消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法
【課題】ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もること。
【解決手段】消費電流算出装置100は、対象回路へ入力されるデジタル信号の値113と、デジタル信号とともに対象回路へ入力されるアナログ信号の値112と、を取得する。消費電流算出装置100は、デジタル信号の値113およびアナログ信号の代表値の組み合わせごとに組み合わせが入力された場合の対象回路の消費電流を示す消費電流テーブル114から、デジタル信号の値113が対象回路へ入力された場合のアナログ信号の各代表値と消費電流との対応情報115を抽出する。消費電流算出装置100は、抽出した対応情報115に基づいて、アナログ信号の各代表値の間の値に対応する対象回路の消費電流を補間する補間関数116を生成し、生成した補間関数116に基づいて、アナログ信号の値112に対応する対象回路の消費電流117を算出する。
【解決手段】消費電流算出装置100は、対象回路へ入力されるデジタル信号の値113と、デジタル信号とともに対象回路へ入力されるアナログ信号の値112と、を取得する。消費電流算出装置100は、デジタル信号の値113およびアナログ信号の代表値の組み合わせごとに組み合わせが入力された場合の対象回路の消費電流を示す消費電流テーブル114から、デジタル信号の値113が対象回路へ入力された場合のアナログ信号の各代表値と消費電流との対応情報115を抽出する。消費電流算出装置100は、抽出した対応情報115に基づいて、アナログ信号の各代表値の間の値に対応する対象回路の消費電流を補間する補間関数116を生成し、生成した補間関数116に基づいて、アナログ信号の値112に対応する対象回路の消費電流117を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電流を算出する消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)の消費電流を見積もるシミュレータが用いられている。たとえば、デジタル信号が入力される論理回路のシミュレータにおいて、デジタルの入力信号の組み合わせに対応した消費電力をセルごとに定義しておき、信号変化情報に基づいて消費電力を計算するシミュレータが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。また、近年、デジタル信号およびアナログ信号が混在したミックスドシグナル回路が増えてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−128192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のシミュレータでは、アナログの入力信号に対応した消費電流の定義がないため、ミックスドシグナル回路の消費電流を算出することができない。また、ミックスドシグナル回路の消費電流をSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)などのアナログ回路シミュレータによって算出することも考えられるが、ミックスドシグナル回路のデジタル回路の部分もアナログ回路として検証することになるため、消費電流の見積もりに時間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、前記アナログ信号の各代表値に対応する前記対象回路の消費電流を前記デジタル信号の値ごとに示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値に対応する前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、算出した消費電流を出力する消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法が提案される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面によれば、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【図2】図2は、消費電流算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1にかかる対象回路の一例を示す図である。
【図5】図5は、消費電流テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、アナログ信号の値と消費電流との関係の一例を示す図である。
【図7】図7は、補間関数の生成の一例を示す図である。
【図8】図8は、補間関数の生成の他の例を示す図である。
【図9】図9は、テストパターンの一例を示す図である。
【図10】図10は、対象回路の回路構成の一例を示す図である。
【図11】図11は、図10に示した回路構成における代表点および補間の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態2にかかる対象回路の一例を示す図である。
【図13】図13は、実施の形態2にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【図14】図14は、実施の形態3にかかる対象回路の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【図16】図16は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。
【図17】図17は、実施の形態4にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
(消費電流算出装置)
図1は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。実施の形態1にかかる消費電流算出装置100は、デジタル信号とともに(同時に)アナログ信号が入力されるミックスドシグナル回路(たとえばLSI)を対象回路として、デジタル信号とアナログ信号の各入力値に対する対象回路の消費電流を算出する。
【0011】
消費電流算出装置100には、デジタル信号とアナログ信号の各入力値を含むテストパターン111が入力される。まず、消費電流算出装置100は、入力されたテストパターン111をアナログ信号の値112とデジタル信号の値113に分離する(ステップS101)。一例として、ステップS101において分離されたアナログ信号の値112を「x」とし、分離されたデジタル信号の値113を「d1」とする。
【0012】
つぎに、消費電流算出装置100は、消費電流テーブル114を参照する。消費電流テーブル114は、デジタル信号の値113およびアナログ信号の各代表値(代表点)の組み合わせごとに、デジタル信号の値113およびアナログ信号の各代表値の組み合わせが入力された場合の対象回路の消費電流を示す消費電流情報である。
【0013】
アナログ信号の各代表値は、たとえば、アナログ信号がとりうる連続値の中から任意に選択された離散値である。消費電流テーブル114の各消費電流は、たとえばあらかじめ実験やシミュレーションなどによって求めることができる。消費電流テーブル114は、消費電流算出装置100のメモリに記憶されていてもよいし、消費電流算出装置100の外部から取得した情報であってもよい。
【0014】
消費電流テーブル114aは消費電流テーブル114の具体例である。消費電流テーブル114aは、デジタル信号の値113としての「d1」〜「d3」にそれぞれ対応する対応情報101〜103を含んでいる。対応情報101〜103のそれぞれは、アナログ信号の代表値「x0」〜「x2」にそれぞれ対応する対象回路の消費電流を示している。
【0015】
対応情報101〜103のy11〜y13,y21〜y23,y31〜y33は、あらかじめ実験やシミュレーションなどによって求められた対象回路の消費電流を示している。ここでは対応情報101〜103のそれぞれが代表値「x0」〜「x2」に対応する消費電流を示す例について説明したが、対応情報101〜103はそれぞれ異なるアナログ信号の代表値に対応する消費電流を示していてもよい。
【0016】
つぎに、消費電流算出装置100は、消費電流テーブル114から、ステップS101によって分離したデジタル信号の値113に対応する対応情報115を抽出する(ステップS102)。たとえばデジタル信号の値113が「d1」である場合は、消費電流テーブル114から対応情報101が対応情報115として抽出される。これにより、デジタル信号の値113が対象回路へ入力された場合のアナログ信号の各代表値と消費電流との対応情報115を抽出することができる。
【0017】
なお、対象回路へ入力されるデジタル信号が1系統である場合について説明したが、対象回路へ入力されるデジタル信号は複数系統あってもよい。この場合は、消費電流テーブル114は、アナログ信号の代表値と消費電流との対応情報を、複数系統のデジタル信号の値の組み合わせごとに含む情報とする(たとえば図5参照)。
【0018】
また、対象回路へ入力されるアナログ信号が1系統である場合について説明したが、対象回路へ入力されるアナログ信号は複数系統あってもよい。この場合は、消費電流テーブル114は、デジタル信号と消費電流との対応情報を、複数系統のアナログ信号の代表値の組み合わせごとに含む情報とする。また、デジタル信号およびアナログ信号のそれぞれが複数系統あってもよい。この場合は、消費電流テーブル114は、各デジタル信号の値と各アナログ信号の代表値との組み合わせごとに消費電流を示す情報とする。
【0019】
つぎに、消費電流算出装置100は、ステップS102によって抽出した対応情報115に基づいて、アナログ信号の各代表値の間の値に対応する対象回路の消費電流を補間する補間関数116を生成する(ステップS103)。
【0020】
つぎに、消費電流算出装置100は、ステップS103によって生成した補間関数116に基づいて、ステップS101によって分離したアナログ信号の値112に対応する対象回路の消費電流117を算出する(ステップS104)。そして、消費電流算出装置100は、ステップS104によって算出した消費電流117を出力する。これにより、対象回路に対してアナログ信号の値112およびデジタル信号の値113が入力された場合の消費電流を見積もることができる。
【0021】
また、消費電流算出装置100は、ステップS102において、デジタル信号の値113に対応する対応情報のうちの、アナログ信号の値112の前後の各代表値と消費電流との対応情報を対応情報115として抽出してもよい。たとえば、デジタル信号の値113が「d1」であり、アナログ信号の値112が代表値「x0」と「x1」との間の値である場合は、消費電流算出装置100は、対応情報101のうちの代表値「x0」,「x1」と消費電流「y0」,「y1」とを抽出する。この場合は、消費電流算出装置100は、代表値「x2」と消費電流「y2」については抽出しなくてもよい。
【0022】
そして、消費電流算出装置100は、抽出した代表値「x0」,「x1」と消費電流「y0」,「y1」との対応情報115に基づいて補間関数116を算出する。たとえば、消費電流算出装置100は、代表値「x0」,「x1」と消費電流「y0」,「y1」との対応情報115に基づいてアナログ信号の値112から対象回路の消費電流を求める関数(f(x))を補間関数116として生成する(たとえば図7参照)。
【0023】
このように、消費電流算出装置100は、デジタル信号の入力値からのテーブル参照によりアナログ信号の各代表値−消費電流の対応情報を取得し、取得した対応情報からの補間により消費電流を算出する。これにより、たとえばアナログ回路シミュレータを用いる場合に比べて、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる。
【0024】
(消費電流算出装置のハードウェア構成)
図2は、消費電流算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、消費電流算出装置100は、CPU201と、メインメモリ202と、補助メモリ203と、ユーザインタフェース204と、通信インタフェース205と、を備えている(以下の各実施の形態においても同様)。CPU201、メインメモリ202、補助メモリ203、ユーザインタフェース204および通信インタフェース205は、バス210によって接続されている。
【0025】
CPU201(Central Processing Unit)は、消費電流算出装置100の全体の制御を司る。メインメモリ202は、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリ202は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0026】
補助メモリ203は、たとえば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリ203には、消費電流算出装置100を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリ203に記憶されたプログラムは、メインメモリ202にロードされてCPU201によって実行される。
【0027】
ユーザインタフェース204は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース204は、CPU201によって制御される。
【0028】
通信インタフェース205は、たとえば、無線によって消費電流算出装置100の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース205は、CPU201によって制御される。
【0029】
(実施の形態1にかかる消費電流算出装置の構成)
図3は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。図3に示すように、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100は、取得部310と、抽出部320と、生成部330と、算出部340と、出力部350と、を備えている。取得部310および出力部350は、たとえば、図2に示した補助メモリ203、ユーザインタフェース204、通信インタフェース205などによって実現することができる。抽出部320、生成部330および算出部340は、たとえば図2に示したCPU201などによって実現することができる。
【0030】
取得部310は、対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、デジタル信号とともに対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得する。取得部310は、取得したデジタル信号の値を抽出部320へ出力する。また、取得部310は、取得したアナログ信号の値を算出部340へ出力する。また、取得部310は、取得したアナログ信号の値を抽出部320へも出力してもよい。
【0031】
抽出部320には、取得部310から出力されたデジタル信号の値と、消費電流情報と、が入力される。消費電流情報は、たとえば図1に示した消費電流テーブル114である。消費電流情報は、消費電流算出装置100のメモリに記憶された情報であってもよいし、消費電流算出装置100の外部から取得する情報であってもよい。抽出部320は、消費電流情報から、デジタル信号の値に対応する対応情報を抽出する。対応情報は、アナログ信号の各代表値と消費電流との対応情報である。
【0032】
また、抽出部320は、デジタル信号の値に対応する対応情報のうちの、取得部310から出力されたアナログ信号の値の前後の各代表値と消費電流との対応情報を抽出してもよい。抽出部320は、抽出した対応情報を生成部330へ出力する。
【0033】
生成部330は、抽出部320から出力された対応情報に基づいて、アナログ信号の各代表値の間の値に対応する対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成する。生成部330は、生成した補間関数を算出部340へ出力する。
【0034】
算出部340は、生成部330から出力された補間関数に基づいて、取得部310から出力されたアナログ信号の入力値に対応する対象回路の消費電流を算出する。算出部340は、算出した消費電流を出力部350へ出力する。出力部350は、算出部340から出力された消費電流を出力する。
【0035】
(実施の形態1にかかる対象回路)
図4は、実施の形態1にかかる対象回路の一例を示す図である。図4に示す対象回路400は、消費電流算出装置100による消費電流算出の対象回路を示している。対象回路400は、たとえばVerilogなどのHDL(Hardware Description Language:ハードウェア記述言語)によって定義されている。ここでは、対象回路400は、3つのデジタル信号D1〜D3と1つのアナログ信号Aとが入力される回路を示しているとする。
【0036】
(消費電流テーブル)
図5は、消費電流テーブルの一例を示す図である。図5に示す消費電流テーブル114は、図4に示した対象回路400に対応する消費電流テーブル114の一例である。消費電流テーブル114の「L」および「H」は、図4に示したデジタル信号D1〜D3の値(ローおよびハイ)を示している。
【0037】
消費電流テーブル114は、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせごとに、アナログ信号Aの代表値x0〜xnと消費電流y0〜ynとの対応情報を含む。ここでは、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせは23=8通りであるため、消費電流テーブル114は8つの対応情報501〜508を含む。
【0038】
(アナログ信号の値と消費電流との関係)
図6は、アナログ信号の値と消費電流との関係の一例を示す図である。図6に示すグラフ601〜608は、それぞれ図5に示した対応情報501〜508に対応するアナログ信号Aの値と消費電流との関係である。すなわち、グラフ601〜608は、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせごとのアナログ信号Aと消費電流との関係を示している。グラフ601〜608において、横軸はアナログ信号Aの値を示し、縦軸は対象回路の消費電流を示している。
【0039】
たとえばグラフ601は、デジタル信号D1〜D3の各値がすべて「H」である場合のアナログ信号Aと消費電流との関係を示している。グラフ601に示すアナログ信号Aと消費電流との関係のうちの代表値「x0」〜「xn」と消費電流「y0」〜「yn」との対応情報が消費電流テーブル114に格納される。
【0040】
(補間関数の生成)
図7は、補間関数の生成の一例を示す図である。図7において、図6−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、取得部310によって取得されたデジタル信号D1〜D3の各値がすべて「H」であったとする。この場合は、アナログ信号Aと消費電流との関係は、図7に示すグラフ700のようになる(図6に示したグラフ601と同様)。
【0041】
そして、抽出部320により、グラフ700に示す代表値「x0」〜「xn」と消費電流「y0」〜「yn」との対応情報が抽出される。また、取得部310によって取得されたアナログ信号Aの値「x」は、代表値「x0」と「x1」の間の値であったとする。
【0042】
この場合は、生成部330は、たとえば、アナログ信号Aの値「x」の前後の代表値「x0」,「x1」を取得し、取得した代表値「x0」,「x1」に対応する消費電流「y0」,「y1」を対応情報から取得する。そして、生成部330は、取得した代表値「x0」,「x1」および消費電流「y0」,「y1」に基づいて、たとえば下記(1)式によって補間関数を生成する。
【0043】
【数1】
【0044】
これにより、一次の線形補間によってアナログ信号Aの値「x」から対象回路400の消費電流yを求める補間関数を生成することができる。
【0045】
図8は、補間関数の生成の他の例を示す図である。図8において、図7に示した部分と同様の部分については説明を省略する。生成部330は、アナログ信号Aの代表値「x0」,「x1」に加えて、代表値「x1」の次の代表値「x2」も取得してもよい。この場合は、生成部330は、取得した代表値「x0」〜「x2」に対応する消費電流「y0」〜「y2」を対応情報から取得する。そして、生成部330は、取得した代表値「x0」〜「x2」および消費電流「y0」〜「y2」に基づいて、たとえば下記(2)式によって補間関数を生成する。
【0046】
【数2】
【0047】
これにより、二次の線形補間によってアナログ信号Aの値「x」から対象回路400の消費電流yを求める補間関数を生成することができる。なお、生成部330による補間関数の生成には、図7,図8に示した方法に限らず種々の方法を用いることができる。
【0048】
(テストパターン)
図9は、テストパターンの一例を示す図である。図9において、横軸は時間を示す。図1に示したテストパターン111として、図9に示すように、たとえばデジタル信号D1〜D3およびアナログ信号Aの時系列的な変化情報が入力されてもよい。区間T1〜T5は、デジタル信号D1〜D3の少なくともいずれかが変化する時点を区切りとする区間である。抽出部320は、たとえば、テストパターン111の区間T1〜T5ごとに対応情報を抽出する。
【0049】
生成部330は、テストパターン111の区間T1〜T5ごとに補間関数を生成する。なお、テストパターン111の区間T3と区間T5は、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせが同一であるため、同一の補間関数F3が生成される。ただし、アナログ信号Aの値によっては区間T3と区間T5において生成される補間関数が異なる場合もある。算出部340は、区間T1〜T5ごとに消費電流を算出する。
【0050】
(対象回路の回路構成)
図10は、対象回路の回路構成の一例を示す図である。図10に示す回路1000は、消費電流算出装置100による消費電流算出の対象回路の回路構成である。回路1000は、2つのデジタル信号D1,D2と1つのアナログ信号Iinとが入力される回路である。回路1000は、トランジスタ1011〜1015および抵抗1020を備えるソース接地増幅回路である。トランジスタ1011〜1015のそれぞれはたとえば電界効果トランジスタである。
【0051】
トランジスタ1011は、ゲートおよびドレインにアナログ信号Iinが入力され、ソースが接地(GND)されている。トランジスタ1012は、ゲートにアナログ信号Iinが入力され、ソースが接地され、ドレインがトランジスタ1014のソースに接続されている。トランジスタ1013は、ゲートにアナログ信号Iinが入力され、ソースが接地され、ドレインがトランジスタ1015のソースに接続されている。
【0052】
トランジスタ1014は、ゲートにデジタル信号D1が入力され、ソースがトランジスタ1012のドレインに接続され、ドレインが抵抗1020に接続されている。トランジスタ1015は、ゲートにデジタル信号D2が入力され、ソースがトランジスタ1013のドレインに接続され、ドレインが抵抗1020に接続されている。
【0053】
抵抗1020は、一端が電源(VDD)に接続され、他端がトランジスタ1014,1015の各ドレインに接続されている。回路1000の出力信号Voutは、抵抗1020と、トランジスタ1014,1015の各ドレインと、の間から出力される。
【0054】
図11は、図10に示した回路構成における代表点および補間の一例を示す図である。図11において、横軸は図10に示した回路1000へ入力されるアナログ信号Iinの値を示し、縦軸は回路1000の消費電流[A]を示している。消費電流特性1101は、回路1000において、テストパターン111としてアナログ信号Iinをスイープした場合の消費電流を回路シミュレーションによって算出した結果を示している。
【0055】
補間関数1102は、消費電流特性1101をサンプリング抽出して作成した線形補間関数である。図11の消費電流特性1101および補間関数1102に示すように、アナログ信号Iinの変化に対する回路1000の消費電流は、アナログ信号Iinの代表値と消費電流との対応情報に基づく補間により精度よく算出することができる。
【0056】
このように、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100によれば、デジタル信号の入力値からのテーブル参照によりアナログ信号の各代表値−消費電流の対応情報を取得し、取得した対応情報からの補間により消費電流を算出することができる。これにより、たとえばアナログ回路シミュレータを用いる場合に比べて、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる。
【0057】
(実施の形態2)
(実施の形態2にかかる対象回路)
図12は、実施の形態2にかかる対象回路の一例を示す図である。図12に示す対象回路1200は、実施の形態2にかかる消費電流算出装置100による消費電流算出の対象回路を示している。図12に示すように、対象回路1200は、論理的に複数のブロック1211〜1213(セル)に分割されていてもよい。
【0058】
ブロック1211は、3つのデジタル信号D1〜D3と1つのアナログ信号A1とが入力される回路を示している。ブロック1212は、2つのデジタル信号D4,D5と1つのアナログ信号A2とが入力される回路を示している。ブロック1213は、3つのデジタル信号D6〜D8と1つのアナログ信号A3とが入力される回路を示している。ブロック1211〜1213は互いに接続されていてもよい。
【0059】
(実施の形態2にかかる消費電流算出装置)
図13は、実施の形態2にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。図13において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2にかかるテストパターン111には、たとえば図12に示した対象回路1200のブロック1211〜1213に対するデジタル信号D1〜D8およびアナログ信号A1〜A3の各値が含まれている。また、消費電流テーブル114は、ブロック1211〜1213のそれぞれについて定義されている。
【0060】
ステップS101において、取得部310は、入力されたテストパターン111を、ブロックごとにアナログ信号の値112とデジタル信号の値113に分離する。ステップS102において、抽出部320は、ブロックごとに対応情報115を抽出する。ステップS103において、生成部330は、ブロックごとに補間関数116を生成する。
【0061】
ステップS104において、算出部340は、ブロックごとに消費電流117を算出する。ステップS104のつぎに、算出部340は、ステップS104によってブロックごとに算出した消費電流117の合計1311を算出する(ステップS1301)。そして、出力部350は、ステップS1301によって算出した消費電流117の合計1311を出力する。これにより、複数のブロック1211〜1213の全体の消費電流を見積もることができる。
【0062】
このように、実施の形態2にかかる消費電流算出装置100によれば、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100と同様の効果を得ることができるとともに、複数のブロックに分割された対象回路の全体の消費電流を見積もることができる。
【0063】
(実施の形態3)
(実施の形態3にかかる対象回路)
図14は、実施の形態3にかかる対象回路の一例を示す図である。図14において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図14に示すように、対象回路1200は、2つの(複数の)電源VDD1,VDD2を備える多電源回路である。電源VDD1はブロック1211,1212に接続されている。電源VDD2はブロック1212,1213に接続されている。
【0064】
(実施の形態3にかかる消費電流算出装置)
図15は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。図15において、図13に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ただし、図15においては図13に示したステップS102,S103をまとめて図示している。図15に示すように、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100にはテストパターン111および電源情報1511が入力される。電源情報1511は、図14に示した電源VDD1,VDD2のうちの所定の電源を示す情報である。たとえば、電源情報1511は電源VDD1を示しているとする。
【0065】
また、消費電流算出装置100は、機能モデル1512を参照する。機能モデル1512は、対象回路1200の回路構成をHDLなどによって定義した回路情報(たとえば電源ネット)である。機能モデル1512はブロック1211〜1213ごとに定義されている。消費電流算出装置100は、機能モデル1512を探索することにより、ブロック1211〜1213のうちの電源情報1511が示す電源に接続されたブロックを特定する(ステップS1501)。
【0066】
電源情報1511が電源VDD1を示している場合は、ステップS1501においてブロック1211,1212が特定される。ブロック情報1513は、ステップS1501において特定された所定のブロックを示す情報である。
【0067】
つぎに、消費電流算出装置100は、ブロック情報1513が示す所定のブロックに対応するテストパターンをテストパターン111から抽出する(ステップS1502)。そして、消費電流算出装置100は、ステップS101へ移行する。
【0068】
ステップS101において、取得部310は、入力されたテストパターン111を、所定のブロックごとにアナログ信号の値112とデジタル信号の値113に分離する。ステップS102において、抽出部320は、消費電流テーブル114のうちのブロック情報1513が示す所定のブロックに対応する消費電流テーブルを参照し、所定のブロックごとに対応情報115を抽出する。ステップS103において、生成部330は、所定のブロックごとに補間関数116を生成する。
【0069】
ステップS104において、算出部340は、所定のブロックごとに消費電流117を算出する。これにより、ブロック1211〜1213のうちの電源情報1511が示す所定の電源に接続されたブロックのみの全体の消費電流を見積もることができる。たとえば、電源情報1511が電源VDD1を示している場合は、電源VDD1に接続されたブロック1211,1212の全体の消費電流を見積もることができる。
【0070】
(実施の形態3にかかる消費電流算出装置の構成)
図16は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。図16において、図3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図16に示すように、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100は、図3に示した構成に加えてブロック抽出部1610を備えている。ブロック抽出部1610には、図15に示した電源情報1511と、機能モデル1512と、が入力される。
【0071】
ブロック抽出部1610は、機能モデル1512に基づいて、機能モデル1512が示す各ブロックのうちの電源情報1511が示す電源に接続されたブロックを特定する。ブロック抽出部1610は、特定した所定のブロックを示すブロック情報を取得部310および抽出部320へ出力する。
【0072】
取得部310は、入力されたデジタル信号およびアナログ信号の各値のうちのブロック抽出部1610から出力されたブロック情報が示すブロックに対応する各値を取得する。抽出部320は、消費電流情報のうちの、ブロック抽出部1610から出力されたブロック情報が示すブロックに対応する消費電流情報を参照し、ブロック情報が示すブロックごとに対応情報115を抽出する。
【0073】
これにより、生成部330は、ブロック情報が示すブロックごとに補間関数を生成することになる。また、算出部340は、ブロック情報が示す各ブロックの消費電流の合計を算出することになる。これにより、ブロック情報が示す各ブロックの消費電流の合計を見積もることができる。
【0074】
このように、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100によれば、実施の形態2にかかる消費電流算出装置100と同様の効果を得ることができるとともに、一部の電源に関する消費電流のみを見積もることができる。これにより、計算量およびメモリ使用量を削減することができる。
【0075】
(実施の形態4)
(実施の形態4にかかる消費電流算出装置)
図17は、実施の形態4にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。図17において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態4にかかる消費電流算出装置100は、機能モデル1711を参照する。機能モデル1711は、対象回路の回路構成を示す回路情報である。機能モデル1711はたとえばHDLによって定義されている。
【0076】
消費電流算出装置100は、機能モデル1711とテストパターン111に基づいて、テストパターン111を入力した場合の対象回路の動作を検証する機能モデルシミュレーションを行う(ステップS1701)。ステップS1701による機能モデルシミュレーションは、たとえば消費電流算出装置100に設けられたシミュレータによって行う。
【0077】
出力部350は、ステップS104によって算出された消費電流117とともに、ステップS1701の機能モデルシミュレーションによって得られた出力データ1712(シミュレーション結果)を出力する。これにより、対象回路の消費電流とともに対象回路の動作を検証することができる。
【0078】
このように、実施の形態4にかかる消費電流算出装置100によれば、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100と同様の効果を得ることができるとともに、対象回路の動作を検証することができる。実施の形態1にかかる消費電流算出装置100において機能モデルシミュレーションを行う構成について説明したが、実施の形態2または3にかかる消費電流算出装置100において機能モデルシミュレーションを行う構成としてもよい。
【0079】
たとえば、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100において機能モデルシミュレーションを行う場合は機能モデル1711のうちのブロック情報1513が示すブロックに対応する機能モデルのみについて機能モデルシミュレーションを行ってもよい。これにより、所定の電源に接続されブロックの機能を検出することができる。これにより、計算量およびメモリ使用量を削減することができる。
【0080】
以上説明したように、消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法によれば、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる。
【0081】
なお、各実施の形態で説明した消費電流算出方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0082】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0083】
(付記1)対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得する取得部と、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、前記取得部によって取得された前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された補間関数に基づいて、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された消費電流を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする消費電流算出装置。
【0084】
(付記2)前記抽出部は、前記対応情報のうちの、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値の前後の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記前後の各代表値と前記消費電流との対応情報に基づいて前記補間関数を生成することを特徴とする付記1に記載の消費電流算出装置。
【0085】
(付記3)前記対象回路は、論理的に複数のブロックに分割されており、
前記取得部は、前記ブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記ブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記ブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記複数のブロックの消費電流の合計を算出し、
前記出力部は、前記算出部によって算出された消費電流の合計を出力することを特徴とする付記1または2に記載の消費電流算出装置。
【0086】
(付記4)前記複数のブロックの中から、前記対象回路に含まれる複数の電源のうちの所定の電源に接続されたブロックを抽出するブロック抽出部を備え、
前記取得部は、前記ブロック抽出部によって抽出されたブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記抽出されたブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記抽出されたブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記抽出されたブロックの消費電流の合計を算出することを特徴とする付記3に記載の消費電流算出装置。
【0087】
(付記5)前記対象回路の回路構成を示す回路情報と、前記取得部によって取得された前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の値と、に基づいて前記対象回路の動作をシミュレーションするシミュレータを備え、
前記出力部は、前記算出部によって算出された消費電流と、前記シミュレータによるシミュレーション結果と、を出力することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の消費電流算出装置。
【0088】
(付記6)対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする消費電流算出プログラム。
【0089】
(付記7)対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記アナログ信号の各代表値に対応する前記対象回路の消費電流を前記デジタル信号の値ごとに示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値に対応する前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
ことを特徴とする消費電流算出方法。
【符号の説明】
【0090】
101〜103,115,501〜508 対応情報
114,114a 消費電流テーブル
116,1102 補間関数
117 消費電流
210 バス
1000 回路
1011〜1015 トランジスタ
1020 抵抗
1101 消費電流特性
1211〜1213 ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電流を算出する消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)の消費電流を見積もるシミュレータが用いられている。たとえば、デジタル信号が入力される論理回路のシミュレータにおいて、デジタルの入力信号の組み合わせに対応した消費電力をセルごとに定義しておき、信号変化情報に基づいて消費電力を計算するシミュレータが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。また、近年、デジタル信号およびアナログ信号が混在したミックスドシグナル回路が増えてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−128192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のシミュレータでは、アナログの入力信号に対応した消費電流の定義がないため、ミックスドシグナル回路の消費電流を算出することができない。また、ミックスドシグナル回路の消費電流をSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)などのアナログ回路シミュレータによって算出することも考えられるが、ミックスドシグナル回路のデジタル回路の部分もアナログ回路として検証することになるため、消費電流の見積もりに時間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、前記アナログ信号の各代表値に対応する前記対象回路の消費電流を前記デジタル信号の値ごとに示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値に対応する前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、算出した消費電流を出力する消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法が提案される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面によれば、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【図2】図2は、消費電流算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1にかかる対象回路の一例を示す図である。
【図5】図5は、消費電流テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、アナログ信号の値と消費電流との関係の一例を示す図である。
【図7】図7は、補間関数の生成の一例を示す図である。
【図8】図8は、補間関数の生成の他の例を示す図である。
【図9】図9は、テストパターンの一例を示す図である。
【図10】図10は、対象回路の回路構成の一例を示す図である。
【図11】図11は、図10に示した回路構成における代表点および補間の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態2にかかる対象回路の一例を示す図である。
【図13】図13は、実施の形態2にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【図14】図14は、実施の形態3にかかる対象回路の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【図16】図16は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。
【図17】図17は、実施の形態4にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
(消費電流算出装置)
図1は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。実施の形態1にかかる消費電流算出装置100は、デジタル信号とともに(同時に)アナログ信号が入力されるミックスドシグナル回路(たとえばLSI)を対象回路として、デジタル信号とアナログ信号の各入力値に対する対象回路の消費電流を算出する。
【0011】
消費電流算出装置100には、デジタル信号とアナログ信号の各入力値を含むテストパターン111が入力される。まず、消費電流算出装置100は、入力されたテストパターン111をアナログ信号の値112とデジタル信号の値113に分離する(ステップS101)。一例として、ステップS101において分離されたアナログ信号の値112を「x」とし、分離されたデジタル信号の値113を「d1」とする。
【0012】
つぎに、消費電流算出装置100は、消費電流テーブル114を参照する。消費電流テーブル114は、デジタル信号の値113およびアナログ信号の各代表値(代表点)の組み合わせごとに、デジタル信号の値113およびアナログ信号の各代表値の組み合わせが入力された場合の対象回路の消費電流を示す消費電流情報である。
【0013】
アナログ信号の各代表値は、たとえば、アナログ信号がとりうる連続値の中から任意に選択された離散値である。消費電流テーブル114の各消費電流は、たとえばあらかじめ実験やシミュレーションなどによって求めることができる。消費電流テーブル114は、消費電流算出装置100のメモリに記憶されていてもよいし、消費電流算出装置100の外部から取得した情報であってもよい。
【0014】
消費電流テーブル114aは消費電流テーブル114の具体例である。消費電流テーブル114aは、デジタル信号の値113としての「d1」〜「d3」にそれぞれ対応する対応情報101〜103を含んでいる。対応情報101〜103のそれぞれは、アナログ信号の代表値「x0」〜「x2」にそれぞれ対応する対象回路の消費電流を示している。
【0015】
対応情報101〜103のy11〜y13,y21〜y23,y31〜y33は、あらかじめ実験やシミュレーションなどによって求められた対象回路の消費電流を示している。ここでは対応情報101〜103のそれぞれが代表値「x0」〜「x2」に対応する消費電流を示す例について説明したが、対応情報101〜103はそれぞれ異なるアナログ信号の代表値に対応する消費電流を示していてもよい。
【0016】
つぎに、消費電流算出装置100は、消費電流テーブル114から、ステップS101によって分離したデジタル信号の値113に対応する対応情報115を抽出する(ステップS102)。たとえばデジタル信号の値113が「d1」である場合は、消費電流テーブル114から対応情報101が対応情報115として抽出される。これにより、デジタル信号の値113が対象回路へ入力された場合のアナログ信号の各代表値と消費電流との対応情報115を抽出することができる。
【0017】
なお、対象回路へ入力されるデジタル信号が1系統である場合について説明したが、対象回路へ入力されるデジタル信号は複数系統あってもよい。この場合は、消費電流テーブル114は、アナログ信号の代表値と消費電流との対応情報を、複数系統のデジタル信号の値の組み合わせごとに含む情報とする(たとえば図5参照)。
【0018】
また、対象回路へ入力されるアナログ信号が1系統である場合について説明したが、対象回路へ入力されるアナログ信号は複数系統あってもよい。この場合は、消費電流テーブル114は、デジタル信号と消費電流との対応情報を、複数系統のアナログ信号の代表値の組み合わせごとに含む情報とする。また、デジタル信号およびアナログ信号のそれぞれが複数系統あってもよい。この場合は、消費電流テーブル114は、各デジタル信号の値と各アナログ信号の代表値との組み合わせごとに消費電流を示す情報とする。
【0019】
つぎに、消費電流算出装置100は、ステップS102によって抽出した対応情報115に基づいて、アナログ信号の各代表値の間の値に対応する対象回路の消費電流を補間する補間関数116を生成する(ステップS103)。
【0020】
つぎに、消費電流算出装置100は、ステップS103によって生成した補間関数116に基づいて、ステップS101によって分離したアナログ信号の値112に対応する対象回路の消費電流117を算出する(ステップS104)。そして、消費電流算出装置100は、ステップS104によって算出した消費電流117を出力する。これにより、対象回路に対してアナログ信号の値112およびデジタル信号の値113が入力された場合の消費電流を見積もることができる。
【0021】
また、消費電流算出装置100は、ステップS102において、デジタル信号の値113に対応する対応情報のうちの、アナログ信号の値112の前後の各代表値と消費電流との対応情報を対応情報115として抽出してもよい。たとえば、デジタル信号の値113が「d1」であり、アナログ信号の値112が代表値「x0」と「x1」との間の値である場合は、消費電流算出装置100は、対応情報101のうちの代表値「x0」,「x1」と消費電流「y0」,「y1」とを抽出する。この場合は、消費電流算出装置100は、代表値「x2」と消費電流「y2」については抽出しなくてもよい。
【0022】
そして、消費電流算出装置100は、抽出した代表値「x0」,「x1」と消費電流「y0」,「y1」との対応情報115に基づいて補間関数116を算出する。たとえば、消費電流算出装置100は、代表値「x0」,「x1」と消費電流「y0」,「y1」との対応情報115に基づいてアナログ信号の値112から対象回路の消費電流を求める関数(f(x))を補間関数116として生成する(たとえば図7参照)。
【0023】
このように、消費電流算出装置100は、デジタル信号の入力値からのテーブル参照によりアナログ信号の各代表値−消費電流の対応情報を取得し、取得した対応情報からの補間により消費電流を算出する。これにより、たとえばアナログ回路シミュレータを用いる場合に比べて、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる。
【0024】
(消費電流算出装置のハードウェア構成)
図2は、消費電流算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、消費電流算出装置100は、CPU201と、メインメモリ202と、補助メモリ203と、ユーザインタフェース204と、通信インタフェース205と、を備えている(以下の各実施の形態においても同様)。CPU201、メインメモリ202、補助メモリ203、ユーザインタフェース204および通信インタフェース205は、バス210によって接続されている。
【0025】
CPU201(Central Processing Unit)は、消費電流算出装置100の全体の制御を司る。メインメモリ202は、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリ202は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0026】
補助メモリ203は、たとえば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリ203には、消費電流算出装置100を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリ203に記憶されたプログラムは、メインメモリ202にロードされてCPU201によって実行される。
【0027】
ユーザインタフェース204は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース204は、CPU201によって制御される。
【0028】
通信インタフェース205は、たとえば、無線によって消費電流算出装置100の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース205は、CPU201によって制御される。
【0029】
(実施の形態1にかかる消費電流算出装置の構成)
図3は、実施の形態1にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。図3に示すように、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100は、取得部310と、抽出部320と、生成部330と、算出部340と、出力部350と、を備えている。取得部310および出力部350は、たとえば、図2に示した補助メモリ203、ユーザインタフェース204、通信インタフェース205などによって実現することができる。抽出部320、生成部330および算出部340は、たとえば図2に示したCPU201などによって実現することができる。
【0030】
取得部310は、対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、デジタル信号とともに対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得する。取得部310は、取得したデジタル信号の値を抽出部320へ出力する。また、取得部310は、取得したアナログ信号の値を算出部340へ出力する。また、取得部310は、取得したアナログ信号の値を抽出部320へも出力してもよい。
【0031】
抽出部320には、取得部310から出力されたデジタル信号の値と、消費電流情報と、が入力される。消費電流情報は、たとえば図1に示した消費電流テーブル114である。消費電流情報は、消費電流算出装置100のメモリに記憶された情報であってもよいし、消費電流算出装置100の外部から取得する情報であってもよい。抽出部320は、消費電流情報から、デジタル信号の値に対応する対応情報を抽出する。対応情報は、アナログ信号の各代表値と消費電流との対応情報である。
【0032】
また、抽出部320は、デジタル信号の値に対応する対応情報のうちの、取得部310から出力されたアナログ信号の値の前後の各代表値と消費電流との対応情報を抽出してもよい。抽出部320は、抽出した対応情報を生成部330へ出力する。
【0033】
生成部330は、抽出部320から出力された対応情報に基づいて、アナログ信号の各代表値の間の値に対応する対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成する。生成部330は、生成した補間関数を算出部340へ出力する。
【0034】
算出部340は、生成部330から出力された補間関数に基づいて、取得部310から出力されたアナログ信号の入力値に対応する対象回路の消費電流を算出する。算出部340は、算出した消費電流を出力部350へ出力する。出力部350は、算出部340から出力された消費電流を出力する。
【0035】
(実施の形態1にかかる対象回路)
図4は、実施の形態1にかかる対象回路の一例を示す図である。図4に示す対象回路400は、消費電流算出装置100による消費電流算出の対象回路を示している。対象回路400は、たとえばVerilogなどのHDL(Hardware Description Language:ハードウェア記述言語)によって定義されている。ここでは、対象回路400は、3つのデジタル信号D1〜D3と1つのアナログ信号Aとが入力される回路を示しているとする。
【0036】
(消費電流テーブル)
図5は、消費電流テーブルの一例を示す図である。図5に示す消費電流テーブル114は、図4に示した対象回路400に対応する消費電流テーブル114の一例である。消費電流テーブル114の「L」および「H」は、図4に示したデジタル信号D1〜D3の値(ローおよびハイ)を示している。
【0037】
消費電流テーブル114は、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせごとに、アナログ信号Aの代表値x0〜xnと消費電流y0〜ynとの対応情報を含む。ここでは、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせは23=8通りであるため、消費電流テーブル114は8つの対応情報501〜508を含む。
【0038】
(アナログ信号の値と消費電流との関係)
図6は、アナログ信号の値と消費電流との関係の一例を示す図である。図6に示すグラフ601〜608は、それぞれ図5に示した対応情報501〜508に対応するアナログ信号Aの値と消費電流との関係である。すなわち、グラフ601〜608は、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせごとのアナログ信号Aと消費電流との関係を示している。グラフ601〜608において、横軸はアナログ信号Aの値を示し、縦軸は対象回路の消費電流を示している。
【0039】
たとえばグラフ601は、デジタル信号D1〜D3の各値がすべて「H」である場合のアナログ信号Aと消費電流との関係を示している。グラフ601に示すアナログ信号Aと消費電流との関係のうちの代表値「x0」〜「xn」と消費電流「y0」〜「yn」との対応情報が消費電流テーブル114に格納される。
【0040】
(補間関数の生成)
図7は、補間関数の生成の一例を示す図である。図7において、図6−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、取得部310によって取得されたデジタル信号D1〜D3の各値がすべて「H」であったとする。この場合は、アナログ信号Aと消費電流との関係は、図7に示すグラフ700のようになる(図6に示したグラフ601と同様)。
【0041】
そして、抽出部320により、グラフ700に示す代表値「x0」〜「xn」と消費電流「y0」〜「yn」との対応情報が抽出される。また、取得部310によって取得されたアナログ信号Aの値「x」は、代表値「x0」と「x1」の間の値であったとする。
【0042】
この場合は、生成部330は、たとえば、アナログ信号Aの値「x」の前後の代表値「x0」,「x1」を取得し、取得した代表値「x0」,「x1」に対応する消費電流「y0」,「y1」を対応情報から取得する。そして、生成部330は、取得した代表値「x0」,「x1」および消費電流「y0」,「y1」に基づいて、たとえば下記(1)式によって補間関数を生成する。
【0043】
【数1】
【0044】
これにより、一次の線形補間によってアナログ信号Aの値「x」から対象回路400の消費電流yを求める補間関数を生成することができる。
【0045】
図8は、補間関数の生成の他の例を示す図である。図8において、図7に示した部分と同様の部分については説明を省略する。生成部330は、アナログ信号Aの代表値「x0」,「x1」に加えて、代表値「x1」の次の代表値「x2」も取得してもよい。この場合は、生成部330は、取得した代表値「x0」〜「x2」に対応する消費電流「y0」〜「y2」を対応情報から取得する。そして、生成部330は、取得した代表値「x0」〜「x2」および消費電流「y0」〜「y2」に基づいて、たとえば下記(2)式によって補間関数を生成する。
【0046】
【数2】
【0047】
これにより、二次の線形補間によってアナログ信号Aの値「x」から対象回路400の消費電流yを求める補間関数を生成することができる。なお、生成部330による補間関数の生成には、図7,図8に示した方法に限らず種々の方法を用いることができる。
【0048】
(テストパターン)
図9は、テストパターンの一例を示す図である。図9において、横軸は時間を示す。図1に示したテストパターン111として、図9に示すように、たとえばデジタル信号D1〜D3およびアナログ信号Aの時系列的な変化情報が入力されてもよい。区間T1〜T5は、デジタル信号D1〜D3の少なくともいずれかが変化する時点を区切りとする区間である。抽出部320は、たとえば、テストパターン111の区間T1〜T5ごとに対応情報を抽出する。
【0049】
生成部330は、テストパターン111の区間T1〜T5ごとに補間関数を生成する。なお、テストパターン111の区間T3と区間T5は、デジタル信号D1〜D3の値の組み合わせが同一であるため、同一の補間関数F3が生成される。ただし、アナログ信号Aの値によっては区間T3と区間T5において生成される補間関数が異なる場合もある。算出部340は、区間T1〜T5ごとに消費電流を算出する。
【0050】
(対象回路の回路構成)
図10は、対象回路の回路構成の一例を示す図である。図10に示す回路1000は、消費電流算出装置100による消費電流算出の対象回路の回路構成である。回路1000は、2つのデジタル信号D1,D2と1つのアナログ信号Iinとが入力される回路である。回路1000は、トランジスタ1011〜1015および抵抗1020を備えるソース接地増幅回路である。トランジスタ1011〜1015のそれぞれはたとえば電界効果トランジスタである。
【0051】
トランジスタ1011は、ゲートおよびドレインにアナログ信号Iinが入力され、ソースが接地(GND)されている。トランジスタ1012は、ゲートにアナログ信号Iinが入力され、ソースが接地され、ドレインがトランジスタ1014のソースに接続されている。トランジスタ1013は、ゲートにアナログ信号Iinが入力され、ソースが接地され、ドレインがトランジスタ1015のソースに接続されている。
【0052】
トランジスタ1014は、ゲートにデジタル信号D1が入力され、ソースがトランジスタ1012のドレインに接続され、ドレインが抵抗1020に接続されている。トランジスタ1015は、ゲートにデジタル信号D2が入力され、ソースがトランジスタ1013のドレインに接続され、ドレインが抵抗1020に接続されている。
【0053】
抵抗1020は、一端が電源(VDD)に接続され、他端がトランジスタ1014,1015の各ドレインに接続されている。回路1000の出力信号Voutは、抵抗1020と、トランジスタ1014,1015の各ドレインと、の間から出力される。
【0054】
図11は、図10に示した回路構成における代表点および補間の一例を示す図である。図11において、横軸は図10に示した回路1000へ入力されるアナログ信号Iinの値を示し、縦軸は回路1000の消費電流[A]を示している。消費電流特性1101は、回路1000において、テストパターン111としてアナログ信号Iinをスイープした場合の消費電流を回路シミュレーションによって算出した結果を示している。
【0055】
補間関数1102は、消費電流特性1101をサンプリング抽出して作成した線形補間関数である。図11の消費電流特性1101および補間関数1102に示すように、アナログ信号Iinの変化に対する回路1000の消費電流は、アナログ信号Iinの代表値と消費電流との対応情報に基づく補間により精度よく算出することができる。
【0056】
このように、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100によれば、デジタル信号の入力値からのテーブル参照によりアナログ信号の各代表値−消費電流の対応情報を取得し、取得した対応情報からの補間により消費電流を算出することができる。これにより、たとえばアナログ回路シミュレータを用いる場合に比べて、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる。
【0057】
(実施の形態2)
(実施の形態2にかかる対象回路)
図12は、実施の形態2にかかる対象回路の一例を示す図である。図12に示す対象回路1200は、実施の形態2にかかる消費電流算出装置100による消費電流算出の対象回路を示している。図12に示すように、対象回路1200は、論理的に複数のブロック1211〜1213(セル)に分割されていてもよい。
【0058】
ブロック1211は、3つのデジタル信号D1〜D3と1つのアナログ信号A1とが入力される回路を示している。ブロック1212は、2つのデジタル信号D4,D5と1つのアナログ信号A2とが入力される回路を示している。ブロック1213は、3つのデジタル信号D6〜D8と1つのアナログ信号A3とが入力される回路を示している。ブロック1211〜1213は互いに接続されていてもよい。
【0059】
(実施の形態2にかかる消費電流算出装置)
図13は、実施の形態2にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。図13において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2にかかるテストパターン111には、たとえば図12に示した対象回路1200のブロック1211〜1213に対するデジタル信号D1〜D8およびアナログ信号A1〜A3の各値が含まれている。また、消費電流テーブル114は、ブロック1211〜1213のそれぞれについて定義されている。
【0060】
ステップS101において、取得部310は、入力されたテストパターン111を、ブロックごとにアナログ信号の値112とデジタル信号の値113に分離する。ステップS102において、抽出部320は、ブロックごとに対応情報115を抽出する。ステップS103において、生成部330は、ブロックごとに補間関数116を生成する。
【0061】
ステップS104において、算出部340は、ブロックごとに消費電流117を算出する。ステップS104のつぎに、算出部340は、ステップS104によってブロックごとに算出した消費電流117の合計1311を算出する(ステップS1301)。そして、出力部350は、ステップS1301によって算出した消費電流117の合計1311を出力する。これにより、複数のブロック1211〜1213の全体の消費電流を見積もることができる。
【0062】
このように、実施の形態2にかかる消費電流算出装置100によれば、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100と同様の効果を得ることができるとともに、複数のブロックに分割された対象回路の全体の消費電流を見積もることができる。
【0063】
(実施の形態3)
(実施の形態3にかかる対象回路)
図14は、実施の形態3にかかる対象回路の一例を示す図である。図14において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図14に示すように、対象回路1200は、2つの(複数の)電源VDD1,VDD2を備える多電源回路である。電源VDD1はブロック1211,1212に接続されている。電源VDD2はブロック1212,1213に接続されている。
【0064】
(実施の形態3にかかる消費電流算出装置)
図15は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。図15において、図13に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ただし、図15においては図13に示したステップS102,S103をまとめて図示している。図15に示すように、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100にはテストパターン111および電源情報1511が入力される。電源情報1511は、図14に示した電源VDD1,VDD2のうちの所定の電源を示す情報である。たとえば、電源情報1511は電源VDD1を示しているとする。
【0065】
また、消費電流算出装置100は、機能モデル1512を参照する。機能モデル1512は、対象回路1200の回路構成をHDLなどによって定義した回路情報(たとえば電源ネット)である。機能モデル1512はブロック1211〜1213ごとに定義されている。消費電流算出装置100は、機能モデル1512を探索することにより、ブロック1211〜1213のうちの電源情報1511が示す電源に接続されたブロックを特定する(ステップS1501)。
【0066】
電源情報1511が電源VDD1を示している場合は、ステップS1501においてブロック1211,1212が特定される。ブロック情報1513は、ステップS1501において特定された所定のブロックを示す情報である。
【0067】
つぎに、消費電流算出装置100は、ブロック情報1513が示す所定のブロックに対応するテストパターンをテストパターン111から抽出する(ステップS1502)。そして、消費電流算出装置100は、ステップS101へ移行する。
【0068】
ステップS101において、取得部310は、入力されたテストパターン111を、所定のブロックごとにアナログ信号の値112とデジタル信号の値113に分離する。ステップS102において、抽出部320は、消費電流テーブル114のうちのブロック情報1513が示す所定のブロックに対応する消費電流テーブルを参照し、所定のブロックごとに対応情報115を抽出する。ステップS103において、生成部330は、所定のブロックごとに補間関数116を生成する。
【0069】
ステップS104において、算出部340は、所定のブロックごとに消費電流117を算出する。これにより、ブロック1211〜1213のうちの電源情報1511が示す所定の電源に接続されたブロックのみの全体の消費電流を見積もることができる。たとえば、電源情報1511が電源VDD1を示している場合は、電源VDD1に接続されたブロック1211,1212の全体の消費電流を見積もることができる。
【0070】
(実施の形態3にかかる消費電流算出装置の構成)
図16は、実施の形態3にかかる消費電流算出装置の構成例を示す図である。図16において、図3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図16に示すように、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100は、図3に示した構成に加えてブロック抽出部1610を備えている。ブロック抽出部1610には、図15に示した電源情報1511と、機能モデル1512と、が入力される。
【0071】
ブロック抽出部1610は、機能モデル1512に基づいて、機能モデル1512が示す各ブロックのうちの電源情報1511が示す電源に接続されたブロックを特定する。ブロック抽出部1610は、特定した所定のブロックを示すブロック情報を取得部310および抽出部320へ出力する。
【0072】
取得部310は、入力されたデジタル信号およびアナログ信号の各値のうちのブロック抽出部1610から出力されたブロック情報が示すブロックに対応する各値を取得する。抽出部320は、消費電流情報のうちの、ブロック抽出部1610から出力されたブロック情報が示すブロックに対応する消費電流情報を参照し、ブロック情報が示すブロックごとに対応情報115を抽出する。
【0073】
これにより、生成部330は、ブロック情報が示すブロックごとに補間関数を生成することになる。また、算出部340は、ブロック情報が示す各ブロックの消費電流の合計を算出することになる。これにより、ブロック情報が示す各ブロックの消費電流の合計を見積もることができる。
【0074】
このように、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100によれば、実施の形態2にかかる消費電流算出装置100と同様の効果を得ることができるとともに、一部の電源に関する消費電流のみを見積もることができる。これにより、計算量およびメモリ使用量を削減することができる。
【0075】
(実施の形態4)
(実施の形態4にかかる消費電流算出装置)
図17は、実施の形態4にかかる消費電流算出装置の一例を示す図である。図17において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態4にかかる消費電流算出装置100は、機能モデル1711を参照する。機能モデル1711は、対象回路の回路構成を示す回路情報である。機能モデル1711はたとえばHDLによって定義されている。
【0076】
消費電流算出装置100は、機能モデル1711とテストパターン111に基づいて、テストパターン111を入力した場合の対象回路の動作を検証する機能モデルシミュレーションを行う(ステップS1701)。ステップS1701による機能モデルシミュレーションは、たとえば消費電流算出装置100に設けられたシミュレータによって行う。
【0077】
出力部350は、ステップS104によって算出された消費電流117とともに、ステップS1701の機能モデルシミュレーションによって得られた出力データ1712(シミュレーション結果)を出力する。これにより、対象回路の消費電流とともに対象回路の動作を検証することができる。
【0078】
このように、実施の形態4にかかる消費電流算出装置100によれば、実施の形態1にかかる消費電流算出装置100と同様の効果を得ることができるとともに、対象回路の動作を検証することができる。実施の形態1にかかる消費電流算出装置100において機能モデルシミュレーションを行う構成について説明したが、実施の形態2または3にかかる消費電流算出装置100において機能モデルシミュレーションを行う構成としてもよい。
【0079】
たとえば、実施の形態3にかかる消費電流算出装置100において機能モデルシミュレーションを行う場合は機能モデル1711のうちのブロック情報1513が示すブロックに対応する機能モデルのみについて機能モデルシミュレーションを行ってもよい。これにより、所定の電源に接続されブロックの機能を検出することができる。これにより、計算量およびメモリ使用量を削減することができる。
【0080】
以上説明したように、消費電流算出装置、消費電流算出プログラムおよび消費電流算出方法によれば、ミックスドシグナル回路の消費電流を短時間で見積もることができる。
【0081】
なお、各実施の形態で説明した消費電流算出方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0082】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0083】
(付記1)対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得する取得部と、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、前記取得部によって取得された前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された補間関数に基づいて、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された消費電流を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする消費電流算出装置。
【0084】
(付記2)前記抽出部は、前記対応情報のうちの、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値の前後の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記前後の各代表値と前記消費電流との対応情報に基づいて前記補間関数を生成することを特徴とする付記1に記載の消費電流算出装置。
【0085】
(付記3)前記対象回路は、論理的に複数のブロックに分割されており、
前記取得部は、前記ブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記ブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記ブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記複数のブロックの消費電流の合計を算出し、
前記出力部は、前記算出部によって算出された消費電流の合計を出力することを特徴とする付記1または2に記載の消費電流算出装置。
【0086】
(付記4)前記複数のブロックの中から、前記対象回路に含まれる複数の電源のうちの所定の電源に接続されたブロックを抽出するブロック抽出部を備え、
前記取得部は、前記ブロック抽出部によって抽出されたブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記抽出されたブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記抽出されたブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記抽出されたブロックの消費電流の合計を算出することを特徴とする付記3に記載の消費電流算出装置。
【0087】
(付記5)前記対象回路の回路構成を示す回路情報と、前記取得部によって取得された前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の値と、に基づいて前記対象回路の動作をシミュレーションするシミュレータを備え、
前記出力部は、前記算出部によって算出された消費電流と、前記シミュレータによるシミュレーション結果と、を出力することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の消費電流算出装置。
【0088】
(付記6)対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする消費電流算出プログラム。
【0089】
(付記7)対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記アナログ信号の各代表値に対応する前記対象回路の消費電流を前記デジタル信号の値ごとに示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値に対応する前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
ことを特徴とする消費電流算出方法。
【符号の説明】
【0090】
101〜103,115,501〜508 対応情報
114,114a 消費電流テーブル
116,1102 補間関数
117 消費電流
210 バス
1000 回路
1011〜1015 トランジスタ
1020 抵抗
1101 消費電流特性
1211〜1213 ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得する取得部と、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、前記取得部によって取得された前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された補間関数に基づいて、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された消費電流を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする消費電流算出装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記対応情報のうちの、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値の前後の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記前後の各代表値と前記消費電流との対応情報に基づいて前記補間関数を生成することを特徴とする請求項1に記載の消費電流算出装置。
【請求項3】
前記対象回路は、論理的に複数のブロックに分割されており、
前記取得部は、前記ブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記ブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記ブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記複数のブロックの消費電流の合計を算出し、
前記出力部は、前記算出部によって算出された消費電流の合計を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の消費電流算出装置。
【請求項4】
前記複数のブロックの中から、前記対象回路に含まれる複数の電源のうちの所定の電源に接続されたブロックを抽出するブロック抽出部を備え、
前記取得部は、前記ブロック抽出部によって抽出されたブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記抽出されたブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記抽出されたブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記抽出されたブロックの消費電流の合計を算出することを特徴とする請求項3に記載の消費電流算出装置。
【請求項5】
対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする消費電流算出プログラム。
【請求項6】
対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記アナログ信号の各代表値に対応する前記対象回路の消費電流を前記デジタル信号の値ごとに示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値に対応する前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
ことを特徴とする消費電流算出方法。
【請求項1】
対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得する取得部と、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、前記取得部によって取得された前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された補間関数に基づいて、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された消費電流を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする消費電流算出装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記対応情報のうちの、前記取得部によって取得された前記アナログ信号の値の前後の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記前後の各代表値と前記消費電流との対応情報に基づいて前記補間関数を生成することを特徴とする請求項1に記載の消費電流算出装置。
【請求項3】
前記対象回路は、論理的に複数のブロックに分割されており、
前記取得部は、前記ブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記ブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記ブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記複数のブロックの消費電流の合計を算出し、
前記出力部は、前記算出部によって算出された消費電流の合計を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の消費電流算出装置。
【請求項4】
前記複数のブロックの中から、前記対象回路に含まれる複数の電源のうちの所定の電源に接続されたブロックを抽出するブロック抽出部を備え、
前記取得部は、前記ブロック抽出部によって抽出されたブロックごとに前記デジタル信号の値と前記アナログ信号の値とを取得し、
前記抽出部は、前記抽出されたブロックごとに前記対応情報を抽出し、
前記生成部は、前記抽出されたブロックごとに前記補間関数を生成し、
前記算出部は、前記抽出されたブロックの消費電流の合計を算出することを特徴とする請求項3に記載の消費電流算出装置。
【請求項5】
対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記デジタル信号の値および前記アナログ信号の代表値の組み合わせごとに前記組み合わせが入力された場合の前記対象回路の消費電流を示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値が前記対象回路へ入力された場合の前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする消費電流算出プログラム。
【請求項6】
対象回路へ入力されるデジタル信号の値と、前記デジタル信号とともに前記対象回路へ入力されるアナログ信号の値と、を取得し、
前記アナログ信号の各代表値に対応する前記対象回路の消費電流を前記デジタル信号の値ごとに示す消費電流情報から、取得した前記デジタル信号の値に対応する前記アナログ信号の各代表値と前記消費電流との対応情報を抽出し、
抽出した対応情報に基づいて、前記アナログ信号の各代表値の間の値に対応する前記対象回路の消費電流を補間する補間関数を生成し、
生成した補間関数に基づいて、取得した前記アナログ信号の値に対応する前記対象回路の消費電流を算出し、
算出した消費電流を出力する、
ことを特徴とする消費電流算出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−41406(P2013−41406A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177647(P2011−177647)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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