説明

機能性材料塗布装置、及び機能性材料塗布方法

【課題】機能性材料の塗布液の粘度に依存せず、吐出安定性に優れ、良好な機能膜を形成可能な機能性材料塗布装置、及び機能性材料塗布方法を提供すること。
【解決手段】機能性材料の塗布液14を連続して加圧して、吐出ヘッド12のノズル121から液柱状の塗布液14を吐出させ、その吐出した液柱状の塗布液14を液滴化して、被塗布物10へ塗布する。このように、連続的に加圧して塗布液14を吐出させるため、高粘度の塗布液(例えば水に近い粘度3mPa・s程度以下のものから、粘度300mPa・s程度の塗布物)でも、安定して塗布液14を吐出し、被塗布物10へ塗布することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子材料、光学材料など機能性材料を所望の被塗布物に塗布するための機能性材料塗布液、及び機能性材料塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機に搭載される感光性ドラムなど電子写真部材は、主としてDIP法により行われてきた。この方法では、材料の性能管理のため、実際に塗布されるよりも相当多くの量を要求されるため、無駄が多かった。また、浸漬速度や乾燥速度の精密な管理が必要とされるため、環境変動などにより、バラツキが発生し、不良品となる割合が高かった。
【0003】
一方、近年、インクジェット技術の工業用途への適用の検討が盛んである。家庭でのカラープリントや写真の印刷にインクジェットは広く、いきわたっているが、印刷対象を用紙ではなく、また塗布液をインクではなく工業用材料とすること例が発表されている。
【0004】
例えば、特許文献1〜4には、このようなインクジェット技術を用いて、高分子膜や導電性膜などの機能膜を形成し、電子写真部材などの工業製品を製造することが提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−19554号公報
【特許文献2】特開2001−88306公報
【特許文献3】米国特許6245745号明細書
【特許文献4】特開2004−248272公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記提案では、間欠的に吐出圧力を付与してノズルから直接液滴を吐出する、所謂、ドロップオンデマン型の吐出方式により、機能性膜の塗布を行っているため、塗布液が高粘度の場合、安定した吐出性能が得られないのが現状である。
【0007】
一方で、機能膜を形成する機能性材料の塗布液は、低粘度から高粘度まで種々のものがあり、塗布液の粘度に依存せず、安定して吐出性能を維持し、良好な機能膜を形成できることが求められている。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の諸問題に鑑み、機能性材料の塗布液の粘度に依存せず、吐出安定性に優れ、良好な機能膜を形成可能な機能性材料塗布装置、及び機能性材料塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の機能性材料塗布装置は、
機能性材料を被塗布物へ塗布するための機能性材料塗布装置であって、
前記塗布液を吐出する複数のノズル、及び前記各ノズルに共通して通じる塗布液室を有する塗布液吐出ヘッドと、
前記塗布液を連続的に加圧して塗布液室に供給し、前記ノズルから当該塗布液を液柱状に吐出するための加圧手段と、
前記ノズルから液柱状に吐出される前記塗布液を液滴化するための液滴化手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明の機能性材料塗布装置では、機能性材料の塗布液を連続して加圧して、ノズルから液柱状の塗布液を吐出させ、その吐出した液柱状の塗布液を液滴化して、被塗布物へ塗布する。このように、連続的に加圧して塗布液を吐出させるため、高粘度の塗布液でも、安定して塗布液を吐出し、被塗布物へ塗布することが可能となる。
【0011】
本発明の機能性材料塗布装置において、前記液滴化手段は、前記塗布液室に供給される前記塗布液に対し振動を付与する振動付与手段であることがよい。
【0012】
また、この場合、前記振動付与手段は、前記塗布液の吐出方向に対して直交方向から前記塗布液に対し振動を付与するように配置され、且つ前記振動付与手段により付与された振動を吸収する振動吸収手段であって、前記振動付与手段に対向して配設する振動吸収手段をさらに有することができる。
【0013】
本発明の機能性材料塗布装置において、前記塗布液の粘度を検知する粘度検知手段をさらに有することができる。
【0014】
また、この場合、前記粘度検知手段により検知された粘度に応じて、前記加圧手段による前記塗布液への加圧を変化させる加圧制御手段をさらに有することができる。また、前記粘度検知手段により検知された粘度に応じて、前記液滴化手段による前記塗布液への液滴化条件を変化させる液滴化制御手段も有することができる。
【0015】
本発明の機能性材料塗布装置において、液滴化された前記塗布液の間隔を検知する液滴間隔検知手段をさらに有することができる。
【0016】
また、この場合、前記液滴間隔検知手段により検知された前記塗布液の液滴間隔に応じて、前記加圧手段による前記塗布液への加圧を変化させる加圧制御手段をさらに有することができる。また、前記液滴間隔検知手段により検知された前記塗布液の液滴間隔に応じて、前記液滴化手段による前記塗布液への液滴化条件を変化させる液滴化制御手段もさらに有することができる。また、前記液滴間隔検知手段により検知された前記塗布液の液滴間隔に応じて、前記塗布液の粘度を変化させる粘度制御手段を有することができる。
【0017】
本発明の機能性材料塗布装置において、前記機能性材料吐出ヘッドを複数備えることができる。また、この場合、当該複数の前記機能性材料吐出ヘッド毎に異なる塗布液を吐出することができる。
【0018】
本発明の機能性材料塗布装置において、前記記録材料吐出ヘッドは、前記被塗布物の塗布領域幅と同等或いはそれ以上の幅を有することができる。
【0019】
一方、本発明の機能性材料塗布方法は、
機能性材料を被塗布物へ塗布するための機能性材料塗布方法であって、
連続的に加圧された前記塗布液をノズルから液柱状に吐出し、当該液柱状の塗布液を液滴化しつつ前記被塗布物へ塗布することを特徴としている。
【0020】
本発明の機能性材料塗布方法では、上記本発明の機能性材料塗布装置で述べたように、連続的に加圧して塗布液を吐出させるため、高粘度の塗布液でも、安定して塗布液を吐出し、被塗布物へ塗布することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、機能性材料の塗布液の粘度に依存せず、吐出安定性に優れ、良好な機能膜を形成可能な機能性材料塗布装置、及び機能性材料塗布方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す概略構成図である。図3は、第1実施形態に係る機能性材料塗布装置の内部構成を示すブロック図である。
【0024】
第1実施形態に係る機能性材料塗布装置は、図1〜図3に示すように、機能性材料の塗布液14を被塗布物10へ吐出するための吐出ヘッド12と、当該吐出ヘッド12へ送液する塗布液14を貯留する塗布液タンク16と、を有している。
【0025】
また、吐出ヘッド12の一端には、塗布液供給管18が連結され、他端には、塗布液排出管20が連結されている。塗布液供給管18及び塗布液排出管20の一端側(吐出ヘッド12と非連結側)は、塗布液タンク16と連結されている。そして、塗布液供給管18には、塗布液タンク側から吐出ヘッド12に向かって、送液用ポンプ181(加圧手段:溶剤用高圧無動脈ポンプ:3連プランジャポンプ)、送液用ポンプ181の脈動を抑制するダンパ182、塗布液のゴミ異物等を除去するフィルタ183、吐出ヘッド12への塗布液14の送液を開始・停止を行うための送液用電磁弁184、送液する塗布液14の加圧力を検知するための送液圧力センサ185が配設されている。一方、塗布液排出管20には、塗布液14の排出を開始・停止する排出用電磁弁201が配設されている。
【0026】
また、本実施形態に係る機能性材料塗布装置は、連続加圧しつつ吐出を行う連続型の吐出装置であるが、吐出した液滴の所望の位置に配置するためには、塗布液14の液滴に対し帯電・偏向制御を行うこともできる。但し、装置全体のコストを下げることに加え、塗布液14として油性液体を用いる場合には、帯電・偏向制御を用いない方が好ましい。なお、機能性材料の塗布液には油性液体が多い。
【0027】
なお、排出用電磁弁201は、通常、常に閉状態とし、塗布液14の循環、混入した気泡の除去などを行う際に開放するものである。
【0028】
塗布液タンク16には、貯留された塗布液14の温度を検知するためのタンク用サーミスタ161(温度検知手段)と、貯留された塗布液14を加熱するためのタンク用ヒータ162(発熱手段)と、貯留された塗布液14の粘度を検知する粘度センサ163と、を有している。また、塗布液タンク16内部には、攪拌装置164が内蔵されている。加えて、塗布液タンク16には、補給管を介して補充用タンク166が連結されており、補充用ポンプ167により、溶媒が塗布液タンク16へ補充可能となっている。
【0029】
被塗布物10は、円筒体から構成されており、その両端を回転可能に支持体101により支持されている。また、被塗布物10は、被塗布物駆動装置102により回転可能に、具体的には駆動モータ102Aによりベルト102Bを介して回転駆動可能に連結されている。また、被塗布物10の周囲には、非接触で乾燥用ヒータ103(焼成用ヒータ)が配設されている。
【0030】
吐出ヘッド12と被塗布物10との間を遮蔽可能に、液受け22(吐出塗布液回収手段)が設けられている。液受け22は、図4(A)に示すように被塗布物10への塗布を停止するとき(即ち非塗布時)は、吐出ヘッド12と被塗布物10との間を遮って位置し、図4(B)に示すように、塗布時には吐出ヘッド12と被塗布物10との間と離間して位置するように液受け駆動装置221により可動可能に配置されている。即ち、液受け22は、その可動により被塗布物10への塗布開始・停止を行う。また、液受け22は、塗布液タンク16とフィルタ223を介して排出管222により連結されており、吐出した塗布液14を受け止めた場合、当該塗布液タンク16へ排出するようになっている。
【0031】
ここで、図4は、第1実施形態に係る塗布開始・停止機構を示す模式図である。なお、図4において、吐出ヘッド、被塗布物、液受け以外は、省略して示している。
【0032】
なお、塗布開始・停止を行う機構は、上記液受け22を駆動する方式に限られず、例えば、図5に示すように、ファン224(送風装置)を塗布液14の液滴上方に設け、当該ファン224により塗布液14の液滴へ風圧を与え、当該液滴の吐出方向を変化させて、液受け22へぶつけるようにして塗布の停止し、当該風圧を解除することで塗布を開始する方式でもよい。ここで、図5は、第1実施形態に係る他の塗布開始・停止機構を示す模式図である。なお、図5において、吐出ヘッド、被塗布物、液受け、ファン以外は、省略して示している。
【0033】
また、液滴化された塗布液14の液滴間距離を検知するためのエリアセンサ24(例えば、CCDセンサ、CMOSセンサなど)が配設されている。エリアセンサ24は、当該エリアセンサ24により得られた塗布液14の液滴の画像データに基づき、当該液滴化された塗布液14の液滴間距離を算出するためのものである。
【0034】
そして、これら各部材は、システム制御部26と連結されている(図3参照)。また、システム制御部26には、液滴間距離算出部261、ポンプ制御部262、電磁弁制御部263、圧電素子制御部264、ヒータ制御部265、液受け駆動制御部266、被塗布物駆動制御部267、攪拌装置駆動制御部268、が含まれている。また、システム制御部26には、タイマ28、及びメモリ30とも連結されている。
【0035】
以下、吐出ヘッド12について説明する。ここで、図6は、第1実施形態に係る塗布液吐出ヘッドを示す斜視図である。図7は、第1実施形態に係る塗布液吐出ヘッドの断面図である。
【0036】
吐出ヘッド12は、図6〜図7に示すように、例えば、ステンレスやニッケル合金などからなる筒状体で構成されている。そして、吐出ヘッド12には、長手方向に配列された複数のノズル121(例えば、ノズル径25μm)と、各ノズル121に共通して連通する塗布液室122と、塗布液室122を介してノズル121と対向して設けられた圧電素子123(例えばPZTセラミック膜、ポリフッ化ビニリデン膜(PVF膜))と、を有している。
【0037】
また、吐出ヘッド12の塗布液室122には、送液された塗布液14の温度を検知するためのヘッド用サーミスタ124(温度検知手段)と、送液された塗布液14を加熱するためのヘッド用ヒータ125(発熱手段)とを有している。
【0038】
なお、吐出ヘッド12は、塗布時、図示しない駆動装置によりヘッド長手方向に配列されたノズル間隔分、当該ヘッド長手方向に往復して移動するようになっている。これにより、ノズル間隔分の隙間が生じることなく被塗布物10に塗布液14を塗布することができる。無論、被塗布物10の方を移動可能なようにしてもよい。
【0039】
ここで、圧電素子123は、塗布液室122に送液されてきた塗布液14に対し、所定の振動を付与し、ノズル121から液柱状に吐出した塗布液14を液滴化するためのものである。圧電素子123は、図示しないが、例えばPZTセラミック膜に電極から高周波電圧を印加して振動(音波)を発生せしめ、この振動を塗布液室122の塗布液14へ伝達せしめる。
【0040】
圧電素子123は、ノズル121と対向して設けられ、塗布液14の吐出方向と同一方向から、図示しない外部機器より増幅され例えばピーク間電圧(Vpp)50V程度までの電圧で出力する駆動正弦波が供給されると、定在波(進行波と反射波との混合した波:つまり、照射した進行波とノズル面に反射した反射波との混合波)による振動を付与して、ノズル121から液柱状に吐出した塗布液14を液滴化する。
【0041】
ここで、図8〜図10に、粘度約9mPa・s程度の塗布液14の吐出状態を示す。圧電素子123を駆動させず、例えば、送液用ポンプ181により0.9MPaで吐出ヘッド12から塗布液14を吐出した場合、図8に示すように、液柱状の塗布液14が吐出する。そして、圧電素子123により塗布液14に振動を付与すると、図9及び図10に示すように、液柱状に吐出された塗布液14が液滴化される。なお、図9は、90kHzの振動を塗布液14に付与した場合であり、図10は60kHzの振動を塗布液14に付与した場合である。図示するように、90kHzの振動を塗布液14に付与した場合は、60kHz振動を塗布液14に付与したに場合に比べ、塗布液の液滴径が小さく、液滴間距離(液滴間隔)が狭くなっている。しかし、ポンプ圧力は一定であるので、単位時間あたりの噴射量は同一である。
【0042】
図8に示すように、液滴化せず、液柱状の状態で塗布液を塗布すると、吐出ヘッド12から離れた位置では、無秩序な噴流となるため、塗布膜の均一性が確保できない。よって、塗布液14の液滴化が必要である。
【0043】
ここで、図8は、振動を付与しない場合における塗布液14の吐出状態を示す模式図である。図9は、90kHzの振動を付与した場合における塗布液14の吐出状態を示す模式図である。図10は、60kHzの振動を付与した場合における塗布液14の吐出状態を示す模式図である。
【0044】
なお、塗布液14の液滴化の際、圧電素子が付与する振動の周波数は、圧電素子の振動特性、吐出ヘッドの振動特性、塗布液の速度、ノズルの直径などの相関関係により決定される。例えば、塗布液の流体速度(吐出速度)は、下記式で示す関係で表すことができる。
式(1):流体速度(μm/sec)=周波数(Hz)×粒子間隔(μm)(Velocity=fλ)
また、「Rayleigh/Theory of Sound」によると、最も液滴化しやすいのは(粒子を生成しやすいのは)、
式(2):粒子間隔(μm)=4.51×ノズル径(μm)(λ=4.51×d)
である。
また、液滴化された液滴(粒子)の体積は、
式(3):体積(μm)=ノズル面積(μm)×粒子間隔(μm)(Volume=Aλ)
となる。
【0045】
ここで、例えば、塗布液の流体速度10m/sec、ノズル径25μmとしたとき、好適周波数は、88.7kHzとなる。また、液滴の体積は、約55pl(pico litre)(55,000μm)である。但し、液滴化の観点のみで、周波数は決定されず、吐出ヘッドと圧電素子の振動特性を考慮する必要がある。即ち、吐出ヘッドの構造と圧電素子の特性に基づく共振点を考慮することで、圧電素子に印加する電圧の調整を行なう必要がある。例えば、本実施形態では、ピーク間電圧(Vpp)30V程度の電圧を圧電素子に印加する。
【0046】
また、粘度約9mPa・s程度の塗布液14を10m/secで吐出するための圧力は例えば約0.9MPaであるが、粘度3mPa・s程度の塗布液を吐出する場合は、例えば0.3MPa程度の圧力を必要とすることが実験によりわかった。したがって、粘度100mPa・s程度の塗布液を吐出するためには、例えば10MPa程度の圧力が必要であると予想される。これは、塗布液に掛かる圧力と流速が流路抵抗を係数とする1次の関係にあることより説明される。ただし、上記の数値は一例である。
【0047】
それは、ノズルの形状により抵抗値が大きく変わるからである。ノズル加工方法には、一般的にポンチ加工方法、エレクトロフォーミング(電鋳)加工方法、放電加工方法、レーザ加工方法などが挙げられる。それぞれの加工方法には得失があり、一概にどの方法が好ましいか決定することはできないが、ノズル径を一定にして比較した場合、ノズルにおける流路抵抗の観点からは、ノズルの断面形状に大きなテーパを有するエレクトロフォーミング(電鋳)が極力、噴射の圧力を低く保つという観点では好ましい。
【0048】
なお、吐出ヘッド12は、上記構成に限られず、図11に示すように、ヘッドの長手方向一端に配設された圧電素子123(例えばPZTセラミック膜)と、ヘッドの長手方向他端に配設には振動吸収部材126(例えばシリコンラバー)を有する構成でもよい。ここで、図11は、第1実施形態に係る他の塗布液吐出ヘッドの断面図である。
【0049】
この形態で、振動は圧電素子123を挟みこんだピストンにより塗布液室122の塗布液14へ伝達せしめるものであるが、このとき吐出ヘッド12(塗布液室122)の振動進行方向に直交する多数のノズル121から吐出された液柱状の塗布液14に振動が伝わり、液柱状の塗布液14が液滴化され、塗布液の液滴が生成する。つまり、圧電素子123は、塗布液14の吐出方向に対して直交方向から塗布液14に対し振動を付与している。
【0050】
一方、上述のように、吐出ヘッド12の長手方向他端に、即ち圧電素子123に対向するように振動吸収部材126が設けられるため、伝播する振動を吸収され、当該振動が進行波の状態を保ち反射波を生じさせず定在波とならないようになっている。
【0051】
このような進行波による振動を塗布液14に付与することで、塗布液14の液滴分離長さを十分均一に保ち、サテライト粒子が生成し難くなる。なお、このような進行波による振動によって、液滴化する手法として詳細には、特公平6−84072号に準じて実施することができる。
【0052】
ここで、定在波による液滴化の場合、高粘度の塗布液を液滴化するのに好適であり、進行波による液滴化の場合、低粘度の塗布液を液滴化するのに好適である。また、進行波による液滴化の場合は、定在波による液滴化の場合に比べ、液滴化の均一性に富む。用いる塗布液14に応じて、適宜選択することもできるし、これらを組み合わせることも効果的である。
【0053】
以下、本実施形態に係る機能性材料塗布装置の塗布動作を、システム制御部26の動作により説明する。ここで、図12は、第1実施形態に係る機能性材料塗布装置のシステム制御部の動作を示すフォロー図である。なお、以下、時間の取得は、タイマ28により行う。
【0054】
まず、例えば、図示しないインターフェースからユーザにより塗布開始の信号を検知すると、ステップ500において、液受け駆動制御部266により液受け22を駆動し被塗布物10と吐出ヘッド12の間を遮断する。加えて、ポンプ制御部262により送液用ポンプ181を駆動すると共に、電磁弁制御部263により送液用電磁弁184を開放する。また、圧電素子制御部264により圧電素子123を駆動する。これにより、ノズル121から液柱状の塗布液14が吐出すると共に、液柱状の塗布液14が液滴化される。
【0055】
次に、ステップ501において、ヘッド用サーミスタ124及びタンク用サーミスタ161から塗布液14の温度を検知し、検知した塗布液温度が所定の温度以上か否かを判定する。塗布液温度が予めメモリ30に記憶させた所定温度以上で肯定されるとステップ503に進む。一方、否定するとステップ502に進み、ヒータ制御部265によりヘッド用ヒータ125及びタンク用ヒータ162を所定時間駆動し、塗布液を加熱する。これと共に、攪拌装置駆動制御部268により攪拌装置164を所定時間駆動し、塗布液タンク16内の塗布液を攪拌する。そして、ステップ501に進む。
【0056】
次に、ステップ503において、液滴化された塗布液の液滴間距離を測定する。具体的には、液間距離は、例えば次のようにして測定することができる。例えば、エリアセンサ24により吐出している液滴状の塗布液の画像データを検知(取得)する。液滴間距離算出部261により画像データの信号を解析し、液滴ライン画像データを抽出する。次に、液滴ライン画像データを2値化処理し、信号レベルを判定し周波数を演算する。そして、予めメモリ30に記憶された周期−液間距離変換テーブルを参照し、その周波数に応じて液間距離を算出(測定)する。
【0057】
ステップ504において、液間距離が所定の値(例えば、ノズル径25μm×4.51=112.75μm:式(2)参照)以上か否かを判定する。所定の値以上と肯定すれば、ステップ510に進む。一方、否定するとステップ505に進む。
【0058】
次に、ステップ505において、粘度センサ163から塗布液粘度を検知し、検知した塗布液粘度が、予めメモリ30に記憶した所定粘度以下で肯定されるとステップ506に進む。一方、否定されると、ステップ509に進む。
【0059】
ステップ506において、送液圧力センサ185から送液用ポンプ181による塗布液14の圧力(ポンプ圧)を検知し所定の圧力以上か否かを判定する。このポンプ圧が予めメモリ30に記憶させた所定圧力(例えば、塗布液流量2.3ml/minとなるように500〜800kPaで設定)以上で肯定されるとステップ507に進む。一方、否定するとステップ508に進む。
【0060】
また、ステップ507において、圧電素子制御部264により圧電素子123から付与する振動周波数を所定値下げるように調整する。そして、ステップ504に進む。
【0061】
また、ステップ508において、ポンプ制御部262により送液用ポンプ181のポンプ圧を所定値上げるように調整する。そして、ステップ504に進む。
【0062】
また、ステップ509において、ポンプ制御部262により補充用ポンプ167により塗布液タンク16へ溶媒を所定量補充すると共に、攪拌装置駆動制御部268により攪拌装置164を所定時間駆動し、塗布液タンク16内の塗布液を攪拌する。そして、ステップ504に進む。
【0063】
一方、ステップ510において、被塗布物駆動制御部267により被塗布物駆動装置102を駆動し、被塗布物10を回転駆動する(例えば、被塗布物10の回転速度を1回転/1秒(1rps)とする)。
【0064】
次に、ステップ511において、液受け駆動制御部266により液受け22を被塗布物10と吐出ヘッド12との間の遮断を解除、即ち当該間から液受け22を離間する。これにより、塗布液14の被塗布物10への塗布が開始される。
【0065】
次に、ステップ512において、液受け22を被塗布物10と吐出ヘッド12との間の遮断を解除、即ち塗布開始から所定時間が経過した否かを判定する。当該経過時間が予めメモリ30に記憶した所定時間(即ち、塗布時間)が経過して肯定されると、ステップ513に進む。一方、否定されるとステップ512に進む。
【0066】
次に、ステップ513において、液受け駆動制御部266により液受け22を駆動して被塗布物10と吐出ヘッド12との間を遮断する。加えて、ポンプ制御部262により送液用ポンプ181の駆動を停止すると共に、電磁弁制御部263により送液用電磁弁184を閉じる。また、圧電素子制御部264により圧電素子123の駆動を停止する。これにより、塗布が終了する。
【0067】
次に、ステップ514において、ステップ513終了、即ち塗布終了から所定時間経過したか否かを判定する。当該経過時間が予めメモリ30に記憶された所定時間(即ち、塗布膜の平滑化時間)が経過して肯定されると、ステップ515に進む。一方、否定されると、ステップ514に進む。
【0068】
ここで、上述のように塗布が開始されると、図13(A)に示すように、吐出ヘッド12から塗布液14の液滴が吐出され、当該液滴が被塗布物10上に塗布される。次に、図13(B)に示すように、被塗布物に塗布された塗布液14の膜が平滑化される。そして、図13(C)に示すように塗布液14の塗布膜141を形成することができる。ここで、図13は、第1実施形態に係る機能性塗布装置による塗布膜の形成過程を示す工程図である・
【0069】
なお、塗布終了後、被塗布物の回転を所定時間継続することで、塗布膜の平滑化に加え、塗布膜の液だれ防止を図ることができる。塗布液14の被塗布物10表面への着弾は必ずしも全面にわたるものではなく、着弾した液滴間には隙間が存在する。また、ジェットはノズル加工の精度に起因する僅かな曲がりを有する場合がある。このため、塗布液14は被塗布物10表面に着弾後、当初、粘度が高いほど、液滴の形状を反映して半球に近い形状で存在する。このため、均一な塗布膜を形成するためには、塗布終了後、被塗布物を回転させる、即ち平滑化工程における時間管理が重要である。また、被塗布物10を回転させながら塗布膜の平滑化を行うと、その遠心力により、塗布液14が被塗布物10に対して凸状の形状を守る方向に働くため、回転速度を液だれを起こさない程度に低下させることが、好ましい。被塗布物10表面との親和性により塗布液14は広がり、被塗布物10の回転時間と共に隣接着弾滴と引き合いながら、塗布膜は平坦化していくことになる。
【0070】
次に、ステップ515において、ヒータ制御部265により乾燥用ヒータ103(焼成用ヒータ)を所定時間駆動する。これにより、塗布された塗布膜の乾燥を行う。なお、塗布液14の材料種によっては、乾燥のみならず、例えば、熱硬化などの焼成が行う。この際、塗布膜の乾燥ムラ(焼きムラ)を防止するために、被塗布物駆動制御部267により被塗布物10の回転速度を上げることが好ましい、一方で、乾燥・焼成が進んだ後は、回転速度を下げることも可能である。
【0071】
次に、ステップ516において、被塗布物駆動制御部267により被塗布物駆動装置102の駆動を停止し、被塗布物10を回転を止める。
【0072】
以上のようにして、塗布が終了する。なお、本実施形態では、塗布、乾燥は吐出ヘッド12及び乾燥用ヒータの設置により1箇所で行われているが、被塗布物10の回転を継続したまま、スライド機構により乾燥室へ移動させることで、工程を分割し、処理能力を向上させることも可能である
【0073】
以上、説明した本実施形態に係る機能性材料塗布装置では、機能性材料の塗布液14を連続して加圧して、ノズル121から液柱状の塗布液14を吐出させ、その吐出した液柱状の塗布液14を液滴化して、被塗布物10へ塗布する。このように、連続的に加圧して塗布液14を吐出させるため、高粘度の塗布液(例えば水に近い粘度3mPa・s程度以下のものから、粘度300mPa・s程度の塗布物)でも、安定して塗布液14を吐出し、被塗布物10へ塗布することが可能となる。
【0074】
さらに。各検知手段(センサ)及び制御部により、塗布液の最適な吐出安定性を実現することが可能となる。
【0075】
(第2実施形態)
図14は、第2実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す概略側面図である。図15は、第2実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す概略正面図である。但し、図14及び図15において、吐出ヘッド、被塗布物以外の構成は省略して示している。
【0076】
本実施形態に係る機能性材料塗布装置は、図14及び図15に示すように、不図示の駆動装置により、被塗布物10の長手方向に移動可能で、当該被塗布物の塗布領域幅よりも短い短尺な吐出ヘッド12を備える形態である。
【0077】
短尺な吐出ヘッド12は、図16に示すように、例えば、ヘッド移動方向Sに対して、格子状のノズル121の配列が傾斜するようにして、ノズル121を配列したマトリックス型の吐出ヘッドとしてる。このように、格子状のノズル121配列における一列をヘッド移動方向に傾斜させると、当該ヘッド移動方向に直行方向に沿うノズル幅(ノズルが移動したときのノズルの軌跡間隔)を短くすることができ、高密度の塗布が可能となる。これにより、装置製造のコスト低下のために製造速度を上げることが容易に可能でとなり、工業的に有利となる。ここで、図16は、第2実施形態に係る吐出ヘッドを示す概略正面図である。
【0078】
これら以外は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
以上説明した本実施形態に係る機能性材料塗布装置でも、第1実施形態と同様に、機能性材料の塗布液14を連続して加圧して、ノズルから液柱状の塗布液14を吐出させ、その吐出した液柱状の塗布液14を液滴化して、被塗布物10へ塗布する。このように、連続的に加圧して塗布液14を吐出させるため、高粘度の塗布液でも、安定して塗布液14を吐出し、被塗布物10へ塗布することが可能となる。
【0080】
ここで、本実施形態では、吐出ヘッド12が一つの形態を説明したが、これに限られず、2以上の吐出ヘッド12を配設した形態でもよい。具体的には、例えば、図17に示すように、被塗布物10を挟んで、異なる機能性材料の塗布液を吐出する2つの吐出ヘッド12A、12Bを配設した形態が挙げられる。ここで、図17は、第2実施形態に係る他の塗布装置を示す概略側面図である。なお、図17では、被塗布物10、吐出ヘッド12A、12B以外は省略して示している。
【0081】
図17の形態の場合、図18(A)に示すように、吐出ヘッド12Aから塗布液14Aの液滴が吐出されてくると、当該液滴が被塗布物10上に塗布される。次に、図18(B)に示すように、塗布液14Aの塗布膜が形成される。次に、図18(C)に示すように、被塗布物に塗布された塗布液14Aの塗布膜上に対して吐出ヘッド12Bから塗布液14Bの液滴が吐出されてくると、当該液滴が被塗布物10の塗布液14Aの膜上に塗布される。そして、図18(D)に示すように塗布液14A、14Bが積層されるように塗布され、異なる材料からなる機能性材料の塗布膜が積層されたものが得られる。ここで、図18は、第2実施形態に係る機能性塗布装置による塗布膜の他の形成過程を示す工程図である。なお、141Aは、塗布液14Aによる機能性材料の塗布膜を示し、141Bは塗布液14Bによる機能性材料の塗布膜を示している。
【0082】
この方法を利用すると、塗布液14A及び塗布液Bを同時に塗布、平坦化、乾燥焼成を行うことができ、乾燥前複数層塗布の実現が可能となる。
【0083】
ここで、上記他の形態においては、塗布液14Bを塗布液14Aの例えば2倍の塗布量で塗布している状態を示しているが、そのためには、例えば、吐出ヘッド12Bの移動速度を吐出ヘッド12Aの移動速度に対して半分の移動速度としている。同様のことは、被塗布物10の回転速度を半分とすることでも可能である。なお、この場合、吐出ヘッド12Bの吐出条件を、吐出ヘッド12の吐出条件に対し、例えば塗布液14の吐出速度(ポンプ圧)を倍とし、圧電素子123の駆動周波数を倍とすることにより、塗布量を倍にすることも可能だが、一般に、吐出速度を上げるにポンプの圧力を上げることは、ポンプの性能、また液の循環系の耐圧の問題から好ましくない。
【0084】
一方、図示しないが、塗布液14Bを塗布液14Aの例えば1/2倍の塗布量で塗布する場合、吐出ヘッド12A及び吐出ヘッド12Bの移動速度は共に同じにして、吐出ヘッド12Bの吐出条件を、吐出ヘッド12の吐出条件に対し、例えば塗布液14の吐出速度(ポンプ圧)を1/2倍とし、圧電素子123の駆動周波数を1/2倍とすることが好ましい。なお、この場合、吐出ヘッド12Bの移動速度を吐出ヘッド12Aの移動速度に対して2倍の移動速度としたり、被塗布物10の回転速度を2倍とすることでも可能であるが、塗布液14の着弾液滴間の距離が開くため、得られる塗布膜の平坦化には好ましくない
【0085】
即ち、塗布量の増加は、被塗布物10の回転速度(移動速度)、吐出ヘッド12の移動速度の低下、塗布量の減少は、吐出ヘッド12による塗布液14の吐出量の低下で実施することが好ましい。
【0086】
また、他の形態を示すと、図19(A)に示すように、被塗布物の所定領域に対して吐出ヘッド12Aから塗布液14Aの液滴が吐出されてくると、当該液滴が被塗布物10の所定領域上に塗布される。次に、図19(B)に示すように、被塗布物の所定領域(上記吐出ヘッド12による塗布液14の領域以外の領域)に対して吐出ヘッド12Bから塗布液14Bの液滴が吐出されてくると、当該液滴が被塗布物10の所定領域上に塗布される。そして、図19(C)に示すように塗布液14A、14Bがそれぞれ所定の領域に塗布され、異なる材料からなる機能性材料膜がパターニングされたものが得られる。ここで、図19は、第2実施形態に係る機能性塗布装置による塗布膜の他の形成過程を示す工程図である。
【0087】
この方法を利用すると、例えば、図20〜22に示すような異なる機能性材料膜がパターニングされた膜が得られる。
【0088】
以上、いずれの実施形態に係る機能性材料塗布装置は、塗布液を連続加圧しつつ吐出を行う連続型の塗布装置であるが、所謂、圧電素子により間欠的に塗布液の液滴を吐出するドロップオンデマンド(DOD)型の塗布装置に比べ、連続型では常時噴射しているので、ノズルでの乾燥は問題とはならない。この事は、機能性材料塗布装置として連続型が好適であることの理由の1つである。機能性材料はその塗布液状態においては有機溶剤を使用することが多く、揮発性が高い場合が多く、DOD型では、一時休止などの直後に目詰まりを発生し、装置の安定性を得ることができない。
【0089】
連続型塗布装置がDOD型塗布装置に比べて優れている他の点は、高粘度及び粘度の異なる液体への対応が容易であることである。すなわち、DOD型に用いるピエゾ振動あるいは、急速沸騰(Thermal Ink Jet)では、液体粘度としては、概ね10mPa・s程度が限界であり、それ以上の高粘度液体を噴射することは困難である。が、連続型の場合、塗布液の吐出はポンプ圧力に依存するため、好適なポンプを選択することで基本的には粘度の制約がない。
【0090】
また、機能性材料の製膜においては、材料は複数種を塗布する場合が十分考えられる。DOD型塗布装置では、噴射液体の粘度に応じてピエゾあるいはヒータを中心とする流路構造の最適設計を行なう必要があるが、連続型塗布装置の場合、ポンプ圧の調整を行なえば、異なる粘度の塗布液を吐出ヘッド等の構成の変更をおこなうことなく吐出することが可能である。従って、装置設計も簡易であり、また、機能性液体の選定の自由度が極めて高い。これも連続型が好適であることの大きな理由である。
【0091】
また、いずれの実施形態では、塗布液液滴化手段として圧電素子を適用した形態を説明したが、これに限られず、塗布液を加熱し、当該熱の揺らぎにより液滴化する方式でもよいし、静電吸引を利用して液滴化する方式でもよい。また、被塗布物として円筒体(ドラム)の場合を説明したが、無論、板状体をはじめ、その他の形状のものも適用することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る機能性材料塗布装置は、電子写真用部材(電子写真用感光体、機能性ベルト(中間転写体)、転写ロール、帯電ロールなど)や、その他工業製品(例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、半導体製品)に適宜利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す概略構成図である。
【図3】第1実施形態に係る機能性材料塗布装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る塗布開始・停止機構を示す模式図である。
【図5】第1実施形態に係る他の塗布開始・停止機構を示す模式図である。
【図6】第1実施形態に係る塗布液吐出ヘッドを示す斜視図である。
【図7】第1実施形態に係る塗布液吐出ヘッドの断面図である。
【図8】振動を付与しない場合における塗布液14の吐出状態を示す模式図である。
【図9】90kHzの振動を付与した場合における塗布液14の吐出状態を示す模式図である。
【図10】60kHzの振動を付与した場合における塗布液14の吐出状態を示す模式図である。
【図11】第1実施形態に係る他の塗布液吐出ヘッドの断面図である。
【図12】第1実施形態に係る機能性材料塗布装置のシステム制御部の動作を示すフォロー図である。
【図13】第1実施形態に係る機能性塗布装置による塗布膜の形成過程を示す工程図である・
【図14】第2実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す概略側面図である。
【図15】第2実施形態に係る機能性材料塗布装置を示す概略正面図である。
【図16】第2実施形態に係る吐出ヘッドを示す概略正面図である。
【図17】第2実施形態に係る他の塗布装置を示す概略側面図である。
【図18】第2実施形態に係る機能性塗布装置による塗布膜の他の形成過程を示す工程図である。
【図19】第2実施形態に係る機能性塗布装置による塗布膜の他の形成過程を示す工程図である。
【図20】パターニングされた異なる機能性材料膜の一例を示す模式図である。
【図21】パターニングされた異なる機能性材料膜の一例を示す模式図である。
【図22】パターニングされた異なる機能性材料膜の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0094】
10 被塗布物
101 支持体
102 被塗布物駆動装置
102A 駆動モータ
102B ベルト
103 乾燥用ヒータ
12 吐出ヘッド
121 ノズル
122 塗布液室
123 圧電素子
124 ヘッド用サーミスタ
125 ヘッド用ヒータ
126 振動吸収部材
14 塗布液
141 塗布膜
16 塗布液タンク
161 タンク用サーミスタ
162 タンク用ヒータ
163 粘度センサ
164 攪拌装置
166 補充用タンク
167 補充用ポンプ
18 塗布液供給管
181 送液用ポンプ
182 ダンパ
183 フィルタ
184 送液用電磁弁
185 送液圧力センサ
20 塗布液排出管
201 排出用電磁弁
22 液受け
221 液受け駆動装置
222 排出管
223 フィルタ
224 ファン
24 エリアセンサ
26 システム制御部
261 液滴間距離算出部
262 ポンプ制御部
263 電磁弁制御部
264 圧電素子制御部
265 ヒータ制御部
266 液受け駆動制御部
267 被塗布物駆動制御部
268 攪拌装置駆動制御部
28 タイマ
30 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性材料を被塗布物へ塗布するための機能性材料塗布装置であって、
前記塗布液を吐出する複数のノズル、及び前記各ノズルに共通して通じる塗布液室を有する塗布液吐出ヘッドと
前記塗布液を連続的に加圧して塗布液室に供給し、前記ノズルから当該塗布液を液柱状に吐出するための加圧手段と、
前記ノズルから液柱状に吐出される前記塗布液を液滴化するための液滴化手段と、
を備えることを特徴とする機能性材料塗布装置。
【請求項2】
前記液滴化手段は、前記塗布液室に供給される前記塗布液に対し振動を付与する振動付与手段であることを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布装置。
【請求項3】
前記塗布液の粘度を検知する粘度検知手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布液装置。
【請求項4】
前記塗布液の粘度を検知する粘度検知手段と、
前記粘度検知手段により検知された粘度に応じて、前記加圧手段による前記塗布液への加圧を変化させる加圧制御手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布液装置。
【請求項5】
前記塗布液の粘度を検知する粘度検知手段と、
前記粘度検知手段により検知された粘度に応じて、前記液滴化手段による前記塗布液への液滴化条件を変化させる液滴化制御手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布装置。
【請求項6】
液滴化された前記塗布液の間隔を検知する液滴間隔検知手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布装置。
【請求項7】
液滴化された前記塗布液の間隔を検知する液滴間隔検知手段と、
前記液滴間隔検知手段により検知された前記塗布液の液滴間隔に応じて、前記加圧手段による前記塗布液への加圧を変化させる加圧制御手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布液装置。
【請求項8】
液滴化された前記塗布液の間隔を検知する液滴間隔検知手段と、
前記液滴間隔検知手段により検知された前記塗布液の液滴間隔に応じて、前記液滴化手段による前記塗布液への液滴化条件を変化させる液滴化制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布装置。
【請求項9】
液滴化された前記塗布液の間隔を検知する液滴間隔検知手段と、
前記液滴間隔検知手段により検知された前記塗布液の液滴間隔に応じて、前記塗布液の粘度を変化させる粘度制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布液装置。
【請求項10】
前記機能性材料吐出ヘッドを複数備えることを特徴とする請求項1に記載の機能性材料塗布液装置。
【請求項11】
機能性材料を被塗布物へ塗布するための機能性材料塗布方法であって、
連続的に加圧された前記塗布液をノズルから液柱状に吐出し、当該液柱状の塗布液を液滴化しつつ前記被塗布物へ塗布することを特徴とする機能性材料塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−325993(P2007−325993A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157485(P2006−157485)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】