説明

波形合成樹脂管の接続構造、及び該接続構造に用いる波形合成樹脂管、並びにその製造方法

【課題】部品点数の少ない簡易な構造で、かつ強固な素材や高い精度を必要とすることなく十分な耐水・耐圧性並びに良好なシール性を備えており、軽量化・低コスト化を図れるとともに現場での接続作業を簡便に行うことができ、製造も容易な波形合成樹脂管の接続構造及びそれに用いる管を提供せんとする。
【解決手段】第1の波形合成樹脂管1Aの対面する端部10に、少なくとも該端部外面側の波形状を形成している凹部2aを埋める合成樹脂層5を被着することにより筒状の挿し口部3を設け、第2の波形合成樹脂管1Bの対面する端部11に、該端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部4を設け、第1の波形合成樹脂管1Aの挿し口部3を第2の波形合成樹脂管1Bの受口部4に挿着して互いに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管壁を螺旋波形状に形成して構成され、例えば道路下の排水管路や下水道用の排水管路等として用いられる波形合成樹脂管、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路下の排水管路や下水道用の排水管路として、コンクリート製のヒューム管が一般的に用いられているが、近年においてヒューム管と同等以上の強度を有し、耐久面及び軽量化並びに施工時の省力化の点等において有利な波形合成樹脂管として、内面がほぼフラットの本体部の外周側に補強凸部を螺旋状に設けた管が使用されている。このような波形合成樹脂管を複数接続する場合、対面する各端部にそれぞれ内面側にパッキンシートがセットされた接続用フランジ付きの半割継手を配置し、止水用ブロックと凹部との間に発生する隙間を埋めるためのコーキング材にて埋め、パッキンシートを充分に引っ張りながら管に巻き付け、ビニールテープ等で固定した後、他方の半割継手を上から被せ、両半割継手のフランジをボルトナットで締め付けて固定した構造が採用されている。
【0003】
しかし、このような接続構造は、上下一対の半割継手やパッキンシート、コーキング材などを接続手順に沿って現場で組み付ける必要があり、多くの時間及び手間がかかり作業効率が低く、部品点数も多く管理が煩わしいものであった。特に、半割継手の内面側にパッキンシートを配置してから、そのパッキンシートの特定位置に2つの管を移動させる作業は作業者の負担が大きく、また、現場でのコーキング材の充填やパッキンシートの張り具合は個人差があり、品質のバラツキの原因となっていた。
【0004】
これに対し、接続作業をより容易に且つ迅速に行える接続構造として、波形合成樹脂管の端部に接続用フランジを溶着により設けるとともに、このフランジ同士を面接触させる接触面にパッキンを設け、フランジ同士をボルトナットにより締め付けて作業完了する接続構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような接続構造によれば、従来の半割継手と比較して作業性を向上でき、より信頼性の高い接続構造を提供することができる。
【0005】
しかし、この接続用フランジはボルトナットで接続する作業が必要であり、これが作業効率低下の原因になる。また、管端部へのフランジの取り付け溶着部分を確りと水密に行わなければ水漏れの原因になり、またフランジ面の変形等が生じると同じく水漏れの原因になるため、取り付けやフランジ自体の強度・形状寸法等につき、高い品質が必要となり、コスト削減に限界があり、また強固なフランジやそれを接続するボルトナットの存在により接続部分の重量アップが避けられない。また、パッキンを介したフランジ面同士で接続するため、当該部分の外方への耐水・耐圧性に限界があり、ボルトナットの均等な締め付けが要求されるなど、作用効率の向上にも限界があった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−139178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、部品点数の少ない簡易な構造で、かつ強固な素材や高い精度を必要とすることなく十分な耐水・耐圧性並びに良好なシール性を備えており、軽量化・低コスト化を図れるとともに現場での接続作業を簡便に行うことができる波形合成樹脂管、および該波形合成樹脂管を効率よく低コストで生産できる製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前述の課題解決のために鋭意検討した結果、波形合成樹脂管の接続において流体漏れの原因となる螺旋状の凹部を合成樹脂層により埋め込むことで一方の管端部に筒状の挿し口部を形成できる点に着目し、他方に該挿し口部を挿着する受口を軸方向に突出して設けることで、両者を軸方向に挿着するだけで容易に接続作業を完了でき、良好且つ安定したシール性を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、管壁を螺旋波形状に形成してなる2本の波形合成樹脂管を端部で互いに接続する接続構造であって、第1の波形合成樹脂管の対面する端部に、少なくとも該端部外面側の波形状を形成している凹部を埋める合成樹脂層を被着することにより筒状の挿し口部を設け、第2の波形合成樹脂管の対面する端部に、該端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部を設け、前記第1の波形合成樹脂管の挿し口部を、前記第2の波形合成樹脂管の受口部に挿着して互いに接続されることを特徴とする波形合成樹脂管の接続構造を構成した。
【0010】
ここで、前記挿し口部と受口部の間にシール部材を介装した構造が好ましい。
【0011】
また、前記挿し口部の外面に前記シール部材が嵌め込まれる環状溝を形成した構造が好ましい。
【0012】
さらに、前記受口部及び挿し口部のうち少なくとも受口部の合成樹脂部分に、補強繊維を含有させる構造が好ましい。
【0013】
特に、前記補強繊維を、該補強繊維からなる織布、不織布、若しくは樹脂で固めた成形体の形態で前記合成樹脂部分に埋設させるか、或いはチップ状の形態で前記合成樹脂部分に含有させることが好ましい。
【0014】
また、前記補強繊維は、ガラス繊維又はグラスファイバーよりなることが好ましい。
【0015】
さらに、前記受口部が、前記第2の波形合成樹脂管の対面する端部に、該第2の波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記端部外面側から軸方向外側に突出する状態に連結し、前記管材の少なくとも内面側に合成樹脂層を被着させてなることが好ましい。
【0016】
また、前記管材と前記第2の波形合成樹脂管の端部とを、その間に介在する前記合成樹脂層により一体化してなる構造が好ましい。
【0017】
また本発明は、上記接続構造に用いられる波形合成樹脂管であって、管壁を螺旋波形状に形成して構成され、一端部に、少なくとも該一端部外面側の波形状を形成している凹部を埋める合成樹脂層を被着することにより筒状の挿し口部を設け、他端部に、該他端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部を設けてなることを特徴とする波形合成樹脂管をも構成した。
【0018】
ここで、前記一端部の挿し口部外面に、シール部材が嵌め込まれる環状溝を形成したものが好ましい。また、前記受口部及び挿し口部のうち少なくとも受口部の合成樹脂部分に、補強繊維を含有させる構造、特に、前記補強繊維を、該補強繊維からなる織布、不織布、若しくは樹脂で固めた成形体の形態で前記合成樹脂部分に埋設させるか、或いはチップ状の形態で前記合成樹脂部分に含有させることが好ましく、前記補強繊維は、ガラス繊維又はグラスファイバーよりなることが好ましい。また、前記受口部が、前記他端部に当該波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記他端部外面側から軸方向外側に突出する状態に連結し、前記管材の少なくとも内面側に合成樹脂層を被着させてなるものが好ましく、とくに前記管材と前記他端部とを、その間に介在する前記合成樹脂層により一体化してなるものが好ましい。
【0019】
また、前記受口部を、当該波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記他端部の外面側から軸方向外側に突出する状態とし、少なくとも前記管材と波形合成樹脂管との間の隙間に前記合成樹脂層の合成樹脂材料を充填してなることが好ましい。
【0020】
ここで、前記管材を、当該波形合成樹脂管と同様、管壁が螺旋波形状に形成された管材としたものが好ましい。
【0021】
また、本発明は、上記波形合成樹脂管の製造方法であって、前記波形合成樹脂管の管壁の成形に連続して、該成形された波形合成樹脂管の前記他端側に、該波形合成樹脂管より大径の前記管材を径方向外側からガイド部で支持しながら同軸状に成形し、成形された管材の軸方向内側および外側の端部をそれぞれ封止チャックで塞ぎ、該塞がれた前記管材と波形合成樹脂管との間の隙間に前記合成樹脂層の合成樹脂材料を注入してなることを特徴とする波形合成樹脂管の製造方法をも提供する。
【0022】
ここで、前記封止チャックの少なくとも一方に、前記合成樹脂材料を注入するための注入口を設けた製造方法が好ましい。
【0023】
また、前記管材の成形において、連続的に供給された鋼板を断面視M字状に変形加工した後、これを螺旋状に送り出すとともに、その外面側に外巻テープを連続的に同じく螺旋状に送出して被着させ、軸方向に接合一体化された管材を形成してなる製造方法が好ましい。
【発明の効果】
【0024】
以上にしてなる本願発明によれば、一方の管端部外面側に合成樹脂層を被着して形成された筒状の挿し口部と、他方の管端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部とを互いに軸方向に挿着するだけで接続作業を簡便に行うことができ、従来の接続用フランジを設けたもののようなボルトナットの均等な締め付け作業が不要であり、作業効率が著しく向上するとともに、このような挿し口部と受口部の嵌め合い構造では、受口部が挿し口部を確りと包み込む構造となるため、強固な素材や高い精度を必要とすることなく十分な耐水・耐圧性ならびに良好なシール性を備えており、従来のように接続用フランジを水密に精度よく取り付ける作業に比べて、軽量化・低コスト化を図れるとともに製造も容易となる。
【0025】
また、挿し口部の外面にシール部材が嵌め込まれる環状溝を形成したので、シール部材を当該環状溝に嵌め込んだ状態で両管を簡単に接続させることができ、作業性が向上する。
【0026】
また、前記受口部及び挿し口部のうち少なくとも受口部の合成樹脂部分に、補強繊維を含有させたので、後述する大径管材を内装するものに比べて軽量化、コストダウンを図りつつ、合成樹脂よりなる受口部の強度アップを図り、より高い耐水・耐圧性を備えた接続構造を実現できる。
【0027】
また、前記補強繊維を、該補強繊維からなる織布、不織布、若しくは樹脂で固めた成形体の形態で前記合成樹脂部分に埋設させたので、突出する受口部の強度アップを確実に図ることができ、チップ状の形態で前記合成樹脂部分に含有させたものも受口部全体の強度アップを図り、高い耐水・耐圧性を実現できる。
【0028】
また、受口部が、第2の波形合成樹脂管の対面する端部に、該第2の波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記端部外面側から軸方向外側に突出する状態に連結し、前記管材の少なくとも内面側に合成樹脂層を被着させてなるので、受口部の強度アップを容易に図ることができ、より高い耐水・耐圧性を備えた接続構造を実現できる。
【0029】
また、前記管材と前記第2の波形合成樹脂管の端部とを、その間に介在する前記合成樹脂層により一体化してなるので、受口部の強度が向上するとともに管材と管端部との軸方向へのズレも確実に防止でき、シール性も向上する。
【0030】
また、受口部が大径の管材を同軸状に突出する状態とし、管材と波形合成樹脂管との間の隙間に合成樹脂材料を充填してなるので、受口部の強度アップを容易に図ることができ、より高い耐水・耐圧性を備えた接続構造を実現できる。
【0031】
また、前記管材が、当該波形合成樹脂管と同様、管壁が螺旋波形状に形成された管材としたので、強度アップが確実となり、また管材外面を合成樹脂層で埋めたものでもよいが、一部露出する状態で合成樹脂層を被着させることで、軽量化や材料コスト削減が実現できるとともに、管材が波形合成樹脂管の管壁と同様の外観となり、継手部分と管全体との外観上の一体性が高まり、美観が向上する。
【0032】
また、本発明に係る波形合成樹脂管の製造方法によれば、波形合成樹脂管の管壁の成形に連続して受口部を構成する管材を成形し、封止チャックで塞がれた前記管材と波形合成樹脂管との間の隙間に合成樹脂材料を注入して成形するため、波形合成樹脂管の成形と同時に受口部も一体的に成形することが可能となり、効率よく低コストに生産することができる。
【0033】
また、封止チャックの少なくとも一方に、前記合成樹脂材料を注入するための注入口を設けたので、合成樹脂材料の注入を容易に行うことが可能となる。
【0034】
また、前記管材の成形において、連続的に供給された鋼板を断面視M字状に変形加工した後、これを螺旋状に送り出すとともに、その外面側に外巻テープを連続的に同じく螺旋状に送出して被着させ、軸方向に接合一体化された管材を形成したので、優れた強度を有する管材を容易に連続的に一体成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る波形合成樹脂管1A,1Bの接続構造Sを示す説明図であり、図1〜4は本発明の第1実施形態、図5、6は第2実施形態、図7、8は第3実施形態、図11〜16は第4実施形態を示し、図中符号1A,1B,1Cは波形合成樹脂管、2は管壁、3は挿し口部、4は受口部をそれぞれ示している。
【0037】
本発明の波形合成樹脂管の接続構造Sは、図1及び図2に示すように、管壁2を螺旋波形状に形成してなる2本の波形合成樹脂管1A,1Bを、端部同士で互いに接続するものである。本実施形態では、波形合成樹脂管1A,1Bが、いずれも一端部10(図中左側端部)に挿し口部3を備えるとともに他端部11(図中右側端部)に受口部4を備える同一構造の管であるが、本発明の接続構造はこのような両端部を備えた管の接続構造に何ら限定されず、両管の少なくとも対面する端部にそれぞれ挿し口部3と受口部4を備えておればよく、各管の反対側の端部は、それぞれ受口部や挿し口部を備えていなくてもよい。
【0038】
まず、図1〜4に基づき第1実施形態を説明する。
【0039】
波形合成樹脂管1A,1Bの管壁2は螺旋波形状に形成されており、各管の一端部10(図中左側端部)には、図2にも示すように、少なくとも該一端部10外面側の波形状を形成している凹部2aを埋める合成樹脂層を被着することにより筒状の挿し口部3が形成され、他端部11(図中右側端部)には、該他端部11外面側に被着され且つ軸方向外側(図中右方向)に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部4が形成されている。
【0040】
各管の管壁2は、図3(a)に示すように略三角形状ないし略円弧状又は台形状の山部と谷部が連続的にウエーブを為しており、山部間の谷部を含む部分が凹部2aとなる。本例では、内面がほぼフラットの合成樹脂製の本体部20の外周側に、鋼材22を内装した樹脂成形体(例えば被覆鋼板)よりなる略三角形状ないし略円弧状の補強凸部21を螺旋状に設けたものであり、本体部20と山部を成す補強凸部21は、本体部20の部分成形体を溶融押出して回転軸上に螺旋状に巻きつけ順次溶着させる際、同時に該部分成形体上に補強凸部21を同じく螺旋状に供給し、一体化させることにより効率よく作成できる。
【0041】
尚、山部を成している補強凸部21は、鋼材22を内装せずに樹脂層のみから構成してもよい。また、山部及び谷部の形状はとくに限定されず、略V字状や略コ字状、略円形、略楕円形、略四角形、多角形、異形、その他の形状に構成してもよい。更に、本例では山部内周側に谷部から延長される本体部20が存在し、該本体部20により管内面がフラットな形状になるように構成されているが、このような本体部20を省略して補強凸部21を互いに繋げた形状とし、内面側も螺旋波形の凹凸面となるように構成してもよい。
【0042】
また、図3(b)に示すように山頂部に凹陥部23が設けられているものも好ましい実施例である。このような凹陥部23を設けることで山部にかかる圧力(土圧等)が分散され、山部の強度、剛性アップは勿論のこと管壁2全体の耐圧強度を高いものとすることができる。このような凹陥部23の存在は、従来の管接続構造においては流体漏れが生じ易い原因となるが、本発明の接続構造を採用すれば、このような凹陥部23が存在する管であっても何ら漏れを生じることなく接続することができるのである。図3(b)の例では、被覆鋼板からなる略M字状の補強凸部21の外面に沿って更に外面層24が被着されている。
【0043】
これら管壁2の山部、谷部、具体的には本体部20や補強凸部21、外面層24に用いられる合成樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系や塩化ビニル系等の合成樹脂などを広く用いることができ、その他合成ゴムや軟質樹脂を用いることもできる。
【0044】
各波形合成樹脂管1A,1Bの一端部10に形成される挿し口部3は、図2に示すように、少なくとも該一端部10外面側の波形状を形成している凹部2aを埋める合成樹脂層5を被着させて外表面が軸方向に沿って略平らな筒状となり、後述の受口部4の内周面に密接できる形状とされている。このような合成樹脂層5は、本例では当該一端部10を成形型で囲み、合成樹脂材料を注入・硬化させて成形されているが、本発明はこれに限らず、別途成形した合成樹脂層5を端部10に装着して熱融着等により一体化させることや、その他の方法で合成樹脂層5を被着させることも可能である。
【0045】
また、一端部10を縮径方向に加圧変形させて補強凸部21を所定深さの凹部2aが残る程度に圧潰することにより縮径させ、その上に合成樹脂層5を被着することにより、挿し口部3を管壁2よりも径を小さく構成することも可能である。これによれば、他端部11に構成する受口部4のサイズもより小さくなり、挿し口部3及び受口部4よりなる接続部分全体のサイズもより小さくできることとなる。
【0046】
合成樹脂層5を構成している合成樹脂材料としては、非発泡、発泡のいずれでもよく、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂やその他の合成樹脂を用いることができ、発泡合成樹脂としては、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、フェノールフォーム、アクリルフォーム、酢酸セルロースフォーム、その他の樹脂を用いることができる。本例では合成樹脂層5を端部10の山部が完全に隠れるように被着したが、略平らな表面が維持できる程度に山部が一部露出していてもよく、逆に山頂部よりもさらに外方に外面がくるように合成樹脂層5を厚く被着してもよい。
【0047】
受口部4は、図2に示すように他端部11に対して当該波形合成樹脂管1Bよりも大径の管材7を同軸状に取付ネジ9を用いて前記他端部11の外面側から軸方向外側に突出する状態に連結するとともに、当該管材7が完全に隠れるように管材7と波形合成樹脂管1Bとの間の隙間にも合成樹脂層8を充填・被着させたものであり、軸方向外側に突出した筒状部分の内周面は軸方向に沿って略平らであり、上記挿し口部3が挿入される受け面40として機能する。取付ネジ9は合成樹脂層8を被着するまでの両者の位置固定のために設けられ、好ましくは管壁2を貫通しないように山部に固定されるが、別途の仮固定部材を介装する等して、取付ネジ9を省略することも勿論可能である。
【0048】
この受口部4についても、挿し口部3と同様、当該他端部11及び管材7を成形型で囲み、合成樹脂材料を注入・硬化させて成形されており、その他の形態として、管材7を含む合成樹脂層8を別途成形し、これを端部11に装着して熱融着等により一体化させることや、その他の方法で合成樹脂層8を被着させることも可能である。また、合成樹脂層8の材料についても、挿し口部3と同様の合成樹脂材料を用いることができる。
【0049】
管材7は、波形合成樹脂管1A,1Bと同様、略三角形状ないし略円弧状又は台形状の山部と谷部が連続的にウエーブを為した管部分が使用され、受口部4は当該管材7の存在により相当に強度アップが図られている。本例では、波形合成樹脂管1A,1Bと同様の構造のウエーブを成す管部分が使用されているが、これに何ら限定されず、図3(a)に示す管壁2を備える波形合成樹脂管1Bに対して、図3(b)に示すように山頂部に凹陥部23を有する断面形状の管材7を用いたり、逆に図3(b)に示す管壁2を備える波形合成樹脂管1Bに対して、図3(a)に示すように山頂部に凹陥部を有しない管材7を用いることもでき、さらに図4に示すように、ストレート状の管部分により構成した管材7Aとしてもよい。尚、図4の例ではストレート状の管部分の内周面に管壁2の山部に係合する係合突起70が設けられており、これが抜け止めとして機能し、受口部4の強度を高めるように構成されている。
【0050】
これら管材7(7A)は、主に受口部4における外側に突出した筒状部分であって挿し口部3を受け入れる部分の強度維持のために使用されるが、強度を維持できる寸法、材料を選定して管材7などのインサート部材を省略し、合成樹脂層8のみで受口部4を構成することも可能である。管材7(7A)と管壁2外周面とは、その間に介在する前記合成樹脂層8により強固に一体化されている。受口部4を構成する合成樹脂層8には、必要に応じて強化繊維やネット等の補強物質を埋め込んで補強してもよい。
【0051】
本実施形態では、挿し口部3及び受口部4をそれぞれ軸方向に沿って略平らな形状に構成したが、本発明はこのようなストレート形状に何ら限定されず、挿し口部3を開口端に向けて先細となるテーパー状に形成するとともに、受口部4の内周面もこれに略平行な略同一角度のテーパー状に構成したものや、挿し口部の外径又は受口部の内径が軸方向に沿って曲線を描くように変化する形状にしてもよい。
【0052】
挿し口部3と受口部4の間には、図2にも示すように、シール部材としてOリング6が介装されている。具体的には、挿し口部3の外面に前記Oリング6が嵌め込まれる環状溝50が形成され、該環状溝50内にOリング6を嵌め込んだ状態で管同士を接続するものである。本例では、Oリング6が装着される環状溝50は挿し口部3の先端縁部に切り欠き形成されているが、挿し口部3の反対側の基端縁部や途中部に形成してもよい。また、受口部4側に設けてもよい。Oリング6等のシール部材の形状及び構造は、挿し口部3と受口部4との間を確実にシールできる限り、特に限定はなく、各種形状、構造のシール部材が、適宜位置に装着されうる。また、Oリング6を別途装着するかわりに予めシール部となる環状突起を一体成形しておくことも可能である。
【0053】
次に、図5及び6に基づき第2実施形態を説明する。
【0054】
本実施形態では、受口部4を構成する管材7が一部露出する状態で合成樹脂層8を被着させたものであり、特に強度が要求される先端側及び管壁2との一体化の点で重要な基端側について合成樹脂層8で埋没させ、その他の途中部分が露出されている。このように管材7を露出させるようにすれば、軽量化や材料コスト削減が実現できるとともに、本例のように管材7が管壁2と同じ外観構造の場合には、当該受口部4の露出部分が管壁2と同じ外観を有し、継手部分と管全体との外観上の一体性が高まり、美観が向上することとなる。その他の構成及び変形例については、基本的に上記第1実施形態と同様であるため、同一構造に同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
次に、図7及び8に基づき第3実施形態を説明する。
【0056】
本実施形態では、受口部4を構成する管材7の代わりに、当該受口部4の合成樹脂部分(合成樹脂層8)に、補強繊維7Bを含有させたものであり、本例では、補強繊維7Bとして、該補強繊維からなる織布、不織布、又は樹脂で固めた成形体の形態で埋設されている。これにより管材7を埋設するものに比べて大幅な軽量化、コストダウンを図りつつ同等程度の強度アップを図っている。尚、本実施形態では、各管の補強凸部21の山頂部に図3(b)で示した凹陥部23が設けられているが、第1実施形態と同様、種々の波型合成樹脂管に適用できることは勿論である。
【0057】
補強繊維としては、ガラス繊維やグラスファイバーを用いることが好ましく、受口部4を合成樹脂で成形する際に、前記補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体を成形型内に予めセットして成形することにより埋設成形できる。その他の方法としては、受口部4の成形を内側部分と外側部分の2回の成形に分け、一回目の内側部分の成形が終わった段階でその外表面に前記補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体を被着させ、その上に二回目の成形を行うことで埋設成形することも可能である。
【0058】
補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体は、受口部4の内部においてほぼ全周にわたって存在するように内装してもよいし、一部にのみ存在するように単又は複数を内装してもよい。樹脂成形体としてはシート状や筒状に成形したものを内装すればよく、樹脂成形体に用いる樹脂としては受口部4を構成する合成樹脂層8と同一樹脂を用いることが付着性の点で好ましい。その他、補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体を受口部4の外面に貼り付けるように構成してもよい。
【0059】
図8は、受口部4と同様、挿し口部3の合成樹脂層5にも補強繊維7Bを含有させた例を示しており、同様に補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体を成形型内に予めセットして成形することにより埋設成形できる。尚、挿し口部3に本例のように補強繊維7Bを含有させつつ、受口部4には補強繊維7Bの代わりに上記第1実施形態の管材7を内装したものや、何ら補強部材をインサートしないものとすることも勿論できる。また、本例では受口部4や挿し口部3に補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体を内装した例について説明したが、図9に示すように補強繊維チップ7C(繊維を短くカットしたもの)を挿し口部3や受口部4を成形する合成樹脂材に混ぜて成形することで合成樹脂部分の全体に含有させることも、全体的な強度をアップできる点で好ましく、更に、図10に示すように上述の補強繊維7Bの織布、不織布又は樹脂成形体と組み合わせて更なる強度アップを図るものも好ましい例である。その他の構成及び変形例(Oリングの位置など)については、基本的に上記第1実施形態と同様であるため、同一構造に同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
次に、図11〜16に基づき第4実施形態を説明する。
【0061】
本実施形態に係る波形合成樹脂管1Cは、図11、12に示すように、管壁2を螺旋波形状に形成して構成され、一端部(図中左側端部)に少なくとも該一端部外面側の波形状を形成している凹部を埋める合成樹脂層5を被着することにより筒状の挿し口部3を設け、他端部102a(図中右側端部)に該他端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂層8よりなる受口部4を設け、当該波形合成樹脂管1Cを複数互いに接続する場合、第1(図中右側)の波形合成樹脂管1Cの前記挿し口部3を、第2(図中左側)の波形合成樹脂管の前記受口部4に挿着して互いに接続されるものである。本発明では、とくに前記受口部4を、図13の縦断面図に示すように、当該波形合成樹脂管1Cよりも大径の管材7を同軸状に前記他端部102aの外面側から軸方向外側に突出する状態とし、少なくとも前記管材7と波形合成樹脂管1Cとの間の隙間に前記合成樹脂層8の合成樹脂材料を充填してなることを特徴とする。
【0062】
管壁2は、図13に示すように、略三角形状ないし略円弧状又は台形状の山部と谷部が連続的にウエーブを為しており、山部間の谷部を含む部分が凹部となる。本例では、内面がほぼフラットの合成樹脂製の本体部20の外周側に、鋼材22を内装した樹脂成形体(例えば被覆鋼板)よりなる略三角形状ないし略円弧状の補強凸部21を螺旋状に設けたものである。補強凸部21は、鋼材22を内装せずに樹脂層のみから構成してもよい。また、山部及び谷部の形状はとくに限定されず、略V字状や略コ字状、略円形、略楕円形、略四角形、多角形、異形、その他の形状に構成してもよい。更に、本例では山部内周側に谷部から延長される本体部20が存在し、該本体部20により管内面がフラットな形状になるように構成されているが、このような本体部20を省略して補強凸部21を互いに繋げた形状とし、内面側も螺旋波形の凹凸面となるように構成してもよい。鋼材22は、より詳しくは山頂部に凹陥部23が設けられているものも好ましい実施例である。このような凹陥部23を設けることで山部にかかる圧力(土圧等)が分散され、山部の強度、剛性アップは勿論のこと管壁2全体の耐圧強度を高いものとすることができる。本例では、鋼材22の外面に沿って更に外面層24が被着されている。これら管壁2の山部、谷部、具体的には本体部20や外面層24に用いられる合成樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系や塩化ビニル系等の合成樹脂などを広く用いることができ、その他合成ゴムや軟質樹脂を用いることもできる。
【0063】
一端側の挿し口部3は、図12、13に示すように、少なくとも当該一端部の外面側の波形状を形成している凹部を埋めるように合成樹脂層5を被着させ、外表面が軸方向に沿って略平らな筒状としたものであり、他端部の受口部4の内周面に密接する形状とされている。このような挿し口部3を構成する合成樹脂層5は、本例では当該一端部を成形型で囲み、合成樹脂材料を注入・硬化させて成形されているが、その他の方法で合成樹脂層5を被着させることも可能である。合成樹脂層5を構成している合成樹脂材料としては、非発泡、発泡のいずれでもよく、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂やその他の合成樹脂を用いることができ、発泡合成樹脂としては、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、フェノールフォーム、アクリルフォーム、酢酸セルロースフォーム、その他の樹脂を用いることができる。
【0064】
他端側の受口部4は、図13の縦断面図に示すように、当該波形合成樹脂管1Cよりも大径の管材7を同軸状に前記他端部102aの外面側から軸方向外側に突出する状態とし、少なくとも前記管材7と波形合成樹脂管1Cとの間の隙間に前記合成樹脂層8の合成樹脂材料を充填したものであり、軸方向外側に突出した筒状部分の内周面は軸方向に沿って略平らであり、上記挿し口部3が挿入される受け面40として機能する。この受口部4の合成樹脂層8についても、挿し口部3と同様の合成樹脂層材料を用いることができる。
【0065】
本実施形態では、挿し口部3及び受口部4をそれぞれ軸方向に沿って略平らな形状に構成したが、本発明はこのようなストレート形状に何ら限定されず、挿し口部3を開口端に向けて先細となるテーパー状に形成するとともに、受口部4の内周面もこれに略平行な略同一角度のテーパー状に構成したものや、挿し口部の外径又は受口部の内径が軸方向に沿って曲線を描くように変化する形状にしてもよい。また、受口部4の受け面40を、内側から外側の開口部に向けて縮径する逆テーパー形状に構成し、挿し口部3のOリング6の水密性、タイト性を図ることも好ましい。また、当該受口部4の開口部には段付テーパー部42が設けられており、挿し口部3を挿入する際にOリング6が開口部に引っ掛かり、脱落しないように構成されている。
【0066】
受口部4に内装される管材7は、波形合成樹脂管1Cと同様、略三角形状ないし略円弧状又は台形状の山部と谷部が連続的にウエーブを為した管部分が使用され、受口部4は当該管材7の存在により相当に強度アップが図られている。本例では、管壁71が螺旋波形状に形成され、波形合成樹脂管1Cと同様の構造のウエーブを成す管材(但し、内周側の本体部20は無い)が使用されており、同一符号を付して詳細は省略するが、本発明は、このような形態の管材に何ら限定されない。管材7の変形例としては、図15に示すように、内周側に本体部20を設けたものも好ましい例である。この管材7と管壁2の外周面とは、その間に介在する前記合成樹脂層8により強固に一体化されている。
【0067】
管材7は一部露出する状態で合成樹脂層8が被着されている。特に強度が要求される先端側及び管壁2との一体化の点で重要な基端側について合成樹脂層8で埋没させ、その他の途中部分が露出されている。このように管材7を露出させるようにすれば、軽量化や材料コスト削減が実現できるとともに、本例のように管材7が管壁2と同じ外観構造の場合には、当該受口部4の露出部分が管壁2と同じ外観を有し、継手部分と管全体との外観上の一体性が高まり、美観が向上することとなる。
【0068】
挿し口部3と受口部4の間には、図13にも示すように、シール部材としてOリング6が介装されている。具体的には、挿し口部3の外面に前記Oリング6が嵌め込まれる環状溝50が形成され、該環状溝50内にOリング6を嵌め込んだ状態で管同士を接続するものである。本例では、Oリング6が装着される環状溝50は挿し口部3の先端縁部に切り欠き形成されているが、挿し口部3の反対側の基端縁部や途中部に形成してもよい。また、受口部4側に設けてもよい。Oリング6等のシール部材の形状及び構造は、挿し口部3と受口部4との間を確実にシールできる限り、特に限定はなく、各種形状、構造のシール部材が、適宜位置に装着されうる。また、Oリング6を別途装着するかわりに予めシール部となる環状突起を一体成形しておくことも可能である。両端の挿し口部3、受口部4を含む波形合成樹脂管1Cの外側表面には、防水、耐候性、耐薬品性の向上を図ることのできるコーティング剤を被覆しても良い。
【0069】
次に、図14、16に基づき、波形合成樹脂管1Cの製造方法について説明する。
【0070】
波形合成樹脂管1Cの製造手順は、図16に示すように、波形合成樹脂管1Cの管壁2を成形する工程S1と、これに連続して、成形された波形合成樹脂管1Cの前記他端部102aに、該波形合成樹脂管より大径の管材7を同軸状に成形する工程S2と、成形された管材7の軸方向内側および外側の端部をそれぞれ封止チャック60、61で封止する工程S3と、封止チャックで封止された管材7と波形合成樹脂管管壁2との間の隙間に合成樹脂層8を形成する合成樹脂材料を注入する工程S4とを備えている。
【0071】
工程S1の管壁2の成形は、従来からの波形合成樹脂管の成形方法と同じ方法を用いることができ、連続的に供給された鋼材22を加工ローラ92で断面視M字状に変形加工した後、これを螺旋状に送り出すとともに、その外面側に外巻テープ(外面層24)を口金81から連続的に同じく螺旋状に送出して被着させ、内面側にも内巻テープ(本体部20)を口金82から連続的に螺旋状に送出して被着させ、軸方向に接合一体化して管壁2が成形される。そして本例では、一端管壁2を完成させた後に端部に管材7を成形するのではなく、この工程S1と連続して、成形された管壁2に工程S2の管材7を成形し、効率よく受口部4を成形するものである。
【0072】
工程S2で成形する管材7は、上記管壁2の成形と同様、連続的に供給された鋼材22を加工ローラ93で断面視M字状に変形加工した後、これを螺旋状に送り出すとともに、その外面側に外巻テープ(外面層24)を口金83から連続的に同じく螺旋状に送出して被着させ、内巻テープは省略し、軸方向に接合一体化して管材7が成形される。成形された管材7はガイド部としての複数のガイドローラ91に径方向外側から支持されて管壁2と同軸状に支持される。
【0073】
工程S3では、同軸状に成形された管材7に対して、封止チャック60、61を管材7の両端部に取り付け、管壁2との間の空間を密封する。なお、図示していないが、受口部4の受け面40を成形する金型が管壁2より外側に突出している管材7の内周面側にセットされることにより密封空間が形成される。
【0074】
そして、工程S4において、上記密封された空間に合成樹脂層8を形成する合成樹脂材料が注入される。本例では封止チャック60に軸方向に連通する注入口62を介して注入されるが、このような注入方法に何ら限定されず、封止チャック61、または上記受け面40を成形する金型に注入口を設けてもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1実施形態に係る継手構造を示す全体図。
【図2】同じく継手構造の要部を示す縦断面図。
【図3】(a)は管壁を示す要部の縦断面図、(b)はその変形例を示す縦断面図。
【図4】受口部の変形例を示す縦断面図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る継手構造を示す全体図。
【図6】同じく継手構造の要部を示す縦断面図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る継手構造の要部を示す縦断面図。
【図8】挿し口部の変形例を示す縦断面図。
【図9】補強繊維チップを混ぜて成形した変形例を示す縦断面図。
【図10】図9のものに更に補強繊維の織布、不織布又は樹脂成形体を内装した変形例を示す縦断面図。
【図11】本発明の第4実施形態に係る波形合成樹脂管を接続した状態を示す全体図。
【図12】同じく波形合成樹脂管を示す全体図。
【図13】同じく波形合成樹脂管の接続部の拡大縦断面図。
【図14】同じく波形合成樹脂管の製造方法を示す説明図。
【図15】受口部を構成する管材の他の例を示す拡大縦断面図。
【図16】製造手順を示すフロー図。
【符号の説明】
【0077】
1A,1B,1C 波形合成樹脂管
2 管壁
2a 凹部
3 挿し口部
4 受口部
5 合成樹脂層
6 Oリング
7,7A 管材
7B 補強繊維
7C 補強繊維チップ
8 合成樹脂層
9 取付ネジ
10,11 端部
20 本体部
21 補強凸部
22 鋼材
23 凹陥部
24 外面層
40 受け面
42 段付テーパー部
50 環状溝
60,61 封止チャック
62 注入口
70 係合突起
71 管壁
81,82,83 口金
91 ガイドローラ
92,93 加工ローラ
102a 他端部
S 接続構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管壁を螺旋波形状に形成してなる2本の波形合成樹脂管を端部で互いに接続する接続構造であって、
第1の波形合成樹脂管の対面する端部に、少なくとも該端部外面側の波形状を形成している凹部を埋める合成樹脂層を被着することにより筒状の挿し口部を設け、
第2の波形合成樹脂管の対面する端部に、該端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部を設け、
前記第1の波形合成樹脂管の挿し口部を、前記第2の波形合成樹脂管の受口部に挿着して互いに接続されることを特徴とする波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項2】
前記挿し口部と受口部の間にシール部材を介装してなる請求項1記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項3】
前記挿し口部の外面に前記シール部材が嵌め込まれる環状溝を形成してなる請求項2記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項4】
前記受口部及び挿し口部のうち少なくとも受口部の合成樹脂部分に、補強繊維を含有させてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項5】
前記補強繊維を、該補強繊維からなる織布、不織布、若しくは樹脂で固めた成形体の形態で前記合成樹脂部分に埋設させるか、或いはチップ状の形態で前記合成樹脂部分に含有させてなる請求項4記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項6】
前記補強繊維が、ガラス繊維又はグラスファイバーよりなる請求項4又は5記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項7】
前記受口部が、前記第2の波形合成樹脂管の対面する端部に、該第2の波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記端部外面側から軸方向外側に突出する状態に連結し、前記管材の少なくとも内面側に合成樹脂層を被着させてなる請求項1〜6の何れか1項に記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項8】
前記管材と前記第2の波形合成樹脂管の端部とを、その間に介在する前記合成樹脂層により一体化してなる請求項7記載の波形合成樹脂管の接続構造。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の接続構造に用いられる波形合成樹脂管であって、管壁を螺旋波形状に形成して構成され、一端部に、少なくとも該一端部外面側の波形状を形成している凹部を埋める合成樹脂層を被着することにより筒状の挿し口部を設け、他端部に、該他端部外面側に被着され且つ軸方向外側に筒状に延出された合成樹脂よりなる受口部を設けてなることを特徴とする波形合成樹脂管。
【請求項10】
前記一端部の挿し口部外面に、シール部材が嵌め込まれる環状溝を形成してなる請求項9記載の波形合成樹脂管。
【請求項11】
前記受口部及び挿し口部のうち少なくとも受口部の合成樹脂部分に、補強繊維を含有させてなる請求項9又は10記載の波形合成樹脂管。
【請求項12】
前記補強繊維を、該補強繊維からなる織布、不織布、若しくは樹脂で固めた成形体の形態で前記合成樹脂部分に埋設させるか、或いはチップ状の形態で前記合成樹脂部分に含有させてなる請求項11記載の波形合成樹脂管。
【請求項13】
前記補強繊維が、ガラス繊維又はグラスファイバーよりなる請求項11又は12記載の波形合成樹脂管。
【請求項14】
前記受口部が、前記他端部に、当該波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記他端部外面側から軸方向外側に突出する状態に連結し、前記管材の少なくとも内面側に合成樹脂層を被着させてなる請求項9〜13の何れか1項に記載の波形合成樹脂管。
【請求項15】
前記管材と前記他端部とを、その間に介在する前記合成樹脂層により一体化してなる請求項14記載の波形合成樹脂管。
【請求項16】
前記受口部を、当該波形合成樹脂管よりも大径の管材を同軸状に前記他端部の外面側から軸方向外側に突出する状態とし、少なくとも前記管材と波形合成樹脂管との間の隙間に前記合成樹脂層の合成樹脂材料を充填してなることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の波形合成樹脂管。
【請求項17】
前記管材を、当該波形合成樹脂管と同様、管壁が螺旋波形状に形成された管材とした請求項16記載の波形合成樹脂管。
【請求項18】
請求項16又は17記載の波形合成樹脂管の製造方法であって、
前記波形合成樹脂管の管壁の成形に連続して、
該成形された波形合成樹脂管の前記他端側に、該波形合成樹脂管より大径の前記管材を径方向外側からガイド部で支持しながら同軸状に成形し、
成形された管材の軸方向内側および外側の端部をそれぞれ封止チャックで塞ぎ、
該塞がれた前記管材と波形合成樹脂管との間の隙間に前記合成樹脂層の合成樹脂材料を注入してなることを特徴とする波形合成樹脂管の製造方法。
【請求項19】
前記封止チャックの少なくとも一方に、前記合成樹脂材料を注入するための注入口を設けてなる請求項18記載の波形合成樹脂管の製造方法。
【請求項20】
前記管材の成形において、連続的に供給された鋼板を断面視M字状に変形加工した後、これを螺旋状に送り出すとともに、その外面側に外巻テープを連続的に同じく螺旋状に送出して被着させ、軸方向に接合一体化された管材を形成してなる請求項18又は19記載の波形合成樹脂管の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−139062(P2010−139062A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53266(P2009−53266)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(398062574)カナフレックスコーポレーション株式会社 (62)
【Fターム(参考)】