説明

本体部材、装着部材および電気機器

【課題】接点部材へ異物が付着して導通不良となることを防止する。
【解決手段】所定の電気信号を供給するCPU、およびCPUと導通して外部に面して設けられた接点部材22−4を備えたプリンタ本体10と、プリンタ本体10に対して着脱可能に設けられ、電気信号を受けて電気的動作を実行する記憶手段23−10、および記憶手段23−10と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられてプリンタ本体10に装着されると突出した接点部材22−4と接触して電気信号を記憶手段23−10に送る電極23−8を備えたインク収容容器23と、プリンタ本体10に設けられ、インク収容容器23がプリンタ本体10に着脱される過程で接点部材22−4と接触して当該接点部材22−4に付着した異物を除去する穴部23−9cとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部材、装着部材および電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の電気的動作を実行する電気機器では、本体部材には電気的エネルギーを供給する給電手段(電源や電気回路)を設け、本体部材に対して着脱可能に取り付けられる装着部材には電気的エネルギー(電力や電気信号)に基づいて動作を実行する動作手段を設けたものがある。この形態の電気機器では、本体部材には供給手段と導通した接点部である第1の接点部を、装着部材には動作手段と導通した接点部である第2の接点部をそれぞれ設け、装着部材が本体部材に装着されたときに第1の接点部と第2の接点部とが接触して電気的エネルギーが給電手段から動作手段に送られるようになっている。
【0003】
そして、第1の接点部と第2の接点部とを接触させることで本体部材と装着部材との導通をとる構造の場合、電気機器の内部で発生した異物や外部から進入した異物が付着して接点部が汚染されると、導通不良が発生して電気機器が所期の電気的動作を実行できなくなる。
【0004】
なお、2つの接点部が接触することで電気的導通がされる接点構造が記載された文献としては、特開平9−319239号公報、特開2004−102120号公報、特許第3869868号公報などがある。
【0005】
特開平9−319239号公報には、高圧電源基盤に接点とそれに連結された接点ばねを設けておき、この高圧電源基盤を装置本体内の所定位置にセットした時に、前記接点ばねが転写ローラに導通した導電部材に接触して導通するようにした構成が記載されている。
【0006】
特開2004−102120号公報には、導電性の軸受けに支持されて感光体ドラムの表面を帯電する帯電器と、軸受けに圧接されてこの軸受けを介して帯電器を感光体ドラムに圧接するとともに接続側端が給電手段からの電力を搬送する本体側導通部材と電気的に接続されたコイルばねを有し、本体側導電部材の先端が接続溝に嵌め込まれてコイルばねの接続端側と当接した構成が記載されている。
【0007】
特許第3869868号公報には、帯電接点部材をクリーニング枠体の傾斜面に接触させて帯電接点部材を押圧し、その後これを帯電接点と接触させる構成が記載されている。
【特許文献1】特開平9−319239号公報
【特許文献2】特開2004−102120号公報
【特許文献3】特許第3869868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、接点部へ異物が付着して導通不良となることを防止できる本体部材、装着部材および電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の装着部材は、本体部材に対して着脱可能に設けられた装着部材であって、前記本体部材から電気的エネルギーを受けて電気的動作を実行する動作手段と、前記動作手段と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられ、前記本体部材に装着されると当該本体部材に突出して設けられた第1の接点部と接触して前記本体部材からの前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第2の接点部と、前記本体部材に着脱される過程で前記第1の接点部と接触して当該第1の接点部に付着した異物を除去する除去手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の本発明の電気機器は、所定の電気的エネルギーを供給する給電手段、および前記給電手段と導通して外部に面して設けられた第1の接点部を備えた本体部材と、請求項1に記載の装着部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明の本体部材は、装着部材が着脱可能に取り付けられる本体部材であって、前記装着部材に設けられた動作手段の電気的動作実行に必要な所定の電気的エネルギーを供給する給電手段と、前記給電手段と導通して外部に面して設けられ、前記装着部材が装着されると当該装着部材に突出して設けられた第2の接点部と接触して前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第1の接点部と、前記装着部材が着脱される過程で前記第2の接点部と接触して当該第2の接点部に付着した異物を除去する除去手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の本発明の電気機器は、請求項3に記載の本体部材と、前記本体部材に対して着脱可能に設けられ、前記電気的エネルギーを受けて電気的動作を実行する動作手段、および前記動作手段と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられて前記本体部材に装着されると前記第1の接点部と接触して前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第2の接点部を備えた装着部材と、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の本発明の電気機器は、所定の電気的エネルギーを供給する給電手段、および前記給電手段と導通して外部に面して設けられた第1の接点部を備えた本体部材と、前記本体部材に対して着脱可能に設けられ、前記電気的エネルギーを受けて電気的動作を実行する動作手段、および前記動作手段と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられて前記本体部材に装着されると前記第1の接点部と接触して前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第2の接点部を備えた装着部材と、前記本体部材および前記装着部材の少なくとも何れかの部材に設けられ、前記装着部材が前記本体部材に着脱される過程で相手側の前記部材に設けられた前記接点部と接触して当該接点部に付着した異物を除去する除去手段とを備え、前記除去手段と接触する前記接点部は突出している、ことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、上記請求項2、4または5に記載の発明において、前記除去手段は、前記接点部と接触する穴部であることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、上記請求項2、4、5または6に記載の発明において、前記穴部は陥没した位置に形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の発明において、前記穴部は、前記接点部を前記装着部材の着脱方向に対して斜めに案内する傾斜面に形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、上記請求項8に記載の発明において、前記穴部は板金に形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、上記請求項7から9の何れかに記載の発明において、前記穴部は貫通した形状であることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、上記請求項2、4、5、または6から10の何れかに記載の発明において、前記接点部から除去された異物を回収する回収部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、上記請求項2、4、5、または6から11の何れかに記載の発明において、前記本体部材は、所定の印刷データに基づいて印刷媒体に画像形成を行う画像形成装置本体であり、前記装着部材は、画像形成に用いられる色材を収容可能な色材収容部を備えた色材収容体である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、装着部材の着脱に伴って、接点部(第1の接点部)に付着した異物が除去手段によって除去されるので、本構成を有しない場合と比して、接点部に異物が付着して導通不良となることが防止できる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、装着部材の着脱に伴って、接点部(第1の接点部)に付着した異物が除去手段によって除去されるので、接点部に異物が付着して導通不良となることが防止できる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、装着部材の着脱に伴って、接点部(第2の接点部)に付着した異物が除去手段によって除去されるので、本構成を有しない場合と比して、接点部に異物が付着して導通不良となることが防止できる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、装着部材の着脱に伴って、接点部(第2の接点部)に付着した異物が除去手段によって除去されるので、接点部に異物が付着して導通不良となることが防止できる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、装着部材の着脱に伴って、接点部(第1の接点部および/または第2の接点部)に付着した異物が除去手段によって除去されるので、本構成を有しない場合と比して、接点部に異物が付着して導通不良となることが防止できる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、穴部の周縁で接点部に付着した異物が除去されるので、接点部に付着した異物を効率的に除去することができる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、接点部から除去された異物が陥没した部分に捉えられるので、飛散しにくい。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、傾斜面で接点部が案内されながら穴部によって異物が剥ぎ取られるので、接点部が穴部に引っかかって着脱の抵抗となるような現象が発生しにくい。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、穴部の周縁が鋭利なエッジになるので、接点部に付着した異物をより一層効率的に除去することができる。また、板金のために、穴部の加工が容易になる。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、接点部から除去された異物が穴部に溜まって詰まることがない。
【0031】
請求項11記載の発明によれば、除去された異物が徐々に内部に蓄積されてしまうことがない。
【0032】
請求項12記載の発明によれば、接点部(第1の接点部および/または第2の接点部)に付着した異物が除去手段によって除去されるので、接点部に異物が付着して導通不良となることが防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0034】
(第1の実施の形態)
【0035】
第1の実施の形態は、本発明をカラー画像の形成可能なインクジェットプリンタに適用したものである。
【0036】
図1において、本実施の形態である電気機器としてのインクジェットプリンタ1のプリンタ本体(画像形成装置本体・本体部材)10には、前部11に給紙トレイ12および排紙トレイ13が設けられている。給紙トレイ12から後方に向けて送られた用紙(印刷媒体)Pは、略Uターンしたのち、プリントヘッド14によって画像が記録される。そして、画像記録済みの用紙Pは、排紙トレイ13上に排出される。
【0037】
プリントヘッド14には、図2に示すように、色材であるインクを噴射しつつ前後一対のガイド21に沿って往復動する記録ヘッド22と、記録ヘッド22の往復動方向Wに直交する方向Uに用紙Pを搬送する搬送機構26と、目詰まりの原因となったインクを除去して記録ヘッド22の機能を回復させるメンテナンス部28とが設けられている。
【0038】
記録ヘッド22は、その下方まで搬送された用紙Pに対して、画像情報に対応したインク滴を吐出しながら(詳細は後述)、図示しないモータの回転力でガイド21に沿って往復動作(主走査)する。さらに、1回の主走査が終了する毎に、搬送機構26が用紙Pを所定量だけ搬送(副走査)する。以上の動作が繰り返されることにより、用紙Pに画像が記録され、上述のように、画像が記録された用紙Pが排紙トレイ13に排出される。
【0039】
記録ヘッド22には、色材収容体である4つのインク収容容器(装着部材)23が着脱可能に取り付けられている。つまり、インク収容容器23は、図面左側から右側に向かって、黒色の顔料系インク(以下、黒インクという)を収容した黒インク収容容器23a、イエローの染料系インク(以下、イエローインクという)を収容したイエローインク収容容器23b、マゼンタの染料系インク(以下、マゼンタインクという)を収容したマゼンタインク収容容器23c、シアンの染料系インク(以下、シアンインクという)を収容したシアンインク収容容器23dである。
【0040】
そして、これら4つのインク収容容器23が本体部材であるプリンタ本体10に装着されることによって、所定の画像の印刷が可能な電気機器であるインクジェットプリンタ1が構成される。
【0041】
図3に示すように、これらのインク収容容器23の内部には、黒インク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクの各インクが収容されるインク収容部(色材収容部)23−1が形成され、当該インク収容部23−1に収容されたインクを記録ヘッド22へと供給するインク供給口23−2が下方を向けて形成されている。なお、インク供給口23−2には、内部に細かな孔が無数に形成された多孔質の物質、つまりスポンジが嵌め込まれており、インクが孔内の空気と置換される形でスポンジ内に浸入し、徐々に下方へと導かれる。
【0042】
インク収容容器23が鉛直方向に取り付けられる記録ヘッド22には、インク供給口23−2と係合してインク収容部23−1内のインクを記録ヘッド22内に取り込む導入路22−1が形成されている。また、画像データに対応したインクを用紙Pに向けて吐出するノズル部22−2が下方を向けて設けられている。
【0043】
ノズル部22−2は、インクが吐出される複数のノズル22−2a(図4)が列状に形成されている。図4(a)に示すように、ノズル22−2aの後方には導入路22−1から案内されたインクが貯留されるインク室22−2bが形成されている。インク室22−2bの壁面に面してヒータ22−2cが取り付けられている。したがって、ヒータ22−2cが通電されると、図4(b)に示すように、当該ヒータ22−2cが瞬時に加熱されてインク室22−2b内のインクに気泡22−2dが発生する。これにより、インク室22−2b内のインク収容容積が気泡22−2dの分だけ減少されてインクがノズル22−2aから所定量だけ吐出され、用紙Pに着弾することにより画像形成がなされる。
【0044】
なお、インク加熱のためのヒータ22−2cには、抵抗加熱方式や誘導加熱方式などを用いることができる。また、インク吐出には、ヒータ22−2cによる加熱方式ではなく、圧電素子の変形を利用したピエゾ方式やスクロールパネルを用いた静電方式などを採用してもよい。
【0045】
さて、図5に示すように、インク収容容器23は、扁平角形の容器本体23−3と、容器本体23−3の底面に設けられたインク供給口23−2を備えている。相対的に面積の狭い相対向する2つの壁面には、その一方の壁面23−4に、弾性変形可能な係止部材であるレバー23−5が形成されている。このレバー23−5は、その下端が壁面23−4と一体となり、上方に向かって当該壁面23−4から離間するように延びている。
【0046】
レバー23−5には、下部の支点23−5aよりも上部に、記録ヘッド22に設けられた係合部22−5と係合する爪部23−5bが外側に突出して形成されている。
【0047】
他方の壁面23−5の下端部には、記録ヘッド22に装着されたときに押圧片22−3により押圧される回路基板23−6が嵌め込まれた凸部23−7が形成されている。
【0048】
図6(a)に示すように、壁面23−5と平行に設けられた回路基板23−6の表面には、インク収容容器23が記録ヘッド22に装着されると、当該記録ヘッド22に設けられた弾性を有する接点部材(第1の接点部)22−4と接触する電極(第2の接点部)23−8が、水平方向に複数(ここでは4つ)並んで、且つインク収容容器23の着脱方向(図3の符号Dにて示す方向)と直交する方向に面して設けられている。また、電極23−8の真下には、各電極に対応するようにして、接点部材22−4に付着した異物を除去するための穴部(除去手段)23−9cの形成されたクリーナ23−9が、電極23−8と僅かの隙間を空けて設けられている。
【0049】
また、図6(b)に示すように、回路基板23−6の裏面には、インク収容容器23に収容されているインクの情報が格納されたEEPROM等の記憶手段(動作手段)23−10が実装されており、電極23−8と電気的に接続されている。
【0050】
図7に示すように、接点部材22−4は、記録ヘッド22における4つのインク収容容器23の装着領域間を区画する区画壁22−6に挟まれるようにして、それぞれのインク収容容器23に対応して設けられている。この接点部材22−4は、記録ヘッド22を備えたプリンタ本体10に設けられて装置全体の動作を制御する図示しないCPU(給電手段)と電気的に接続されて上下方向に長い導電性金属の板材からなる。
【0051】
接点部材22−4は、その下端が図示しないネジにより記録ヘッド22の内部で固定され、中央よりも上方寄りには山型に屈曲された接点突起22−4aが形成されており、記録ヘッド22に形成された窓部22−7から外部に突出している。接点部材22−4の背面には記録ヘッド22の内部空間が確保されており、これによって、接点部材22−4は、下端を支点、上端を自由端として、自らが有する弾性によって接点突起22−4aが出没する方向に変位する。
【0052】
電極23−8の真下に位置するクリーナ23−9は、図6(a)に示すように、インク収容容器23の記録ヘッド22に対する装着方向に沿ってやや長くなっている。インク収容容器23は記録ヘッド22に対して鉛直方向に取り付けられることから、当該インク収容容器23が記録ヘッド22に挿入されている過程においては、記録ヘッド22に設けられた接点部材22−4はインク収容容器23のクリーナ23−9に接触する。そして、インク収容容器23が完全に装着されると、電極23−3に接触した状態となる。
【0053】
ここで、図6(a)において拡大して詳しく示すように、クリーナ23−9は例えば板金で形成されており、回路基板23−6に嵌め込まれている。このクリーナ23−9は回路基板23−6の表面に対して陥没した形状となっており、着脱方向の両端には、クリーナ23−9の底面23−9aと回路基板23−6の表面とを段差なくつなげるための傾斜面23−9bが形成されている。そして、上部の傾斜面23−9bには、接点部材22−4と接触する穴部23−9cが貫通形成されている。したがって、穴部23−9cもまた、傾斜面23−9bという陥没した位置に形成されている。なお、穴部23−9cはそこを有する形状であっても、つまり貫通していなくてもよい。
【0054】
インク収容容器23が記録ヘッド22に装着される際には、記録ヘッド22の接点部材22−4はその接点突起22−4aが回路基板23−6の表面に当接して没入方向へと変位した後、クリーナ23−9の下部の傾斜面23−9bに案内されて徐々に突出しながら底面23−9aに接触し、上部の傾斜面23−9bに形成された穴部23−9cと接触しながら当該傾斜面23−9bに案内されて再び没入方向へと変位する。その後、前述のように、電極23−3と接触した状態となる。
【0055】
次に、以上の構成を有するインクジェットプリンタ1において、インク収容容器23がプリンタ本体10の記録ヘッド22に装着される状態を、図3、図8、図9および図10を用いて説明する。
【0056】
図8に示すように、インク収容容器23を記録ヘッド22の所定の領域に位置合わせすると、凸部23−7が押圧片22−3に衝突する。この状態でさらにインク収容容器23を下方に垂直に押し込むと、図9に示すように、押圧片22−3が凸部23−7に押されるように変形し、インク収容容器23が当該押圧片22−3を通過してさらに降下する。
【0057】
この過程でインク収容容器23は記録ヘッド22の下部に設けられた案内リブ22−6の傾斜面に案内され、インク供給口23−2が導入路22−1に向けてスムーズに位置決めされる。
【0058】
このようにして規定の位置までインク収容容器23が押し込まれると、図3に示すように、レバー23−5の弾性力により爪部23−5bが係合部22−5に落ち込み、インク収容容器23が記録ヘッド22に確実に装着される。このとき、押圧片22−3が凸部23−7による支持力を失って元の状態に復帰するから、押圧片22−3の下端が凸部23−7の上面に当接する。
【0059】
以上の装着プロセスにおいて、記録ヘッド22の接点部材22−4の動きを図10を用いて説明する。なお、同図において、インク収容容器23を記録ヘッド22に装着することから、実際にはインク収容容器23側が下降するのであるが、接点部材22−4の動きをより分かりやすく示すために、接点部材22−4側が上昇するような示し方となっている。
【0060】
図10において、弾性を有する接点部材22−4は、インク収容容器23の下端角部が当接すると、接点突起22−4aが押圧されて没入方向へと移動して位置S1となる。
【0061】
さらにインク収容容器23が挿入されていくと、復帰力によってクリーナ23−9の下部の傾斜面23−9bに案内されながら徐々に外方へと突出していき(位置S2)、底面23−9aに接触した位置S3まで到達する。そして、所定長にわたって底面23−9aと摺動したならば、今度は上部の傾斜面23−9bへと到達する。
【0062】
上部の傾斜面23−9bでは、接点突起22−4aが当該傾斜面23−9bに形成された穴部23−9cと接触しながら相対移動し、傾斜面23−9bに案内されて再び没入方向へと変位していく(位置S4)。このとき、接点部材22−4の電極23−8との接触部位(ここでは接点突起22−4a)に異物が付着していたならば、当該異物は、接点突起22−4aが穴部23−9cと接触しながら相対移動する過程で穴部23−9cの周縁により剥ぎ取られるようにして除去される。
【0063】
したがって、ユーザが必要に応じて接点部材22−4の汚れを目視確認し、汚れていたならば拭き取る等のクリーニング作業をすることなく、つまりユーザが接点部材22−4の汚れを意識することなく、接点部材22−4に付着した異物はインク収容容器23の装着過程を経由することにより効率的且つ確実に除去される。
【0064】
なお、インク収容容器23を記録ヘッド22から離脱するときにも、接点突起22−4aは装着時とは逆のプロセスを経て穴部23−9cと接触するので、同様に、付着した異物は穴部23−9cの周縁により剥ぎ取られるようにして除去される。
【0065】
さて、接点突起22−4aは、上部の傾斜面23−9bを乗り越えたならば、クリーナ23−9を抜けた位置S5となり、最終的に規定の位置に装着されると電極23−8と接触した位置S6になる。
【0066】
このとき、前述のように接点突起22−4aに付着した異物は穴部23−9cにより除去されているので、接点部材22−4と電極23−8とは確実に導通されることになる。
【0067】
そして、接点部材22−4はCPUと電気的に接続され、電極23−8は記憶手段23−10と電気的に接続されているので、接点部材22−4と電極23−8とが接触した位置S6では、接点部材22−4と電極23−8とを介してCPUと記憶手段23−10とが電気的に接続される。これにより、CPUから記憶手段23−10に対して信号(電気的エネルギー)が出力(供給)されると、記憶手段23−10はインク収容容器23に収容されているインクの情報(例えばインクの色など)をCPUに対して返すという電気的動作を実行する。
【0068】
このように、本願の構成によれば、インク収容容器23の着脱に伴って、接点部材22−4に付着した異物が除去手段である穴部23−9cによって除去されるので、接点部材22−4に付着した異物が原因となって導通不良となることが防止される。
【0069】
また、穴部23−9cは傾斜面23−9bという陥没した位置に形成されているので、接点部材22−4から除去された異物は陥没した部分に捉えられることから、周辺へとは飛散しにくい。
【0070】
さらに、この穴部23−9cは、接点部材22−4をインク収容容器23の着脱方向に対して斜めに案内する傾斜面23−9bに形成されていることから、傾斜面23−9bで接点部材22−4(の接点突起22−4a)が案内されながら穴部23−9cによって異物が剥ぎ取られる。よって、接点部材22−4が穴部23−9cに引っかかり、インク収容容器23を着脱する際の抵抗となってスムーズな動作が阻害されるといった現象が発生しにくくなる。
【0071】
さらに、前述のように、穴部23−9cは板金からなるクリーナ23−9に形成されていることから、穴部23−9cの加工が容易になるのみならず、穴部23−9cの周縁が鋭利なエッジになるので、接点部材22−4に付着した異物をより一層効率的に除去することができる。
【0072】
そして、穴部23−9cは貫通した形状となっているので、接点部材22−4から除去された異物は穴部23−9cを通り抜けて接点部材22−4とは反対側から落下する。よって、異物が穴部23−9cに溜まったままとなって詰まり、異物除去能力が低下するようなことがない。
【0073】
(第2の実施の形態)
【0074】
第2の実施の形態は、本発明をトナーを用いてカラー画像の形成が可能なレーザプリンタ(カラーレーザプリンタ)に適用したものである。
【0075】
図11において、本実施の形態である電気機器としてのレーザプリンタ100は、プリンタ本体(画像形成装置本体・本体部材)110、およびプリンタ本体110に取り付けられた開閉部120を有している。
【0076】
図12および図13において、プリンタ本体110の内部には、取り外し可能に装着されて略垂直に縦列配置された4個のプロセスカートリッジ(色材収容体・装着部材)103、104、105、106と、これらのプロセスカートリッジ103、104、105、106に沿って配置された転写ベルト107とが設けられており、転写ベルト107を開放して形成された空間からプロセスカートリッジ103、104、105、106を略水平方向に着脱できる構成になっている。プロセスカートリッジ103、104、105、106には、後述する走査光学系108の画像露光により静電潜像が形成される感光体ドラム111、112、113、114と、形成された静電潜像に現像剤を供給してこれを可視化する現像ローラ131、132、133、134と、がそれぞれ設けられている。
【0077】
また、レーザプリンタ100には、感光体ドラム111、112、113、114にそれぞれ画像露光を施す走査光学系108が備えられており、感光体ドラム111、112、113、114上に形成された静電潜像が、プロセスカートリッジ103、104、105、106内に収容された、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、の各色の現像剤(色材)でそれぞれ現像されるようになっている。
【0078】
露光装置としての走査光学系108は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色に対応した画像データに基づいて点灯駆動される4つの半導体レーザや、これら4つの半導体レーザから出射される4本のレーザ光を偏向走査するためのfθレンズやポリゴンミラー、或いは複数枚の反射ミラーなどから構成されている。
【0079】
さらに、レーザプリンタ100は、用紙(印刷媒体)Pを供給する給紙カセット116が下方に備えられている。プリンタ本体110には、この給紙カセット116を引き出し可能なように収容するカセット収容部が形成されている。
【0080】
レーザプリンタ100には、給紙カセット116よりも上側でかつ給紙カセット116の引き出し側の装置側壁部を構成するカバー状の開閉部120が備えられている。この開閉部120は、カセット収容部の下部に設けられた回動支点Jを中心に装置側面を開閉可能なように設けられており、開閉部120を開いて感光体ドラム111、112、113、114を露出した状態にして紙詰まり等に対するメンテナンスを行うことができる構成にされている。
【0081】
このような開閉部120には、開閉可能な手差しトレイ122が備えられており、プリンタ本体110の外部から所望の用紙Pを手差しトレイ122から給紙できるようになっている。
【0082】
また、プリンタ本体110の上部には、画像が形成された用紙Pを排出する排出トレイ110aが形成されている。
【0083】
さらに、レーザプリンタ100には、像転写された用紙Pに対して定着処理を施す定着装置115、この定着装置115によって片面に画像が定着された用紙Pの表裏を反転させて再度転写部へと搬送する両面印刷用搬送経路109、レーザプリンタ100の動作を制御する制御回路、画像信号に対して画像処理を施す画像処理回路等からなるコントローラ、高圧電源回路等からなる電源回路(給電手段)などが備えられている。
【0084】
次に、プリンタ本体110に取り外し可能に装着されたプロセスカートリッジについて、図12〜図14を用いて説明する。なお、4つのプロセスカートリッジ103、104、105、106はいずれも同様の構成となっているので、ここでは最上部に位置するプロセスカートリッジ103について詳細に説明し、他のプロセスカートリッジ104、105、106については説明を省略する。
【0085】
ここで、図14は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成ユニットであるプロセスカートリッジの斜視図である。
【0086】
図14に示すように、プロセスカートリッジ103は、プロセスカートリッジ本体130を有している。このプロセスカートリッジ本体130には、水平方向における一端部から他端部近傍まで至る走査光路が設けられており、走査光学系108からの走査光がこの走査光路を通過して感光体ドラム111へと到達するようになっている。
【0087】
図12〜図14において、プロセスカートリッジ本体130は、上部に位置するカートリッジ上部本体130aと下部に位置するカートリッジ下部本体130bとを有している。カートリッジ上部本体130aには感光体ドラム111や、感光体ドラム111の外周面を所定の電位に帯電させる帯電装置(動作手段)111aなどが配置され、カートリッジ下部本体130bには感光体ドラム111に可視剤を供給してトナー像を形成する現像ローラ131が配置されている。
【0088】
また、プロセスカートリッジ103の内部には、カートリッジ上部本体130aの内部空間とカートリッジ下部本体130bの内部空間とを連通するようにして現像剤が収容される現像剤収容部(色材収容部)130−1が形成されている。
【0089】
カートリッジ下部本体130b内には、現像ローラ(動作手段)131が感光体ドラム111に対して近接配設されている。この現像ローラ131はカートリッジ下部本体130bの周壁に回転自在に支持されており、プリンタ本体110に設けられた給電手段である電源回路(現像電圧電源回路)と電気的に接続されて、現像剤とは逆極性の現像電圧が印加されている。
【0090】
したがって、現像剤中に含まれるキャリア(一成分方式の場合には、現像剤であるトナーそのもの)は磁力で現像ローラ131に吸着され、当該現像ローラ131の回転により感光体ドラム111と対向する現像領域へと搬送される。このとき、プリンタ本体110に設けられた給電手段である電源回路(帯電電圧電源回路)と電気的に接続された帯電装置111aにより表面が現像ローラ131とは逆極性に帯電された感光体ドラム111では、潜像が形成された部分の表面電位が他の部分の表面電位に比べて低下しているので、潜像の形成された部分にトナーが付着する。このトナーの付着により、感光体ドラム111上に形成された潜像がトナー像として可視化される。
【0091】
ここで、図14および図15に示すように、プロセスカートリッジ103の側面には、プロセスカートリッジ103がプリンタ本体110に装着されると、当該プリンタ本体110に設けられた弾性を有する接点部材(第1の接点部)200(図16)と接触する電極(第2の接点部)201が、上下方向に複数(ここでは2つ)並んで、且つプロセスカートリッジ103の着脱方向(図14の符号Dにて示す方向)と直交する方向に面して設けられている。また、電極201の図面向かって左側には、各電極201に対応するようにして、接点部材200に付着した異物を除去するための穴部(除去手段)202cの形成されたクリーナ202が、電極201と僅かの隙間を空けて設けられている。
【0092】
また、プロセスカートリッジ103の上部に位置する電極201は帯電装置111aと電気的に接続され、プリンタ本体110の上部に位置する接点部材200は電源回路(帯電電圧電源回路)と電気的に接続されている。一方、プロセスカートリッジ103の下部に位置する電極201は現像ローラ131と電気的に接続され、プリンタ本体110の下部に位置する接点部材200は電源回路(現像電圧電源回路)と電気的に接続されている。
【0093】
したがって、上部の電極201と上部の接点部材200とが接触すると電源回路(帯電電圧電源回路)と帯電装置111aとが電気的に接続され、電極201を介して帯電電圧(電気的エネルギー)が帯電装置111aに送られ、帯電装置111aは当該帯電電圧で感光体ドラム111の表面全体を所定の電位に帯電するという電気的動作を実行する。また、下部の電極201と下部の接点部材200とが接触すると電源回路(現像電圧電源回路)と現像ローラ131とが電気的に接続され、電極201を介して現像電圧(電気的エネルギー)が現像ローラ131に送られ、当該現像ローラ131が所定の現像電圧に帯電するという電気的動作を実行する。
【0094】
図16および図17に示すように、プリンタ本体110に設けられて電源回路(現像電圧電源回路・帯電電圧電源回路)と接続された接点部材200は、圧縮バネ210によって筒状のホルダカバー220から突出して取り付けられている。すなわち、図17に詳しく示すように、接点部材200は、胴部200bと、この胴部200bよりも径が小さく先端が半球状になった接点突起200aとからなる。そして、接点部材200は、ホルダカバー220の先端に内側に向けて形成されて内径が胴部200bの外径よりも小さく且つ接点突起200aの外径よりも大きく形成されたリブ220aにより、圧縮バネ210のバネ力により接点突起200aが突出するとともに、胴部200bの脱落が阻止されるようにして、ホルダカバー220に取り付けられている。
【0095】
このホルダカバー220は、プロセスカートリッジ103が規定位置に装着されたときに当該プロセスカートリッジ103に設けられた電極201と接触するプリンタ本体110の位置に固定されている。
【0096】
電極201の真横に位置するクリーナ202は、図15に示すように、プロセスカートリッジ103のプリンタ本体110に対する装着方向に沿ってやや長くなっている。そして、プロセスカートリッジ103がプリンタ本体110に挿入されている過程においては、プリンタ本体110に設けられた接点部材200はプロセスカートリッジ103のクリーナ202に接触する。そして、プロセスカートリッジ103が完全に装着されると、電極23−3に接触した状態となる。
【0097】
クリーナ202は例えば板金で形成されている。図15に示すように、このクリーナ202はプロセスカートリッジ103の側面に対して陥没した形状となっており、クリーナ202の底面202aとプロセスカートリッジ103の側面とを段差なくつなげるための傾斜面202bが形成されている。そして、電極201側の傾斜面202bには、接点部材200と接触する穴部202cが貫通形成されている。したがって、穴部202cもまた、傾斜面202bという陥没した位置に形成されている。
【0098】
さらに、クリーナ202の陥没部分の下部には、傾斜面202bと非陥没部分とに跨るようにして、後述のようにして除去された異物が流入してこれが裏側に落下される落下孔202dが貫通形成されている。
【0099】
プロセスカートリッジ103がプリンタ本体110に装着される際には、プリンタ本体110の接点部材200はその接点突起200aがプロセスカートリッジ103の側面に当接して没入方向へと変位した後、クリーナ202の傾斜面202bに案内されて徐々に突出しながら底面202aに接触し、反対側の傾斜面202bに形成された穴部202cと接触しながら当該傾斜面202bに案内されて再び没入方向へと変位する。その後、前述のように、電極201と接触した状態となる。
【0100】
次に、以上の構成を有するインクジェットプリンタ1において、プロセスカートリッジ103がプリンタ本体110に装着される状態での、プロセスカートリッジ103に設けられた電極201およびクリーナ202とプリンタ本体110に設けられた接点部材200との関係について、図17を用いて説明する。なお、同図において、プロセスカートリッジ103をプリンタ本体110に装着することから、実際にはプロセスカートリッジ103側が移動するのであるが、接点部材200の動きをより分かりやすく示すために、接点部材200側が移動するような示し方となっている。
【0101】
図17に示すように、プロセスカートリッジ103をプリンタ本体110に設けられた一対のガイドレール(図示せず)に位置合わせし、当該ガイドレールに案内されるようにして内部に押し込んでいくと、接点部材200はバネ力に抗して没入方向へと移動し、プロセスカートリッジ103の側面と摺動接触する位置S11となる。
【0102】
さらにプロセスカートリッジ103が挿入されていくと、接点部材200はバネ力によってクリーナ202の傾斜面202bに案内されながら徐々に外方へと突出していき(位置S12)、底面202aに接触した位置S13まで到達する。そして、所定長にわたって底面202aと摺動したならば、今度は反対側(電極201側)の傾斜面202bへと到達する。
【0103】
この傾斜面202bでは、接点突起200aが当該傾斜面202bに形成された穴部202cと接触しながら相対移動し、傾斜面202bに案内されて再び没入方向へと変位していく(位置S14)。このとき、接点部材200の電極201との接触部位である接点突起200aに異物が付着していたならば、当該異物は、接点突起200aが穴部202cと接触しながら相対移動する過程で穴部202cの周縁により剥ぎ取られるようにして除去される。
【0104】
したがって、ユーザが接点部材200の汚れを意識しなくても、この接点部材200に付着した異物はプロセスカートリッジ103の装着過程を経由することにより効率的且つ確実に除去される。
【0105】
そして、除去された異物は、穴部202cに加えて、自重により陥没面に沿って下降して落下孔202dに取り込まれ、クリーナ202の裏側に落下する。
【0106】
なお、第1の実施の形態の場合と同様に、プロセスカートリッジ103を記録ヘッド22から離脱するときにも、接点突起200aは装着時とは逆のプロセスを経て穴部202cと接触するので、同様に、付着した異物は穴部202cの周縁により剥ぎ取られるようにして除去される。
【0107】
さて、接点突起200aは、傾斜面202bを通った後にクリーナ202を抜けた位置S15となり、最終的に規定の位置に装着されると電極201と接触した位置S16になる。そして、前述のように接点突起200aに付着した異物は穴部202cにより除去されているので、接点部材200と電極201とは確実に導通されることになる。
【0108】
そして、プリンタ本体110の上部に位置する接点部材200は電源回路(帯電電圧電源回路)と電気的に接続され、この接点部材200と接触する上部の電極201は帯電装置111aと電気的に接続されているので、上部の接点部材200と上部の電極201とが接触した位置S16では、接点部材200と電極201とを介して電源回路(帯電電圧電源回路)と帯電装置111aとが電気的に接続される。これにより、電源回路(帯電電圧電源回路)から帯電装置111aに対して帯電電圧(電気的エネルギー)が出力(供給)されると、帯電装置111aは感光体ドラム111の表面を所定の電位に帯電するという電気的動作を実行する。
【0109】
また、プリンタ本体110の下部に位置する接点部材200は電源回路(現像電圧電源回路)と電気的に接続され、この接点部材200と接触する下部の電極201は現像ローラ131と電気的に接続されているので、下部の接点部材200と下部の電極201とが接触した位置S16では、接点部材200と電極201とを介して電源回路(現像電圧電源回路)と現像ローラ131とが電気的に接続される。これにより、電源回路(現像電圧電源回路)から現像ローラ131に対して現像電圧(電気的エネルギー)が出力(供給)されると、現像ローラ131は磁力でキャリアまたはトナーを吸着するという電気的動作を実行する。
【0110】
このように、本願の構成によっても、プロセスカートリッジ103の着脱に伴って、接点部材200に付着した異物が除去手段である穴部202cによって除去されるので、接点部材200に付着した異物が原因となって導通不良となることが防止される。
【0111】
また、穴部202cは傾斜面202bという陥没した位置に形成されているので、接点部材200から除去された異物は陥没した部分に捉えられ、周辺へとは飛散しにくい。
【0112】
さらに、この穴部202cは傾斜面202bに形成されているので、傾斜面202bで接点部材200が案内されながら穴部202cによって異物が剥ぎ取られるために、穴部202cがプロセスカートリッジ103を着脱する際の抵抗となることもない。
【0113】
さらに、穴部202cは板金からなるクリーナ202に形成されていることから、穴部202cの加工が容易になるのみならず、穴部202cの周縁が鋭利なエッジになるので、接点部材200に付着した異物をより一層効率的に除去することができる。
【0114】
さらに、穴部202cは貫通した形状となっているので、接点部材200から除去された異物は穴部202cを通り抜けて接点部材200とは反対側(クリーナ202の裏側)から落下する。よって、異物が穴部202cに溜まったままとなって詰まり、異物除去能力が低下するようなことがない。
【0115】
なお、クリーナ202の裏側に、穴部202cや落下孔202dから落下した異物を補足する回収部(例えば袋状部材や、異物が磁気を帯びたものであれば磁石など)を配置することで、プロセスカートリッジ103の内部で徐々に蓄積していくことを防止することができる。あるいは、クリーナ202の裏側に、例えば回転軸の周囲に螺旋羽根が設けられた回転体で構成されて、回転により異物を搬送して回収する回収部を配置することで、同様にプロセスカートリッジ103の内部で徐々に蓄積していくことを防止することができる。
【0116】
以上説明した第1の実施の形態および第2の実施の形態では、第1の接点部(本体部材であるプリンタ本体10に取り付けられた記録ヘッド22の接点部材22−4、本体部材であるプリンタ本体110の接点部材200)が突出しているが、逆に、第2の接点部(装着部材であるインク収容容器23の電極23−8、装着部材であるプロセスカートリッジ103の電極201)が突出していてもよい。あるいは、第1の接点部および第2の接点部の何れもが突出していてもよい。
【0117】
なお、突出した接点部(第1の接点部および/または第2の接点部)に付着した異物を除去するための除去手段は、実施の形態においては穴部であったが、例えば表面が凹凸加工された部材であってもよい。
【0118】
また、除去手段は接点部に付着した異物を除去するものであることから、当該除去手段は突出した接点部が形成された側に設けられる。つまり、突出した接点部が本体部材に設けられているならば、除去手段は装着部材側に設けられる。したがって、本体部材の接点部および装着部材の接点部がともに突出しているならば、除去手段は本体部材および装着部材の何れにも設けるのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上の説明では、本発明を、カラー画像の形成可能なインクジェットプリンタや、トナーを用いてカラー画像の形成が可能なレーザプリンタに適用した例が説明されており、装着部材としてはインク収容容器やプロセスカートリッジが例示されているが、これらプリンタを本体部材とした場合であっても、装着部材はこれらに限定されるものではなく、プリンタ本体に着脱可能に取り付けられる種々の部材(例えば、レーザプリンタにおける転写ロールなど)を適用できる。
【0120】
さらに、本発明は、これらプリンタに限定されるものではなく、本体部材と、この本体部材に着脱可能に取り付けられる装着部材という関係をなす様々な電気機器に適用が可能である。
【0121】
そして、本体部材に設けられて電気的エネルギーを供給する給電手段とは、電力を電気的エネルギーとしてこれを供給する手段(電源など)のみならず、電気信号を電気的エネルギーとしてこれを供給する手段(電気回路など)をも指す。したがって、動作手段とは、電力を受けて動作する手段のみならず、電気信号を受けて動作する手段をも含まれる概念である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタのプリンタヘッドを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタにおける記録ヘッドとインク収容容器との関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタの記録ヘッドに設けられたノズルを示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタにおけるインク収容容器を示す斜視図である。
【図6】インク収容容器に取り付けられた回路基板を示す斜視図である。
【図7】記録ヘッドに設けられた接点部材を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタにおいて記録ヘッドに装着されるインク収容容器の状態を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタにおいて記録ヘッドに装着されるインク収容容器の状態を図8から連続して示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態であるインクジェットプリンタにおいて、インク収容容器がプリンタ本体の記録ヘッドに装着される際の接点部材の動きを示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態であるレーザプリンタを示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態であるレーザプリンタの内部構造を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態であるレーザプリンタの内部構造を開閉部を開いた状態で示すである。
【図14】本発明の第2の実施の形態であるレーザプリンタにおけるプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図15】プロセスカートリッジの側面に設けられた電極およびクリーナを示す斜視図である。
【図16】プリンタ本体に設けられた接点部材を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態であるレーザプリンタにおいて、プロセスカートリッジがプリンタ本体に装着される際の接点部材の動きを示す説明図である。
【符号の説明】
【0123】
1 インクジェットプリンタ(電気機器)
10 プリンタ本体(画像形成装置本体・本体部材)
22 記録ヘッド
22−4 接点部材(第1の接点部)
22−4a 接点突起
23 インク収容容器(色材収容体・装着部材)
23−8 電極(第2の接点部)
23−9 クリーナ
23−9a 底面
23−9b 傾斜面
23−9c 穴部(除去手段)
23−10 記憶手段(動作手段)
100 レーザプリンタ(電気機器)
103、104、105、106 プロセスカートリッジ(色材収容体・装着部材)
110 プリンタ本体(画像形成装置本体・本体部材)
111、112、113、114 感光体ドラム
111a 帯電装置(動作手段)
130 プロセスカートリッジ本体
131 現像ローラ(動作手段)
200 接点部材(第1の接点部)
200a 接点突起
200b 胴部
201 電極(第2の接点部)
202 クリーナ
202a 底面
202b 傾斜面
202c 穴部(除去手段)
202d 落下孔
210 圧縮バネ
220 ホルダカバー
P 用紙(印刷媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部材に対して着脱可能に設けられた装着部材であって、
前記本体部材から電気的エネルギーを受けて電気的動作を実行する動作手段と、
前記動作手段と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられ、前記本体部材に装着されると当該本体部材に突出して設けられた第1の接点部と接触して前記本体部材からの前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第2の接点部と、
前記本体部材に着脱される過程で前記第1の接点部と接触して当該第1の接点部に付着した異物を除去する除去手段と、
を有することを特徴とする装着部材。
【請求項2】
所定の電気的エネルギーを供給する給電手段、および前記給電手段と導通して外部に面して設けられた第1の接点部を備えた本体部材と、
請求項1に記載の装着部材と、
を有することを特徴とする電気機器。
【請求項3】
装着部材が着脱可能に取り付けられる本体部材であって、
前記装着部材に設けられた動作手段の電気的動作実行に必要な所定の電気的エネルギーを供給する給電手段と、
前記給電手段と導通して外部に面して設けられ、前記装着部材が装着されると当該装着部材に突出して設けられた第2の接点部と接触して前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第1の接点部と、
前記装着部材が着脱される過程で前記第2の接点部と接触して当該第2の接点部に付着した異物を除去する除去手段と、
を有することを特徴とする本体部材。
【請求項4】
請求項3に記載の本体部材と、
前記本体部材に対して着脱可能に設けられ、前記電気的エネルギーを受けて電気的動作を実行する動作手段、および前記動作手段と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられて前記本体部材に装着されると前記第1の接点部と接触して前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第2の接点部を備えた装着部材と、
を有することを特徴とする電気機器。
【請求項5】
所定の電気的エネルギーを供給する給電手段、および前記給電手段と導通して外部に面して設けられた第1の接点部を備えた本体部材と、
前記本体部材に対して着脱可能に設けられ、前記電気的エネルギーを受けて電気的動作を実行する動作手段、および前記動作手段と導通するとともに着脱方向と交差する方向に面して設けられて前記本体部材に装着されると前記第1の接点部と接触して前記電気的エネルギーを前記動作手段に送る第2の接点部を備えた装着部材と、
前記本体部材および前記装着部材の少なくとも何れかの部材に設けられ、前記装着部材が前記本体部材に着脱される過程で相手側の前記部材に設けられた前記接点部と接触して当該接点部に付着した異物を除去する除去手段とを備え、
前記除去手段と接触する前記接点部は突出している、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項6】
前記除去手段は、前記接点部と接触する穴部である
ことを特徴とする請求項2、4または5に記載の電気機器。
【請求項7】
前記穴部は陥没した位置に形成されている
ことを特徴とする請求項2、4、5または6に記載の電気機器。
【請求項8】
前記穴部は、前記接点部を前記装着部材の着脱方向に対して斜めに案内する傾斜面に形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の電気機器。
【請求項9】
前記穴部は板金に形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の電気機器。
【請求項10】
前記穴部は貫通した形状である
ことを特徴とする請求項7から9の何れかに記載の電気機器。
【請求項11】
前記接点部から除去された異物を回収する回収部が設けられている
ことを特徴とする請求項2、4、5、または6から10の何れかに記載の電気機器。
【請求項12】
前記本体部材は、所定の印刷データに基づいて印刷媒体に画像形成を行う画像形成装置本体であり、
前記装着部材は、画像形成に用いられる色材を収容可能な色材収容部を備えた色材収容体である、
ことを特徴とする請求項2、4、5、または6から11の何れかに記載の電気機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−214493(P2009−214493A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62723(P2008−62723)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】