説明

液体殺菌洗浄剤組成物

【課題】皮膚に対して低刺激で肌荒れを起こしにくくかつ、広い殺菌スペクトルを 有し、短時間で高い殺菌効果を発揮する洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(a)炭素数8〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基を有するN−アシルアミノ酸系界面活性剤 1〜12重量%、並びに
(b)トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロメタキシレノール(b3)を含有してなり、これらの総量として 0.05〜1重量%
を含有する液体殺菌洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に対して低刺激で肌荒れを起こしにくくかつ、短時間で高い殺菌効果を発揮する身体用の液体殺菌洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の身体用殺菌洗浄剤組成物は、優れた洗浄力や起泡性を得る目的で、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン界面活性剤を主基剤として殺菌剤を配合したものが多いが、これらの殺菌洗浄剤はその優れた洗浄力のため、皮膚を保護している皮脂などを過度に洗い落としてしまい、頻回な洗浄をおこなうと皮膚を荒らしてしまうという課題があった。
【0003】
一方、身体用洗浄剤組成物には洗浄効果に加えて、病原菌の感染を防止、菌の伝播を防止するなどの衛生的見地より殺菌効果も求められており、この要求に応えるべく殺菌効果を有する身体用洗浄剤組成物について多くの検討がなされている。
特許文献1、2では上記の課題を解決する目的で低刺激性界面活性剤を配合した殺菌洗浄剤組成物が提案されている。しかしながら、身体の洗浄、特に手指の洗浄は1分以下の短時間で実施される場合がほとんどであり、このような洗浄時間内で殺菌できることが望まれるが、これらの組成物はこのような短時間では各種の菌への殺菌効果は期待できないものであった。
さらに、特許文献3ではトリクロサンとイソプロピルメチルフェノールからなる消毒剤組成物が提案されており、脂肪酸塩との併用が記載されているが、脂肪酸塩を使用しているため皮膚への刺激が高く、また、短時間での高い殺菌効果が達成されているとは言い難いものであった。
【特許文献1】特開2005−29532号公報
【特許文献2】特表2001−518944号公報
【特許文献3】特開2006−83111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、皮膚に対して刺激性が低く、洗浄性を付与する界面活性剤との併用系であっても短時間で高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを有する液体殺菌洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、N−アシルアミノ酸系界面活性剤及び殺菌剤としてトリクロサンを必須としてイソプロピルメチルフェノール及び/又はパラクロロメタキシレノールを組合せて用いることにより、皮膚に対して低刺激で肌荒れを起こしにくく、短時間で高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを示す液体殺菌洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、
(a)炭素数8〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基を含有するN−アシルアミノ酸系界面活性剤 1〜12重量%、並びに
(b)トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロメタキシレノール(b3)を含有してなり、これらの総量として 0.05〜1重量%
を含有する液体殺菌洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は、皮膚に対して低刺激で肌荒れを起こしにくくかつ、洗浄性を付与する界面活性剤との併用系においても、広い殺菌スペクトルを有し、短時間で高い殺菌効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いる(a)成分のN−アシルアミノ酸系界面活性剤におけるアミノ酸部分としてはグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、グリシン等が挙げられ、酸性アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸が好ましく、より好ましくは、グルタミン酸である。これらのアミノ酸部分はD体、L体あるいはD体とL体の混合物のいずれでも良いが、L体が好ましい。
【0009】
また、アシル基は、炭素数8〜18の飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖を有するものであり、例えばカプリノイル基、ラウロイル基、ミルストイル基、ラウロイル基、ステアロイル基、ココイル基(ヤシ脂肪酸アシル基ともいう)が挙げられ、好ましいものとしては、ラウロイル基、ココイル基が挙げられる。N−アシルアミノ酸のアミド基が1級である場合は、窒素に結合した水素を低級アルキル基で置換したものでも良い。この低級アルキル基としては、炭素数1〜3のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
【0010】
(a)成分のN−アシルアミノ酸系界面活性剤は、酸、それらの塩、あるいは一部が塩の状態で用いられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩、アルギニン酸などの塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
【0011】
(a)成分のN−アシルアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N−ココイルグリシン、N−ラウロイルグリシン、N−ココイル−N−カルボキシエチルグリシン、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−パルミトイルグルタミン酸、N−ステアロイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸、N−ラウロイルアスパラギン酸、N−ココイルアスパラギン酸、N−ミリストイルアスパラギン酸、N−パルミトイルアスパラギン酸、N−ステアロイルアスパラギン酸、N−ラウロイル−β−アラニン、N−ラウロイルーN−イソプロピルグリシン、N−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニン等が挙げられ、さらにこれらのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
また、(a)成分のN−アシルアミノ酸系界面活性剤は、1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
【0012】
本発明で用いられる(a)成分のN−アシルアミノ酸系界面活性剤は、本発明洗浄剤組成物中に1〜12重量%含まれる。当該範囲より少なくなると、起泡性、低温安定性、さらには洗浄性で好ましくなく、当該範囲より多くなると殺菌性の点で好ましくない。本発明の(a)成分は、起泡性、低温安定性及び洗浄性の観点から、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは1.5〜6重量%、更に好ましくは2〜5重量%の範囲で用いられる。
【0013】
本発明で用いられる(b)成分の殺菌剤はトリクロサン(b1)、イソプロピルメチルフェノール(b2)、パラクロロメタキシレノール(b3)であり、トリクロサン(b1)を必須成分としてイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロメタキシレノール(b3)を組合せて用いる。洗浄剤組成物中のこれら殺菌剤の合計量〔(b1)+(b2)+(b3)〕は、0.05〜1重量%である。当該範囲より少なくなると殺菌性が劣り、多くなると低温安定性が劣り好ましくない。本発明の(b)成分は、殺菌性及び低温安定性の観点から、好ましくは0.1〜0.9重量%、更に好ましくは0.2〜0.8重量%で用いられる。
【0014】
トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロメタキシレノール(b3)の重量比〔(b1)/〔(b2)+(b3)〕〕は、殺菌性、特に短時間での殺菌効果のため、好ましくは1/10〜10/1、特に好ましくは1/3〜5/1、さらに好ましくは1/2〜3/1である。(a)成分のN−アシルアミノ酸系界面活性剤と(b)成分の殺菌剤の重量比は、殺菌剤の溶解性及び殺菌性の観点から、(a)/(b)=3〜20が好ましく、更に好ましくは4〜15、より好ましくは5〜10である。
【0015】
本発明の洗浄剤組成物に成分(a)及び成分(b)以外にさらに、成分(c)として特定のグリセリルエーテルを配合すると起泡性、低温安定性の観点で好ましい。
成分(c)のグリセリルエーテルとしては、炭素数8〜12の直鎖または分岐のアルキル基を有する、モノアルキル体が好ましい。該アルキル基としては例えば、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基が挙げられ、好ましくは、炭素数8〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数8〜10の分岐したアルキル基で、具体的には2−エチルヘキシル基、イソデシル基が挙げられる。
【0016】
成分(c)のグリセリルエーテルは1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
また、成分(c)のグリセリルエーテルは洗浄剤組成物中に好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜2重量%、特に好ましくは0.3〜1重量%の範囲で用いることが望ましい。
【0017】
本発明の洗浄剤組成物は、水を媒体とする液状であることが好ましい。
更に、本発明の洗浄剤組成物は、通常の皮膚用洗浄剤組成物に用いられる成分、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどの低級アルコール類;プロピレングリコール、グリセリリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコール類;グアーガムなどの植物由来の多糖類、キサンタンガムなどの微生物由来の多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース類、分子内にポリオキシエチレン鎖を有するエステルあるいはエーテル系化合物、アクリル酸重合体あるいはアクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体などのカルボキシビニルポリマー類などの増粘剤;カチオン化セルロースなどのカチオンポリマー、シリコーン化合物及びその誘導体などのコンディショニング成分、エチレングリコールジステアレート等のパール化剤;アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤;アミドプロピルベタイン、アルキルアミンオキシド、ヒドロキスルホベタインなどの両性界面活性剤;アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの陰イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン性界面活性剤;染料、顔料等の着色剤;酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機アミン類などのpH調整剤;塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩類;植物エキス類;防腐剤;キレート剤;ビタミン剤;抗炎症剤;抗ふけ剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で配合することが可能である。
【0018】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は常法に従って製造することができる。また、本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は身体洗浄用として用いるのが好ましく、例えば、全身用洗浄料、手指用洗浄料、洗顔料、毛髪用シャンプーとして用いるのが好ましい。
【0019】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物のpHは、低温安定性と皮膚への刺激性の観点から好ましくは4〜10、より好ましくは5〜9、更に好ましくは6〜8に調整することが望ましい。
【0020】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は通常使用されている容器に充填して使用することが可能であるが、特にフォーマー容器に充填することで起泡性が良く、泡安定性良好なものとなるため特に好ましい。
【実施例】
【0021】
以下、実施例を挙げて更に詳細に説明する。なお、以下の実施例における各成分の配合量は有効分を基準として示した。実施例1及び2に用いた配合成分は、下記に示す試験に用いた薬剤につけた番号で表示した。
【0022】
(試験に用いた薬剤)
(a)成分
1.N−ココイル−L−グルタミン酸カリウム(30重量%水溶液)、アミソフトCK−22〔味の素(株)製〕
2.N−ココイル−L−グルタミン酸ナトリウム(100重量%)、アミソフトCS−11〔味の素(株)製〕
3.N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム(30重量%水溶液)、アミソフトLK−11(F)〔味の素(株)製〕
4.N−ココイルグリシンカリウム(30重量%水溶液)、アミソフトGCK−11〔味の素(株)製〕
5.N−ココイル−DL−アラニントリエタノールアミン(30重量%水溶液)、アミライトACT−12〔味の素(株)製〕
6.N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム (25重量%水溶液)、アミノフォーマーFLDS−L〔旭化成ケミカルズ(株)製〕
【0023】
(b)成分
7.トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル)、イルガサンDP300〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製〕
8.イソプロピルメチルフェノール〔3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール〕、〔大阪化成(株)製〕
9.パラクロロメタキシレノール(4−クロロ−3,5−キシレノール)、〔クラリアント(株)製〕
【0024】
(c)成分
10.モノ(2−エチルヘキシル)グリセリルエーテル〔花王(株)製〕
11.モノイソデシルグリセリルエーテル〔花王(株)製〕
12.モノ(n−オクチル)グリセリルエーテル〔花王(株)製〕
【0025】
(a)成分以外の界面活性剤
13.ラウリル硫酸トリエタノールアミン、エマールTD〔花王(株)製〕
14.ヤシ脂肪酸カリウム(ルナックL−55〔花王(株)製〕を水酸化カリウムで中和したもの)
15.ラウリン酸アミドプロピルベタイン、アンヒトール20AB〔花王(株)製 〕
16.デシルグルコシド、マイドール10〔花王(株)製〕
17.ポリオキシエチエレン(23モル)ラウリルエーテル、エマルゲン123P〔花王(株)製〕
【0026】
(殺菌試験方法と評価基準)
供試菌として、大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)、黄色ブドウ球菌(Staphirococcus aureus NBRC12732)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、セラチア菌(Serratia amrcescens NBRC12648)を用いた。
予め、SCD培地〔日本製薬(株)製〕にて前培養した培養液を用いた。培養液0.1mL(109〜1010cell/ml)を、滅菌水で所定の濃度(組成物希釈倍率×1、×3、×10、×40)に希釈した各洗浄剤組成物10mlに接種させた。一定時間(15秒、30秒、1分)毎に、一白金耳をとり、生育用液体培地に接種し、30℃で48時間培養した後、菌の生育の有無を観察した。1試料につき、4つの希釈濃度と3つの反応時間で行っているので、合計12の生育用液体培地を用いた。殺菌試験の判定は、全希釈濃度、全反応時間に菌の生育が認められない場合を12として表した。全希釈濃度、全反応時間に菌の生育が認められた場合を0とした。すなわち、0〜12の間で値が高いほど殺菌性が高いことを意味する。
【0027】
(手荒れ性試験方法と評価基準)
調製した殺菌洗浄剤組成物を用いて、健常者男女各5名のパネリストにより、手洗いを1日10回(1回について洗浄30秒、すすぎ30秒)を7日間行い、以下の基準で評価した。
【0028】
4 : 全く手荒れしなかった
3 : ほとんど手荒れしなかった
2 : 部分的に手荒れした
1 : 手荒れがひどかった。
【0029】
結果はパネリスト10名の平均値(小数点以下2桁目を四捨五入)を以下の基準により表した。
◎ : 3.3〜4.0
○ : 2.5〜3.2
△ : 1.8〜2.4
× : 1.0〜1.7
【0030】
(低温安定性試験方法と評価基準)
調製した殺菌洗浄剤をガラス瓶に100ml入れ密栓し、0℃の恒温槽に2週間保存した後、殺菌洗浄剤の外観を目視で観察し、以下のように評価した。
【0031】
◎ : 調製時の外観に変化なく透明を維持できたの
○ : 分離・沈殿は生じないが、かすかに濁りの生じたもの
△ : わずかに分離、沈殿、濁りの生じたもの
× : 分離、沈殿、濁りの生じたもの
【0032】
実施例1
表1に示す殺菌洗浄剤を常法に従い調製し、手荒れ性、殺菌性の試験を行った。
その結果を表1に示す。(a)成分及び(a)成分以外の界面活性剤を5重量%、(b)成分の殺菌剤合計量を0.6重量%とした。
【0033】
【表1】

【0034】
本発明品は多頻度の洗浄においても肌荒れを起こしにくく、かつ短時間(1分以内)の接触で、各種の菌を効果的に殺滅していることが判る。比較品は肌荒れのしにくさ、殺菌性の全てを満足するものはない。特に殺菌性においては、一部の菌には効果はあっても全ての菌に対して効果を示すものはなかった。
【0035】
実施例2
表2に示す殺菌洗浄剤を常法に従い調製し、殺菌試験を行った。(a)成分を4重量%、(b)成分の殺菌剤合計量を0.5重量%とし、殺菌剤配合比率を変更したものの試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
本発明品は短時間(1分以内)の接触で、各菌を効果的に殺滅していることが判る。 また、殺菌剤であるトリクロサンとイソプロピルメチルフェノールあるいはパラクロロメタキシレノールを併用することにより相乗効果を発揮し、短時間(1分以内)においての殺菌効果が向上するとともに、殺菌スペクトルが広がっていることが判る。
【0038】
実施例3
表3に示す殺菌洗浄剤を常法に従い調製し、低温安定性、手荒れ性、殺菌性の試験を行った。その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
本発明品は短時間(1分以内)の接触で、各菌を効果的に殺滅していることが判る。
また、(c)成分を加えることにより低温安定が改善しており、より優れた洗浄剤組成物となっている。
なお、かすかに濁りを生じる程度では、使用上の問題のないものである。
【0041】
実施例4 (ハンドソープ)
以下に示す組成のハンドソープを常法により製造した。得られたハンドソープはpH6.6(25℃)であり、低温安定性に優れ、手荒れを起こしにくく、しかも殺菌効果の高いものであった。
【0042】
(成分) (重量%)
N−ココイル−L−グルタミン酸カリウム(30%水溶液) 5.0
モノ(2−エチルヘキシル)グリセリルエーテル 1.0
トリクロサン 0.3
イソプロピルメチルフェノール 0.3
ユーカリエキス 0.1
エタノール 2.0
香料 0.5
水酸化カリウム 適量
精製水 バランス
合計 100
【0043】
実施例5 (ボディーシャンプー)
以下に示す組成のボディーシャンプーを常法により製造した。 得られたボディーシャンプーはpH6.8(25℃)であり、低温安定性に優れ、手荒れを起こしにくく、しかも殺菌効果の高いものであった。
【0044】
(成分) (重量%)
N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム 8.0
モノ(n−オクチル)グリセリルエーテル 1.5
トリクロサン 0.4
イソプロピルメチルフェノール 0.3
ヒドロキシエチルセルロース 0.2
エチレンジアン四酢酸二ナトリウム 0.1
エタノール 3.0
香料 0.5
水酸化カリウム 適量
精製水 バランス
合計 100
【0045】
実施例6 (抗フケシャンプー)
以下に示す組成の抗フケシャンプーを常法により製造した。得られた抗フケシャンプーはpH6.8(25℃)であり、低温安定性に優れ、手荒れを起こしにくく、しかも殺菌効果の高いものであった。
【0046】
(成分) (重量%)
N−ココイル−L−アルギン酸ナトリウム(30%水溶液) 10.0
モノイソデシルグリセリルエーテル 2.0
トリクロサン 0.4
パラクロロメタキシレノール 0.3
カチオン化セルロース 0.1
1−ヒドロキエタン−1,1−ジホスホン酸 0.1
メチルパラベン 0.3
香料 0.5
水酸化ナトリウム 適量
精製水 バランス
合計 100
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は、皮膚に対して低刺激で肌荒れを起こしにくくかつ、洗浄性を付与する界面活性剤との併用系においても、広い殺菌スペクトルを有し、短時間で高い殺菌効果を発揮するため、身体用洗浄剤組成物として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭素数8〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基を有するN−アシルアミノ酸系界面活性剤 1〜12重量%、並びに
(b)トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロメタキシレノール(b3)を含有してなり、これらの総量として 0.05〜1重量%
を含有する液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項2】
(a)成分がN−アシル酸性アミノ酸系界面活性剤である請求項1記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項3】
(a)成分がN−アシルグルタミン酸又はその塩及びN−アシルアスパラギン酸又はその塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項4】
(a)成分のアシル基がラウロイル基又はココイル基である請求項1〜3の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項5】
トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロメタキシレノール(b3)の重量比が(b1)/〔(b2)+(b3)〕=1/10〜10/1である請求項1〜4の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項6】
(a)成分と(b)成分の比率が重量比で(a)/(b)=3〜20である請求項1〜5の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項7】
更に(c)成分として炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するグリセリルエーテルを含有する請求項1〜6の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項8】
フォーマー容器に充填された請求項1〜7の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2008−63499(P2008−63499A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244753(P2006−244753)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】