消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法、プログラム
【課題】ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる消費電力算出サーバ等を提供すること。
【解決手段】第1及び第2の画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段41と、最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段48と、1日当たりの印刷ジョブ数と印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び印刷速度から、印刷時間を算出し、1ジョブ当たりのジョブ時間と印刷時間に基づき、機種情報記憶手段から読み出す保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段42と、を有する。
【解決手段】第1及び第2の画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段41と、最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段48と、1日当たりの印刷ジョブ数と印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び印刷速度から、印刷時間を算出し、1ジョブ当たりのジョブ時間と印刷時間に基づき、機種情報記憶手段から読み出す保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段42と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバ等に関し、特に、購入検討機種の消費電力を算出可能な消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化や化石燃料の消費抑制を図るため従来からオフィス機器の省エネルギー化
が促進されている。また、オフィス機器のユーザから見れば、省エネルギー化されたオフィス機器を使用することで電力料金等のコストを削減することもできる。このため、オフィス機器の製品カタログやホームページには、消費電力が掲載されていることも多く、ユーザは購入時に消費電力を参考にすることができるようになっている。
【0003】
例えば、高温印刷技術を使用するオフィス機器のうち、複合機は最大電力、プリンタは最大電力と省エネモード時(スリープ時)の消費電力が、省エネルギー化の程度の指標とされることがあるが、このような指標から実際にオフィスで使用した場合の消費電力を算出したり推測することは困難である。このような課題に対し、ネットワークに接続された個々のオフィス機器の消費電力を計測する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
特許文献1には、ネットワークを介して接続された機器から当該機器の動作に関する情報を取得して、当該機器の消費電力に関する電力情報をオフィス機器から取得するための監視プロトコルを選定することで、プロトコルの異なるオフィス機器から電力情報を取得して、ネットワークに接続された各オフィス機器の消費電力を算出する電力監視装置が記載されている。この電力監視装置は、電力情報から、時間あたりの消費電力、待機時の1分間または1時間あたりの消費電力、及び、コピーモード時の1分間または1時間あたりの消費電力を算出する。
【0005】
また、特許文献2には、ネットワークに接続された画像形成装置の一定期間の使用状態を記憶し、この使用状態を電力削減目標の達成のために仮設定変更し、この仮設定変更した内容に基づき、電力削減目標のシミュレーションを行う電力監視ネットワークシステムが記載されている。この電力監視ネットワークは、省エネモードなどの各動作モードの累積時間、累積消費電力 を算出し、さらに、累計復帰回数と1回の復帰に必要な消費電力と、復帰時の累積消費電力 と、累計コピー 枚数と1枚のコピー 消費電力とより、コピー時の累積消費電力を算出する。
【0006】
ところで、オフィス機器を購入するユーザとしては、現在の使用機器と買い換え機の消費電力を比較したい場合が多い。しかしながら、特許文献1、2に記載された技術では、比較の対象のオフィス機器がネットワークに接続されている必要がある。すなわち、購入検討の機種を、実際にオフィスで使用した場合の消費電力を算出する方法はこれまで提案されておらず、購入検討の機種の消費電力を各ユーザの使用環境に応じて比較することは困難であった。
【0007】
この点について、「国際エネルギースタープログラム(省エネ基準)」と呼ばれる国際的な環境ラベリング制度が主に日本とアメリカで運用されており、複合機やプリンタの消費電力の算出方法が規定されている。省エネ基準では、比較的、実際にオフィスで複合機やプリンタを使用する形態に近い形で消費電力の算出方法を定めている。
【0008】
図13(a)は、国際エネルギースタープログラムが複合機又はプリンタについて定める消費電力の算出方法を説明する図である。複合機又はプリンタは高温印刷技術を用いるオフィス機器として同様の算出方法で消費電力が算出される(以下、TEC(Typical Electricity Consumption)値という)。
【0009】
高温印刷技術を用いるオフィス機器は、使用時に消費電力が極大となる反面、非使用時には省エネモードになって消費電力を大きく削減している。このため、高温印刷技術を用いたオフィス機器の消費電力は、図示するように時間に対し複数のピークを示すようになる。各ピークが1枚以上の印刷を実行する1ジョブとなる。なお、TEC値では、土日は低電力モード又は電源がオフであると仮定している。
【0010】
TEC値の算出方法は、オフィス機器の印刷速度に応じて定められている。図13(b)はTEC値算出のための印刷速度〔cpm〕、1日のジョブ回数、1日のコピー枚数を定めたテーブルを示す。32〔cpm〕以上の機種では、1日当たりのジョブ数は32ジョブであるが、これは1時間に平均して4ジョブ程度の印刷を実行することに相当する。この場合、図13(a)では1日に32回のピークが現れることになる。
【0011】
1日の消費電力をPa、土日の非稼働時の消費電力をPbとすると、消費電力Pa、Pbはそれぞれ次式で算出される
消費電力Pa=(1ジョブ目消費電力×2)+(2ジョブ目消費電力×30)+(非稼働時消費電力(スリープモード)×16時間
消費電力Pb=非稼働時消費電力(スリープモード)×48時間
したがって、TEC値は次式で算出される。
TEC値= 消費電力Pa×5日+消費電力Pb
【特許文献1】特開2006−317355号公報
【特許文献2】特開2008−015748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、TEC値は算出のためのコピー枚数や稼働時間が定められているため、ユーザの使用条件における消費電力を表しているとは限らないという問題がある。また、特許文献1又は2に記載されているように、実際に使用された際の動作モードを比較対象のオフィス機器に適用するため使用状態等を厳密に対応させると、却って比較が困難となる場合がある。
【0013】
また、ユーザは複数のオフィス機器を使用している場合が多いが、複数台のオフィス機器をまとめて買い換える場合に、オフィス機器1台1台の消費電力を比較すると、例えば、複数のオフィス機器を処理能力の高い1台のオフィス機器に切り替える際の消費電力の比較が困難という問題がある。
【0014】
また、これまで、オフィス機器の消費電力を算出する技術、CO2を算出する技術は、それぞれ提案されているが、オフィス機器の可動には用紙が必須であるにも関わらず、用紙生産時のCO2の排出について考慮されていなかった。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題に鑑み、本発明は、待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバであって、クライアント端末から、第1及び第2の画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段と、予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と印刷時間に基づき、機種情報記憶手段から読み出す保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の画像形成装置それぞれのジョブ消費電力に基づき、所定期間の消費電力の差を算出する差分算出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、第1とだい2の画像形成装置の消費電力をそれぞれ算出するので、購入検討の対象機種の消費電力を比較できる。
【発明の効果】
【0018】
ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、消費電力シミュレータシステム100が提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。まず、本実施形態の消費電力シミュレーションシステム100の典型的な使用方法について図1の入力画面と図2のフローチャート図に基づき説明する。
【0021】
消費電力シミュレーションシステム100は、例えば電子写真式のコピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び、これらの機能を備えた複合機(以下、複合機という)の買い換えの際、買い換えることでどのくらい環境保護が図れるか示す情報(以下、削減効果情報という)を、環境保護に重要な指標を用いて提供する。削減効果情報が用いる指標とは、例えば、削減される消費電力、消費電力コスト、CO2、換算立ち木数、である。
【0022】
ユーザ(複合機の買い換えを検討しているユーザ、又は、複合機のメーカ側のユーザ)は、現在、使用している機種(以下、使用機種という)と購入を検討している機種(以下、購入検討機種という)に関する情報を入力する(S1)。具体的には、「機種の型番」、「月間使用枚数」、「夜間のメイン電源スイッチのオン/オフ」、「オフ・スリープモードのオン/オフ」、である。オフ・スリープモードとは、いくつかある動作モードのうち最も消費電力が低減されるモードであり、この機能がオンになっていると長時間使用しない場合にメイン電源をオフにしなくても電力消費を抑制できる。
【0023】
ユーザは、使用している複合機の型番をプルダウンメニューから選択するか、又は、直接入力する。なお、同じ複合機を複数台、使用している場合はその台数を入力し、別の複合機を使用している場合は、下段の入力欄にその別の複合機を入力する。
【0024】
また、ユーザは同様にして購入を検討している機種(以下、購入検討機種という)を入力する。ユーザが入力することなく、使用機種の入力に連動して、使用機種の後継機種が自動的に選択されるようになっていてもよい。
【0025】
ついで、ユーザは月間使用枚数を入力する。月間使用枚数は、各複合機が記憶する印刷数から一月の平均的な値を採用する。また、複合機は使用した印刷枚数に応じて課金される従量制を採用することが多いので、課金のためにカウントされた印刷枚数を利用してもよい。機種変更しても月間使用枚数は変わらないので、ユーザは購入検討機種に対しても月間使用枚数を入力する。ユーザが入力することなく、使用機種の月間使用枚数の入力に連動して、購入検討機種の月間使用枚数に同じ数値が自動的に入力されるようになっていてもよい。
【0026】
また、複合機は、メイン電源を切らなくてもオフ・スリープモードに自動的に移行して消費電力を削減するため、ユーザによってはメイン電源を常に(1週間、1月又は1年中)オンにしている場合がある。夜間、メイン電源をオフにするか否かは消費電力に影響するので、消費電力シミュレーションシステム100においても夜間はメイン電源をオフするか否かを入力するようになっている。同様に、オフ・スリープモードを有効にするか否かも設定可能になっているので、ユーザはオフ・スリープモードを有効にするか否かを入力する。
【0027】
ついで、ユーザが削減効果を算出する年数を入力する(S2)。削減効果とは、新しい複合機に買い換えた場合、環境保護に重要な指標がそれぞれ、どのくらい削減されるかを示す。削減効果を算出する年数は、購入しようとしている機種をどのくらいの年数使用する予定かを入力すればよい(例えば5年)。図1では、年単位で入力又は選択できるようになっている。
【0028】
最後に、ユーザが「Calculated」をマウス12などのポインティングデバイスで選択する(S3)。これにより、消費電力シミュレーションシステム100は、それぞれの複合機の消費電力等を算出して、その差を削減効果情報として表示する。図1では、5年間で、2.821kWhの消費電力、64888円の消費電力コスト、1566kgのCO2、及び、112本の立ち木が削減されるという削減効果情報が表示される。削減効果情報を算出するためのデータは、後述するようにデータベース(機種情報DB48)に記憶されている。
【0029】
したがって、本実施形態の消費電力シミュレーションシステム100は、ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる。算出方法について詳しくは後述するが、この算出方法はTEC(Typical Electricity Consumption)値の考え方を参考にして独自に拡張しているため、高い汎用性の下、使用機種と購入検討機種を比較することができる。
【0030】
図3は、消費電力シミュレーションシステム100の概略構成図の一例を示す。本実施形態ではサーバ50とクライアント端末20がネットワーク11を介して接続された消費電力シミュレーションシステム100を説明するが、スタンドアローン型の消費電力シミュレーションシステム100も同様に実現できる。この場合、クライアント端末20が後述するサーバ50の各機能を有する。
【0031】
クライアント端末20は、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、その他、プログラムを実行するCPUを備えたコンピュータである。したがって、図1の画面はクライアント端末20のディスプレイ14に表示される。クライアント端末20は、この他、ユーザが現在の使用機種等を入力するために用いるキーボード13及びマウス12を有し、さらにタッチパネル等によりディスプレイ14を指で操作することでクライアント端末20が操作可能であってもよい。
【0032】
ネットワーク11は、例えば、LAN、WAN、インターネット、又は、NGN(Next Generation Network)等を単独により又は組み合わされて構成されている。携帯電話やPHSがクライアント端末20の場合は、携帯電話等の通信事業者が設置した基地局やデータサーバ(不図示)が含まれる。
【0033】
サーバ50はネットワーク11に接続された公知のコンピュータであって、CPU21がプログラム30を実行することで種々の機能を提供し、また、クライアント端末20からの要求に基づき、消費電力等を算出し削減効果情報をクライアント端末20に送信する。
【0034】
図4は、サーバ50のハードウェア構成図の一例を示す。サーバ50は、それぞれバスで相互に接続されているCPU21、RAM22、ROM23、ドライブ装置24、NIC(Network Interface Card)25、入力装置26、表示制御部27及びHDD(ハードディスクドライブ)28を有するように構成される。
【0035】
CPU21は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラム30をHDD28から読み出して実行することで種々の機能を提供すると共に、サーバ50が行う処理を統括的に制御する。RAM22はCPU21がプログラム30を実行する際にプログラム30やデータを一時保管する作業メモリになり、ROM23はBIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。ドライブ装置24は記憶媒体29が着脱可能に構成されており、記憶媒体29にプログラム30やデータを書き込む際に使用され、また、記憶媒体29に記録されたプログラム30やデータを読み込み、HDD28にインストールする際に使用される。入力装置26はキーボードやマウスなど、ユーザからの様々な操作指示を入力するためのデバイスである。NIC25は、ネットワーク11に接続するためのインターフェイスであり、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )やUDP(User Datagram Protocol)これと上位互換のプロトコルのプロトコル処理を実行しサーバ50と通信する。表示制御装置27は、プログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で液晶などのディスプレイに描画する。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等をディスプレイに表示する。
【0036】
HDD28にはプログラム30が記憶されていて、CPU21がこのプログラム30を実行することで後述する各手段が実現される。プログラム30は、記憶媒体29に記憶して配布されたり、ネットワーク11を介して接続された所定のサーバからダウンロードされ、HDD28にインストールされる。
【0037】
クライアント端末20のハードウェア構成は図4と同様であるが、クライアント端末20は、HDDに記憶されたアプリケーションソフトのうち主にブラウザプログラムをCPUが実行して、図1のWebページをディスプレイ14に表示する。そして、ユーザは、キーボード13やマウス12を用いて現在の使用機種や月間使用枚数等を入力する。
【0038】
図5は、消費電力シミュレーションシステム100の機能ブロック図の一例を示す。
〔クライアント端末20〕
まず、クライアント端末20について説明する。クライアント端末20の機能の多くは、ブラウザプログラムにより提供され、クライアント端末20のCPUがブラウザプログラムを実行して実現される、ユーザ操作情報取得部31、クライアント情報送信部32、削減効果情報受信部33、削減効果情報表示部34、及び、レポート生成部35を有する。
【0039】
まず、クライアント端末20ではブラウザプログラムを実行して、ユーザの操作によりURL(Uniform Resource Locator)が指定又は選択されるとNICがサーバ50に接続する。これにより、例えば図1のWebページが表示される。この時点では、図1の各入力欄は空白である。
【0040】
ユーザ操作情報取得部31は、ユーザが操作するキーボード13及びマウス12から入力されるクライアント情報(使用機種の型番、月間使用枚数、使用機種の台数、カラー印刷するかモノクロ印刷するかの二値情報、メイン電源スイッチの状態、オフ・スリープモードがオンかオフかの二値情報、削減効果を算出する年数)を取得する。ユーザ操作情報取得部31が取得する情報は、現在の使用機種に関して、現在の使用機種の型番、現在の使用機種の月間使用枚数、現在の使用機種の台数、カラー印刷するかモノクロ印刷するかの二値情報、メイン電源スイッチの状態、及び、オフ・スリープモードがオンかオフかの二値情報、を取得する。また、ユーザ操作情報取得部31は、購入検討機種に関して、機種の型番、月間使用枚数、台数、カラー印刷するかモノクロ印刷するかの二値情報、メイン電源スイッチの状態、及び、オフ・スリープモードがオンかオフかの二値情報、を取得する。
【0041】
なお、現在の使用機種及び購入検討機種について、必須の項目は、機種の型番、月間使用枚数のみであり、その他の情報が必ずしも入力されなくても削減効果情報が提供される。また、共通の項目として、ユーザ操作情報取得部31は、ユーザが入力した削減効果を算出する期間を取得する。
【0042】
また、ユーザ操作情報取得部31は、入力されなかった項目にデフォルトの値を設定する。デフォルトの値は、例えば、台数は1台、カラー印刷はしない、メイン電源はオフ、オフ・スリープモードはオン、削減効果を算出する期間は5年、である。
【0043】
クライアント情報送信部32は、ユーザ操作情報取得部31が取得したクライアント情報を取得しサーバ50に送信する。送信するタイミングは図1の「Calculate」が操作された時である。
【0044】
削減効果情報受信部33は、サーバ50が算出して送信した削減効果情報を受信し、削減効果情報表示部34に送出する。削減効果情報は、例えばHTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)で記述されたファイルに格納されている。なお、削減効果情報受信部33は、削減効果情報に加え、現在の使用機種と購入検討機種それぞれの消費電力等を取得する。この情報は次述するレポートを生成するために利用される。
【0045】
削減効果情報表示部34は、HTML等で記述されたファイルを解釈し(Parsar)、パーサーの解析結果をもとに文字や画像を適切に配置し、又は、文字のサイズを調整したり色を付けるなどして、最終的に図1のように表示する(レンダリング)。
【0046】
また、レポート生成部35は、現在の使用機種と購入検討機種それぞれの消費電力等、及び、削減効果情報からレポート生成する。図6は、削減効果を記載したレポートの一例を示す図である。レポートは例えばA4の用紙1枚に、現在の使用機種の表示欄201、購入検討機種の表示欄202、及び、削減効果情報の表示欄203を有する。
【0047】
図示するように、現在の使用機種の表示欄201及び購入検討機種の表示欄202には、機種名、月間平均出力枚数(月間印刷枚数と同義)、消費電力(後述する消費電力N_TEC)、消費電力コスト(後述する消費電力コストCost)、CO2排出量(後述するCO2排出量DR)、立ち木本数(後述する立ち木本数T)、が表示される。削減効果情報の表示欄203には、削減効果情報が表示される。
【0048】
現在の使用機種の表示欄201及び購入検討機種の表示欄202に表示される消費電力等は、例えば、図1の削減効果を算出する年数の間に、消費される消費電力等であるが、月間印刷枚数にあわせ月間の消費電力等であってもよい。
【0049】
〔サーバ50〕
サーバ50について説明する。サーバ50は、CPU21がプログラム30を実行することで実現される、クライアント情報受信部41、消費電力算出部42、電力コスト算出部43、CO2算出部44、立ち木算出部45、差分算出部46及び削減効果情報送信部47を有し、HDD28には機種情報DB48を実装する。
【0050】
クライアント情報受信部41は、クライアント端末20から送信されたTCPパケット等からクライアント情報を抽出して、消費電力算出部42に送出する。消費電力算出部42は、以下に説明する方法で現在の使用機種及び購入検討機種のそれぞれの消費電力を算出する。
【0051】
〔消費電力の算出〕
図7は、1ジョブ当たりの消費電力の算出を模式的に説明する図である。図7は、横軸が時間、縦軸が電力値〔W〕を示し、1ジョブが含む各動作モードの電力値を階段状に示している。なお、TEC値によれば1ジョブは15分である。電力値A〜E〔W〕を次のように定義する。このように、段階的に電力を下げることで、復帰時に消費される消費電力を低減している。
電力値A:オフ・スリープモード電力
電力値B:最大電力(オフ・スリープモードからの復帰)
電力値C:稼働電力
電力値D:稼働準備電力(スタンバイモード)
電力値E:低電力モード電力
したがって、各動作モードを保持する保持時間a〜eが分かれば、A×a、B×b、C×c、D×d、E×eから1ジョブの消費電力が算出できる。具体的には、消費電力算出部42は、次式から消費電力を算出する。
1ジョブの消費電力 = b×B+c×C+d×D+e×E+a×A …(1)
保持時間a〜eについて説明する。
a:オフ・スリープモード時間〔分〕
b:オフ・スリープモードからの復帰時間〔秒〕
c:稼働時間〔秒〕
d:稼働準備時間〔分〕
e:低電力モード時間〔秒〕
オフ・スリープモード時間bは、オフ・スリープモードから復帰して印刷可能な状態になるまでの時間である。印刷可能な状態とは例えば定着部のヒータが所定の温度に到達した状態である。
【0052】
すなわち、オフ・スリープモードにおいてジョブの要求があると、高温印刷技術を用いた複合機では定着部のヒータ等の温度が上昇し消費電力が急増する。このオフ・スリープモードからの復帰時間bに最大消費電力Bが消費される。
【0053】
稼働時間cは、実際に印刷している時間である。すなわち、印刷枚数が多ければ稼働時間も長くなる。「オフ・スリープモードからの復帰時間」が経過すると、ヒータ温度が安定し消費電力が下がり、稼働電力Cが消費される。稼働電力Cが消費さている間(時間c)は、印刷可能な状態である。したがって、1ジョブ(=15分)のうち実際に印刷に使用される時間が稼働時間cである。
【0054】
稼働準備時間dは、1ジョブが15分という制約のため、次の3つのいずれかの時間となりうる。
d1:15−(b+c)
d2:低電力モード移行時間(稼働電力から低電力モード電力に移行する時間)
d3:オフ・スリープモード移行時間(稼働電力からオフ・スリープモード電力に移行する時間)
稼働準備時間dが、d1の「15−(b+c)」となるのは、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分以上の場合である。稼働準備時間が、d2の「低電力モード移行時間」となるのは、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分未満、かつ、低電力モード移行時間がゼロより大の場合である。稼働準備時間dが、d3の「オフ・スリープモード移行時間」となるのは、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分未満、かつ、低電力モード移行時間がゼロ以下の場合である。
【0055】
低電力モード時間eは、1ジョブが15分という制約のため、次の3つのいずれかの時間となりうる。
e1:ゼロ
e2:15−(b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」)
e3:低電力モード移行時間(稼働電力から低電力モード電力に移行する時間)
低電力モード時間eが、e1のゼロとなるのは、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間より短い場合である。低電力モード時間eが、e2の「15−(b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」」となるのは、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間以上で、「b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」」が15分以上の場合である。低電力モード時間eが、e3の「低電力モード移行時間」となるのは、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間以上で、「b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」」が15分未満の場合である。
【0056】
オフ・スリープモード時間aは、1ジョブが15分という制約のため、次の2つのいずれかの時間となりうる。
a1:ゼロ
a2:15−(b+c+d+e)
オフ・スリープモード時間aが、a1の「ゼロ」となるのは、b+c+d+eが15分以上の場合である。オフ・スリープモード時間aが、a2の「15−(b+c+d+e)」となるのは、b+c+d+eが15分未満の場合である。
【0057】
なお、図1で入力されたオフ・スリープモードがオフになっていると、オフ・スリープモード時間aのオフ・スリープモード電力Aは、例えば低電力モード電力Eとなる。
【0058】
ここで、A〜Eは機種毎に明らかとなっている。また、オフ・スリープモードからの復帰時間b、低電力モード移行時間及びオフ・スリープモード移行時間、は機種毎に固定である。本実施形態では、これら既知の機種情報を機種情報DB48に記憶しておく。
【0059】
図8は、機種情報DB48に記憶された機種情報の一例を示す。図8に示すように、機種情報DB48には機種毎に、オフ・スリープモード時の電力値(A)、オフ・スリープモードからの復帰時の電力値(B)、稼働時の電力値(C)、稼働準備時の電力値(D)、低電力モード時の電力値(E)、が記憶されている。
【0060】
また、低電力モード移行時間(分)(d又はeに相当)、低電力モードからの復帰時間(秒)、オフ・スリープモード移行時間(分)(dに相当)、オフ・スリープモードからの復帰時間(秒)(bに相当)、ファーストコピータイム(秒)(次述のc2に相当)、が記憶されている。
【0061】
時間cが分かれば、d・e・aの時間も自動的に定まる。また、稼働時間cは、図1で入力した月間印刷枚数から算出されるか又はファーストコピータイムが相当する。したがって、消費電力算出部42は、A〜Eの電力値、稼働時間cに応じて定まるa・d・eの各時間から1ジョブの消費電力を算出することができる。
【0062】
以上から、図8のC001という機種の場合、式(1)から1ジョブの消費電力の次のようにして算出される。ここでは、稼働時間cをファーストコピータイムとする。
1ジョブの消費電力 = 4秒×150W+9秒×90W+1分×40W+0×5W+827秒×5W
右辺第1項(最大電力B)と第2項(稼働電力C)は機種情報DB48からそのまま読み出される。右辺第3項は(稼働準備電力D)は、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分未満、かつ、低電力モード移行時間がゼロより大なので、d2が選択され、機種情報DB48から低電力モード移行時間(1分)が読み出される。右辺第4項は(低電力モード電力E)は、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間より短いのでゼロとなる。右辺第5項(オフ・スリープモード電力A)は、b+c+d+eが15分未満なので、a2が選択され15−(b+c+d+e)の827秒となる。
【0063】
<稼働時間cの算出>
稼働時間cの算出について説明する。稼働時間cの定め方には2つの方法がある。1つは月間印刷枚数から算出する方法(稼働時間c1)で、もう1つは図13(b)のテーブルを用いる方法(稼働時間c2)である。
【0064】
c2)稼働時間c2について説明する。図13(b)のテーブルを例にすると、複合機の印刷速度が35〔cpm〕であるとすると、1日のジョブ数は32ジョブ、1日の印刷枚数は613枚となる。すると、613÷32= 約19枚が1ジョブ当たりの印刷枚数である。1ジョブ当たりの印刷枚数が固定であれば、図8の機種毎の印刷速度から1ジョブ毎の稼働時間cが算出される。したがって、この方法では稼働時間c(c2)は固定であって、機種毎に予め既知となり、機種情報DB48に予め記憶されている。また、1ジョブ(=15分)の中に稼働時間c(c2)が含まれるので図13(b)のテーブルを用いた場合、稼働時間c2は時間bと共に、時間b+時間c2=「オフ・スリープモードからの復帰時間+フアーストコピータイム」と定義される。
【0065】
c1)稼働時間c1について説明する。月間使用枚数が例えば「20000枚」の場合、1日間の使用枚数は次のようになる。TEC値では土日は休日として扱うので、月の稼働日は22日となる。したがって、1日間の使用枚数は約「910枚」である。
【0066】
1日間の使用枚数「910枚」を図13(b)のテーブルに照らし合わせると、1日のジョブ数は32ジョブである。したがって、910枚を32で割ることで(910÷32=約28枚)、1ジョブ当たりの印刷枚数が算出される。また、図8に示すように、印刷速度は機種毎に既知であるので、1ジョブ当たりの印刷枚数を印刷速度で割ることで、1ジョブ毎の印刷時間が算出される。
印刷時間 =1ジョブ当たりの印刷枚数 ÷ 印刷速度
また、1ジョブ(=15分)の中に図8のファーストコピータイムが含まれるので、稼働時間c1は、
稼働時間c1=印刷時間(1ジョブ当たりの印刷枚数 ÷ 印刷速度) + ファーストコピータイム…(2)
となる。
【0067】
・稼働時間c1の算出の別形態
TEC値の算出方法を利用すると、月間印刷枚数が所定数以上となると1日のジョブ数は32に固定されてしまう。しかしながら、実際には1枚だけ印刷するジョブが何回も(32回以上)実行されることもあるし、数10枚〜数100枚印刷するジョブが数回(例えば32回以下)実行されることもある。ジョブが立ち上がると最も消費電力の高い最大電力B(オフ・スリープモードからの復帰時間)が必要となることを考慮すると、実際のジョブの数は消費電力に与える影響が大きいと考えられる。
【0068】
そこで、(2)式の1ジョブ当たりの印刷枚数を算出するために、実際のジョブ数を用いることが好適となる。実際のジョブ数は、次のようにしてカウントされる。
i)LAN等のネットワークに接続されたPC(Personal Computer)から印刷を実行する場合は、1回の印刷が1ジョブとなるのでそれをカウントする。
ii)複合機に原稿を持ち込み複写する場合、例えば個人認証の回数、スタートボタンの押下数、等をカウントする。
【0069】
このi)とii)の合計が1台の複合機のジョブ数となる。例えば、1日間の使用枚数「910枚」の場合、これを実際のジョブ数で割ることで1ジョブ当たりの印刷枚数を算出することができ、(2)式から実際の使用環境に近い稼働時間c1を算出することができる。
図9は、1ジョブの消費電力の算出手順を示すフローチャート図である。図9のフローチャート図は、例えば、サーバ50がクライアント情報を受信するとスタートする。まず、消費電力算出部42は、クライアント情報に含まれる複合機の型番(機種コード)に基づき、機種情報DB48を参照し、印刷速度〔cpm)を読み出す(S110)。
【0070】
ついで、消費電力算出部42は、クライアント情報に含まれる月間印刷枚数をジョブ数(32)で割って、1ジョブの印刷枚数を算出する(S120)。
【0071】
ついで、消費電力算出部42は、1ジョブの印刷枚数を、ステップS110で読み出した印刷速度で割ってこれにファーストコピータイムを加えて、稼働時間c1を算出する(S130)。
【0072】
ついで、消費電力算出部42は、機種情報DB48からオフ・スリープモードからの復帰時間bを読み出す(S140)。
【0073】
ついで、消費電力算出部42は、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」と15分との関係等に基づき、d1〜d3から稼働準備時間dを決定する(S150)。
【0074】
ついで、消費電力算出部42は、オフ・スリープモード移行時間と低電力モード移行時間との関係等に基づき、e1〜e3から低電力モード時間eを決定する(S160)。
【0075】
ついで、消費電力算出部42は、15分とb+c+d+eの大小関係から、オフ・スリープモード時間aを決定する(S170)。
【0076】
ついで、消費電力算出部42は、最大電力B、稼働電力C、稼働準備電力D、低電力モード電力E、オフ・スリープモード電力Aを機種情報DB48から読み出す(S180)。
最後に、消費電力算出部42は、1ジョブの消費電力を算出する(S190)。
【0077】
<週間の消費電力>
1ジョブの消費電力が算出されたら、消費電力算出部42は週間の消費電力を算出する。算出式はTEC値を算出する場合と同様である。
消費電力W1=(1ジョブ目消費電力×2)+(2ジョブ目消費電力×30)+(非稼働時消費電力(オフ・スリープモード)×16時間
消費電力W2=非稼働時消費電力(スリープモード)×48時間
なお、ジョブ数をi)とii)から求めた場合、消費電力W1の「30」は「実際のジョブ数−2」となる。
【0078】
以上から、1週間の消費電力は次式で算出される。
【0079】
消費電力N_TEC=W1×5+W2 …(3)
消費電力W1及びW2のオフ・スリープモードの消費電力は、図1で入力された夜間のメイン電源がオフであればゼロとなる。
〔電力コスト、CO2、立ち木本数の算出〕
続いて、電力コスト等の算出について説明する。電力コストの算出には、複合機を使用する地域、電力料金の単価、が必要となる。CO2の算出には単位消費電力当たりに排出されるCO2の量を定めるCO2係数が必要となる。立ち木本数の算出には、単位CO2量当たりの立ち木本数を定める立ち木換算係数が必要となる。このため、消費電力シミュレーションシステム100には、地域、電力料金の単価、CO2係数及び立ち木換算係数が予め登録されているか、少なくとも、ユーザが登録できるようになっている。
【0080】
図10は、地域等を登録するための入力画面の一例を示す図である。ユーザは「Region」で国名を選択できる。国名を選択すると「Currency」にその国の通貨単位が表示される。また、「Electricity Cost」には電力料金の単価を入力する。日本の場合、一般的な電力料金の単価は「23円」である。また、「CO2 Coefficient」にはCO2係数〔kgCO2/kWh〕を入力する。一般的な値は「0.555」である。また、「Tree conversion factor」には立ち木換算係数を入力する。一般的な値は「3」である。また、「Default」を操作すると、その国毎に予め登録されているデフォルト値が設定される。
【0081】
電力コスト算出部43は、(3)式で算出した消費電力N_TECに、電力料金の単価をかけて、1週間の電力コストCostを算出する。
電力コストCost = 消費電力N_TEC × 電力料金の単価 …(4)
CO2算出部44は、(3)式で算出した消費電力N_TECに、CO2係数をかけて、1週間のCO2排出量DRを算出する。
CO2排出量DR = 消費電力N_TEC × CO2係数 …(5)
立ち木算出部45は、(5)式で算出したCO2排出量DRに、立ち木換算係数をかけて、1週間の立ち木本数Tを算出する。
立ち木本数T = CO2排出量DR × 立ち木換算係数 …(6)
したがって、消費電力N_TECから電力コストCost等が算出できる。図1に示したように削減効果は年単位で算出されるので、例えば(3)式に年数と1年当たりの週の数を乗じた値が最終的な、消費電力N_TECとなる。電力コストCost、CO2排出量DR及び立ち木本数Tについても同様である。また、月間の消費電力N_TEC等を算出してもよい。
【0082】
<用紙のCO2換算>
ところで、複合機による印刷時だけでなく、用紙の生産時にもCO2が排出されることが知られている。例えば、上質紙の場合、A4の用紙1枚につき1.6〜1.8gのCO2が排出される。
【0083】
したがって、消費電力N_TECだけでなく、使用する用紙に起因するCO2もCO2排出量DRに含めることで、より正確なCO2の排出量が算出できることになる。この場合、(5)式は次のように変形することができる。
CO2排出量DR = 消費電力N_TEC × CO2係数 + 月間印刷枚数×1.8g …(5')
図1に示したように現在の使用機種と購入検討機種とが同じであれば、用紙に起因するCO2排出量DRの削減効果はゼロとなる。しかしながら、実施例2において説明するように、両面印刷する場合、月間使用枚数に対する両面印刷の割合に応じて用紙が節約されるので、CO2排出量DRも減少することになる。このため、用紙の使用量に起因するCO2をCO2排出量DRに含めることで、実際に削減できるCO2の排出量を算出することができる。
【0084】
〔使用機種と購入検討機種の差分の算出〕
サーバ50は、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、消費電力N_TEC、電力コストCost、CO2排出量DR及び立ち木本数Tを、算出する。したがって、差分算出部46は、
「消費電力N_TEC(使用機種)−消費電力N_TEC(購入検討機種)」
「電力コストCost(使用機種)−電力コストCost(購入検討機種)」
「CO2排出量DR(使用機種)−CO2排出量DR(購入検討機種)」
「立ち木本数T(使用機種)−立ち木本数T(購入検討機種)」
をそれぞれ算出する。これらが、削減効果情報となる。
【0085】
削減効果情報送信部47は、削減効果情報からHTMLファイル等を生成し、クライアント端末20に送信する。また、削減効果情報送信部47は、削減効果情報に加え、現在の使用機種と購入検討機種それぞれの消費電力N_TEC等を送信する。上記のように、クライアント端末20の削減効果情報受信部33は削減効果情報を受信し、削減効果情報表示部34がそれをディスプレイ14に表示する。これにより、図1に示したようにユーザは使用機種を購入検討機種に買い換えた場合の削減効果を比較することができる。
【0086】
〔消費電力シミュレータの動作手順〕
図11は、消費電力シミュレータの動作手順を示すアクティビティ図の一例を示す。まず、クライアント端末20の側において、ユーザがクライアント端末20を操作してサーバ50に接続する(S10)。サーバ50に接続するとクライアント端末20のディスプレイ14には図1の入力画面が表示される。
【0087】
ついで、ユーザは、必要であれば、地域、電力料金の単価、CO2係数及び立ち木換算係数を入力する(S20)。これらの値は一度入力されるとクライアント端末20に記憶されるので、2回目以降は入力の必要がない。
【0088】
ついで、ユーザは、機種の型番、月間使用枚数、夜間のメイン電源のオン/オフ、オフ・スリープモードのオン/オフ、を現在の使用機種と購入検討機種のそれぞれについて入力する(S30)。また、ユーザは、削減効果を算出する年数を入力する(S40)。そして、ユーザが「Calculated」を操作すると、入力したクライアント情報がサーバ50へ送信される。
【0089】
サーバ50では、消費電力算出部42が、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、月間の使用枚数から稼働時間c(例えば稼働時間c1)を算出し、削減効果を算出する年数の消費電力N_TECを算出する(S50)。そして、消費電力N_TECを用いて、電力コスト算出部43が電力コストCostを算出し、CO2算出部44がCO2排出量DRを算出し、立ち木算出部45が立ち木本数Tを算出する(S60)。
【0090】
ついで、差分算出部46は、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、消費電力N_TEC等の差分を算出し、削減効果情報を生成する(S70)。サーバ50は削減効果情報及び消費電力N_TEC等をクライアント端末20に送信する。
【0091】
クライアント端末20が削減効果情報と消費電力N_TECを受信すると、削減効果情報表示部34はHTMLファイルを解釈してディスプレイ14に削減効果情報を表示する(S80)。また、レポート生成部35はレポートを生成する。
【0092】
以上説明したように、本実施形態の消費電力シミュレータシステム100は、ユーザの使用条件に基づく消費電力を、TEC値の考え方を拡張した算出方法で算出しているため、高い汎用性の下、購入検討の複合機による消費電力等の削減効果を提供することができる。ユーザが入力するのは4〜5つの項目だけなので、種々の購入対象の機種と容易に比較することができる。
【0093】
現実に、各国は京都議定書等のCO2削減目標を達成するため、各企業にもCO2削減の義務的な目標を達成するよう要求することが考えられるが、本実施形態の消費電力シミュレータシステム100により、複合機を買い換えた場合のCO2の削減量が予測できるので、企業としてのCO2削減計画の立案が容易になる。
【0094】
〔使用機種が複数台の場合〕
現在の使用機種が複数台の場合、ユーザは一般的には同じ台数の購入検討機種を入力すればよいが、現在の使用機種が比較的古い場合や台数が多い場合、購入検討機種の数を低減して導入コストを抑制したいユーザが存在する。
【0095】
このような場合、本実施形態の消費電力シミュレータシステム100は、複数の現在の使用機種の消費電力等を算出できるのはもちろんであるが、種々の購入検討機種を組み合わせた複数の購入検討機種と、削減効果を比較することができる。例えば、ユーザは、導入コストが同程度の購入検討機種の組み合わせのうち、削減効果の大きい組み合わせとなる購入検討機種を選択して購入することができる。また、例えば、希望するスループットが得られる購入検討機種の組み合わせのうち、最も削減効果の大きい購入検討機種の組み合わせを選択して購入することができるようになる。
【実施例2】
【0096】
本実施例では、実施例1の機能に加え両面印刷による削減効果を考慮した消費電力シミュレータシステム100について説明する。
【0097】
図12は、消費電力シミュレータシステム100が提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。なお、図12において図1と同一部分については説明を省略する。本実施例では、「両面印刷」の割合を入力する欄を有する点で図1と異なる。
【0098】
両面印刷を利用した場合、本来、印刷に2枚使用するはずの原稿を1枚の用紙の裏表に印刷できるので、使用枚数を節約することができる。例えば、現在の使用機種の両面使用率の割合が0%で、購入検討機種の両面使用率の割合が20%の場合、20%については半分の用紙しか使用しないので、「20000枚×0.2=4000」の半分の2000枚が節約枚数となる。したがって、用紙2000枚分のCO2の排出を削減することができ、用紙2000枚の導入コストを節約することができる。
【0099】
なお、稼働時間cについては、両面印刷のために用紙を反転するなどの工程が必要となるため若干、稼働時間cが長くなるが、全体の印刷工程の数は同じなので稼働時間cについては変更がないとしてよい。このため、消費電力N_TEC、及び、電力コストCostの算出手順については変更がない。
【0100】
これに対し、CO2排出量DR及び立ち木本数Tはより大きな削減効果が得られる。
<CO2排出用DRの算出>
CO2算出部44は、(3)式で算出した消費電力N_TECに、CO2係数をかけて、さらに、月間印刷枚数によるCO2の排出が加味された式(5')によりCO2排出量DRを算出する。
CO2排出量DR = 消費電力N_TEC × CO2係数 +月間印刷枚数×1.8g …(5')
本実施例では、現在の使用機種の月間使用枚数は「20000枚」だが、購入検討機種の月間使用枚数は「18000枚」となる。
<立ち木本数Tの算出>
立ち木算出部45は、(5')式で算出したCO2排出量DRに、立ち木換算係数をかけて、1週間の立ち木本数Tを算出する。
立ち木本数T = CO2排出量DR × 立ち木換算係数 …(6)
(6)式により算出される立ち木本数Tも、両面印刷によるCO2の排出の削減効果が考慮された値となる。
【0101】
<用紙の導入コストの算出>
月間使用枚数が減少すれば、用紙の導入コスト(購入コスト)を低減することができる。用紙の単価を1枚2円とすれば、月間印刷枚数に単価をかけた金額が用紙の導入コストPRCとなる。
用紙の導入コストPRC = 用紙の単価 × 月間印刷枚数 …(7)
〔使用機種と購入検討機種の差分の算出〕
差分の算出については、実施例1と同様に、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、消費電力N_TEC等を算出し、両者の差分を算出すればよい。また、用紙の導入コストPRCについても同様に算出される。
【0102】
差分算出部46は、「用紙の導入コスト(使用機種)−用紙の導入コスト(購入検討機種)」を算出する。本実施例では、これも削減効果情報に含まれる。節約枚数が2000枚の場合、2000枚×2円=4000円が一月の用紙の導入コストPRCの削減金額になるので、5年間では240000円削減できることになる。
【0103】
削減効果情報送信部47は、用紙の導入コストPRCを含む削減効果情報をクライアント端末20に送信する。これにより、図12に示したようにユーザは使用機種を購入検討機種に買い換えた場合の用紙の導入コストPRCを含めて削減効果を比較することができる。
【0104】
〔集約印刷について〕
両面印刷と同様の効果を奏する印刷態様として集約印刷がある。集約印刷とは、本来は複数枚の用紙に印刷する原稿を1枚の用紙に印刷することといい、例えば、2枚の原稿を1枚に(以下、2枚集約という)、4枚の原稿を1枚に(以下、4枚集約という)、小さく印刷する印刷態様である。したがって、片面印刷であっても、2枚集約の場合は両面印刷と同じ効果が得られ、4枚集約の場合は両面印刷の3倍の用紙を節約できる。
【0105】
それぞれの印刷態様により節約される節約枚数は次のようになる。
両面印刷、2枚集約(片面)… 1枚
2枚集約(両面)、4枚集約(片面) …3枚
4枚集約(両面)… 7枚
購入検討機種の2枚集約(両面)又は4枚集約(片面)の割合が20%の場合、月間印刷枚数のうち20%については1/4の用紙しか使用しないので、「20000枚×0.2=4000」の3/4の3000枚の用紙を節約することができる。同様に、購入検討機種の4枚集約(両面)の割合が20%の場合、20%については1/8の用紙しか使用しないので、「20000枚×0.2=4000」の7/8の3500枚の用紙を節約することができる。
【0106】
例えば図12の入力画面に、両面印刷、2枚集約(片面)、2枚集約(両面)、4枚集約(片面)、4枚集約(両面)の割合の入力欄を設け、それぞれにユーザが入力すればよいが、現実的にはこれらの割合をユーザが把握することは困難と言える。このような場合は、一般的なオフィスの割合を入力してもよいし、用紙の削減目標から適当な割合を設定したり、オフィスの社員から聞き取り調査した値の平均等から割合を設定する。
【0107】
したがって、本実施例の消費電力シミュレータシステム100は、両面印刷や集約印刷の割合から、月間印刷枚数を削減した場合のCO2の排出が加味されたCO2排出量DRを算出できる。また、両面印刷や集約印刷により削減可能な用紙の導入コストを算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】消費電力シミュレータシステムが提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。
【図2】消費電力シミュレーションシステムの典型的な使用方法の手順を示すフローチャート図の一例である。
【図3】消費電力シミュレーションシステムの概略構成図の一例である。
【図4】サーバのハードウェア構成図の一例である。
【図5】消費電力シミュレーションシステムの機能ブロック図の一例である。
【図6】削減効果を記載したレポートの一例を示す図である。
【図7】1ジョブ当たりの消費電力の算出を模式的に説明する図である。
【図8】機種情報DBに記憶された機種情報の一例を示す図である。
【図9】1ジョブの消費電力の算出手順を示すフローチャート図である。
【図10】地域等を登録するための入力画面の一例を示す図である。
【図11】消費電力シミュレータの動作手順を示すアクティビティ図の一例である。
【図12】消費電力シミュレータシステムが提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。
【図13】国際エネルギースタープログラムが複合機又はプリンタについて定める消費電力の算出方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0109】
20 クライアント端末
42 消費電力算出部
43 電力コスト算出部
44 CO2算出部
45 立ち木算出部
46 差分算出部
48 機種情報DB
50 サーバ
100 省電力シミュレーションシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバ等に関し、特に、購入検討機種の消費電力を算出可能な消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化や化石燃料の消費抑制を図るため従来からオフィス機器の省エネルギー化
が促進されている。また、オフィス機器のユーザから見れば、省エネルギー化されたオフィス機器を使用することで電力料金等のコストを削減することもできる。このため、オフィス機器の製品カタログやホームページには、消費電力が掲載されていることも多く、ユーザは購入時に消費電力を参考にすることができるようになっている。
【0003】
例えば、高温印刷技術を使用するオフィス機器のうち、複合機は最大電力、プリンタは最大電力と省エネモード時(スリープ時)の消費電力が、省エネルギー化の程度の指標とされることがあるが、このような指標から実際にオフィスで使用した場合の消費電力を算出したり推測することは困難である。このような課題に対し、ネットワークに接続された個々のオフィス機器の消費電力を計測する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
特許文献1には、ネットワークを介して接続された機器から当該機器の動作に関する情報を取得して、当該機器の消費電力に関する電力情報をオフィス機器から取得するための監視プロトコルを選定することで、プロトコルの異なるオフィス機器から電力情報を取得して、ネットワークに接続された各オフィス機器の消費電力を算出する電力監視装置が記載されている。この電力監視装置は、電力情報から、時間あたりの消費電力、待機時の1分間または1時間あたりの消費電力、及び、コピーモード時の1分間または1時間あたりの消費電力を算出する。
【0005】
また、特許文献2には、ネットワークに接続された画像形成装置の一定期間の使用状態を記憶し、この使用状態を電力削減目標の達成のために仮設定変更し、この仮設定変更した内容に基づき、電力削減目標のシミュレーションを行う電力監視ネットワークシステムが記載されている。この電力監視ネットワークは、省エネモードなどの各動作モードの累積時間、累積消費電力 を算出し、さらに、累計復帰回数と1回の復帰に必要な消費電力と、復帰時の累積消費電力 と、累計コピー 枚数と1枚のコピー 消費電力とより、コピー時の累積消費電力を算出する。
【0006】
ところで、オフィス機器を購入するユーザとしては、現在の使用機器と買い換え機の消費電力を比較したい場合が多い。しかしながら、特許文献1、2に記載された技術では、比較の対象のオフィス機器がネットワークに接続されている必要がある。すなわち、購入検討の機種を、実際にオフィスで使用した場合の消費電力を算出する方法はこれまで提案されておらず、購入検討の機種の消費電力を各ユーザの使用環境に応じて比較することは困難であった。
【0007】
この点について、「国際エネルギースタープログラム(省エネ基準)」と呼ばれる国際的な環境ラベリング制度が主に日本とアメリカで運用されており、複合機やプリンタの消費電力の算出方法が規定されている。省エネ基準では、比較的、実際にオフィスで複合機やプリンタを使用する形態に近い形で消費電力の算出方法を定めている。
【0008】
図13(a)は、国際エネルギースタープログラムが複合機又はプリンタについて定める消費電力の算出方法を説明する図である。複合機又はプリンタは高温印刷技術を用いるオフィス機器として同様の算出方法で消費電力が算出される(以下、TEC(Typical Electricity Consumption)値という)。
【0009】
高温印刷技術を用いるオフィス機器は、使用時に消費電力が極大となる反面、非使用時には省エネモードになって消費電力を大きく削減している。このため、高温印刷技術を用いたオフィス機器の消費電力は、図示するように時間に対し複数のピークを示すようになる。各ピークが1枚以上の印刷を実行する1ジョブとなる。なお、TEC値では、土日は低電力モード又は電源がオフであると仮定している。
【0010】
TEC値の算出方法は、オフィス機器の印刷速度に応じて定められている。図13(b)はTEC値算出のための印刷速度〔cpm〕、1日のジョブ回数、1日のコピー枚数を定めたテーブルを示す。32〔cpm〕以上の機種では、1日当たりのジョブ数は32ジョブであるが、これは1時間に平均して4ジョブ程度の印刷を実行することに相当する。この場合、図13(a)では1日に32回のピークが現れることになる。
【0011】
1日の消費電力をPa、土日の非稼働時の消費電力をPbとすると、消費電力Pa、Pbはそれぞれ次式で算出される
消費電力Pa=(1ジョブ目消費電力×2)+(2ジョブ目消費電力×30)+(非稼働時消費電力(スリープモード)×16時間
消費電力Pb=非稼働時消費電力(スリープモード)×48時間
したがって、TEC値は次式で算出される。
TEC値= 消費電力Pa×5日+消費電力Pb
【特許文献1】特開2006−317355号公報
【特許文献2】特開2008−015748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、TEC値は算出のためのコピー枚数や稼働時間が定められているため、ユーザの使用条件における消費電力を表しているとは限らないという問題がある。また、特許文献1又は2に記載されているように、実際に使用された際の動作モードを比較対象のオフィス機器に適用するため使用状態等を厳密に対応させると、却って比較が困難となる場合がある。
【0013】
また、ユーザは複数のオフィス機器を使用している場合が多いが、複数台のオフィス機器をまとめて買い換える場合に、オフィス機器1台1台の消費電力を比較すると、例えば、複数のオフィス機器を処理能力の高い1台のオフィス機器に切り替える際の消費電力の比較が困難という問題がある。
【0014】
また、これまで、オフィス機器の消費電力を算出する技術、CO2を算出する技術は、それぞれ提案されているが、オフィス機器の可動には用紙が必須であるにも関わらず、用紙生産時のCO2の排出について考慮されていなかった。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題に鑑み、本発明は、待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバであって、クライアント端末から、第1及び第2の画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段と、予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と印刷時間に基づき、機種情報記憶手段から読み出す保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の画像形成装置それぞれのジョブ消費電力に基づき、所定期間の消費電力の差を算出する差分算出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、第1とだい2の画像形成装置の消費電力をそれぞれ算出するので、購入検討の対象機種の消費電力を比較できる。
【発明の効果】
【0018】
ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる消費電力算出サーバ、消費電力シミュレータシステム、消費電力算出方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、消費電力シミュレータシステム100が提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。まず、本実施形態の消費電力シミュレーションシステム100の典型的な使用方法について図1の入力画面と図2のフローチャート図に基づき説明する。
【0021】
消費電力シミュレーションシステム100は、例えば電子写真式のコピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び、これらの機能を備えた複合機(以下、複合機という)の買い換えの際、買い換えることでどのくらい環境保護が図れるか示す情報(以下、削減効果情報という)を、環境保護に重要な指標を用いて提供する。削減効果情報が用いる指標とは、例えば、削減される消費電力、消費電力コスト、CO2、換算立ち木数、である。
【0022】
ユーザ(複合機の買い換えを検討しているユーザ、又は、複合機のメーカ側のユーザ)は、現在、使用している機種(以下、使用機種という)と購入を検討している機種(以下、購入検討機種という)に関する情報を入力する(S1)。具体的には、「機種の型番」、「月間使用枚数」、「夜間のメイン電源スイッチのオン/オフ」、「オフ・スリープモードのオン/オフ」、である。オフ・スリープモードとは、いくつかある動作モードのうち最も消費電力が低減されるモードであり、この機能がオンになっていると長時間使用しない場合にメイン電源をオフにしなくても電力消費を抑制できる。
【0023】
ユーザは、使用している複合機の型番をプルダウンメニューから選択するか、又は、直接入力する。なお、同じ複合機を複数台、使用している場合はその台数を入力し、別の複合機を使用している場合は、下段の入力欄にその別の複合機を入力する。
【0024】
また、ユーザは同様にして購入を検討している機種(以下、購入検討機種という)を入力する。ユーザが入力することなく、使用機種の入力に連動して、使用機種の後継機種が自動的に選択されるようになっていてもよい。
【0025】
ついで、ユーザは月間使用枚数を入力する。月間使用枚数は、各複合機が記憶する印刷数から一月の平均的な値を採用する。また、複合機は使用した印刷枚数に応じて課金される従量制を採用することが多いので、課金のためにカウントされた印刷枚数を利用してもよい。機種変更しても月間使用枚数は変わらないので、ユーザは購入検討機種に対しても月間使用枚数を入力する。ユーザが入力することなく、使用機種の月間使用枚数の入力に連動して、購入検討機種の月間使用枚数に同じ数値が自動的に入力されるようになっていてもよい。
【0026】
また、複合機は、メイン電源を切らなくてもオフ・スリープモードに自動的に移行して消費電力を削減するため、ユーザによってはメイン電源を常に(1週間、1月又は1年中)オンにしている場合がある。夜間、メイン電源をオフにするか否かは消費電力に影響するので、消費電力シミュレーションシステム100においても夜間はメイン電源をオフするか否かを入力するようになっている。同様に、オフ・スリープモードを有効にするか否かも設定可能になっているので、ユーザはオフ・スリープモードを有効にするか否かを入力する。
【0027】
ついで、ユーザが削減効果を算出する年数を入力する(S2)。削減効果とは、新しい複合機に買い換えた場合、環境保護に重要な指標がそれぞれ、どのくらい削減されるかを示す。削減効果を算出する年数は、購入しようとしている機種をどのくらいの年数使用する予定かを入力すればよい(例えば5年)。図1では、年単位で入力又は選択できるようになっている。
【0028】
最後に、ユーザが「Calculated」をマウス12などのポインティングデバイスで選択する(S3)。これにより、消費電力シミュレーションシステム100は、それぞれの複合機の消費電力等を算出して、その差を削減効果情報として表示する。図1では、5年間で、2.821kWhの消費電力、64888円の消費電力コスト、1566kgのCO2、及び、112本の立ち木が削減されるという削減効果情報が表示される。削減効果情報を算出するためのデータは、後述するようにデータベース(機種情報DB48)に記憶されている。
【0029】
したがって、本実施形態の消費電力シミュレーションシステム100は、ユーザの使用条件に基づく消費電力を、購入検討の対象機種と比較可能な態様で算出できる。算出方法について詳しくは後述するが、この算出方法はTEC(Typical Electricity Consumption)値の考え方を参考にして独自に拡張しているため、高い汎用性の下、使用機種と購入検討機種を比較することができる。
【0030】
図3は、消費電力シミュレーションシステム100の概略構成図の一例を示す。本実施形態ではサーバ50とクライアント端末20がネットワーク11を介して接続された消費電力シミュレーションシステム100を説明するが、スタンドアローン型の消費電力シミュレーションシステム100も同様に実現できる。この場合、クライアント端末20が後述するサーバ50の各機能を有する。
【0031】
クライアント端末20は、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、その他、プログラムを実行するCPUを備えたコンピュータである。したがって、図1の画面はクライアント端末20のディスプレイ14に表示される。クライアント端末20は、この他、ユーザが現在の使用機種等を入力するために用いるキーボード13及びマウス12を有し、さらにタッチパネル等によりディスプレイ14を指で操作することでクライアント端末20が操作可能であってもよい。
【0032】
ネットワーク11は、例えば、LAN、WAN、インターネット、又は、NGN(Next Generation Network)等を単独により又は組み合わされて構成されている。携帯電話やPHSがクライアント端末20の場合は、携帯電話等の通信事業者が設置した基地局やデータサーバ(不図示)が含まれる。
【0033】
サーバ50はネットワーク11に接続された公知のコンピュータであって、CPU21がプログラム30を実行することで種々の機能を提供し、また、クライアント端末20からの要求に基づき、消費電力等を算出し削減効果情報をクライアント端末20に送信する。
【0034】
図4は、サーバ50のハードウェア構成図の一例を示す。サーバ50は、それぞれバスで相互に接続されているCPU21、RAM22、ROM23、ドライブ装置24、NIC(Network Interface Card)25、入力装置26、表示制御部27及びHDD(ハードディスクドライブ)28を有するように構成される。
【0035】
CPU21は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラム30をHDD28から読み出して実行することで種々の機能を提供すると共に、サーバ50が行う処理を統括的に制御する。RAM22はCPU21がプログラム30を実行する際にプログラム30やデータを一時保管する作業メモリになり、ROM23はBIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。ドライブ装置24は記憶媒体29が着脱可能に構成されており、記憶媒体29にプログラム30やデータを書き込む際に使用され、また、記憶媒体29に記録されたプログラム30やデータを読み込み、HDD28にインストールする際に使用される。入力装置26はキーボードやマウスなど、ユーザからの様々な操作指示を入力するためのデバイスである。NIC25は、ネットワーク11に接続するためのインターフェイスであり、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )やUDP(User Datagram Protocol)これと上位互換のプロトコルのプロトコル処理を実行しサーバ50と通信する。表示制御装置27は、プログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で液晶などのディスプレイに描画する。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等をディスプレイに表示する。
【0036】
HDD28にはプログラム30が記憶されていて、CPU21がこのプログラム30を実行することで後述する各手段が実現される。プログラム30は、記憶媒体29に記憶して配布されたり、ネットワーク11を介して接続された所定のサーバからダウンロードされ、HDD28にインストールされる。
【0037】
クライアント端末20のハードウェア構成は図4と同様であるが、クライアント端末20は、HDDに記憶されたアプリケーションソフトのうち主にブラウザプログラムをCPUが実行して、図1のWebページをディスプレイ14に表示する。そして、ユーザは、キーボード13やマウス12を用いて現在の使用機種や月間使用枚数等を入力する。
【0038】
図5は、消費電力シミュレーションシステム100の機能ブロック図の一例を示す。
〔クライアント端末20〕
まず、クライアント端末20について説明する。クライアント端末20の機能の多くは、ブラウザプログラムにより提供され、クライアント端末20のCPUがブラウザプログラムを実行して実現される、ユーザ操作情報取得部31、クライアント情報送信部32、削減効果情報受信部33、削減効果情報表示部34、及び、レポート生成部35を有する。
【0039】
まず、クライアント端末20ではブラウザプログラムを実行して、ユーザの操作によりURL(Uniform Resource Locator)が指定又は選択されるとNICがサーバ50に接続する。これにより、例えば図1のWebページが表示される。この時点では、図1の各入力欄は空白である。
【0040】
ユーザ操作情報取得部31は、ユーザが操作するキーボード13及びマウス12から入力されるクライアント情報(使用機種の型番、月間使用枚数、使用機種の台数、カラー印刷するかモノクロ印刷するかの二値情報、メイン電源スイッチの状態、オフ・スリープモードがオンかオフかの二値情報、削減効果を算出する年数)を取得する。ユーザ操作情報取得部31が取得する情報は、現在の使用機種に関して、現在の使用機種の型番、現在の使用機種の月間使用枚数、現在の使用機種の台数、カラー印刷するかモノクロ印刷するかの二値情報、メイン電源スイッチの状態、及び、オフ・スリープモードがオンかオフかの二値情報、を取得する。また、ユーザ操作情報取得部31は、購入検討機種に関して、機種の型番、月間使用枚数、台数、カラー印刷するかモノクロ印刷するかの二値情報、メイン電源スイッチの状態、及び、オフ・スリープモードがオンかオフかの二値情報、を取得する。
【0041】
なお、現在の使用機種及び購入検討機種について、必須の項目は、機種の型番、月間使用枚数のみであり、その他の情報が必ずしも入力されなくても削減効果情報が提供される。また、共通の項目として、ユーザ操作情報取得部31は、ユーザが入力した削減効果を算出する期間を取得する。
【0042】
また、ユーザ操作情報取得部31は、入力されなかった項目にデフォルトの値を設定する。デフォルトの値は、例えば、台数は1台、カラー印刷はしない、メイン電源はオフ、オフ・スリープモードはオン、削減効果を算出する期間は5年、である。
【0043】
クライアント情報送信部32は、ユーザ操作情報取得部31が取得したクライアント情報を取得しサーバ50に送信する。送信するタイミングは図1の「Calculate」が操作された時である。
【0044】
削減効果情報受信部33は、サーバ50が算出して送信した削減効果情報を受信し、削減効果情報表示部34に送出する。削減効果情報は、例えばHTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)で記述されたファイルに格納されている。なお、削減効果情報受信部33は、削減効果情報に加え、現在の使用機種と購入検討機種それぞれの消費電力等を取得する。この情報は次述するレポートを生成するために利用される。
【0045】
削減効果情報表示部34は、HTML等で記述されたファイルを解釈し(Parsar)、パーサーの解析結果をもとに文字や画像を適切に配置し、又は、文字のサイズを調整したり色を付けるなどして、最終的に図1のように表示する(レンダリング)。
【0046】
また、レポート生成部35は、現在の使用機種と購入検討機種それぞれの消費電力等、及び、削減効果情報からレポート生成する。図6は、削減効果を記載したレポートの一例を示す図である。レポートは例えばA4の用紙1枚に、現在の使用機種の表示欄201、購入検討機種の表示欄202、及び、削減効果情報の表示欄203を有する。
【0047】
図示するように、現在の使用機種の表示欄201及び購入検討機種の表示欄202には、機種名、月間平均出力枚数(月間印刷枚数と同義)、消費電力(後述する消費電力N_TEC)、消費電力コスト(後述する消費電力コストCost)、CO2排出量(後述するCO2排出量DR)、立ち木本数(後述する立ち木本数T)、が表示される。削減効果情報の表示欄203には、削減効果情報が表示される。
【0048】
現在の使用機種の表示欄201及び購入検討機種の表示欄202に表示される消費電力等は、例えば、図1の削減効果を算出する年数の間に、消費される消費電力等であるが、月間印刷枚数にあわせ月間の消費電力等であってもよい。
【0049】
〔サーバ50〕
サーバ50について説明する。サーバ50は、CPU21がプログラム30を実行することで実現される、クライアント情報受信部41、消費電力算出部42、電力コスト算出部43、CO2算出部44、立ち木算出部45、差分算出部46及び削減効果情報送信部47を有し、HDD28には機種情報DB48を実装する。
【0050】
クライアント情報受信部41は、クライアント端末20から送信されたTCPパケット等からクライアント情報を抽出して、消費電力算出部42に送出する。消費電力算出部42は、以下に説明する方法で現在の使用機種及び購入検討機種のそれぞれの消費電力を算出する。
【0051】
〔消費電力の算出〕
図7は、1ジョブ当たりの消費電力の算出を模式的に説明する図である。図7は、横軸が時間、縦軸が電力値〔W〕を示し、1ジョブが含む各動作モードの電力値を階段状に示している。なお、TEC値によれば1ジョブは15分である。電力値A〜E〔W〕を次のように定義する。このように、段階的に電力を下げることで、復帰時に消費される消費電力を低減している。
電力値A:オフ・スリープモード電力
電力値B:最大電力(オフ・スリープモードからの復帰)
電力値C:稼働電力
電力値D:稼働準備電力(スタンバイモード)
電力値E:低電力モード電力
したがって、各動作モードを保持する保持時間a〜eが分かれば、A×a、B×b、C×c、D×d、E×eから1ジョブの消費電力が算出できる。具体的には、消費電力算出部42は、次式から消費電力を算出する。
1ジョブの消費電力 = b×B+c×C+d×D+e×E+a×A …(1)
保持時間a〜eについて説明する。
a:オフ・スリープモード時間〔分〕
b:オフ・スリープモードからの復帰時間〔秒〕
c:稼働時間〔秒〕
d:稼働準備時間〔分〕
e:低電力モード時間〔秒〕
オフ・スリープモード時間bは、オフ・スリープモードから復帰して印刷可能な状態になるまでの時間である。印刷可能な状態とは例えば定着部のヒータが所定の温度に到達した状態である。
【0052】
すなわち、オフ・スリープモードにおいてジョブの要求があると、高温印刷技術を用いた複合機では定着部のヒータ等の温度が上昇し消費電力が急増する。このオフ・スリープモードからの復帰時間bに最大消費電力Bが消費される。
【0053】
稼働時間cは、実際に印刷している時間である。すなわち、印刷枚数が多ければ稼働時間も長くなる。「オフ・スリープモードからの復帰時間」が経過すると、ヒータ温度が安定し消費電力が下がり、稼働電力Cが消費される。稼働電力Cが消費さている間(時間c)は、印刷可能な状態である。したがって、1ジョブ(=15分)のうち実際に印刷に使用される時間が稼働時間cである。
【0054】
稼働準備時間dは、1ジョブが15分という制約のため、次の3つのいずれかの時間となりうる。
d1:15−(b+c)
d2:低電力モード移行時間(稼働電力から低電力モード電力に移行する時間)
d3:オフ・スリープモード移行時間(稼働電力からオフ・スリープモード電力に移行する時間)
稼働準備時間dが、d1の「15−(b+c)」となるのは、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分以上の場合である。稼働準備時間が、d2の「低電力モード移行時間」となるのは、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分未満、かつ、低電力モード移行時間がゼロより大の場合である。稼働準備時間dが、d3の「オフ・スリープモード移行時間」となるのは、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分未満、かつ、低電力モード移行時間がゼロ以下の場合である。
【0055】
低電力モード時間eは、1ジョブが15分という制約のため、次の3つのいずれかの時間となりうる。
e1:ゼロ
e2:15−(b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」)
e3:低電力モード移行時間(稼働電力から低電力モード電力に移行する時間)
低電力モード時間eが、e1のゼロとなるのは、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間より短い場合である。低電力モード時間eが、e2の「15−(b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」」となるのは、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間以上で、「b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」」が15分以上の場合である。低電力モード時間eが、e3の「低電力モード移行時間」となるのは、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間以上で、「b+c+d+a−「低電力モードからの復帰時間(秒)」」が15分未満の場合である。
【0056】
オフ・スリープモード時間aは、1ジョブが15分という制約のため、次の2つのいずれかの時間となりうる。
a1:ゼロ
a2:15−(b+c+d+e)
オフ・スリープモード時間aが、a1の「ゼロ」となるのは、b+c+d+eが15分以上の場合である。オフ・スリープモード時間aが、a2の「15−(b+c+d+e)」となるのは、b+c+d+eが15分未満の場合である。
【0057】
なお、図1で入力されたオフ・スリープモードがオフになっていると、オフ・スリープモード時間aのオフ・スリープモード電力Aは、例えば低電力モード電力Eとなる。
【0058】
ここで、A〜Eは機種毎に明らかとなっている。また、オフ・スリープモードからの復帰時間b、低電力モード移行時間及びオフ・スリープモード移行時間、は機種毎に固定である。本実施形態では、これら既知の機種情報を機種情報DB48に記憶しておく。
【0059】
図8は、機種情報DB48に記憶された機種情報の一例を示す。図8に示すように、機種情報DB48には機種毎に、オフ・スリープモード時の電力値(A)、オフ・スリープモードからの復帰時の電力値(B)、稼働時の電力値(C)、稼働準備時の電力値(D)、低電力モード時の電力値(E)、が記憶されている。
【0060】
また、低電力モード移行時間(分)(d又はeに相当)、低電力モードからの復帰時間(秒)、オフ・スリープモード移行時間(分)(dに相当)、オフ・スリープモードからの復帰時間(秒)(bに相当)、ファーストコピータイム(秒)(次述のc2に相当)、が記憶されている。
【0061】
時間cが分かれば、d・e・aの時間も自動的に定まる。また、稼働時間cは、図1で入力した月間印刷枚数から算出されるか又はファーストコピータイムが相当する。したがって、消費電力算出部42は、A〜Eの電力値、稼働時間cに応じて定まるa・d・eの各時間から1ジョブの消費電力を算出することができる。
【0062】
以上から、図8のC001という機種の場合、式(1)から1ジョブの消費電力の次のようにして算出される。ここでは、稼働時間cをファーストコピータイムとする。
1ジョブの消費電力 = 4秒×150W+9秒×90W+1分×40W+0×5W+827秒×5W
右辺第1項(最大電力B)と第2項(稼働電力C)は機種情報DB48からそのまま読み出される。右辺第3項は(稼働準備電力D)は、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」が15分未満、かつ、低電力モード移行時間がゼロより大なので、d2が選択され、機種情報DB48から低電力モード移行時間(1分)が読み出される。右辺第4項は(低電力モード電力E)は、オフ・スリープモード移行時間が低電力モード移行時間より短いのでゼロとなる。右辺第5項(オフ・スリープモード電力A)は、b+c+d+eが15分未満なので、a2が選択され15−(b+c+d+e)の827秒となる。
【0063】
<稼働時間cの算出>
稼働時間cの算出について説明する。稼働時間cの定め方には2つの方法がある。1つは月間印刷枚数から算出する方法(稼働時間c1)で、もう1つは図13(b)のテーブルを用いる方法(稼働時間c2)である。
【0064】
c2)稼働時間c2について説明する。図13(b)のテーブルを例にすると、複合機の印刷速度が35〔cpm〕であるとすると、1日のジョブ数は32ジョブ、1日の印刷枚数は613枚となる。すると、613÷32= 約19枚が1ジョブ当たりの印刷枚数である。1ジョブ当たりの印刷枚数が固定であれば、図8の機種毎の印刷速度から1ジョブ毎の稼働時間cが算出される。したがって、この方法では稼働時間c(c2)は固定であって、機種毎に予め既知となり、機種情報DB48に予め記憶されている。また、1ジョブ(=15分)の中に稼働時間c(c2)が含まれるので図13(b)のテーブルを用いた場合、稼働時間c2は時間bと共に、時間b+時間c2=「オフ・スリープモードからの復帰時間+フアーストコピータイム」と定義される。
【0065】
c1)稼働時間c1について説明する。月間使用枚数が例えば「20000枚」の場合、1日間の使用枚数は次のようになる。TEC値では土日は休日として扱うので、月の稼働日は22日となる。したがって、1日間の使用枚数は約「910枚」である。
【0066】
1日間の使用枚数「910枚」を図13(b)のテーブルに照らし合わせると、1日のジョブ数は32ジョブである。したがって、910枚を32で割ることで(910÷32=約28枚)、1ジョブ当たりの印刷枚数が算出される。また、図8に示すように、印刷速度は機種毎に既知であるので、1ジョブ当たりの印刷枚数を印刷速度で割ることで、1ジョブ毎の印刷時間が算出される。
印刷時間 =1ジョブ当たりの印刷枚数 ÷ 印刷速度
また、1ジョブ(=15分)の中に図8のファーストコピータイムが含まれるので、稼働時間c1は、
稼働時間c1=印刷時間(1ジョブ当たりの印刷枚数 ÷ 印刷速度) + ファーストコピータイム…(2)
となる。
【0067】
・稼働時間c1の算出の別形態
TEC値の算出方法を利用すると、月間印刷枚数が所定数以上となると1日のジョブ数は32に固定されてしまう。しかしながら、実際には1枚だけ印刷するジョブが何回も(32回以上)実行されることもあるし、数10枚〜数100枚印刷するジョブが数回(例えば32回以下)実行されることもある。ジョブが立ち上がると最も消費電力の高い最大電力B(オフ・スリープモードからの復帰時間)が必要となることを考慮すると、実際のジョブの数は消費電力に与える影響が大きいと考えられる。
【0068】
そこで、(2)式の1ジョブ当たりの印刷枚数を算出するために、実際のジョブ数を用いることが好適となる。実際のジョブ数は、次のようにしてカウントされる。
i)LAN等のネットワークに接続されたPC(Personal Computer)から印刷を実行する場合は、1回の印刷が1ジョブとなるのでそれをカウントする。
ii)複合機に原稿を持ち込み複写する場合、例えば個人認証の回数、スタートボタンの押下数、等をカウントする。
【0069】
このi)とii)の合計が1台の複合機のジョブ数となる。例えば、1日間の使用枚数「910枚」の場合、これを実際のジョブ数で割ることで1ジョブ当たりの印刷枚数を算出することができ、(2)式から実際の使用環境に近い稼働時間c1を算出することができる。
図9は、1ジョブの消費電力の算出手順を示すフローチャート図である。図9のフローチャート図は、例えば、サーバ50がクライアント情報を受信するとスタートする。まず、消費電力算出部42は、クライアント情報に含まれる複合機の型番(機種コード)に基づき、機種情報DB48を参照し、印刷速度〔cpm)を読み出す(S110)。
【0070】
ついで、消費電力算出部42は、クライアント情報に含まれる月間印刷枚数をジョブ数(32)で割って、1ジョブの印刷枚数を算出する(S120)。
【0071】
ついで、消費電力算出部42は、1ジョブの印刷枚数を、ステップS110で読み出した印刷速度で割ってこれにファーストコピータイムを加えて、稼働時間c1を算出する(S130)。
【0072】
ついで、消費電力算出部42は、機種情報DB48からオフ・スリープモードからの復帰時間bを読み出す(S140)。
【0073】
ついで、消費電力算出部42は、b+c+「低電力モードからの復帰時間(秒)」と15分との関係等に基づき、d1〜d3から稼働準備時間dを決定する(S150)。
【0074】
ついで、消費電力算出部42は、オフ・スリープモード移行時間と低電力モード移行時間との関係等に基づき、e1〜e3から低電力モード時間eを決定する(S160)。
【0075】
ついで、消費電力算出部42は、15分とb+c+d+eの大小関係から、オフ・スリープモード時間aを決定する(S170)。
【0076】
ついで、消費電力算出部42は、最大電力B、稼働電力C、稼働準備電力D、低電力モード電力E、オフ・スリープモード電力Aを機種情報DB48から読み出す(S180)。
最後に、消費電力算出部42は、1ジョブの消費電力を算出する(S190)。
【0077】
<週間の消費電力>
1ジョブの消費電力が算出されたら、消費電力算出部42は週間の消費電力を算出する。算出式はTEC値を算出する場合と同様である。
消費電力W1=(1ジョブ目消費電力×2)+(2ジョブ目消費電力×30)+(非稼働時消費電力(オフ・スリープモード)×16時間
消費電力W2=非稼働時消費電力(スリープモード)×48時間
なお、ジョブ数をi)とii)から求めた場合、消費電力W1の「30」は「実際のジョブ数−2」となる。
【0078】
以上から、1週間の消費電力は次式で算出される。
【0079】
消費電力N_TEC=W1×5+W2 …(3)
消費電力W1及びW2のオフ・スリープモードの消費電力は、図1で入力された夜間のメイン電源がオフであればゼロとなる。
〔電力コスト、CO2、立ち木本数の算出〕
続いて、電力コスト等の算出について説明する。電力コストの算出には、複合機を使用する地域、電力料金の単価、が必要となる。CO2の算出には単位消費電力当たりに排出されるCO2の量を定めるCO2係数が必要となる。立ち木本数の算出には、単位CO2量当たりの立ち木本数を定める立ち木換算係数が必要となる。このため、消費電力シミュレーションシステム100には、地域、電力料金の単価、CO2係数及び立ち木換算係数が予め登録されているか、少なくとも、ユーザが登録できるようになっている。
【0080】
図10は、地域等を登録するための入力画面の一例を示す図である。ユーザは「Region」で国名を選択できる。国名を選択すると「Currency」にその国の通貨単位が表示される。また、「Electricity Cost」には電力料金の単価を入力する。日本の場合、一般的な電力料金の単価は「23円」である。また、「CO2 Coefficient」にはCO2係数〔kgCO2/kWh〕を入力する。一般的な値は「0.555」である。また、「Tree conversion factor」には立ち木換算係数を入力する。一般的な値は「3」である。また、「Default」を操作すると、その国毎に予め登録されているデフォルト値が設定される。
【0081】
電力コスト算出部43は、(3)式で算出した消費電力N_TECに、電力料金の単価をかけて、1週間の電力コストCostを算出する。
電力コストCost = 消費電力N_TEC × 電力料金の単価 …(4)
CO2算出部44は、(3)式で算出した消費電力N_TECに、CO2係数をかけて、1週間のCO2排出量DRを算出する。
CO2排出量DR = 消費電力N_TEC × CO2係数 …(5)
立ち木算出部45は、(5)式で算出したCO2排出量DRに、立ち木換算係数をかけて、1週間の立ち木本数Tを算出する。
立ち木本数T = CO2排出量DR × 立ち木換算係数 …(6)
したがって、消費電力N_TECから電力コストCost等が算出できる。図1に示したように削減効果は年単位で算出されるので、例えば(3)式に年数と1年当たりの週の数を乗じた値が最終的な、消費電力N_TECとなる。電力コストCost、CO2排出量DR及び立ち木本数Tについても同様である。また、月間の消費電力N_TEC等を算出してもよい。
【0082】
<用紙のCO2換算>
ところで、複合機による印刷時だけでなく、用紙の生産時にもCO2が排出されることが知られている。例えば、上質紙の場合、A4の用紙1枚につき1.6〜1.8gのCO2が排出される。
【0083】
したがって、消費電力N_TECだけでなく、使用する用紙に起因するCO2もCO2排出量DRに含めることで、より正確なCO2の排出量が算出できることになる。この場合、(5)式は次のように変形することができる。
CO2排出量DR = 消費電力N_TEC × CO2係数 + 月間印刷枚数×1.8g …(5')
図1に示したように現在の使用機種と購入検討機種とが同じであれば、用紙に起因するCO2排出量DRの削減効果はゼロとなる。しかしながら、実施例2において説明するように、両面印刷する場合、月間使用枚数に対する両面印刷の割合に応じて用紙が節約されるので、CO2排出量DRも減少することになる。このため、用紙の使用量に起因するCO2をCO2排出量DRに含めることで、実際に削減できるCO2の排出量を算出することができる。
【0084】
〔使用機種と購入検討機種の差分の算出〕
サーバ50は、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、消費電力N_TEC、電力コストCost、CO2排出量DR及び立ち木本数Tを、算出する。したがって、差分算出部46は、
「消費電力N_TEC(使用機種)−消費電力N_TEC(購入検討機種)」
「電力コストCost(使用機種)−電力コストCost(購入検討機種)」
「CO2排出量DR(使用機種)−CO2排出量DR(購入検討機種)」
「立ち木本数T(使用機種)−立ち木本数T(購入検討機種)」
をそれぞれ算出する。これらが、削減効果情報となる。
【0085】
削減効果情報送信部47は、削減効果情報からHTMLファイル等を生成し、クライアント端末20に送信する。また、削減効果情報送信部47は、削減効果情報に加え、現在の使用機種と購入検討機種それぞれの消費電力N_TEC等を送信する。上記のように、クライアント端末20の削減効果情報受信部33は削減効果情報を受信し、削減効果情報表示部34がそれをディスプレイ14に表示する。これにより、図1に示したようにユーザは使用機種を購入検討機種に買い換えた場合の削減効果を比較することができる。
【0086】
〔消費電力シミュレータの動作手順〕
図11は、消費電力シミュレータの動作手順を示すアクティビティ図の一例を示す。まず、クライアント端末20の側において、ユーザがクライアント端末20を操作してサーバ50に接続する(S10)。サーバ50に接続するとクライアント端末20のディスプレイ14には図1の入力画面が表示される。
【0087】
ついで、ユーザは、必要であれば、地域、電力料金の単価、CO2係数及び立ち木換算係数を入力する(S20)。これらの値は一度入力されるとクライアント端末20に記憶されるので、2回目以降は入力の必要がない。
【0088】
ついで、ユーザは、機種の型番、月間使用枚数、夜間のメイン電源のオン/オフ、オフ・スリープモードのオン/オフ、を現在の使用機種と購入検討機種のそれぞれについて入力する(S30)。また、ユーザは、削減効果を算出する年数を入力する(S40)。そして、ユーザが「Calculated」を操作すると、入力したクライアント情報がサーバ50へ送信される。
【0089】
サーバ50では、消費電力算出部42が、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、月間の使用枚数から稼働時間c(例えば稼働時間c1)を算出し、削減効果を算出する年数の消費電力N_TECを算出する(S50)。そして、消費電力N_TECを用いて、電力コスト算出部43が電力コストCostを算出し、CO2算出部44がCO2排出量DRを算出し、立ち木算出部45が立ち木本数Tを算出する(S60)。
【0090】
ついで、差分算出部46は、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、消費電力N_TEC等の差分を算出し、削減効果情報を生成する(S70)。サーバ50は削減効果情報及び消費電力N_TEC等をクライアント端末20に送信する。
【0091】
クライアント端末20が削減効果情報と消費電力N_TECを受信すると、削減効果情報表示部34はHTMLファイルを解釈してディスプレイ14に削減効果情報を表示する(S80)。また、レポート生成部35はレポートを生成する。
【0092】
以上説明したように、本実施形態の消費電力シミュレータシステム100は、ユーザの使用条件に基づく消費電力を、TEC値の考え方を拡張した算出方法で算出しているため、高い汎用性の下、購入検討の複合機による消費電力等の削減効果を提供することができる。ユーザが入力するのは4〜5つの項目だけなので、種々の購入対象の機種と容易に比較することができる。
【0093】
現実に、各国は京都議定書等のCO2削減目標を達成するため、各企業にもCO2削減の義務的な目標を達成するよう要求することが考えられるが、本実施形態の消費電力シミュレータシステム100により、複合機を買い換えた場合のCO2の削減量が予測できるので、企業としてのCO2削減計画の立案が容易になる。
【0094】
〔使用機種が複数台の場合〕
現在の使用機種が複数台の場合、ユーザは一般的には同じ台数の購入検討機種を入力すればよいが、現在の使用機種が比較的古い場合や台数が多い場合、購入検討機種の数を低減して導入コストを抑制したいユーザが存在する。
【0095】
このような場合、本実施形態の消費電力シミュレータシステム100は、複数の現在の使用機種の消費電力等を算出できるのはもちろんであるが、種々の購入検討機種を組み合わせた複数の購入検討機種と、削減効果を比較することができる。例えば、ユーザは、導入コストが同程度の購入検討機種の組み合わせのうち、削減効果の大きい組み合わせとなる購入検討機種を選択して購入することができる。また、例えば、希望するスループットが得られる購入検討機種の組み合わせのうち、最も削減効果の大きい購入検討機種の組み合わせを選択して購入することができるようになる。
【実施例2】
【0096】
本実施例では、実施例1の機能に加え両面印刷による削減効果を考慮した消費電力シミュレータシステム100について説明する。
【0097】
図12は、消費電力シミュレータシステム100が提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。なお、図12において図1と同一部分については説明を省略する。本実施例では、「両面印刷」の割合を入力する欄を有する点で図1と異なる。
【0098】
両面印刷を利用した場合、本来、印刷に2枚使用するはずの原稿を1枚の用紙の裏表に印刷できるので、使用枚数を節約することができる。例えば、現在の使用機種の両面使用率の割合が0%で、購入検討機種の両面使用率の割合が20%の場合、20%については半分の用紙しか使用しないので、「20000枚×0.2=4000」の半分の2000枚が節約枚数となる。したがって、用紙2000枚分のCO2の排出を削減することができ、用紙2000枚の導入コストを節約することができる。
【0099】
なお、稼働時間cについては、両面印刷のために用紙を反転するなどの工程が必要となるため若干、稼働時間cが長くなるが、全体の印刷工程の数は同じなので稼働時間cについては変更がないとしてよい。このため、消費電力N_TEC、及び、電力コストCostの算出手順については変更がない。
【0100】
これに対し、CO2排出量DR及び立ち木本数Tはより大きな削減効果が得られる。
<CO2排出用DRの算出>
CO2算出部44は、(3)式で算出した消費電力N_TECに、CO2係数をかけて、さらに、月間印刷枚数によるCO2の排出が加味された式(5')によりCO2排出量DRを算出する。
CO2排出量DR = 消費電力N_TEC × CO2係数 +月間印刷枚数×1.8g …(5')
本実施例では、現在の使用機種の月間使用枚数は「20000枚」だが、購入検討機種の月間使用枚数は「18000枚」となる。
<立ち木本数Tの算出>
立ち木算出部45は、(5')式で算出したCO2排出量DRに、立ち木換算係数をかけて、1週間の立ち木本数Tを算出する。
立ち木本数T = CO2排出量DR × 立ち木換算係数 …(6)
(6)式により算出される立ち木本数Tも、両面印刷によるCO2の排出の削減効果が考慮された値となる。
【0101】
<用紙の導入コストの算出>
月間使用枚数が減少すれば、用紙の導入コスト(購入コスト)を低減することができる。用紙の単価を1枚2円とすれば、月間印刷枚数に単価をかけた金額が用紙の導入コストPRCとなる。
用紙の導入コストPRC = 用紙の単価 × 月間印刷枚数 …(7)
〔使用機種と購入検討機種の差分の算出〕
差分の算出については、実施例1と同様に、使用機種と購入検討機種のそれぞれについて、消費電力N_TEC等を算出し、両者の差分を算出すればよい。また、用紙の導入コストPRCについても同様に算出される。
【0102】
差分算出部46は、「用紙の導入コスト(使用機種)−用紙の導入コスト(購入検討機種)」を算出する。本実施例では、これも削減効果情報に含まれる。節約枚数が2000枚の場合、2000枚×2円=4000円が一月の用紙の導入コストPRCの削減金額になるので、5年間では240000円削減できることになる。
【0103】
削減効果情報送信部47は、用紙の導入コストPRCを含む削減効果情報をクライアント端末20に送信する。これにより、図12に示したようにユーザは使用機種を購入検討機種に買い換えた場合の用紙の導入コストPRCを含めて削減効果を比較することができる。
【0104】
〔集約印刷について〕
両面印刷と同様の効果を奏する印刷態様として集約印刷がある。集約印刷とは、本来は複数枚の用紙に印刷する原稿を1枚の用紙に印刷することといい、例えば、2枚の原稿を1枚に(以下、2枚集約という)、4枚の原稿を1枚に(以下、4枚集約という)、小さく印刷する印刷態様である。したがって、片面印刷であっても、2枚集約の場合は両面印刷と同じ効果が得られ、4枚集約の場合は両面印刷の3倍の用紙を節約できる。
【0105】
それぞれの印刷態様により節約される節約枚数は次のようになる。
両面印刷、2枚集約(片面)… 1枚
2枚集約(両面)、4枚集約(片面) …3枚
4枚集約(両面)… 7枚
購入検討機種の2枚集約(両面)又は4枚集約(片面)の割合が20%の場合、月間印刷枚数のうち20%については1/4の用紙しか使用しないので、「20000枚×0.2=4000」の3/4の3000枚の用紙を節約することができる。同様に、購入検討機種の4枚集約(両面)の割合が20%の場合、20%については1/8の用紙しか使用しないので、「20000枚×0.2=4000」の7/8の3500枚の用紙を節約することができる。
【0106】
例えば図12の入力画面に、両面印刷、2枚集約(片面)、2枚集約(両面)、4枚集約(片面)、4枚集約(両面)の割合の入力欄を設け、それぞれにユーザが入力すればよいが、現実的にはこれらの割合をユーザが把握することは困難と言える。このような場合は、一般的なオフィスの割合を入力してもよいし、用紙の削減目標から適当な割合を設定したり、オフィスの社員から聞き取り調査した値の平均等から割合を設定する。
【0107】
したがって、本実施例の消費電力シミュレータシステム100は、両面印刷や集約印刷の割合から、月間印刷枚数を削減した場合のCO2の排出が加味されたCO2排出量DRを算出できる。また、両面印刷や集約印刷により削減可能な用紙の導入コストを算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】消費電力シミュレータシステムが提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。
【図2】消費電力シミュレーションシステムの典型的な使用方法の手順を示すフローチャート図の一例である。
【図3】消費電力シミュレーションシステムの概略構成図の一例である。
【図4】サーバのハードウェア構成図の一例である。
【図5】消費電力シミュレーションシステムの機能ブロック図の一例である。
【図6】削減効果を記載したレポートの一例を示す図である。
【図7】1ジョブ当たりの消費電力の算出を模式的に説明する図である。
【図8】機種情報DBに記憶された機種情報の一例を示す図である。
【図9】1ジョブの消費電力の算出手順を示すフローチャート図である。
【図10】地域等を登録するための入力画面の一例を示す図である。
【図11】消費電力シミュレータの動作手順を示すアクティビティ図の一例である。
【図12】消費電力シミュレータシステムが提供する入力画面及びシミュレーション結果の一例を示す図である。
【図13】国際エネルギースタープログラムが複合機又はプリンタについて定める消費電力の算出方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0109】
20 クライアント端末
42 消費電力算出部
43 電力コスト算出部
44 CO2算出部
45 立ち木算出部
46 差分算出部
48 機種情報DB
50 サーバ
100 省電力シミュレーションシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバであって、
クライアント端末から、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、前記画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段と、
予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、前記機種情報記憶手段から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出する差分算出手段と、
を有することを特徴とする消費電力算出サーバ。
【請求項2】
予め登録された単位消費電力当たりのCO2排出係数を、前記消費電力算出手段が算出した前記消費電力に乗じて、CO2排出量を算出するCO2算出手段を有し、
前記CO2算出手段は、予め定められた1枚当たりの用紙生産時の生産時CO2排出量を示すCO2係数を、前記印刷枚数に乗じて用紙に含まれる用紙内包CO2を算出し、
前記用紙内包CO2が加算された前記CO2排出量を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の消費電力算出サーバ。
【請求項3】
前記情報受信手段が、前記印刷枚数における両面印刷又は集約印刷の割合を示す割合情報を受信した場合、
前記CO2算出手段は、両面印刷又は集約印刷により節約される用紙の節約枚数を算出し、前記節約枚数を前記印刷枚数から除いて算出された前記用紙内包CO2を用いて、前記CO2排出量を算出し、
前記差分算出手段は、所定期間の、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれのCO2排出量の差を算出する、
ことを特徴とする請求項2記載の消費電力算出サーバ。
【請求項4】
前記消費電力に、予め登録された電力料金の単価を乗じて、電力コストを算出する電力コスト算出手段を有し、
前記差分算出手段は、所定期間の、使用している前記画像形成装置と購入を検討している前記画像形成装置の前記電力コスト消費電力の差を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の消費電力算出サーバ。
【請求項5】
前記CO2排出量に、予め登録された、CO2を立ち木本数に換算する立ち木換算係数を乗じて、立ち木本数を算出する立ち木算出手段を有し、
前記差分算出手段は、所定期間の、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記立ち木本数の差を算出する、
ことを特徴とする請求項3記載の消費電力算出サーバ。
【請求項6】
第1及び第2の前記画像形成装置の少なくとも一方は複数である、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の消費電力算出サーバ。
【請求項7】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバと、クライアント端末とを有する消費電力シミュレータシステムにおいて、
クライアント端末は、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を送信する情報送信手段、を有し、
前記消費電力算出サーバは、使用している前記画像形成装置と購入を検討している前記画像形成装置の識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段と、
予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、前記機種情報記憶手段から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出する差分算出手段と、
前記消費電力の差を前記クライアント端末に送信する削減効果情報送信手段と、を有する、ことを特徴とする消費電力シミュレータシステム。
【請求項8】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出方法であって、
情報受信手段が、クライアント端末から、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信するステップと、
消費電力算出手段が、予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から印刷時間を算出し、予め定められた一印刷ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段、から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出するステップと、
差分算出手段が、前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出するステップと、を有することを特徴とする消費電力算出方法。
【請求項9】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を、コンピュータに算出させるプログラムであって、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段を有するコンピュータを、
クライアント端末から、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、
予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、前記機種情報記憶手段から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出する差分算出手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバであって、
クライアント端末から、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、前記画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段と、
予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、前記機種情報記憶手段から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出する差分算出手段と、
を有することを特徴とする消費電力算出サーバ。
【請求項2】
予め登録された単位消費電力当たりのCO2排出係数を、前記消費電力算出手段が算出した前記消費電力に乗じて、CO2排出量を算出するCO2算出手段を有し、
前記CO2算出手段は、予め定められた1枚当たりの用紙生産時の生産時CO2排出量を示すCO2係数を、前記印刷枚数に乗じて用紙に含まれる用紙内包CO2を算出し、
前記用紙内包CO2が加算された前記CO2排出量を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の消費電力算出サーバ。
【請求項3】
前記情報受信手段が、前記印刷枚数における両面印刷又は集約印刷の割合を示す割合情報を受信した場合、
前記CO2算出手段は、両面印刷又は集約印刷により節約される用紙の節約枚数を算出し、前記節約枚数を前記印刷枚数から除いて算出された前記用紙内包CO2を用いて、前記CO2排出量を算出し、
前記差分算出手段は、所定期間の、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれのCO2排出量の差を算出する、
ことを特徴とする請求項2記載の消費電力算出サーバ。
【請求項4】
前記消費電力に、予め登録された電力料金の単価を乗じて、電力コストを算出する電力コスト算出手段を有し、
前記差分算出手段は、所定期間の、使用している前記画像形成装置と購入を検討している前記画像形成装置の前記電力コスト消費電力の差を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の消費電力算出サーバ。
【請求項5】
前記CO2排出量に、予め登録された、CO2を立ち木本数に換算する立ち木換算係数を乗じて、立ち木本数を算出する立ち木算出手段を有し、
前記差分算出手段は、所定期間の、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記立ち木本数の差を算出する、
ことを特徴とする請求項3記載の消費電力算出サーバ。
【請求項6】
第1及び第2の前記画像形成装置の少なくとも一方は複数である、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の消費電力算出サーバ。
【請求項7】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出サーバと、クライアント端末とを有する消費電力シミュレータシステムにおいて、
クライアント端末は、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を送信する情報送信手段、を有し、
前記消費電力算出サーバは、使用している前記画像形成装置と購入を検討している前記画像形成装置の識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段と、
予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、前記機種情報記憶手段から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出する差分算出手段と、
前記消費電力の差を前記クライアント端末に送信する削減効果情報送信手段と、を有する、ことを特徴とする消費電力シミュレータシステム。
【請求項8】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を算出する消費電力算出方法であって、
情報受信手段が、クライアント端末から、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信するステップと、
消費電力算出手段が、予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から印刷時間を算出し、予め定められた一印刷ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段、から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出するステップと、
差分算出手段が、前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出するステップと、を有することを特徴とする消費電力算出方法。
【請求項9】
待機状態からの復帰時に最大電力を消費し、印刷ジョブが終了すると段階的に電力値が下がる画像形成装置の消費電力を、コンピュータに算出させるプログラムであって、
前記最大電力の電力値、各段階の電力値、各段階の保持時間、及び、印刷速度を、画像形成装置の識別情報に対応づけて記憶した機種情報記憶手段を有するコンピュータを、
クライアント端末から、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの識別情報及び単位期間の印刷枚数を受信する情報受信手段と、
予め定められた1日当たりの印刷ジョブ数と前記印刷枚数から、一印刷ジョブの平均的なジョブ当たり印刷枚数を算出し、該ジョブ当たり印刷枚数及び前記印刷速度から、印刷時間を算出し、予め定められた1ジョブ当たりのジョブ時間と前記印刷時間に基づき、前記機種情報記憶手段から読み出す前記保持時間及び各段階の前記電力値を決定して、該保持時間と各段階の前記電力値から、一印刷ジョブのジョブ消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記消費電力算出手段が算出した、第1及び第2の前記画像形成装置それぞれの前記ジョブ消費電力に基づき、所定期間の前記消費電力の差を算出する差分算出手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−276840(P2009−276840A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124934(P2008−124934)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]