説明

流路構造体及び流路構造体の製造方法

【課題】流路内の必要な箇所に簡便な方法で触媒を担持することができる流路構造体及び流路構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】流路構造体1は、ベース基板3の上側に流路用の溝22を有する流路基板2が積層されて流路100を形成する。ベース基板3には、流路100の壁面から流路100の外部に引き出され、第1及び第2の電位の電圧がそれぞれ印加される第1及び第2の金属パターン4A,4Bが形成され、第1及び第2の金属パターンの表面に触媒を担持する触媒担持部41A,41Bがそれぞれ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路構造体及び流路構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、簡便な手法で形成できる、微小反応空間を有する触媒反応器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この触媒反応器は、流路形成面を有する流路プレートと、流路プレートを覆うのに十分な広さの凹部を有する触媒プレートとからなり、触媒プレートが有する凹部に薄膜状触媒が圧縮固定化されたものである。
【0004】
【特許文献1】特開2007−160227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、本構成を有していない場合と比較して、流路内の必要な箇所に簡便な方法で触媒を担持することができる流路構造体及び流路構造体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の流路構造体及び流路構造体の製造方法を提供する。
【0007】
[1]流路を有する部材と、前記流路の壁面から前記流路の外部に引き出され、第1の電位の電圧が印加される第1の金属パターンと、前記流路の壁面から前記流路の外部に引き出され、第2の電位の電圧が印加される第2の金属パターンと、前記第1及び第2の金属パターンのうち少なくとも一方の表面に形成された多孔質の触媒担持部とを備えた流路構造体。
【0008】
[2]さらに、前記触媒担持部に担持された触媒を備えた前記[1]に記載の流路構造体。
【0009】
[3]前記部材は、第1の接合面に流路用の溝が形成された第1の板部材と、第2の接合面に前記第1及び第2の金属パターンが形成され、前記第1の接合面に前記第2の接合面が接合された第2の板部材とからなる前記[1]に記載の流路構造体。
【0010】
[4]前記第1及び第2の金属パターンは、前記流路用の溝と交差する方向に交互に配置された前記[3]に記載の流路構造体。
【0011】
[5]前記触媒は、前記触媒担持部に対する反応基質を有する反応液により除去可能な状態で前記触媒担持部に担持された前記[2]に記載の流路構造体。
【0012】
[6]流路を有し、前記流路の壁面から前記流路の外部にそれぞれ引き出された第1及び第2の金属パターンが形成された部材を準備し、前記流路に電解液を流すとともに、前記第2の金属パターンに対して前記第1の金属パターンに正電圧を印加することにより、前記第1の金属パターンのうち前記流路の壁面に配置された表面に陽極酸化法により多孔質の触媒担持部を形成し、前記流路にメッキ液を流すとともに前記第2の金属パターンに対して前記第1の金属パターンに負電圧を印加することにより、前記第1の金属パターンに形成された前記触媒担持部に触媒を担持させる流路構造体の製造方法。
【0013】
[7]さらに、前記流路に電解液を流すとともに前記第1の金属パターンに対して前記第2の金属パターンに正電圧を印加することにより、前記第2の金属パターンのうち前記流路の壁面に配置された表面に陽極酸化法により多孔質の触媒担持部を形成し、前記流路にメッキ液を流すとともに前記第1の金属パターンに対して前記第2の金属パターンに負電圧を印加することにより、前記第2の金属パターンに形成された前記触媒担持部に触媒を担持させる前記[6]に記載の流路構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る流路構造体によれば、本構成を有していない場合と比較して、流路内の要な箇所に簡便な方法で触媒を担持することができる。
【0015】
請求項2に係る流路構造体によれば、流路を流れる流体に対して触媒反応を起こすことができる。
【0016】
請求項3に係る流路構造体によれば、流路及び金属パターンを形成する工程を簡素化することができる。
【0017】
請求項4に係る流路構造体によれば、本構成を有していない場合と比較して、第1及び第2の金属パターンを効率的に配置することができる。
【0018】
請求項5に係る流路構造体によれば、触媒担持部に担持された触媒を除去することができる。
【0019】
請求項6に係る流路構造体の製造方法によれば、本構成を有していない場合と比較して、流路内の必要な箇所に簡便な方法で触媒を担持することができる。
【0020】
請求項7に係る流路構造体の製造方法によれば、本構成を有していない場合と比較して、触媒担持部の面積を増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1の実施の形態]
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る流路構造体を示す斜視図、図1(b)は、その分解斜視図である。また、図2(a)は、流路基板の底面図、図2(b)は、ベース基板の平面図である。
【0022】
この流路構造体1は、ベース基板3の上側に流路基板2が積層されて構成されている。
【0023】
(流路基板)
流路基板2は、面2a〜2fからなり、流体を導入する導入口20と流体を排出する排出口21とを有する。導入口20及び排出口21は、面2aから面2fへの貫通穴である。
【0024】
また、流路基板2は、面2fに導入口20及び排出口21を接続する流路用の溝22を備える。溝22の幅は、例えば、50μm〜2000μmであり、深さは、例えば、10μm〜100μmである。
【0025】
なお、溝22により導入口20から排出口21までを接続する経路は、図2(a)に例示するS字状に限られず、I字状でもよいし、他の形状でもよい。また、種類の異なる流体を導入する複数の導入口を設け、複数の導入口を接続するように溝22を形成してもよい。
【0026】
流路基板2は、絶縁性の基板として、例えば、ガラス、石英、シリコン、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂等により形成されている。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(以下、PDMS樹脂という。)等のシリコーン樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂が挙げられる。
【0027】
(ベース基板)
ベース基板3は、面3a〜3fからなり、面3aに第1及び第2の金属パターン4A,4Bが形成されている。
【0028】
ここで、図3(a)は、図1(a)におけるA−A線断面図、図3(b)は、図3(a)におけるB−B線断面図、図3(c)は,図3(b)における触媒担持部41Aの拡大図である。すなわち、ベース基板3の第2の接合面としての面3aは、流路基板2の第1の接合面としての面2fと接合され、ベース基板3が溝22の開口部を塞ぐ蓋として機能することにより流路100を形成する。なお、流路基板2が第1の部材、ベース基板3が第2の部材にそれぞれ対応し、流路基板2及びベース基板3が流路100を有する部材を構成する。
【0029】
ベース基板3は、絶縁性の基板であり、例えば、ガラス、石英、シリコン等からなる。また、第1及び第2の金属パターン4A,4Bは、例えば、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属により形成されている。本実施の形態では、アルミニウムを用いる。
【0030】
第1及び第2の金属パターン4A,4Bは、図2(b)に例示するように、流路100の内部から流路100の外部にそれぞれ絶縁された状態で引き出されている。また、第1及び第2の金属パターン4A,4Bは、例えば、くし型の形状を有し、溝22と交差する方向に交互に配置されている。
【0031】
また、第1の金属パターン4Aは、第1の電位の電圧が印加される第1の電圧印加部40Aを有し、同様に、第2の金属パターン4Bは、第2の電位の電圧が印加される第2の電圧印加部40Bを有する。
【0032】
触媒担持部41A,41Bは、第1及び第2の金属パターン4A,4Bのうち流路基板2が備える溝22に対応する部分にそれぞれ形成されている。触媒を担持させることを目的としているので、表面積の大きい方が触媒担持量が増えて有利である。したがって、触媒担持部41A,41Bは、多孔質である。なお、触媒担持部は、第1及び第2の金属パターン4A,4Bのいずれか一方に形成されていてもよい。
【0033】
また、触媒担持部41A,41Bは、陽極酸化法により陽極酸化膜が形成され、図3(c)に例示するように、ポーラスアルミナ410とノンポーラスアルミナ411とからなる。ポーラスアルミナ411の表面には、ベース基板3の厚み方向に複数の細孔42が形成されている。
【0034】
細孔42は、例えば、10〜100nmの径を有し、その内部に触媒101が担持されている。
【0035】
触媒101は、触媒担持部41A,41Bに対する反応基質を有する反応液により除去可能な状態で担持されている。また、触媒101は、触媒作用を有する金属として、例えば、白金、パラジウム等を用いることができる。なお、本実施の形態では、触媒101として白金を用いる。
【0036】
(製造方法)
次に、本実施の形態に係る流路構造体の製造方法の一例を説明する。
【0037】
(1)流路基板の製作
流路基板2をガラス基板で製作する場合には、流路基板2の面2fに対して、例えば、半導体製造方法に用いるリソグラフィー法により溝22の形状をフォトレジストにパターニングし、エッジングすることにより溝22を形成する。また、ガラス基板にレーザ加工等を施して、導入口20及び排出口21を形成する。
【0038】
パターニングとしては、リソグラフィー法の他に、電子ビーム直接描画法等を用いることができる。なお、高い平面形状精度が得られ、量産性が高い点でリソグラフィー法が好ましい。また、エッチングには、化学薬品を用いて被加工物を溶かし込むウェットエッチングや、イオンを利用して被加工物を気化して取り除くドライエッチング等を用いることができる。
【0039】
また、流路基板2をPDMS樹脂で製作する場合には,例えば、シリコンウェハ上にフォトレジスト(例えば、SU−8)を塗布して、リソグラフィー法により溝22を反転した凸型の鋳型を製作し、その鋳型にPDMS樹脂を流し込んで加熱して成型することにより、流路基板2を製作することができる。また、流路基板2をアクリル樹脂で製作する場合も同様にして、金属製の凸型の鋳型を用いて、流路基板2を製作することができる。
【0040】
(2)ベース基板の製作
ベース基板3の面3aに対して、例えば、スパッタ法によりアルミ薄膜を着膜する。なお、スパッタ法の他に、電子ビーム加熱蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の真空蒸着法等を用いることができる。
【0041】
そして、ベース基板3に着膜したアルミ薄膜を例えば、リソグラフィー法を用いてパターニングすることにより、第1及び第2の金属パターン4A,4Bを形成する。
【0042】
(3)流路の形成(貼り合せ)
上記のように製作した流路基板2及びベース基板3を、図2(b)に例示するように、第1及び第2の金属パターン4A,4Bが流路100の内部に配置される所定の位置で貼り合せる。この際,流路基板2がガラス基板又はアクリル樹脂で製作されている場合には,加圧しながらガラス転移温度程度に過熱することにより融接する。例えば、ガラス基板の場合には450℃程度、アクリル樹脂の場合には100℃程度に加熱する。
【0043】
また,流路基板2の材料としてPDMS樹脂を用いた場合には、PDMS樹脂の自己接着性により、流路基板2とベース基板3とを対向させて接触するだけでよい。
【0044】
なお、他の接合方法として、常温接合を用いてもよいし、熱と電圧を加えることにより接合する陽極接合を用いてもよいし、これらに限定されない。ここで、常温接合とは、アルゴン等の不活性ガスを高電圧で加速して接合面に照射することにより清浄化した接合面同士を常温(例えば、15〜25℃)雰囲気中で直接接触させ、原子同士を直接結合させる接合方法をいう。
【0045】
(4)触媒担持部の形成
図4(a)は、金属パターンに触媒担持部を形成する方法を説明する図である。流路基板2及びベース基板3が接合された流路構造体に対して、形成された流路基板2の導入口20から電解液として、例えば、硫酸溶液を導入する。そして、第2の電圧印加部40Bに対して第1の電圧印加部40Aに正電圧が印加されるように、第1及び第2の金属パターン4A,4B間に酸化電圧V(例えば、12V)を印加する。なお、電解液は、硫酸溶液の他に、シュウ酸、リン酸等を用いてもよい。
【0046】
これにより、正電圧が印加された第1の金属パターン4Aのうち流路100の壁面に配置された部分が陽極酸化され、図4(b)に例示するように、ポーラスアルミナ410及びノンポーラスアルミナ411からなり、複数の細孔42を有する触媒担持部41Aが形成される。
【0047】
また、第1の電圧印加部40Aに対して第2の電圧印加部40Bに正電圧が印加されるように酸化電圧Vの極性を変えて、第2の金属パターン4Bにも触媒担持部41Bを形成する。なお、ベース基板3の第1又は第2の金属パターン4A,4Bに電圧(例えば、12V)を印加し、流路100の導入口20側又は排出口21側の電解液に接地電極(0V)を設けてもよい。
【0048】
(5)触媒の担持
図5(a)は、細孔42に触媒101を担持する方法を説明する図である。触媒担持部41A,41Bに複数の細孔42が形成された上記の流路構造体に対して、導入口20からメッキ液として、例えば、塩化白金酸溶液を導入する。そして、第2の電圧印加部40Bに対して第1の電圧印加部40Aに負電圧が印加されるように、第1及び第2の金属パターン4A,4B間にメッキ電圧V(例えば、5V)を印加する。
【0049】
これにより、第1の金属パターン4Aに形成された触媒担持部41Aに、触媒101としての白金が電解析出されて、図5(b)に例示するように、触媒担持部41Aの細孔42に触媒101が担持される。
【0050】
また、第1の電圧印加部40Aに対して第2の電圧印加部40Bに負電圧が印加されるように、メッキ電圧Vの極性を変えて、第2の金属パターン4Bに形成された触媒担持部41Bにも触媒101を担持する。
【0051】
以上のようにして、触媒101が触媒担持部41A,41Bに担持された流路構造体1を製作することができる。
【0052】
(第1の実施の形態の動作)
次に、本実施の形態に係る流路構造体1の動作を説明する。流路基板2の導入口20から原料液が導入されると、流路100の内部を流れて、触媒担持部41A,41Bを通過する。このとき、触媒担持部41A,41Bに担持された触媒101により、原料液に対する触媒反応が促進される。そして、触媒反応によって得られた反応液が、排出口21から排出される。
【0053】
(触媒作用の再生)
流路構造体1において、上記のように触媒反応を繰り返し行い、触媒101の触媒作用が失われた(失活)場合、図6(a)に例示するように、流路基板2の導入口20から反応液として、例えば、水酸化ナトリウム溶液を導入する。
【0054】
これにより、触媒担持部41A,41Bの表面がエッチングされ、図6(b)に例示するように、失活した触媒101が除去される。そして、上記の製作方法(5)で説明した方法と同様にして、触媒担持部41A,41Bに新たな触媒101を担持することにより、流路構造体1の触媒作用が再生される。
【0055】
[第2の実施の形態]
図7(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るベース基板の平面図であり、図7(b)は、図3(a)におけるB−B線に対応する断面図である。
【0056】
このベース基板3は、第1の実施の形態と同様に、面3aに第1及び第2の金属パターン4A,4Bが形成されたものであるが、第1及び第2の金属パターン4A,4Bの形状が異なるものである。なお、流路基板2は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0057】
すなわち、第1及び第2の金属パターン4A,4Bは、流路100の断面において、触媒担持部41A,41Bがそれぞれ左右に配置されるように形成されている。そして、触媒101は、図3(c)と同様に、触媒担持部41A,41Bに形成された細孔42に担持されている。
【0058】
なお、本実施の形態に係る流路構造体の製作方法及び動作等は、パターンニングにより第1及び第2の金属パターン4A,4Bを形成する際の形状が異なる他は、第1の実施の形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0059】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る流路構造体の斜視図である。また、図9(a)は、流路基板の底面図、図9(b)は、ベース基板の平面図である。
【0060】
この流路構造体1は、第1の実施の形態と比較して、ベース基板3の上側に流路基板2が積層されて構成されている点は共通するが、ベース基板3に第1の金属パターン4Aが形成され、流路基板2に第2の金属パターン4Bが形成されている点が異なる。
【0061】
流路基板2は、第1の実施の形態と同様の導入口20、排出口21及び溝22を備える他に、面2fに形成された第2の金属パターン4Bと、面2aに設けられ、第2の金属パターン4Bに貫通穴23を介して接続された第2の電圧印加部40Bとを備える。
【0062】
第2の金属パターン4Bは、第1の実施の形態と同様の製造方法により流路基板2に溝22を形成した後、面2fにフォトレジストを塗布し、第2の金属パターン4Bの形状をパターニングし、エッジングする。そして、材料となる薄膜を形成し、フォトレジストを除去することにより形成することができる。
【0063】
触媒担持部41Bは、図9(a)に例示するように、第2の金属パターン4Bのうち溝22と交差する部分に形成されている。
【0064】
ベース基板3は、第1の実施の形態と同様に、面3aに第1の金属パターン4Aが形成され、触媒担持部41Aは、図9(b)に例示するように、溝22に対応する部分に形成されている。
【0065】
図10(a)は、図8(a)におけるC−C線断面図、図10(b)は、図10(a)におけるD−D線断面図である。触媒担持部41A,41Bは、絶縁された状態で流路100の対向する壁面に、例えば、千鳥状に配置されている。
【0066】
触媒担持部41Bは、図10(b)に例示するように、溝22の底面及び側面に形成されている。また、触媒101は、図3(c)と同様に、触媒担持部41A,41Bに形成された細孔42に担持されている。
【0067】
なお、本実施の形態に係る流路構造体の製作方法及び動作等は、上述の流路基板2に第2の金属パターン4Bを形成する方法が異なる他は、第1の実施の形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0068】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施が可能である。例えば、上記各実施の形態では、流路構造体1により形成される流路100の断面形状は四角形であるが、円形でもよいし、他の多角形でもよいし、これらに限られない。
【0069】
また、上記各実施の形態では、ベース基板3の上側に溝22を有する流路基板2を積層したが、その反対に流路基板2の上側にベース基板3を積層するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る流路構造体の一例を示す斜視図であり、図1(b)は、分解斜視図である。
【図2】図2(a)は、流路基板の底面図、図2(b)は、ベース基板の平面図である。
【図3】図3(a)は、図1(a)におけるA−A線断面図、図3(b)は、図3(a)におけるB−B線断面図、図3(c)は,図3(b)における触媒担持部の拡大図である。
【図4】図4(a)は、金属パターンに触媒担持部を形成する方法を説明する図である。図4(b)は,触媒担持部の拡大図である。
【図5】図5(a)は、細孔に触媒を担持する方法を説明する図である。図5(b)は、触媒担持部の拡大図である。
【図6】図6(a)は、触媒を除去する動作の一例を示す図である。図6(b)は、触媒担持部の拡大図である。
【図7】図7(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るベース基板の平面図であり、図7(b)は、図3(a)におけるB−B線に対応する断面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態に係る流路構造体の斜視図である。
【図9】図9(a)は、流路基板の底面図、図9(b)は、ベース基板の平面図である。
【図10】図10(a)は、図8(a)におけるC−C線断面図、図10(b)は、図10(a)におけるD−D線断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1…流路構造体、2…流路基板、2a-2f…面、3…ベース基板、3a-3f…面、4A,4B…金属パターン、20…導入口、21…排出口、22…溝、23…貫通穴、40A,40B…電圧印加部、41A,41B…触媒担持部、42…細孔、100…流路、101…触媒、410…ポーラスアルミナ、411…ノンポーラスアルミナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を有する部材と、
前記流路の壁面から前記流路の外部に引き出され、第1の電位の電圧が印加される第1の金属パターンと、
前記流路の壁面から前記流路の外部に引き出され、第2の電位の電圧が印加される第2の金属パターンと、
前記第1及び第2の金属パターンのうち少なくとも一方の表面に形成された多孔質の触媒担持部とを備えた流路構造体。
【請求項2】
さらに、前記触媒担持部に担持された触媒を備えた請求項1に記載の流路構造体。
【請求項3】
前記部材は、第1の接合面に流路用の溝が形成された第1の板部材と、第2の接合面に前記第1及び第2の金属パターンが形成され、前記第1の接合面に前記第2の接合面が接合された第2の板部材とからなる請求項1に記載の流路構造体。
【請求項4】
前記第1及び第2の金属パターンは、前記流路用の溝と交差する方向に交互に配置された請求項3に記載の流路構造体。
【請求項5】
前記触媒は、前記触媒担持部に対する反応基質を有する反応液により除去可能な状態で前記触媒担持部に担持された請求項2に記載の流路構造体。
【請求項6】
流路を有し、前記流路の壁面から前記流路の外部にそれぞれ引き出された第1及び第2の金属パターンが形成された部材を準備し、
前記流路に電解液を流すとともに、前記第2の金属パターンに対して前記第1の金属パターンに正電圧を印加することにより、前記第1の金属パターンのうち前記流路の壁面に配置された表面に陽極酸化法により多孔質の触媒担持部を形成し、
前記流路にメッキ液を流すとともに前記第2の金属パターンに対して前記第1の金属パターンに負電圧を印加することにより、前記第1の金属パターンに形成された前記触媒担持部に触媒を担持させる流路構造体の製造方法。
【請求項7】
さらに、前記流路に電解液を流すとともに前記第1の金属パターンに対して前記第2の金属パターンに正電圧を印加することにより、前記第2の金属パターンのうち前記流路の壁面に配置された表面に陽極酸化法により多孔質の触媒担持部を形成し、
前記流路にメッキ液を流すとともに前記第1の金属パターンに対して前記第2の金属パターンに負電圧を印加することにより、前記第2の金属パターンに形成された前記触媒担持部に触媒を担持させる請求項6に記載の流路構造体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−142784(P2009−142784A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324817(P2007−324817)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】