説明

枠体の製造方法、障子、および、建具

【課題】基材と、基材とは異なる種類の熱可塑性樹脂とを積層した枠材をより高強度に溶着することが可能な枠体の製造方法等を提供する。
【解決手段】室内外の境界に設けられ、熱可塑性樹脂でなる複数の枠材を、互いに異なる前記枠材の端部同士を突き合わせて溶着して矩形状に枠組みした枠体の製造方法であって、前記枠材は、基材と、前記基材の外側に設けられ当該基材より溶着強度が低い表材と、を有し、前記枠材の端部同士が溶着された接合部の断面において、前記表材が接合されている領域より前記基材が接合されている領域の方が広い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂でなる複数の枠材を、互いに異なる前記枠材の端部同士を突き合わせて接合して矩形状に枠組みした枠体の製造方法、障子、および、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂でなる複数の枠材の端部同士を突き合わせて接合し矩形状に枠組みした枠体の製造方法としては、例えば、枠材を長手方向に対して45度に切断した端部に熱板を当てて加熱溶融し、加熱溶融状態の端部を互いに直角になるように溶着する枠体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、枠材として基材と、基材とは異なる種類の熱可塑性樹脂(以下、異種樹脂という)とを積層した枠材、例えば枠材の表面に化粧材などを一体成形した枠材を用いる場合がある。
【特許文献1】特開平5−79254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基材と異種樹脂とが積層された枠材同士の端部を溶着した場合には、異種樹脂同士が溶着された部位が発生する。異種樹脂同士が溶着された部位は、基材同士が溶着された部位より溶着強度が低い場合がある。このため、枠材の断面において基材を囲むように全周に基材と異種樹脂とが積層された部位が設けられていたり、枠材の全ての部位が基材と異種樹脂とが積層されている場合には、枠組みされた枠体に十分な強度が得られない虞があるという課題がある。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基材と、基材とは異なる種類の熱可塑性樹脂とを積層した枠材をより高強度に溶着することが可能な枠体の製造方法、障子、および、建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために本発明の枠体の製造方法は、室内外の境界に設けられ、熱可塑性樹脂でなる複数の枠材を、互いに異なる前記枠材の端部同士を突き合わせて溶着して矩形状に枠組みした枠体の製造方法であって、前記枠材は、基材と、前記基材の外側に設けられ当該基材より溶着強度が低い表材と、を有し、前記枠材の端部同士が溶着された接合部の断面において、前記表材が接合されている領域より前記基材が接合されている領域の方が広いことを特徴とする枠体の製造方法である。
【0006】
このような枠体の製造方法によれば、枠材の端部同士が溶着された接合部の断面において、接合強度が基材より低い表材が接合されている領域より基材が接合されている領域の方が広いので、基材と、基材とは異なる表材を積層した枠材をより高強度に溶着して、より高強度な枠体を製造することが可能である。すなわち、接合強度が低い表材同士が溶着されている領域を狭くすることにより、基材と、基材とは異なる表材を積層した枠材をより高強度に溶着することが可能である。
【0007】
かかる枠体の製造方法であって、前記表材は、前記枠体において室内側または室外側に露出する部位に設けられる化粧材であることが望ましい。
このような枠体の製造方法によれば、枠材が接合された枠体の室内側または室外側に露出する部位に化粧材を備え、より高強度に接合された枠体を容易に製造することが可能である。
【0008】
かかる枠体の製造方法であって、前記表材が設けられている部位は、前記表材に金型を当接させた状態にて前記枠材の端部同士を突き合わせて溶着されることが望ましい。
このような枠体の製造方法によれば、表材に金型を当接させた状態にて枠材の端部同士を突き合わせて溶着するので、表材側にはバリが発生しない。このため、表材が設けられている側が意匠性に優れた枠体を製造することが可能である。
一方、表材が設けられておらず金型が当接されていない部位には、バリが発生するが、バリは、溶融して接合された部位の面積を広げることになるので、表材が設けられていない部位に発生したバリによって、接合部の強度を高めることが可能である。
【0009】
また、上記枠体の製造方法を用いて製造された框体を備えたことを特徴とする障子である。このような障子によれば、框体が基材と、基材とは異なる表材を積層した枠材がより高強度に溶着されているので、表材により意匠性に優れるとともに、溶着強度の高い基材の接合力により高い強度を備えた框体を有する障子を提供することが可能である。
【0010】
また、上記枠体の製造方法を用いて製造された窓枠及び前記窓枠に取り付けられる障子を有することを特徴とする建具である。このような建具によれば、窓枠が、基材と、基材とは異なる表材を積層した枠材がより高強度に溶着されているので、表材により意匠性に優れるとともに、溶着強度の高い基材の接合力により高い強度を備えた窓枠を有する建具を提供することが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基材と、基材とは異なる種類の熱可塑性樹脂とを積層した枠材をより高強度に溶着することが可能な枠体の製造方法、障子、および、建具を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る建具について図面を参照して説明する。
本実施形態では、図1、図2に示すように、室内外の境界に設けられた矩形状の窓枠10に固定され窓枠内の空間の一部を閉塞し、ガラス3が嵌め付けられて見付け方向に移動不能に固定された固定障子20と、固定障子20にて閉塞されない領域を閉塞可能であり、窓枠10に沿って移動可能な可動障子16と、を備えた建具1を例に挙げて説明する。以下の説明においては、建具1を室外側から見たときに上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向または見付け方向、室内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。
【0013】
本実施形態の建具1は、枠体として、窓枠10、可動障子16の框体17及び固定障子20の框体21を備えている。図2に示すように、矩形状に接合された窓枠10の内周には、見込み方向におけるほぼ中央から窓枠10の中央側に向かって突出された中央壁部11が全周に繋がって設けられている。中央壁部11の室外側には固定障子20が取り付けられており、中央壁部11の室内側には可動障子16が見付け方向に沿って移動可能な移動領域が設けられている。
【0014】
窓枠10の中央壁部11より室外側には、固定障子20が装着される平坦な装着面12と、装着面12における見込み方向のほぼ中央には、全周に渡って外周側に窪む溝状凹部12aが窓枠10の周方向に沿って形成されている。また、窓枠10の内周における室内側の縁には、中央壁部11と見込み方向において対向する室内側壁部13が突出しており、窓枠10における中央壁部11より室内側には、可動障子16の框体17の周端部が収容される収容部21eが全周に渡って形成されている。そして、窓枠10を構成する下枠10aの収容部21eには、可動障子16が案内されるレール18aを備えたレール部材18が嵌合されている。
【0015】
窓枠10、可動障子16及び固定障子20の框体17、21は、いずれも4本の窓枠材または框材の両端部が、長手方向に対し45度に切断され、互いに異なる窓枠材または框材の端部同士が突き合わされて接合され矩形状に形成されている。また、窓枠材及び框材は、いずれも熱可塑性樹脂製の部材であり、突き合わされる窓枠材同士及び框材同士は、断面において接合される部位が同一の形状をなしている。そして、窓枠材または框材の突き合わされた端部同士は、溶着により接合されている。
【0016】
枠体としての窓枠10、枠体としての框体17、21を有する可動障子16及び固定障子20の製造方法における窓枠材及び框材の接合方法は同じなので、ここでは固定障子20の框体21を例に挙げて説明する。
【0017】
固定障子20は、図2、図3に示すように、矩形状に形成された框体21と、框体21にて形成された開口20aを覆うガラス3と、ガラス3を框体21とともに挟持するための押縁28とを有している。
【0018】
框体21は、上框22、下框23、戸先框24、召合せ框25で構成され、各々、長手方向に連通する中空部でなる框本体部21aと、框本体部21aの室内側の縁から開口20a側に突出された突出部21bと、を有している。框本体部21aにおける框体21の内周側には、室外側の縁に框体21の外周側に向かって窪み、押縁28が取り付けられる押縁取付溝21cが全長に渡って形成されている。また、框体21が窓枠10に取り付けられた際に室内側及び室外側に露出する面には外装材や内装材などの化粧材である表材19aが設けられている。この表材19aは上框22、下框23、戸先框24、召合せ框25を構成する基材19bの外側に一体に成形されて設けられている。ここで、表材19aとしては、例えばASA(アクリロニトリル・アクリル酸メチル・スチレン)樹脂、アクリル樹脂など、基材19bとしては塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
【0019】
なお、基材19bは未使用(バージン材)の塩化ビニル樹脂などの材料を使用しても良いし、未使用(バージン材)の塩化ビニル樹脂などの材料に一定量の廃材(リサイクル材)を混合した材料を使用しても良い。
【0020】
また、召合せ框25を除く框体21は、上框22、下框23には、框体21の外周側の面には、開口2a側に窪ませて固定障子20を窓枠10に取り付けるための凹部としての取付溝部21dが見込み方向のほぼ中央に設けられている。
【0021】
召合せ框25には、室内側の面に可動障子16と係合する係合部25aが室内側に突出させて設けられている。断面形状が同一の上框22、下框23、及び、戸先框24は同一の框材にて形成され、召合せ框25は、取付溝部21dがない点と、係合部25aを有する点で上框22、下框23、及び、戸先框24と相違するので、上框22及び下框23とは、取付溝部21dと係合部25a以外の部位が突き合わされて溶着される。
【0022】
次に、框材を接合して框体21を製造する方法について説明する。框材を接合する場合には、図4(a)〜図4(d)に示すような製造装置50を使用する。また、框材19としては、塩化ビニル樹脂を基材19bとして、窓枠10に取り付けられた際に室内側及び室外側に露出する面にASA(アクリロニトリル・アクリル酸メチル・スチレン)樹脂の表材19aが設けられた框材19を用いる。
【0023】
本実施形態の製造装置50は、4本の框材19を矩形状に接合すべく、框体21のコーナー部、すなわち框材19の接合部となる4カ所に溶着装置51が設けられている。
【0024】
各溶着装置51は、接合すべき2本の框材19の端部19dを各々保持するための一対の端部保持部52と、接合すべき框材19に当接及び離隔可能に設けられた加熱板53と、端部保持部52及び加熱板53をスライド移動させるための支持テーブル54と、を有している。
【0025】
支持テーブル54は、ほぼ正方形状をなし、正方形が有する2本の対角線のうちの一方の対角線に沿って加熱板53をスライドさせるための加熱板スライド機構(不図示)と、加熱板53のスライド方向に沿う対角線にて分離される2つの領域にそれぞれ設けられ、端部保持部52を正方形の辺に沿ってスライドさせるための保持部スライド機構(不図示)とを有している。
【0026】
また、製造装置50は、支持テーブル54自身を加熱板53と同じ方向にスライドさせるためのテーブルスライド機構(不図示)も備えている。
【0027】
4本の框材19が接合される四隅に配置された4つの溶着装置51は、各々の溶着装置51が有する、ほぼ正方形状をなす支持テーブル54の一つの角部54aが、四方に配置された4つの溶着装置51の中心に向くように配置されている。また、各々の溶着装置51が有する加熱板スライド機構及びテーブルスライド機構は、4つの溶着装置51の中心に向くように配置された角部54aを通る対角線に沿って、中心に向かう方向と中心から離れる方向とにスライド自在に設けられている。
【0028】
また、支持テーブル54上をスライドする二つの保持部スライド機構は、中心に向くように配置された角部54aを形成する二辺に沿って、当該角部54aに向かう方向と角部54aから離れる方向とにスライド自在に設けられている。
【0029】
各溶着装置51に設けられた端部保持部52は、図5に示すように、框材19を収容可能な収容空間52aを形成する分割可能な金型である。本実施形態の金型は、2つの型部52b、52cが組み合わされて框材19の収容空間52aを形成している。以下の説明では、框材19の室内側を収容する型部を内型部52b、框材19の室外側を収容する型部を外型部52cという。収容空間52aは、固定障子20として窓枠10に取り付けられた際に、少なくとも室内側及び室外側に露出する露出面に設けられた表材19aにほぼ隙間なく当接される当接面52dを備えている。
【0030】
また、固定障子20として窓枠10に取り付けられた際に、室内側または室外側に露出しない部位と型部52b、52cの内面との間には空隙52eが設けられている。
【0031】
また、框材19が収容空間52aに収容された状態で、端部保持部52と框材19とは、長手方向に沿って相対移動可能である。ここで、当接面52dが、表材19aにほぼ隙間なく当接されるとは、当接面52dと表材19aとが接する場合と、当接面52dと表材19aとが僅かに離れた場合を含むものとする。
【0032】
製造装置50を用いて4本の框材19を枠組みする場合には、まず、4カ所の溶着装置51の加熱板53を、4つの溶着装置51の中心から遠ざかる側の待避位置に配置し、端部保持部52を支持テーブル54の中心側の角部54aから遠ざかる方向に移動させた状態にて、支持テーブル54自体も中心に遠い側に配置しておく。
【0033】
次に、図4(a)に示すように、各端部保持部52を構成する内型部52bと外型部52cとの間の収容空間52aに框材19の端部19dを収容させて4本の框材19を配置する。このとき、各框材19は、隣接する溶着装置51の支持テーブル54間に掛け渡されている。
【0034】
次に、図4(b)に示すように、加熱板53を中心側に移動させるとともに、図4(c)に示すように、各端部保持部52も中心側に位置する支持テーブル54の角部54a側に移動させることにより各框材19を中心側に平行移動させて、加熱板53の両面にそれぞれ端部保持部52と框材19の端部19dを当接させる。
【0035】
この状態にて加熱板53を加熱するとともに、支持テーブル54を中心側に移動させる。これにより、框材19の端部19dが加熱板53に強く押しつけられるので框材19の端部19dが溶融される。
【0036】
次に、各端部保持部52を元の位置まで戻すことにより、図4(a)に示すように、框材19の端部19dを加熱板53から離すとともに、加熱板53を退避位置に移動させる。
【0037】
次に、図4(d)に示すように、端部保持部52を中心側に位置する支持テーブル54の角部54a側に移動させることにより各框材19を平行移動させて、隣接する框材19の端部19d同士を接触させる。その後、支持テーブル54を中心側に移動させることにより、隣接する框材19の端部19d同士が強く押しつけられて接合され、框体21が形成される。このとき、框材19の端部19dとともに、框材19の端部19dを収容している端部保持部52同士も当接されて、2つの収容空間52aが1つの繋がった空間となる。
【0038】
このようにして接合された框体21は、図6に示すように、框材19の端部19d同士が溶着された接合部の断面において、表材19aが接合されている領域Xより基材19bが接合されている領域(図6では一点鎖線にて示している領域)Yの方が広くなるように構成されている。具体的には、接合部に表材19aが含まれている部位(領域X)を繋げた長さより接合部に表材19aが含まれていない部位(領域Y)を繋げた長さの方が長くなるように構成されている。ここで、表材19aが含まれていない部位(領域Y)とは、表材19aが設けられて室内に臨む部位と表材19aが設けられて室外に臨む部位を見込み方向に繋ぐ部位や突出部21bの室外側に臨む面20cを形成する部位であって、例えば、押縁取付溝21c及び取付溝部21dを形成する部位なども含まれる。
【0039】
また、外周面である少なくとも室内側及び室外側に露出する表材19a側には、溶着時に端部保持部52を構成する金型の内面に当接されているためバリが発生せず、溶融された部位は裏側に誘導される。また、室内側及び室外側に露出しない部位であって、溶着時に端部保持部52を構成する金型の内面に当接されていない部位には、バリ19cが発生する。
【0040】
接合されて矩形状に形成された框体21の突出部21bの室外側に臨む面20cに接着剤が塗布されて、4本の框材19の突出部21bにて囲まれて形成された開口20aを覆うガラス3が接着され、ガラス3の室外側に押縁28が取り付けられて固定障子20が形成される。
【0041】
本実施形態によれば、框材19の端部19d同士が溶着された接合部は、当該接合部の断面において、接合強度が基材19bより低い表材19aが接合されている領域Xより基材19bが接合されている領域Yの方が広いので、接合強度が基材19bより低い表材19aを積層した框材19を用いても、高い強度を備えたな框体21を製造することが可能である。
【0042】
また、框材19が接合された框体21の室内側または室外側に露出する部位に表材19aとして外装材や内装材を用いることにより、外装材や内装材を備えた框体21を容易に製造することが可能である。
【0043】
また、表材19aに金型を当接させた状態にて框材19の端部19d同士を突き合わせて溶着するので、表材19a側にはバリ19cが発生しない。このため、表材19aが設けられている側が意匠性に優れた框体21を製造することが可能である。一方、表材19aが設けられておらず金型が当接されていない部位には、バリ19cが発生するが、バリ19cは、溶融して接合された部位の面積を広げることになるので、室内側または室外側に露出する部位にバリ19cを発生させることによっても、接合部の強度を高めることが可能である。
【0044】
また、本実施形態の枠体の製造方法を用いて製造された框体21は、接合強度が基材19bより低い表材19aを積層して外装材や内装材などを備えつつも、高い強度を備えているので、意匠性に優れ、高い強度を備えた框体21を有する固定障子20及び窓枠10を有する建具1を提供することが可能である。
【0045】
上記実施形態においては、枠体を固定障子20の框体21を例に挙げて説明したが、これに限らず、可動障子16の框体17や窓枠材を溶着する窓枠10に適用することにより
外装材等の表材19aを備えて意匠性に優れ、かつ高い強度を有する可動障子16や窓枠10を提供することが可能であり、意匠性に優れ、かつ高い強度を有する固定障子20、可動障子16、及び窓枠10を備えた建具1も実現可能である。このとき、窓枠10を製造する場合には、例えば図7に示すように内型部55aと外型部55bとの間に窓枠材9が収容される収容空間55cを形成する端部保持部55を有する製造装置が用いられる。また、このとき、上述した框体21のように室内側に露出する面と室外側に露出する面とに表材を備えても良いが、枠材を形成する基材19bを室内側の窓枠として適した色に調色し、室外側に露出する部位に外装材としての表材19aを備えることにより、基材19b同士が接合される領域Yをより広くして、より高い強度を備えた窓枠10を製造することが可能である。
【0046】
上記実施形態においては、枠材としての框材の端部を長手方向に対して45度に切断した例について説明したが、枠材の端部がなす角度は45度に限るものではなく、互いの端部を突き合わせて溶着にて接合できる形態であれば構わない。
【0047】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態に係る建具を室外側から見た外観図である。
【図2】本実施形態に係る建具の縦断面図である。
【図3】固定障子の框体を示す斜視図である。
【図4】框材の製造方法を説明するための図である。図4(a)は、框材が製造装置に取り付けられた状態を示す図である。図4(b)は、框材の端部間に加熱板が配置された状態を示す図である。図4(c)は、框材の端部が加熱板に当接された状態を示す図である。図4(d)は、框材の端部同士が接合された状態を示す図である。
【図5】框材が端部保持部に保持された状態を説明するための図である。
【図6】図6(a)は、接合後のバリの発生状態を説明するための図である。図6(b)は、図6(a)におけるA−A断面図である。
【図7】窓枠材が端部保持部に保持された状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
1 建具、10 窓枠、19 框材、19a 表材、19b 基材、19d 端部、
20 固定障子、21 框体、52 端部保持部、52b 内型部、52c 外型部、
55 端部保持部、55a 内型部、55b 外型部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内外の境界に設けられ、熱可塑性樹脂でなる複数の枠材を、互いに異なる前記枠材の端部同士を突き合わせて溶着して矩形状に枠組みした枠体の製造方法であって、
前記枠材は、基材と、前記基材の外側に設けられ当該基材より溶着強度が低い表材と、を有し、
前記枠材の端部同士が溶着された接合部の断面において、前記表材が接合されている領域より前記基材が接合されている領域の方が広いことを特徴とする枠体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の枠体の製造方法であって、
前記表材は、前記枠体において室内側または室外側に露出する部位に設けられる化粧材であることを特徴とする枠体の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の枠体の製造方法であって、
前記表材が設けられている部位は、前記表材に金型を当接させた状態にて前記枠材の端部同士を突き合わせて溶着されることを特徴とする枠体の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の枠体の製造方法を用いて製造された框体を備えたことを特徴とする障子。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の枠体の製造方法を用いて製造された窓枠及び前記窓枠に取り付けられる障子を有することを特徴とする建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−150820(P2010−150820A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330559(P2008−330559)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】