説明

案内装置

【課題】 流体供給部や排気溝等を高い位置精度で設けることができ、可動体をより安定して移動させることができる案内装置を提供する。
【解決手段】 案内装置は、第1表面を有する固定体と、第1表面に対向する第2表面を有する可動体とを備える。可動体は、第1表面および第2表面の間に形成される隙間に供給された流体を介して第1表面に沿って第1方向に移動可能である。第1表面および第2表面の一方は、可動体の移動方向に平行な中心軸の周りに外向きに設けられた外向き面であるとともに、隙間に前記流体を供給する流体供給部と該流体供給部を環状に取り囲んで前記流体を回収する回収溝とが設けられている。第1表面および第2表面の他方は、移動可能な範囲で流体供給部および回収溝を覆う内向き面である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定体と可動体とを有し、固定体と可動体との間に形成される隙間に供給された流体を介して可動体が移動可能な案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置においては、ウェハやマスク等を搬送するためにステージと呼ばれる搬送装置が用いられている。ステージは、半導体製造装置の種類によっては、真空または減圧雰囲気とされたチャンバ(真空チャンバ)内において使用する必要がある。このようにステージが真空チャンバ内において使用される半導体製造装置の代表的なものとして、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子線(EB)描画装置、フォーカスイオンビーム(FIB)描画装置、又はX線露光装置がある。
【0003】
そして、ステージを駆動する案内装置の一つとして、静圧スライダがある。静圧スライダは、固定体と可動体との間に流体を供給して流体層を形成することにより、その流体層によって、可動体を固定体に接触させることなく一定方向に移動させることができる。例えば、特許文献1に記載された静圧スライダは、固定軸体と、固定軸体を囲繞する可動体とを有し、可動体の軸受内面に設けた流体供給孔より加圧流体を固定軸体と可動体との隙間に供給することにより静圧流体層を形成している。
【0004】
具体的には、可動体を構成する4つの壁板の内部に通路を形成して、4つの壁板を組み合わせることにより、それらの通路を連通させて給気周回通路を形成する。そして、その給気周回通路を介して流体を供給し、4つの壁板のそれぞれ内面(軸受内面)に設けた流体供給口からその流体を供給する。また、各軸受内面に、流体供給口を連続的に囲む大気開放溝と、該大気開放溝のさらに外側を連続的に囲む排気溝が設けられ、各軸受内面の排気溝が、軸受内面の端部に配置されて、隣接する軸受内面の排気溝に連通している。すなわち、各軸受内面の排気溝が一つの排気溝としてつながっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−273882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、引用文献1に記載された静圧スライダでは、固定軸体を囲繞する可動体の内面に排気溝が形成されることから、それらの溝の寸法や位置を精度よく形成することが困難であった。これは、4つの壁板を貼り合わせて可動体を形成した後に排気溝を形成する場合はもちろんであるが、4つの壁板の表面に排気溝を個別に形成した後、それらを張り合わせて可動体を形成する場合であっても、張り合わせの際に各壁板に形成した排気溝の端部の位置がずれて排気溝がうまく連通しない場合があり、結果として、第2部材の内面に排気溝を高い位置精度で形成することが困難であった。
【0007】
また、給気周回通路についても、4つの壁板の内部に通路を形成して、それらを組み合わせることにより形成するので、各通路がうまく連通しない場合があり、結果として、可動体に給気周回通路を高い位置精度で形成することが困難であった。
【0008】
このように可動体の内面に設けられる排気溝等の位置精度が低下すると、各壁板と固定軸体との間に形成される静圧流体層の状態が異なり、自励振動が発生する等して、可動体
が安定して移動させることができないという問題があった。
【0009】
従って、流体供給部や排気溝等を高い位置精度で設けることができ、可動体をより安定して移動させることができる案内装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による案内装置は、第1表面を有する固定体と、前記第1表面に対向する第2表面を有する可動体とを備え、前記第1表面および前記第2表面の間に形成される隙間に供給された流体を介して前記可動体が前記第1表面に沿って第1方向に移動可能な案内装置であって、前記第1表面および前記第2表面の一方は、前記可動体の移動方向に平行な中心軸の周りに外向きに設けられた外向き面であるとともに、前記隙間に前記流体を供給する流体供給部と該流体供給部を環状に取り囲んで前記流体を回収する回収溝とが設けられており、前記第1表面および前記第2表面の他方は、移動可能な範囲で前記流体供給部および前記回収溝を覆う内向き面である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様による案内装置によれば、流体供給部や排気溝等を高い位置精度で設けることができ、可動体をより安定して移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態による案内装置の構成例を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1の固定体の構成例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の固定体の角部に欠けが生じた場合の部分拡大図である。
【図3】図2の破線L−L線における断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による案内装置の動作を説明する模式的な図であり、(a)〜(d)は、案内装置を側面から透視した図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による案内装置の構成例を示す斜視図である。
【図6】図5の案内装置の側面図である。
【図7】可動体の模式的な斜視図である。
【図8】図7の可動体の部分拡大図である。
【図9】図7の破線M−Mの断面であって、エアパッド部16A1,16B1,16Cが設けられた部位の拡大図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による案内装置の構成例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態による案内装置の構成例を示す斜視図である。
【図12】図11の可動体の模式的な斜視図である。
【図13】図11の案内装置の動作を説明する模式的な図であり、(a)〜(d)は、案内装置を側面から透視した図である。
【図14】本発明の第4の実施形態による静圧スライダの構成例を示す斜視図である。
【図15】図10の静圧スライダにおける固定体および可動体の分解斜視図である。
【図16】可動部材およびステージ台の構成例を示す斜視図である。
【図17】可動部材の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1の案内装置は、真空チャンバ内において、例えばウェハ又はマスク等を搬送するために使用される。図1に示すように、本実施の形態による案内装置1は、軸体となる矩形状の固定体2と筒状の可動体3とを有する。可動体3は、その内周面4が固定体2の外表面
5と対向しており、これらの対向する表面4,5の間に形成される隙間に供給された流体を介して可動体3が移動可能である。例えば、可動体3の内周面4と固定体2の外表面5とによって形成される隙間に加圧流体が供給されると、可動体3と固定体2との間に加圧流体により形成される流体層を介在させた状態で、可動体3が固定体2の外表面5に沿って直線状に(図1に示した矢印Xに沿って)移動可能となる。
【0015】
本実施の形態による案内装置1において、固定体2は、X方向に延在する軸部材であり、可動体3は、軸部材に沿ってX方向に移動可能な筒状部材である。固定体2及び可動体3は、例えばアルミナ又は炭化珪素を主成分とするセラミックスにより形成されている。
【0016】
ここで、固定体2の外表面5は、それぞれ平面である4つの運動案内面5a,5b,5c,5dを有する。固定体2は、例えば、対応する運動案内面5a,5b,5c,5dを有する4つの平板を組み立てることによって構成される。また、可動体3の内周面4は、固定体2の4つの平面5a〜5dに対応する運動面4a,4b,4c,4dを有する。なお、固定体2の外表面5を第1表面ともいい、可動体3の内周面4を第2表面ともいう。
【0017】
図2(a)は、図1において可動体3を省略したときの図である。図2(a)に示すように、固定体2の運動案内面5a〜5dには、加圧流体を供給するエアパッド部6A,6B,6C,6D(図2において、6C,6Dは不図示)がそれぞれ設けられている。また、運動案内面5a〜5dには、エアパッド部6A,6B,6C,6Dを環状に取り囲んで加圧流体を回収する回収溝7A,7B,7C,7D(図2において、7C,7Dは不図示)が設けられている。なお、図2において、エアパッド部6C,6D及び回収溝7C,7Dは図示していないが、他のエアパッド部6A,6B及び回収溝7A,7Bと同様に、それらに対応する運動案内面5c,5dに設けられている(図3参照)。
【0018】
図3に示すように、エアパッド部6A〜6Dは、供給流体の流量を制限する絞りとして機能するものであり、例えばオリフィス絞り、表面絞り、又は多孔質絞りとして構成されている。図3に示すように、エアパッド部6A〜6Dは、例えば、固定体2に設けられた供給流路8により流体が供給される。この供給流路8は、固定体2の外部に設けられた供給路(不図示)に連通している。このように、各エアパッド部6A〜6Dは、同じ供給流路8に接続されるため、同一圧力の加圧流体を噴出させることができる。
【0019】
回収溝7A〜7Dは、エアパッド部6A〜6Dを介して供給された加圧流体を回収するために利用されるものである。例えば、回収溝7Aは、エアパッド部6Aを3重に取り囲むように設けられており、エアパッド部6Aに最も近い回収溝7A1と、回収溝7A1の周囲を取り囲む回収溝7A2と、回収溝7A2の周囲を取り囲む回収溝7A3とを有する。その他の回収溝7B〜7Dも同様の構成をしている。
【0020】
これらの回収溝7A〜7Dは、固定体2に形成されている排気孔9a,9b,9cを介して、固定体2の外部に設けられた排気管(不図示)に接続されている。そして、回収溝7A〜7Dは、これらの排気孔9a〜9cおよび排気管(不図示)を介して真空チャンバ(図示略)の外部に連通しており、加圧流体を真空容器外部に排気できるように構成されている。
【0021】
図示していないが、エアパッド6A〜6Dに最も近い回収溝7A1,7B1,7C1,7D1は、排気孔9c及び配管(不図示)を介して真空容器外部の大気に開放しており、回収溝7A2,7B2,7C2,7D2は、排気孔9b及び別の配管(不図示)を介してドライポンプにより排気されており、回収溝7A3,7B3,7C3,7D3は、貫通孔9a及び配管(不図示)を介してターボ分子ポンプにより排気されている。すなわち、3重の回収溝は、エアパッド部から離れる程、真空度が良くなるように考慮されている。な
お、図3において示した供給流路8、並びに排気孔9a,9b,9cの数および配置は一例であり、設計に応じて適宜変更されてよい。また、回収溝7A3と回収溝7B3、回収溝7A3と回収溝7D3、回収溝7C3と回収溝7D3、および回収溝7B3と回収溝7C3は、それぞれ固定体2の角部で連通して一体となっていてもよい。
【0022】
本実施の形態による案内装置1では、固定体2の外周面にエアパッド部6A,6B,6C、6Dおよび回収溝7A,7B,7C,7Dが設けられていることから、それらを可動体3の内周面に設けた場合と比較して、エアパッド部6A,6B,6C、6Dおよび回収溝7A,7B,7C,7Dを形成しやすく、それらの寸法や位置の精度を高めることができる。また、4つの平板の表面にエアパッド部および回収溝を個別に形成した後、それらの平板を張り合わせるといった工程も不要であるから、各平板に設けたエアパッド部および回収溝の位置がX方向においてずれるといった問題も生じない。その結果、固定体2の外表面と可動体3の内周面との間に形成される隙間に供給される流体の状態を、全ての対向する運動面および運動案内面の間でより均一にすることができるので、可動体3をより安定して移動させることができる。
【0023】
また、回収溝7A3と回収溝7B3、回収溝7A3と回収溝7D3、回収溝7C3と回収溝7D3、および回収溝7B3と回収溝7C3を、それぞれ固定体2の角部で連通させる場合であっても、回収溝7A3,7B3,7C3,7D3を全て固定体2の外周面に形成するために、それらを連通することが容易であり、連通させる回収溝の端部の位置がずれるということを抑制することができ、可動体3の動作に不具合を生じさせることなく、可動体3をより安定して移動させることができる。
【0024】
また、本実施の形態による案内装置1においては、固定体2は、可動体3の位置にかかわらず可動体3の内周面4によって覆われ、その内周面4に対向している第1の部位S1と、可動体3の位置に応じて可動体3の内周面4によって覆われたり、外部に露出したりする、すなわち可動体3の位置に応じて可動体3の内周面に対向しなくなる第2の部位S2とを有している。エアパッド部6A〜6D及び回収溝7A〜7Dは、第1の部位S1に設けられている。
【0025】
固定体2の第2の部位S2は、可動体3の位置によっては外部に露出することがあるために、欠け又は傷などの欠損が生じ易い。例えば、図2(b)は、固定体3の角部、具体的には運動案内面5a,5bが交わる部位(図2(b)において点線の円で囲まれた領域)に欠けPが生じた場合の部分拡大図である。本実施の形態による案内装置1によれば、第1の部位S1に回収溝7A〜7Dを設けたため、欠けPが発生しても加圧流体が真空チャンバ内に漏れることを抑制できる。この作用効果については、図4を用いてより詳しく説明する。
【0026】
図4は、案内装置1の動作を説明する模式的な図であり、(a)〜(d)は、案内装置1を側面から透視した図である。なお、図4では、図示の簡単のために、説明に必要な案内装置1の構成要素のみを記載している。ここで、(c),(d)は、本実施の形態による案内装置1、すなわち固定体2にエアパッド(不図示)及び回収溝7を設けた場合を示しており、(a),(b)は、比較のために、可動体3にエアパッド(不図示)及び回収溝7’を設けた場合を示している。(a)のように、固定体2に欠けPが生じた場合、可動体3に回収溝7’が設けてあると、(b)のように、可動体3が移動した場合に、可動体3の回収溝7’と欠けPとが連通して、この欠けPを通して、加圧流体が案内装置の外部に漏れる場合がある。
【0027】
しかし、本実施の形態による案内装置1によれば、(c)に示すように、固定体2に欠けPが生じた場合でも、固定体2に回収溝7が設けてあるため、(d)に示すように、欠
けPと回収溝7とが連通することはなく、加圧流体が案内装置の外部に漏れることを抑制できる。
【0028】
なお、上述の説明では、固定体2に流体供給部6A〜6Dおよび回収溝7A,7B,7C,7Dを設けたが、流体供給部および回収溝を設ける部材は固定体2に限らない。例えば、本実施の形態による案内装置1の固定体2が可動体として動作し、可動体3が固定体として動作する場合には、可動体として動作する軸部材に流体供給部および回収溝が設けられる。すなわち、流体供給部および回収溝は、可動体の表面および固定体の表面の一方が、可動体の位置にかかわらず他方によって対向する第1の部位と、可動体の位置に応じて他方に対向しなくなる第2の部位とを有しているとき、その第1の部位および第2の部位を有している部材に設けられる。
【0029】
なお、軸部材および筒状部材の形状は、上述した形状に限らない。流体供給部および回収溝を、可動体の移動方向に平行な中心軸の周りに外向きに設けられた外向き面に設け、それら流体供給部および前記回収溝が、内向き面によって覆われるような構成であればよい。この場合、外向き面および内向き面は、それぞれ、可動体および固定体のいずれの表面であってもよく、互いに対向していればよい。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態による案内装置について説明する。図5に示すように、本実施の形態による案内装置11Aは、一対の固定体12A,12B及び可動体13を有する。一対の固定体12A,12Bは、図1におけるY方向に延在し、可動体13は、Y方向に移動可能である。一対の固定体12A,12Bは、互いに対向し、可動体13は、移動方向に垂直なX方向において、一対の固定体12A,12Bの間に位置している。以下では、固定体12A,12Bを区別しない場合には、単に固定体12と記載する。
【0031】
一対の固定体12A,12Bは、それぞれY方向に延びる案内溝Kを有する一対の溝状部材である。固定体12A,12Bは、それぞれの案内溝Kが向かい合わせになるように、可動体13を挟んで配置されている。
【0032】
可動体13は、例えば、矩形状である。可動体13は、固定体12A,12Bの案内溝K間に位置しており、そのX方向の端部がそれぞれ固定体12A,12Bの案内溝Kに収容される。よって、可動体13の端部の外面の一部が固定体12の案内溝Kの内面に対向し、これらの対向する表面の間に形成される隙間に供給された流体を介して可動体13が移動可能である。例えば、可動体13の端部の外面の一部と固定体12の案内溝Kの内面とによって形成される隙間に加圧流体がそれぞれ供給されると、可動体13と固定体12A,12Bとの間に、加圧流体により形成される約5μm程度の流体層を介在させた状態で、可動体13が、固定体12A,12Bの案内溝Kの内面に沿って、Y方向に沿って移動可能となる。
【0033】
なお、凹状の案内溝Kを単に凹部とみなすなら、一対の固定体12A,12Bは、それぞれ可動体13と対向する表面に凹部Kを有し、可動体13は、そのX方向における端部が固定体12A,12Bの凹部Kに収容されるともいえる。よって、可動体13の表面の一部が固定体12の凹部Kの内面に対向し、これらの対向する表面によって形成される隙間に加圧流体がそれぞれ供給されると、可動体13と固定体12A,12Bとの間に、加圧流体により形成される約5μm程度の流体層を介在させた状態で、可動体13が、固定体12A,12Bの凹部Kの内面に沿って、Y方向に移動可能となる。
【0034】
図6は、案内装置11Aの側面図(図5の凹部38は不図示)である。図5および図6に示すように、左右の固定体12A,12Bは、3枚の平板12a,12b,12cをそ
れぞれ組み合わせて形成されている。具体的に、平板12aと平板12cが平行に配置され、平板12bが、平板12a,12bの間で、それら平板12a,12cと垂直になるように配置されている。すなわち、平板12a,12b,12cは、固定体12A,12Bの凹状の案内溝Kを構成する。
【0035】
また、3枚の平板12a,12b,12cは、運動案内面15a,15b,15cをそれぞれ有する。運動案内面15a,15b,15cは、固定体12A,12Bの案内溝Kの内面15を構成する。
【0036】
可動体13は、運動面14a,14b,14c,14dを有する。運動面14a,14b,14c,14dは、可動体13の外面14を構成する。運動面14aのX方向の両端部と固定体12A,12Bの運動案内面15a、及び運動面14bのX方向の両端部と固定体12A,12Bの運動案内面15cはそれぞれ対向している。また、運動面14cと固定体12Aの運動案内面15bが対向しており、運動面14dと固定体12Bの運動案内面15bが対向している。なお、可動体3の端部の外面を固定体12の案内溝Kの内面15を第1表面ともいい、固定体12の案内溝Kの内面15を固定体12A,12Bの各平板12a〜12c及び可動体13は、例えば、アルミナあるいは炭化珪素を主成分とするセラミックスにより形成されている。
【0037】
固定体12の平板12a〜12cは、可動体13の移動経路を規定するためのものである。また、運動案内面15a,15b,15cは滑面に仕上げられている。固定体12の平板12a〜12cうち隣接する平板同士の接合部には真空グリス等が塗布されていることが好ましい。このようにすると、この接合面から流体が漏洩するのを抑制することができる。
【0038】
図7は、可動体13の模式的な斜視図である。図7に示すように、可動体13のX方向の端部には、加圧流体を供給するエアパッド部16A1,16A2,16B1,16B2,16C,16Dが設けられている(図7において、エアパッド部16B1,16B2,
16Dは不図示)。具体的には、運動面14aのX方向の両端部には、エアパッド部16
A1,16A2が設けられ、運動面14bのX方向の両端部には、エアパッド部16B1
,16B2が設けられている。また、運動面14cにはエアパッド部16Cが設けられ、
運動面14dには、エアパッド部16Dが設けられている。なお、エアパッド部16B1
,16B2は、運動面14bにおいて、運動面14aのエアパッド部16A1,16A2に対応する位置に設けられている。また、エアパッド部16Dは、運動面14dにおいて、運動面14cにおけるエアパッド部16Cに対応する位置に設けられている。
【0039】
そして、エアパッド部16A1,16A2,16B1,16B2,16C,16Dは、対応する運動面14a,14b,14c,14dにおいて、Y方向の中央部に設けられる。
【0040】
また、可動体13には、エアパッド部16A1,16C,16B1の周囲に、エアパッド部16A1,16C,16B1から供給された加圧流体を回収する環状の回収溝17Aが設けられる。また、可動体13には、図7に示すように、エアパッド部16A2,16D,16B2の周囲に、エアパッド部16A2,16D,16B2から供給された加圧流体を回収する環状の回収溝17Bが設けられる。
【0041】
図8は、可動体13の部分拡大図である。図8に示すように、回収溝17Aは、エアパッド部16A1,16C,16B1を3重に取り囲むように設けられており、エアパッド部16A1,16C,16B1に最も近い回収溝31Aと、回収溝31Aの周囲を取り囲む回収溝32Aと、回収溝32Aの周囲を取り囲む回収溝33Aとを有する。回収溝17
Bも同様の構成をしている。
【0042】
図9は、図7の破線M−Mの断面であって、エアパッド部16A1,16B1,16Cが設けられた部位の拡大図である。図9に示すように、可動体13の内部には、供給流路36が設けられている。エアパッド部16A1,16B1,16Cには、供給流路36により流体が供給される。この供給流路36は、可動体13の外部に設けられた供給路(不図示)に連通している。このように、各エアパッド部16A1,16B1,16Cは、同一の供給流路36に接続されるため、同一圧力の加圧流体を噴出させることができる。可動体13は、側面に凹部38を有し、外部の供給路は、凹部38に挿通されて、凹部38の底面に接続される。凹部の底面には、供給流路36の開口があり、その開口に上記供給路が接続される。なお、図9は、断面図であるため、開口37は、供給流路36の一部である。図9の開口37と可動体13の凹部底面に設けられた開口とは、供給流路36によって連通している。
【0043】
回収溝31A,32A,33Aは、図5に示した、固定体12の平板12a上に設けら
れた貫通孔41H、42H、43Hを介して排気管に接続される。回収溝31A,32A,33Aは、それらの排気管を介して真空チャンバ(図示略)の外部に連通し、加圧流体を真空容器外部に排気できるように構成されている。図示していないが、回収溝31Aおよび貫通穴41Hに連通する配管は真空容器外部の大気に開放しており、回収溝32Aおよび貫通穴42Hに連通する配管は、ドライポンプにより排気されており、回収溝33Aおよび貫通穴43Hに連通する配管は、ターボ分子ポンプにより排気されている。すなわち、3重の回収溝31A,32A,33Aは、エアパッド部から離れる程、真空度が良くなる。これは、回収溝17Bの構成についても同様である。
【0044】
本実施の形態による案内装置11Aでは、可動体13の外周面にエアパッド部16A1,16A2,16B1,16B2,16C,16Dおよび回収溝17A,17Bが設けられていることから、それらを固定体12の案内溝Kの内面に設けた場合と比較して、エアパッド部16A1,16A2,16B1,16B2,16C,16Dおよび回収溝17A,17Bを形成しやすく、それらの寸法や位置の精度を高めることができる。また、3つの平板12a〜12cの表面にエアパッド部および回収溝を個別に形成した後、それらの平板12a〜12cを張り合わせるといった工程も不要であるから、各平板12a〜12cに設けた回収溝の端部の位置がずれるといった問題も生じない。その結果、回収溝が良好に連通して、固定体2の外表面と可動体3の内周面との間に形成される隙間に供給される流体の状態を、隙間全体でより均一にすることができるので、可動体3をより安定して移動させることができる。
【0045】
また、本実施の形態による案内装置11Aによれば、一対の固定体12A,12Bの間で可動体13が移動可能であるから、一対の固定体12A,12Bの間隔(図5では、X方向における間隔)を広くすることより、可動体13を大型化することができる。また、一対の固定体12A,12Bが、可動体13の両側に位置し、各固定体12の可動体13に対向する表面は、該可動体13の端部を収容する凹状の案内溝Kを備えることから、固定体12が外側に露出する。よって、固定体12にベース等を取り付けることによって固定体12を補強し、固定体12の延在方向に沿って、平行度又は真直度を良好に保持することができる。従って、可動体13の位置精度を悪化させることなく、可動体13を円滑に移動させることができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図10に示す静圧スライダ11Bが、図5に示す静圧スライダ11Aと異なる点は、一対の固定体12A,12Bが、Y方向における両端部に、可動体13の移動を制限する制限部を有している点である。本実施の形態による制圧スライダ11Bにおいて、これらの制
限部は、Y方向に対して交わる平板12d,12eである。この構成により、固定体12と可動体13の対向する表面間の隙間から加圧流体が外部に漏洩することをさらに抑制することができる。なお、凹状の案内溝Kを凹部Kとみなすなら、この平板12d、12eは、固定体12A,12Bにおいて、第1方向に対して交わる凹部Kの側面を構成する。
【0047】
また、平板12d,12eは、平板12a〜12cのY方向における両端部をより確実に固定する。これにより、エアパッド部16から加圧流体が供給されたときに、その流体の圧力によって、固定体12の各平板12a〜12cが外側に凸となり、固定体12と可動体13とによって形成される隙間が大きくなって、案内溝Kが変形してしまうことを抑制することができる。よって、これらの平板12d,12eを設けることにより、平板12aと可動体13との間の距離、平板12bと可動体13との間の距離、および平板12cと可動体13との間の距離を、Y方向に渡ってより確実に一定にすることが可能になり、可動体13をより安定して移動させることができる。
【0048】
(第4の実施の形態)
図11に示すように、本実施形態による静圧スライダ11Cには、第3の実施形態で説明した制限部は、設けられず、可動体13のY方向における移動距離は、第3の実施形態の静圧スライダ11Bよりも大きい。よって、可動体13のY方向における移動距離が大きいとき、可動体13のY方向における端部は、一対の固定体12A,12BのY方向における端部から突出する場合がある。従って、本実施の形態による静圧スライダ11Cでは、可動体13が、可動体13の位置にかかわらず運動案内面15a,15b,15cのいずれかと対向する第1の部位S1と、可動体13の位置に応じて運動案内面15a,15b,15cのいずれかによって覆われたり、外部に露出したりする、すなわち可動体13の位置に応じて運動案内面15a,15b,15cに対向しなくなる第2の部位S2とを有している。
【0049】
図12に示すように、加圧流体を供給するエアパッド部16A1,16A2,16B1,16B2,16C,16Dは、可動体13の第1の部位S1に設けられている(図12において、エアパッド部16B1,16B2,16Dは不図示)。具体的には、第1の部
位S1の運動面14aに対応する領域S1a1,S1a2には、エアパッド部16A1,
16A2が設けられ、運動面14bに対応する領域S1b1,S1b2には、エアパッド部16B1,16B2が設けられ、運動面14cに対応する領域S1cには、エアパッド部16Cが設けられ、運動面14dに対応する領域S1dには、エアパッド部16Dが設けられている。領域S1a1,S1a2は、運動面14aの両端部に位置し、領域S1b1,S1b2は、運動面14bの両端部に位置する。
【0050】
また、エアパッド部16A1,16C,16B1から供給された加圧流体を回収する環状の回収溝17Aも、領域S1a1,領域S1c,領域S1b1に渡って設けられている
。また、エアパッド部16A2,16D,16B2から供給された加圧流体を回収する環状の回収溝17Bも、領域S1a2,領域S1d,領域S1b2に渡って設けられている

【0051】
本実施の形態による静圧スライダ11Cによれば、可動体13の第2の部位S2に欠けが生じた場合でも、第1の部位S1に回収溝17が設けてあるため、欠けと回収溝17とが連通することはなく、加圧流体が静圧スライダ11Cの外部、例えば真空チャンバ内に漏れることを抑制できる。この作用効果については、図13を用いてより詳しく説明する。
【0052】
図13は、本実施の形態による案内装置11Cの動作を説明する模式的な図であり、(a)〜(d)は、案内装置を透視した図である。特に、(c),(d)は、案内装置11
Cを矢印Nの方向から透視した図である。なお、図13では、図示の簡単のために、説明に必要な案内装置の構成要素のみを記載している。ここで、(c),(d)は、本実施の形態による案内装置11C、すなわち可動体13にエアパッド(不図示)及び回収溝17を設けた場合を示しており、(a),(b)は、比較のために、固定体12にエアパッド(不図示)及び回収溝17’を設けた場合を示している。
【0053】
可動体13の第2の部位S2は、可動体13の位置によっては外部に露出することがあるために、欠け又は傷などの欠損が生じ易い。特に、可動体13が矩形状である場合には、その稜線部分は欠けが生じ易い。例えば、図12(a)のように、可動体12に欠けPが生じた場合、固定体12に回収溝17’が設けてあると、(b)のように、可動体13が移動した場合に、固定体12の回収溝17’と欠けPとが連通して、この欠けPを通して、加圧流体が静圧スライダの外部に漏れる場合がある。
【0054】
しかし、本実施の形態による静圧スライダ11Cによれば、(c)に示すように、可動体12に欠けPが生じた場合でも、可動体12に回収溝17が設けてあるため、(d)に示すように、欠けPと回収溝17とが連通することはなく、加圧流体が静圧スライダ11Cの外部に漏れることを抑制できる。
【0055】
(第5の実施形態)
図14−図16に示すように、本実施形態による静圧スライダ11Dは、可動部材53を有する。可動部材53は、可動体13に対向する表面を有する。そして、可動体13と可動部材53の対向する表面間に加圧流体が供給されることにより、可動部材53は、可動体13の表面に沿って移動可能となる。すなわち、可動部材53を可動体13の移動方向とは異なる方向に移動させることにより、2方向に移動させることが可能なステージ機構を実現することができる。本実施の形態による静圧スライダ11Dでは、可動部材53が、可動体13の移動に伴ってY方向に移動するとともに、Y方向に垂直なX方向に移動可能である。また、図14−図16において、可動部材53にステージ台Stが取り付けられている。
【0056】
具体的に、可動体13は、図15に示すように、穴部54を有し、該穴部54の開口55がX方向に延在する。この穴部54は、可動体13の内部に設けられた空洞部であり、開口55は、可動体13の表面に設けられて空洞部に連通する。可動部材53は、穴部54に収容される一対の被収容部分56を有している。被収容部分56は、可動部材53のY方向の両端部に位置し、両端部に位置する2つの被収容部分56は中間部分57によって連結される。すなわち、可動部材53は、2つの被収容部分56とそれらを連結する中間部分57とを有している。なお、中間部分57は、穴部54の開口55に露出している。ステージStは、中間部分57に取り付けられる。
【0057】
図15に示すように、被収容部分56には、加圧流体を供給するエアパッド部58A,58B,58Cが設けられている(図15において、エアパッド部58Bは不図示)。具体的には、可動部材53は、被収容部分56において運動面60a,運動面60b,60cを有する。運動面60aと運動面60bは対向し、運動面60cは、これら運動面60a,60bに垂直に交わる。運動面60aには、エアパッド部58Aが設けられ、運動面60bには、エアパッド部58Bが設けられ、運動面60cには、エアパッド部58Cが設けられている。
【0058】
そして、エアパッド部58A,58B,58Cは、対応する運動面60a,60b,60cにおいて、X方向の中央部に設けられる。
【0059】
また、可動部材53は、被収容部分56におけるエアパッド部58A,58B,58C
の周囲に、エアパッド部58A,58B,58Cから供給された加圧流体を回収する環状の回収溝59を有する。この回収溝59の構成は、図8で示した回収溝の構成と同様である。
【0060】
上記エアパッド部58A,58B,58Cは、可動部材53の被収容部分56の表面と穴部54の内面との間に形成された隙間に流体を供給する。可動部材53は、この流体を介して可動部13の穴部54の内面に対して移動可能である。
【0061】
本実施の形態による案内装置11Dによれば、一対の固定体12A,12Bは、可動体13の移動方向に垂直な方向において可動体13の両側に位置し、各固定体12A,12Bの可動体13に対向する表面は可動体13の端部を収容する凹状の案内溝Kを備えており、該案内溝Kの内面と可動体13との間に加圧流体が供給されることから、固定体12A,12Bにベース等を取り付けることによって固定体12A,12Bを補強し、固定体12A,12Bの延在方向に沿って、平行度又は真直度を良好に保持することができる。従って、可動体13の位置精度を悪化させることなく、可動体13を円滑に移動させることができる。
【0062】
また、本実施の形態による案内装置11Dによれば、可動体13に、例えばレール等の固定体を挿通する穴部を形成する必要がない。よって、可動体13の内部に、可動部材53を移動させるための機構を形成することが容易になり、かつ、そのような機構を形成するためのスペースを広く確保することができる。
【0063】
従って、位置精度の良い可動体13に可動部材53を移動させるための機構を形成することができるから、位置精度が良く、2方向に移動可能なステージ機構を構成することができる。
【0064】
なお、上述した第2乃至第5の実施の形態による案内装置では、流体供給部および回収溝を、可動体となる端部の外面に設け、それらが一対の固定体の案内溝の内面によって覆われる構成としたが、流体供給部および回収溝を設ける部位はこれらに限らない。流体供給部および回収溝を、可動体の移動方向に平行な中心軸の周りに外向きに設けられた外向き面に設け、それら流体供給部および前記回収溝が、内向き面によって覆われるような構成であればよい。この場合、外向き面および内向き面は、それぞれ、可動体および固定体のいずれの表面であってもよく、互いに対向していればよい。
【0065】
上述した案内装置は、例えば、真空または減圧雰囲気とされたチャンバ内において、半導体製造装置のステージを駆動するために使用することができる。このような半導体製造装置の代表的なものとして、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子線(EB)描画装置、フォーカスイオンビーム(FIB)描画装置、又はX線露光装置がある。
【符号の説明】
【0066】
1,11A,11B,11C,11D 案内装置
2,12A,12B 固定体
3,13 可動体
12a,12b,12c 平板
4a,4b,4c,4d,14a,14b,14c,14d 運動面
5a,5b,5c,5d,15a,15b,15c 運動案内面
6A,6B,6C,6D,16A1,16A2,16B1,16B2,16C,16D エアパッド部
7A,7B,7C,7D,17A,17B 回収溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面を有する固定体と、前記第1表面に対向する第2表面を有する可動体とを備え、前記第1表面および前記第2表面の間に形成される隙間に供給された流体を介して前記可動体が前記第1表面に沿って第1方向に移動可能な案内装置であって、
前記第1表面および前記第2表面の一方は、前記可動体の移動方向に平行な中心軸の周りに外向きに設けられた外向き面であるとともに、前記隙間に前記流体を供給する流体供給部と該流体供給部を環状に取り囲んで前記流体を回収する回収溝とが設けられており、
前記第1表面および前記第2表面の他方は、移動可能な範囲で前記流体供給部および前記回収溝を覆う内向き面であることを特徴とする案内装置。
【請求項2】
前記外向き面は、複数の平面からなり、前記回収溝は、前記複数の平面のうち少なくとも隣り合う2つの平面に渡って設けられている請求項1に記載の案内装置。
【請求項3】
前記固定体は、前記第1方向に延在する軸部材であるとともに、前記可動体は、前記軸部材に沿って前記第1方向に移動可能な筒状部材であり、
前記第1表面は、前記軸部材の外周面であり、前記第2表面は、前記筒状部材の内周面である請求項1または2に記載の案内装置。
【請求項4】
前記固定体は、互いに対向して前記第1方向に延びる案内溝を有する一対の溝状部材であり、前記可動体は、移動方向に垂直な第2方向において前記一対の溝状部材の前記案内溝間に位置しているとともに、前記第2方向の端部がそれぞれ前記溝状部材の前記案内溝に収容されており、
前記第1表面は、前記一対の溝状部材の前記案内溝の内面であり、前記第2表面は、前記可動体の前記端部の外面である請求項1または2に記載の案内装置。
【請求項5】
前記第1表面および前記第2表面の一方は、前記流体供給部および前記回収溝に対応して前記可動体の位置にかかわらず前記第1表面および前記第2表面の他方に対向する第1の部位と、前記可動体の位置に応じて前記第1表面および前記第2表面の他方に対向しなくなる第2の部位とを有しており、
前記流体供給部および前記回収溝は、前記第1の部位に設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の案内装置。
【請求項6】
前記一対の溝状部材は、それぞれ前記可動体の移動方向の両端部に、前記可動体の移動を制限する制限部を有する請求項4に記載の案内装置。
【請求項7】
前記可動体は第3表面を備え、
前記第3表面に対向する第4表面を有し、前記第3表面および前記第4表面の間に形成される隙間に供給された第2流体を介して前記可動体の移動方向とは異なる方向に移動可能な可動部材を備え、
前記第3表面または前記第4表面に、前記隙間に前記第2流体を供給する第2流体供給部が設けられている請求項4または請求項6に記載の案内装置。
【請求項8】
前記可動体は、開口が前記可動部材の移動方向に延在した穴部を有し、
前記可動部材は、前記穴部に収容される被収容部分を有しており、
前記第2流体供給部は、前記可動部材の前記被収容部分の表面に設けられている請求項7に記載の案内装置。
【請求項9】
前記可動部材の移動方向は、前記第2方向に平行である請求項7または請求項8に記載の案内装置。
【請求項10】
第1方向に延在する一対の固定体と、該一対の固定体に沿って前記第1方向に移動可能な可動体とを有する静圧スライダであって、
前記一対の固定体は、前記第1方向に垂直な第2方向において前記可動体の両側に位置し、前記各固定体の前記可動体に対向する表面は該可動体の前記第2方向における端部を収容する凹部を備えており、該凹部の内面と前記可動体との間に加圧流体が供給される静圧スライダ。
【請求項11】
前記固定体と前記可動体との対向する表面間に加圧流体を供給する第1流体供給部を有しており、前記第1流体供給部は、前記可動体の表面に設けられている請求項10に記載の静圧スライダ。
【請求項12】
前記第1流体供給部の周囲に前記加圧流体を回収する回収溝を有しており、前記回収溝は、前記可動体の表面に設けられている請求項11に記載の静圧スライダ。
【請求項13】
前記固定体および前記可動体は、互いに対向する第1表面および第2表面を有し、
前記可動体の前記第2表面は、前記可動体の位置にかかわらず前記第1表面によって覆われている第1の部位と、前記可動体の位置に応じて外部に露出する第2の部位とを有しており、
前記第1流体供給部は、前記第1の部位に設けられていて、該第1の部位は、前記第1流体供給部の周囲に、前記加圧流体を回収する回収溝を有している請求項11に記載の静圧スライダ。
【請求項14】
前記一対の固定体は、前記第1方向における端部において、前記第1方向に対して交わる前記凹部の側面を有する請求項10から請求項13のいずれかに記載の静圧スライダ。
【請求項15】
前記可動体に対向する表面を有し、前記第1方向とは異なる第3方向に移動可能な可動部材と、
前記可動体と前記可動部材との対向する表面間に、前記加圧流体を供給する第2流体供給部とを有する請求項10から請求項14のいずれかに記載の静圧スライダ。
【請求項16】
前記可動体は、穴部を有し、該穴部の開口が前記第3方向に延在し
前記可動部材は、前記穴部に収容される被収容部分を有しており、
前記第2流体供給部は、前記可動部材の前記被収容部分の表面に設けられる請求項15に記載の静圧スライダ。
【請求項17】
前記第3方向は、前記第2方向に平行である請求項15または請求項16に記載の静圧スライダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−247405(P2011−247405A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171405(P2010−171405)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】