説明

治療剤

本発明は、式Iで示される化合物、および、このような化合物の製造方法、肥満症、精神障害および神経障害の治療におけるそれらの使用、それらの治療用途に関する方法、および、それらをを含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、式Iで示される所定のチオアミド化合物、このような化合物の製造方法、肥満症、精神障害および神経障害の治療におけるそれらの使用、それらの治療用途に関する方法、および、それらをを含む医薬組成物に関する。
【0002】
発明の背景
所定のCB調節因子(アンタゴニストまたはインバースアゴニストとして知られている)が、肥満症、精神障害および神経障害の治療において有用であることがわかっている(WO01/70700、および、EP656354)。しかしながら、改善された物理化学的な特性、および/または、DMPK特性、および/または、薬力学的な特性を有するCB調節因子への必要性がある。
【0003】
発明の記述
本発明は、式(I):
【0004】
【化1】

【0005】
で示される化合物(それらの製薬上許容できる塩を含む)に関し、式中、HETは、
a)式Aで示される基
【0006】
【化2】

【0007】
b)式Bで示される基
【0008】
【化3】

【0009】
c)式Cで示される基
【0010】
【化4】

【0011】
d)式Dで示される基
【0012】
【化5】

【0013】
e)式Eで示される基
【0014】
【化6】

【0015】
f)式Fで示される基
【0016】
【化7】

【0017】
または、g)式Gで示される基
【0018】
【化8】

【0019】
を示し、
式中、
は、a)C1〜10アルコキシ基(ここで該アルコキシ基は、任意に、1個またはそれより多くのフルオロで置換されていてもよい)、b)式フェニル(CHO−で示される基(式中、pは、1、2または3であり、該フェニル環は、任意に、Zで示される1、2または3個の基で置換されていてもよい)、c)基RS(O)O(式中、Rは、C1〜10アルキル基を示し、該アルキル基は、任意に、1個またはそれより多くのフルオロで置換されていてもよい)、または、d)ハロ、または、e)C1〜4アルキル基を示す;
mは、0、1、2または3であり;
は、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、または、ハロを示し、
nは、0、1、2または3であり;
は、a)シクロヘキシル(ここで該シクロヘキシルは、任意に、以下のうち1個またはそれより多くで置換されていてもよい:ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ)、b)ピペリジノ(ここで該ピペリジノは、任意に、1個またはそれより多くのヒドロキシで置換されていてもよい)、c)フェニル(ここで該フェニルは、任意に、以下のうち1個またはそれより多くで置換されていてもよい:ヒドロキシ、ハロ、または、C1〜4アルキル基)、d)ピリジル(ここで該ピリジルは、任意に、C1〜4アルキル基で置換されていてもよい)、または、e)C4〜9アルキル基を示す;および、
は、H、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、または、C1〜6アルコキシC1〜6アルキレン基を示し、該基は、最大6個の炭素原子を含み、それぞれの基は、任意に、ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、モノC1〜4アルキルアミノ、ジC1〜4アルキルアミノ、または、シアノのうち1個またはそれより多くで置換されていてもよい。
【0020】
式Iで示される化合物の第一の群において、HETは、式Aで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0021】
式Iで示される化合物の第二の群において、HETは、式Bで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0022】
式Iで示される化合物の第三の群において、HETは、式Cで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0023】
式Iで示される化合物の第四の群において、HETは、式Dで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0024】
式Iで示される化合物の第五の群において、HETは、式Eで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0025】
式Iで示される化合物の第六の群において、HETは、式Fで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0026】
式Iで示される化合物の第七の群において、HETは、式Gで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは上記で定義した通りである。
【0027】
当然ながら、mが2または3の場合、基Rは、独立して、同一、または異なって選択され、同様に、nが2または3の場合、基Rは、独立して、同一、または異なって選択される。
【0028】
が、基RS(O)Oを示す場合の適切な基(式中Rは、C1〜6アルキル基(ここで該アルキル基は、任意に、1個またはそれより多くのフルオロで置換されていてもよい)を示す)としては、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、n−ブチルスルホニルオキシ、3−メチルブタン−1−スルホニルオキシ、3,3−ジメチルブタン−1−スルホニルオキシ、フルオロメチルスルホニルオキシ、ジフルオロメチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、モノ、ジまたはトリ(フルオロエチル)スルホニルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルオキシ、または、4,4,4−トリフルオロブチル−1−スルホニルオキシが挙げられる。
【0029】
が、C1〜6アルコキシ基(ここで該アルコキシ基は、任意に、1個またはそれより多くのフルオロで置換されていてもよい)を示す場合の適切な基としては、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、フルオロメトキシ、3− フルオロプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、5,5,5,−トリフルオロペンチルオキシ、および、6,6,6−トリフルオロヘキシルオキシが挙げられる。
【0030】
適切には、Rは、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、クロロ、または、フルオロを示す。
【0031】
適切には、Rは、ピペリジノを示し、ここで該ピペリジノは、任意に、1個またはそれより多くのヒドロキシで置換されていてもよく、または、Rは、以下のうち1個またはそれより多くで置換されたシクロヘキシルを示す:ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、カルボキシ、または、C1〜4アルコキシカルボニル基;例えば2−ヒドロキシシクロヘキシル、3−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、2−アミノシクロヘキシル、3−アミノシクロヘキシル、2−ジメチルアミノシクロヘキシル、3−ジメチルアミノシクロヘキシル、または、4,4−ジフルオロシクロヘキシル。ある化合物群において、このような置換基は、2位または3位に存在する。その他の化合物群において、シクロヘキシル環における置換基は、アミドの窒素に関してシスコンフォメーションの形態である。その他の化合物群において、シクロヘキシル環における置換基は、アミドの窒素に関してトランスコンフォメーションの形態である。
【0032】
適切には、Rは、H、シアノまたはメチルを示す。
【0033】
本発明の具体的な化合物としては、以下の化合物の1種またはそれより多く、および、それらの製薬上許容できる塩が挙げられる:
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ジメチルアミノシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−5−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[3−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−チアゾール−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(3−アミノ−シクロヘキシル)−アミド、
6−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボチオ酸(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボチオ酸(3−アミノ−シクロヘキシル)−アミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−6−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボチオ酸(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−アミド。
【0034】
「製薬上許容できる塩」には、このような塩が存在しうる場合、製薬上許容できる酸と塩基付加塩の両方が含まれる。式Iで示される化合物の適切な製薬上許容できる塩は、例えば、十分な塩基性を有する式Iで示される化合物の酸付加塩であり、例えば、無機酸または有機酸との酸付加塩であり、または、式Iで示される化合物の塩基付加塩であり、例えば、無機塩基(例えば、金属水酸化物)または有機塩基(例えば、アミン)との十分な酸性を有する式Iで示される化合物の塩基付加塩である。
【0035】
本明細書および添付の請求項の全体にわたって、示された化学式または名称は、それらの異性体およびエナンチオマーが存在するのであれば、それらの全ての立体および光学異性体、ならびにラセミ化合物、加えて、別々のエナンチオマーの異なる比率の混合物、加えて、それらの製薬上許容できる塩、および、それらの溶媒化合物、例えば水和物を包含するものとする。異性体は、従来技術を用いて分離してもよく、例えばクロマトグラフィー、または、分別結晶法を用いて分離してもよい。エナンチオマーは、ラセミ化合物を、例えば分別結晶法、分離またはHPLCで分離することによって単離してもよい。ジアステレオ異性体は、異性体の混合物を、例えば分別結晶法、HPLC、または、フラッシュクロマトグラフィーで分離することによって単離してもよい。あるいは、立体異性体は、ラセミ化またはエピマー化を引き起こさないと予想される条件下で、キラルの出発原料からキラル合成すること、または、キラル試薬を用いた誘導体化によって製造してもよい。あらゆる立体異性体が本発明の範囲に含まれる。あらゆる互変異性体が、存在する可能性がある場合、本発明の範囲に含まれる。本発明はまた、1種またはそれより多くの同位体(例えば14C、11Cまたは19F)を含む化合物、および、薬理学的および代謝に関する研究のための同位体標識された化合物としてのそれらの使用も包含する。
【0036】
本発明はまた、インビボで式Iで示される化合物に変換される化合物である、式Iで示される化合物のプロドラッグも包含する。
【0037】
以下の定義は、本明細書および添付の請求項の全体にわたって適用されるものとする。
【0038】
特に他の規定または指定がない限り、用語「アルキル」は、直鎖状、または、分岐状のアルキル基のいずれかを意味する。前記アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、および、t−ブチルが挙げられる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、および、第三ブチルである。
【0039】
特に他の規定または指定がない限り、用語「アルコキシ」は、基O−アルキル(ここで該アルキルは、上記で定義された通りである)を意味する。
【0040】
特に他の規定または指定がない限り、用語「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、または、ヨウ素を意味するものとする。
【0041】
医薬製剤
本発明の化合物は、一般的には、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下投与されるか、または、その他の注射可能な方法で、口腔内、直腸、経膣、経皮、および/または、経鼻で投与されるか、および/または、活性成分または製薬上許容できる付加塩を含む医薬製剤の形態で、製薬上許容できる剤形で吸入法で投与される。治療しようとする障害および患者、ならびに投与経路に応じて、本組成物は、様々な用量で投与が可能である。
【0042】
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の適切な1日用量は、約0.001〜10mg/kg体重、好ましくは0.01〜1mg/kg体重である。
【0043】
好ましいくは、経口製剤、具体的には、錠剤またはカプセルでの経口製剤であり、これらは、当業者既知の方法によって、活性化合物が、0.5mg〜500mgの範囲の用量で、例えば1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、および、250mgの用量で提供されるように製剤化してもよい。
【0044】
本発明のさらなる形態によれば、本発明の化合物、または、製薬上許容できるそれらの誘導体のいずれかを、製薬上許容できるアジュバント、希釈剤、および/または、キャリアーと混合して含む医薬製剤も提供される。
【0045】
薬理学的な特性
式(I)で示される化合物は、肥満症または過体重になること(例えば、体重の減少の促進、および、体重の減少の維持)、体重増加の予防(例えば、薬物誘発性、または、禁煙後)、食欲および/または満腹を調節するため、摂食障害(例えば、過食症、食欲低下、過食症、および、強迫性)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、あらゆる食欲をそそる主要栄養素食品、または、必須ではない食料品に対する)、精神障害、例えば精神病性および/または気分障害の治療のため、統合失調症、および、統合失調感情障害、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、躁病、強迫性障害、衝動調節障害(例えば、ジルドラトゥーレット症状群)、注意欠陥障害、例えばADD/ADHD、ストレス、および、神経障害、例えば認知症、および、認知および/または記憶障害(例えば、健忘症、アルツハイマー病、ピック病(若年認知症)、老年期認知症、脳血管性認知症、軽度認知機能障害、加齢に関連した認知力低下、および、老年期の軽度認知症)、神経性および/または神経変性障害(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病)、脱髄に関連する障害、神経炎症性疾患(例えば、ギラン‐バレー症候群)の治療に有用である。
【0046】
また本化合物は、依存症および嗜癖障害および行為(例えば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博、病的盗癖)、薬物離脱に伴う障害(例えば、知覚障害を伴う、またはそれらを伴わないアルコール離脱;アルコール離脱譫妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴う、またはそれらを伴わない鎮静剤、催眠薬、または、抗不安薬の離脱;鎮静剤、催眠薬、または、抗不安薬の離脱譫妄;および、その他の物質による禁断症状)、離脱中に発症するアルコールおよび/または薬物誘発性の気分、不安および/または睡眠障害、および、アルコールおよび/または薬物中毒の再発の予防または治療に有用である可能性もある。
【0047】
本化合物はまた、神経障害、例えば異緊張症、ジスキネジア、静座不能、震えおよび痙縮の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパシー、片頭痛、覚醒障害、睡眠障害(例えば、障害のある睡眠の構成、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭部外傷の治療にも有用である可能性がある。
【0048】
本化合物はまた、免疫、心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、異常な心拍リズム、および、不整脈、うっ血性心不全、冠動脈疾患、心疾患、高血圧の治療、左室肥大、心筋梗塞、一過性虚血発作、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、卒中、脳卒中、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝性疾患(例えば、減少した代謝活性、または、安静時エネルギー消費量の減少(脂肪以外の総質量のパーセンテージとして)を示す状態、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、障害のある空腹時血糖、インスリン耐性、インスリン抵抗性症候群、代謝症候群、シンドロームX、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低いHDLLDLコレステロール値、および/または、高いLDLコレステロール値、低アディポネクチン値)、生殖および内分泌障害(例えば、男性における性機能低下症の治療、不妊症の治療、または、避妊薬として、月経不順/月経異常、多嚢胞卵巣、女性および男性における性的および生殖の機能不全(勃起機能障害)、GH欠乏の被検体、男性における多毛症、正常変異の低身長症)、および、呼吸器に関連する病気(例えば、喘息、および、慢性閉塞性肺疾患)、および、胃腸系に関連する病気(例えば、胃腸運動または腸の蠕動の機能不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満症に関連した胃食道逆流、潰瘍)の予防および治療にも有用である可能性がある。
【0049】
また本化合物は、皮膚疾患、癌(例えば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頚、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリー症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路疾患、および、炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、ウイルス脳炎の炎症性続発症、変形性関節症)、および、整形外科疾患の治療における物質として有用な可能性がある。また本化合物は、(食道)無弛緩症の治療における物質として有用な可能性がある。
【0050】
その他の形態において、本発明は、医薬品として使用するための、上記で定義したような式Iで示される化合物を提供する。
【0051】
さらなる形態において、本発明は、肥満症または過体重になること(例えば、体重の減少の促進、および、体重の減少の維持)、体重増加の予防(例えば、薬物誘発性、または、禁煙後)、食欲および/または満腹を調節するため、摂食障害(例えば、過食症、食欲低下、過食症、および、強迫性)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、あらゆる食欲をそそる主要栄養素食品、または、必須ではない食料品に対する)、精神障害、例えば精神病性および/または気分障害の治療のため、統合失調症、および、統合失調感情障害、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、躁病、強迫性障害、衝動調節障害(例えば、ジルドラトゥーレット症状群)、注意欠陥障害、例えばADD/ADHD、ストレス、および、神経障害、例えば認知症、および、認知および/または記憶障害(例えば、健忘症、アルツハイマー病、ピック病(若年認知症)、老年期認知症、脳血管性認知症、軽度認知機能障害、加齢に関連した認知力低下、および、老年期の軽度認知症)、神経性および/または神経変性障害(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病)、脱髄に関連する障害、神経炎症性疾患(例えば、ギラン‐バレー症候群)を治療または予防するための、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0052】
さらなる形態において、本発明は、依存症および嗜癖障害および行為(例えば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博、病的盗癖)、薬物離脱に伴う障害(例えば、知覚障害を伴う、またはそれらを伴わないアルコール離脱;アルコール離脱譫妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴う、またはそれらを伴わない鎮静剤、催眠薬、または、抗不安薬の離脱;鎮静剤、催眠薬、または、抗不安薬の離脱譫妄;および、その他の物質による禁断症状)、離脱中に発症するアルコールおよび/または薬物誘発性の気分、不安および/または睡眠障害、および、アルコールおよび/または薬物中毒の再発を治療または予防するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0053】
さらなる形態において、本発明は、神経障害、例えば異緊張症、ジスキネジア、静座不能、震えおよび痙縮の治療または予防、脊髄損傷、ニューロパシー、片頭痛、覚醒障害、睡眠障害(例えば、障害のある睡眠の構成、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭部外傷の治療のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0054】
さらなる形態において、本発明は、免疫、心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、異常な心拍リズム、および、不整脈、うっ血性心不全、冠動脈疾患、心疾患、高血圧の治療または予防、左室肥大、心筋梗塞、一過性虚血発作、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、卒中、脳卒中、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝性疾患(例えば、減少した代謝活性、または、安静時エネルギー消費量の減少(脂肪以外の総質量のパーセンテージとして)を示す状態、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、障害のある空腹時血糖、インスリン耐性、インスリン抵抗性症候群、代謝症候群、シンドロームX、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低いHDLLDLコレステロール値、および/または、高いLDLコレステロール値、低アディポネクチン値)、生殖および内分泌障害(例えば、男性における性機能低下症の治療、不妊症の治療、または、避妊薬として、月経不順/月経異常、多嚢胞卵巣、女性および男性における性的および生殖の機能不全(勃起機能障害)、GH欠乏の被検体、男性における多毛症、正常変異の低身長症)、および、呼吸器に関連する病気(例えば、喘息、および、慢性閉塞性肺疾患)、および、胃腸系に関連する病気(例えば、胃腸運動または腸の蠕動の機能不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満症に関連した胃食道逆流、潰瘍)の予防および治療のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0055】
さらなる形態において、本発明は、皮膚疾患、癌(例えば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頚、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリー症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路疾患、および、炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、ウイルス脳炎の炎症性続発症、変形性関節症)、および、整形外科疾患を治療または予防するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0056】
さらなる形態において、本発明は、肥満症または過体重になること(例えば、体重の減少の促進、および、体重の減少の維持)、体重増加の予防(例えば、薬物誘発性、または、禁煙後)、食欲および/または満腹を調節するため、摂食障害(例えば、過食症、食欲低下、過食症、および、強迫性)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、あらゆる食欲をそそる主要栄養素食品、または、必須ではない食料品に対する)、精神障害、例えば精神病性および/または気分障害の治療のため、統合失調症、および、統合失調感情障害、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、躁病、強迫性障害、衝動調節障害(例えば、ジルドラトゥーレット症状群)、注意欠陥障害、例えばADD/ADHD、ストレス、および、神経障害、例えば認知症、および、認知および/または記憶障害(例えば、健忘症、アルツハイマー病、ピック病(若年認知症)、老年期認知症、脳血管性認知症、軽度認知機能障害、加齢に関連した認知力低下、および、老年期の軽度認知症)、神経性および/または神経変性障害(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病)、脱髄に関連する障害、神経炎症性疾患(例えば、ギラン‐バレー症候群)の予防または治療のための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む。
【0057】
さらなる形態において、本発明は、依存症および嗜癖障害および行為(例えば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博、病的盗癖)、薬物離脱に伴う障害(例えば、知覚障害を伴う、またはそれらを伴わないアルコール離脱;アルコール離脱譫妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴う、またはそれらを伴わない鎮静剤、催眠薬、または、抗不安薬の離脱;鎮静剤、催眠薬、または、抗不安薬の離脱譫妄;および、その他の物質による禁断症状)、アルコールおよび/または薬物誘発性の気分、離脱中に発症する不安および/または睡眠障害、および、アルコールおよび/または薬物中毒の再発を予防または治療するための方法を提供し、本方法は、それを必要とする患者に、薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む。
【0058】
さらなる形態において、本発明は、神経障害、例えば異緊張症、ジスキネジア、静座不能、震えおよび痙縮の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパシー、片頭痛、覚醒障害、睡眠障害(例えば、障害のある睡眠の構成、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭部外傷の治療のために、それを必要とする患者に、薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0059】
さらなる形態において、本発明は、免疫、心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、異常な心拍リズム、および、不整脈、うっ血性心不全、冠動脈疾患、心疾患、高血圧の予防または治療、左室肥大、心筋梗塞、一過性虚血発作、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、卒中、脳卒中、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝性疾患(例えば、減少した代謝活性、または、安静時エネルギー消費量の減少(脂肪以外の総質量のパーセンテージとして)を示す状態、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、障害のある空腹時血糖、インスリン耐性、インスリン抵抗性症候群、代謝症候群、シンドロームX、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低いHDLLDLコレステロール値、および/または、高いLDLコレステロール値、低アディポネクチン値)、生殖および内分泌障害(例えば、男性における性機能低下症の治療、不妊症の治療、または、避妊薬として、月経不順/月経異常、多嚢胞卵巣、女性および男性における性的および生殖の機能不全(勃起機能障害)、GH欠乏の被検体、男性における多毛症、正常変異の低身長症)、および、呼吸器に関連する病気(例えば、喘息、および、慢性閉塞性肺疾患)、および、胃腸系に関連する病気(例えば、胃腸運動または腸の蠕動の機能不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満症に関連した胃食道逆流、潰瘍)の予防および治療のための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む。
【0060】
さらなる形態において、本発明は、皮膚疾患、癌(例えば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頚、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリー症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路疾患、および、炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、ウイルス脳炎の炎症性続発症、変形性関節症)、および、整形外科疾患の予防または治療のための方法を提供し、本方法は、それを必要とする患者に、薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む。
【0061】
本発明の化合物は、肥満症または過体重になること(例えば、体重の減少の促進、および、体重の減少の維持)、予防、または、体重増加の逆戻り(例えば、リバウンド、薬物誘発性、または、禁煙後)、食欲および/または満腹を調節するため、摂食障害(例えば、過食症、食欲低下、過食症、および、強迫性)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、あらゆる食欲をそそる主要栄養素食品、または、必須ではない食料品に対する)の治療に特に適している。
【0062】
式(I)で示される化合物は、肥満症、精神障害、例えば精神病性の障害、統合失調症、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識障害、記憶障害、強迫性障害、食欲低下、過食症、注意欠陥障害、例えばADHD、てんかん、ならびに関連する状態および神経障害、例えば認知症、神経障害(例えば、多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病の治療に有用である。本化合物はまた、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症性ショック、および、呼吸器系および胃腸系に関連する病気(例えば、下痢)の治療にも有用である可能性がある。また本化合物は、長期にわたる乱用、嗜癖および/または再発の兆候の治療、例えば薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)依存性の治療、および/または、薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)禁断症状の治療における物質として有用な可能性がある。また本化合物は、一般的には禁煙に伴う体重の増加を起こさせない可能性もある。
【0063】
その他の形態において、本発明は、医薬品として使用するための、上記で定義したような式Iで示される化合物を提供する。
【0064】
さらなる形態において、本発明は、肥満症、精神障害、例えば精神病性の障害、統合失調症、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識障害、記憶障害、強迫性障害、食欲低下、過食症、注意欠陥障害、例えばADHD、てんかん、および関連する状態、神経障害、例えば認知症、神経障害(例えば、多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症性ショック、呼吸器系および胃腸系に関連する病気(例えば、下痢)、および、長期にわたる乱用、嗜癖および/または再発の兆候、例えば薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)依存性の治療、および/または、薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)禁断症状の治療を治療または予防するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用を提供する。
【0065】
さらなる形態において、本発明は、肥満症、精神障害、例えば精神病性の障害、例えば統合失調症、および、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識障害、記憶障害、強迫性障害、食欲低下、過食症、注意欠陥障害、例えばADHD、てんかん、および関連する状態、神経障害、例えば認知症、神経障害(例えば、多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症性ショック、呼吸器系および胃腸系に関連する病気(例えば、下痢)、および、長期にわたる乱用、嗜癖および/または再発の兆候の治療方法、例えば薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)依存性の治療、および/または、薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)禁断症状の治療のための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む。
【0066】
本発明の化合物は、例えば食欲および体重を減少させること、減少した体重を維持すること、および、リバウンドを予防することによって、肥満症を治療することに特に適している。
【0067】
また本発明の化合物は、薬物誘発性の体重増加、例えば、抗精神病薬(神経弛緩剤)治療によって引き起こされる体重増加を予防するか、または、元に戻すために用いてもよい。また本発明の化合物は、禁煙に伴う体重増加を予防するか、または、元に戻すために用いてもよい。
【0068】
また本発明の化合物は、骨量および骨量減少の調節に使用するのに適している可能性があるため、骨粗鬆症およびその他の骨疾患の治療において有用である可能性がある。
【0069】
併用療法
本発明の化合物は、エネルギー消費、解糖、糖新生、糖分解(glucogenolysis)、脂肪分解、脂質生成、脂肪吸収、脂肪の貯蔵、脂肪の排出、空腹および/または満腹、および/または、欲求のメカニズム、食欲/動機付け、食物摂取、または、胃腸運動に影響を与える肥満症の治療において有用なその他の治療剤、例えばその他の抗肥満薬と併用してもよい。
【0070】
本発明の化合物は、さらに、肥満症に伴う障害、例えば高血圧、高脂血症、脂質異常症、糖尿病、睡眠時無呼吸、喘息、心臓疾患、アテローム性動脈硬化症、大血管および微小血管の疾患、肝臓の脂肪変性、癌、関節疾患、および、胆嚢疾患の治療において有用なその他の治療剤と併用してもよい。例えば、本発明の化合物は、血圧を下げる、または、LDL:HDLの比率を減少させるその他の治療剤、または、循環するLDL−コレステロールレベルを減少させる物質と併用してもよい。糖尿病に罹った患者において、本発明の化合物また、細小血管障害に関する合併症を治療するために用いられる治療剤と併用してもよい。
【0071】
本発明の化合物は、肥満症、および、それに伴う合併症、代謝症候群、および、2型糖尿病を治療するためのその他の治療剤と共に用いてもよく、このような治療剤としては、ビグアニド薬、インスリン(合成インスリン類似体)、および、経口血糖降下剤(これらは、食後血糖調節薬、および、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤に分類される)が挙げられる。
【0072】
本発明のその他の形態において、式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩は、PPAR調節剤と共に投与してもよい。PPAR調節剤としては、これらに限定されないが、PPARアルファおよび/またはガンマアゴニスト、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグが挙げられる。適切なPPARアルファおよび/またはガンマアゴニスト、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグは当業界周知である。
【0073】
加えて、本発明の併用療法において、スルホニル尿素と併用してもよい。本発明はまた、本発明の化合物と、コレステロール降下剤との併用も含む。本願において述べられるコレステロール降下剤としては、これらに限定されないが、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ)が挙げられる。適切には、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、スタチンである。
【0074】
本願において、用語「コレステロール降下剤」には、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の化学修飾物質、例えばエステル、プロドラッグ、および、代謝産物が含まれ、これらは活性でもよいし、または、不活性でもよい。
【0075】
本発明はまた、本発明の化合物と、回腸胆汁酸輸送系の阻害剤(IBAT阻害剤)との併用も含む。本発明はまた、本発明の化合物と、胆汁酸結合樹脂との併用も含む。
【0076】
本発明はまた、本発明の化合物と、胆汁酸金属イオン封鎖剤、例えばコレスチポール、または、コレスチラミン、または、コレスタゲル(cholestagel)との併用も含む。
【0077】
本発明の追加のさらなる形態によれば、任意に製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に、有効量の式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩を、任意に製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に、1種またはそれより多くの以下から選択される物質、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグと同時に、連続的に、または別々に、このような治療的処置が必要な温血動物(例えばヒト)に投与することを含む併用療法が提供される:
CETP(コレステリルエステル輸送タンパク質)阻害剤;
コレステロール吸収アンタゴニスト;
MTP(ミクロソーム輸送タンパク質)阻害剤;
ニコチン酸誘導体、例えば、遅延放出剤および組み合わせ製品;
フィトステロール化合物;
プロブコール;
抗凝血薬;
オメガ−3脂肪酸;
その他の抗肥満化合物、例えばシブトラミン、フェンテルミン、オーリスタット、ブプロピオン、エフェドリン、チロキシン;
抗高血圧化合物、例えばアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン遮断薬、アルファアドレナリン遮断薬、ベータアドレナリン遮断薬、混合型アルファ/ベータアドレナリン遮断薬、アドレナリン作動薬、カルシウムチャンネル遮断薬、AT−1遮断薬、塩排泄利尿薬、利尿薬、または、血管拡張剤;
メラニン凝集ホルモン(MCH)調節因子;
NPY受容体調節因子;
オレキシン受容体調節因子;
ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ(PDK)調節因子;または、
核内受容体の調節因子、例えばLXR、FXR、RXR、GR、ERRα、β、PPARα、β、γ、および、RORアルファ;
モノアミン伝達の調節剤、例えば選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(NARI)、ノルアドレナリン−セロトニン再取り込み阻害剤(SNRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、三環系抗うつ薬(TCA)、ノルアドレナリン作動薬、および、特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA);
抗精神病薬、例えばオランザピン、および、クロザピン;
セロトニン受容体調節因子;
レプチン/レプチン受容体調節因子;
グレリン/グレリン受容体調節因子;
DPP−IV阻害剤。
【0078】
本発明の追加のさらなる形態によれば、有効量の式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩を、任意に製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に、超低カロリー食(VLCD)、または、低カロリー食(LCD)と同時に、連続的に、または別々に投与することを含む併用療法が提供される。
【0079】
それゆえに、本発明の追加の特徴において、このような治療が必要な温血動物(例えばヒト)における肥満症、および、それに伴う合併症の治療方法が提供され、本方法は、前記動物に、有効量の式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩を、この併用療法の章で説明されているその他の化合物クラスのいずれか1種からの化合物、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグの有効量と、同時投与、連続投与または別々に投与することを含む。
【0080】
それゆえに、本発明の追加の特徴において、高脂血症の状態の治療が必要な温血動物(例えばヒト)における、高脂血症の状態の治療方法が提供され、本方法は、前記動物に、有効量の式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩を、この併用療法の章で説明されているその他の化合物クラスのいずれか1種からの化合物、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグの有効量と、同時投与、連続投与または別々に投与することを含む。
【0081】
本発明のさらなる形態によれば、式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩、および、この併用療法の章で説明されているその他の化合物クラスのいずれか1種からの化合物、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグを、製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に含む医薬組成物が提供される。
【0082】
本発明のさらなる形態によれば、キットが提供され、本キットは、式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩、および、この併用療法の章で説明されているその他の化合物クラスのいずれか1種からの化合物、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグを含む。
【0083】
本発明のさらなる形態によれば、キットが提供され、本キットは:
a)第一の1回投与量に、式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩;
b)第二の1回投与量に、この併用療法の章で説明されているその他の化合物クラスのいずれか1種からの化合物、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグ;および、
c)前記第一および第二の剤形を包含させるための容器手段、
を含む。
【0084】
本発明のさらなる形態によれば、キットが提供され、本キットは:
a)第一の1回投与量に、製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に、式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩;
b)第二の1回投与量に、この併用療法の章で説明されているその他の化合物クラスのいずれか1種からの化合物、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグ;および、
c)前記第一および第二の剤形を包含させるための容器手段、
を含む。
【0085】
本発明のその他の特徴によれば、温血動物(例えばヒト)における肥満症、およびそれに伴う合併症の治療に使用するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩、および、この併用療法の章で説明されているその他の化合物の1種、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグの使用が提供される。
【0086】
本発明のその他の特徴によれば、温血動物(例えばヒト)における高脂血症の状態の治療に使用するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩、および、この併用療法の章で説明されているその他の化合物の1種、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグの使用が提供される。
【0087】
本発明のさらなる形態によれば、任意に製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に、有効量の式Iで示される化合物またはそれらの製薬上許容できる塩を、任意に製薬上許容できる希釈剤またはキャリアーと共に、この併用療法の章で説明されているその他の化合物の1種、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物、このような塩の溶媒化合物、または、それらのプロドラッグの有効量と同時に、連続的に、または別々に、このような治療的処置が必要な温血動物(例えばヒト)に投与することを含む併用療法が提供される。
【0088】
さらに本発明の化合物は、肥満症(例えば、II型糖尿病、代謝症候群、異常脂質血症、耐糖能異常、高血圧、冠動脈心疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、変形性関節症、および、ある種の癌)、および、精神医学的および神経学的状態に関連する障害または状態の治療において有用な治療剤と併用してもよい。
【0089】
当然ながら、肥満症、および、過体重になることについて医学上容認された定義がある。患者は、例えば肥満指数(BMI)を測定することによって見極められる場合があり、この肥満指数は、体重(キログラム)を、身長(メートル)の二乗で割り、結果と定義とを比較することによって計算される。
【0090】
薬理活性
本発明の化合物は、CB1遺伝子の受容体産物に対して活性である。本発明の化合物の中枢のカンナビノイド受容体に関する親和性は、Devane等,MolecularPharmacology,1988,34,605で説明されている方法、または、WO01/70700もしくはEP656354で説明されている方法で証明可能である。あるいは、このような分析は以下のように行ってもよい。
【0091】
CB1遺伝子で安定してトランスフェクションされた細胞から調製した膜10μgを、200μlの100mMのNaCl、5mMのMgCl、1mMのEDTA、50mMのHEPES(pH7.4)、1mMのDTT、0.1%のBSA、および、100μMのGDPに懸濁した。これに、EC80濃度のアゴニスト(CP55940)、必要な濃度の試験化合物、および、0.1μのCi[35S]−GTPγSを添加した。この反応を30℃で45分間進行させた。続いてサンプルを、細胞回収装置を用いてGF/Bフィルター上に移行した、および、洗浄緩衝液(50mMのトリス(pH7.4)、5mMのMgCl2、50mMのNaCl)で洗浄した。続いてフィルターをシンチラントで覆い、フィルターによって保持された[35S]−GTPγSの量を計数した。
【0092】
活性は、リガンドが全く存在しない条件下で(最小活性)、または、EC80濃度のCP55940の存在下で(最大活性)測定される。これらの活性は、それぞれ0%および100%の活性として設定される。様々なの濃度の新規のリガンドの条件下で、活性を最大活性のパーセンテージとして計算し、プロットする。このデータを、
【数1】

を用いてフィッティングさせ、IC50値を、使用条件下で、GTPγS結合の最大の阻害の半分を達成するのに必要な濃度として決定する。
【0093】
本発明の化合物は、CB1受容体において活性である(IC50が、1マイクロモル未満)。最も好ましい化合物は、200ナノモル未満のIC50を有する。例えば実施例10のIC50は、2.7nMである。
【0094】
本発明の化合物は、選択的なCB1アンタゴニストまたはインバースアゴニストであると考えられる。効力、選択性のプロファイルおよび副作用の性質は、提示されたCB1のアンタゴニスト/インバースアゴニストの特性を有するこれまでに既知の化合物の臨床有用性を制限する可能性がある。これに関して、胃腸および/または心臓血管機能のモデルにおける本発明の化合物の前臨床的評価から、これら化合物は、代表的な参照用のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト物質と比較して有意な利点を示すことが示されている。
【0095】
本発明の化合物は、代表的な参照用CB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト物質と比較して、効力、選択性のプロファイル、生物学的利用率、血漿半減期、血液脳関門透過性、血漿タンパク質結合(例えば、より高濃度の薬物の遊離分画)、または、溶解性に関して追加の利点を提供する可能性がある。
【0096】
肥満症、および関連する状態の治療における本発明の化合物の有用性は、カフェテリア式の食事によって誘導された太ったマウスにおける体重減少によって実証される。雌C57Bl/6Jマウスに、8〜10週間、高カロリーの「カフェテリア」式の食事(ソフトチョコレート/ココアタイプのペーストリー、チョコレート、脂肪分の多いチーズ、および、ヌガー)、および、標準的な実験用エサを適宜摂取できるようにした。続いて試験される化合物を、1日1回で最低5日間、(静脈内、腹腔内、皮下または経口で)全身投与し、マウスの体重を毎日モニターした。実験の基線において、さらに実験の終結時にDEXAイメージングによって脂肪症の同時評価を行った。肥満症に関連した血漿マーカーの変化を分析するために、血液のサンプリングも行った。
【0097】
薬理活性
本発明の化合物は、CB1遺伝子の受容体産物に対して活性である。本発明の化合物の中枢のカンナビノイド受容体に関する親和性は、Devane等,MolecularPharmacology,1988,34,605で説明されている方法、または、WO01/70700もしくはEP656354で説明されている方法で証明可能である。あるいは、このような分析は以下のように行ってもよい。CB1遺伝子で安定してトランスフェクションされた細胞から調製した膜10μgを、200μlの100mMのNaCl、5mMのMgCl、1mMのEDTA、50mMのHEPES(pH7.4)、1mMのDTT、0.1%のBSA、および、100μMのGDPに懸濁した。これに、EC80濃度のアゴニスト(CP55940)、必要な濃度の試験化合物、および、0.1μのCi[35S]−GTPγSを添加した。この反応を30℃で45分間進行させた。続いてサンプルを、細胞回収装置を用いてGF/Bフィルター上に移行した、および、洗浄緩衝液(50mMのトリス(pH7.4)、5mMのMgCl2、50mMのNaCl)で洗浄した。続いてフィルターをシンチラントで覆い、フィルターによって保持された[35S]−GTPγSの量を計数した。活性は、リガンドが全く存在しない条件下で(最小活性)、または、EC80濃度のCP55940の存在下で(最大活性)測定される。これらの活性は、それぞれ0%および100%の活性として設定される。様々なの濃度の新規のリガンドの条件下で、活性を最大活性のパーセンテージとして計算し、プロットする。このデータを、
【数2】

を用いてフィッティングさせ、IC50値を、使用条件下で、GTPγS結合の最大の阻害の半分を達成するのに必要な濃度として決定する。本発明の化合物は、CB1受容体において活性である(IC50が、1マイクロモル未満)。最も好ましい化合物は、200ナノモル未満のIC50を有する。
【0098】
本発明の化合物は、選択的なCB1アンタゴニストと考えられる。
【0099】
製造方法
【0100】
【化9】

【0101】
本発明は、式Iで示される化合物の製造方法を提供し、本方法は、式II:
【0102】
【化10】

【0103】
で示される化合物(式中HETおよびRは上記で定義した通りである)と、ラヴェッソン(Lawesson)試薬とを、希釈剤(例えばトルエン)の存在下で、at50℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲温度で反応させることを含む。
【0104】
実施例
略語
AcOH 酢酸
aq 水溶液
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DEA ジエチルアミン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
DIEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtN トリエチルアミン
ExまたはEX 実施例
LiHMDS ヘキサメチルジシラザンリチウム
NHAc 酢酸アンモニウム
MeOH メタノール
MeCN アセトニトリル
rtまたはRT 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
t 三重項
s 一重項
d 二重項
q 四重項
qvint 五重項
m 多重項
br 幅広
bs 幅広の一重項
dm 二重の多重項
bt 幅広の三重項
dd 二重の二重項
【0105】
全体的な実験手法
いずれも空気圧によって補助されたエレクトロスプレーインターフェース(LC−MS)を備えた、マイクロマスZQ(Micromass ZQ)シングル四重極質量分析計、または、マイクロマスLCZシングル四重極質量分析計のいずれかで、マススペクトルを記録した。H周波数をそれぞれ300および500MHzで稼働させるバリアン(Varian)のマーキュリー300(Mercury 300)、または、バリアンのイノーバ500(Inova 500)のいずれかで、H NMR測定を行った。化学シフトはppmで示し、内部標準としてCDClを共に示した。特に他の指定がない限り、CDCl3はNMRのための溶媒として用いられる。半分取用HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で、質量によって作動する分画コレクター、19×100mmのC8カラムを備えた島津(Shimadzu)のQP8000シングル四重極質量分析計によって精製を行った。用いられた移動相は、特に他の指定がない限り、アセトニトリルおよび緩衝液(0.1Mの酢酸アンモニウム:アセトニトリル=95:5)であった。
【0106】
異性体を分離するために、クロマシルCNE9344(内径250×20mm)のカラムを用いた。移動相として、ヘプタン:酢酸エチル:DEAが95:5:0.1のものを用いた(1ml/分)。UV−検出器(330nm)を用いて分画の回収を指示した。
【0107】
純度解析のための典型的なHPLC−パラメーター
HPLC−システム:アジレント1100(Agilent 1100)
カラム:ゾルバックス(Zorbax)のエクリプスXDB−C8(Eclipse XDB−C8,150×4.6mm)
解析時間:15分間
流量:1.5ml/分
移動相:A:水、5%のMeOH
B:MeOH
温度:40℃
検出器:UV240nm。
【0108】
実施例1
工程A:1−(4−ベンジルオキシフェニル)−プロパン−1−オン
4−ヒドロキシプロピオフェノン(50g,0.3329mol)の乾燥アセトン(500ml)溶液に、臭化ベンジル(56.94g,0.333mol)、それに続いて無水KCO(91.8g,0.665mol)を添加した。この反応混合物を還流下で18時間沸騰させ、室温に冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮して、4−ベンジルオキシプロピオフェノン(75g,93%)を白色の固体として得た。
【0109】
工程B:リチウム1−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−エトキシカルボニル−2−メチル−3−オキソ−プロペン−1−オレアート
4−ベンジルオキシプロピオフェノン(50g,0.2083mol)の乾燥THF(500ml)溶液に、0℃で、窒素雰囲気下で、LiHMDS(1MのTHF溶液,208.3ml)を1時間にわたり一滴ずつ添加した。この反応混合物を0℃で1時間撹拌した。シュウ酸ジエチル(33.49g,0.2296mol)を一滴ずつ添加した。この反応混合物を室温に温め、窒素雰囲気下で、室温で16時間撹拌した。この反応混合物を、ロータリーエバポレーターで室温で濃縮した。残留物に乾燥ジエチルエーテル(1L)を添加し、固体をろ過によって回収し、乾燥エーテルで洗浄し、真空中で乾燥させ、ジケトエステルのリチウム塩を黄色の固体として得た(50g)。
【0110】
工程C:4−(4−ベンジルオキシフェニル)−4−[(2,4−ジクロロフェニル)−ヒドラゾノ]−3−メチル−2−オキソ−酪酸エチルエステル
エタノール(500ml)中の工程Cからのリチウム塩の混合物(50g,0.1461mol)、および、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(34.33g,0.1608mol)を、室温で、窒素雰囲気下で18時間撹拌した。沈殿をろ過し、乾燥エーテルで洗浄し、真空中で乾燥させ、ヒドラゾン中間体を得た(35g)。
【0111】
工程D:エチル5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート
ヒドラゾン中間体(35g)を酢酸(250ml)に溶解させ、還流下で18時間加熱した。反応混合物を冷水(2L)に注入し、酢酸エチル(2×500ml)で抽出した。合わせた有機層を、水、飽和NaHCO、および、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲル上で溶出液として石油エーテル中の20%酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を黄色の固体として得た。
【0112】
工程E:5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
塩酸シクロヘキシルアミン(1.63g,12.0mmol)を、アルゴン雰囲気下で、無水トルエン(12mL)に懸濁した。0℃に冷却する際にトリメチルアルミニウム(6.0mL,2.0Mのトルエン溶液,12mmol)を、メタンの放出が制御下に保たれるような速度で一滴ずつ添加した。使用前に、得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、続いて周囲温度でさらに2時間撹拌した。望ましいアルミニウムアミドの形成は定量的であると考えられるので、それらの濃度は約0.67M[c=12.0/(12+6.0)]と計算される。この時点で、製造されたアルミニウムアミドにエチル5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(1.93g,4.00mmol)を一部ずつ添加し、得られたオレンジ色の懸濁液を50℃に一晩加熱した。0℃に冷却したら、この反応を、HCl(2Mの水溶液)を一滴ずつ添加することによってクエンチした。ガスの発生が観察できなくなるまで添加を続け、その時点で氷槽を取り除き、この混合物を周囲温度でさらに1時間撹拌させた。得られた混合物を、CHCl(100mL)を用いて分離用漏斗に移した。HO(100mL)を添加し、水相のpHを4〜6に調節した。さらなるCHCl(4×30mL)を用いて、有機相を分離し、水相を抽出した。回収された有機相を合わせて、ブラインで洗浄し、その後、MgSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させたら、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−CHCl、0〜5%)で精製し、5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(2.04g,3.83mmol,96%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.50-7.24 (m, 8H), 7.06 (d, 2H, J=8.8 Hz), 6.92 (d, 2H, J=8.8 Hz), 6.85 (br d, 1H, J=8.4 Hz), 5.05 (s, 2H), 4.05-3.90 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.10-1.98 (m, 2H), 1.82-1.72 (m, 2H), 1.70-1.60 (m, 1H), 1.50-1.36 (m, 2H), 1.34-1.14 (m, 3H)。
【0113】
工程F:N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(2.030g,3.80mmol)を、アルゴン(Ar)雰囲気下で、無水CHCl(38mL)に溶解させた。硫化ジメチル(5.6mL,76mmol)を一部ずつ添加し、最終的に、三弗化ホウ素−ジエチルエーテル化合物(4.8mL,38mmol)を5分間かけて添加した。この反応混合物を周囲温度で4日間撹拌した後、これをCHCl(100mL)を用いて分離用漏斗に移した。NaHCO(150mLの飽和水溶液)を添加した。さらなるCHCl(3×50mL)を用いて有機相を分離し、水相を抽出した。回収された有機相をMgSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた際に、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc−CHCl,0〜15%)で精製し、N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(1.637g,3.68mmol,97%)をオフホワイト色の粉末として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.43 (s, 1H), 7.31-7.26 (m, 2H), 6.99 (d, 2H, J=8.7 Hz), 6.90 (br d, 1H, J=8.3 Hz), 6.82 (d, 2H, J=8.7 Hz), 6.19 (br s, 1H), 4.02-3.89 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.08-1.96 (m, 2H), 1.82-1.70 (m, 2H), 1.70-1.58 (m, 1H), 1.48-1.34 (m, 2H), 1.34-1.12 (m, 3H)。
【0114】
工程G:4−[3−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]フェニルプロパン−1−スルホナート
N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.910g,2.05mmol)を、アルゴン雰囲気下で、無水CHCl(20mL)に懸濁し、トリエチルアミン(430μL、0.31g,3.07mmol)を一部ずつ添加した。0℃に冷却する際に塩化プロパンスルホニル(270μL、0.35g,2.5mmol)を5分間かけて一滴ずつ添加した。添加が完了したら、氷槽を取り除き、この反応混合物を周囲温度にした。一晩撹拌した後、この混合物を、CHCl(130mL)を用いて分離用漏斗に移した。次に、有機相をHO(40mL)およびブラインで洗浄し、最終的にMgSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させたら、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−CHCl、0〜8%)で精製し、4−[3−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]フェニルプロパン−1−スルホナート(1.117g,2.03mmol,99%)をピンク色の固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.44 (s, 1H), 7.36-7.28 (m, 2H), 7.24 (d, 2H, J=8.8 Hz), 7.18 (d, 2H, J=8.8 Hz), 6.84 (br d, 1H, J=8.4 Hz), 4.04-3.90 (m, 1H), 3.30-3.20 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.10-1.96 (m, 4H), 1.84-1.72 (m, 2H), 1.72-1.60 (m, 1H), 1.50-1.36 (m, 2H), 1.34-1.16 (m, 3H), 1.14 (t, 3H, J=7.4 Hz)。
【0115】
工程H:4−[3−[(シクロヘキシルアミノ)カルボノチオイル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]フェニルプロパン−1−スルホナート
4−[3−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]フェニルプロパン−1−スルホナート(0.300g,0.545mmol)、および、ラヴェッソン試薬(0.441g,1.09mmol)を、トルエン(22mL)に懸濁し、高周波レンジで150℃で10分間加熱した(単一ノードでの加熱)。冷却したら、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,CHCl)で精製し、4−[3−[(シクロヘキシルアミノ)カルボノチオイル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]フェニルプロパン−1−スルホナート(0.307g,0.542mmol,99%)を黄色の粘性の油として得て、これを静置して凝固させた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.62 (br d, 1H, J=8.2 Hz), 7.44 (s, 1H), 7.34-7.22 (m, 4H), 7.19 (d, 2H, J=8.8 Hz), 4.66-4.52 (m, 1H), 3.32-3.20 (m, 2H), 2.49 (s, 3H), 2.22-2.16 (m, 2H), 2.10-1.96 (m, 2H), 1.86-1.74 (m, 2H), 1.74-1.64 (m, 1H), 1.56-1.42 (m, 2H), 1.42-1.31 (m, 2H), 1.31-1.18 (m, 1H), 1.14 (t, 3H, J=7.4 Hz)。
[C26H29Cl2N3O3S2+H]+のHRMS計算値: 566.1106。
実測値: 566.1130。
【0116】
以下に列挙された化合物を、高周波レンジで、または、従来の加熱法を用いて加熱したラヴェッソン試薬を用いた上述の方法に類似した方法によって製造した。開始のカルボキサミドは、EP656354(ピラゾール)、WO03/27076(イミダゾール)、WO2004/058249(ピロール)、WO2004/058249(チアゾール)、WO03/051851(ピラジン)で説明されているようにして得てもよいし、WO03/051851に記載の方法に類似した方法(ピリジン)によって得てもよい。当業者であれば当然ながら、この反応において干渉する恐れのある所定の基は、当業者既知の方法によってラヴェッソン試薬との反応の前に保護してもよいし、続いて、反応の後に脱保護してもよい。例えば、ヒドロキシメチル置換基は、メトキシメチル、または、ベンジルオキシメチルとして保護してもよいし、続いて、ラヴェッソン試薬との反応の後に当業者既知の方法によって再生してもよい。
【0117】
実施例2
5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)アミド。
【0118】
実施例3
5−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)アミド。
【0119】
実施例4
5,6−ビス−(4−クロロフェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)アミド。
【0120】
実施例5
5,6−ビス−(4−クロロフェニル)ピラジン−2−カルボチオ酸シクロヘキシルアミド。
【0121】
実施例6
5,6−ビス−(4−クロロフェニル)ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)アミド。
【0122】
以下に列挙された化合物は、高周波レンジで加熱した、または、従来の加熱法を用いて加熱したラヴェッソン試薬を用いた上述の方法に類似した方法によって製造される。
【0123】
ピラゾール
1)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
2)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ジメチルアミノシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
4)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
5)1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)アミド、
6)1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−[4−(3−フルオロプロポキシ)−フェニル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)アミド、
7)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル、
8)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
9)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル。
【0124】
イミダゾール
1)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
2)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
4)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
5)2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
6)2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−5−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
7)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
8)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
9)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル。
【0125】
ピロール
1)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
2)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[3−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
4)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
5)5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
6)5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
7)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
8)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
9)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル。
【0126】
チアゾール
1)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
2)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
4)3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
5)4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−チアゾール−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド。
【0127】
ピラジン
1)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)アミド、
2)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)アミド、
3)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシル)アミド、
4)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)アミド、
5)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(3−アミノ−シクロヘキシル)アミド、
6)6−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)アミド。
【0128】
ピリジン
1)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
2)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
3)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
4)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチルピリジン−2−カルボチオ酸(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)アミド、
5)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチルピリジン−2−カルボチオ酸(3−アミノ−シクロヘキシル)アミド、
6)5−(4−クロロ−フェニル)−N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−メトキシメチル−6−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−チオニコチンアミド、
7)5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチルピリジン−2−カルボチオ酸(1−ヒドロキシメチル−3−メチルブチル)アミド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

で示される化合物(それらの製薬上許容できる塩を含む)であって、
式中、HETは、
a)式Aで示される基
【化2】

b)式Bで示される基
【化3】

c)式Cで示される基
【化4】

d)式Dで示される基
【化5】

e)式Eで示される基
【化6】

f))式Fで示される基
【化7】

g)式Gで示される基
【化8】

を示し、
式中、
は、a)C1〜10アルコキシ基(ここで該アルコキシ基は、任意に、1個またはそれより多くのフルオロで置換されていてもよい)、b)式フェニル(CHO−で示される基(式中、pは、1、2または3であり、該フェニル環は、任意に、Zで示される1、2または3個の基で置換されていてもよい)、c)基RS(O)O(式中、Rは、C1〜10アルキル基を示し、該アルキル基は、任意に、1個またはそれより多くのフルオロで置換されていてもよい)、または、d)ハロ、または、e)C1〜4アルキル基を示し;
mは、0、1、2または3であり;
は、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、または、ハロを示し、
nは、0、1、2または3であり;
は、a)シクロヘキシル(ここで該シクロヘキシルは、任意に、以下のうち1個またはそれより多くで置換されていてもよい:ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ)、b)ピペリジノ(ここで該ピペリジノは、任意に、1個またはそれより多くのヒドロキシで置換されていてもよい)、c)フェニル(ここで該フェニルは、任意に、以下のうち1個またはそれより多くで置換されていてもよい:ヒドロキシ、ハロ、または、C1〜4アルキル基)、d)ピリジル(ここで該ピリジルは、任意に、C1〜4アルキル基で置換されていてもよい)、または、e)C4〜9アルキル基を示し;および、
は、H、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、または、C1〜6アルコキシC1〜6アルキレン基を示し、該基は、最大6個の炭素原子を含み、それぞれの基は、任意に、ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、モノC1〜4アルキルアミノ、ジC1〜4アルキルアミノ、または、シアノのうち1個またはそれより多くで置換されていてもよい、上記化合物。
【請求項2】
前記HETが、式Aで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記HETが、式Bで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記HETが、式Cで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記HETが、式Dで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記HETが、式Eで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記HETが、式Fで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記HETが、式Gで示される基を示し、R、R、R、R、nおよびmは請求項1で定義した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
以下の1種またはそれより多くから選択される化合物、および、それらの製薬上許容できる塩:
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ジメチルアミノシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−イミダゾール−4−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−5−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−イミダゾール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[3−(3−アミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[4−(3−フルオロ−プロポキシ)−フェニル]−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−2−メチル−ピロール−1−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
3−フルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルチオカルバモイル)−チアゾール−5−イル]−フェニルエステル、
4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−チアゾール−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(3−アミノ−シクロヘキシル)−アミド、
6−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−ピラジン−2−カルボチオ酸(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピラジン−2−カルボチオ酸(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−ジメチルアミノ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボチオ酸(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボチオ酸(3−アミノ−シクロヘキシル)−アミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−2−メトキシメチル−6−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ)−フェニル]−チオニコチンアミド、
5,6−ビス−(4−クロロ−フェニル)−3−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボチオ酸(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−アミド。
【請求項10】
医薬品として使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物、および、製薬上許容できるアジュバント、希釈剤またはキャリアーを含む医薬製剤。
【請求項12】
肥満症、精神障害、例えば精神病性の障害、統合失調症、および、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識障害、記憶障害、強迫性障害、食欲低下、過食症、注意欠陥障害、てんかん、ならびに関連する状態および神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症性ショック、呼吸器系および胃腸系に関連する病気、および、長期にわたる乱用、嗜癖および/または再発の兆候を治療または予防するための医薬品の製造における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項13】
肥満症、精神障害、精神病性の障害、統合失調症、および、双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識障害、記憶障害、強迫性障害、食欲低下、過食症、注意欠陥障害、てんかん、および関連する状態、神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および、アルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症性ショック、呼吸器系および胃腸系に関連する病気、および、長期にわたる乱用、嗜癖および/または再発の兆候の治療方法であって、それを必要とする患者に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬理学的な有効量の式Iで示される化合物を投与することを含む、上記方法。
【請求項14】
肥満症の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
式II:
【化9】

(式中HETおよびRは上記で定義した通りである)で示される化合物と、ラヴェッソン試薬とを、希釈剤の存在下で、50℃〜250℃の範囲温度で反応させることを含む、式Iで示される化合物の製造方法。

【公表番号】特表2009−501772(P2009−501772A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522046(P2008−522046)
【出願日】平成18年7月17日(2006.7.17)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002638
【国際公開番号】WO2007/010222
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】