説明

活動状態分類

方法および装置は、対象物に取り付けられたセンサから信号を受信することを含むことができる。信号は、対象物の特性を表すことができる。対象物の活動状態は、特性に少なくとも部分的に基づいて分類することができる。さらに、対象物の活動状態に対応する運動速度を決定することができる。さらにまた、運動速度に少なくとも部分的に基づくピング周期を計算することができる。送信機は、ピング周期に少なくとも部分的に基づいてピングを送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、参照により内容全体が本明細書に組み込まれている、2008年9月3日に出願した米国仮特許出願第61/093,909号の利益を主張するものである。
【0002】
この開示は、発見プロトコル(discovery protocol)に関し、より詳細には、装置を発見するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アクティブ無線周波数識別(RFID)タグを含む無線センサのようなある種の装置は、他の装置を発見する能力を有することができる。装置は、信号を受信して、それらの信号を送信したであろう装置を発見するために、電源をオンおよびオフにされることが可能な受信機を有することが必要なことがある。さらに、同じこれらの装置が、他の装置により発見されるために、1つまたは複数の信号を送信することが必要なことがある。
【0004】
また、これらの装置は、信号を送信および受信する際に、追加の電力を必要とすることがある。装置の受信機は、信号が受信される前、つまり他の装置が発見される前の比較的長い時間にわたり、継続的に電源がオンにされることがある。さらに、その装置は、他の装置が、その信号のいずれかを受信してその装置を発見する前に、多数の信号を送信することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/093,909号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の実装形態では、方法は、対象物に取り付けられたセンサから信号を受信することを含むことができる。信号は、対象物の特性を表すことができる。この方法はさらに、特性に少なくとも部分的に基づいて、対象物の活動状態(activity state)を分類することを含むことができる。さらに、対象物の活動状態に対応する運動速度(locomotive rate)を決定することができる。さらにまた、運動速度に少なくとも部分的に基づくピング周期(ping period)を計算することができる。また、送信機が、ピング周期に少なくとも部分的に基づいてピングを送信することができる。
【0007】
以下の特徴のうち1つまたは複数を含むことができる。対象物のリアルタイムの活動状態分類に少なくとも部分的に基づいて、送信機のピング周期を動的に調整することができる。リアルタイムの活動状態分類は、特性に少なくとも部分的に基づくことができる。対象物の運動速度の増大に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期を短くすることができる。さらに、対象物の運動速度の減少に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期を長くすることができる。特性は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量(cell tower triangulation)から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムの特徴、スイッチ、可視光検出器の特徴、および、受信した赤外線信号の特徴のうちの少なくとも1つとすることができる。さらに、対象物の活動状態は、非活動(inactive)、低活動(low activity)、歩行(walking)、ジョギング(jogging)、ランニング(running)、トロット(trotting)、ギャロップ(galloping)、全力疾走(sprinting)、バイクで走る(biking)、転がる(rolling)、ドライブ(driving)、滑る(sliding)、および、運ばれる(being carried)、のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、ある期間にわたる対象物の速度を近似するために、対象物の加速度を処理することを含むことができる。運動速度は、サンプル間隔内の対象物の動きの総量に対応することができる。対象物の活動状態は、特性に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0009】
第2の実装形態では、方法は、対象物とともに移動するセンサから信号を受信することを含むことができる。信号は、対象物の特性を表すことができる。特性に少なくとも部分的に基づいて、対象物の活動状態を分類することができる。活動状態は、対象物の動きを示すことができる。さらに、特性に少なくとも部分的に基づいて、受信機をデューティ・サイクルさせる(duty cycling)ことができる。さらにまた、特性に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期を計算することができる。また、送信機が、ピング周期に少なくとも部分的に基づいてピングを送信することができる。
【0010】
以下の特徴のうち1つまたは複数を含むことができる。対象物の活動状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期を短くすることができる。対象物の活動状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期が長くなることができる。また、特性は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムの特徴、スイッチ、可視光検出器の特徴、および、受信した赤外線信号の特徴のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0011】
第3の実装形態では、装置が、コントローラを備えることができる。コントローラは、センサから信号を受信するように構成することができる。センサは、対象物の特性を検知するように構成することができる。さらに、信号は、対象物の特性を表すことができる。コントローラはさらに、特性に少なくとも部分的に基づいて、対象物の活動状態を分類するように構成することができる。コントローラはまた、特性に少なくとも部分的に基づいて、バッテリから得られる電力を調整するように構成することができる。
【0012】
以下の特徴のうち1つまたは複数を含むことができる。コントローラはさらに、特性に少なくとも部分的に基づいてピング周期を計算するように構成することができる。送信機は、ピング周期に少なくとも部分的に基づいてピングを送信するように構成することができる。ピングのうち少なくとも1つのピングの少なくとも1つのパケットは、対象物の活動状態を表す情報を含むことができる。電圧調整器は、特性に少なくとも部分的に基づいて、バッテリから得られる電力を調整するように構成することができる。コントローラはさらに、活動状態に少なくとも部分的に基づいて、バッテリから得られる電力を調整するように構成することができる。また、特性は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムの特徴、スイッチ、可視光検出器の特徴、および、受信した赤外線信号の特徴のうちの少なくとも1つとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】監視システムの概略図である。
【図2】送信機および受信機の概略図である。
【図3】図1の監視システムによって実装される発見プロセスのフローチャートである。
【図4】図1の監視システムによって送信および受信される信号のタイミング図である。
【図5】監視装置によって実装される活動状態分類プロセスのフローチャートである。
【図6】人間に着用された監視装置の概略図である。
【図7】監視装置により使用されるパラメータを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および2を参照すると、監視システム10が示されている。監視システム10は、本出願の発見プロトコルに従って動作するように構成されうるシステムおよび/または装置の一例に過ぎない。監視システム10は、RFモジュール102を備えることができる。監視システム10は、対象物に取り付けられる、または人または動物に着用されることができる監視装置または電子タグとすることができる。図2に示すように、一実施形態では、RFモジュール(例えば、RFモジュール200)は、送信機202および受信機204を含むことができる。監視システム10は、筐体100に収容されたいくつかの構成要素を含むことができる。筐体100は、対象物に取り付けることができるコンパクトな形態とすることができる。例えば、筐体100は、犬などの動物に着用することができる。筐体100は、首輪または他の装置に取り付けてよい。このような場合、筐体100は、ドッグ・タグのような従来のタグ、または病院などの職場における従業員が着用するIDタグの形をとることができる。監視システム10は、統合マイクロコントローラ(integrated microcontroller)(IMC)および無線周波数(RF)モジュール102、フラッシュメモリ・ストレージ104、複数のセンサ106、ソフト・スイッチ108、LED112を制御することができる発光ダイオード(LED)コントローラ110、バッテリ114、電力管理回路116、ならびに、ドッキング・ポート(docking port)118を備えることができる。
【0015】
さらに、複数のセンサ106は、温度センサ106aおよび加速度計106bを含むことができ、それらにより、監視装置10に関する環境条件を測定することができる。複数のセンサ106のうちの1つまたは複数は、監視装置10を取り付けることができる対象物の1つまたは複数の特性を測定することができる。例えば、温度センサ106aは、環境入力120を受け取ることができ、環境の周囲大気温度、または監視システム10に取り付けられた対象物の表面のような近傍の表面の温度を検出するように構成することができる。また、例えば、加速度計106bは、監視システム10および/またはそれが取り付けられる対象物の加速度、減速度、および他の動きを検出することが可能な三軸加速度計とすることができる。加速度計106bは、3つのアナログ出力を使用して、IMCモジュール102にリアルタイムで計測値を提供することができる。あるいは、他のセンサを複数のセンサ106の代わりに用いるかまたは追加して、それにより、環境または対象物に関する他の測定値を提供してもよい。例えば、代替のセンサは、環境光、湿度、高度、または対象物(例えば、人、動物など)の心拍数を測定することができる。
【0016】
IMCモジュール102は、監視装置10の動作モードによって決定されるいくつかの機能を実行することができる。IMC102は、複数のセンサ106からアナログ信号を受信することができ、また、それらの信号をアナログ/デジタル変換器(ADC)によってデジタル信号に変換することができる。さらに、IMC102は、IMC102またはフラッシュメモリ104に格納された1または複数のソフトウェアまたはファームウェア・プログラムに従って、信号を取り込んで処理することができる。IMC102における信号の処理は、例えば、信号を可変間隔でサンプリングすること、信号の条件付き選択を得ること、信号に基づいてイベントを検出すること、または、信号のセットに関するデータを生成することによって行うことができる。処理されたイベント・データは、シリアル周辺インターフェース(SPI)を介してフラッシュメモリ104に格納することができる。イベント・データはまた、アンテナ120を備える(IMC102における)無線(RF)モジュールに送ることもでき、その場合、無線通信122を介してコンピュータ124または遠隔装置126へ送信することができる。コンピュータ124は、基地局、パーソナル・コンピュータ、または他のシステムとすることができる。遠隔装置126は、監視システム10と同様のシステムおよび/または装置とすることができ、監視システム10の任意の特徴を含むことができる。IMC102におけるRFモジュールはまた、基地局124または遠隔装置126から無線信号を受信することができ、データ転送または他の通信を可能にしている。
【0017】
例えば、監視装置10の動作の1つのモードは、発見モードおよび/またはピング・モードとすることができる。発見モードおよび/またはピング・モードの際、監視装置10は、本出願の発見プロトコルに従って動作するように構成することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、コンピュータ124は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続または類似の接続を介して、基地局に接続することができる。基地局は、USBまたは壁から給電されることが可能であり、タグ(例えば、監視システム10)と通信する能力を有することができる。基地局は、一般的に、ユーザの自宅または他の任意の適切な場所に存在する。基地局はまた、タグ(例えば、監視システム10)用の充電器として機能することができる。
【0019】
IMC102は、特定の測定値または信号(「イベント」)を検出するようにプログラムされることが可能であり、そうした測定値または信号は、複数のセンサ106の1つまたは複数から、あるいはコンピュータ124または遠隔装置126との通信から受け取ることができる。イベントに応答して、IMC102は、LEDコントローラ110に信号を送ることができ、それにより、1つまたは複数のLEDライトをアクティブにするよう指示することができる。LEDライト112は、イベントの発生を示すために、点滅パターンをオンにするまたは開始してもよい例えば、1つまたは複数のLEDライト112が点滅することにより、バッテリ114の電力が低いこと、周囲温度が閾値に達していること、または他の遠隔装置126が近くにあることを示すことができる。
【0020】
さらに、ソフト・スイッチ108は、IMC102に接続することができ、監視システム10の電源オン、電源オフ、低電力動作のような動作モードを切り替えるように構成されうる。IMC102はまた、ドッキング・ポート118とインターフェースすることができ、ドッキング・ポート118は、基地局のポートと接続することができる。このリンクを介して、IMC120は、フラッシュメモリ104に格納されたデータ、ならびに、ハードウェアおよびソフトウェア設定、記憶容量、ファームウェア・バージョンなどのような監視装置10に関する情報を転送することができる。また、IMC120は、更新されたファームウェアが伴うIMC102のファームウェアを更新するためのコマンドなどのようなコマンドおよびデータを、基地局から受信することができる。
【0021】
一実施形態では、監視装置10は、犬などの愛玩動物により着用されたタグとすることができる。この愛玩動物は、監視装置10により監視される対象物および/またはエージェントとすることができる。複数のセンサ106の1つまたは複数は、例えば愛玩動物の温度および/または加速度を検出または測定することができ、IMC120および/またはRFモジュールにおける無線受信機が、第2のタグ(例えば、遠隔装置126を含むタグ)から信号を受信することができる。第2のタグは、第2の愛玩動物によって着用することができる。このデータは、イベント・データを生成するためにIMC102によって処理することができる。イベント・データは、愛玩動物の環境および行動に関するもので、例えば、その活動(例えば、歩行、ランニング、または休息しているか)、および、第2のタグ(例えば、遠隔装置126)で受信される信号によって証明される他の動物との相互作用に関するものである。イベント・データは、リアルタイムでコンピュータ124に転送しても、後で転送するためにフラッシュメモリ104に格納してもよい。コンピュータ124は、基地局を含む、かつ/または基地局に通信可能に接続することができ、基地局は、イベント・データを受信し、コマンドおよび他の信号を監視装置10に送信することにより、監視装置10と通信することができる。コンピュータ124は、イベント・データを報告するか、またはコンピュータ・ネットワーク上のサーバに転送することができる。愛玩動物の飼い主は、彼または彼女の愛玩動物の行動を監視するために、コンピュータ・システム24またはネットワークにアクセスすることができる。
【0022】
別の実施形態では、監視装置10は、人間(例えば、建物内の労働者や病院内の看護師)によって着用されたタグ、細長片、挿入物など(例えば、IDタグ)とすることができる。例えば、監視装置10が、病院の看護師により着用されたIDタグである場合、監視装置10は、病院内に設置された基地局と通信することができる。監視装置10は、病院周辺における看護師の動きを記述する情報を基地局に伝えることができる。さらに、監視装置10は、病院内の他の装置(例えば、遠隔装置126)と通信することができ、本出願の発見プロトコルに従ってそのような装置を発見することができる。監視装置10は、病院周辺での看護師の動きまたは他の装置と関連した看護師の動きに少なくとも部分的に基づいて、様々なアラートを出すことができる。
【0023】
様々なクライアント電子装置が、ネットワークに直接的または間接的に結合することができる。例えば、パーソナル・コンピュータは、配線されたネットワーク接続によりネットワークに直接結合することができる。ノートブック・コンピュータは、配線されたネットワーク接続によりネットワークに直接結合することができる。ラップトップ・コンピュータは、ラップトップ・コンピュータと無線アクセス・ポイント(すなわち、WAP)との間に確立される無線通信チャネルを介して、ネットワークに無線で接続することができ、無線アクセス・ポイントは、ネットワークに直接結合できる。WAPは、例えば、ラップトップ・コンピュータとWAPの間の無線通信チャネルを確立する能力があるIEEE802.11a、802.11b、802.11g、および/またはBluetooth装置とすることができる。携帯情報端末は、携帯情報端末とセルラ網/ブリッジの間に確立される無線通信チャネルを介して、ネットワークに無線で結合することができ、セルラ網/ブリッジは、ネットワークに直接結合できる。
【0024】
当技術分野で知られているように、すべてのIEEE802.11x規格は、パス共有のためにイーサネット(登録商標)・プロトコルおよび搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(すなわち、CSMA/CA)を使用することができる。様々な802.11x規格が、例えば、位相偏移キーイング(すなわち、PSK)変調、または相補符号キーイング(すなわち、CCK)変調を使用することができる。当技術分野で知られているように、Bluetoothは、例えば、移動電話、コンピュータ、携帯情報端末が、短距離無線接続を用いて相互接続されるのを可能にする電気通信工業規格である。
【0025】
発見プロトコル
上述のように、監視装置10は、IMC102を備えることができ、IMC102は、RFモジュールを含むことができる。他の実施形態では、RFモジュールは、IMC102と別個にされることがある。次に図2〜4を参照すると、RFモジュール200が、送信機202と受信機204を備えることができ、両者は、監視装置10内に含めることができる。送信機202と受信機204は、別個の装置としてもよい。図3に示すように、送信機202および受信機204は、単独でまたは他の上述の装置とともに、本明細書に記載の発見プロトコルに従って発見プロセス300を実行することができる。例示のために、送信機202および受信機204は、本開示全体を通して、RF信号を送信および受信するよう構成されるものとして論じられるが、それらは、他の任意のタイプの通信信号を用いて動作してもよい。例えば、送信機202および受信機204は、赤外線信号、可視光信号、音響信号、または他の媒体で変調されたデータを送信および受信してもよい。
【0026】
単に例示として、送信機202および受信機204は、本開示全体を通して、監視装置10に関連付けられて論じられる。RF信号を送信および受信するとき、監視装置10は、RFモードになることができる。RFモードでは、送信機202および受信機204は、RF信号を送信および受信するように構成することができる。ただし、監視装置10は、Bluetooth、Zigbee、WiFi(802.11)、および/または赤外線(IR)信号を使用して通信(すなわち、送信および受信)をするために、他のモードに切り替わることができる。
【0027】
送信機202は、送信間隔208を置いて複数の送信ピング206を送信すること302ができる。送信間隔208は、各ピングの送信間の時間(例えば、N秒)に対応することができる。いくつかの実施形態では、Nは、3秒と12秒の間、または、個々の監視システムで使用しうる他の任意の数とすることができる。各送信ピングは、短いRFパケットのバースト(例えば、数M)とすることができる。いくつかの実施形態では、Mは、96と320の間、または、個々の監視システムで使用しうる他の任意の数とすることができる。異なる信号タイプなどを使用する異なる監視システムの校正により、NおよびMの他の最適値が得られることがある。各パケット(例えば、RFパケット)は、とりわけ、装置識別子、ステータス情報、および/またはカウンタ値を含むことができる。異なるカウンタ値は、各バーストにおけるパケットの異なる位置に対応することができる。さらに、各RFパケットは、バースト間隔(例えば、Bミリ秒)で離間することができる。すなわち、各送信ピングにおける各RFパケットは、Bミリ秒ずつ離れることができる。
【0028】
受信機204は、ライブ・ピング(例えば、ライブ・ピング210)をリッスンすること304ができる。ライブ・ピング210は、検出および/または発見のために、別の監視装置(例えば、遠隔装置126)に関連した別の送信機によって送信されていることがある。本開示では、リッスンすることは、受信機(例えば、受信機204)が、「オン」であること、受信すること、あるいは他のやり方で信号を検出することができることを意味する。次に図2および4に示すように、受信機204は、評価間隔402の初めにオンにされ、検出期間の404の終わりにオフにされるように構成することができる。「オフ」のとき、受信機は、休止するか、または他のやり方で「オン」のときよりも実質的に少ない電力を用いることができる。図4に示すように、評価間隔402は、ピング(例えば、ライブ・ピング210)における各パケットの間隔の時間(例えば、B)にライブ・ピング210におけるパケットの量(例えば、M)を乗じた時間の量(例えば、B×M)に対応することができる。ピング(例えば、ライブ・ピング210)における複数のパケットを、本明細書ではバーストと呼ぶことがある。
【0029】
さらに、検出期間404は、ピング(例えば、ライブ・ピング210)における各パケットの間隔の時間(例えば、B)に各パケットが送信されている時間を足した時間の量に対応することができる。Bは、本明細書では「バースト間隔」と呼ぶこともある。各パケットは、送信時間(例えば、Pミリ秒)の間に電波に乗って進むことができる。送信時間は、一方の装置から他方の装置にパケットが移動するために必要な時間に対応することができる。したがって、検出期間404は、B+P=Rミリ秒の長さとすることができる。つまり、送信ピングにおける少なくとも1つのパケットは、Rミリ秒内に受信することができる。ピング(例えば、ライブ・ピング210)における各パケットが送信時間(例えば、Pミリ秒またはそれ未満の送信時間408)を有する限り、他の装置(例えば、遠隔装置126)がそのピングの少なくとも1つのパケットを受信するように、B、M、およびPを、計算し校正することできる。いくつかの実施形態では、送信時間はまた、受信側装置での処理時間を含めてパケットが全体として受信されるために必要な時間を含むことができる。状況によっては、パケットの一部分が受信されたり拒否されることがあるが、そうであっても、パケット全体が送信時間内に受信されることが可能である。したがって、いくつかの実施形態では、送信時間Pは、ピング(例えば、ライブ・ピング210)における各パケットの間隔の時間B(例えば、1つのバースト間隔)の量よりも少なければならないということになる。
【0030】
上記に論じたように、受信機204は、評価間隔402の初めにオンにされ、検出期間の404の終わりにオフにされるように構成することができる。このプロセスでは、受信機204が電源をオン/オフにされ、そうでなければ一定の期間にわたり非アクティブであるが、本明細書では、このプロセスを、受信機を「デューティ・サイクルさせる」と呼ぶことがある。「デューティ・サイクル」は、受信機が「オン」状態にある時間のパーセンテージとすることができる。例えば、受信機(例えば、受信機204)が、25秒の間「オン」(例えば、アクティブまたはリッスン)であって75秒の間「オフ」である場合、そのデューティ・サイクルは、25/100、すなわち25%である。受信機204がその電力使用を最小限にする一方で発見モードまたはピング・モード時のその発見可能性を最大限にするように受信機204がデューティ・サイクルされるように、監視装置10は構成されることができる。したがって、評価間隔、検出期間、またはその両方に少なくとも部分的に基づいて、受信機204をデューティ・サイクルさせることができる。いくつかの実施形態では、ライブ・ピングの少なくとも1つのパケット内の情報に少なくとも部分的に基づいて、受信機204をデューティ・サイクルさせることができる。
【0031】
さらに、受信機204は、ライブ・ピング210を受信すること306ができる。ライブ・ピング210を受信することは、ライブ・ピング210におけるパケットの総数(例えば、M)のうち1つまたは複数のパケットを受信することを含むことができる。上述のように、ライブ・ピング210は、別の監視装置(例えば、遠隔装置210)によって送られていてもよい。例示として、進行中でありうる任意のピング(例えば、ライブ・ピング210)を検出するために、各システム/装置(例えば、監視システム10および/または遠隔装置126)は、Rミリ秒(例えば、B+Pミリ秒の検出期間404)の間リッスンすると仮定する。さらに、ピング(例えば、ライブ・ピング210)の各パケットは、装置識別子、ステータス情報、およびカウンタ値を含むことができると仮定する。カウンタ値は、各バーストにおけるパケットの個々の位置に対応することができる。装置のうちの1つが(例えば、ライブ・ピング210から)パケットを受信すると、その装置は、パケットのカウンタ値を使用して遅延期間212を決定することができる。すなわち、装置(例えば、監視システム10)は、新しいピング(例えば、新しいピング214)の送信を遅延させるために、(例えば、IMC102によって)遅延期間212を計算することができる。
【0032】
したがって、ライブ・ピング210が受信された後、送信機202は、遅延期間212の間、新しいピング(例えば、新しいピング214)の送信を遅延すること308ができる。新しいピングが時間に合わせて遅延された後、送信機は、新しいピング(例えば、新しいピング214)を送信間隔208を置いて送信すること310ができる。言い換えれば、送信機は、ピングをNの基準値(例えば、送信間隔208)で再開することができる。このようにして、新しいピングは、ライブ・ピング210を送った装置(例えば、遠隔装置126)により受信されることができ、また、環境内の他のシステムおよび/または装置は、発見プロセス300と同様の発見プロセスを各自で行った後、最終的に新しいピングを受信することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、送信ピング、ライブ・ピング、および新しいピングのうちの少なくとも1つは、それぞれがバースト間隔(例えば、バースト間隔406)で送信される複数のパケットを含む。バースト間隔は、複数のパケットにおける各パケットの間隔の時間に対応することができる。いくつかのシステムでは、バースト間隔は、一般的に、1ミリ秒と2ミリ秒の間とすることができる。図4に示されるように、バースト間隔406は、いくつかのシステムでは「t−burst」を示し、他のシステムでは「t−packet」を示す場合がある。バースト間隔406は、1つのパケットから次のパケットへの立ち上がりエッジに沿う場合(例えば、t−burst)を含めて、様々なやり方で測定される場合がある。他の実施形態では、すべてのピングがバースト間隔406で送信される。いくつかのシステムは、送信時間(すなわち、t−packet)を含むことができ、少なくとも1つの送信されたパケットを送信時間内に受信することが可能である。一実施形態では、送信時間は、1つのバースト間隔よりも短い。異なるアプリケーションは、異なる最大サイズのパケットを有する可能性があることに留意すべきである。したがって、t−burstは、送ることができる最大サイズのパケットに応じて設定されてよい。また、いくつかのアプリケーションでは、バーストにおける各パケットが同じサイズとなることがあるが、他のアプリケーションでは、バースト内のパケットは、異なるサイズにされることがある。
【0034】
別の実装形態では、ライブ・ピング210が受信された後、送信機202は、追加のバックオフ期間(例えば、バックオフ期間216)の間、新しいピング(例えば、新しいピング214)の送信を遅延させることができる。バックオフ期間216は、無作為の期間とすることができる。環境内の装置の数が十分に大きいため、装置が通信するチャネルを衝突なしに所望のピング速度(ping rate)で共用できない場合、遅延期間を適用して、送信間隔をあけることにより効果的にピング速度を低下させる(すなわち、Nを増大させる)ことができる。しかし、この状況では、送信側装置が常に競合してしまうことがある。無作為のバックオフ期間216は、そうであっても、競合する装置が同様に他の装置を発見するのを保証する助けとなることができる。つまり、遅延期間およびバックオフ期間216は、N/(B×M)個(ここで、Nは送信間隔(例えば、送信間隔208)、Bはバースト間隔、およびMはピング内のパケットの数(例えば、ライブ・ピング210))までの装置についてピングが衝突するのを防止するように構成されることが可能である。
【0035】
別の実施形態では、例えば、監視システム10(同様に監視装置でありうる)と遠隔装置126の両方において、無線機(例えば、送信機および/または受信機を含むことができるRFモジュール)が、2.4GHzの産業科学医療用(ISM)バンド内で動作するように構成することができる。また、無線機は、マンチェスタ符号化なしで、140kHzの周波数偏差、250kbpsのデータ速度で、2FSK(周波数偏移キーイング)を使用することができる。タグ(例えば、監視システム10)は、1dBmの最大出力の能力を有することができる一方、基地局(例えば、基地局124)は、0dBmまでの能力を有することができる。各パケットには、4バイトのプリアンブル、4バイトの同期ワード、および16ビットのCRC(巡回冗長検査)を含むことができる。
【0036】
チャネル共用は、上述の評価およびバックオフに基づく時分割方式に限定されうる。典型的な使用法に基づけば、単一の装置(例えば、監視システム10)の送信機のデューティ・サイクルは、ピング・モードにおいて6%未満でありうる。一方、ファイル転送モードでは、送信機は、衝突を避けるために各送信の前にキャリア検知を用いつつ、できるだけチャネルの多くを使用する。
【0037】
さらに、ピング・モードでは、装置が最小限の電力で迅速に互いを発見することが望ましいため、周波数ダイバーシティの機会がないことがある。したがって、すべての装置が、1つのデフォルト・チャネル(default channel)上でピングを行うことがある。しかし、ファイル転送モードでは、双方の装置が、ファイル転送の期間中に互いに同期する機会を有することがある。この時点で、ある種の周波数アジリティにより、トラフィックが重いチャネルを回避しプロトコルの信頼性を上げることを可能にできる。ファイル転送を開始する時間に、基地局は、ファイル転送要求ピングでその好ましいファイル転送チャネルの通知を送出することができる。次いで、この新しいチャネル上でファイル転送モードで動作を開始することができる。ファイル転送要求が宛てられたタグもまた、新しいチャネルへ切り替えを行いファイル転送モードに入ることができる。ファイル転送が失敗または完了すると、双方の装置は、デフォルト・チャネル上のピング・モードに戻ることができる。また、失敗の結果、基地局は、好ましいファイル転送チャネルを回転リストにおける次のものに移すこともできる。
【0038】
活動状態分類
ピング・モードは、環境内の各装置(例えば、監視装置10および/または遠隔装置126)が、他の装置の存在に関する最新の知識を維持することを可能にできる。環境は、互いに発見可能な複数の装置(例えば、監視装置10および/または遠隔装置126)が存在する範囲とすることができる。環境はまた、ネットワークと呼ばれることもある。さらに、ピング・モードは、リアルタイムのアクティビティ分類がピング周期を動的に調整するために使用できるように最適化することができ、それにより、装置発見の信頼性を維持しながらネットワーク内の各発見可能な装置についての平均ピング周期を最大化することができる。言い換えれば、装置が移動の状態にあるときは、より短いピング周期(すなわち、より速いピング速度)が必要となることがある。これは、環境内でのネットワーク構造に対する頻繁な変更(すなわち、各装置のピング周期)を引き起こすことがある。
【0039】
例えば、2つの装置またはタグ(例えば、監視装置10および/または遠隔装置126)が、互いにそばを通過する場合、装置が互いを発見するためおよびその遭遇を登録するために、装置が近接したとき、装置の少なくとも1つが、限定された期間中にそのピングをブロードキャストしなければならない。他方、2つのタグが静止している場合、ネットワーク構造は変化しにくく、ピング周期は大きくする(ピング速度を低下させる)ことができる。つまり、発見可能性を高めるために、動きの増大に伴ってピング速度を大きくすることができる。システムにおける各装置の平均ピング周期の最大化により、装置がゆっくり動いているかまたは静止しているときは、送信機をより長い期間でデューティ・サイクルさせることができるので、電力を節約することができる。
【0040】
次に図5〜7を参照すると、活動状態分類プロセス500が示されている。監視装置600は、監視システムおよび/または装置10に類似するものでよく、その任意の特徴を備えることができ、人間によって着用されるタグとすることができる。監視装置600は、手首の周りのブレスレットまたは首の周りのネックレスとして、あるいは他のやり方で人間に装着することができる。例示を目的として、監視装置600は、人間(例えば、人間614)によって着用されるものとして示しているが、他の構成も可能である。同様に、監視装置600は、犬などの愛玩動物に着用することができる。監視システム10と同様に、監視装置600は、1つまたは複数のセンサ(例えば、センサ602)、受信機(例えば、受信機604)、送信機(例えば、送信機606)、コントローラ(例えば、コントローラ608)、およびバッテリ(例えば、バッテリ610)を備えることができる。コントローラ608は、監視システム10のIMC102と同様でよい。いくつかの実施形態では、コントローラ608は、本明細書に記載の動作を実行するように構成された任意のタイプのマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、またはプロセッサとすることができる。さらに、受信機604および送信機606は、トランシーバやRFモジュールのような単一のモジュール内に含まれてもよい。同様に、受信機604、送信機606、およびコントローラ608は、監視システム10のIMC/RFモジュール102のような同一のモジュールの一部分としてもよい。
【0041】
コントローラ608は、センサ602から信号612を受信すること502ができる。センサ602は、対象物(例えば、人間614、動物、車輪付き担架、病院のベッド、車いす、静脈内ポンプ機、清掃カート、車など)に監視装置600を介して取り付けることができる。いくつかの実施形態では、センサ602は、監視装置600と独立してそれ自体で対象物に取り付けることができる。そのようなシステムでは、センサ602は、コントローラが信号を受信するように、コントローラ(例えば、コントローラ608)と無線で通信することができる。センサ602はまた、単に対象物とともに移動しても、あるいは対象物の特性を感知するように構成されてもよい。信号612は、対象物の特性を表すことができる。例えば、信号612は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量(cell tower triangulation)から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムから得られる特徴、スイッチ、可視光検出器の特徴、および受信した赤外線信号の特徴を表すことができる。
【0042】
さらに、コントローラ608は、特性に少なくとも部分的に基づいて、対象物(例えば、人間614)の活動状態702を分類すること504ができる。活動状態702は、対象物(例えば、人間614)の動きを示すことができる。例えば、図7に示すように、人間614の活動状態702は、非活動(S)、低活動(S)、歩行(walking)(S)、ジョギング(jogging)(S)、または、ランニング(running)(S)として分類することが可能である。対象物が犬ならば、犬の活動状態はさらに、トロット(trotting)(S)またはギャロップ(galloping)(S)として分類することも可能である。他の状態として、全力疾走(sprinting)、バイクで走る(biking)、転がる(rolling)、ドライブ(driving)、滑る(sliding)、および、運ばれる(being carried)を含むこともできる。活動状態は、異なる動物、病院用機器、車、飛行機など多くの異なる対象物に対して、それらの対象物が取りうる動きのタイプに基づいて、異なる分類を有することができる。活動状態は、各対象物の動きを観測しそれらを分類することによって定義することができる。特性に基づいて活動状態702を分類するとき、コントローラ608は、信号612から取り出すことができる特性の値を使用してそれを行うことができる。
【0043】
さらに、コントローラ608は、運動速度(locomotive rate)704を決定すること506ができる。運動速度704(L)は、対象物(例えば、人間614)の活動状態702に対応することができる。運動速度704は、ロコモーション(LO)、すなわち、ある期間(例えば、サンプル間隔D)にわたる対象物の動作(すなわち、動き)の総量(すなわち、総体的量)を計算するために使用することができる。言い換えれば、時間1(t1)から時間(t2)までの対象物の動きの合計(例えば、Dt1,t2)を、LOt1,t2とすることができる。運動は、対象物の動きの経路に依存しなくてよい。運動は、対象物の動きの合計でありうるため、LOt1,t2は、Dt1,t2と等しいかそれより大きいものとなることがある。センサ信号および/または他の測定値からLを計算するために、いくつかの方法を用いることができる。例えば、加速度計の測定値を積分して、ある期間(例えば、サンプル間隔)にわたる速度を近似することができる。別の方法では、上述の活動状態分類を利用することができる。例えば、活動状態(例えば、活動状態702,S)が与えられたとすると、その状態の運動速度704であるLは、Sでインデックスが付けられた表(例えば、図7)内の値を参照することによって定義することができる。コントローラ608は、活動状態702に対応する運動速度704、または図7の表における任意の他の値を参照することができ、さらなる計算を行うためにこれらの値を使用することができる。図7におけるような表は、監視装置600内に含めることができるフラッシュメモリに格納することができる。
【0044】
図7に示すように、各活動状態702は、対応する速度704を有することができる。活動状態が「非活動」(S)である場合、運動速度(L)は、0.0001m/sに近似することができる。図7でのすべての値は例示目的に過ぎないことに留意されたい。運動速度704に対する値は、任意のタイプの対象物について測定された、平均化された、または実験的な発見にされた研究および経験的方法によって計算することができる。例えば、人間(例えば、人間614)が「歩く」の活動状態を有する場合に、運動速度(L)が、平均1m/sであると近似されているまたは統計的に計算されていることがある。
【0045】
図7の表は、図7に示すものを含めて他のパラメータの値を含むことができるが、それらは図7に示すものに限定されない。そのようなパラメータの1つは、装置距離706である。いくつかのシステムでは、環境内の各装置は、同じ装置距離を有することができる。他のシステムでは、各装置の装置距離が異なる場合がある。装置距離706は、ある装置(例えば、監視装置600)のピングが移動でき、もう一方の装置の受信機でピングがやはり受信可能である最大距離とすることができる。言い換えれば、装置距離706は、他方の装置から離れた最大距離であって、装置(例えば、監視装置600)が依然として他方の装置にとって発見可能である最大距離とすることができる。
【0046】
コントローラ608は、運動速度704に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期(例えば、ピング周期708)を計算すること508ができる。ピング周期708(N)は、ピング周期単位あたりの秒数とすることができる。図7に示すように、ピング周期708は、ピング周期単位に対する単位時間(すなわち、s/ピング周期単位)として定義することができる。活動状態702、運動速度704、および装置距離706が与えられると、コントローラ608は、式1(下記)を用いてピング周期708(N)を計算することができる。
式1: N(s/ピング周期単位)=R(m/ピング周期単位)/L(m/s)
【0047】
いくつかの実施形態では、コントローラ608は、ピング速度を計算することができる。さらに、いくつかのシステムでは、式を束縛する必要がある場合がある。式を束縛するために、定数であるC1および/またはC2を使用することができる。C1は、下限であり、ピング周期708(N)が、ピングそれ自体のバーストに要する時間(例えば、上述のようなB×M)よりも短くないことを保証することができる。C2は、上限であり、移動以外の理由によりネットワーク(すなわち、環境)から離れる可能性がある装置(例えば、監視装置600)を検出できることを保証することができる。例えば、装置(例えば、監視装置600)が電力を失うと、最大周期よりも大きいピング間の時間が生じることがある。値C1およびC2は、各特定のアプリケーションまたは各特定の対象物(例えば、人間614、犬、車など)に固有なものとすることができる。2つの定数を使用しているとき、コントローラ608は、式2(下記)を用いてピング周期708(N)を計算することができる。
式2: N(s/ピング周期単位)=min(max(R(m/ピング周期単位)/L(m/s),C),C
【0048】
いくつかの実装形態では、コントローラ608は、C1およびC2だけを使用してピング周期708(N)を計算することができる。さらに、コントローラ608は、ピング周期708に少なくとも部分的に基づいて、送信機(例えば、送信機606)をデューティ・サイクルさせることができる。すなわち、コントローラ608は、ピング周期708に基づいて送信機606を「オン」および「オフ」することができる。運動速度704が比較的遅く(すなわち、活動状態が非活動)、したがって式2から長いピング周期(N)が得られる場合、コントローラ608は、送信機606をより長い期間にわたり「オフ」(あるいは、非アクティブ、休止、またはより少ない電力を使用する)モードにする。逆に、運動速度704が比較的速く(すなわち、活動状態がジョギングまたはランニング)、したがって式2から短いピング周期(N)が得られる場合、コントローラ608は、送信機606をより長い期間にわたり「オン」(あるいは、アクティブ、アウェイク(awake)、またはより多い電力を使用する)モードにする。このようにして、コントローラ608は、電力を節約しながら、送信機606を効率的に使用して環境内で他の装置によって発見されるように構成されることができる。
【0049】
さらに、コントローラ608は、送信機606がピング期間708に少なくとも部分的に基づいてピングを送信すること512を行うように構成されることができる。例えば、運動速度704が増大される(すなわち、対象物がより速く動く)と、コントローラ608は、送信される各ピング間の時間の量を減少させる(すなわち、ピング周期を短くする)ことができる。すなわち、コントローラ608は、送信機606のピング速度を増大させることができる。運動速度704が低下する(すなわち、対象物がより遅く動く)場合、コントローラ608は、送信される各ピング間の時間の量を増大させる(すなわち、ピング周期を長くする)ことができる。すなわち、コントローラ608は、送信機606のピング速度を低下させることができる。一実施形態では、送信機606によって送信されたピングのうち少なくとも1つのピングの少なくとも1つのパケットは、対象物(例えば、人間614)の活動状態(例えば、活動状態702)を表す情報を含むことができる。
【0050】
このようにして、コントローラ608は、送信機の電力を効率的に使用する一方で、環境内の他の装置がそれを発見することを可能にするように構成することができる。そのようなものとして、コントローラ608は、運動が低レベル状態の際にピングの送信を減少させることを通して、電力消費を最小限にしつつ、運動が高い周期の際にピング速度を増大することによって、発見可能性を最大限にすることができる。
【0051】
他の実施形態では、コントローラ608は、対象物の活動状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、送信機606によって送信されるピングのピング周期を短くすることができる。また、コントローラ608は、対象物の活動状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、送信機606によって送信されるピングのピング周期を長くすることができる。この状況では、コントローラ608は、運動速度を使用せずに、送信機606によって送信されるピングのピング周期を制御することができる。
【0052】
一実装形態では、コントローラ608は、対象物のリアルタイムの活動状態分類に少なくとも部分的に基づいて、送信機のピング周期を動的に調整することができる。リアルタイムの活動状態分類は、特性に少なくとも部分的に基づくことができる。上述のように、コントローラ608は、特性に少なくとも部分的に基づいて対象物(例えば、人間614)の活動状態702を分類すること504ができる。コントローラ608が、活動状態分類器を継続的に動作させる(すなわち、対象物の活動状態を継続的に分類する)場合、運動速度704を継続的に使用してピング周期を計算することができる。このようにして、コントローラ608は、送信機606のピング周期またはピング速度を動的に調整することができる。
【0053】
様々な動作および特徴を上記で説明したが、実施形態によっては、それぞれの動作および/または特徴について必要としない場合がある。例えば、コントローラ608は、運動速度704なしに、信号612によって表される特性に少なくとも部分的に基づいて、送信機606をデューティ・サイクルさせることができる。また、コントローラ608は、信号612を使用して、送信機606のデューティ・サイクルを直接制御してもよい。他の実施形態では、ピング周期708は、特性に少なくとも部分的に基づいて計算することが可能である。コントローラ608は、運動速度704を使用せずにピング周期708を計算することができる。
【0054】
一実装形態では、コントローラ608は、特性または信号612に少なくとも部分的に基づいて、バッテリ(例えば、バッテリ610)から得られた電力を調整することができる。例えば、コントローラ608は、特性または信号612に基づいて、送信機606をデューティ・サイクルさせること、および/または、送信機606によって送信されるピングの送信を制御することによって、送信機606がバッテリ610から得る電力を調整することができる。さらに、電力管理回路116の一部分とすることができる電圧調整器を使用して、バッテリから得られた電力を特性または信号612に基づき調整することもできる。また、コントローラ608は、活動状態702に少なくとも部分的に基づいて、バッテリ610から得られた電力を調整するように構成されてもよい。
【0055】
上述の実施形態のいくつかは、コンピューティング・システムのプロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールとして、および/または、プロセッサによって実行されると上述の発見プロセスの部分を実行する命令を有する記憶装置、記憶媒体、もしくはコンピュータ可読媒体に記憶できるコンピュータ・プログラム製品において実施することができる。記憶装置、記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体は、以下に限定されないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、コンパクトディスク−読出し専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−書き換え可能(CD−RW)、光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、動的および静的RAMなどのランダム・アクセス・メモリ(RAM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどのような半導体デバイス、磁気または光カード、あるいは、電子的命令を格納するのに適した任意のタイプの媒体を含むことができる。他の実施形態は、プログラマブル制御装置によって実行されるソフトウェア・モジュールとして実施することができる。
【0056】
多くの実装形態が説明された。とはいえ、様々な修正を行うことができることは理解されるであろう。したがって、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に取り付けられたセンサから、前記対象物の特性を表す信号を受信することと、
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、前記対象物の活動状態を分類することと、
前記対象物の前記活動状態に対応する運動速度を決定することと、
前記運動速度に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期を計算することと、
送信機を介して、前記ピング周期に少なくとも部分的に基づいてピングを送信することとを含む、方法。
【請求項2】
前記対象物のリアルタイムの活動状態分類に少なくとも部分的に基づいて、前記送信機の前記ピング周期を動的に調整することをさらに含み、前記リアルタイムの活動状態分類は、前記特性に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象物の前記運動速度の増大に少なくとも部分的に基づいて、前記ピング周期を短くすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象物の前記運動速度の減少に少なくとも部分的に基づいて、前記ピング周期を長くすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象物の前記特性は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムの特徴、可視光検出器の特徴、スイッチ、および、受信した赤外線信号の特徴のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象物の前記活動状態は、非活動、低活動、歩行、ジョギング、ランニング、トロット、ギャロップ、全力疾走、バイクで走る、転がる、ドライブ、滑る、および、運ばれる、のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ある期間にわたる前記対象物の速度を近似するために、前記対象物の加速度を処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記運動速度は、サンプル間隔内の前記対象物の動きの総量に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、前記対象物の前記活動状態を継続的に分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
対象物とともに移動するセンサから、前記対象物の特性を表す信号を受信することと、
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、前記対象物の活動状態を分類することであって、前記活動状態は、前記対象物の動きを示す、分類することと、
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、ピング周期を計算することと、
送信機を介して、前記ピング周期に少なくとも部分的に基づいてピングを送信することとを含む、方法。
【請求項11】
前記対象物の前記活動状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、前記ピング周期を短くすることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記対象物の前記活動状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、前記ピング周期を長くすることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記特性は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムの特徴、スイッチ、可視光検出器の特徴、および、受信した赤外線信号の特徴のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
コントローラを備え、前記コントローラは、
対象物の特性を検知するように構成されたセンサから、前記対象物の前記特性を表す信号を受信し、
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、前記対象物の活動状態を分類し、
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、バッテリから得られる電力を調整するように構成された、装置。
【請求項15】
前記コントローラはさらに、前記特性に少なくとも部分的に基づいてピング周期を計算するように構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ピング周期に少なくとも部分的に基づいて、ピングを送信するように構成された送信機をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記特性に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリから得られる電力を調整するように構成された電圧調整器をさらに備える、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラはさらに、前記活動状態に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリから得られる電力を調整するように構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記特性は、加速度、減速度、速度、方向、画像処理から得られる特徴、RF信号処理から得られる特徴、GPSから得られる特徴、セル・タワー三角測量から得られる特徴、振動、傾斜、音響信号から得られる特徴、推測航法システムの特徴、スイッチ、可視光検出器の特徴、および、受信した赤外線信号の特徴のうちの少なくとも1つである、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記ピングのうち少なくとも1つのピングの少なくとも1つのパケットは、前記対象物の前記活動状態を表す情報を含む、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−501749(P2012−501749A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526205(P2011−526205)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/055937
【国際公開番号】WO2010/028181
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(511056530)スニフ ラブス,インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】