液晶表示装置、その駆動方法および電子機器
【課題】光源を間欠的に点灯させる技術とオーバードライブとを組み合わせたときに、表示上の段差に起因した二重像の発生を抑える。
【解決手段】複数の画素の明るさをそれぞれ規定するとともに現フィールドで供給された映像データVid-2を、直前フィールドで供給された映像データからの明るさ変化分に応じて補正する補正回路30と、複数の画素110を有し、補正回路によって補正されたオーバードライブデータVid-2'に応じたデータ信号の電圧が前記複数の画素にそれぞれ書き込まれる液晶表示パネル100と、液晶表示パネル100に光を駆動信号Ld1〜Ld4にしたがって照射する光源61〜64と、補正回路によって画素の光学応答が補償される期間に光源を消灯させるように駆動信号Ld1〜Ld4を生成する光源制御回路50とを具備する。
【解決手段】複数の画素の明るさをそれぞれ規定するとともに現フィールドで供給された映像データVid-2を、直前フィールドで供給された映像データからの明るさ変化分に応じて補正する補正回路30と、複数の画素110を有し、補正回路によって補正されたオーバードライブデータVid-2'に応じたデータ信号の電圧が前記複数の画素にそれぞれ書き込まれる液晶表示パネル100と、液晶表示パネル100に光を駆動信号Ld1〜Ld4にしたがって照射する光源61〜64と、補正回路によって画素の光学応答が補償される期間に光源を消灯させるように駆動信号Ld1〜Ld4を生成する光源制御回路50とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置において、動画を表示する際のぼやけ感等を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、光学応答が、CRTのようなインパルス型ではなく、ホールド型であるので、動画を表示する際に、前の画像が残像として視認されやすく、動きのない背景に対して動きのある部分の境界がぼやけるという現象が発生しやすい。そこで、バックライトの発光領域を複数に分割するとともに、これらの分割した発光領域を、液晶表示の水平走査に同期するように順次間欠的に点灯させることによって、残像感を低減して、上記ぼやけ感を低減させる技術が知られている(特許文献1参照)。
また、液晶の光学的な応答速度が十分でないことにも起因してぼやけ感が発生する。そこで、低応答によるぼやけ感を低減するための技術として、いわゆるオーバードライブという技術もある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−202285号公報(図1、図2、段落0031等参照)
【特許文献2】特開2001−265298号公報(図5等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、バックライト等の光源を間欠的に点灯させる技術とオーバードライブとを組み合わせたときに、二重像が視認されるという問題が懸念された。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、このような二重像が視認されにくくする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る液晶表示装置は、複数の画素の明るさをそれぞれ規定する映像データを、過去の映像データからの明るさ変化分に応じて補正する補正回路と、複数の画素を有し、前記補正回路によって補正された映像データに応じた電圧を前記複数の画素にそれぞれ書き込む液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を駆動信号にしたがって照射する光源と、前記光源に前記駆動信号を供給する光源制御回路であって、前記補正回路によって前記画素の光学応答が補償される期間に前記光源を消灯させるように前記駆動信号を生成する光源制御回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、映像の明るさに変化があった場合、補正によって画素の応答が補償されて透過率または反射率が変化する期間では、光源が消灯するので、当該変化している途中状態が視認されることはない。このため、変化前から変化後までにかけて二重像の発生を抑えた上で、動画を表示する際のぼやけ感を低減することが可能となる。
【0005】
本発明において、外部から同期信号にしたがった走査速度で供給される映像データを、前記同期信号にしたがった走査速度のn(nは2以上)倍の走査速度で、n回繰り返して出力する速度変換回路を、備え、前記速度変換回路によって出力される映像データを、前記補正回路に供給する構成としても良い。この構成によれば、光源の点灯・消灯のサイクル周波数を低下させる場合と比較して、フリッカーの発生を抑えることができる。また、本発明において、前記光源制御回路は、前記速度変換回路によるn倍の走査速度を示す信号をn分周した分周信号に基づき前記駆動信号を生成しても良い。
なお、本発明は、液晶表示装置のほか、液晶表示装置の駆動方法としても、また、当該液晶表示装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、液晶表示装置10は、速度変換回路20、フレームメモリー22、補正回路30、フレームメモリー32、D/A変換回路35、分周回路40、光源制御回路50、光源61〜64および液晶表示パネル100を有する。
【0007】
ここで、説明の便宜上、液晶表示パネル100について説明する。液晶表示パネル100は、特に図示しないが、素子基板と対向基板とが一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に液晶が封止された構成となっている。対向基板のうち、素子基板との対向面には、透明性を有するコモン電極が全面にわたって設けられるとともに、当該コモン電極には、図示しない電圧供給回路によって電圧Vcomが印加されている。
一方、素子基板のうち、対向基板との対向面には、本実施形態では120行の走査線112が図において横方向に延在し、また、160列のデータ線114が図において縦方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられている。さらに、画素110が、走査線112とデータ線114との交差のそれぞれに対応して設けられる。
【0008】
ここで、画素110の詳細について説明する。図2は、画素110の等価回路を示す図であり、i行目及びこれに下方向で隣接する(i+1)行目と、j列目及びこれに右方向で隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成が示されている。なお、i、(i+1)は、画素110が配列する行を説明するための記号であって、それぞれ1以上120以下の整数であり、また、j、(j+1)は、画素110が配列する列を説明するための記号であって、1以上160以下の整数である。
【0009】
図2に示されるように、各画素110は互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素110において、nチャネル型の薄膜トランジスター(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116は、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極がj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極が透明性を有する矩形形状の画素電極118に接続されている。
このため、画素110毎に、画素電極118とコモン電極とで液晶105を挟持した液晶容量120が構成されることになる。
【0010】
液晶表示パネル100の背面側には、バックライトとして例えば白色LEDからなる光源61〜64が設けられて、光を背面側から観察側に向けて照射する。詳細には、液晶表示パネル100では、バックライトによる発光領域が、1〜30行目の画素配列領域、31〜60行目の画素配列領域、61〜90行目の画素配列領域および91〜120行目の画素配列領域に4分割されており、このうち、光源61は、1〜30行目の領域に、駆動信号Ld1がHレベルであるときに光を照射する。同様に、光源62、63および64は、31〜60行目、61〜90行目および91〜120行目の領域に、それぞれ駆動信号Ld2、Ld3およびLd4がそれぞれHレベルであるときに光を照射する。
【0011】
特に図示はしないが、両基板の各対向面には、液晶分子の長軸方向が両基板間で例えば約90度連続的に捻れるようにラビング処理された配向膜がそれぞれ設けられる一方、両基板の各背面側には配向方向に応じた偏光子がそれぞれ設けられる。
光源61〜64によって照射された光のうち、画素電極118とコモン電極108との間を通過する光は、液晶容量120に保持された電圧の実効値がゼロ(またはゼロ近傍)であれば、液晶分子の捻れに沿って約90度旋光する一方、当該電圧実効値が大きくなるにつれて、液晶分子が電界方向に傾く結果、その旋光性が消失する。このため、透過型において、例えば入射側と背面側とに配向方向に合わせて偏光軸が互いに直交する偏光子をそれぞれ配置させると、当該電圧実効値がゼロに近ければ、光の透過率が最大となる白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する光量が減少して、ついには透過率が最小となる黒色表示になる(ノーマリーホワイトモード)。
【0012】
ここで、走査線112に選択電圧を印加させるとともに、選択走査線112に対応する画素110(液晶容量120)に対して、目的とする透過率に応じた電圧のデータ信号を、データ線114を介して供給させると、当該走査線112にゲート電極が接続されたTFT116がオン状態となり、当該データ信号が、オン状態のTFT116を介して画素電極118に印加されるので、目的とする透過率にさせることができる。
なお、走査線に非選択電圧を印加して、TFT116をオフ状態とさせても、TFT116がオン状態のときに液晶容量120に書き込まれた電圧は、その容量性により保持される。
【0013】
図示しない上位装置からは、第1同期信号Sync-1と映像データVid-1とが供給される。映像データVid-1は、液晶表示パネル100の各画素の明るさ(輝度)をそれぞれ指定するデジタルデータであって、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号、水平同期信号およびドットクロック信号によって走査される画素の順番で供給される。なお、映像データVid-1が輝度を指定する画素の順番は、画素配列の行でいえば、1、2、3、…、120行目であって、各行において1、2、3、…、160列目である。
また、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号の周波数(垂直走査周波数)は60Hzとしている。このため、表示すべき画像の1コマ分は、垂直走査周波数の逆数である16.7ミリ秒で供給される。本実施形態では、この1コマ分の映像データが供給される期間をフレームと称している。
【0014】
速度変換回路20は、映像データVid-1の供給速度を2倍速化するとともに、2回繰り返して、映像データVid-2として出力するものである。詳細には、速度変換回路20は、映像データVid-1をフレームメモリー22に一旦書き込んだ後、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号、水平同期信号およびドットクロック信号の周波数をそれぞれ2倍化して、これらを第2同期信号Sync-2として生成するとともに、フレームメモリー22から映像データVid-1を第2同期信号Sync-2にしたがって2回、読み出して、映像データVid-2として出力する。
換言すれば、1フレーム分の映像データVid-1が速度変換回路20に供給されると、当該速度変換回路20は、同じ内容の映像データVid-2を2倍の速度で2回繰り返して出力することになる。そこで便宜的に、同じ内容の映像データVid-2が1番目に供給される期間をフィールド1fとし、2番目に供給される期間をフィールド2fとする。
なお、第2同期信号Sync-2に含まれる垂直同期信号Vsync-2の周波数は、第1同期信号Sync-1の2倍である120Hzとなり、フィールド1f、2fの期間は、フレームの半分の8.35ミリ秒である。
【0015】
Yドライバー130は、1、2、3、…、120行目の走査線112に、選択電圧または非選択電圧の走査信号G1、G2、G3、…、G120を供給する走査線駆動回路である。詳細には、Yドライバー130は、フィールド1f、2fのそれぞれにおいて走査線112を、それぞれ1、2、3、…、120行目という順番で選択して、選択走査線には選択電圧を印加し、それ以外の走査線には非選択電圧を印加する。なお、Yドライバー130は、第2同期信号Sync-2に含まれる垂直同期信号および水平同期信号にしたがって1〜120行目の走査線を選択する。
【0016】
補正回路30は、液晶の低応答性を補償するための、いわゆるオーバードライブ回路であり、映像データVid-2を補正してオーバードライブデータVid-2'として出力するものである。
詳細には、補正回路30は、例えば、あるフィールド(現フィールド)において映像データVid-2が供給されたときに、当該現フィールドの映像データVid-2をフレームメモリー32に記憶するとともに、直前フィールドの映像データVid-2をフレームメモリー32から読み出し、直前フィールドで指定された輝度からの変化分を画素毎に求め、当該変化分に応じて現フィールドの映像データVid-2の輝度を補正する。なお、フレームメモリー32に記憶された現フィールドの映像データVid-2は、次フィールドにおいて比較のために読み出される。
また、補正回路30は、単純には、現フレームの映像データVid-2で規定される輝度と、直前フレームの映像データVid-2で供給される輝度との二つの入力値に応じた値を出力するような二次元ルックアップテーブルで構成しても良い。
【0017】
D/A変換回路35は、補正回路30によるオーバードライブデータVid-2'を、基準電圧Vcを基準にして高位側の正極性電圧および低位側の負極性電圧のデータ信号dsに、交互に所定周期毎に切り替えながら変換して出力する。
【0018】
Xドライバー140は、1、2、3、…、160列目のデータ線114に、データ信号d1、d2、d3、…、d160を供給するデータ線駆動回路である。詳細には、Xドライバー140は、第2同期信号Sync-2に含まれる水平同期信号およびドットクロック信号にしたがってデータ線114を選択するとともに、選択したデータ線114にデータ信号dsを、サンプリングする。ある行の画素が水平走査される期間において、データ信号dsは、1、2、3、…、160列目という画素の順で供給されるので、1〜160列目のデータ線114には、水平走査される行の画素に対応したデータ信号がそれぞれサンプリングされることになる。
したがって、フィールド1f、2fのそれぞれにおいて1〜120行目の走査線112が順番に選択されるとともに、選択走査線に位置する画素110(液晶容量120)にデータ信号がデータ線114を介して書き込まれることになる。
【0019】
分周回路40は、速度変換回路20によって出力される第2同期信号Sync-2のうち、垂直同期信号Vsync-2の周波数を1/2にして、信号Sync-aとして出力するものである。したがって、信号Sync-aによって、映像データVid-2(オーバードライブデータVid-2’)が規定するフィールド1f、2f、すなわちフレームが特定される。なお、本実施形態では、垂直同期信号Vsync-2の周波数が120Hzであるから、信号Sync-aの周波数は60Hzとなる。
光源制御回路50は、信号Sync-aで特定される各フレームのうち、図3の(c)に示されるように、デューティ比50%であって後半期間にHレベルとなるパルス信号の駆動信号Ld1を出力する。このため、駆動信号Ld1は、映像データVid-2(オーバードライブデータVid-2')で規定される各フレームのうち、フィールド1fでLレベルとなり、フィールド2fでHレベルとなる。光源制御回路50は、また、駆動信号Ld1に対しそれぞれ位相が45度、90度、135度遅延した駆動信号Ld2、Ld3、Ld4を生成する。
【0020】
次に、本実施形態に係る液晶表示装置10の動作について説明する。図3は、映像データVid-1の供給動作、液晶表示装置10の表示動作、および、光源動作を示す図である。
なお、図では、時間的に連続する複数フレームを便宜的に区別するために、順番にNフレーム、(N+1)フレーム、(N+2)フレーム、…、と表記している。また、映像データVid-1を2倍速化して映像データVid-2として出力する際に、速度変換回路20は、上述したように映像データVid-1をフレームメモリー22に一旦記憶した後、読み出す構成となっているので、映像データVid-2(および当該映像データVid-2を補正したオーバードライブデータVi d-2’)で規定されるフレームは、映像データVid-1で規定されるフレームに対して、実際には遅延した関係になるが、図3では、説明理解のために時間的に揃えている。
【0021】
いま、ある特定の画素、例えば光源61の発光領域である1〜30行目のうち、最初に選択される1行目であって、1〜160列のいずれかの画素について着目して、映像データVid-1によって当該着目画素に指定される輝度に対し、液晶表示パネル100の当該着目画素における実際の透過率がどのように変化するかについて説明する。
【0022】
図3の(a)に示されるように、映像データVid-1が、当該着目画素に対し、Nフレームにおいて輝度20%を指定していたときに、(N+1)フレーム以降において輝度80%に変化した状態を想定する。
この状態において、映像データVid-2が指定する輝度は、映像デ−タVid-1と同値である。すなわち、特に図示しないが、映像データVid-2が当該着目画素に指定する輝度は、Nフレームのフィールド1f、2fにおいてそれぞれ20%であり、(N+1)フレーム以降のフィールド1f、2fにおいてそれぞれ80%である。
【0023】
(N+1)フレームのフィールド1fにおいて映像データVid-2が指定する輝度は、直前のNフレームのフィールド2fから変化している。このため、補正回路30は、図3の(b)において破線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fにおいてオーバードライブデータVid-2'が指定する輝度を、映像データVid-2が指定する輝度80%よりも輝度変化方向に振った値に補正する。なお、(N+1)フレームのフィールド1f以外では輝度変化が生じていないので、オーバードライブデータVid-2'で指定される輝度は、映像データVid-2で指定される輝度と一致する。
【0024】
オーバードライブデータVid-2’は、D/A変換回路35によってデータ信号dsに変換された後、フィールド1f、2fで当該着目画素の液晶容量120に書き込まれる。液晶表示パネル100において当該着目画素の実際の透過率は、図3の(b)において実線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fでは、20%から80%まで変化して、液晶の低応答性が補償される。一方、(N+1)フレームのフィールド1f以外では、指定される輝度に変化がなく、応答補償されないので、着目画素の実際の透過率は、Nフレームであれば20%であり、(N+1)フレームのフィールド2f以降では80%であって、いずれも1フィールドでみたときに一定である。
【0025】
上述したように、また、駆動信号Ld1は、映像データVid-2(オーバードライブデータVid-2')で規定される各フレームのうち、図3の(c)に示されるように、フィールド1fでLレベルとなり、フィールド2fでHレベルとなる。このため、光源61は、フィールド1fで消灯し、フィールド2fで点灯するので、液晶表示パネル100にあっては、映像データVid-2およびオーバードライブデータVid-2'で規定されるフレームのうち、図4に示されるように、フィールド1fでの書き込みによる透過率の変化状態が視認されずに、フィールド2fで透過率の一定状態だけが視認される。
【0026】
なお、ここでは1行目の画素を着目して説明したが、1行目以外の他の画素についても同様である。すなわち、各フィールドにおいて走査線は、1行目から120行目まで順番に選択されるので、フィールド1fで応答補償がなされるときに、例えば1行目の画素では、当該フィールド1fの最初に書き込みがなされるために、当該フィールド1fの終了までに目的とする透過率になるが、最終の120行目の画素では、当該フィールド1fの終了間際で書き込みがなされるために、当該フィールド1fの終了までに目的とする透過率に達していない。つまり、画面の下に向かうにつれて、目的とする透過率に達していない可能性が高くなる。そこで、本実施形態では、バックライトの発光領域を4分割して、光源61、62、63、64を順次点灯させるので、1行目以外の他の走査線についても、フィールド1fでの書き込みによる透過率の変化状態が視認されずに、透過率の一定状態だけが光源の点灯により視認される。
【0027】
ここで、本実施形態における液晶表示装置10の優位性を説明するために、比較例に係る液晶表示装置の動作について、図9および図10参照して説明する。この比較例に係る液晶表示装置としては、本実施形態のような速度変換回路20が存在しないものであって、光源を間欠的に点灯させる技術とオーバードライブとを単に組み合わせたものを想定している。
【0028】
図9の(a)に示されるように、比較例においても、映像データVid-1によって指定される輝度の変化については、図3の(a)と同様としている。
比較例では、(N+1)フレームにおいて映像データVid-1によって指定される輝度が直前のNフレームから変化しているので、図9の(b)において破線で示されるように、(N+1)フレームにおいてオーバードライブデータによって指定される輝度が、映像データVid-1が指定する輝度80%よりも輝度変化方向に振った値に補正される。このため、液晶表示パネル100における実際の透過率は、図9の(b)において実線で示されるように、(N+1)フレームにおいて、20%から80%まで変化して、液晶の応答性が補償されることになる。
一方、動画ぼやけ感を解消するために、図9の(c)に示されるように、光源をデューティ比50%で各フレームの後半期間で間欠的に点灯させる。
【0029】
この比較例では、図10に示されるように、(N+1)フレームの後半期間において光源が点灯して、液晶の透過率が変化している状態が視認されるので、映像データVid-1で指定された輝度に正しく対応させることができない。すなわち、(N+1)フレーム以降においての映像データVid-1は、輝度80%を指定しているが、光学応答の補償がなされた(N+1)フレームにおける透過率は、補償がなされない(N+2)フレーム以降の透過率よりも低くなってしまうので、(N+1)フレームにおいて実際に観察側で視認される明るさは、(N+2)フレームおよび(N+3)フレームよりも、暗くなって、映像データVidで指定される輝度とは異なってしまうことになる。(N+1)フレームが(N+2)フレーム以降よりも暗くなってしまうことは、同じであるべき明るさが2種類存在して、時間を異ならせて段階的に出現することから、一種の二重像として視認されることなる。
【0030】
なお、各フレームの終端側では、液晶の透過率が目的値にほぼ達しているので、二重像の発生は、例えば、光源を例えばデューティ比10%で各フレームの終端側で期間を狭めて点灯させることによって、かなり抑えることができる。しかしながら、各フレームにおいて点灯期間を狭めると、表示画面の全体が暗くなる。表示画面の全体が暗くならないようにするためには、光源を高輝度タイプに変更しなければならないだけでなく、さらに装置の肥大化や高コスト化などの別の問題を引き起こすので、現実的な解決策ではない。
また、ここでは、比較説明のために、発光領域のうち、駆動信号Ld1に相当する領域だけに着目しているが、実施形態のように4分割した場合でも事情は同じである。
【0031】
これに対して、本実施形態では、図4に示されるように、応答補償によって透過率が変化している状態が視認されず、透過率が一定となっている状態だけが視認されるので、映像データVid-1で指定された輝度に正しく対応させることができ、比較例のような二重像の発生を抑えることができる。
【0032】
上述した実施形態では、速度変換回路20における変換速度を2倍としたが、それ以上の速度としても良い。また、上述した実施形態では、光源60をデューティ比50%で駆動したが、それ以外の値としても良い。
図5は、このような応用例に係る液晶表示装置の構成を示す図であり、速度変換回路20における変換速度を4倍速とし、光源60をデューティ比25%で駆動する場合の例であって、発光領域を分割せずに、1個の光源60によって光を液晶表示パネル100に照射するものとした例である。
この図に示される例において、速度変換回路20は、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号、水平同期信号およびドットクロック信号の周波数をそれぞれ4倍化して、これらを第2同期信号Sync-4として生成することによって、映像データVid-1の供給速度を4倍速化し、映像データVid-4として、4回繰り返して出力するものである。
なお、便宜的に、同じ内容の映像データVid-4が1番目に供給される期間をフィールド1fとし、同様に、2、3および4番目に供給される期間をそれぞれフィールド2f、3fおよび4fとする。また、第2同期信号Sync-4に含まれる垂直同期信号Vsync-4の周波数は、240Hzとなる。
【0033】
分周回路40は、分周回路40は、第2同期信号Sync-2のうち、垂直同期信号Vsync-2の周波数を1/4にして、信号Sync-bとして出力するものである。したがって、信号Sync-bによって、映像データVid-4(オーバードライブデータVid-4’)が規定するフィールド1f、2f、3f、4fすなわちフレームが特定される。なお、本実施形態では、垂直同期信号Vsync-4の周波数が240Hzであるから、信号Sync-bの周波数は60Hzとなり、この点については実施形態と同様である。
光源制御回路50は、信号Sync-bで特定される各フレームのうち、図6の(c)に示されるように、最終のフィールド4fでHレベルとなる駆動信号Ldを出力する。このため、光源60の点灯は、デューティ比25%となる。
【0034】
この例において、補正回路30は、図6の(b)において破線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fにおいてオーバードライブデータVid-4'が指定する輝度を、映像データVid-4が指定する輝度80%よりも輝度変化方向に振った値に補正する。
このため、液晶表示パネル100において、1行目を着目画素としたときの実際の透過率は、図6の(b)において実線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fでは、20%から80%まで変化して、液晶の低応答性が補償される。また、最終の120行目の画素における実際の透過率は、図6の(b)および図7において※で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fの終了間際でデータ信号が着込まれるので、ほぼ次フィールド2fにおいて、20%から80%まで変化して、液晶の低応答性が補償される。
この応用例では、光源60が、フィールド1f〜3fで消灯し、フィールド4fで点灯するので、液晶表示パネル100にあっては、図7に示されるように、映像データVid-4(オーバードライブデータVid-4')で規定されるフレームのうち、フィールド1fで透過率が変化する状態が視認されずに、フィールド4fで透過率が一定状態だけが視認される。
【0035】
この応用例では、フィールド4fだけ光源を点灯させているので、実施形態と比較すると、動画ぼやけ感をさらに低減することができる点ほか、バックライトの発光領域を分割していないので、構成の簡易化を図ることができる。
【0036】
なお、応用例では、実施形態と比較すると、画面の明るさを確保することができないという点において不利である。ただし、応用例では、フィールド3fにおいても、画面の下端側でも目的とする透過率に達していると考えられるので、フィールド4fに加えてフィールド3fについても点灯させれば、デューティ比50%になるので、画面の明るさを実施形態と同程度とすることが可能になる。
【0037】
また、応用例においても、実施形態と同様にバックライトの発光領域を分割するとともに、対応する光源を順次点灯・消灯させても良い。応用例においてバックライトの発光領域を分割する場合、対応する光源については、オーバードライブデータの書き込みにより透過率が変化するフィールドを少なくとも消灯させれば良いので、デューティ比の上限は75%になる。
【0038】
光源の点灯期間を示すデューティ比とは反対に、消灯期間が占める割合(%)は、黒挿入率とも呼ばれ、高いほど動画ぼやけ感を低減することができるが、反面、画面が暗くなりやすい。
液晶表示パネル100にオーバードライブデータを供給するフィールドの周期、すなわち、液晶表示パネル100の駆動周期をmとし、光源の点灯・消灯の1サイクルの周期をnとしたときに、黒挿入率は、100/(n/m)となる。例えば、黒挿入率は、実施形態では、m=8.35ミリ秒、n=16.7ミリ秒であるから、50%となり、応用例では、m=4.175秒、n=16.7ミリ秒であるから、25%となる。また、映像データを3倍速で供給すれば、黒挿入率を33%とすることができる。
【0039】
実施形態や応用例では、光源の点灯・消灯のサイクル周波数を60Hz(周期、16.7ミリ秒)として、映像データVid-1の垂直走査周波数と一致させたが、本発明のポイントは、オーバードライブデータの書き込みにより透過率が変化するフィールド(またはフレーム)を視認されないようにすれば良いので、映像データVid-1の垂直走査周波数よりも低くしても良い。ただし、光源の点灯・消灯のサイクル周波数を低くすると、フリッカーとして視認される可能性がある。
【0040】
上述した実施形態や応用例では、液晶表示パネル100を透過型として説明したが、反射型であっても良い。反射型であれば、光源60は、観察側から液晶表示パネル100に光を照射する構成とすれば良い。
【0041】
次に、上述した実施形態に係る液晶表示装置10を有する電子機器について説明する。図8は、実施形態に係る液晶表示装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した液晶表示装置10を備えるものである。なお、液晶表示装置10のうち、液晶表示パネル100のみ外観として表れ、他については、携帯電話の筐体内となる。
【0042】
なお、液晶表示装置10が適用される電子機器としては、図8に示される携帯電話の他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した液晶表示装置10が適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【図3】同液晶表示装置における輝度変化と光源の動作を示す図である。
【図4】同液晶表示装置のフレーム期間毎に視認される輝度を示す図である。
【図5】応用例に係る液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図6】応用例に係る液晶表示装置と光源との動作を示す図である。
【図7】応用例に係る液晶表示装置のフレーム期間毎に視認される輝度を示す図である。
【図8】実施形態に係る液晶表示装置を適用した電子機器の例を示す図である。
【図9】従来の液晶表示装置における輝度変化と光源の動作を示す図である。
【図10】従来の表示二重像の発生理由を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10…液晶表示装置、20…速度変換回路、30…補正回路、40…分周回路、50…光源制御回路、60〜64…光源、100…液晶表示パネル、105…液晶、108…コモン電極、110…画素、118…画素電極、120…液晶容量、1200…携帯電話
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置において、動画を表示する際のぼやけ感等を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、光学応答が、CRTのようなインパルス型ではなく、ホールド型であるので、動画を表示する際に、前の画像が残像として視認されやすく、動きのない背景に対して動きのある部分の境界がぼやけるという現象が発生しやすい。そこで、バックライトの発光領域を複数に分割するとともに、これらの分割した発光領域を、液晶表示の水平走査に同期するように順次間欠的に点灯させることによって、残像感を低減して、上記ぼやけ感を低減させる技術が知られている(特許文献1参照)。
また、液晶の光学的な応答速度が十分でないことにも起因してぼやけ感が発生する。そこで、低応答によるぼやけ感を低減するための技術として、いわゆるオーバードライブという技術もある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−202285号公報(図1、図2、段落0031等参照)
【特許文献2】特開2001−265298号公報(図5等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、バックライト等の光源を間欠的に点灯させる技術とオーバードライブとを組み合わせたときに、二重像が視認されるという問題が懸念された。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、このような二重像が視認されにくくする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る液晶表示装置は、複数の画素の明るさをそれぞれ規定する映像データを、過去の映像データからの明るさ変化分に応じて補正する補正回路と、複数の画素を有し、前記補正回路によって補正された映像データに応じた電圧を前記複数の画素にそれぞれ書き込む液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を駆動信号にしたがって照射する光源と、前記光源に前記駆動信号を供給する光源制御回路であって、前記補正回路によって前記画素の光学応答が補償される期間に前記光源を消灯させるように前記駆動信号を生成する光源制御回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、映像の明るさに変化があった場合、補正によって画素の応答が補償されて透過率または反射率が変化する期間では、光源が消灯するので、当該変化している途中状態が視認されることはない。このため、変化前から変化後までにかけて二重像の発生を抑えた上で、動画を表示する際のぼやけ感を低減することが可能となる。
【0005】
本発明において、外部から同期信号にしたがった走査速度で供給される映像データを、前記同期信号にしたがった走査速度のn(nは2以上)倍の走査速度で、n回繰り返して出力する速度変換回路を、備え、前記速度変換回路によって出力される映像データを、前記補正回路に供給する構成としても良い。この構成によれば、光源の点灯・消灯のサイクル周波数を低下させる場合と比較して、フリッカーの発生を抑えることができる。また、本発明において、前記光源制御回路は、前記速度変換回路によるn倍の走査速度を示す信号をn分周した分周信号に基づき前記駆動信号を生成しても良い。
なお、本発明は、液晶表示装置のほか、液晶表示装置の駆動方法としても、また、当該液晶表示装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、液晶表示装置10は、速度変換回路20、フレームメモリー22、補正回路30、フレームメモリー32、D/A変換回路35、分周回路40、光源制御回路50、光源61〜64および液晶表示パネル100を有する。
【0007】
ここで、説明の便宜上、液晶表示パネル100について説明する。液晶表示パネル100は、特に図示しないが、素子基板と対向基板とが一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に液晶が封止された構成となっている。対向基板のうち、素子基板との対向面には、透明性を有するコモン電極が全面にわたって設けられるとともに、当該コモン電極には、図示しない電圧供給回路によって電圧Vcomが印加されている。
一方、素子基板のうち、対向基板との対向面には、本実施形態では120行の走査線112が図において横方向に延在し、また、160列のデータ線114が図において縦方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられている。さらに、画素110が、走査線112とデータ線114との交差のそれぞれに対応して設けられる。
【0008】
ここで、画素110の詳細について説明する。図2は、画素110の等価回路を示す図であり、i行目及びこれに下方向で隣接する(i+1)行目と、j列目及びこれに右方向で隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成が示されている。なお、i、(i+1)は、画素110が配列する行を説明するための記号であって、それぞれ1以上120以下の整数であり、また、j、(j+1)は、画素110が配列する列を説明するための記号であって、1以上160以下の整数である。
【0009】
図2に示されるように、各画素110は互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素110において、nチャネル型の薄膜トランジスター(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116は、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極がj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極が透明性を有する矩形形状の画素電極118に接続されている。
このため、画素110毎に、画素電極118とコモン電極とで液晶105を挟持した液晶容量120が構成されることになる。
【0010】
液晶表示パネル100の背面側には、バックライトとして例えば白色LEDからなる光源61〜64が設けられて、光を背面側から観察側に向けて照射する。詳細には、液晶表示パネル100では、バックライトによる発光領域が、1〜30行目の画素配列領域、31〜60行目の画素配列領域、61〜90行目の画素配列領域および91〜120行目の画素配列領域に4分割されており、このうち、光源61は、1〜30行目の領域に、駆動信号Ld1がHレベルであるときに光を照射する。同様に、光源62、63および64は、31〜60行目、61〜90行目および91〜120行目の領域に、それぞれ駆動信号Ld2、Ld3およびLd4がそれぞれHレベルであるときに光を照射する。
【0011】
特に図示はしないが、両基板の各対向面には、液晶分子の長軸方向が両基板間で例えば約90度連続的に捻れるようにラビング処理された配向膜がそれぞれ設けられる一方、両基板の各背面側には配向方向に応じた偏光子がそれぞれ設けられる。
光源61〜64によって照射された光のうち、画素電極118とコモン電極108との間を通過する光は、液晶容量120に保持された電圧の実効値がゼロ(またはゼロ近傍)であれば、液晶分子の捻れに沿って約90度旋光する一方、当該電圧実効値が大きくなるにつれて、液晶分子が電界方向に傾く結果、その旋光性が消失する。このため、透過型において、例えば入射側と背面側とに配向方向に合わせて偏光軸が互いに直交する偏光子をそれぞれ配置させると、当該電圧実効値がゼロに近ければ、光の透過率が最大となる白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する光量が減少して、ついには透過率が最小となる黒色表示になる(ノーマリーホワイトモード)。
【0012】
ここで、走査線112に選択電圧を印加させるとともに、選択走査線112に対応する画素110(液晶容量120)に対して、目的とする透過率に応じた電圧のデータ信号を、データ線114を介して供給させると、当該走査線112にゲート電極が接続されたTFT116がオン状態となり、当該データ信号が、オン状態のTFT116を介して画素電極118に印加されるので、目的とする透過率にさせることができる。
なお、走査線に非選択電圧を印加して、TFT116をオフ状態とさせても、TFT116がオン状態のときに液晶容量120に書き込まれた電圧は、その容量性により保持される。
【0013】
図示しない上位装置からは、第1同期信号Sync-1と映像データVid-1とが供給される。映像データVid-1は、液晶表示パネル100の各画素の明るさ(輝度)をそれぞれ指定するデジタルデータであって、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号、水平同期信号およびドットクロック信号によって走査される画素の順番で供給される。なお、映像データVid-1が輝度を指定する画素の順番は、画素配列の行でいえば、1、2、3、…、120行目であって、各行において1、2、3、…、160列目である。
また、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号の周波数(垂直走査周波数)は60Hzとしている。このため、表示すべき画像の1コマ分は、垂直走査周波数の逆数である16.7ミリ秒で供給される。本実施形態では、この1コマ分の映像データが供給される期間をフレームと称している。
【0014】
速度変換回路20は、映像データVid-1の供給速度を2倍速化するとともに、2回繰り返して、映像データVid-2として出力するものである。詳細には、速度変換回路20は、映像データVid-1をフレームメモリー22に一旦書き込んだ後、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号、水平同期信号およびドットクロック信号の周波数をそれぞれ2倍化して、これらを第2同期信号Sync-2として生成するとともに、フレームメモリー22から映像データVid-1を第2同期信号Sync-2にしたがって2回、読み出して、映像データVid-2として出力する。
換言すれば、1フレーム分の映像データVid-1が速度変換回路20に供給されると、当該速度変換回路20は、同じ内容の映像データVid-2を2倍の速度で2回繰り返して出力することになる。そこで便宜的に、同じ内容の映像データVid-2が1番目に供給される期間をフィールド1fとし、2番目に供給される期間をフィールド2fとする。
なお、第2同期信号Sync-2に含まれる垂直同期信号Vsync-2の周波数は、第1同期信号Sync-1の2倍である120Hzとなり、フィールド1f、2fの期間は、フレームの半分の8.35ミリ秒である。
【0015】
Yドライバー130は、1、2、3、…、120行目の走査線112に、選択電圧または非選択電圧の走査信号G1、G2、G3、…、G120を供給する走査線駆動回路である。詳細には、Yドライバー130は、フィールド1f、2fのそれぞれにおいて走査線112を、それぞれ1、2、3、…、120行目という順番で選択して、選択走査線には選択電圧を印加し、それ以外の走査線には非選択電圧を印加する。なお、Yドライバー130は、第2同期信号Sync-2に含まれる垂直同期信号および水平同期信号にしたがって1〜120行目の走査線を選択する。
【0016】
補正回路30は、液晶の低応答性を補償するための、いわゆるオーバードライブ回路であり、映像データVid-2を補正してオーバードライブデータVid-2'として出力するものである。
詳細には、補正回路30は、例えば、あるフィールド(現フィールド)において映像データVid-2が供給されたときに、当該現フィールドの映像データVid-2をフレームメモリー32に記憶するとともに、直前フィールドの映像データVid-2をフレームメモリー32から読み出し、直前フィールドで指定された輝度からの変化分を画素毎に求め、当該変化分に応じて現フィールドの映像データVid-2の輝度を補正する。なお、フレームメモリー32に記憶された現フィールドの映像データVid-2は、次フィールドにおいて比較のために読み出される。
また、補正回路30は、単純には、現フレームの映像データVid-2で規定される輝度と、直前フレームの映像データVid-2で供給される輝度との二つの入力値に応じた値を出力するような二次元ルックアップテーブルで構成しても良い。
【0017】
D/A変換回路35は、補正回路30によるオーバードライブデータVid-2'を、基準電圧Vcを基準にして高位側の正極性電圧および低位側の負極性電圧のデータ信号dsに、交互に所定周期毎に切り替えながら変換して出力する。
【0018】
Xドライバー140は、1、2、3、…、160列目のデータ線114に、データ信号d1、d2、d3、…、d160を供給するデータ線駆動回路である。詳細には、Xドライバー140は、第2同期信号Sync-2に含まれる水平同期信号およびドットクロック信号にしたがってデータ線114を選択するとともに、選択したデータ線114にデータ信号dsを、サンプリングする。ある行の画素が水平走査される期間において、データ信号dsは、1、2、3、…、160列目という画素の順で供給されるので、1〜160列目のデータ線114には、水平走査される行の画素に対応したデータ信号がそれぞれサンプリングされることになる。
したがって、フィールド1f、2fのそれぞれにおいて1〜120行目の走査線112が順番に選択されるとともに、選択走査線に位置する画素110(液晶容量120)にデータ信号がデータ線114を介して書き込まれることになる。
【0019】
分周回路40は、速度変換回路20によって出力される第2同期信号Sync-2のうち、垂直同期信号Vsync-2の周波数を1/2にして、信号Sync-aとして出力するものである。したがって、信号Sync-aによって、映像データVid-2(オーバードライブデータVid-2’)が規定するフィールド1f、2f、すなわちフレームが特定される。なお、本実施形態では、垂直同期信号Vsync-2の周波数が120Hzであるから、信号Sync-aの周波数は60Hzとなる。
光源制御回路50は、信号Sync-aで特定される各フレームのうち、図3の(c)に示されるように、デューティ比50%であって後半期間にHレベルとなるパルス信号の駆動信号Ld1を出力する。このため、駆動信号Ld1は、映像データVid-2(オーバードライブデータVid-2')で規定される各フレームのうち、フィールド1fでLレベルとなり、フィールド2fでHレベルとなる。光源制御回路50は、また、駆動信号Ld1に対しそれぞれ位相が45度、90度、135度遅延した駆動信号Ld2、Ld3、Ld4を生成する。
【0020】
次に、本実施形態に係る液晶表示装置10の動作について説明する。図3は、映像データVid-1の供給動作、液晶表示装置10の表示動作、および、光源動作を示す図である。
なお、図では、時間的に連続する複数フレームを便宜的に区別するために、順番にNフレーム、(N+1)フレーム、(N+2)フレーム、…、と表記している。また、映像データVid-1を2倍速化して映像データVid-2として出力する際に、速度変換回路20は、上述したように映像データVid-1をフレームメモリー22に一旦記憶した後、読み出す構成となっているので、映像データVid-2(および当該映像データVid-2を補正したオーバードライブデータVi d-2’)で規定されるフレームは、映像データVid-1で規定されるフレームに対して、実際には遅延した関係になるが、図3では、説明理解のために時間的に揃えている。
【0021】
いま、ある特定の画素、例えば光源61の発光領域である1〜30行目のうち、最初に選択される1行目であって、1〜160列のいずれかの画素について着目して、映像データVid-1によって当該着目画素に指定される輝度に対し、液晶表示パネル100の当該着目画素における実際の透過率がどのように変化するかについて説明する。
【0022】
図3の(a)に示されるように、映像データVid-1が、当該着目画素に対し、Nフレームにおいて輝度20%を指定していたときに、(N+1)フレーム以降において輝度80%に変化した状態を想定する。
この状態において、映像データVid-2が指定する輝度は、映像デ−タVid-1と同値である。すなわち、特に図示しないが、映像データVid-2が当該着目画素に指定する輝度は、Nフレームのフィールド1f、2fにおいてそれぞれ20%であり、(N+1)フレーム以降のフィールド1f、2fにおいてそれぞれ80%である。
【0023】
(N+1)フレームのフィールド1fにおいて映像データVid-2が指定する輝度は、直前のNフレームのフィールド2fから変化している。このため、補正回路30は、図3の(b)において破線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fにおいてオーバードライブデータVid-2'が指定する輝度を、映像データVid-2が指定する輝度80%よりも輝度変化方向に振った値に補正する。なお、(N+1)フレームのフィールド1f以外では輝度変化が生じていないので、オーバードライブデータVid-2'で指定される輝度は、映像データVid-2で指定される輝度と一致する。
【0024】
オーバードライブデータVid-2’は、D/A変換回路35によってデータ信号dsに変換された後、フィールド1f、2fで当該着目画素の液晶容量120に書き込まれる。液晶表示パネル100において当該着目画素の実際の透過率は、図3の(b)において実線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fでは、20%から80%まで変化して、液晶の低応答性が補償される。一方、(N+1)フレームのフィールド1f以外では、指定される輝度に変化がなく、応答補償されないので、着目画素の実際の透過率は、Nフレームであれば20%であり、(N+1)フレームのフィールド2f以降では80%であって、いずれも1フィールドでみたときに一定である。
【0025】
上述したように、また、駆動信号Ld1は、映像データVid-2(オーバードライブデータVid-2')で規定される各フレームのうち、図3の(c)に示されるように、フィールド1fでLレベルとなり、フィールド2fでHレベルとなる。このため、光源61は、フィールド1fで消灯し、フィールド2fで点灯するので、液晶表示パネル100にあっては、映像データVid-2およびオーバードライブデータVid-2'で規定されるフレームのうち、図4に示されるように、フィールド1fでの書き込みによる透過率の変化状態が視認されずに、フィールド2fで透過率の一定状態だけが視認される。
【0026】
なお、ここでは1行目の画素を着目して説明したが、1行目以外の他の画素についても同様である。すなわち、各フィールドにおいて走査線は、1行目から120行目まで順番に選択されるので、フィールド1fで応答補償がなされるときに、例えば1行目の画素では、当該フィールド1fの最初に書き込みがなされるために、当該フィールド1fの終了までに目的とする透過率になるが、最終の120行目の画素では、当該フィールド1fの終了間際で書き込みがなされるために、当該フィールド1fの終了までに目的とする透過率に達していない。つまり、画面の下に向かうにつれて、目的とする透過率に達していない可能性が高くなる。そこで、本実施形態では、バックライトの発光領域を4分割して、光源61、62、63、64を順次点灯させるので、1行目以外の他の走査線についても、フィールド1fでの書き込みによる透過率の変化状態が視認されずに、透過率の一定状態だけが光源の点灯により視認される。
【0027】
ここで、本実施形態における液晶表示装置10の優位性を説明するために、比較例に係る液晶表示装置の動作について、図9および図10参照して説明する。この比較例に係る液晶表示装置としては、本実施形態のような速度変換回路20が存在しないものであって、光源を間欠的に点灯させる技術とオーバードライブとを単に組み合わせたものを想定している。
【0028】
図9の(a)に示されるように、比較例においても、映像データVid-1によって指定される輝度の変化については、図3の(a)と同様としている。
比較例では、(N+1)フレームにおいて映像データVid-1によって指定される輝度が直前のNフレームから変化しているので、図9の(b)において破線で示されるように、(N+1)フレームにおいてオーバードライブデータによって指定される輝度が、映像データVid-1が指定する輝度80%よりも輝度変化方向に振った値に補正される。このため、液晶表示パネル100における実際の透過率は、図9の(b)において実線で示されるように、(N+1)フレームにおいて、20%から80%まで変化して、液晶の応答性が補償されることになる。
一方、動画ぼやけ感を解消するために、図9の(c)に示されるように、光源をデューティ比50%で各フレームの後半期間で間欠的に点灯させる。
【0029】
この比較例では、図10に示されるように、(N+1)フレームの後半期間において光源が点灯して、液晶の透過率が変化している状態が視認されるので、映像データVid-1で指定された輝度に正しく対応させることができない。すなわち、(N+1)フレーム以降においての映像データVid-1は、輝度80%を指定しているが、光学応答の補償がなされた(N+1)フレームにおける透過率は、補償がなされない(N+2)フレーム以降の透過率よりも低くなってしまうので、(N+1)フレームにおいて実際に観察側で視認される明るさは、(N+2)フレームおよび(N+3)フレームよりも、暗くなって、映像データVidで指定される輝度とは異なってしまうことになる。(N+1)フレームが(N+2)フレーム以降よりも暗くなってしまうことは、同じであるべき明るさが2種類存在して、時間を異ならせて段階的に出現することから、一種の二重像として視認されることなる。
【0030】
なお、各フレームの終端側では、液晶の透過率が目的値にほぼ達しているので、二重像の発生は、例えば、光源を例えばデューティ比10%で各フレームの終端側で期間を狭めて点灯させることによって、かなり抑えることができる。しかしながら、各フレームにおいて点灯期間を狭めると、表示画面の全体が暗くなる。表示画面の全体が暗くならないようにするためには、光源を高輝度タイプに変更しなければならないだけでなく、さらに装置の肥大化や高コスト化などの別の問題を引き起こすので、現実的な解決策ではない。
また、ここでは、比較説明のために、発光領域のうち、駆動信号Ld1に相当する領域だけに着目しているが、実施形態のように4分割した場合でも事情は同じである。
【0031】
これに対して、本実施形態では、図4に示されるように、応答補償によって透過率が変化している状態が視認されず、透過率が一定となっている状態だけが視認されるので、映像データVid-1で指定された輝度に正しく対応させることができ、比較例のような二重像の発生を抑えることができる。
【0032】
上述した実施形態では、速度変換回路20における変換速度を2倍としたが、それ以上の速度としても良い。また、上述した実施形態では、光源60をデューティ比50%で駆動したが、それ以外の値としても良い。
図5は、このような応用例に係る液晶表示装置の構成を示す図であり、速度変換回路20における変換速度を4倍速とし、光源60をデューティ比25%で駆動する場合の例であって、発光領域を分割せずに、1個の光源60によって光を液晶表示パネル100に照射するものとした例である。
この図に示される例において、速度変換回路20は、第1同期信号Sync-1に含まれる垂直同期信号、水平同期信号およびドットクロック信号の周波数をそれぞれ4倍化して、これらを第2同期信号Sync-4として生成することによって、映像データVid-1の供給速度を4倍速化し、映像データVid-4として、4回繰り返して出力するものである。
なお、便宜的に、同じ内容の映像データVid-4が1番目に供給される期間をフィールド1fとし、同様に、2、3および4番目に供給される期間をそれぞれフィールド2f、3fおよび4fとする。また、第2同期信号Sync-4に含まれる垂直同期信号Vsync-4の周波数は、240Hzとなる。
【0033】
分周回路40は、分周回路40は、第2同期信号Sync-2のうち、垂直同期信号Vsync-2の周波数を1/4にして、信号Sync-bとして出力するものである。したがって、信号Sync-bによって、映像データVid-4(オーバードライブデータVid-4’)が規定するフィールド1f、2f、3f、4fすなわちフレームが特定される。なお、本実施形態では、垂直同期信号Vsync-4の周波数が240Hzであるから、信号Sync-bの周波数は60Hzとなり、この点については実施形態と同様である。
光源制御回路50は、信号Sync-bで特定される各フレームのうち、図6の(c)に示されるように、最終のフィールド4fでHレベルとなる駆動信号Ldを出力する。このため、光源60の点灯は、デューティ比25%となる。
【0034】
この例において、補正回路30は、図6の(b)において破線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fにおいてオーバードライブデータVid-4'が指定する輝度を、映像データVid-4が指定する輝度80%よりも輝度変化方向に振った値に補正する。
このため、液晶表示パネル100において、1行目を着目画素としたときの実際の透過率は、図6の(b)において実線で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fでは、20%から80%まで変化して、液晶の低応答性が補償される。また、最終の120行目の画素における実際の透過率は、図6の(b)および図7において※で示されるように、(N+1)フレームのフィールド1fの終了間際でデータ信号が着込まれるので、ほぼ次フィールド2fにおいて、20%から80%まで変化して、液晶の低応答性が補償される。
この応用例では、光源60が、フィールド1f〜3fで消灯し、フィールド4fで点灯するので、液晶表示パネル100にあっては、図7に示されるように、映像データVid-4(オーバードライブデータVid-4')で規定されるフレームのうち、フィールド1fで透過率が変化する状態が視認されずに、フィールド4fで透過率が一定状態だけが視認される。
【0035】
この応用例では、フィールド4fだけ光源を点灯させているので、実施形態と比較すると、動画ぼやけ感をさらに低減することができる点ほか、バックライトの発光領域を分割していないので、構成の簡易化を図ることができる。
【0036】
なお、応用例では、実施形態と比較すると、画面の明るさを確保することができないという点において不利である。ただし、応用例では、フィールド3fにおいても、画面の下端側でも目的とする透過率に達していると考えられるので、フィールド4fに加えてフィールド3fについても点灯させれば、デューティ比50%になるので、画面の明るさを実施形態と同程度とすることが可能になる。
【0037】
また、応用例においても、実施形態と同様にバックライトの発光領域を分割するとともに、対応する光源を順次点灯・消灯させても良い。応用例においてバックライトの発光領域を分割する場合、対応する光源については、オーバードライブデータの書き込みにより透過率が変化するフィールドを少なくとも消灯させれば良いので、デューティ比の上限は75%になる。
【0038】
光源の点灯期間を示すデューティ比とは反対に、消灯期間が占める割合(%)は、黒挿入率とも呼ばれ、高いほど動画ぼやけ感を低減することができるが、反面、画面が暗くなりやすい。
液晶表示パネル100にオーバードライブデータを供給するフィールドの周期、すなわち、液晶表示パネル100の駆動周期をmとし、光源の点灯・消灯の1サイクルの周期をnとしたときに、黒挿入率は、100/(n/m)となる。例えば、黒挿入率は、実施形態では、m=8.35ミリ秒、n=16.7ミリ秒であるから、50%となり、応用例では、m=4.175秒、n=16.7ミリ秒であるから、25%となる。また、映像データを3倍速で供給すれば、黒挿入率を33%とすることができる。
【0039】
実施形態や応用例では、光源の点灯・消灯のサイクル周波数を60Hz(周期、16.7ミリ秒)として、映像データVid-1の垂直走査周波数と一致させたが、本発明のポイントは、オーバードライブデータの書き込みにより透過率が変化するフィールド(またはフレーム)を視認されないようにすれば良いので、映像データVid-1の垂直走査周波数よりも低くしても良い。ただし、光源の点灯・消灯のサイクル周波数を低くすると、フリッカーとして視認される可能性がある。
【0040】
上述した実施形態や応用例では、液晶表示パネル100を透過型として説明したが、反射型であっても良い。反射型であれば、光源60は、観察側から液晶表示パネル100に光を照射する構成とすれば良い。
【0041】
次に、上述した実施形態に係る液晶表示装置10を有する電子機器について説明する。図8は、実施形態に係る液晶表示装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した液晶表示装置10を備えるものである。なお、液晶表示装置10のうち、液晶表示パネル100のみ外観として表れ、他については、携帯電話の筐体内となる。
【0042】
なお、液晶表示装置10が適用される電子機器としては、図8に示される携帯電話の他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した液晶表示装置10が適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【図3】同液晶表示装置における輝度変化と光源の動作を示す図である。
【図4】同液晶表示装置のフレーム期間毎に視認される輝度を示す図である。
【図5】応用例に係る液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図6】応用例に係る液晶表示装置と光源との動作を示す図である。
【図7】応用例に係る液晶表示装置のフレーム期間毎に視認される輝度を示す図である。
【図8】実施形態に係る液晶表示装置を適用した電子機器の例を示す図である。
【図9】従来の液晶表示装置における輝度変化と光源の動作を示す図である。
【図10】従来の表示二重像の発生理由を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10…液晶表示装置、20…速度変換回路、30…補正回路、40…分周回路、50…光源制御回路、60〜64…光源、100…液晶表示パネル、105…液晶、108…コモン電極、110…画素、118…画素電極、120…液晶容量、1200…携帯電話
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素の明るさをそれぞれ規定する映像データを、過去の映像データからの明るさ変化分に応じて補正する補正回路と、
複数の画素を有し、前記補正回路によって補正された映像データに応じた電圧を前記複数の画素にそれぞれ書き込む液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに光を駆動信号にしたがって照射する光源と、
前記光源に前記駆動信号を供給する光源制御回路であって、前記補正回路によって前記画素の光学応答が補償される期間に前記光源を消灯させるように前記駆動信号を生成する光源制御回路と、
を具備することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
外部からの同期信号にしたがった走査速度で供給される映像データを、前記同期信号にしたがった走査速度のn(nは2以上)倍の走査速度で、n回繰り返して出力する速度変換回路を、備え、
前記速度変換回路によって出力される映像データを、前記補正回路に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源制御回路は、前記速度変換回路によるn倍の走査速度を示す信号をn分周した分周信号に基づき前記駆動信号を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
複数の画素の明るさをそれぞれ規定する映像データを、過去の映像データからの明るさ変化分に応じて補正し、
前記補正した映像データに応じた電圧を、液晶パネルにおける複数の画素にそれぞれ書き込み、
前記液晶表示パネルに光を照射する光源に対し、前記補正回路によって前記画素の光学応答が補償される期間、消灯させるように制御する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項5】
請求項1、2または3に記載の液晶表示装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
複数の画素の明るさをそれぞれ規定する映像データを、過去の映像データからの明るさ変化分に応じて補正する補正回路と、
複数の画素を有し、前記補正回路によって補正された映像データに応じた電圧を前記複数の画素にそれぞれ書き込む液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに光を駆動信号にしたがって照射する光源と、
前記光源に前記駆動信号を供給する光源制御回路であって、前記補正回路によって前記画素の光学応答が補償される期間に前記光源を消灯させるように前記駆動信号を生成する光源制御回路と、
を具備することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
外部からの同期信号にしたがった走査速度で供給される映像データを、前記同期信号にしたがった走査速度のn(nは2以上)倍の走査速度で、n回繰り返して出力する速度変換回路を、備え、
前記速度変換回路によって出力される映像データを、前記補正回路に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源制御回路は、前記速度変換回路によるn倍の走査速度を示す信号をn分周した分周信号に基づき前記駆動信号を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
複数の画素の明るさをそれぞれ規定する映像データを、過去の映像データからの明るさ変化分に応じて補正し、
前記補正した映像データに応じた電圧を、液晶パネルにおける複数の画素にそれぞれ書き込み、
前記液晶表示パネルに光を照射する光源に対し、前記補正回路によって前記画素の光学応答が補償される期間、消灯させるように制御する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項5】
請求項1、2または3に記載の液晶表示装置を有することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−145509(P2010−145509A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319839(P2008−319839)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
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