説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】 フィルターにおける気泡排出性の低下を抑制できる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体貯留手段から液体供給路を介して供給された液体を噴射するヘッド本体と、液体供給路の一部を構成する第1液体供給路が設けられた第1供給部材と、第1液体供給路と連通して液体供給路の一部を構成する第2液体供給路が設けられ、ヘッド本体に液体を供給する第2供給部材と、第1供給部材と第2供給部材との間に狭持されたフィルター33と、第1供給部材と第2供給部材とを一体成型接合する一体成型部34とを備え、フィルターは、第1供給部材と第2供給部材とで挟持される挟持エリアと、流路エリアとを有し、フィルターを支持する支持面を設け、支持面により、フィルターが、フィルターの中央部に向かって挟持部39よりも下流側に凸となるように傾斜される。液体噴射装置はこれを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドでは、一般的に、インクが充填された液体貯留手段であるインクカートリッジから、このインクカートリッジに着脱可能に挿入されるか、又はこのインクカートリッジから伸びるチューブなどの供給管の先端に配されるインク供給体となるインク供給針、及びインクカートリッジが保持されるカートリッジケース等の供給部材に形成されたインク供給路を介してヘッド本体にインクが供給され、ヘッド本体に設けられた圧電素子等の圧力発生手段を駆動させることによりヘッド本体に供給されたインクがノズルから吐出される。
【0003】
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、気泡等によるドット抜け等の吐出不良を解決するために、インクカートリッジに挿入されるインク供給針とカートリッジケースとの間にインク内の気泡やゴミ等を除去するためのフィルターを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−220567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような構成では、フィルターやカートリッジケースなどが一体成型時の熱等のために変形する場合がある。この場合にフィルターが変形してフィルターよりも下流側の流路の内壁面側に落ち込むと、大きな負圧で吸引する気泡排出動作のクリーニング時において、フィルターが内壁面に張り付いたり、また、変形したフィルターが流路を閉塞したりすることにより、気泡排出性が低下するという問題がある。また、フィルターがよれてフィルターよりも下流側の流路の内壁面に張り付いたり、よれたフィルターとフィルターよりも下流側の流路などの内壁面との間に気泡が溜まったりしやすいという問題がある。
【0006】
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、気泡排出性の低下を抑制できる液体噴射ヘッド及びこれを用いた所望の液体噴射特性を有する液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液体噴射ヘッドは、液体貯留手段から液体供給路を介して供給された液体を噴射するヘッド本体と、前記液体供給路の一部を構成する第1液体供給路が設けられた第1供給部材と、前記第1液体供給路と連通して前記液体供給路の一部を構成する第2液体供給路が設けられ、前記ヘッド本体に前記液体を供給する第2供給部材と、前記第1供給部材と前記第2供給部材との間に狭持されたフィルターと、前記第1供給部材と前記第2供給部材とを一体成型接合する一体成型部とを備え、前記フィルターは、前記第1供給部材と前記第2供給部材とで挟持される挟持エリアと、流路エリアとを有し、前記フィルターを支持する支持面を設け、該支持面により、前記フィルターが、該フィルターの中央部に向かって挟持部よりも下流側に凸となるように傾斜されることを特徴とする。
【0009】
前記フィルターを支持する支持面を設け、該支持面により、前記フィルターが、挟持部よりも下流側に凸となるように傾斜されることで、本発明においては、フィルターの下流側への突出量を調整できるので、フィルターの過剰な変形を防止して気泡排出性の低下を抑制できる。かつ、フィルターの下流側への突出量を調整できるので、フィルターの過剰な変形を防止できるので、フィルターと内壁面との間が流量が極端に低下するほど狭くならないため、この位置に滞留しようとする気泡に対して十分な流量の液体を供給することができ、フィルターと内壁面との間に気泡を溜まりにくくさせることができる。
【0010】
ここで、本発明の好適な実施形態としては、前記支持面が、前記フィルターを挟持する前記第1液体供給路と前記第2液体供給路とからなる挟持部に設けられ、前記液体流路側から前記液体供給路の外側に向かって上流側に傾斜している傾斜面であることか、前記支持面が、前記第1供給部材に設けられ、前記フィルターを狭持する面よりも第2供給部材側に突出した第1突出部材の、前記フィルターと接触する突出部材側接触面と、前記フィルターを挟持する前記第1液体供給路と前記第2液体供給路とからなる挟持部の、前記フィルターと接触する挟持部側接触面とからなることが挙げられる。
【0011】
前記第2液体供給路の前記流路エリアに対向する内壁面には、前記第1液体供給路側に突出した第2突出部材が設けられていることが好ましい。このような第2突出部材が設けられていることで、フィルターを下流側から支持することができ、フィルターと内壁面とを確実に離間させ、気泡排出動作時におけるフィルターと内壁面との張り付きをより確実に防止でき、かつ、フィルターと内壁面との間に気泡を溜まりにくくさせることができる。
【0012】
本発明の液体噴射装置は、前記したいずれかの液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする。気泡排出性の低下が抑制され、気泡が溜まりにくい液体噴射ヘッドを備えることで、所望の液体噴射特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。
【図2】実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】実施形態1に係る供給部材の上面図である。
【図4】実施形態1に係る供給部材の断面図である。
【図5】実施形態1に係るヘッド本体を示す分解斜視図である。
【図6】実施形態1に係るヘッド本体を示す断面図である。
【図7】実施形態2に係る供給部材の断面図である。
【図8】実施形態2に係るカートリッジケースの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。本発明のインクジェット式記録装置10は、図1に示すように、インク滴を吐出する液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドとも言う)11がキャリッジ12に固定され、この記録ヘッド11には、ブラック(B)、ライトブラック(LB)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色のインクが貯留された液体貯留手段の一例であるインクカートリッジ13がそれぞれ着脱可能に固定されている。
【0015】
記録ヘッド11が搭載されたキャリッジ12は、装置本体14に取り付けられたキャリッジ軸15に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター16の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト17を介してキャリッジ12に伝達されることで、キャリッジ12はキャリッジ軸15に沿って移動される。一方、装置本体14にはキャリッジ軸15に沿ってプラテン18が設けられており、図示しない給紙装置等により給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン18上を搬送されるようになっている。
【0016】
また、キャリッジ12のホームポジションに対応する位置、すなわち、キャリッジ軸15の一方の端部近傍には、記録ヘッド11のノズル形成面を封止するキャップ部材19を有するキャッピング装置20が設けられている。このキャップ部材19によってノズル開口が形成されたノズル形成面を封止することにより、インクの乾燥を防止している。また、このキャップ部材19は、フラッシング動作時のインク受けとしても機能する。
【0017】
図2に示すように、記録ヘッド11は、液体貯留手段であるインクカートリッジ13に挿入される複数のインク供給針31(第1供給部材)や、インクカートリッジ13が固定されるカートリッジケース32(第2供給部材)等の供給部材30と、供給部材30のインクカートリッジ13とは反対側の面に固定されたヘッド本体220と、ヘッド本体220の液体噴射面側に設けられたカバーヘッド240とを具備する。
【0018】
まず、供給部材30について詳細に説明する。供給部材30の上面図である図3及び図3のA−A′線断面図である図4に示すように、供給部材30を構成するカートリッジケース32は、インクカートリッジ13がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部35を有する。また、カートリッジケース32には、一端がカートリッジ装着部35側に開口し他端がヘッド本体220側に開口する第2インク供給路92(第2液体供給路)が形成されている。そして、第2インク供給路92は、図4に示すように、インク供給針31側から内径が底面に向かって漸減するフィルター室93と、該フィルター室93のヘッド本体220側の開口部である開口94(液体供給口)でフィルター室93と連通すると共にヘッド本体220とも連通する連通供給路99とで構成されている。
【0019】
また、カートリッジケース32のカートリッジ装着部35の第2インク供給路92の開口部分には、インク供給針31がフィルター33を介して固定されている。このインク供給針31は、一端がカートリッジケース32側に開口し、他端がインクカートリッジ13側に開口する第1インク供給路91(第1液体供給路)が形成されている。そして、第1インク供給路91は、カートリッジケース32側から内径が漸減する幅広部95を有している。なお、この第1インク供給路91と第2インク供給路92は連通しており、インクカートリッジ13とヘッド本体220とをつなぐインク供給路(液体供給路)の一部を構成している。
【0020】
そして、カートリッジケース32及びインク供給針31は、フィルター33を挟持する領域である挟持部39を有している。本実施形態では、挟持部39は、カートリッジケース32の第2インク供給路92のカートリッジ装着部35側の開口縁部に設けられたフィルター挟持部37と、インク供給針31のカートリッジケース32側の開口縁部に設けられフィルター挟持部37に相対向する針側フィルター挟持部42とからなる。
【0021】
また、フィルター33は、金属を細かく編み込むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものであり、フィルター挟持部37と針側フィルター挟持部42とで構成される挟持部39で挟持されることにより、インク供給針31に設けられた第1インク供給路91とカートリッジケース32に設けられた第2インク供給路92との間に設けられている。即ち、フィルター33は挟持部39で挟持される挟持エリア33aと、挟持部39で挟持されていないエリア、即ち、第1インク供給路91及び第2インク供給路92(以下、インク流路という)に露出された流路エリア33bとからなる。このフィルター33により、インク内の気泡や異物が除去される。
【0022】
そして、本発明においては、供給部材30は、カートリッジケース32とインク供給針31とフィルター33を一体化する一体成型部34を備えている。この一体成型部34は、フィルター33を挟持したカートリッジケース32とインク供給針31とを一体成型接合している。ここで、一体成型接合とは、カートリッジケース32とインク供給針31との両方に接触するように一体成型部34を成型することにより、超音波溶着等によらずカートリッジケース32とインク供給針31とを接合することをいう。なお、本実施形態においては、カートリッジケース32のインク供給針31が固定される側の面に突出する壁部43が形成されており、該壁部43の内側に、後述する製造工程で形成される一体成型部34が設けられている。
【0023】
このように、カートリッジケース32とインク供給針31とが一体成型接合されているため、記録ヘッド11を小型化することができる。詳述すると、カートリッジケース32とインク供給針31とが一体成型接合されていない場合、カートリッジケース32にフィルター33を熱溶着等で溶着し、さらにインク供給針31を超音波溶着等で溶着するという方法で製造される。この場合、カートリッジケース32に、フィルター33を溶着するための領域を設け、さらに、該領域の外側にインク供給針31を溶着するための領域が必要となる。一方、本発明においては、一体成型部34によりカートリッジケース32とインク供給針31とを固定しているため、このような溶着のための領域は不要となる。これにより、隣り合うインク供給針31の間隔を短くすることができ、記録ヘッド11を小型化することができる。また、本発明においては、このような小型化が可能であることから、フィルター33の面積を小さくして記録ヘッド11の小型化を図ることが不要となるため、フィルター33の面積を過度に小さくする必要がなく、圧電素子300や発熱素子等の圧力発生手段を駆動する駆動電圧を上げなくてもよい。
【0024】
ところで、このような一体成型部34によりカートリッジケース32とインク供給針31とを固定する場合、従来は一体成型接合後にフィルター33が熱収縮により撓み、フィルター33が、フィルター挟持部37と針側フィルター挟持部42とで挟持されたフィルター33の縁部を含む平面(フィルター33の挟持面)、即ちインク供給針31とカートリッジケース32との接合面P(以下、単に接合面Pという)よりも下側に落ち込んでしまい、その結果、気泡排出動作時においてフィルター33が内壁面96に張り付きやすく、また、フィルター33が内壁面96に張り付かないとしても気泡排出動作時において流路を閉塞してしまうという問題があった。
【0025】
そこで、本実施形態においては、挟持部39が、インク流路側から一体成型部34側へ向かって、上方(上流側)に傾斜するように設けられている傾斜部38aを備える。これにより、傾斜部38aによって挟持されたフィルター33は、接合面Pよりもフィルター室93側に凸となる。具体的には、フィルター33の挟持エリア33aが傾斜した状態で挟持部39により挟持され、この状態で成型時にフィルター33が収縮されることで、フィルター33は中央が最も突出し、緩やかに傾斜した曲面状となっている。
【0026】
しかしながら、本実施形態では、傾斜部38aによって挟持されたフィルター33は、その変形量が傾斜部38aにより規制できるため、内壁面96とフィルター33との距離は所定距離を保持することが可能である。即ち、フィルター33が、接合面Pよりもフィルター室93側に凸となると、気泡排出動作時において内壁面96とフィルター33との距離が近づいて内壁面96に張り付いてしまうことが考えられる。しかし、本実施形態では、傾斜部38aの傾斜量によりフィルター33の傾斜量、つまり突出量が決定されることから、傾斜部38aの傾斜量を所定量とすることで、フィルター33を、気泡排出動作時においても内壁面96に張り付かず、かつ変形により流路を閉塞しない所定の距離だけ離間させることができる。即ち、本実施形態においては、あえて挟持部39に底面に向かって傾斜する傾斜部38aを設けることで、この傾斜部38aの傾斜面が支持面となってフィルター33を支持し突出させてフィルター33と内壁面96との距離を所定距離に保つことができるので、気泡排出動作時においてフィルター33が内壁面96に張り付くことを防止すると共に、フィルター33と内壁面96との間に気泡を溜まりにくくすることができる。これにより、フィルター33の気泡排出性の低下を抑制することができる。
【0027】
また、フィルター33を接合面Pよりもフィルター室93側に凸となるように構成することで、インクの流れに対してフィルター33が圧力を受けることもない。即ち、気泡排出動作時において内壁面96に張り付きにくいように、フィルターをインク供給針31側に凸となるように構成すると、インクが第1インク供給路91から第2インク供給路92側へ流入する場合に、圧力が大きくなることによりフィルター33の突出方向が逆になる、つまりフィルターがインク供給針31側からフィルター室93側に突出してしまうことが考えられる。このようにフィルターの突出方向が当初予定していた方向とは逆方向となることで、場合によっては気泡排出動作時に内壁面96に張り付いてしまったり、流路を閉塞してしまうことが考えられる。従って、本実施形態のように傾斜部38aによりフィルター33の傾斜量を規制して内壁面96側に突出させることが好ましい。
【0028】
なお、一体成型接合では、フィルター33が変形しているか否かは外観からは判別できず、フィルター33の変形を把握するためにはフィルター33が設けられた部材を破壊等して確認する必要があるが、本実施形態においては挟持部39に傾斜を設けることでフィルター33がフィルター室93側に突出していることから、フィルター33が設けられた部材を破壊等してフィルター33が内壁面96に張り付いたりしているか否かを確認する必要はない。
【0029】
上述したインクジェット式記録ヘッド11、特に供給部材30は、例えば次のように製造する。
【0030】
カートリッジケース32のフィルター挟持部37とインク供給針31の針側フィルター挟持部42の間に、フィルター33を配置する。この場合に、フィルター挟持部37とインク供給針31の挟持部39には、傾斜部38aの外側(一体成型部34側)に設けられた平面部38bが形成されているので、フィルター33を安定して保持することができる。そして、この状態でカートリッジケース32とインク供給針31とでフィルター33を挟持する(挟持工程)。この挟持工程において、フィルター33は、傾斜部38aにより傾斜され屈曲されてフィルター室93側に突出される。なお、カートリッジケース32を斜めにした状態などでフィルター33を取り付ける場合には、吸引しながらカートリッジケース32とインク供給針31とでフィルター33を挟持する。
【0031】
次に、フィルター33を挟持したカートリッジケース32及びインク供給針31を金型で保持すると共に、該金型とカートリッジケース32の表面と壁部43の内面とで空間を形成し、該空間に加熱した樹脂を注入した後冷却して樹脂を硬化させることにより、一体成型部34を形成する(図4参照)(一体成型工程)。本実施形態では、一体成型部34を形成する際に、カートリッジケース32とインク供給針31の線膨張率の差や、一体成型部34を形成する樹脂の熱収縮等に起因して、フィルター33に力がかかりフィルター33がさらにフィルター室93側に凸となる。即ち、収縮により、傾斜部38aにより突出されたフィルター33は、中央部がさらにフィルター室93側に突出し、図4に示すようにフィルター33は全体がフィルター室93側に凸となった曲面状となる。この場合に、本実施形態では、フィルター33の変形量が規制されているので、気泡排出動作時においてフィルター33がカートリッジケース32の内壁面96に張り付いたり、撓んだフィルター33とカートリッジケース32の内壁面96との間に気泡が溜まったりすることが防止されている。即ち、本実施形態においては、傾斜部38aを設けてフィルター33がフィルター室93側に凸となるように突出させていることで、フィルター33に応力がかかってフィルター33がさらにフィルター室93側に突出する。なお、本実施形態では、この変形量について予めデータをとっておき、傾斜部38aの傾斜量を定めている。
【0032】
以降、この供給部材30に、ヘッドケース230を介してヘッド本体220を設け(設置工程)、このヘッド本体220を覆うようにカバーヘッド240を取り付けることで記録ヘッド11が形成される(図2参照)。
【0033】
このような供給部材30のインクカートリッジ13とは反対側には、ヘッド本体220が設けられている。ここで、ヘッド本体220について図5及び図6を用いて説明する。なお、図5は、ヘッド本体の分解斜視図であり、図6は、ヘッド本体の断面図である。
【0034】
図示するように、ヘッド本体220を構成する流路形成基板60は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板60には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室62が、幅方向に並設された列が2列形成されている。また、各列の圧力発生室62の長手方向外側には、後述するリザーバー形成基板80に設けられるリザーバー部81と連通し、各圧力発生室62の共通のインク室となるリザーバー100を構成する連通部63が形成されている。また、連通部63は、供給路64を介して各圧力発生室62の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。すなわち、本実施形態では、流路形成基板60に形成された液体流路として、圧力発生室62、連通部63及び供給路64が設けられている。
【0035】
また、流路形成基板60の開口面側には、ノズル開口71が形成されたノズルプレート70が接着剤400を介して固着されている。具体的には、複数のヘッド本体220に対応するように複数のノズルプレート70が設けられており、当該ノズルプレート70は後で詳述するカバーヘッド240の露出開口部241よりも若干広い面積を有してカバーヘッド240と重畳する領域で接着剤等によって固定されている。なお、ノズルプレート70のノズル開口71は、各圧力発生室62の供給路64とは反対側で連通する位置に穿設されている。本実施形態では、流路形成基板60に圧力発生室62が並設された列を2列設けたため、1つのヘッド本体220にノズル開口71の並設されたノズル列71Aが2列設けられている。そして、本実施形態では、このノズルプレート70のノズル開口71が開口する面が液体噴射面となっている。このようなノズルプレート70としては、例えば、シリコン単結晶基板やステンレス鋼(SUS)等の金属基板などが挙げられる。
【0036】
一方、流路形成基板60の開口面とは反対側には、弾性膜50上に、金属からなる第1電極と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料からなる圧電体層と、金属からなる第2電極とを順次積層することで形成された圧電素子300が形成されている。
【0037】
このような圧電素子300が形成された流路形成基板60上には、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部81を有するリザーバー形成基板80が接合されている。このリザーバー部81は、本実施形態では、リザーバー形成基板80を厚さ方向に貫通して圧力発生室62の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板60の連通部63と連通されて各圧力発生室62の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。
【0038】
また、リザーバー形成基板80の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部82が設けられている。
【0039】
さらに、リザーバー形成基板80上には、各圧電素子300を駆動するための半導体集積回路(IC)等からなる駆動回路110が設けられている。この駆動回路110の各端子は、図示しないボンディングワイヤー等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動回路110の各端子には、フレキシブルプリント基板(FPC)等の外部配線111を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
【0040】
また、このようなリザーバー形成基板80上には、コンプライアンス基板140が接合されている。コンプライアンス基板140のリザーバー100に対向する領域には、リザーバー100にインクを供給するためのインク導入口144が厚さ方向に貫通することで形成されている。また、コンプライアンス基板140のリザーバー100に対向する領域のインク導入口144以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部143となっており、リザーバー100は、可撓部143により封止されている。この可撓部143により、リザーバー100内にコンプライアンスを与えている。
【0041】
また、コンプライアンス基板140上には、ヘッドケース230が固定されている。
ヘッドケース230は、インク導入口144に連通すると共に供給部材30のインク供給路に連通して、供給部材30からのインクをインク導入口144に供給するインク供給連通路231が設けられている。このヘッドケース230には、コンプライアンス基板140の可撓部143に対向する領域に溝部232が形成され、可撓部143の撓み変形が適宜行われるようになっている。また、ヘッドケース230には、リザーバー形成基板80上に設けられた駆動回路110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動回路保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動回路保持部233を挿通して駆動回路110と接続されている。
【0042】
ヘッド本体220を構成する各部材には、組立時に各部材を位置決めするためのピンが挿入されるピン挿入孔234が角部の2箇所に設けられている。そして、ピン挿入孔234にピンを挿入して各部材の相対的な位置決めを行いながら部材同士を接合することで、ヘッド本体220が一体的に組み合わせられる。
【0043】
また、ヘッドケース230を介して供給部材30に保持されたヘッド本体220は、図2に示すように、5つのヘッド本体220の液体噴射面側を覆うように箱形状を有するカバーヘッド240によって相対的に位置決めされて保持されている。カバーヘッド240は、ノズル開口71を露出する露出開口部241と、露出開口部241を画成すると共にヘッド本体220の液体噴射面の少なくともノズル列71Aの並設されたノズル開口71の両端部側に接合されるヘッド接合部242とを具備する。
【0044】
また、カバーヘッド240には、ヘッド本体220の液体噴射面の側面側に、液体噴射面の外周縁部に亘って屈曲するように延設された側壁部245が設けられている。
【0045】
このようにカバーヘッド240は、ヘッド接合部242をヘッド本体220の液体噴射面に接着するようにしたため、液体噴射面とカバーヘッド240との段差を減少させることができ、液体噴射面のワイピングや吸引動作などを行っても、液体噴射面にインクが残留するのを防止することができる。また、梁部244によって隣接するヘッド本体220の間が塞がれているため、隣接するヘッド本体220の間にインクが侵入することがなく、圧電素子300や駆動回路110などのインクによる劣化及び破壊を防止することができる。また、ヘッド本体220の液体噴射面とカバーヘッド240との間は、接着剤によって隙間なく接着されているため、隙間に被記録媒体Sが入り込むのを防止してカバーヘッド240の変形及び紙ジャムを防止することができる。さらに、側壁部245が、複数のヘッド本体220の外周縁部を覆うことで、ヘッド本体220の側面へのインクの回り込みを確実に防止することができる。また、カバーヘッド240に、ヘッド本体220の液体噴射面と接合されるヘッド接合部242を設けるようにしたため、複数のヘッド本体220の各ノズル列71Aをカバーヘッド240に対して高精度に位置決めして接合することができる。
【0046】
このようなカバーヘッド240としては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられ、金属板をプレス加工により形成してもよく、成型により形成するようにしてもよい。また、カバーヘッド240を導電性の金属材料とすることで、接地することができる。なお、カバーヘッド240とノズルプレート70との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤や、紫外線硬化型の接着剤による接着などが挙げられる。
【0047】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド11は、インクカートリッジ13からのインクを第1インク供給路91及び第2インク供給路92を介して取り込み、インク供給連通路231及びインク導入口144を介して、リザーバー100からノズル開口71に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路110からの記録信号に従い、各圧力発生室62に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300を撓み変形させることにより、各圧力発生室62内の圧力が高まりノズル開口71からインク滴が吐出する。
【0048】
(実施形態2)
本実施形態においてはフィルター33をフィルター室93側に凸とするために、挟持部39に傾斜部を設ける代わりに、インク供給針31の内壁面に第1突出部材97aを設けている。以下、図7及び図8を用いて詳細に説明する。
【0049】
本実施形態においては、インク供給針31の内壁面に第1突出部材97aを設けて、フィルター33をフィルター室93側に凸としている。第1突出部材97aは、本実施形態においては、上面視において円形のフィルター室93の直径方向に離間して設けられ、それぞれインク供給針31の内壁面に接合面Pよりもフィルター室93側に向かって突出した柱状の突起である。第1突出部材97aが設けられていることにより、フィルター33は、押し下げられてフィルター室93側に突出している。即ち、本実施形態では、挟持部39がフィルター33に接触して挟持する挟持部側接触面と、第1突出部材97aがフィルター33に接触して支持する突出部材側接触面とによりフィルター33が支持されており、挟持部側接触面と突出部材側接触面とで支持面が構成されている。この場合において、突出部材側接触面が挟持部側接触面よりもフィルター室93側に存在していることから、フィルター33は、フィルター室93側に突出している。
【0050】
このように、本実施形態では、平坦な挟持部39と突出部材97aとにより、フィルター33が押し下げられてフィルター室93側に突出している。具体的には、フィルター33は、平坦な挟持部39と突出部材97aとにより、フィルター室93側に凸とされ、この状態で成型時にフィルター33が収縮されることで、フィルター33は中央が最も突出し、緩やかに傾斜した曲面状となっている。
【0051】
このように、本実施形態では、実施形態1とは異なり、第1突出部材97aを設け、支持面として挟持部側接触面と突出部材側接触面とを設け、挟持部側接触面から突出部材側接触面に向かって液体供給路の上流側に傾斜していることから、フィルター33を、傾斜した状態で支持することが可能である。本実施形態においても、フィルター33を平坦な挟持部39と突出部材97aとにより所定量のみあえて変形させることができるので、これにより、気泡排出動作時にフィルター33が内壁面96に張り付いたり、フィルター33の変形により流路が閉塞されて気泡排出性が低下することを抑制できる。
【0052】
また、本実施形態においては、さらに、カートリッジケース32の内壁面96に、2つの第2突出部材97bが設けられている。第2突出部材97bは、インク供給針31側に向かって突出した柱状突起であり、フィルター33の流路エリア33bを下流側から支持している。この第2突出部材97bを設けることで、フィルター33が、第2突出部材97bにより支持されてフィルター33の変形が規制されるので、フィルター33が内壁面96との距離を所定距離により確実に保持することができる。これにより、気泡排出動作においてノズル開口側から吸引した場合に、フィルター33が引っ張られて内壁面96側に張り付いたり、フィルター33の過剰な変形により流路が閉塞されることを高精度に防止できる。これにより、フィルター33における気泡排出性の低下を抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態においては、第2突出部材97bを設けることで、フィルター33が、第2突出部材97bにより支持されてフィルター33の変形が規制されるのでフィルター33と内壁面96との間に気泡を溜まりにくくすることができる。
【0054】
具体的には、第2突出部材97bは、上面視においてフィルター室93の直径方向に離間した状態で設けられている。直径方向に離間して設けることで、フィルタの折れ曲がりを効果的に抑制することができる。また、第2突出部材97bは、挟持部39からも離間して設けられている。離間して設けていることで、挟持部39と第2突出部材97bとの間のインクの流れを確保することができ、これによりインクが滞留して気泡が溜まることを抑制している。例えば、本実施形態とは異なって挟持部39と連続的な突出部材を設けるとすれば、突出部材間にインクが滞留しやすくなり、気泡が溜まりやすくなってしまうのである。
【0055】
また、第2突出部材97b同士が所定の間隔を開けて設けられていることで、カートリッジケース32内におけるインク流路でのインクの流れを妨げず、流速が低下することがない。例えば、本実施形態とは異なって所定の間隔を開けて離間させることなく周方向に対して連続的に突出部材を設けると、インクが滞留してしまい、その部分において気泡が溜まりやすくなってしまうのである。さらに、第2突出部材97bをインク流路の形状に沿うように配置していることから、第2突出部材97bによりインクの流れを妨げることがなく、第2突出部材97bの付近に気泡が溜まることを抑制できる。また、本実施形態では、第2突出部材97bは偏りなく、内壁面96に対して対称となるように設けられている。このように第2突出部材97bを対称に偏りなく設けることで、フィルター33全体を均一に突出させることができ、これによって気泡排出動作時におけるフィルター33の内壁面96への張り付きや変形による流路閉塞をより抑制することができる。そして、第2突出部材97bを周方向に沿って離間して設けていることから、フィルター33の一部が内壁面96側に落ち込むことがなく、これによって気泡排出動作時におけるフィルター33の内壁面96への張り付きや変形による流路閉塞をより抑制することができる。
【0056】
このように、本実施形態においては、第1突出部材97aと平坦な挟持部39により、フィルター33を規制した状態でフィルター室93側に突出させることができるので、フィルターにおける気泡排出性の低下を抑制できる。さらにまた、第2突出部材97bを設けることで、気泡排出動作においてノズル開口側から吸引した場合に、フィルター33が引っ張られて内壁面96側に張り付くことを確実に防止できる。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。実施形態2では、第1突出部材97a及び第2突出部材97bは、それぞれ2つ設けたが、この数はこれに限定されるものではない。それぞれ、インクの流れを妨げないように設けるものであれば、数や形状は限定されるものではない。例えば、本実施形態では突出部材97aを柱状としたが、壁面状であってもよい。
【0058】
また、実施形態2では、第1突出部材97aと第2突出部材97bとを設けたが、少なくとも第1突出部材97aを設ければ、本発明の目的を達成することができる。さらに、第2突出部材97bを、実施形態1にかかるインクジェット式記録ヘッド11に設けてもよい。これによっても、フィルター33の規制をすることが可能である。
【0059】
上述した各実施形態では、インクカートリッジ13は直接インク供給針31に着脱可能に接続しているが、これに限定されない。例えば、インクカートリッジ13とインク供給針31との間に、図示しない可撓性のチューブからなる供給管を配して、距離を離して配置されたインクカートリッジからのインクをインク供給針に供給するように構成してもよい。
【0060】
上述した各実施形態では、フィルター33をインク供給針31とカートリッジケース32とで挟持した後、一体成型部34により一体成型接合させたものとしたが、一体成型接合されていればこれに限定されない。例えば、フィルター33をカートリッジケース32に溶着し、その後フィルター33が溶着されたカートリッジケース32とインク供給針31とを一体成型部34により一体成型接合させたものとしてもよい。フィルター33をカートリッジケース32に溶着する際にも、熱等によりフィルター33が変形してよれてしまうが、本発明においては、傾斜部38aが設けられていることで、フィルター33溶着の際にフィルター33の変形が生じたとしても、気泡排出動作時においてフィルター33が内壁面96に張り付いたり、流路が閉塞されることが防止できる。
【0061】
さらに、上述した各実施形態では、フィルター33は、金属を編み込んだシート状のものとしたが、これに限定されない。例えば、金属板を打ち抜いて形成したものや、微細孔を有する樹脂からなるシート状のものであってもよい。
【0062】
上述した各実施形態では、液体貯留手段であるインクカートリッジ13を供給部材30に着脱自在となるように設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、液体貯留手段として、インクタンク等を記録ヘッド11とは異なる位置に設け、液体貯留手段と記録ヘッド11とをチューブなどの供給管を介して接続するようにしてもよい。すなわち、上述した実施形態では、第1供給部材として針状のインク供給針31を例示したが、第1供給部材は、針状のものに限定されるものではない。
【0063】
また、上述した各実施形態では、2つの液体供給路に対して1つのヘッド本体220が設けられた構成を例示したが、インクの色毎に複数のヘッド本体を設けるようにしてもよい。このような場合には、各液体供給路が、各ヘッド本体に連通する。すなわち、各液体供給路が、各ヘッド本体に設けられたノズル開口が並設されたノズル列毎に連通するように設けられていてもよい。もちろん、液体供給路は、ノズル列毎に連通しなくてもよく、1つの液体供給路が複数のノズル列に連通していてもよく、また、1列のノズル列を2つに分け、それぞれに液体供給路が連通していてもよい。すなわち、液体供給路は、複数のノズル開口からなるノズル開口群に連通していればよい。
【0064】
さらに、上述の各実施形態では、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド11を例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0065】
10 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 11 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 30 供給部材、 31 インク供給針、 32 カートリッジケース、 33 フィルター、 34 一体成型部、 38a 傾斜部、 39 挟持部、 91 第1インク供給路、 92 第2インク供給路、 93 フィルター室、 94 開口、 96 内壁面、 97a 第1突出部材、 97b 第2突出部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯留手段から液体供給路を介して供給された液体を噴射するヘッド本体と、
前記液体供給路の一部を構成する第1液体供給路が設けられた第1供給部材と、
前記第1液体供給路と連通して前記液体供給路の一部を構成する第2液体供給路が設けられ、前記ヘッド本体に前記液体を供給する第2供給部材と、
前記第1供給部材と前記第2供給部材との間に狭持されたフィルターと、
前記第1供給部材と前記第2供給部材とを一体成型接合する一体成型部とを備え、
前記フィルターは、前記第1供給部材と前記第2供給部材とで挟持される挟持エリアと、流路エリアとを有し、
前記フィルターを支持する支持面を設け、該支持面により、前記フィルターが、該フィルターの中央部に向かって挟持部よりも下流側に凸となるように傾斜されることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記支持面が、前記フィルターを挟持する前記第1液体供給路と前記第2液体供給路とからなる挟持部に設けられ、前記液体流路側から前記液体供給路の外側に向かって上流側に傾斜している傾斜面であることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記支持面が、前記第1供給部材に設けられ、前記フィルターを狭持する面よりも第2供給部材側に突出した第1突出部材の、前記フィルターと接触する突出部材側接触面と、前記フィルターを挟持する前記第1液体供給路と前記第2液体供給路とからなる挟持部の、前記フィルターと接触する挟持部側接触面とからなることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記第2液体供給路の前記流路エリアに対向する内壁面には、前記第1液体供給路側に突出した第2突出部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−194754(P2011−194754A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65280(P2010−65280)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】