説明

液体添加剤噴射ポンプ用自動スイッチ

本発明は、所定量の二次流体を一次流体に噴射するシステムの作動を開示する。システムは、一次流体流によって駆動されると共に、自動スイッチ機構によって選択的に中断させられることが可能な流体駆動モータによって駆動される液体添加剤噴射ポンプを使用する。自動スイッチ機構は、作動軸および流体源と連通するアクチュエータを備える。アクチュエータが加圧された時に、作動軸は、ハウジングに対して相対的に移動させられて、流体駆動モータを連動或いは中断させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体モータによって駆動される液体添加剤噴射ポンプに関し、流体モータは一次流体流によって駆動され、液体添加剤が一次流体流に噴射される。より詳細には、本発明は、液体添加剤の噴射を選択的に一時中断させるための機構を連動させることが可能な自動スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
流体添加剤源に接続された添加剤噴射ポンプを駆動する流体駆動モータは、一般的には、圧力下において、一次流体を受け入れるためのラインに取り付けられる。一般的に、一次流体は、流体モータのハウジング内において、ピストン組立体の往復動を生じさせる。流体モータは、次に、所定量の二次流体を一次流体へ引き出すために、添加剤噴射ポンプのシリンダ内において、ピストンを往復させる。この機器は、家禽および家畜用の飲み水に薬剤を加え、水を添加剤で処理し、殺菌剤濃縮物を灌漑水に加え、或いは潤滑剤又は洗浄剤を水に加えるために適用されている。液体添加剤噴射ポンプ、例えば共有されている特許文献1に示されるように、ピストン組立体の往復動は、差圧を確立するように作動可能な弁組立体によって生じさせられる。即ち、ピストン組立体の上昇行程および降下行程位置と同期させられた弁機構の開放および閉鎖は、ピストンをその往復行程にわたって移動させる差圧を生じさせる。弁機構の開放および閉鎖は、オーバセンタ機構によって、ピストン組立体と同期させられており、ピストン組立体と同時に作動させられて、上昇行程および降下行程位置の端に到達する。オーバセンタ機構は、ばねによって付勢されると共に、ピストン組立体によって支持される作動軸が、その上昇行程および降下行程の端を画定するストッパに係合する際に、弁機構の開放および閉鎖を切り替えるように作用する。特許文献1は、モータに係合されてモータ上に配置される新規のオン・オフスイッチを開示している。特許文献1は、作動軸に取り付けられたカム機構を開示している。スイッチがオフ位置にある時に、ピストンの往復動は阻止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6910405号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述されるように、上記に挙げられたようなポンプは、灌漑および家畜への飲み水の供給を含む多くの用途に有益である。これらの用途はしばしば、電気に接近できない離れた場所、或いは電気の使用が実用的でない場所において有用である。それ故、このポンプの利点の一つとして、このポンプへの電気の流れは、駆動力が一次流体によって供給されるため不要である。しかしながら、ポンプはしばしば、離間して配置されるため、手動によるポンプのオン・オフは、困難であり、或いは時間がかかることが分かっており、離間して配置されたポンプを、ポンプが配置された場所以外の場所から制御することが望ましい。更に、スイッチは一般には、ポンプに配置されるため、人は一度に、一つのポンプをオン又はオフできるだけである。例えば洗車等、幾つかの用途が存在しており、電気式センサ又はモータを有することなく、一回で、幾つかのポンプを制御することが望ましい。従って、本発明は、液体添加剤噴射ポンプが、遠隔で、かつ電気センサ又はモータを必要とすることなく制御され得るシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、二次流体を一次流体中に噴射するためのシステムを提供する。システムは、一次流体流によって駆動される流体駆動モータを備える。流体モータは、次に、二次流体を計量するために、液体添加剤噴射ポンプを駆動する。流体駆動モータには、流体駆動モータの動作を中断することにより、一次流体への二次流体の噴射を中断するために、自動オン・オフスイッチが設けられる。自動オン・オフスイッチは、流体源および作動軸と連結されたアクチュエータ、或いは一次および二次流体の連通を維持するための他の装置を備える。アクチュエータのオン又はオフ位置は、流体源の圧力によって決定される。アクチュエータは、ポンプの動作に連動させるか、中断させる作動軸を軸線方向に沿って変位させる。アクチュエータがオン位置にある時に、作動軸は、流体駆動モータが連動し得ると共に、二次流体が一次流体流中に噴射させられるように、軸線方向に沿って変位させられる。しかしながら、アクチュエータがオフ位置にある時に、作動軸は、流体駆動モータの連動を阻止するように変位させられる。
【0006】
アクチュエータの圧力は、アクチュエータおよび圧縮流体源の間に配置された弁を制御することにより制御され得る。弁は、アクチュエータ内における圧力を調整するように遠隔制御されることができる。
【0007】
本発明の特徴である新規の特性は、特許請求の範囲に記載される。しかしながら、本発明自体、好適な使用態様、及びその更なる目的および効果は、以下の例示的実施形態の詳細な説明を参照して、添付の図面と併せて読むことによって、よく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】流体駆動モータのピストン組立体の往復動を中断させるような自動オン・オフスイッチが備えられた流体モータ駆動液体添加剤噴射ポンプの一実施形態の断面を示す図。
【図2】ソレノイド弁およびアクチュエータの作動を示す図1の流体駆動式液体添加剤ポンプの側面図。
【図3】図1の液体添加剤噴射ポンプの流体モータ部の垂直断面図であって、自動オン・オフスイッチ機構が「オン」位置にあり、かつ流体モータの往復ピストン組立体のその上昇行程の端まで通常に作動しており、ひいては、弁機構が、一実施形態において、オーバセンタ機構によって切り替えられることを示す図。
【図4】図1の液体添加剤噴射ポンプの流体モータ部の垂直断面図であって、自動オン・オフスイッチ機構が「オフ」位置にあり、かつ流体モータの往復ピストン組立体の通常作動が中断させられることを示す図。
【図5】図1の流体添加剤噴射ポンプの流体駆動モータ部の垂直断面図であって、自動オン・オフスイッチ機構が「オン」位置にあり、かつ流体モータの往復動ピストン組立体の降下行程の端まで通常に作動していることを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の発明の特定の実施形態が、図面を参照して説明される。特に断りのない限り、同様の要素は、全図面において、同一の符号によって特定される。
図1は、自動オン・オフスイッチを備えた流体モータ駆動式液体添加剤噴射ポンプの一実施形態の断面を示す図であり、自動オン・オフスイッチは、流体駆動モータのピストン組立体の往復動を一時中断させる。往復動を利用するポンプが詳細に説明されるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、一般に、流体駆動式液体添加剤噴射ポンプを制御するための新規の自動スイッチを開示する。そのようなものとして、多くの異なるタイプのモータおよびポンプが利用されてよい。例えば、一実施形態においては、往復ポンプでなく、本発明は、遠心ポンプと連結されるタービンに適用される。このような実施形態において、自動スイッチは、作動時に、一次流によって駆動されるタービンをポンプに連結し、ポンプは比例した量の二次流体を一次流体に汲み出す。この第二実施形態は、本発明の幅広い可能性に対する例証として提供される。更に、作動軸と連結されるアクチュエータを備えるスイッチが、一般に言及されるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のスイッチは、流体駆動ポンプを選択的に連動させることにより、二次流体との一次流体の連通を維持するか、阻止するような任意の装置を実質的に含み得る。例えば、アクチュエータおよび軸ではなく、スイッチが、流体駆動ポンプを選択的に連動させる弁に連結されたアクチュエータを含み得る。例および実施形態は、例示の目的で提供されるにすぎず、限定的なものではない。
【0010】
図1を再度参照すると、流体駆動モータ10は、完全に一次流によって駆動される非電動式モータである。好適な実施形態において、一次流は水である。図示される実施形態において、ポンプは、以下にて更に詳細に説明されるアクチュエータ軸28によって駆動される。アクチュエータ軸28は、本明細書においてしばしば作動軸と言及されるものであり、以下にて更に詳細に説明されるアクチュエータ41と連結される。アクチュエータ軸28は、本明細書において詳述されるように、往復ポンプの完全上昇行程を可能にすることにより、流体駆動モータを連動させる手段と同様に、例えば弁或いは一次又は二次流体の流れを制御することにより、或いは、他の場合において、ポンプの動作を阻止することにより、流体駆動ポンプを選択的に連動させる他の手段を備えてもよい。従って、アクチュエータ軸28が、一実施形態を参照して説明されるが、本発明は、流体駆動ポンプを選択的に連動させるような他の装置を採用してもよい。
【0011】
図1をさらに参照すると、ハウジング12は、カバー12Aおよび下体12Bを備え、これらはクランプ12CおよびOリング12Dによって連結されており、流体駆動モータの構成部品を包囲している。入口導管14は、一次流体流を受け入れ、かつ出口導管16は一次流体流を放出する。出口導管16は、下体12Bの出口ポート17にナット16Bで保持されるアダプタ16Aおよびガスケット16Cを備える。液体添加剤噴射ポンプ18が流体駆動モータ10に連結されている。取付部品20を有する入口導管は、液体添加剤を受け入れる。液体添加剤は、添加剤容器(図示せず)からポンプ18に汲み出されると共に、一次流体流中に噴射される。液体添加剤の計量は、比率調整スリーブ22および固定ピン22Aによって調整可能である。液体添加剤噴射ポンプ18は、計量ピストン23を備え、この計量ピストン23は、連結ピストンロッド27によって、内側シリンダ25Aおよび外側シリンダ25Bの間を移動可能である。流体駆動モータ10は、液体添加剤噴射ポンプを駆動するように、連結ピストンロッド27に連結される。
【0012】
ハウジング12内における流体駆動モータ10の内部構成部品は、ピストン組立体24を備える。弁機構26は、ピストン組立体24に支持され、かつポペット弁26A〜26Dを備える。アクチュエータ軸28は、ピストン組立体24を貫通し、かつ弁機構26を駆動するオーバセンタ機構(図示せず)に連結されている。ピストンの上昇行程および降下行程における弁機構26の開放および閉鎖は、ピストン組立体24の往復動を生じさせるために効果的な差圧をハウジング12内に生じさせる。流体駆動モータ10の内部構成部品は、いわゆる「差圧往復ピストン組立体」を構成する。
【0013】
ハウジング12の上部には、自動オン・オフスイッチ機構32がある。このような機構は、流体駆動モータ10の動作を選択的に中断および連動させるために使用される。スイッチ機構32及びアクチュエータ41は、一実施形態において、二つの位置、即ち、オン位置およびオフ位置を有する。以下に詳細に説明されるように、オン又はオフ位置は、流体源の圧力によって決定される。それ故、アクチュエータおよびスイッチ機構の両方は、流体源と連通している。スリーブ34は、ハウジング12の上部から延びている。軸プラグ36(図示せず)は、スリーブ34に対して相対的に軸線方向に沿って移動可能である。軸プラグ36は、アクチュエータ軸28およびアクチュエータ41の両方に連結されている。アクチュエータ41は更に、接続ライン51に接続されている。アクチュエータ41は、アクチュエータブラケット33を介して、上側ハウジング12に固定されている。以下に説明されるように、アクチュエータ軸28の軸線方向に沿った変位は、流体駆動モータ10の動作を制御する。それ故、アクチュエータ軸28および連結された軸プラグ36の軸線方向に沿った変位は、流体駆動モータ10がオンであるか、或いはオフであるかの視覚的表示を提供する。従って、一実施形態において、アクチュエータブラケット33は、表示部59を備える。本明細書で用いられる「表示部」は、ポンプの作動状態に対する任意の視覚的表示である。図示される実施形態において、表示部59は、ブラケットにおける孔であり、この孔を介して、軸プラグ36の変位が監視され得る。このような実施形態において、例えば、オン位置に整合する場合に、軸プラグ36上に配置された緑色の点等の表示が、表示部59を介して見られる。同様に、オフ位置に整合する場合に、赤色の点が、表示部59を介して見られる。ポンプの状態を示すために有用な他の実施形態が、採用されてもよい。例えば、圧力ゲージがアクチュエータ41に取り付けられて、アクチュエータが加圧されているか否かを示してもよい。採用される実施形態にかかわらず、目的は、ポンプの状態の視覚的表示を提供することにある。アクチュエータ41の動作が、以下において図2を参照して説明される。
【0014】
次に、図2を参照すると、図2は、ソレノイド弁52を利用するアクチュエータ41の一実施形態の動作を示す図1の流体駆動式の液体添加剤ポンプの側面図である。以下に詳細に説明するように、多様な弁が採用されてよい。弁は、アクチュエータ41および流体源の両方と流体連通している。
【0015】
流体駆動モータ10の内部構成部品の多くは、図2には示されておらず、自動スイッチ機構32の説明に必要な部品のみが示されている。流体駆動モータ10は、アクチュエータ軸28に連結されて示されている。アクチュエータ軸28が軸プラグ36に連結されている。一実施形態において、軸プラグ36は、流体駆動モータ10の上側ハウジング12を越えて延びている。軸プラグ36は、アクチュエータ41に連結されて、固定された吊り下げ軸56に連結されて、固定されている。軸プラグ36は、ばねピンを含む当該技術分野で周知の多くの方法によって、吊り下げ軸56に固定され得る。アクチュエータ41の内部において、吊り下げ軸56は、台57に取り付けられている。
【0016】
図示される実施形態において、アクチュエータ41は、二つの端位置を有する。第一の端位置において、アクチュエータ41は自然状態にあると共に、いかなる下方向への力も付与しない。ばね58が台57へ上方向への力を付与する。上方向への力は、以下にて説明されるように、相殺されない時には、台57をアクチュエータ41内において上昇した状態に維持する。この際に、アクチュエータ軸28は、僅かに上昇させられるか、或いは少なくとも下方向に押されない。以下に詳細に説明されるように、一実施形態において、この作用、あるいは無作用は、流体駆動モータ10が連動することを阻止する。また、第二の端位置において、台57をアクチュエータ41内において下方向へ降下させる力が付与される。この力は、ばね58によって付与される上方向への力を相殺して、超えるものであり、軸プラグ36およびアクチュエータ軸28の両方が、流体駆動モータ10に対して相対的に下方向へ移動させられる。以下に詳細に説明されるように、この作用は、流体駆動モータ10を連動させる。本実施形態において、流体駆動モータ10を「オン」位置にするために力が必要とされるため、スイッチは、フェールセーフ機器と考えられることができる。すなわち、アクチュエータ41内において付与され、かつ流体駆動モータ10を連動させる力を、外部源が妨害する場合に、流体駆動モータ10が連動することを終了させる。一実施形態は、下方向への力が流体駆動モータ10を連動させるように、一般に説明されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の実施形態において、上方向への力が流体駆動モータ10を連動させることも好ましい。それ故、ポンプをオンにするために、ハウジング12に対して相対的に軸線方向に沿って下方向に変位させられる作動軸28について一般に言及されているが、幾つかの実施形態において、逆の状況も可能である。例えば、幾つかの実施形態において、作動軸28は、ポンプをオンにするために、ハウジング12に対して相対的に軸線方向に沿って上方向に変位させられる。本発明は、アクチュエータ41のオン又はオフ位置が、流体源の圧力および結果的に生じるアクチュエータ軸28の軸線方向に沿った変位によって決定される装置および方法を開示している。また、幾つかの実施形態において、アクチュエータ41は、ポンプを連動させるために加圧される一方、他の実施形態において、アクチュエータ41は、ポンプを連動させるために減圧される。一つ応用例への言及は、限定的と解釈されるべきではない。従って、本発明は概して、ポンプをオンにするために、アクチュエータ41が加圧させられ、かつアクチュエータ軸28がハウジング12に対して相対的に下方向へ変位させられる一実施形態を説明しているが、当然のことながら、本説明は、例証を目的とするものに過ぎず、限定的と考えられるべきではない。
【0017】
また、示される実施形態は、台57に取り付けられるばね58を開示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。アクチュエータ軸28が流体駆動モータ10を連動させない第一端位置と、アクチュエータ軸28が流体駆動モータ10を連動させる第二端位置の両方を提供する任意の構成が可能である。
【0018】
示される実施形態において、接続ライン51は、アクチュエータ41と流体連通している。接続ライン51はまた、三方向ソレノイド弁52と流体連通している。三方向ソレノイド弁52は、示される実施形態において、高圧供給ライン54に接続される供給ポートと、パージライン53および前述の接続ライン51を備える二個の出口ポートを有する。それ故、アクチュエータ41の圧力は、ソレノイド弁52を制御することにより調整される。ソレノイド弁は、当該技術分野において周知であり、弁の動作を制御するために、電流を使用する。一実施形態において、ポンプが「オン」であることが望ましい時に、ソレノイド弁は、高圧供給ライン54を接続ライン51に接続する。結合ライン51からの圧力、即ち作動流体は、アクチュエータ41内において、台57上に作用して、下方向への力を付与する。それ故、作動時に、台57に作用させられる正圧が存在する。上述したように、このような実施形態において、「オン」位置にある時には、作動軸28は下方向へ変位させられて、流体駆動モータ10を連動させる。しかしながら、ポンプを停止させることが望ましい時には、アクチュエータ41内の圧力は、解放、即ち減圧させられなければならない。このために、三方向ソレノイド弁は、接続ライン51をパージライン53と接続するように調整される。これにより、アクチュエータ41の圧力が解放されると共に、ポンプを停止させる。それ故、「オフ」位置において、作動軸28は下方向に変位させられず、また、流体駆動モータ10は連動しない。
【0019】
好適には、パージライン53は、アクチュエータ41内の圧力が、おおよそ大気圧に到達するのを可能にするために、大気に開放されている。好適な実施形態において、三方向ソレノイド弁52は、低電流又は断続電流の場合に、高圧供給ライン54をパージライン53に接続するフェールセーフ弁である。説明される実施形態は、三方向ソレノイド弁を含むが、当該技術分野において知られている他の弁であってもよい。例えば、一つの三方向ソレノイド弁ではなく、複数の二方向ソレノイド弁が使用されてもよい。ソレノイド弁を使用する実施形態が説明されているが、本発明はこれに限定されない。他の弁は、手動および自動の両者であっても、アクチュエータ41内の圧力を制御するために、問題なく採用されることができる。詳述したように、また、以下に更に詳細に説明するように、これらの弁は、ポンプに、或いは流体駆動モータ10から離間した位置に配置され得る。
【0020】
高圧供給ライン54内の流体、即ち作動流体は、様々な流体源から得られる。好適な実施形態において、高圧供給ライン54は、一次流と接続される。一実施形態において、高圧供給ライン54は、入口導管14からの分流である。それ故、このような実施形態において、作動流体は、一次流体と同じ流体である。例えば、このような実施形態において、水が流体駆動モータ10を駆動しているならば、水はまた、アクチュエータ41が流体駆動モータ10を連動させるか、自由にさせることを可能にするために必要な圧力を付与する。他の実施形態において、高圧供給ライン14は、空気等の他の流体源と結合される。本明細書で使われる「空気」は、従来の意味での空気、即ち呼吸気、並びに二酸化炭素、窒素および炭素を含む限定されない他の周知の気体を含む。
【0021】
自動弁、例えば図示されるソレノイド弁52は、一般的には、作動のために電流を必要とする。それ故、一実施形態において、三方向ソレノイド弁52は、ワイヤ55を介して、電源と接続される。ワイヤ55はまた、三方向ソレノイド弁52に流れる電流を制御する制御装置又はスイッチ(図示せず)と接続される。この制御装置又はスイッチは、流体駆動モータ10が、ポンプから遠く離間した位置から始動させられるように、流体駆動モータ10から離間して配置され得る。さらに、スイッチ又は制御装置は、一度で、または多様な方法で、幾つかの流体駆動モータ10の動作を可能にするコンピュータを介して制御され得る。例えば、洗車等の幾つかの用途において、洗車の様々な時点で、異なる添加剤を流体流に加えることが望ましいかもしれない。コンピュータは、所望される多くの異なる添加剤を加えるために、異なる流体駆動モータ10を、異なる時点に開始および停止させ得る。更なる利点としては、ワイヤが、三方向ソレノイド弁52又は他の適当な弁と接続される唯一の電気構成部品である。
【0022】
多くの状況において、ワイヤおよび電流源を流体駆動モータ10の近傍に備えることは好ましくないかもしれない。例えば、流体駆動モータ10が、洗車又は湿った場所のいずれかで使用される場合、ワイヤを介した電流の送達は、困難であり、或いは好ましくないかもしれない。更に、しばしば、電気ワイヤ55を遠く離れた地面にわたって設けることは、極めて高価であるかもしれない。本発明は、この問題を克服するために、多くの方法を提供する。第一に、弁は、湿った環境の外部に配置されることができる。例えば、洗車状況を保持しつつ、弁は、洗車場の制御室内、又は洗車場の外部のいずれかに配置され得る。それ故、高圧ライン51は、必要に応じて、弁が流体駆動モータ10と比較して中央に配置されることを可能にするように延びていてよい。また、この事実は流体駆動モータ10まで長く電気ワイヤ55を有することの必要性も排除する。上述されたように、しばしば、延在する電気ワイヤ55は極めて高価である。多くの用途において、電気ワイヤ55よりも長い配管(結合ライン51および高圧供給ライン54の両方)を延在させる場合、より安価であり、即ち、より実用的であり得る。
【0023】
電気ワイヤ55に対する必要性の排除の別の選択肢としては、弁52を充電池又は他の手段等の独立した電源に接続させることである。本明細書で使われる「独立した電源」には、配電網と接続されていない任意の電源を含む。例えば、電源は、ソーラパネルに接続された充電池を含んでよい。電源は、更に、遠隔制御装置を介して、遠隔制御され得る遠隔受信機に接続されてよい。同様に、弁は、遠隔制御装置によって接続および制御されてよい。それ故、流体駆動モータ10は、電気へ接近することなく、遠隔位置に配置されることができ、かつ、使用者は、遠隔制御装置を介して、集中した位置からモータ10をオンおよびオフを切り替えることができる。また、このような実施形態において、弁は、独立した電源によって制御され得る。
【0024】
ソレノイド弁に関しては、様々なソレノイド弁が存在しており、その殆どが、本発明で採用され得る。幾つかのソレノイド弁は、開放状態を維持するために、電流を必要とするが、他のものは、閉鎖状態を維持するために電流を必要とする。一般的に直接作用ソレノイド弁と呼ばれる他のソレノイド弁は、弁を調整する時に、短時間の間、最大電力を必要とするのみであり、また、その調整された位置に弁を保持するために、低電力を使うに過ぎない。これらの直接作用ソレノイド弁は、独立した電源を利用する実施形態において、特に有用である。独立した電源を利用する用途に共通する問題は、極めて頻繁に電力を使い果たすことにある。電力を節約すると共に、作用に最小の電力を必要とするソレノイドを使うことは、独立した電源が十分に長い寿命を有することを保証する。また、一実施形態がソレノイド弁と共に説明されているが、本発明は、多様な弁を使用することができる。例えば、一実施形態において、作動流体は、空気タンクからの空気である。空気タンクに備えられる自動弁は、遠隔制御されるものであり、アクチュエータ41を加圧および減圧させる。他の実施形態において、例えば洗車状況において、弁は、洗車場における車の位置等、外部からの力によって開放又は閉鎖させられる。弁が開放させられた時に、アクチュエータは、加圧されるか、減圧される。当業者は、流体駆動モータ10を制御するようにアクチュエータ41の圧力を調整可能な多くの方法を認識できる。
【0025】
図3は、図1の液体添加剤噴射ポンプの流体モータ部の垂直断面図であり、自動オン・オフスイッチ機構32、ひいてはアクチュエータ41は、「オン」位置にあり、かつ流体モータ10の往復ピストン組立体24のその上昇行程の端まで通常に作動しており、その結果、弁機構26は、一実施形態において、オーバセンタ機構42によって切り替えられる。それ故、「オン」位置において、ピストンの上昇行程ストッパは、その通常位置にあると共に、ピストン24がその上昇行程位置に到達した時に係合され得る。図3に示されるように、アクチュエータ軸28は、円周方向肩部46を備え、この肩部46は、ピストン組立体24のカラー延長部48に係合するように整合している。当然のことながら、ピストン組立体24が上昇行程において移動した時に、内側カラー延長部48は、肩部46に係合する。カラー延長部48が肩部46に係合する時に、弁機構26は閉鎖位置に移動させられるとともに、オーバセンタ機構42は、弁機構26の閉鎖状態を維持する位置に切り替えられるように作動する。弁機構26の閉鎖に際して、ピストン組立体24をその往復行程の降下行程に移動させる差圧が発生する。図3に示されるアクチュエータ軸28の位置において、ピストン組立体24のその上昇行程の端への移動範囲は、オーバセンタ機構42が完全に切り替わることを可能にする。また当然のことながら、オーバセンタ機構42は、弁機構26を交互に開放位置および閉鎖位置に到達させる双安定機器を形成する。アクチュエータ軸28が図3に示される位置の状態で、ピストン組立体24の往復動をもたらす通常作動が継続し得る。
【0026】
図4は、図1の液体添加剤噴射ポンプの流体モータ部の垂直断面図であり、自動オン・オフスイッチ機構32、またひいてはアクチュエータ41は、「オフ」位置にあり、かつ流体モータの往復ピストン組立体の通常作動が中断させられている。示されるように、軸プラグ36、吊り下げ軸56、および取り付けられたアクチュエータ軸28の全ては、ずれた位置に変位させられている。当然のことながら、ピストン組立体24が上昇行程に移動した時に、外側カラー延長部50がハウジングカバー12Aの上部に先に係合するため、内側カラー延長部48は、肩部46に係合し得ない。その結果、弁機構26は、ピストン組立体24を、その往復行程の降下行程部に移動させるために必要な差圧をハウジング12内で発生するように閉鎖しない。また、オーバセンタ機構42は部分的に移動させられるが、完全に切り替えられない。アクチュエータ軸28が図4に示される位置にある状態で、ピストン組立体24の通常往復動の作用は継続せず、また、液体添加剤は、もはや一次流体流に噴射されない。それ故、「オフ」位置にある時に、ピストン上昇行程ストッパは、ずれた位置にあり、また、ピストン24がその上昇行程位置に到達した時に係合しない。しかしながら、自動スイッチ32を「オン」位置へ活性化させると、内側カラー延長部48は、アクチュエータ軸28上で肩部46に係合する。弁機構は閉鎖し、かつオーバセンタ機構は切り替えを完了する。ピストン組立体24の往復動に必要とされる必需差圧が、ハウジング12内で確立されて、通常作動が再開する。
【0027】
図5は、図1の液体添加剤噴射ポンプの流体駆動モータ部の垂直断面図であり、自動オン・オフスイッチ機構は、「オン」位置にあり、かつ流体モータの往復ピストン組立体の降下行程の端まで通常に作動している。弁機構26は、着座位置で閉鎖させられるポペット弁を有する。即ち、オーバセンタ機構42は、図3に示されるものと逆の双安定状態にある。
【0028】
前述の方法およびシステムは、遠隔制御され得る流体駆動モータを結果的に得る。本発明は、好適な実施形態を参照して、詳細に図示および説明されているが、当業者であれば理解できるように、本発明の精神および権利範囲から逸脱することなく、形態及び細部における様々な変更が、本明細書においてなされてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次流体中に二次流体を噴射するためのシステムにおいて、
一次流体流によって駆動される流体駆動モータであって、作動軸を有する前記流体駆動モータと、
前記流体駆動モータによって駆動される液体添加剤噴射ポンプと、
前記作動軸を介して、前記流体駆動モータの動作を選択的に中断および連動させるために、前記流体駆動モータに連結される自動オン・オフスイッチ機構とを備え、
前記自動オン・オフスイッチは、
オン位置およびオフ位置を有するアクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、前記作動軸に連結され、かつ流体源に連通しており、
前記アクチュエータのオン位置又はオフ位置は、前記流体源の圧力によって決定されるシステム。
【請求項2】
前記オン位置において、前記作動軸は、軸線方向に沿って下方向に変位させられて、前記流体駆動モータを連動させる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体駆動モータは、差圧往復ピストン組立体を包囲するハウジングを備え、前記ピストン組立体は前記作動軸を備え、前記作動軸は、通常作動の間に、ピストン上昇行程ストッパを提供し、前記アクチュエータがオン位置にある時に前記ピストン上昇行程ストッパはその通常位置にあるとともに、前記ピストンがその上昇行程位置に到達する時に前記ピストン上昇行程ストッパが係合するように、かつ、前記アクチュエータがオフ位置にある時に前記ピストン上昇行程ストッパがずれた位置にあるとともに、前記ピストンがその上昇行程位置に到達する時に前記ピストン上昇行程ストッパが係合しないように、前記自動オン・オフスイッチ機構は、前記作動軸を前記ハウジングに対して相対的に、軸線方向に沿って変位させる請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータおよび前記流体源と連通する弁をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記弁はソレノイド弁である請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記弁は、さらに、電源に接続される請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記弁は、独立した電源に接続される請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記弁は、遠隔受信機に接続される請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記弁は、コンピュータを介して制御される請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体は、前記一次流体である請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記流体は空気である請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
表示部をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記スイッチは、フェールセーフ機器である請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
一次流体中に二次流体を噴射するための改良されたシステムであって、該システムは、
一次流体流によって駆動される流体駆動モータと、
前記流体駆動モータによって駆動される液体添加剤噴射ポンプとを備え、
前記流体駆動モータは、
(a)ハウジング内において、上昇行程位置および降下行程位置の間を移動可能なピストンと、
(b)前記ピストンの移動を発生させるために、前記ハウジング内において差圧を確立する弁機構と、
(c)前記弁機構を開放位置および閉鎖位置の間で切り替えるために、該弁機構と連結されるオーバセンタ機構と、
(d)前記オーバセンタ機構に連結される作動軸であって、前記作動軸はピストン上昇行程ストッパを有し、前記ピストン上昇行程ストッパは、前記ピストンの通常の往復動の間に、前記ピストンの上昇行程位置において、前記弁機構を切り替える前記作動軸とを備え、
前記システムは、前記流体駆動モータの作動を選択的に中断および連動させるために、該流体駆動モータに連結される自動オン・オフスイッチ機構を備え、該自動オン・オフスイッチは、
オン位置およびオフ位置を有するアクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、前記作動軸に連結されると共に、流体源と連通しており、
前記アクチュエータのオン位置又はオフ位置は、前記流体源の圧力によって決定されるシステム。
【請求項15】
前記オン位置において、前記作動軸は、前記ハウジングに対して相対的に軸線方向に沿って下方向に変位させられて、前記流体駆動モータを連動させる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記アクチュエータおよび前記流体源と連通する弁をさらに備える請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記弁はソレノイド弁である請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記弁は、さらに、電源に接続される請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記弁は、独立した電源に接続される請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記弁は、遠隔受信機に接続される請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記弁は、コンピュータを介して制御される請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記流体は前記一次流体である請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記流体は空気である請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
表示部をさらに備える請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記スイッチはフェールセーフ機器である請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
流体モータ駆動式液体添加剤噴射ポンプの動作を中断および連動させる方法であって、前記流体モータ駆動式液体添加剤噴射ポンプは、差圧往復ピストン組立体を包囲するハウジングを有し、該差圧往復ピストン組立体は作動軸を備え、該作動軸は通常作動の間にピストン上昇行程ストッパを提供し、前記作動軸は、自動スイッチと連通する流体源に連結されたアクチュエータと連結されており、前記方法は、
流体でアクチュエータを加圧する工程と、
前記差圧往復ピストン組立体がその上昇行程位置に到達する時に、前記ピストン上昇行程ストッパがその通常位置にあり、かつ、前記作動軸が係合するように、前記作動軸を前記ハウジングに対して相対的に変位させる工程とを備える方法。
【請求項27】
前記アクチュエータが加圧される際に、前記作動軸は、前記ハウジングに対して相対的に下方向に変位させられる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記差圧および往復ピストン組立体がその上昇行程位置に到達し、かつ、前記流体モータ駆動式液体添加剤噴射ポンプが中断させられる時に、前記ピストン上昇行程が係合しないように、前記アクチュエータが減圧させられる時に、前記作動軸は前記ハウジングに対して相対的に上方向に変位させられる請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記加圧する工程は、前記アクチュエータおよび前記流体源の間に配置された弁を調節する工程を備える請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−502235(P2012−502235A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526191(P2011−526191)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/055856
【国際公開番号】WO2010/028124
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(507301947)ドスマティック ユーエスエイ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】DOSMATIC USA,INC.
【Fターム(参考)】