気密パッケージデバイス、および少なくとも1つのデバイスをウェハレベルで気密パッケージングするための方法
【課題】気密パッケージデバイス、および少なくとも1つのデバイスをウェハレベルで気密パッケージングするための方法を提供する。
【解決手段】(1)少なくとも部分的に形成されたデバイスを複数有する基板ウェハを用意する(102)ステップ、(2)基板ウェハ上の少なくとも部分的に形成されたデバイスのうちの異なるデバイスの周りに分離壁を形成する(104)ステップ、および(3)分離壁にキャップウェハをウェハボンディング(106)して、複数の気密パッケージを形成するステップ、によって、複数のデバイスがウェハレベルで気密パッケージングされる。
【解決手段】(1)少なくとも部分的に形成されたデバイスを複数有する基板ウェハを用意する(102)ステップ、(2)基板ウェハ上の少なくとも部分的に形成されたデバイスのうちの異なるデバイスの周りに分離壁を形成する(104)ステップ、および(3)分離壁にキャップウェハをウェハボンディング(106)して、複数の気密パッケージを形成するステップ、によって、複数のデバイスがウェハレベルで気密パッケージングされる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
高周波(RF)集積回路(IC)は典型的に、個別に(すなわち、それらがウェハからダイシングされた後、個々に)パッケージされる。個別パッケージングに使用されるいくつかの例示的なタイプとして、プラスチック射出成形パッケージおよびセラミックキャビティパッケージがある。通常、種々のタイプのパッケージ(およびパッケージングプロセス)の価格と性能の間には相関があり、より高い周波数または気密性のパッケージおよびプロセスは、より低い周波数または非気密性のパッケージおよびプロセスより高コストになる。
【0002】
ICを個別にパッケージングすることは労働集約的であり、従って高価になる。加えて、微小電気機械システム(MEMS)をベースとするスイッチのような脆弱なデバイスの個別パッケージングは、機能パッケージデバイスの損傷、損失、および結果としての低歩留まりにつながり得る。従って、個別パッケージング方法(およびパッケージ)は典型的に、脆弱なデバイスのパッケージングには適さない。
【0003】
ウェハボンディングを使用するウェハレベルパッケージングが過去に提案されているが、パッケージ内に封入された部品への電気的接続を形成することは一般的に難しい。例えば、導電性金属シールの下を通過する信号線で運ばれる信号は、劣化および損失を被るおそれがあり、信号品質は非金属シールを使用することによって改善することができるが、非金属シールを用いて気密封止パッケージを形成することは難しい。
【0004】
米国特許出願公開第2006/0175707A1号に開示された通り、キャップウェハに接続孔を形成することができ、キャップウェハとデバイスウェハとの間に形成されたパッケージ内に含有されたデバイスに対して電気的接続を行なうことを目的として、導電性接続ロッドを接続孔に形成することができる。しかし本方法は、キャップウェハおよびデバイスウェハの位置合わせのみならず、キャップウェハの比較的複雑な処理も必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0175707A1号
【特許文献2】米国特許出願第11/847,239号
【0006】
本発明の例示的実施形態を図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ウェハレベルで少なくとも1つのデバイスを気密にパッケージングするための例示的方法を示す図である。
【図2】図1に示した方法によって処理される基板ウェハの例示的平面図である。
【図3】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図4】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図5】図1に示した方法によって処理される基板ウェハの例示的平面図である。
【図6】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図7】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図8】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図9】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図10】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図11】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図12】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図13】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
予備的事項として、以下の説明において、様々な図面に現われる同様の参照符号は、同様の要素/特徴を指すことに留意されたい。
【0009】
図1は、ウェハレベルで複数のデバイスを気密にパッケージングするための例示的方法100を示す。方法100は、複数の少なくとも部分的に形成されたデバイスを上に有する基板ウェハを用意することから始まる(ブロック102)。基板ウェハを「用意する」ことは、例えば、基板ウェハを形成するか、入手するか、配置するうちの1つ以上を含むことができる。
【0010】
例示的基板ウェハ200の平面図を図2に示し、基板ウェハ200上に少なくとも部分的に形成されたデバイス202の1つの断面図を図3に示す。例として、基板ウェハ200上の「デバイス」の各々は、微小電気機械システム(MEMS)、集積回路(IC)、または他の超小型電子デバイスの形を取ることができる。本明細書で使用する場合、用語「デバイス」は、トランジスタまたは抵抗器のような単一部品、または1つ以上の共同機能または個別機能を果たす一群の部品の両方を含む意味である。共同機能を果たす部品群の一例として、単一のMEMSを形成する部品群がある。個別機能を果たす部品群の一例としては、2つの個別に動作可能なMEMSを形成する部品群がある。
【0011】
本明細書で使用する場合、「少なくとも部分的に形成されたデバイス」202、204は、(1)気密にパッケージングされる基板ウェハ200の片面に完全に形成されて動作可能である部品を有するデバイス(デバイスへの接続がウェハの反対側(またはパッケージングされない側)の面に形成されているか否かにかかわらず)、および(2)気密にパッケージングされる基板ウェハ200の片面に部分的にしか形成されておらず、またはまだ動作不能である部品を有するデバイス、の両方を含む意味である。これは、例えば、MEMSリリースプロセスの完了を除き、完全に形成されたMEMSのようなデバイスを含む。
【0012】
基板ウェハを用意した後(ブロック102)、方法100は、基板ウェハ上における分離壁の形成に続く(ブロック104)。分離壁400、500は、図4および5に示すように、少なくとも部分的に形成されたデバイス202、204のうちの異なるデバイスの周りに形成される。典型的に、分離壁400、500は基板ウェハ200上のデバイス202、204の各々の周りに形成されるが、そうすることが必要でない場合もある。
【0013】
分離壁400、500を形成した後、キャップウェハが分離壁にウェハボンディングされる(ブロック106)。一実施形態では、キャップウェハは、分離壁およびキャップウェハの少なくとも一方で共晶はんだを融解させることによって、分離壁にウェハボンディングすることができる。すなわち、ウェハボンディングの前に、分離壁上または内、キャップウェハ上、または分離壁およびキャップウェハの両方の上に共晶はんだが存在してよい。共晶はんだは、熱および圧力の一方または両方によって融解することができる。別の実施形態では、キャップウェハは、例えば分離壁およびキャップウェハの少なくとも一方の上で純金を加熱および圧縮することによって形成される熱圧着を介して、分離壁にウェハボンディングすることができる。さらに別の実施形態では、キャップウェハは、例えばキャップウェハおよび分離壁を加熱し、キャップウェハと分離壁の間に高電界を印加する(それは通常、キャップウェハと基板ウェハの間に高電界を印加することによって行なわれる)ことによって形成される陽極接合を介して、分離壁にウェハボンディングすることができる。典型的に、陽極接合は、ガラスから成るかガラスを含有する材料(キャップウェハおよび分離壁)のような非導電性材料間に形成される。キャップウェハ900と分離壁400との間の例示的ウェハボンディングを図9に示す。
【0014】
方法100によって、複数の気密パッケージ(hermetic package)が形成される。
【0015】
次に、方法100およびその変形例について、図2〜13に示す例示的プロセスステップおよび装置に関連してさらに詳細に説明する。
【0016】
図2は、部分的に形成されたデバイス202および204のような部分的に形成されたデバイスを複数有する例示的基板ウェハ200の平面図を示す。基板ウェハ200は、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコン(Si)、またはサファイアウェハのそれを含め、種々の形態を取ることができる。場合により、各ランディングパッド206、208が部分的に形成されたデバイス202、204のそれぞれを取り囲むように、グリッド状のランディングパッド206、208を基板ウェハ200上に形成することができる。一部の実施形態では、図2に示す個々のランディングパッド206、208は、ランディンググリッドに置き換えることができ、部分的に形成されたデバイス202、204のうち、隣接し合うデバイスは、それらの間に延びるランディンググリッドの一部分を共有する。例として、ランディングパッド206、208またはランディンググリッドは、チタン、白金、および金の層上に形成された構造的金パッドを含むことができる。
【0017】
図3は、部分的に形成されたデバイス202の1つの断面を示す。例として、部分的に形成されたデバイス202は、静止電極302、カンチレバー電極304、および作動電極306を有するMEMSリレー300である。一実施形態では、電極302、304、306は、チタン、白金、および金の層上に形成された構造的金部品を含むことができる。使用中に、電極306に制御信号が印加されると、カンチレバー電極304が静止電極302に接触し、それによって電極302と304の間に導電路が形成される。犠牲レジスト308が存在するため、カンチレバー電極304は移動することができないので、MEMSリレー300は部分的に形成されたとみなされる。
【0018】
図3、4、および7〜13に示す部分的に形成されたMEMSリレー300は、単なる例示であることが留意される。代替的に、部分的に形成されたMEMSリレー300は、方法100の実行の様式に実質的に影響を及ぼすことなく、別の完全に形成されたデバイスまたは部分的に形成されたデバイスに置き換えることができる。部分的に形成されたMEMSリレー300は、別のタイプのMEMS、IC、または何らかの他の形の超小型電子デバイスに置き換えることもできる。
【0019】
図4は、MEMSリレー300の周りに形成された分離壁400の断面を示す。図示する通り、分離壁400はオプションのランディングパッド206上に形成することができる。しかし、オプションのランディングパッド206が存在しない場合、分離壁400は基板ウェハ200上に直接形成することができる。図5は、部分的に形成されたデバイス202、204のうちの異なるデバイスの周りに複数の分離壁400、500を形成することができることを示す。一部の実施形態では、分離壁は、部分的に形成されたデバイス202、204の各々の周りに形成することができる。他の実施形態では、分離壁は、部分的に形成されたデバイス202、204のいくつかの周りにのみ形成することができる。代替的に、部分的に形成されたデバイス202、204のうちの隣り合うデバイスが共通の分離壁を共用するように、接続されたグリッド状の分離壁を形成することができる。
【0020】
分離壁400、500は種々の方法で形成することができ、そのうちのいくつかを以下で詳述する。
【0021】
一部の実施形態では、分離壁400、500は、少なくとも部分的に形成されたデバイス202が実装された基板ウェハ200の表面にフォトレジスト700を塗布し、パターン形成することによって、形成することができる。図7を参照されたい。フォトレジスト700のパターン形成により、分離壁400、500が形成される基板ウェハ200の領域(すなわちランディングパッド206、208)が露出される。次いで、基板ウェハ200の露出した領域にめっきすることによって、分離壁400、500を形成することができ(図8)、その後フォトレジスト700は除去することができる(図4および5)。一部の実施形態では、めっきプロセスは電気めっきプロセスとすることができる。
【0022】
他の実施形態では、分離壁400、500は、少なくとも部分的に形成されたデバイス202が実装された基板ウェハ200の表面にフォトレジスト700を塗布し、かつパターン形成することによって形成することができる。図7を参照されたい。再び、フォトレジスト700のパターン形成により、分離壁400、500が形成される基板ウェハ200の領域が露出される。次いで、物理蒸着によって分離壁400、500を形成することができ、その後フォトレジスト700は除去することができる。本実施形態では、フォトレジスト700の除去により、分離壁400、500の形成中にフォトレジスト700上に堆積した材料は、フォトレジスト700と共に剥離される。
【0023】
分離壁400、500の例示的組成物については後述する。
【0024】
分離壁400、500の形成後に、任意の部分的に形成されたデバイス202の形成を必要に応じて仕上げることができる。図6に示す通り、例として、部分的に形成されたデバイス202のさらなる処理は、MEMSリリースプロセス(例えば犠牲レジスト308を除去するプロセス)を実行することを含むことができる。
【0025】
図9および10は、基板ウェハ200上(図9)、および分離壁400上(図10)にキャップウェハ900を配置するステップを示す。キャップウェハ900は、MEMSリレー300(または代替デバイス)に接続するためのビアを有さない。その結果、キャップウェハ900と基板ウェハ200との正確な位置合せは不要である。すなわち、気密パッケージングまたはMEMSリレー300(もしくは他のデバイス)の機能性に影響を及ぼすことなく、キャップウェハ900は基板ウェハ200に対して回転するか、または基板ウェハ200に対して多少偏位することができる。好ましくは、キャップウェハ900は、デバイス300に対面するウェハの表面に任意の窪みも有さない(または、基板ウェハ200上のデバイス300もしくは他のデバイスと位置合せする必要のある任意の窪みを少なくとも有さない)。
【0026】
キャップウェハ900および基板ウェハ200は、同一材料または異なる材料から形成することができる。例えば、キャップウェハ900はガリウムヒ素(GaAs)、シリコン(Si)、またはサファイアウェハとすることができる。または、一部の実施形態で、キャップウェハ900は、ガラスのような半透明または透明な材料から形成することができる。
【0027】
分離壁400、500上にキャップウェハ900を配置した後、キャップウェハ900は分離壁400、500にウェハボンディングされる。図10を参照されたい。一実施形態では、キャップウェハは共晶はんだを融解することによって分離壁に結合される。前述の通り、キャップウェハ900を分離壁400、500の上に配置する前に、分離壁400、500上または内、キャップウェハ900上、または分離壁400、500およびキャップウェハ900の両方の上に共晶はんだが存在することができる。
【0028】
一部の実施形態では、分離壁400、500は、金およびスズの混合物(AuSn)、金およびインジウムの混合物(AuIn)、またはインジウムおよびスズの混合物(InSn)のような共晶はんだから形成することができる。加えて、または代替的に、キャップウェハ900を共晶はんだで被覆することができる。さらに別の実施形態では、かつキャップウェハ900を共晶はんだで被覆する代わりに、基板ウェハ200上の分離壁400、500のパターン(図5を参照)を反映するパターン状に共晶はんだをキャップウェハ900に塗布することができる。これは、キャップウェハ900が半透明または透明である場合、およびパッケージされたデバイスの可視性を所望する場合に、特に有用である。分離壁400、500のパターンを反映するパターン状に共晶はんだをキャップウェハ900に塗布する場合、キャップウェハおよび基板ウェハ900、200の正確な位置合せが不要であるので、共晶はんだは分離壁400、500のパターンを「緩慢に」反映するパターン状に塗布することができる。
【0029】
1つの有用な実施形態では、分離壁400、500は、80/20の(重量)比で混合されたAuおよびSnの混合物によって形成される。別の有用な実施形態では、分離壁400、500は、より厚い金の下層に、より薄いAuSnの上層を被せることによって形成される。他の有用な実施形態では、分離壁400、500は、次の混合物のいずれかから形成される。
80%Au/20%Sn;
100%In;
97%In/3%Ag(銀);または
58%Bi(ビスマス)/42%Sn
【0030】
分離壁400、500の上記の例示的組成物は限定ではなく、包括的でもない。
【0031】
分離壁400、500の上記組成物により、キャップウェハ900は、例えば次のものを含む接着層902(図9〜13)で被覆することができる。
Ni(ニッケル)/Au;
Ti(チタン)/Pt(白金)/Au;
Ti/Au;または
Cr(クロム)/Au
代替的に、キャップウェハ900は共晶はんだで被覆することができる。一部の実施形態では、これはスパッタ堆積によって行なうことができる。
【0032】
キャップウェハおよび基板ウェハ900、200の結合は、例えば図10に示す構造の一部または全部を加熱するか、キャップウェハおよび基板ウェハ900、200を相互に向かって押圧するか、または結合すべき界面に電流を通す(陽極接合の場合)かのうちの1つ以上を使用するプロセスによって達成することができる。このように、例えば共晶はんだまたは金を融解させ、気密パッケージ内にMEMSリレー300(または他のデバイス)を密封することができ、あるいはガラス面のような非導電性結合面間に例えば化学結合を形成することができる。一部の環境では、ウェハボンディングが実行される直前に、共晶はんだ上の酸化物をドライエッチング(またはH2プラズマエッチング)することが望ましい。
【0033】
キャップウェハおよび基板ウェハ900、200をウェハボンディングした後に、場合により、基板ウェハ200を図11に示すように薄化することができる。その後、基板ウェハ200にウェハ貫通ビア1200、1202を形成することができる。図12を参照されたい。ウェハ貫通ビア1200、1202は、キャップウェハと基板ウェハ900、200の間にパッケージングされる種々のデバイスの電極302、304と一致するように配置される。その後、パッケージデバイスが形成された表面の反対側の基板ウェハ200の表面に、メタライズパターン1300、1302を形成することができる。図13を参照されたい。メタライズパターン1300、1302は、基板ウェハ200のウェハ貫通ビア1200、1202を用いて、デバイス300の電極302、304への電気接続を提供する。
【0034】
図12および13に示すウェハ貫通ビア1200、1202およびメタライズ1300、1302を形成する例示的方法は、「Through−Chip Via Interconnects for Stacked Integrated Circuit Structures」と称するEhlersその他の米国特許出願(2007年8月29日に出願された米国特許出願第11/847,239号)に記載されている。
【0035】
ウェハ200上の複数のデバイス202、204を気密にパッケージングし、デバイス202、204と外界との間で信号を伝送するためにウェハ貫通ビア1200、1202およびメタライズ1300、1302を形成した後、気密パッケージデバイスを相互に分離することができる。一部の実施形態では、これはソーイングによって行なうことができる。
【0036】
方法100(図1)の特定の実現によっては、方法100は、他のウェハレベルパッケージング方法に勝る1つ以上の利点をもたらすことができる。例えば方法100は、デバイスの周波数特性を改善することができる(すなわち、デバイスの個別パッケージングに対して)。方法100はまた、部分的には方法100がデバイスのパッケージングを、並行して、より少ない部品取扱い回数で行なうので、多くの個別パッケージング方法と比較して、より低コストでデバイスをパッケージングすることができる。キャップウェハは複雑な処理ステップにさらされる必要がない結果、かつキャップウェハは基板ウェハと慎重に位置合せする必要がないので、低コストも達成される。さらに、方法100は、キャップウェハと基板ウェハとの間の金属結合を通して気密性をもたらす。
【符号の説明】
【0037】
200 基板ウェハ
202 デバイス
206 ランディングパッド
300 MEMSリレー
302 静止電極
304 カンチレバー電極
306 作動電極
400 分離壁
900 キャップウェハ
902 接着層
1200、1202 ウェハ貫通ビア
1300、1302 メタライズパターン
【背景技術】
【0001】
高周波(RF)集積回路(IC)は典型的に、個別に(すなわち、それらがウェハからダイシングされた後、個々に)パッケージされる。個別パッケージングに使用されるいくつかの例示的なタイプとして、プラスチック射出成形パッケージおよびセラミックキャビティパッケージがある。通常、種々のタイプのパッケージ(およびパッケージングプロセス)の価格と性能の間には相関があり、より高い周波数または気密性のパッケージおよびプロセスは、より低い周波数または非気密性のパッケージおよびプロセスより高コストになる。
【0002】
ICを個別にパッケージングすることは労働集約的であり、従って高価になる。加えて、微小電気機械システム(MEMS)をベースとするスイッチのような脆弱なデバイスの個別パッケージングは、機能パッケージデバイスの損傷、損失、および結果としての低歩留まりにつながり得る。従って、個別パッケージング方法(およびパッケージ)は典型的に、脆弱なデバイスのパッケージングには適さない。
【0003】
ウェハボンディングを使用するウェハレベルパッケージングが過去に提案されているが、パッケージ内に封入された部品への電気的接続を形成することは一般的に難しい。例えば、導電性金属シールの下を通過する信号線で運ばれる信号は、劣化および損失を被るおそれがあり、信号品質は非金属シールを使用することによって改善することができるが、非金属シールを用いて気密封止パッケージを形成することは難しい。
【0004】
米国特許出願公開第2006/0175707A1号に開示された通り、キャップウェハに接続孔を形成することができ、キャップウェハとデバイスウェハとの間に形成されたパッケージ内に含有されたデバイスに対して電気的接続を行なうことを目的として、導電性接続ロッドを接続孔に形成することができる。しかし本方法は、キャップウェハおよびデバイスウェハの位置合わせのみならず、キャップウェハの比較的複雑な処理も必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0175707A1号
【特許文献2】米国特許出願第11/847,239号
【0006】
本発明の例示的実施形態を図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ウェハレベルで少なくとも1つのデバイスを気密にパッケージングするための例示的方法を示す図である。
【図2】図1に示した方法によって処理される基板ウェハの例示的平面図である。
【図3】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図4】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図5】図1に示した方法によって処理される基板ウェハの例示的平面図である。
【図6】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図7】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図8】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図9】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図10】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図11】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図12】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【図13】図2および5に示した基板ウェハの例示的断面を示し、図1に示した方法に従った基板ウェハの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
予備的事項として、以下の説明において、様々な図面に現われる同様の参照符号は、同様の要素/特徴を指すことに留意されたい。
【0009】
図1は、ウェハレベルで複数のデバイスを気密にパッケージングするための例示的方法100を示す。方法100は、複数の少なくとも部分的に形成されたデバイスを上に有する基板ウェハを用意することから始まる(ブロック102)。基板ウェハを「用意する」ことは、例えば、基板ウェハを形成するか、入手するか、配置するうちの1つ以上を含むことができる。
【0010】
例示的基板ウェハ200の平面図を図2に示し、基板ウェハ200上に少なくとも部分的に形成されたデバイス202の1つの断面図を図3に示す。例として、基板ウェハ200上の「デバイス」の各々は、微小電気機械システム(MEMS)、集積回路(IC)、または他の超小型電子デバイスの形を取ることができる。本明細書で使用する場合、用語「デバイス」は、トランジスタまたは抵抗器のような単一部品、または1つ以上の共同機能または個別機能を果たす一群の部品の両方を含む意味である。共同機能を果たす部品群の一例として、単一のMEMSを形成する部品群がある。個別機能を果たす部品群の一例としては、2つの個別に動作可能なMEMSを形成する部品群がある。
【0011】
本明細書で使用する場合、「少なくとも部分的に形成されたデバイス」202、204は、(1)気密にパッケージングされる基板ウェハ200の片面に完全に形成されて動作可能である部品を有するデバイス(デバイスへの接続がウェハの反対側(またはパッケージングされない側)の面に形成されているか否かにかかわらず)、および(2)気密にパッケージングされる基板ウェハ200の片面に部分的にしか形成されておらず、またはまだ動作不能である部品を有するデバイス、の両方を含む意味である。これは、例えば、MEMSリリースプロセスの完了を除き、完全に形成されたMEMSのようなデバイスを含む。
【0012】
基板ウェハを用意した後(ブロック102)、方法100は、基板ウェハ上における分離壁の形成に続く(ブロック104)。分離壁400、500は、図4および5に示すように、少なくとも部分的に形成されたデバイス202、204のうちの異なるデバイスの周りに形成される。典型的に、分離壁400、500は基板ウェハ200上のデバイス202、204の各々の周りに形成されるが、そうすることが必要でない場合もある。
【0013】
分離壁400、500を形成した後、キャップウェハが分離壁にウェハボンディングされる(ブロック106)。一実施形態では、キャップウェハは、分離壁およびキャップウェハの少なくとも一方で共晶はんだを融解させることによって、分離壁にウェハボンディングすることができる。すなわち、ウェハボンディングの前に、分離壁上または内、キャップウェハ上、または分離壁およびキャップウェハの両方の上に共晶はんだが存在してよい。共晶はんだは、熱および圧力の一方または両方によって融解することができる。別の実施形態では、キャップウェハは、例えば分離壁およびキャップウェハの少なくとも一方の上で純金を加熱および圧縮することによって形成される熱圧着を介して、分離壁にウェハボンディングすることができる。さらに別の実施形態では、キャップウェハは、例えばキャップウェハおよび分離壁を加熱し、キャップウェハと分離壁の間に高電界を印加する(それは通常、キャップウェハと基板ウェハの間に高電界を印加することによって行なわれる)ことによって形成される陽極接合を介して、分離壁にウェハボンディングすることができる。典型的に、陽極接合は、ガラスから成るかガラスを含有する材料(キャップウェハおよび分離壁)のような非導電性材料間に形成される。キャップウェハ900と分離壁400との間の例示的ウェハボンディングを図9に示す。
【0014】
方法100によって、複数の気密パッケージ(hermetic package)が形成される。
【0015】
次に、方法100およびその変形例について、図2〜13に示す例示的プロセスステップおよび装置に関連してさらに詳細に説明する。
【0016】
図2は、部分的に形成されたデバイス202および204のような部分的に形成されたデバイスを複数有する例示的基板ウェハ200の平面図を示す。基板ウェハ200は、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコン(Si)、またはサファイアウェハのそれを含め、種々の形態を取ることができる。場合により、各ランディングパッド206、208が部分的に形成されたデバイス202、204のそれぞれを取り囲むように、グリッド状のランディングパッド206、208を基板ウェハ200上に形成することができる。一部の実施形態では、図2に示す個々のランディングパッド206、208は、ランディンググリッドに置き換えることができ、部分的に形成されたデバイス202、204のうち、隣接し合うデバイスは、それらの間に延びるランディンググリッドの一部分を共有する。例として、ランディングパッド206、208またはランディンググリッドは、チタン、白金、および金の層上に形成された構造的金パッドを含むことができる。
【0017】
図3は、部分的に形成されたデバイス202の1つの断面を示す。例として、部分的に形成されたデバイス202は、静止電極302、カンチレバー電極304、および作動電極306を有するMEMSリレー300である。一実施形態では、電極302、304、306は、チタン、白金、および金の層上に形成された構造的金部品を含むことができる。使用中に、電極306に制御信号が印加されると、カンチレバー電極304が静止電極302に接触し、それによって電極302と304の間に導電路が形成される。犠牲レジスト308が存在するため、カンチレバー電極304は移動することができないので、MEMSリレー300は部分的に形成されたとみなされる。
【0018】
図3、4、および7〜13に示す部分的に形成されたMEMSリレー300は、単なる例示であることが留意される。代替的に、部分的に形成されたMEMSリレー300は、方法100の実行の様式に実質的に影響を及ぼすことなく、別の完全に形成されたデバイスまたは部分的に形成されたデバイスに置き換えることができる。部分的に形成されたMEMSリレー300は、別のタイプのMEMS、IC、または何らかの他の形の超小型電子デバイスに置き換えることもできる。
【0019】
図4は、MEMSリレー300の周りに形成された分離壁400の断面を示す。図示する通り、分離壁400はオプションのランディングパッド206上に形成することができる。しかし、オプションのランディングパッド206が存在しない場合、分離壁400は基板ウェハ200上に直接形成することができる。図5は、部分的に形成されたデバイス202、204のうちの異なるデバイスの周りに複数の分離壁400、500を形成することができることを示す。一部の実施形態では、分離壁は、部分的に形成されたデバイス202、204の各々の周りに形成することができる。他の実施形態では、分離壁は、部分的に形成されたデバイス202、204のいくつかの周りにのみ形成することができる。代替的に、部分的に形成されたデバイス202、204のうちの隣り合うデバイスが共通の分離壁を共用するように、接続されたグリッド状の分離壁を形成することができる。
【0020】
分離壁400、500は種々の方法で形成することができ、そのうちのいくつかを以下で詳述する。
【0021】
一部の実施形態では、分離壁400、500は、少なくとも部分的に形成されたデバイス202が実装された基板ウェハ200の表面にフォトレジスト700を塗布し、パターン形成することによって、形成することができる。図7を参照されたい。フォトレジスト700のパターン形成により、分離壁400、500が形成される基板ウェハ200の領域(すなわちランディングパッド206、208)が露出される。次いで、基板ウェハ200の露出した領域にめっきすることによって、分離壁400、500を形成することができ(図8)、その後フォトレジスト700は除去することができる(図4および5)。一部の実施形態では、めっきプロセスは電気めっきプロセスとすることができる。
【0022】
他の実施形態では、分離壁400、500は、少なくとも部分的に形成されたデバイス202が実装された基板ウェハ200の表面にフォトレジスト700を塗布し、かつパターン形成することによって形成することができる。図7を参照されたい。再び、フォトレジスト700のパターン形成により、分離壁400、500が形成される基板ウェハ200の領域が露出される。次いで、物理蒸着によって分離壁400、500を形成することができ、その後フォトレジスト700は除去することができる。本実施形態では、フォトレジスト700の除去により、分離壁400、500の形成中にフォトレジスト700上に堆積した材料は、フォトレジスト700と共に剥離される。
【0023】
分離壁400、500の例示的組成物については後述する。
【0024】
分離壁400、500の形成後に、任意の部分的に形成されたデバイス202の形成を必要に応じて仕上げることができる。図6に示す通り、例として、部分的に形成されたデバイス202のさらなる処理は、MEMSリリースプロセス(例えば犠牲レジスト308を除去するプロセス)を実行することを含むことができる。
【0025】
図9および10は、基板ウェハ200上(図9)、および分離壁400上(図10)にキャップウェハ900を配置するステップを示す。キャップウェハ900は、MEMSリレー300(または代替デバイス)に接続するためのビアを有さない。その結果、キャップウェハ900と基板ウェハ200との正確な位置合せは不要である。すなわち、気密パッケージングまたはMEMSリレー300(もしくは他のデバイス)の機能性に影響を及ぼすことなく、キャップウェハ900は基板ウェハ200に対して回転するか、または基板ウェハ200に対して多少偏位することができる。好ましくは、キャップウェハ900は、デバイス300に対面するウェハの表面に任意の窪みも有さない(または、基板ウェハ200上のデバイス300もしくは他のデバイスと位置合せする必要のある任意の窪みを少なくとも有さない)。
【0026】
キャップウェハ900および基板ウェハ200は、同一材料または異なる材料から形成することができる。例えば、キャップウェハ900はガリウムヒ素(GaAs)、シリコン(Si)、またはサファイアウェハとすることができる。または、一部の実施形態で、キャップウェハ900は、ガラスのような半透明または透明な材料から形成することができる。
【0027】
分離壁400、500上にキャップウェハ900を配置した後、キャップウェハ900は分離壁400、500にウェハボンディングされる。図10を参照されたい。一実施形態では、キャップウェハは共晶はんだを融解することによって分離壁に結合される。前述の通り、キャップウェハ900を分離壁400、500の上に配置する前に、分離壁400、500上または内、キャップウェハ900上、または分離壁400、500およびキャップウェハ900の両方の上に共晶はんだが存在することができる。
【0028】
一部の実施形態では、分離壁400、500は、金およびスズの混合物(AuSn)、金およびインジウムの混合物(AuIn)、またはインジウムおよびスズの混合物(InSn)のような共晶はんだから形成することができる。加えて、または代替的に、キャップウェハ900を共晶はんだで被覆することができる。さらに別の実施形態では、かつキャップウェハ900を共晶はんだで被覆する代わりに、基板ウェハ200上の分離壁400、500のパターン(図5を参照)を反映するパターン状に共晶はんだをキャップウェハ900に塗布することができる。これは、キャップウェハ900が半透明または透明である場合、およびパッケージされたデバイスの可視性を所望する場合に、特に有用である。分離壁400、500のパターンを反映するパターン状に共晶はんだをキャップウェハ900に塗布する場合、キャップウェハおよび基板ウェハ900、200の正確な位置合せが不要であるので、共晶はんだは分離壁400、500のパターンを「緩慢に」反映するパターン状に塗布することができる。
【0029】
1つの有用な実施形態では、分離壁400、500は、80/20の(重量)比で混合されたAuおよびSnの混合物によって形成される。別の有用な実施形態では、分離壁400、500は、より厚い金の下層に、より薄いAuSnの上層を被せることによって形成される。他の有用な実施形態では、分離壁400、500は、次の混合物のいずれかから形成される。
80%Au/20%Sn;
100%In;
97%In/3%Ag(銀);または
58%Bi(ビスマス)/42%Sn
【0030】
分離壁400、500の上記の例示的組成物は限定ではなく、包括的でもない。
【0031】
分離壁400、500の上記組成物により、キャップウェハ900は、例えば次のものを含む接着層902(図9〜13)で被覆することができる。
Ni(ニッケル)/Au;
Ti(チタン)/Pt(白金)/Au;
Ti/Au;または
Cr(クロム)/Au
代替的に、キャップウェハ900は共晶はんだで被覆することができる。一部の実施形態では、これはスパッタ堆積によって行なうことができる。
【0032】
キャップウェハおよび基板ウェハ900、200の結合は、例えば図10に示す構造の一部または全部を加熱するか、キャップウェハおよび基板ウェハ900、200を相互に向かって押圧するか、または結合すべき界面に電流を通す(陽極接合の場合)かのうちの1つ以上を使用するプロセスによって達成することができる。このように、例えば共晶はんだまたは金を融解させ、気密パッケージ内にMEMSリレー300(または他のデバイス)を密封することができ、あるいはガラス面のような非導電性結合面間に例えば化学結合を形成することができる。一部の環境では、ウェハボンディングが実行される直前に、共晶はんだ上の酸化物をドライエッチング(またはH2プラズマエッチング)することが望ましい。
【0033】
キャップウェハおよび基板ウェハ900、200をウェハボンディングした後に、場合により、基板ウェハ200を図11に示すように薄化することができる。その後、基板ウェハ200にウェハ貫通ビア1200、1202を形成することができる。図12を参照されたい。ウェハ貫通ビア1200、1202は、キャップウェハと基板ウェハ900、200の間にパッケージングされる種々のデバイスの電極302、304と一致するように配置される。その後、パッケージデバイスが形成された表面の反対側の基板ウェハ200の表面に、メタライズパターン1300、1302を形成することができる。図13を参照されたい。メタライズパターン1300、1302は、基板ウェハ200のウェハ貫通ビア1200、1202を用いて、デバイス300の電極302、304への電気接続を提供する。
【0034】
図12および13に示すウェハ貫通ビア1200、1202およびメタライズ1300、1302を形成する例示的方法は、「Through−Chip Via Interconnects for Stacked Integrated Circuit Structures」と称するEhlersその他の米国特許出願(2007年8月29日に出願された米国特許出願第11/847,239号)に記載されている。
【0035】
ウェハ200上の複数のデバイス202、204を気密にパッケージングし、デバイス202、204と外界との間で信号を伝送するためにウェハ貫通ビア1200、1202およびメタライズ1300、1302を形成した後、気密パッケージデバイスを相互に分離することができる。一部の実施形態では、これはソーイングによって行なうことができる。
【0036】
方法100(図1)の特定の実現によっては、方法100は、他のウェハレベルパッケージング方法に勝る1つ以上の利点をもたらすことができる。例えば方法100は、デバイスの周波数特性を改善することができる(すなわち、デバイスの個別パッケージングに対して)。方法100はまた、部分的には方法100がデバイスのパッケージングを、並行して、より少ない部品取扱い回数で行なうので、多くの個別パッケージング方法と比較して、より低コストでデバイスをパッケージングすることができる。キャップウェハは複雑な処理ステップにさらされる必要がない結果、かつキャップウェハは基板ウェハと慎重に位置合せする必要がないので、低コストも達成される。さらに、方法100は、キャップウェハと基板ウェハとの間の金属結合を通して気密性をもたらす。
【符号の説明】
【0037】
200 基板ウェハ
202 デバイス
206 ランディングパッド
300 MEMSリレー
302 静止電極
304 カンチレバー電極
306 作動電極
400 分離壁
900 キャップウェハ
902 接着層
1200、1202 ウェハ貫通ビア
1300、1302 メタライズパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハレベルで複数のデバイスを気密パッケージングするための方法であって、
少なくとも部分的に形成されたデバイスを複数有する基板ウェハを用意するステップと、
前記基板ウェハ上の前記少なくとも部分的に形成されたデバイスのうちの異なるデバイスの周りに分離壁を形成するステップと、
前記分離壁にキャップウェハをウェハボンディングして、複数の気密パッケージを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも部分的に形成されたデバイスが少なくとも1つの部分的に形成されたデバイスを含み、前記方法は、さらに、
前記分離壁を形成した後、前記少なくとも1つの部分的に形成されたデバイスの形成を仕上げるステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの部分的に形成されたデバイスの形成を仕上げるステップが、MEMSリリースプロセスを実行するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェハボンディングを実行した後、前記基板ウェハを薄化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板ウェハにウェハ貫通ビアを形成するステップをさらに含み、前記ウェハ貫通ビアは、前記少なくとも部分的に形成されたデバイスの電極と一致するように配置される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも部分的に形成されたデバイスが実装される前記基板ウェハの表面と反対側の前記基板ウェハの表面上にメタライズパターンを形成するステップをさらに含み、該メタライズパターンは、前記基板ウェハの前記ウェハ貫通ビアによって前記電極に電気的に接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記分離壁および前記キャップウェハの少なくとも一方の上で共晶はんだを融解させることによって、前記キャップウェハが前記分離壁に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分離壁が共晶はんだによって形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも部分的に形成されたデバイスが、少なくとも1つの部分的に形成された微小電気機械システム(MEMS)および少なくとも1つの部分的に形成された集積回路(IC)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(i)基板ウェハ上に形成されたデバイスと、(ii)該デバイスの電極と一致するように配置された少なくとも1つのウェハ貫通ビアとを有する基板ウェハと、
前記基板ウェハ上の前記デバイスの周りの分離壁と、
前記基板ウェハとキャップウェハとの間に前記デバイスを気密封止するように、前記基板ウェハ上の前記分離壁にウェハボンディングされたキャップウェハであって、前記デバイスに接続するためのビアを有さないキャップウェハと、
を備えている装置。
【請求項1】
ウェハレベルで複数のデバイスを気密パッケージングするための方法であって、
少なくとも部分的に形成されたデバイスを複数有する基板ウェハを用意するステップと、
前記基板ウェハ上の前記少なくとも部分的に形成されたデバイスのうちの異なるデバイスの周りに分離壁を形成するステップと、
前記分離壁にキャップウェハをウェハボンディングして、複数の気密パッケージを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも部分的に形成されたデバイスが少なくとも1つの部分的に形成されたデバイスを含み、前記方法は、さらに、
前記分離壁を形成した後、前記少なくとも1つの部分的に形成されたデバイスの形成を仕上げるステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの部分的に形成されたデバイスの形成を仕上げるステップが、MEMSリリースプロセスを実行するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェハボンディングを実行した後、前記基板ウェハを薄化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板ウェハにウェハ貫通ビアを形成するステップをさらに含み、前記ウェハ貫通ビアは、前記少なくとも部分的に形成されたデバイスの電極と一致するように配置される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも部分的に形成されたデバイスが実装される前記基板ウェハの表面と反対側の前記基板ウェハの表面上にメタライズパターンを形成するステップをさらに含み、該メタライズパターンは、前記基板ウェハの前記ウェハ貫通ビアによって前記電極に電気的に接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記分離壁および前記キャップウェハの少なくとも一方の上で共晶はんだを融解させることによって、前記キャップウェハが前記分離壁に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分離壁が共晶はんだによって形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも部分的に形成されたデバイスが、少なくとも1つの部分的に形成された微小電気機械システム(MEMS)および少なくとも1つの部分的に形成された集積回路(IC)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(i)基板ウェハ上に形成されたデバイスと、(ii)該デバイスの電極と一致するように配置された少なくとも1つのウェハ貫通ビアとを有する基板ウェハと、
前記基板ウェハ上の前記デバイスの周りの分離壁と、
前記基板ウェハとキャップウェハとの間に前記デバイスを気密封止するように、前記基板ウェハ上の前記分離壁にウェハボンディングされたキャップウェハであって、前記デバイスに接続するためのビアを有さないキャップウェハと、
を備えている装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−188402(P2009−188402A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17531(P2009−17531)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】
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