末梢性ベンゾジアゼピン受容体をターゲッティングするためのフッ化リガンド
本発明は、式(I)のフッ化化合物を提供する。当該化合物は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする哺乳類における障害の診断または治療に用いられ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体と結合し、そしてこのような受容体を画像処理し、PBR受容体に関連した症状の治療的処置を提供するために有用である放射能標識および非放射能標識複素環式化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に末梢性ベンゾジアゼピン結合部位、ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体またはω-3-受容体とも呼ばれる末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、それらの薬理学、細胞内位置および構造要件において中枢性ベンゾジアゼピンとは異なる。末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、末梢性器官、例えば腎臓、心臓、副腎皮質、精巣、卵巣、血漿(血小板)において、ならびに神経膠細胞および脳の嗅球において主に見出される。末梢性ベンゾジアゼピン受容体密度は、対応する正常組織より、乳癌、前立腺癌、神経膠腫、卵巣癌および結腸癌のような腫瘍において高い、ということも報告されている。近年、高濃度の末梢性ベンゾジアゼピン受容体が、正常腹側または背外側前立腺と比較して、ダニング・ラット前立腺腫瘍において報告されている。
【0003】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、それらがホルモンおよび薬剤により調整されそして情緒的ストレスおよび高血圧の作用を反映する多数の組織中のミトコンドリア外膜と関連する、と思われる。脳中の末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、神経変性および炎症、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血のマーカーとして用いるために研究されてきた。末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、アポトーシス過程にも関連づけられてきた。
【0004】
PBRリガンドそれ自体は、種々の細胞過程、例えばヘム輸送、コレステロールおよびステロイド合成、アポトーシス、ならびにカルシウム輸送等を調整する。それらは、細胞増殖および分化にも関与する。
【0005】
いくつかのクラスのリガンドは、末梢性ベンゾジアゼピン受容体との高親和性結合を示すことが明らかにされており、最も広範に研究されているのはベンゾジアゼピンRo5-4864(7-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1-メチル-2H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン)およびイソキノリンPK-11195(1-(2-クロロフェニル)-N-メチル-N-(1-メチルプロピル)-3-イソキノリンカルボキサミド)である。11C、14Cおよび3Hで標識された場合、これらのリガンドは、in vivoおよびin vitro手段により、ヒト脳および心臓において末梢性ベンゾジアゼピン受容体をマッピングするために用いられてきた。[3H]PK-11195の取込み増強が、乳房、卵巣、前立腺、副腎、脳および結腸を含めた種々の腫瘍細胞で報告されている。適切なレベルの放射性同位体、例えば炭素-11、フッ素-18およびヨウ素-123/124による放射能標識は、先ず、これらの腫瘍を診断するために、そしてその後、それらを治療的用量で(例えば123I、125Iまたは131Iを用いて)治療するために用いられ得る。さらに近年の研究は、異なる器官および種におけるイソキノリンおよびベンゾジアゼピンリガンドに対する親和性において異なるいくつかの結合ドメインの存在も明示している。
【0006】
抗不安、催眠、抗痙攣、鎮痛およびその他の特性を有する種々の2-アリール置換イミダゾ[1,2-a]ピリジンイミダゾピリダジンおよびアリール-ピラゾロピリミジンが報告されている(Almirante L. et al., J. Med. Chem. 12, 122-126 (1969);Langer S.Z. et al., Pharmacol. Biochem, Behav. 29, 763-766 (1988);Langer S.Z. et al., Pharmacopsychiatry 23, 103-107 (1990);Bourguignon, J-J., “Endogenous and Synthetic Ligands of Mitochondrial Benzodiazepine Receptors: Structure Affinity Relationships” in Giesen-Grouse, E. ed. Peripheral Benzodiazepine Receptors, Academic Press, London (1993))。例えば123I標識化6-メチル-2-(4‘-ヨードフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-(N,N-ジメチル)-アセトアミドは、SPECTを用いる末梢性ベンゾジアゼピン受容体の試験のための考え得るトレーサーとして報告されている(Katsifis A. et al., J. Lab. Comp. Radiopharm. 40, 620-622 (1997))。
【0007】
公開済み国際出願WO 99/51594では、ピリジン核中に電気陰性置換基、特にハロゲンを有するある種の2-(ヨードフェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジンは末梢性ベンゾジアゼピン受容体との強力な結合ならびに中枢性ベンゾジアゼピン受容体とのより弱い結合を示す、ということが発見された。
【0008】
本発明は、種々の障害、例えば神経炎症、神経変性、卒中、アポトーシスおよびその他の障害の治療においてPBR薬理学的作用物質として用いるためのフッ化化合物の一クラスに関する。本発明は、陽電子放出断層撮影を用いるPET画像診断のために有用であるPET放射性核種18Fで標識された化合物にも関する。本発明の適切に放射能標識された化合物は、例えば高密度の末梢性ベンゾジアゼピン受容体を発現する癌を検出するために、および/または神経変性障害を検出するかまたは非侵襲的に診断するために、PET走査において臨床的に有用である。本発明の化合物は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害、例えば神経変性障害および腫瘍の治療のためにも有用である。
【発明の概要】
【0009】
第一の態様において、本発明は、式(I):
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、ハロゲン、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC2〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)の内の1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数(例えば0、1、2または3)であり、ここで、mが2または3である場合、R3基は同一であるかまたは異なり得る;
nは、1〜4の数、例えば1、2、3また4であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なり得る);
但し、R3はフルオロ置換基であり;あるいは
基Eはフルオロ置換基を含み;あるいは
基Zはフルオロ置換基を含むが、但しEは4-フルオロフェニルでなく;
さらなる条件は、Eが-PhFでないことである)
のフッ化化合物を提供する。
【0012】
本発明は、式(I):
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換され得る)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換され得る);
R3は、ハロゲンおよびC1〜C10アルキルから成る群から選択され;
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC2〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)の内の1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であるが;
但し、R3はフルオロ置換基であり;あるいは
基Eはフルオロ置換基を含み;あるいは
基Zはフルオロ置換基を含むが、但しEは-PhFでない)
のフッ化化合物を提供する。
【0013】
フルオロ置換基(単数または複数)という用語は19F(Fとしても言及される)を指すか、または18Fを指すか、または2つの混合物を指し得る。
【0014】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、これは、任意に、19F、18Fおよびその組合せ、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、19F、18Fおよびその組合せから選択される1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され得るし、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され得る。
【0015】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、これは、任意に、18Fで、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、18Fで置換され得るし、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され得る。
【0016】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であり得る(これは18Fで置換される)。
【0017】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であり得る(これは19Fで置換される)。
【0018】
第一の態様は、R3がフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)であり、あるいは基Eがフルオロ基(19Fまたは18Fまたはその組合せである)を含むか、あるいは基Zがフルオロ基(19Fまたは18Fまたはその組合せである)を含むという条件で、さらにEが-PhFであり得ない(または4-フルオロフェニルであり得ない)という条件であり得る。
【0019】
R3は、以下の:19Fおよび18Fから成る群から選択され得る。R3は、18Fであり得る。R3は、19Fであり得る。
【0020】
18Fは、放射性フルオロ置換基である。19F(代替的に、明細書全体を通してFとして言及される)は、非放射性フルオロ置換基である。
【0021】
本発明の一実施形態では、Qは酸素であり得る。
【0022】
本発明の別の実施形態では、mは1または2であり、そしてnは1または2、任意に1である。
【0023】
本発明のさらなる一実施形態では、pは1または2であり得るし、qおよびrは1であり得るし、そしてQは酸素であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、LはNである。いくつかの実施形態では、MおよびJのうちの1つはNである。
【0025】
一実施形態では、MおよびLはNであり、DおよびGはCHであり、そしてJはCである。別の実施形態では、D、MおよびLはNであり、JはCであり、そしてGはCHである。代替的一実施形態では、D、JおよびLはNであり、MはCであり、そしてGはCHである。
【0026】
R3は、炭素原子に結合され得る。
【0027】
R3は任意に、1つまたは複数のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換され得る。
【0028】
R3は、以下の:ハロゲンおよびC1〜C6アルキル(任意に、例えば1つまたは複数のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換される)から成る群から選択され得る。R3はメチルであり得る。それはメトキシであり得る。それはトリフルオロメチルであり得る。それはトリフルオロメトキシであり得る。
【0029】
別の実施形態では、R3は、クロロおよびC1〜C3アルキルから成る群から選択され得る。さらなる一実施形態では、R3はクロロまたはメチルであり得るし、そしてmは1または2であり得る。代替的には、R3はクロロでありそしてmは1または2であり得るか、あるいはR3はフルオロでありそしてmは1または2であり得るか、あるいはR3は18フルオロでありそしてmは1または2であり得る。m>1である場合、R3基は同一であるか、それらは異なり得る。例えばm=2である場合、R3基はともにメチルであるか、あるいは一方がメチルであり、他方がトリフルオロメチルであるか、あるいは一方がFであり、他方がトリフルオロメチルであり得る。R3はクロロでありそしてmは1または2であり得るか、あるいはR3は19フルオロでありそしてmは1または2であり得る。
【0030】
一実施形態では、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2)である。
【0031】
別の実施形態では、XおよびYは、以下の:NHおよび(CH2)n(ここでnは1である)から成る群から選択され得る。
【0032】
Yは(CH2)nであり、そしてXはNHであり得る(ここで、nは1または2である)。
【0033】
一実施形態では、-X-Y-C(O)-Zは以下の:-(CH2)n-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)または-(CH2)n-NH-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)から成る群から選択される構造を有し得る。
【0034】
ZはNR1R2またはフェニルであり得る。
【0035】
一実施形態では、ZはNR1R2である。
【0036】
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルから成る群から選択され得るし、そしてR1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する場合、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基または複素環式環は1〜3個のフルオロ置換基で任意に置換され得る。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。
【0037】
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルから成る群から選択され得るし、そしてR1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する場合、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基または複素環式環は、1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せから成る群から選択される1つまたは複数のフルオロ置換基で任意に置換され得る。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。
【0038】
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジルから成る群から選択され得るし、そしてR1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する場合、複素環式環、C1〜C6アルキル基、フェニル基またはピリジル基は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0039】
別の実施形態では、R1およびR2は、独立して、水素、フェニル、ピリジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチルおよびフェニルから成る群から選択され、この場合、これらの置換基の各々は1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0040】
代替的一実施形態では、R1およびR2は、水素、フェニル、ピリジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、ピロリジン環を形成し、ここで、フェニル、ピリジル、メチル、エチル、イソプロピルまたはピロリジン環は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0041】
Eがフェニルである場合、Eは任意に、4位置でそれに直接結合されるハロゲンを有し得ない。特にEは、4位置でそれに直接結合されるクロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード置換基を有し得ない。Eは、フェニルまたは置換フェニル(これは4位置でフルオロまたはヨード置換基により置換されない)であり得る。Eがフェニルである場合、それはいくつかの実施形態では、それに直接結合されるハロゲンを有さない。
【0042】
Eは、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つまたは複数で置換され、この各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0043】
Eは、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され、もしくは以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0044】
Eはピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0045】
Eは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0046】
Eはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0047】
Eはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に以下のフルオロ置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシ(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)のうちの1つで置換されるか、あるいはEはピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0048】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0049】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0050】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0051】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0052】
Eは、C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意にフルオロ置換基(例えば19F置換基または18F置換基)で置換され得る。
【0053】
Eは、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意にフルオロ置換基(例えば19F置換基または18F置換基)で置換され得る。
【0054】
Eは、C1〜C6アルコキシで置換されるフェニル基であって、これは任意にフルオロ置換基(例えば19F置換基または18F置換基)で置換され得る。
【0055】
一実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、Eはフルオロピリジル、フルオロピリミジニルまたはフルオロピリダジニルであり、ZはNR1R2であり(ここで、R1およびR2はC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択される)、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0056】
別の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、Eは18フルオロピリジル、18フルオロピリミジニルまたは18フルオロピリダジニルであり、ZはNR1R2であり(ここで、R1およびR2はC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択される)、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0057】
別の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、Eは19フルオロピリジル、19フルオロピリミジニルまたは19フルオロピリダジニルであり、ZはNR1R2であり(ここで、R1およびR2はC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択される)、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0058】
さらなる実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、EはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZはNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2はフルオロピリジルまたはフルオロフェニルである)である。
【0059】
さらなる実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、EはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZはNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は18フルオロピリジルまたは18フルオロフェニルである)である。
【0060】
さらなる実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、EはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZはNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は19フルオロピリジルまたは19フルオロフェニルである)である。
【0061】
一実施形態では、R3はFであり、mは1であり、そしてEはC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルである。
【0062】
一実施形態では、R3は18Fであり、mは1であり、そしてEはC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルである。
【0063】
別の実施形態では、R3はFであり、mは1であり、そしてEはC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニルである。
【0064】
別の実施形態では、R3は18Fであり、mは1であり、そしてEはC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニルである。
【0065】
さらなる実施形態では、R3はC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mは1または2であり、Yは存在せず、Xは(CH2)n(ここで、nは1または2である)であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0066】
さらなる実施形態では、R3はC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0067】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0068】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であて、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0069】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つのC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は単一のフルオロ置換基(19Fまたは18F)を含む。
【0070】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと次式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される。
【0071】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと次式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される。
【0072】
一実施形態では、フェニル基と結合されるアルコキシ基はパラ位置にある。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、R3はクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基である。
【0074】
本発明の特定の実施形態では、R3はクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であり得る。
【0075】
本発明の別の実施形態では、R3はメチルであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはNであり、MはCであり、JはNであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C6アルキルである)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であり得る。
【0076】
本発明のさらなる特定の実施形態では、R3はフルオロであり、mは1であり、GはCHであり、DはNであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C4アルキルである)であり、そしてEはC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり得る。
【0077】
本発明のさらなる特定の実施形態では、R3はフルオロであり、mは1であり、GはCHであり、DはNであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、YはNHであり、XはCH2またはCH2CH2であり、Zはフェニルであり、そしてEは1または2つのC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり得る。
【0078】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEがフルオロピリジン、フルオロピリダジンまたはフルオロピリミジンであり得る。
【0079】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEは19フルオロピリジン、19フルオロピリダジンまたは19フルオロピリミジンであり得る。
【0080】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEは18フルオロピリジン、18フルオロピリダジンまたは18フルオロピリミジンであり得る。
【0081】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよびフルオロピリジルから選択される)であり、そしてEはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり得る。
【0082】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび18フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり得る。
【0083】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび19フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり得る。
【0084】
本発明の一実施形態では、
GはCであり;
D、M、JおよびLは、それぞれ、N、C、NおよびN;C、N、CおよびN;またはN、N、CおよびNであり;
R3は、Cl、FまたはMeであり;
mは、1または2であり;
Eは、4-(3-フルオロエトキシ)フェニル、4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル、4-t-ブチルフェニル、4-メトキシフェニル、2-フルオロピリジン-5-イルまたは2-フルオロピリダジン-5-イルであり;
Xは、CH2(即ちnは1である)であり;
Yは、存在しないかまたはNHであり;そして
Zは、NMe2、NEt2、NPr2、NMeH、NHiPr、NMeEt、N-ピロリジニル、Ph、NMePhまたはNMe(5-(2-フルオロ)ピリジニル)である。
【0085】
第二の態様において、本発明は、式(Ia):
【0086】
【化2】
【0087】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、(CH2)nアリール、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C6アルキルおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、クロロ、ブロモまたはヨード置換基で、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数(例えば0、1、2または3)であって、mが2または3である場合、R3基は同一であるかまたは異なり得る;
nは、1〜4の数(例えば1、2、3または4)であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なる);
但し、Eは4-ヨードフェニルでない)
の化合物を提供する。
【0088】
本発明は、式(Ia):
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から独立して選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、(CH2)nアリール、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C6アルキルおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C10アルキルから成る群から選択され;
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、これは、クロロ、ブロモまたはヨード置換基で、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であるが;
但し、Eは4-ヨードフェニルでない)
の化合物を提供する。
【0089】
いくつかの実施形態では、Eは-PhIでない。
【0090】
本発明の一実施形態では、Qは酸素であり得る。
【0091】
本発明の別の実施形態では、mは1または2であり、そしてnは1である。
【0092】
本発明のさらなる実施形態では、pは1または2であり、qおよびrは1であり、そしてQは酸素であり得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、LはNである。いくつかの実施形態では、MおよびJのうちの1つはNである。
【0094】
一実施形態では、MおよびLはNであり、DおよびGはCHであり、そしてJはCである。別の実施形態では、D、MおよびLはNであり、JはCであり、そしてGはCHである。代替的実施形態では、D、JおよびLはNであり、MはCであり、そしてGはCHである。
【0095】
R3は、炭素原子と結合され得る。
【0096】
R3は、クロロ、ブロモおよびヨードおよびC1〜C6アルキルから成る群から選択され得る。別の実施形態では、R3は、クロロおよびC1〜C3アルキルから成る群から選択され得る。さらなる実施形態では、R3はクロロまたはメチルであり、そしてmは1または2であり得る。代替的には、R3はクロロであり、そしてmは1または2であり得るし、あるいはR3はフルオロ(19Fまたは18F)であり、そしてmは1または2であり得る。
【0097】
一実施形態では、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0098】
別の実施形態では、XおよびYは、独立して、NHおよび(CH2)n(ここで、nは1である)から成る群から選択され得る。
【0099】
Yは(CH2)nであり、そしてXはNHである(ここで、nは1〜3の数である)。
【0100】
一実施形態では、-X-Y-C(O)-Zは以下の:-(CH2)n-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)または-(CH2)n-NH-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)および-NH-(CH2)n-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)から成る群から選択される構造を有し得る。
【0101】
Zは、NR1R2またはフェニルであり得る。
【0102】
R1およびR2は、独立して、以下の:水素、C1〜C6アルキル、ベンジル、フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピリダジニルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。C1〜C6アルキル基、複素環式基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基またはベンジル基は、任意に、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され得る。
【0103】
R1およびR2は、独立して、以下の:水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピリダジニルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。C1〜C6アルキル基、複素環式基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基は、任意に、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され得る。
【0104】
別の実施形態では、R1およびR2は、独立して、水素、フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピリダジニル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチルおよびフェニルから成る群から選択され、これらの各々は1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0105】
代替的一実施形態では、R1およびR2は、水素、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルおよびt-ブチルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、ピロリジン環を形成し、これらの各々は、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0106】
R3は、以下の:ハロゲンおよびC1〜C6アルキル(任意に、例えば1つまたは複数のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換される)から成る群から選択され得る。R3はメチルであり得る。それはメトキシであり得る。それはトリフルオロメチルであり得る。それはトリフルオロメトキシであり得る。
【0107】
Eがフェニルである場合、Eは、4位置でそれに直接結合されるヨード置換基を有し得ない。Eは、4位置でそれに直接結合されるヨード置換基を有さない置換フェニルであり得る。それは、フェニル環に直接結合されるヨード置換基を有さない置換フェニルであり得る。
【0108】
Eは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つまたは複数で置換され、この各々は、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で任意に置換され得る。
【0109】
Eは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0110】
Eはフェニル、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0111】
第三の態様では、本発明は、18Fで放射能標識される第一の態様または第二の態様の化合物を提供する。本発明は、18Fで放射能標識される第一の態様の化合物を提供する。
【0112】
第四の態様では、本発明は、第一または第二の態様の化合物(18Fで放射能標識されない)を、少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に含む製剤組成物を提供する。
【0113】
第五の態様では、本発明は、第三の態様の化合物を、少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に含む製剤組成物を提供する。
【0114】
第六の態様では、本発明は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される哺乳類における障害の診断方法であって、以下の:
(i)哺乳類の身体中の放射能標識の位置の検出可能画像を記録させるのに十分な量で第三の態様の化合物を哺乳類に投与するステップ;
(ii)画像から障害の存在または非存在を診断するステップ
を包含する方法を提供する。
【0115】
第六の態様の方法は、哺乳類の身体の少なくとも一部における放射能標識の分布の画像を記録することを包含し得る。
【0116】
第六の態様の診断方法は、PETであり得る。したがってステップ(ii)は、哺乳類の身体またはその一部の陽電子放出断層撮影を実行し、そしてその結果生じる画像から障害の存在または非存在を確定することを包含し得る。
【0117】
第七の態様では、本発明は、治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の治療方法であって、治療的有効量の第一の態様または第二の態様の化合物(18Fで放射能標識されていない)あるいは第四の態様の製剤組成物を哺乳類に投与することを包含する方法を提供する。
【0118】
第八の態様では、本発明は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される哺乳類における障害の診断における診断用組成物の製造における第三の態様の化合物の使用を提供する。
【0119】
第九の態様では、本発明は、治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の治療のための薬剤の製造における第一の態様または第二の態様の化合物(18Fで放射能標識されていない)の使用を提供する。
【0120】
第三、第六または第八の態様の、あるいはそれに用いられる化合物は、以下の:PBRs099*、102*、103*、104*、105*、106*、107*、110*、111*、130*、120*、132*、133*、136*、139*、143*、146*、147*、149*、080*、081*、082*および083*(本明細書中に明記)またはその任意の組合せから成る群から選択され得る。これらの化合物はすべて、18Fで放射能標識される。
【0121】
第四、第七または第九の態様の化合物は、以下の:PBRs099、102、103、104、105、106、107、110、111、130、120、132、133、136、139、143、146、147、149、080、081、082、083、115、138、145、155、142、153、154、156、131、134、135、141、125、126、137、98、139、132、133、117、118、121、123、124、128、129、116、119、140、144、101、113および114またはその任意の組合せからなる群から選択され得る。これらの化合物は何れも、18Fで放射能標識されない。
【0122】
第十の態様では、本発明は、以下の:アポトーシス、神経変性障害、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血;腫瘍、例えば神経膠腫、ならびに卵巣、結腸、乳房、前立腺、脳および副腎の癌;神経毒性損傷、例えば卒中または心停止に起因する酸素欠乏症または虚血に関連したもの;ならびに認知障害から成る群から選択される症状の治療のための、あるいは認知増強のための第一または第二の態様による化合物(18Fで放射能標識されていない)の使用を提供する。
【0123】
第十一の態様では、本発明は第一、第二または第三の態様による化合物の製造方法であって、実質的にスキーム1〜8を参照しながら本明細書中に記載されるような方法を提供する(下記参照)。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】4時間に亘るラット(n=4)における化合物PBR111の生体分布のプロットを示す。プロットは、時間に対する組織1 g当たりの注入用量のパーセントを表す。
【図2】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864、そしてPBR111の非放射性類似体で前処理した場合のPBR受容体を発現する器官における[18F]PBR111放射性トレーサー分布の取込み低減を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR111活性を低減しない。
【図3】時間に対する[18F]PBR111/組織1 gのIDパーセンテージを示す。プロットは、トレーサーが長時間に亘ってPBR発現の正常分布を追跡する、ということを示す。
【図4】4時間に亘る齧歯類における[18F]PBR102の生体分布を示す。プロットは、[18F]PBR102の取込みパーセンテージを示す。
【図5】PBR発現に関連した図4からの組織の選択の生体分布データを示す。
【図6】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR102による[18F]PBR102取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR102取込みを低減しない。
【図7】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR111による[18F]PBR111取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR111取込みを低減しない。
【図8】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR102による[18F]PBR102取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR102取込みを低減しない。
【図9】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR111による[18F]PBR111取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR111取込みを低減しない。
【図10】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR132による[18F]PBR132取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR132取込みを低減しない。
【図11】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR147による[18F]PBR147取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR147取込みを低減しない。
【図12】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR099による[18F]PBR099取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR099取込みを低減しない。
【図13】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR146による[18F]PBR146取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR146取込みを低減しない。 * 「星印」を示すグラフ(図7〜図9)における結果は、結果の統計学的分析に関する。即ち、処置動物(n=3〜4)における、ならびに対照(n=4)における組織放射能濃度を比較するために、一元配置分散分析(ANOVA)により競合試験からの結果を分析した。有意に関する判定基準は、**p<0.01(高有意)および*p<0.05(有意)であった。星印は、正常または対照との統計学的差を意味しない。
【発明を実施するための形態】
【0125】
発明の詳細な説明
定義
【0126】
以下は、本発明の記述を理解するのに役立ち得るいくつかの定義である。これらは一般的定義として意図され、そして如何なる点でも本発明の範囲をその用語に限定すべきでないが、しかし以下の記述のより良好な理解のために記述される。
【0127】
状況が別の場合を必要としない限り、またはそれと反対に特定的に記述されない限り、単一の整数、ステップまたは要素として本明細書中で列挙される本発明の整数、ステップまたは要素は、単数および複数形の列挙される整数、ステップまたは要素をともに包含する。
【0128】
本明細書全体を通して、別記しない限り、「〜を含む」という用語、あるいは「〜を含む(単数)」または「〜を含んでいる」という変形は、記述されたステップまたは要素または整数あるいはステップまたは要素または整数の群を包含するが、しかし任意の他のステップまたは要素または整数あるいは要素または整数の群を包含しないことを意味すると理解される。したがってこの明細書の状況において、「〜を含んでいる」という用語は、「主に包含するが、しかし必ずしも専らではない」ことを意味する。
【0129】
本明細書中に記載される本発明は、特定的に記載されたもの以外の変更および修正を受け得る、と当業者は理解する。本発明はこのような変更および修正のすべてを包含する、と理解されるべきである。本発明は、本明細書中で言及されるかまたはそこに示されるステップ、特徴、組成物および化合物のすべてをも、独立してまたは集合的に、そして上記のステップまたは特徴の任意のおよびすべての組合せ、あるいはそれらのうちの任意の2つまたはそれより多くをも包含する。
【0130】
本明細書中で用いる場合、「治療的有効量(単数または複数)」という用語は、その意味の中に、所望の治療効果を提供するのに十分なしかし非毒性の本発明の化合物または組成物の量を包含する。必要とされる精確な量は、治療されている種、被験者の年齢および全身症状、治療されている症状の重症度、投与されている特定の化合物、投与方式等によって、被験者間で変わる。したがって精確な「治療的有効量」を特定することはできないが、しかしながら任意の所定の場合に関しては、適切な「治療的有効量」はルーチン試験および実験のみを用いて当業者により確定され得る。
【0131】
本明細書中で用いる場合、「治療」という用語は、疾患状態または症候を改善し、疾患の確立を防止し、あるいはそうでなければ、なんであれ任意の方法で疾患または他の望ましくない症候の進行を防止し、妨げ、遅らせるかまたは逆転する任意のおよびすべての使用を指す。
【0132】
本明細書中で用いる場合、「アルキル」という用語は、その意味の中に、1〜10個の炭素原子、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する一価直鎖または分枝鎖飽和脂肪族基を包含する。アルキル基は、1〜4、1〜6または1〜8個の炭素原子を有し得る。このようなアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert‐ブチル、アミル、イソアミル、sec‐アミル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチル-プロピル、ヘキシル、4-メチルペンチル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、1,2,2-トリメチルプロピルおよび1,1,2-トリメチルプロピル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
本明細書中で用いる場合、「アルコキシ」という用語は、式アルキル-O-(式中、アルキル基は上記と同様である)の基を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、tert‐-ブトキシ等が挙げられる。
【0134】
本明細書中で用いる場合、「アルケニル」という用語は、その意味の中に、2〜10個の炭素原子、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する一価直鎖または分枝鎖不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。アルケニル基は、2〜4、2〜6または2〜8個の炭素原子を有し得る。このようなアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、1-メチルビニル、ブテニル、イソ-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、シクロペンテニル、1-メチル-シクロペンチル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、シクロヘキセニル、1,3-ブタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1,3-シクロペンタジエニル、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,3-シクロヘキサジエニルおよび1,4-シクロヘキサジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
本明細書中で用いる場合、「アルキニル」という用語は、その意味の中に、2〜10個の炭素原子(例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子)を有し、そして少なくとも1つの三重結合を有する一価の直鎖または分枝鎖不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。アルキニル基は、2〜4、2〜6または2〜8個の炭素原子を有し得る。このようなアルキニル基の例としては、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-メチル-2-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1-ペンチニル、1-ヘキシル、メチルペンチニル、1-ヘプチニル、2-ヘプチニル、1-オクチニル、2-オクチニル、1-ノニル、1-デシニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
本明細書中で用いる場合、「アリール」という用語は、6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素の一価単一多核共役および縮合残基を指す。アリール基は、6〜10、6〜12、6〜14、6〜16または6〜18個の炭素原子を有し得る。このようなアリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、アズレニル、フェナントリル、ピレニル等が挙げられるが、これらに限定されない。芳香族残基の任意の利用可能な位置は、式(I)の分子の残りへの結合のために用いられ得る。
【0137】
本明細書中で用いる場合、「ヘテロアリール」という用語は、6〜20個の環原子を有する単一多核共役および縮合芳香族ラジカルを指すが、この場合、これらの環原子のうちの1〜6個または1〜5個または1〜4個または1〜3個または1〜2個は、N、NH、OおよびSから成る群から独立して選択される異種原子である。ヘテロアリール基は、6〜10、6〜12、6〜14、6〜16または6〜18個の炭素原子を有し得る。ヘテロアリール基は、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5または1〜6個の異種原子を有し得る。異種原子は、独立して、以下の:NおよびNH、NおよびO、NHおよびO、NおよびS、NHおよびSならびにSおよびOから成る群から選択され得る。このようなヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリジル、ピリジル、チエニル、フリル、ピリル、インドリル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピラジニル、チアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、プリニル、キナゾリニル、フェナジニル、アクリジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロ芳香族残基の任意の利用可能位置は、式(I)の分子の残りとの結合のために用いられ得る。窒素含有へテロアリール基は、窒素で酸素により置換されて、N-オキシドを形成し得る。イオウ含有へテロアリール基は、硫黄で1または2個の酸素原子により置換されて、それぞれスルホキシドまたはスルホンを形成し得る。
【0138】
化合物の合成
本発明による化合物は、当該技術分野で一般的に既知である反応の組合せを用いて合成され得る。本発明の化合物の合成のための出発材料は、市販されているか、または既知の化合物であるか、または当業者により容易に調製され得る化合物である。さらにまた、種々の保護基が合成全体を通して用いられ、この場合、分子上の官能基は所望の合成ステップと不適合性であり得る、と当業者は理解する。適切な保護基は当業者に既知であり、例えばGreene et al., ”Protective Groups in Organic Synthesis”; John Wiley & Sons, 2nd Edition, New York (1991)に記載されている。
【0139】
スキーム1は、適切に官能基化されたアセトフェノン誘導体1および適切に官能基化されたアミノピリジン2で開始する官能基化イミダゾ[1,2-a]ピリジンの考え得る一合成を示す。スキーム1〜6において、R3は、以下の:ハロゲン、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され、この場合、C1〜C10アルキル基は任意に置換される。R3は、(R3)m(ここで、mは0〜3の数である)であり得る。mが2または3である場合、R3基は同一であるかまたは異なり得るし、あるいはm=3である場合、2つは同一であり得るし、1つは異なり得る。反応は、エタノールのような溶媒、または類似の溶媒中で進行し、加熱によりイミダゾ[1,2-a]ピリジン3を提供する。
【0140】
【化3】
【0141】
スキーム2に示される代替的スキームにおいて、イミダゾ[1,2-a]ピリジンの3-位置の側鎖は、出発アセトフェノン誘導体(化合物1a)中に組入れられ得る。エタノールまたは類似の溶媒中での1aとアミノピリジン2との反応は、化合物3aを生じ、これはアミド側鎖を含む。
【0142】
【化4】
【0143】
適切な側鎖、例えばCH2C(O)NR1R2を導入するための代替的方法は、スキーム3に示される。この手順は、イミダゾ[1,2-a]ピリジン3を水性媒質中でホルムアルデヒドおよびジメチルアミンで処理してメタンアミン誘導体4を生じ、これは、ヨウ化メチルを用いてトリメチルアンモニウム塩に容易に転化される。シアン化物イオンによる5のトリメチルアンモニウム基の置換はシアノメチル化合物6を提供し、これは、既知の方法により対応する酸7に加水分解され得る。次に酸7は、一連のアミド誘導体8に転化され得る。
【0144】
【化5】
【0145】
代替物として、式4の化合物は、既知の方法により脱メチル化され、そしてアシル化されて、-CH2NHC(O)R側鎖を有する化合物を生成し得る。
【0146】
スキーム4は、適切に官能基化されたアリールアルデヒド誘導体1b、および適切に官能基化されたアミノピリジン2からイミダゾ[1,2-a]ピリジン誘導体を調製するための別の方法を示し、この場合、結果的に生じる生成物9は-NHCOOR側鎖を保有し得る。化合物1bおよび2の縮合反応は、イソシアノアセテート誘導体およびスカンジウム(III)トリフレートの存在下で実行される。スキーム4に示される手順は、式9の化合物(-NHCOOEt側鎖を保有する)を提供する。
【0147】
【化6】
【0148】
【化7】
【0149】
スキーム5は、式3のイミダゾ[1,2-a]ピリジン化合物中への-CH2NHC(O)-R基を導入するためのさらなる代替的手順を示す。この手順において、イミダゾ[1,2-a]ピリジン化合物は、硫酸の存在下でN-ヒドロキシベンズアミドで処理される。
【0150】
式11により表される型の化合物は、文献の方法に従って合成され得る(Selleri, S. et al. Bioorganic and Medicinal Chemistry 9, 2661-2671 (2001))。一例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-3-(4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンとの縮合を包含する。
【0151】
【化8】
【0152】
一般式12の化合物はスキーム1〜5に上記された方法により調製され得るが、但し、式2の化合物はアミノピリジンとは対照的に適切に官能基化されたアミノピリダジンである。
【0153】
【化9】
【0154】
【化10】
【0155】
スキーム1〜5に示された置換基Bは、一旦初期縮合反応が実施されれば広範囲の誘導体を製造するよう、当業者に既知の単純官能基相互変換を用いて操作され得る。スキーム6は、官能基化エーテル誘導体を調製するためのこのような一可能性を示す。メトキシ化合物13は、BCl3およびヨウ化テトラブチルアンモニウムを用いる標準手順により切断されて、ヒドロキシ化合物14を生じる。塩基の存在下での化合物14と適切なアルキルフッ化物との反応は、フッ化化合物15を生じる。
【0156】
スキーム7〜10は、本発明の選択化合物への合成経路を図示する。スキーム7〜10で言及される種々の方法A〜Jの実行例は、実施例3〜17に見出され得る。
【0157】
本発明の化合物の合成は、ヨード置換基が2-フェニル環上に必要でないという点で、WO 99/51594に開示された合成より簡単である、ということに留意すべきである。
【0158】
【化11】
【0159】
【化12】
【0160】
【化13】
【0161】
【化14】
【0162】
本発明による化合物は、以下のものを包含する:
【0163】
【化15】
【0164】
【化16】
【0165】
本発明の中間体化合物としては、以下のものも挙げられる:PBR 115、138、145、155、142、153、154、156、131、134、135、141、125、126、137、98、139、132、133、117、118、121、123、124、128、129、116、119、140、144、101、113および114(スキーム7〜10参照)。
化合物の放射能標識
【0166】
ダイアグラム1は、本発明の化合物の一般構造を例示し、この場合、AおよびCは不飽和環系であり、Bはアミド基の異なる立体配置を示し、そしてR1およびR2は種々の置換基を意味する。
【0167】
【化17】
【0168】
放射能標識は環BまたはC上で、あるいは位置R1またはR2で可能であり、放射能標識生成物を形成する。フッ化アルキル、フルオロピリジンおよびフルオロピリダジンの形態で18F標識生成物を形成する3つの異なる経路を、以下に記載する。
【0169】
フッ化アルキルは、環AまたはC上の置換基として、あるいはR1またはR2中の官能基の一部として導入され得るが、一方、フルオロピリジンおよびフルオロピリダジンは環AまたはCの一部として、あるいはR1またはR2中の基の一部として導入され得る。
【0170】
放射性フッ素化は、当業者に既知の方法により達成され得る。このような一方法は、[K2.2.2][K2CO3][18F]複合体の使用を包含するが、この場合、当該複合体は適切な脱離基、例えばハロゲンまたはO-トシレートまたはO-メシレートを保有する末端アルキル基と反応される。この方法は、上記のスキーム11、12および13に図示されている。
【0171】
【化18】
【0172】
【化19】
【0173】
【化20】
【0174】
典型的放射性フッ素化反応において、18F-フッ化物が、H18Fの形態で、18O-濃化水標的の衝撃により18O(p,n)18F核反応から生成される。水性18F-フッ化物溶液が、乾燥アセトニトリル(1 mL)、クリプトフィックス2.2.2および炭酸カリウムを含有する2.5 mL wheatonバイアルに付加される。溶媒は、約80〜120℃の温度で窒素流下で蒸発される。次にこの共沸乾燥は、アセトニトリル(2×1 mL)のさらなる付加により2回反復される。前駆体化合物は、適切な溶媒、例えばアセトニトリル、DMFまたはDMSO(1 ml)中に溶解されて、次に乾燥K222・K2CO3・KF複合体に付加される。撹拌および加熱が約5〜15分間継続された後、反応混合物は移動相で希釈され、そして逆相HPLCにより精製される。フッ化生成物に対応する放射性ピークが収集され、真空乾燥されて、次に生物学的評価のために生理食塩水(0.9%)中に処方される。
【0175】
放射性標識化合物
本発明による放射性標識化合物としては、以下のものが挙げられる:
【0176】
【化21】
【0177】
【化22】
【0178】
【化23】
【0179】
製剤組成物
本発明による製剤組成物は、経口的に、局所的に、非経口または皮下、例えば注射により、そして動脈内注入により、直腸的に、または吸入スプレーにより投与され得る。
【0180】
経口投与に関しては、製剤組成物は、錠剤、ロゼンジ、ピル、トローチ、カプセル、エリキシル、粉末、顆粒、懸濁液、乳濁液、シロップおよびチンキ剤の形態であり得る。緩徐放出または遅延放出形態も、例えば被覆粒子、多層錠剤または微粒剤の形態で調製され得る。経口投与のための固体形態は、製薬上許容可能な結合剤、甘味剤、崩壊剤、希釈剤、風味剤、コーティング剤、防腐剤、滑剤および/または時間遅延剤を含有し得る。適切な結合剤としては、アラビアゴム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースまたはポリエチレングリコールが挙げられる。適切な甘味剤としては、スクロース、ラクトース、グルコース、アスパルテームまたはサッカリンが挙げられる。適切な崩壊剤としては、コーンスターチ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、キサンタンゴム、ベントナイト、アルギン酸または寒天が挙げられる。適切な希釈剤としては、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、デキストロース、カオリン、セルロース、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムまたはリン酸二カルシウムが挙げられる。適切な風味剤としては、ペパーミント油、冬緑樹、桜桃、オレンジまたはラズベリーの油が挙げられる。適切なコーティング剤としては、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはそれらのエステルのポリマーまたはコポリマー、蝋、脂肪アルコール、ゼイン、セラックまたはグルテンが挙げられる。適切な防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、アルファ-トコフェロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベンまたは重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。適切な滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたはタルクが挙げられる。適切な時間遅延剤としては、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートが挙げられる。
【0181】
経口投与のための液体形態は、上記作用物質のほかに、液体担体を含有し得る。適切な液体担体としては、水、油、例えばオリーブ油、ゴマ油、ヒマワリ油、紅花油、落花生油、ヤシ油、液体パラフィン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、脂肪アルコール、トリグリセリドまたはその混合物が挙げられる。
【0182】
経口投与のための懸濁液は、分散剤および/または沈殿防止剤をさらに含み得る。適切な沈殿防止剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムまたはセチルアルコールが挙げられる。適切な分散剤としては、レシチン、脂肪酸、例えばステアリン酸のポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンソルビトールモノ-またはジ-オレエート、-ステアレートまたは-ラウレート等が挙げられる。経口投与のための乳濁液は、1つまたは複数の乳化剤をさらに含み得る。適切な乳化剤としては、上記で例示されたような分散剤、あるいは天然ゴム、例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴムが挙げられる。局所投与に関しては、製剤組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、ゼリー、チンキ剤、懸濁液または乳濁液の形態であり得る。製剤組成物は、上記で例示されたような製薬上許容可能な結合剤、希釈剤、崩壊剤、防腐剤、滑剤、分散剤、沈殿防止剤および/または乳化剤を含有し得る。
【0183】
非経口投与に関しては、式(I)または(Ia)の化合物あるいはその塩は、滅菌水性または油性溶液または懸濁液中に調製され得る。適切な非毒性非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒としては、水、リンガー溶液、等張塩溶液、1,3-ブタンジオール、エタノール、水との混合物でのプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが挙げられる。水性溶液または懸濁液は、1つまたは複数の緩衝剤をさらに含み得る。適切な緩衝剤としては、例えば酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたは酒石酸ナトリウムが挙げられる。
【0184】
直腸投与に関しては、式(I)または(Ia)の化合物は、浣腸剤または座薬の形態で適切に投与される。適切な座薬は、活性物質を、常温で固体であるが、しかし直腸中では融解する非限定的賦形剤と混合することにより調製され得る。適切なこのような材料は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。適切な浣腸剤は、局所投与のための形態に関して上記で例示されたような作用物質を含み得る。
【0185】
適切には、式(I)または(Ia)の化合物を含む吸入スプレーは、上記で例示されたような溶液、懸濁液または乳濁液の形態である。吸入スプレー組成物は、低毒性の吸入可能噴射剤をさらに含み得る。適切な噴射剤としては、二酸化炭素または酸化窒素が挙げられる。
【0186】
第一、第二または第三の態様の化合物を含む製剤組成物、診断組成物および薬剤は、当該技術分野で一般的に既知である方法により製造され得る。組成物または薬剤は、第一または第二の態様の化合物を、1つまたは複数の適切な担体、アジュバント、希釈剤または賦形剤とともに、磨砕し、粉砕し、配合し、分散し、溶解し、懸濁し、混合し、投与し、併合し、乳化しまたは均質化することにより、調製され得る。前記のステップのうちの2またはそれより多くの組合せも、用いられ得る。
【0187】
式(I)または(Ia)の化合物の剤形は、0.01重量%〜99重量%の式(I)または(Ia)の化合物を含む。通常、本発明による剤形は、0.1重量%〜約10重量%の活性物質を含む。
【0188】
本発明の第六の態様による診断方法では、典型的には約3〜約10 mCiの投与量の第三の態様の化合物が、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の存在または非存在を診断するのが望ましい哺乳類に、通常はヒトに、典型的には投与される。第二の実施形態の化合物の投与の0.5〜4時間後、哺乳類の身体または身体の一部における放射能の分布の画像が得られる。小児への投与のためにはより低い用量が適切であり、そして腫瘍の診断のためにはより高い投与量がより適切である(この場合、画像診断は物質の投与後2〜4時間またはそれ以後に実行されるべきである)、と理解される。末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度が障害に罹患している哺乳類で生じる部位での放射能の濃度の存在は、陽性診断を示す。
【0189】
第七の態様による方法は、第一または第二の態様の化合物、あるいは第四の態様の製剤組成物の、哺乳類への、典型的にはヒトへの投与を包含する。第四の態様の製剤組成物の1回または多数回投与が実行され得る。当業者は、ルーチン実験により、本発明の化合物および/または組成物の治療的有効量(非毒性である)を、ならびに化合物および組成物が適用可能である疾患を治療するのに適している投与パターンを確定し得る。
【0190】
さらに、例えば限定日数の間に1日当たりで投与される本発明の化合物または組成物の治療的有効量の用量投与回数といったような最適治療コースが、慣用的治療確定試験を用いて確認され得る、ということが当業者には明らかになる。一般的に、治療的有効量/24時間は、約0.0001 mg〜約1000 mg/体重1 kg;適切には約0.001 mg〜約750 mg/体重1 kg;約0.01 mg〜約500 mg/体重1 kg;約0.1 mg〜約500 mg/体重1 kg;約0.1 mg〜約250 mg/体重1 kg;または約1.0 mg〜約250 mg/体重1 kg;の範囲であり得る。さらに適切には、有効投与量/24時間は、約1.0 mg〜約200 mg/体重1 kg;約1.0 mg〜約100 mg/体重1 kg;約1.0 mg〜約50 mg/体重1 kg;約1.0 mg〜約25 mg/体重1 kg;約5.0 mg〜約50 mg/体重1 kg;約5.0 mg〜約20 mg/体重1 kg;または約5.0 mg〜約15 mg/体重1 kg;の範囲であり得る。治療的有効量/24時間は、被験者における障害の治療が達成されるまで、毎日、または2、3、4、5、6または7日毎に継続され得る。
【0191】
本発明の第一または第二の態様の化合物の治療的投与量は、患者において治療されるべき症状およびその重症度といったような因子によって、任意の所定の環境で担当医により確定され得る。
【0192】
本発明による化合物が有用である治療に関する症状は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度に関連した症状、例えば炎症、神経変性障害、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血;ある種の腫瘍、例えば神経膠腫、ならびに卵巣、結腸、乳房、前立腺、脳および副腎の癌;神経毒性損傷、例えば卒中または心停止に起因し得る酸素欠乏症または虚血に関連したもの;認知障害(認知増強における、そしてアポトーシス過程の調整における)である。本発明による化合物は、障害、障害の段階、治療に対するその応答、ならびに明らかになり得る任意の望ましくない作用によって、1回用量投与で、または2回用量投与で、または多数回用量投与で投与され得る。
【0193】
in vivo生体分布試験
本発明の放射性標識化合物のin vivo生体分布は、既知のPBR部位を有する組織において高取込みを示した。表1、1A、2、2A、3、4、5および6は、ラットに投与される場合、フッ素原子が放射能標識されるPBR111*、PBR102*、PBR132*、PBR146*、PBR147*およびPBR099*の化合物の生体分布を示す。放射性標識を有さないPK11195のような既知の標準によるラットの前処理(1 mg/kg)は、当該組織における活性の取込みを有意に低減した。フルマゼニルおよびその他の中枢作用性ベンゾジアゼピンによる前処理は、本発明の放射性標識化合物の活性の取込みを低減せず、それにより、in vivoでの本発明の化合物の結合が末梢性ベンゾジアゼピン受容体に対して特異的且つ選択的である、ということを示す。
【0194】
【表1】
【0195】
【表2】
【0196】
【表3】
【0197】
【表4】
【0198】
【表5】
【0199】
【表6】
【0200】
【表7】
【0201】
【表8】
【0202】
in vitro結合試験
末梢性ベンゾジアゼピン結合部位に関する選択化合物の阻害定数(IC50)を、三重反復実験で、4℃で1時間、希釈腎臓膜調製物(200 ug)のアリコート(0.1 ml)を、7つの濃度の化合物(10-5〜10-10 M)および[3H]-PK11195(2 nM)とともに、0.5 mlの最終容積でインキュベートすることにより確定した。非特異的結合を、PK11195(10 μM)を用いて確定した。
【0203】
同様に、中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関する化合物のIC50を、三重反復実験で、25℃で45分間、希釈脳皮質膜調製物(200 ug)のアリコート(0.1 ml)を、7つの濃度の化合物(10-5〜10-10 M)および[3H]-フルマゼニル(2 nM)とともに、0.5 mlの最終容積でインキュベートすることにより確定した。非特異的結合を、フルマゼニル(20 μM)を用いて確定した。両方の場合、WhatmanGF/Bガラス繊維を通した迅速濾過により、インキュベーションを終結した。フィルターを直ちに5 mLの氷冷50 mMトリス/HCl、pH7.4で3回洗浄した。β-シンチレーション計数器(Packard)でフィルターを計数して、結合放射能の量を測定した。末梢性ベンゾジアゼピン結合部位および中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関する化合物のIC50を、Kell6ソフトウェアを用いて算定した。これらの結果を、表7に示す。
【0204】
【表9】
【実施例】
【0205】
ここで、以下の実施例を参照しながら、例証のみのために、本発明をさらに詳細に記載する。実施例は本発明を例証するのに役立つよう意図されており、この明細書全体を通して記述の開示の普遍性を限定すると解釈されるべきでない。
【0206】
比較例
【0207】
【化24】
【0208】
2-ヨード置換基を2-フルオロ置換基に取り替えるという選択性に及ぼす作用を査定するために、化合物1〜4を調製した。IC50値から分かるように、2-フルオロ置換基が2-ヨード置換基の代わりに置き換えられる場合、末梢性ベンゾジアゼピン受容体に関する選択性は失われる。上記の結果は、意外にも、WO 99/51594に開示された化合物のヨード置換基のフルオロ置換基による単純な取替えが、末梢性ベンゾジアゼピン受容体とは対照的に、中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関して選択的である化合物を生じる、ということを示す。予期せぬことに、フェニル環からヨード置換基を除去し、そしてフルオロ置換アルコキシ基を結合すると、末梢性ベンゾジアゼピン受容体に関する選択性を保持するフッ化化合物を生じ、したがって、それらはPET画像処理に、そして末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の治療的適用にも有用である。
【0209】
実施例1 - 前駆体ブロモアセトフェノンの調製
四塩化炭素(10 ml)中の臭素(2.52 g, 15.75 mmol)の溶液を、1滴の濃HBrを含有する四塩化炭素(50 ml)中のN,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミド(3.945 g, 15.0 mmol)の撹拌氷冷溶液に、1時間に亘って付加した。撹拌をこの温度でさらに2時間、次に室温で30分間継続した。淡黄色溶液を蒸発させて、残渣を酢酸エチル(100 ml)および水(50 ml)とともに撹拌した。固体重炭酸ナトリウムを注意深く付加して、臭化水素を中和し、有機相を分離し、洗浄(ブライン、3×10 ml)し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発指せて、粗製ブロモケトン、3-ブロモ-N,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミドを無色油(5.15 g)として得た。
【0210】
実施例2 - ピリジンベースのブロモアセトフェノンの調製
1つの反応容器中で、2-クロロ-5-アセチルピリジン(1.55 g, 10 mmol)を、酢酸(30 ml)中の45%HBr中に溶解し、氷水浴中で20分間撹拌したままにして、暗褐色溶液を形成した。別個の反応溶液中で、臭素(1.61 g, 10 mmol)を酢酸中のHBr(45%)(6 ml)に付加し、その結果生じた溶液を第一反応容器に付加した。併合反応混合物を氷水浴中で1時間撹拌したままにした。この時間の後、無水ジエチルエーテルを反応溶液に付加して、沈殿反応を生じた。さらなる沈殿が形成されなくなるまで、ジエチルエーテルを付加した(〜60 ml)。固体を濾過により収集し、冷ジエチルエーテルで洗浄(ナトリウム上で乾燥)して、HBr塩として2-ブロモ-1-(6-クロロピリジン-3-イル)エタノンの淡黄色粉末を得た(2.44 g, 77%)。
【0211】
実施例3 - 方法A1 - 縮合1
無水エタノール(15 ml)中の2-ブロモ-4‘-メトキシアセトフェノン(1.4 g, 6.13 mmol)、2-アミノ-3,5-ジクロロピリジン(1.0 g, 6.13 mmol)の混合物を、加熱還流した。2時間後、NaHCO3(309 mg, 3.68 mmol)を暗褐色溶液に徐々に付加した。反応混合物をさらに15時間還流し続けた後、NaHCO3のもう一つの部分を徐々に付加した(206 mg, 2.45 mmol)。15分後、反応を冷却し、冷蔵庫中に20時間保持した。その結果生じた沈殿物を濾過により収集し、冷エタノールで、その後水で洗浄した。次に固体を熱エタノール中で10分間煮沸した後、室温に冷却させて、次に濾過により収集して、6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジンをベージュ色結晶として得た(1.34 g, 75%)。
【0212】
実施例4 - 方法A2 - 縮合2
乾燥DMF(10 ml)中の3-ブロモ-N,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミド(60%)、3-ブロモ-4-(4-メトキシフェニル)-N,N-ジエチル-4-オキソブタンアミド(20%)およびN,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミド(20%)(総重量4 g)の溶液を、110℃でDMF中の3,5-ジクロロ-2-アミノピリジン(1.63 g, 10.0 mmol)の撹拌溶液に、5時間に亘って一部ずつ付加した;この温度で6時間、次に100℃で15時間、加熱を継続した。冷却混合物を酢酸エチル(75 ml)で希釈し、洗浄し(水、3×20 ml;10%水性酒石酸、20 ml;2%水性NaHCO3、10 ml;水、2×10 ml;ブライン、2×10 ml)、乾燥(Na2SO4)して、短いシリカカラム(約4 g)を通して走行させて、溶離を酢酸エチル(30 ml)を用いて継続させた。溶媒を蒸発させて赤褐色タールを得て、これをAlltech Alltima C18、10μ、250×22 mmカラム上での分取HPLCにより精製し、80%アセトニトリルおよび20%重炭酸アンモニウム(20 mM)を用いて10 mL/分で溶離した。主生成物(11.0分で溶離)を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(465 mg, 全体で9.54%)の白色針晶を得た。少ない方の生成物(13.8分で溶離)は、同一溶媒から、2-(2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(209 mg, 3.59%)の白色羊毛状針晶を生じた。
【0213】
実施例5 - 方法B - UGI反応
2-アミノ-5-クロロピリジン(200 mg, 1.56 mmol)、4-ブロモベンズアルデヒド(346 mg, 1.87 mmol)およびスカンジウム(III)トリフレート(38 mg, 0.078 mmol)の混合物を、メタノール・ジクロロメタン(1:3, 3 ml)中に溶解した。室温で30分間撹拌後、エチルイソシアノアセテート(212 mg, 1.87 mmol)を付加し、反応を継続して、室温で72時間撹拌した。この時点で、反応混合物をDCM(10 ml)で希釈し、次に水で洗浄した。水相をDCM(2×10 ml)で抽出し、次に併合有機抽出物を重亜硫酸ナトリウム(2 M, 25 ml)とともに10分間激しく撹拌した後、有機抽出物を分離し、乾燥(Na2SO4)し、濾過して、濾液を真空濃縮して黄色油を得た。黄色油を、ヘキサンを付加しながら熱酢酸エチルから結晶化した。黄色結晶を濾過により収集して、エチル2-(2-(4-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イルアミノ)アセテート(411 mg, 65%)を得た。
【0214】
実施例6 - 方法C1
ステップ1. 酢酸(25 ml)中の2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン(1.93 g, 6.3 mmol)の溶液に、水性ジメチルアミン(40%, 11.8 ml, 1.2当量)を撹拌しながら徐々に付加した。温度を上げて、沈殿を形成した。水性ホルムアミド(37%, 4.7 ml)を次に付加し、混合物を55〜60℃で20時間撹拌した。冷却後、溶媒を濃縮し、褐色残渣を水(10 ml)およびクロロホルム(20 ml)の混合物中に溶解し、次にpHが12になるまで、2.5 M水性NaOHを撹拌しながら徐々に付加した。クロロホルム層を分離し、水性相をさらにクロロホルム(10 ml+2×5 ml)で抽出した。次に併合クロロホルム溶液を2 NHCl(3×10 ml)で抽出した。次に抽出物をNaOHで塩基性にして、pH12とした。黄色ゴム状固体が生じた。固体をEtOH中に再溶解して、エタノール/水から再結晶化して、(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミンをベージュ色結晶固体として得た(1.36 g, 60%)。
【0215】
ステップ2. ステップ1からの生成物[(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン(1.3 g, 3.6 mmol)]をベンゼン(15 ml)中に溶解し、ヨードメタン(0.8 ml(1.8 g), 13 mmol)を付加した。光の非存在下で18時間、反応を撹拌させたままにした。白色固体が析出したら、濾過により収集し、ベンゼンで洗浄して、ヨウ化トリメチルアンモニウム塩(0.8 g)を得た。
【0216】
ステップ3. ステップ2から得られたヨウ化トリメチルアンモニウム塩(0.51 g, 1.1 mmol)をEtOH/H2O(1/1, 10 ml)中に溶解し、KCN(0.50 g, 7.8 mmol)を付加して、懸濁液を形成した。混合物を24時間加熱還流した。冷却時に、懸濁液をN2で1時間吹き込んで、次に蒸発させてEtOHを除去した。水(10 ml)を付加し、その結果生じた褐色固体を濾過して、収集した。固体をデシケーター中で乾燥して、アセトアミド2-(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセトアミドを淡黄色固体(0.4 g)として得た。
【0217】
ステップ4. ステップ3からのアセトアミド(0.4 g)を濃HCl(6 ml)および酢酸(6 ml)の溶液に付加した。懸濁液を一晩加熱還流して、冷却するとオフホワイト沈殿が生じた。次に混合物を蒸発させて乾燥し、水(10 ml)および10%NaOH(5 ml)を付加した。その結果生じた溶液を80℃で40分間加熱して、次に濾過した。褐色濾液を冷却し、濃HClで酸性にしてpH4とし、加水分解生成物2-(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸をクリーム色固体として沈殿させた(0.24 g, 60%)。
【0218】
実施例7 - 方法C2
ステップ1、2および3は方法C1で上記したものと同一であるが、しかしながらステップ4における加水分解は部分修正した。HCl/酢酸の溶液を用いる代わりに、HBr(48%, 200 ml)および酢酸(100 ml)の溶液をアミド、例えば2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセトアミド(99.6 g, 0.031 mol)に付加した。反応混合物を48時間加熱還流して、冷却後に、白色沈殿を得た。その結果生じた結晶固体を濾過により収集し、水で洗浄して、酸2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸を臭化水素酸塩として得た(10.8 g, HBr塩、89%)。
【0219】
実施例8 - 方法C3 - 逆アミド反応
濃硫酸(18 μl)を、(6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン)(40 mg, 0.15 mmol)、N-ヒドロキシベンズアミド(22.7 mg, 0.15 mmol)および酢酸(1.0 ml)の混合物に激しく撹拌しながら滴下した。次に混濁溶液を、110℃で12時間、油浴中で加熱し、冷却して、酢酸エチル(15 ml)で希釈して、余分量の炭酸ナトリウム溶液(2.5%)で洗浄した。有機層を水(2×3 ml)および飽和ブライン(2 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させて油状残渣を得て、これをAlltech Alltimaカラム(250×22 mm, 10μ)上での分取HPLCにより分離し、50%アセトニトリルおよび50%重炭酸アンモニウム(20 mM)を用いて10 ml/分で溶離した。14.8分で溶離された生成物は、クロロホルム/エタノールからの結晶化後に、N-((6-クロロ-2-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミドを微細白色針晶(8.2 mg, 収率14.3%)として生じた。16.9分で溶離された生成物は、酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化後に、N-((6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミドを白色針晶(10.2 mg, 収率17.0%)として生じた。
【0220】
実施例9 - 方法D1 - EDCIを用いたカップリング(縮合)
ジイソプロピルエチルアミン(620 μl, 3.6 mmol)を、乾燥DMF(6 ml)中の(2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸)(702 mg, 2.0 mmol)、N-メチルアニリン(260 μl, 2.4 mmol)およびHOBT(270 mg, 2.0 mmol)の撹拌混合物に付加した。すべての固体を溶解後、EDCI(500 mg, 2.6 mmol)を次に付加した。4日後、酢酸(350 μl, 6 mmol)および水(約15 ml)を撹拌しながら徐々に付加した。混合物を5℃で3時間冷却した後、その結果生じた沈殿を濾過により収集して、クロロホルム/エタノールから再結晶化して、2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド(842 mg, 収率95.6%)を白色羊毛状針晶として得た。
【0221】
例外
ジイソプロピルエチルアミン(2.09 ml, 12.0 mmol)を、乾燥DMF(8 ml)中の(2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸)(臭化水素酸塩、1.1505 g, 3.0 mmol)、ジエチルアミン(372 μl, 3.6 mmol)およびHOBT(405 mg, 3.0 mmol)の撹拌混合物に付加した。すべての固体を溶解後、EDCI(748 mg, 3.9 mmol)を付加した。18時間後、酢酸(500 μl)および水(50 ml)を撹拌しながら徐々に付加した。混合物を5℃に6時間冷却した後、収集された固体生成物を水で十分に洗浄し、乾燥した。この粗生成物(901 mg)(カルボン酸およびフェニル部分の縮合から形成される二量体および三量体を含有した)を、乾燥DMF(3 ml)およびジエチルアミン(0.5 ml)とともに、密閉容器中で約100℃で2時間撹拌した。それを、フタを外して、すべての固体が溶解し、余分量のジエチルアミンのほとんどが蒸発されるまで、さらに加熱した。酢酸エチル(10 ml)を迅速に付加し、生成物を結晶化させた。結晶を4時間後に5℃で収集し、少容量の冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、(2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(816 mg, 収率76.1%)を白色羊毛状針晶として得た。
【0222】
実施例10 - 方法D2 - CDIを用いたカップリング(縮合)
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸(176 mg, 0.50 mmol)、カルボニルジイミダゾール(122 mg, 0.75 mmol)および乾燥DMF(1.5 ml)の混合物を、室温で6時間撹拌した。この時間の後、3-アミノ-2-クロロピリジン(71 mg, 0.55 mmol)を付加し、反応混合物を85℃(油浴温度)で16時間加熱した。水(約10 ml)を、激しく白斑視ながら冷却混合物に徐々に付加して、生成物を紫赤色固体として沈殿させて、これを2時間後に収集し、水で洗浄し、エタノールから再結晶化して、2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド(145.4 mg, 63.0%)を薄桃色羊毛状針晶として得た。
【0223】
実施例11 - 方法E1 - 加水分解1
水(10 ml)中の水酸化ナトリウム(0.40 g, 10 mmol)の溶液を、メタノール(40 ml)中のメチル2-(2-(4-(2-フロオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセテート(1.45 g, 4.0 mmol)の撹拌混合物に付加した。混合物を還流下で1時間沸騰させた。メタノールのほとんどを蒸留させて(大気圧)、最終容量を約20 mlとした。溶液をわずかに冷却して、酢酸(1 ml)を迅速に付加し、混合物をかき回さずに放置して、生成物を結晶化した。これを一晩冷蔵した後に収集し、冷1:1メタノール/水で洗浄し、乾燥して、2-(2-(4-(2-フロオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸(1.371 g, 98.4%)を白色フレークとして得た。
【0224】
実施例12 - 方法E2 - 加水分解2
MeOH(3 ml)中の2-(2-(4-(4-アセトキシブトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(180 mg, 0.38 mmol)の溶液に、H2O(1 ml)中の炭酸セシウム(276 mg, 0.76 mmol)の溶液を徐々に付加した。周囲温度で2日間撹拌後、沈殿が観察されたら、濾過により収集した。固体を濾過により収集し、水で洗浄した。次に固体を熱酢酸エチルおよびヘキサンから再結晶化して、2-(4-(4-ヒドロキシブトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミドを無色結晶として得た(146 mg, 90%)。
【0225】
実施例13 - 方法F - エステル化
撹拌メタノール(50 ml)に、濃硫酸(1.5 ml)を、その後、2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸(臭化水素酸塩、1.918 g, 5.0 mmol)を付加した。混合物を50℃Cで1.25時間加熱して、室温に冷却し、トリメチルオルトホルメート(530 mg, 5.0 mmol)を付加した。翌日、混合物を、酢酸エチル(400 ml)、水(100 ml)および重炭酸ナトリウム(6.0 g)の混合物に激しく撹拌しながら徐々に注ぎ入れた。分離有機層を洗浄し(水、2×50 ml;5%水性炭酸ナトリウム、10 ml;水、2×50 ml;ブライン、25 ml)、乾燥し(Na2SO4)、そして結晶化を十分に進行させるまで(約20 ml残存)濃縮(Rotavapor)した。次にヘキサン(20 ml)を徐々に付加した。その結果生じた生成物を2時間後に収集し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1, 20 ml)で洗浄して、乾燥し、メチル2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセテート(1.4673 g, 92.7%)を白色針晶として得た。
【0226】
実施例14 - 方法G - フェノールのアルキル化
2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(71.5 mg, 0.2 mmol)、2-ブロモエチルメチルエーテル(55.6 mg, 38 μl、0.4 mmol)、炭酸カリウム(83 mg, 0.6 mmol)、ヨウ化カリウム(5 mg)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.4 mg)および乾燥DMF(1 ml)の混合物を、2日間激しく撹拌した。混合物を酢酸エチル(15 ml)で希釈し、洗浄し(水、4×3 ml;ブライン、3 ml)、乾燥して(Na2SO4)、蒸発させた。その結果生じた残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、2-(2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(76 mg, 収率91.5%)を薄黄色フレークとして得た。
【0227】
実施例15 - 方法H - アルキルアルコールのフッ素化
ジイソプロピルエチルアミン(210 μl, 1.2 mmol)、フッ化ペルフルオロ-1-ブタンスルホニル(69 μl, 0.40 mmol)およびトリエチルアミン・トリヒドロフルオリド(67 μl, 0.40 mmol)を、2-(2-(4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(82 mg, 0.20 mmol)および乾燥アセトニトリル(0.80 ml)の撹拌混合物に付加した。混合物を30分間40℃に温めて、次に室温で一晩放置した。揮発性物質を除去し、酢酸エチル(10 ml)中の残留油の溶液を洗浄し(水、3×3 ml;10%水性酒石酸、3 ml;水、2×3 ml;ブライン、3 ml)、乾燥して(Na2SO4)、蒸発させた。残渣を、Alltech Alltima C18、250×22 mmカラム上での分取HPLCにより精製し、70%アセトニトリル、30%水+0.1%TFAを用いて10 ml/分で溶離した。15.4分でのピークを収集し、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(48.6 mg, 59.0%)を粒の粗い針晶として得た。
【0228】
実施例16 - 方法I - 脱メチル化
乾燥ジクロロメタン(10 ml)中の(N,N-ジエチル-2-(2-(4-メトキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)アセトアミド)(732 mg, 2.0 mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(812 mg, 2.2 mmol)の撹拌溶液を、N2でフラッシュしながら、エタノール/液体窒素浴(約−70℃)中で冷却した。次に、激しく撹拌しながら、ヘキサン中の三塩化ホウ素(1.0 M, 9.0 ml, 9.0 mmol)の溶液を5分間に亘って注射器により滴下した。5分後、エタノール/N2浴を氷と取り替えて、撹拌を2.5時間継続した。氷および水(合計約30 ml)を注意深く付加することにより反応をクエンチして、反応混合物を、全固体が分散されるまで(約1時間)撹拌した。半固体塊を、水(50 ml)、クロロホルム(50 ml)およびエタノール(5 ml)とともに激しく振盪した;固体重炭酸ナトリウムを少量ずつ付加して、ホウ素化合物の加水分解からの酸を中和し、これは、余分量の重炭酸塩の存在下で混合物がもはや紫色でなくなった時、完了した。有機層を分離し、水性相をより多くのクロロホルム(2×20 ml)で抽出した。併合有機溶液を希釈ブライン(50 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させて、結晶半固体を得て、これをアセトニトリル(4 ml)でスラリー化し、結晶を濾し取り、最少量の冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、N,N-ジエチル-2-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)アセトアミド(620 mg, 収率88.1%)を白色針晶として得た。
【0229】
実施例17 - 方法J - ハロピリダジンのフッ素化
4 ml容器中の2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(66.5 mg, 0.15 mmol)、フッ化カリウム(87 mg, 1.50 mmol)、ジメチルスルホキシド(0.60 ml)およびトルエン(1.5 ml)の混合物を撹拌し、徐々に170℃(油浴温度)に加熱して、トルエンを蒸発させ、水を除去した。容器をN2でフラッシュし、密封して、165〜170℃に7時間保持した。冷却混合物を酢酸エチル(3 ml)で希釈し、洗浄し(水、3×1 ml;ブライン、1 ml)、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。半結晶残渣をAlltech AlltimaC18 250×22 mmカラム上での分取HPLCにより精製し、80%アセトニトリル、20%水+0.1%TFAを用いて20 ml/分で溶離した。7.4分でのピークを収集し、濃縮し、その結果生じた固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、38.5 mgの2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(67.2%)を無色プレートとして得た。
【0230】
実施例18 - フッ化アルキルを形成するための放射合成
【0231】
【化25】
【0232】
18O-濃化水標的の衝撃による18O(p,n)18F核反応により、[18F]フッ化物(H18Fの形態で)を生成した。水性18F-フッ化物溶液を、乾燥アセトニトリル(1 mL)、クリプトフィックス2.2.2(5 mg, 13.3 μmol)および炭酸カリウム(2 mg, 14.5 μmol)を含有する2.5 mL wheatonバイアルに付加した。溶媒を、減圧真空で90℃で窒素流下で蒸発させた。この共沸乾燥を、アセトニトリル(2×1 mL)のさらなる付加により2回反復した。トシレート前駆体2-(2-(4-(2-トシルエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(2 mg, 3.6 μmol)をアセトニトリル(1 ml)中に溶解し、乾燥K222・K2CO3・KF複合体に付加した。撹拌および90℃での加熱を10〜15分間継続した後、反応混合物を移動相で希釈し、そしてAlltech AlltimaC18、10μ、250×22 mmカラム上での逆相HPLCにより精製し、45%アセトニトリル、55%水+0.1%TFAを用いて10 ml/分で溶離した。13〜14分の放射能ピークを収集し、真空乾燥し、次に生物学的評価のために生理食塩水中に、典型的には生体分布試験のためにラット当たり典型的には25 μCi/100 μl生理食塩水溶液中に処方した。
【0233】
実施例19 - 種々の化合物に関する特性化データ
スキーム1〜4に示した一般手順により、そして方法A〜Jを利用することにより、以下の化合物を合成し、特性化した。
【0234】
PBR098
N,N-ジエチル-2-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)アセトアミド
融点:234〜235℃。
【0235】
【化26】
【0236】
元素分析:C20H24N4O2に関する理論値、C=68.16;H=6.86;N=15.90。実測値、C=67.97、H=6.95、N=15.85。
【0237】
PBR099
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:148℃。
【0238】
【化27】
【0239】
元素分析:C22H27FN4O2に関する理論値、C=66.31;H=6.83;N=14.06。実測値、C=66.47、H=6.89、N=14.17。
【0240】
PBR101
2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
【0241】
【化28】
【0242】
PBR102
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:142℃。
【0243】
【化29】
【0244】
元素分析:C21H23ClFN3O2に関する理論値、C=62.45;H=5.74;N=10.40。実測値、C=62.51、H=5.79、N=10.43。
【0245】
PBR103
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジプロピルアセトアミド
融点:158〜160℃。
【0246】
【化30】
【0247】
元素分析:C23H27ClFN3O2に関する理論値、C=63.96;H=6.30;N=9.73。実測値、C=64.15、H=6.36、N=9.78。
【0248】
PBR104
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)エタノン
融点:150〜152℃。
【0249】
【化31】
【0250】
元素分析:C21H21ClFN3O2に関する理論値、C=62.76;H=5.27;N=10.46。実測値、C=63.02、H=5.38、N=10.41。
【0251】
PBR105
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
融点:194〜196℃。
【0252】
【化32】
【0253】
元素分析:C19H19ClFN3O2に関する理論値、C=60.72;H=5.10;N=11.18。実測値、C=60.60、H=5.09、N=11.15。
【0254】
PBR106
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-ジメチルアセトアミド
融点:255℃。
【0255】
【化33】
【0256】
元素分析:C18H17ClFN3O2に関する理論値、C=59.76;H=4.74;N=11.61。実測値、C=59.85、H=4.77、N=11.67。
【0257】
PBR107
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-エチル-N-メチルアセトアミド
融点:117〜118℃。
【0258】
【化34】
【0259】
元素分析:C20H21ClFN3O2に関する理論値、C=61.62;H=5.43;N=10.78。実測値、C=61.34、H=5.48、N=10.70。
【0260】
PBR110
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-イソプロピルアセトアミド
融点:205〜206℃。
【0261】
【化35】
【0262】
元素分析:C20H21ClFN3O2に関する理論値、C=61.62;H=5.43;N=10.78。実測値、C=61.75、H=5.51、N=10.89。
【0263】
PBR111
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:110〜114℃。
【0264】
【化36】
【0265】
PBR113
2-(2-(4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:119〜120℃。
【0266】
【化37】
【0267】
PBR114
2-(2-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
【0268】
【化38】
【0269】
PBR115
2-(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:154〜155℃。
【0270】
【化39】
【0271】
PBR117
2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:138〜139℃。
【0272】
【化40】
【0273】
PBR118
2-(2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:188℃。
【0274】
【化41】
【0275】
PBR119
2-(2-(4-ブトキシフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:118〜119℃。
【0276】
【化42】
【0277】
PBR120
2-(2-(4-(4-フルオロブトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:102〜103℃。
【0278】
【化43】
【0279】
PBR121
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:184〜185℃。
【0280】
【化44】
【0281】
PBR123
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:175〜176℃。
【0282】
【化45】
【0283】
PBR124
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:174〜175℃。
【0284】
【化46】
【0285】
PBR125
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:180〜181℃。
【0286】
【化47】
【0287】
PBR126
2-(2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:190〜191℃。
【0288】
【化48】
【0289】
PBR128
2-(6-ブロモ-2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:180℃。
【0290】
【化49】
【0291】
PBR129
2-(6-ブロモ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:124〜125℃。
【0292】
【化50】
【0293】
PBR130
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:132〜134℃。
【0294】
【化51】
【0295】
PBR131
N-ブチル-2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:118〜120℃。
1H NMR積分に基づいて、NMR58:42で回転異性体を観察した。
【0296】
回転異性体1(大):
【0297】
【化52】
【0298】
回転異性体2(小):
【0299】
【化53】
【0300】
PBR132
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:160〜162℃。
【0301】
【化54】
【0302】
PBR133
2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:132〜134℃。
【0303】
【化55】
【0304】
PBR134
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:186〜188℃。
【0305】
【化56】
【0306】
PBR135
N-ベンジル-2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:164〜167℃。
1H NMR積分に基づいて、NMR60:40で回転異性体を観察した。
【0307】
回転異性体1(大):
【0308】
【化57】
【0309】
回転異性体2(小):
【0310】
【化58】
【0311】
MS:ES(+ve)m/z454(M+1)
【0312】
PBR136
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:144〜146℃。
【0313】
【化59】
【0314】
PBR137
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:160℃。
【0315】
【化60】
【0316】
PBR138
N-((6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
融点:288〜290℃。
【0317】
【化61】
【0318】
PBR139
N-((2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
融点:237℃。
【0319】
【化62】
【0320】
PBR140
2-(2-(4-(アリルオキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:126℃。
【0321】
【化63】
【0322】
PBR141
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-フェニルアセトアミド
融点:220〜222℃。
【0323】
【化64】
【0324】
PBR142
N-((6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
融点:260〜263℃。
【0325】
【化65】
【0326】
PBR143
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:189〜190℃。
【0327】
【化66】
【0328】
PBR144
2-(2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:134〜135℃。
【0329】
【化67】
【0330】
PBR145
3-(2-(4-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルプロパンアミド
融点:119〜120℃。
【0331】
【化68】
【0332】
PBR146
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:106〜108℃。
【0333】
【化69】
【0334】
PBR147
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:128℃。
【0335】
【化70】
【0336】
PBR149
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:198〜200℃。
【0337】
【化71】
【0338】
PBR153
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:178〜179℃。
【0339】
【化72】
【0340】
PBR154
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(2-クロロピリジン-3-イル)アセトアミド
融点:110〜112℃。
【0341】
【化73】
【0342】
PBR155
2-(6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
【0343】
【化74】
【0344】
PBR156
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(6-クロロピリジン-3-イル)アセトアミド
融点:150〜154℃。
【0345】
【化75】
【0346】
PBR158
N-(6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)-2-(6-クロロ-2-(4-ヨードフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:218〜219℃。
【0347】
【化76】
【0348】
PBR159
2-(6-クロロ-2-(4-ヨードフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(2-クロロピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:258℃。
NMRで、回転異性体を観察した。
【0349】
回転異性体(大):
【0350】
【化77】
【0351】
回転異性体(小):
【0352】
【化78】
【0353】
実施例20
[18F]標識イミダゾピリダジンPBR-132*のin vivo評価
イミダゾピリダジン:2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミドPBR132*の合成および評価
【0354】
【化79】
【0355】
150℃で5分間、DMF中でK222およびK2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いたBr前駆体の求核性置換により、[18F]PBR132*を調製した。
【0356】
PBR132*の生体分布をSDラットで試みて、脳および末梢組織における4時間p.i.までの分析を実施した。PBR132*の注入の5分前に、PBRおよび中枢性ベンゾジアゼピン受容体(CBR)特異的リガンド(1 mg/kg)で前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0357】
1のin vitro結合は、PBRに関しては29 nMの、そしてCBRに関しては340 nMのIC50を示した。放射化学的収率(非最適化)40〜50%、放射化学的純度>95%、ならびに特異的活性40〜80 GBq/μmolで、[18F]1を合成した。PBR132*のin vivo生体分布は、既知のPBRの組織中高取込みを示した。副腎において、30分p.i.での13% ID/gの取込みが見出され、そして4時間に亘って保持された。腎臓、心臓および肺においては、活性は15分p.i.でピークに達し(4、8および16% ID/g)、そして長時間に亘って低減し、4時間で2.3%未満となった。骨取込みは、1(15分で)から4時間での3.3% ID/gまでの範囲であった。嗅球での取込みは、15分での初期0.63%から4時間p.i.での0.25%までの範囲であった。血中濃度は、測定時間全体を通して低かった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、脳および末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、活性増大を示した。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR132*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【0358】
実施例21
[18F]標識イミダゾピリジンPBR-147*の合成および評価
フッ化物-18イミダゾピリジン類似体2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド 1.の合成および評価
【0359】
【化80】
【0360】
100℃で5分間、ACN中でK222、K2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いたトシレート前駆体の求核性置換により、PBR147*を調製した。
【0361】
PBR147*の生体分布をSDラットで実施して、脳および末梢組織を15、30分、1および4時間p.i.で分析した。PBR147*注入の5分前に、1 mg/kgで、PBRリガンドPK11195およびRo5-4864で、そしてCBRに関してはフルマゼニルで動物を前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0362】
PBR147のin vitro結合は、PBRに関しては7.4 nMのIC50を、そしてCBRに関しては>4000 nMの低IC50を示した。放射化学的収率(非崩壊補正)40〜55%、ならびに放射化学的純度>95%で、[18F]147*を合成した。特異的活性は、37〜80 GBq/μmolの範囲であった。in vivo生体分布は、富PBRの組織中のPBR147*の取込みを示した。副腎は、30分p.i.での9% ID/gから4時間での11%に増大する高取込みを示した。腎臓では、活性は15分p.i.(5%ID/g)でピークに達し、そして長時間に亘って、4時間で4および3.6%ID/gに低減した。心臓では、取込みは、実験時間全体(15分〜4時間)を通して7%に保持された。骨取込みは、1(15分で)から4時間での2.9% ID/gまでの範囲であった。嗅球での取込みは、15分での初期0.66%から4時間p.i.での0.26%までの範囲であったが、一方、血中濃度は有意に低かった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、脳および末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、PBR147*の増大を示した。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR147*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【0363】
実施例22
[18F]標識イミダゾピリジンPBR102*およびPBR111*の合成および評価
2つのフッ化物-18イミダゾピリジン類似体PBR102*およびPBR111*の合成および評価。100℃で5分間、ACN中でK222、K2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いた対応するエチルおよびプロピル・トシレート前駆体の求核性置換により、トレーサーPBR102*およびPBR111*を調製した。
【0364】
PBR102*およびPBR111*の生体分布をSDラットで実施して、脳および末梢組織を15、30分、1および4時間p.i.で分析した。対応するトレーサーの注入の5分前に、1 mg/kgで、PBRリガンドPK11195およびRo5-4864で、そしてCBRに関してはフルマゼニルで前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0365】
【化81】
【0366】
PBR102およびPBR111のIC50値は、PBRに関しては13.2および7.5 nM、そしてCBRに関しては>1500 nMである。放射化学的収率(非崩壊補正)40〜55%、ならびに放射化学的純度>95%で、PBR102*およびPBR111*を合成した。特異的活性は、37〜80 GBq/μmolの範囲(非最適化)であった。両トレーサーのin vivo生体分布は、富PBRの組織中の放射能取込みを示した。嗅球でのPBR102*の取込みは、15分での0.56%から4時間p.i.での0.40%までの範囲であったが、一方、PBR111*に関しては、それは、15分および4時間でそれぞれ0.64%から0.41%までの範囲であった。PBR102に関する血中活性は4時間の試験期間に亘って一定(0.20%)のままであったが、一方、PBR111*は15分での0.4%から4時間での0.1%への低減を示した。副腎は、30分p.i.での9% ID/gから4時間での11%に増大するPBR102*の高取込みを示したが、一方、PBR111*は30分での6.5から4時間での16%に増大した。腎臓では、活性は両トレーサーに関して15分p.i.でピークに達し、PBR102*に関する(4.5%ID/g)およびPBR111*に関する(3.2%ID/g)は、4時間で1.3%および2.3%に低減した。PBR102*に関する骨取込みは、15分での0.4%から4時間での1.0%までの範囲であったが、一方、PBR111*に関しては同一期間に関して0.87〜4.3%であった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、PBR102*およびPBR111*取込みの増大を示した。嗅球領域では、PBR111*に関して非有意の低減が観察された。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR102*またはPBR111*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【0367】
実施例23
[18F]標識ピラゾロピリミジンPBR099*およびPBR146*の合成および評価
100℃で5分間、ACN中でK222、K2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いた対応するエチルおよびプロピル・トシレート前駆体の求核性置換により、トレーサーPBR099*およびPBR146*を調製した。
【0368】
PBR099*およびPBR146*の生体分布をSDラットで実施して、脳および末梢組織を15、30分、1および4時間p.i.で分析した。対応するトレーサーの注入の5分前に、1 mg/kgで、PBRリガンドPK11195およびRo5-4864で、そしてCBRに関してはフルマゼニルで前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0369】
【化82】
【0370】
PBR099およびPBR146のIC50値は、PBRに関しては14.9および10.5 nM、そしてCBRに関しては>5000 nMである。放射化学的収率(非崩壊補正)40〜50%、ならびに放射化学的純度>95%で、PBR099*およびPBR146*を合成した。特異的活性は、40〜80 GBq/μmolの範囲(非最適化)であった。両トレーサーのin vivo生体分布は、富PBRの組織中の放射能取込みを示した。嗅球でのPBR099*の取込みは、15分での0.35%から4時間p.i.での0.31%までの範囲であったが、一方、PBR146*に関しては、それは、15分および4時間でそれぞれ0.41%から0.31%までの範囲であった。PBR099*に関する血中活性は4時間の試験期間に亘って一定(0.23%)のままであったが、一方、PBR146*は15分での0.4%から4時間での0.1%への低減を示した。副腎は、30分p.i.での6.6% ID/gから4時間での9.7%に増大するPBR099*の高取込みを示したが、一方、PBR146*は30分での7.9から4時間での12.2%に増大した。腎臓では、活性は両トレーサーに関して15分p.i.でピークに達し、PBR099*に関する(3.9%ID/g)およびPBR146*に関する(5.5%ID/g)は、4時間で2.4%および3.2%に低減した。PBR099*に関する骨取込みは、15分での0.4%から4時間での1.0%までの範囲であったが、一方、PBR146*は同一期間に関して1.0〜5.0%であった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、PBR099*およびPBR146*取込みの増大を示した。嗅球領域では、PBR146*に関して小さな低減が観察された。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR099*またはPBR146*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体と結合し、そしてこのような受容体を画像処理し、PBR受容体に関連した症状の治療的処置を提供するために有用である放射能標識および非放射能標識複素環式化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に末梢性ベンゾジアゼピン結合部位、ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体またはω-3-受容体とも呼ばれる末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、それらの薬理学、細胞内位置および構造要件において中枢性ベンゾジアゼピンとは異なる。末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、末梢性器官、例えば腎臓、心臓、副腎皮質、精巣、卵巣、血漿(血小板)において、ならびに神経膠細胞および脳の嗅球において主に見出される。末梢性ベンゾジアゼピン受容体密度は、対応する正常組織より、乳癌、前立腺癌、神経膠腫、卵巣癌および結腸癌のような腫瘍において高い、ということも報告されている。近年、高濃度の末梢性ベンゾジアゼピン受容体が、正常腹側または背外側前立腺と比較して、ダニング・ラット前立腺腫瘍において報告されている。
【0003】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、それらがホルモンおよび薬剤により調整されそして情緒的ストレスおよび高血圧の作用を反映する多数の組織中のミトコンドリア外膜と関連する、と思われる。脳中の末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、神経変性および炎症、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血のマーカーとして用いるために研究されてきた。末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、アポトーシス過程にも関連づけられてきた。
【0004】
PBRリガンドそれ自体は、種々の細胞過程、例えばヘム輸送、コレステロールおよびステロイド合成、アポトーシス、ならびにカルシウム輸送等を調整する。それらは、細胞増殖および分化にも関与する。
【0005】
いくつかのクラスのリガンドは、末梢性ベンゾジアゼピン受容体との高親和性結合を示すことが明らかにされており、最も広範に研究されているのはベンゾジアゼピンRo5-4864(7-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1-メチル-2H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン)およびイソキノリンPK-11195(1-(2-クロロフェニル)-N-メチル-N-(1-メチルプロピル)-3-イソキノリンカルボキサミド)である。11C、14Cおよび3Hで標識された場合、これらのリガンドは、in vivoおよびin vitro手段により、ヒト脳および心臓において末梢性ベンゾジアゼピン受容体をマッピングするために用いられてきた。[3H]PK-11195の取込み増強が、乳房、卵巣、前立腺、副腎、脳および結腸を含めた種々の腫瘍細胞で報告されている。適切なレベルの放射性同位体、例えば炭素-11、フッ素-18およびヨウ素-123/124による放射能標識は、先ず、これらの腫瘍を診断するために、そしてその後、それらを治療的用量で(例えば123I、125Iまたは131Iを用いて)治療するために用いられ得る。さらに近年の研究は、異なる器官および種におけるイソキノリンおよびベンゾジアゼピンリガンドに対する親和性において異なるいくつかの結合ドメインの存在も明示している。
【0006】
抗不安、催眠、抗痙攣、鎮痛およびその他の特性を有する種々の2-アリール置換イミダゾ[1,2-a]ピリジンイミダゾピリダジンおよびアリール-ピラゾロピリミジンが報告されている(Almirante L. et al., J. Med. Chem. 12, 122-126 (1969);Langer S.Z. et al., Pharmacol. Biochem, Behav. 29, 763-766 (1988);Langer S.Z. et al., Pharmacopsychiatry 23, 103-107 (1990);Bourguignon, J-J., “Endogenous and Synthetic Ligands of Mitochondrial Benzodiazepine Receptors: Structure Affinity Relationships” in Giesen-Grouse, E. ed. Peripheral Benzodiazepine Receptors, Academic Press, London (1993))。例えば123I標識化6-メチル-2-(4‘-ヨードフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-(N,N-ジメチル)-アセトアミドは、SPECTを用いる末梢性ベンゾジアゼピン受容体の試験のための考え得るトレーサーとして報告されている(Katsifis A. et al., J. Lab. Comp. Radiopharm. 40, 620-622 (1997))。
【0007】
公開済み国際出願WO 99/51594では、ピリジン核中に電気陰性置換基、特にハロゲンを有するある種の2-(ヨードフェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジンは末梢性ベンゾジアゼピン受容体との強力な結合ならびに中枢性ベンゾジアゼピン受容体とのより弱い結合を示す、ということが発見された。
【0008】
本発明は、種々の障害、例えば神経炎症、神経変性、卒中、アポトーシスおよびその他の障害の治療においてPBR薬理学的作用物質として用いるためのフッ化化合物の一クラスに関する。本発明は、陽電子放出断層撮影を用いるPET画像診断のために有用であるPET放射性核種18Fで標識された化合物にも関する。本発明の適切に放射能標識された化合物は、例えば高密度の末梢性ベンゾジアゼピン受容体を発現する癌を検出するために、および/または神経変性障害を検出するかまたは非侵襲的に診断するために、PET走査において臨床的に有用である。本発明の化合物は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害、例えば神経変性障害および腫瘍の治療のためにも有用である。
【発明の概要】
【0009】
第一の態様において、本発明は、式(I):
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、ハロゲン、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC2〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)の内の1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数(例えば0、1、2または3)であり、ここで、mが2または3である場合、R3基は同一であるかまたは異なり得る;
nは、1〜4の数、例えば1、2、3また4であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なり得る);
但し、R3はフルオロ置換基であり;あるいは
基Eはフルオロ置換基を含み;あるいは
基Zはフルオロ置換基を含むが、但しEは4-フルオロフェニルでなく;
さらなる条件は、Eが-PhFでないことである)
のフッ化化合物を提供する。
【0012】
本発明は、式(I):
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換され得る)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換され得る);
R3は、ハロゲンおよびC1〜C10アルキルから成る群から選択され;
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC2〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)の内の1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であるが;
但し、R3はフルオロ置換基であり;あるいは
基Eはフルオロ置換基を含み;あるいは
基Zはフルオロ置換基を含むが、但しEは-PhFでない)
のフッ化化合物を提供する。
【0013】
フルオロ置換基(単数または複数)という用語は19F(Fとしても言及される)を指すか、または18Fを指すか、または2つの混合物を指し得る。
【0014】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、これは、任意に、19F、18Fおよびその組合せ、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、19F、18Fおよびその組合せから選択される1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され得るし、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され得る。
【0015】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、これは、任意に、18Fで、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、18Fで置換され得るし、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され得る。
【0016】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であり得る(これは18Fで置換される)。
【0017】
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であり得る(これは19Fで置換される)。
【0018】
第一の態様は、R3がフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)であり、あるいは基Eがフルオロ基(19Fまたは18Fまたはその組合せである)を含むか、あるいは基Zがフルオロ基(19Fまたは18Fまたはその組合せである)を含むという条件で、さらにEが-PhFであり得ない(または4-フルオロフェニルであり得ない)という条件であり得る。
【0019】
R3は、以下の:19Fおよび18Fから成る群から選択され得る。R3は、18Fであり得る。R3は、19Fであり得る。
【0020】
18Fは、放射性フルオロ置換基である。19F(代替的に、明細書全体を通してFとして言及される)は、非放射性フルオロ置換基である。
【0021】
本発明の一実施形態では、Qは酸素であり得る。
【0022】
本発明の別の実施形態では、mは1または2であり、そしてnは1または2、任意に1である。
【0023】
本発明のさらなる一実施形態では、pは1または2であり得るし、qおよびrは1であり得るし、そしてQは酸素であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、LはNである。いくつかの実施形態では、MおよびJのうちの1つはNである。
【0025】
一実施形態では、MおよびLはNであり、DおよびGはCHであり、そしてJはCである。別の実施形態では、D、MおよびLはNであり、JはCであり、そしてGはCHである。代替的一実施形態では、D、JおよびLはNであり、MはCであり、そしてGはCHである。
【0026】
R3は、炭素原子に結合され得る。
【0027】
R3は任意に、1つまたは複数のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換され得る。
【0028】
R3は、以下の:ハロゲンおよびC1〜C6アルキル(任意に、例えば1つまたは複数のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換される)から成る群から選択され得る。R3はメチルであり得る。それはメトキシであり得る。それはトリフルオロメチルであり得る。それはトリフルオロメトキシであり得る。
【0029】
別の実施形態では、R3は、クロロおよびC1〜C3アルキルから成る群から選択され得る。さらなる一実施形態では、R3はクロロまたはメチルであり得るし、そしてmは1または2であり得る。代替的には、R3はクロロでありそしてmは1または2であり得るか、あるいはR3はフルオロでありそしてmは1または2であり得るか、あるいはR3は18フルオロでありそしてmは1または2であり得る。m>1である場合、R3基は同一であるか、それらは異なり得る。例えばm=2である場合、R3基はともにメチルであるか、あるいは一方がメチルであり、他方がトリフルオロメチルであるか、あるいは一方がFであり、他方がトリフルオロメチルであり得る。R3はクロロでありそしてmは1または2であり得るか、あるいはR3は19フルオロでありそしてmは1または2であり得る。
【0030】
一実施形態では、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2)である。
【0031】
別の実施形態では、XおよびYは、以下の:NHおよび(CH2)n(ここでnは1である)から成る群から選択され得る。
【0032】
Yは(CH2)nであり、そしてXはNHであり得る(ここで、nは1または2である)。
【0033】
一実施形態では、-X-Y-C(O)-Zは以下の:-(CH2)n-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)または-(CH2)n-NH-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)から成る群から選択される構造を有し得る。
【0034】
ZはNR1R2またはフェニルであり得る。
【0035】
一実施形態では、ZはNR1R2である。
【0036】
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルから成る群から選択され得るし、そしてR1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する場合、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基または複素環式環は1〜3個のフルオロ置換基で任意に置換され得る。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。
【0037】
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルから成る群から選択され得るし、そしてR1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する場合、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基または複素環式環は、1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せから成る群から選択される1つまたは複数のフルオロ置換基で任意に置換され得る。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。
【0038】
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジルから成る群から選択され得るし、そしてR1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する場合、複素環式環、C1〜C6アルキル基、フェニル基またはピリジル基は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0039】
別の実施形態では、R1およびR2は、独立して、水素、フェニル、ピリジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチルおよびフェニルから成る群から選択され、この場合、これらの置換基の各々は1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0040】
代替的一実施形態では、R1およびR2は、水素、フェニル、ピリジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、ピロリジン環を形成し、ここで、フェニル、ピリジル、メチル、エチル、イソプロピルまたはピロリジン環は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0041】
Eがフェニルである場合、Eは任意に、4位置でそれに直接結合されるハロゲンを有し得ない。特にEは、4位置でそれに直接結合されるクロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード置換基を有し得ない。Eは、フェニルまたは置換フェニル(これは4位置でフルオロまたはヨード置換基により置換されない)であり得る。Eがフェニルである場合、それはいくつかの実施形態では、それに直接結合されるハロゲンを有さない。
【0042】
Eは、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つまたは複数で置換され、この各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0043】
Eは、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され、もしくは以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0044】
Eはピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0045】
Eは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0046】
Eはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に以下の置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0047】
Eはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は任意に以下のフルオロ置換基:C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシ(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)のうちの1つで置換されるか、あるいはEはピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は、1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で任意に置換され得る。
【0048】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0049】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0050】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0051】
Eは、1つまたは複数のC1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意に1〜3個のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)で置換され得る。
【0052】
Eは、C1〜C6アルキルまたはC1〜C10アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意にフルオロ置換基(例えば19F置換基または18F置換基)で置換され得る。
【0053】
Eは、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルコキシで置換されるフェニル基であって、その各々は任意にフルオロ置換基(例えば19F置換基または18F置換基)で置換され得る。
【0054】
Eは、C1〜C6アルコキシで置換されるフェニル基であって、これは任意にフルオロ置換基(例えば19F置換基または18F置換基)で置換され得る。
【0055】
一実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、Eはフルオロピリジル、フルオロピリミジニルまたはフルオロピリダジニルであり、ZはNR1R2であり(ここで、R1およびR2はC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択される)、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0056】
別の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、Eは18フルオロピリジル、18フルオロピリミジニルまたは18フルオロピリダジニルであり、ZはNR1R2であり(ここで、R1およびR2はC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択される)、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0057】
別の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、Eは19フルオロピリジル、19フルオロピリミジニルまたは19フルオロピリダジニルであり、ZはNR1R2であり(ここで、R1およびR2はC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択される)、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0058】
さらなる実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、EはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZはNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2はフルオロピリジルまたはフルオロフェニルである)である。
【0059】
さらなる実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、EはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZはNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は18フルオロピリジルまたは18フルオロフェニルである)である。
【0060】
さらなる実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、EはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZはNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は19フルオロピリジルまたは19フルオロフェニルである)である。
【0061】
一実施形態では、R3はFであり、mは1であり、そしてEはC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルである。
【0062】
一実施形態では、R3は18Fであり、mは1であり、そしてEはC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルである。
【0063】
別の実施形態では、R3はFであり、mは1であり、そしてEはC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニルである。
【0064】
別の実施形態では、R3は18Fであり、mは1であり、そしてEはC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニルである。
【0065】
さらなる実施形態では、R3はC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mは1または2であり、Yは存在せず、Xは(CH2)n(ここで、nは1または2である)であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0066】
さらなる実施形態では、R3はC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0067】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0068】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であて、これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基(例えば1、2または3個の19F置換基または18F置換基あるいは1つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ、あるいは2つの19F置換基および1つの18F置換基の組合せ)を含む。
【0069】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと1つのC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は単一のフルオロ置換基(19Fまたは18F)を含む。
【0070】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと次式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される。
【0071】
別の実施形態では、R3はメチルまたはクロロであり、mは1または2であり、そしてEはフェニル基であって、これと次式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される。
【0072】
一実施形態では、フェニル基と結合されるアルコキシ基はパラ位置にある。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、R3はクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基である。
【0074】
本発明の特定の実施形態では、R3はクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であり得る。
【0075】
本発明の別の実施形態では、R3はメチルであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはNであり、MはCであり、JはNであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C6アルキルである)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であり得る。
【0076】
本発明のさらなる特定の実施形態では、R3はフルオロであり、mは1であり、GはCHであり、DはNであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C4アルキルである)であり、そしてEはC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり得る。
【0077】
本発明のさらなる特定の実施形態では、R3はフルオロであり、mは1であり、GはCHであり、DはNであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、YはNHであり、XはCH2またはCH2CH2であり、Zはフェニルであり、そしてEは1または2つのC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり得る。
【0078】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEがフルオロピリジン、フルオロピリダジンまたはフルオロピリミジンであり得る。
【0079】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEは19フルオロピリジン、19フルオロピリダジンまたは19フルオロピリミジンであり得る。
【0080】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEは18フルオロピリジン、18フルオロピリダジンまたは18フルオロピリミジンであり得る。
【0081】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよびフルオロピリジルから選択される)であり、そしてEはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり得る。
【0082】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび18フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり得る。
【0083】
本発明の別の特定の実施形態では、R3はクロロであり、mは1または2であり、GはCHであり、DはCHであり、MはNであり、JはCであり、LはNであり、Yは存在せず、XはCH2またはCH2CH2であり、ZはNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび19フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり得る。
【0084】
本発明の一実施形態では、
GはCであり;
D、M、JおよびLは、それぞれ、N、C、NおよびN;C、N、CおよびN;またはN、N、CおよびNであり;
R3は、Cl、FまたはMeであり;
mは、1または2であり;
Eは、4-(3-フルオロエトキシ)フェニル、4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル、4-t-ブチルフェニル、4-メトキシフェニル、2-フルオロピリジン-5-イルまたは2-フルオロピリダジン-5-イルであり;
Xは、CH2(即ちnは1である)であり;
Yは、存在しないかまたはNHであり;そして
Zは、NMe2、NEt2、NPr2、NMeH、NHiPr、NMeEt、N-ピロリジニル、Ph、NMePhまたはNMe(5-(2-フルオロ)ピリジニル)である。
【0085】
第二の態様において、本発明は、式(Ia):
【0086】
【化2】
【0087】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、(CH2)nアリール、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C6アルキルおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、クロロ、ブロモまたはヨード置換基で、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数(例えば0、1、2または3)であって、mが2または3である場合、R3基は同一であるかまたは異なり得る;
nは、1〜4の数(例えば1、2、3または4)であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なる);
但し、Eは4-ヨードフェニルでない)
の化合物を提供する。
【0088】
本発明は、式(Ia):
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から独立して選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、(CH2)nアリール、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C6アルキルおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C10アルキルから成る群から選択され;
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、これは、クロロ、ブロモまたはヨード置換基で、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であるが;
但し、Eは4-ヨードフェニルでない)
の化合物を提供する。
【0089】
いくつかの実施形態では、Eは-PhIでない。
【0090】
本発明の一実施形態では、Qは酸素であり得る。
【0091】
本発明の別の実施形態では、mは1または2であり、そしてnは1である。
【0092】
本発明のさらなる実施形態では、pは1または2であり、qおよびrは1であり、そしてQは酸素であり得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、LはNである。いくつかの実施形態では、MおよびJのうちの1つはNである。
【0094】
一実施形態では、MおよびLはNであり、DおよびGはCHであり、そしてJはCである。別の実施形態では、D、MおよびLはNであり、JはCであり、そしてGはCHである。代替的実施形態では、D、JおよびLはNであり、MはCであり、そしてGはCHである。
【0095】
R3は、炭素原子と結合され得る。
【0096】
R3は、クロロ、ブロモおよびヨードおよびC1〜C6アルキルから成る群から選択され得る。別の実施形態では、R3は、クロロおよびC1〜C3アルキルから成る群から選択され得る。さらなる実施形態では、R3はクロロまたはメチルであり、そしてmは1または2であり得る。代替的には、R3はクロロであり、そしてmは1または2であり得るし、あるいはR3はフルオロ(19Fまたは18F)であり、そしてmは1または2であり得る。
【0097】
一実施形態では、Yは存在せず、そしてXは(CH2)n(ここで、nは1または2である)である。
【0098】
別の実施形態では、XおよびYは、独立して、NHおよび(CH2)n(ここで、nは1である)から成る群から選択され得る。
【0099】
Yは(CH2)nであり、そしてXはNHである(ここで、nは1〜3の数である)。
【0100】
一実施形態では、-X-Y-C(O)-Zは以下の:-(CH2)n-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)または-(CH2)n-NH-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)および-NH-(CH2)n-C(O)-Z(ここで、nは1または2である)から成る群から選択される構造を有し得る。
【0101】
Zは、NR1R2またはフェニルであり得る。
【0102】
R1およびR2は、独立して、以下の:水素、C1〜C6アルキル、ベンジル、フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピリダジニルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。C1〜C6アルキル基、複素環式基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基またはベンジル基は、任意に、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され得る。
【0103】
R1およびR2は、独立して、以下の:水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピリダジニルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する。複素環式環は、ピロリジン環であり得る。C1〜C6アルキル基、複素環式基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基は、任意に、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され得る。
【0104】
別の実施形態では、R1およびR2は、独立して、水素、フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピリダジニル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチルおよびフェニルから成る群から選択され、これらの各々は1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0105】
代替的一実施形態では、R1およびR2は、水素、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルおよびt-ブチルから成る群から選択され、そしてこの場合、R1およびR2がそれらが結合される窒素と一緒になって、ピロリジン環を形成し、これらの各々は、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0106】
R3は、以下の:ハロゲンおよびC1〜C6アルキル(任意に、例えば1つまたは複数のハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換される)から成る群から選択され得る。R3はメチルであり得る。それはメトキシであり得る。それはトリフルオロメチルであり得る。それはトリフルオロメトキシであり得る。
【0107】
Eがフェニルである場合、Eは、4位置でそれに直接結合されるヨード置換基を有し得ない。Eは、4位置でそれに直接結合されるヨード置換基を有さない置換フェニルであり得る。それは、フェニル環に直接結合されるヨード置換基を有さない置換フェニルであり得る。
【0108】
Eは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つまたは複数で置換され、この各々は、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で任意に置換され得る。
【0109】
Eは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはC1〜C10アルコキシのうちの1つで置換され、この各々は、1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0110】
Eはフェニル、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、その各々は1〜3個のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で任意に置換され得る。
【0111】
第三の態様では、本発明は、18Fで放射能標識される第一の態様または第二の態様の化合物を提供する。本発明は、18Fで放射能標識される第一の態様の化合物を提供する。
【0112】
第四の態様では、本発明は、第一または第二の態様の化合物(18Fで放射能標識されない)を、少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に含む製剤組成物を提供する。
【0113】
第五の態様では、本発明は、第三の態様の化合物を、少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に含む製剤組成物を提供する。
【0114】
第六の態様では、本発明は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される哺乳類における障害の診断方法であって、以下の:
(i)哺乳類の身体中の放射能標識の位置の検出可能画像を記録させるのに十分な量で第三の態様の化合物を哺乳類に投与するステップ;
(ii)画像から障害の存在または非存在を診断するステップ
を包含する方法を提供する。
【0115】
第六の態様の方法は、哺乳類の身体の少なくとも一部における放射能標識の分布の画像を記録することを包含し得る。
【0116】
第六の態様の診断方法は、PETであり得る。したがってステップ(ii)は、哺乳類の身体またはその一部の陽電子放出断層撮影を実行し、そしてその結果生じる画像から障害の存在または非存在を確定することを包含し得る。
【0117】
第七の態様では、本発明は、治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の治療方法であって、治療的有効量の第一の態様または第二の態様の化合物(18Fで放射能標識されていない)あるいは第四の態様の製剤組成物を哺乳類に投与することを包含する方法を提供する。
【0118】
第八の態様では、本発明は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される哺乳類における障害の診断における診断用組成物の製造における第三の態様の化合物の使用を提供する。
【0119】
第九の態様では、本発明は、治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の治療のための薬剤の製造における第一の態様または第二の態様の化合物(18Fで放射能標識されていない)の使用を提供する。
【0120】
第三、第六または第八の態様の、あるいはそれに用いられる化合物は、以下の:PBRs099*、102*、103*、104*、105*、106*、107*、110*、111*、130*、120*、132*、133*、136*、139*、143*、146*、147*、149*、080*、081*、082*および083*(本明細書中に明記)またはその任意の組合せから成る群から選択され得る。これらの化合物はすべて、18Fで放射能標識される。
【0121】
第四、第七または第九の態様の化合物は、以下の:PBRs099、102、103、104、105、106、107、110、111、130、120、132、133、136、139、143、146、147、149、080、081、082、083、115、138、145、155、142、153、154、156、131、134、135、141、125、126、137、98、139、132、133、117、118、121、123、124、128、129、116、119、140、144、101、113および114またはその任意の組合せからなる群から選択され得る。これらの化合物は何れも、18Fで放射能標識されない。
【0122】
第十の態様では、本発明は、以下の:アポトーシス、神経変性障害、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血;腫瘍、例えば神経膠腫、ならびに卵巣、結腸、乳房、前立腺、脳および副腎の癌;神経毒性損傷、例えば卒中または心停止に起因する酸素欠乏症または虚血に関連したもの;ならびに認知障害から成る群から選択される症状の治療のための、あるいは認知増強のための第一または第二の態様による化合物(18Fで放射能標識されていない)の使用を提供する。
【0123】
第十一の態様では、本発明は第一、第二または第三の態様による化合物の製造方法であって、実質的にスキーム1〜8を参照しながら本明細書中に記載されるような方法を提供する(下記参照)。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】4時間に亘るラット(n=4)における化合物PBR111の生体分布のプロットを示す。プロットは、時間に対する組織1 g当たりの注入用量のパーセントを表す。
【図2】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864、そしてPBR111の非放射性類似体で前処理した場合のPBR受容体を発現する器官における[18F]PBR111放射性トレーサー分布の取込み低減を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR111活性を低減しない。
【図3】時間に対する[18F]PBR111/組織1 gのIDパーセンテージを示す。プロットは、トレーサーが長時間に亘ってPBR発現の正常分布を追跡する、ということを示す。
【図4】4時間に亘る齧歯類における[18F]PBR102の生体分布を示す。プロットは、[18F]PBR102の取込みパーセンテージを示す。
【図5】PBR発現に関連した図4からの組織の選択の生体分布データを示す。
【図6】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR102による[18F]PBR102取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR102取込みを低減しない。
【図7】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR111による[18F]PBR111取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR111取込みを低減しない。
【図8】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR102による[18F]PBR102取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR102取込みを低減しない。
【図9】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR111による[18F]PBR111取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR111取込みを低減しない。
【図10】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR132による[18F]PBR132取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR132取込みを低減しない。
【図11】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR147による[18F]PBR147取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR147取込みを低減しない。
【図12】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR099による[18F]PBR099取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR099取込みを低減しない。
【図13】すべて1 mg/kgで、選択的PBRリガンドPK11195、Ro 5-4864および非放射性類似体PBR146による[18F]PBR146取込みに及ぼす遮断作用を示す。中枢性ベンゾジアゼピンリガンド・フルマゼニルは競合せず、それゆえこれらの組織中の[18F]PBR146取込みを低減しない。 * 「星印」を示すグラフ(図7〜図9)における結果は、結果の統計学的分析に関する。即ち、処置動物(n=3〜4)における、ならびに対照(n=4)における組織放射能濃度を比較するために、一元配置分散分析(ANOVA)により競合試験からの結果を分析した。有意に関する判定基準は、**p<0.01(高有意)および*p<0.05(有意)であった。星印は、正常または対照との統計学的差を意味しない。
【発明を実施するための形態】
【0125】
発明の詳細な説明
定義
【0126】
以下は、本発明の記述を理解するのに役立ち得るいくつかの定義である。これらは一般的定義として意図され、そして如何なる点でも本発明の範囲をその用語に限定すべきでないが、しかし以下の記述のより良好な理解のために記述される。
【0127】
状況が別の場合を必要としない限り、またはそれと反対に特定的に記述されない限り、単一の整数、ステップまたは要素として本明細書中で列挙される本発明の整数、ステップまたは要素は、単数および複数形の列挙される整数、ステップまたは要素をともに包含する。
【0128】
本明細書全体を通して、別記しない限り、「〜を含む」という用語、あるいは「〜を含む(単数)」または「〜を含んでいる」という変形は、記述されたステップまたは要素または整数あるいはステップまたは要素または整数の群を包含するが、しかし任意の他のステップまたは要素または整数あるいは要素または整数の群を包含しないことを意味すると理解される。したがってこの明細書の状況において、「〜を含んでいる」という用語は、「主に包含するが、しかし必ずしも専らではない」ことを意味する。
【0129】
本明細書中に記載される本発明は、特定的に記載されたもの以外の変更および修正を受け得る、と当業者は理解する。本発明はこのような変更および修正のすべてを包含する、と理解されるべきである。本発明は、本明細書中で言及されるかまたはそこに示されるステップ、特徴、組成物および化合物のすべてをも、独立してまたは集合的に、そして上記のステップまたは特徴の任意のおよびすべての組合せ、あるいはそれらのうちの任意の2つまたはそれより多くをも包含する。
【0130】
本明細書中で用いる場合、「治療的有効量(単数または複数)」という用語は、その意味の中に、所望の治療効果を提供するのに十分なしかし非毒性の本発明の化合物または組成物の量を包含する。必要とされる精確な量は、治療されている種、被験者の年齢および全身症状、治療されている症状の重症度、投与されている特定の化合物、投与方式等によって、被験者間で変わる。したがって精確な「治療的有効量」を特定することはできないが、しかしながら任意の所定の場合に関しては、適切な「治療的有効量」はルーチン試験および実験のみを用いて当業者により確定され得る。
【0131】
本明細書中で用いる場合、「治療」という用語は、疾患状態または症候を改善し、疾患の確立を防止し、あるいはそうでなければ、なんであれ任意の方法で疾患または他の望ましくない症候の進行を防止し、妨げ、遅らせるかまたは逆転する任意のおよびすべての使用を指す。
【0132】
本明細書中で用いる場合、「アルキル」という用語は、その意味の中に、1〜10個の炭素原子、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する一価直鎖または分枝鎖飽和脂肪族基を包含する。アルキル基は、1〜4、1〜6または1〜8個の炭素原子を有し得る。このようなアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert‐ブチル、アミル、イソアミル、sec‐アミル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチル-プロピル、ヘキシル、4-メチルペンチル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、1,2,2-トリメチルプロピルおよび1,1,2-トリメチルプロピル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
本明細書中で用いる場合、「アルコキシ」という用語は、式アルキル-O-(式中、アルキル基は上記と同様である)の基を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、tert‐-ブトキシ等が挙げられる。
【0134】
本明細書中で用いる場合、「アルケニル」という用語は、その意味の中に、2〜10個の炭素原子、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する一価直鎖または分枝鎖不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。アルケニル基は、2〜4、2〜6または2〜8個の炭素原子を有し得る。このようなアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、1-メチルビニル、ブテニル、イソ-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、シクロペンテニル、1-メチル-シクロペンチル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、シクロヘキセニル、1,3-ブタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1,3-シクロペンタジエニル、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,3-シクロヘキサジエニルおよび1,4-シクロヘキサジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
本明細書中で用いる場合、「アルキニル」という用語は、その意味の中に、2〜10個の炭素原子(例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子)を有し、そして少なくとも1つの三重結合を有する一価の直鎖または分枝鎖不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。アルキニル基は、2〜4、2〜6または2〜8個の炭素原子を有し得る。このようなアルキニル基の例としては、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-メチル-2-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1-ペンチニル、1-ヘキシル、メチルペンチニル、1-ヘプチニル、2-ヘプチニル、1-オクチニル、2-オクチニル、1-ノニル、1-デシニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
本明細書中で用いる場合、「アリール」という用語は、6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素の一価単一多核共役および縮合残基を指す。アリール基は、6〜10、6〜12、6〜14、6〜16または6〜18個の炭素原子を有し得る。このようなアリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、アズレニル、フェナントリル、ピレニル等が挙げられるが、これらに限定されない。芳香族残基の任意の利用可能な位置は、式(I)の分子の残りへの結合のために用いられ得る。
【0137】
本明細書中で用いる場合、「ヘテロアリール」という用語は、6〜20個の環原子を有する単一多核共役および縮合芳香族ラジカルを指すが、この場合、これらの環原子のうちの1〜6個または1〜5個または1〜4個または1〜3個または1〜2個は、N、NH、OおよびSから成る群から独立して選択される異種原子である。ヘテロアリール基は、6〜10、6〜12、6〜14、6〜16または6〜18個の炭素原子を有し得る。ヘテロアリール基は、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5または1〜6個の異種原子を有し得る。異種原子は、独立して、以下の:NおよびNH、NおよびO、NHおよびO、NおよびS、NHおよびSならびにSおよびOから成る群から選択され得る。このようなヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリジル、ピリジル、チエニル、フリル、ピリル、インドリル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピラジニル、チアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、プリニル、キナゾリニル、フェナジニル、アクリジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロ芳香族残基の任意の利用可能位置は、式(I)の分子の残りとの結合のために用いられ得る。窒素含有へテロアリール基は、窒素で酸素により置換されて、N-オキシドを形成し得る。イオウ含有へテロアリール基は、硫黄で1または2個の酸素原子により置換されて、それぞれスルホキシドまたはスルホンを形成し得る。
【0138】
化合物の合成
本発明による化合物は、当該技術分野で一般的に既知である反応の組合せを用いて合成され得る。本発明の化合物の合成のための出発材料は、市販されているか、または既知の化合物であるか、または当業者により容易に調製され得る化合物である。さらにまた、種々の保護基が合成全体を通して用いられ、この場合、分子上の官能基は所望の合成ステップと不適合性であり得る、と当業者は理解する。適切な保護基は当業者に既知であり、例えばGreene et al., ”Protective Groups in Organic Synthesis”; John Wiley & Sons, 2nd Edition, New York (1991)に記載されている。
【0139】
スキーム1は、適切に官能基化されたアセトフェノン誘導体1および適切に官能基化されたアミノピリジン2で開始する官能基化イミダゾ[1,2-a]ピリジンの考え得る一合成を示す。スキーム1〜6において、R3は、以下の:ハロゲン、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され、この場合、C1〜C10アルキル基は任意に置換される。R3は、(R3)m(ここで、mは0〜3の数である)であり得る。mが2または3である場合、R3基は同一であるかまたは異なり得るし、あるいはm=3である場合、2つは同一であり得るし、1つは異なり得る。反応は、エタノールのような溶媒、または類似の溶媒中で進行し、加熱によりイミダゾ[1,2-a]ピリジン3を提供する。
【0140】
【化3】
【0141】
スキーム2に示される代替的スキームにおいて、イミダゾ[1,2-a]ピリジンの3-位置の側鎖は、出発アセトフェノン誘導体(化合物1a)中に組入れられ得る。エタノールまたは類似の溶媒中での1aとアミノピリジン2との反応は、化合物3aを生じ、これはアミド側鎖を含む。
【0142】
【化4】
【0143】
適切な側鎖、例えばCH2C(O)NR1R2を導入するための代替的方法は、スキーム3に示される。この手順は、イミダゾ[1,2-a]ピリジン3を水性媒質中でホルムアルデヒドおよびジメチルアミンで処理してメタンアミン誘導体4を生じ、これは、ヨウ化メチルを用いてトリメチルアンモニウム塩に容易に転化される。シアン化物イオンによる5のトリメチルアンモニウム基の置換はシアノメチル化合物6を提供し、これは、既知の方法により対応する酸7に加水分解され得る。次に酸7は、一連のアミド誘導体8に転化され得る。
【0144】
【化5】
【0145】
代替物として、式4の化合物は、既知の方法により脱メチル化され、そしてアシル化されて、-CH2NHC(O)R側鎖を有する化合物を生成し得る。
【0146】
スキーム4は、適切に官能基化されたアリールアルデヒド誘導体1b、および適切に官能基化されたアミノピリジン2からイミダゾ[1,2-a]ピリジン誘導体を調製するための別の方法を示し、この場合、結果的に生じる生成物9は-NHCOOR側鎖を保有し得る。化合物1bおよび2の縮合反応は、イソシアノアセテート誘導体およびスカンジウム(III)トリフレートの存在下で実行される。スキーム4に示される手順は、式9の化合物(-NHCOOEt側鎖を保有する)を提供する。
【0147】
【化6】
【0148】
【化7】
【0149】
スキーム5は、式3のイミダゾ[1,2-a]ピリジン化合物中への-CH2NHC(O)-R基を導入するためのさらなる代替的手順を示す。この手順において、イミダゾ[1,2-a]ピリジン化合物は、硫酸の存在下でN-ヒドロキシベンズアミドで処理される。
【0150】
式11により表される型の化合物は、文献の方法に従って合成され得る(Selleri, S. et al. Bioorganic and Medicinal Chemistry 9, 2661-2671 (2001))。一例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-3-(4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミンとの縮合を包含する。
【0151】
【化8】
【0152】
一般式12の化合物はスキーム1〜5に上記された方法により調製され得るが、但し、式2の化合物はアミノピリジンとは対照的に適切に官能基化されたアミノピリダジンである。
【0153】
【化9】
【0154】
【化10】
【0155】
スキーム1〜5に示された置換基Bは、一旦初期縮合反応が実施されれば広範囲の誘導体を製造するよう、当業者に既知の単純官能基相互変換を用いて操作され得る。スキーム6は、官能基化エーテル誘導体を調製するためのこのような一可能性を示す。メトキシ化合物13は、BCl3およびヨウ化テトラブチルアンモニウムを用いる標準手順により切断されて、ヒドロキシ化合物14を生じる。塩基の存在下での化合物14と適切なアルキルフッ化物との反応は、フッ化化合物15を生じる。
【0156】
スキーム7〜10は、本発明の選択化合物への合成経路を図示する。スキーム7〜10で言及される種々の方法A〜Jの実行例は、実施例3〜17に見出され得る。
【0157】
本発明の化合物の合成は、ヨード置換基が2-フェニル環上に必要でないという点で、WO 99/51594に開示された合成より簡単である、ということに留意すべきである。
【0158】
【化11】
【0159】
【化12】
【0160】
【化13】
【0161】
【化14】
【0162】
本発明による化合物は、以下のものを包含する:
【0163】
【化15】
【0164】
【化16】
【0165】
本発明の中間体化合物としては、以下のものも挙げられる:PBR 115、138、145、155、142、153、154、156、131、134、135、141、125、126、137、98、139、132、133、117、118、121、123、124、128、129、116、119、140、144、101、113および114(スキーム7〜10参照)。
化合物の放射能標識
【0166】
ダイアグラム1は、本発明の化合物の一般構造を例示し、この場合、AおよびCは不飽和環系であり、Bはアミド基の異なる立体配置を示し、そしてR1およびR2は種々の置換基を意味する。
【0167】
【化17】
【0168】
放射能標識は環BまたはC上で、あるいは位置R1またはR2で可能であり、放射能標識生成物を形成する。フッ化アルキル、フルオロピリジンおよびフルオロピリダジンの形態で18F標識生成物を形成する3つの異なる経路を、以下に記載する。
【0169】
フッ化アルキルは、環AまたはC上の置換基として、あるいはR1またはR2中の官能基の一部として導入され得るが、一方、フルオロピリジンおよびフルオロピリダジンは環AまたはCの一部として、あるいはR1またはR2中の基の一部として導入され得る。
【0170】
放射性フッ素化は、当業者に既知の方法により達成され得る。このような一方法は、[K2.2.2][K2CO3][18F]複合体の使用を包含するが、この場合、当該複合体は適切な脱離基、例えばハロゲンまたはO-トシレートまたはO-メシレートを保有する末端アルキル基と反応される。この方法は、上記のスキーム11、12および13に図示されている。
【0171】
【化18】
【0172】
【化19】
【0173】
【化20】
【0174】
典型的放射性フッ素化反応において、18F-フッ化物が、H18Fの形態で、18O-濃化水標的の衝撃により18O(p,n)18F核反応から生成される。水性18F-フッ化物溶液が、乾燥アセトニトリル(1 mL)、クリプトフィックス2.2.2および炭酸カリウムを含有する2.5 mL wheatonバイアルに付加される。溶媒は、約80〜120℃の温度で窒素流下で蒸発される。次にこの共沸乾燥は、アセトニトリル(2×1 mL)のさらなる付加により2回反復される。前駆体化合物は、適切な溶媒、例えばアセトニトリル、DMFまたはDMSO(1 ml)中に溶解されて、次に乾燥K222・K2CO3・KF複合体に付加される。撹拌および加熱が約5〜15分間継続された後、反応混合物は移動相で希釈され、そして逆相HPLCにより精製される。フッ化生成物に対応する放射性ピークが収集され、真空乾燥されて、次に生物学的評価のために生理食塩水(0.9%)中に処方される。
【0175】
放射性標識化合物
本発明による放射性標識化合物としては、以下のものが挙げられる:
【0176】
【化21】
【0177】
【化22】
【0178】
【化23】
【0179】
製剤組成物
本発明による製剤組成物は、経口的に、局所的に、非経口または皮下、例えば注射により、そして動脈内注入により、直腸的に、または吸入スプレーにより投与され得る。
【0180】
経口投与に関しては、製剤組成物は、錠剤、ロゼンジ、ピル、トローチ、カプセル、エリキシル、粉末、顆粒、懸濁液、乳濁液、シロップおよびチンキ剤の形態であり得る。緩徐放出または遅延放出形態も、例えば被覆粒子、多層錠剤または微粒剤の形態で調製され得る。経口投与のための固体形態は、製薬上許容可能な結合剤、甘味剤、崩壊剤、希釈剤、風味剤、コーティング剤、防腐剤、滑剤および/または時間遅延剤を含有し得る。適切な結合剤としては、アラビアゴム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースまたはポリエチレングリコールが挙げられる。適切な甘味剤としては、スクロース、ラクトース、グルコース、アスパルテームまたはサッカリンが挙げられる。適切な崩壊剤としては、コーンスターチ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、キサンタンゴム、ベントナイト、アルギン酸または寒天が挙げられる。適切な希釈剤としては、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、デキストロース、カオリン、セルロース、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムまたはリン酸二カルシウムが挙げられる。適切な風味剤としては、ペパーミント油、冬緑樹、桜桃、オレンジまたはラズベリーの油が挙げられる。適切なコーティング剤としては、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはそれらのエステルのポリマーまたはコポリマー、蝋、脂肪アルコール、ゼイン、セラックまたはグルテンが挙げられる。適切な防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、アルファ-トコフェロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベンまたは重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。適切な滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたはタルクが挙げられる。適切な時間遅延剤としては、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートが挙げられる。
【0181】
経口投与のための液体形態は、上記作用物質のほかに、液体担体を含有し得る。適切な液体担体としては、水、油、例えばオリーブ油、ゴマ油、ヒマワリ油、紅花油、落花生油、ヤシ油、液体パラフィン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、脂肪アルコール、トリグリセリドまたはその混合物が挙げられる。
【0182】
経口投与のための懸濁液は、分散剤および/または沈殿防止剤をさらに含み得る。適切な沈殿防止剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムまたはセチルアルコールが挙げられる。適切な分散剤としては、レシチン、脂肪酸、例えばステアリン酸のポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンソルビトールモノ-またはジ-オレエート、-ステアレートまたは-ラウレート等が挙げられる。経口投与のための乳濁液は、1つまたは複数の乳化剤をさらに含み得る。適切な乳化剤としては、上記で例示されたような分散剤、あるいは天然ゴム、例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴムが挙げられる。局所投与に関しては、製剤組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、ゼリー、チンキ剤、懸濁液または乳濁液の形態であり得る。製剤組成物は、上記で例示されたような製薬上許容可能な結合剤、希釈剤、崩壊剤、防腐剤、滑剤、分散剤、沈殿防止剤および/または乳化剤を含有し得る。
【0183】
非経口投与に関しては、式(I)または(Ia)の化合物あるいはその塩は、滅菌水性または油性溶液または懸濁液中に調製され得る。適切な非毒性非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒としては、水、リンガー溶液、等張塩溶液、1,3-ブタンジオール、エタノール、水との混合物でのプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが挙げられる。水性溶液または懸濁液は、1つまたは複数の緩衝剤をさらに含み得る。適切な緩衝剤としては、例えば酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたは酒石酸ナトリウムが挙げられる。
【0184】
直腸投与に関しては、式(I)または(Ia)の化合物は、浣腸剤または座薬の形態で適切に投与される。適切な座薬は、活性物質を、常温で固体であるが、しかし直腸中では融解する非限定的賦形剤と混合することにより調製され得る。適切なこのような材料は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。適切な浣腸剤は、局所投与のための形態に関して上記で例示されたような作用物質を含み得る。
【0185】
適切には、式(I)または(Ia)の化合物を含む吸入スプレーは、上記で例示されたような溶液、懸濁液または乳濁液の形態である。吸入スプレー組成物は、低毒性の吸入可能噴射剤をさらに含み得る。適切な噴射剤としては、二酸化炭素または酸化窒素が挙げられる。
【0186】
第一、第二または第三の態様の化合物を含む製剤組成物、診断組成物および薬剤は、当該技術分野で一般的に既知である方法により製造され得る。組成物または薬剤は、第一または第二の態様の化合物を、1つまたは複数の適切な担体、アジュバント、希釈剤または賦形剤とともに、磨砕し、粉砕し、配合し、分散し、溶解し、懸濁し、混合し、投与し、併合し、乳化しまたは均質化することにより、調製され得る。前記のステップのうちの2またはそれより多くの組合せも、用いられ得る。
【0187】
式(I)または(Ia)の化合物の剤形は、0.01重量%〜99重量%の式(I)または(Ia)の化合物を含む。通常、本発明による剤形は、0.1重量%〜約10重量%の活性物質を含む。
【0188】
本発明の第六の態様による診断方法では、典型的には約3〜約10 mCiの投与量の第三の態様の化合物が、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の存在または非存在を診断するのが望ましい哺乳類に、通常はヒトに、典型的には投与される。第二の実施形態の化合物の投与の0.5〜4時間後、哺乳類の身体または身体の一部における放射能の分布の画像が得られる。小児への投与のためにはより低い用量が適切であり、そして腫瘍の診断のためにはより高い投与量がより適切である(この場合、画像診断は物質の投与後2〜4時間またはそれ以後に実行されるべきである)、と理解される。末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度が障害に罹患している哺乳類で生じる部位での放射能の濃度の存在は、陽性診断を示す。
【0189】
第七の態様による方法は、第一または第二の態様の化合物、あるいは第四の態様の製剤組成物の、哺乳類への、典型的にはヒトへの投与を包含する。第四の態様の製剤組成物の1回または多数回投与が実行され得る。当業者は、ルーチン実験により、本発明の化合物および/または組成物の治療的有効量(非毒性である)を、ならびに化合物および組成物が適用可能である疾患を治療するのに適している投与パターンを確定し得る。
【0190】
さらに、例えば限定日数の間に1日当たりで投与される本発明の化合物または組成物の治療的有効量の用量投与回数といったような最適治療コースが、慣用的治療確定試験を用いて確認され得る、ということが当業者には明らかになる。一般的に、治療的有効量/24時間は、約0.0001 mg〜約1000 mg/体重1 kg;適切には約0.001 mg〜約750 mg/体重1 kg;約0.01 mg〜約500 mg/体重1 kg;約0.1 mg〜約500 mg/体重1 kg;約0.1 mg〜約250 mg/体重1 kg;または約1.0 mg〜約250 mg/体重1 kg;の範囲であり得る。さらに適切には、有効投与量/24時間は、約1.0 mg〜約200 mg/体重1 kg;約1.0 mg〜約100 mg/体重1 kg;約1.0 mg〜約50 mg/体重1 kg;約1.0 mg〜約25 mg/体重1 kg;約5.0 mg〜約50 mg/体重1 kg;約5.0 mg〜約20 mg/体重1 kg;または約5.0 mg〜約15 mg/体重1 kg;の範囲であり得る。治療的有効量/24時間は、被験者における障害の治療が達成されるまで、毎日、または2、3、4、5、6または7日毎に継続され得る。
【0191】
本発明の第一または第二の態様の化合物の治療的投与量は、患者において治療されるべき症状およびその重症度といったような因子によって、任意の所定の環境で担当医により確定され得る。
【0192】
本発明による化合物が有用である治療に関する症状は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度に関連した症状、例えば炎症、神経変性障害、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血;ある種の腫瘍、例えば神経膠腫、ならびに卵巣、結腸、乳房、前立腺、脳および副腎の癌;神経毒性損傷、例えば卒中または心停止に起因し得る酸素欠乏症または虚血に関連したもの;認知障害(認知増強における、そしてアポトーシス過程の調整における)である。本発明による化合物は、障害、障害の段階、治療に対するその応答、ならびに明らかになり得る任意の望ましくない作用によって、1回用量投与で、または2回用量投与で、または多数回用量投与で投与され得る。
【0193】
in vivo生体分布試験
本発明の放射性標識化合物のin vivo生体分布は、既知のPBR部位を有する組織において高取込みを示した。表1、1A、2、2A、3、4、5および6は、ラットに投与される場合、フッ素原子が放射能標識されるPBR111*、PBR102*、PBR132*、PBR146*、PBR147*およびPBR099*の化合物の生体分布を示す。放射性標識を有さないPK11195のような既知の標準によるラットの前処理(1 mg/kg)は、当該組織における活性の取込みを有意に低減した。フルマゼニルおよびその他の中枢作用性ベンゾジアゼピンによる前処理は、本発明の放射性標識化合物の活性の取込みを低減せず、それにより、in vivoでの本発明の化合物の結合が末梢性ベンゾジアゼピン受容体に対して特異的且つ選択的である、ということを示す。
【0194】
【表1】
【0195】
【表2】
【0196】
【表3】
【0197】
【表4】
【0198】
【表5】
【0199】
【表6】
【0200】
【表7】
【0201】
【表8】
【0202】
in vitro結合試験
末梢性ベンゾジアゼピン結合部位に関する選択化合物の阻害定数(IC50)を、三重反復実験で、4℃で1時間、希釈腎臓膜調製物(200 ug)のアリコート(0.1 ml)を、7つの濃度の化合物(10-5〜10-10 M)および[3H]-PK11195(2 nM)とともに、0.5 mlの最終容積でインキュベートすることにより確定した。非特異的結合を、PK11195(10 μM)を用いて確定した。
【0203】
同様に、中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関する化合物のIC50を、三重反復実験で、25℃で45分間、希釈脳皮質膜調製物(200 ug)のアリコート(0.1 ml)を、7つの濃度の化合物(10-5〜10-10 M)および[3H]-フルマゼニル(2 nM)とともに、0.5 mlの最終容積でインキュベートすることにより確定した。非特異的結合を、フルマゼニル(20 μM)を用いて確定した。両方の場合、WhatmanGF/Bガラス繊維を通した迅速濾過により、インキュベーションを終結した。フィルターを直ちに5 mLの氷冷50 mMトリス/HCl、pH7.4で3回洗浄した。β-シンチレーション計数器(Packard)でフィルターを計数して、結合放射能の量を測定した。末梢性ベンゾジアゼピン結合部位および中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関する化合物のIC50を、Kell6ソフトウェアを用いて算定した。これらの結果を、表7に示す。
【0204】
【表9】
【実施例】
【0205】
ここで、以下の実施例を参照しながら、例証のみのために、本発明をさらに詳細に記載する。実施例は本発明を例証するのに役立つよう意図されており、この明細書全体を通して記述の開示の普遍性を限定すると解釈されるべきでない。
【0206】
比較例
【0207】
【化24】
【0208】
2-ヨード置換基を2-フルオロ置換基に取り替えるという選択性に及ぼす作用を査定するために、化合物1〜4を調製した。IC50値から分かるように、2-フルオロ置換基が2-ヨード置換基の代わりに置き換えられる場合、末梢性ベンゾジアゼピン受容体に関する選択性は失われる。上記の結果は、意外にも、WO 99/51594に開示された化合物のヨード置換基のフルオロ置換基による単純な取替えが、末梢性ベンゾジアゼピン受容体とは対照的に、中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関して選択的である化合物を生じる、ということを示す。予期せぬことに、フェニル環からヨード置換基を除去し、そしてフルオロ置換アルコキシ基を結合すると、末梢性ベンゾジアゼピン受容体に関する選択性を保持するフッ化化合物を生じ、したがって、それらはPET画像処理に、そして末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される障害の治療的適用にも有用である。
【0209】
実施例1 - 前駆体ブロモアセトフェノンの調製
四塩化炭素(10 ml)中の臭素(2.52 g, 15.75 mmol)の溶液を、1滴の濃HBrを含有する四塩化炭素(50 ml)中のN,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミド(3.945 g, 15.0 mmol)の撹拌氷冷溶液に、1時間に亘って付加した。撹拌をこの温度でさらに2時間、次に室温で30分間継続した。淡黄色溶液を蒸発させて、残渣を酢酸エチル(100 ml)および水(50 ml)とともに撹拌した。固体重炭酸ナトリウムを注意深く付加して、臭化水素を中和し、有機相を分離し、洗浄(ブライン、3×10 ml)し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発指せて、粗製ブロモケトン、3-ブロモ-N,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミドを無色油(5.15 g)として得た。
【0210】
実施例2 - ピリジンベースのブロモアセトフェノンの調製
1つの反応容器中で、2-クロロ-5-アセチルピリジン(1.55 g, 10 mmol)を、酢酸(30 ml)中の45%HBr中に溶解し、氷水浴中で20分間撹拌したままにして、暗褐色溶液を形成した。別個の反応溶液中で、臭素(1.61 g, 10 mmol)を酢酸中のHBr(45%)(6 ml)に付加し、その結果生じた溶液を第一反応容器に付加した。併合反応混合物を氷水浴中で1時間撹拌したままにした。この時間の後、無水ジエチルエーテルを反応溶液に付加して、沈殿反応を生じた。さらなる沈殿が形成されなくなるまで、ジエチルエーテルを付加した(〜60 ml)。固体を濾過により収集し、冷ジエチルエーテルで洗浄(ナトリウム上で乾燥)して、HBr塩として2-ブロモ-1-(6-クロロピリジン-3-イル)エタノンの淡黄色粉末を得た(2.44 g, 77%)。
【0211】
実施例3 - 方法A1 - 縮合1
無水エタノール(15 ml)中の2-ブロモ-4‘-メトキシアセトフェノン(1.4 g, 6.13 mmol)、2-アミノ-3,5-ジクロロピリジン(1.0 g, 6.13 mmol)の混合物を、加熱還流した。2時間後、NaHCO3(309 mg, 3.68 mmol)を暗褐色溶液に徐々に付加した。反応混合物をさらに15時間還流し続けた後、NaHCO3のもう一つの部分を徐々に付加した(206 mg, 2.45 mmol)。15分後、反応を冷却し、冷蔵庫中に20時間保持した。その結果生じた沈殿物を濾過により収集し、冷エタノールで、その後水で洗浄した。次に固体を熱エタノール中で10分間煮沸した後、室温に冷却させて、次に濾過により収集して、6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジンをベージュ色結晶として得た(1.34 g, 75%)。
【0212】
実施例4 - 方法A2 - 縮合2
乾燥DMF(10 ml)中の3-ブロモ-N,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミド(60%)、3-ブロモ-4-(4-メトキシフェニル)-N,N-ジエチル-4-オキソブタンアミド(20%)およびN,N-ジエチル-4-(4-メトキシフェニル)-4-オキソブタンアミド(20%)(総重量4 g)の溶液を、110℃でDMF中の3,5-ジクロロ-2-アミノピリジン(1.63 g, 10.0 mmol)の撹拌溶液に、5時間に亘って一部ずつ付加した;この温度で6時間、次に100℃で15時間、加熱を継続した。冷却混合物を酢酸エチル(75 ml)で希釈し、洗浄し(水、3×20 ml;10%水性酒石酸、20 ml;2%水性NaHCO3、10 ml;水、2×10 ml;ブライン、2×10 ml)、乾燥(Na2SO4)して、短いシリカカラム(約4 g)を通して走行させて、溶離を酢酸エチル(30 ml)を用いて継続させた。溶媒を蒸発させて赤褐色タールを得て、これをAlltech Alltima C18、10μ、250×22 mmカラム上での分取HPLCにより精製し、80%アセトニトリルおよび20%重炭酸アンモニウム(20 mM)を用いて10 mL/分で溶離した。主生成物(11.0分で溶離)を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(465 mg, 全体で9.54%)の白色針晶を得た。少ない方の生成物(13.8分で溶離)は、同一溶媒から、2-(2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(209 mg, 3.59%)の白色羊毛状針晶を生じた。
【0213】
実施例5 - 方法B - UGI反応
2-アミノ-5-クロロピリジン(200 mg, 1.56 mmol)、4-ブロモベンズアルデヒド(346 mg, 1.87 mmol)およびスカンジウム(III)トリフレート(38 mg, 0.078 mmol)の混合物を、メタノール・ジクロロメタン(1:3, 3 ml)中に溶解した。室温で30分間撹拌後、エチルイソシアノアセテート(212 mg, 1.87 mmol)を付加し、反応を継続して、室温で72時間撹拌した。この時点で、反応混合物をDCM(10 ml)で希釈し、次に水で洗浄した。水相をDCM(2×10 ml)で抽出し、次に併合有機抽出物を重亜硫酸ナトリウム(2 M, 25 ml)とともに10分間激しく撹拌した後、有機抽出物を分離し、乾燥(Na2SO4)し、濾過して、濾液を真空濃縮して黄色油を得た。黄色油を、ヘキサンを付加しながら熱酢酸エチルから結晶化した。黄色結晶を濾過により収集して、エチル2-(2-(4-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イルアミノ)アセテート(411 mg, 65%)を得た。
【0214】
実施例6 - 方法C1
ステップ1. 酢酸(25 ml)中の2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン(1.93 g, 6.3 mmol)の溶液に、水性ジメチルアミン(40%, 11.8 ml, 1.2当量)を撹拌しながら徐々に付加した。温度を上げて、沈殿を形成した。水性ホルムアミド(37%, 4.7 ml)を次に付加し、混合物を55〜60℃で20時間撹拌した。冷却後、溶媒を濃縮し、褐色残渣を水(10 ml)およびクロロホルム(20 ml)の混合物中に溶解し、次にpHが12になるまで、2.5 M水性NaOHを撹拌しながら徐々に付加した。クロロホルム層を分離し、水性相をさらにクロロホルム(10 ml+2×5 ml)で抽出した。次に併合クロロホルム溶液を2 NHCl(3×10 ml)で抽出した。次に抽出物をNaOHで塩基性にして、pH12とした。黄色ゴム状固体が生じた。固体をEtOH中に再溶解して、エタノール/水から再結晶化して、(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミンをベージュ色結晶固体として得た(1.36 g, 60%)。
【0215】
ステップ2. ステップ1からの生成物[(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン(1.3 g, 3.6 mmol)]をベンゼン(15 ml)中に溶解し、ヨードメタン(0.8 ml(1.8 g), 13 mmol)を付加した。光の非存在下で18時間、反応を撹拌させたままにした。白色固体が析出したら、濾過により収集し、ベンゼンで洗浄して、ヨウ化トリメチルアンモニウム塩(0.8 g)を得た。
【0216】
ステップ3. ステップ2から得られたヨウ化トリメチルアンモニウム塩(0.51 g, 1.1 mmol)をEtOH/H2O(1/1, 10 ml)中に溶解し、KCN(0.50 g, 7.8 mmol)を付加して、懸濁液を形成した。混合物を24時間加熱還流した。冷却時に、懸濁液をN2で1時間吹き込んで、次に蒸発させてEtOHを除去した。水(10 ml)を付加し、その結果生じた褐色固体を濾過して、収集した。固体をデシケーター中で乾燥して、アセトアミド2-(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセトアミドを淡黄色固体(0.4 g)として得た。
【0217】
ステップ4. ステップ3からのアセトアミド(0.4 g)を濃HCl(6 ml)および酢酸(6 ml)の溶液に付加した。懸濁液を一晩加熱還流して、冷却するとオフホワイト沈殿が生じた。次に混合物を蒸発させて乾燥し、水(10 ml)および10%NaOH(5 ml)を付加した。その結果生じた溶液を80℃で40分間加熱して、次に濾過した。褐色濾液を冷却し、濃HClで酸性にしてpH4とし、加水分解生成物2-(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸をクリーム色固体として沈殿させた(0.24 g, 60%)。
【0218】
実施例7 - 方法C2
ステップ1、2および3は方法C1で上記したものと同一であるが、しかしながらステップ4における加水分解は部分修正した。HCl/酢酸の溶液を用いる代わりに、HBr(48%, 200 ml)および酢酸(100 ml)の溶液をアミド、例えば2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセトアミド(99.6 g, 0.031 mol)に付加した。反応混合物を48時間加熱還流して、冷却後に、白色沈殿を得た。その結果生じた結晶固体を濾過により収集し、水で洗浄して、酸2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸を臭化水素酸塩として得た(10.8 g, HBr塩、89%)。
【0219】
実施例8 - 方法C3 - 逆アミド反応
濃硫酸(18 μl)を、(6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン)(40 mg, 0.15 mmol)、N-ヒドロキシベンズアミド(22.7 mg, 0.15 mmol)および酢酸(1.0 ml)の混合物に激しく撹拌しながら滴下した。次に混濁溶液を、110℃で12時間、油浴中で加熱し、冷却して、酢酸エチル(15 ml)で希釈して、余分量の炭酸ナトリウム溶液(2.5%)で洗浄した。有機層を水(2×3 ml)および飽和ブライン(2 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させて油状残渣を得て、これをAlltech Alltimaカラム(250×22 mm, 10μ)上での分取HPLCにより分離し、50%アセトニトリルおよび50%重炭酸アンモニウム(20 mM)を用いて10 ml/分で溶離した。14.8分で溶離された生成物は、クロロホルム/エタノールからの結晶化後に、N-((6-クロロ-2-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミドを微細白色針晶(8.2 mg, 収率14.3%)として生じた。16.9分で溶離された生成物は、酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化後に、N-((6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミドを白色針晶(10.2 mg, 収率17.0%)として生じた。
【0220】
実施例9 - 方法D1 - EDCIを用いたカップリング(縮合)
ジイソプロピルエチルアミン(620 μl, 3.6 mmol)を、乾燥DMF(6 ml)中の(2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸)(702 mg, 2.0 mmol)、N-メチルアニリン(260 μl, 2.4 mmol)およびHOBT(270 mg, 2.0 mmol)の撹拌混合物に付加した。すべての固体を溶解後、EDCI(500 mg, 2.6 mmol)を次に付加した。4日後、酢酸(350 μl, 6 mmol)および水(約15 ml)を撹拌しながら徐々に付加した。混合物を5℃で3時間冷却した後、その結果生じた沈殿を濾過により収集して、クロロホルム/エタノールから再結晶化して、2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド(842 mg, 収率95.6%)を白色羊毛状針晶として得た。
【0221】
例外
ジイソプロピルエチルアミン(2.09 ml, 12.0 mmol)を、乾燥DMF(8 ml)中の(2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸)(臭化水素酸塩、1.1505 g, 3.0 mmol)、ジエチルアミン(372 μl, 3.6 mmol)およびHOBT(405 mg, 3.0 mmol)の撹拌混合物に付加した。すべての固体を溶解後、EDCI(748 mg, 3.9 mmol)を付加した。18時間後、酢酸(500 μl)および水(50 ml)を撹拌しながら徐々に付加した。混合物を5℃に6時間冷却した後、収集された固体生成物を水で十分に洗浄し、乾燥した。この粗生成物(901 mg)(カルボン酸およびフェニル部分の縮合から形成される二量体および三量体を含有した)を、乾燥DMF(3 ml)およびジエチルアミン(0.5 ml)とともに、密閉容器中で約100℃で2時間撹拌した。それを、フタを外して、すべての固体が溶解し、余分量のジエチルアミンのほとんどが蒸発されるまで、さらに加熱した。酢酸エチル(10 ml)を迅速に付加し、生成物を結晶化させた。結晶を4時間後に5℃で収集し、少容量の冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、(2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(816 mg, 収率76.1%)を白色羊毛状針晶として得た。
【0222】
実施例10 - 方法D2 - CDIを用いたカップリング(縮合)
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸(176 mg, 0.50 mmol)、カルボニルジイミダゾール(122 mg, 0.75 mmol)および乾燥DMF(1.5 ml)の混合物を、室温で6時間撹拌した。この時間の後、3-アミノ-2-クロロピリジン(71 mg, 0.55 mmol)を付加し、反応混合物を85℃(油浴温度)で16時間加熱した。水(約10 ml)を、激しく白斑視ながら冷却混合物に徐々に付加して、生成物を紫赤色固体として沈殿させて、これを2時間後に収集し、水で洗浄し、エタノールから再結晶化して、2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド(145.4 mg, 63.0%)を薄桃色羊毛状針晶として得た。
【0223】
実施例11 - 方法E1 - 加水分解1
水(10 ml)中の水酸化ナトリウム(0.40 g, 10 mmol)の溶液を、メタノール(40 ml)中のメチル2-(2-(4-(2-フロオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセテート(1.45 g, 4.0 mmol)の撹拌混合物に付加した。混合物を還流下で1時間沸騰させた。メタノールのほとんどを蒸留させて(大気圧)、最終容量を約20 mlとした。溶液をわずかに冷却して、酢酸(1 ml)を迅速に付加し、混合物をかき回さずに放置して、生成物を結晶化した。これを一晩冷蔵した後に収集し、冷1:1メタノール/水で洗浄し、乾燥して、2-(2-(4-(2-フロオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸(1.371 g, 98.4%)を白色フレークとして得た。
【0224】
実施例12 - 方法E2 - 加水分解2
MeOH(3 ml)中の2-(2-(4-(4-アセトキシブトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(180 mg, 0.38 mmol)の溶液に、H2O(1 ml)中の炭酸セシウム(276 mg, 0.76 mmol)の溶液を徐々に付加した。周囲温度で2日間撹拌後、沈殿が観察されたら、濾過により収集した。固体を濾過により収集し、水で洗浄した。次に固体を熱酢酸エチルおよびヘキサンから再結晶化して、2-(4-(4-ヒドロキシブトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミドを無色結晶として得た(146 mg, 90%)。
【0225】
実施例13 - 方法F - エステル化
撹拌メタノール(50 ml)に、濃硫酸(1.5 ml)を、その後、2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)酢酸(臭化水素酸塩、1.918 g, 5.0 mmol)を付加した。混合物を50℃Cで1.25時間加熱して、室温に冷却し、トリメチルオルトホルメート(530 mg, 5.0 mmol)を付加した。翌日、混合物を、酢酸エチル(400 ml)、水(100 ml)および重炭酸ナトリウム(6.0 g)の混合物に激しく撹拌しながら徐々に注ぎ入れた。分離有機層を洗浄し(水、2×50 ml;5%水性炭酸ナトリウム、10 ml;水、2×50 ml;ブライン、25 ml)、乾燥し(Na2SO4)、そして結晶化を十分に進行させるまで(約20 ml残存)濃縮(Rotavapor)した。次にヘキサン(20 ml)を徐々に付加した。その結果生じた生成物を2時間後に収集し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1, 20 ml)で洗浄して、乾燥し、メチル2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)アセテート(1.4673 g, 92.7%)を白色針晶として得た。
【0226】
実施例14 - 方法G - フェノールのアルキル化
2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(71.5 mg, 0.2 mmol)、2-ブロモエチルメチルエーテル(55.6 mg, 38 μl、0.4 mmol)、炭酸カリウム(83 mg, 0.6 mmol)、ヨウ化カリウム(5 mg)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.4 mg)および乾燥DMF(1 ml)の混合物を、2日間激しく撹拌した。混合物を酢酸エチル(15 ml)で希釈し、洗浄し(水、4×3 ml;ブライン、3 ml)、乾燥して(Na2SO4)、蒸発させた。その結果生じた残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、2-(2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(76 mg, 収率91.5%)を薄黄色フレークとして得た。
【0227】
実施例15 - 方法H - アルキルアルコールのフッ素化
ジイソプロピルエチルアミン(210 μl, 1.2 mmol)、フッ化ペルフルオロ-1-ブタンスルホニル(69 μl, 0.40 mmol)およびトリエチルアミン・トリヒドロフルオリド(67 μl, 0.40 mmol)を、2-(2-(4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(82 mg, 0.20 mmol)および乾燥アセトニトリル(0.80 ml)の撹拌混合物に付加した。混合物を30分間40℃に温めて、次に室温で一晩放置した。揮発性物質を除去し、酢酸エチル(10 ml)中の残留油の溶液を洗浄し(水、3×3 ml;10%水性酒石酸、3 ml;水、2×3 ml;ブライン、3 ml)、乾燥して(Na2SO4)、蒸発させた。残渣を、Alltech Alltima C18、250×22 mmカラム上での分取HPLCにより精製し、70%アセトニトリル、30%水+0.1%TFAを用いて10 ml/分で溶離した。15.4分でのピークを収集し、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(48.6 mg, 59.0%)を粒の粗い針晶として得た。
【0228】
実施例16 - 方法I - 脱メチル化
乾燥ジクロロメタン(10 ml)中の(N,N-ジエチル-2-(2-(4-メトキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)アセトアミド)(732 mg, 2.0 mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(812 mg, 2.2 mmol)の撹拌溶液を、N2でフラッシュしながら、エタノール/液体窒素浴(約−70℃)中で冷却した。次に、激しく撹拌しながら、ヘキサン中の三塩化ホウ素(1.0 M, 9.0 ml, 9.0 mmol)の溶液を5分間に亘って注射器により滴下した。5分後、エタノール/N2浴を氷と取り替えて、撹拌を2.5時間継続した。氷および水(合計約30 ml)を注意深く付加することにより反応をクエンチして、反応混合物を、全固体が分散されるまで(約1時間)撹拌した。半固体塊を、水(50 ml)、クロロホルム(50 ml)およびエタノール(5 ml)とともに激しく振盪した;固体重炭酸ナトリウムを少量ずつ付加して、ホウ素化合物の加水分解からの酸を中和し、これは、余分量の重炭酸塩の存在下で混合物がもはや紫色でなくなった時、完了した。有機層を分離し、水性相をより多くのクロロホルム(2×20 ml)で抽出した。併合有機溶液を希釈ブライン(50 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させて、結晶半固体を得て、これをアセトニトリル(4 ml)でスラリー化し、結晶を濾し取り、最少量の冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、N,N-ジエチル-2-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)アセトアミド(620 mg, 収率88.1%)を白色針晶として得た。
【0229】
実施例17 - 方法J - ハロピリダジンのフッ素化
4 ml容器中の2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(66.5 mg, 0.15 mmol)、フッ化カリウム(87 mg, 1.50 mmol)、ジメチルスルホキシド(0.60 ml)およびトルエン(1.5 ml)の混合物を撹拌し、徐々に170℃(油浴温度)に加熱して、トルエンを蒸発させ、水を除去した。容器をN2でフラッシュし、密封して、165〜170℃に7時間保持した。冷却混合物を酢酸エチル(3 ml)で希釈し、洗浄し(水、3×1 ml;ブライン、1 ml)、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。半結晶残渣をAlltech AlltimaC18 250×22 mmカラム上での分取HPLCにより精製し、80%アセトニトリル、20%水+0.1%TFAを用いて20 ml/分で溶離した。7.4分でのピークを収集し、濃縮し、その結果生じた固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、38.5 mgの2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(67.2%)を無色プレートとして得た。
【0230】
実施例18 - フッ化アルキルを形成するための放射合成
【0231】
【化25】
【0232】
18O-濃化水標的の衝撃による18O(p,n)18F核反応により、[18F]フッ化物(H18Fの形態で)を生成した。水性18F-フッ化物溶液を、乾燥アセトニトリル(1 mL)、クリプトフィックス2.2.2(5 mg, 13.3 μmol)および炭酸カリウム(2 mg, 14.5 μmol)を含有する2.5 mL wheatonバイアルに付加した。溶媒を、減圧真空で90℃で窒素流下で蒸発させた。この共沸乾燥を、アセトニトリル(2×1 mL)のさらなる付加により2回反復した。トシレート前駆体2-(2-(4-(2-トシルエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド(2 mg, 3.6 μmol)をアセトニトリル(1 ml)中に溶解し、乾燥K222・K2CO3・KF複合体に付加した。撹拌および90℃での加熱を10〜15分間継続した後、反応混合物を移動相で希釈し、そしてAlltech AlltimaC18、10μ、250×22 mmカラム上での逆相HPLCにより精製し、45%アセトニトリル、55%水+0.1%TFAを用いて10 ml/分で溶離した。13〜14分の放射能ピークを収集し、真空乾燥し、次に生物学的評価のために生理食塩水中に、典型的には生体分布試験のためにラット当たり典型的には25 μCi/100 μl生理食塩水溶液中に処方した。
【0233】
実施例19 - 種々の化合物に関する特性化データ
スキーム1〜4に示した一般手順により、そして方法A〜Jを利用することにより、以下の化合物を合成し、特性化した。
【0234】
PBR098
N,N-ジエチル-2-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)アセトアミド
融点:234〜235℃。
【0235】
【化26】
【0236】
元素分析:C20H24N4O2に関する理論値、C=68.16;H=6.86;N=15.90。実測値、C=67.97、H=6.95、N=15.85。
【0237】
PBR099
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:148℃。
【0238】
【化27】
【0239】
元素分析:C22H27FN4O2に関する理論値、C=66.31;H=6.83;N=14.06。実測値、C=66.47、H=6.89、N=14.17。
【0240】
PBR101
2-(6-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
【0241】
【化28】
【0242】
PBR102
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:142℃。
【0243】
【化29】
【0244】
元素分析:C21H23ClFN3O2に関する理論値、C=62.45;H=5.74;N=10.40。実測値、C=62.51、H=5.79、N=10.43。
【0245】
PBR103
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジプロピルアセトアミド
融点:158〜160℃。
【0246】
【化30】
【0247】
元素分析:C23H27ClFN3O2に関する理論値、C=63.96;H=6.30;N=9.73。実測値、C=64.15、H=6.36、N=9.78。
【0248】
PBR104
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)エタノン
融点:150〜152℃。
【0249】
【化31】
【0250】
元素分析:C21H21ClFN3O2に関する理論値、C=62.76;H=5.27;N=10.46。実測値、C=63.02、H=5.38、N=10.41。
【0251】
PBR105
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
融点:194〜196℃。
【0252】
【化32】
【0253】
元素分析:C19H19ClFN3O2に関する理論値、C=60.72;H=5.10;N=11.18。実測値、C=60.60、H=5.09、N=11.15。
【0254】
PBR106
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-ジメチルアセトアミド
融点:255℃。
【0255】
【化33】
【0256】
元素分析:C18H17ClFN3O2に関する理論値、C=59.76;H=4.74;N=11.61。実測値、C=59.85、H=4.77、N=11.67。
【0257】
PBR107
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-エチル-N-メチルアセトアミド
融点:117〜118℃。
【0258】
【化34】
【0259】
元素分析:C20H21ClFN3O2に関する理論値、C=61.62;H=5.43;N=10.78。実測値、C=61.34、H=5.48、N=10.70。
【0260】
PBR110
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-イソプロピルアセトアミド
融点:205〜206℃。
【0261】
【化35】
【0262】
元素分析:C20H21ClFN3O2に関する理論値、C=61.62;H=5.43;N=10.78。実測値、C=61.75、H=5.51、N=10.89。
【0263】
PBR111
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:110〜114℃。
【0264】
【化36】
【0265】
PBR113
2-(2-(4-(3-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:119〜120℃。
【0266】
【化37】
【0267】
PBR114
2-(2-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
【0268】
【化38】
【0269】
PBR115
2-(2-(3-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:154〜155℃。
【0270】
【化39】
【0271】
PBR117
2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:138〜139℃。
【0272】
【化40】
【0273】
PBR118
2-(2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:188℃。
【0274】
【化41】
【0275】
PBR119
2-(2-(4-ブトキシフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:118〜119℃。
【0276】
【化42】
【0277】
PBR120
2-(2-(4-(4-フルオロブトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:102〜103℃。
【0278】
【化43】
【0279】
PBR121
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:184〜185℃。
【0280】
【化44】
【0281】
PBR123
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:175〜176℃。
【0282】
【化45】
【0283】
PBR124
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:174〜175℃。
【0284】
【化46】
【0285】
PBR125
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:180〜181℃。
【0286】
【化47】
【0287】
PBR126
2-(2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:190〜191℃。
【0288】
【化48】
【0289】
PBR128
2-(6-ブロモ-2-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:180℃。
【0290】
【化49】
【0291】
PBR129
2-(6-ブロモ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:124〜125℃。
【0292】
【化50】
【0293】
PBR130
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:132〜134℃。
【0294】
【化51】
【0295】
PBR131
N-ブチル-2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:118〜120℃。
1H NMR積分に基づいて、NMR58:42で回転異性体を観察した。
【0296】
回転異性体1(大):
【0297】
【化52】
【0298】
回転異性体2(小):
【0299】
【化53】
【0300】
PBR132
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:160〜162℃。
【0301】
【化54】
【0302】
PBR133
2-(6-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:132〜134℃。
【0303】
【化55】
【0304】
PBR134
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:186〜188℃。
【0305】
【化56】
【0306】
PBR135
N-ベンジル-2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:164〜167℃。
1H NMR積分に基づいて、NMR60:40で回転異性体を観察した。
【0307】
回転異性体1(大):
【0308】
【化57】
【0309】
回転異性体2(小):
【0310】
【化58】
【0311】
MS:ES(+ve)m/z454(M+1)
【0312】
PBR136
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:144〜146℃。
【0313】
【化59】
【0314】
PBR137
2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:160℃。
【0315】
【化60】
【0316】
PBR138
N-((6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
融点:288〜290℃。
【0317】
【化61】
【0318】
PBR139
N-((2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
融点:237℃。
【0319】
【化62】
【0320】
PBR140
2-(2-(4-(アリルオキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:126℃。
【0321】
【化63】
【0322】
PBR141
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-フェニルアセトアミド
融点:220〜222℃。
【0323】
【化64】
【0324】
PBR142
N-((6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)ベンズアミド
融点:260〜263℃。
【0325】
【化65】
【0326】
PBR143
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:189〜190℃。
【0327】
【化66】
【0328】
PBR144
2-(2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:134〜135℃。
【0329】
【化67】
【0330】
PBR145
3-(2-(4-ブロモフェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルプロパンアミド
融点:119〜120℃。
【0331】
【化68】
【0332】
PBR146
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
融点:106〜108℃。
【0333】
【化69】
【0334】
PBR147
2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:128℃。
【0335】
【化70】
【0336】
PBR149
2-(2-(4-(2-フルオロエトキシ)フェニル)-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド
融点:198〜200℃。
【0337】
【化71】
【0338】
PBR153
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:178〜179℃。
【0339】
【化72】
【0340】
PBR154
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(2-クロロピリジン-3-イル)アセトアミド
融点:110〜112℃。
【0341】
【化73】
【0342】
PBR155
2-(6-クロロ-2-(6-クロロピリジン-3-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミド
【0343】
【化74】
【0344】
PBR156
2-(6,8-ジクロロ-2-(4-メトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(6-クロロピリジン-3-イル)アセトアミド
融点:150〜154℃。
【0345】
【化75】
【0346】
PBR158
N-(6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)-2-(6-クロロ-2-(4-ヨードフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:218〜219℃。
【0347】
【化76】
【0348】
PBR159
2-(6-クロロ-2-(4-ヨードフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-(2-クロロピリジン-3-イル)-N-メチルアセトアミド
融点:258℃。
NMRで、回転異性体を観察した。
【0349】
回転異性体(大):
【0350】
【化77】
【0351】
回転異性体(小):
【0352】
【化78】
【0353】
実施例20
[18F]標識イミダゾピリダジンPBR-132*のin vivo評価
イミダゾピリダジン:2-(2-(4-tert‐ブチルフェニル)-6-フルオロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-N,N-ジエチルアセトアミドPBR132*の合成および評価
【0354】
【化79】
【0355】
150℃で5分間、DMF中でK222およびK2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いたBr前駆体の求核性置換により、[18F]PBR132*を調製した。
【0356】
PBR132*の生体分布をSDラットで試みて、脳および末梢組織における4時間p.i.までの分析を実施した。PBR132*の注入の5分前に、PBRおよび中枢性ベンゾジアゼピン受容体(CBR)特異的リガンド(1 mg/kg)で前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0357】
1のin vitro結合は、PBRに関しては29 nMの、そしてCBRに関しては340 nMのIC50を示した。放射化学的収率(非最適化)40〜50%、放射化学的純度>95%、ならびに特異的活性40〜80 GBq/μmolで、[18F]1を合成した。PBR132*のin vivo生体分布は、既知のPBRの組織中高取込みを示した。副腎において、30分p.i.での13% ID/gの取込みが見出され、そして4時間に亘って保持された。腎臓、心臓および肺においては、活性は15分p.i.でピークに達し(4、8および16% ID/g)、そして長時間に亘って低減し、4時間で2.3%未満となった。骨取込みは、1(15分で)から4時間での3.3% ID/gまでの範囲であった。嗅球での取込みは、15分での初期0.63%から4時間p.i.での0.25%までの範囲であった。血中濃度は、測定時間全体を通して低かった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、脳および末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、活性増大を示した。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR132*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【0358】
実施例21
[18F]標識イミダゾピリジンPBR-147*の合成および評価
フッ化物-18イミダゾピリジン類似体2-(2-(4-(3-フルオロプロポキシ)フェニル)-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-N-メチル-N-フェニルアセトアミド 1.の合成および評価
【0359】
【化80】
【0360】
100℃で5分間、ACN中でK222、K2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いたトシレート前駆体の求核性置換により、PBR147*を調製した。
【0361】
PBR147*の生体分布をSDラットで実施して、脳および末梢組織を15、30分、1および4時間p.i.で分析した。PBR147*注入の5分前に、1 mg/kgで、PBRリガンドPK11195およびRo5-4864で、そしてCBRに関してはフルマゼニルで動物を前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0362】
PBR147のin vitro結合は、PBRに関しては7.4 nMのIC50を、そしてCBRに関しては>4000 nMの低IC50を示した。放射化学的収率(非崩壊補正)40〜55%、ならびに放射化学的純度>95%で、[18F]147*を合成した。特異的活性は、37〜80 GBq/μmolの範囲であった。in vivo生体分布は、富PBRの組織中のPBR147*の取込みを示した。副腎は、30分p.i.での9% ID/gから4時間での11%に増大する高取込みを示した。腎臓では、活性は15分p.i.(5%ID/g)でピークに達し、そして長時間に亘って、4時間で4および3.6%ID/gに低減した。心臓では、取込みは、実験時間全体(15分〜4時間)を通して7%に保持された。骨取込みは、1(15分で)から4時間での2.9% ID/gまでの範囲であった。嗅球での取込みは、15分での初期0.66%から4時間p.i.での0.26%までの範囲であったが、一方、血中濃度は有意に低かった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、脳および末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、PBR147*の増大を示した。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR147*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【0363】
実施例22
[18F]標識イミダゾピリジンPBR102*およびPBR111*の合成および評価
2つのフッ化物-18イミダゾピリジン類似体PBR102*およびPBR111*の合成および評価。100℃で5分間、ACN中でK222、K2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いた対応するエチルおよびプロピル・トシレート前駆体の求核性置換により、トレーサーPBR102*およびPBR111*を調製した。
【0364】
PBR102*およびPBR111*の生体分布をSDラットで実施して、脳および末梢組織を15、30分、1および4時間p.i.で分析した。対応するトレーサーの注入の5分前に、1 mg/kgで、PBRリガンドPK11195およびRo5-4864で、そしてCBRに関してはフルマゼニルで前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0365】
【化81】
【0366】
PBR102およびPBR111のIC50値は、PBRに関しては13.2および7.5 nM、そしてCBRに関しては>1500 nMである。放射化学的収率(非崩壊補正)40〜55%、ならびに放射化学的純度>95%で、PBR102*およびPBR111*を合成した。特異的活性は、37〜80 GBq/μmolの範囲(非最適化)であった。両トレーサーのin vivo生体分布は、富PBRの組織中の放射能取込みを示した。嗅球でのPBR102*の取込みは、15分での0.56%から4時間p.i.での0.40%までの範囲であったが、一方、PBR111*に関しては、それは、15分および4時間でそれぞれ0.64%から0.41%までの範囲であった。PBR102に関する血中活性は4時間の試験期間に亘って一定(0.20%)のままであったが、一方、PBR111*は15分での0.4%から4時間での0.1%への低減を示した。副腎は、30分p.i.での9% ID/gから4時間での11%に増大するPBR102*の高取込みを示したが、一方、PBR111*は30分での6.5から4時間での16%に増大した。腎臓では、活性は両トレーサーに関して15分p.i.でピークに達し、PBR102*に関する(4.5%ID/g)およびPBR111*に関する(3.2%ID/g)は、4時間で1.3%および2.3%に低減した。PBR102*に関する骨取込みは、15分での0.4%から4時間での1.0%までの範囲であったが、一方、PBR111*に関しては同一期間に関して0.87〜4.3%であった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、PBR102*およびPBR111*取込みの増大を示した。嗅球領域では、PBR111*に関して非有意の低減が観察された。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR102*またはPBR111*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【0367】
実施例23
[18F]標識ピラゾロピリミジンPBR099*およびPBR146*の合成および評価
100℃で5分間、ACN中でK222、K2CO3の存在下での18F-フッ化物を用いた対応するエチルおよびプロピル・トシレート前駆体の求核性置換により、トレーサーPBR099*およびPBR146*を調製した。
【0368】
PBR099*およびPBR146*の生体分布をSDラットで実施して、脳および末梢組織を15、30分、1および4時間p.i.で分析した。対応するトレーサーの注入の5分前に、1 mg/kgで、PBRリガンドPK11195およびRo5-4864で、そしてCBRに関してはフルマゼニルで前処理することにより、トレーサーの特異性および選択性を査定した。
【0369】
【化82】
【0370】
PBR099およびPBR146のIC50値は、PBRに関しては14.9および10.5 nM、そしてCBRに関しては>5000 nMである。放射化学的収率(非崩壊補正)40〜50%、ならびに放射化学的純度>95%で、PBR099*およびPBR146*を合成した。特異的活性は、40〜80 GBq/μmolの範囲(非最適化)であった。両トレーサーのin vivo生体分布は、富PBRの組織中の放射能取込みを示した。嗅球でのPBR099*の取込みは、15分での0.35%から4時間p.i.での0.31%までの範囲であったが、一方、PBR146*に関しては、それは、15分および4時間でそれぞれ0.41%から0.31%までの範囲であった。PBR099*に関する血中活性は4時間の試験期間に亘って一定(0.23%)のままであったが、一方、PBR146*は15分での0.4%から4時間での0.1%への低減を示した。副腎は、30分p.i.での6.6% ID/gから4時間での9.7%に増大するPBR099*の高取込みを示したが、一方、PBR146*は30分での7.9から4時間での12.2%に増大した。腎臓では、活性は両トレーサーに関して15分p.i.でピークに達し、PBR099*に関する(3.9%ID/g)およびPBR146*に関する(5.5%ID/g)は、4時間で2.4%および3.2%に低減した。PBR099*に関する骨取込みは、15分での0.4%から4時間での1.0%までの範囲であったが、一方、PBR146*は同一期間に関して1.0〜5.0%であった。PK11195およびRo5-4864を用いた前処理は、末梢器官における取込みを低減したが、但し、副腎では、PBR099*およびPBR146*取込みの増大を示した。嗅球領域では、PBR146*に関して小さな低減が観察された。フルマゼニルは、脳または末梢器官におけるPBR099*またはPBR146*の取込みに及ぼす作用を有さなかった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、ハロゲン、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC2〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)の内の1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なる);
但し、R3はフルオロ置換基であり;あるいは
基Eはフルオロ置換基を含み;あるいは
基Zはフルオロ置換基を含むが、但しEは4-フルオロフェニルでない)
のフッ化化合物。
【請求項2】
Eがアリール基またはヘテロアリール基(これは18Fでまたは19Fで置換される)である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R3がフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)であり;あるいは
基Eがフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)またはその組合せを含み;あるいは
基Zがフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)またはその組合せを含むが、但しEはPhFでない
請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Qが酸素である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
mが1または2であり、そしてnが1または2である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
pが1または2であり、qおよびrが1であり、そしてQが酸素である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
MおよびLがNであり、DおよびGがCHであり、そしてJがCであるか;あるいは
D、MおよびLがNであり、JがCであり、そしてGがCHであるか;あるいは
D、JおよびLがNであり、MがCであり、そしてGがCHである請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R3が炭素原子に結合される請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R3がクロロまたはメチルまたはフルオロであり、そしてmが1または2である請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
XおよびYが、独立して、NHおよびCH2からなる群から選択されるか;あるいは
Yが(CH2)nであり、そしてXがNHである(ここで、nは1または2である)
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R1およびR2が、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルから成る群から選択され、そしてR1およびR2はそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する(ここで、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基または複素環式環は1〜3個のフルオロ置換基で任意に置換される)請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R3がクロロであり、mが1または2であり、Eがフルオロピリジル、フルオロピリミジニルまたはフルオロピリダジニルであり、ZがNR1R2であり、R1およびR2がC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択され、Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、Eが18フルオロピリジル、18フルオロピリミジニルまたは18フルオロピリダジニルであり、ZがNR1R2であり、R1およびR2がC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択され、Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、Eが19フルオロピリジル、19フルオロピリミジニルまたは19フルオロピリダジニルであり、ZがNR1R2であり、R1およびR2がC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択され、Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、EがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZがNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2はフルオロピリジルまたはフルオロフェニルである)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、EがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZがNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は18フルオロピリジルまたは18フルオロフェニルである)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、EがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZがNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は19フルオロピリジルまたは19フルオロフェニルである)であるか;あるいは
R3がFであり、mが1であり、そしてEがC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであるか;あるいは
R3が18Fであり、mが1であり、そしてEがC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであるか;あるいは
R3がFであり、mが1であり、そしてEがC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基、あるいはアルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニルであるか;あるいは
R3がC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mが1または2であり、Yが存在せず、Xが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つのC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は単一のフルオロ置換基(19Fまたは18F)を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと次式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと次式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される)か;あるいは
R3がクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であるか;あるいは
R3がクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であるか;あるいは
R3がメチルであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがNであり、MがCであり、JがNであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C6アルキルである)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であるか;あるいは
R3がフルオロであり、mが1であり、GがCHであり、DがNであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C4アルキルである)であり、そしてEがC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり;
R3がフルオロであり、mが1であり、GがCHであり、DがNであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、YがNHであり、XがCH2またはCH2CH2であり、Zがフェニルであり、そしてEが1または2つのC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり;
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEがフルオロピリジン、フルオロピリダジンまたはフルオロピリミジンであり;
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEが19フルオロピリジン、19フルオロピリダジンまたは19フルオロピリミジンであり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEが18フルオロピリジン、18フルオロピリダジンまたは18フルオロピリミジンであり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよびフルオロピリジルから選択される)であり、そしてEがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび18フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび19フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基である
請求項1記載の化合物。
【請求項13】
式(Ia):
【化2】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、(CH2)nアリール、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C6アルキルおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、クロロ、ブロモまたはヨード置換基で、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され(ここで、Eがフェニルである場合、Eは4位置でそれに直接結合されるヨード置換基を有さない);
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なる);
但し、Eは4-ヨードフェニルでない)
の化合物。
【請求項14】
Qが酸素である請求項13記載の化合物。
【請求項15】
mが1または2であり、そしてnが1である請求項13または請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
pが1または2であり、qおよびrが1であり、そしてQが酸素である請求項13〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
MおよびLがNであり、DおよびGがCHであり、そしてJがCであるか;あるいは
D、MおよびLがNであり、JがCであり、そしてGがCHであるか;あるいは
D、JおよびLがNであり、MがCであり、そしてGがCHである請求項13〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
R3が炭素原子に結合される請求項13〜17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
R3がクロロまたはメチルであり、そしてmが1または2であるか、あるいは
R3がクロロであり、そしてmが1または2である
請求項13〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
XおよびYが、独立して、NHおよび(CH2)n(ここで、nは1である)からなる群から選択されるか;あるいは
Yが(CH2)nであり、そしてXがNHである(ここで、nは1〜3の数である)
請求項13〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Eがフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、これらの各々が任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはC1〜C10アルコキシ(これらの各々は任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)のうちの1つまたは複数で置換される請求項13〜20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
18Fで放射能標識される請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物を含む製剤組成物であって、上記化合物が18Fで放射能標識される製剤組成物。
【請求項24】
少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に請求項1〜22記載の化合物を含む製剤組成物。
【請求項25】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される哺乳類における障害の診断方法であって、以下の:
(i)哺乳類の身体中の放射能標識の位置の検出可能画像を記録させるのに十分な量で請求項22記載の化合物を哺乳類に投与するステップ;
(ii)画像から障害の存在または非存在を診断するステップ
を包含する方法。
【請求項26】
哺乳類の身体の少なくとも一部における放射能標識の分布の画像を記録することを包含する請求項25記載の方法。
【請求項27】
ステップ(ii)がPETを包含する請求項25または請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする障害の治療方法であって、治療的有効量の請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物(前記化合物は18Fで放射能標識されない)または請求項23記載の製剤組成物を哺乳類に投与することを包含する方法。
【請求項29】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする哺乳類における障害の診断における診断組成物の製造における請求項22記載の化合物の使用。
【請求項30】
前記治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする障害の治療のための薬剤の製造における請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記化合物が18Fで放射能標識されない使用。
【請求項31】
以下の:PBRs099*、102*、103*、104*、105*、106*、107*、110*、111*、130*、120*、132*、133*、136*、139*、143*、146*、147*、149*、080*、081*、082*および083*(本明細書中に明記)またはその任意の組合せからなる群から選択される請求項22記載の化合物。
【請求項32】
以下の:PBRs099、102、103、104、105、106、107、110、111、130、120、132、133、136、139、143、146、147、149、080、081、082、083、115、138、145、155、142、153、154、156、131、134、135、141、125、126、137、98、139、132、133、117、118、121、123、124、128、129、116、119、140、144、101、113および114(本明細書中に明記)またはその任意の組合せからなる群から選択される請求項1または請求項13記載の化合物。
【請求項33】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度に関連した症状、例えば炎症、神経変性障害、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血;腫瘍、例えば神経膠腫、ならびに卵巣、結腸、乳房、前立腺、脳および副腎の癌;神経毒性損傷、例えば卒中または心停止に起因する酸素欠乏症または虚血に関連したもの;認知障害の治療のための、あるいは認知増強のための、またはアポトーシス過程の調整のための請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記化合物が18Fで放射能標識されない使用。
【請求項34】
実質的にスキーム1〜9を参照しながら本明細書中に記載されるような請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:ハロゲン、C1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、ハロゲン、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で、あるいは以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC2〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のフルオロ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)の内の1つまたは複数で置換され;
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なる);
但し、R3はフルオロ置換基であり;あるいは
基Eはフルオロ置換基を含み;あるいは
基Zはフルオロ置換基を含むが、但しEは4-フルオロフェニルでない)
のフッ化化合物。
【請求項2】
Eがアリール基またはヘテロアリール基(これは18Fでまたは19Fで置換される)である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R3がフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)であり;あるいは
基Eがフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)またはその組合せを含み;あるいは
基Zがフルオロ置換基(19Fまたは18Fである)またはその組合せを含むが、但しEはPhFでない
請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Qが酸素である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
mが1または2であり、そしてnが1または2である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
pが1または2であり、qおよびrが1であり、そしてQが酸素である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
MおよびLがNであり、DおよびGがCHであり、そしてJがCであるか;あるいは
D、MおよびLがNであり、JがCであり、そしてGがCHであるか;あるいは
D、JおよびLがNであり、MがCであり、そしてGがCHである請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R3が炭素原子に結合される請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R3がクロロまたはメチルまたはフルオロであり、そしてmが1または2である請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
XおよびYが、独立して、NHおよびCH2からなる群から選択されるか;あるいは
Yが(CH2)nであり、そしてXがNHである(ここで、nは1または2である)
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R1およびR2が、独立して、水素、C1〜C6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルから成る群から選択され、そしてR1およびR2はそれらが結合される窒素と一緒になって、4〜6個の環成員を有する複素環式環を形成する(ここで、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基または複素環式環は1〜3個のフルオロ置換基で任意に置換される)請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R3がクロロであり、mが1または2であり、Eがフルオロピリジル、フルオロピリミジニルまたはフルオロピリダジニルであり、ZがNR1R2であり、R1およびR2がC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択され、Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、Eが18フルオロピリジル、18フルオロピリミジニルまたは18フルオロピリダジニルであり、ZがNR1R2であり、R1およびR2がC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択され、Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、Eが19フルオロピリジル、19フルオロピリミジニルまたは19フルオロピリダジニルであり、ZがNR1R2であり、R1およびR2がC1〜C6アルキルおよびフェニルから成る群から選択され、Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、EがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZがNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2はフルオロピリジルまたはフルオロフェニルである)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、EがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZがNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は18フルオロピリジルまたは18フルオロフェニルである)であるか;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、EがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであり、ZがNR1R2(ここで、R1はC1〜C6アルキルであり、そしてR2は19フルオロピリジルまたは19フルオロフェニルである)であるか;あるいは
R3がFであり、mが1であり、そしてEがC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであるか;あるいは
R3が18Fであり、mが1であり、そしてEがC1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニルであるか;あるいは
R3がFであり、mが1であり、そしてEがC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基、あるいはアルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニルであるか;あるいは
R3がC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mが1または2であり、Yが存在せず、Xが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がC1〜C6アルキルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1つまたは複数のフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つまたは複数のC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は1〜3つのフルオロ置換基を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと1つのC1〜C6アルコキシ基が結合され、上記C1〜C6アルコキシ基は単一のフルオロ置換基(19Fまたは18F)を含む)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと次式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される)か;あるいは
R3がメチルまたはクロロであり、mが1または2であり、そしてEがフェニル基である(これと次式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)のアルコキシ基が結合される)か;あるいは
R3がクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であるか;あるいは
R3がクロロまたはC1〜C6アルキルであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、ピリジル、フェニル、C1〜C4アルキルから選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になってピロリジン環を形成する)であり、そしてEは式:-O(CH2)n18F(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であるか;あるいは
R3がメチルであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがNであり、MがCであり、JがNであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C6アルキルである)であり、そしてEは式:-O(CH2)nF(式中、nは1〜4の数である)の単一置換基で置換されるフェニル基であるか;あるいは
R3がフルオロであり、mが1であり、GがCHであり、DがNであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、C1〜C4アルキルである)であり、そしてEがC1〜C3アルコキシ基またはC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり;
R3がフルオロであり、mが1であり、GがCHであり、DがNであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、YがNHであり、XがCH2またはCH2CH2であり、Zがフェニルであり、そしてEが1または2つのC1〜C6アルキル基で置換されるフェニル基であり;
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEがフルオロピリジン、フルオロピリダジンまたはフルオロピリミジンであり;
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEが19フルオロピリジン、19フルオロピリダジンまたは19フルオロピリミジンであり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、フェニルおよびC1〜C4アルキルから選択される)であり、そしてEが18フルオロピリジン、18フルオロピリダジンまたは18フルオロピリミジンであり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよびフルオロピリジルから選択される)であり、そしてEがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび18フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基であり;あるいは
R3がクロロであり、mが1または2であり、GがCHであり、DがCHであり、MがNであり、JがCであり、LがNであり、Yが存在せず、XがCH2またはCH2CH2であり、ZがNR1R2(ここでR1およびR2は、独立して、水素、C1〜C4アルキルおよび19フルオロピリジルから選択される)であり、そしてEがC1〜C6アルコキシ基で置換されるフェニル基である
請求項1記載の化合物。
【請求項13】
式(Ia):
【化2】
(式中、D、GおよびLは、独立して、CH、CおよびNから成る群から選択され、そしてJおよびMは、独立して、CおよびNから成る群から選択されるが、但し、JおよびMのうちの少なくとも1つはCであって、ここで、D、G、M、JおよびLのうちの少なくとも2つはNであり;
Xは、O、NH、(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Yは、存在しないか、またはO、NHおよび(CH2)nおよびSから成る群から選択され;
Zは、NR1R2およびアリールから成る群から選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、C1〜C10アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、(CH2)nアリール、アリールおよびへテロアリール(各々、任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C6アルキルおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)から成る群から選択されるか;あるいは
R1およびR2は、それらが結合される窒素と一緒になって、3〜7個の環成員を有する複素環式環を形成し(任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびC1〜C6アルキルのうちの1つまたは複数で置換される);
R3は、クロロ、ブロモ、ヨード、C1〜C10アルキルおよびO-(C1〜C10アルキル)から成る群から選択され(ここで、C1〜C10アルキル基は任意に置換される);
Eは、アリール基またはヘテロアリール基であって、この場合、各々は、任意に、クロロ、ブロモまたはヨード置換基で、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、QC1〜C10アルキル、QC1〜C10アルケニル、QC2〜C10アルキニル、Q(CH2)p-Q-(CH2)qCH3またはQ(CH2)p-Q-(CH2)q-Q-(CH2)rCH3(これらは各々任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、そしてここで、p、qおよびrは、独立して、1〜3の整数であり、そしてここで、QはNH、OおよびSから成る群から選択される)のうちの1つまたは複数で置換され(ここで、Eがフェニルである場合、Eは4位置でそれに直接結合されるヨード置換基を有さない);
mは、0〜3の数であり;
nは、1〜4の数であり(ここでXにおけるnはYにおけるnと同一であるかまたは異なる);
但し、Eは4-ヨードフェニルでない)
の化合物。
【請求項14】
Qが酸素である請求項13記載の化合物。
【請求項15】
mが1または2であり、そしてnが1である請求項13または請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
pが1または2であり、qおよびrが1であり、そしてQが酸素である請求項13〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
MおよびLがNであり、DおよびGがCHであり、そしてJがCであるか;あるいは
D、MおよびLがNであり、JがCであり、そしてGがCHであるか;あるいは
D、JおよびLがNであり、MがCであり、そしてGがCHである請求項13〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
R3が炭素原子に結合される請求項13〜17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
R3がクロロまたはメチルであり、そしてmが1または2であるか、あるいは
R3がクロロであり、そしてmが1または2である
請求項13〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
Yが存在せず、そしてXが(CH2)n(ここで、nは1または2である)であるか;あるいは
XおよびYが、独立して、NHおよび(CH2)n(ここで、nは1である)からなる群から選択されるか;あるいは
Yが(CH2)nであり、そしてXがNHである(ここで、nは1〜3の数である)
請求項13〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Eがフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピリダジニル基であって、これらの各々が任意に、1つまたは複数のクロロ、ブロモ、ヨードまたはヒドロキシ置換基で置換され、および/または以下の置換基:C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニルまたはC1〜C10アルコキシ(これらの各々は任意に、以下の置換基:クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシのうちの1つまたは複数で置換される)のうちの1つまたは複数で置換される請求項13〜20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
18Fで放射能標識される請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物を含む製剤組成物であって、上記化合物が18Fで放射能標識される製剤組成物。
【請求項24】
少なくとも1つの製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと一緒に請求項1〜22記載の化合物を含む製剤組成物。
【請求項25】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度により特性化される哺乳類における障害の診断方法であって、以下の:
(i)哺乳類の身体中の放射能標識の位置の検出可能画像を記録させるのに十分な量で請求項22記載の化合物を哺乳類に投与するステップ;
(ii)画像から障害の存在または非存在を診断するステップ
を包含する方法。
【請求項26】
哺乳類の身体の少なくとも一部における放射能標識の分布の画像を記録することを包含する請求項25記載の方法。
【請求項27】
ステップ(ii)がPETを包含する請求項25または請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする障害の治療方法であって、治療的有効量の請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物(前記化合物は18Fで放射能標識されない)または請求項23記載の製剤組成物を哺乳類に投与することを包含する方法。
【請求項29】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする哺乳類における障害の診断における診断組成物の製造における請求項22記載の化合物の使用。
【請求項30】
前記治療を必要とする哺乳類における末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度を特徴とする障害の治療のための薬剤の製造における請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記化合物が18Fで放射能標識されない使用。
【請求項31】
以下の:PBRs099*、102*、103*、104*、105*、106*、107*、110*、111*、130*、120*、132*、133*、136*、139*、143*、146*、147*、149*、080*、081*、082*および083*(本明細書中に明記)またはその任意の組合せからなる群から選択される請求項22記載の化合物。
【請求項32】
以下の:PBRs099、102、103、104、105、106、107、110、111、130、120、132、133、136、139、143、146、147、149、080、081、082、083、115、138、145、155、142、153、154、156、131、134、135、141、125、126、137、98、139、132、133、117、118、121、123、124、128、129、116、119、140、144、101、113および114(本明細書中に明記)またはその任意の組合せからなる群から選択される請求項1または請求項13記載の化合物。
【請求項33】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の異常密度に関連した症状、例えば炎症、神経変性障害、例えばハンチントン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、不安、ストレス、情緒障害、認知障害、卒中および脳虚血;腫瘍、例えば神経膠腫、ならびに卵巣、結腸、乳房、前立腺、脳および副腎の癌;神経毒性損傷、例えば卒中または心停止に起因する酸素欠乏症または虚血に関連したもの;認知障害の治療のための、あるいは認知増強のための、またはアポトーシス過程の調整のための請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記化合物が18Fで放射能標識されない使用。
【請求項34】
実質的にスキーム1〜9を参照しながら本明細書中に記載されるような請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−501491(P2010−501491A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524847(P2009−524847)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001216
【国際公開番号】WO2008/022396
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508064780)オーストラリアン ヌークリア サイエンス アンド テクノロジー オーガニゼイション (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001216
【国際公開番号】WO2008/022396
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508064780)オーストラリアン ヌークリア サイエンス アンド テクノロジー オーガニゼイション (2)
【Fターム(参考)】
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