説明

浴槽装置、糖尿病治療装置、美容装置、育毛促進装置、中枢神経疾患装置、心血管系疾患装置、代謝異常疾患装置、消化器疾患装置、運動器疾患装置および皮膚科領域疾患装置

【課題】省エネを図ることができ、かつ、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽装置は、ナノバブル発生部2と浴槽部3と貯湯タンクユニット27とヒートポンプユニット28とを有する。上記ナノバブル発生部2は、水中のマイクロバブルをせん断圧壊しナノバブルを発生してナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成する。上記貯湯タンクユニット27は、上記ナノバブル発生部2に環状に接続される。上記ヒートポンプユニット28は、上記貯湯タンクユニット27に接続される。上記浴槽部3は、上記ナノバブル発生部2と上記貯湯タンクユニット27との間を循環し上記ヒートポンプユニット28によって加熱された上記ナノバブル含有水が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナノバブル含有水を利用した浴槽装置、上記浴槽装置を有する糖尿病治療装置、上記浴槽装置を有する美容装置、上記浴槽装置を有する育毛促進装置、上記浴槽装置を有する中枢神経疾患装置、上記浴槽装置を有する心血管系疾患装置、上記浴槽装置を有する代謝異常疾患装置、上記浴槽装置を有する消化器疾患装置、上記浴槽装置を有する運動器疾患装置、および、上記浴槽装置を有する皮膚科領域疾患装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽装置としては、マイクロナノバブル発生機を利用した浴槽装置があり、マイクロナノバブルの発生量が少ないと共に、マイクロナノバブルのサイズの範囲が狭くて、マイクロナノバブルバブルが人体、特に血流、に及ぼす影響は、小さかった。
【0003】
詳しくは、日本では糖尿病患者が多く、糖尿病患者においては、足の末端付近の血流悪化を原因とする壊疽による足の切断等が必要になることすらある。
【0004】
ここで、人の足の血流が悪化した場合に効果がある改善方法としては、浴槽システムに、多数の旋回流方式のマイクロナノバブル発生機を設置し(現在知られているものとしては、10台の旋回流方式のマイクロナノバブル発生機を設置し)、浴槽水内に大量のマイクロナノバブルを発生させる方法がある。
【0005】
しかしながら、この方法は、多数のマイクロナノバブル発生機を運転するための電気代や、多数のマイクロナノバブル発生機のイニシャルコストに起因する浴槽の製造コストが高く、この方法を実用化することは、現実的ではない。また、従来のマイクロナノバブル発生機を利用した浴槽装置では、水温の上昇に、省エネを考慮していなかった。
【0006】
すなわち、省エネを図ることができ、かつ、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる浴槽装置は、見出されていない。
【0007】
ここで、従来、ナノバブルを利用した方法及び装置としては、特開2004−121962号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
【0008】
この装置および方法は、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、および、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用している。より具体的には、それらを相互に関連させることによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、および、殺菌機能による各種物体の高機能かつ低環境負荷での洗浄を実現でき、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
【0009】
また、従来、ナノ気泡を生成する方法としては、特開2003−334548号公報(特許文献2)に記載されているものがある。この方法は、液体中において、液体の一部を分解ガス化する工程、液体中で超音波を印加する工程、または、液体の一部を分解ガス化する工程及び超音波を印加する工程から構成されている。
【0010】
また、従来、オゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置としては、特開2004−321959号公報(特許文献3)に記載されているものがある。
【0011】
この処理装置は、マイクロバブル発生装置に、オゾン発生装置より生成されたオゾンガスと処理槽の下部から抜き出された廃液を加圧ポンプを介して供給している。また、生成されたオゾンマイクロバブルをガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気している。
【0012】
しかしながら、上記3つの既存の技術を参照しても、省エネを図ることができ、かつ、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる浴槽装置を実現することは困難になっている。
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【特許文献2】特開2003−334548号公報
【特許文献3】特開2004−321959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の課題は、省エネを図ることができ、かつ、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる浴槽装置、上記浴槽装置を有する糖尿病治療装置、上記浴槽装置を有する美容装置、および、上記浴槽装置を有する育毛促進装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、この発明の浴槽装置は、
水中のマイクロバブルをせん断圧壊しナノバブルを発生させてナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成するナノバブル発生部と、
このナノバブル発生部に環状に接続される貯湯タンクユニットと、
この貯湯タンクユニットに接続されるヒートポンプユニットと、
上記ナノバブル発生部と上記貯湯タンクユニットとの間を循環し上記ヒートポンプユニットによって加熱された上記ナノバブル含有水が供給される浴槽部と
を備えることを特徴としている。
【0015】
ここで、上記マイクロバブルとは、10μm〜数十μmの直径を有する気泡をいい、水中で縮小していき、ついには消滅(完全溶解)してしまう。上記ナノバブルとは、数百nm以下の直径を有する気泡をいい、具体的には、1μm以下の10nm〜900nmの直径を有する気泡をいう。上記ナノバブルは、10日以上水の中に存在し、上記ナノバブルを含有する水は、透明である。
【0016】
この発明の浴槽装置によれば、上記ナノバブル発生部によって、水中のマイクロバブルをせん断圧壊しナノバブルを発生させてナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成するので、上記マイクロバブルをせん断圧壊し上記ナノバブルを発生するときに発熱し、この熱を利用して、上記ナノバブル含有水を加熱できる。また、上記ナノバブル含有水は、マイクロナノバブル含有水よりも、血流量を増加できて、人体に良い影響を及ぼすことができる。
【0017】
したがって、上記ナノバブル発生部および上記ヒートポンプユニットによって、上記ナノバブル含有水を加熱できて、省エネを図ることができ、かつ、上記ナノバブル含有水によって、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる。
【0018】
詳しく述べると、本発明では、以下の特徴点(i)〜(v)を、見出した。
【0019】
特徴点(i)では、ナノバブルがせん断圧壊時に多量の熱を発生することを見出し、特に、上記貯湯タンクユニットと上記ナノバブル発生部との間で、循環運転すると、上記貯湯タンクユニットの水温が大幅に上昇することを見出した。
【0020】
特徴点(ii)では、上記貯湯タンクユニットの水温を上昇させる方法として、ナノバブルがせん断圧壊時する時の多量の熱、および、上記ヒートポンプユニットからの熱を、上記貯湯タンクユニットにて混合蓄熱して利用するシステムの構築が、新規の省エネになることを見出した。
【0021】
特徴点(iii)では、マイクロナノバブルよりもナノバブルの方が、血流量の増加が期待でき、糖尿病治療には、有効であることを見出した。
【0022】
特徴点(iv)では、糖尿病治療には、薬物療法としての血糖降下薬による治療に合わせて、ナノバブル浴槽による血流量増加治療を同時に合わせて実施した方が、より効果的であることを見出した。
【0023】
特徴点(v)では、上記浴槽部のナノバブル含有水を、シャワーに利用すれば、洗顔効果があることを見出し、また、上記浴槽部のナノバブル含有水を、洗濯機でリサイクル使用すれば、ナノバブル含有水の洗浄力によって、洗濯機での洗剤使用量を削減できることを見出した。
【0024】
また、一実施形態の浴槽装置では、
上記ナノバブル発生部は、
上記浴槽部に設置される濁度計と、
この濁度計からの信号を受ける濁度調節計と、
この濁度調節計からの信号を受ける制御部と、
この制御部からの信号により制御されるナノバブル発生機と
を備える。
【0025】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記ナノバブル発生部は、上記浴槽部に設置される濁度計と、この濁度計からの信号を受ける濁度調節計と、この濁度調節計からの信号を受ける制御部と、この制御部からの信号により制御されるナノバブル発生機とを備えるので、ナノバブルを合理的にまた正確に発生させることができる。
【0026】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ヒートポンプユニットは、順に環状に接続される空気用熱交換器、コンプレッサー、水加熱用熱交換器および膨張部を有する。
【0027】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記ヒートポンプユニットは、順に環状に接続される空気用熱交換器、コンプレッサー、水加熱用熱交換器および膨張部を有するので、大気からの熱を合理的に集めることができるばかりでなく、上記ヒートポンプユニットは、一般に市場にでているものと同じ構成であり、信頼性がある。
【0028】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記貯湯タンクユニットは、上記ナノバブル含有水を内部に収容する貯湯タンクを有し、この貯湯タンク内に、充填材が配置されている。
【0029】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記貯湯タンク内に、充填材が配置されているので、上記充填材に微生物を繁殖させることができて、上記充填材に繁殖した微生物で浴槽水中のアカなどの有機物を分解できる。したがって、浴槽水を清潔に保つことができると同時に、何度も浴槽水を使用することができて、節水を実現することができる。
【0030】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記充填材は、活性炭である。
【0031】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記充填材は、活性炭であるので、浴槽水中の有機物を活性炭に吸着でき、また、繰り返し使用される浴槽水を活性炭によって脱色できる。
【0032】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記充填材は、木炭である。
【0033】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記充填材は、木炭であるので、活性炭ほど効力は無いが、浴槽水中の有機物を木炭に吸着でき、また、繰り返し使用される浴槽水を木炭によって脱色できる。
【0034】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記充填材は、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物である。
【0035】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記充填材は、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物であるので、多量の微生物を上記ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物に繁殖させて、浴槽水中のアカとしての有機物を微生物分解して、浴槽水の水質を大幅に向上させることができる。
【0036】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記充填材は、リング型ポリ塩化ビニリデン充填物である。
【0037】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記充填材は、リング型ポリ塩化ビニリデン充填物であるので、多量の微生物を上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填物に繁殖させて、浴槽水中のアカとしての有機物を微生物分解して、浴槽水の水質を大幅に向上させることができる。
【0038】
また、一実施形態の浴槽装置では、
上記ナノバブル発生機は、
マイクロバブル発生部を有する気液混合循環ポンプと、
上記マイクロバブル発生部に接続されて上記マイクロバブル発生部への空気の流量を調整するバルブと、
上記気液混合循環ポンプの下流側に接続されると共に上記気液混合循環ポンプから発生したマイクロバブルをナノバブルにせん断する気体せん断部と
を有する。
【0039】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記ナノバブル発生機は、マイクロバブル発生部を有する気液混合循環ポンプと、上記マイクロバブル発生部に接続されて上記マイクロバブル発生部への空気の流量を調整するバルブと、上記気液混合循環ポンプの下流側に接続されると共に上記気液混合循環ポンプから発生したマイクロバブルをナノバブルにせん断する気体せん断部とを有するので、上記気液混合循環ポンプで、マイクロバブルを製造し、続いて、マイクロバブルを上記気体せん断部に導入して、上記気体せん断部でナノバブルを製造する2段方式であり、かつ、上記バルブで、上記マイクロバブル発生部への空気量まで正確に制御可能なので、ナノバブルを正確にしかも安定的に製造することができる。
【0040】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記制御部は、上記バルブの開度を制御する。
【0041】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記制御部は、上記バルブの開度を制御するので、上記マイクロバブル発生部への空気量を正確に制御して、ナノバブルを正確にしかも安定的に製造できる。また、ナノバブルを製造するとき、上記バルブの開度による空気量を正確に減少させる一方、マイクロナノバブルを製造するとき、上記バルブの開度による空気量を正確に増加させる。
【0042】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記気液混合循環ポンプの回転数を制御する回転数制御機を設け、上記制御部は、上記回転数制御機を制御する。
【0043】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記気液混合循環ポンプの回転数を制御する回転数制御機を設け、上記制御部は、上記回転数制御機を制御するので、上記気液混合循環ポンプの回転数を制御して、正確に製造することができる。
【0044】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ナノバブル発生機は、ナノバブルとマイクロナノバブルとを選択的に、製造する。
【0045】
ここで、上記マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。上記マイクロナノバブルを含有する水は、白濁している。
【0046】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記ナノバブル発生機は、ナノバブルとマイクロナノバブルとを選択的に、製造するので、ナノバブルのせん断圧壊による発熱が、必要ない場合は、マイクロナノバブルを発生させて、上記貯湯タンクユニットの温度の不必要な上昇を防止することができる。すなわち、ナノバブルとマイクロナノバブルとの使い分けで、上記貯湯タンクユニットの水温を調整する。
【0047】
また、ナノバブルは、無色透明で、発生しているかどうか肉眼では、確認できないが、マイクロナノバブルは、白濁しているので、最初にマイクロナノバブルを発生させて、白濁を確認してから、白濁から透明なナノバブルを肉眼で確認しながら製造することができる。
【0048】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記気体せん断部は、旋回流型バブル発生機である。
【0049】
この実施形態の浴槽装置によれば、上記気体せん断部は、旋回流型バブル発生機であるので、物理的、生物的、化学的な性状の異なるナノバブルを製造することができる。
【0050】
また、一実施形態の糖尿病治療装置では、上記浴槽装置を有することを特徴としている。
【0051】
この実施形態の糖尿病治療装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0052】
また、一実施形態の美容装置では、上記浴槽装置を有することを特徴としている。
【0053】
この実施形態の美容装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0054】
また、一実施形態の育毛促進装置では、上記浴槽装置を有することを特徴としている。
【0055】
この実施形態の育毛促進装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【発明の効果】
【0056】
この発明の浴槽装置によれば、ナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成するナノバブル発生部と、このナノバブル発生部に環状に接続される貯湯タンクユニットと、この貯湯タンクユニットに接続されるヒートポンプユニットと、上記ナノバブル発生部と上記貯湯タンクユニットとの間を循環し上記ヒートポンプユニットによって加熱された上記ナノバブル含有水が供給される浴槽部とを備えているので、省エネを図ることができ、かつ、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる。
【0057】
また、この発明の糖尿病治療装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0058】
また、この発明の美容装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0059】
また、この発明の育毛促進装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0060】
また、この発明の中枢神経疾患装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0061】
また、この発明の心血管系疾患装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0062】
また、この発明の代謝異常疾患装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0063】
また、この発明の消化器疾患装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0064】
また、この発明の運動器疾患装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0065】
また、この発明の皮膚科領域疾患装置によれば、上記浴槽装置を有するので、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0067】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の浴槽装置の第1実施形態を模式的に示す図である。この浴槽装置は、ナノバブル浴槽ユニット39と自然冷媒ヒートポンプ方式給湯機29とを有する。
【0068】
上記ナノバブル浴槽ユニット39は、ナノバブル発生部2と浴槽部3とを有する。上記自然冷媒ヒートポンプ方式給湯機29は、いわゆる「エコキュート」であり、貯湯タンクユニット27とヒートポンプユニット28とを有する。
【0069】
上記ナノバブル発生部2は、水中のマイクロバブルをせん断圧壊しナノバブルを発生させてナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成する。上記貯湯タンクユニット27は、上記ナノバブル発生部2に環状に接続される。上記ヒートポンプユニット28は、上記貯湯タンクユニット27に接続される。上記浴槽部3は、上記ナノバブル発生部2と上記貯湯タンクユニット27との間を循環し上記ヒートポンプユニット28によって加熱された上記ナノバブル含有水が供給される。
【0070】
上記浴槽部3内の上記ナノバブル含有水は、上記ナノバブル発生部2と上記貯湯タンクユニット27とを環状に接続されて形成される環状経路に、戻される。
【0071】
ここで、上記マイクロバブルとは、10μm〜数十μmの直径を有する気泡をいい、水中で縮小していき、ついには消滅(完全溶解)してしまう。
【0072】
上記ナノバブルとは、数百nm以下の直径を有する気泡をいい、具体的には、1μm以下の10nm〜900nmの直径を有する気泡をいう。上記ナノバブルは、10日以上水の中に存在し、上記ナノバブルを含有する水は、透明である。
【0073】
マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。マイクロナノバブルは、マイクロバブルとナノバブルとが混合したバブルであるといえる。上記マイクロナノバブルを含有する水は、白濁している。白濁している超微細気泡としてのマイクロナノバブルは、物質に付着して、物質を浮上させる。なお、通常のバブル(気泡)は、水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。
【0074】
上記ナノバブル発生部2は、上記浴槽部3に設置される濁度計22と、この濁度計22からの信号を信号線18を介して受ける濁度調節計21と、この濁度調節計21からの信号を信号線18を介して受ける(制御部の一例としての)シーケンサー20と、このシーケンサー20からの信号により制御されるナノバブル発生機60とを有する。
【0075】
上記ヒートポンプユニット28は、順に環状に接続される空気用熱交換器36、コンプレッサー35、水加熱用熱交換器34および(膨張部の一例としての)膨張弁37を有する。上記空気用熱交換器36、上記コンプレッサー35、上記水加熱用熱交換器34および上記膨張弁37は、ヒートポンプユニット収容機38に収容されている。
【0076】
上記貯湯タンクユニット27は、上記ナノバブル含有水を内部に収容する貯湯タンク31と、この貯湯タンク31を収容する貯湯タンク収容機30とを有する。上記貯湯タンク収容機30と上記貯湯タンク31との間には、断熱材47が配置されている。
【0077】
上記ナノバブル発生機60は、マイクロバブル発生部7を有する気液混合循環ポンプ4と、上記マイクロバブル発生部7に空気配管16を介して接続されて上記マイクロバブル発生部7への空気の流量を調整する(バルブの一例としての)電動ニードルバルブ17と、上記気液混合循環ポンプ4の下流側に吐出配管9を介して接続されると共に上記気液混合循環ポンプ4から発生したマイクロバブルをナノバブルにせん断圧壊する気体せん断部8とを有する。
【0078】
上記シーケンサー20は、信号線19を介して、上記電動ニードルバルブ17の開度を制御する。上記シーケンサー20は、信号線18を介して、上記気液混合循環ポンプ4の吐出量や運転を制御する。上記気体せん断部8は、例えば、旋回流型バブル発生機である。
【0079】
上記ナノバブル発生機60は、ナノバブルとマイクロナノバブルとを選択的に、製造する。
【0080】
上記ナノバブル発生機60と上記貯湯タンク31とは、バルブ45が設けられた循環配管45によって、環状に接続されている。上記ヒートポンプユニット28の上記水加熱用熱交換器34と上記貯湯タンク31とは、循環ポンプ33が設けられた循環配管55によって、環状に接続されている。
【0081】
上記貯湯タンク31には、給水配管32が接続され、外部から給水される。上記貯湯タンク31には、台所行き配管40、シャワーおよびフロ行き配管41、および、洗濯機行き配管46が接続されている。
【0082】
上記シャワーおよびフロ行き配管41は、バルブ12,15を介して、シャワー行き配管42およびフロ行き配管43に分岐されている。上記シャワー行き配管42の下流側には、シャワー口24が取り付けられ、矢印に示すように、シャワーが流出される。上記フロ行き配管43の下流側は、上記浴槽部3に接続されている。
【0083】
上記台所行き配管40および上記洗濯機行き配管46の上流側には、それぞれ、バルブ26が接続されている。上記台所行き配管40の下流側は、洗濯機に接続され、上記洗濯機行き配管46の下流側は、台所に接続されている。
【0084】
上記浴槽部3への給湯管53が、(図示しない)給湯機に接続され、この給湯管53には、給湯バルブ54が接続されている。
【0085】
上記浴槽部3は、浴槽容器1を有し、この浴槽容器1には、この浴槽容器1内にナノバブル含有水が吐出される吐出口10が設けられ、この浴槽容器1外にナノバブル含有水が吸い込まれる吸込口6が設けられている。上記浴槽容器1には、ドレーンバルブ13が設けられている。
【0086】
上記吐出口10は、上記気体せん断部8の下流側の上記循環配管45に接続される吐出配管9に接続されている。上記吐出配管9には、バルブ11が設けられている。上記吸込口6は、上記気液混合循環ポンプ4の上流側の上記循環配管45に接続される吸込配管5に接続されている。上記吸込配管5には、バルブ14が設けられている。
【0087】
上記構成の浴槽装置は、以下の第1ステップから第4ステップに示すように、使用される。
【0088】
まず、第1ステップは、上記貯湯タンク31に、高温のナノバブル含有水を作成するステップである。具体的に述べると、上記貯湯タンク31の水を、上記気液混合循環ポンプ4の稼動で、上記気体せん断部8からナノバブルを発生させて、上記貯湯タンク31と上記気液混合循環ポンプ4との間で循環させることによって、ナノバブルのせん断圧壊が起こり、上記貯湯タンク31に高温水を作成することができる。
【0089】
ここで、上記ナノバブル発生機60で熱が発生するメカニズムを詳しく説明する。上記マイクロバブル発生部7を有する上記気液混合循環ポンプ4は、例えば揚程40m以上の高揚程のポンプであり、水と空気を混合する。そして、上記マイクロバブル発生部7において、流体力学的に圧力を制御することで、負圧形成部分から気体を吸入し、高揚程ポンプで高速流体運動させて、負圧部を形成し、マイクロバブルを発生させる。より解かりやすく簡単に説明すると、高揚程ポンプで水と空気を効果的に自給混合溶解し、圧送することにより、マイクロバブル白濁水を製造する。
【0090】
その後、上記マイクロバブル発生部7を有する上記気液混合循環ポンプ4で、発生させたマイクロバブルを、上記気体せん断部8に配管9を通じて圧送する際、上記気体せん断部8においては、高速流体運動としてせん断することによって、マイクロバブルからナノバブルが発生すると同時に、超高温の極限反応場を形成させる。すなわち、超高温の極限反応場が形成されると、局部的に高温高圧状態となり、フリーラジカルができ、同時に熱を発生する。
【0091】
上述のメカニズムを証明するデータを、以下の[表1]に、示す。
【0092】
上記ナノバブル発生機60と80リットルの実験水槽とを準備して、上記ナノバブル発生機60と80リットル実験水槽の間で循環させた。そして、上記気液混合循環ポンプ4の温度と、上記実験水槽の水温とを、測定した。なお、対象水を、水道水とし、上記気液混合循環ポンプ4を、動力三相200v×3.7KWの特殊ポンプとし、上記実験水槽の容量を、約100リットルとした。
[表1]

【0093】
上記[表1]から、上記ナノバブル発生機60と上記実験水槽との間で、ナノバブル含有水を循環させることで、上記実験水槽のナノバブル含有水の温度が上昇しているのがわかる。
【0094】
また、第1ステップでは、大気44の熱を、上記ヒートポンプユニット28を使用して、上記貯湯タンク31に熱を蓄熱することができる。
【0095】
つまり、自然冷媒ヒートポンプ方式給湯機29では、大気44から熱を、上記空気用熱交換器36で吸収して、冷媒としてのCOに移す。そして、上記コンプレッサー35で、COを圧縮して高温にする。冷媒であるCOの熱を上記水加熱用熱交換器34に伝えてお湯を作る。
【0096】
そのお湯をつくる際に、上記膨張弁37を使用して、冷媒であるCOを膨張させて低温にする。そして、上記貯湯タンク31のナノバブル水を上記水加熱用熱交換器34を通過させて、加温する為に、上記循環ポンプ33を運転する。
【0097】
なお、上記貯湯タンク31の高温水を作成するには、深夜電力を使用して、高温水を作成し、深夜以外の時間において、使用することが、経済的である。そして、上記貯湯タンク31は、上記貯湯タンク収容機30の中に充填された上記断熱材47によって、保温されている。
【0098】
次に、第2ステップは、上記貯湯タンク31から、上記浴槽容器1へ、上記フロ行き配管43を介して、ナノバブル含有高温水(ナノバブル量は不充分)を、一定水位まで、新規に給湯するステップである。上記貯湯タンク31の水温は、最低約20℃から約40℃まで、変動するので、次の第3ステップで、上記浴槽容器1の入浴する際の浴槽水の水温を、(図示しない)給湯機に接続された上記給湯管53によって、調整する。
【0099】
次に、第3ステップは、上記浴槽容器1内の浴槽水中のナノバブル含有量を最大とし、かつ、水温を入浴する条件である水温41℃から42℃とするステップである。
【0100】
つまり、上記給湯バルブ54を開いて、上記給湯管53より給湯しながら、上記気液混合循環ポンプ4を運転して、目的水位にすると同時に入浴に最適な水温にし、かつ、目的のナノバブルを充分含有させたナノバブル浴槽水とする。水温は、最近の浴槽に設置されている汎用の(図示しない)表示パネルで確認する。
【0101】
このように、最適な水温となるように調整して、上記浴槽容器1内の浴槽水に、上記気液混合循環ポンプ4を運転して、ナノバブルを発生含有させる。上記気液混合循環ポンプ4の運転時間は、15分以内を基本とするが、ナノバブルの発生状態を、上記濁度計22の濁度で確認する。すなわち、ナノバブルが確実に発生している条件が、濁度1度以下であるから、濁度1度以下で、上記気液混合循環ポンプ4の運転が、ナノバブルのみを発生している条件となる。
【0102】
次に、第4ステップは、上記浴槽容器1内の浴槽水を浄化するステップである。
【0103】
上記浴槽容器1内の浴槽水には、入浴することによって、人体からの有機物としてのアカが溶け出している。そして、アカとしての有機物を含む浴槽水は、上記浴槽容器1の上記吸込口6から、上記吸込配管5を経て、上記気液混合循環ポンプ4に流入され、上記ナノバブル発生部2と上記貯湯タンクユニット27との間を循環する。
【0104】
上記貯湯タンク31では、浮遊している微生物が流動状態で、ナノバブルよって、活性化し、アカとしての有機物を短時間で分解する。
【0105】
なお、微生物は、浴槽水に時間の経過と共に自然発生するもので、高温の浴槽水でも、時間の経過とともに、高温微生物が発生する。また、自然発生する微生物であるから、人体に対しても、特に問題となることはない。従来より、浴槽においては多種多様の微生物が発生し、繁殖しているが、人体に対しても無害であった。また、ナノバブルによる強力な酸化作用で、アカとしての有機物が分解される。
【0106】
なお、上記貯湯タンク31には、微生物を固定化するための固定化担体が充填されていた方が、微生物の有機物分解作用は、効力が増加するが、固定化担体が充填されていなくても、すなわち、微生物が流動状態でも、ある程度の有機物分解作用は、期待できうる。この第4ステップでは、浴槽水の浄化が目的であるから、上記自然冷媒ヒートポンプ方式給湯機29が稼動していなくてもよい。
【0107】
次に、濁度に関して、説明すると、ナノバブルが発生していると、どの様な条件でも、上記浴槽部3の浴槽水の濁度は1度以下となることが、実験により判明している。つまり、上記濁度計22が濁度1度以下であるとき、ナノバブルが発生している条件である。
【0108】
上記ナノバブル浴槽ユニット39では、上記マイクロバブル発生部7への上記電動ニードルバルブ17の開度による供給空気の量により、最終的に、上記気体せん断部8から、マイクロナノバブルが発生する場合と、ナノバブルのみが発生する場合とがある。
【0109】
ナノバブルが発生する条件の方が、マイクロナノバブルが発生する条件より、空気量すなわち、上記電動ニードルバルブ17への空気量が少ない。すなわち、上記電動ニードルバルブ17への供給空気量が、新規の浴槽水の場合、0.8リットル/分以上の場合は、マイクロナノバブルが発生し、0.7リットル/分以下の場合は、ナノバブルが発生する。
【0110】
上記浴槽部3では、上記浴槽容器1の側面の上記吐出口10から、ナノバブルが、上記浴槽容器1内に吐出される一方、上記浴槽容器1の側面の上記吸込口6から、浴槽水が、上記気液混合循環ポンプ4によって、吸い込まれる。その際に、水流23を形成する。また、上記浴槽容器1内の浴槽水を完全に入れ替える時は、上記浴槽容器1の下部の上記ドレーンバルブ13から、浴槽水を排出する。
【0111】
なお、ナノバブル含有水を浴槽水として利用しない場合もあり、上記シャワー行き配管42の上記バルブ12と、上記フロ行き配管43の上記バルブ15とを、閉じ、洗濯機への上記バルブ26と台所への上記バルブ26とを、開けて、ナノバブル含有温水を洗濯機や台所に使用して、洗濯機での洗剤の使用量の削減や、台所での食器の洗浄における合成洗剤の使用量を大幅に削減できる。
【0112】
なお、上記ナノバブル発生機60は、市販されているものならば、メーカーを限定するものではなく、具体的には、株式会社 協和機設の商品を採用した。他の商品としても、他メーカーの商品も数多く販売されてくるものと予想されるが、目的に従って選定すれば良い。
【0113】
上記構成の浴槽装置によれば、上記ナノバブル発生部2によって、水中のマイクロバブルをせん断圧壊しナノバブルを発生させてナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成するので、上記マイクロバブルをせん断圧壊し上記ナノバブルを発生するときに発熱し、この熱を利用して、上記ナノバブル含有水を加熱できる。また、上記ナノバブル含有水は、マイクロナノバブル含有水よりも、血流量を増加できて、人体に良い影響を及ぼすことができる。
【0114】
したがって、上記ナノバブル発生部2および上記ヒートポンプユニット28によって、上記ナノバブル含有水を加熱できて、省エネを図ることができ、かつ、上記ナノバブル含有水によって、血流量を増加して人体に良い影響を及ぼすことができる。
【0115】
詳しく述べると、本発明では、以下の特徴点(i)〜(v)を、見出した。
【0116】
特徴点(i)では、ナノバブルがせん断圧壊時に多量の熱を発生することを見出し、特に、上記貯湯タンクユニット27と上記ナノバブル発生部2との間で、循環運転すると、上記貯湯タンクユニット27の水温が大幅に上昇することを見出した。
【0117】
特徴点(ii)では、上記貯湯タンクユニット27の水温を上昇させる方法として、ナノバブルがせん断圧壊時する時の多量の熱、および、上記ヒートポンプユニット28からの熱を、上記貯湯タンクユニット27にて混合蓄熱して利用するシステムの構築が、新規の省エネになることを見出した。
【0118】
特徴点(iii)では、マイクロナノバブルよりもナノバブルの方が、血流量の増加が期待でき、糖尿病治療には、有効であることを見出した。
【0119】
特徴点(iv)では、糖尿病治療には、薬物療法としての血糖降下薬による治療に合わせて、ナノバブル浴槽による血流量増加治療を同時に合わせて実施した方が、より効果的であることを見出した。
【0120】
特徴点(v)では、上記浴槽部3のナノバブル含有水を、シャワーに利用すれば、洗顔効果があることを見出し、また、上記浴槽部3のナノバブル含有水を、洗濯機でリサイクル使用すれば、ナノバブル含有水の洗浄力によって、洗濯機での洗剤使用量を削減できることを見出した。
【0121】
また、上記ナノバブル発生部2は、上記浴槽部3に設置される濁度計22と、この濁度計22からの信号を受ける濁度調節計21と、この濁度調節計21からの信号を受けるシーケンサー20と、このシーケンサー20からの信号により制御されるナノバブル発生機60とを備えるので、ナノバブルを合理的にまた正確に発生させることができる。
【0122】
また、上記ヒートポンプユニット28は、順に環状に接続される空気用熱交換器36、コンプレッサー35、水加熱用熱交換器34および膨張弁37を有するので、大気からの熱を合理的に集めることができるばかりでなく、上記ヒートポンプユニット28は、一般に市場にでているものと同じ構成であり、信頼性がある。
【0123】
また、上記ナノバブル発生機60は、マイクロバブル発生部7を有する気液混合循環ポンプ4と、上記マイクロバブル発生部7に接続されて上記マイクロバブル発生部7への空気の流量を調整する電動ニードルバルブ17と、上記気液混合循環ポンプ4の下流側に接続されると共に上記気液混合循環ポンプ4から発生したマイクロバブルをナノバブルにせん断する気体せん断部8とを有するので、上記気液混合循環ポンプ4で、マイクロバブルを製造し、続いて、マイクロバブルを上記気体せん断部8に導入して、上記気体せん断部8でナノバブルを製造する2段方式であり、かつ、上記電動ニードルバルブ17で、上記マイクロバブル発生部7への空気量まで正確に制御可能なので、ナノバブルを正確にしかも安定的に製造することができる。
【0124】
また、上記シーケンサー20は、上記電動ニードルバルブ17の開度を制御するので、上記マイクロバブル発生部7への空気量を正確に制御して、ナノバブルを正確にしかも安定的に製造できる。また、ナノバブルを製造するとき、上記電動ニードルバルブ17の開度による空気量を正確に減少させる一方、マイクロナノバブルを製造するとき、上記電動ニードルバルブ17の開度による空気量を正確に増加させる。
【0125】
また、上記ナノバブル発生機60は、ナノバブルとマイクロナノバブルとを選択的に、製造するので、ナノバブルのせん断圧壊による発熱が、必要ない場合は、マイクロナノバブルを発生させて、上記貯湯タンクユニット27の温度の不必要な上昇を防止することができる。すなわち、ナノバブルとマイクロナノバブルとの使い分けで、上記貯湯タンクユニット27の水温を調整する。
【0126】
また、ナノバブルは、無色透明で、発生しているかどうか肉眼では、確認できないが、マイクロナノバブルは、白濁しているので、最初にマイクロナノバブルを発生させて、白濁を確認してから、白濁から透明なナノバブルを肉眼で確認しながら製造することができる。
【0127】
また、上記気体せん断部8は、旋回流型バブル発生機であるので、物理的、生物的、化学的な性状の異なるナノバブルを製造することができる。
【0128】
また、上記構成の浴槽装置のナノバブル含有水は、人体の血流量増加による糖尿病治療、美容や育毛促進に利用され、また、上記浴槽装置での利用後の浴槽水は、洗濯機にリサイクルされ、また、浴槽水としては、アカとしての有機物を除去し、水質を改善して、リサイクル利用される。
【0129】
また、上記構成の浴槽装置のナノバブル含有水は、中枢神経疾患、心血管系疾患、代謝異常疾患、消化器疾患、運動器疾患、皮膚科領域疾患への治療に利用される。したがって、各種の疾患に利用でき、新規の治療法として活用できる。すなわち、高齢化が進展して現代社会におけて、多くの老人がかかえている老化問題に対して、有効な治療法となる。
【0130】
ここで、中枢神経疾患とは、代表として、アルツハイマー病や認知症等がある。心血管系疾患とは、慢性心不全、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞等がある。代謝異常疾患とは、糖尿病、肥満、高脂血症等がある。消化器疾患とは、胃潰瘍、肝機能低下症等がある。運動器疾患とは、関節リウマチ、関節炎等がある。皮膚科領域疾患とは、皮膚老化、脱毛などがある。
【0131】
また、上記構成の浴槽装置の入浴と血糖降下薬の服用とによる相乗効果で糖尿病治療をする。したがって、糖尿病治療を短期間で行うことができる。また、高齢化が進展して現代社会におけて、多くの老人がかかえている老化問題に対して、有効な治療法となる。
【0132】
なお、上記血糖降下薬は、スルホニル尿素剤やビグアナイト剤である。したがって、上記構成の浴槽装置の入浴が、スルホニル尿素剤やビグアナイト剤による血糖降下作用を増強させることができる。
【0133】
(第2の実施形態)
図2は、この発明の浴槽装置の第2の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、貯湯タンク31内に、(充填材の一例としての)活性炭48が配置されている。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0134】
したがって、上記貯湯タンク31内には、充填材としての活性炭48が配置されているので、上記活性炭48に微生物を繁殖させることができて、上記活性炭48に繁殖した微生物で浴槽水中のアカなどの有機物を分解できる。また、浴槽水中の有機物を活性炭48に吸着できる。また、繰り返し使用される浴槽水を活性炭48によって脱色できる。したがって、浴槽水を清潔に保つことができると同時に、何度も浴槽水を使用することができて、節水を実現することができる。
【0135】
(第3の実施形態)
図3は、この発明の浴槽装置の第3の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第3の実施形態では、貯湯タンク31内に、(充填材の一例としての)木炭49が配置されている。なお、この第3の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0136】
したがって、上記貯湯タンク31内には、充填材としての木炭49が配置されているので、上記木炭49に微生物を繁殖させることができて、上記木炭49に繁殖した微生物で浴槽水中のアカなどの有機物を分解できる。また、浴槽水中の有機物を木炭49に吸着できる。また、繰り返し使用される浴槽水を木炭49によって脱色できる。したがって、浴槽水を清潔に保つことができると同時に、何度も浴槽水を使用することができて、節水を実現することができる。
【0137】
(第4の実施形態)
図4は、この発明の浴槽装置の第4の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第4の実施形態では、貯湯タンク31内に、(充填材の一例としての)ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物50が配置されている。なお、この第4の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0138】
したがって、上記貯湯タンク31内には、充填材としてのひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物50が配置されているので、上記ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物50に微生物を繁殖させることができて、上記ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物50に繁殖した微生物で浴槽水中のアカなどの有機物を分解できる。また、多量の微生物を上記ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物50に繁殖させて、浴槽水中のアカとしての有機物を微生物分解して、浴槽水の水質を大幅に向上させることができる。
【0139】
このように、浴槽水を清潔に保つことができると同時に、何度も浴槽水を使用することができて、節水を実現することができる。
【0140】
なお、多量に繁殖する微生物は、上記貯湯タンク31内で、自然発生する微生物であるから、人体に対しても無害で、一般の浴槽に繁殖する微生物と基本的には、同じ種類である。一般の浴槽においても、毎日殺菌作業をしているわけではなく、多少繁殖していても、人体に対する害はない。温泉においても、調査すれば、各種の微生物が報告されているが、本発明も、微生物を、ただ単に充填物としての上記ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物50に多量に繁殖させて、アカとしての有機物を多量の微生物で分解し、浴槽水の浄化を微生物的に実施して、水質を改善向上させて、繰り返し使用する内容である。また、ナノバブルは、水中に長期間持続するので、浴槽水を排水することは、もったいない内容である。成果としては、浴槽水を繰り返し使用するので、大幅に浴槽水の削減が可能となり、節水ができる。
【0141】
(第5の実施形態)
図5は、この発明の浴槽装置の第5の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第5の実施形態では、貯湯タンク31内に、(充填材の一例としての)リング型ポリ塩化ビニリデン充填物51が配置されている。なお、この第5の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0142】
したがって、上記貯湯タンク31内には、充填材としてのリング型ポリ塩化ビニリデン充填物51が配置されているので、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填物51に微生物を繁殖させることができて、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填物51に繁殖した微生物で浴槽水中のアカなどの有機物を分解できる。また、多量の微生物を上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填物51に繁殖させて、浴槽水中のアカとしての有機物を微生物分解して、浴槽水の水質を大幅に向上させることができる。
【0143】
このように、浴槽水を清潔に保つことができると同時に、何度も浴槽水を使用することができて、節水を実現することができる。
【0144】
なお、多量に繁殖する微生物は、上記貯湯タンク31内で、自然発生する微生物であるから、人体に対しても無害で、一般の浴槽に繁殖する微生物と基本的には、同じ種類である。一般の浴槽においても、毎日殺菌作業をしているわけではなく、多少繁殖していても、人体に対する害はない。温泉においても、調査すれば、各種の微生物が報告されているが、本発明も、微生物を、ただ単に充填物としての上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填物51に多量に繁殖させて、アカとしての有機物を多量の微生物で分解し、浴槽水の浄化を微生物的に実施して、水質を改善向上させて、繰り返し使用する内容である。また、ナノバブルは、水中に長期間持続するので、浴槽水を排水することは、もったいない内容である。成果としては、浴槽水を繰り返し使用するので、大幅に浴槽水の削減が可能となり、節水ができる。
【0145】
(第6の実施形態)
図6は、この発明の浴槽装置の第6の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第6の実施形態では、気液混合循環ポンプ4の回転数を制御する回転数制御機52を設け、シーケンサー20は、上記回転数制御機52を制御している。なお、この第6の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0146】
つまり、上記シーケンサー20の信号を上記回転数制御機52で受けて、上記気液混合循環ポンプ4の電動機の回転数を制御して、上記気体せん断部8でのナノバブル発生状態を制御している。
【0147】
このように、上記電動ニードルバルブ17からの正確な空気量と上記気液混合循環ポンプ4の電動機の回転数とによって、ナノサイズのバブルの発生状態を正確に制御し、またナノバブルを製造することができる。ナノサイズといえども、浴槽に入浴した場合の効果には、ナノのサイズにおいても、差があることが判明しているので、浴槽水の条件に合わせて、上記電動ニードルバルブ17からの正確な空気量と上記気液混合循環ポンプ4の電動機の正確な回転数とによって、ナノサイズのバブルを目的の大きさで製造することができる。
【0148】
(実験例)
図1の第1の実施形態に対応するナノバブル浴槽ユニット39を製作した。このナノバブル浴槽ユニット39において、浴槽容器1の容量を0.2mとし、気液混合循環ポンプ4の電動機の仕様を2.2kwとした。
【0149】
そして、一人の患者の例であるが、血糖降下剤を服用しながらの条件で、食後2時間の血糖値を、ナノバブル含有水の浴槽に入浴する前の対策前と対策後で、比較すると、日によって異なるものの、血糖値が20%から30%まで、低下した。
【0150】
また、図示しないが、この発明の糖尿病治療装置は、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0151】
また、図示しないが、この発明の美容装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0152】
また、図示しないが、この発明の育毛促進装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0153】
また、図示しないが、この発明の中枢神経疾患装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0154】
また、図示しないが、この発明の心血管系疾患装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0155】
また、図示しないが、この発明の代謝異常疾患装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0156】
また、図示しないが、この発明の消化器疾患装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0157】
また、図示しないが、この発明の運動器疾患装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0158】
また、図示しないが、この発明の皮膚科領域疾患装置によれば、上記第1〜上記第6の実施形態の何れか一つの浴槽装置を有しており、上記浴槽装置を医療の分野に利用できる。
【0159】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記膨張弁37の代わりに、キャピラリーチューブ等の膨張部を用いてもよい。また、上記電動ニードルバルブ17の代わりに、手動バルブ等のバルブを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の浴槽装置の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】本発明の浴槽装置の第2実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明の浴槽装置の第3実施形態を示す模式図である。
【図4】本発明の浴槽装置の第4実施形態を示す模式図である。
【図5】本発明の浴槽装置の第5実施形態を示す模式図である。
【図6】本発明の浴槽装置の第6実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0161】
1 浴槽容器
2 ナノバブル発生部
3 浴槽部
4 気液混合循環ポンプ
5 吸込配管
6 吸込口
7 マイクロバブル発生部
8 気体せん断部
9 吐出配管
10 吐出口
11 バルブ
12 バルブ
13 ドレーンバルブ
14 バルブ
15 バルブ
16 空気配管
17 電動ニードルバルブ
18 信号線
19 信号線
20 シーケンサー(制御部)
21 濁度調節計
22 濁度計
23 シャワー口
24 水流
25 バルブ
26 バルブ
27 貯湯タンクユニット
28 ヒートポンプユニット
29 自然冷媒ヒートポンプ方式給湯機ユニット
30 貯湯タンク収容機
31 貯湯タンク
32 給水配管
33 循環ポンプ
34 水加熱用熱交換器
35 コンプレッサー
36 空気用熱交換器
37 膨張弁(膨張部)
38 ヒートポンプユニット収容機
39 ナノバブル浴槽ユニット
40 台所行き配管
41 シャワー及びフロ行き配管
42 シャワー行き配管
43 フロ行き配管
44 大気
45 循環配管
46 洗濯機行き配管
47 断熱材
48 活性炭
49 木炭
50 ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物
51 リング型ポリ塩化ビニリデン充填物
52 回転数制御機
53 給湯管
54 給湯バルブ
55 循環配管
60 ナノバブル発生機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中のマイクロバブルをせん断圧壊しナノバブルを発生させてナノバブルを含有するナノバブル含有水を作成するナノバブル発生部と、
このナノバブル発生部に環状に接続される貯湯タンクユニットと、
この貯湯タンクユニットに接続されるヒートポンプユニットと、
上記ナノバブル発生部と上記貯湯タンクユニットとの間を循環し上記ヒートポンプユニットによって加熱された上記ナノバブル含有水が供給される浴槽部と
を備えることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル発生部は、
上記浴槽部に設置される濁度計と、
この濁度計からの信号を受ける濁度調節計と、
この濁度調節計からの信号を受ける制御部と、
この制御部からの信号により制御されるナノバブル発生機と
を備えることを特徴とする浴槽装置。
【請求項3】
請求項1に記載の浴槽装置において、
上記ヒートポンプユニットは、順に環状に接続される空気用熱交換器、コンプレッサー、水加熱用熱交換器および膨張部を有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項4】
請求項1に記載の浴槽装置において、
上記貯湯タンクユニットは、上記ナノバブル含有水を内部に収容する貯湯タンクを有し、
この貯湯タンク内に、充填材が配置されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項5】
請求項4に記載の浴槽装置において、
上記充填材は、活性炭であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項6】
請求項4に記載の浴槽装置において、
上記充填材は、木炭であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項7】
請求項4に記載の浴槽装置において、
上記充填材は、ひも状型ポリ塩化ビニリデン充填物であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項8】
請求項4に記載の浴槽装置において、
上記充填材は、リング型ポリ塩化ビニリデン充填物であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項9】
請求項2に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル発生機は、
マイクロバブル発生部を有する気液混合循環ポンプと、
上記マイクロバブル発生部に接続されて上記マイクロバブル発生部への空気の流量を調整するバルブと、
上記気液混合循環ポンプの下流側に接続されると共に上記気液混合循環ポンプから発生したマイクロバブルをナノバブルにせん断する気体せん断部と
を有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項10】
請求項9に記載の浴槽装置において、
上記制御部は、上記バルブの開度を制御することを特徴とする浴槽装置。
【請求項11】
請求項9に記載の浴槽装置において、
上記気液混合循環ポンプの回転数を制御する回転数制御機を設け、
上記制御部は、上記回転数制御機を制御することを特徴とする浴槽装置。
【請求項12】
請求項2に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル発生機は、ナノバブルとマイクロナノバブルとを選択的に、製造することを特徴とする浴槽装置。
【請求項13】
請求項9に記載の浴槽装置において、
上記気体せん断部は、旋回流型バブル発生機であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項14】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする糖尿病治療装置。
【請求項15】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする美容装置。
【請求項16】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする育毛促進装置。
【請求項17】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする中枢神経疾患装置。
【請求項18】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする心血管系疾患装置。
【請求項19】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする代謝異常疾患装置。
【請求項20】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする消化器疾患装置。
【請求項21】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする運動器疾患装置。
【請求項22】
請求項1に記載の浴槽装置を有することを特徴とする皮膚科領域疾患装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−178440(P2008−178440A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12227(P2007−12227)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】