説明

横電界型の液晶表示装置

【課題】開口率及び透過率が向上し、製造費用を低減できる横電界型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶層を介して対向する第1基板及び第2基板と、第1基板の内側面で相互交差するゲート配線103及びデータ配線130と、ゲート配線と平行な共通配線109と、ゲート配線及びデータ配線に接続された薄膜トランジスタTrと、薄膜トランジスタ上の表示領域全面に設けられたカラーフィルター層と、カラーフィルター層の上のフォトアクリルからなる第1保護層と、第1保護層の上にデータ配線と重なる垂直部とゲート配線及び共通配線と重なる水平部からなり、表示領域で格子形状の補助共通配線175と、各画素領域内に補助共通配線の水平部から分岐した多数のバー形状の中央部共通電極173及びそれと交互に設けられた画素電極170と、非表示領域で表示領域を囲み、カラーフィルター層の構成物質からなるエッジ部の光漏れ防止パターンを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)に関するものであって、特に開口率を向上させ、マスク工程数を低減させることができる横電界型の液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、液晶表示装置は低消費電力、優れた携帯性、そして技術集約的で高付加価値の次世代ディスプレイの素子として脚光を浴びている。
【0003】
液晶表示装置は、一般的に液晶の光学的異方性と分極特性によって駆動される。前記液晶は細長い構造をしているため、分子の配列に方向性があり、液晶に電界を人為的に印加することで分子配列の方向を制御することができる。
【0004】
従って、前記液晶の分子配列の方向を調整すると、液晶の分子配列が変化し、光学的異方性によって光が前記液晶の分子配列の方向に屈折して、画像情報を表現することができる。
【0005】
現在は、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極がマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型の液晶表示装置(以下、液晶表示装置と略す)が、解像度及び動画を具現化する能力から最も注目を集めている。
【0006】
かかる液晶表示装置は、一般的に共通電極が設けられたカラーフィルター基板と、画素電極が設けられたアレイ基板と、前記両基板の間に介在された液晶からなるが、共通電極と画素電極の間に前記両基板に対して垂直方向にかかる電界によって液晶が駆動される方式であって、透過率と開口率などの特性に優れている。
【0007】
しかし、垂直方向にかかる電界による液晶駆動は、視野角特性が劣るという短所を有している。
【0008】
そこで、前記短所を克服するため、共通電極と画素電極が共にアレイ基板に設けられ、横電界によって駆動されることで視野角特性に優れた横電界型の液晶表示装置が提案された。
【0009】
以下、図1を用いて一般的な横電界型の液晶表示装置に関して説明する。
【0010】
図1は、一般的な横電界型の液晶表示装置の断面図である。
【0011】
図1に示すように、一般的な横電界型の液晶表示装置は、カラーフィルター基板の上部基板9とアレイ基板の下部基板10が互いに離隔対向して形成されており、その間には液晶層11が介在されている。
【0012】
前記下部基板10上にはバー形状を持つ共通電極17と画素電極30が同一平面上に交互に設けられており、前記液晶層11は前記共通電極17と前記画素電極30による水平電界Lによって駆動される。
【0013】
図2a及び図2bは一般的な横電界型の液晶表示装置のオン・オフ状態における動作をそれぞれ示す断面図である。
【0014】
まず、電圧が印加されたオン状態における液晶の配列状態を示す図2aを参照する。前記共通電極17及び前記画素電極30に対応する位置の液晶11aにおける相変位はないが、共通電極17及び画素電極30の間に位置する液晶11bは、両電極間に電圧が印加されることで形成される水平電界Lによって、前記水平電界Lと同じ方向に配列されることになる。即ち、前記横電界型の液晶表示装置は液晶11a、11bが水平電界によって駆動されるため、視野角が広くなるという特性を有する。
【0015】
従って、前記横電界型の液晶表示装置を正面から見るとき、上下左右に凡そ80度ないし89度の方向においても反転現象なく見ることができる。
【0016】
次に、図2bを参照すると、前記液晶表示装置に電圧が印加されていないオフ状態においては、前記共通電極17と前記画素電極30の間に水平電界が形成されていないため、液晶11a、11bの配列状態は変わらないことが分かる。
【0017】
図3は、従来の一般的な横電界型の液晶表示装置において、一つの画素領域の中央部を切断した断面図である。
【0018】
図3に示すように、従来の一般的な横電界型の液晶表示装置95は、アレイ基板40とカラーフィルター基板70と両基板40、70の間に介在された液晶層90からなる。
【0019】
前記アレイ基板40においては、所定の間隔で離隔し、横方向に平行に配置された多数のゲート配線(不図示)と、前記ゲート配線(不図示)に近接して平行に配置された共通配線(不図示)と、前記ゲート配線(不図示)及び前記共通配線(不図示)と交差し、特に前記ゲート配線(不図示)とは交差して画素領域Pを定義するデータ配線50が、ゲート絶縁膜48を介してその下部・上部で構成されている。
【0020】
そして、前記各画素領域Pには、ゲート電極(不図示)と半導体層(不図示)とソース電極(不図示)及びドレイン電極(不図示)からなる薄膜トランジスタ(不図示)が備えられており、前記薄膜トランジスタ(不図示)を覆うように保護層60が設けられている。
【0021】
また、前記画素領域P内には、前記保護層60上に前記薄膜トランジスタ(不図示)のドレイン電極(不図示)を露出させるドレインコンタクトホール(不図示)を介して前記ドレイン電極(不図示)に電気的に接続するバー形状の多数の画素電極64と、それと交互に共通コンタクトホールを介して前記共通配線(不図示)に接続するバー形状の多数の共通電極62が設けられている。
【0022】
そのとき、前記保護層60上部に設けられるバー形状の前記画素電極64と前記共通電極62は、通常、透明な導電性物質、または不透明な金属物質の単層構成からなる。
【0023】
かかる構成のアレイ基板40に対応してカラーフィルター基板70には、各画素領域Pに対応してブラックマトリクス73と、前記ブラックマトリクスで囲まれた領域に対応して赤、緑、青のカラーフィルターパターン76a、76b、76cが順次繰り返してカラーフィルター層76が設けられている。
【0024】
そして、前記カラーフィルター層76を覆うようにオーバーコート層78が設けられており、画素領域Pの境界には第1高さのギャップ形成用スペーサ(不図示)と前記第1高さより低い第2高さのめりこみ防止用スペーサ(不図示)が設けられている。
【0025】
しかし、かかる構成を持つ従来の横電界型の液晶表示装置95は、カラーフィルター基板70に、アレイ基板40と前記カラーフィルター基板70の貼り合わせのマージンを考え、光漏れを防止するためのブラックマトリクスを、希望する幅より大幅を持つように形成しなければならないため、各画素領域の開口率は低下している実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明はそのような従来の問題を解決するために案出されたものであり、開口率及び透過率が向上し、更に製造費用を低減できる横電界型の液晶表示装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前述のような目的を達成するための本発明に係る横電界型の液晶表示装置は、表示領域と非表示領域に定義され、液晶層を介在して対向して貼り合わせられた第1基板及び第2基板と;前記第1基板の内側面の前記表示領域で相互交差して多数の画素領域を定義するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と平行に設けられた共通配線と;前記ゲート配線及び前記データ配線に接続し、前記各画素領域に備えられた薄膜トランジスタと;前記薄膜トランジスタ上に前記表示領域の全面に設けられたカラーフィルター層と;前記カラーフィルター層の上に設けられた、フォトアクリルからなる第1保護層と;前記第1保護層の上に前記データ配線と重なる垂直部と前記ゲート配線及び前記共通配線と重なる水平部からなり、前記表示領域で格子形状で設けられた補助共通配線と、各画素領域内に前記補助共通配線の水平部から分岐した多数のバー形状の中央部共通電極及びそれと交互に設けられた多数のバー形状の画素電極と;前記非表示領域で前記表示領域を囲み、前記カラーフィルター層の構成物質からなる、エッジ部の光漏れ防止パターンを有する。
【0028】
そのとき、前記薄膜トランジスタと前記カラーフィルター層の間には、前記第1基板の全面に無機絶縁物質からなる第2保護層が設けられたことを特徴とする。
【0029】
前記カラーフィルター層は赤、緑、青のカラーフィルターパターンが順次繰り返して形成され、前記各カラーフィルターパターンの境界は前記各画素領域の境界に位置するか、または各画素領域の境界で隣り合う画素領域に備えられたカラーフィルターパターンとの間に重なって設けられたことを特徴とする。
【0030】
また、前記エッジ部の光漏れ防止パターンは、前記赤、緑、青のカラーフィルターパターンと同一物質からなる赤、緑、青のうち、相互異なる二色以上のカラーフィルターパターンが重なって設けられたことを特徴とする。
【0031】
前記第1基板には、前記各画素領域に前記共通配線から分岐して前記データ配線と平行に隣り合って設けられた最外殻共通電極が設けられ、前記補助共通配線の垂直部は前記データ配線と前記最外殻共通電極の離隔領域を覆うように前記最外殻共通電極と重なって設けられたことを特徴とする。
【0032】
また、前記各画素領域において前記第1保護層と前記カラーフィルター層と前記第2保護層には、前記薄膜トランジスタのドレイン電極を露出させるドレインコンタクトホールと前記最外殻共通電極を露出させる共通コンタクトホールが備えられ、前記画素電極は前記ドレインコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接触し、前記補助共通配線は前記共通コンタクトホールを介して前記最外殻共通電極に接触することを特徴とする。
【0033】
前記各画素領域において、前記第1保護層と前記カラーフィルター層と前記第2保護層には、前記薄膜トランジスタのドレイン電極を露出させるドレインコンタクトホールが備えられ、前記画素電極は前記ドレインコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接触し、前記補助共通配線と前記共通配線は前記非表示領域で相互接触することを特徴とする。
【0034】
また、前記各画素領域内の前記第1保護層の上部には前記バー形状の画素電極の一端を全て接続する画素パターンが形成されたことを特徴とする。
【0035】
そして、前記補助共通配線と前記画素電極と前記中央部共通電極は、不透明な金属物質からなる下部層と透明な導電性物質、または銅窒化物(CuNx)からなる上部層の二層構造を有することを特徴とする。そのとき、前記透明な導電性物質は酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)のうち、いずれか一つであることが望ましい。
【0036】
前記共通配線は第1ストレージ電極を構成し、前記薄膜トランジスタのドレイン電極は前記第1ストレージ電極と重なるように設けられることで第2ストレージ電極を構成し、順次積層された前記第1ストレージ電極と前記ゲート絶縁膜と前記第2ストレージ電極はストレージキャパシタを構成することを特徴とする。
【0037】
そして、前記第2基板の内側面には、前記画素領域の境界に対応して第1高さで、所定の間隔で離隔する柱状のギャップ形成用スペーサと、前記第1高さより低い第2高さで、所定の間隔で離隔する柱状のめりこみ防止用スペーサが設けられたことを特徴とする。
【0038】
前記データ配線と前記画素電極と前記最外殻共通電極及び前記中央部共通電極は、前記各画素領域の中央部を基準に対称的に曲がった形状を有することによって、各画素領域が二重ドメインをなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る横電界型の液晶表示装置は、アレイ基板との貼り合わせマージンを考慮してカラーフィルター基板に設けられるブラックマトリクスを省略しながら、光漏れを効率よく防止すると共にカラーフィルター層をアレイ基板に設けることによって、アレイ基板と対向基板との貼り合わせマージンを考慮する必要がなくなるため、開口率を向上させる効果がある。
【0040】
また、同一層に設けられる画素電極と中央部共通電極とデータ配線の間の離隔間隔が増加し、低誘電率のフォトアクリルを用いて保護層を設けることでデータ配線とそれと隣接して設けられる金属材質の構成要素への影響を最小化することによって表示品質を向上させる効果がある。
【0041】
また、ブラックマトリクスが省略されることで材料費及びマスク工程数の低減が可能となるため、工程の単純化及び製造費用の低減化が図れる効果がある。
【0042】
更に、ブラックマトリクスを設けるための設備投資が不要なため、初期設備投資費用を低減させることができる。
【0043】
また、ネガティブ型の特性を有するフォトアクリルを用いて第1保護層を設けることで、コンタクトホールを形成した後にストリップ工程を行う必要がなくなり、工程の単純化の効果を奏する。
【0044】
また、データ配線と、それと平行に設けられるバー形状の共通電極と画素電極が、各画素領域内で上下に曲がった線対称構造を持つようにすることで、二重ドメインを具現化でき、視野角の変化による色度変化を抑える効果がある。
【0045】
更に、保護層の上部に設けられるバー形状の共通電極と画素電極を低抵抗特性の不透明な金属物質と透明な導電性物質からなる二層構造にすることで、外部光による反射率を39%以下に低減でき、虹色のシミ発生を抑えると同時に周囲コントラスト比を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一般的な横電界型の液晶表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【図2a】一般的な横電界型の液晶表示装置のオン状態における動作を示す断面図である。
【図2b】一般的な横電界型の液晶表示装置のオフ状態における動作を示す断面図である。
【図3】従来の一般的な横電界型の液晶表示装置における一つの画素領域を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置において、スイッチング素子を含む一つの画素領域を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例の変形例に係る横電界型の液晶表示装置において、スイッチング素子を含む一つの画素領域を示す平面図である。
【図6】図4の切断線VI−VIに沿って切断した部分を示す断面図である。
【図7】図4の切断線VII−VIIに沿って切断した部分を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置における非表示領域の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を説明する。
【0048】
図4は、本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置において、スイッチング素子を含む一つの画素領域を示す平面図であって、アレイ基板を主に示している。
【0049】
図4に示すように本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置100は、画素電極170と共通電極173とカラーフィルター層(不図示)が備えられたアレイ基板(不図示)と、ギャップ形成用スペーサ及びめりこみ防止用スペーサ(不図示)が備えられた対向基板(不図示)と、それら両基板(不図示)の間に介在された液晶層(不図示)からなる。
【0050】
前記アレイ基板には、ベースとなるガラス、またはプラスチック材質の透明な絶縁基板(不図示)上に、ゲート絶縁膜(不図示)を介し、その下部及び上部を互いに縦横に延びて交差し、多数の画素領域Pを定義する多数のゲート配線103とデータ配線130が設けられている。
【0051】
また、前記絶縁基板(不図示)上には、前記ゲート配線103と同一物質からなり、前記ゲート配線103と離隔し、各画素領域Pを貫通して共通配線109が設けられている。
【0052】
また、前記各画素領域Pにおいて前記ゲート配線103とデータ配線130の交差部付近には、それらゲート配線103及びデータ配線130と接続してスイッチング素子である薄膜トランジスタTrが備えられている。
【0053】
そのとき、前記薄膜トランジスタTrは順次積層された形のゲート電極105と、ゲート絶縁膜(不図示)と、半導体層(不図示)と、相互離隔するソース電極133及びドレイン電極136からなる。
【0054】
一方、前記各画素領域Pの内部には、前記共通配線109が設けられた同一層に、同一物質からなり、前記共通配線109から分岐した形で前記データ配線130と平行に最外殻共通電極116が設けられている。かかる最外殻共通電極116は、それと隣り合うデータ配線130の画素領域Pへの影響を最小化する役割をする。
【0055】
本発明において最も特徴的なのは、構成要素の一つとして、各画素領域Pに対応して赤、緑、青のカラーフィルターパターン(不図示)が順次繰り返してなるカラーフィルター層(不図示)が前記薄膜トランジスタTrを覆い、画像を表示する表示領域(不図示)の全面に設けられることである。
【0056】
そのとき、図面には示していないが、前記カラーフィルター層(不図示)と前記薄膜トランジスタTrの間には無機絶縁物質からなる第2保護層(不図示)が更に設けられている。
【0057】
一方、前記の各カラーフィルターパターン(不図示)の境界は各画素領域Pの境界、例えばデータ配線130、またはゲート配線103上に位置することを特徴とし、各カラーフィルターパターン(不図示)の境界に通常設けられるブラックマトリクスは省略されたことを特徴とする。
【0058】
一方、前記カラーフィルター層(不図示)は前記ゲート配線103の延長方向には赤、緑、青のカラーフィルターパターン(不図示)が順次繰り返す構成になっているが、データ配線130の延長方向には赤、緑、青のカラーフィルターパターン(不図示)が順次繰り返す構成になっても良く、または同一色のカラーフィルターパターンが備えられても良い。前記各カラーフィルターパターン(不図示)がデータ配線130の延長方向に同一色で配列される場合、各カラーフィルターパターンの境界はデータ配線130上にだけ形成される。
【0059】
図3において非表示領域に関しては示していないが、表示領域の最外殻の一部を含み、非表示領域(不図示)に前記表示領域(不図示)を囲む形で前記カラーフィルター層(不図示)を構成する赤、緑、青のカラーフィルターパターン(不図示)のうち、相互異なる二つ以上のカラーフィルターパターン(不図示)が重なって設けられることによってエッジ部の光漏れ防止パターン(不図示)が設けられることを特徴とする。
【0060】
そのように相互異色のカラーフィルターパターン(不図示)が前記表示領域(不図示)の最外殻の一部を含み、前記表示領域(不図示)を囲む形で非表示領域(不図示)に重なって設けられることで形成される前記エッジ部の光漏れ防止パターン(不図示)は、従来の横電界型の液晶表示装置(図3の95)において表示領域の最外殻のエッジ部の光漏れを抑えるために備えられるブラックマトリクスの役割をすることを特徴とする。
【0061】
一方、前記表示領域(不図示)に備えられるカラーフィルター層(不図示)は各画素領域Pで境界を作りながら設けられているが、前記非表示領域(不図示)に備えられたエッジ部の光漏れ防止パターン(不図示)のように各画素領域Pの境界で隣り合う画素領域に備えられたカラーフィルターパターン(不図示)との間で重なって設けられることもできる。
【0062】
そのようにカラーフィルターパターン(不図示)が各画素領域Pの境界で重なり合って設けられる場合、前記画素領域Pの各境界に対応して設けられる共通補助配線175と共に各画素領域Pで発生する光漏れを更に安定して防止することができる。
【0063】
また、かかる構成のカラーフィルター層(不図示)とエッジ部の光漏れ防止パターン(不図示)の上部には、図面には示していないが、ネガティブ型減光性のフォトアクリルからなる第1保護層(不図示)が設けられている。
【0064】
また、前記第1保護層(不図示)の上部には、前記データ配線130とその両側に設けられた最外殻共通電極116とそれら両構成要素130、116の離隔領域に重なる垂直部175aと、前記ゲート配線103と前記共通配線109とそれら両構成要素103、109の離隔領域に重なる水平部175bからなる補助共通配線175が設けられていることを特徴とする。
【0065】
従って、かかる構成の補助共通配線175は実際に表示領域(不図示)においては格子形状であることを特徴とする。
【0066】
かかる補助共通配線175は、不透明な金属物質からなる部分を含むことで各画素領域Pの境界を構成するゲート配線103と共通配線109及びデータ配線130に対応して設けられるが、前記水平部175bは前記ゲート配線103とそれに隣り合って設けられる前記共通配線109との間の離隔領域を覆い、かつ、前記垂直部175aは前記データ配線130とそれに隣り合う最外殻共通電極116との間の離隔領域を覆うことで、実際に従来の横電界型の液晶表示装置(図3の95)のカラーフィルター基板(図3の70)に備えられるブラックマトリクス(図3の73)の役割をすることを特徴とする。
【0067】
その場合、前記補助共通配線175は各画素領域Pの境界を構成するゲート配線103及びデータ配線130が設けられたアレイ基板(不図示)に設けられることで、従来の横電界型の液晶表示装置(図3の95)のように貼り合わせマージンを考慮する必要がなくなるため、従来のブラックマトリクス(図3の73)の幅より小幅になるように設けられることができ、画素領域Pの開口率を向上させる効果がある。
【0068】
一方、前記各画素領域Pには前記補助共通配線175の水平部175bから分岐して前記最外殻共通電極116と平行に、バー形状の多数の中央部共通電極173が所定の間隔で離隔して設けられている。
【0069】
そのとき、前記各画素領域には前記共通配線109、または前記最外殻共通電極116を露出させる共通コンタクトホール158が備えられ、前記補助共通配線175は前記共通コンタクトホール158を介して前記共通配線109、または最外殻共通電極116に接触していることを特徴とする。
【0070】
一方、本発明の実施例においては、各画素領域Pに前記最外殻共通電極116の一端を露出させる共通コンタクトホール158が備えられたことを一例として示している。
【0071】
しかし、図5(本発明の実施例の変形例に係る横電界型の液晶表示装置において、スイッチング素子を含む一つの画素領域を示す平面図であり、本発明の実施例と同一構成要素に対しては同一の符号をつける)を参照すると、前記補助共通配線175が表示領域において格子形状で設けられ、かつ、かかる補助共通配線175が低抵抗特性を持つ不透明な金属物質からなる場合、前記各画素領域Pに備えられた共通コンタクトホールは省略され得る。
【0072】
一方、そのように各画素領域Pに備えられた共通コンタクトホールが省略される場合、前記共通配線109と前記補助共通配線175は、多数の画素領域Pを含む表示領域(不図示)の外側の非表示領域(不図示)で別個のコンタクトホールを介して電気的に接続されることを特徴とする。
【0073】
前記補助共通配線175は表示領域(不図示)で格子形状を持ち、そして低抵抗特性を持つ不透明な金属物質からなる部分を含むため、表示領域(不図示)の全面にわたり内部抵抗に起因した電圧強化による有意差は、各画素領域Pで共通コンタクトホール(図4の158)を介して接触する横電界型の液晶表示装置(図4の100)のレベルになる。
【0074】
従って、前述した通りに例え、各画素領域P内で共通コンタクトホール(図4の158)を省略し、非表示領域(不図示)で前記共通配線109と前記補助共通配線175を電気的に接続させる構成にしても、電圧強化による有意差は殆どないため問題とならず、その場合、各画素領域Pに備えられた共通コンタクトホール(図4の158)を省略できるため、画素領域Pの開口率を更に向上させる効果がある。
【0075】
一方、図4を参照すると、表示領域において各画素領域P内部にはドレインコンタクトホール157を介して前記薄膜トランジスタTrのドレイン電極136に接続される画素パターンが前記共通配線109に重なって形成されており、前記画素パターンから分岐してバー形状を持つ多数の画素電極170が前記最外殻共通電極116の内側に前記多数の中央部共通電極173と交互に設けられている。
【0076】
そのとき、バー形状の前記最外殻共通電極116及び前記中央部共通電極173と前記画素電極170は、各画素領域Pの中央部に位置する前記ゲート配線103と平行した仮想の基準線を基準に所定の角度を持って対称的に曲がった形状を有することで、各画素領域Pの中央部を基準にその上部と下部は、前記共通電極116、173と前記画素電極170の方向を異なって設けられることにより、二重ドメイン構造を持つことを特徴とする。
【0077】
そのように一つの画素領域P内で共通電極116、173と画素電極170を異なる方向に設け、二重ドメインを具現化した理由は、視野角の変化による色度変化を抑え、表示品質を向上させるためである。
【0078】
一方、それら多数の画素電極170及び共通電極116、173が各画素領域P内で曲がった形状を有することによって、前記データ配線130もまた各画素領域Pの中央部を基準に対称的に曲がった形状を有することを特徴とする。
【0079】
そのとき、前記データ配線130は画素領域P毎に分離されて設けられたことではなく、表示領域(不図示)全体に対して接続された構成であるため、前記データ配線130は表示領域(不図示)においては各画素領域Pの中央部を基準に曲がったジグザグ形状を有することを特徴とする。
【0080】
本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置100用アレイ基板の場合、前記共通電極116、173と前記画素電極170及び前記データ配線130が各画素領域Pの中央部を基準に曲がった形状を有することによって二重ドメイン構造になることを一例として示しているが、前記共通電極116、173と前記画素電極170及び前記データ配線130は必ず各画素領域Pの中央部を基準に曲がった形状を有する必要はなく、直線形状であっても良い。
【0081】
一方、各画素領域Pの内部には前記共通配線109と重なり、前記ドレイン電極136が延びて設けられることにより、ゲート絶縁膜(不図示)を介して重なり合う前記共通配線109と前記ドレイン電極136がそれぞれ第1及び第2ストレージ電極110、138を構成しており、それら第1及び第2ストレージ電極110、138とそれらと重なるゲート絶縁膜(不図示)はストレージキャパシタStgCを構成している。
【0082】
本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置においてもう一つ特徴的なのが、外部光による反射率を39%以下のレベルにするため、前記補助共通配線175と前記画素パターンとバー形状の前記中央部共通電極173と前記画素電極170が二層構造をなすことである。
【0083】
その場合、二層構造の前記補助共通配線175と前記画素パターンと前記画素電極170及び前記中央部共通電極173において、それぞれの下部層(不図示)は低抵抗特性を持つ不透明な金属物質のモリチタン(MoTi)からなり、それぞれの上部層(不図示)は透明な導電性物質の酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)のうち、いずれか一つ、または不透明な金属物質の銅窒化物(CuNx)からなることを特徴とする。
【0084】
一方、かかる構成のアレイ基板(不図示)に対応して位置する対向基板(不図示)には、画素領域Pの境界に対応して柱状で第1高さを持つギャップ形成用スペーサ(不図示)が所定の間隔で離隔して設けられると同時に柱状で前記第1高さより低い第2高さを持つめりこみ防止用スペーサ(不図示)が所定の間隔で離隔して設けられている。
【0085】
そのとき、前記ギャップ形成用スペーサ(不図示)とめりこみ防止用スペーサ(不図示)は透明な有機絶縁物質からなっても良く、またはブラック顔料を含むブラックレジンからなっても良い。
【0086】
また、かかる構成のアレイ基板(不図示)と対向基板(不図示)の間に液晶層(不図示)が介在され、前記ギャップ形成用スペーサ(不図示)の一端は前記アレイ基板(不図示)の最上部に位置する構成要素に接触して貼り合わせられている。
【0087】
そのとき、前記アレイ基板(不図示)と対向基板(不図示)が互いに貼り合わせられ、パネルの構成状態を維持できるよう、前記非表示領域(不図示)には前記液晶層(不図示)を囲む形で接着剤の役割をするシールパターン(不図示)が備えられることによって、本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置100が完成される。
【0088】
次に、かかる平面構成を持つ本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置の断面構成について図面を用いて詳しく説明する。
【0089】
図6は図4の切断線VI−VIに沿って切断した部分を示す断面図であり、図7は図4の切断線VII−VIIに沿って切断した部分を示す断面図であり、図8は本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置における非表示領域の一部を示す断面図である。説明の都合上、スイッチング素子である薄膜トランジスタTrが備えられる領域をスイッチング領域TrAと定義し、ストレージキャパシタStgCが備えられる領域をストレージ領域StgAと定義する。
【0090】
図6、図7、そして図8に示すように本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置100は、交互に離隔する多数の画素電極170と共通電極173及びカラーフィルター層150が設けられたアレイ基板102と、スペーサ188、189が設けられた対向基板181及び液晶層195からなる。
【0091】
まず、下部のアレイ基板102には一方向に延びるゲート配線(図4の103)が設けられており、前記ゲート配線(図4の103)と平行に離隔して共通配線(図4の109)が設けられている。
【0092】
そのとき、前記スイッチング領域TrAに対応して前記ゲート配線(図4の103)は、その一部領域がゲート電極105を構成している。
【0093】
各画素領域Pの内部には前記共通配線(図4の109)から分岐し、データ配線130に隣り合って最外殻共通電極116が設けられており、前記ストレージ領域StgAには前記共通配線(図4の109)が他領域に比べてより大幅を持つことによってそれ自体で第1ストレージ電極110を構成している。
【0094】
次に、前記ゲート配線(図4の103)と前記ゲート電極105と前記共通配線(図4の109)及び前記最外殻共通電極116の上に前記アレイ基板の全面にわたり、無機絶縁物質、例えば酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)からなるゲート絶縁膜118が形成されている。
【0095】
そして、前記ゲート絶縁膜118上の前記スイッチング領域TrAには、純粋なアモルファスシリコンからなるアクティブ層120aと、その上部に位置して不純物アモルファスシリコンからなり、互いに離隔する形を持つオーミックコンタクト層120bからなる半導体層120が設けられている。
【0096】
一方、前記ゲート絶縁膜118の上部には前記ゲート配線(図4の103)と交差して画素領域Pを定義するデータ配線130が設けられている。そのとき、図面においては、前記データ配線130の下部に前記半導体層120を構成するものと同一物質からなる第1及び第2パターン121a、121bで構成される半導体パターン121が形成されていることを一例として示しているが、かかる半導体パターン121は製造工程によるもので省略され得る。
【0097】
一方、前記スイッチング領域TrAには、前記半導体層120上に前記データ配線130から分岐してソース電極133が設けられており、前記ソース電極133と離隔してドレイン電極136が設けられている。そのとき、前記ソース電極133及び前記ドレイン電極136は、互いに離隔するオーミックコンタクト層120bにそれぞれ接触している。
【0098】
前記スイッチング領域TrAに順次積層された前記ゲート電極105と前記ゲート絶縁膜118と前記半導体層120と相互離隔する前記ソース電極133及び前記ドレイン電極136は、スイッチング素子である薄膜トランジスタTrを構成する。
【0099】
前記ストレージ領域StgAには、前記ゲート絶縁膜118の上部に前記第1ストレージ電極110に対応して前記ドレイン電極136が延びて形成されることによって第2ストレージ電極138が設けられている。そのとき、前記ストレージ領域StgAに順次積層された前記第1ストレージ電極110と前記ゲート絶縁膜118と前記第2ストレージ電極138は、ストレージキャパシタStgCを構成する。
【0100】
次に、前記データ配線130と前記ソース電極133と前記ドレイン電極136と前記第2ストレージ電極138の上に無機絶縁物質、例えば酸化シリコン(SiO)、または窒化シリコン(SiN)からなる第2保護層140が前記アレイ基板102の全面にわたって設けられている。
【0101】
そして、表示領域において前記第2保護層140の上に、各画素領域Pに対応して境界を作りながら赤、緑、青のカラーフィルターパターン150a、150b、150cが順次繰り返すカラーフィルター層150が設けられている。
【0102】
また、非表示領域NAにおいて前記第2保護層140の上部には、前記表示領域を囲み、前記カラーフィルター層150を構成する赤、緑、青のカラーフィルターパターン151a、151b、151cのうち、相互異色のカラーフィルターパターン151a、151bが重なって形成されたことを特徴とするエッジ部の光漏れ防止パターン151が設けられていることを特徴とする。
【0103】
そのとき、前記非表示領域NAに前記表示領域を囲み、重なって形成されたカラーフィルターパターン151a、151bは、望ましくは図面に示すようにそれぞれ赤、青のカラーフィルターパターン151a、151bが重なって二層構造で形成されるか、または図面には示していないが、赤、緑、青のカラーフィルターパターン151a、151b、(不図示)が重なって三層構造で形成されることを特徴とする。
【0104】
二色以上のカラーフィルターパターン151a、151bが重なって形成される場合、光学密度が非常に高くなって光の透過率が落ちるので、かかる現象を利用して前述した通りに相互異色のカラーフィルターパターン151a、151bが重なった二層、または三層構造のエッジ部の光漏れ防止パターン151を形成することによって、表示領域の最外殻における光漏れを防止することができる。
【0105】
従って、かかる構成のエッジ部の光漏れ防止パターン151は、前記表示領域に設けられた補助共通配線175と共にそれぞれ表示領域の最外殻及び各画素領域P内で発生する光漏れを防止する手段となっている。
【0106】
一方、本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置100の場合、表示領域に設けられるカラーフィルター層150は各カラーフィルターパターン150a、150b、150cが画素領域Pの境界で重なることなく形成されているが、他の変形例として前記エッジ部の光漏れ防止パターン151のように各画素領域Pの境界で隣り合う画素領域Pに形成されたカラーフィルターパターン150a、150b、150cとの間で重なって形成されることもできる。その場合、重なって形成されたカラーフィルターパターン150a、150b、150cはそれらの上部に備えられる補助共通配線175と共に画素領域Pのエッジ部で発生する光漏れの防止手段となり得る。
【0107】
次に、前記カラーフィルター層150とエッジ部の光漏れ防止パターン151の上に前記アレイ基板102の全面にわたり、有機絶縁物質の中で比較的に低誘電率を持つフォトアクリルからなる第1保護層155が設けられている。
【0108】
そのように第1保護層155を低誘電率特性のフォトアクリルで形成する理由は、前記データ配線130及び前記最外殻共通電極116の上部に設けられる補助共通配線175の垂直部175aとの重なりによる寄生容量を最小化し、前記データ配線130とその周辺に設けられる前記最外殻共通電極116によって発生する、望まない電界による影響を最小化するためである。
【0109】
また、フォトアクリルは現像後に露光部分が残るネガティブ型感光性を持つため、それを第1保護層155として用いると製造工程上、その下部に備えられる構成要素を露出させるコンタクトホールなどを形成する場合、別途のストリップ工程を行う必要がないため、製造工程を単純化できるメリットがある。
【0110】
一方、かかる低誘電率を持つフォトアクリルからなる前記第1保護層155と共にその下部に設けられるカラーフィルター層150と第2保護層140には、前記ドレイン電極136、更に正確には前記ドレイン電極136が延びた部分の前記第2ストレージ電極(不図示)を露出させるドレインコンタクトホール157が形成されており、また、前記第1保護層155と前記カラーフィルター層150と前記第2保護層140及び前記ゲート絶縁膜118には、前記最外殻共通電極116の一端を露出させる共通コンタクトホール(図4の158)が形成されている。
【0111】
そのとき、本発明の変形実施例に係る横電界型の液晶表示装置(図5の100)の場合、各画素領域Pに備えられる前記共通コンタクトホール(図4の158)は省略されることができる。
【0112】
次に、前記ドレインコンタクトホール157及び前記共通コンタクトホール(図4の158)が備えられた前記第1保護層155の上に、低抵抗特性を持つ不透明な金属物質のモリチタン(MoTi)からなる下部層(不図示)と、透明な導電性物質の酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)のうち、いずれか一つ、または不透明な低反射性金属物質の銅窒化物(CuNx)からなる上部層(不図示)の二層構造を持つ補助共通配線175が設けられている。
【0113】
そのとき、前記補助共通配線175は実施例のように前記共通コンタクトホール(図4の158)を介して前記最外殻共通電極116に接触するか、または共通コンタクトホール(図4の158)が省略された変形例に係る横電界型の液晶表示装置(図5の100)の場合には、表示領域の外側の非表示領域NAで前記共通配線(図4の109)に接触するように構成されている。
【0114】
かかる補助共通配線175は各画素領域Pの境界に対応して、前記データ配線130とそれと離隔する最外殻共通電極116に重なる垂直部175aと、前記ゲート配線(図4の103)とそれと離隔する共通配線(図4の109)に重なる水平部175bで構成されることで表示領域において格子形状をなし、前記データ配線130と前記最外殻共通電極116の間の離隔領域と、前記ゲート配線(図4の103)と前記共通配線(図4の109)の間の離隔領域で発生する光漏れを抑えるブラックマトリクスの役割をすることを特徴とする。
【0115】
また、前記第1保護層155の上に、前記ドレインコンタクトホール157を介して前記ドレイン電極136に接続された第2ストレージ電極138に接触する画素パターンが形成されている。
【0116】
また、各画素領域Pにおいて前記第1保護層155の上部には、前記補助共通配線175の水平部175bから分岐して二層構造を持つバー形状の多数の中央部共通電極173が、前記最外殻共通電極116の内側に所定の間隔で離隔して形成されている。
【0117】
そして、前記第1保護層155上に、各画素領域Pには前記画素パターンから分岐して前記最外殻共通電極116の内側に前記バー形状の多数の中央部共通電極173と交互にバー形状の多数の画素電極170が形成されている。
【0118】
そのとき、前記多数の画素電極170と前記中央部共通電極173、または低抵抗特性を持つ不透明な金属物質のモリチタン(MoTi)からなる下部層170a、173aと、透明な導電性物質の酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)のうち、いずれか一つ、または不透明な低反射性金属物質の銅窒化物(CuNx)からなる上部層170b、173bの二層構造を持つことを特徴とする。
【0119】
そのように二層構造の画素電極170と中央部共通電極173を設ける場合、外部光による反射率を39%以下に低減できることを特徴とする。
【0120】
また、そのように二つ以上の物質で、特定厚さの二層構造の物質層が設けられる場合、各物質層はその内部における屈折率差があり、屈折率及び厚さの差によって各物質層の表面で反射する光は、相殺干渉を起こす反射防止膜(Anti−Reflection Coating)効果に起因して結果的にその強度が低減し、かかる現像によって外部光の反射率を39%以下に低減させることができる。
【0121】
一方、上部層が銅窒化物(CuNx)からなる場合、前述した反射防止膜効果はないが、それ自体が低反射特性を持つため、外部光に対して39%以下の反射率を有する。そのとき、銅窒化物(CuNx)からなる上部層の下部にモリチタンの下部層を設ける理由は、銅窒化物(CuNx)とフォトアクリルからなる前記第1保護層155との接着性が非常に悪く、浮きが発生するため、接着性を向上させて浮き発生を防止するためである。
【0122】
一方、かかる二層構造を持つ前記画素電極170と前記中央部共通電極173と前記最外殻共通電極116は、各画素領域P内において直線のバー形状を持つことができ、または各画素領域Pの中央部を基準に対称的に曲がったバー形状を持つこともできる。
【0123】
そのように画素電極170と共通電極116、173が各画素領域P内において対称的に曲がったバー形状を持つ場合、各画素領域Pは二重ドメインを形成することになり、視野角の変化による色度変化を抑える効果がある。
【0124】
一方、かかる構成要素が備えられた前記アレイ基板102に対応し、離隔して位置する前記対向基板181には、前記画素領域Pの境界に対応して必要に応じて、柱状で第1高さを持つギャップ形成用スペーサ188が所定の間隔で離隔して設けられると同時に柱状で前記第1高さより低い第2高さを持つめりこみ防止用スペーサ189が所定の間隔で離隔して設けられている。
【0125】
また、かかる構成を持つアレイ基板102と対向基板181の間に液晶層195が介在されており、前記ギャップ形成用スペーサ188の一端が前記アレイ基板102の最上部に位置する構成要素に接触して貼り合わせられている。
【0126】
そのとき、前記アレイ基板102と前記対向基板181が互いに貼り合わせられ、パネルの構成状態を維持できるよう、前記非表示領域NAには前記液晶層195を囲む形で接着剤の役割をするシールパターン197が備えられることによって、本発明の実施例に係る横電界型の液晶表示装置100が完成される。
【0127】
かかる構成を持つ本発明の実施例に係る横電界方の液晶表示装置100は、貼り合わせマージンを考慮して設けられるブラックマトリクスを省略することで開口率が向上すると同時にマスク工程数を低減でき、更にブラックマスクと共にオーバーコート層の省略により材料費を低減できるため、結果的に製品の製造費用を低減できる効果がある。
【0128】
更に、ブラックマトリクスを設けるための設備投資が不要なため、初期設備投資費用を低減させることができる。
【0129】
また、ネガティブ型感光性のフォトアクリルを用いて第1保護層155を設けることで、構成要素のコンタクトホールを形成した後にストリップ工程を行う必要がないため、工程の単純化の効果を奏する。
【0130】
また、データ配線130と、それと平行に設けられるバー形状の中央部共通電極173と画素電極170が、各画素領域P内で上下に曲がった線対称構造を持つようにすることで、二重ドメインを具現化でき、視野角の変化による色度変化を抑える効果がある。
【0131】
更に、第1保護層155の上部に設けられるバー形状の中央部共通電極173と画素電極170を不透明な金属物質と、透明な導電性物質、または銅窒化物(CuNx)からなる二層構造にすることで、外部光による反射率を39%以下に低減でき、虹色のシミ発生を抑えると同時に周囲コントラスト比を向上させる効果がある。
【符号の説明】
【0132】
100:横電界型の液晶表示装置、103:ゲート配線、105:ゲート電極、109:共通配線、110:第1ストレージ電極、116:最外殻共通電極、130:データ配線、133:ソース電極、136:ドレイン電極、138:第2ストレージ電極、157:ドレインコンタクトホール、170:画素電極、173:中央部共通電極、175:補助共通配線、175a:補助共通配線の垂直部、175b:補助共通配線の水平部、P:画素領域、StgC:ストレージキャパシタ、Tr:薄膜トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と非表示領域に定義され、液晶層を介在して対向して貼り合わせられた第1基板及び第2基板と;
前記第1基板の内側面の前記表示領域で相互交差して多数の画素領域を定義するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と平行に設けられた共通配線と;
前記ゲート配線及び前記データ配線に接続し、前記各画素領域に備えられた薄膜トランジスタと;
前記薄膜トランジスタ上に前記表示領域の全面に設けられたカラーフィルター層と;
前記カラーフィルター層の上に設けられた、フォトアクリルからなる第1保護層と;
前記第1保護層の上に前記データ配線と重なる垂直部と前記ゲート配線及び前記共通配線と重なる水平部からなり、前記表示領域で格子形状で設けられた補助共通配線と、各画素領域内に前記補助共通配線の水平部から分岐した多数のバー形状の中央部共通電極及びそれと交互に設けられた多数のバー形状の画素電極と;
前記非表示領域で前記表示領域を囲み、前記カラーフィルター層の構成物質からなる、エッジ部の光漏れ防止パターン
を有する横電界型の液晶表示装置。
【請求項2】
前記薄膜トランジスタと前記カラーフィルター層の間には、前記第1基板の全面に無機絶縁物質からなる第2保護層が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項3】
前記カラーフィルター層は赤、緑、青のカラーフィルターパターンが順次繰り返して形成され、前記各カラーフィルターパターンの境界は前記各画素領域の境界に位置することを特徴とする請求項2に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項4】
前記赤、緑、青のカラーフィルターパターンは各画素領域の境界で隣り合う画素領域に備えられたカラーフィルターパターンとの間に重なって設けられたことを特徴とする請求項3に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項5】
前記エッジ部の光漏れ防止パターンは、前記赤、緑、青のカラーフィルターパターンと同一物質からなる赤、緑、青のうち、相互異なる二色以上のカラーフィルターパターンが重なって設けられたことを特徴とする請求項3、または請求項4に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1基板には、前記各画素領域に前記共通配線から分岐して前記データ配線と平行に隣り合って設けられた最外殻共通電極が設けられ、前記補助共通配線の垂直部は前記データ配線と前記最外殻共通電極の離隔領域を覆うように前記最外殻共通電極と重なって設けられたことを特徴とする請求項5に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項7】
前記各画素領域において前記第1保護層と前記カラーフィルター層と前記第2保護層には、前記薄膜トランジスタのドレイン電極を露出させるドレインコンタクトホールと前記最外殻共通電極を露出させる共通コンタクトホールが備えられ、
前記画素電極は前記ドレインコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接触し、
前記補助共通配線は前記共通コンタクトホールを介して前記最外殻共通電極に接触することを特徴とする請求項6に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項8】
前記各画素領域において、前記第1保護層と前記カラーフィルター層と前記第2保護層には、前記薄膜トランジスタのドレイン電極を露出させるドレインコンタクトホールが備えられ、前記画素電極は前記ドレインコンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接触し、
前記補助共通配線と前記共通配線は前記非表示領域で相互接触することを特徴とする請求項6に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項9】
前記各画素領域内の前記第1保護層の上部には前記バー形状の画素電極の一端を全て接続する画素パターンが形成されたことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項10】
前記補助共通配線と前記画素電極と前記中央部共通電極は、不透明な金属物質からなる下部層と透明な導電性物質、または銅窒化物(CuNx)からなる上部層の二層構造を有することを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項11】
前記透明な導電性物質は酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)のうち、いずれか一つであることを特徴とする請求項10に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項12】
前記共通配線は第1ストレージ電極を構成し、前記薄膜トランジスタのドレイン電極は前記第1ストレージ電極と重なるように設けられることで第2ストレージ電極を構成し、順次積層された前記第1ストレージ電極と前記ゲート絶縁膜と前記第2ストレージ電極はストレージキャパシタを構成することを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第2基板の内側面には、前記画素領域の境界に対応して第1高さで、所定の間隔で離隔する柱状のギャップ形成用スペーサと、前記第1高さより低い第2高さで、所定の間隔で離隔する柱状のめりこみ防止用スペーサが設けられたことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の横電界型の液晶表示装置。
【請求項14】
前記データ配線と前記画素電極と前記最外殻共通電極及び前記中央部共通電極は、前記各画素領域の中央部を基準に対称的に曲がった形状を有することによって、各画素領域が二重ドメインをなすことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の横電界型の液晶表示装置。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37364(P2013−37364A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172980(P2012−172980)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】