説明

構造体の製造方法

【課題】高さが異なる面を有する微小な構造体を製造する。
【解決手段】基板の上方に感光性材料層を形成する工程(b)と、感光性材料層の上方にマスクを配置する工程(c)と、感光性材料層のうち、第1の領域以外の部分をマスクによって遮光しながら、第1の領域を露光する工程(d)と、マスクを感光性材料層の面に沿って移動する工程(e)と、感光性材料層のうち、第1の領域の一部である第2領域と、第2領域に接し、工程(d)で遮光された領域の一部である第3の領域以外の部分をマスクによって遮光しながら、第2の領域と第3領域を露光する工程(f)と、感光性材料層を現像することにより、マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を感光性材料層に形成する工程(g)と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さが異なる面を有する微小な構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療や農業、環境等の分野では、対象物の診断や検査をするために分光センサーが用いられている。例えば、医療の分野では、ヘモグロビンの光吸収を利用して血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターが用いられる。また、農業の分野では、糖分の光吸収を利用して果実の糖度を測定する糖度計が用いられる。
【0003】
下記の特許文献1には、干渉フィルターと光電変換素子との間を光学的に接続する光ファイバーによって入射角度を制限することにより、光電変換素子への透過波長帯域を制限する分光イメージングセンサーが開示されている。しかし、従来の分光センサーにおいては、小型化が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−129908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、小型の分光センサーを作製するには、微小な傾斜構造体を形成することが求められる。しかし、従来の技術においては、微小な構造体を製造するのは困難であった。
【0006】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様は、高さが異なる面を有する微小な構造体を製造可能な製造方法を提供することに関連している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の幾つかの態様において、構造体の製造方法は、基板の上方に感光性材料層を形成する工程(b)と、感光性材料層の上方にマスクを配置する工程(c)と、感光性材料層のうち、第1の領域以外の部分をマスクによって遮光しながら、第1の領域を露光する工程(d)と、マスクを感光性材料層の面に沿って移動する工程(e)と、感光性材料層のうち、第1の領域の一部である第2領域と、第2領域に接し、工程(d)で遮光された領域の一部である第3の領域以外の部分をマスクによって遮光しながら、第2の領域と第3領域を露光する工程(f)と、感光性材料層を現像することにより、マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を感光性材料層に形成する工程(g)と、を具備する。
この態様によれば、半導体プロセスと親和性の高い工程によって、高さが異なる面を有する微小な構造体を容易に製造することができる。
【0008】
上述の態様において、工程(g)の後に、感光性材料層をベーキングする工程(h)をさらに具備することが望ましい。
これによれば、工程(g)において感光性材料層に段差が形成されていても、滑らかな傾斜面又は曲面を形成することができる。
【0009】
上述の態様において、工程(h)の後に、感光性材料層と基板とを異方性エッチングすることにより、マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を基板に形成する工程(i)をさらに具備することが望ましい。
これによれば、傾斜面又は曲面を基板に容易に形成することができる。
【0010】
上述の態様において、工程(b)の前に、基板の上方に中間層を形成する工程(a)と、工程(g)の後に、感光性材料層と中間層とを異方性エッチングすることにより、マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を中間層に形成する工程(i)と、をさらに具備し、工程(b)は、中間層の上方に感光性材料層を形成することが望ましい。
これによれば、傾斜面又は曲面を基板上の中間層に容易に形成することができる。
【0011】
上述の態様において、マスクの形状は、第1の領域の境界線が、マスクの移動方向に交差する方向の直線を含むように、第1の領域を形成する形状であることが望ましい。
これによれば、所望の傾斜角度を有する微小な構造体を容易に形成することができる。
【0012】
上述の態様において、工程(e)は、マスクを感光性材料層の面に沿って移動しながら感光性材料層を露光してもよい。
これによれば、感光性材料層に傾斜面又は曲面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図2】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図3】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図4】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図5】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図6】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図7】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図8】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図9】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図10】実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図。
【図11】実施形態に係る構造体を用いた分光センサーの概略構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。また同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0015】
<1.傾斜構造体の製造方法>
図1〜図10は、本発明の実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図及び平面図である。なお、図3〜図7の各平面図において、マスクの図示を省略している。この実施形態においては、傾斜面を有する構造体の製造方法を示す。この製造方法は、半導体プロセス技術を応用することにより、低コスト且つ微細化が容易な方法である。
【0016】
<1−1.積層>
まず、図1に示すように、基板10上に、傾斜面を有する構造体となる中間層20を形成する。中間層20としては、傾斜面を有する構造体に求められる性質に応じて、絶縁性材料或いは導電性材料を用いることができる。絶縁性材料としては、SiOF、PSG(phosphosilicate glass)、BPSG(borophosphosilicate glass)、SiO、SiN、有機膜等が挙げられる。導電性材料としては、Al、Au、Co、Cr、Cu、Mo、Ni、Pt、Ta、Ti、W、Al−Cu合金、Al−Si−Cu合金、Si、WSi、TiSi、CoSi、NiSi、CrSi、MoSi、TaSi、TaN、TiN等が挙げられる。
【0017】
次に、図2に示すように、中間層20上に、感光性材料層30を形成する。感光性材料層30としては、例えばポジ型の感光性材料を用いるが、ネガ型の感光性材料層を用いても良い。感光性材料層30としては、ノボラック型レジスト、KrFエキシマレジスト、ArFエキシマレジスト等が挙げられる。この感光性材料層30は、高いON/OFF感度が要求されるものではなく、露光光量に応じて現像時に形成されるパターンの深さが異なることにより、傾斜面が形成されるものであれば良い。
【0018】
<1−2.露光>
次に、図3に示すように、感光性材料層30と図示しない露光光源との間にマスク40を配置する。マスク40には、露光光を透過する透過部41と、露光光を透過しない遮光部42とが形成されている。そこで、マスク40を介して感光性材料層30に露光光を照射する。これにより、透過部41の形状に相当する形状の潜像31が感光性材料層30の表面に形成される。照射される露光光は、感光性材料層30の厚み全体が感光されないように、光強度及び照射時間が設定される。
【0019】
次に、図4に示すように、マスク40を感光性材料層30の面に沿って(矢印X方向に)若干移動させ、マスク40を介して感光性材料層30に露光光を照射する。ここで、マスク40の移動距離は、マスク40の移動方向における透過部41の長さより短い距離とする。これにより、図3の工程において潜像31が形成された領域(第1の領域)の一部(第2の領域)と、第2の領域に接し、図3の工程において遮光された領域の一部(第3の領域)とが露光される。その結果、感光性材料層30の表面に潜像32が形成される。潜像32は、図3の工程と図4の工程との両者において露光された第2の領域においては感光性材料層30の深い位置まで形成され、図3の工程と図4の工程とのうちの一方のみにおいて露光された第1の領域及び第3の領域においては感光性材料層30の浅い位置まで形成される。
【0020】
次に、図5〜図7に示すように、マスク40を移動させる毎に、露光光を照射する。これにより、露光光を照射された回数の多い部分ほど感光性材料層30の深い位置まで潜像が形成され、露光光を照射された回数の少ない部分は感光性材料層30の浅い位置まで潜像が形成される。その結果、図7に示すように、マスク40の移動方向Xに沿って、基板10の面からの高さが異なる階段状の潜像33が形成される。
【0021】
ここでは、マスク40の移動と露光光の照射とを交互に行い、マスク40の移動中は露光光を照射せず、露光光の照射中はマスク40を移動させない場合について図示したが、本発明はこれに限定されない。マスク40の移動中に露光光を照射しても良いし、露光光の照射中にマスク40を移動させても良い。また、透過部41の形状(潜像31の形状)は矩形である例を図示したが、これに限らず、透過部41の境界線が、マスク40の移動方向Xに交差する方向の直線を含む形状であれば良い。
【0022】
露光光の照射毎のマスク40の移動距離を長くすると、潜像33の傾斜は緩やかになり、露光光の照射毎のマスク40の移動距離を短くすると、潜像33の傾斜は急になる。これにより、傾斜面を有する構造体の傾斜角度を調整することができる。潜像33は階段状である場合について図示したが、これに限定されない。露光光の照射中にマスク40を移動させることで、階段状の傾斜面を滑らかにすることができる。また、図3〜図7の工程中において、露光光の照射毎のマスク40の移動距離を途中で変化させることにより、曲面を有する構造体を製造することができる。また、潜像33は中間層20に接していなくてもよい。また、一つの基板上に露光条件の異なる複数の領域を設けることで、傾斜角度の異なる傾斜面を有する構造体を、一つの基板上に形成することができる。
【0023】
<1−3.現像>
次に、図8に示すように、感光性材料層30を現像する。感光性材料層30がポジ材料であった場合には、図7の潜像33に相当する部分が現像によって除去され、感光性材料層30に傾斜面が形成される。この傾斜面は、マスク40の移動方向側に向かって深くなる部分34と、マスク40の移動方向に向かって浅くなる部分35とを有している。
【0024】
次に、図9に示すように、基板10を加熱することにより、感光性材料層30をベーキングする。これにより、階段状の傾斜面34、35が滑らかな傾斜面34、35に変化する。高さの異なる面とは、階段状の傾斜面と滑らかな傾斜面を意味する。
最後に、図10に示すように、感光性材料層30及び中間層20をエッチングする。このエッチングは、基板10の面に垂直な方向にエッチングする異方性エッチングであることが望ましく、具体的にはドライエッチングであることが望ましい。これにより、感光性材料層30が除去され、感光性材料層30に形成されていた傾斜構造と同様の傾斜構造が中間層20に形成される。
なお、中間層20を形成せずに、基板10上に感光性材料層30を直接形成して、感光性材料層30に形成した傾斜構造を用いて基板10に傾斜構造を形成しても良い。
【0025】
<1−4.実施形態の効果>
以上の製造工程によれば、半導体プロセスとの親和性が高い成膜、露光、現像、エッチング等の技術を用いて傾斜面又は曲面を有する構造体を製造できる。従って、1つのチップ上に傾斜面又は曲面を有する構造体と半導体回路とを混載することも容易となる。
また、傾斜面又は曲面を有する構造体を製造するために、高価で摩耗しやすい金型を作成する必要がなく、構造体の形状を変更するために金型を作り直す必要もない。また、以上の製造工程によれば、金型で作成可能な材料(樹脂等)だけでなく、種々の材料を用いて、微細な傾斜面又は曲面を有する構造体を製造することができる。
また、以上の製造工程において用いられるマスクは、グレースケールマスクのような特殊な構成を有する必要はない。また、以上の製造工程によれば、基板上の限られたスペースにも、必要な箇所に必要な傾斜面又は曲面を形成することができる。
【0026】
<2.分光センサー>
図11は、本発明の実施形態に係る構造体を用いた分光センサーの概略構成を示す断面図である。図11に示す分光センサーは、受光素子を有する光学素子部50と、角度制限フィルター部60と、分光フィルター部70とを具備している。
【0027】
光学素子部50は、シリコンなどの半導体で形成された基板10と、基板10に形成されたフォトダイオード11を具備している。さらに基板10には、フォトダイオード11に所定の逆バイアス電圧を印加したり、フォトダイオード11において発生した光起電力に基づく電流を検知し、当該電流の大きさに応じたアナログ信号を増幅してデジタル信号に変換したりする電子回路(図示せず)が形成されている。
【0028】
<2−1.角度制限フィルター部>
角度制限フィルター部60は、基板10の上方に形成されている。角度制限フィルター部60においては、遮光体61によって光路壁が形成され、この光路壁に囲まれた酸化シリコン等の透光体62によって光路が形成されている。遮光体61は、フォトダイオード11によって受光しようとする波長の光を実質的に透過しない材料によって構成される。遮光体61は、基板10上に、例えば格子状の所定パターンで複数層にわたって連続的に形成されることにより、基板10の面に垂直な方向に光路を形成する。
【0029】
角度制限フィルター部60によって、光路内を通過する光の入射角度が制限される。すなわち、光路内に入射した光が、光路の向きに対して所定の制限角度以上に傾いている場合には、光が遮光体61に当たり、一部が遮光体61に吸収され、残りが反射される。光路を通過するまでの間に反射が繰り返されることによって反射光は弱くなる。従って、角度制限フィルター部60を通過できる光は、実質的に、光路に対する傾きが所定の制限角度未満で入射した光に制限される。
【0030】
<2−2.分光フィルター部>
分光フィルター部70は、角度制限フィルター部60上に形成された傾斜構造体71と、傾斜構造体71上に形成された多層膜72とを有している。多層膜72は、酸化シリコン等の低屈折率の薄膜と、酸化チタン等の高屈折率の薄膜とを、基板10に対して僅かに傾斜させて多数積層したものである。
低屈折率の薄膜及び高屈折率の薄膜は、それぞれ例えばサブミクロンオーダーの所定膜厚とし、これを例えば計60層程度にわたって積層することにより、多層膜72全体で例えば6μm程度の厚さとする。
【0031】
多層膜72の基板10に対する傾斜角度は、フォトダイオード11によって受光しようとする光の設定波長に応じて、例えば0[deg]以上、30[deg]以下に設定する。多層膜72を基板10に対して傾斜させるために、角度制限フィルター部60上に透光性を有する傾斜構造体71を形成し、その上に多層膜72を形成する。傾斜構造体71としては、上述の製造方法によって製造した傾斜面を有する構造体を用いることができる。
【0032】
以上の構成により、分光フィルター部70は、角度制限フィルター部60に所定の制限角度範囲内で入射する光の波長を制限する。
すなわち、分光フィルター部70に入射した入射光は、低屈折率の薄膜と高屈折率の薄膜との境界面において、一部は反射光となり、一部は透過光となる。そして、反射光の一部は、他の低屈折率の薄膜と高屈折率の薄膜との境界面において再度反射して、上述の透過光と合波する。このとき、反射光の光路長と一致する波長の光は、反射光と透過光の位相が一致して互いに強め合い、反射光の光路長と一致しない波長の光は、反射光と透過光の位相が一致せずに互いに弱め合う(干渉する)。
【0033】
ここで、反射光の光路長は、入射光の向きに対する多層膜72の傾斜角度によって決まる。従って、上述の干渉作用が、例えば計60層に及ぶ多層膜72において繰り返されると、入射光の入射角度に応じて、特定の波長の光のみが分光フィルター部70を透過し、所定の出射角度(例えば、分光フィルター部70への入射角度と同じ角度)で分光フィルター部70から出射する。
【0034】
角度制限フィルター部60は、所定の制限角度範囲内で角度制限フィルター部60に入射した光のみを通過させる。従って、分光フィルター部70と角度制限フィルター部60とを通過する光の波長は、多層膜72の基板10に対する傾斜角度と、角度制限フィルター部60が通過させる入射光の制限角度範囲とによって決まる所定範囲の波長に制限される。
【0035】
フォトダイオード11によって受光しようとする光の設定波長に応じて、異なる傾斜角度を有する傾斜構造体71を予め形成しておくことにより、多層膜72は、フォトダイオード11によって受光しようとする光の設定波長によらず、同一の膜厚で、共通の工程により成膜することができる。
【0036】
<2−3.光学素子部>
光学素子部50に含まれるフォトダイオード11は、分光フィルター部70及び角度制限フィルター部60を通過した光を受光して光起電力を発生させる。フォトダイオード11は、半導体によって構成された基板10に、イオン注入等を行うことによって形成された不純物領域を含んでいる。
【0037】
分光フィルター部70及び角度制限フィルター部60を通過してきた光がフォトダイオード11において受光され、光起電力が発生することにより、電流が発生する。この電流を、電子回路(図示せず)によって検知することにより、光を検知することができる。
【0038】
<2−4.分光センサーの製造方法>
ここで、分光センサーの製造方法について簡単に説明する。分光センサーは、まず基板10にフォトダイオード11を形成し、次に、フォトダイオード11上に角度制限フィルター部60を形成し、次に、角度制限フィルター部60の上に分光フィルター部70を形成することによって製造される。
【0039】
本実施形態によれば、分光センサーを半導体プロセスによって一貫して製造することができ、所望の傾斜角度を有する傾斜構造体を用いた分光センサーを容易に形成することができる。また、傾斜角度の異なる複数の傾斜構造体を用いることで、複数の波長の光を検知することが可能となる。
【0040】
なお、ここでは入射光が分光フィルター部70を透過して光学素子部50に到達する透過型の分光センサーについて述べたが、入射光が分光フィルター部70において反射して光学素子部に到達する反射型の分光センサーでも良い。
また、傾斜面又は曲面を有する構造体を用いた素子として、分光センサーについて述べたが、傾斜面又は曲面を有する構造体を他の素子として用いても良い。例えば、光ファイバーの中継デバイスにおいて所定波長の光信号を中継するため、プリズムやミラー等の光学素子として用いても良い。また、曲面を有する構造体を、微細なレンズを多数配列したマイクロレンズアレイとして用いても良い。
【符号の説明】
【0041】
10…基板、11…フォトダイオード、20…中間層、30…感光性材料層、31、32、33…潜像、34、35…傾斜面、40…マスク、41…透過部、42…遮光部、50…光学素子部、60…角度制限フィルター部、61…遮光体、62…透光体、70…分光フィルター部、71…傾斜構造体、72…多層膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上方に感光性材料層を形成する工程(b)と、
前記感光性材料層の上方にマスクを配置する工程(c)と、
前記感光性材料層のうち、第1の領域以外の部分を前記マスクによって遮光しながら、第1の領域を露光する工程(d)と、
前記マスクを前記感光性材料層の面に沿って移動する工程(e)と、
前記感光性材料層のうち、前記第1の領域の一部である第2領域と、前記第2領域に接し、前記工程(d)で遮光された領域の一部である第3の領域以外の部分を前記マスクによって遮光しながら、前記第2の領域と前記第3領域を露光する工程(f)と、
前記感光性材料層を現像することにより、前記マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を前記感光性材料層に形成する工程(g)と、
を具備する構造体の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記工程(g)の後に、前記感光性材料層をベーキングする工程(h)をさらに具備する構造体の製造方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記工程(h)の後に、前記感光性材料層と前記基板とを異方性エッチングすることにより、前記マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を前記基板に形成する工程(i)
をさらに具備する構造体の製造方法。
【請求項4】
請求項2において、
前記工程(b)の前に、前記基板の上方に中間層を形成する工程(a)と、
前記工程(g)の後に、前記感光性材料層と前記中間層とを異方性エッチングすることにより、前記マスクの移動方向に沿って高さが異なる面を前記中間層に形成する工程(i)と、
をさらに具備し、
前記工程(b)は、前記中間層の上方に前記感光性材料層を形成する構造体の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項において、
前記マスクの形状は、前記第1の領域の境界線が、前記マスクの移動方向に交差する方向の直線を含むように、前記第1の領域を形成する形状である構造体の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項において、
前記工程(e)は、前記マスクを前記感光性材料層の面に沿って移動しながら前記感光性材料層を露光する構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−168230(P2012−168230A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26870(P2011−26870)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】