検体検査装置、検査情報管理装置及び検査情報出力方法
【課題】 技術者が、誤って個人情報を外部に出力してしまうリスクを低減するとともに、使用者が、必要とする個人情報を含めて分析結果を出力することを可能とする検体検査装置及び検査情報管理装置を提供する。
【解決手段】
情報処理ユニット5は、CPU51aと、使用者認証テーブルTB1、患者属性情報テーブルTB2、及び検査結果テーブルTB3を有するハードディスク51dとを備える。操作者が検体検査装置にログインするとき、情報処理ユニット5は、使用者ID及びパスワードの入力を受け付け、使用者認証を行う。ログインされた操作者が一般使用者である場合、患者ID、患者の氏名、担当医、病棟、患者コメント等の患者属性情報を検査結果と共に出力する。一方、ログインされた操作者が技術者である場合、患者属性情報を出力することなく、検査結果を出力する。
【解決手段】
情報処理ユニット5は、CPU51aと、使用者認証テーブルTB1、患者属性情報テーブルTB2、及び検査結果テーブルTB3を有するハードディスク51dとを備える。操作者が検体検査装置にログインするとき、情報処理ユニット5は、使用者ID及びパスワードの入力を受け付け、使用者認証を行う。ログインされた操作者が一般使用者である場合、患者ID、患者の氏名、担当医、病棟、患者コメント等の患者属性情報を検査結果と共に出力する。一方、ログインされた操作者が技術者である場合、患者属性情報を出力することなく、検査結果を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者から採取された検体を検査する検体検査装置、検査に関する情報を管理する検査情報管理装置、および検体検査装置における検査情報の出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検体を分析する分析装置には、被験者から採取された検体を検査して得られた分析結果と、例えば氏名のような被験者を特定可能な個人情報とが記憶されている。このような被験者を特定可能な個人情報は、個人情報保護のために外部への漏洩の防止が要請されている。
【0003】
特許文献1には、病院などの施設内に設置される分析装置と、施設外部に設置される管理サーバとを備えた分析システムが開示されている。特許文献1には、施設内の分析装置から施設外部の管理サーバへ分析結果を送信する際に、個人情報を秘匿して分析結果を送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−020309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、施設内に設置された分析装置から分析結果を画面表示する場合に、被験者の個人情報を秘匿する必要性について何ら記載されていない。このことから、特許文献1の技術には次のような問題がある。
分析装置は、それが設置されている施設の外部の人間、例えば分析装置のメンテナンスを実行するサービスマンによっても操作されることがある。サービスマンは施設内に設置された分析装置を操作して分析結果を画面表示し、表示された分析結果を参照してメンテナンスを行うことがあるが、特許文献1の技術では、このような場合には個人情報が秘匿されないため、本来個人情報が開示されるべきでない施設外部の人間に対して個人情報が開示されてしまうことになる。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、施設内に設置された分析装置が施設外部の人間によって操作された場合であっても、個人情報の秘匿が可能な検体検査装置、検査情報管理装置、および検査情報出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の検体検査装置は、検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報の入力を受け付ける被験者属性情報受付手段と、検体を検査して検査結果を取得する検査結果取得手段と、被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、操作者から当該操作者を識別するための識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、を備える。
【0008】
この態様においては、前記記憶部が、識別情報と、前記第1種別情報又は前記第2種別情報とを対応付けて記憶することが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記被験者属性情報が、被験者を特定可能な属性情報からなる項目と、被験者の他の属性の情報からなる項目とを含む複数の項目からなり、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含み、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記検体検査装置が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に出力対象から除外する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける除外項目受付手段をさらに備え、前記出力手段が、前記除外項目が設定されている場合であって、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記除外項目以外の項目の情報を含み、且つ当該被験者属性情報に係る検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記検体検査装置が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に出力を制限する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける出力制限項目受付手段をさらに備え、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち出力を制限する項目として設定された項目および被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記記憶部が、前記被験者を特定可能な属性情報として被験者の氏名を含む被験者属性情報を記憶するように構成されており、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、出力を制限する項目に被験者の氏名からなる項目を常に含むように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を表示可能に構成されていることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記出力手段が、被験者属性情報を表示する第1領域と、検査結果を表示する第2領域とを含む検査結果画面を表示可能であり、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報を前記第1領域に含み、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を前記第1領域に含まず、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記検査結果に加え、前記検査結果を補助する補助情報を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記出力手段が、外部記憶媒体を着脱可能であり、且つ、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を前記外部記録媒体に書き込み可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を外部コンピュータへ送信可能に構成されていることが好ましい。
【0018】
また、上記態様においては、前記記憶部が、年齢及び性別を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として血球計数検査の結果を記憶するように構成されており、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢及び性別以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0019】
また、上記態様においては、前記記憶部が、年齢、性別及び被験者が属する診療科を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として尿中有形成分検査の結果を記憶するように構成されており、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢、性別及び診療科以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0020】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が検体検査装置を使用するユーザであることを示す前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が前記検体検査装置のメンテナンスを実行するサービスマンであることを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0021】
また本発明の一の態様の検査情報管理装置は、検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、操作者から当該操作者に係る識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、を備える。
【0022】
また本発明の一の態様の検査情報出力方法は、検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを記憶する検体検査装置における検査情報出力方法であって、検体検査装置の操作者を識別するための識別情報の入力を受け付け、受け付けた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、受け付けた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る検体検査装置、検査情報管理装置、及び検査情報出力方法によれば、第1の種別に属する操作者によって検体検査装置又は検査情報管理装置が操作される場合には、必要とされる被験者属性情報を含む第1検査情報が出力され、また第2の種別に属する操作者によって検体検査装置又は検査情報管理装置が操作される場合には、被験者属性情報のうち少なくとも一部を含まない第2検査情報が出力されるため、誤って個人情報が出力されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る検体処理装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】検体容器の外観を示す斜視図。
【図3】サンプルラックの外観を示す斜視図。
【図4】実施の形態に係る測定ユニットの構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図6A】ユーザ認証テーブルの構造を示す模式図。
【図6B】患者属性情報テーブルの構造を示す模式図。
【図6C】検査結果テーブルの構造を示す模式図。
【図7】実施の形態に係る検査情報管理装置の構成を示すブロック図。
【図8】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによるログイン処理の流れを示すフローチャート。
【図9】サービスモードにおけるメニュー画面の画面構成を示す図。
【図10A】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検体測定処理の流れを示すフローチャート(前半)。
【図10B】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検体測定処理の流れを示すフローチャート(後半)。
【図11】ユーザモード用の検査結果画面の一例を示す図。
【図12】サービスモード用の検査結果画面の一例を示す図。
【図13】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【図14】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果表示切替処理の流れを示すフローチャート。
【図15】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果保存処理の流れを示すフローチャート。
【図16】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果印刷・送信処理の流れを示すフローチャート。
【図17】実施の形態に係る検査情報管理装置によるログイン処理の流れを示すフローチャート。
【図18】実施の形態に係る検査情報管理装置による検査結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
本実施の形態は、検体が採取された患者の氏名、年齢、性別等の属性を示す患者属性データと、検体の検査結果とを対応付けて記憶しておき、しかも、操作者のユーザIDと、操作者の種別(ユーザ、サービスマン)を示す種別情報とを対応付けて記憶しておき、種別がユーザである操作者がログインした場合には、患者属性データ及び検査結果の両方を画面に表示し、種別がサービスマンである操作者がログインした場合には、患者属性データを表示せず、検査結果を画面に表示する検体検査装置である。
なお、この明細書において、「ユーザ」とは、検体検査装置が設置される施設において日常的に検体検査装置を使用して検査を行う者を意味するものとする。具体的には臨床検査技師がユーザに該当する。
また、この明細書において、「サービスマン」とは、検体検査装置が設置される施設に赴いて検体検査装置の保守点検及びメンテナンスを実行する者を意味するものとする。
また、この明細書においては、「被験者属性情報」を「患者属性データ」ともいうものとする。この患者属性データは、少なくとも患者を特定可能な属性の情報を含んでいる。本実施形態において、「患者を特定可能な属性の情報」とは、患者の氏名を意味するものとする。本実施の形態においては、患者属性データは、患者の氏名に加えて、患者の性別、生年月日、病棟、担当医、および医師による患者コメント等を含んでいる。
【0027】
[検体検査装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る検体検査装置の全体構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体検査装置1は、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等を検出し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。図1に示すように、検体検査装置1は、測定ユニット2と、測定ユニット2の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4を制御可能な情報処理ユニット5とを備えている。
【0028】
図2は、検体を収容する検体容器の外観を示す斜視図であり、図3は、複数の検体容器を保持するサンプルラックの外観を示す斜視図である。図2に示すように、検体容器Tは、管状をなしており、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tは、透光性を有するガラス又は合成樹脂により構成されており、内部の血液検体が視認可能となっている。また、検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。このバーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。図3に移り、サンプルラックLは、10本の検体容器Tを並べて保持することが可能である。サンプルラックLでは、各検体容器Tが垂直状態(立位状態)で保持される。また、サンプルラックLの側面には、バーコードラベルBL2が貼付されている。このバーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0029】
<測定ユニットの構成>
図4は、測定ユニットの構成を示すブロック図である。図4に示すように、測定ユニット2は、検体である血液を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製された測定試料から血球を検出(測定)する検出部23とを有している。また、測定ユニット2は、検体搬送ユニット4のラック搬送部43によって搬送されたサンプルラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込むための取込口(図1参照)と、サンプルラックLから検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。
【0030】
図4に示すように、検体吸引部21には、吸引管211が設けられている。また、検体吸引部21は、鉛直方向に移動可能であり、下方に移動されることにより、吸引位置まで搬送された検体容器Tの蓋部CPを前記吸引管211が貫通し、内部の血液を吸引するように構成されている。
【0031】
試料調製部22は、複数の反応チャンバ(図示せず)を備えている。また、試料調製部22は、図示しない試薬容器に接続されており、染色試薬、溶血剤、及び希釈液等の試薬を反応チャンバに供給することが可能である。試料調製部22は、検体吸引部21の吸引管211とも接続されており、吸引管211により吸引された血液検体を反応チャンバに供給することが可能である。かかる試料調製部22は、反応チャンバ内で検体と試薬とを混合撹拌し、検出部23による測定用の試料(測定試料)を調製する。
【0032】
検出部23は、RBC(赤血球)検出及びPLT(血小板)検出をシースフローDC検出法により行うことが可能である。このシースフローDC検出法によるRBC及びPLTの検出においては、検体と希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりRBC及びPLTの数値データの取得が行われる。また、検出部23は、HGB(ヘモグロビン)検出をSLS−ヘモグロビン法により行うことが可能であり、WBC(白血球)、NEUT(好中球)、LYMPH(リンパ球)、EO(好酸球)、BASO(好塩基球)、及びMONO(単球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。この検出部23では、白血球の測定により得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することにより、NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO、及びWBCの数値データの取得が行われる。
【0033】
検体容器搬送部25の構成について説明する。検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aを備えている。ハンド部25aは、互いに対向して配置された一対の把持部材を備えており、この把持部材を互いに近接及び離反させることが可能であり、把持部材により検体容器Tを把持することができる。また、検体容器搬送部25は、ハンド部25aを上下方向及び前後方向(Y方向)に移動させることができ、さらに、ハンド部25aを揺動させることができる。これにより、サンプルラックLに収容され、検体供給位置43aに位置した検体容器Tをハンド部25aにより把持し、その状態でハンド部25aを上方に移動させることによりサンプルラックLから検体容器Tを抜き出し、ハンド部25aを揺動させることにより、検体容器T内の検体を撹拌することができる。
【0034】
また、検体容器搬送部25は、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。上述したハンド部25aによって把持された検体容器Tは、撹拌完了後移動され、把持した検体容器Tが検体容器セット部25bの穴部に挿入される。検体容器セット部25bは、検体吸引部21による吸引位置21aへ移動可能である。検体容器セット部25bが吸引位置へ移動したときには、検体吸引部21により、セットされた検体容器Tから検体が吸引される。
【0035】
<検体搬送ユニットの構成>
次に、検体搬送ユニット4の構成について説明する。図1に示すように、検体検査装置1の測定ユニット2の前方には、検体搬送ユニット4が配置されている。かかる検体搬送ユニット4は、測定ユニット2へ検体を供給するために、サンプルラックLを搬送することが可能である。
【0036】
図4に示すように、検体搬送ユニット4は、分析が行われる前の検体を収容する検体容器Tを保持する複数のサンプルラックLを一時的に保持することが可能な分析前ラック保持部41と、測定ユニット2によって検体が吸引された検体容器Tを保持する複数のサンプルラックLを一時的に保持することが可能な分析後ラック保持部42と、検体を測定ユニット2に供給するために、サンプルラックLを図中矢印X1又はX2方向へ水平に直線移動させ、分析前ラック保持部41から受け付けたサンプルラックLを分析後ラック保持部42へ搬送するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、検体容器Tの有無を検知する検体容器センサ45とを備えている。
【0037】
分析前ラック保持部41は、平面視において四角形をなしており、その幅はサンプルラックLの幅より若干大きくなっている。この分析前ラック保持部41は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析前のサンプルラックLが載置される。また、分析前ラック保持部41の両側面からは、内側へ向けてラック送込部41bが突出可能に設けられている。このラック送込部41bが突出することによりサンプルラックLと係合し、この状態で後方(Y2方向)へ移動することにより、サンプルラックLが後方(Y2方向)へと移送される。かかるラック送込部41bは、分析前ラック保持部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動可能に構成されている。
【0038】
ラック搬送部43は、分析前ラック保持部41によって移送されたサンプルラックLを、ベルトによって前記X1及びX2方向へと移送可能となっている。このラック搬送部43によるサンプルラックLの搬送経路上には、検体供給位置43a及びバーコード読取位置43cが存在する。検体供給位置43aは、図4に示す測定ユニット2へ検体を供給するための位置であり、バーコード読取位置43cは、バーコード読取部44が検体容器TのバーコードラベルBL1に印刷されたバーコードを読み取るための位置である。
【0039】
バーコード読取部44は、図2に示した検体容器TのバーコードラベルBL1に印刷されたバーコードを読み取り、またサンプルラックLに貼付されたバーコードラベルBL2に印刷されたバーコードを読み取るように構成されている。また、サンプルラックLのバーコードラベルBL2に印刷されたバーコードは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。ラック搬送部43によるサンプルラックLの搬送経路上には、上述した検体供給位置43aよりX2方向側にバーコード読取位置43cが設けられており、上記のようなバーコード読取部44は、このバーコード読取位置43cの近傍に配置されている。これにより、バーコード読取部44がバーコード読取位置43cに位置した検体容器Tの検体バーコードを読み取ることができる。
【0040】
また検体搬送ユニット4は、情報処理ユニット5によって制御され、検体供給位置43aに検体を搬送した場合には、測定ユニット2のハンド部25aが搬送された検体容器Tを把持し、サンプルラックLから検体容器Tを取り出すことで検体を測定ユニット2へ供給する。このようにして検体容器Tを把持したハンド部25aが前述したように測定ユニット2の筐体内へと進入し、これによって測定ユニット2内に検体が取り込まれる。
【0041】
検体容器センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片、光を出射する発光素子、及び受光素子(図示せず)を有している。検体容器センサ45は、接触片が検出対象の被検出物に当接することにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片により反射されて受光素子に入射するように構成されている。これにより検体容器センサ45の下方をサンプルラックLに収容された検出対象の検体容器Tが通過する際に、接触片が検体容器Tにより屈曲されて、検体容器Tを検出することが可能である。検体容器センサ45は、バーコード読取位置43cに設けられている。これにより、バーコード読取位置43cにおける検体容器Tの有無を検体容器センサ45で検出することができる。
【0042】
ラック搬送部43の搬送方向下流側端には、後述する分析後ラック保持部42が設けられており、この分析後ラック保持部42の後方にラック送出部46が設けられている。かかるラック送出部46は、図示しないステッピングモータの駆動力により矢印Y1方向に水平に直線移動するように構成されている。これにより、分析後ラック保持部42とラック送出部46との間の位置461(以下、「分析後ラック送出位置」という。)にサンプルラックLが搬送された場合に、ラック送出部46をY2方向に移動することによって、サンプルラックLを押動させて分析後ラック保持部42内に移動することが可能である。
【0043】
分析後ラック保持部42は、平面視において四角形をなしており、その幅はサンプルラックLの幅より若干大きくなっている。この分析後ラック保持部42は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析が完了したサンプルラックLが載置される。分析後ラック保持部42は、上記のラック搬送部43に連なっており、上述したように、ラック送出部46によって、ラック搬送部43からサンプルラックLが送り込まれるようになっている。
【0044】
上記のような構成とすることにより、検体搬送ユニット4は、分析前ラック保持部41に載置されたサンプルラックLをラック搬送部43へと移送し、さらにラック搬送部43によって検体をバーコード読取位置43cへと搬送し、検体容器の有無の検出及び検体IDの読み取りを行い、さらに検体IDを読み取った検体を第1検体供給位置43a又は第2検体供給位置43bへと搬送して、測定ユニット2又は第2測定ユニット3に供給することができる。また、吸引が完了した検体を収容するサンプルラックLは、ラック搬送部43により、分析後ラック送出位置461へと移送され、ラック送出部46により分析後ラック保持部42へ送出される。複数のサンプルラックLが分析前ラック保持部41に載置された場合では、分析が完了した検体を収容するサンプルラックLが次々にラック送出部46により分析後ラック保持部42へと送出され、これらの複数のサンプルラックLが分析後ラック保持部42に貯留されることとなる。
【0045】
<情報処理ユニットの構成>
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図5は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット5は、コンピュータ5aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ5aは、本体51と、画像表示部52と、入力部53とを備えている。本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0046】
CPU51aは、RAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような検体分析用並びに測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4の制御用のコンピュータプログラム54aを当該CPU51aが実行することにより、コンピュータ5aが情報処理ユニット5として機能する。
【0047】
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0048】
RAM51cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM51cは、ハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラム54aの読み出しに用いられる。また、CPU51aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
【0049】
ハードディスク51dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述するコンピュータプログラム54aも、このハードディスク51dにインストールされている。
【0050】
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム54aが格納されており、コンピュータ5aが当該可搬型記録媒体54からコンピュータプログラム54aを読み出し、当該コンピュータプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0051】
なお、前記コンピュータプログラム54aは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ5aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム54aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ5aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
【0052】
また、ハードディスク51dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム54aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0053】
また、ハードディスク51dには、ユーザ認証テーブルTB1と、患者属性情報テーブルTB2と、検査結果テーブルTB3とが設けられている。図6Aは、ユーザ認証テーブルTB1の構造を示す模式図であり、図6Bは、患者属性情報テーブルTB2の構造を示す模式図であり、図6Cは、検査結果テーブルTB3の構造を示す模式図である。図6Aに示すように、ユーザ認証テーブルTB1は、ユーザIDのフィールドF11、パスワードのフィールドF12、ユーザグループのフィールドF13を有するテーブルである。つまり、ユーザ認証テーブルTB1は、ユーザID、パスワード、及びユーザグループの情報を互いに対応付けた状態で記憶している。ユーザグループには、一般ユーザのグループである「ユーザ」と、サービスマンのグループである「サービスマン」とが存在する。操作者のユーザ情報を登録するときには、ユーザID、パスワード、及びユーザグループ(「ユーザ」又は「サービスマン」)を指定することで、これらの情報を含むレコードがユーザ認証テーブルTB1に登録される。かかるユーザ認証テーブルTB1は、後述するユーザ認証において用いられる。
【0054】
患者属性情報テーブルTB2は、患者IDのフィールドF21、氏名のフィールドF22、性別のフィールドF23、生年月日のフィールドF24、病棟のフィールドF25、担当医のフィールドF26、及び患者コメントのフィールドF27を有するテーブルである。つまり、患者属性情報テーブルTB2は、患者ID、氏名、性別、生年月日、患者が属する病棟、患者の担当医、及び患者に関する担当医のコメントの各情報を互いに対応付けた状態で記憶している。
【0055】
検査結果テーブルTB3は、検体IDのフィールドF31、患者IDのフィールドF32、WBCのフィールドF33、RBCのフィールドF34、HGB(ヘモグロビン)のフィールドF35、HCT(ヘマトクリット)のフィールドF36等の複数のフィールドを有するテーブルである。つまり、検査結果テーブルTB3は、検体ID、患者ID、及びRBC,PLT等の検査結果の各情報を互いに対応付けた状態で記憶している。
【0056】
また、上述したように患者属性情報テーブルTB2及び検査結果テーブルTB3には、共通した患者IDフィールドF21,F32が設けられている。したがって、患者属性情報テーブルTB2に格納された患者属性情報と、検査結果テーブルTB3に格納された検査結果とは、共通の患者IDによってリンクされており、互いに対応付けられている。例えば、図6Bに示す患者属性情報テーブルTB2の1行目の患者属性情報(患者ID「P01443」、氏名「特許太郎」、性別「男」、生年月日「1981/3/14」、病棟「4A」、担当医「田中」、患者コメント「○○傾向あり」)と、図6Cに示す検査結果テーブルTB3において共通の患者ID「P01443」を有する1行目の検査結果(献体ID「SN100021」、患者ID「P01443」、WBC「67.9」、RBC「502」、HGB「15.1」、HCT「28.6」、…)とは互いに対応付けられた状態でハードディスク51dに記憶されている。
【0057】
入出力インタフェース51fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又は IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース51fには、キーボード及びマウスからなる入力部53が接続されており、ユーザが当該入力部53を使用することにより、コンピュータ5aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース51fは、測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4に接続されている。これにより、情報処理ユニット5は、測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4のそれぞれを制御可能となっている。
【0058】
また、入出力インタフェース51fは、USBメモリ及び外付け型のハードディスク等の外部記憶装置8を接続可能であり、接続された外部記憶装置8に対するデータの読み書きが可能である。さらに、入出力インタフェース51fには、プリンタ9を接続可能である。これにより、操作者が入力部53から印刷の指示を与えることで、画像表示部52に表示されている情報をプリンタ9に印刷することができる。
【0059】
通信インタフェース51gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース51gはLANを介して検査情報管理装置6及び管理サーバ7に接続されている。コンピュータ5aは、通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された検査情報管理装置6及び外部コンピュータ7との間でデータの送受信が可能である。
【0060】
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部52に出力するようになっている。画像表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0061】
<検査情報管理装置の構成>
検査情報管理装置6は、施設内における検査に関する情報を管理する装置、所謂LIS(Laboratory Information System)であり、検体検査装置1だけでなく、他の検体検査装置にも接続されている。かかる検査情報管理装置6は、操作者から入力されたり、電子カルテシステム等の他の装置から送信された患者属性情報及びこの患者に対する検査オーダを受け付け、これらの情報を記憶、管理する。さらに、検査情報管理装置6は、検体検査装置1からのオーダ要求を受け付け、要求された検査オーダ及び当該検査オーダに係る患者属性情報を検体検査装置1へ送信し、また、検体検査装置1から検査結果を受信し、この検査結果を記憶、管理する。
【0062】
図7は、検査情報管理装置6の構成を示すブロック図である。検査情報管理装置6は、コンピュータ6aによって実現される。図7に示すように、コンピュータ6aは、本体61と、画像表示部62と、入力部63とを備えている。本体61は、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、及び画像出力インタフェース61hを備えており、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、及び画像出力インタフェース61hは、バス61jによって接続されている。後述する検査情報管理用のコンピュータプログラム64aをCPU61aが実行することにより、コンピュータ6aが検査情報管理装置6として機能する。なお、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、画像出力インタフェース61h、画像表示部62、及び入力部63の構成は、情報処理ユニット5のCPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51h、画像表示部52、及び入力部53の構成と同様である。
【0063】
検査情報管理用のコンピュータプログラム64aは、ハードディスク61dにインストールされている。またハードディスク61dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム64aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0064】
可搬型記録媒体64には、コンピュータを検査情報管理装置6として機能させるためのコンピュータプログラム64aが格納されており、コンピュータ6aが当該可搬型記録媒体64からコンピュータプログラム64aを読み出し、当該コンピュータプログラム64aをハードディスク61dにインストールすることが可能である。
【0065】
なお、前記コンピュータプログラム64aは、可搬型記録媒体64によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ6aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム64aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ6aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク61dにインストールすることも可能である。
【0066】
また、ハードディスク61dには、ユーザ認証テーブルTB4と、患者属性情報テーブルTB5と、検査結果テーブルTB6と、検査オーダテーブルTB7とが設けられている。ユーザ認証テーブルTB4、患者属性情報テーブルTB5、及び検査結果テーブルTB6は、上述したユーザ認証テーブルTB1、患者属性情報テーブルTB2、及び検査結果テーブルTB3のそれぞれと同様の構造のテーブルであるので、その説明を省略する。検査オーダテーブルTB7は、検体IDと、当該検体IDに対応する患者の患者属性情報と、検査を実施すべき検査項目(測定項目)とが対応付けられたテーブルである。
【0067】
入出力インタフェース61fには、キーボード及びマウスからなる入力部63が接続されている。通信インタフェース61gはLANを介して情報処理ユニット5に接続されている。コンピュータ6aは、通信インタフェース61gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された情報処理ユニット5との間でデータの送受信が可能である。また、画像出力インタフェース61hには、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部62が接続されている。
【0068】
[検体検査装置1の動作]
以下、本実施の形態に係る検体検査装置1の動作について説明する。
【0069】
患者の氏名、年齢、性別等の患者属性情報が、操作者によって入力されたり、他の装置から送信されたりして、検査情報管理装置6に与えられる。検査情報管理装置6は、受け付けた患者属性情報を患者属性情報テーブルTB5に登録する。このようにして、検査情報管理装置6に患者属性情報が記憶される。
【0070】
また、患者から検体が採取されると、その検体に対して検体IDが割り当てられ、この検体ID及び検査項目からなる検査オーダが、操作者によって入力されたり、他の装置から送信されたりして、検査情報管理装置6に与えられる。検査情報管理装置6は、受け付けた検査オーダを検査オーダテーブルTB7に登録する。このようにして、検査情報管理装置6に検査オーダが記憶される。
【0071】
<ログイン処理>
図8は、検体検査装置1の情報処理ユニット5によるログイン処理の流れを示すフローチャートである。コンピュータ5aが起動され、当該コンピュータ5aにコンピュータプログラム54aの実行指示が操作者から与えられると、CPU51aは、プログラム54aの初期設定を実行し(ステップS101)、画像表示部52にログイン画面を表示する(ステップS102)。ログイン画面には、ユーザIDとパスワードを入力するための入力ボックスがそれぞれ設けられており、操作者は、自分のユーザID及びパスワードを入力部53を用いて情報処理ユニット5に入力する。CPU51aは、ユーザID及びパスワードの入力を待機し(ステップS103においてNO)、ユーザID及びパスワードの入力を受け付けると(ステップS103においてYES)、ユーザ認証処理を実行する(ステップS104)。
【0072】
ユーザ認証処理において、CPU51aは、入力されたユーザID及びパスワードと、ユーザ認証テーブルTB1に登録されているユーザID及びパスワードとを照合し、入力されたユーザID及びパスワードが登録されたものであるかを判断する。ユーザ認証が失敗した場合には(ステップS105においてNO)、CPU51aはユーザ認証エラーの発生を通知する画面を表示し(ステップS106)、その後ステップS102へ処理を戻す。
【0073】
ユーザ認証が成功した場合には(ステップS105においてYES)、CPU51aはユーザ認証テーブルTB1において当該ユーザID及びパスワードを含むレコードの操作者グループを確認し、操作者グループが「ユーザ」であるか「サービスマン」であるかを判定する(ステップS107)。操作者グループが「ユーザ」である場合には(ステップS107において「ユーザ」)、CPU51aは検体検査装置1の動作モードを「ユーザモード」に設定する(ステップS108)。「ユーザ」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられている。つまり、「ユーザモード」とは、検体検査装置1において患者属性情報の出力が可能な動作モードである。「ユーザモード」の設定が完了すると、CPU51aは、「ユーザモード」用のメニュー画面を画像表示部52に表示し(ステップS109)、処理を終了する。
【0074】
一方、操作者グループが「サービスマン」である場合には(ステップS107において「サービスマン」)、CPU51aは検体検査装置1の動作モードを「サービスモード」に設定する(ステップS110)。「サービスマン」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられていない。つまり、「サービスモード」とは、検体検査装置1において患者属性情報の出力を制限する動作モードである。「サービスモード」の設定が完了すると、CPU51aは、「サービスモード」用のメニュー画面を画像表示部52に表示し(ステップS111)、処理を終了する。
【0075】
図9は、サービスモードにおけるメニュー画面の画面構成を示す図である。検体検査装置1のデータ処理ユニット5に表示される画面(ウィンドウ)は、どれもメニューバー、ツールバー及び作業領域を有している。メニュー画面801においてもメニューバー802、ツールバー803、及び作業領域804が設けられている。
【0076】
メニューバー802には、「ファイル」、「編集」、「表示」等のメニューが設けられており、これらのメニューを操作者がマウスのクリック操作等により選択することでプルダウンメニューが表示され、そのプルダウンメニューから所望の項目を選択することで当該項目に対応する操作(分析結果の外部記憶装置8への記憶、アプリケーションの終了等)を実行することができる。このメニューバー802は、メニュー画面801以外の画面においても共通した内容のもの(同一のメニュー)が表示される。
【0077】
ツールバー803には、複数のアイコンが設けられている。それぞれのアイコンは、ヘルプ画面の表示、マニュアル測定、サンプラ測定、メニュー画面の表示、ブラウザ画面の表示等、使用される頻度の高い操作に各別に対応しており、これらのアイコンをマウスのクリック操作等により選択することで、対応する操作(コマンド)を実行することができる。このツールバー803には、メニュー画面801以外の画面においても共通して表示される共通アイコンと、各画面において個別に表示される個別アイコンとが含まれている。ツールバー803に含まれるアイコン805が選択されると、後述するブラウザ画面の表示コマンドが実行され、ブラウザ画面に表示が遷移する。また、アイコン806が選択されると、検体測定のコマンドが実行され、検体の測定が開始される。これらのアイコン805、806は共通アイコンである。
【0078】
作業領域804には、複数のアイコンが設けられている。それぞれのアイコンは、エラー履歴画面、ユーザ及びサービスマンの共用のメンテナンス機能を実行することが可能なメンテナンス画面、サービスマン用の各種メンテナンス機能を実行することが可能なサービス画面等、メニュー画面以外の画面に表示を切り替えるための操作に各別に対応しており、これらのアイコンをマウスのクリック操作等により選択することで、対応する操作(コマンド)を実行することができる。この作業領域804は、メニュー画面801以外の画面ではその内容が異なるものとなっている。また、サービスモードにおけるメニュー画面801の作業領域804と、ユーザモードにおけるメニュー画面の作業領域とは、その内容が異なっている。アイコン807は、サービスマン用の各種メンテナンス機能を実行することが可能なサービス画面に表示を切り替えるためのサービスアイコンである。このサービスアイコン807はユーザモードにおけるメニュー画面では表示されない、サービスモードにおけるメニュー画面801固有のアイコンである。
【0079】
<検体測定処理>
図10A及び図10Bは、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検体測定処理の流れを示すフローチャートである。操作者は、検体を収容した検体容器Tを複数保持するサンプルラックLを分析前ラック保持部41に載置する。この状態で、オペレータは入力部53を操作し、情報処理ユニット5に検体測定の実行を指示する。情報処理ユニット5のCPU51aは、検体測定の実行指示を受け付け、図示しないセンサにより分析前ラック保持部41に載置されたサンプルラックLを検出すると、ステップS201の処理を実行する。
【0080】
ステップS201において、CPU51aは、検体搬送ユニット4を制御して、サンプルラックLを搬送させ、サンプルラックLに保持されている検体容器Tをバーコード読取位置43cに位置させる(ステップS201)。次にCPU51aは、当該検体容器TのバーコードラベルBL1の検体バーコードから検体IDをバーコード読取部44に読み取らせる(ステップS202)。
【0081】
CPU51aは、バーコード読取部44により読み取られた検体IDに対応する検査オーダを検査情報管理装置6へ問い合わせる(ステップS203)。これは、ネットワークを通じて接続されている検査情報管理装置6へ検体IDを含む検査オーダ要求データを送信することにより行われる。
【0082】
検査情報管理装置6は、検査オーダ要求データを受信すると、データに含まれる検体IDをキーとして、検査オーダテーブルTB7から該当する検査オーダを検索する。得られた検査オーダには、検体の採取元の患者に関する患者属性情報が含まれている。かかる検査オーダが、検査情報管理装置6から情報処理ユニット5へと送信される。
【0083】
情報処理ユニット5のCPU51aは、検査オーダの受信を待機し(ステップS204においてNO)、検査オーダを受信すると(ステップS204においてYES)、受信した検査オーダをハードディスク51dに記憶し、この検査オーダに含まれる患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2に登録する(ステップS205)。
【0084】
CPU51aは、当該検体容器Tが検体供給位置43aに位置するまでサンプルラックLを搬送する(ステップS206)。次にCPU51aは、測定ユニット2の検体容器搬送部25を制御して、検体容器TをサンプルラックLから抜き取り、測定ユニット2内に当該検体容器Tを取り込み、検体容器Tを吸引位置へ搬送する(ステップS207)。さらにCPU51aは、検体吸引部21を制御し、測定に必要な量の検体を検体容器Tから吸引させ(ステップS208)、試料調製部22を制御して、測定項目に対応した測定用試料を調製する(ステップS209)。CPU51aは、検出部23に測定試料を供給して、検出部23により検査オーダに含まれる各測定項目について検体の測定を行う(ステップS210)。これにより、CPU51aは、検出部23から出力される測定データを取得する。その後、CPU51aは、測定に使用した流路又は反応チャンバ等を洗浄する洗浄動作を実行する(ステップS211)。
【0085】
CPU51aは、測定データの解析処理を実行し(ステップS212)、RBC、PLT、HGB、WBC、NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONOの数値等を含む検査結果を得る。CPU51aは、このようにして取得した検査結果を検査結果テーブルTB3に登録する(ステップS213)。またCPU51aは、取得した検査結果を検体IDと共に検査情報管理装置6へと送信する(ステップS214)。送信された検査結果は検査情報管理装置6によって受信され、検査結果情報管理装置6のCPU61aは、受信した検査結果を検査結果テーブルTB6に登録する。
【0086】
さらにCPU51aは、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS215)、ユーザモードである場合には(ステップS215において「ユーザモード」)、当該検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS216)、「ユーザモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS217)、処理を終了する。一方、ステップS215において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、検査結果テーブルTB3から当該検体に係る検査結果を読み出し(ステップS218)、「サービスモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS219)、処理を終了する。上記のような検体測定処理は、サンプルラックLに保持されている全ての検体の検査を完了するまで、繰り返し実行される。
【0087】
図11は、ユーザモード用の検査結果画面の一例を示す図である。検査結果画面810には、メニューバー812、ツールバー813、及び作業領域814が設けられている。作業領域814には、検査結果の各種情報が表示される。具体的には、作業領域814内に、分析結果表示欄814a、フラグ表示欄814b、及び粒度分布図表示欄814cが設けられている。分析結果表示欄814aには、WBC、RBC、HGB等の検査項目の数値データが一覧形式で表示される。また、フラグ表示欄814bには、検体の検査結果に異常が発生していた場合において異常を示す情報等が表示される。粒度分布図表示欄814cには、RBC及びPLTのヒストグラム並びに白血球5分類(NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO)のスキャッタグラムが表示される。
【0088】
さらに作業領域814には、患者属性情報表示欄814dが設けられている。この患者属性情報表示欄814dには、患者属性情報(患者ID、患者の氏名、担当医、病棟、患者コメント)が表示される。
【0089】
メニューバー812には、「データ操作」メニューが設けられており、この「データ操作」メニューを操作者がマウスのクリック操作等により選択することでプルダウンメニューが表示され、そのプルダウンメニューに含まれる「バックアップ」の項目を選択することで、操作者は、作業領域814に表示されている検査結果及び患者属性情報を、入出力インタフェース51fに接続されている外部記憶装置8に保存する指示を検体検査装置1に与えることができる。
【0090】
ツールバー813には、個別アイコンである「出力」アイコン813aが含まれている。操作者はアイコン813aをマウスのクリック操作等により選択することで、作業領域814に表示されている検査結果及び患者属性情報を、入出力インタフェース51fに接続されているプリンタ9により印刷する指示又はネットワークを通じて接続されている外部コンピュータ7に送信する指示を与えることができる。
【0091】
図12は、サービスモード用の検査結果画面の一例を示す図である。サービスモード用の検査結果画面820には、メニューバー822、ツールバー823、及び作業領域824が設けられている。メニューバー822及びツールバー823は、ユーザモード用の検査結果画面810におけるメニューバー812及びツールバー813と同じである。
【0092】
作業領域824には、分析結果表示欄824a、フラグ表示欄824b、及び粒度分布図表示欄824cが設けられており、これらはユーザモード用の検査結果画面810における分析結果表示欄814a、フラグ表示欄814b、及び粒度分布図表示欄814cと同じ内容である。一方、サービスモード用の検査結果画面820における患者属性情報表示欄824dには、患者属性情報は表示されない。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0093】
<検査結果表示処理>
図13は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果表示処理の流れを示すフローチャートである。操作者は、過去の検査結果を閲覧する場合、表示画面中のツールバーのブラウザアイコンを選択する操作を行う。これにより、過去の検査結果が検査結果テーブルTB3から検査結果が読み出され、当該検査結果を含むブラウザ画面が呼び出される。CPU51aは、かかるブラウザ画面の表示指示を受け付けると、ステップS301の処理を実行する。
【0094】
ステップS301において、CPU51aは、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS301)、ユーザモードである場合には(ステップS301において「ユーザモード」)、最後に測定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS302)、「ユーザモード」用の検査結果画面(ブラウザ画面)を画像表示部52に表示し(ステップS303)、処理を終了する。一方、ステップS301において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、最後に測定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し(ステップS304)、「サービスモード」用の検査結果画面(ブラウザ画面)を画像表示部52に表示し(ステップS305)、処理を終了する。
【0095】
図14は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果表示切替処理の流れを示すフローチャートである。上記のような検査結果画面が表示されている状態において、別の検体の検査結果に表示を切り替えることが可能である。この場合、操作者は検査結果の検索画面を表示する操作を行い、検体ID等を検索キーとして入力して検索の指示を与えたり、ツールバー813に設けられた「上」又は「下」のアイコンを選択する等することで、検体検査装置1に対して表示対象の検体の指定を与えることができる。CPU51aは、表示対象の検体の入力を受け付けると(ステップS311)、ステップS312の処理を実行する。
【0096】
ステップS312において、CPU51aは、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS312)、ユーザモードである場合には(ステップS312において「ユーザモード」)、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS313)、読み出された患者属性情報及び検査結果を含む「ユーザモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS314)、処理を終了する。一方、ステップS312において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し(ステップS315)、読み出された検査結果を含む「サービスモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS316)、処理を終了する。
【0097】
検査結果表示処理においても、ユーザモード用の検査結果画面810には患者属性情報が表示されるが、サービスモード用の検査結果画面820には患者属性情報は表示されない。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0098】
<検査結果保存処理>
図15は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果保存処理の流れを示すフローチャートである。上記のような検査結果画面が表示されている状態において、検査結果が表示されている検体の検査結果を外部記憶装置8に記憶させることが可能である。操作者は、メニューバー812に設けられた「データ操作」メニューを選択し、表示されたプルダウンメニューに含まれる「バックアップ」の項目を選択する操作を行うことで、検体検査装置1に対して検査結果の保存指示を与えることができる。CPU51aは、検査結果の保存指示を受け付けると(ステップS401)、ステップS402の処理を実行する。
【0099】
ステップS402において、CPU51aは、保存先を指定するためのダイアログボックス(図示せず)を画像表示部52に表示させる(ステップS402)。このダイアログボックスでは、検査結果の保存先のパスを指定する入力領域が設けられており、操作者は、この入力領域に外部記憶装置8のパスを入力することで、外部記憶装置8を保存先に指定することができる。また、このダイアログボックスには、キャンセルボタンが含まれており、操作者がこのキャンセルボタンを選択する操作を行うことで、ダイアログボックスの表示を終了することができる。
【0100】
CPU51aは、キャンセルボタンの選択を受け付けた場合には(ステップS403においてNO)、ダイアログボックスの表示を終了し(ステップS404)、処理を終了する。一方、CPU51aは、上記ダイアログボックスにおいて保存先のパスの指定を受け付けると(ステップS403においてYES)、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS405)、ユーザモードである場合には(ステップS405において「ユーザモード」)、現在検査結果が表示されている検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS406)、指定された保存先に当該患者属性情報及び検査結果を保存し(ステップS407)、処理を終了する。一方、ステップS405において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、上記検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し(ステップS408)、指定された保存先に当該検査結果を保存し(ステップS409)、処理を終了する。
【0101】
このように検査結果保存処理においては、ユーザモードが設定されている場合には検査結果とともに患者属性情報が保存先に保存されるが、サービスモードが設定されている場合には検査結果のみが保存され、患者属性情報は保存されない。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0102】
<検査結果印刷・送信処理>
図16は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果印刷・送信処理の流れを示すフローチャートである。上記のような検査結果画面が表示されている状態において、検査結果が表示されている検体の検査結果をプリンタ9に印刷させたり、外部コンピュータ7に送信したりすることが可能である。操作者は、ツールバー813に含まれる「出力」アイコンを選択する操作を行うことで、検体検査装置1に対して検査結果の印刷又は送信の指示を与えることができる。CPU51aは、検査結果の出力指示を受け付けると(ステップS501)、ステップS502の処理を実行する。
【0103】
ステップS502において、CPU51aは、出力先を指定するためのダイアログボックス(図示せず)を画像表示部52に表示させる(ステップS502)。このダイアログボックスでは、検査結果の出力先として、プリンタ9又は外部コンピュータ7を指定することが可能となっている。また、このダイアログボックスには、キャンセルボタンが含まれており、操作者がこのキャンセルボタンを選択する操作を行うことで、ダイアログボックスの表示を終了することができる。
【0104】
CPU51aは、キャンセルボタンの選択を受け付けた場合には(ステップS503においてNO)、ダイアログボックスの表示を終了し(ステップS504)、処理を終了する。一方、CPU51aは、上記ダイアログボックスにおいて出力先が指定された場合には(ステップS503においてYES)、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS505)、ユーザモードである場合には(ステップS505において「ユーザモード」)、現在検査結果が表示されている検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出す(ステップS506)。一方、ステップS505において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、上記検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出す(ステップS507)。
【0105】
CPU51aは、出力先としてプリンタ9が指定されたか、外部コンピュータ7が指定されたかを判別し(ステップS508)、出力先としてプリンタ9が指定されている場合には(ステップS508において「プリンタ」)、読み出した情報から、印刷するページ形式の印刷データを生成する(ステップS509)。ここで、ユーザモードの場合は、患者属性情報と検査結果とが読み出されているため、患者属性情報及び検査結果が印刷されるよう、印刷データが作成される。一方、サービスモードの場合は、検査結果のみが読み出されており、患者属性情報は読み出されていないため、検査結果のみが印刷されるよう、印刷データが作成される。CPU51aは、このようにして作成された印刷データをプリンタ9に送信して印刷処理を実行し(ステップS510)、処理を終了する。
【0106】
一方、ステップS508において出力先として外部コンピュータ7が指定されている場合には(ステップS508において「外部コンピュータ」)、読み出した情報から、送信する形式の送信データを生成する(ステップS511)。ここで、ユーザモードの場合は、患者属性情報と検査結果とが読み出されているため、患者属性情報及び検査結果の両方を含む送信データが作成される。一方、サービスモードの場合は、検査結果のみが読み出されており、患者属性情報は読み出されていないため、検査結果のみを含む送信データが作成される。CPU51aは、このようにして作成された送信データを外部コンピュータ7に送信し(ステップS512)、処理を終了する。送信されたデータは、外部コンピュータ7によって受信され、外部コンピュータ7のハードディスクに記憶される。
【0107】
このように検査結果印刷・送信処理においては、ユーザモードが設定されている場合には検査結果とともに患者属性情報がプリンタ9により印刷され、又は外部コンピュータ7へ送信されるが、サービスモードが設定されている場合には検査結果のみが印刷又は外部コンピュータ7へ送信される。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0108】
[検査情報管理装置6の動作]
以下、本実施の形態に係る検査情報管理装置6の動作について説明する。
【0109】
<ログイン処理>
図17は、検査情報管理装置6によるログイン処理の流れを示すフローチャートである。コンピュータ6aが起動され、当該コンピュータ6aにコンピュータプログラム64aの実行指示が操作者から与えられると、CPU61aは、プログラム64aの初期設定を実行し(ステップS601)、画像表示部62にログイン画面を表示する(ステップS602)。ログイン画面には、ユーザIDとパスワードを入力するための入力ボックスがそれぞれ設けられており、操作者は、自分のユーザID及びパスワードを入力部63を用いて検査情報管理装置6に入力する。CPU61aは、ユーザID及びパスワードの入力を待機し(ステップS603においてNO)、ユーザID及びパスワードの入力を受け付けると(ステップS603においてYES)、ユーザ認証処理を実行する(ステップS604)。
【0110】
ユーザ認証処理において、CPU61aは、入力されたユーザID及びパスワードと、ユーザ認証テーブルTB4に登録されているユーザID及びパスワードとを照合し、入力されたユーザID及びパスワードが登録されたものであるかを判断する。ユーザ認証が失敗した場合には(ステップS605においてNO)、CPU51aはユーザ認証エラーの発生を通知する画面を表示し(ステップS606)、その後ステップS602へ処理を戻す。
【0111】
ユーザ認証が成功した場合には(ステップS605においてYES)、CPU61aはユーザ認証テーブルTB1において当該ユーザID及びパスワードを含むレコードの操作者グループを確認し、操作者グループが「ユーザ」であるか「サービスマン」であるかを判定する(ステップS607)。操作者グループが「ユーザ」である場合には(ステップS607において「ユーザ」)、CPU61aは検査情報管理装置6の動作モードを「ユーザモード」に設定する(ステップS608)。「ユーザ」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられている。つまり、「ユーザモード」とは、検査情報管理装置6において患者属性情報の出力が可能な動作モードである。
【0112】
一方、操作者グループが「サービスマン」である場合には(ステップS607において「サービスマン」)、CPU61aは検査情報管理装置6の動作モードを「サービスモード」に設定する(ステップS610)。「サービスマン」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられていない。つまり、「サービスモード」とは、検査情報管理装置6において患者属性情報の出力を制限する動作モードである。「ユーザモード」又は「サービスモード」の設定が完了すると、CPU61aは、検査結果テーブルTB6に登録されている情報を読み出し(ステップS611)、検査結果の一覧画面(図示せず)を画像表示部62に表示し(ステップS612)、処理を終了する。
【0113】
<検査結果表示処理>
図18は、検査情報管理装置6による検査結果表示処理の流れを示すフローチャートである。検査結果一覧画面は、検体ID及び検査結果を検体毎にリスト形式で表示した画面であり、詳細な検査結果を表示させたい場合には、表示すべき検体の検査結果をマウスによってダブルクリックする等の選択操作を行うことにより、その検体に係る検査結果画面を表示させることができる。操作者は、過去の検体検査装置1による詳細な検査結果を閲覧する場合、上記のように検査結果を表示すべき検体を指定する操作を行う。CPU61aは、表示対象の検体の入力を受け付けると、ステップS701の処理を実行する。
【0114】
ステップS701において、CPU61aは、検査情報管理装置6の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS701)、ユーザモードである場合には(ステップS701において「ユーザモード」)、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS702)、読み出された患者属性情報及び検査結果を含む「ユーザモード」用の検査結果画面を画像表示部62に表示し(ステップS703)、処理を終了する。一方、ステップS701において「サービスモード」である場合には、CPU61aは、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB6から読み出し(ステップS704)、読み出された検査結果を含む「サービスモード」用の検査結果画面を画像表示部62に表示し(ステップS705)、処理を終了する。
【0115】
なお、検査結果画面を別の検体の検査結果を表示するものに切り替える場合、検査結果を外部記憶装置8に保存する場合、検査結果を印刷し、又は外部コンピュータ7へ送信する場合の検査情報管理装置6の動作については、上記の検体検査装置1の情報処理ユニット5の動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0116】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、ユーザモードのときに、検査結果と共に患者属性情報を含む検査結果画面を表示する構成について述べたが、ユーザモード用の検査結果画面における表示対象から除外する患者属性情報をユーザ毎に予めユーザが設定可能な構成としてもよい。つまり、患者属性情報の各項目のうち、表示対象から除外する項目を予めユーザが情報処理ユニット5において設定しておき、この除外項目をユーザIDに対応付けてハードディスク51dに記憶しておく。検査結果を表示するときに、患者属性情報のうち、除外項目以外の項目の患者属性情報と、検査結果とを含む検査結果画面を生成し、これを表示する構成としてもよい。また、このとき患者の氏名は除外対象には設定できないようにすることもできる。表示以外の出力形式(保存、印刷、送信)についても同様である。
【0117】
また、上述した実施の形態においては、サービスモードのときに、患者属性情報を含まず、検査結果を含む検査結果画面を表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、サービスモードのときに、患者を特定可能な属性情報、例えば患者の氏名のみを含まず、その他の属性情報を含む検査情報を表示するように構成してもよい。サービスモード用の検査結果画面において患者属性情報のうち表示を制限する項目を予めユーザが設定しておき、検査結果を表示するときに、患者属性情報のうち、表示を制限される対象の項目以外の項目の患者属性情報と、検査結果とを含む検査結果画面を生成し、これを表示する構成としてもよい。また、このとき患者の氏名は常に表示を制限される対象の項目として固定的に設定され、表示対象には設定することができない構成としてもよい。表示以外の出力形式についても同様である。
【0118】
また、サービスマンが装置の故障又はメンテナンス(部品交換、部材の清掃、設定値の変更等)の必要性を判断するために、サービスモードにおける検査結果画面において、検査結果を補助するための補助情報を検査結果と共に表示する構成としてもよい。例えば、スキャッタグラムが正常であるかを判断するために、スキャッタグラムの各クラスターの重心位置の座標値を、当該スキャッタグラムと共に表示したり、ヒストグラムと共にそのヒストグラムに用いられている信号の感度情報を表示したり、PLTの数値データと共に検出部の温度、感度、詰まりレベル、サンプリング数等を表示する構成としてもよい。
【0119】
また、上述した実施の形態においては、サービスモード用の検査結果画面において、患者属性情報を一切表示しない構成について述べたが、これに限定されるものではない。サービスモード用の検査結果画面において、検体検査装置1が正常に機能しているかどうかを判断するために必要な患者属性情報は表示し、他の情報は表示しない構成としてもよい。血球分析装置においては、同一検査項目においても年齢及び性別により陽性/陰性の判定基準が異なるため、患者属性情報のうち年齢及び性別についてはサービスモード用の検査結果画面においても表示する構成としてもよい。また、尿中有形成分分析装置においては、RBC及びSPERM(精子)等については、性別、年齢、及び診療科(病棟)により陽性/陰性の判定基準が異なるため、患者属性情報のうち性別、年齢、及び診療科についてはサービスモード用の検査結果画面においても表示する構成としてもよい。表示以外の出力形式についても同様である。
【0120】
また、上述した実施の形態においては、サービスモード用の検査結果画面820の患者属性情報表示欄814dには、何も表示しない構成について述べたが、これに限定されるものではない。サービスモード用の検査結果画面820の患者属性情報表示欄814dに、患者属性情報の代わりに、患者属性情報の表示が制限されている旨を表示する構成としたり、現在サービスモードが設定されている旨を表示する構成としてもよい。また、この患者属性表示欄814dに、患者属性情報の代わりに、上述した検査結果を補助するための補助情報を表示する構成としてもよい。
【0121】
また、上述した実施の形態においては、操作者を認証するために、ユーザIDとパスワードと操作者グループとを対応付けて記憶するユーザ認証テーブルを用いる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザIDに操作者の種別を特定するための文字(あるいは文字列)を含むようにしておき、入力されたユーザIDに含まれた文字(あるいは文字列)を認識することにより、操作者の種別を判別するようにしてもよい。また、ユーザIDに特定の文字(あるいは文字列)が含まれている場合には、操作者がユーザおよびサービスマンの一方の種別であると判断し、含まれていない場合には他方の種別であると判断する形態であってもよい。具体的には、サービスマンに割り振られるユーザIDに、サービスマンを識別するための特定の文字(あるいは文字列)が含まれるようにしておく。操作者を認証する際には、入力されたユーザIDにサービスマンを識別するための文字(あるいは文字列)が含まれているか否かを判断する。含まれていると判断した場合にはパスワードの認証を経てサービスモードにログインするようにし、含まれていないと判断した場合にはパスワードの認証を経てユーザモードにログインするようにしてもよい。
【0122】
また、上述した実施の形態においては、検体検査装置1を多項目血球分析装置としたが、これに限定されるものではない。血液凝固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、又は尿定性分析装置のような多項目血球分析装置以外の検体検査装置としてもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ5aによりコンピュータプログラム54aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム54aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【0124】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ6aによりコンピュータプログラム64aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム64aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の検体検査装置は、多項目血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、尿定性分析装置等の検体検査装置として有用である。また本発明の検査情報管理装置は、LIS(Laboratory Information System)として有用である。さらに本発明の検査情報出力方法は、上記のような検体検査装置による検査情報の出力方法として有用である。
【符号の説明】
【0126】
1 検体検査装置
2 測定ユニット
21 検体吸引部
22 試料調製部
23 検出部
4 検体搬送ユニット
41 分析前ラック保持部
42 分析後ラック保持部
43 ラック搬送部
5 情報処理ユニット
5a コンピュータ
51a CPU
51b ROM
51c RAM
51d ハードディスク
51e 読出装置
52 画像表示部
53 入力部
54 可搬型記録媒体
54a コンピュータプログラム
6 検査情報管理装置
6a コンピュータ
61a CPU
61b ROM
61c RAM
61d ハードディスク
61e 読出装置
62 画像表示部
63 入力部
64 可搬型記録媒体
64a コンピュータプログラム
TB1,TB4 ユーザ認証テーブル
TB2,TB5 患者属性情報テーブル
TB3,TB6 検査結果テーブル
T 検体容器
L サンプルラック
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者から採取された検体を検査する検体検査装置、検査に関する情報を管理する検査情報管理装置、および検体検査装置における検査情報の出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検体を分析する分析装置には、被験者から採取された検体を検査して得られた分析結果と、例えば氏名のような被験者を特定可能な個人情報とが記憶されている。このような被験者を特定可能な個人情報は、個人情報保護のために外部への漏洩の防止が要請されている。
【0003】
特許文献1には、病院などの施設内に設置される分析装置と、施設外部に設置される管理サーバとを備えた分析システムが開示されている。特許文献1には、施設内の分析装置から施設外部の管理サーバへ分析結果を送信する際に、個人情報を秘匿して分析結果を送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−020309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、施設内に設置された分析装置から分析結果を画面表示する場合に、被験者の個人情報を秘匿する必要性について何ら記載されていない。このことから、特許文献1の技術には次のような問題がある。
分析装置は、それが設置されている施設の外部の人間、例えば分析装置のメンテナンスを実行するサービスマンによっても操作されることがある。サービスマンは施設内に設置された分析装置を操作して分析結果を画面表示し、表示された分析結果を参照してメンテナンスを行うことがあるが、特許文献1の技術では、このような場合には個人情報が秘匿されないため、本来個人情報が開示されるべきでない施設外部の人間に対して個人情報が開示されてしまうことになる。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、施設内に設置された分析装置が施設外部の人間によって操作された場合であっても、個人情報の秘匿が可能な検体検査装置、検査情報管理装置、および検査情報出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の検体検査装置は、検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報の入力を受け付ける被験者属性情報受付手段と、検体を検査して検査結果を取得する検査結果取得手段と、被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、操作者から当該操作者を識別するための識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、を備える。
【0008】
この態様においては、前記記憶部が、識別情報と、前記第1種別情報又は前記第2種別情報とを対応付けて記憶することが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記被験者属性情報が、被験者を特定可能な属性情報からなる項目と、被験者の他の属性の情報からなる項目とを含む複数の項目からなり、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含み、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記検体検査装置が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に出力対象から除外する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける除外項目受付手段をさらに備え、前記出力手段が、前記除外項目が設定されている場合であって、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記除外項目以外の項目の情報を含み、且つ当該被験者属性情報に係る検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記検体検査装置が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に出力を制限する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける出力制限項目受付手段をさらに備え、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち出力を制限する項目として設定された項目および被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記記憶部が、前記被験者を特定可能な属性情報として被験者の氏名を含む被験者属性情報を記憶するように構成されており、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、出力を制限する項目に被験者の氏名からなる項目を常に含むように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を表示可能に構成されていることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記出力手段が、被験者属性情報を表示する第1領域と、検査結果を表示する第2領域とを含む検査結果画面を表示可能であり、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報を前記第1領域に含み、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を前記第1領域に含まず、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記検査結果に加え、前記検査結果を補助する補助情報を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記出力手段が、外部記憶媒体を着脱可能であり、且つ、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を前記外部記録媒体に書き込み可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を外部コンピュータへ送信可能に構成されていることが好ましい。
【0018】
また、上記態様においては、前記記憶部が、年齢及び性別を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として血球計数検査の結果を記憶するように構成されており、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢及び性別以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0019】
また、上記態様においては、前記記憶部が、年齢、性別及び被験者が属する診療科を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として尿中有形成分検査の結果を記憶するように構成されており、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢、性別及び診療科以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0020】
また、上記態様においては、前記出力手段が、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が検体検査装置を使用するユーザであることを示す前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が前記検体検査装置のメンテナンスを実行するサービスマンであることを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0021】
また本発明の一の態様の検査情報管理装置は、検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、操作者から当該操作者に係る識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、を備える。
【0022】
また本発明の一の態様の検査情報出力方法は、検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを記憶する検体検査装置における検査情報出力方法であって、検体検査装置の操作者を識別するための識別情報の入力を受け付け、受け付けた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、受け付けた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る検体検査装置、検査情報管理装置、及び検査情報出力方法によれば、第1の種別に属する操作者によって検体検査装置又は検査情報管理装置が操作される場合には、必要とされる被験者属性情報を含む第1検査情報が出力され、また第2の種別に属する操作者によって検体検査装置又は検査情報管理装置が操作される場合には、被験者属性情報のうち少なくとも一部を含まない第2検査情報が出力されるため、誤って個人情報が出力されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る検体処理装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】検体容器の外観を示す斜視図。
【図3】サンプルラックの外観を示す斜視図。
【図4】実施の形態に係る測定ユニットの構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態に係る情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図6A】ユーザ認証テーブルの構造を示す模式図。
【図6B】患者属性情報テーブルの構造を示す模式図。
【図6C】検査結果テーブルの構造を示す模式図。
【図7】実施の形態に係る検査情報管理装置の構成を示すブロック図。
【図8】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによるログイン処理の流れを示すフローチャート。
【図9】サービスモードにおけるメニュー画面の画面構成を示す図。
【図10A】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検体測定処理の流れを示すフローチャート(前半)。
【図10B】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検体測定処理の流れを示すフローチャート(後半)。
【図11】ユーザモード用の検査結果画面の一例を示す図。
【図12】サービスモード用の検査結果画面の一例を示す図。
【図13】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【図14】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果表示切替処理の流れを示すフローチャート。
【図15】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果保存処理の流れを示すフローチャート。
【図16】実施の形態に係る検体検査装置の情報処理ユニットによる検査結果印刷・送信処理の流れを示すフローチャート。
【図17】実施の形態に係る検査情報管理装置によるログイン処理の流れを示すフローチャート。
【図18】実施の形態に係る検査情報管理装置による検査結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
本実施の形態は、検体が採取された患者の氏名、年齢、性別等の属性を示す患者属性データと、検体の検査結果とを対応付けて記憶しておき、しかも、操作者のユーザIDと、操作者の種別(ユーザ、サービスマン)を示す種別情報とを対応付けて記憶しておき、種別がユーザである操作者がログインした場合には、患者属性データ及び検査結果の両方を画面に表示し、種別がサービスマンである操作者がログインした場合には、患者属性データを表示せず、検査結果を画面に表示する検体検査装置である。
なお、この明細書において、「ユーザ」とは、検体検査装置が設置される施設において日常的に検体検査装置を使用して検査を行う者を意味するものとする。具体的には臨床検査技師がユーザに該当する。
また、この明細書において、「サービスマン」とは、検体検査装置が設置される施設に赴いて検体検査装置の保守点検及びメンテナンスを実行する者を意味するものとする。
また、この明細書においては、「被験者属性情報」を「患者属性データ」ともいうものとする。この患者属性データは、少なくとも患者を特定可能な属性の情報を含んでいる。本実施形態において、「患者を特定可能な属性の情報」とは、患者の氏名を意味するものとする。本実施の形態においては、患者属性データは、患者の氏名に加えて、患者の性別、生年月日、病棟、担当医、および医師による患者コメント等を含んでいる。
【0027】
[検体検査装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る検体検査装置の全体構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体検査装置1は、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等を検出し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。図1に示すように、検体検査装置1は、測定ユニット2と、測定ユニット2の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4を制御可能な情報処理ユニット5とを備えている。
【0028】
図2は、検体を収容する検体容器の外観を示す斜視図であり、図3は、複数の検体容器を保持するサンプルラックの外観を示す斜視図である。図2に示すように、検体容器Tは、管状をなしており、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tは、透光性を有するガラス又は合成樹脂により構成されており、内部の血液検体が視認可能となっている。また、検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。このバーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。図3に移り、サンプルラックLは、10本の検体容器Tを並べて保持することが可能である。サンプルラックLでは、各検体容器Tが垂直状態(立位状態)で保持される。また、サンプルラックLの側面には、バーコードラベルBL2が貼付されている。このバーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0029】
<測定ユニットの構成>
図4は、測定ユニットの構成を示すブロック図である。図4に示すように、測定ユニット2は、検体である血液を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製された測定試料から血球を検出(測定)する検出部23とを有している。また、測定ユニット2は、検体搬送ユニット4のラック搬送部43によって搬送されたサンプルラックLに収容された検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込むための取込口(図1参照)と、サンプルラックLから検体容器Tを測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。
【0030】
図4に示すように、検体吸引部21には、吸引管211が設けられている。また、検体吸引部21は、鉛直方向に移動可能であり、下方に移動されることにより、吸引位置まで搬送された検体容器Tの蓋部CPを前記吸引管211が貫通し、内部の血液を吸引するように構成されている。
【0031】
試料調製部22は、複数の反応チャンバ(図示せず)を備えている。また、試料調製部22は、図示しない試薬容器に接続されており、染色試薬、溶血剤、及び希釈液等の試薬を反応チャンバに供給することが可能である。試料調製部22は、検体吸引部21の吸引管211とも接続されており、吸引管211により吸引された血液検体を反応チャンバに供給することが可能である。かかる試料調製部22は、反応チャンバ内で検体と試薬とを混合撹拌し、検出部23による測定用の試料(測定試料)を調製する。
【0032】
検出部23は、RBC(赤血球)検出及びPLT(血小板)検出をシースフローDC検出法により行うことが可能である。このシースフローDC検出法によるRBC及びPLTの検出においては、検体と希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりRBC及びPLTの数値データの取得が行われる。また、検出部23は、HGB(ヘモグロビン)検出をSLS−ヘモグロビン法により行うことが可能であり、WBC(白血球)、NEUT(好中球)、LYMPH(リンパ球)、EO(好酸球)、BASO(好塩基球)、及びMONO(単球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。この検出部23では、白血球の測定により得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することにより、NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO、及びWBCの数値データの取得が行われる。
【0033】
検体容器搬送部25の構成について説明する。検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aを備えている。ハンド部25aは、互いに対向して配置された一対の把持部材を備えており、この把持部材を互いに近接及び離反させることが可能であり、把持部材により検体容器Tを把持することができる。また、検体容器搬送部25は、ハンド部25aを上下方向及び前後方向(Y方向)に移動させることができ、さらに、ハンド部25aを揺動させることができる。これにより、サンプルラックLに収容され、検体供給位置43aに位置した検体容器Tをハンド部25aにより把持し、その状態でハンド部25aを上方に移動させることによりサンプルラックLから検体容器Tを抜き出し、ハンド部25aを揺動させることにより、検体容器T内の検体を撹拌することができる。
【0034】
また、検体容器搬送部25は、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。上述したハンド部25aによって把持された検体容器Tは、撹拌完了後移動され、把持した検体容器Tが検体容器セット部25bの穴部に挿入される。検体容器セット部25bは、検体吸引部21による吸引位置21aへ移動可能である。検体容器セット部25bが吸引位置へ移動したときには、検体吸引部21により、セットされた検体容器Tから検体が吸引される。
【0035】
<検体搬送ユニットの構成>
次に、検体搬送ユニット4の構成について説明する。図1に示すように、検体検査装置1の測定ユニット2の前方には、検体搬送ユニット4が配置されている。かかる検体搬送ユニット4は、測定ユニット2へ検体を供給するために、サンプルラックLを搬送することが可能である。
【0036】
図4に示すように、検体搬送ユニット4は、分析が行われる前の検体を収容する検体容器Tを保持する複数のサンプルラックLを一時的に保持することが可能な分析前ラック保持部41と、測定ユニット2によって検体が吸引された検体容器Tを保持する複数のサンプルラックLを一時的に保持することが可能な分析後ラック保持部42と、検体を測定ユニット2に供給するために、サンプルラックLを図中矢印X1又はX2方向へ水平に直線移動させ、分析前ラック保持部41から受け付けたサンプルラックLを分析後ラック保持部42へ搬送するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、検体容器Tの有無を検知する検体容器センサ45とを備えている。
【0037】
分析前ラック保持部41は、平面視において四角形をなしており、その幅はサンプルラックLの幅より若干大きくなっている。この分析前ラック保持部41は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析前のサンプルラックLが載置される。また、分析前ラック保持部41の両側面からは、内側へ向けてラック送込部41bが突出可能に設けられている。このラック送込部41bが突出することによりサンプルラックLと係合し、この状態で後方(Y2方向)へ移動することにより、サンプルラックLが後方(Y2方向)へと移送される。かかるラック送込部41bは、分析前ラック保持部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動可能に構成されている。
【0038】
ラック搬送部43は、分析前ラック保持部41によって移送されたサンプルラックLを、ベルトによって前記X1及びX2方向へと移送可能となっている。このラック搬送部43によるサンプルラックLの搬送経路上には、検体供給位置43a及びバーコード読取位置43cが存在する。検体供給位置43aは、図4に示す測定ユニット2へ検体を供給するための位置であり、バーコード読取位置43cは、バーコード読取部44が検体容器TのバーコードラベルBL1に印刷されたバーコードを読み取るための位置である。
【0039】
バーコード読取部44は、図2に示した検体容器TのバーコードラベルBL1に印刷されたバーコードを読み取り、またサンプルラックLに貼付されたバーコードラベルBL2に印刷されたバーコードを読み取るように構成されている。また、サンプルラックLのバーコードラベルBL2に印刷されたバーコードは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。ラック搬送部43によるサンプルラックLの搬送経路上には、上述した検体供給位置43aよりX2方向側にバーコード読取位置43cが設けられており、上記のようなバーコード読取部44は、このバーコード読取位置43cの近傍に配置されている。これにより、バーコード読取部44がバーコード読取位置43cに位置した検体容器Tの検体バーコードを読み取ることができる。
【0040】
また検体搬送ユニット4は、情報処理ユニット5によって制御され、検体供給位置43aに検体を搬送した場合には、測定ユニット2のハンド部25aが搬送された検体容器Tを把持し、サンプルラックLから検体容器Tを取り出すことで検体を測定ユニット2へ供給する。このようにして検体容器Tを把持したハンド部25aが前述したように測定ユニット2の筐体内へと進入し、これによって測定ユニット2内に検体が取り込まれる。
【0041】
検体容器センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片、光を出射する発光素子、及び受光素子(図示せず)を有している。検体容器センサ45は、接触片が検出対象の被検出物に当接することにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片により反射されて受光素子に入射するように構成されている。これにより検体容器センサ45の下方をサンプルラックLに収容された検出対象の検体容器Tが通過する際に、接触片が検体容器Tにより屈曲されて、検体容器Tを検出することが可能である。検体容器センサ45は、バーコード読取位置43cに設けられている。これにより、バーコード読取位置43cにおける検体容器Tの有無を検体容器センサ45で検出することができる。
【0042】
ラック搬送部43の搬送方向下流側端には、後述する分析後ラック保持部42が設けられており、この分析後ラック保持部42の後方にラック送出部46が設けられている。かかるラック送出部46は、図示しないステッピングモータの駆動力により矢印Y1方向に水平に直線移動するように構成されている。これにより、分析後ラック保持部42とラック送出部46との間の位置461(以下、「分析後ラック送出位置」という。)にサンプルラックLが搬送された場合に、ラック送出部46をY2方向に移動することによって、サンプルラックLを押動させて分析後ラック保持部42内に移動することが可能である。
【0043】
分析後ラック保持部42は、平面視において四角形をなしており、その幅はサンプルラックLの幅より若干大きくなっている。この分析後ラック保持部42は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析が完了したサンプルラックLが載置される。分析後ラック保持部42は、上記のラック搬送部43に連なっており、上述したように、ラック送出部46によって、ラック搬送部43からサンプルラックLが送り込まれるようになっている。
【0044】
上記のような構成とすることにより、検体搬送ユニット4は、分析前ラック保持部41に載置されたサンプルラックLをラック搬送部43へと移送し、さらにラック搬送部43によって検体をバーコード読取位置43cへと搬送し、検体容器の有無の検出及び検体IDの読み取りを行い、さらに検体IDを読み取った検体を第1検体供給位置43a又は第2検体供給位置43bへと搬送して、測定ユニット2又は第2測定ユニット3に供給することができる。また、吸引が完了した検体を収容するサンプルラックLは、ラック搬送部43により、分析後ラック送出位置461へと移送され、ラック送出部46により分析後ラック保持部42へ送出される。複数のサンプルラックLが分析前ラック保持部41に載置された場合では、分析が完了した検体を収容するサンプルラックLが次々にラック送出部46により分析後ラック保持部42へと送出され、これらの複数のサンプルラックLが分析後ラック保持部42に貯留されることとなる。
【0045】
<情報処理ユニットの構成>
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図5は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット5は、コンピュータ5aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ5aは、本体51と、画像表示部52と、入力部53とを備えている。本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0046】
CPU51aは、RAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような検体分析用並びに測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4の制御用のコンピュータプログラム54aを当該CPU51aが実行することにより、コンピュータ5aが情報処理ユニット5として機能する。
【0047】
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0048】
RAM51cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM51cは、ハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラム54aの読み出しに用いられる。また、CPU51aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
【0049】
ハードディスク51dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述するコンピュータプログラム54aも、このハードディスク51dにインストールされている。
【0050】
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム54aが格納されており、コンピュータ5aが当該可搬型記録媒体54からコンピュータプログラム54aを読み出し、当該コンピュータプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0051】
なお、前記コンピュータプログラム54aは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ5aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム54aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ5aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
【0052】
また、ハードディスク51dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム54aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0053】
また、ハードディスク51dには、ユーザ認証テーブルTB1と、患者属性情報テーブルTB2と、検査結果テーブルTB3とが設けられている。図6Aは、ユーザ認証テーブルTB1の構造を示す模式図であり、図6Bは、患者属性情報テーブルTB2の構造を示す模式図であり、図6Cは、検査結果テーブルTB3の構造を示す模式図である。図6Aに示すように、ユーザ認証テーブルTB1は、ユーザIDのフィールドF11、パスワードのフィールドF12、ユーザグループのフィールドF13を有するテーブルである。つまり、ユーザ認証テーブルTB1は、ユーザID、パスワード、及びユーザグループの情報を互いに対応付けた状態で記憶している。ユーザグループには、一般ユーザのグループである「ユーザ」と、サービスマンのグループである「サービスマン」とが存在する。操作者のユーザ情報を登録するときには、ユーザID、パスワード、及びユーザグループ(「ユーザ」又は「サービスマン」)を指定することで、これらの情報を含むレコードがユーザ認証テーブルTB1に登録される。かかるユーザ認証テーブルTB1は、後述するユーザ認証において用いられる。
【0054】
患者属性情報テーブルTB2は、患者IDのフィールドF21、氏名のフィールドF22、性別のフィールドF23、生年月日のフィールドF24、病棟のフィールドF25、担当医のフィールドF26、及び患者コメントのフィールドF27を有するテーブルである。つまり、患者属性情報テーブルTB2は、患者ID、氏名、性別、生年月日、患者が属する病棟、患者の担当医、及び患者に関する担当医のコメントの各情報を互いに対応付けた状態で記憶している。
【0055】
検査結果テーブルTB3は、検体IDのフィールドF31、患者IDのフィールドF32、WBCのフィールドF33、RBCのフィールドF34、HGB(ヘモグロビン)のフィールドF35、HCT(ヘマトクリット)のフィールドF36等の複数のフィールドを有するテーブルである。つまり、検査結果テーブルTB3は、検体ID、患者ID、及びRBC,PLT等の検査結果の各情報を互いに対応付けた状態で記憶している。
【0056】
また、上述したように患者属性情報テーブルTB2及び検査結果テーブルTB3には、共通した患者IDフィールドF21,F32が設けられている。したがって、患者属性情報テーブルTB2に格納された患者属性情報と、検査結果テーブルTB3に格納された検査結果とは、共通の患者IDによってリンクされており、互いに対応付けられている。例えば、図6Bに示す患者属性情報テーブルTB2の1行目の患者属性情報(患者ID「P01443」、氏名「特許太郎」、性別「男」、生年月日「1981/3/14」、病棟「4A」、担当医「田中」、患者コメント「○○傾向あり」)と、図6Cに示す検査結果テーブルTB3において共通の患者ID「P01443」を有する1行目の検査結果(献体ID「SN100021」、患者ID「P01443」、WBC「67.9」、RBC「502」、HGB「15.1」、HCT「28.6」、…)とは互いに対応付けられた状態でハードディスク51dに記憶されている。
【0057】
入出力インタフェース51fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又は IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース51fには、キーボード及びマウスからなる入力部53が接続されており、ユーザが当該入力部53を使用することにより、コンピュータ5aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース51fは、測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4に接続されている。これにより、情報処理ユニット5は、測定ユニット2、及び検体搬送ユニット4のそれぞれを制御可能となっている。
【0058】
また、入出力インタフェース51fは、USBメモリ及び外付け型のハードディスク等の外部記憶装置8を接続可能であり、接続された外部記憶装置8に対するデータの読み書きが可能である。さらに、入出力インタフェース51fには、プリンタ9を接続可能である。これにより、操作者が入力部53から印刷の指示を与えることで、画像表示部52に表示されている情報をプリンタ9に印刷することができる。
【0059】
通信インタフェース51gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース51gはLANを介して検査情報管理装置6及び管理サーバ7に接続されている。コンピュータ5aは、通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された検査情報管理装置6及び外部コンピュータ7との間でデータの送受信が可能である。
【0060】
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部52に出力するようになっている。画像表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0061】
<検査情報管理装置の構成>
検査情報管理装置6は、施設内における検査に関する情報を管理する装置、所謂LIS(Laboratory Information System)であり、検体検査装置1だけでなく、他の検体検査装置にも接続されている。かかる検査情報管理装置6は、操作者から入力されたり、電子カルテシステム等の他の装置から送信された患者属性情報及びこの患者に対する検査オーダを受け付け、これらの情報を記憶、管理する。さらに、検査情報管理装置6は、検体検査装置1からのオーダ要求を受け付け、要求された検査オーダ及び当該検査オーダに係る患者属性情報を検体検査装置1へ送信し、また、検体検査装置1から検査結果を受信し、この検査結果を記憶、管理する。
【0062】
図7は、検査情報管理装置6の構成を示すブロック図である。検査情報管理装置6は、コンピュータ6aによって実現される。図7に示すように、コンピュータ6aは、本体61と、画像表示部62と、入力部63とを備えている。本体61は、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、及び画像出力インタフェース61hを備えており、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、及び画像出力インタフェース61hは、バス61jによって接続されている。後述する検査情報管理用のコンピュータプログラム64aをCPU61aが実行することにより、コンピュータ6aが検査情報管理装置6として機能する。なお、CPU61a、ROM61b、RAM61c、ハードディスク61d、読出装置61e、入出力インタフェース61f、通信インタフェース61g、画像出力インタフェース61h、画像表示部62、及び入力部63の構成は、情報処理ユニット5のCPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51h、画像表示部52、及び入力部53の構成と同様である。
【0063】
検査情報管理用のコンピュータプログラム64aは、ハードディスク61dにインストールされている。またハードディスク61dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム64aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0064】
可搬型記録媒体64には、コンピュータを検査情報管理装置6として機能させるためのコンピュータプログラム64aが格納されており、コンピュータ6aが当該可搬型記録媒体64からコンピュータプログラム64aを読み出し、当該コンピュータプログラム64aをハードディスク61dにインストールすることが可能である。
【0065】
なお、前記コンピュータプログラム64aは、可搬型記録媒体64によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ6aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム64aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ6aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク61dにインストールすることも可能である。
【0066】
また、ハードディスク61dには、ユーザ認証テーブルTB4と、患者属性情報テーブルTB5と、検査結果テーブルTB6と、検査オーダテーブルTB7とが設けられている。ユーザ認証テーブルTB4、患者属性情報テーブルTB5、及び検査結果テーブルTB6は、上述したユーザ認証テーブルTB1、患者属性情報テーブルTB2、及び検査結果テーブルTB3のそれぞれと同様の構造のテーブルであるので、その説明を省略する。検査オーダテーブルTB7は、検体IDと、当該検体IDに対応する患者の患者属性情報と、検査を実施すべき検査項目(測定項目)とが対応付けられたテーブルである。
【0067】
入出力インタフェース61fには、キーボード及びマウスからなる入力部63が接続されている。通信インタフェース61gはLANを介して情報処理ユニット5に接続されている。コンピュータ6aは、通信インタフェース61gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された情報処理ユニット5との間でデータの送受信が可能である。また、画像出力インタフェース61hには、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部62が接続されている。
【0068】
[検体検査装置1の動作]
以下、本実施の形態に係る検体検査装置1の動作について説明する。
【0069】
患者の氏名、年齢、性別等の患者属性情報が、操作者によって入力されたり、他の装置から送信されたりして、検査情報管理装置6に与えられる。検査情報管理装置6は、受け付けた患者属性情報を患者属性情報テーブルTB5に登録する。このようにして、検査情報管理装置6に患者属性情報が記憶される。
【0070】
また、患者から検体が採取されると、その検体に対して検体IDが割り当てられ、この検体ID及び検査項目からなる検査オーダが、操作者によって入力されたり、他の装置から送信されたりして、検査情報管理装置6に与えられる。検査情報管理装置6は、受け付けた検査オーダを検査オーダテーブルTB7に登録する。このようにして、検査情報管理装置6に検査オーダが記憶される。
【0071】
<ログイン処理>
図8は、検体検査装置1の情報処理ユニット5によるログイン処理の流れを示すフローチャートである。コンピュータ5aが起動され、当該コンピュータ5aにコンピュータプログラム54aの実行指示が操作者から与えられると、CPU51aは、プログラム54aの初期設定を実行し(ステップS101)、画像表示部52にログイン画面を表示する(ステップS102)。ログイン画面には、ユーザIDとパスワードを入力するための入力ボックスがそれぞれ設けられており、操作者は、自分のユーザID及びパスワードを入力部53を用いて情報処理ユニット5に入力する。CPU51aは、ユーザID及びパスワードの入力を待機し(ステップS103においてNO)、ユーザID及びパスワードの入力を受け付けると(ステップS103においてYES)、ユーザ認証処理を実行する(ステップS104)。
【0072】
ユーザ認証処理において、CPU51aは、入力されたユーザID及びパスワードと、ユーザ認証テーブルTB1に登録されているユーザID及びパスワードとを照合し、入力されたユーザID及びパスワードが登録されたものであるかを判断する。ユーザ認証が失敗した場合には(ステップS105においてNO)、CPU51aはユーザ認証エラーの発生を通知する画面を表示し(ステップS106)、その後ステップS102へ処理を戻す。
【0073】
ユーザ認証が成功した場合には(ステップS105においてYES)、CPU51aはユーザ認証テーブルTB1において当該ユーザID及びパスワードを含むレコードの操作者グループを確認し、操作者グループが「ユーザ」であるか「サービスマン」であるかを判定する(ステップS107)。操作者グループが「ユーザ」である場合には(ステップS107において「ユーザ」)、CPU51aは検体検査装置1の動作モードを「ユーザモード」に設定する(ステップS108)。「ユーザ」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられている。つまり、「ユーザモード」とは、検体検査装置1において患者属性情報の出力が可能な動作モードである。「ユーザモード」の設定が完了すると、CPU51aは、「ユーザモード」用のメニュー画面を画像表示部52に表示し(ステップS109)、処理を終了する。
【0074】
一方、操作者グループが「サービスマン」である場合には(ステップS107において「サービスマン」)、CPU51aは検体検査装置1の動作モードを「サービスモード」に設定する(ステップS110)。「サービスマン」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられていない。つまり、「サービスモード」とは、検体検査装置1において患者属性情報の出力を制限する動作モードである。「サービスモード」の設定が完了すると、CPU51aは、「サービスモード」用のメニュー画面を画像表示部52に表示し(ステップS111)、処理を終了する。
【0075】
図9は、サービスモードにおけるメニュー画面の画面構成を示す図である。検体検査装置1のデータ処理ユニット5に表示される画面(ウィンドウ)は、どれもメニューバー、ツールバー及び作業領域を有している。メニュー画面801においてもメニューバー802、ツールバー803、及び作業領域804が設けられている。
【0076】
メニューバー802には、「ファイル」、「編集」、「表示」等のメニューが設けられており、これらのメニューを操作者がマウスのクリック操作等により選択することでプルダウンメニューが表示され、そのプルダウンメニューから所望の項目を選択することで当該項目に対応する操作(分析結果の外部記憶装置8への記憶、アプリケーションの終了等)を実行することができる。このメニューバー802は、メニュー画面801以外の画面においても共通した内容のもの(同一のメニュー)が表示される。
【0077】
ツールバー803には、複数のアイコンが設けられている。それぞれのアイコンは、ヘルプ画面の表示、マニュアル測定、サンプラ測定、メニュー画面の表示、ブラウザ画面の表示等、使用される頻度の高い操作に各別に対応しており、これらのアイコンをマウスのクリック操作等により選択することで、対応する操作(コマンド)を実行することができる。このツールバー803には、メニュー画面801以外の画面においても共通して表示される共通アイコンと、各画面において個別に表示される個別アイコンとが含まれている。ツールバー803に含まれるアイコン805が選択されると、後述するブラウザ画面の表示コマンドが実行され、ブラウザ画面に表示が遷移する。また、アイコン806が選択されると、検体測定のコマンドが実行され、検体の測定が開始される。これらのアイコン805、806は共通アイコンである。
【0078】
作業領域804には、複数のアイコンが設けられている。それぞれのアイコンは、エラー履歴画面、ユーザ及びサービスマンの共用のメンテナンス機能を実行することが可能なメンテナンス画面、サービスマン用の各種メンテナンス機能を実行することが可能なサービス画面等、メニュー画面以外の画面に表示を切り替えるための操作に各別に対応しており、これらのアイコンをマウスのクリック操作等により選択することで、対応する操作(コマンド)を実行することができる。この作業領域804は、メニュー画面801以外の画面ではその内容が異なるものとなっている。また、サービスモードにおけるメニュー画面801の作業領域804と、ユーザモードにおけるメニュー画面の作業領域とは、その内容が異なっている。アイコン807は、サービスマン用の各種メンテナンス機能を実行することが可能なサービス画面に表示を切り替えるためのサービスアイコンである。このサービスアイコン807はユーザモードにおけるメニュー画面では表示されない、サービスモードにおけるメニュー画面801固有のアイコンである。
【0079】
<検体測定処理>
図10A及び図10Bは、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検体測定処理の流れを示すフローチャートである。操作者は、検体を収容した検体容器Tを複数保持するサンプルラックLを分析前ラック保持部41に載置する。この状態で、オペレータは入力部53を操作し、情報処理ユニット5に検体測定の実行を指示する。情報処理ユニット5のCPU51aは、検体測定の実行指示を受け付け、図示しないセンサにより分析前ラック保持部41に載置されたサンプルラックLを検出すると、ステップS201の処理を実行する。
【0080】
ステップS201において、CPU51aは、検体搬送ユニット4を制御して、サンプルラックLを搬送させ、サンプルラックLに保持されている検体容器Tをバーコード読取位置43cに位置させる(ステップS201)。次にCPU51aは、当該検体容器TのバーコードラベルBL1の検体バーコードから検体IDをバーコード読取部44に読み取らせる(ステップS202)。
【0081】
CPU51aは、バーコード読取部44により読み取られた検体IDに対応する検査オーダを検査情報管理装置6へ問い合わせる(ステップS203)。これは、ネットワークを通じて接続されている検査情報管理装置6へ検体IDを含む検査オーダ要求データを送信することにより行われる。
【0082】
検査情報管理装置6は、検査オーダ要求データを受信すると、データに含まれる検体IDをキーとして、検査オーダテーブルTB7から該当する検査オーダを検索する。得られた検査オーダには、検体の採取元の患者に関する患者属性情報が含まれている。かかる検査オーダが、検査情報管理装置6から情報処理ユニット5へと送信される。
【0083】
情報処理ユニット5のCPU51aは、検査オーダの受信を待機し(ステップS204においてNO)、検査オーダを受信すると(ステップS204においてYES)、受信した検査オーダをハードディスク51dに記憶し、この検査オーダに含まれる患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2に登録する(ステップS205)。
【0084】
CPU51aは、当該検体容器Tが検体供給位置43aに位置するまでサンプルラックLを搬送する(ステップS206)。次にCPU51aは、測定ユニット2の検体容器搬送部25を制御して、検体容器TをサンプルラックLから抜き取り、測定ユニット2内に当該検体容器Tを取り込み、検体容器Tを吸引位置へ搬送する(ステップS207)。さらにCPU51aは、検体吸引部21を制御し、測定に必要な量の検体を検体容器Tから吸引させ(ステップS208)、試料調製部22を制御して、測定項目に対応した測定用試料を調製する(ステップS209)。CPU51aは、検出部23に測定試料を供給して、検出部23により検査オーダに含まれる各測定項目について検体の測定を行う(ステップS210)。これにより、CPU51aは、検出部23から出力される測定データを取得する。その後、CPU51aは、測定に使用した流路又は反応チャンバ等を洗浄する洗浄動作を実行する(ステップS211)。
【0085】
CPU51aは、測定データの解析処理を実行し(ステップS212)、RBC、PLT、HGB、WBC、NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONOの数値等を含む検査結果を得る。CPU51aは、このようにして取得した検査結果を検査結果テーブルTB3に登録する(ステップS213)。またCPU51aは、取得した検査結果を検体IDと共に検査情報管理装置6へと送信する(ステップS214)。送信された検査結果は検査情報管理装置6によって受信され、検査結果情報管理装置6のCPU61aは、受信した検査結果を検査結果テーブルTB6に登録する。
【0086】
さらにCPU51aは、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS215)、ユーザモードである場合には(ステップS215において「ユーザモード」)、当該検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS216)、「ユーザモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS217)、処理を終了する。一方、ステップS215において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、検査結果テーブルTB3から当該検体に係る検査結果を読み出し(ステップS218)、「サービスモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS219)、処理を終了する。上記のような検体測定処理は、サンプルラックLに保持されている全ての検体の検査を完了するまで、繰り返し実行される。
【0087】
図11は、ユーザモード用の検査結果画面の一例を示す図である。検査結果画面810には、メニューバー812、ツールバー813、及び作業領域814が設けられている。作業領域814には、検査結果の各種情報が表示される。具体的には、作業領域814内に、分析結果表示欄814a、フラグ表示欄814b、及び粒度分布図表示欄814cが設けられている。分析結果表示欄814aには、WBC、RBC、HGB等の検査項目の数値データが一覧形式で表示される。また、フラグ表示欄814bには、検体の検査結果に異常が発生していた場合において異常を示す情報等が表示される。粒度分布図表示欄814cには、RBC及びPLTのヒストグラム並びに白血球5分類(NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO)のスキャッタグラムが表示される。
【0088】
さらに作業領域814には、患者属性情報表示欄814dが設けられている。この患者属性情報表示欄814dには、患者属性情報(患者ID、患者の氏名、担当医、病棟、患者コメント)が表示される。
【0089】
メニューバー812には、「データ操作」メニューが設けられており、この「データ操作」メニューを操作者がマウスのクリック操作等により選択することでプルダウンメニューが表示され、そのプルダウンメニューに含まれる「バックアップ」の項目を選択することで、操作者は、作業領域814に表示されている検査結果及び患者属性情報を、入出力インタフェース51fに接続されている外部記憶装置8に保存する指示を検体検査装置1に与えることができる。
【0090】
ツールバー813には、個別アイコンである「出力」アイコン813aが含まれている。操作者はアイコン813aをマウスのクリック操作等により選択することで、作業領域814に表示されている検査結果及び患者属性情報を、入出力インタフェース51fに接続されているプリンタ9により印刷する指示又はネットワークを通じて接続されている外部コンピュータ7に送信する指示を与えることができる。
【0091】
図12は、サービスモード用の検査結果画面の一例を示す図である。サービスモード用の検査結果画面820には、メニューバー822、ツールバー823、及び作業領域824が設けられている。メニューバー822及びツールバー823は、ユーザモード用の検査結果画面810におけるメニューバー812及びツールバー813と同じである。
【0092】
作業領域824には、分析結果表示欄824a、フラグ表示欄824b、及び粒度分布図表示欄824cが設けられており、これらはユーザモード用の検査結果画面810における分析結果表示欄814a、フラグ表示欄814b、及び粒度分布図表示欄814cと同じ内容である。一方、サービスモード用の検査結果画面820における患者属性情報表示欄824dには、患者属性情報は表示されない。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0093】
<検査結果表示処理>
図13は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果表示処理の流れを示すフローチャートである。操作者は、過去の検査結果を閲覧する場合、表示画面中のツールバーのブラウザアイコンを選択する操作を行う。これにより、過去の検査結果が検査結果テーブルTB3から検査結果が読み出され、当該検査結果を含むブラウザ画面が呼び出される。CPU51aは、かかるブラウザ画面の表示指示を受け付けると、ステップS301の処理を実行する。
【0094】
ステップS301において、CPU51aは、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS301)、ユーザモードである場合には(ステップS301において「ユーザモード」)、最後に測定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS302)、「ユーザモード」用の検査結果画面(ブラウザ画面)を画像表示部52に表示し(ステップS303)、処理を終了する。一方、ステップS301において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、最後に測定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し(ステップS304)、「サービスモード」用の検査結果画面(ブラウザ画面)を画像表示部52に表示し(ステップS305)、処理を終了する。
【0095】
図14は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果表示切替処理の流れを示すフローチャートである。上記のような検査結果画面が表示されている状態において、別の検体の検査結果に表示を切り替えることが可能である。この場合、操作者は検査結果の検索画面を表示する操作を行い、検体ID等を検索キーとして入力して検索の指示を与えたり、ツールバー813に設けられた「上」又は「下」のアイコンを選択する等することで、検体検査装置1に対して表示対象の検体の指定を与えることができる。CPU51aは、表示対象の検体の入力を受け付けると(ステップS311)、ステップS312の処理を実行する。
【0096】
ステップS312において、CPU51aは、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS312)、ユーザモードである場合には(ステップS312において「ユーザモード」)、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS313)、読み出された患者属性情報及び検査結果を含む「ユーザモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS314)、処理を終了する。一方、ステップS312において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し(ステップS315)、読み出された検査結果を含む「サービスモード」用の検査結果画面を画像表示部52に表示し(ステップS316)、処理を終了する。
【0097】
検査結果表示処理においても、ユーザモード用の検査結果画面810には患者属性情報が表示されるが、サービスモード用の検査結果画面820には患者属性情報は表示されない。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0098】
<検査結果保存処理>
図15は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果保存処理の流れを示すフローチャートである。上記のような検査結果画面が表示されている状態において、検査結果が表示されている検体の検査結果を外部記憶装置8に記憶させることが可能である。操作者は、メニューバー812に設けられた「データ操作」メニューを選択し、表示されたプルダウンメニューに含まれる「バックアップ」の項目を選択する操作を行うことで、検体検査装置1に対して検査結果の保存指示を与えることができる。CPU51aは、検査結果の保存指示を受け付けると(ステップS401)、ステップS402の処理を実行する。
【0099】
ステップS402において、CPU51aは、保存先を指定するためのダイアログボックス(図示せず)を画像表示部52に表示させる(ステップS402)。このダイアログボックスでは、検査結果の保存先のパスを指定する入力領域が設けられており、操作者は、この入力領域に外部記憶装置8のパスを入力することで、外部記憶装置8を保存先に指定することができる。また、このダイアログボックスには、キャンセルボタンが含まれており、操作者がこのキャンセルボタンを選択する操作を行うことで、ダイアログボックスの表示を終了することができる。
【0100】
CPU51aは、キャンセルボタンの選択を受け付けた場合には(ステップS403においてNO)、ダイアログボックスの表示を終了し(ステップS404)、処理を終了する。一方、CPU51aは、上記ダイアログボックスにおいて保存先のパスの指定を受け付けると(ステップS403においてYES)、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS405)、ユーザモードである場合には(ステップS405において「ユーザモード」)、現在検査結果が表示されている検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS406)、指定された保存先に当該患者属性情報及び検査結果を保存し(ステップS407)、処理を終了する。一方、ステップS405において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、上記検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し(ステップS408)、指定された保存先に当該検査結果を保存し(ステップS409)、処理を終了する。
【0101】
このように検査結果保存処理においては、ユーザモードが設定されている場合には検査結果とともに患者属性情報が保存先に保存されるが、サービスモードが設定されている場合には検査結果のみが保存され、患者属性情報は保存されない。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0102】
<検査結果印刷・送信処理>
図16は、検体検査装置1の情報処理ユニット5による検査結果印刷・送信処理の流れを示すフローチャートである。上記のような検査結果画面が表示されている状態において、検査結果が表示されている検体の検査結果をプリンタ9に印刷させたり、外部コンピュータ7に送信したりすることが可能である。操作者は、ツールバー813に含まれる「出力」アイコンを選択する操作を行うことで、検体検査装置1に対して検査結果の印刷又は送信の指示を与えることができる。CPU51aは、検査結果の出力指示を受け付けると(ステップS501)、ステップS502の処理を実行する。
【0103】
ステップS502において、CPU51aは、出力先を指定するためのダイアログボックス(図示せず)を画像表示部52に表示させる(ステップS502)。このダイアログボックスでは、検査結果の出力先として、プリンタ9又は外部コンピュータ7を指定することが可能となっている。また、このダイアログボックスには、キャンセルボタンが含まれており、操作者がこのキャンセルボタンを選択する操作を行うことで、ダイアログボックスの表示を終了することができる。
【0104】
CPU51aは、キャンセルボタンの選択を受け付けた場合には(ステップS503においてNO)、ダイアログボックスの表示を終了し(ステップS504)、処理を終了する。一方、CPU51aは、上記ダイアログボックスにおいて出力先が指定された場合には(ステップS503においてYES)、検体検査装置1の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS505)、ユーザモードである場合には(ステップS505において「ユーザモード」)、現在検査結果が表示されている検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出す(ステップS506)。一方、ステップS505において「サービスモード」である場合には、CPU51aは、上記検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出す(ステップS507)。
【0105】
CPU51aは、出力先としてプリンタ9が指定されたか、外部コンピュータ7が指定されたかを判別し(ステップS508)、出力先としてプリンタ9が指定されている場合には(ステップS508において「プリンタ」)、読み出した情報から、印刷するページ形式の印刷データを生成する(ステップS509)。ここで、ユーザモードの場合は、患者属性情報と検査結果とが読み出されているため、患者属性情報及び検査結果が印刷されるよう、印刷データが作成される。一方、サービスモードの場合は、検査結果のみが読み出されており、患者属性情報は読み出されていないため、検査結果のみが印刷されるよう、印刷データが作成される。CPU51aは、このようにして作成された印刷データをプリンタ9に送信して印刷処理を実行し(ステップS510)、処理を終了する。
【0106】
一方、ステップS508において出力先として外部コンピュータ7が指定されている場合には(ステップS508において「外部コンピュータ」)、読み出した情報から、送信する形式の送信データを生成する(ステップS511)。ここで、ユーザモードの場合は、患者属性情報と検査結果とが読み出されているため、患者属性情報及び検査結果の両方を含む送信データが作成される。一方、サービスモードの場合は、検査結果のみが読み出されており、患者属性情報は読み出されていないため、検査結果のみを含む送信データが作成される。CPU51aは、このようにして作成された送信データを外部コンピュータ7に送信し(ステップS512)、処理を終了する。送信されたデータは、外部コンピュータ7によって受信され、外部コンピュータ7のハードディスクに記憶される。
【0107】
このように検査結果印刷・送信処理においては、ユーザモードが設定されている場合には検査結果とともに患者属性情報がプリンタ9により印刷され、又は外部コンピュータ7へ送信されるが、サービスモードが設定されている場合には検査結果のみが印刷又は外部コンピュータ7へ送信される。これにより、サービスマンに患者属性情報が閲覧されることが防止できる。
【0108】
[検査情報管理装置6の動作]
以下、本実施の形態に係る検査情報管理装置6の動作について説明する。
【0109】
<ログイン処理>
図17は、検査情報管理装置6によるログイン処理の流れを示すフローチャートである。コンピュータ6aが起動され、当該コンピュータ6aにコンピュータプログラム64aの実行指示が操作者から与えられると、CPU61aは、プログラム64aの初期設定を実行し(ステップS601)、画像表示部62にログイン画面を表示する(ステップS602)。ログイン画面には、ユーザIDとパスワードを入力するための入力ボックスがそれぞれ設けられており、操作者は、自分のユーザID及びパスワードを入力部63を用いて検査情報管理装置6に入力する。CPU61aは、ユーザID及びパスワードの入力を待機し(ステップS603においてNO)、ユーザID及びパスワードの入力を受け付けると(ステップS603においてYES)、ユーザ認証処理を実行する(ステップS604)。
【0110】
ユーザ認証処理において、CPU61aは、入力されたユーザID及びパスワードと、ユーザ認証テーブルTB4に登録されているユーザID及びパスワードとを照合し、入力されたユーザID及びパスワードが登録されたものであるかを判断する。ユーザ認証が失敗した場合には(ステップS605においてNO)、CPU51aはユーザ認証エラーの発生を通知する画面を表示し(ステップS606)、その後ステップS602へ処理を戻す。
【0111】
ユーザ認証が成功した場合には(ステップS605においてYES)、CPU61aはユーザ認証テーブルTB1において当該ユーザID及びパスワードを含むレコードの操作者グループを確認し、操作者グループが「ユーザ」であるか「サービスマン」であるかを判定する(ステップS607)。操作者グループが「ユーザ」である場合には(ステップS607において「ユーザ」)、CPU61aは検査情報管理装置6の動作モードを「ユーザモード」に設定する(ステップS608)。「ユーザ」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられている。つまり、「ユーザモード」とは、検査情報管理装置6において患者属性情報の出力が可能な動作モードである。
【0112】
一方、操作者グループが「サービスマン」である場合には(ステップS607において「サービスマン」)、CPU61aは検査情報管理装置6の動作モードを「サービスモード」に設定する(ステップS610)。「サービスマン」のグループに属する操作者には、患者属性情報の出力を行う権限が与えられていない。つまり、「サービスモード」とは、検査情報管理装置6において患者属性情報の出力を制限する動作モードである。「ユーザモード」又は「サービスモード」の設定が完了すると、CPU61aは、検査結果テーブルTB6に登録されている情報を読み出し(ステップS611)、検査結果の一覧画面(図示せず)を画像表示部62に表示し(ステップS612)、処理を終了する。
【0113】
<検査結果表示処理>
図18は、検査情報管理装置6による検査結果表示処理の流れを示すフローチャートである。検査結果一覧画面は、検体ID及び検査結果を検体毎にリスト形式で表示した画面であり、詳細な検査結果を表示させたい場合には、表示すべき検体の検査結果をマウスによってダブルクリックする等の選択操作を行うことにより、その検体に係る検査結果画面を表示させることができる。操作者は、過去の検体検査装置1による詳細な検査結果を閲覧する場合、上記のように検査結果を表示すべき検体を指定する操作を行う。CPU61aは、表示対象の検体の入力を受け付けると、ステップS701の処理を実行する。
【0114】
ステップS701において、CPU61aは、検査情報管理装置6の現在の動作モードがユーザモードであるかサービスモードであるかを判別し(ステップS701)、ユーザモードである場合には(ステップS701において「ユーザモード」)、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB3から読み出し、当該検査結果に含まれる患者IDと同一の患者IDを含む患者属性情報を患者属性情報テーブルTB2から読み出し(ステップS702)、読み出された患者属性情報及び検査結果を含む「ユーザモード」用の検査結果画面を画像表示部62に表示し(ステップS703)、処理を終了する。一方、ステップS701において「サービスモード」である場合には、CPU61aは、指定された検体に係る検査結果を検査結果テーブルTB6から読み出し(ステップS704)、読み出された検査結果を含む「サービスモード」用の検査結果画面を画像表示部62に表示し(ステップS705)、処理を終了する。
【0115】
なお、検査結果画面を別の検体の検査結果を表示するものに切り替える場合、検査結果を外部記憶装置8に保存する場合、検査結果を印刷し、又は外部コンピュータ7へ送信する場合の検査情報管理装置6の動作については、上記の検体検査装置1の情報処理ユニット5の動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0116】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、ユーザモードのときに、検査結果と共に患者属性情報を含む検査結果画面を表示する構成について述べたが、ユーザモード用の検査結果画面における表示対象から除外する患者属性情報をユーザ毎に予めユーザが設定可能な構成としてもよい。つまり、患者属性情報の各項目のうち、表示対象から除外する項目を予めユーザが情報処理ユニット5において設定しておき、この除外項目をユーザIDに対応付けてハードディスク51dに記憶しておく。検査結果を表示するときに、患者属性情報のうち、除外項目以外の項目の患者属性情報と、検査結果とを含む検査結果画面を生成し、これを表示する構成としてもよい。また、このとき患者の氏名は除外対象には設定できないようにすることもできる。表示以外の出力形式(保存、印刷、送信)についても同様である。
【0117】
また、上述した実施の形態においては、サービスモードのときに、患者属性情報を含まず、検査結果を含む検査結果画面を表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、サービスモードのときに、患者を特定可能な属性情報、例えば患者の氏名のみを含まず、その他の属性情報を含む検査情報を表示するように構成してもよい。サービスモード用の検査結果画面において患者属性情報のうち表示を制限する項目を予めユーザが設定しておき、検査結果を表示するときに、患者属性情報のうち、表示を制限される対象の項目以外の項目の患者属性情報と、検査結果とを含む検査結果画面を生成し、これを表示する構成としてもよい。また、このとき患者の氏名は常に表示を制限される対象の項目として固定的に設定され、表示対象には設定することができない構成としてもよい。表示以外の出力形式についても同様である。
【0118】
また、サービスマンが装置の故障又はメンテナンス(部品交換、部材の清掃、設定値の変更等)の必要性を判断するために、サービスモードにおける検査結果画面において、検査結果を補助するための補助情報を検査結果と共に表示する構成としてもよい。例えば、スキャッタグラムが正常であるかを判断するために、スキャッタグラムの各クラスターの重心位置の座標値を、当該スキャッタグラムと共に表示したり、ヒストグラムと共にそのヒストグラムに用いられている信号の感度情報を表示したり、PLTの数値データと共に検出部の温度、感度、詰まりレベル、サンプリング数等を表示する構成としてもよい。
【0119】
また、上述した実施の形態においては、サービスモード用の検査結果画面において、患者属性情報を一切表示しない構成について述べたが、これに限定されるものではない。サービスモード用の検査結果画面において、検体検査装置1が正常に機能しているかどうかを判断するために必要な患者属性情報は表示し、他の情報は表示しない構成としてもよい。血球分析装置においては、同一検査項目においても年齢及び性別により陽性/陰性の判定基準が異なるため、患者属性情報のうち年齢及び性別についてはサービスモード用の検査結果画面においても表示する構成としてもよい。また、尿中有形成分分析装置においては、RBC及びSPERM(精子)等については、性別、年齢、及び診療科(病棟)により陽性/陰性の判定基準が異なるため、患者属性情報のうち性別、年齢、及び診療科についてはサービスモード用の検査結果画面においても表示する構成としてもよい。表示以外の出力形式についても同様である。
【0120】
また、上述した実施の形態においては、サービスモード用の検査結果画面820の患者属性情報表示欄814dには、何も表示しない構成について述べたが、これに限定されるものではない。サービスモード用の検査結果画面820の患者属性情報表示欄814dに、患者属性情報の代わりに、患者属性情報の表示が制限されている旨を表示する構成としたり、現在サービスモードが設定されている旨を表示する構成としてもよい。また、この患者属性表示欄814dに、患者属性情報の代わりに、上述した検査結果を補助するための補助情報を表示する構成としてもよい。
【0121】
また、上述した実施の形態においては、操作者を認証するために、ユーザIDとパスワードと操作者グループとを対応付けて記憶するユーザ認証テーブルを用いる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザIDに操作者の種別を特定するための文字(あるいは文字列)を含むようにしておき、入力されたユーザIDに含まれた文字(あるいは文字列)を認識することにより、操作者の種別を判別するようにしてもよい。また、ユーザIDに特定の文字(あるいは文字列)が含まれている場合には、操作者がユーザおよびサービスマンの一方の種別であると判断し、含まれていない場合には他方の種別であると判断する形態であってもよい。具体的には、サービスマンに割り振られるユーザIDに、サービスマンを識別するための特定の文字(あるいは文字列)が含まれるようにしておく。操作者を認証する際には、入力されたユーザIDにサービスマンを識別するための文字(あるいは文字列)が含まれているか否かを判断する。含まれていると判断した場合にはパスワードの認証を経てサービスモードにログインするようにし、含まれていないと判断した場合にはパスワードの認証を経てユーザモードにログインするようにしてもよい。
【0122】
また、上述した実施の形態においては、検体検査装置1を多項目血球分析装置としたが、これに限定されるものではない。血液凝固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、又は尿定性分析装置のような多項目血球分析装置以外の検体検査装置としてもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ5aによりコンピュータプログラム54aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム54aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【0124】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ6aによりコンピュータプログラム64aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム64aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の検体検査装置は、多項目血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置、尿定性分析装置等の検体検査装置として有用である。また本発明の検査情報管理装置は、LIS(Laboratory Information System)として有用である。さらに本発明の検査情報出力方法は、上記のような検体検査装置による検査情報の出力方法として有用である。
【符号の説明】
【0126】
1 検体検査装置
2 測定ユニット
21 検体吸引部
22 試料調製部
23 検出部
4 検体搬送ユニット
41 分析前ラック保持部
42 分析後ラック保持部
43 ラック搬送部
5 情報処理ユニット
5a コンピュータ
51a CPU
51b ROM
51c RAM
51d ハードディスク
51e 読出装置
52 画像表示部
53 入力部
54 可搬型記録媒体
54a コンピュータプログラム
6 検査情報管理装置
6a コンピュータ
61a CPU
61b ROM
61c RAM
61d ハードディスク
61e 読出装置
62 画像表示部
63 入力部
64 可搬型記録媒体
64a コンピュータプログラム
TB1,TB4 ユーザ認証テーブル
TB2,TB5 患者属性情報テーブル
TB3,TB6 検査結果テーブル
T 検体容器
L サンプルラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報の入力を受け付ける被験者属性情報受付手段と、
検体を検査して検査結果を取得する検査結果取得手段と、
被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、
操作者から当該操作者を識別するための識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、
を備える、検体検査装置。
【請求項2】
前記記憶部は、識別情報と、前記第1種別情報又は前記第2種別情報とを対応付けて記憶する、請求項1に記載の検体検査装置。
【請求項3】
前記被験者属性情報は、被験者を特定可能な属性情報からなる項目と、被験者の他の属性の情報からなる項目とを含む複数の項目からなり、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含み、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されている、請求項1または2に記載の検体検査装置。
【請求項4】
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に出力対象から除外する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける除外項目受付手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記除外項目が設定されている場合であって、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記除外項目以外の項目の情報を含み、且つ当該被験者属性情報に係る検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されている、請求項3に記載の検体検査装置。
【請求項5】
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に出力を制限する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける出力制限項目受付手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち出力を制限する項目として設定された項目および被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記被験者を特定可能な属性情報として被験者の氏名を含む被験者属性情報を記憶するように構成されており、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、出力を制限する項目に被験者の氏名からなる項目を常に含むように構成されている、請求項5に記載の検体検査装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を表示可能に構成されている、請求項1乃至6の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項8】
前記出力手段は、被験者属性情報を表示する第1領域と、検査結果を表示する第2領域とを含む検査結果画面を表示可能であり、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報を前記第1領域に含み、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を前記第1領域に含まず、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されている、請求項7に記載の検体検査装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記検査結果に加え、前記検査結果を補助する補助情報を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されている、請求項8に記載の検体検査装置。
【請求項10】
前記出力手段は、外部記憶媒体を着脱可能であり、且つ、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を前記外部記録媒体に書き込み可能に構成されている、請求項1乃至9の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項11】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を外部コンピュータへ送信可能に構成されている、請求項1乃至10の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項12】
前記記憶部は、年齢及び性別を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として血球計数検査の結果を記憶するように構成されており、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢及び性別以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至11の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項13】
前記記憶部は、年齢、性別及び被験者が属する診療科を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として尿中有形成分検査の結果を記憶するように構成されており、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢、性別及び診療科以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至12の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項14】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が検体検査装置を使用するユーザであることを示す前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が前記検体検査装置のメンテナンスを実行するサービスマンであることを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至13の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項15】
検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、
操作者から当該操作者に係る識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、
を備える、検査情報管理装置。
【請求項16】
検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを記憶する検体検査装置における検査情報出力方法であって、
検体検査装置の操作者を識別するための識別情報の入力を受け付け、
受け付けた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、
受け付けた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する、検査情報出力方法。
【請求項1】
検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報の入力を受け付ける被験者属性情報受付手段と、
検体を検査して検査結果を取得する検査結果取得手段と、
被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、
操作者から当該操作者を識別するための識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、
を備える、検体検査装置。
【請求項2】
前記記憶部は、識別情報と、前記第1種別情報又は前記第2種別情報とを対応付けて記憶する、請求項1に記載の検体検査装置。
【請求項3】
前記被験者属性情報は、被験者を特定可能な属性情報からなる項目と、被験者の他の属性の情報からなる項目とを含む複数の項目からなり、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含み、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されている、請求項1または2に記載の検体検査装置。
【請求項4】
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に出力対象から除外する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける除外項目受付手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記除外項目が設定されている場合であって、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第1種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち前記除外項目以外の項目の情報を含み、且つ当該被験者属性情報に係る検査結果を含む第1検査情報を出力するように構成されている、請求項3に記載の検体検査装置。
【請求項5】
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に出力を制限する被験者属性情報の項目の設定を受け付ける出力制限項目受付手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち出力を制限する項目として設定された項目および被験者を特定可能な属性情報からなる項目を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記被験者を特定可能な属性情報として被験者の氏名を含む被験者属性情報を記憶するように構成されており、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報であるときに、出力を制限する項目に被験者の氏名からなる項目を常に含むように構成されている、請求項5に記載の検体検査装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を表示可能に構成されている、請求項1乃至6の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項8】
前記出力手段は、被験者属性情報を表示する第1領域と、検査結果を表示する第2領域とを含む検査結果画面を表示可能であり、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報を前記第1領域に含み、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を前記第1領域に含まず、且つ前記被験者属性情報に係る前記検査結果を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されている、請求項7に記載の検体検査装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記検査結果に加え、前記検査結果を補助する補助情報を前記第2領域に含む検査結果画面を表示するように構成されている、請求項8に記載の検体検査装置。
【請求項10】
前記出力手段は、外部記憶媒体を着脱可能であり、且つ、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を前記外部記録媒体に書き込み可能に構成されている、請求項1乃至9の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項11】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を外部コンピュータへ送信可能に構成されている、請求項1乃至10の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項12】
前記記憶部は、年齢及び性別を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として血球計数検査の結果を記憶するように構成されており、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢及び性別以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至11の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項13】
前記記憶部は、年齢、性別及び被験者が属する診療科を含む被験者属性情報を記憶し、且つ、検査結果として尿中有形成分検査の結果を記憶するように構成されており、
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が前記第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報のうち年齢、性別及び診療科以外の情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至12の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項14】
前記出力手段は、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が検体検査装置を使用するユーザであることを示す前記第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、前記操作者が前記検体検査装置のメンテナンスを実行するサービスマンであることを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記第2検査情報を出力するように構成されている、請求項1乃至13の何れかに記載の検体検査装置。
【請求項15】
検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを対応付けて記憶する記憶部と、
操作者から当該操作者に係る識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、
前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、前記識別情報受付手段によって受け付けられた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第2種別情報と対応する識別情報である場合に、前記記憶部に記憶されている前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する出力手段と、
を備える、検査情報管理装置。
【請求項16】
検体が採取された被験者を特定可能な属性の情報を含む被験者属性情報と、当該被験者属性情報に係る被験者から採取された検体についての検査結果とを記憶する検体検査装置における検査情報出力方法であって、
検体検査装置の操作者を識別するための識別情報の入力を受け付け、
受け付けた識別情報が、操作者が第1の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、被験者属性情報及び当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第1検査情報を出力し、
受け付けた識別情報が、操作者が第2の種別に属することを示す第1種別情報と対応する識別情報である場合に、前記被験者属性情報のうち被験者を特定可能な属性情報を含まず、且つ当該被験者属性情報に係る前記検査結果を含む第2検査情報を出力する、検査情報出力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−33536(P2011−33536A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181693(P2009−181693)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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