説明

水平補償システムを有する車輌

複数の水平補償システムを有する車輌(100)が開示される。車輌は、左フレーム(102)、右フレーム(103)、およびベースプレート(104)を有する車台(101)を備え、第1の水平補償システムは、左および右フレームを、共通輪転軸(106)を中心としてベースプレートに旋回可能に接続するピボットジョイント(105)を備える。左輪対および右輪対は互いに少なくとも1つのオフセット(119、120)を有するように、左輪対の左回転軸から輪転軸までの第1の軸方向距離(115、116)は、右輪対の右回転軸から輪転軸までの少なくとも1つの第2の軸方向距離(117、118)と異なる。さらに、このような車輌で階段を横断する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に全地形対応車輌の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、平坦でない地形、特に階段における水平変動を補償する少なくとも1つの水平補償システムを有し、安定した乗り心地を維持する個人用車輌に関する。実施形態では、車輌は旋回する左右のフレームを備え、このフレームはオフセット車輪対を有する。
【背景技術】
【0002】
平坦でない地形を横断する水平補償を有する多くの車輌が知られている。階段を上る車輌に関しては、種々の解決策が提案されている。たとえば、特許文献1には、2つの連続的に結合された車輪対を有する電動アームチェアが開示されている。水平位置を一方向に保つために軸を中心として座席を旋回させることができる。連続的に結合された多数の車輪は、階段を上るときは把持力が増加する可能性があるが、たとえば、階段で狭い通路を上るときは、大きくて扱いにくくなることは免れない。
【0003】
先行技術車輌に関する課題は、車輌を安定させるための、特に大きな重量のペイロードによる、高重量である。これは、たとえば、利用可能な表面容量および積載量が制限されたエレベータで走行したいときは、このような車輌の実用的な用途が制限される。また、軽車輌では推進エネルギーが小さくて済み、これは望ましい長所である。
【0004】
特許文献2には、階段で手動操縦する三輪を備える対向する1組の車輪アセンブリを有するスパインボードが開示されている。
【0005】
特許文献3には、車椅子フレームに関して旋回可能であるバランスアームに前方駆動輪を有する、階段を手動で乗り越える車椅子が開示されている。前方駆動輪は互いに偏位される。
【0006】
特許文献4には、起伏の多い地形で使用されるレジャー用自動車が開示されている。前輪は、車輌用の比較的安定した姿勢と比較的大きい駆動牽引力とをもたらすように長手方向に偏位される。
【0007】
先行技術に関するさらなる課題は、階段で走行するときでも乗り心地を滑らかに保つ水平補償がないことである。階段を上り降りするとき、各踏み段は、車輌の座席位置に垂直および水平方向に対応するジグザグまたはロッキング運動を生成する。また、このような地形において水平補償がなければ、牽引力が繰り返し失われるので、動力分配およびそれによるエネルギーの利用が非効率的になる。
【0008】
さらに、先行技術に関する別の課題は、種々の地形に対する適応性がないことである。個人用車輌の利用者は、家庭環境や公共の環境において移動するときに、日常的に種々の障害物、たとえば、様々な踏み段寸法を有する階段に遭遇する場合がある。車輌が自宅の階段を横断するように最適化される場合、それが他の障害物には適していない場合がある。それゆえ、このような様々な障害物を安全かつ楽に横断するためには、車輌の適応能力の必要性が重要である。さもなければ、適応能力がないために各々が個々の地形に特別に適合された複数の車輌が必要になり、利用者は車輌を必ず乗り換えなければならないことになり、これは利用者にとって、助けを借りずには可能でない場合がある。自由度および独立性は、車輌ユーザに合わせて相応に改良されうる。
【0009】
したがって、種々の大きさを有する障害物を安全かつ楽に乗り越える改良された車輌および/または方法は、有利であり、特にこのような様々な障害物を横断するための柔軟な解決を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】加国特許第2,227,995号明細書
【特許文献2】米国特許第7,631,380号明細書
【特許文献3】旧ソ連特許第1833182号明細書
【特許文献4】米国特許第3,893,533号明細書
【特許文献5】国際特許出願SE2009/051290号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の実施形態は、好ましくは、添付の特許請求の範囲による車輌および方法を提供することによって、上記のような、1つまたは複数の技術的な欠陥、不利益、または課題を単独でまたは任意の組み合わせで軽減し、緩和し、または排除しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によると、複数の水平補償システムを有する車輌が提供され、車輌は、左フレーム、右フレーム、ベースプレートを有する車台と、左および右フレームをベースプレートに旋回可能に接続するピボットジョイントを備える第1の水平補償システムとを含み、それによって、左右のフレームは共通輪転軸を中心として互いに対して回転可能である。左右のフレームは、輪転軸に垂直な方向に延びる。車輌はさらに、左前輪および左後輪を備える左輪対と、右前輪および右後輪を備える右輪対とを含み、左前輪および左後輪は左回転軸を有し、左フレームの反対端に取り付けられており、右前輪および右後輪は右回転軸を有し、上記右フレームの反対端に取り付けられている。上記左輪対および右輪対は互いに少なくとも1つのオフセットを有するように、左輪対の左回転軸から上記輪転軸までの少なくとも1つの第1の軸方向距離は、右輪対の右回転軸から輪転軸までの少なくとも1つの第2の軸方向距離と異なる。
【0013】
本発明の第2の態様によると、第1の態様による車輌で階段を横断する方法が提供され、階段は階段角度で第1の方向に横断する複数の踏み段を有し、階段は上記第1の方向に平行でかつ踏み段端部に垂直な傾斜軸を有し、車輌は座席基礎に隣接する頂点を有し、左輪対および右輪対は左右のフレームに接続された車輪を有し、左右のフレームは互いに対して回転可能であり、方法は、踏み段寸法に基づいて上記車輌の少なくとも1つの車輪の車輪オフセットを調整するステップと、左右のフレームの交互輪転運動を備える第1の水平補償システムの第1の水平補償を適用することによって、横断中に上記傾斜軸に沿って上記頂点を維持するステップとを備える。
【0014】
ピボットジョイントとは、三次元空間においてジョイントの2つの部分を互いに独立に回転または転向させることができるカップリングまたはユニオンである。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項において規定され、本発明の第2の態様の特徴は第1の態様の準用に関する。
【0016】
本明細書で使用される用語「備える(comprises)/備える(comprising)」は、明記された特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を含めるために採用されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外するものではないことは強調されるべきである。
【0017】
本発明の実施形態が実現しうる上記およびその他の態様、特徴、および利点は、添付図を参照した本発明の実施形態についての以下の説明から、明らかであり、また明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による車輌の概略上面図である。
【図2】図1の車輌の左から見た概略側面図である。
【図3】図2の概略詳細図である。
【図4】図1の車輌の正面図に対応する図3の詳細を左から見た側面図である。
【図5a】図1の車輌の概略詳細図である。
【図5b】図1の車輌の概略詳細図である。
【図5c】図1の車輌の概略詳細図である。
【図6】図5bの詳細図から見た側面図である。
【図7】図5cの詳細図の正面図である。
【図8a】横断地形(traversing topographies)の構成における図1の車輌の概略詳細図である。
【図8b】横断地形の構成における図1の車輌の概略詳細図である。
【図8c】横断地形の構成における図1の車輌の概略詳細図である。
【図9】ある実施形態による図1の車輌の左から見た概略詳細図である。
【図10】図9の左から見た側面図である。
【図11】図9および10の詳細の概略上面図である。
【図12】図1の車輌の左から見た概略詳細図である。
【図13】傾斜面に対する車輌質量中心を示す図13の概略図である。
【図14】傾斜面に対する異なる荷重の車輌質量中心を示す図13の概略図である。
【図15a】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15b】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15c】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15d】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15e】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15f】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15g】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15h】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15i】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図15j】階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図16a】別の実施形態に従って階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図16b】別の実施形態に従って階段を横断するときの図1の車輌の側面および背面図である。
【図17a】ある実施形態による図1の車輌の概略詳細図を示す。
【図17b】ある実施形態による図1の車輌の概略詳細図を示す。
【図18】ある実施形態による方法を例示する図である。
【図19】ある実施形態による方法を例示する図である。
【図20】ある実施形態による方法を例示する図である。
【図21】ある実施形態による方法を例示する図である。
【図22a】本発明のある実施形態による車輌の概略上面図である。
【図22b】本発明のある実施形態による車輌の概略上面図である。
【図22c】本発明のある実施形態による車輌の概略上面図である。
【図22d】本発明のある実施形態による車輌の概略上面図である。
【図22e】本発明のある実施形態による車輌の概略上面図である。
【図22f】本発明のある実施形態による車輌の概略上面図である。
【図23】ある実施形態による方法を例示する図である。
【図24】ある実施形態による方法を例示する図である。
【図25】ある実施形態による方法を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の具体的な実施形態を、ここで添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なった形で具体化される可能性があり、本明細書に記述された実施形態に限定されるものと解釈されるべきでなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が綿密かつ完全であるように提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝えようとするものである。添付図に例示された実施形態の詳細説明で使用される専門用語は、本発明を制限することを意図するものではない。図面では、同様の番号は同様の要素を指す。
【0020】
以下の説明は、人や物品などの荷を運ぶ、地形を横断する車輌に適用される本発明の実施形態に重点を置いている。しかしながら、本発明はこの用途に限定されるものではなく、様々な地形の輸送表面にわたる円滑かつ均一な移動を必要とする他の多くの輸送用途にも適用される可能性があることは理解されよう。
【0021】
図1には、本発明のある実施形態による車輌100が上面図で示される。車輌は、左フレーム102、右フレーム103、およびベースプレート104を有する車台101を備える。車輌100は、左右のフレーム102および103を旋回可能にベースプレート104に接続するためにベースプレート104のいずれかの側にピボットジョイントを有する第1の水平補償システムを含む(図2および3も参照)。それによって、左右のフレーム102および103は、ベースプレート104を通って延びる共通輪転軸106を中心として互いに対して回転可能である。左フレーム102は時計回りに(CW)回転するが、右フレーム103は反時計回りに(CCW)回転する。左右のフレーム102および103は、輪転軸106に実質的に垂直な方向に延びる。車輪100は、前部左側(LF)車輪107と後部左側(LR)車輪108を備える左輪対を有し、LF車輪107およびLR車輪108はそれぞれ左回転軸109および110を有する。LF車輪107およびLR車輪108は、左フレーム102の反対端領域に回転可能に取り付けられる。同様に、車輌100は、前部右側(RF)車輪111と後部右側(RR)車輪112を含む右輪対を有し、RF車輪111およびRR車輪112はそれぞれ右回転軸113および114を有する。RF車輪111およびRR車輪112は、右フレーム103の反対端領域に回転可能に取り付けられる。
【0022】
左輪対の左回転軸109、110から輪転軸106までの少なくとも1つの第1の軸方向距離115、116は、右輪対の右回転軸113、114から輪転軸106までの少なくとも1つの第2の軸方向距離117、118と異なる。したがって、少なくとも1つの第2の軸方向距離117、118よりも長いかまたは短い少なくとも1つの第1の軸方向距離115、116を有することによって、左右の車輪対は互いに対して少なくとも1つのオフセット119、120を有する。図1では、最も前寄りの第1の軸方向距離115は、最も前寄りの第2の軸方向距離117よりも長く、それによって、LF車輪107はRF車輪111に対して左オフセット119を有する。さらに、最も後寄りの第1の軸方向距離116は、最も後寄りの第2の軸方向距離118よりも短く、それによって、RR車輪114はLR車輪108に対して右オフセット120を有する。オフセット119、120は互いに異なっていてもよく、車輪107、108、111、および112のいずれも、互いに対してオフセットを有していてもよい。
【0023】
オフセット119、120は実質的に左右のフレーム102および103の伸張方向にあり、これは車輌100が平面上を走行して垂直な踏み段に近づくとき、最も前寄りの車輪、すなわち、オフセット119を有するLF車輪107がLR車輪111の前の垂直踏み段に近づくように、実質的に車輌100の走行方向にある。オフセット119、120を有することによって、表面は車輪107、108、111、または112のいずれかを垂直方向に変位させる穴、パイル(piles)、または踏み段などの凹凸を含んでいる場合があるので、車輌の輸送表面と車輪全体が接する可能性が増大する。たとえば、LF車輪107が垂直踏み段などの凹凸に近づくと、たとえば、把持力を緩めることによって、最初は変位した状態になる。しかしながら、表面接触は旋回分割フレーム(pivoting split frame)のおかげで維持される。オフセット113を背後に伴うRF車輪111はまだ踏み段に近づいておらず、踏み段の前では平坦な輸送表面と完全な接触および把持力を維持している。実効牽引力の総量はそれによって増加し、踏み段の垂直方向に変位しない車輪の実効把持力は、最も前寄りの車輪を踏み段に押し上げるのに十分である場合がある。続いて、最も前寄りの車輪107は、障害物を横断するにつれて、把持力および牽引力を取り戻してRF車輪111を牽引することができ、すなわち、踏み段に近づいてこの踏み段に対して変位した状態になる。それによって、車輪接触の量は、このような障害物をオフセット車輪によって横断するたびに増加される。同時に、エネルギー消費量が抑制される。
【0024】
左右のフレーム102、103の旋回動作は、任意のオフセット車輪107、108、111、および112の垂直変位を補償するために、左右のフレーム102、103の回転を交互に行うことによって前述のオフセット構造と相互に作用する。この補償は、車輌100の第1の水平補償システムの第1の水平補償と解釈されるべきである。
図2は、右フレーム103が左フレーム102に対して時計回りに回転されるときの車輌100の細部を選択的に示す、図1の車輌100の左から見た側面図である。車輌100の逆方向への駆動は、図2の車輌が右に移動するとき、たとえば、輸送表面における穴などの凹凸部を下るときに対応する。前述のオフセット120を有する最も後寄りの車輪、RR車輪112が穴に近づき、それによって、右フレーム103が時計回りに旋回し、RR車輪112を下り坂の下寄りの接触面に近づけることができる。RR車輪112の表面接触の損失は、回避されないまでも最小化されるが、水平左フレーム102は、LFおよびLR車輪107、108を備える左輪対を輸送表面と接触した状態に保って把持力および牽引力を最大にすることができる。階段を上るときの旋回する左右フレーム102、103の水平補償と車輌100の車輪対のオフセット構造との相互作用を示すさらなる例を、図15a〜jに関連付けて説明する。
【0025】
左回転軸109と110の距離は、右回転軸113と114の距離と同じであってもよい。したがって、前方第1の軸方向距離115は後方第2の軸方向距離118と同じであってもよく、後方第1の軸方向距離116は前方第2の軸方向距離117と同じであってもよい。前方オフセット119は、この場合、実質的に後方オフセット120に等しい。対称オフセット構造は、階段などの対称表面地形(symmetric surface topography)を横断するときに、高い安定性と滑らかな乗り心地を提供する可能性がある。
【0026】
車輪100は、LF車輪107をRF車輪111に対して、および/またはRF車輪111をLF車輪107に対して、および/またはLR車輪108をRR車輪112に対して、および/またはRR車輪112をLR車輪108に対して変位させるように配置された、少なくとも1つの車輪移動ユニット121、122、123、および124を備えていてもよい。図4の実施形態では、4つの車輪移動ユニット121、122、123、および124が示されている。左または右の車輪対を相互に関連して変位させる車輪移動ユニットは1つあれば十分である場合がある。RF車輪111およびRR車輪112の少なくとも一方に対してLF車輪107およびLR車輪108の少なくとも一方を変位させることにより、オフセット119、120は、輸送表面の地形を適合させるように調整されてもよい。2つの一続きの踏み段など、2つの異なる一続きの障害物を横断する場合、踏み段寸法が互いに異なると、大きい踏み段寸法を有する一続きの階段には大きいオフセットがより適している可能性があり、同様に、小さい踏み段には小さいオフセットがより適している可能性がある。
【0027】
車輌100は、オフセット値を提供するように適合されたフレーム制御ユニット125を備えていてもよく、車輪移動ユニットは、左フレームアクチュエータ121、122および右フレームアクチュエータ123、124を備える。左右のフレームアクチュエータ121、122、123、124は、フレーム制御ユニット125に動作可能に接続される。左フレームアクチュエータ121、122は、左輪対の車輪107、108の互いに対する変位によって、第1の軸方向距離115、116の少なくとも一方を調整するように配置される。同様に、右フレームアクチュエータ123、124は、右輪対の車輪111、112の互いに対する変位によって、第2の軸方向距離117、118の少なくとも一方を調整するように配置される。変位は、オフセット119、120を提供するためにフレーム制御ユニット125によって提供されたオフセット値に基づく。フレームアクチュエータ121、122、123、124は、車輌の走行方向にオフセット119、120を提供するために、左右のフレーム102、103の伸張方向で寸法が伸縮しうる線形アクチュエータ要素であってよい。
【0028】
線形アクチュエータ要素は、油圧操作、電気的操作、および機械的操作、またはこれらの任意の組み合わせに基づいていてよい。制御ユニット125は、フレームアクチュエータ121、122、123、124とやり取りし、輸送表面の現在の地形に適合することが望まれる車輪107、108、111、112のオフセット119、120に応じて、オフセット値を提供する。
【0029】
図8a〜cは、左右のフレーム102、103の種々の構成を示す。
図8aは、車輪107、108、111、112のオフセットのない車輌100を示す。この例の構成は、車輌オフセットから恩恵を受けない特定の表面での輸送に適している場合がある。
図8bでは、左フレームアクチュエータ121および右フレームアクチュエータ124が収縮され、それによって、第1の軸方向距離115および第2の軸方向距離118は、長さが減少している。
図8cでは、左フレームアクチュエータ122および右フレームアクチュエータ123が伸張され、それによって、第1の軸方向距離122および第2の軸方向距離123は、長さが伸張している。他のオフセット構造は、本開示を読めば、当業者には容易に明らかであるだろう。
【0030】
フレーム制御ユニット125によってフレームアクチュエータ121、122、123、および124に提供されるオフセット値は、車輌ユーザによって規定された複数の所定値に従って設定されてもよい。たとえば、車輌ユーザは、フレーム制御ユニット125内で80mmおよび160mmのオフセット値を規定してもよい。フレーム制御ユニット125は、これらの値を、前方オフセット119または後方オフセット120(たとえば、80mmまたは160mmの例において)が設定されるように、車輪107、108、111、および112の少なくとも1つを変位させるフレームアクチュエータに送る。これは、ユーザが、1日の間に繰り返し遭遇する多くの表面、たとえば、種々の大きさの階段や窪みのある田舎道を横断することができるので有利である。表面は、これら種々の表面に近づくときに、ユーザが予め設定し、その後素早く選択しうる、種々の最適化されたオフセット119、120の設定値を有していてもよい。
【0031】
一部の実施形態では、車輌100は、フレーム制御ユニット125に動作可能に接続された輸送表面検出ユニット126と、フレーム制御ユニット125に動作可能に接続されたデータメモリ137とを備える。輸送表面検出ユニット126は、車輌輸送表面の地形情報をフレーム制御ユニット125に提供する。フレームアクチュエータ121、122、123、124に送られたオフセット値は、この地形情報に基づく。地形情報は、輸送表面の寸法データ要素を備え、データメモリ137に記憶されてもよい。たとえば、検出ユニット126は、車輌100の前方の輸送表面から200mm上方の垂直端部を検出し、これがメモリ137に記憶されうる場合は、この寸法データをフレーム制御ユニット125に戻してもよい。検出ユニット126が種々の寸法の複数の端部を検出する場合に備えて、メモリ137には複数の寸法データ要素が記憶されてもよい。フレーム制御ユニットは、地形寸法に適したオフセット119、120を設定するために寸法データをオフセット値に変換する予め記憶されたアルゴリズムまたは参照テーブルに従って、この寸法データに基づいて適切なオフセット値を計算してもよい。車輌ユーザが入力せずに済み、かつオフセット値を事前に選択せずに済むように、表面検出ユニット126は、地形データを自動的に提供してもよい。
【0032】
表面検出ユニット126は、通信リンク127を介して寸法データ要素を受信するように適合されたレシーバを備えていてもよく、通信リンク127は無線通信リンクであってもよい。寸法データは、たとえば、階段などの障害物の近くに位置するトランスミッタ128に接続された地形メモリ129に記憶されてもよい。地形メモリ129は、車輌ユーザが近づく現在の階段の寸法データを予め記憶してもよく、トランスミッタ128は、その後、情報を、通信リンク127を介して車輌100の表面検出ユニット126内のレシーバに伝送してもよい。この後、階段の寸法に応じて適切なオフセット119、120を設定することができ、この設定は、地形を新たに解析しなくても行うことができる。
【0033】
リンク127を介した通信は、RFID(無線自動識別)、ブルートゥース、GSM(登録商標)、WIFI、赤外線、もしくは音波通信、または無線通信を考慮したその他の技法など、電磁通信に基づいていてもよい。したがって、輸送表面検出ユニット126は、光学センサ、および/または写真センサ、および/またはRFIDセンサなどの電磁センサ、および/または音響センサなどのセンサを備えていてもよい。また、輸送表面検出ユニット126は、光トポグラフィ・スキャナ・ユニット、レーダユニット、または、踏み段寸法など、たとえば階段の寸法を測定しうるレーザ測定ユニットなどの距離測定ユニットを備えていてもよい。地形を測定する他の技法が、寸法データをフレーム制御125に提供するために採用されてもよい。車輌100は、現在の座標における地形に関する情報を受信するGPSユニット(図示せず)を有し、それに応じてオフセット119、120を調整してもよい。車輌100は、車輪の運動と車輌の左右のフレームとに基づいて地形情報を記憶するように適合された地形記録装置(図示せず)を備えていてもよい。たとえば、車輌ユーザは、階段などの障害物を強行突破してもよく、踏み段の寸法が地形記録装置によって記録され、それによって、同じ階段を次回横断する必要があるとき、オフセット119、120は、記録情報に記録された寸法データに従って最適化される。
【0034】
図17a〜bは、オフセット119、120を調整しうる別の実施形態を示す。左右のフレーム102、103の少なくとも一方は、少なくとも1つのロックユニット1103、1104と、左右のフレーム102、103の少なくとも一方とベースプレート104との間に摺動運動をもたらすように配置された少なくとも1つの摺動可能部材1101、1102とを備える。それによって、LF車輪およびLR車輪の少なくとも一方は、RF車輪およびRR車輪の少なくとも一方に対して変位されてよい。少なくとも1つのロックユニット1103、1104は、ベースプレート104に対して左右のフレーム102、103の少なくとも一方の位置を固定するように配置される。こうして、ロックユニット1103、1104によって左右のフレーム102、103をロック解除することによってオフセット119、120を容易に調整し、たとえば、左輪107、108にブレーキをかけ、右輪111、112をたとえば80mmだけ前進させることができ、かくして、車輪は、オフセット119、120が80mmに変更されるような車輪移動ユニットとして使用される。この後、左右のフレーム102、103が摺動部材1101、1102によって摺動することなく相互に対して再び固定されるように、ロックユニット1103、1104は、左右のフレーム102、103をロックする。また、左右のフレーム102、103が同じ80mmのオフセットを提供するためにロック解除されると、左輪107、108は40mmだけ後退し、右輪は40mmだけ前進してもよい。相互に対する、かつベースプレート104に対する左右のフレーム102、103の運動が、摺動可能部材1101、1102によって可能である。
【0035】
図17bから分かるように、各車輪は、ロックユニット1103、1104を有していてもよい。この場合、左右のフレーム102、103がフレームアクチュエータ121、122、123、124を有する場合のように、左右のフレーム102、103は、各々が相互に対して移動されうる前部と後部を有する。所望のオフセット119が得られた後にフレームをロックユニットによって再びロックするように、たとえば、RF車輪111のみが右フレーム103の前部をロック解除することによって偏位され、他の車輪にブレーキをかけ、RF車輪111で前進してもよい。
【0036】
摺動可能部材1101、1102は、左右のフレーム102、103とベースプレート104の相対運動に関係なく共通輪転軸106が維持されるように配置されることが好ましい。
【0037】
車輌100の第1の水平補償システムは、輪転軸106を中心として左右のフレーム102および103が回転すると、同じ輪転軸106を中心としてベースプレートの輪転運動が抑制されるように配置されたベースプレート水平化ユニット132を備えていてもよい。ベースプレート104は、運転席を車輌100に取り付けるための基部として使用されてよい。たとえば、左右のフレーム102、103のCWおよびCCW輪転運動を交互に生じる階段その他の地形を横断するときにベースプレート104の動きを抑制すると、より安定した滑らかな乗り心地が得られる。また、水平化ユニット132は、輪転軸106を中心としたベースプレート104の制御不能な回転を防止する構造支持体としての機能を持たせることによって、ベースプレート104を安定化する働きをする。
【0038】
図1、3、および4から分かるように、ベースプレート水平化ユニット132は、左右のフレーム102、103の間の中心距離201、205(図4参照)で、中心ピボットジョイント206によってベースプレート104に旋回可能に接続された基部リンク機構130を備えていてもよい。その結果、基部リンク機構130は、輪転軸106に垂直なピボット軸131を中心としてベースプレート104に対して回転可能である(図1参照)。図3の左から見た図を示す図4では、基部リンク機構130の端部は、ピボットジョイント207によって左フレーム102に旋回可能に接続され、同様に、ピボットジョイント208によって右フレーム103に旋回可能に接続される。ピボットジョイント206、207、および208は、基部リンク機構130を三次元で旋回させうる球面軸受であってもよい。基部リンク機構130は、ピボット軸131に垂直な方向に基部リンク機構130が並進運動可能なように、中心ピボットジョイント206によって自由に摺動してもよい。中心ピボットジョイント206の球面軸受は、この場合、基部リンク機構130を収容するための中心を通る穴を有していてもよい。
【0039】
図3には、図1の車輌100の左から見た側面図が示されており、ここには、ベースプレート104、左右のフレーム102、103、および基部リンク機構130の細部が示される。輪転軸106を中心として左右のフレーム102、103が回転すると、右フレーム103は左フレーム102に対して第1の角度変位202を有することになり、ベースプレート104は、左右のフレーム102、103の一方に対して第2の角度変位203を有することになる。左右のフレーム102、103の間の、ピボットジョイント206によるベースプレート104への基部リンク機構130の接続位置に起因して、第2の角度変位203は、第1の角度変位202よりも小さい。
【0040】
図4を参照すると、距離201と205が等しければ、ベースプレート104の第2の角度変位203は、第1の角度変位202の実質的に半分になる。したがって、ベースプレート104は左右のフレーム102、103に比べて半分しか変位されず、同時に基部リンク機構130によって安定化されることになる。輪転軸106を中心とする左右のフレーム102、103の回転角を大きくするために、基部リンク機構130は、輪転軸106に近接していてもよい。
【0041】
ベースプレート水平化ユニットは、ベースプレート104の運動を安定化し抑制する他の手段を備えていてもよい。左右のフレーム102、103の回転が、ばねまたは弾性ポリマーなどの弾性部材(図示せず)を延ばしたり緩めたりする間にベースプレートが左右のフレーム102、103の変位角の半分に保たれるように、基部リンク機構130と同様の構成でベースプレート104を左右のフレーム102、103と接続するために、弾性部材が使用されてもよい。また、基部リンク機構130は、左右のフレーム102、103の間の輪転角を大きくすることができる弾性部または伸張可能部を備えていてもよい。
【0042】
図15a〜jは、一連の動作で階段501を横断するときの車輌100を側面図および背面図で示す。図15aおよび図15bは、同じ位置の車輌100を示しており、残る15c〜jについても同様である。図15aを参照すると、階段は複数の踏み段502を有しており、これは車輌100が横断する階段角度504での階段501の第1の方向503を規定する。階段501は、第1の方向505に平行で踏み段端部506に垂直である傾斜軸505を有する。踏み段端部506は、各踏み段502の端部506を通過する実質的に水平線として解釈されるべきである。傾斜軸505は、階段501に対して空間に固定される基準軸である。
【0043】
車輌100は、座席基礎204に隣接した頂点507を有し、左右の車輪対は、左右のフレーム102、103に接続された車輪107、108、111、112を有する。頂点507の位置は車輌100に対して固定される。左右のフレーム102、103は、前述のように、回転軸106を中心として互いに対して回転可能である。図15aに破線で示した車輪輪郭510は、右フレーム103がCCW方向に回転する前のオフセット119を明瞭にするためにある。
【0044】
階段501を横断するとき、車輌100の少なくとも1つの車輪の車輪オフセット119、120は、踏み段寸法508、509に基づいて調整される。車輌は、それぞれ様々な数の車輪を備える右左の車輪クラスタを有していてもよい。クラスタは、各図に示されるような1対の車輪であってもよい。図18は、踏み段寸法に基づいて上記車輌の少なくとも1つの車輪の車輪オフセットを調整するステップ1201を備える方法1200を示す。図15a〜jでは、RF車輪111のオフセット119は、RR車輪112のオフセット120に実質的に等しい。続いて、図15a〜jは、第1の方向503に走行する車輌100を示す。頂点507は、第1の水平補償システムの第1の水平補償が左右のフレーム102、103の交互輪転運動によって適用されるとき、横断中に傾斜軸505に沿って維持される。図18は、上記横断中に上記傾斜軸に沿って上記頂点を維持するこのステップ1202を備える方法を示す。これは、登坂の動きに初期の非対称性が存在しない図15e〜jに関して特に示されている。図15a〜dでは、前輪107および111が第1の踏み段を乗り越え、それによって頂点507が傾斜軸505から変位する。この変位は、以下でさらに説明するように、第2の水平補償システムの水平補償を適用することによって訂正されてもよい。
【0045】
座席基礎204は、頂点507の移動をより明瞭に示すために、図15f、15h、および15jには示されていない。
【0046】
図15eは、右輪対の右の最も前寄りの車輪、RF車輪111で中間踏み段701をある程度乗り越えているところを示す。RF車輪111は、LF車輪107に対してオフセット119を有する。RF車輪111が中間踏み段701をある程度乗り越えると、右フレーム103はCCW方向に回転する。頂点507は傾斜軸505にある。オフセット119、120によって、車輪107、108、112は、表面が完全に接触し、踏み段502への次の移動に対して十分な牽引力を提供する。
【0047】
一連の動作の次の移動は図15gに表示されており、この図では、中間踏み段701をLF車輪107である程度乗り越えており、それによって左フレーム102がCCW方向に回転するところを示している。同時に、最も前寄りの車輪111は、中間踏み段701を完全に乗り越えており、右輪対のRR車輪112は、中間踏み段701下方の下踏み段702をある程度乗り越えており、それによって、右フレーム103はCW方向に回転する。移動では、車輪111が完全な表面接触および牽引力を回復するが、LF車輪107はこれらを解放する。頂点507は傾斜軸505で維持される。
【0048】
図15iは、最も前寄りの車輪111で中間踏み段701上方の上踏み段703をある程度乗り越えているところを示し、それによって、LF車輪107は中間踏み段701を完全に乗り越え、把持力を回復している。右フレーム103がCCW方向に回転すると、左フレーム102はCW方向に回転する。同時に、RR車輪112は下踏み段702を完全に乗り越え、左輪対の左の最も後寄りの車輪、LR車輪108は、下踏み段702をある程度乗り越えている。オフセット120を持たせることによって、LRの最も後寄りの車輪108の表面接触が緩むとRR車輪112が完全な表面接触および牽引力を回復し、LF車輪107およびRF車輪111についても同様である。頂点507は、傾斜軸505になお維持されており、車輌100が後続の踏み段502を横断するとき、支持体901と軸505とが一定角度512をなしてこの軸に維持され続けることになる。その結果、図15e、15g、および15jの座席基礎204は、頂点507または支持体901に対して固定角511を有する場合、軸505に対して一定角度に保たれる可能性がある。それゆえ、座席基礎204の位置を変えることなく、階段501の円滑かつ安全な上りを実現することが可能である。これは第1の水平補償システムの水平補償によるもので、左右のフレーム102、103は、オフセット車輪107、108、111、112による踏み段502との交互接触に従って交互に旋回し、基部リンク機構120は、左右のフレーム102、103のCW方向およびCCW方向回転の対称性によってベースプレート104を一定角度に保つ。
【0049】
階段501は一定寸法508、509の踏み段を有する。座席基礎204は、この場合、
図15e〜jから分かるように、支持体901によってベースプレート104に対して固定角度511であってよい。支持体901またはベースプレート104と傾斜軸505との角度512は、図15e〜jの登坂において実質的に一定に保たれるので、座席基礎204も、同じ傾斜軸505に対して実質的に一定角度に保たれることになる。変動する地形では座席基礎204の角度が変化する可能性があり、これは第2の水平補償システムによって補正されてもよく、ここで、座席基礎204は、さらに以下で説明するように、空間で変位される可能性のある旋回可能な支持体133を有する。他の一定寸法を有する別の階段508、509の場合、オフセット119、120は、座席基礎の一定角度が登坂または下坂中に再現されるように、フレーム制御ユニット125およびフレームアクチュエータ121、122、123、124によって調整されてもよい。
【0050】
車輌100は、車輌100の使用時に座席基礎204の水平面を維持するために、空間の座席基礎204の向きに合わせて配置された第2の水平補償システムを備えていてもよい。これは、輸送表面が非常に粗いときでも、滑らかな乗り心地を提供する。
【0051】
第2の水平補償システムの詳細を示す、図1の車輌の左からの側面図である図6を参照すると、第2の水平補償システムは、ある実施形態では、それぞれ、上下の支持体ピボットジョイント304および305を介してベースプレート104と座席基礎204を接続する旋回可能な支持体133を備える。特許文献5(その全体が本明細書に組み込まれる)で開示された水平補償ユニットなど、座席基礎204の水平面を提供する代替手段が採用されてもよい。旋回可能な支持体133を有する利点は、水平補償構成が比較的コンパクトであること、使用部品が比較的少ないこと、および制御が比較的迅速であることである。
【0052】
図5a〜cは、図1における車輌100の詳細を示す。第2の水平補償システムは、水平化情報を支持体制御ユニット134に提供するように適合される水平検出ユニット136に接続された支持体制御ユニット134を備えていてもよい。第2の水平補償システムは、支持体制御ユニット134に接続され、水平化情報に従って旋回可能な支持体133を変位させるように配置された、少なくとも1つの支持体アクチュエータ135、301をさらに備える。
図5b〜cは、座席基礎204のそれぞれ左上および左下位置への変位を示す。
図6は、図5bの左からの側面図であり、垂直面からの角度306での変位を示す。
図7は、図5cの前方または図6の左からの図であり、垂直面からの角度307での変位を示す。したがって、座席基礎が所望位置に移動されうるように、支持体133は地形の傾斜の変動を補償するためにいかなる方向にも変位される可能性がある。荷重を支持するとき、たとえば、人が座席基礎にいるとき、車輌の重心は、車輌100がいずれかの方向に倒れることを回避するために適宜に調整されうる。たとえば、支持体133は、後方に倒れるのを回避するために、階段を上るときは走行方向で前方に傾けられるのがよい。
【0053】
水平面に対する座席基礎の角度308および309は、後述の実施形態に従って制御されてよい。
【0054】
水平検出ユニット136は、ジャイロスコープや傾斜計などのレベル変動、たとえば、勾配角、仰角、または傾斜角を検出しうる任意のユニットであってよい。図1によると、水平検出ユニット136は、通信リンク138を介して表面検出ユニット126から情報を受け取ってもよい。寸法情報、たとえば、階段501の寸法などの輸送表面の地形に関する情報は、階段501を上り始める前に、支持体133の角度306、307を自動的に調整ために適宜に使用されてよい。同様に、車輌の現在の傾斜に関する情報は、通信リンク138を介して水平検出ユニット136から表面検出ユニット126に送られてもよい。オフセット119、120は、現在の傾斜に適合するように、フレーム制御ユニット125とフレームアクチュエータ121、122、123、124とによって適宜に調整されてもよい。たとえば、急勾配の地形の場合、最も前寄りの車輪と最も後寄りの車輪との距離が増加され、それによって、重心が臨界範囲内に維持されて車輌100が倒れないように、オフセット119、120が増加されてもよい。
【0055】
現在の実施形態では、車輌100は、変位された第1および第2のジョイント302、303においてベースプレート104に旋回可能に取り付けられた第1および第2の支持体アクチュエータ135、301を備える(図5b参照)。支持体アクチュエータ135、301は、さらに、第3のジョイント304において旋回可能な支持体に旋回可能に取り付けられる(図5bおよび図6参照)。ベースプレート104は、第1および第2のジョイント302、303と第3のジョイント304との間で適切な距離が得られるように、後方に延びる。第1の支持体アクチュエータ135の旋回可能な支持体133の付着点から第2の支持体アクチュエータ301の旋回可能な支持体133の付着点までの距離が可能な限り小さくなるように、第3のジョイント304は、第1および第2の支持体アクチュエータ135、301に対する共通ジョイントであってもよい。これによって、第1および第2の支持体アクチュエータ135、301によって第3のジョイント304の付着店に作用する運動量が最小になり、より耐久性のある構造物が得られる。座席基礎204のペイロードは、旋回可能な支持体133によって支えられることが好ましい。
【0056】
図6は、図1の左側から見た車輌100の細部の実施形態を示す。図7は、図6の左から見た同じ実施形態を示す。
【0057】
座席基礎204は、座席アクチュエータ305に接続されてもよい。図6および図7に示すように、座席アクチュエータ305は、通信リンク310によって水平検出ユニット136に接続され、座席基礎204の水平面を維持するために水平化情報に従って座席基礎204を変位させるように配置される。図6および7では、座席基礎は、それぞれ、角度308および309で回転される。座席アクチュエータ305は、油圧式、および/または電気式、および/または機械式であってもよく、座席基礎204または旋回可能な支持体133に固定されてもよい。上支持体ピボットジョイント304は、座席基礎204を任意の方向に移動できてもよい。
【0058】
図9は、図1の左側から見た車輌100の細部の実施形態を示す。
図10は、図9の左から見た同じ実施形態を示す。
【0059】
第2の水平補償システムは、旋回可能な支持体133のいずれかの側で座席基礎204とベースプレート104に旋回可能に接続された横支柱902、903を備えていてもよい。横支柱902、903は、上支柱ピボットジョイント904、905によって座席基礎204に旋回可能に接続され、下支柱ピボットジョイント906、907によってベースプレート104に旋回可能に接続される。
【0060】
図11は、ベースプレート104に対して変位されるような座席基礎204を示す図9または10の上面図である。上支柱ピボットジョイント904、905と上支持体ピボットジョイント304は、座席基礎において変位された三角配置910、911で配置される。同様に、下支柱ピボットジョイント906、907と下支持体ピボットジョイント305は、ベースプレート104において変位908、989で変位された三角配置で配置される。図9および図10から分かるように、座席基礎204は、旋回可能な支持体133が垂直軸912に対して変位されるとき、横支柱902、903によって同じ高さの水平面に保たれる。横支柱902、903の長さと支柱ピボットジョイント904、905、906、907の変位908、909、910、911とによって、座席基礎204は、車輌100を側面から見た、横支柱902、903を有する旋回可能な支持体133の移動の略図を示す図12から分かるように、弓形の経路1001を横切って水平面内を移動する。
図12に示す実施形態では、水平面に対する座席基礎204の角度は、横支柱902、903の幾何学的形状に起因して経路1001の左端位置および右端位置で変化する。
【0061】
横支柱902、903は、座席基礎204を安定化し、支柱長さ、座席基礎204の所望の移動経路1001を提供するための支柱ピボットジョイント904、905、906、907の配置、旋回可能な支持体133によって変位されたときに座席基礎204に許容される角変位の範囲などの幾何学的特性を変更することによって構成されうる。三角配置910、911は、三次元空間において弓形経路1001を横切って旋回可能な支持体133の移動中に、座席基礎204に対して安定性、水平補償、および支持体をもたらすことで特に有利である可能性があり、それによって、球表面上の移動経路1001を基本的に説明することができる。
【0062】
経路1001が実質的に弓形になるように横支柱902、903を構成することによって、全質量中心の位置が容易に調整されうる。
図13および14は、車輌質量中心1003、乗車者質量中心1005を示し、これらは全質量中心1002をもたらす。横支柱902、903の幾何学的形状によって、現在の実施形態では、全質量中心からの垂直軸が車輪間の中心位置1006に置かれる。これによって、車輌100の傾きとは関係なく、車輪のすべてに重量が均等に分布するようになり、把持力、牽引力、および安全性が改善される。図13および14は、全質量中心1002の種々の位置を示す。たとえば、図13では、乗車者の重量が車輌100の重量の実質的に半分であってもよく、図14では、乗車者の重量が車輌100の重量の実質的に2倍であってもよい。
【0063】
旋回可能な支持体133は、そのペイロードとともに座席基礎204の荷重を受けるが、横支柱902、903は荷重から解放されて、上記に従って移動経路と座席基礎204の角度とを制御する働きをする。
【0064】
階段501を横断する車輌100を示す図15a〜dに戻ると、車輌100を左右に傾けて第1の踏み段を乗り越えるとき、上り初めに座席基礎204を所望の姿勢に保つために、図18の方法ステップ1203にも示される、第2の水平補償システムの第2の水平補償が適用される。
図15bでは、水平検出ユニット136は、車輌が左に傾いていることを検出してもよく、旋回可能な支持体133は、座席基礎204が水平面に保たれるように傾斜角を補正するために、支持体アクチュエータ135、305によって変位されてもよい。追加的または代替的に、座席アクチュエータ305および/または横支柱902、903は、水平面が維持されるように座席基礎204を傾ける。それに対応して、図15dでは、車輌が右に傾き、支持体アクチュエータ135および301および/または座席アクチュエータ305が座席基礎204のレベルを補正してもよい。図15bおよび15dでは、座席基礎204のレベルの主な補正は、支持体アクチュエータ135、301を変位させずに、座席アクチュエータ305で座席基礎角308、309を調整することによって行われる。
図15c〜dと同じ姿勢の車輌100を示す図16a〜bには、横支柱902、903を備える実施形態が示される。ここでは、支持体アクチュエータ135、301は、旋回可能な支持体133が垂直線に一致するようにこれを変位させる。同時に、横支柱902、903は、座席基礎204を、おそらく実質的に水平面である、所望の角度に保つ。
【0065】
支持体アクチュエータ135および305、および/または座席アクチュエータ305は、特定の不均一が容認される場合に揺れの所定の閾値(たとえば、水平検出ユニット136によって計算された)にロックされてもよい。これらのアクチュエータは動作を必要としないので、ロックすることでエネルギーが節約される。しかしながら、横支柱は受動的な機械的水平補償であることから、元来、省エネ型である。
【0066】
さらに、支持体アクチュエータ135および305は、重心を前方に移動させて車輌100の安定性を改善し、それによって車輌ユーザの安全性を向上させるために、ピボット支持体133を前進方向に変位させてもよい。
【0067】
図15aおよび15cでは、支持体アクチュエータ135および305、座席アクチュエータ305、および横支柱902、903は、それぞれが示されていない。
【0068】
図15e〜jは、対称な一連の踏み段を横断するときに座席基礎204を一定の角度に保つための第1の水平補償システムの十分な水平補償を示すために、固定支持体901で座席基礎204をベースプレート104と結合する場合の車輌100の実施形態を示す。対称とは、一定の寸法を有する踏み段であって、かつ一連の踏み段の最初の踏み段または最後の踏み段の初期の乗り越えが終了している踏み段と解釈されるべきである。さらに、座席角度は、様々な寸法を有する一連の踏み段に対しても実質的に一定の角度に保たれる可能性がある。この場合、オフセット119、120は、車輌100の地形メモリ129およびデータメモリ137の寸法データに従って、たとえば、手動調整または自動調整によって、登坂中に調整されてもよい。
【0069】
支持体アクチュエータ135、301は、図15e〜jに示されていないが、重心位置を補正するために旋回可能な支持体133とともに使用されてもよい。
【0070】
図1の実施形態では、車輌100は4つの車輪を有する。車輌100の車輪の数は、4つより少なくても多くてもよい。
【0071】
車輪107、108、111、および112の各々には、電動機が組み込まれていてもよい。こうすることで、構造が小型になり、四輪駆動では各車輪に対する優れた牽引力が約束される。車輪107、108、111、および112は、輸送表面に対する把持力を強化するためのリブ付きタイヤを有していてもよい。階段端部は階段を横断する車輌のトルク伝達および推進力に対して良好な嵌合面を備えるので、リブ付きタイヤは、階段を上るときに特に有利である可能性がある。
【0072】
各種実施形態では、車輪径は、踏み段高さ509と少なくとも同程度であることが好ましい。車輪の直径は、10〜50cmの範囲にあってよい。
【0073】
階段501を車輌100で横断するいくつかの方法を以下で説明する。すべての方法は、どんな種類の階段、あるいは様々な僻地の地形など、どんな障害物にも適用される可能性がある。
【0074】
図18の方法ステップの要約(そのステップ1200は、必ずしも順番に実施されず、互いに依存しない場合があり、すなわち、ステップ1200の選択だけが行われてもよい)と、図19、20、21、23、24、25の流れ図と、図22a〜fの車輌構成の例示とを参照する。
【0075】
車輪オフセット119、120は、階段501を横断するときに連続的に調整されてよい(1204)。連続的な適合によって、滑らかな乗り心地が得られる。
【0076】
上記の車輪オフセットを調整するステップは、左輪対、または複数の車輪を有する車輌100の場合の車輪クラスタの車輪107、108間の距離を調整するステップと、および/または右輪クラスタの車輪111、112間の距離を調整するステップとを備えていてよい。
【0077】
車輪の少なくとも1つは、車輌100の車輪の残りの少なくとも1つが階段を横断するのと同時に制動されてよい(1205)。制動された車輪は、登坂する車輪が階段を横断するときに把持力および安定性の増加をもたらす。少なくとも1つの制動された車輪と階段を横断する少なくとも1つの車輪との距離が調整され(1206)、それによって、制動と横断がそれぞれの車輪によって同時に実現される。
【0078】
車輪の残りの少なくとも1つが階段を横断するのと同時に3つの車輪が制動されてよい。あるいは、上記車輪の残りの少なくとも1つが上記階段を横断するのと同時に2つの車輪が制動される。制動は、車輪が回転しないようにこれをロックすることであると解釈されてよい。少なくとも1つの車輪で障害物を同時に上る間に、任意数の車輪がロックされてよい。
【0079】
車輪間の距離は車輪アクチュエータ121、122、123、124によって調整されてよい。図1を参照した例では、車輪107、108、111は、これらそれぞれの軸方向距離115、116、117で制動されて、不変であり、車輪112は、フレームアクチュエータ124が軸方向距離118を増加または減少させるのと同時に回転する。さらなる例を、後述し図19に示す方法1400によって説明する。
【0080】
車輪間の距離を調整するステップは、車輪の各々に対する関連アクチュエータ121、122、123、124によって個々の位置で各車輪を位置決めするステップ(1207)を備えていてよい。最適な把持力および牽引力はこの時に提供されるが、横断された表面の凹凸を一様にすることによって、以下でさらに説明するように快適な乗り心地が約束される。
【0081】
左右のフレーム102、103の少なくとも一方は、車輪アクチュエータによって伸縮されてもよく(1208)、それによって、左輪クラスタの車輪間の距離を調整し、かつ/または右輪クラスタの車輪間の距離を調整する。左右のフレーム102、103は、それによって、様々な状態に調整されて車輪を独立に移動することができる。
【0082】
車輪は種々の速度で駆動することができ(1209)、それによって、左フレームを伸縮させることによって左輪クラスタの車輪間の距離を調整し、かつ/または右フレームを伸縮させることによって右輪クラスタの車輪間の距離を調整する。これは、たとえば、図17a〜bに示すタイプの車輪が進む車輌の長手方向の摺動運動を可能にする左右のフレームによって実現されてもよい。車輪は、摺動運動によってフレームを伸縮させるために交互に制動されてもよい。この原則の追加として、または代案として、車輪アクチュエータが採用されてよい。
【0083】
車輪の少なくとも1つが階段を横断するのと同時に、車輪の残りの少なくとも1つの制動が、車輪が階段で所望の距離を横断し終わるまで全車輪に対して交互に作用されてもよい(1210)。交互作用を実施するステップは、車輪の残りの少なくとも1つが階段の第1の距離を横断し終わるまで、車輪の少なくとも1つを第1の位置で制動するステップを備えていてもよく(1211)、第1の位置にある少なくとも1つの車輪が第1の位置から階段の第2の距離を横断し終わるまで、第1の距離を横断し終わった少なくとも1つの車輪を第2の位置で制動するステップを備えていてもよい(1212)。その結果、効果的な登坂または下坂は、最適な把持力を有している間に実現される。
【0084】
前述の交互作用中に、少なくとも1つの制動された車輪と階段を横断する少なくとも1つの車輪との距離が前述の方法および手段に従って調整され(1213)、それによって、制動と横断がそれぞれの車輪によって同時に実現される。
【0085】
図19は、車輌100が階段を前進する方法1400を示す。車輌は、階段を上るときにも降りるときにも前進することができる。以下の略語が使用される。
【0086】
FLW=前左輪
RLW=後左輪
FRW=前右輪
RRW=後右輪
LAC=左輪間の距離を制御する左輪アクチュエータ
RAC=右輪間の距離を制御する右輪アクチュエータ
REV=後退/収縮
GO=前進/伸張
方法は以下のステップを備える。
【0087】
1401 開始
1402 全車輪がロックされる。
【0088】
1403 FLWがロック解除される。
【0089】
1404 FLWが前進する。
【0090】
1405 LACが前進し、FLWが前進するように左フレームを伸張し、FLWとRLWの距離は増加するが、RLWおよび他の車輪はロック/制動状態のままである。FLWは車輪に組み込まれた電動機によって前進する可能性があるので、LACの速度はFLWに対して摺動が起こらないように設定される。速度は、車輪アクチュエータ相対速度アルゴリズムに従って設定されてよい。
【0091】
1406 FLWが、たとえば、階段を上るかもしくは降りるために次の踏み段に達しているか、または、LACがその最大伸張に達している。FLWに対する次の踏み段は、FLWが新たな障害物に達したことを検出することができる様々なセンサによって検出されてよい。
【0092】
1407 1406の条件のいずれかが満たされるとFLWは停止される。
【0093】
1408 FLWが停止されるとLACは停止される。
【0094】
1409 FLWがロックされる。
【0095】
1410 RLWがロック解除される。
【0096】
1411 RLWが前進する。
【0097】
1412 LACが逆転されて後退し、それによって、RLWが前進するように左フレームを収縮し、RLWとFLWの距離は減少するが、FLWと他の車輪はロック/制動状態のままである。
【0098】
1413 RLWが次の踏み段に達しているか、またはLACが最小収縮長さに達している。
【0099】
1414 1413の条件のいずれかが満たされるとRLWが停止される。
【0100】
1415 RLWが停止されるとLACが停止される。
【0101】
1416 RLWがロックされる。
【0102】
1417 FRWがロック解除される。
【0103】
1418 FRWが前進する。
【0104】
1419 RACが前進し、FRWが前進するように右フレームを伸張して、FRWとRRWの距離は増加するが、RRWおよび他の車輪はロック/制動状態のままである。
【0105】
1420 FRWが、上るかもしくは降りるために次の踏み段に達しているか、または、RACがその最大伸張に達している。
【0106】
1421 1420の条件のいずれかが満たされるとFRWは停止される。
【0107】
1422 FRWが停止されるとRACは停止される。
【0108】
1423 FRWがロックされる。
【0109】
1424 RRWがロック解除される。
【0110】
1425 RRWが前進する。
【0111】
1426 RACが逆転されて後退し、それによって、RRWが前進するように右フレームを収縮し、RRWとFRWの距離は減少するが、FRWと他の車輪はロック/制動状態のままであるように。
【0112】
1427 RRWが次の踏み段に達しているか、またはRACが最小収縮長さに達している。
【0113】
1428 1427の条件のいずれかが満たされるとRRWが停止される。
【0114】
1429 RRWが停止されるとRACが停止される。
【0115】
1430 RRWがロックされる。
【0116】
1431 終了。すべての車輪が代わる代わる順に上ってしまっているが、上っていない車輪は制動される。車輪の数は、この原則から逸脱することなく、変わる場合があると解釈されるべきである。同時に上る車輪の数は変わる場合があり、同時に制動される車輪の数も変わる場合がある。
【0117】
方法1400に対応する方法1600が図20に例示されているが、車輌は逆方向に移動し、すなわち、車輌を後退させ、階段を上る場合もあるが後方に降りる場合もある。
【0118】
1601 開始位置。
【0119】
1602 すべての車輪がロックされる。
【0120】
1603 RLWがロック解除される。
【0121】
1604 RLWがステップ1404の走行方向とは逆方向に進む。
【0122】
1605 LACが前進し、RLWが前進(逆方向に)するように左フレームを伸張し、RLWとFLWの距離は増加するが、FLWおよび他の車輪はロック/制動状態のままである。
【0123】
1606 RLWが、たとえば、上るかもしくは後方に降りるための次の踏み段に達しているか、またはLACがその最大伸張に達している。
【0124】
1607 1606の条件のいずれかが満たされるとRLWが停止される。
【0125】
1608 RLWが停止されるとLACは停止される。
【0126】
1609 RLWがロックされる。
【0127】
1610 FLWがロック解除される。
【0128】
1611 FLWが逆方向に進む。
【0129】
1612 LACが逆転されて後退し、それによって、FLWが逆方向に進むように左フレームを収縮し、FLWとRLWの距離は減少するが、RLWおよび他の車輪はロック/制動状態のままである。
【0130】
1613 FLWが次の踏み段に達しているか、またはLACが最小収縮長さに達している。
【0131】
1614 1613の条件のいずれかが満たされるとFLWが停止される。
【0132】
1615 FLWが停止されるとLACは停止される。
【0133】
1616 FLWがロックされる。
【0134】
1617 RRWがロック解除される。
【0135】
1618 RRWが1418の走行方向とは逆方向に進む。
【0136】
1619 RACは前進し、RRWが後退するように右フレームを伸張し、RRWとFRWの距離は増加するが、FRWおよび他の車輪はロック/制動状態のままである。
【0137】
1620 RRWが、上るかもしくは後方に降りるための次の踏み段に達しているか、またはRACがその最大伸張に達している。
【0138】
1621 1620の条件のいずれかが満たされるとRRWが停止される。
【0139】
1622 RRWが停止されるとRACが停止される。
【0140】
1623 RRWがロックされる。
【0141】
1624 FRWがロック解除される。
【0142】
1625 FRWが逆方向に進む。
【0143】
1626 RACが逆転されて後退し、それによって、FRWが逆方向に進むように収縮し、FRWとRRWの距離は減少するが、FRWおよび他の車輪はロック/制動状態のままである。
【0144】
1627 FRWが次の踏み段に達しているか、またはRACが最小収縮長さに達している。
【0145】
1628 1627の条件のいずれかが満たされるとFRWが停止される。
【0146】
1629 FRWが停止されるとRACは停止される。
【0147】
1630 FRWがロックされる。
【0148】
1631 終了。
【0149】
図21の方法1800は、2つの制動された車輪を有する場合を例示しているが、2つの車輪は同時に上り、以下のステップを備える。
【0150】
1801 開始位置。
【0151】
1802 すべての車輪がロックされる。
【0152】
1803 FLWがロック解除される。
【0153】
1804 FRWがロック解除される。
【0154】
1805 FLWが前進する。
【0155】
1806 FRWがFLWと同時に前進する。
【0156】
1807 LACが前進し、FLWが前進するように左フレームを伸張し、FLWとRLWの距離は増加するが、RLWおよびRRWはロック/制動状態のままである。
【0157】
1808 RACが前進し、FRWが前進するように右フレームを伸張し、FRWとRRWの距離は増加するが、RRWおよびRLWはロック/制動状態のままである。
【0158】
1809 FLWが、上るかもしくは後方に降りるための次の踏み段に達しているか、またはLACがその最大伸張に達している。
【0159】
1810 FRWが、上るかもしくは降りるための次の踏み段に達しているか、またはRACがその最大伸張に達している。
【0160】
1811 1809の条件のいずれかが満たされるとFLWが停止される。
【0161】
1812 1810の条件のいずれかが満たされるとFRWが停止される。
【0162】
1813 FLWが停止されるとLACは停止される。
【0163】
1814 FRWが停止されるとRACは停止される。
【0164】
1815 1809および1810の条件が満たれているかどうかをチェックする。
【0165】
1816 FLWがロックされる。
【0166】
1817 FRWがロックされる。
【0167】
1818 RLWがロック解除される。
【0168】
1819 RRWがロック解除される。
【0169】
1820 RLWが前進する。
【0170】
1821 RRWがRLWと同時に前進する。
【0171】
1822 LACが逆転されて後退し、それによって、RLWが前進するように収縮し、RLWとFRWの距離は減少するが、FRWおよびFLWの車輪はロック/制動状態のままである。
【0172】
1823 RACが逆転されて後退し、それによって、RRWが前進するように収縮し、RRWとFRWの距離は減少するが、FRWおよびFLWの車輪はロック/制動状態のままである。
【0173】
1824 RLWが、上るかもしくは降りるための次の踏み段に達しているか、またはLACがその最小収縮長さに達している。
【0174】
1825 RRWが、上るかもしくは降りるための次の踏み段に達しているか、またはRACがその最小収縮長さに達している。
【0175】
1826 1824の条件のいずれかが満たされるとRLWが停止される。
【0176】
1827 1825の条件のいずれかが満たされるとRRWが停止される。
【0177】
1828 RLWが停止されるとLACは停止される。
【0178】
1829 RRWが停止されるとRACは停止される。
【0179】
1830 1824および1825の条件が満たれているかどうかをチェックする。
【0180】
1831 RLWがロックされる。
【0181】
1832 RRWがロックされる。
【0182】
1833 終了。
【0183】
アクチュエータ最大アウト、アクチュエータ最大イン、および次の踏み段に対する車輪設定(次の踏み段に達して上り降りの準備ができていること)の諸条件を検知することによって、階段には踏み段が1つしかないか、または階段の最上部に達しているかを判断するための結論が引き出される。結論は、最初に前輪に対して引き出され、続いて後輪に対して引き出される。また、一連の過程では、踏み段の長さや踏み段の高さの違いはどうか、車輌が階段に対して斜め方向に上っているかどうか、または、階段がどの方向に曲がっているかといった、現在の踏み段の状況に合わせて車輌が調整される。
【0184】
1つ、2つ、または3つの車輪のロック、制動、駆動と、1つ、2つ、または3つの車輪による登坂との順序は、任意の順序であってもよく、また、踏み段ごとまたは階段ごとに変化してもよい。
【0185】
1つ、2つ、もしくは3つの車輪を制動解除/ロック解除された状態にする順序、または、これらの車輪を、任意の方向に登坂する車輪のいずれかに対して一定速度もしくは可変速度、またはこれらの速度と異なる速度もしくは同様の速度で駆動するために、1つ、2つ、または3つの車輪による登坂の順序は、任意の順序であってよく、さらに、踏み段ごとまたは階段ごとに変化してもよい。車輌の前進または後退の原理は階段を上り降りするときにも働くので、車輌の方向は、上り降りのいずれであってもよい。
【0186】
車輌100は、図22a〜fに見られる、車輌のペイロード中心2001にペイロードを有する。ペイロード中心2001は、実質的に車輌100の重心(center weight point)に対応していてもよい。ペイロード中心2001は、運転席に接続された点に対応していてもよい。ペイロード中心2001の位置は、車輌の少なくとも1つの制動された車輪に対してシフトされてもよい(1214)。これは、車輪の残りの少なくとも1つが階段を横断するのと同時に車輪の少なくとも1つを制動する間に行われてもよい。
手順は図22a〜fに例示されており、これについては以下でさらに詳しく説明する。ペイロード中心を制動された車輪に対してシフトし、かつ/またはペイロード中心を、階段を横断する車輪に対してシフトすることによって、ペイロード中心は車輪と独立に調整され、車輪によって生じる移動はペイロード中心点に直接的に変換されず、それによって、素早い移動や突然の移動を均一にし、かつ/または障害物を横断する間に最適なバランスが実現されるように重心(weight point center)の位置を決めることができる。
【0187】
図22aは、後輪108(RLW)、112(RRW)が線2002によって示される開始位置にあるのを上から見た車輌100を示す。終了位置は、図22fに線2012で示されており、車輌100がある距離、たとえば、階段を横断したときである。図22bでは、方法1200、1400、1600、1800に関して先に説明したように、左前輪107(FLW)が、制動位置の状態にある他の車輪111(FRW)、108(RLW)、112(RRW)に対して第1の距離2003を横断している。図22cでは、ペイロード中心2001は、第1のペイロード中心距離2004を図22bにおける前の位置に対してシフトしている。また、車輪の位置は、図22cでは、図22bの前の位置に対して変わっていない。それゆえ、ペイロード中心2001は、前述のように有利に車輪とは独立に位置決めされてよい。
【0188】
ペイロード中心は、図22a〜fに例示されるように、車輪アクチュエータ121、122、123、124によってシフトされてよい。前述の方法1200、1400、1600、1800を参照すると、左輪間の距離を制御する左輪アクチュエータ(LAC)は121または122に対応し、右輪間の距離を制御する右輪アクチュエータ(RAC)は123または124に対応する。また、以下の記号が、図23〜24で、特に方法3000、4000に対して使用される。
【0189】
FLAC=前方左アクチュエータ
FRAC=前方右アクチュエータ
RLAC=後方左アクチュエータ
RRAC=後方右アクチュエータ
ペイロード中心は、車輌のフレームに接続された他のアクチュエータやペイロードの位置などの他の手段によってシフトされてよい。しかしながら、ペイロード中心2001の移動を、車輪アクチュエータを介した車輪の横断移動と統合すると、車輌の連続的で流れるような動きと心地よい安全な動きとが提供される。また、コンパクトで軽い車輌100が得られる。
【0190】
ペイロード中心2001は、少なくとも1つの制動された車輪と階段を横断する少なくとも1つの車輪との間の距離の変化に応じてシフトされてよい(1215)。したがって、第1のペイロード中心距離の長さ2004は、制動位置に留まる他の車輪111、108、112に対して左前輪107が移動した第1の横断距離2003に依存している可能性がある。依存状態は、車輪に対するペイロード中心2001の動きの速度と範囲を最適化するアルゴリズムに従って設定されてよい。この原理は、2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の任意の車輪数を有する車輌に適用されうる。それゆえ、階段を横断する方法は、第1の横断移動において少なくとも1つの車輪で階段の第1の距離を横断するステップと、第1のペイロード中心移動の第1の距離に応じてかつ/またはこの距離のある比率でペイロード中心をシフトするステップとを備えていてもよい。比率は、車輪の各々が第1の距離だけ階段を横断したときペイロード中心2001が車輪に対してその元の位置に戻っているように設定することが可能であり、これはペイロード中心位置を調整する車輪アクチュエータによってさらに可能である。これは図22fに例示されており、ここでは、車輪に対するペイロード中心2001の距離が、図22aの場合と同じである。また、これは、方法3000、4000を説明する図23〜24によって詳しく例示される。
【0191】
車輪107による図22bの第1の横断移動と図22cの第1のペイロード中心移動は、同時に実施されてもよい。したがって、第1の横断移動において登坂する車輪による距離のあらゆる増分に対して、車輪アクチュエータは、前述の増分の作用に従ってペイロード中心2001の距離をリアルタイムでシフトすることになる。図22a〜cは、明瞭さを期して、上記移動を別々に例示している。これは、効率のよい流れるような動きをもたらして、急激な発進や減速を排除する。第1の横断移動および第1のペイロード中心移動は、図22a〜fに例示する方向と実質的に同じ方向であってもよい。方向は、他の構造の車輌100では異なっていてもよい。
【0192】
第1の横断移動は、左右のフレームの少なくとも一方を伸縮することによって実施される。
図22bでは、左フレーム102が伸張される。この場合の伸張は、前方左アクチュエータ121(FLAC)を伸張することによって実施され、それによって、FLWは距離2003に達する。同時に、または順番に、ペイロード中心2001と車輪の各々との距離は、第1のペイロード中心移動をもたらすために、関連する車輪アクチュエータ121、122、123、124によって調整される。これは、図22cに前方左アクチュエータ(FLAC)121として示されており、前方右アクチュエータ(FRAC)123は収縮してペイロード中心2001を図の左側に引き寄せ、後方左アクチュエータ(RLAC)122および後方右アクチュエータ(RRAC)124は伸張してペイロード中心2001を図の左側に押しやり、その間、車輪は制動されている。移動が同時に実施され、すなわち、FLWが前方に横断すると、FLACはその位置をリアルタイムで調整することになり、その間、他の車輪は制動され、したがって、ペイロード中心は距離2004だけ前方に移動するが、FLWはその開始位置または制動された車輪に対して距離2003だけ前方に横断する。図22cは、車輪アクチュエータによって移動された距離がペイロード中心によって移動された距離2004に対応することを示しているが、横断移動とペイロード中心移動について説明した原理から逸脱することなく、偏差が生じる可能性がある。
【0193】
図22d〜fでは、車輪の残りの横断移動と対応するペイロード中心移動との間の中間ステップが省かれており、2つの移動は一緒に例示されている。したがって、図22dでは、RLWは第2の横断移動で第2の横断距離2005だけ前方に横断しており、第2の横断距離2005は、第1の横断距離2003と異なっていても同じであってもよい。また、ペイロード中心2001は、やはり、関連車輪アクチュエータを調整することによって、第2のペイロード中心距離2006だけ前方に移動している。したがって、FLACとFRACは収縮しており、RRACは伸張している。RLACはRLW、FRW、FLWによる横断移動によって全体で収縮しており、RRWは制動されたままである。前述の方法で説明したように、異なる数の車輪が同時に横断してもよく制動されてもよい。
【0194】
したがって、階段を横断する方法は、第1の横断移動中に制動されている少なくとも1つの車輪によって第2の距離だけ第2の横断移動をするステップ1216と、第2のペイロード中心移動において第2の距離のほんの一部だけペイロード中心をシフトするステップ1217と、車輪が階段の所望の距離を横断し終わるまで第1および第2の横断移動をさらに繰り返すステップ1218とを備えていてもよい。これは、図22fにおいて、開始位置2002と終了位置2012との差2007によって例示される。この例では、差2007は、横断距離2003、2005、2008、および2010と実質的に同じであってよい。
【0195】
図22eに戻ると、FRWは前方に距離2008を横断しているが、ペイロード中心は前方に距離2009を移動されており、この距離はやはり、距離2008に応じており、距離2008のほんの一部でありうる。図22fでは、RRWは前方に距離2010を横断しているが、ペイロード中心は前方に距離2011を移動されており、最終位置に達している。一連の動作は、障害物または階段を横断するまで繰り返されてよい。
【0196】
上記の例では、車輌は4つの車輪を備えており、これらは異なっていてもよく、第1の横断距離に対してペイロード中心によって移動される比率は、第1の距離の1/3であっても、第1の距離の1/4であってもよい。
【0197】
ペイロード中心2010の位置は、車輌の重心(center weight point)を調整するためのオフセット値(WPシフト)でシフトされてよい(1219)。図23〜24および図22a〜fに例示された方法3000、4000では、車輌に関して位置決めしてペイロードを心出しするためにアクチュエータ間に相互作用がある。方法3000、4000では、所望の重量ポイント(weight point)変位を得るために、WPシフト、重量ポイント定数(Weight Point constant)、またはオフセット値と呼ばれるサブルーチンがプロセスに加えられてもよい。
【0198】
図23は、図22a〜fで説明した原理に従って階段を横断する方法3000を例示する。方法3000は、図19の方法1400と図20の方法1600とに対するサブルーチンとして実施されてもよい。以下の略語が使用される。
【0199】
FLAC=前方左アクチュエータ
FRAC=前方右アクチュエータ
RLAC=後方左アクチュエータ
RRAC=後方右アクチュエータ
WPシフト=車輌内の所望重量ポイントシフト
ID=増分距離
REV=後退/収縮
GO=前進/伸張
【0200】
3001 開始位置。
3002 すべての車輪がロック/制動される。
3003 FLWがロック解除される。
3004 FLWが前進する。
3005 3019の条件が満たされるまでFLACが伸張する。FLWが次の踏み段に達しているか、またはFLACがその最大伸張に達している。
3006 3019が満たされるまでFLACは複数の増分距離だけ伸張する。
3007 車輪/アクチュエータ相対速度アルゴリズムが、車輪の摺動が起こらないようにする。
3008 FRACが、増分距離3006のほんの一部だけ、ここでは増分距離3006の1/3だけ後退され、すなわち、収縮され、任意の重量ポイントシフト3010を考慮に入れる。
3009 増分距離3006がステップ3008に入力される。
3010 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト/オフセット。
3011 RLACが、増分距離3006のほんの一部だけ、ここでは増分距離3006の1/3だけ伸張され、任意の重量ポイントシフト3013を考慮に入れる。
3012 増分距離3006がステップ3011に入力される。
3013 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト。
3014 RRACが、増分距離3006のほんの一部だけ、ここでは増分距離3006の1/3だけ伸張され、任意の重量ポイントシフト3016を考慮に入れる。
3015 増分距離3006がステップ3014に入力される。
3016 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト/オフセット。
3017 FLWが上る/降りるための次の踏み段に達している。
3018 FLACがその最大伸張に達している。
3019 3017および3018の条件のいずれかが満たされる。
3020 FLWを停止する。
3021 FLWをロックする。
3022 RLWがロック解除される。
3023 RLWが前進する。
3024 FLACが、増分距離3031のほんの一部だけ、ここでは増分距離3031の1/3だけ後退され、すなわち、収縮され、任意の重量ポイントシフト3026を考慮に入れる。
3025 増分距離3031がステップ3024に入力される。
3026 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト。
3027 FRACが、増分距離3031のほんの一部だけ、ここでは増分距離3031の1/3だけ後退され、すなわち、収縮され、任意の重量ポイントシフト3029を考慮に入れる。
3028 増分距離3031がステップ3027に入力される。
3029 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト/オフセット。
3030 3038の条件が満たされるまでRLACが収縮する。RLWが次の踏み段に達しているか、またはRLACがその最小収縮に達している。
3031 3038が満たされるまでRLACは複数の増分距離だけ収縮する。
3032 車輪/アクチュエータ相対速度アルゴリズムが、車輪の摺動が起こらないようにする。
3033 RRACが、増分距離3031のほんの一部だけ、ここでは増分距離3031の1/3だけ伸張され、任意の重量ポイントシフト3035を考慮に入れる。
3034 増分距離3031がステップ3033に入力される。
3035 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト/オフセット。
3036 RLWが上る/降りるための次の踏み段に達している。
3037 RLACがその最小収縮に達している。
3038 3036および3037の条件のいずれかが満たされる。
3039 RLWを停止する。
3040 RLWをロックする。
3031 終了。
【0201】
図24は、方法3000に対応する、階段を横断する方法4000を例示するが、左車輪対による移動を説明している。方法4000は、図19の方法1400と図20の方法1600とに対するサブルーチンとして実施されてもよい。
【0202】
4001 開始位置。
4002 すべての車輪がロック/制動される。
4003 FRWがロック解除される。
4004 FRWが前進する。
4005 FLACが、増分距離4009のほんの一部だけ、ここでは増分距離4009の1/3だけ後退され、すなわち、収縮され、任意の重量ポイントシフト4007を考慮に入れる。
4006 増分距離4009がステップ4005に入力される。
4007 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト/オフセット。
4008 4019の条件が満たされるまでFRACが伸張する。FRWが次の踏み段に達しているか、またはFRACがその最大伸張に達している。
4009 4019が満たされるまでFRACは複数の増分距離だけ伸張する。
4010 車輪/アクチュエータ相対速度アルゴリズムが、車輪の摺動が起こらないようにする。
4011 RLACが、増分距離4009のほんの一部だけ、ここでは増分距離4009の1/3だけ伸張され、任意の重量ポイントシフト4013を考慮に入れる。
4012 増分距離4009がステップ4011に入力される。
4013 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト。
4014 RRACが、増分距離4009のほんの一部だけ、ここでは増分距離4009の1/3だけ伸張され、任意の重量ポイントシフト4016を考慮に入れる。
4015 増分距離4009がステップ4014に入力される。
4016 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト。
4017 FRWが上る/降りるための次の踏み段に達している。
4018 FRACがその最大伸張に達している。
4019 4017および4018の条件のいずれかが満たされる。
4020 FRWを停止する。
4021 FRWをロックする。
4022 RRWがロック解除される。
4023 RRWが前進する。
4024 FLACが、増分距離4034のほんの一部だけ、ここでは増分距離4034の1/3だけ後退され、すなわち、収縮され、任意の重量ポイントシフト4026を考慮に入れる。
4025 増分距離4034がステップ4024に入力される。
4026 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト。
4027 FRACが、増分距離4034のほんの一部だけ、ここでは増分距離4034の1/3だけ後退され、すなわち、収縮され、任意の重量ポイントシフト4029を考慮に入れる。
4028 増分距離4034がステップ4027に入力される。
4029 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト。
4030 RLACが、増分距離4034のほんの一部だけ、ここでは増分距離4034の1/3だけ伸張され、任意の重量ポイントシフト4032を考慮に入れる。
4031 増分距離4034がステップ4030に入力される。
4032 任意要素によって重量ポイントを調整する重量ポイントシフト/オフセット。
4033 4038の条件が満たされるまでRRACが収縮する。RRWが次の踏み段に達しているか、またはRRACがその最小収縮に達している。
4034 4038が満たされるまでRRACは複数の増分距離だけ収縮する。
4035 車輪/アクチュエータ相対速度アルゴリズムが、車輪の摺動が起こらないようにする。
4036 RRWが上る/降りるための次の踏み段に達している。
4037 RRACがその最小収縮に達している。
4038 4036および4037の条件のいずれかが満たされる。
4039 RRWを停止する。
4040 RRWをロックする。
4031 終了。
【0203】
図25は、左右の車輪対が交互に動作して移動する場合の方法6000を例示する。方法6000は、後輪と前輪が一定のループで交互に上る様子を説明しているが、ある条件、すなわち、両前輪が階段の最上部に達しているかどうかが問われる。その条件が満たされると、ループは持続して、次の条件、すなわち、両後輪が階段の最上部に達しているかどうかが問われ、そこでループは終了する。
【0204】
6001 開始位置。
6002 右輪対が方法3000に従って前進する。
6003 左輪対が方法4000に従って前進する。
6004 条件;DONE FL生成、すなわち、図23の条件3019が満たされている。
6005 条件;DONE FR生成、すなわち、図24の条件4019が満たされている。
6006 6004および6005のいずれかが終了している。
6007 6006においてNoであれば、左輪対を移動する。
6008 6006においてNoであれば、右輪対を移動する。
6009 条件;DONE FL生成、すなわち、図23の条件3019が満たされている。
6010 条件;DONE FR生成、すなわち、図24の条件4019が満たされている。
6011 6009および6010のいずれかが終了しているか再度チェックする。Noであれば6002に戻る。Yesであれば6018に進む。
6012 6006においてYesであれば、左輪対を移動する。
6013 6006においてYesであれば、右輪対を移動する。
6014 条件;DONE RL生成、すなわち、図23の条件3038が満たされている。
6015 条件;DONE RR生成、すなわち、図24の条件4038が満たされている。
6016 6014および6015のいずれかが終了している。
6017 6016においてYesであれば、終了する。
6018 6016においてNoであれば、右輪対を移動する。
6019 6016においてNoであれば、左輪対を移動する。
6020 条件;DONE RL生成、すなわち、図23の条件3038が満たされている。
6021 条件;DONE RR生成、すなわち、図24の条件4038が満たされている。
6022 6020および6021のいずれかが終了している。
6023 6022においてYesであれば、終了する。
6024 6022においてNoであれば、左輪対を移動する。
6025 6022においてNoであれば、右輪対を移動する。
6026 条件;DONE RL生成、すなわち、図23の条件3038が満たされている。
6027 条件;DONE RR生成、すなわち、図24の条件4038が満たされている。
6028 6026および6027のいずれかが終了している。
6029 6028においてYesであれば、終了する。
6030 6028においてNoであれば、右輪対を移動する。
6031 6028においてNoであれば、左輪対を移動する。
6032 条件;DONE RL生成、すなわち、図23の条件3038が満たされている。
6033 条件;DONE RR生成、すなわち、図24の条件4038が満たされている。
6034 6032および6033のいずれかが終了している。
6035 6034においてYesであれば、終了する。
6036 6034においてNoであれば、6024に進む。
【0205】
当業者によって理解されるように、本発明は、デバイス、システム、または方法として具体化されてもよい。
【0206】
ここまで本発明を具体的な実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、これまでの説明以外の実施形態も、本発明の範囲内で同様に可能である。これまでに説明したものとは異なる方法ステップが、本発明の範囲内で提供される可能性がある。本発明の種々の特徴およびステップが、ここに説明したもの以外の組み合わせで組み合わせられる可能性がある。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の水平補償システムを有する車輌(100)であって、前記車輌は、
左フレーム(102)、右フレーム(103)、およびベースプレート(104)を有する車台(101)と、
前記左および右フレームを前記ベースプレートに旋回可能に接続するピボットジョイント(105)を備える第1の水平補償システムであって、それによって、前記左および右フレームは、共通輪転軸(106)を中心として互いに対して回転可能であり、前記左および右フレームは、前記輪転軸に垂直な方向に延びる、前記左および右フレームを前記ベースプレートに旋回可能に接続するピボットジョイント(105)を備える第1の水平補償システムと、
左前輪(107)および左後輪(108)を備える左輪対であって、前記左前輪および左後輪は左回転軸(109、110)を有し、前記左フレームの反対端に取り付けられている、左前輪(107)および左後輪(108)を備える左輪対と、
右前輪(111)および右後輪(112)を備える右輪対であって、前記右前輪および右後輪は右回転軸(113、114)を有し、前記右フレームの反対端に取り付けられている、右前輪(111)および右後輪(112)を備える右輪対と、
を備え、
前記左輪対および右輪対は互いに少なくとも1つのオフセット(119、120)を有するように、前記左輪対の左回転軸から前記輪転軸までの少なくとも1つの第1の軸方向距離(115、116)は、前記右輪対の右回転軸から前記輪転軸までの少なくとも1つの第2の軸方向距離(117、118)と異なる、複数の水平補償システムを有する車輌(100)。
【請求項2】
前記左前輪および左後輪の少なくとも一方を前記右前輪および右後輪の少なくとも一方に対して変位させるように配置された、少なくとも1つの車輪移動ユニット(121、122、123、124)を備える、請求項1に記載の車輌。
【請求項3】
左回転軸間の距離は、右回転軸間の距離と同じである、請求項1に記載の車輌。
【請求項4】
前記左右のフレームの少なくとも一方は、前記左前輪および左後輪の少なくとも一方を前記右前輪および右後輪の少なくとも一方に対して変位するために、少なくとも1つのロックユニット(1103、1104)と、前記左右のフレームの少なくとも一方と前記ベースプレートとの間に摺動運動をもたらすように配置された少なくとも1つの摺動可能部材(1101、1102)とを備え、前記少なくとも1つのロックユニットは、前記ベースプレートに対して前記左右のフレームの少なくとも一方の位置を固定するように配置される、請求項1に記載の車輌。
【請求項5】
オフセット値を提供するように適合されたフレーム制御ユニット(125)を備え、前記少なくとも1つの車輪移動ユニットは、左フレームアクチュエータ(121、122)および右フレームアクチュエータ(123、124)を備え、前記左右のフレームアクチュエータは、前記フレーム制御ユニットに接続され、前記左フレームアクチュエータは、前記左輪対の前記車輪の互いに対する変位によって、前記第1の軸方向距離の1つを調整するように配置され、前記右フレームアクチュエータは、前記右輪対の前記車輪の互いに対する変位によって、前記第2の軸方向距離の1つを調整するように配置され、前記変位は、前記オフセットを提供するための前記オフセット値に基づく、請求項2に記載の車輌。
【請求項6】
前記オフセット値は、車輌ユーザによって規定された複数の所定値に従って設定される、請求項5に記載の車輌。
【請求項7】
前記車輌は、前記フレーム制御ユニットに接続された輸送表面検出ユニット(126)と、前記フレーム制御ユニットに接続されたデータメモリ(137)とを備え、前記輸送表面検出ユニットは、車輌輸送表面の地形情報を提供するように適合され、前記オフセット値は、前記地形情報に基づいており、前記地形情報は、前記データメモリに記憶されている前記輸送表面の寸法データ要素を備える、請求項5に記載の車輌。
【請求項8】
前記表面検出ユニットは、通信リンク(127)を介して前記寸法データ要素を受信するように適合されたレシーバを備える、請求項7に記載の車輌。
【請求項9】
前記輸送表面検出ユニットは、写真センサ、および/もしくはRFIDセンサなどの電磁センサ、および/もしくは音響センサなどのセンサ、ならびに/またはレーザ測定ユニットなどの距離測定ユニットを備える、請求項7に記載の車輌。
【請求項10】
前記第1の水平補償システムは、前記輪転軸を中心として前記左右のフレームが回転すると、前記ベースプレートの輪転運動が抑制されるように配置されたベースプレート水平化ユニット(132)を備える、請求項1に記載の車輌。
【請求項11】
前記ベースプレート水平化ユニットは、前記左右のフレーム間の中心距離(201、205)で前記ベースプレートに旋回可能に接続された基部リンク機構(130)を備え、それによって、基部リンク機構は、前記輪転軸に垂直なピボット軸(131)を中心として前記ベースプレートに対して回転可能であり、前記基部リンク機構の端部は、前記左フレームに旋回可能に接続されるとともに前記右フレームに旋回可能に接続され、それによって、前記輪転軸を中心として前記左右のフレームが回転すると、前記左フレームは前記右フレームに対して第1の角度変位(202)を有し、前記ベースプレートは、前記左右のフレームの一方に対して第2の角度変位(203)を有し、前記第2の角度変位は、前記第1の角度変位よりも小さい、請求項10に記載の車輌。
【請求項12】
座席基礎(204)と、前記車輌の使用時に前記座席基礎の水平面を維持するために、空間の前記座席基礎の向きに合わせて配置された第2の水平補償システムとを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の車輌。
【請求項13】
前記第2の水平補償システムは、前記ベースプレートと前記座席基礎を接続する旋回可能な支持体(133)を備える、請求項12に記載の車輌。
【請求項14】
前記第2の水平補償システムは、水平化情報を支持体制御ユニット(134)に提供するように適合される水平検出ユニット(136)に接続された支持体制御ユニットを備え、前記第2の水平補償システムは、前記支持体制御ユニットに接続され、前記水平化情報に従って前記旋回可能な支持体を変位させるように配置された、少なくとも1つの支持体アクチュエータ(135、301)をさらに備える、請求項13に記載の車輌。
【請求項15】
変位された第1および第2のジョイント(302、303)において前記ベースプレートに旋回可能に取り付けられ、共通の第3のジョイント(304)において前記旋回可能な支持体に旋回可能に取り付けられた、第1および第2の支持体アクチュエータ(135、301)を備える、請求項14に記載の車輌。
【請求項16】
前記座席基礎は、座席アクチュエータ(305)に接続され、前記座席アクチュエータは、前記水平検出ユニットに接続され、前記座席基礎の水平面を維持するために前記水平化情報に従って前記座席基礎を変位させるように配置される、請求項12に記載の車輌。
【請求項17】
前記第2の水平補償システムは、前記旋回可能な支持体のいずれかの側で前記座席基礎と前記ベースプレートに旋回可能に接続された横支柱(904、905)を備え、前記横支柱は、上支柱ピボットジョイント(904、905)によって前記座席基礎に接続され、下支柱ピボットジョイント(906、907)によって前記ベースプレートに接続され、前記旋回可能な支持体は、下支持体ピボットジョイント(305)で前記ベースプレートに、また上支持体ピボットジョイント(304)で前記座席基礎に接続されており、前記上支柱ピボットジョイントおよび前記上支持体ピボットジョイントは、前記座席基礎において変位された配置(910、911)で配置され、それによって、前記横支柱は、前記旋回可能な支持体が変位されると、前記座席基礎の平面を維持するように配置される、請求項13に記載の車輌。
【請求項18】
請求項1に記載の車輌で階段(501)を横断する方法であって、前記階段は階段角度(504)で第1の方向(503)に横断する複数の踏み段(502)を有し、前記階段は前記第1の方向に平行でかつ踏み段端部(506)に垂直な傾斜軸(505)を有し、前記車輌は座席基礎(204)に隣接する頂点(507)を有し、左右の車輪クラスタは左右のフレーム(102、103)に接続された車輪(107、108、111、112)を有し、前記左右のフレームは互いに対して回転可能であり、
踏み段寸法(508、509)に基づいて前記車輌の少なくとも1つの車輪の車輪オフセット(119、120)を調整するステップと、
前記左右のフレームの交互輪転運動を備える第1の水平補償システムの第1の水平補償を適用することによって、前記横断中に前記傾斜軸に沿って前記頂点を維持するステップと、
を備える、請求項1に記載の車輌で階段(501)を横断する方法。
【請求項19】
前記横断中に前記傾斜軸に沿って前記頂点を維持するステップは、前記左右のフレームを前記座席基礎と結合する旋回可能な支持体(133)を変位させるステップを備える第2の水平補償システムの第2の水平補償を適用するステップを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記階段を横断するときに前記車輪オフセットを連続的に調整するステップを備える、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記車輪オフセットを調整するステップは、
前記左輪クラスタの車輪間の距離を調整するステップと、および/または前記右輪クラスタの車輪間の距離を調整するステップと、
を備える、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記車輪の残りの少なくとも1つが前記階段を横断するのと同時に前記車輪の少なくとも1つを制動するステップを備える、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記車輪の残りの少なくとも1つが前記階段を横断するのと同時に3つの車輪が制動される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記車輪の残りの少なくとも1つが前記階段を横断するのと同時に2つの車輪が制動される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの制動された車輪と前記階段を横断する少なくとも1つの車輪との距離が調整され、それによって、制動と横断がそれぞれの車輪によって同時に実現される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記車輪間の距離を車輪アクチュエータによって調整するステップを備える、請求項18〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記車輪間の距離を調整するステップは、前記車輪の各々に対する関連アクチュエータによって個々の位置で各車輪を位置決めするステップを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記左右のフレームの少なくとも一方は、前記車輪アクチュエータによって伸縮され、それによって、前記左輪クラスタの車輪間の距離を調整し、かつ/または前記右輪クラスタの車輪間の距離を調整する、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記車輪を種々の速度で駆動し、それによって、前記左フレームを伸縮させることによって前記左輪クラスタの車輪間の距離を調整し、かつ/または前記右フレームを伸縮させることによって前記右輪クラスタの車輪間の距離を調整するステップを備える、請求項18〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記車輪が前記階段において所望の距離を横断し終わるまで、前記階段において制動と横断の間で前記車輪の交互作用を実施するステップを備える、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記交互作用を実施するステップは、
前記車輪の残りの少なくとも1つが前記階段の第1の距離を横断し終わるまで、前記車輪の少なくとも1つを第1の位置で制動するステップと、
前記第1の位置にある前記少なくとも1つの車輪が前記第1の位置から前記階段の第2の距離を横断し終わるまで、前記第1の距離を横断し終わった前記少なくとも1つの車輪を第2の位置で制動するステップと、
を備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記交互作用中に、前記少なくとも1つの制動された車輪と前記階段を横断する前記少なくとも1つの車輪との距離が調整され、それによって、制動と横断がそれぞれの車輪によって同時に実現される、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記車輌は、前記車輌のペイロード中心にペイロードを有し、前記方法は、前記少なくとも1つの制動された車輪に対して前記ペイロード中心の位置をシフトするステップを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記ペイロード中心は、前記車輪アクチュエータによってシフトされる、請求項26および33に記載の方法。
【請求項35】
前記ペイロード中心は、前記少なくとも1つの制動された車輪と前記階段を横断する前記少なくとも1つの車輪との距離の変化に応じてシフトされる、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
第1の横断移動において少なくとも1つの車輪で前記階段の第1の距離を横断するステップと、第1のペイロード中心移動において前記ペイロード中心を前記第1の距離のほんの一部だけシフトするステップを備える、請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の横断移動および前記第1のペイロード中心移動は同時に実施され、かつ/または前記第1の横断移動および前記第1のペイロード中心移動は実質的に同じ方向である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の横断移動は、前記左右のフレームの少なくとも一方を伸縮することによって実施され、前記ペイロード中心と各車輪との距離は、前記第1のペイロード中心移動をもたらすために、前記関連車輪アクチュエータによって調整される、請求項27および36に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の横断移動中に制動されている少なくとも1つの車輪によって第2の距離だけ第2の横断移動をするステップと、
第2のペイロード中心移動において前記第2の距離のある比率で前記ペイロード中心をシフトするステップと、
前記車輪が前記階段の所望の距離を横断し終わるまで前記第1および第2の横断移動を繰り返すステップと、
を備える、請求項36〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
車輌は4つの車輪を備え、前記比率は、前記第1の距離の1/3であるか、前記比率は前記第1の距離の1/4である、請求項36〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記車輌の中心重量ポイントを調整するためにオフセット値を用いて前記ペイロード中心の位置をシフトするステップを備える、請求項33〜40のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a.6】
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【図5b】
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【図5c】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図15d】
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【図15e】
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【図15f】
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【図15g】
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【図15h】
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【図15i】
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【図15j】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a−22c】
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【図22d−22f】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2013−519588(P2013−519588A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553322(P2012−553322)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052370
【国際公開番号】WO2011/101422
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512212793)ズームアビリティー アーベー (1)
【Fターム(参考)】