説明

機器間連携システム

【課題】複数のユーザ間で、外部機器上で資料等を共有した状態で、携帯電話を用いたコミュニケーションを図る。
【解決手段】携帯電話3A,3Bが、外部機器(複合機2A,2B)に対して携帯電話3A,3Bに関する情報(電話番号)を含むコミュニケーション情報(セッションID)を送信し、コーディネーションサーバ1が、外部機器から送信されるセッションIDと、機器IDとに基づいて、外部機器それぞれに対して接続相手となるべき外部機器の情報を送信することにより、各外部機器は、コーディネーションサーバ1から受信した情報に基づいて、P2P接続を確立する。これにより、ユーザが携帯電話3A,3Bによりコミュニケーションを行っている際に、ユーザそれぞれが携帯電話をかざした外部機器同士をP2P接続することができ、外部機器を用いた資料等に対する共同作業環境がアドホックに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機器間連携システムに関し、特に情報機器間を接続して連携させる機器間連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近における情報化社会の発達に伴い、日常業務において携帯電話機を用いて遠隔地のユーザと通話する際に、通話と同時にユーザの近傍に存在する各種オフィス機器をアドホックに遠隔接続して利用したい場面が存在する。
【0003】
例えば、(1)携帯電話機を用いた会話中に、それぞれのユーザの近傍に存在する複合機同士を接続し、一方のユーザが複合機でスキャンした文書を、他方のユーザの近傍にある複合機にて印刷したい場合や、(2)携帯電話機を用いた会話中に、一方のユーザが、その近傍に存在する電子ホワイトボードに書きこみを行い、その内容を、他方のユーザのプロジェクタに投影したり、両ユーザの近傍に存在する電子ホワイトボードを接続して相互に書込みを行いたい場合、あるいは(3)携帯電話機を用いた会話中に一方のユーザが作業を行っているコンピュータの画面を他方のユーザの利用するコンピュータの画面上に表示することにより、文書編集等の作業を共同で行う場合、などが考えられる。
【0004】
これに対し、最近では、送信者側で、受信者の位置を認識し、受信者の最も近くに存在する印刷装置に文書を送信することを受信者に通知するとともに、受信者側で、当該印刷装置にて印刷を実行することで、送信者によって送信された文書を印刷する、という技術(特許文献1参照)や、送信先のユーザの携帯電話の位置に応じて、当該ユーザの近くに存在する最も印刷に適した性能を有する印刷装置を検索してユーザに通知し、当該ユーザによって指定された印刷装置から安全な形で印刷物を出力するようにする技術(特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
更に、携帯電話で通話している際に、映像通信機器間の接続要求を発行すると、当該通話先携帯電話の番号に対応付けられている相手側の映像通信機器のアドレスに対して接続要求が発行され、双方の映像通信機器がネットワーク経由で接続される技術(特許文献3参照)や、携帯電話で通話している際に、携帯電話から受信したデータ(知りたい情報に関するデータ)に基づいて、サーバがマルチメディアデータを検索し、その検索結果を携帯電話に配信することにより、マルチメディアデータを共有する技術(特許文献4参照)なども提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−173793号公報
【特許文献2】特開2005−275724号公報
【特許文献3】特開2005−277681号公報
【特許文献4】特開2006−228087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の技術では、送信者が、送信相手(受信者)の位置情報を認識して最寄りの出力装置を検索して機器を特定しなければならないため、操作が煩雑であるとともに、受信者にとって出力可能な機器が限定される。
【0008】
また、特許文献3に記載の技術では、通話先と映像通信装置との対応関係を予め設定する必要があるため、利用できる機器が限定されてしまい、移動先に設置されている映像通信機器を、利用登録等を経ることなしにアドホックに利用することができない。
【0009】
更に、特許文献4に記載の技術では、通話相手との間で情報を交換することができるが、共有される情報は携帯電話を利用してネットワーク上で検索することが可能な情報(マルチメディアデータ)のみであることから、本技術によって、携帯電話以外の情報機器を用いた共同作業が可能となるわけではない。
【0010】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、携帯情報端末を有するユーザ間において、情報機器上で資料等を共有した状態でコミュニケーションを行うことが可能な機器間連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の機器間連携システムは、ユーザ間におけるコミュニケーションに用いられる、一の携帯情報端末及び他の携帯情報端末と、前記他の携帯情報端末に対してコミュニケーション可能に接続された状態の前記一の携帯情報端末から、前記両携帯情報端末に関する情報を含むコミュニケーション情報を取得する、ネットワークに接続された一の情報機器と、前記一の携帯情報端末に対してコミュニケーション可能に接続された状態の前記他の携帯情報端末から、前記コミュニケーション情報を取得する、前記ネットワークに接続された他の情報機器と、前記コミュニケーション情報と、前記一の情報機器に関する情報及び前記他の情報機器に関する情報とを登録し、これらの情報に基づいて、前記一の情報機器に対して、前記他の情報機器に関する情報を前記ネットワーク経由で送信するとともに、前記他の情報機器に対して、前記一の情報機器に関する情報を前記ネットワーク経由で送信するサーバと、を備え、前記一の情報機器と前記他の情報機器は、前記サーバから受信した情報に基づいて、前記ネットワーク上での接続関係を確立することを特徴とする。
【0012】
これによれば、サーバが、情報機器及び携帯情報端末を介して収集したコミュニケーション情報と、各情報機器に関する情報とに基づいて、各情報機器に対して接続相手となるべき情報機器の情報を送信し、各情報機器が、サーバから受信した情報に基づいて、ネットワーク上での接続関係を確立するので、ユーザが携帯情報端末によりコミュニケーションを行う間に、情報機器及び携帯情報端末を介して収集した情報を用いて情報機器間の接続を行うことができる。これにより、情報機器を用いた資料等に対する共同作業環境がアドホックに提供されるので、各ユーザは、情報機器上で資料等を共有した状態で、携帯情報端末を用いたコミュニケーションを行うことが可能となる。
【0013】
この場合において、前記サーバには、前記両情報機器において利用可能なコンテンツデータが格納されており、前記両情報機器の間に接続関係が確立している状態で、当該両情報機器において、前記コンテンツデータが共有されることとすることができる。かかる場合には、両情報機器において、サーバに格納されたコンテンツデータを共有するので、ユーザは、コンテンツデータに対する情報機器を用いた共同作業を行いながら、携帯情報端末を用いたコミュニケーションを図ることが可能となる。
【0014】
この場合において、前記コンテンツデータに対する前記各情報機器からの操作情報が蓄積され、前記両情報機器では、前記操作情報に基づいて、前記コンテンツデータに対する同一の操作を行うことができる。かかる場合には、一方の情報機器において行われるコンテンツデータに対する操作を、両情報機器において共有することが可能となる。
【0015】
本発明の第1の機器間連携システムでは、前記携帯情報端末は、携帯電話機であり、前記携帯電話機それぞれから前記各情報機器に対して送信されるコミュニケーション情報には、前記両携帯電話機の電話番号を含むことができる。
【0016】
また、前記情報機器に関する情報の登録に関する前記サーバによる処理は、所定時間間隔で実行させることができる。かかる場合には、所定時間間隔でサーバに登録されている情報機器に関する情報が更新されるので、情報機器の接続関係を適切なタイミングで見直すことが可能となる。
【0017】
また、本発明の第1の機器間連携システムでは、前記両情報機器間の接続の終了は、前記両情報機器のうちのいずれかから送信された終了情報を受信したサーバによる指示の下、実行させることができる。
【0018】
本発明の第2の機器間連携システムは、ネットワークを介して接続された一の情報機器及び他の情報機器と、ユーザ間におけるコミュニケーションに用いられ、前記ネットワークとは異なる無線ネットワーク経由で互いにデータ通信する機能を有し、前記情報機器のそれぞれから、当該各情報機器に関する情報をそれぞれ受信する一の携帯情報端末及び他の携帯情報端末と、を備え、前記一の携帯情報端末とこれに情報を送信した情報機器との間、及び前記他の携帯情報端末とこれに情報を送信した情報機器との間が、データ通信可能な状態で接続され、前記両携帯情報端末間は、それぞれが受信した情報機器に関する情報を互いに送受信して、共有し、前記両情報機器は、前記両携帯情報端末が共有する前記情報機器に関する情報に基づいて、前記ネットワーク内での接続関係を確立することを特徴とする。
【0019】
これによれば、無線ネットワーク経由でデータ通信を行う機能を有する携帯情報端末が、情報機器から当該情報機器に関する情報を受信するとともに、データ通信が可能な状態で携帯情報端末と情報機器との間が接続され、両情報機器は、両携帯情報端末間で共有している両携帯情報端末が受信した情報機器に関する情報に基づいてネットワーク内での接続関係を確立するので、ユーザが携帯情報端末によりコミュニケーションを行う間に、情報機器及び携帯情報端末を介して収集した情報を用いて情報機器間の接続を行うことができる。これにより、情報機器を用いた資料等に対する共同作業環境がアドホックに提供されるので、各ユーザは、情報機器上で資料等を共有した状態で、携帯情報端末を用いたコミュニケーションを行うことが可能となる。
【0020】
この場合において、前記各携帯情報端末は、前記各情報機器に関する情報を受信する際に、前記両携帯情報端末に関する情報を含むコミュニケーション情報を、前記各情報機器に対して送信し、前記両情報機器は、前記コミュニケーション情報に基づいて、前記ネットワーク内での接続関係を確立することができる。
【0021】
また、本発明の第2の機器間連携システムでは、前記両情報機器の間に接続関係が確立している状態で、前記両情報機器は、前記一方の情報機器に格納されるコンテンツデータを共有することができる。
【0022】
また、本発明の第2の機器間連携システムでは、前記両携帯情報端末による、前記情報機器に関する情報の送受信は、所定時間間隔で行うことができる。かかる場合には、情報機器の接続関係を適切なタイミングで見直すことが可能となる。
【0023】
また、前記携帯情報端末と前記情報機器との間の接続は、ピア・ツー・ピア接続とすることができる。
【0024】
本発明の第1、第2の機器間連携システムでは、前記両情報機器間の接続は、ピア・ツー・ピア接続により行うことができる。
【0025】
また、本発明の第1、第2の機器間連携システムでは、前記携帯情報端末は、識別標識を有し、前記携帯情報端末と前記情報機器との間の情報の送受信は、前記識別標識を介して行うことができる。かかる場合には、識別標識を用いることにより、簡易に携帯情報端末と情報機器との間における情報の送受信が可能となる。
【0026】
また、前記情報機器に関する情報は、前記情報機器のIPアドレスに基づく情報機器IDとすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、携帯情報端末を有するユーザ間において、情報機器上で資料等を共有した状態で、携帯情報端末を用いたコミュニケーションを行うことが可能な機器間連携システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
《第1の実施形態》
以下、本発明の機器間連携システムの第1の実施形態について、図1〜図10に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は、第1の実施形態に係る機器間連携システム100の構成を概略的に示す。この図1に示すように、機器間連携システム100は、外部機器(本実施形態では、複合機2A,2B)と、コーディネーションサーバ1と、文書サーバ9と、ユーザが保有する携帯電話3A,3Bとを備える。複合機2A,2B、コーディネーションサーバ1、及び文書サーバ9は、LAN6に接続される。なお、外部機器としては、複合機2A、2Bに限らず、パーソナルコンピュータ(PC)、電子ホワイトボード、スキャナ、プリンタ、など様々な機器を採用することができる。
【0030】
複合機2A、2Bは、紙文書をスキャンする機能や、コピー機能、印刷機能などを有する。これら複合機2A,2Bは、図2に示されるように、メモリ12AとCPU12Bとをそれぞれ有しており、メモリ12Aには、制御プログラムがインストールされる。また、これら複合機2A、2Bには、ユーザが所持する携帯電話3A,3Bとの間で情報通信を行うための識別標識読取書込み機7A、7Bが、USB接続等により接続される。これら識別標識読取書込み機7A,7Bは、図2に示すように、外部から受信したデータを制御プログラムに書き込んだり、制御プログラムからデータを読み込んで外部に送信したりする機能を有する。なお、外部機器として複合機2A,2B以外の機器(PC、電子ホワイトボードなどの機器)を用いる場合にも、上記と同様、これらの機器に対して識別標識読取書込み機を接続する(又は予め識別標識読取書込み機を具備している機器を用いる)必要がある。
【0031】
コーディネーションサーバ1は、複合機2A,2Bそれぞれとの間でデータのやり取りを行うことにより、複合機2A,2B間の接続を確立させるための仲介サーバである。また、このコーディネーションサーバ1は、複合機2A,2Bのスキャン機能により読み込まれた文書イメージを格納することも可能となっている。
【0032】
文書サーバ9は、複合機2A、2Bで共有することが可能なデータ(例えば文書コンテンツなど)を格納するためのサーバである。
【0033】
携帯電話3A,3Bは、図2に示されるように、メモリ13AとCPU13Bとを含んでおり、メモリ13Aには、制御プログラムがインストールされている。また、これら携帯電話3A、3Bには、複合機2A,2Bに接続された識別標識読取書込み機7A、7Bとの間で情報通信を行うための識別標識(ICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)など)8A,8Bが設けられている。これら識別標識8A,8Bは、図2に示されるように、外部(識別標識読取書込み機)から受信したデータを制御プログラムに書き込む機能、制御プログラムからデータを読み込んで外部に送信する機能を有する。
【0034】
次に、本実施形態の機器間連携システム100が処理するデータ構造について説明する。
【0035】
図3(a)は、携帯電話3A,3Bのデータ構造を示す。この図3(a)に示すように、携帯電話3A,3Bは、自局電話番号と連絡先電話番号とを有し、また、携帯電話3A,3Bに設けられた識別標識8A,8Bには、セッションIDが保存される。ここで、セッションIDとは、「発信側の電話番号、受信側の電話番号、日時」から構成されるIDである。
【0036】
図3(b)は、複合機2A,2Bのデータ構造を示す。この図3(b)に示すように、複合機2A,2Bは、機器アドレスとセッションIDとコーディネーションサーバのURLとを有することができる。また、複合機2A,2Bは、接続先機器のデータの集合である接続先機器集合と、提供サービスのデータの集合である提供サービス集合と、を有する。これらのうち、接続先機器のデータは、機器アドレスを含み、提供サービスのデータはサービス記述を含む。更に、複合機2A,2BにUSB接続された識別標識読取書込み機7A,7Bは、上述した識別標識から受信したセッションIDのデータを有する。
【0037】
図4(a)は、コーディネーションサーバ1のデータ構造を示す。この図4(a)に示すように、コーディネーションサーバ1には、サーバアドレスが設定され、また、コーディネーションサーバ1は、セッションIDと、接続機器データ(機器アドレスを含む)、共有文書データ(文書URLを含む)の集合である共有文書集合、及びアプリケーションデータ(アプリケーション名を含む)を含むイベントプール集合を有する。
【0038】
図4(b)は、文書サーバ9のデータ構造を示す。この図4(b)に示すように、文書サーバ9には、サーバアドレスが設定され、また、文書サーバ9は、文書データの集合である文書集合を所持する。文書データには、文書URLと文書(コンテンツ)が含まれる。
【0039】
次に、本第1の実施形態の機器間連携システム100における、複合機2A,2B間の連携方法について、図5のシーケンス図(フロー)に沿って、その他の図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる括弧付き数字は、図5で示した処理番号と対応する。
【0040】
この処理の前提として、携帯電話3Aを保有するユーザが、一方の複合機2Aの近傍に存在し、携帯電話3Bを保有するユーザが、他方の複合機2Bの近傍に存在する。
【0041】
(1)まず、発信側のユーザが携帯電話3Aを用いて、受信側の携帯電話3Bに対して発信し(電話を掛け)、(2)受信側のユーザがその発信に応じて、受信側の携帯電話3Bの通話開始ボタンを押す(電話に出る)ことにより、両ユーザ間における携帯電話3A,3Bを介したコミュニケーション(通話)が開始される(図8(a)の符号(I)参照)。
【0042】
(3)次いで、発信側の携帯電話3Aでは、セッションIDを生成する。この場合のセッションIDは、前述したように、「発信側の電話番号、受信側の電話番号、日時」から構成されるIDである。携帯電話3Aは、このセッションIDを、識別標識8Aに対して書き込む(図8(b)の符号(II)参照)。(4)また、同様に、受信側の携帯電話3Bにおいても、「発信側の電話番号、受信側の電話番号、日時」から構成されるセッションIDを生成する。携帯電話3Bは、このセッションIDを、識別標識8Bに対して書き込む(図8(b)の符号(II)参照)。なお、セッションIDは、携帯電話3A,3B間の通話が終了した段階で、識別標識8A,8Bのそれぞれから抹消される。
【0043】
(5)次に、発信側のユーザによって、携帯電話3A(識別標識8A)がユーザ周辺に配置された複合機2Aの識別標識読取書込み機7Aにかざされると、識別標識読取書込み機7Aが識別標識8Aから「セッションID送信メッセージ」を受信する。なお、識別標識8Aを識別標識読取書込み機7Aにかざす場合、実際には、携帯電話3Aを操作して、その画面上に、図6(a)に示すようなメッセージを表示する必要がある。
【0044】
ここで、識別標識読取書込み機7Aが受信したセッションID送信メッセージは、「メッセージID、セッションID」から構成されている。したがって、このセッションID送信メッセージを識別標識読取書込み機7Aが受信することにより、複合機2Aには、上述した(3)の処理において生成されたセッションIDが受け渡されることになる(図9(a)の符号(III)参照)。なお、複合機2Aは、携帯電話3AからセッションID送信メッセージを、常時受信することが可能な状態(待機状態)となっており、また、複合機2Aでは、セッションID送信メッセージを受信した段階で、携帯電話3Aに対して、「セッションID受信完了メッセージ(返信対象メッセージを含む)」を送り返す。この場合に、セッションID受信完了メッセージを受信した携帯電話3Aでは、図6(b)に示すような表示(複合機2Aの名称である「MFD−001」の表示)がなされるようになっている。
【0045】
(6)また、受信側においても同様に、ユーザにより、携帯電話3B(識別標識8B)がユーザ周辺に配置された複合機2Bの識別標識読取書込み機7Bにかざされると、携帯電話3B側から複合機2B側に、「セッションID送信メッセージ」が送信される。このセッションID送信メッセージは、「メッセージID、セッションID」から構成されているため、当該メッセージの送信により、複合機2Bには、上述した(4)の処理において生成されたセッションIDが受け渡されることになる(図9(a)の符号(III)参照)。なお、複合機2Bも、セッションID送信メッセージを常時受信することが可能な状態(待機状態)に設定されている。また、複合機2Bでは、セッションID送信メッセージを受信した段階で、携帯電話3Bに対して、「セッションID受信完了メッセージ(返信対象メッセージを含む)」を送り返す。
【0046】
(7)次いで、発信側の複合機2Aは、携帯電話3AからセッションIDを受信した段階で、「登録依頼メッセージ」をコーディネーションサーバ1に送信する。ここで、登録依頼メッセージは、「メッセージID、セッションID、機器ID」から構成されているため、当該メッセージの送信により、コーディネーションサーバ1には、セッションIDと機器IDとが受け渡されることになる。なお、「機器ID」としては、機器(複合機2A)のIPアドレスやIPアドレスからハッシュ関数等により算出される値(例えば、暗号化等で一般に利用されるSHA−256等のアルゴリズムによって計算される値)を用いることができる。
【0047】
(8)受信側の複合機2Bにおいても、送信側の複合機2Aと同様、携帯電話3BからセッションIDを受信した段階で、「登録依頼メッセージ(「メッセージID、セッションID、機器ID」から構成されている)」をコーディネーションサーバ1に送信する。
【0048】
(9)このようにして、複合機2A、2BからセッションIDと機器IDとを受信したコーディネーションサーバ1は、そのセッションIDと機器IDとを登録(蓄積)する(図9(b)の符号(IV)参照)。コーディネーションサーバ1では、この登録(蓄積)が完了した段階で、各複合機2A,2Bに対して、「登録完了メッセージ(返信対象メッセージを含む)」を送信する。
【0049】
(10)その後、複合機2A、2Bは、「機器リスト取得依頼メッセージ(メッセージIDを含んでいる)」を定期的にコーディネーションサーバ1に送信して問い合わせを行い、コーディネーションサーバ1は、これに応じて、「機器リスト取得返信メッセージ」を、複合機2A,2Bに対して送信する。この機器リスト取得返信メッセージは、返信対象メッセージIDと機器ID集合(機器リスト)とを含む。ここで、機器ID集合(機器リスト)は、図7に示すように、「{セッションID}→{機器IDの組み合わせ}」により構成される。換言すると、機器ID集合(機器リスト)が、セッションIDに含まれる電話番号の携帯電話に対して、対応付けられた状態となっているということができる。すなわち、処理(10)では、メッセージのやり取りによって、セッションIDに対応付けられた機器リストを取得することができるようになっている(図10(a)の符号(V)参照)。なお、図7では、携帯電話3Aの電話番号が(090−0123−**67)として示され、携帯電話3Bの電話番号が(090−8901−**45)として示され、複合機2Aの機器IDがα、複合機2Bの機器IDがβとして示される。
【0050】
(11)次いで、複合機2A,2Bは、上記(10)の処理にて取得した機器ID集合(機器リスト)に基づいて、複合機2A、2B間のP2P(Peer to Peer)接続を実行する(図10(b)の符号(VI)参照)。
【0051】
ここで、P2P接続は、複合機2A,2B間での、(i)文書一覧の共有、(ii)共有文書に対する操作イベントの共有によって実現される。
【0052】
具体的には、コーディネーションサーバ1には、セッションIDに対応して、複合機2A,2Bを用いた共同作業で共有される文書(文書URL)の集合が保持される。すなわち、例えば、複合機2Aでスキャンされた文書(文書URL)や、文書サーバ9内の文書集合に含まれる文書(文書URL)などが保持される。
【0053】
したがって、例えば、複合機2Aで文書(例えば「見積書案1」であるものとする)をスキャンした場合には、複合機2A,2Bの画面(タッチパネル)上に表示される共有文書リストの中に、図6(c)に示されるようにして、見積書案1が追加される(なお、実際には、文書名はユーザが入力する必要がある)。この場合、「見積書案1」のファイル自体は、コーディネーションサーバ1に格納される。
【0054】
そして、複合機2Aの画面上において、「見積書案1」が選択され、複合機2B(図6(c)では、複合機2Bが、「MFD−11 Yokohama.bldg」として示されている)が呼び出され、かつ、共有操作として「印刷」が選択されると、コーディネーションサーバ1は、セッションIDとアプリケーション集合に対応付けて設けられたイベントプール(複合機2A,2Bに対するユーザによる操作に伴って発生する操作イベントを蓄積する。図4(a)参照)を蓄積する。これに対し、複合機2Bにおいて、当該操作イベントを呼び出すことで、複合機2Bにおける見積書案1の印刷を実行することができる。このようにして、複合機2A近傍に存在するユーザと、複合機2B近傍に存在するユーザは、複合機に何らかの情報(ファックス番号など)を手入力したりすること無く、複合機2A,2Bを用いて見積書案1を共有することが可能である。
【0055】
なお、上記においては、P2P接続される外部機器として、2台の複合機を採用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、P2P接続される外部機器として、2台のPCを採用することが可能である。この場合、例えば、一方のPCのユーザにより、PCに登録されたアプリケーションを用いて文書に対する操作が行われると、PCは、その操作イベントをコーディネーションサーバ1に送信し、コーディネーションサーバ1は、受信した操作イベントを、イベントプールに蓄積する。なお、この場合の操作イベントは、{操作イベントID、操作日時、操作対象文書、操作名、オプション集合}から構成されている。
【0056】
そして、新しい操作イベントがコーディネーションサーバ1のイベントプールに追加されると、操作イベントの情報は、他方のPCのアプリケーションに通知され、これを受信した他方のPCのアプリケーションでは、文書に対して、当該操作イベントの情報に対応した処理を実行する。
【0057】
より具体的には、一方のPCにおいて、あるアプリケーションを利用して文書ファイルのオープンが実行されると、その操作イベントがコーディネーションサーバ1のイベントプールに登録される。そして、コーディネーションサーバ1から他方のPC上で実行されているアプリケーションプログラムに対して、当該操作イベントが通知され、他方のPC上で、一方のPC上で行われた操作と同一の操作(文書ファイルのオープン)が実行される。このようにすることで、接続関係にある各PC上のアプリケーションの動作を同期させることが可能となる。
【0058】
また、P2P接続される機器が、例えば、複合機とPCであった場合には、ユーザは、PC上で複合機の「操作インタフェース」を呼び出して、コーディネーションサーバ1が保持する共有文書集合中の文書に対して印刷や表示などの操作を実行したり、スキャン等の操作した結果を共有文書集合に格納したりする。なお、この場合、複合機は、当該複合機の操作をWebブラウザ上で行うことを可能にする操作インタフェースを、LAN上に公開し、PC等に提供する必要がある。
【0059】
図5に戻り、複合機2A,2B間では、定期的に、機器リストが更新されているか否かを確認する処理が実行される。具体的には、図5において一点鎖線にて囲まれた部分から分かるように、(12)の処理において、複合機2A、2Bがコーディネーションサーバ1に対して新規追加機器の有無を確認するためのメッセージを送信し、(13)の処理において、コーディネーションサーバ1が、セッションIDに対応付けられている機器リストを含むメッセージを返信し、更に、(14)の処理において、複合機2A,2Bが、受信した機器リストに、新規追加機器があると判断した場合には、上述した処理(11)と同様に、新規追加機器との間でP2P接続を行う処理を、所定時間間隔で実行する。
【0060】
(15)その後、ユーザ間のコミュニケーションが終了すると、ユーザにより、一方の複合機(例えば複合機2A)の画面(タッチパネル)上で、終了ボタンが押されるが、複合機2Aでは、コーディネーションサーバ1に対して終了依頼メッセージを送信し、(16)コーディネーションサーバ1では、複合機2A,2Bに対して終了を通知する。そして、(17)各複合機2A,2Bでは、終了通知を検出した時点でP2P接続を切断する。
【0061】
(18)その後、ユーザにより、携帯電話の通話が切断されることにより、図5の処理が終了するようになっている。
【0062】
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、携帯電話3A,3Bが、外部機器(複合機2A,2B)に対して携帯電話3A,3Bに関する情報(電話番号)を含むコミュニケーション情報(セッションID)を送信し、コーディネーションサーバ1が、外部機器から送信されるセッションIDと、機器IDとに基づいて、外部機器それぞれに対して接続相手となるべき外部機器の情報を送信し、各外部機器は、コーディネーションサーバ1から受信した情報に基づいて、LAN6上での接続関係を確立する(P2P接続する)ので、ユーザが携帯電話3A,3Bによりコミュニケーションを行っている間に、携帯電話をかざすことにより取得したデータを用いて、外部機器(複合機2A,2B)同士をP2P接続することが可能である。これにより、外部機器を用いた資料等に対する共同作業環境がアドホックに提供されるので、各ユーザは、外部機器上で資料等を共有した状態で、携帯電話3A,3Bを用いたコミュニケーションを図ることができる。
【0063】
また、本第1の実施形態では、コーディネーションサーバ1(又は文書サーバ9)に、外部機器において利用可能なコンテンツデータ(複合機でスキャンした文書イメージデータや、文書ファイル)が格納されており、外部機器間がP2P接続されている状態で、両外部機器においてコンテンツデータが共有されるので、ユーザは、コンテンツデータに対する外部機器を用いた共同作業を行いながら、携帯電話3A,3Bを用いたコミュニケーションを図ることができる。
【0064】
また、本第1の実施形態では、コンテンツデータに対する各外部機器からの操作情報(操作イベント)が蓄積され、各外部機器では、操作情報に基づいて、コンテンツデータに対する同一の操作が行われるので、一方の外部機器において行われるコンテンツデータに対する操作を、両外部機器において共有することが可能となる。
【0065】
また、本第1の実施形態では、コーディネーションサーバ1による機器リストの更新が、所定時間間隔で実行されるので、外部機器の接続関係を適切なタイミングで見直すことが可能となる。
【0066】
なお、上記第1の実施形態では、機器間連携システムが文書サーバ9を備えている場合について説明したが、これに限られるものではなく、文書サーバ9を設けないこととしても良い。この場合、外部機器(複合機やPC、電子ホワイトボードなど)やコーディネーションサーバ1のメモリに、文書ファイルなどを格納しておき、その文書ファイルを複数の外部機器において共有するようにしても良い。
【0067】
また、上記第1の実施形態では、携帯電話(3A,3B)と外部機器(2A,2B)との間でセッションIDを交換する場合について説明したが、これに限られるものではなく、セッションIDの交換を行わなくても良い。この場合、例えば、携帯電話3A,3Bでの通話の開始と同時に、携帯電話3A,3B内で発信先電話番号と受信先電話番号で特定されるセッションIDを生成し、コーディネーションサーバ1に保存しておき、携帯電話3A,3Bの電話番号と、ユーザの生体識別ID(またはユーザが予め登録しておいたユーザ名とパスワード)とを予め対応付けておく。そして、ユーザが利用する外部機器において当該生体識別ID(またはユーザ名とパスワード)が認識(入力)された段階で、当該外部機器が、その生体識別ID(またはユーザ名とパスワード)に対応するセッションIDの情報を検索し、発見した場合には、外部機器のエントリにその外部機器のIPアドレスを登録することで、その情報に基づいて機器間のアドホックな機器連携を実現するようにすることができる。
【0068】
《第2の実施形態》
次に、本発明の機器間連携システムの第2の実施形態について、図11〜図17に基づいて詳細に説明する。図11には、第2の実施形態に係る機器間連携システム100’の構成が示されている。この図11と上記第1の実施形態の構成(図1)を比較すると分かるように、本第2の実施形態の機器間連携システム100’には、コーディネーションサーバ1が設けられていない点に特徴を有している。
【0069】
また、携帯電話3A,3Bが、携帯電話間で無線ネットワーク経由でのデータ通信を行う機能を有するIP携帯電話である点が、第1の実施形態と異なっている。
【0070】
ここで、図12〜図13を参照しつつ、本第2の実施形態の機器間連携システム100’が処理するデータ構造について説明する。
【0071】
図12(a)には、携帯電話3A,3Bのデータ構造が示されている。この図12(a)に示されるように、携帯電話3A,3Bは、自局電話番号と連絡先電話番号とを有し、また、携帯電話3A,3Bに設けられた識別標識8A,8Bには、セッションIDが保存される。ここで、セッションIDとは、第1の実施形態と同様、「発信側の電話番号、受信側の電話番号、日時」から構成されるIDである。このセッションIDは、セッションIDデータとして携帯電話3A,3Bにも保持され、また、携帯電話3A,3Bは、セッションIDデータに対応して、接続機器データ(機器アドレスを含む)の集合である接続機器集合をも保持する。
【0072】
図12(b)は、複合機2A,2Bのデータ構造を示す。この図12(b)に示すように、複合機2A,2Bは、機器アドレスを有する。また、複合機2A,2Bは、接続先機器のデータ(機器アドレス)の集合である接続先機器集合と、提供サービスのデータ(サービス記述)の集合である提供サービス集合と、アプリケーションデータ(アプリケーション名)及びこれに関連したイベントの集合であるイベントプールを含むイベントプール集合と、共有文書のデータ(文書URL)の集合である共有文書集合と、を有する。更に、複合機2A,2BにUSB接続された識別標識読取書込み機7A,7Bは、上述した識別標識8A,8Bから受信したセッションIDのデータを有する。
【0073】
図13は、文書サーバ9のデータ構造を示す。この図13に示すように、文書サーバ9には、サーバアドレスが設定されており、また、文書サーバ9は、文書データの集合である文書集合を所持する。文書データには、文書URLと文書(コンテンツ)が設定されている。
【0074】
次に、本第2の実施形態の機器間連携システム100’における、複合機2A,2B間の連携方法について、図14のシーケンス図(フロー)に沿って、その他の図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる括弧付き数字は、図14で示した処理番号と対応付けられたものである。
【0075】
(1)まず、発信側のユーザが携帯電話3Aを用いて、受信側の携帯電話3Bに対して発信し(電話を掛け)、(2)受信側のユーザがその発信に応じて、受信側の携帯電話3Bの通話開始ボタンを押す(電話に出る)ことにより、両ユーザ間における携帯電話3A,3Bを介したコミュニケーション(通話)が開始される(図15(a)の符号(I)参照)。
【0076】
(3)次いで、発信側の携帯電話3Aでは、セッションIDを生成する。この場合のセッションIDは、前述したように、「発信側の電話番号、受信側の電話番号、日時」から構成されるIDである。携帯電話3Aは、このセッションIDを、識別標識8Aに対して書き込む。(4)また、同様に、受信側の携帯電話3Bにおいても、「発信側の電話番号、受信側の電話番号、日時」から構成されるセッションIDを生成する。携帯電話3Bは、このセッションIDを、識別標識8Bに対して書き込む。なお、セッションIDは、携帯電話3A,3B間の通話が終了した段階で、識別標識8A,8Bのそれぞれから抹消される。
【0077】
(5)次に、通話中の発信側のユーザにより、携帯電話3A(識別標識8A)がユーザ周辺に配置された複合機2Aの識別標識読取書込み機7Aにかざされると、識別標識読取書込み機7Aが識別標識8Aから「セッションID送信メッセージ」を受信する。ここで、識別標識読取書込み機7Aが受信したセッションID送信メッセージは、「メッセージID、セッションID」から構成される。したがって、このセッションID送信メッセージを識別標識読取書込み機7Aが受信することにより、複合機2Aには、上述した(3)の処理において生成されたセッションIDが受け渡されることになる。(6)また、これに対し、複合機2Aからは、携帯電話3Aに対して、「セッションID受信完了メッセージ(返信対象メッセージを含む)」を送り返すとともに、「機器ID送信メッセージ」を送信する。この機器ID送信メッセージは、「メッセージID,機器ID」から構成されるので、当該メッセージの送信により、携帯電話3Aに対して機器IDが送信されることになる(図15(b)の符号(II)参照)。
【0078】
(7)そして、携帯電話3Aにおいて機器IDが受信されると、(8)携帯電話3Aは、複合機2Aに対して「機器ID受信完了メッセージ(返信対象メッセージを含む)」を送り返すとともに、複合機2Aとの間で、P2P接続を行う(図16(a)の符号(III)参照)。
【0079】
上記と同様に、携帯電話3B及び複合機2Bにおいても、図14の処理(9)〜(12)において、セッションIDと機器IDのやり取りを行うとともに、携帯電話3B、複合機2B間でのP2P接続を確立する(図16(a)の符号(III)参照)。
【0080】
(13)次いで、携帯電話3A,3B間では、各携帯電話が有する機器IDの集合のやり取りを行うことにより、機器IDを共有する(図16(b)の符号(IV)参照)。
【0081】
(14)その後、携帯電話3Aでは、接続対象の機器IDの集合を複合機2Aに対してP2P接続を介して送信するとともに、他の機器(ここでは複合機2B)への接続依頼メッセージを送信する。(15)これと同様に、携帯電話3BでもP2P接続を介して複合機2Bに対して接続対象の機器IDの集合を送信するとともに、他の機器(ここでは複合機2A)への接続依頼メッセージを送信する。
【0082】
(16)このようにして、互いの機器IDを取得した複合機2Aと複合機2Bは、機器IDに基づいて両複合機2A,2BのP2P接続を確立させる(図17の符号(V)参照)。
【0083】
P2P接続が確立した複合機2A,2B間での文書の共有、共有文書に対する操作イベントの共有については、共有文書や、操作イベントが、複合機2A,2Bのメモリに記憶される点を除いて、上記第1の実施形態と同様である。
【0084】
なお、本第2の実施形態においても、携帯電話3A,3B間では、定期的に、機器リストが更新されているか否かを確認する処理を実行する。具体的には、図14において一点鎖線にて囲まれた部分から分かるように、(17)の処理において、携帯電話3A、3B相互間で、新規追加機器の有無を確認する。そして、(18)の処理において、新規追加機器があると判断した場合には、新規追加機器との間でP2P接続を行う処理を実行する。
【0085】
(19)その後、ユーザ間のコミュニケーションが終了すると、ユーザにより、一方の複合機(例えば複合機2A)の画面(例えばタッチパネル)上で、終了ボタンが押され、複合機2Aでは、複合機2Bに対して終了通知を行う。そして、(20)複合機2Bでは、終了通知を検出した時点でP2P接続を切断する。
【0086】
(21)そして、ユーザにより、携帯電話の通話が切断されることにより、図14の処理が終了する。
【0087】
以上詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、無線ネットワーク経由でデータ通信を行う機能を有する携帯電話(IP携帯電話)3A,3Bが、外部機器(複合機2A,2B)から当該外部機器に関する情報(機器ID)を受信するとともに、データ通信が可能な状態で携帯電話3A,3Bと外部機器との間が接続(P2P接続)され、両外部機器は、両携帯電話3A,3B間で共有している機器IDに基づいてP2P接続を確立する。これにより、ユーザが、携帯電話3A,3Bにより通話(コミュニケーション)を行っているときに、当該コミュニケーションを行っているユーザそれぞれが携帯電話をかざした外部機器同士をP2P接続することが可能である。これにより、外部機器を用いた資料等に対する共同作業環境がアドホックに提供されるので、各ユーザは、外部機器上で資料等を共有した状態で、携帯電話3A,3Bを用いたコミュニケーションを行うことができる。
【0088】
また、本第2の実施形態では、コーディネーションサーバを用いないことから、第1の実施形態に比べて、機器間連携システムを構成する必要最小限の装置数を低減することが可能である。
【0089】
なお、上記第2の実施形態では、機器間連携システム100’に文書サーバ9を設けることとしたが、これに限られるものではなく、文書サーバ9については設けなくても良い。この場合、外部機器(複合機やPC、電子ホワイトボードなど)のメモリに、文書ファイルなどを格納しておき、その文書ファイルを複数の外部機器において共有しても良い。
【0090】
なお、上記第2の実施形態では、携帯電話においてセッションIDを生成することとしたが、これに限らず、外部機器においてセッションIDを生成しても良い。
【0091】
なお、上記各実施形態では、セッションIDとして、携帯電話3A,3Bの電話番号を含むセッションIDを採用することとしたが、これに限らず、セッションIDとして、電話番号以外、例えば携帯電話に設定されたIPアドレスや、機器番号などを含むセッションIDを採用しても良い。
【0092】
なお、上記各実施形態では、識別標識及び識別標識読取書込み機を用いて携帯電話3A,3Bと外部機器との間で情報のやり取りを行ったが、これに限らず、赤外線通信や、無線通信、音声(超音波)、電子メールなどを利用して、情報のやり取りを行っても良い。
【0093】
なお、上記実施形態では、識別標識を有する携帯電話を使用した例について説明したが、これに限られるものではなく、識別標識を有する携帯電話以外の携帯情報端末(PDAやスマートフォンなど)を使用することとしても良い。また、通信に識別標識以外の手段(赤外線等)を用いる場合には、これら携帯情報端末が識別標識を有しなくても良い。
【0094】
また、上記各実施形態では、2台の外部機器同士を接続する場合について説明したが、これに限られるものではなく、ユーザは、複数の機器において携帯電話(またはユーザのID)を認識させることにより、3以上の機器間を接続することができる。
【0095】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】第1の実施形態にかかる機器間連携システムを示す概略図である。
【図2】携帯電話及び複合機の構成図である。
【図3】携帯電話及び複合機のデータ構造を示す図である。
【図4】コーディネーションサーバ及び文書サーバのデータ構造を示す図である。
【図5】第1の実施形態にかかる機器間連携システムの処理を示すシーケンス図(フロー)である。
【図6】携帯電話及び複合機の画面上における表示例を示す図である。
【図7】セッションIDと機器IDの関連付けについて示す図である。
【図8】第1の実施形態にかかる機器間連携システムの操作手順を説明するための図(その1)である。
【図9】第1の実施形態にかかる機器間連携システムの操作手順を説明するための図(その2)である。
【図10】第1の実施形態にかかる機器間連携システムの操作手順を説明するための図(その3)である。
【図11】第2の実施形態にかかる機器間連携システムを示す概略図である。
【図12】携帯電話及び複合機のデータ構造を示す図である。
【図13】文書サーバのデータ構造を示す図である。
【図14】第2の実施形態にかかる機器間連携システムの処理を示すシーケンス図(フロー)である。
【図15】第2の実施形態にかかる機器間連携システムの操作手順を説明するための図(その1)である。
【図16】第2の実施形態にかかる機器間連携システムの操作手順を説明するための図(その2)である。
【図17】第2の実施形態にかかる機器間連携システムの操作手順を説明するための図(その3)である。
【符号の説明】
【0097】
1 コーディネーションサーバ(サーバの一部)
2A,2B 複合機(情報機器)
3A,3B 携帯電話(携帯情報端末)
6 LAN(ネットワーク)
7A,7B 識別標識読取書込み機
8A,8B 識別標識
9 文書サーバ(サーバの一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間におけるコミュニケーションに用いられる、一の携帯情報端末及び他の携帯情報端末と、
前記他の携帯情報端末に対してコミュニケーション可能に接続された状態の前記一の携帯情報端末から、前記両携帯情報端末に関する情報を含むコミュニケーション情報を取得する、ネットワークに接続された一の情報機器と、
前記一の携帯情報端末に対してコミュニケーション可能に接続された状態の前記他の携帯情報端末から、前記コミュニケーション情報を取得する、前記ネットワークに接続された他の情報機器と、
前記コミュニケーション情報と、前記一の情報機器に関する情報及び前記他の情報機器に関する情報とを登録し、これらの情報に基づいて、前記一の情報機器に対して、前記他の情報機器に関する情報を前記ネットワーク経由で送信するとともに、前記他の情報機器に対して、前記一の情報機器に関する情報を前記ネットワーク経由で送信するサーバと、を備え、
前記一の情報機器と前記他の情報機器は、前記サーバから受信した情報に基づいて、前記ネットワーク上での接続関係を確立することを特徴とする機器間連携システム。
【請求項2】
前記サーバには、前記両情報機器において利用可能なコンテンツデータが格納されており、
前記両情報機器の間に接続関係が確立している状態で、当該両情報機器において、前記コンテンツデータが共有されることを特徴とする請求項1に記載の機器間連携システム。
【請求項3】
前記サーバには、前記コンテンツデータに対する前記各情報機器からの操作情報が蓄積され、
前記両情報機器では、前記操作情報に基づいて、前記コンテンツデータに対する同一の操作が行われることを特徴とする請求項2に記載の機器間連携システム。
【請求項4】
前記携帯情報端末は、携帯電話機であり、
前記携帯電話機それぞれから前記各情報機器に対して送信されるコミュニケーション情報には、前記両携帯電話機の電話番号が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項5】
前記情報機器に関する情報の登録に関する前記サーバによる処理は、所定時間間隔で実行されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項6】
前記両情報機器間の接続の終了は、
前記両情報機器のうちのいずれかから送信された終了情報を受信したサーバによる指示の下、実行されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された一の情報機器及び他の情報機器と、
ユーザ間におけるコミュニケーションに用いられ、前記ネットワークとは異なる無線ネットワーク経由で互いにデータ通信する機能を有し、前記情報機器のそれぞれから、当該各情報機器に関する情報をそれぞれ受信する一の携帯情報端末及び他の携帯情報端末と、を備え、
前記一の携帯情報端末とこれに情報を送信した情報機器との間、及び前記他の携帯情報端末とこれに情報を送信した情報機器との間が、データ通信可能な状態で接続され、
前記両携帯情報端末間は、それぞれが受信した情報機器に関する情報を互いに送受信して、共有し、
前記両情報機器は、前記両携帯情報端末が共有する前記情報機器に関する情報に基づいて、前記ネットワーク内での接続関係を確立することを特徴とする機器間連携システム。
【請求項8】
前記各携帯情報端末は、前記各情報機器に関する情報を受信する際に、前記両携帯情報端末に関する情報を含むコミュニケーション情報を、前記各情報機器に対して送信し、
前記両情報機器は、前記コミュニケーション情報にも基づいて、前記ネットワーク内での接続関係を確立することを特徴とする請求項7に記載の機器間連携システム。
【請求項9】
前記両情報機器の間に接続関係が確立されている状態で、前記両情報機器は、前記一方の情報機器に格納されているコンテンツデータを共有することを特徴とする請求項7又は8に記載の機器間連携システム。
【請求項10】
前記両携帯情報端末による、前記情報機器に関する情報の送受信は、所定時間間隔で行われることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項11】
前記携帯情報端末と前記情報機器との間の接続は、ピア・ツー・ピア接続であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項12】
前記両情報機器間の接続は、ピア・ツー・ピア接続により行われることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項13】
前記携帯情報端末は、識別標識を有し、
前記携帯情報端末と前記情報機器との間の情報の送受信は、前記識別標識を介して行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の機器間連携システム。
【請求項14】
前記情報機器に関する情報は、前記情報機器のIPアドレスに基づく情報機器IDであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の機器間連携システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−100191(P2009−100191A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269075(P2007−269075)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】