説明

検査下の対象物を映し出すX線画像装置及び方法

検査下の対象物(101)を映し出すためのX線画像装置(100)であって、X線画像装置(100)は、検査下の前記対象物(101)に向けられるべきX線束(104)を作り出すのに適合されたX線源(103)、検査下の前記対象物(102)を貫く前記X線束(104)の透過後複数の測定領域(108から114)の内の少なくとも1つの選択された領域(110,112)における前記X線束(104)のX線照射量を測るための照射量測定装置(106)、及び前記複数の測定領域(108から114)の内の少なくとも1つの選択された領域(110,112)を示す検査下の前記対象物(101)の表面部分(117)を照らすための照明装置(115)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線画像装置に関する。
【0002】
更に、本発明は、検査下の対象物を映し出す方法に関する。
【0003】
更に、本発明は、プログラム要素に関する。
【0004】
更に、本発明は、コンピュータ読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0005】
X線イメージングは、医療応用を含む多くの技術分野で重要である。
【0006】
医療イメージングは、それにより医師が外から見ることができない患者の体の領域を評価するプロセスである。医療イメージングは、臨床的に動機付け可能であり、特定人患者の病気を診断し検査するために探求される。代替的に、医療イメージングは、生命体中のプロセスを理解するために研究者により使用可能である。医療イメージングのために発達した技術の多くも又、科学的産業的応用を有する。
【0007】
X線写真術の場合、プルーブ(probe)は、骨、筋肉及び脂肪のような異なる組織タイプにおいて異なる速度で吸収されるX線束である。検査下の対象の人体を貫いて伝搬した後、透過X線束は、検査下の対象の内部構造を示す強度パターンを作る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】GB2,302,492A
【特許文献2】DE 299 06 438 U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
GB2,302,492Aは、X線源と画像増幅器を含むX線システムを開示する。線状ビームを持った2つのレーザーは、患者の皮膚上に照準十字を作るように円周角90°変位してビーム源に置かれる。
【0010】
DE 299 06 438 U1は、組み合わされたX線透過及びレーザー投射装置を開示する。
【0011】
統合レーザー投射器がX線を透過させた構造物の表面図を提供する。
【0012】
このように、従来のシステムは、X線を照射された患者の皮膚上の一部を示すことができる。
【0013】
しかし、人間であるシステムの操作者が、手で調整された照射パラメータが適切であるか否かを制御するのは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、使用者に友好的なX線装置を提供することである。
【0015】
上に定義された目的を達成するために、特許請求の範囲の独立項によるX線画像装置、検査下の対象物を映し出す方法、プログラム要素、コンピュータ読取可能媒体が提供される。
【0016】
本発明の実施例により、検査下の対象物を映し出すX線画像装置は提供され、そのX線画像装置は、検査下の対象物に向けられるべきX線束を作り出すのに適合されたX線源、検査下の対象物を貫くX線束の透過後複数の測定領域の内の選択された少なくとも1つにおけるX線束のX線量を測る(空間的に用量依存的に)ための照射量測定装置、及び検査下の対象物の複数の測定領域の内の選択された少なくとも1つを示す表面部分を照らすための照明装置を含む。
【0017】
本発明のもう1つの実施例により、検査下の対象物を映し出す方法は提供され、その方法は、検査下の対象物にX線束を向けるステップ、検査下の対象物を貫くX線束の透過後複数の測定領域の内の選択された少なくとも1つにおけるX線束のX線量を空間的に用量依存的に測るステップ、及び検査下の対象物の複数の測定領域の内の選択された少なくとも1つを示す表面部分(X線での検査下の対象物を照明する前及び/又は照明中)を照らすステップを含む。
【0018】
本発明の更にもう1つの実施例により、検査下の対象物を映し出すコンピュータプログラム、それがプロセッサーにより実行されたときに、上述の機能を有する方法を制御又は実行するのに適合されたコンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読取可能媒体が提供される。
【0019】
本発明の更にもう1つの実施例により、検査下の対象物を映し出すプログラム要素、それがプロセッサーにより実行されたときに、上述の機能を有する方法を制御又は実行するのに適合されたプログラム要素が提供される。
【0020】
本発明の実施例により実行可能なプロセス制御及びデータ評価目的のためのデータ処理は、コンピュータプログラムにより実現可能で、即ち、ソフトウエアにより、又は1以上の特別電子最適化回路を使うことにより、即ちハードウエア中、又は混合(hybrid)の形で、即ちソフトウエアコンポーネント(component)及びハードウエア素子の手段により実現可能である。
【0021】
本発明の実施例により、X線画像装置(例えばX線写真術への応用のため)は、検査下の対象物又は検査下の対象物(例えば患者の肺部又は検査中の荷物の怪しい内容物)の関係する内部領域の可視画像を作るために提供可能である。X線源(即ちX線管等)は、X線波長領域の電磁放射を作り出すために提供され得る。このX線束は、X線で照射されるべき検査下の対象物の部分を定めるため視準器を用いて照準を合わせることができ、このビームは、対象物を貫いて伝搬した後、検出器により検出可能な対象物を通って透過する。そのような検出器はカセット(いわゆる膜箔技術)でも良いし、又はデジタルX線検出装置(例えば接続された光ダイオード配置を持つシンチレーション検出器、又はCCD)でも良い。
【0022】
検出器と検査下の対象物との間に照射量測定装置(例えばPMS内部のアンプリマット(amplimat)チャンバーと呼ばれるイオン化チャンバー)を置いても良くそれは、複数の測定領域の配置(例えば5つの測定領域)であっても良い。X線照射を始める前に、操作者は、幾つか(又は全部)の測定領域を選ぶ。実際のX線照射の間X線照射量を測るためにー検査下の対象物への続いて起こるX線照射の間―この選ばれた測定領域のグループのみ使用される。選ばれた又は活性化された測定領域のみで測定されたX線照射量の所定の閾値を越えたとき、トリガー信号は、X線管のスイッチオフ用に作成可能である。
【0023】
どの測定領域がこのX線量測定に使われるのかという決定は、検査下の対象物の性質に基づいても良い。例えば、もしX線写真術により肺が映し出されるなら、5つの内の3つの測定領域は、X線装置に関係する肺の幾何学的位置に応じて及び肺物質のX線吸収特性により活性化可能である。
【0024】
しかし、操作者が適切な測定領域を選び、かつ同時に測定領域の幾何学的配置(それは常にX線束の伝搬路に沿って、患者の背後に位置する)及びX線管の位置と同様に患者の位置が互いに適切であるかを確認することは難しいかもしれない。
【0025】
照明装置は、検査下の対象物の背後に置かれた1以上の測定領域を、その対象物の表面(前)部分へ正しい位置配置、正しい大きさ及び正しい形で、マップし又は映し出すことができる。この投影は、2次元的に(代替的に直線としての1次元、又は点としての0次元的に)実施できる。
【0026】
本発明の実施例により、操作者にとって測定領域の選択のより良い制御を可能にするために、照明装置は、患者の体のどの部分が、活性化測定領域の実際の選択に対応するか、及び患者の体のどの部分が、検査下の対象物のX線照射の終了の引き金を引く(ある照射量を達成した時に)目標照射量を測定するためのX線量測定に使われるかを示すために(好ましくはX線管の方に向かい又は面し且つ照射量測定装置に向かない患者の体の側に)患者の皮膚の部分を照らし出すために提供されても良い。
【0027】
検査下の対象物のX線照射過多及び不足は、安全上予防され、それにより検査下の対象物内の関係領域の意味深い画像を確実にする事ができるので、患者の皮膚にある光パターンを投射する事により、X線量測定に使われるべき測定領域に幾何学的に関係する体の部分を照らすことは、かなり装置の操作を簡素化でき、患者のX線被爆を小さくでき、且つ取り込まれた画像の精度を改良できる。
【0028】
X線管は例えば対応する締め具要素を用いて壁や天井に取り付けても良い。ユーザーインターフェースを介して、操作者(例えば医師又は技術スタッフ)は、照射量測定装置の測定領域を選んでも良いし、患者のX線被爆の視準器で定められた領域を選んでも良いし、特定のX線写真検査(例えば照射されるべき組織の種類、年齢のような患者の特性、等)を示唆する更なるパラメータを調整しても良い。
【0029】
患者と検出器の間に置くことができる照射量測定装置は、選択領域でのみ照射量を測定でき、且つ望ましい量が測定されたときにX線管のスイッチ切りを開始できる。照射量測定装置の背後に位置する検出器により測定できるX線量が、X線照射過多及び不足なしに画像を取り込むことができるように放射線量を選ぶことができる。このように、シナリオの1例によれば、患者の全断面は、X線で照射されるが、この照射部分の1部のみが、X線量測定に用いられる。
【0030】
患者の背後の測定領域が操作者に見えない従来のシステムと対照的に、患者上の照明装置により示される光学的に強調表示された部分に基づく本発明の実施例により、彼女又は彼の方向が測定領域に関し正しいように患者を配置する事は可能である。
【0031】
このように、測定領域は、患者の皮膚の上に視覚的に重ねることができる。この目的のために、レーザー又は如何なる他の照明装置(ハロゲンランプ、LED,等)をも測定領域の現在の選択を示すために好ましくはX線管の視準器の近くに提供することができる。このように、操作者が、能動的及び受動的測定領域の調整を変えるとき、これは照明装置を用いることにより患者の体の皮膚上の強調表示された部分に影響力を有する。そのような機能は、測定領域を正しく調整する時に操作者を助けることができる。
【0032】
アンプリマットチャンバーとしても言及される照射量測定装置は、放射のスイッチを切り、そして故にX線照射過多及び不足なしに特定の臓器を映し出すために正しい放射線量を確保できる。患者の方向が正しいか矯正されるべきかの直感的制御を可能にするように、レーザー投影ユニットは、後の実際のX線測定の間放射線量はどの部分で測られるのか示すことができる。それ故、選択されたアンプリマット項目は、光学的に示され得る。測定チャンバーを患者の背後に置くことができるので、従来のシステムでは困難であるかもしれない、操作者が如何にアンプリマットチャンバーを患者に関係し方向付けるか、を明らかにする事ができる。測定領域の選択を専門家の知識及び/又は経験及び/又は経験的データに基づき実行できる。
【0033】
それ故、本発明の実施例により、患者の体の視覚的照射量測定領域図示は、可能となる。レーザースキャナー又はレーザーを、以前には手で調整されたシステムパラメータ(アンプリマット領域の選択のような)の表示及び動的調整を許す貯めに患者の体の幾何学的部分又は画像を表示するために使用できる。そのようなアンプリマット領域は、自動X線照射システムのための測定領域であっても良い。活性化された測定領域の数量的に正しい表示は、測定領域の正しい選択及び減少された患者の放射線量での画質の改良を可能にする。
【0034】
それ故、患者の皮膚に直接アンプリマットチャンバーの選択された測定領域の実画像を作るレーザースキャナー付きX線システムを提供できる。そのシステムは、患者の体に照準化X線領域を光学的に表示するために使用可能である。
【0035】
それ故、照射量制限のための自動被爆制御付きのX線システムを提供できる。特定のイメージング状況に従い使用される測定領域の正しい選択は、画質及び患者の放射線被曝にとって重要な面である。この目的のために、測定領域の位置及び大きさは、患者の皮膚に直接投射され得る。個々の測定領域が、スイッチオン又はオフされるとき、これは患者の皮膚の強調表示された部分に影響を持つ。言い換えると、照明は、リアルタイムで更新され得る。
【0036】
このように、異なるX線照射状況において、実際のX線照射の前に、測定領域の正しい選択及び照射されるべき体の領域に関するそれらの位置を制御できるように、個々の測定領域は、患者の体の正しい位置に光学的に示される。
【0037】
これは、患者の背後に位置する測定領域の幾何学的配置に対応し、患者の体へ画像を投射するレーザー投射装置を用い実現可能である。患者に関する選択された測定領域の位置は、適切な幾何学的パラメータの評価により知ることができ、且つその位置は患者の体の測定領域の正しい像を計算するために入力装置としてのレーザー投射ユニットのために奉仕できる。同時に、レーザー投射ユニットは、患者の体の放射領域の重なった領域を示すために奉仕できる。任意に、レーザー投射ユニットは更に、患者の体に直接に又は患者の側面に置けるテーブル板上に照射関係パラメータを示すために奉仕できる。
【0038】
時間がかかる測定領域制御は実行される必要がないので、そのような方法をとることは、簡略化操作性のためより速い操作を可能にする。更に、正しくない測定領域選択により従来起こる可能性のあった誤照射を予防できる。更に、不正確な測定位置調整による誤照射を回避できる。更に、このレーザースキャナーは、長寿命と高精度を持つことができる。更に、レーザースキャナーは、強調表示された照射領域の端部の適切に定められたイメージングを可能にする。
【0039】
X線システムの医療応用は、人体の検査のみならず動物の検査を含みうるので、本発明の実施例は、獣医学領域で採用可能である。
【0040】
次に、X線画像装置の更なる実施例は、記述される。しかし、これらの実施例は又、方法に、プログラム要素に及びコンピュータ読取可能媒体に応用される。
【0041】
X線画像装置は、検査下の対象物を貫いて透過した後のX線束を検出するためのX線検出装置を含む事ができる。このように、X線管により放射された幾何学的X線束路は以下のようである。X線は先ず、照らし出された人体の部分を定めるための視準器を通る。その後、薄暗いパターンを作るためにX線は、人体を通りそして局部物質に依存して選択的に減衰する。患者を透過した後、減衰したX線は、透過X線のX線量を測るために照射量測定装置を通る。その後、X線は、検出器により検出される。検出装置は、従来のフィルム圧板であっても良いし、又はデジタルX線検出器であっても良い。
【0042】
決定ユニットは、検出されたX線束に基づき検査下の対象物に関する構造情報を決定するために提供可能である。例えば、デジタル検出器の場合に、検出されたパターンは、画像の精度を改良するために後処理され得る。これは、マイクロプロセッサー等として実現可能な決定ユニットで実行可能である。
【0043】
X線画像装置は、複数測定領域のうちの少なくとも1つの選ばれた領域の測定されたX線束のX線照射量が、所定の照射量閾値に達するときX線束をスイッチオフするためのX線束制御ユニットを含むことができる。このように、照射量測定装置の選ばれた測定領域の照射量は、追加され、そして合計量が閾値よりも大きいときこれは、適切な画質に必要な十分なX線量を示す。そのような場合、X線照射過多(多すぎる照射量)及び不足(少なすぎる照射量)の両方を避けるためX線束は、スイッチが切られる。
【0044】
X線画像装置は、複数測定領域のうちの少なくとも1つの選ばれた領域、検査下の対象物、及び所定の照射量閾値からなるグループのうちの少なくとも1つをユーザーが選ぶことができるためにユーザーインターフェースを含むことができる。そのようなユーザーインターフェースは例えば、図形ユーザーインターフェース(GUI)である。これは、LCD装置、陰極線管、プラズマ装置のような表示装置を含むことができる。更に、そのようなユーザーインターフェースは、キーパッド、ボタン、ジョイスティック、トラックボール又は声認識システムのマイクロフォンのような入力要素を含むことができる。
【0045】
照明装置は、光学的光源を含むことができ、言い換えると、特に本質的に400nmと800nmの間の領域にある1以上の光学的光束を作り出すことができる。このように、患者の体に投影された構造は、人の目に見ることができる
照明装置は、レーザー投射器を含むことができる。レーザー投射器を用いて、患者の皮膚に画像を高精度高強度で作ることができる。そのような画像は、対応する測定領域を示す領域を定める強調表示された領域又は線であっても良い。
【0046】
照明装置は更に、X線源に面する検査下の対象物の表面部を照らすのに適合可能である。故に、検出器の反対側に置かれ、照明装置に向いている患者の体部は照らされる。X線画像装置の共通の幾何学により、人体上の測定領域の正しい選択を制御するために医師又は技術スタッフにとってこれは適切な位置である。
【0047】
照明装置は更に、検査下の対象物をX線束に曝す前に検査下の対象物の表面部を照らすのに適合可能である。それ故、人体の不必要に有害な照射を避けるために患者がX線照射に曝される前に測定領域の正しい選択が実行可能である。
【0048】
照明装置は、X線源の視準器の隣に位置しても良い。そのような視準器は、放射線放射により実際に照射された人体の部分を定めるためにX線管により作られたX線束の焦点を結ばせる事ができる。照明装置と視準器を互いに近くに置いて、如何なる可能な光学的画像ひずみ又は収差をも、個々の構成部品相互の関係的幾何学的構成により、更に最小にする又は減らす小型システムが提供可能である。
【0049】
照明装置は、X線源を収納する筐体に一体化できる。言い換えると、X線源と照明装置は、システムを小型化でき且つ光学的画像ひずみを小さく保つ事ができる共通の筐体に置くことができる。
【0050】
X線画像装置は、壁、天井、そして床から成るグループの少なくとも1つに取り付け可能である。それ故、X線画像装置は、適切な方法で医師が現照明状態を監視できる相対的に固定された幾何学的位置決めを有することができる。X線画像装置は又、携帯X線画像装置として適合可能である。携帯X線画像装置において、患者の不必要な照射を避けるため正しい位置決めは特に、難しく且つ重要である。
【0051】
X線画像装置は、荷物検査装置、医療応用装置、物質検査装置及び物質科学分析装置からなるグループの1つとして構成しうる。故に、X線画像装置に基づくどのようなX線写真術又は蛍光は、多くの技術分野で使用可能である。
【0052】
照明装置は、2次元表面部分が、複数の測定領域の内の少なくとも1つの選択された部分を示す検査下の対象物の2次元表面部分(即ち照明線のみの代わりに1の領域)を照らすために適合可能である。そのような2次元照明は、レーザースキャナー等を用い有利に実行できる。
【0053】
照明装置は、2次元表面部分が、複数の測定領域の内の少なくとも1つの選択された部分を示す検査下の対象物の2次元表面部分を動的に照らすために適合可能である。このような文脈において、「動的」の術語は、照明が時間に依存する事を示すので、測定領域の修正された選択は、修正された照明に帰結することができる。
【0054】
連続生産において、本発明の実施例は、照明装置の「光学的」助けで組み立てられるべき(接着剤により、半田付け等により)部品の正しい位置決め、及びその後のX線を用いたプロセスの文書化に使用可能である。
【0055】
本発明の上述の及び更なる面は、この後に記述される実施例から明らかであり、これらの実施例を参照して説明される。
【0056】
本発明は、実施例を参照してより詳細が記述されるが、本発明は、それらに限られない。
【0057】
図面の表示は概略的である。異なる図面において、図中の等しい又は類似の要素は、同じ参照番号で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例によるX線画像装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1を参照して、本発明の実施例によるX線画像装置100は説明される。
【0060】
X線画像装置100は、肺102を映し出すのに適合された、記述された実施例中の人体101の部分を映し出すのに適合される。
【0061】
X線画像装置100は、特に肺部102を含む人体101へ向かうX線束104を作ることができるX線源103(X線管)を含む。X線束104の実際の幅及び形状は、視準器ユニット105で定めることができる。
【0062】
更に、照射量測定装置106は、人体101とシンチレーション検出器107との間に与えられそして置かれる。照射量測定装置は、肺102を通りX線束104の透過後複数の測定領域の内の少なくとも1つの選択された部分においてX線束104の照射量を空間的に依存的に測るのに適合される。記述された実施例において、照射量測定装置は、図1に概略的に示される7つの測定領域を含み、参照番号108から114で示される。現行の場合において、図1に視覚的に示されるように、測定領域108,109,111,113及び114がスイッチオフされる一方、測定領域110及び112のみが選択される。
【0063】
肺画像の獲得のために、胸骨及び脊柱は、照射量推定のためゲートでコントロールされるか又はマスキングされる。領域109及び113の代わりに、領域110及び112は故に、興味深い。皮膚上の領域110及び112の照明の結果として、操作者は、その選択を受け入れ又は調整する事ができる。胸骨及び/又は脊柱を照明するとき、測定領域111が必要となる可能性がある。皮膚上の測定領域を照明することにより、もし必要なら、放射線場の位置を矯正できる。
【0064】
産業界においては、対象物上の領域を示すことは、「正しい領域」の選択は、自動的方法で実行できるか又は、対象の方向/位置は自動的に修正できるか、又は両方できるという結果を有することができる。
【0065】
選択された測定領域110及び112の選択は、検査下の対象物102の特性、現行ケースにおいては肺部102の幾何学的配置及び物質的特性に従いシステム100を操作する操作者により実行できる。
【0066】
これより先、複数の測定領域108から114のうちの選択された領域を示す人体101の表面部分117を選択的に照らすために、1以上の空間的に調整可能で又は修正可能なレーザービーム116を放射する事ができるレーザー投射装置115が提供される。このように、選択された測定領域110及び112の幾何学的配置は、光部117により患者の皮膚の上に模様の形でマップされる。光部117でもって、皮膚の(2次元)領域は強調表示され得る。
【0067】
レーザー投射装置115は、必ずしも点状のレーザービーム画像ではない2次元図形表示を作成可能なレーザースキャナーであっても良い。レーザースキャナーを使う患者の体への2次元投影は、このように正確にー大きさ及び位置―患者の背後に位置する測定領域(の活性化状態)―に関し対応する。これは又、測定領域の照射領域の大きさを変えることができる。
【0068】
検出器107は、人体101の透過後及び照射量測定装置106を通っての透過後のX線束104を検出するのに適合される。
【0069】
更に、検出されたX線束に基づき肺部102に関する構造情報を決定する処理ユニット又は決定ユニット118が、予見される。処理ユニット118の出力信号は、スクリーン上の肺102の画像を表示するための表示装置119へ供給され得る。装置100の全ての機能を制御する中央制御ユニット120(例えばCPU,「中央処理ユニット」)が予見される。特に、選択された測定領域110及び112中のX線束104の測定されたX線管放射量が所定の放射線量閾値に達するとき、中央制御ユニット120は、X線管103を活性化することによりX線束104をスイッチオフするのに適合可能である。
【0070】
これより先、ユーザーインターフェース121は、ユーザーが活性化測定領域110及び112を選択できること、検査下の対象物102(現行ケースでは肺)を定義できること、所定の放射線量閾値を定義できる事等を予見される。そこで、専門知識を用い、操作者は、特定の画像応用のためにシステム100を設定できる。
【0071】
図1から更にとれるように、レーザー投射装置115は、人体101の正面を照らし、即ちX線源103に面し且つ照射量測定装置106に隣接する人体101の表面の反対に位置する皮膚部を照らす。この方法をとることにより、人体101の適切な部分は照らされ、このことは、実際の応用では、システム100の操作者によって監視されるためには特に適切である。
【0072】
以下、X線装置100を用いる典型的な手続きが説明される。
【0073】
先ず、人体101は、X線源103と照射量測定装置106との間に置かれる。操作者は、実行されるべき測定を特定するような方法で、即ち種々のパラメータを調整する方法でユーザーインターフェース121を操作する。これは特に、実行されるべき特定の測定に対応して、特に検査されるべき臓器102に対応して複数の測定領域108から114のうちの活性化測定領域110及び112を定義することを含む。この先行する選択は、レーザー投射装置115により作られた照明部分117として体の皮膚上に示される。操作者が、測定領域110及び112の特定の選択を受け入れた後、彼女又は彼は、人体101をX線束104に曝すX線束104の製作を始めることができる。選択された測定領域110及び112に衝突するX線のみが照射量測定に用いられ、特定の照射量値が得られたとき、X線管103の不活性化の引き金が引かれる。対応する照射量は、X線照射過多及び不足なしで検出器107上の画像を有するのに十分であるように選択される。結果の画像は、表示装置119上に表示可能である。
【0074】
「含む」の語は、特許請求の範囲内に列挙された事項以外の要素又はステップの存在を除外しない。「1つの」の語は、複数のそのような要素の存在を除外しない。又、異なる実施例に関連して記述された要素は、組み合わせることができる。
【0075】
特許請求の範囲内で、括弧内に置かれた如何なる参照符号も、特許請求の範囲を制限するものとして構成されないことに又注意されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査下の対象物を映し出すためのX線画像装置であって、
検査下の前記対象物に向けられるべきX線束を作り出すのに適合されたX線源;
検査下の前記対象物を貫く前記X線束の透過後複数の測定領域の内の少なくとも1つの選択された領域における前記X線束のX線照射量を測るための照射量測定装置;及び
前記複数の測定領域の内の少なくとも1つの選択された領域を示す検査下の前記対象物の表面部分を照らすための照明装置
を含むX線画像装置。
【請求項2】
検査下の前記対象物を貫く透過後の前記X線束を検出するための検出装置を含む請求項1のX線画像装置。
【請求項3】
前記検出されたX線束に基づき検査下の前記対象物に関する構造情報を決定するための決定ユニットを含む請求項2のX線画像装置。
【請求項4】
前記複数の測定領域の内の前記少なくとも1つの選択された領域における前記X線束の前記測定されたX線量が所定のX線量閾値を超える時前記X線源を不活性化するためのX線束制御ユニットを含む請求項1のX線画像装置。
【請求項5】
ユーザーが、前記複数の測定領域の内の前記少なくとも1つの選択された領域、検査下の前記対象物、及び前記所定の放射線量閾値からなるグループの少なくとも1つを特定できるユーザーインターフェースを含む請求項1のX線画像装置。
【請求項6】
前記照明装置がレーザー投影機を含む請求項1のX線画像装置。
【請求項7】
前記照明装置が、前記X線源に向けられた検査下の前記対象物の前記表面部分を照らすのに適合された請求項1のX線画像装置。
【請求項8】
前記照明装置が、光学的光源を含む請求項1のX線画像装置。
【請求項9】
前記照明装置が、検査下の前記対象物を前記X線束に曝す前に検査下の前記対象物の前記表面部分を照らすのに適合された請求項1のX線画像装置。
【請求項10】
前記照明装置が、前記X線源の視準器に隣接して位置し又は前記X線源を収容する筐体に一体化した請求項1のX線画像装置。
【請求項11】
前記X線画像装置の少なくとも一部が、壁、天井、及び床からなるグループの少なくとも1つに取り付けできる請求項1のX線画像装置。
【請求項12】
携帯X線画像装置として適合された請求項1のX線画像装置。
【請求項13】
荷物検査装置、医療応用装置、物質検査装置及び物質科学分析装置からなるグループの1つとして構成される請求項1のX線画像装置。
【請求項14】
前記照明装置は、前記複数の測定領域の内の前記少なくとも1つの選択された領域を示す検査下の前記対象物の2次元表面部分を照らすために適合された請求項1のX線画像装置。
【請求項15】
前記照明装置は、前記複数の測定領域の内の前記少なくとも1つの選択された領域を示す検査下の前記対象物の前記表面部分を動的に照らすために適合された請求項1のX線画像装置。
【請求項16】
検査下の対象物を映し出す方法であって、
検査下の前記対象物にX線束を向けるステップ;
検査下の前記対象物を貫く前記X線束の透過後複数の測定領域の内の少なくとも1つの選択された領域における前記X線束のX線量を測定するステップ;及び
前記複数の測定領域の内の前記少なくとも1つの選択された領域を示す検査下の前記対象物の表面部分を照らすステップ
を含む方法。
【請求項17】
プロセッサーにより実行されたときに、請求項16の方法を制御又は実行するのに適合され、検査下の対象物を映し出すコンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
プロセッサーにより実行されたときに、請求項16の方法を制御又は実行するのに適合され、検査下の対象物を映し出すプログラム要素。

【図1】
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【公表番号】特表2009−540908(P2009−540908A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516022(P2009−516022)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052241
【国際公開番号】WO2007/148262
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】