説明

活性炭製造用炭化装置

脱臭炉から排出される燃焼処理済みの排気に含まれる熱を回収して再利用することによって、低コストで上質、高品質な活性炭を生成することが可能な活性炭製造用炭化装置を提供する。
有機系の処理対象物を炭化処理する活性炭製造用炭化装置10において、過熱水蒸気を導入して処理対象物を炭化させて使用済みの水蒸気を排出する炭化炉40と、炭化炉40から排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて使用済みの水蒸気を排出する乾燥炉30と、水蒸気を導入して炭化炉40に供給するための高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置60と、乾燥炉30から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させて高温の排気を排出する脱臭炉70と、脱臭炉70から排出される高温の排気を用いて水を加熱して高温水蒸気発生装置60に供給するための水蒸気を生成する廃熱ボイラ80とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物について乾燥、乾留、賦活等の炭化処理を行なう活性炭製造用炭化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生ごみ、廃木材、紙おむつの何れか1又は2以上を主体とする廃棄物を無酸素状態で510〜900℃の高温蒸気に曝し、炭化させることを特徴とする廃棄物の処理方法が知られている。該廃棄物の処理方法では、廃棄物を高温蒸気に所定時間、晒すことによって体積又は重量を処理前の100分の1程度に減量して、効率的に炭化させることが可能であるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また従来、ビール粕等の有機性廃棄物を乾留処理して炭化物等を得る際に、一端側から他端側に延びた熱処理室の該一端側に被熱処理物供給口を設け、該熱処理室の該他端側に製品排出口と排ガス排出口を設け、該熱処理室に熱風流入口を設け、被熱処理物攪拌用の攪拌翼を軸方向に間隔をおいて多数取付けた攪拌軸を該熱処理室の内部で該一端から他端側に延在させて回転可能に設け、該攪拌翼は該攪拌軸に被熱処理物を攪拌し製品排出口側へ向かわせる方向に向けて取り付けたことを特徴とする有機性廃棄物等の熱処理装置が知られている。
【0004】
当該有機性廃棄物の熱処理装置では、ビール粕等の有機性廃棄物等は、熱処理装置の原料供給口から熱処理室内に供給され、製品排出口に到達するまでの間において、熱処理室内で回転している攪拌軸に取り付けられた多数のパドル等の攪拌翼の回転により原料が強制的に攪拌されて製品排出口側に送られつつ良好に掻き混ぜられ固体表面が随時更新されて、熱処理室に設けた熱風流入口から熱処理室内に流入する。例えば650(℃)程度の高温熱風との接触が均一に行なわれて気固接触が良好に行なわれることにより、物質移動及び熱移動が促進されて固体の乾留(炭化)作用である熱処理が均一に行なわれ、均質の炭化物等の製品を生成することが可能であるとされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
また従来、有機廃棄物を炭化及び原料化して炭化物を製造する方法であって、有機化合物を過熱した後に排出された排蒸気の熱エネルギーを水蒸気発生用の熱源として利用することが可能な炭化物の製造方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2000−313884(第1−3ページ、第1図)
【特許文献2】特開平10−237453(第1、2、9ページ、第1図)
【特許文献3】特開平2001−192670(第2、5ページ、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の廃棄物の処理方法では、廃棄物を高温蒸気に所定時間、晒すことによって体積又は重量を処理前の100分の1程度に減量して、効率的に炭化させることすることが可能であるとされている。しかし、廃棄物の炭化処理過程で発生する排ガスは冷却器で冷され、液化分とガス分に分離されている。
【0007】
このガス分は、活性炭等の吸着剤が充填された脱臭器を透過させた後、排気ファンを用いて大気中に放出するか、あるいはこのガスを回収してボイラの燃料等に再利用することができるが、排気の持つ熱エネルギーを直接回収するものではないために、多くの熱エネルギーを再利用することなく冷却器によって大気中に放出するという無駄を生じていた。したがって、低コストで高品質の炭化物を生成することができないという不具合を生じていた。
【0008】
また、特許文献2に記載の有機性廃棄物等の高温熱処理装置では、多数設けた熱風噴出ノズルから噴出される熱風との接触が均一に行われて気固接触が良好に行われることにより、固体の熱処理が全体的に均一にすることが可能であるとされている。しかし、回転する軸の内部へ高温の蒸気を流入させる為、構造が複雑となりシール部の耐久性などに問題があった。また、有機性廃棄物の最終処理段階に位置する製品排出口付近においてノズルから熱風を噴出したとしても、前工程で不純物を大量に含んだ水蒸気も混在しているために、上質の炭化物を生成することができないという不具合を生じていた。
【0009】
また、特許文献3に記載の炭化物の製造方法では、排蒸気の気体成分または液体成分中に有用成分が含まれている場合には、これらを回収して再利用している。具体的には、段落番号0056以降に記載されているように、分離回収装置が排蒸気を気液分離し、排蒸気中の不純物または有用物等からなる混入物を回収するとともに、この混入物が分離された後の高温ガスの排蒸気中の熱エネルギーを、水蒸気発生用の熱源として利用するように構成されている。
【0010】
ところが、この炭化物の製造方法では、排蒸気中の熱エネルギーを回収しているのみであるので、回収する熱量もさほど多くない。また、排気蒸気に含まれる不純物や臭気が熱分解装置から排出される可能性もある。
【0011】
そこで本発明は上記従来の状況に鑑み、排蒸気全量を脱臭炉で燃焼処理の上その保有熱を直接廃熱ボイラで回収して再利用することによって、低コストで上質、高品質な活性炭を生成することが可能な活性炭製造用炭化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物を水蒸気で加熱して乾燥、乾留、賦活等の炭化処理を行なう活性炭製造用炭化装置において、過熱水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて炭化して使用済みの水蒸気を排出する乾燥炭化炉と、水蒸気を導入して乾燥炭化炉に供給するための高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、乾燥炭化炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させて高温の排気を排出する脱臭炉と、脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱して高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラとを備えたことを特徴とする。
【0013】
また上記課題を解決するため、本発明に係る活性炭製造用炭化装置は、過熱水蒸気を導入して処理対象物を炭化させて使用済みの水蒸気を排出する炭化炉と、炭化炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて使用済みの水蒸気を排出する乾燥炉と、水蒸気を導入して炭化炉に供給するための高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、乾燥炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させて高温の排気を排出する脱臭炉と、脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱して高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラとを備えたことを特徴とする。
【0014】
また上記課題を解決するため、本発明に係る活性炭製造用炭化装置は、過熱水蒸気を導入して処理対象物の炭化を促進させて使用済みの水蒸気を排出する炭化促進炉と、炭化促進炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を炭化させて使用済みの水蒸気を排出する炭化炉と、炭化炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて使用済みの水蒸気を排出する乾燥炉と、水蒸気を導入して炭化促進炉に供給する高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、乾燥炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させて高温の排気を排出する脱臭炉と、脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱して高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラとを備えたことを特徴とする。
【0015】
また上記課題を解決するため、本発明に係る活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉は、処理対象物を供給する処理対象物供給口と処理対象物を攪拌移動させる円筒部と処理対象物を排出する排出口と過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気を円筒部外側から円筒内面の接線方向に導入する水蒸気導入口とを有する円筒シェルと、円筒シェル内で処理対象物を攪拌移動させる回転可能な攪拌羽根とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また上記課題を解決するため、本発明に係る活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに設けた水蒸気導入口は、過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気を、前記攪拌羽根の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向に導入する水蒸気導入口としたことを特徴とする。
また本発明に係る活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに、水蒸気導入口を複数設けたことを特徴とする。
【0017】
また上記課題を解決するため、本発明に係る活性炭製造用炭化装置の円筒シェルは、円筒シェル内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を、円筒部内面から円筒部外側へ、円筒部内面の接線方向に排出する水蒸気排出口を備えたことを特徴とする。
【0018】
また上記課題を解決するため、本発明に係る活性炭製造用炭化装置は、乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速を、5乃至20(m/s)に調節する圧力調節機構又は絞りを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、過熱水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて炭化して使用済みの水蒸気を排出する乾燥炭化炉と、水蒸気を導入して乾燥炭化炉に供給する高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、乾燥炭化炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させて高温の排気を排出する脱臭炉と、脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱して高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラとを備えたので、脱臭炉から排出される高温の排気に含まれる熱を再利用することが可能となる。また、再利用した熱を高温水蒸気発生装置に供給するようにしたので、高温の過熱水蒸気を安価にて容易に生成することが可能となる。そして、高温水蒸気発生装置が生成した高温の過熱水蒸気を処理対象物と反応させることによって、上質の活性炭を安価にて生成することが可能となる。また、活性炭製造用炭化装置に脱臭炉を設けたので、ダイオキシン類の含有率が少ない環境基準を満たす排気を排出することが可能となる。
【0020】
また本発明によれば、活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉は、処理対象物を供給する処理対象物供給口と処理対象物を攪拌移動させる円筒部と処理対象物を排出する排出口と過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気を円筒部外側から円筒内面の接線方向に導入する水蒸気導入口とを有する円筒シェルと、円筒シェル内で処理対象物を攪拌移動させる回転可能な攪拌羽根とを備えたので、過熱水蒸気が渦状に巻いて処理対象物と接しやすくなり、処理対象物が長時間高温の過熱水蒸気に晒される。したがって、乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応が促進され、上質の活性炭を生成することが可能となる。
【0021】
また本発明によれば、活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに設けた1乃至複数の水蒸気導入口は、過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気を、前記攪拌羽根の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向に導入する水蒸気導入口としたので、処理対象物が長時間高温の過熱水蒸気に晒されるようになる。したがって、乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応が促進され、上質の活性炭を生成することが可能となる。
また、円筒シェルに水蒸気導入口を複数設けることによって過熱水蒸気の旋回流をより強くして、処理対象物の乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応を促進させることが可能となる。
【0022】
また本発明によれば、活性炭製造用炭化装置の円筒シェルは、円筒シェル内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を、円筒部内面から円筒部外側へ、円筒部内面の接線方向に排出する水蒸気排出口を備えたので、過熱水蒸気が渦状に巻いて処理対象物と接し易くなる。したがって、処理対象物が長時間高温の過熱水蒸気に晒されるようになり、乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応が促進され、上質の活性炭を生成することが可能となる。
【0023】
また本発明によれば、活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速を、5乃至20(m/s)に調節する圧力調節機構又は絞りを備えたので、水蒸気は旋回流を伴って被処理物質との大きな相対速度をある程度継続して持ちながら反応炉内を移動するために、処理対象物に対する熱の伝達が促進され、処理対象物の温度が水蒸気の温度に近づき、乾燥、乾留、炭化、賦活等の各種反応が促進される。したがって上質の活性炭を短時間で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る活性炭製造用炭化装置の全体構成図である。
【図2】過熱水蒸気を供給する水蒸気導入口を炭化炉に複数設けた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
10 活性炭製造用炭化装置
20 処理対象物供給手段
22 ホッパ
24 コンベア
26 フィーダ
30 乾燥炉
31 円筒シェル
32 処理対象物供給口
33 円筒部
34 攪拌羽根
35 排出口
36 水蒸気導入口
37 水蒸気排出口
40 炭化炉
41 円筒シェル
42 処理対象物供給口
43 円筒部
44 攪拌羽根
45 排出口
46、46A、46B、46C…水蒸気導入口
47 水蒸気排出口
50 排出装置
52 冷却ジャケット
54 製品タンク
56 スクリューコンベア
60 高温水蒸気発生装置
62 送風機
64 LPGボンベ
66 ガバナ
68 バーナ
70 脱臭炉
72 脱臭炉ブロワー
74 灯油タンク
76 灯油ポンプ
80 廃熱ボイラ
90 水供給装置
92 軟水器
94 軟水タンク
95 給水ポンプ
96 集塵装置
98 排気筒
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る活性炭製造用炭化装置について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明に係る活性炭製造用炭化装置の全体構成図である。同図に示すように、活性炭製造用炭化装置10には、生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物を貯蔵するとともに処理対象物を適宜乾燥炉30に供給する処理対象物供給手段20と、炭化炉40が排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて乾燥済みの処理対象物と使用済みの水蒸気とを排出する乾燥炉30と、乾燥炉30にて乾燥させた処理対象物を供給し高温水蒸気発生装置60から過熱水蒸気を導入して処理対象物を炭化させて炭化済みの活性炭と使用済みの水蒸気とを排出する炭化炉40と、炭化炉40にて炭化した活性炭を冷却して貯蔵する排出装置50とを設けてある。
【0028】
また、活性炭製造用炭化装置10には、廃熱ボイラ80から水蒸気を導入して炭化炉40に供給する高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置60と、乾燥炉30から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させ高温の排気を排出する脱臭炉70と、脱臭炉70から排出される高温の排気を用いて水を加熱し高温水蒸気発生装置60に供給するための水蒸気を生成する廃熱ボイラ80と、廃熱ボイラ80に水を供給する水供給装置90と、脱臭炉70から排出された後に廃熱ボイラ80で熱交換を行なった後の排気に含まれる粉塵や水分を、サイクロン等を用いて集塵するとともに無臭化、無煙化する集塵装置96と、集塵した後の排気を大気に放出する排気筒98とを設けている。
【0029】
処理対象物供給手段20には、生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物を貯蔵するホッパ22と、ホッパ22に貯蔵してある処理対象物をフィーダ26に供給するコンベア24と、乾燥炉30に処理対象物を計量供給するフィーダ26とを設けている。
【0030】
乾燥炉30の円筒シェル31には、フィーダ26が計量した処理対象物を供給する処理対象物供給口32と、処理対象物を乾燥、乾留させつつ攪拌移動させる円筒部33と、円筒シェル31内で処理対象物を乾燥、乾留させつつ攪拌移動させるための1乃至複数の回転可能なプロペラフィーダ等の攪拌羽根34と、乾燥、乾留済みの処理対象物を排出する排出口35と、炭化炉40から排出された使用済みの水蒸気を円筒部33外側から攪拌羽根34の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向(タンジェンシャル方向)に導入する水蒸気導入口36と、円筒シェル31内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を円筒部33内面から円筒部外側へ円筒部33内面の接線方向(タンジェンシャル方向)に排出する水蒸気排出口37を設けている。
【0031】
炭化炉40の円筒シェル41には、乾燥炉30の排出口35から排出されてきた乾燥済みの処理対象物を供給する処理対象物供給口42と、処理対象物を乾留、炭化、賦活させつつ攪拌移動させる円筒部43と、円筒シェル41内の低酸素状態で処理対象物を乾留、炭化、賦活させつつ攪拌移動させるための1乃至複数の回転可能なスクリュー型コンベア、プロペラフィーダ等の攪拌羽根44と、乾留、炭化、賦活済みの処理対象物を排出する排出口45と、高温水蒸気発生装置60から排出された900〜1200(℃)の過熱水蒸気を円筒部43外側から攪拌羽根44の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向(タンジェンシャル方向)に導入する水蒸気導入口46と、円筒シェル41内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を円筒部43内面から円筒部外側へ円筒部43内面の接線方向(タンジェンシャル方向)に排出する水蒸気排出口47を設けている。
【0032】
乾燥炉30、炭化炉40、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速は、処理対象物への熱伝達を進める上で、5(m/s)以上の流速であることが望ましい。しかし、20(m/s)以上にすると乾燥炉30等の内部で使用している部品にエロージョン等の問題が発生するので、適切な流速の範囲が存在する。過熱水蒸気の流速は、高温水蒸気発生装置60に供給する燃焼用空気の風量、LPGガスの供給量、水蒸気導入口36、46の開口面積等を、圧力調節機構又は絞りによって調節して設定する。
【0033】
図2は、炭化炉に過熱水蒸気を供給する水蒸気導入口を複数設けた状態を示す図である。
図1では炭化炉40に水蒸気導入口46を1箇所設けた例で説明したが、図2に示すように、炭化炉40に水蒸気導入口46、46A、4B6、46Cを複数設けるようにしてもよい。これらの各水蒸気導入口46、46A、46B、46Cは、高温水蒸気発生装置60から排出された過熱水蒸気を、円筒部43外側から攪拌羽根44の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向(タンジェンシャル方向)に導入する。
【0034】
活性炭を製造する際の炭化工程では、処理対象物を均質な状態で高温に加温することが重要である。図1に示したように、過熱水蒸気を炭化炉40又は乾燥炉30に設けた1箇所の水蒸気導入口36又は46から集中的に導入することでも乾燥や炭化の目的をある程度達成することができる。ところが円筒シェル31、41の内部には、攪拌羽根34、44と処理対象物とが存在するために、過熱水蒸気の流れが妨げられ、旋回流が弱められる場合がある。
【0035】
そこで、円筒シェル41の中間位置に複数の水蒸気導入口46A、46B、46Cを設けることによって、過熱水蒸気の流れを本来の強い旋回流れ状態に近づけることができる。ただし、必要以上に水蒸気導入口を増やしてしまうと、水蒸気導入口1つ当たりの過熱水蒸気流の力が弱まって過熱水蒸気の旋回流が弱くなることも考えられる。
【0036】
炭化炉40の場合と同様に、乾燥炉30、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に水蒸気導入口を複数設けるようにしてもよい。更に、各水蒸気導入口の開口面積等を圧力調節機構又は絞りによって調節して、供給する過熱水蒸気の流速や流量を設定するようにしてもよい。
【0037】
排出装置50には、炭化炉40にて炭化、賦活した高温の活性炭を水で冷却する冷却ジャケット52と、出来上がった活性炭を冷却しつつ製品タンク54に送る水冷ジャケット付のスクリューコンベア56とを設けてある。
【0038】
高温水蒸気発生装置60は、廃熱ボイラ80から水蒸気を、LPG等をバーナで燃焼させている雰囲気中に導入して過熱水蒸気を生成する。高温水蒸気発生装置60にて生成した過熱水蒸気は、炭化炉40に供給し、処理対象物を乾留、炭化、賦活させて活性炭を生成する。
【0039】
脱臭炉70は、炭化炉40から排出された使用済みの水蒸気を石油バーナ等の燃焼雰囲気中に供給して、使用済みの水蒸気に含まれる、アンモニア、メルカブタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、スチレン等の不純物を脱臭燃焼させ、高温の排気を排出する。
【0040】
廃熱ボイラ80は、脱臭炉70から排出される高温の排気を用いて水を多段階に加熱して水蒸気(ドライスチーム)を生成し、高温水蒸気発生装置60に供給する。
【0041】
集塵装置96は、脱臭炉70から排出された後に廃熱ボイラ80で熱交換を行なった後の排気に含まれる粉塵(固形物など)や水分を、サイクロン等を用いて集塵するとともに、無煙化する処理を行なう。また、排気筒98は、集塵した後のクリーンな排気を大気に放出する。
【実施例2】
【0042】
上記の実施例では、乾燥炉30(第1の反応炉)と炭化炉40(第2の反応炉)との2種類の反応炉を用いて、有機系の処理対象物を乾燥、乾留、賦活等の炭化処理を行なう活性炭製造用炭化装置について説明したが、本発明は2種類の反応炉を用いて炭化処理を行なう例に限定されるものではない。
【0043】
例えば、処理対象物の種類や処理量に応じて、脱臭炉70から排出される高温の排気から熱回収を行なった過熱水蒸気を用いて高温の過熱水蒸気を生成し、この高温の過熱水蒸気を乾燥炭化炉(第1の反応炉)に導入して処理対象物を乾燥させるとともに炭化し、使用済みの水蒸気を排出する処理を行なっても本発明の目的を達成することが可能である。
【0044】
また、過熱水蒸気を導入して処理対象物の炭化を促進させて使用済みの水蒸気を排出する炭化促進炉(第3の反応炉)と、炭化促進炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を炭化させて使用済みの水蒸気を排出する炭化炉(第2の反応炉)と、炭化炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて使用済みの水蒸気を排出する乾燥炉(第1の反応炉)と、水蒸気を導入して炭化炉に供給するための高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、乾燥炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させて高温の排気を排出する脱臭炉と、脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱して高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラとを備え、複数段の反応炉をカスケード状に利用して処理対象物を炭化させる活性炭製造用炭化装置としても本発明の目的を達成することが可能である。
【0045】
以下に、活性炭製造用炭化装置10を用いた活性炭の製造方法について説明する。
先ず脱臭炉ブロワー72を動作させて脱臭炉70に燃焼用の空気を供給する。次に灯油タンク74から灯油ポンプ76を用いて灯油を脱臭炉70に供給して燃焼を開始させる。脱臭炉70からは、800乃至1200(℃)の排気が排出され、この高温の排気は廃熱ボイラ80に供給する。
【0046】
廃熱ボイラ80の温度が上昇したら、水供給装置90の軟水器92を経由して軟水タンク94に貯蔵されている軟水を給水ポンプ95にて圧送して廃熱ボイラ80に供給する。廃熱ボイラ80の後段では、供給した軟水を高温に加熱する。そして、更に廃熱ボイラ80の前段に供給して150乃至300(℃)の過熱水蒸気(ドライスチーム)を生成して高温水蒸気発生装置60に供給する。
【0047】
高温水蒸気発生装置60では、送風機62を動作させて燃焼用の空気を高温水蒸気発生装置60に供給する。次に、水蒸気を加熱するために、LPGボンベ64からガバナ66を介してLPGをバーナ68に供給して点火する。すると、廃熱ボイラ80から導入した150乃至300(℃)の水蒸気を更に加熱して700乃至1200(℃)の過熱水蒸気(より好ましくは900乃至1100(℃))を生成し、炭化炉40に供給する。
【0048】
一方、活性炭のもとになる生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物は、予め処理対象物供給手段20のホッパ22に投入して貯蔵しておく。ホッパ22内に貯蔵された処理対象物は、処理対象物供給手段20に設けてあるコンベア24にてフィーダ26に供給する。フィーダ26は、所定の量の処理対象物を適宜乾燥炉30に計量供給する。
【0049】
処理対象物は、乾燥炉30の円筒シェル31に設けられている処理対象物供給口32から円筒シェル31内部に供給される。円筒シェル31内部では攪拌羽根34が回転しているので、円筒シェル31内の円筒部33において処理対象物が攪拌されつつ排出口35の方向へ徐々に移動する。
【0050】
なお、1乃至複数の水蒸気導入口36…からは、炭化炉40から排出された使用済みの700乃至1000(℃)の水蒸気が、円筒部33外側から攪拌羽根34の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向(タンジェンシャル方向)に導入されて、強い渦を発生している。したがって水蒸気は、攪拌羽根34にて攪拌移動されている処理対象物とよく混合しながら加熱分解又は加水分解等の反応を行なう。
【0051】
過熱水蒸気によって処理対象物は、加熱、乾燥、乾留の反応を行いつつ円筒部33を水蒸気排出口37に向かって進み、使用済み水蒸気は円筒部33内面から円筒部外側へ円筒部33内面の接線方向(タンジェンシャル方向)に排出される。ここでも円筒部33内面の接線方向に使用済みの水蒸気が排出されるように水蒸気排出口37を設けているので、円筒部33内の水蒸気の旋回流れを維持し処理対象物との相対流速を高く保ち、伝熱を促進する。
【0052】
従来は、水蒸気を乾燥炉等に供給する場合に、水蒸気を導入する細いパイプを乾燥炉等の内部に多数設け、この多数の細孔から蒸気を吹き出すようにして処理対象物に当てる装置があった。しかしこの多数の細孔から蒸気を噴出させる装置では以下のような不具合を生じていた。
【0053】
一般に反応炉の内部は、攪拌及びケーキ送り出し用の攪拌機が反応炉内部空間の大部分を占めて回っているので、蒸気噴出用の細孔ノズルを送入し難いという不具合を生じていた。したがって前述のように、攪拌機の軸に蒸気の通路を設けて、攪拌機の軸部分から蒸気を噴出して処理対象物の反応を促すといった複雑な構造も知られている。
【0054】
また、水蒸気を円筒形反応炉の中心軸と並行に流すと、その水蒸気は反応炉内部を素通りしてしまい、処理対象物に対して熱の伝達や反応が効果的に進まないという不具合を生じる。
【0055】
そこで本発明では、水蒸気を、円筒部33、43の外側から5乃至20(m/s)の流速にて攪拌羽根34、44の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向に導入して、強い水蒸気の渦を発生するようにしている。またこの水蒸気は、円筒部33、44の製品の排出口35、45に近い側面から円周接線方向に5乃至20(m/s)の流速をもって吹き付け、処理対象物供給口32、42の入口近くに設けた水蒸気排出口37、47から、攪拌羽根34、44と同一の回転方向の円周接線方向に向かって排出する。
【0056】
この構造によって、水蒸気は旋回流を伴って被処理物質との大きな相対速度をある程度継続して持ちながら反応炉内を移動するために、処理対象物に対する熱の伝達が促進され、処理対象物の温度が水蒸気の温度に近づき、乾燥、乾留、炭化、賦活等の各種反応が促進される。
なお、乾燥炉30にて乾燥させた処理対象物は排出口35から排出され、次の処理工程の炭化炉40に供給される。
【0057】
乾燥炉30から排出された処理対象物は、乾燥炉40の円筒シェル41に設けられている処理対象物供給口42から円筒シェル41内部に供給される。円筒シェル41内部では攪拌羽根44が回転しているので、円筒シェル41内の円筒部43において処理対象物が攪拌されつつ排出口45の方向へ徐々に移動する。
【0058】
1乃至複数の水蒸気導入口46、46A…からは、高温水蒸気発生装置60から供給される過熱水蒸気が、円筒部43外側から攪拌羽根44の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向(タンジェンシャル方向)に導入されて、水蒸気の強い旋回流を発生するようにしている。したがって過熱水蒸気は、攪拌羽根44にて攪拌移動されている処理対象物とよく混合して反応し、処理対象物を加熱、乾留、炭化、賦活させつつ円筒部43を水蒸気排出口47に向かって進み、使用済み水蒸気は円筒部34内面から円筒部外側へ円筒部43内面の接線方向(タンジェンシャル方向)に排出される。
【0059】
ここでも円筒部43内面の接線方向に使用済みの水蒸気が排出されるように水蒸気排出口47を設けているので、処理対象物とよく混合しながら加熱分解又は加水分解等の反応が促進される。上質の活性炭を製造するためには、処理対象物を800(℃)以上の高温に保持することが望ましい。更にこれをダイオキシン類の副生なしに行なうには、酸素がほとんど存在しない高温の過熱水蒸気に処理対象物を晒して賦活処理することが理想的である。
【0060】
炭化炉40に700乃至1200(℃)の高温の過熱水蒸気を供給して処理対象物と反応させることによって、上質な活性炭を短時間で生成することが可能となる。更に本発明では、高温水蒸気発生装置60に供給する水蒸気を、乾燥炉30で使用した不純物を含む水蒸気の脱臭処理後の高温の排気に含まれる熱を回収して過熱しているので、上質な活性炭の製造コストを低減させることが可能となる。
炭化炉40にて炭化、賦活させた結果生成した活性炭は排出口45から排出され、排出装置50に供給される。
【0061】
炭化炉40から排出された高温の活性炭を酸素雰囲気中に置くと発火の危険があるので、排出装置50に設けた冷却ジャケット52にて冷却する。更に水冷ジャケット付のスクリューコンベア56によって活性炭を冷却しつつ製品タンク54に送り貯蔵する。
【0062】
一方、乾燥炉30から排出される使用済みの水蒸気は、340乃至740(℃)の温度を有している。この使用済みの水蒸気には、窒素化合物等の有害な物質や臭気を含んでいるので、脱臭炉70内の高温下にて不純物の燃焼を完了させる必要がある。また、800(℃)以下の温度で燃焼させても、ダイオキシン類が発生するので、更に高温の環境で燃焼させる必要がある。したがって、脱臭炉70内では前記有害物質を含んだ使用済みの水蒸気を800乃至1200(℃)の温度に過熱、分解して排出するようにしている。
【0063】
従来は、脱臭炉70から排出される使用済みの水蒸気を直接集塵装置96に送って排気筒98から大気に放出していたが、本発明では廃熱ボイラ80にて水蒸気を生成する際に熱回収を行なっている。したがって、上質な活性炭を生成する際のエネルギー消費を節約することを可能としている。なお、廃熱ボイラ80で熱交換を行なった後の排気は、100乃至400(℃)であるため、相当な熱量の回収を実現することが可能となる。
【0064】
また、通常のボイラやスーパーヒータで1000(℃)を超えるような高温水蒸気を発生させるためには、超高温用特殊合金の伝熱管や配管が必要となる。更に構造上、耐久性及び製造装置建造コスト上の困難が伴う。したがって、本発明のように、脱臭炉70から排出される高温の排気を熱交換して得た150乃至300(℃)の過熱水蒸気を、高温部にセラミックスを用いた高温水蒸気発生装置60に供給して高温の過熱水蒸気を生成することによって、活性炭製造用炭化装置の製造コストを下げることが可能となるとともに、熱回収によりランニングコストも下げることが可能となる。
【0065】
廃熱ボイラ80で熱交換を行なった後の排気は集塵装置96に供給し、排気に含まれる粉塵や水分を、サイクロン等を用いて集塵する。集塵後の排気は、排気筒98から大気に放出する。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係る活性炭製造用炭化装置によれば、脱臭炉から排出される排気に含まれる熱を再利用するようにしたので、高温の過熱水蒸気を容易に生成することが可能となり、この高温の過熱水蒸気を処理対象物と反応させることによって上質の活性炭を安価にて生成することが可能となる。
【0067】
また他の発明の形態によれば、活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉において、水蒸気を円筒部外側から円筒内面の接線方向に導入する水蒸気導入口を有する円筒シェルを備えたので、過熱水蒸気が高速の旋回流で処理対象物と接し、処理対象物への熱移動が十分に進み、処理対象物全体が高温に達する。したがって、乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応が促進され、上質の活性炭を生成することが可能となる。
【0068】
また他の発明の形態によれば、活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉の円筒シェルに設けた1乃至複数の水蒸気導入口は、水蒸気を、攪拌羽根の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向に導入する形状にしたので、強い旋回流で円筒シェル内を流れ、充分な時間と相対速度をもって処理対象物に接触する。したがって、乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応が促進され、上質の活性炭を生成することが可能となる。
【0069】
また他の発明の形態によれば、活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに、使用済み水蒸気を円筒部内面の接線方向に排出する水蒸気排出口を備えたので、円筒部内の水蒸気の旋回流を維持し、処理対象物との相対流速を高く保ち、伝熱を促進する。したがって、処理対象物が長時間高温の過熱水蒸気に晒されるようになり、乾燥、炭化、乾留、賦活等の反応が促進され、上質の活性炭を生成することが可能となる。
【0070】
また本発明によれば、活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速を5乃至20(m/s)に調節するようにしたので、水蒸気は旋回流を伴って被処理物質との大きな相対速度をある程度継続して持ちながら反応炉内を移動するために、処理対象物に対する熱の伝達が促進され、処理対象物の温度が水蒸気の温度に近づき、乾燥、乾留、炭化、賦活等の各種反応が促進される。したがって上質の活性炭を短時間で製造することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物を水蒸気で加熱して乾燥、乾留、賦活等の炭化処理を行なう活性炭製造用炭化装置において、
過熱水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させて炭化し、使用済みの水蒸気を排出する乾燥炭化炉と、
水蒸気を導入して乾燥炭化炉に供給する高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、
乾燥炭化炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させ、高温の排気を排出する脱臭炉と、
脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱し、高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラと、
を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項2】
生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物を水蒸気で加熱して乾燥、乾留、賦活等の炭化処理を行なう活性炭製造用炭化装置において、
過熱水蒸気を導入して処理対象物を炭化させ、使用済みの水蒸気を排出する炭化炉と、
炭化炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させ、使用済みの水蒸気を排出する乾燥炉と、
水蒸気を導入して炭化炉に供給する高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、
乾燥炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させ、高温の排気を排出する脱臭炉と、
脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱し、高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラと、
を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項3】
生ごみ、木材、肉骨粉、衣類屑、プラスチックス等の有機系の処理対象物を水蒸気で加熱して乾燥、乾留、賦活等の炭化処理を行なう活性炭製造用炭化装置において、
過熱水蒸気を導入して処理対象物の炭化を促進させ、使用済みの水蒸気を排出する炭化促進炉と、
炭化促進炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を炭化させ、使用済みの水蒸気を排出する炭化炉と、
炭化炉から排出した水蒸気を導入して処理対象物を乾燥させ、使用済みの水蒸気を排出する乾燥炉と、
水蒸気を導入して炭化促進炉に供給する高温の過熱水蒸気を生成する高温水蒸気発生装置と、
乾燥炉から排出された使用済みの水蒸気に含まれる不純物を加熱して脱臭燃焼させ、高温の排気を排出する脱臭炉と、
脱臭炉から排出される高温の排気を用いて水を加熱し、高温水蒸気発生装置に供給する水蒸気を生成する廃熱ボイラと、
を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の活性炭製造用炭化装置の乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉において、
処理対象物を供給する処理対象物供給口と、処理対象物を攪拌移動させる円筒部と、処理対象物を排出する排出口と、過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気を円筒部外側から円筒内面の接線方向に導入する水蒸気導入口とを有する円筒シェルと、
前記円筒シェル内で処理対象物を攪拌移動させる回転可能な攪拌羽根と、
を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項5】
請求項4に記載の活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに設けた水蒸気導入口は、
過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気を、前記攪拌羽根の回転方向と同じ方向の円筒内面接線方向に導入する水蒸気導入口としたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項6】
請求項5に記載の水蒸気導入口を、活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに複数設けたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項7】
請求項4に記載の活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに、
円筒シェル内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を、円筒部内面から円筒部外側へ、円筒部内面の接線方向に排出する水蒸気排出口を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項8】
請求項5に記載の活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに、
円筒シェル内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を、円筒部内面から円筒部外側へ、円筒部内面の接線方向に排出する水蒸気排出口を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項9】
請求項6に記載の活性炭製造用炭化装置の円筒シェルに、
円筒シェル内で処理対象物を加熱した後の使用済み水蒸気を、円筒部内面から円筒部外側へ、円筒部内面の接線方向に排出する水蒸気排出口を備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項10】
請求項1乃至3に記載の活性炭製造用炭化装置において、
前記乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速を5乃至20(m/s)に調節する圧力調節機構又は絞りを備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項11】
請求項4に記載の活性炭製造用炭化装置において、
前記乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速を5乃至20(m/s)に調節する圧力調節機構又は絞りを備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。
【請求項12】
請求項5乃至9に記載の活性炭製造用炭化装置において、
前記乾燥炉、炭化炉、乾燥炭化炉又は炭化促進炉に供給する過熱水蒸気又は使用済みの水蒸気の流速を5乃至20(m/s)に調節する圧力調節機構又は絞りを備えたことを特徴とする活性炭製造用炭化装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/063923
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516553(P2005−516553)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016681
【国際出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(502037638)株式会社アイ・ピー・ビー (28)
【Fターム(参考)】