを少量添加することによって発光効率及び耐久性を向上させることができる。発光層390は,例えば真空蒸着法またはスピンコーティング方式により積層することができる。
【0057】
一方,発光層が青色光を放出する発光層である場合,そのカラーフィルタ層の代わりに青色の色変換層(Color Change Medium)が形成される。
【0058】
色変換層は,蛍光物質と高分子バインダーを含むことができる。蛍光物質は,発光層から入射された光により励起されて,転移しながら入射光より長波長の光を放出するようになる。このとき,蛍光物質の種類によって,入射光を赤色に変換する赤色の色変換層,入射光を緑色に変換する緑色の色変換層及び入射光を青色に変換する青色の色変換層に区分される。色変換層は,例えば顔料分散法または染色法等により形成することができるが,本発明はこれらの方法に限定されない。好ましくは,露光と現像を反復実行する顔料分散法を使用して色変換層を形成する。
【0059】
次に,発光層390上に第2の電極400を形成する。第2の電極400は,第1の電極370がアノード電極である場合,Mg,Ca,Al,Ag及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質により反射電極として形成され,第1の電極370がカソードである場合,ITOまたはIZOのような厚い厚さを有する透明電極である反射電極として形成される。好ましくは,第2の電極400は,Al又はMgAgにより形成される。
【0060】
次に,第2の電極400まで形成された基板を,一般的な方法により上部基板と合着して封止する。これにより,背面発光型能動マトリックス有機電界発光素子を完成させることができる。
【0061】
このように形成された有機電界発光素子の駆動時に,発光層390は白色光を放出する。発光層390から放出された白色光は,透明電極である第1の電極370及び透明基板300を通じて外部に取り出される。このとき,カラーフィルタ層360R,360G,360Bは,白色発光層390から外部に取り出される光が通過する経路に位置する。したがって,有機電界発光素子の駆動時,発光層390から放出された白色光は,赤色カラーフィルタ層360R,緑色カラーフィルタ層360G及び青色カラーフィルタ層360Bを各々通過して外部に取り出される。結果的に,有機電界発光素子は,赤色(R),緑色(G)及び青色(B)のフルカラーを具現することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に,図5に基づいて,第2の実施形態にかかる前面発光型白色発光能動マトリックス有機電界発光素子について説明する。ここで,図5は,本実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する前面発光型白色発光能動マトリックス有機電界発光素子を示す断面図である。
【0063】
図5に示すように,前面発光型白色発光能動マトリックス有機電界発光素子は,各々の画素領域a,b,cを有する基板300上に,図4に示す第1の実施形態と同一の方法によりソース/ドレイン領域310a,310c及びチャンネル領域310bを有する半導体層310と,ゲート電極330及びコンタクトホール341を通じてソース/ドレイン領域310a,310cと連結されるソース/ドレイン電極345を含む薄膜トランジスタと,ゲート絶縁膜320と,層間絶縁膜340と,を形成する。
【0064】
次に,層間絶縁膜340の上部と第1の電極370に対応する下部のカラーフィルタ層360R,360G,360B領域に反射膜350を形成する。反射膜350は,Al,Ag,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質により形成し,高反射率の特性を有する。
【0065】
次に,カラーフィルタ層360R,360G,360Bのビアホール365を通じてソース/ドレイン電極345のうちいずれの一つと接触するように,第1の電極370を形成する。第1の電極370の上部には,第1の電極370の表面の一部を露出させる開口部385を有する画素定義膜(PDL:Pixel Define Layer)380が形成される。画素定義膜380は,通常,有機系としてポリイミド(PI:polyimide),ポリアミド(PA:polyamide),アクリル樹脂(Acryl Resin),ベンゾサイクロブテン(BCB:Benzo Cyclo Butene)及びフェノール樹脂(Phenolic Resin)よりなる群から選択される1種の物質により形成する。
【0066】
一方,カラーフィルタ層を有する前面発光有機電界発光素子において,画素定義膜380は,光が基板の反対面であるトップ(top)に取り出される時に外光及び散乱光を吸収する役割をするブラックマトリックス(BM)としても使用される。より詳しくは,前面発光時にR,G及びBのカラーフィルタ層から光が取り出されると,ソース/ドレイン電極などのような金属配線による光の反射を通じた隣接したカラーフィルタ層の間の混色を防止し,Cr,Cr/CrOxの金属物質でも形成することができる。金属物質はスパッタリング法により形成し,有機膜は真空蒸着法やスピンコーティング法により形成する。
【0067】
また,第2の電極400は,アノードまたはカソード電極に形成できる。アノード電極である場合には,ITOまたはIZOのような透明電極として形成され,カソード電極である場合には,光を透過することができる厚さの薄い透過電極として形成される。
【0068】
次に,第2の電極400まで形成された基板を一般的な方法により上部基板と合着して封止することにより,前面発光型能動マトリックス有機電界発光素子が完成される。
【0069】
有機電界発光素子の駆動時に,発光層390は白色光を放出する。発光層390から放出された白色光は,透明電極である第1の電極370を通過して反射膜350により反射される。反射膜350により反射された白色光は,さらに,第1の電極370を経て第2の電極400を通じて外部に取り出される。このとき,カラーフィルタ層360R,360G,360Bは,白色発光層390から外部に取り出された光が通過する経路に位置する。したがって,有機電界発光素子の駆動時,発光層390から放出された白色光は,赤色カラーフィルタ層360R,緑色カラーフィルタ層360G及び青色カラーフィルタ層360Bを各々通過して外部に取り出される。結果的に,有機電界発光素子は,赤色(R),緑色(G)及び青色(B)のフルカラーを具現することができる。
【0070】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は,有機電界発光素子に適用可能であり,特に,薄膜トランジスタと第1の電極との間にカラーフィルタ層を有する有機電界発光素子に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】従来技術によるカラーフィルタ層を有する背面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【図2】従来技術の一実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する前面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【図3】従来技術の他の実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する前面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する背面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかるカラーフィルタ層を有する前面発光型有機電界発光素子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0073】
300 基板
305 ブラックマトリックス
310 半導体層
310a ソース領域
310b チャンネル領域
310c ドレイン領域
320 ゲート絶縁膜
330 ゲート電極
340 層間絶縁膜
341 コンタクトホール
345 ソース/ドレイン電極
360 カラーフィルタ層
365 ビアホール
370 第1の電極
380 画素定義膜
385 開口部
390 発光層
400 第2の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素領域を有する基板と;
前記基板の各画素領域上に形成され,半導体層,ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタと;
前記複数の画素領域の全面にわたり形成されるカラーフィルタ層と;
前記カラーフィルタ層内のビアホールを介して,前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極のうちいずれか一つと接触するようにパターニングされて形成される第1の電極と;
前記第1の電極の表面の一部を露出させる開口部を有する画素定義膜と;
前記露出された第1の電極上に形成される発光層と;
前記基板全面にわたり前記発光層の上部に形成される第2の電極と;
を含むことを特徴とする,有機電界発光素子。
【請求項2】
前記画素領域は,赤色画素領域,緑色画素領域及び青色画素領域からなることを特徴とする,請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記赤色画素領域における前記カラーフィルタ層は,赤色カラーフィルタ層からなり,
前記緑色画素領域における前記カラーフィルタ層は,緑色カラーフィルタ層からなり,
前記青色画素領域における前記カラーフィルタ層は,青色カラーフィルタ層からなることを特徴とする,請求項2に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記カラーフィルタ層の厚さは,1.0〜2.5μmであることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
前記カラーフィルタ層は,アクリル樹脂,顔料,高分子バインダー及び機能性単量体を含むことを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
前記カラーフィルタ層は,顔料分散法または染色法のうちいずれかの方法により形成されることを特徴とする,請求項5に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記発光層は,単色光を放出することを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
前記単色光は,カラーフィルタ層を有する場合,白色光または青色光を放出することを特徴とする,請求項7に記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
前記単色光は,色変換層を有する場合,青色光を放出することを特徴とする,請求項7に記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
前記発光層は,赤色発光物質,緑色発光物質または青色発光物質からなることを特徴とする,請求項7に記載の有機電界発光素子。
【請求項11】
前記赤色発光物質,前記緑色発光物質及び前記青色発光物質は,低分子発光物質または高分子発光物質であることを特徴とする,請求項10に記載の有機電界発光素子。
【請求項12】
前記発光層は,正孔注入層,正孔伝達層及び電子伝達層のうち,少なくとも一つ以上の層をさらに含むことを特徴とする,請求項1〜11のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項13】
前記第1の電極は,アノード電極またはカソード電極であることを特徴とする,請求項1〜12のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項14】
前記有機電界発光素子は,ブラックマトリックスをさらに含むことを特徴とする,請求項1〜13のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項15】
前記有機電界発光素子は,反射膜をさらに含むことを特徴とする,請求項1〜14のいずれかに記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
前記反射膜は,Al,Ag,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質により形成されることを特徴とする,請求項15に記載の有機電界発光素子。
【請求項17】
複数の画素領域を有する基板に対し,前記複数の画素領域上に半導体層,ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成する段階と;
前記複数の画素領域の全面にわたりカラーフィルタ層を形成する段階と;
前記カラーフィルタ層内のビアホールを介して,前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極のうちいずれか一つに接触するように第1の電極をパターニングして形成する段階と;
前記第1の電極の表面の一部を露出させる開口部を有する画素定義膜を形成する段階と;
前記露出された第1の電極上に形成される段階と;
前記基板全面にわたり前記発光層の上部に第2の電極を形成する段階と;
を含むことを特徴とする,有機電界発光素子の製造方法。
【請求項18】
前記画素領域は,赤色画素領域,緑色画素領域及び青色画素領域からなることを特徴とする,請求項17に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項19】
前記赤色画素領域における前記カラーフィルタ層は,赤色カラーフィルタ層からなり,
前記緑色画素領域における前記カラーフィルタ層は,緑色カラーフィルタ層からなり,
前記青色画素領域における前記カラーフィルタ層は,青色カラーフィルタ層からなることを特徴とする,請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記カラーフィルタ層の厚さは,1.0〜2.5μmであることを特徴とする,請求項17〜19のいずれかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項21】
前記発光層は,単色光を放出することを特徴とする,請求項17〜20のいずれかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項22】
前記単色光は,カラーフィルタ層を有する場合,白色光または青色光を放出することを特徴とする,請求項21に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項23】
前記単色光は,色変換層を有する場合,青色光を放出することを特徴とする,請求項21に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項24】
前記発光層は,正孔注入層,正孔伝達層及び電子伝達層のうち,少なくとも一つ以上の層をさらに含むことを特徴とする,請求項17〜23のいずれかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項25】
前記発光層は,赤色発光物質,緑色発光物質及び青色発光物質からなることを特徴とする,請求項21に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項26】
前記赤色発光物質,前記緑色発光物質及び前記青色発光物質は,低分子発光物質または高分子発光物質であることを特徴とする,請求項25に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項27】
前記第1の電極は,アノード電極またはカソード電極であることを特徴とする,請求項17〜26のいずれかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項28】
前記有機電界発光素子は,ブラックマトリックスをさらに含むことを特徴とする,請求項17〜27のいずれかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項29】
前記有機電界発光素子は,反射膜をさらに含むことを特徴とする,請求項17〜28のいずれかに記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項30】
前記反射膜は,Al,Ag,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金よりなる群から選択された1種の物質により形成することを特徴とする,請求項29に記載の有機電界発光素子の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−171739(P2006−171739A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356331(P2005−356331)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】