説明

洗浄剤組成物

【課題】泡立ちと泡持ちに優れ、キメ細かくクリーミーな泡立ちを有し、優れた洗浄力を示し、且つ洗い流した後にさっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のつっぱり感がなく使用感に優れる洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩と、下記一般式(3)等で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩と、を含有する洗浄剤組成物。一般式(1):


一般式(3):

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄剤組成物の界面活性剤としてアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、および高級脂肪酸塩等が使用されてきた。しかしながら、これら界面活性剤を含む洗浄剤組成物は、使用後に肌がつっぱるといった、手肌に対する刺激性に問題があり、界面活性剤としてよりマイルドな原料が望まれている。
近年、手肌にマイルドで安全性が高く、生分解性もよい界面活性剤として、N−アシルグルタミン酸塩等のアミノ酸系界面活性剤が注目されている。
しかしながら、N−アシルグルタミン酸塩等のアミノ酸系界面活性剤は、泡立ちが弱く、洗い流した後にぬるつき、べとつきを感じることが多い。
【0003】
これ等の改善を目的に、例えば、特許文献1−4には、各種界面活性剤との併用が、特許文献5−9には、中和度の調整や対イオンを異にするものの併用等が提案されており、これ等の提案によりかなりの改善がなされてきた。
【0004】
また、従来、身体洗浄料を提供するための方法として、プロパン等の噴射剤を利用し、界面活性剤を含む発泡性液体をクリーム状の泡として噴出する容器、すなわちエアゾール缶が広く使用されている。このエアゾール缶に用いられる噴射剤は可燃性であるために取り扱いに注意が必要であり、また使用済みの缶を繰り返し使用することができない等の環境上の点で問題があった。
この問題を解決するために、手動のフォーマーポンプ式やスクイズ式の容器を利用する方法が提案され、使用されている。
こうした容器で用いるのに適した洗浄剤組成物の成分としてN−アシルアミノ酸塩を用いることが特許文献10および11等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−273810号公報
【特許文献2】特開平3−281699号公報
【特許文献3】特開平1−272697号公報
【特許文献4】特開昭63−30599号公報
【特許文献5】特開平9−125089号公報
【特許文献6】特開平6−49481号公報
【特許文献7】特開平4−180999号公報
【特許文献8】特開平4−149299号公報
【特許文献9】特開昭59−138298号公報
【特許文献10】特開平7−252132号公報
【特許文献11】特開平8−131809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1−9に開示された技術では、とりわけ人体用として、泡立ちが良好でクリーム状の泡が立ち、さっぱり感、つっぱり感、使用後の髪のきしみといった使用感、保存性をバランスよく改善する点で充分ではなく、一層の改善が望まれている。
また、特許文献10および11に開示された技術では、キメ細かくコシのあるクリーミーな泡立ちが不十分なものであり、一層の改善が望まれている。
さらに、特許文献10および11には、N−アシルアスパラギン酸塩は具体的に開示されていない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、泡持ちと泡立ちに優れ、キメ細かくコシのあるクリーミーな泡立ちを有し、優れた洗浄力を示し、且つ洗い流した後にさっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のつっぱり感がなく使用感に優れる洗浄剤組成物を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、N−アシルアスパラギン酸のカリウム塩とN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩を含有する洗浄剤組成物とすることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の以下のとおりである。
1.
下記一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩と、
下記一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩と、を含有する洗浄剤組成物。
一般式(1):
【化1】


(式中、R1は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M1およびM2は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M1とM2は同時に水素原子ではない。)
一般式(2):
【化2】


(式中、R2は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M3〜M5は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M3〜M5は同時に水素原子ではない。)
一般式(3):
【化3】


(式中、R2は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M6〜M8は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M6〜M8は同時に水素原子ではない。)
2.
前記一般式(2)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩および前記一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩を含有する、1.に記載の洗浄剤組成物。
3.
前記一般式(2)または一般式(3)におけるR2が前記一般式(1)におけるR1と同一である、1.または2.に記載の洗浄剤組成物。
4.
下記一般式(4)で表される高級脂肪酸またはそのカリウム塩を、さらに含有する、1.〜3.のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
一般式(4):
R3COOM9
(式中、R3は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M9は水素原子またはカリウム原子を示す。)
5.
前記一般式(4)におけるR3が前記一般式(1)におけるR1と同一である、1.〜4.のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
6.
非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の界面活性剤を、さらに含有する、1.〜5.のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
7.
下記一般式(5)で表される多鎖多親水基化合物を、さらに含有する、1.〜6.のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
一般式(5):
Qn−X
〔式中、Xはm個の官能基、および官能基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖、分枝鎖もしくは環状鎖の炭化水素鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、下記一般式(6)で表される基であり、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。nは2〜20の整数を示し、mはm≧nである整数を示す。
一般式(6):
【化4】


(式中、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R4COは炭素数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基を示し、R5は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩を示す。jおよびkは、それぞれ独立に0〜2の整数を示し、jおよびkは同時に0ではない。)〕
8.
泡吐出用である、1.〜7.のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、泡持ちと泡立ちに優れ、キメ細かくコシのあるクリーミーな泡立ちを有し、優れた洗浄力を示し、且つ洗い流した後にさっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のつっぱり感がなく使用感に優れる洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するため形態(以下、本実施の形態という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0012】
本実施の形態の洗浄剤組成物は、下記一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩と、
下記一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩と、を含有する。
【0013】
一般式(1):
【化5】


(式中、R1は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M1およびM2は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M1とM2は同時に水素原子ではない。)
【0014】
一般式(2):
【化6】


(式中、R2は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M3〜M5は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M3〜M5は同時に水素原子ではない。)
【0015】
一般式(3):
【化7】


(式中、R2は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M6〜M8は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M6〜M8は同時に水素原子ではない。)
【0016】
一般式(1)中、R1は、炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基であることにより、泡の細かさや起泡力に優れる洗浄剤組成物とすることができる。
R1における炭素数は、好ましくは7〜17である。
一般式(1)中、M1およびM2は、少なくとも一方がカリウム原子であることにより、キメ細かくコシのあるクリーミーな泡立ちなどに優れる洗浄剤組成物とすることができる。
一般式(1)中、そのアミノ酸部分の光学活性に関しては、L体、D体、らセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であってもよい。
【0017】
一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩としては、例えば、N−オクタノイルアスパラギン酸、N−デカノイルアスパラギン酸、N−ラウロイルアスパラギン酸、N−ミリストイルアスパラギン酸、N−パルミトイルアスパラギン酸、N−ステアロイルアスパラギン酸、N−イソステアロイルアスパラギン酸、N−オレオイルアスパラギン酸、N−リノレオイルアスパラギン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸、N−パーム油脂肪酸アシルアスパラギン酸、N−パーム核油脂肪酸アシルアスパラギン酸等のN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩が挙げられる。
一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩は、モノカリウム塩であってもよく、ジカリウム塩であってもよい。
また、一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩は、1種の単一物であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩の中和度は50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
【0018】
一般式(2)または一般式(3)中、R2は、同一の基であることが好ましく、炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基であることにより、泡の細かさや起泡力などに優れる洗浄剤組成物とすることができる。
R2における炭素数は、好ましくは7〜17である。
一般式(2)または一般式(3)中、M3〜M5およびM6〜M8は、それぞれ、少なくとも1つがカリウム原子であることにより、キメ細かくコシのあるクリーミーな泡立ちに優れる洗浄剤組成物とすることができる。
一般式(2)または一般式(3)中、そのアミノ酸部分の光学活性に関しては、L体、D体、らセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であってもよい。
【0019】
上記一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩としては、例えば、N−オクタノイルジアスパラギン酸、N−デカノイルジアスパラギン酸、N−ラウロイルジアスパラギン酸、N−ミリストイルジアスパラギン酸、N−パルミトイルジアスパラギン酸、N−ステアロイルジアスパラギン酸、N−イソステアロイルジアスパラギン酸、N−オレオイルジアスパラギン酸、N−リノレオイルジアスパラギン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルジアスパラギン酸、N−パーム油脂肪酸アシルジアスパラギン酸、N−パーム核油脂肪酸アシルジアスパラギン酸等のN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩が挙げられる。
一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩は、モノカリウム塩であってもよく、ジカリウム塩であってもよく、トリカリウム塩であってもよい。
また、一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩は、1種の単一物であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩の中和度は50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
【0020】
一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩および一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩は、例えば、アスパラギン酸やジアスパラギン酸と脂肪酸クロライドとのショッテン・バウマン反応後、カリウムを含むアルカリ、例えば水酸化カリウムにより中和することで製造することができる。
【0021】
洗浄剤組成物は、泡量などの観点で、一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩を、好ましくは0.001〜60質量%、より好ましくは0.01〜30質量%含有する。
洗浄剤組成物は、泡量と感触(さっぱり感)などの観点で、一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩を、一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩に対し、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.1〜8質量%含有する。
該含有量が0.1質量%以上であることにより、洗浄後のさっぱり感などに優れる洗浄剤組成物とすることができ、また、15質量%以下であることにより、泡量などに優れる洗浄剤組成物とすることができる。
【0022】
本実施の形態の洗浄剤組成物は、泡量などの観点で、好ましくは、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸のカリウム塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸のカリウム塩の両者を含有する。
【0023】
洗浄剤組成物は、泡量などの観点で、一般式(2)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩および一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩の含有比として、1:10〜10:1であることが好ましく、1:5〜5:1であることがより好ましい。
【0024】
一般式(2)または(3)におけるR2が一般式(1)におけるR1と同一であることが好ましい。
一般式(2)または(3)におけるR2が一般式(1)におけるR1と同一であるN−アシル−ジアスパラギン酸のカリウム塩を用いることにより、洗浄剤組成物として、泡立ち、洗浄力に優れ、さっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のつっぱり感が少なく、かつ保存性にも優れた効果を最大にすることができる。
【0025】
本実施の形態において、一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩、および一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩は、塩基成分の当量を適宜調節して得られる部分的なカリウム塩であってもよい。
洗浄剤組成物に、直接上記カリウム塩を配合してもよく、N−アシルアスパラギン酸またはN−アシルジアスパラギン酸と、カリウム塩基とをそれぞれ配合して配合処方の中でカリウム塩を形成してもよい。
【0026】
本実施の形態の洗浄剤組成物に、下記一般式(4)で表される高級脂肪酸またはその塩を配合することにより泡持ちと泡立ち、泡の細かさと泡のコシなどの観点でさらに効果を高めることができる。
一般式(4):
R3COOM9
(式中、R3は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M9は水素原子またはカリウム原子を示す。)
【0027】
一般式(4)で表される高級脂肪酸の種類については特に限定されないが、水酸基、芳香族基等の置換基を有していてもよい。
【0028】
一般式(4)で表される高級脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げられる。
一般式(4)で表される高級脂肪酸の塩としては、例えば、上記高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩; アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、コリン塩等が挙げられる。
一般式(4)で表される高級脂肪酸またはその塩は、1種の単一物であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
一般式(4)におけるR3が一般式(1)におけるR1と同一であることが好ましい。
洗浄剤組成物は、泡持ちと泡立ち、泡の細かさと泡のコシなどの観点で、一般式(4)で表される高級脂肪酸またはその塩を、一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩に対し、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%含有する。
【0029】
本実施の形態の洗浄剤組成物は、洗浄性の向上や様々な材形に使用する観点で、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、およびカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の界面活性剤をさらに含有することが好ましい。
【0030】
非イオン系界面活性剤としては、例えば、POE(ポリオキシエチレン)オクチルエーテル、POE(2−エチル−ヘキシル)エーテル、POEラウリルエーテル、POEミリスチルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;POE・POP(ポリオキシプロピレン)ブチルエーテル、POE・POPラウリルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPグリコール等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール型;POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEクロロフェニルエーテル、POEナフチルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;POE硬化ひまし油エーテル、POEひまし油エーテル;その他POEラノリンアルコールエーテル、POEフィトステロール等のエーテル系;モノステアリン酸POEグリセリル、オレイン酸POEグリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、トリステアリン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ヘキサステアリン酸POEソルビトール、テトラステアリン酸POEソルビトール、テトラオレイン酸POEソルビトール、モノラウリン酸POEソルビトール等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウリン酸、ポリエチレングリコールモノステアリン酸、ポリエチレングリコールモノオレイン酸、ポリエチレングリコールジステアリン酸、ポリエチレングリコールジオレイン酸、ポリエチレングリコールジイソステアリン酸等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールラノリン脂肪酸エステル等のエーテルエステル系;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール等のエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸ペンタエリスリトール、モノオレイン酸ペンタエリスリトール等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル;マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキル(ポリ)グルコシド、シュガーエステル等の糖誘導体;α−モノイソステアリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;アセチル−モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド等の有機酸モノグリセリド;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、ミリストイルモノエタノールアミド、ラウロイルジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウロイルイソプロパノールアミド、ミリストイルイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド、POEラウロイルモノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルモノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;POEラウリルアミン、POEステアリルアミン等のPOEアルキルアミン;ラウリルジメチルアミンオキサイド、ココジメチルアミンオキサイド、ココアミドプロピルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド等が挙げられる。
好ましくは、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、より好ましくは、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0031】
陰イオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸およびその塩;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアリールエーテル硫酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアミド硫酸およびその塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等のアシルエステル硫酸およびその塩;ラウリルスルホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウム、ヤシ油アルキルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸およびその塩;リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸およびその塩;アルキルナフタレンスルホン酸およびその塩;ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物等のホルマリン縮合系スルホン酸およびその塩;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハク酸2ナトリウム等のスルホコハク酸およびその塩;ドデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸カリウム、デトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸およびその塩;α−スルホラウリン酸メチルエステル、α−スルホミリスチン酸メチルエステル、α−スルホラウリン酸(EO)nメチルエステル等のα−スルホ脂肪酸エステルおよびその塩;ヤシ油脂肪酸アシル−N−メチルタウリンカリウム、ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウロイル−Nメチルタウリンカリウム、ラウロイル−N−メチルタウリントリエタノールアミン、ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ミリストイル−N−メチルタウリントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−N−メチルタウリントリエタンールアミン等のN−アシルメチル−タウリンおよびその塩;ヤシ油脂肪酸アシル−グルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−グルタミン酸トリエタンールアミン、ラウロイル−グルタミン酸ナトリウム、ミリストイル−グルタミン酸カリウム、ミリストイル−グルタミン酸ナトリウム、パーム油脂肪酸アシル−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸およびその塩;N−ラウロイルグリシンナトリウム、N−ミリストイルグリシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−グリシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−グリシンカリウム等のN−アシルグリシンおよびその塩;ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸ナトリウム等のアシルイセチオン酸およびその塩;アルキルスルホ酢酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等のアルキルエーテルリン酸およびその塩;アルキルアリールエーテルリン酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリルアミドエーテルリン酸ナトリウム等の脂肪酸アミドエーテルリン酸およびその塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸リン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸カリウム、ラウリルリン酸トリエタノールアミン、オレイルリン酸ジエタノールアミン等のアルキルリン酸およびその塩;ラウロイルイミノジ酢酸ナトリウム、ラウロイルイミノジ酢酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシルイミノジ酢酸ナトリウム、ラウロイルイミノジ酢酸ジナトリウム、パーム核脂肪酸イミノジ酢酸ナトリウム等のアシルイミノジ酢酸およびその塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル酢酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリグリセリルラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸およびその塩;ヤシ油脂肪酸シルクペプチド等のアシル化ペプチド;ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテルカルボン酸トリエタノールアミン等のアミドエーテルカルボン酸およびその塩;アシル乳酸塩;アルケニルコハク酸およびその塩等が挙げられる。
好ましくは、アルキルエーテル硫酸およびその塩、スルホコハク酸およびその塩、N−アシルメチル−タウリンおよびその塩、N−アシルグルタミン酸およびその塩、アルキルリン酸およびその塩、N−アシルグリシンおよびその塩等が挙げられ、より好ましくは、アルキルエーテル硫酸およびその塩、N−アシルメチル−タウリンおよびその塩、N−アシルグルタミン酸およびその塩、N−アシルグリシンおよびその塩等が挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルベタイン、ミリスチルジメチルベタイン、パルミチルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、オレイルジメチルベタイン、ヤシ油アルキルジメチルベタイン、ラウリルメチルエチルベタイン、オクタデシルオキシメチルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油アルキルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルベタイン、オレイン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン等のカルボキシベタイン型;
RN+2CH2COO-(R:アルキル)で示されるラウリルグリシン、ステアリルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウム等のグリシン型;
RN+2CH2CH2COO-(R:アルキル)で示されるラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン等のアミノプロピオン酸型;
ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム、ラウリルジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン、ミリスチルジメチルヒドロキシプロピリルスルホベタイン、ラウリルジメチルプロピルスルホベタイン、ヤシ油アルキルジメチルプロピルスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン型;
RN+2CH2CH2SO3-(R:アルキル)で示されるスルホン酸型;
RN+2CH2CH2OSO3-(R:アルキル)で示される硫酸型;
ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N’−ジカルボキシエチル−エチレンジアミン2ナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N’−カルボキシエチル−エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N’−ジカルボキシメチル−エチレンジアミン2ナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−N’−カルボキシメチル−エチレンジアミンナトリウム、N−ヒドロキシドデシル−N−ポリオキシエチレン−N’−カルボキシエチル−N’−ポリオキシエチレンエチレンジアミンナトリウム、ヤシ脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、等のアミノカルボン酸塩型;
2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ステアリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型;
RN+2CH(CH3)P(OH)O2-(R:アルキル)で示されるリン酸型;レシチン;
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型等が挙げられる。
好ましくは、グリシン型、アミノ酢酸ベタイン型、アミドプロピオン酸型、スルホベタイン型等が挙げられ、より好ましくは、アミノ酢酸ベタイン型等が挙げられる。
【0033】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸等のモノアルキル第四級アンモニウム塩;ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等のジアルキル第四級アンモニウム塩;ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムエチル硫酸、ラウロイルアミノエチルメチルジエチルアンモニウムメチル硫酸等のアシルアミノアルキル第四級アンモニウム塩;ジパルミチルポリエテノキシエチルアンモニウムクロライド、ジステアリルポリエテノキシメチルアンモニウムクロライド等のアルキルエテノキシ第四級アンモニウム塩;ラウリルイソキノリニウムクロライド等のアルキルイソキノリニウム塩;ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のベンザルコニウム塩;ベンジルジメチル{2−[2−(p-1,1,3,3、-テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド等のベンゼトニウム塩;セチルピリジニウムクロライド等のピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩;N−ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、N−ラウロイルリジンエチルエチルエステル塩酸塩等のアシル塩基性アミノ酸アルキルエステル塩;ラウリルアミン塩酸塩等の第一級アミン塩;ジラウリルアミン酢酸塩等の第二級アミン塩;第三級アミン塩;脂肪酸アミドグアニジニウム塩;ラウリルトリエチレングリコールアンモニウムハイドロオキサイド等のアルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩等が挙げられる。
好ましくは、モノアルキル第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0034】
洗浄剤組成物は、洗浄性の向上や様々な材形に使用する観点で、上記界面活性剤を、洗浄剤組成物中、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜40質量%含有する。
【0035】
本実施の形態の洗浄剤組成物は、刺激の緩和の観点で、一般式(5)で表される多鎖多親水基化合物を、さらに含有することが好ましい。
一般式(5):
Qn−X
〔式中、Xはm個の官能基、および官能基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖、分枝鎖もしくは環状鎖の炭化水素鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、下記一般式(6)で表される基であり、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。nは2〜20の整数を示し、mはm≧nである整数を示す。
一般式(6):
【化8】


(式中、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R4COは炭素数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基を示し、R5は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩等で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩を示す。jおよびkは、それぞれ独立に0〜2の整数を示し、jおよびkは同時に0ではない。)〕
【0036】
多鎖多親水基化合物は、長鎖疎水基として、それぞれ独立に、炭素数8〜20個の飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、環状鎖からなるR4COなどの基を有し、親水基として、それぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基、リン酸残基またはそれらの塩等、あるいはオキシアルキレン基、ポリエチレングリコール基等、またはアミノ基、4級アンモニウム基、ピリジニウム基、スルホニウム基またはそれらの塩等であるYなどの基を有する化合物である。
【0037】
多鎖多親水基化合物の長鎖疎水基としては、例えば、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル等の各残基とこれらの分枝鎖異性体、ならびにこれらに対応した、1カ所、2カ所または3カ所に不飽和部分を有する不飽和残基等が挙げられる。
【0038】
また、多鎖多親水基化合物の長鎖疎水基としては、炭素数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基であり、アシル基としては、それぞれ、独立して、すなわち、それぞれ異なっていても同一であってもよい。
例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸のような直鎖脂肪酸;2−ブチル−5−メチルペンタン酸、2−イソブチル−5−メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2−ブチル−5−メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2−エチル−3−メチルノナン酸、2,2−ジメチル−4−エチルオクタン酸、メチルドコサン酸、2−プロピル−3−メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2−ブチル−3−メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2−(3−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、2−(2−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸のような分岐脂肪酸;オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、トウハク酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキセデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸、ゴンドイン酸のような直鎖モノエン酸;メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸のような分岐モノエン酸;リノール酸、リノエライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステアリン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のようなジまたはトリエン酸;オクチン酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシン酸、ドデシン酸、トリデシン酸、テトラデシン酸、ペンタデシン酸、ヘプタデシン酸、オクタデシン酸、ノナデシン酸、ジメチルオクタデシン酸のようなアセチレン酸;メチレンオクタデセン酸、メチレンオクタデカン酸、アレプロール酸、アレプレスチン酸、アレプリル酸、アレプリン酸、ヒドノカルプン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸のような環状酸;から誘導されるアシル基が挙げられる。
また、天然油脂から得られる脂肪酸由来のアシル基でもよく、上記の炭素数8〜20の飽和または不飽和脂肪酸を80%以上含む混合脂肪酸由来のアシル基が好ましい。例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、ツバキ油脂肪酸、菜種油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から誘導されるアシル基等が挙げられる。これらアシル化合物は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0039】
多鎖多親水基化合物を塩として用いる場合には、例えば塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛等の金属、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。これらの中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が特に好ましい。
【0040】
一般式(5)中、Xに結合したn個の置換基Qは、それぞれ異なっても同一でもよい。
【0041】
一般式(6)中、R4COで示されるアシル基は、それぞれ独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよく、炭素数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものであれば何でもよく、直鎖、分岐、環状を問わない。
【0042】
一般式(6)中、R5は水素であるか、またはヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩等で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基等が挙げられる。
【0043】
一般式(6)は、いわゆる酸性アミノ酸がN−アシル化された基であることが好ましく、酸性アミノ酸の光学異性については、例えば、D−体、L−体、ラセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であってもよいが、L−体であることが生分解性に優れるため好ましい。
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個のモノアミノジカルボン酸であることが好ましい。
酸性アミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ランチオニン、β−メチルランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸等が挙げられる。
【0044】
一般式(6)中、Zは、Xの有するm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)の官能基(ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基)に由来する結合部(−O−、−NR6−、−S−)である。
R6は水素、または炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基またはアリール基またはアルキルアリール基である。
一般式(5)中、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上からなるm個の官能基を有する分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであり、Xは、前記ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい。
【0045】
一般式(5)中、Xは好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上の官能基をm個有する分子量100万以下のm価の化合物の残基であって、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい化合物残基である。ここで、m価の化合物とは、m個の官能基に由来する結合を作りうることを意味する。m価の化合物の光学異性については、例えば、D−体、L−体、ラセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であるかは問わない。
【0046】
このようなm価の化合物としては、例えば、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、オキシプロリン等のアミノ酸類;アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール、グルコサミン等の分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物類;メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール、グルコチオース等の分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物類;アミノチオフェノール、アミノトリアゾールチオール等の分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物類;等が挙げられる。また、タンパク質やペプチド等、またはそれらを加水分解したもの等でも良い。
【0047】
一般式(5)中、Xは好ましくはヒドロキシル基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価(m≧n)のポリヒドロキシル化合物残基である。ここで、m価のポリヒドロキシル化合物は、m個のエステル結合を作りうることを意味する。m価のポリヒドロキシル化合物の光学異性については、例えば、D−体、L−体、ラセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であるかは問わない。
【0048】
このようなm価のポリヒドロキシル化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシけい皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等およびこれらの各異性体等の2価ヒドロキシル化合物;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシステアリン酸等の3価ポリヒドロキシル化合物;ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価ポリヒドロキシル化合物;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価ポリヒドロキシル化合物;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価ポリヒドロキシル化合物;またはこれらの脱水縮合物、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0049】
また、糖類、例えば、エリスロース、スレオース、エリスルロース等のテトロース;リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等のペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等の単糖類;マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等のオリゴ糖類が挙げられる。
【0050】
また、その他の糖類、例えば、ヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル、グリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類またはそれらを加水分解したものでもよい。
【0051】
一般式(5)中、Xは好ましくはアミノ基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリアミノ化合物残基である。ここで、m価のポリアミノ化合物は、m個の酸アミド結合を作りうることを意味する。m価のポリアミノ化合物の光学異性については、例えば、D−体、L−体、ラセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であるかは問わない。
【0052】
このようなm価のポリアミノ化合物としては、例えば、N,N’−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸およびこれらの各異性体等の脂肪族ジアミン類;ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミンおよびこれらの各異性体等の脂肪族トリアミン類;ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、トリアミノシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン類;ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸、およびこれらの各異性体等の芳香族ポリアミン類;ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン、およびこれらの各異性体等の芳香脂肪族ポリアミン類;ジアミノヒドロキシプロパンおよびこれらの各異性体等のヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
【0053】
一般式(5)中、Xは好ましくはチオール基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリチオール化合物残基である。ここで、m価のポリチオール化合物は、m個のチオエステル結合を作りうることを意味する。m価のポリチオール化合物の光学異性については、例えば、D−体、L−体、ラセミ体、DL体の任意の範囲の混合物であるかは問わない。
【0054】
このようなm価のポリチオール化合物としては、例えば、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等のジチオール化合物類等が挙げられる。
【0055】
Xは上に挙げた化合物の残基の中でも、炭素数1〜40の場合が好ましい、さらに好ましくは、Xは炭素数1〜20である。また、Xは天然に存在する構造であるスペーサーである場合の方が、生分解性に優れるという点で好ましい。
【0056】
一般式(6)中、Yで示されるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基およびX中に含まれうるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等は、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。かかる塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩、多価金属塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム等の金属、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。
【0057】
一般式(5)で表される多鎖多親水基化合物としては、例えば、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンカリウム、ジミリストイルグルタミン酸リシン、ジミリストイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジミリストイルグルタミン酸リシンカリウム、ジパルミトイルグルタミン酸リシン、ジパルミトイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジパルミトイルグルタミン酸リシンカリウム、ジステアロイルグルタミン酸リシン、ジステアロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジステアロイルグルタミン酸リシンカリウム、ジイソステアロイルグルタミン酸リシン、ジイソステアロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジイソステアロイルグルタミン酸リシンカリウム、ジオレオイルグルタミン酸リシン、ジオレオイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジオレオイルグルタミン酸リシンカリウム、ジリノレオイルグルタミン酸リシン、ジリノレオイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジリノレオイルグルタミン酸リシンカリウム、ジヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸リシン、ジヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸リシンナトリウム、ジヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸リシンカリウム、ジパーム油脂肪酸アシルグルタミン酸リシン、ジパーム油脂肪酸アシルグルタミン酸リシンナトリウム、ジパーム油脂肪酸アシルグルタミン酸リシンカリウム、ジパーム核油脂肪酸アシルグルタミン酸リシン、ジパーム核油脂肪酸アシルグルタミン酸リシンナトリウムジパーム核油脂肪酸アシルグルタミン酸リシンカリウム、等のジアシルグルタミン酸リシン及びその塩等が挙げられる。好ましくはジラウロイルグルタミン酸リシン、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンカリウムが挙げられる。
【0058】
洗浄剤組成物は、刺激の緩和の観点で、上記多鎖多親水基化合物を、洗浄剤組成物中に、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.001〜3質量%含有する。
【0059】
本実施の形態の洗浄剤組成物には、その効果を損なわない範囲において、通常、洗浄剤または化粧料として用いられる各種成分を、その目的に応じて適宜配合することができる。
これらの成分としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、二酸化チタン、二酸化亜鉛等の粉末成分;ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、月見草油、ミンク油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、トーモロコシ油、カカオ油、ヤシ油、コメヌカ油、オリーブ油、アーモンド油、ごま油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、パーム油、パーム核油、卵黄油、ラノリン、スクワレン等の天然動植物油脂類;合成トリグリセライド;スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン等の炭化水素類;カルナバウロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キヤンデリラワックス、ラノリン等のワックス類;セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;コレステリル−オクチルドデシル−ベヘニル等のコレステロールおよびその誘導体;イソプロピルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルステアリン酸、2エチルヘキサン酸グリセロール、ブチルステアリン酸、リノール酸エチル等のエステル類;ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリトリトールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等の極性オイル;メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサンエマルション、高重合メチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン等、更にはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、片末端反応性シリコーン、異種官能基変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、フッ素変性シリコーン等の各種誘導体を含むシリコーン類;パラアミノ安息香酸およびその誘導体、ホモメチル−7N−アセチルアラントイラニレート、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート等のパラメトキシケイ皮酸誘導体、アミルサリシレート等のサリチル酸誘導体、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル、酢酸液状ラノリン、コガネバナ根抽出エキス、トリアニリノ−p−カルボエチルヘキシルオキシ−トリアジン等の紫外線吸収剤;アルブチン、コウジ酸、リン酸アスコルビン酸マグネシウム等のアスコルビン酸およびその誘導体;グルタチオン、甘草エキス、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トコフェロールおよびその誘導体、トラネキサム酸およびその塩、アズレン、γ−ヒドロキシ酪酸等の美白成分;マルチトール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール等の多価アルコール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、乳酸ソーダ、クエン酸ソーダ等有機酸およびその塩;ヒアルロン酸ソーダ等ヒアルロン酸およびその塩、酵母および酵母抽出液の加水分解物、酵母培養液、乳酸菌培養液等醗酵代謝産物、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、セリシン等の水溶性蛋白、コラーゲン加水分解物、カゼイン加水分解物、シルク加水分解物、ポリアスパラギン酸ナトリウム等のぺプチド類およびその塩、トレハロース、キシロビオース、マルトース、ラフィノース、メリビオース、蔗糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の糖類、結晶性セルロース、非結晶性セルロース、キシラン、マンナン、ガラクタン、アラビナン、アラビノキシラン等の多糖類およびその誘導体;水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩;グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン酸等のアミノ酸;アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物、アロエ、マロニエ等の植物抽出液;トリメチルグリシン、ベタイン、尿素、尿酸、アンモニア、レシチン、ラノリン、スクワラン、スクワレン、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質等の保湿剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、デンプン、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、ペクチン、マンナン、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ニトロセルロース、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド等のポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、セテアレス−60ミリスチルグリコール、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤;エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸およびその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩類、ヒドロキシエタンジホスホン酸等の金属イオン封鎖剤;エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレグリコール等の有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マレイン酸等の有機酸;ビタミンA及びその誘導体;ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体等のビタミンB類;アスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステル等のビタミンC類、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)グリチルレチン酸およびその誘導体;ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモールイノシトール、サポニン類(キラヤサポニン、アズキサポニン、ヘチマサポニン等)トラネキサム酸、パントテルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランジン、プラセンタエキス、センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマーオリザノール等の血行促進剤;トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル等の局所刺激剤、各種ビタミンやアミノ酸等の栄養剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤;酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;メントール、カンフル等の清涼剤;抗ヒスタミン剤;トコフェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGA、ユビキノン等の酸化防止剤等の各種薬剤;サッカロマイセス等の酵母、糸状菌、バクテリア、牛胎盤、人胎盤、人臍帯、酵母、牛コラーゲン、牛乳由来蛋白、小麦、大豆、牛血液、ブタ血液、鶏冠、カミツレ、キュウリ、コメ、シアバター、シラカバ、茶、トマト、ニンニク、ハマメリス、バラ、ヘチマ、ホップ、モモ、アンズ、レモン、キウイ、ドクダミ、トウガラシ、クララ、ギシギシ、コウホネ、セージ、ノコギリ草、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、アロエベラ、オウゴン、オウバク、コウカ、ベニバナ、サンシン、シコン、タイソウ、チンピ、ニンジン、ヨクイニン、ハトムギ、クチナシ、サワラ等の動植物・微生物およびその一部から有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコール等で抽出または加水分解して得た天然エキス;色素;香料;ラノリン、コレステロール、サポニン等;アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体、トラガントゴム等の高分子化合物;安息香酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等)およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩類、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、ホウ酸、レゾルシン、トリブロムサラン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、チラム、感光素201号、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニド、酢酸トコフェノール、ジンクピリチオン、ヒノキチオール、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、2、4、4−トリクロロ−2−ヒドロキシフェノール、ヘキサクロロフェン、メチルイソチアゾリノン等の抗菌・防腐剤;精製水等が挙げられる。
【0060】
本実施の形態において、洗浄剤組成物中に、粉末成分をさらに含有することは、物理的な摩擦効果によって洗浄力を高めると共に、粒子表面に汚れを吸着することで有効である。
また、油性成分をさらに含有することは、油性成分の溶剤効果により油性の汚れを可溶化する効果があるために洗浄力の向上に適している。油性成分の中でも、シリコーン類との併用は使用後にさっぱりした感触を与える為に有効である。
保湿剤をさらに含有することは、過剰な脱脂による皮膚の荒れを防止することができ、使用感の向上に寄与する。
金属イオン封鎖剤または酸化防止剤をさらに含有することは、長期間または過酷な使用条件下における製品の変化を防止し、良好な使用感を提供しつづける上で有効である。
【0061】
本実施の形態の洗浄剤組成物は、特に限定されず、従来公知の方法により、各成分を混合することにより製造することができる。
【0062】
本実施の形態の洗浄剤組成物は、ボディーシャンプー、固形石鹸、頭髪用シャンプー、洗顔液、洗顔フォームなど身体の洗浄剤として用いることができる。
本実施の形態の洗浄剤組成物は、液体、クリーム、フォーム、固形物などの形態で用いることができる。本実施の形態の洗浄剤組成物は、特に限定されるものではないが、上述したような配合成分を含み、その形態に応じて、100質量%となるように精製水などの溶媒を含むことが好ましい。
中でも、泡吐出用の洗浄剤組成物として用いることが好適である。
【0063】
本実施の形態において、泡吐出容器としては、ノズル部または釦部を押し下げることによって泡を吐出するフォーマーポンプ式およびボトル胴部を圧縮することによって泡を吐出するスクイズ式があり、そのいずれもが適用可能であるが、特にフォーマーポンプ式においては、使用が容易でクリーミーな泡を生成することができるのみならず、ボトルに最小限しか触れずに内容物を吐出させることができるためにボトルが汚れにくく、衛生上も好ましい。
【実施例】
【0064】
以下、本実施の形態を実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施の形態に用いられる洗浄剤組成物の諸物性の測定手法は以下のとおりである。
【0065】
<pHの測定>
起泡力の測定試験では5%水溶液を60℃に加温し、pH計にて測定した。
使用感の測定試験では20%水溶液を60℃に加温し、pH計にて測定した。
【0066】
<起泡力の測定>
表1に記載の割合で含む配合成分19.8g、精製水280.2gを、ミキサー(商品名;MX−V1000、National製)に投入し、25℃で、30秒間ミキサーにて撹拌直後に、発生した泡の高さ(mm)を測定し、これにより起泡力を以下の基準により判定した。高い測定値ほど、高い起泡力を示す。
起泡力判定基準(ポイント評価基準)
◎:起泡力が170mm以上
○:起泡力が150mm以上、170mm未満
△:起泡力が130mm以上、150mm未満
×:起泡力が130mm未満
【0067】
<使用感の測定>
洗浄組成物を用いて、手洗浄試験を行い、各試験項目(泡量、泡の細かさ、泡のコシ、泡持ち、ツッパリ感、皮膚刺激性)について、以下の評価基準により、使用感の良否を判定した。
泡量判定基準
◎:非常に泡立つ ○:泡立つ △:泡立たない ×:非常に泡立たない
泡の細かさ判定基準
◎:非常に細かい ○:細かい △:荒い ×:非常に荒い
泡のコシ判定基準
◎:非常にコシがある ○:コシがある △:コシがない ×:非常にコシがない
泡持ち判定基準
○:泡立て後すぐに泡が消滅しない ×:泡立て後すぐに泡が消滅する
ツッパリ感判定基準
◎:全くつっぱらない ○:つっぱらない △:つっぱる ×:非常につっぱる
皮膚刺激性判定基準
◎:全くない ○:ない △:ある ×:非常にある
【0068】
<ダレの測定>
30度に傾けた人工皮革上に泡を吐出し、10秒後の泡の流れた状態を、無し(○)、あり(×)の2段階で比較した。
【0069】
<吐出の容易さの測定>
パネラー10名により吐出を行い、吐出が容易(○)、困難(×)の2段階で比較した。
【0070】
実施例1〜15および比較例1
表1に記載の配合成分を、それぞれ対応する脂肪酸クロライドと、アスパラギン酸またはジアスパラギン酸とを反応させた後に、それぞれ、水酸化カリウムで中和することにより得た。
脂肪酸カリウム塩は、それぞれ対応する脂肪酸クロライドを水と反応させた後に、それぞれ、水酸化カリウムで中和することにより得た。
比較例1においては、表1に記載のとおり、水酸化ナトリウムで中和した配合成分を用いた。
表1に記載の質量割合で各配合成分を混合し、配合成分を5質量%で含む洗浄剤組成物を精製水で調製し、得られた洗浄剤組成物の物性を前述の起泡力の測定試験により評価した。
同様に表1に記載の質量割合で各配合成分を混合し、配合成分を20質量%で含む洗浄剤組成物を精製水で調製し、得られた洗浄剤組成物の物性を前述の使用感の測定試験により評価した。
結果を表1に示す。実施例1−15の洗浄剤組成物は、泡の細かさ、泡のコシといった使用感において優れた結果を示した。
【0071】
【表1】

【0072】
実施例16−39および比較例2−6
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムは、ペリセア(登録商標)L30(旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いた。
表2に記載の質量割合(質量%)で各配合成分を混合し、精製水を全体が100質量%となるように混合して、洗浄剤組成物を調製した。得られた洗浄剤組成物について評価を行い、結果を表2に示す。
実施例16−39の洗浄剤組成物は泡のダレ、泡のコシ、吐出の容易さ、ツッパリ感において優れた結果を示した。
【0073】
【表2】

【0074】
実施例40
下記組成によりボディーシャンプーを常法により作製した。得られたボディーシャンプーは、洗浄時の起泡性、洗浄性に優れ、且つ洗浄時ならびに洗浄後の使用感に優れたものであった。
(質量%)
ミリストイルアスパラギン酸ジカリウム 7.5
ミリストイルジアスパラギン酸トリカリウム 0.1
ミリストイルジアスパラギン酸トリカリウム 0.1
ミリスチン酸カリウム 0.5
ココイルメチルタウリンNa 5.0
ラウリルベタイン 7.0
ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル 4.0
ベタイン 1.0
EDTA−2Na 0.2
メチルパラベン 0.2
水 残余
【0075】
実施例41
下記組成により頭髪用シャンプーを常法により作製した。得られたシャンプーは、洗浄時の起泡性、洗浄性に優れ、且つすすぎ後のきしみ感も少ない優れたものであった。
(質量%)
パーム油脂肪酸アシルアスパラギン酸ジカリウム 5.0
パーム油脂肪酸アシル−αジアスパラギン酸トリカリウム 0.1
パーム油脂肪酸アシル−βジアスパラギン酸トリカリウム 0.1
パーム油脂肪酸カリウム 0.5
ココイルメチルタウリンNa 5.0
コカミドプロピルベタイン 1.5
コカミドメチルMEA 4.0
ジステアリン酸PEG−3 2.5
セテアレス−60ミリスチルグリコール 2.0
ベタイン 1.0
ポリクオタニウム−10 0.6
エチドロン酸 0.1
メチルイソチアゾリノン 適量
水 残余
【0076】
実施例42
下記組成によりクレンジングフォームを常法により作製した。得られたクレンジングフォームは、洗浄時の起泡性、洗浄性に優れ、且つすすぎ後のきしみ感も少ない優れたものであった。
(質量%)
パーム油脂肪酸アシルアスパラギン酸ジカリウム 25.0
パーム油脂肪酸アシル−αジアスパラギン酸トリカリウム 0.5
パーム油脂肪酸アシル−βジアスパラギン酸トリカリウム 0.5
パーム油脂肪酸カリウム 2.5
ベタイン 1.0
オレス20 1.0
ココイルメチルタウリンNa 3.0
PEG−150 4.0
ラウラミドDEA 4.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
BG 10.0
クエン酸 適量
水 残余
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の洗浄組成物は、泡立ちと泡持ちに優れ、キメ細かくクリーミーな泡立ちを有し、優れた洗浄力を示し、且つさっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のツッパリ感がないという点で、使用感に優れており、化粧品並びに洗浄用途の分野で好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸のカリウム塩と、
下記一般式(2)または一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩と、を含有する洗浄剤組成物。
一般式(1):
【化1】


(式中、R1は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M1およびM2は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M1とM2は同時に水素原子ではない。)
一般式(2):
【化2】


(式中、R2は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M3〜M5は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M3〜M5は同時に水素原子ではない。)
一般式(3):
【化3】


(式中、R2は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M6〜M8は、それぞれ独立に、水素原子またはカリウム原子を示し、M6〜M8は同時に水素原子ではない。)
【請求項2】
前記一般式(2)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩および前記一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸のカリウム塩を含有する、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記一般式(2)または一般式(3)におけるR2が前記一般式(1)におけるR1と同一である、請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
下記一般式(4)で表される高級脂肪酸またはそのカリウム塩を、さらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
一般式(4):
R3COOM9
(式中、R3は炭素数7〜23の直鎖または分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基を示す。M9は水素原子またはカリウム原子を示す。)
【請求項5】
前記一般式(4)におけるR3が前記一般式(1)におけるR1と同一である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の界面活性剤を、さらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
下記一般式(5)で表される多鎖多親水基化合物を、さらに含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
一般式(5):
Qn−X
〔式中、Xはm個の官能基、および官能基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖、分枝鎖もしくは環状鎖の炭化水素鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、下記一般式(6)で表される基であり、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。nは2〜20の整数を示し、mはm≧nである整数を示す。
一般式(6):
【化4】


(式中、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R4COは炭素数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基を示し、R5は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩を示す。jおよびkは、それぞれ独立に0〜2の整数を示し、jおよびkは同時に0ではない。)〕
【請求項8】
泡吐出用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2010−241909(P2010−241909A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90358(P2009−90358)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】