説明

液晶表示装置,液晶表示装置の製造方法,表示装置,情報入力装置

【課題】製造効率,歩留まり,画像品質の向上、および、製造コストの低下を実現する。
【解決手段】複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域500の表面を被覆するように、タッチ電極25を形成する。そして、タッチ電極25が形成された表面上に配向材料を塗布することによって、タッチ電極25において凹凸領域500の凸部の頂面の表面が露出するように、液晶配向膜HM2を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置,液晶表示装置の製造方法,表示装置,情報入力装置に関する。特に、互いに対向する一対の基板にタッチセンサスイッチが設けられている、液晶表示装置,液晶表示装置の製造方法,表示装置,情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置,有機EL表示装置などの表示装置は、薄型、軽量、低消費電力といった利点を有する。このため、携帯電話、デジタルカメラなどのモバイル用途の電子機器にて多く使用されている。
【0003】
このような表示装置において、液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層が封入された液晶パネルを、表示パネルとして有している。液晶パネルは、たとえば、透過型であって、液晶パネルの背面に設けられたバックライトなどの照明装置が出射した照明光を変調して透過させる。そして、その変調した照明光によって画像の表示が、液晶パネルの正面にて実施される。
【0004】
この液晶パネルは、たとえば、アクティブマトリクス方式であり、画素スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が、複数形成されているTFTアレイ基板を含む。そして、液晶パネルにおいては、そのTFTアレイ基板に対向するように対向基板が配置されており、TFTアレイ基板および対向基板の間のスペースに液晶層が設けられている。このアクティブマトリクス方式の液晶パネルにおいては、画素スイッチング素子を介して画素電極に映像信号を入力することによって、液晶層に電圧を印加して、その画素を透過する光の透過率を制御することで、画像の表示が実施される。
【0005】
上記のような表示装置においては、表示パネルの画面に表示されたアイコン等の画像を利用して、ユーザが操作データの入力を可能にするために、タッチパネルが情報入力装置として表示パネル上に設けられる場合がある。
【0006】
しかし、表示パネル上にタッチパネルを外付けによって設置した場合には、全体の厚みが厚くなり、薄型の利点が損なわれる場合がある。また、タッチパネルによって、表示領域において透過する光が減少する場合や、その光が干渉される場合があるために、表示画像の品質が低下する場合がある。さらに、製造効率の低下や、製造コストの上昇などの不具合が生ずる場合がある。
【0007】
このため、タッチパネル機能が表示パネルに内蔵された表示装置が、提案されている。
【0008】
たとえば、抵抗膜式のタッチセンサが液晶パネルに内蔵された液晶表示装置が提案されている。
【0009】
ここでは、タッチセンサは、液晶パネルを構成する一対の基板のそれぞれにタッチ電極が設けられたタッチセンサスイッチを含み、液晶パネルが押されて変形したときに、その一対のタッチ電極が電気的に接続するように構成されている。この液晶パネルにおいては、両基板に形成されたタッチ電極が小さな外圧によって電気的に接続するように、凸状に突出している凸部上にタッチ電極が設けられている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0010】
液晶パネルにおいては、液晶層の液晶分子を配向させるために、液晶配向膜に設けられる。この液晶配向膜については、タッチ電極の表面部分を除去し、その表面部分を露出させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−75074号公報
【特許文献2】特開2007−52368号公報
【特許文献3】特開2007−95044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
液晶配向膜をタッチ電極の表面部分から除去する際においては、インクジェットに用いる微細ノズルから溶剤を、その部分に噴霧し溶解する(たとえば、特許文献2参照)。
【0013】
しかしながら、上記のような方法では、十分なスループットを得ることが困難なために、製造効率が低下する場合がある。
【0014】
また、液晶配向膜をタッチ電極の表面部分から十分に除去することが困難なため、歩留まりの低下が生ずる場合がある。
【0015】
また、上記の設備を新規に導入する必要があるために、製造コストが増加する場合がある。
【0016】
さらに、上記のような方法では、表面を露出させる領域の周囲についても、溶解する場合があるので、マージンを設ける必要がある。このため、液晶パネルにおいてタッチセンサが占有する部分が増加して、液晶パネルの開口率が低下する場合がある。よって、表示画像の輝度の低下が生じ、画像品質が低下する場合がある。
【0017】
また、上記の表示装置では、表示パネルの薄型化に伴い、外圧によって、電極などの部材が破損する場合があり、装置の信頼性が低下する場合がある。
【0018】
特に、タッチセンサスイッチが内蔵された液晶パネルにおいて、凸部上にタッチ電極を設けた場合には、タッチ電極が剛体であるので、この不具合の発生が顕在化する場合がある。たとえば、タッチ電極が断線して、タッチパネル機能が損なわれる場合がある。また、この他に、タッチ電極が粉砕された導電性の異物が、液晶セル内を拡散して、タッチ電極間でショートする等の不具合が生ずる場合がある。
【0019】
このような不具合を解消するために、凸部においてタッチ電極を設ける面の面積を大きくすることが考えられるが、その場合には、液晶パネルの開口率が低下することになるので、表示画像の品質が低下する場合がある。
【0020】
このように、表示装置においては、開口率の低下に伴う画像品質の低下や、装置の信頼性の低下などの不具合が生ずる場合がある。
【0021】
よって、本発明は、製造効率,歩留まり,画像品質の向上、および、製造コストの低下を実現可能な液晶表示装置,液晶表示装置の製造方法,表示装置,情報入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有し、画像を表示する表示領域にタッチセンサスイッチが内蔵されている液晶パネルを具備しており、前記タッチセンサスイッチは、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極とを有し、前記液晶パネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、前記液晶層は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1液晶配向膜と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に設けられている第2液晶配向膜とによって液晶分子が配向されており、前記第1タッチ電極は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝が間を隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように設けられており、前記第1液晶配向膜は、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を塗布することによって、前記第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように形成されている。
【0023】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有する液晶パネルを形成する液晶パネル形成工程を具備しており、前記液晶パネル形成工程は、当該液晶パネルにおいて画像を表示する表示領域に、タッチセンサスイッチを形成するタッチセンサスイッチ形成工程と、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1液晶配向膜を設ける第1液晶配向膜形成工程と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に第2液晶配向膜を設ける第2液晶配向膜形成工程とを含んでおり、前記タッチセンサスイッチ形成工程は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1タッチ電極を設ける第1タッチ電極形成ステップと、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように第2タッチ電極を設ける第2タッチ電極形成ステップとを含み、前記第1タッチ電極形成ステップにおいては、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように、前記第1タッチ電極を形成し、前記第1液晶配向膜形成工程においては、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を塗布することによって、前記第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、前記第1液晶配向膜を形成する。
【0024】
本発明の表示装置は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、タッチセンサスイッチが設けられている表示パネルを具備しており、前記タッチセンサスイッチは、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極とを有し、前記タッチパネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、前記第1タッチ電極は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように設けられており、当該第1タッチ電極が形成された表面においては、当該第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、塗布膜が形成されている。
【0025】
本発明の情報入力装置は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、タッチセンサスイッチが設けられているタッチパネルを具備しており、前記タッチセンサスイッチは、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極とを有し、前記タッチパネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、前記第1タッチ電極は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように設けられており、当該第1タッチ電極が形成された表面においては、当該第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、塗布膜が形成されている。
【0026】
本発明においては、複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように、第1タッチ電極を形成する。そして、第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を塗布することによって、第1タッチ電極において凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、第1液晶配向膜を形成する。
【0027】
本発明の液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有し、画像を表示する表示領域にタッチセンサスイッチが内蔵されている液晶パネルを具備しており、前記タッチセンサスイッチは、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面している第2タッチ電極とを有し、前記液晶パネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、前記液晶層は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1液晶配向膜と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に設けられている第2液晶配向膜とによって液晶分子が配向されており、前記第1タッチ電極は、凹状の溝が設けられた下地層が前記第1基板との間に設けられており、前記第1液晶配向膜は、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布した際に、前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1タッチ電極の上面を被覆せずに露出するように形成されている。
【0028】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有する液晶パネルを形成する液晶パネル形成工程を具備しており、前記液晶パネル形成工程は、当該液晶パネルにおいて画像を表示する表示領域に、タッチセンサスイッチを形成するタッチセンサスイッチ形成工程と、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1液晶配向膜を設ける第1液晶配向膜形成工程と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に第2液晶配向膜を設ける第2液晶配向膜形成工程とを含んでおり、前記タッチセンサスイッチ形成工程は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1タッチ電極を設ける第1タッチ電極形成ステップと、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように第2タッチ電極を設ける第2タッチ電極形成ステップとを含み、前記第1タッチ電極形成ステップにおいては、凹状の溝が設けられた下地層を前記第1基板に設けた後に、当該下地層上に前記第1タッチ電極を形成し、前記第1液晶配向膜形成工程においては、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布し、前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1液晶配向膜が前記第1タッチ電極の上面を被覆せずに露出するように、前記第1液晶配向膜を形成する。
【0029】
本発明の表示装置は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、画像を表示する表示領域にタッチセンサスイッチが内蔵されている表示パネルを具備しており、前記タッチセンサスイッチは、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面している第2タッチ電極とを有し、前記表示パネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、前記第1タッチ電極は、凹状の溝が設けられた下地層が前記第1基板との間に設けられており、当該第1タッチ電極においては、表面に塗布液を塗布した際に前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1タッチ電極の上面を塗布膜が被覆せずに露出するように形成されている。
【0030】
本発明の情報入力装置は、第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、タッチセンサスイッチが設けられているタッチパネルを具備しており、前記タッチセンサスイッチは、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極とを有し、前記タッチパネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、前記第1タッチ電極は、凹状の溝が設けられた下地層が前記第1基板との間に設けられており、当該第1タッチ電極においては、表面に塗布液を塗布した際に前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1タッチ電極の上面を塗布膜が被覆せずに露出するように形成されている。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、製造効率,歩留まり,画像品質の向上、および、製造コストの低下を実現可能な液晶表示装置,液晶表示装置の製造方法,表示装置,情報入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の要部を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の要部を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の要部を示す図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態1において、凹凸領域500の部分を拡大して示す図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態1において、凹凸領域500の部分を拡大して示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100を動作させる際に、制御部401が、各部に供給する制御信号の波形図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100において、凹凸領域500の部分を形成する工程を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100において、凸部の幅L(μm)および高さH(μm)と、液晶配向膜の被覆率(%)との関係を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100において、凸部の幅L(μm)および高さH(μm)と、液晶配向膜の被覆率(%)との関係を示す図である。
【図12】図12は、本発明にかかる実施形態1の変形例において、凹凸領域500の部分を拡大して示す図である。
【図13】図13は、本発明にかかる実施形態1の変形例において、凹凸領域500の部分を拡大して示す図である。
【図14】図14は、本発明にかかる実施形態1の変形例において、液晶パネル200の要部を示す図である。
【図15】図15は、本発明の実施形態2にかかる液晶パネル200bの要部を示す図である。
【図16】図16は、本発明にかかる実施形態2の変形例において、液晶パネル200bの要部を示す図である。
【図17】図17は、本発明の実施形態3にかかる液晶パネル200cの要部を示す図である。
【図18】図18は、本発明の実施形態4にかかる液晶パネル200dの要部を示す図である。
【図19】図19は、本発明の実施形態5にかかる液晶パネル200eの要部を示す図である。
【図20】図20は、本発明にかかる実施形態5の変形例において、液晶パネル200ebの要部を示す図である。
【図21】図21は、本発明の実施形態6にかかる液晶パネル200fの要部を示す図である。
【図22】図22は、本発明にかかる実施形態6の変形例において、液晶パネル200fbの要部を示す図である。
【図23】図23は、本発明の実施形態7にかかる液晶パネル200gの要部を示す図である。
【図24】図24は、本発明の実施形態7にかかる液晶パネル200gの要部を示す図である。
【図25】図25は、本発明の実施形態7にかかる液晶パネル200gの要部を示す図である。
【図26】図26は、本発明の実施形態7にかかる液晶表示装置において、被検知体Fが液晶パネル200gの表示領域PAに接触した際の様子を示す断面図である。
【図27】図27は、本発明の実施形態7にかかる液晶表示装置100において、液晶配向膜HM1gを形成する工程を示す断面図である。
【図28】図28は、本発明の実施形態7において、凸部のテーパー角θと、変位量x(m)との関係を示す図である。
【図29】図29は、本発明の実施形態7において、テーパー角θに応じて凸部COが変形する様子を示す断面図である。
【図30】図30は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgと、対向基板202に形成されたタッチ電極25gとを示す図である。
【図31】図31は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図32】図32は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、対向基板202に形成されたタッチ電極25を示す図である。
【図33】図33は、本発明にかかる実施形態7の変形例3の作用・効果を説明するための図である。
【図34】図34は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図35】図35は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図36】図36は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図37】図37は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図38】図38は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図39】図39は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図40】図40は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図41】図41は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図42】図42は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図43】図43は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。
【図44】図44は、本発明にかかる実施形態7の変形例9〜13の作用・効果を説明するための図である。
【図45】図45は、本発明の実施形態8にかかる液晶パネル200hの要部を示す図である。
【図46】図46は、本発明の実施形態8にかかる液晶パネル200hの要部を示す図である。
【図47】図47は、本発明にかかる実施形態8の変形例として、共通電極23h、および、層間絶縁膜Sz2とを示す図である。
【図48】図48は、本発明にかかる実施形態8の変形例として、共通電極23h、および、層間絶縁膜Sz2とを示す図である。
【図49】図49は、本発明にかかる実施形態8の変形例として、共通電極23h、および、層間絶縁膜Sz2とを示す図である。
【図50】図50は、本発明にかかる実施形態8の変形例の要部を示す図である。
【図51】図51は、本発明にかかる実施形態8の変形例の要部を示す図である。
【図52】図52は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図53】図53は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図54】図54は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図55】図55は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図56】図56は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明にかかる実施形態の一例について説明する。
【0034】
説明は、下記の手順で行う。
1.実施形態1(対向基板に凹凸領域)
2.実施形態2(TFTアレイ基板に凹凸領域)
3.実施形態3(対向基板の弾性部材上に凹凸領域)
4.実施形態4(TFTアレイ基板の弾性部材上に凹凸領域)
5.実施形態5(対向基板の凹部領域上に凹凸領域)
6.実施形態6(TFTアレイ基板の凹部領域上に凹凸領域)
7.実施形態7(TFTアレイ基板に凹状の溝)
8.実施形態8(TFTアレイ基板に凹状の溝(FFS方式の場合))
9.その他
【0035】
<1.実施形態1>
(液晶表示装置の構成)
図1は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100の構成を示す断面図である。
【0036】
本実施形態の液晶表示装置100は、図1に示すように、液晶パネル200と、バックライト300と、データ処理部400とを有する。各部について順次説明する。
【0037】
液晶パネル200は、たとえば、アクティブマトリクス方式であり、図1に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202と液晶層203とを有する。液晶パネル200においては、TFTアレイ基板201と対向基板202とが、互いにスペースを隔てて対向している。そして、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間に挟まれるように、液晶層203が設けられている。
【0038】
液晶パネル200は、図1に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する面に対して反対側の面に、第1の偏光板206が配置されている。そして、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する面に対して反対側の面には、第2の偏光板207が配置されている。
【0039】
そして、液晶パネル200においては、TFTアレイ基板201の側に、バックライト300が配置されており、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面している面に対して反対側の面に、バックライト300から出射された照明光Rが照射される。
【0040】
この液晶パネル200は、複数の画素(図示無し)が配置されている表示領域PAを含む。この表示領域PAにおいては、液晶パネル200の背面側に設置されたバックライト300が出射した照明光Rを、第1の偏光板206を介して背面から受け、その背面から受けた照明光Rを、その表示領域PAにおいて変調する。
【0041】
ここでは、TFTアレイ基板201において画素に対応するように、複数のTFTが画素スイッチング素子(図示無し)として設けられており、その画素スイッチング素子が制御されることによって、背面から受けた照明光を変調する。そして、その変調された照明光Rが、第2の偏光板207を介して、正面側に出射し、表示領域PAにおいて画像が表示される。たとえば、液晶パネル200の正面の側においてカラー画像が表示される。つまり、液晶パネル200は、透過型である。
【0042】
また、詳細については後述するが、本実施形態においては、この液晶パネル200は、抵抗膜式のタッチセンサ(図示なし)が形成されている。このタッチセンサは、液晶パネル200においてバックライト300が設置された背面に対して反対側となる正面に、ユーザーの指などの被検知体Fが接触した位置に応じて異なる電位の信号を出力するように構成されている。すなわち、液晶パネル200は、タッチパネルとして機能し、これにより、液晶表示装置100は、情報入力装置として機能する。
【0043】
バックライト300は、図1に示すように、液晶パネル200の背面に対面しており、その液晶パネル200の表示領域PAに照明光Rを出射する。
【0044】
具体的には、バックライト300は、液晶パネル200においてTFTアレイ基板201の側に位置するように配置されている。そして、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面している面に対して反対側の面に、照明光Rを照射する。つまり、バックライト300は、TFTアレイ基板201の側から対向基板202の側へ向かうように照明光Rを照明する。ここでは、バックライト300は、液晶パネル200の面の法線方向zに沿うように照明光Rを出射する。
【0045】
データ処理部400は、図1に示すように、制御部401と、位置検出部402とを有する。データ処理部400は、コンピュータを含み、プログラムによってコンピュータが各部として動作するように構成されている。
【0046】
データ処理部400の制御部401は、液晶パネル200とバックライト300との動作を制御するように構成されている。制御部401は、液晶パネル200に制御信号を供給することによって、液晶パネル200に複数設けられた画素スイッチング素子(図示無し)の動作を制御する。たとえば、線順次駆動を実行させる。また、制御部401は、バックライト300に制御信号を供給することによって、バックライト300の動作を制御し、バックライト300から照明光Rを照射する。このように、制御部401は、液晶パネル200とバックライト300との動作を制御することによって、液晶パネル200の表示領域PAに画像を表示する。
【0047】
このほかに、制御部401は、液晶パネル200に制御信号を供給することによって、液晶パネル200に設けられた抵抗膜式のタッチセンサの動作を制御し、データを収集する。
【0048】
データ処理部400の位置検出部402は、液晶パネル200の正面側において、人体の指などの被検知体Fが接触した位置を検出するように構成されている。本実施形態においては、位置検出部402は、液晶パネル200に設けられた抵抗膜式のタッチセンサによって得たデータに基づいて、位置の検出を実施する。
【0049】
(液晶パネルの全体構成)
液晶パネル200の全体構成について説明する。
【0050】
図2は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200を示す平面図である。
【0051】
図2に示すように、液晶パネル200は、表示領域PAと、周辺領域CAとを有する。
【0052】
液晶パネル200において表示領域PAには、図2に示すように、複数の画素Pが面に沿って配置されている。
【0053】
具体的には、表示領域PAにおいては、複数の画素Pが水平方向xと垂直方向yとのそれぞれにマトリクス状に並ぶように配置されており、画像が表示される。詳細については後述するが、画素Pは、画素スイッチング素子(図示無し)を含む。そして、タッチセンサを構成する複数のタッチセンサスイッチ(図示無し)が、この複数の画素Pに対応するように、設けられている。
【0054】
液晶パネル200において周辺領域CAは、図2に示すように、表示領域PAの周辺を囲うように位置している。この周辺領域CAにおいては、図2に示すように、垂直駆動回路11と、水平駆動回路12とが形成されている。たとえば、上記の画素スイッチング素子(図示無し)などと同様にして形成された半導体素子によって、この各回路が構成されている。
【0055】
そして、画素Pに対応するように設けられた画素スイッチング素子を、垂直駆動回路11および水平駆動回路12が駆動し、表示領域PAにおいて画像表示を実行する。
【0056】
また、これと共に、表示領域PAに設けられたタッチセンサ(図示なし)を、垂直駆動回路11および水平駆動回路12が駆動し、データの取得を実行する。そして、液晶パネル200の表示領域PAにユーザーの指などの被検知体が接触した位置を、そのタッチセンサによって取得したデータに基づいて、位置検出部402が検出する。
【0057】
(液晶パネルの詳細構成)
液晶パネル200の詳細な構成について説明する。
【0058】
図3から図5は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の要部を示す図である。
【0059】
ここで、図3は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200において、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0060】
また、図4は、本発明にかかる実施形態1において、液晶パネル200の表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す上面図である。図4は、画素Pを構成する複数のサブ画素の一部を示しており、図3は、図4のX1−X2部分に相当する。図示の都合上、適宜、省略やスケールの変更等をして、各部材を示している。
【0061】
そして、図5は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の概略を示す回路図である。
【0062】
液晶パネル200は、図3に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202との間には、柱スペーサSPが介在しており、シール材(図示無し)で貼り合わされている。そして、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間には、液晶層203が封入されている。
【0063】
本実施形態においては、図3に示すように、液晶パネル200は、タッチセンサスイッチSWsが内蔵されている。このタッチセンサスイッチSWsは、図3に示すように、一対のタッチ電極62t,25によって構成されている。
【0064】
液晶パネル200において、TFTアレイ基板201は、光を透過する絶縁体の基板であり、たとえば、ガラスにより形成されている。このTFTアレイ基板201においては、図3に示すように、対向基板202に対向する側の面に、画素電極62pと、タッチセンサスイッチSWsを構成する一方のタッチ電極62tと、ゲート線GLと、液晶配向膜HM1とが形成されている。
【0065】
液晶パネル200において、対向基板202は、TFTアレイ基板201と同様に、光を透過する絶縁体の基板であり、たとえば、ガラスにより形成されている。この対向基板202においては、図3に示すように、TFTアレイ基板201に対向する側の面に、カラーフィルタ層21と、共通電極23と、タッチ電極25と、液晶配向膜HM2とが形成されている。ここでは、カラーフィルタ層21は、図3に示すように、赤フィルタ層21Rと、緑フィルタ層21Gと、青フィルタ層21Bとを一組として構成されている。
【0066】
液晶パネル200は、図3に示した部材のほかに、図4に示すように、信号線SLを含む。また、図5に示すように、画素スイッチング素子31を含む。信号線SLと画素スイッチング素子31とのそれぞれは、図3では図示されていないが、液晶パネル200を構成するTFTアレイ基板201に設けられている。
【0067】
TFTアレイ基板201に設けられた各部について示す。
【0068】
TFTアレイ基板201において、画素電極62pとタッチ電極62tとのそれぞれは、図3に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対面する面上に設けられている。ここでは、画素電極62pとタッチ電極62tとのそれぞれは、層間絶縁膜Sz1を介して設けられている。画素電極62pとタッチ電極62tのそれぞれは、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。
【0069】
タッチ電極62tは、図3に示すように、ゲート線GLの上方に設けられている。たとえば、タッチ電極62tは、カラーフィルタ層21を構成する赤フィルタ層21Rに対応するように、設けられている。つまり、画素Pを構成する3つのサブ画素のうち、1つのサブ画素に対応するように、タッチ電極62tが形成されている。そして、タッチ電極62tは、液晶層203を介して、対向基板202に設けられた1つのタッチ電極25に対面している。
【0070】
また、図4に示すように、タッチ電極62tは、画素電極62pと一体になるように形成されている。すなわち、タッチ電極62tは、画素電極62pと電気的に接続している。
【0071】
そして、図5に示すように、タッチ電極62tは、画素スイッチング素子31に電気的に接続されている。
【0072】
本実施形態においては、タッチ電極62tは、図3に示すように、弾性部材63の頂面を被覆するように設けられている。
【0073】
図3に示すように、弾性部材63は、ゲート線GLの上方において、層間絶縁膜Sz1を介在して設けられている。弾性部材63は、この層間絶縁膜Sz1上において、対向基板202へ向かう方向へ、凸状に突出するように設けられている。たとえば、弾性部材63は、感光性のアクリル樹脂膜をパターン加工することで形成されている。ここでは、図3に示すように、弾性部材63は、タッチ電極62tが被覆された状態において、セルギャップを保持する柱スペーサSPよりも、高さが低くなるように形成されている。
【0074】
画素電極62pは、図4に示すように、xy面において、ゲート線GLと信号線SLとによって区画される複数の領域のそれぞれに対応するように、矩形パターンで形成されている。カラーフィルタ層21を構成する赤フィルタ層21R以外の緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとのそれぞれにおいても、これと同様な平面形状になるように形成されている。つまり、画素Pを構成する3つのサブ画素のそれぞれに対応するように、画素電極62pが形成されている。
【0075】
ここでは、画素電極62pは、図3に示すように、液晶層203を介して、共通電極23に対面している。また、図5に示すように、画素電極62pは、画素スイッチング素子31に電気的に接続されており、画素スイッチング素子31がオン状態の際に、液晶層203に電位を与えるように構成されている。
【0076】
TFTアレイ基板201において、画素スイッチング素子31は、図3では図示を省略しているが、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上において、層間絶縁膜Sz1内に設けられている。
【0077】
ここで、画素スイッチング素子31は、図5に示すように、トランジスタであって、たとえば、ポリシリコンを用いたTFTとして構成されている。この画素スイッチング素子31は、図5に示すように、ゲートが、ゲート線GLに電気的に接続されている。そして、ドレインが、信号線SLに電気的に接続されている。そして、ソースが、画素電極62pと、タッチ電極62tとのそれぞれに接続されている。
【0078】
TFTアレイ基板201において、ゲート線GLは、図3に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上に設けられている。
【0079】
そして、図4,図5に示すように、ゲート線GLは、xy面において、x方向に延在するように設けられている。たとえば、ゲート線GLは、モリブデンなどの金属材料を用いて形成されている。そして、ゲート線GLは、図5に示すように、画素スイッチング素子31のゲートに電気的に接続されている。この他に、ゲート線GLは、図5に示すように、垂直駆動回路11に電気的に接続されており、垂直駆動回路11から走査信号Vgateを画素スイッチング素子31のゲートに供給する。
【0080】
TFTアレイ基板201において、信号線SLは、図3では図示を省略しているが、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上において、層間絶縁膜Sz1内に設けられている。
【0081】
そして、図4,図5に示すように、信号線SLは、xy面において、y方向に延在するように設けられている。そして、信号線SLは、図5に示すように、画素スイッチング素子31のドレインに電気的に接続されている。この他に、信号線SLは、図5に示すように、水平駆動回路12に電気的に接続するように構成されている。
【0082】
本実施形態では、水平駆動回路12は、図5に示すように、書き込み回路WCと、読み出し回路RCとを含む。信号線SLは、書き込み回路WCとの間に、スイッチSWwが介在しており、スイッチSWwがオン状態になったときに、書き込み回路WCに電気的に接続するように構成されている。また、信号線SLは、読み出し回路RCとの間に、スイッチSWrが介在しており、スイッチSWrがオン状態になったときに、読み出し回路RCに電気的に接続するように構成されている。詳細については後述するが、この2つのスイッチSWw,SWrは、差動的に動作し、同時にオン状態にならないように、動作が制御される。このため、スイッチSWwがオン状態にされたときには、信号線SLは、書き込み回路WCに電気的に接続し、書き込み回路WCからライト信号(WRIRHT)が供給される。そして、スイッチSWrがオン状態になったときには、信号線SLは、読み出し回路RCに電気的に接続し、読み出し回路RCからリード信号(READ)が供給される。
【0083】
TFTアレイ基板201において液晶配向膜HM1は、図3に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対面する面上にて、画素電極62pおよびタッチ電極62tを介して設けられている。たとえば、この液晶配向膜HM1は、ポリイミドによって形成されている。
【0084】
本実施形態においては、この液晶配向膜HM1は、タッチ電極62tの表面が露出するように形成されている。
【0085】
対向基板202に設けられた各部について示す。
【0086】
対向基板202において、カラーフィルタ層21は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する側の面に形成されている。ここでは、カラーフィルタ層21は、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとの3原色のフィルタを1組として画素Pごとに設けられており、それぞれの色が、x方向に並ぶように形成されている。カラーフィルタ層21は、たとえば、顔料や染料などの着色剤を含有するポリイミド樹脂を用いて形成されている。このカラーフィルタ層21においては、バックライト300から照射された白色光が着色されて出射される。
【0087】
対向基板202において、共通電極23は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。ここで、共通電極23は、カラーフィルタ層21上に形成された層間絶縁膜Sz2を被覆するように形成されている。共通電極23は、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。
【0088】
そして、図5に示すように、共通電極23は、Vcom線CLに電気的に接続されており、共通電位が印加される。つまり、共通電極23は、表示領域PAにおいて、複数の画素Pに対応するように形成された複数の画素電極62pのそれぞれに対向しており、各画素Pにおいて共通な電極として機能するように構成されている。
【0089】
対向基板202において、タッチ電極25は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。ここでは、図3に示すように、タッチ電極25は、共通電極23と同様に、層間絶縁膜Sz2を被覆しており、共通電極23と一体であって同層になるように形成されている。つまり、タッチ電極25は、共通電極23と同様に、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。そして、タッチ電極25は、図3に示すように、液晶パネル200が外圧によって変形した際には、対向するタッチ電極62tに接触して電気的に接続するように構成されている。
【0090】
また、図5に示すように、タッチ電極25は、共通電極23と同様に、Vcom線CLに電気的に接続されており、共通電位が印加される。
【0091】
本実施形態においては、タッチ電極25は、図3に示すように、凹凸領域500の表面を被覆するように設けられている。
【0092】
凹凸領域500は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する面であって、層間絶縁膜Sz2の表面に形成されている。凹凸領域500は、図3に示すように、TFTアレイ基板201に設けられた弾性部材63の幅W1よりも、幅W2が広くなるように設けられている。そして、凹凸領域500は、TFTアレイ基板201において弾性部材63上に設けられたタッチ電極62tとの間において、所定のセンサギャップΔdが介在している。
【0093】
図6と図7は、本発明にかかる実施形態1において、凹凸領域500の部分を拡大して示す図である。
【0094】
図6は、凹凸領域500の部分を拡大して示す断面図である。一方、図7は、凹凸領域500の部分を拡大して示す上面図である。
【0095】
図6,図7に示すように、凹凸領域500においては、層間絶縁膜Sz2の表面に、複数の溝が間を隔てて形成されている。
【0096】
ここでは、図7に示すように、たとえば、複数の溝が、y方向に延在しており、この複数の溝が、x方向に間を空けて並んでいる。
【0097】
対向基板202において、液晶配向膜HM2は、図3に示すように、共通電極23上に設けられている。ここでは、液晶配向膜HM2は、共通電極23の表面全面を被覆するように、設けられている。この液晶配向膜HM2は、共通電極23およびタッチ電極25が形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成される。たとえば、液晶配向膜HM2は、ポリイミドを用いて形成される。
【0098】
詳細については後述するが、凹凸領域500は、凸部と凹部とが交互に設けられているので、凸部の頂面に配向材料が成膜されないため、液晶配向膜HM2は、この頂面に形成されずに、その表面が露出するように形成されている。
【0099】
液晶層203について示す。
【0100】
液晶層203は、図3に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202との間にて挟持されている。
【0101】
ここでは、液晶層203は、TFTアレイ基板201に形成された液晶配向膜HM1と、対向基板202に形成された液晶配向膜HM2とによって、液晶分子(図示なし)が配向されている。たとえば、液晶分子が垂直配向するように液晶層203が形成されている。つまり、液晶表示モードが、VA(Vertical Align)モードになるように、液晶層203が形成されている。
【0102】
この他に、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードに対応するように、液晶層203を形成しても良い。
【0103】
(動作)
以下より、上記の液晶表示装置100において、ユーザーの指などの被検知体Fが液晶パネル200の表示領域PAに接触した位置を検出する際の動作について説明する。
【0104】
図8は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100を動作させる際に、制御部401が、各部に供給する制御信号の波形図である。
【0105】
図8において、(A)は、ゲート線GLに供給する走査信号(Vgate)を示している。(B)は、信号線SLに供給するデータ信号(Vsig)を示している。(C)は、Vcom線CLに供給する共通電圧(Vcom)の波形図である。(D)は、スイッチSWwに供給するライト信号(Write)を示している。(E)は、スイッチSWrに供給するリード信号(Read)を示している。
【0106】
まず、T1においては、図8の(B)と(D)とに示すように、データ信号(Vsig)とライト信号(Write)とが、ローレベルからハイレベルになる。このため、ハイレベルのライト信号(Write)によって、スイッチSWwがオンになり、ハイレベルのデータ信号(Vsig)が、スイッチSWwを介して、書き込み回路WCから信号線SLへ供給される(図5参照)。
【0107】
つぎに、T2においては、図8の(D)に示すように、ライト信号(Write)がローレベルになって、スイッチSWwがオフになり、信号線SLが、フローティング状態になる。この状態で、T2においては、図8の(A)に示すように、走査信号(Vgate)が、ローレベルからハイレベルになる。このため、画素スイッチング素子31のゲートがオン状態になり、画素スイッチング素子31においては、チャネルが形成されて、データ信号(Vsig)の電荷の放電経路が生ずる(図5参照)。
【0108】
このとき、タッチセンサスイッチSWsがオン状態にされた場合には、大きな容量のVcom線CLに、フローティング状態の信号線SLの電荷が放電される。このため、図8の(B)にて実線で示すように、データ信号(Vsig)の電位が、大きく低下する。
【0109】
一方で、タッチセンサスイッチSWsがオフ状態である場合には、図8の(B)にて破線で示すように、データ信号(Vsig)の電位は、ほぼ保持されて、変化が少ない。
【0110】
つぎに、T3においては、図8の(E)に示すように、リード信号(Read)が、ローレベルからハイレベルになる。このため、ハイレベルのリード信号(Read)によって、スイッチSWrがオンになり、データ信号(Vsig)が、スイッチSWrを介して、信号線SLから読み出し回路RCへ読み出される(図5参照)。
【0111】
ここで、タッチセンサスイッチSWsがオン状態である場合には、図8の(B)にて実線で示したように、低い電位のデータ信号(Vsig)が読み出される。一方で、タッチセンサスイッチSWsがオフ状態である場合には、図8の(B)にて破線で示したように、高い電位のデータ信号(Vsig)が読み出される。
【0112】
そして、このとき、この読み出したデータ信号(Vsig)の電位に基づいて、データ処理部400の位置検出部402(図1参照)が、位置検出を行う。
【0113】
具体的には、位置検出部402は、読み出したデータ信号(Vsig)の電位と参照電位との比較処理を実行し、参照電位よりも大きい場合には、タッチセンサスイッチSWsがオフ状態であると判断する。一方で、読み出したデータ信号(Vsig)の電位が、参照電位に対して小さい場合には、タッチセンサスイッチSWsがオン状態であると判断する。そして、位置検出部402は、タッチセンサスイッチSWsがオン状態であると判断した画素Pの位置を、指などの被検知体Fが接触した位置として検出する。
【0114】
つまり、位置検出部402は、タッチセンサスイッチSWsがオン状態の場合と、オフ状態の場合との間において、変化する電位に基づいて、液晶パネル200にて、指などの被検知体Fが接触した位置を検出する。
【0115】
つぎに、T4においては、図8の(E)に示すように、リード信号(Read)を、ローレベルにし、スイッチSWrをオフ状態にする。そして、ライト信号(Write)を、ローレベルからハイレベルとして、スイッチSWwをオン状態にすると共に、信号線SLにハイレベルのデータ信号(Vsig)を印加する。その後、共通電圧Vcomの電位を反転して、表示の制御を続行する。
【0116】
(製造方法)
以下より、上記の液晶表示装置100の要部である凹凸領域500の部分を形成する方法について説明する。
【0117】
図9は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100において、凹凸領域500の部分を形成する工程を示す断面図である。図9では、要部を示しており、一部の部材については、表示を省略している。
【0118】
まず、図9(a)に示すように、層間絶縁膜Sz2を形成する。
【0119】
ここでは、たとえば、感光性樹脂(図示なし)を塗布することによって、この層間絶縁膜Sz2を形成する。たとえば、ポジ型の感光性であるアクリル樹脂を塗布後、プリベーク処理を実施することで、層間絶縁膜Sz2を形成する。
【0120】
つぎに、図9(b)に示すように、層間絶縁膜Sz2に溝を形成する。
【0121】
ここでは、フォトリソグラフィ技術によって、感光性樹脂からなる層間絶縁膜Sz2をパターン加工することで、溝を形成し、凹凸領域500を設ける。
【0122】
具体的には、マスクパターンが形成されたフォトマスクを用いて露光処理を実施する。この露光処理では、溝を形成する部分へ、露光光を照射する。ここでは、露光量を適宜調整して、露光光の照射を実施する。
【0123】
そして、この露光処理の実施後に、現像処理を実施する。この後、ベーク処理の実施によって、層間絶縁膜Sz2中の残留溶剤や低分子の未重合成分を揮発させる。このようにすることで、図9(b)に示すように、層間絶縁膜Sz2の表面に溝が形成される。
【0124】
なお、上記の露光処理においては、一のフォトマスクを用いて形成する場合のみならず、適宜、複数のフォトマスクを組み合わせて、露光処理を実施しても良い。また、上記の溝の他に、図示をしていないが、コンタクトホールを、別途、同一工程で形成しても良い。
【0125】
つぎに、図9(c)に示すように、タッチ電極25を形成する。
【0126】
ここでは、層間絶縁膜Sz2にて溝が形成された表面に、透明な導電材料を成膜することで、タッチ電極25を形成する。たとえば、スパッタリング法によって、ITOを成膜することで、タッチ電極25を形成する。
【0127】
この他に、図9(c)に示すように、共通電極23についても、これと同一工程で形成する。
【0128】
つぎに、図9(d)に示すように、液晶配向膜HM2を形成する。
【0129】
ここでは、タッチ電極25および共通電極23上に配向材料を塗布し成膜することによって、液晶配向膜HM2を形成する。たとえば、スピンコート法によって、配向材料が溶解された塗布液を塗布する。そして、プリベーク処理によって、塗布膜中の溶媒を揮発させた後、本ベーク処理で残留溶剤を除去する。これにより、たとえば、ポリイミドの液晶配向膜HM2を形成する。スピンコート法の他に、オフセット印刷などによって、液晶配向膜HM2を形成しても良い。
【0130】
図9(d)に示すように、凹凸領域500の表面においては、凸部と凹部とが交互に設けられているので、凸部の頂面には、配向材料が成膜されない。具体的には、配向材料が溶解された塗布液が、凹凸領域500の凹部の内部に入り、凸部の頂面を被覆しない。このため、この凹凸領域500において凸部の頂面の表面には、液晶配向膜HM2が成膜されず、タッチ電極25の表面が露出するように形成される。
【0131】
この後、配向処理を実施する。たとえば、ラビング処理によって配向処理を実施する。この他に、光配向処理、イオンビーム配向処理、グレーティング配向処理などの配向処理を実施しても良い。なお、たとえば、液晶配向膜HM2が、垂直配向を誘起するものである場合であって、液晶パネル200を垂直配向モードにする場合には、配向処理を別途実施する必要はない。
【0132】
そして、図3に示したように、各部が形成された対向基板202と、TFTアレイ基板201とを貼り合わせる。その後、TFTアレイ基板201と対向基板202との間に、液晶材料を注入して液晶層203を設けることによって、液晶パネル200を完成させる。
【0133】
(まとめ)
以上のように、本実施形態において、タッチセンサスイッチSWsを構成するタッチ電極25は、複数の溝が間を隔てて形成された凹凸領域500の表面を被覆するように設けられている。そして、液晶配向膜HM2は、タッチ電極25が形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成されており、タッチ電極25において凹凸領域500の凸部の頂面の表面が露出している。このように、本実施形態では、タッチ電極25を凹凸領域500の表面に沿って形成していることから、この部分の液晶配向膜HM2を除去する工程を別途実施せずに、凸部の頂面の表面を露出させることができる。
【0134】
よって、本実施形態は、製造効率,歩留まりの向上を実現することができる。また、インクジェットの設備などのように、新規な設備を導入することが必要でないので、製造コストが増加することを防止できる。そして、本実施形態においては、対向基板202に設けられたタッチ電極25と、TFTアレイ基板201に設けられたタッチ電極62tとを、接触時に好適に導通させることができるので、装置の信頼性を向上させることができる。
【0135】
また、本実施形態においては、凹凸領域500を、タッチ電極25が被覆された状態において、凸部の幅Lが、0.5から5.0μmであって、凹部の幅Sが、0.5から5.0μmになるように形成することが好適である。また、さらに、凸部の頂面と凹部の底面との距離(高さ)Hが、0.5〜2.0μmになるように形成することが好適である。このようにすることで、タッチ電極25において凹凸領域500の凸部の頂面の表面が液晶配向膜HM2で被覆されずに露出させることを、好適に、実現できる。
【0136】
図10と図11は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100において、凸部の幅L(μm)および高さH(μm)と、液晶配向膜の被覆率(%)との関係を示す図である。
【0137】
図10は、横軸が、高さH(μm)であって、縦軸が、液晶配向膜の被覆率(%/100)である。そして,(a),(b),(c)のそれぞれにおいて、凸部の幅L(μm)が、0.3μm,0.8μm,1.2μmである場合の結果を示している。なお、凹部の幅Sについても、この凸部の幅Lと同じになるように形成している。
【0138】
一方で、図11は、図10において示した2つの被覆率R1,R2を示す図である。図11に示すように、被覆率R1は、下記の数式(1)で示され、被覆率R2は、下記の数式(2)で示される。ここで、Pは、図11(a),(b)に示すように、複数の凹部の間におけるピッチPである。そして、P1は、図11(a)に示すように、凸部において、液晶配向膜HM2が被覆されない幅である。また、P2は、図11(b)に示すように、凸部において、凹部の底面に設けられた液晶配向膜HM2の半分の膜厚になる部分の幅である。
【0139】
R1=(P−P1)/P ・・・(1)
R2=(P−P2)/P ・・・(2)
【0140】
図10の結果から判るように、凸部の幅Lが、0.5μm以上であって、その高さHが、0.5μm以上にすることで、液晶配向膜HM2が、全面に被覆されない。
【0141】
そして、上述した上限値を超える場合には、凸部上に配向膜が残ってしまう等の不具合が生ずる場合がある。このような結果は、塗布液の液粘度が、30mPa・sが中心値であって、1〜500mPa・sの範囲において得ることができる。
【0142】
よって、上記した数値範囲において、凹凸領域500を形成することが好適である。
【0143】
なお、上記においては、凹凸領域500が、図7に示したように形成されている場合について説明したが、これに限定されない。
【0144】
図12と図13は、本発明にかかる実施形態1の変形例において、凹凸領域500の部分を拡大して示す図である。図12と図13は、上面図である。
【0145】
図12に示すように、凹凸領域500においては、複数の溝をx方向とy方向とにマトリクス状に並ぶように形成してもよい。
【0146】
また、図13に示すように、凹凸領域500においては、複数の溝を円形に形成してもよい。
【0147】
この他に、上記においては、層間絶縁膜Sz2の表面をフォトリソグラフィ技術によって加工し、その表面に溝を形成することで、凹凸領域500を設ける場合について説明したが、これに限定されない。
【0148】
図14は、本発明にかかる実施形態1の変形例において、液晶パネル200の要部を示す図である。ここで、図14は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0149】
図14に示すように、カラーフィルタ層21において赤カラーフィルタ層21Raの表面を、フォトリソグラフィ技術によって加工し、その表面に溝を形成することで、凹凸領域500を設けてもよい。
【0150】
<2.実施形態2>
以下より、本発明にかかる実施形態2について説明する。
【0151】
(液晶パネルの詳細構成)
図15は、本発明の実施形態2にかかる液晶パネル200bの要部を示す図である。ここで、図15は、本発明の実施形態2にかかる液晶パネル200bにおいて、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0152】
図15に示すように、本実施形態においては、タッチセンサスイッチSWsbの構成が、実施形態1と異なる。具体的には、図15と図3とを比較してわかるように、対向基板202に形成されたタッチ電極25bが、実施形態1と異なる。また、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tbが、実施形態1と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する箇所については、説明を省略する。
【0153】
対向基板202において、タッチ電極25bは、図15に示すように、弾性部材63bの頂面を被覆するように設けられている。
【0154】
図15に示すように、弾性部材63bは、層間絶縁膜Sz2上に設けられている。弾性部材63bは、この層間絶縁膜Sz2上において、TFTアレイ基板201へ向かう方向へ、凸状に突出するように設けられている。たとえば、弾性部材63bは、感光性のアクリル樹脂膜をパターン加工することで形成されている。ここでは、図15に示すように、弾性部材63bは、柱スペーサSPよりも、高さが低くなるように形成されている。
【0155】
そして、図15に示すように、対向基板202において、弾性部材63bが設けられた領域以外の表面を被覆するように、液晶配向膜HM2bが設けられている。ここでは、液晶配向膜HM2bは、共通電極23およびタッチ電極25bが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成される。弾性部材63bは、対向基板202の表面にて凸状に突き出ているので、その頂面に位置する部分においては、配向材料が塗布されず、タッチ電極25bの表面が露出している。
【0156】
TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tbは、図15に示すように、凹凸領域500bの表面を被覆するように設けられている。
【0157】
凹凸領域500bは、図15に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する面であって、層間絶縁膜Sz1の表面に形成されている。凹凸領域500bは、図15に示すように、対向基板202に設けられた弾性部材63bの幅W1bよりも、その幅W2bが広くなるように設けられている。そして、凹凸領域500bは、対向基板202において弾性部材63b上に設けられたタッチ電極25bとの間において、所定のセンサギャップΔdbが介在している。
【0158】
この凹凸領域500bは、実施形態1の場合と同様に、複数の溝が設けられており、その表面に沿って、タッチ電極62tbが形成されている。つまり、凹凸領域500bの表面においては、凸部と凹部とが交互に設けられている。
【0159】
そして、図15に示すように、凹凸領域500b上においては、液晶配向膜HM1bが設けられている。ここでは、液晶配向膜HM1bは、画素電極62pおよびタッチ電極62tが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成される。凹凸領域500bの表面においては、凸部と凹部とが交互に設けられているので、実施形態1の場合と同様に、配向材料が成膜されない。このため、凹凸領域500bの凸部の頂面に位置する部分においては、タッチ電極62tbの表面が露出している。
【0160】
(まとめ)
以上のように、本実施形態において、タッチセンサスイッチSWsbを構成するタッチ電極62tbは、複数の溝が間を隔てて形成された凹凸領域500bの表面を被覆するように設けられている。そして、液晶配向膜HM1bは、タッチ電極62tbが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成されており、タッチ電極62tbにおいて凹凸領域500bの凸部の頂面の表面が露出している。
【0161】
本実施形態では、タッチ電極62tbを凹凸領域500bの表面に沿って形成することで、凹凸領域500bにおいて凸部の頂面に位置するタッチ電極62tbの表面を露出させることができる。つまり、本実施形態は、この部分の液晶配向膜HM1bを除去する工程を別途実施する必要がない。
【0162】
よって、本実施形態は、実施形態1の場合と同様に、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0163】
なお、上記においては、層間絶縁膜Sz1の表面をフォトリソグラフィ技術によって加工し、その表面に溝を形成することで、凹凸領域500bを設ける場合について説明したが、これに限定されない。
【0164】
図16は、本発明にかかる実施形態2の変形例において、液晶パネル200bの要部を示す図である。ここで、図16は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0165】
図16に示すように、TFTアレイ基板201の表面に、凸状に突出する下地層OPを、複数設ける。そして、この複数の下地層OPを被覆するように、層間絶縁膜Sz1を形成することで、凹凸領域500bを設けてもよい。
【0166】
<3.実施形態3>
以下より、本発明にかかる実施形態3について説明する。
【0167】
(液晶パネルの詳細構成)
図17は、本発明の実施形態3にかかる液晶パネル200cの要部を示す図である。ここで、図17は、本実施形態の液晶パネル200cにおいて、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0168】
図17に示すように、本実施形態においては、タッチセンサスイッチSWscの構成が、実施形態1と異なる。具体的には、図17と図3とを比較してわかるように、対向基板202に形成されたタッチ電極25cの部分が、実施形態1と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する箇所については、説明を省略する。
【0169】
図17に示すように、タッチ電極25cは、対向基板202において、凹凸領域500cの表面を被覆するように設けられている。
【0170】
本実施形態においては、凹凸領域500cは、図17に示すように、層間絶縁膜Sz2の表面から、凸状に突き出るように形成された弾性部材71cの頂面に形成されている。たとえば、弾性部材71cは、層間絶縁膜Sz2と同様な材料を用いて形成されている。これにより、凹凸領域500cは、TFTアレイ基板201に設けられたタッチ電極62tとの間において、所定のセンサギャップΔdcが介在するように形成されている。
【0171】
そして、液晶配向膜HM2cは、図17に示すように、このタッチ電極25cが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成される。液晶配向膜HM2cは、凹凸領域500cの表面においては、凸部と凹部とが交互に設けられているので、配向材料が成膜されず、凸部の頂面に位置するタッチ電極25cの表面が露出するように形成される。
【0172】
(まとめ)
以上のように、本実施形態は、実施形態1と同様に、タッチ電極25cを凹凸領域500cの表面に沿って形成している。このため、本実施形態においては、この部分の液晶配向膜HM2cを除去する工程を別途実施せずに、凸部の頂面上においてタッチ電極62tdの表面を露出させることができる。よって、本実施形態は、他の実施形態と同様に、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0173】
特に、本実施形態では、層間絶縁膜Sz2の表面から、凸状に突き出るように形成された弾性部材71cの頂面に、凹凸領域500cを形成している。このため、本実施形態では、液晶配向膜HM2cを形成するために塗布される塗布液が、この凹凸領域500cの頂面を被覆しにくい。よって、本実施形態は、上記の効果を、さらに好適に奏することができる。
【0174】
<4.実施形態4>
以下より、本発明にかかる実施形態4について説明する。
【0175】
(液晶パネルの詳細構成)
図18は、本発明の実施形態4にかかる液晶パネル200dの要部を示す図である。ここで、図18は、本実施形態の液晶パネル200dにおいて、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0176】
図18に示すように、本実施形態においては、タッチセンサスイッチSWsdの構成が、実施形態2と異なる。具体的には、図18と図15とを比較してわかるように、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tdの部分が、実施形態2と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態2と同様である。このため、重複する箇所については、説明を省略する。
【0177】
図18に示すように、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tdは、凹凸領域500dの表面を被覆するように設けられている。
【0178】
本実施形態においては、凹凸領域500dは、図18に示すように、層間絶縁膜Sz1の表面から、凸状に突き出るように形成された弾性部材71dの頂面に形成されている。たとえば、弾性部材71dは、層間絶縁膜Sz1と同様な材料を用いて形成されている。これにより、凹凸領域500dは、対向基板202に設けられたタッチ電極25bとの間において、所定のセンサギャップΔddが介在するように形成されている。
【0179】
そして、液晶配向膜HM1dは、図18に示すように、このタッチ電極62tdが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成される。液晶配向膜HM1dは、凹凸領域500dの表面においては、凸部と凹部とが交互に設けられているので、配向材料が成膜されず、凸部の頂面に位置するタッチ電極62tdの表面が露出している。
【0180】
(まとめ)
以上のように、本実施形態は、実施形態2と同様に、タッチ電極62tdを凹凸領域500dの表面に形成している。このため、本実施形態においては、この部分の液晶配向膜HM1dを除去する工程を別途実施せずに、凸部の頂面上においてタッチ電極62tdの表面を露出させることができる。よって、本実施形態は、他の実施形態と同様に、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0181】
特に、本実施形態では、層間絶縁膜Sz1の表面から、凸状に突き出るように形成された弾性部材71dの頂面に、凹凸領域500dが形成されている。このため、本実施形態では、液晶配向膜HM1dを形成するために塗布される塗布液が、この凹凸領域500d上を被覆されにくい。よって、本実施形態は、上記の効果を、さらに好適に奏することができる。
【0182】
<5.実施形態5>
以下より、本発明にかかる実施形態5について説明する。
(液晶パネルの詳細構成)
図19は、本発明の実施形態5にかかる液晶パネル200eの要部を示す図である。ここで、図19は、本実施形態の液晶パネル200eにおいて、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0183】
図19に示すように、本実施形態においては、タッチセンサスイッチSWseの構成が、実施形態1と異なる。具体的には、図19と図3とを比較してわかるように、対向基板202に形成されたタッチ電極25eが、実施形態1と異なる。また、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62teが、実施形態1と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する箇所については、説明を省略する。
【0184】
対向基板202において、タッチ電極25eは、図19に示すように、実施形態1の場合と同様に、層間絶縁膜Sz2上において、共通電極23と一体であって同層になるように形成されている。ここでは、タッチ電極25eは、図19に示すように、凹凸領域500eの表面を被覆するように設けられている。
【0185】
本実施形態においては、凹凸領域500eは、図19に示すように、層間絶縁膜Sz2の表面に設けられた凹部領域72eの底面に形成されている。つまり、層間絶縁膜Sz2は、タッチ電極25eが形成された凹凸領域500eの表面が、この凹凸領域500e以外の領域の表面よりも、高さが低くなるように形成されている。
【0186】
たとえば、感光性材料からなる層間絶縁膜Sz2において凹凸領域500eを形成する部分を、フォトリソグラフィ技術によって除去することで、この凹凸領域500eが設けられる。この他に、たとえば、ナノインプリント法によって、この凹凸領域500eを形成しても良い。
【0187】
そして、液晶配向膜HM2eは、図19に示すように、共通電極23およびタッチ電極25eが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成されている。本実施形態では、実施形態1と同様に、凹凸領域500eの表面は凸部と凹部とが交互に設けられているので、凸部の頂面に配向材料が成膜されない。このため、この凸部上に位置するタッチ電極25eの表面が露出するように形成される。
【0188】
TFTアレイ基板201において、タッチ電極62teは、図19に示すように、弾性部材63eの頂面を被覆するように設けられている。
【0189】
図19に示すように、弾性部材63eは、層間絶縁膜Sz1上において、対向基板202へ向かう方向へ、凸状に突出するように設けられている。
【0190】
本実施形態においては、弾性部材63eは、タッチ電極62teが被覆された状態において、柱スペーサSPと高さが同じになるように形成されている。
【0191】
(まとめ)
以上のように、本実施形態は、実施形態1と同様に、タッチ電極25eを凹凸領域500eの表面に沿って形成している。このため、本実施形態においては、この部分の液晶配向膜HM2eを除去する工程を別途実施せずに、凸部の頂面上においてタッチ電極25eの表面を露出させることができる。よって、本実施形態は、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0192】
特に、本実施形態では、フォトリソグラフィ技術において露光量を調整することで凹凸領域500eの高さを高精度に調整可能であるので、センサギャップΔdeのバラツキを抑制することができる。つまり、スピンコート法での塗布条件(回転数など)によって、弾性部材63eの高さを調整することで、センサギャップΔdeを規定することが、不要になる。よって、本実施形態は、上記の効果を、さらに好適に奏することができる。
【0193】
なお、上記においては、図19に示すように、弾性部材63eと柱スペーサSPとを、別個に形成する場合について説明したが、これに限定されない。
【0194】
図20は、本発明にかかる実施形態5の変形例において、液晶パネル200ebの要部を示す図である。ここで、図20は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0195】
図20に示すように、弾性部材63eと柱スペーサSPeとを同一工程において形成してもよい。
【0196】
具体的には、層間絶縁膜Sz1上に感光性樹脂膜(図示なし)を設けた後に、その感光性樹脂膜をフォトリソグラフィ技術によって、弾性部材63eと柱スペーサSPeとの両者にパターン加工する。そして、この後に、タッチ電極62te,画素電極62pを形成後、液晶配向膜HM1eを形成する。
【0197】
このようにすることで、工程数を削減可能であるので、上記の効果を好適に奏することができる。
【0198】
<6.実施形態6>
以下より、本発明にかかる実施形態6について説明する。
(液晶パネルの詳細構成)
図21は、本発明の実施形態6にかかる液晶パネル200fの要部を示す図である。ここで、図21は、本実施形態の液晶パネル200fにおいて、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0199】
図21に示すように、本実施形態においては、タッチセンサスイッチSWsfの構成が、実施形態2と異なる。具体的には、図21と図15とを比較してわかるように、対向基板202に形成されたタッチ電極25fが、実施形態2と異なる。また、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tfが、実施形態2と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態2と同様である。このため、重複する箇所については、説明を省略する。
【0200】
対向基板202において、タッチ電極25fは、図21に示すように、実施形態2の場合と同様に、層間絶縁膜Sz2上において、共通電極23と一体であって同層になるように形成されている。ここでは、タッチ電極25fは、図21に示すように、弾性部材63fの頂面を被覆するように設けられている。
【0201】
図21に示すように、弾性部材63fは、層間絶縁膜Sz2上において、TFTアレイ基板201へ向かう方向へ、凸状に突出するように設けられている。
【0202】
本実施形態においては、弾性部材63fは、タッチ電極25fが被覆された状態において、柱スペーサSPと高さが同じになるように形成されている。
【0203】
TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tfは、図21に示すように、凹凸領域500fの表面を被覆するように設けられている。
【0204】
本実施形態においては、凹凸領域500fは、図21に示すように、層間絶縁膜Sz1の表面に設けられた凹部領域72fの底面に形成されている。つまり、層間絶縁膜Sz1は、タッチ電極62tfが形成された凹凸領域500fの表面が、この凹凸領域500f以外の領域の表面よりも、高さが低くなるように形成されている。
【0205】
たとえば、感光性材料からなる層間絶縁膜Sz1において凹凸領域500fを形成する部分を、フォトリソグラフィ技術によって除去することで、この凹凸領域500fが設けられる。この他に、たとえば、ナノインプリント法によって、この凹凸領域500fを形成しても良い。
【0206】
そして、液晶配向膜HM1fは、図21に示すように、画素電極62pおよびタッチ電極62tfが形成された表面上に配向材料を塗布することによって形成されている。本実施形態では、実施形態2と同様に、凹凸領域500fの表面は、凸部と凹部とが交互に設けられているので、凸部の頂面に配向材料が成膜されない。このため、この凸部上に位置するタッチ電極62tfの表面が露出するように形成される。
【0207】
(まとめ)
以上のように、本実施形態は、実施形態2と同様に、タッチ電極62tfを凹凸領域500fの表面に沿って形成している。このため、本実施形態においては、この部分の液晶配向膜HM1fを除去する工程を別途実施せずに、凸部の頂面上においてタッチ電極62tfの表面を露出させることができる。よって、本実施形態は、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0208】
特に、本実施形態では、実施形態5と同様に、フォトリソグラフィ技術において露光量を調整することで凹凸領域500fの高さを高精度に調整可能であるので、センサギャップΔdfのバラツキを抑制することができる。つまり、スピンコート法での塗布条件(回転数など)によって、弾性部材63fの高さを調整することで、センサギャップΔdfを規定することが、不要になる。よって、本実施形態は、上記の効果を、さらに好適に奏することができる。
【0209】
なお、上記においては、図21に示すように、弾性部材63fと柱スペーサSPとを、別個に形成する場合について説明したが、これに限定されない。
【0210】
図22は、本発明にかかる実施形態6の変形例において、液晶パネル200fbの要部を示す図である。ここで、図22は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0211】
図22に示すように、弾性部材63fと柱スペーサSPfとを同一工程において形成してもよい。
【0212】
具体的には、層間絶縁膜Sz2上に感光性樹脂膜(図示なし)を設けた後に、その感光性樹脂膜をフォトリソグラフィ技術によって、弾性部材63fと柱スペーサSPfとの両者にパターン加工する。そして、この後に、タッチ電極25f,共通電極23を形成後、液晶配向膜HM2fを形成する。
【0213】
このようにすることで、工程数を削減可能であるので、上記の効果を好適に奏することができる。
【0214】
<7.実施形態7>
以下より、本発明にかかる実施形態7について説明する。
【0215】
(液晶パネルの詳細構成)
図23から図25は、本発明の実施形態7にかかる液晶パネル200gの要部を示す図である。
【0216】
ここで、図23は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0217】
また、図24は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す上面図である。なお、図23は、図24のX1g−X2g部分について示しているが、図示の都合上、適宜、部材の表示を省力又は簡略化している。
【0218】
そして、図25は、液晶パネル200gの概略を示す回路図である。図25では、互いに隣接する画素Pの部分を示している。
【0219】
図23,図24,図25に示すように、本実施形態においては、タッチセンサスイッチSWsgの構成が、実施形態2と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態2と同様である。このため、重複する箇所については、説明を省略する。
【0220】
本実施形態においては、図23に示すように、液晶パネル200gは、タッチセンサスイッチSWsgが内蔵されている。このタッチセンサスイッチSWsgは、図23に示すように、タッチ電極62tg,25gを含む。
【0221】
液晶パネル200gを構成するTFTアレイ基板201においては、図23に示すように、対向基板202に対向する側の面に、画素電極62pの他に、タッチセンサスイッチSWsgを構成する一方のタッチ電極62tgとが形成されている。
【0222】
これに対して、液晶パネル200gを構成する対向基板202においては、図23に示すように、TFTアレイ基板201に対向する側の面に、カラーフィルタ層21および共通電極23の他に、タッチ電極25gが形成されている。
【0223】
液晶パネル200gは、図23に示した部材のほかに、図24に示すように、ゲート線GLと信号線SLとを含む。また、図25に示すように、画素スイッチング素子31と保持容量素子CSとを含む。ゲート線GLと信号線SLと画素スイッチング素子31と保持容量素子CSとのそれぞれは、図23,図24では図示を省略しているが、液晶パネル200を構成するTFTアレイ基板201に設けられている。
【0224】
(A)TFTアレイ基板201について
TFTアレイ基板201に設けられた各部の詳細について示す。
【0225】
TFTアレイ基板201において、画素電極62pとタッチ電極62tgとのそれぞれは、図23に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対面する面上に、層間絶縁膜Szを介して設けられている。画素電極62pとタッチ電極62tgのそれぞれは、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。そして、画素電極62pとタッチ電極62tgのそれぞれは、一体になるように形成されており、互いに電気的に接続している。
【0226】
ここでは、画素電極62pとタッチ電極62tgとは、図24に示すように、xy面において、ゲート線GLと信号線SLとによって区画される複数の領域のそれぞれに対応するように、矩形パターンで形成されている。
【0227】
具体的には、画素電極62pは、図23に示すように、カラーフィルタ層21を構成する赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとのそれぞれに対応するように設けられている。つまり、画素Pを構成する3つのサブ画素のそれぞれに対応するように、画素電極62pが形成されている。ここでは、画素電極62pのそれぞれは、図23に示すように、液晶層203を介して、共通電極23に対面している。また、図25に示すように、画素電極62pのそれぞれは、画素スイッチング素子31の一方の端子に電気的に接続されて、液晶層203に電位を与えるように構成されている。
【0228】
これに対して、タッチ電極62tgは、図23に示すように、たとえば、カラーフィルタ層21を構成する赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gとのそれぞれに対応するように、設けられている。つまり、画素Pを構成する3つのサブ画素のうち、2つのサブ画素に対応するように、タッチ電極62tgが形成されている。ここでは、図23に示すように、この2つのタッチ電極62tgのそれぞれは、液晶層203を介して、対向基板202に設けられた1つのタッチ電極25gに対面している。そして、このタッチ電極62tgのそれぞれは、図24に示すように、ゲート線GLの上方に設けられている。そして、図25に示すように、タッチ電極62tgは、画素スイッチング素子31のソースに電気的に接続されている。
【0229】
TFTアレイ基板201において、図25に示す画素スイッチング素子31と保持容量素子CSとのそれぞれは、図23では図示を省略しているが、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上に形成されている。そして、画素スイッチング素子31と保持容量素子CSとのそれぞれは、層間絶縁膜Szによって被覆されている。
【0230】
ここで、画素スイッチング素子31は、図25に示すように、トランジスタであって、たとえば、ポリシリコンを用いたTFTとして構成されている。このTFTである画素スイッチング素子31は、図25に示すように、ゲートが、ゲート線GLに電気的に接続されている。そして、ドレインが、信号線SLに電気的に接続されている。そして、ソースが、画素電極62pと、タッチ電極62tgとのそれぞれに接続されている。
【0231】
そして、保持容量素子CSは、図25に示すように、一方の電極が、画素スイッチング素子31のソースに電気的に接続されている。そして、図25に示すように、他方の電極が、保持容量線CSLに電気的に接続されている。
【0232】
TFTアレイ基板201において、図24,図25に示すゲート線GLと信号線SLとのそれぞれは、図23では図示を省略しているが、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上に設けられている。そして、ゲート線GLと信号線SLとのそれぞれは、層間絶縁膜Szによって被覆されている。
【0233】
ここで、ゲート線GLは、図24,図25に示すように、xy面において、x方向に延在するように設けられている。そして、ゲート線GLは、図25に示すように、画素スイッチング素子31のゲートに電気的に接続されている。この他に、ゲート線GLは、図2に示した垂直駆動回路11に電気的に接続されており、垂直駆動回路11から走査信号Vgateを画素スイッチング素子31のゲートに供給する。
【0234】
そして、信号線SLは、図24,図25に示すように、xy面において、y方向に延在するように設けられている。そして、信号線SLは、図25に示すように、画素スイッチング素子31のドレインに電気的に接続されている。この他に、信号線SLは、図25に示すように、水平駆動回路12に電気的に接続するように構成されている。
【0235】
本実施形態では、水平駆動回路12は、図25に示すように、書き込み回路WCと、読み出し回路RCとを含む。また、信号線SLは、図25に示すように、書き込み回路WCおよび読み出し回路RCの両者に接続する第1信号線SL1と、書き込み回路WCのみに接続する第2信号線SL2とを含む。
【0236】
第1信号線SL1は、書き込み回路WCとの間に、スイッチSWw1が介在しており、スイッチSWw1がオン状態になったときに、書き込み回路WCに電気的に接続するように構成されている。また、第1信号線SL1は、読み出し回路RCとの間に、スイッチSWrが介在しており、スイッチSWrがオン状態になったときに、読み出し回路RCに電気的に接続する。この第1信号線SL1は、カラーフィルタ層21のうち、たとえば、赤フィルタ層21Rに対応するサブ画素に接続するように設けられている。
【0237】
一方で、第2信号線SL2は、書き込み回路WCとの間でスイッチSWw2を介在して電気的に接続するように構成されている。しかし、第2信号線SL2は、第1信号線SL1と異なり、読み出し回路RCとの間とは電気的に接続しないように構成されている。この第2信号線SL2は、カラーフィルタ層21のうち、たとえば、緑フィルタ層21Gに対応するサブ画素に接続するように設けられている。
【0238】
なお、図示を省略しているが、画素Pにおいては、カラーフィルタ層21のうち、青フィルタ層21Bに対応するサブ画素に接続するように、第3信号線(図示無し)が設けられている。この第3信号線は、第2信号線SL2と同様に、書き込み回路WCとの間でスイッチを介在して電気的に接続するように構成されている。
【0239】
この他に、TFTアレイ基板201においては、図23に示すように、液晶配向膜HM1gが画素電極62p上に設けられている。液晶配向膜HM1gは、ポリイミドによって形成されている。
【0240】
本実施形態においては、この液晶配向膜HM1gは、タッチ電極62tgの表面が露出するように形成されている。
【0241】
詳細については後述するが、図23,図24に示すように、層間絶縁膜Szにおいては、隣合う一対のタッチ電極62tgの間に、凹状の溝TRが設けられている。画素電極62p上に液晶配向膜HM1gを塗布して形成する際には、塗布液が、その溝TRに入るので、その溝TRの近傍のタッチ電極62tgの上面においては、その塗布膜が被覆されない。このため、図23に示すように、画素電極62p上を液晶配向膜HM1gが被覆するが、タッチ電極62tgの表面が露出するように、液晶配向膜HM1gが形成される。
【0242】
(B)対向基板202について
対向基板202に設けられた各部の詳細について示す。
【0243】
対向基板202において、カラーフィルタ層21は、図23に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する側の面に形成されている。ここでは、カラーフィルタ層21は、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとの3原色のフィルタを1組として画素Pごとに設けられており、それぞれの色が、x方向に並ぶように形成されている。カラーフィルタ層21は、たとえば、顔料や染料などの着色剤を含有するポリイミド樹脂を用いて形成されている。このカラーフィルタ層21においては、バックライト300から照射された白色光が、各色に着色されて出射される。
【0244】
対向基板202において、共通電極23は、図23に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。ここで、共通電極23は、カラーフィルタ層21を被覆するように形成されている。共通電極23は、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。そして、共通電極23は、図25に示すように、Vcom線CLに電気的に接続されており、共通電位が印加される。つまり、共通電極23は、表示領域PAにおいて、複数の画素Pに対応するように形成された複数の画素電極62pのそれぞれに対向しており、各画素Pにおいて共通な電極として機能するように構成されている。
【0245】
そして、共通電極23上においては、図23と図24とに示すように、液晶配向膜HM2gが設けられている。ここでは、共通電極23の表面全面を被覆するように、液晶配向膜HM2gが設けられている。たとえば、液晶配向膜HM2gは、スピンコート法によって、ポリイミドを成膜することで形成される。凸部COの表面については、ポリイミドが成膜されず、タッチ電極25gの表面が露出するように構成されている。
【0246】
対向基板202において、タッチ電極25gは、図23に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。そして、このタッチ電極25gは、図25に示すように、TFTアレイ基板201にて隣接するように設けられた2つのタッチ電極62tgの両者に接触し、その両者を電気的に接続するように、構成されている。つまり、液晶パネル200gが外圧によって変形した際には、タッチ電極25gが、対向する2つのタッチ電極62tgのそれぞれに接触し、その2つのタッチ電極62tgの間を電気的に接続するように構成されている。
【0247】
本実施形態においては、タッチ電極25gは、図23に示すように、凸部CO上に設けられている。
【0248】
図23に示すように、凸部COは、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する面上において、TFTアレイ基板201に対向する方向へ凸状に突出するように形成されている。ここでは、図23に示すように、凸部COは、セルギャップを保持する柱スペーサSPよりも、高さが低くなるように形成されている。
【0249】
また、凸部COは、図23に示すように、順テーパー形状になるように形成されている。つまり、凸部COは、対向基板202からTFTアレイ基板201へ向かう方向において、x方向にて規定される幅が、狭くなるように形成されている。そして、凸部COは、弾性体であって、たとえば、アクリル系樹脂や、ノボラック系樹脂を用いて形成されている。
【0250】
また、この凸部COは、xy面に沿って平坦な平坦領域HRが、TFTアレイ基板201に対向する頂面に設けられている。
【0251】
そして、タッチ電極25gは、この凸部CO上において平坦領域HR以外の領域に形成されず、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成されている。
【0252】
(C)液晶層203について
液晶層203について示す。
【0253】
液晶層203は、図23に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202との間にて挟持されている。
【0254】
ここでは、液晶層203は、TFTアレイ基板201に形成された液晶配向膜HM1gと、対向基板202に形成された液晶配向膜HM2gとによって、液晶分子(図示なし)が配向されている。たとえば、液晶分子が垂直配向するように液晶層203が形成されている。つまり、液晶表示モードが、VA(Vertical Align)モードになるように、液晶層203が形成されている。この他に、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードに対応するように、液晶層203を形成しても良い。
【0255】
(動作)
以下より、上記の液晶表示装置100において、ユーザーの指などの被検知体が液晶パネル200gの表示領域PAに接触した位置を検出する際の動作について説明する。
【0256】
接触位置の検出の際には、まず、プリチャージを行う。
【0257】
ここでは、下記のようなプリチャージを実施するように、制御部401が各部を制御する。
【0258】
具体的には、図25に示すように、Vcom線CLに印加される電圧(Vcom)に対して反対の極性の電圧(xVcom)を、スイッチSWw1を介して、第1信号線SL1に予め印加する。また、さらに、Vcom線CLに印加される電圧(Vcom)と同極性の電圧(Vcom)を、スイッチSWw2を介して、第2信号線SL2に予め印加する。この後、第1信号線SL1側のスイッチSWw1をオフ状態にして、第1信号線SL1を、電気的にフローティング状態にする。
【0259】
つぎに、液晶パネル200gにおいて被検知体が接触した接触位置の検出を行う。
【0260】
ここでは、下記のような接触位置の検出動作を実施するように、制御部401が各部を制御する。
【0261】
具体的には、上記のプリチャージの実施後に、ゲート線GLのゲート電圧を活性レベル(本例では、ハイレベル)に遷移させるように信号を供給することで、2つのタッチ電極62tgのそれぞれに接続している各画素スイッチング素子31をオン状態にする。そして、第1信号線SL1に接続されたスイッチSWrをオン状態にして、第1信号線SL1からセンサ信号を読み出し回路RCに出力する。そして、その読み出し回路RCにおいて読み出したセンサ信号に基づいて、接触位置の検出を行う。
【0262】
たとえば、被検知体が液晶パネル200gに触れて、タッチ電極25gが2つのタッチ電極62tgに接触した場合には、図25から判るように、タッチセンサスイッチSWsgがオン状態になる。この場合には、2つのタッチ電極62tgが電気的に接続されて短絡する。このため、上記のようにプリチャージがされた第1信号線SL1と第2信号線SL2との間においては、第2信号線SL2から第1信号線SL1へタッチセンサスイッチSWsgを介して電流が流れる。よって、フローティング状態にある第1信号線SL1は、電位が変化する。
【0263】
一方で、液晶パネル200gに外圧が印加されず、2つのタッチ電極62tgへタッチ電極25gが接触せずにタッチセンサスイッチSWsgがオフ状態である場合には、図25に示すように、2つのタッチ電極62tgは、上記と異なり、電気的に短絡しない。このため、第1信号線SL1と第2信号線SL2との間においては電流が流れないので、フローティング状態にある第1信号線SL1は、電位の変化が生じない。
【0264】
このように、被検知体の接触の有無に応じて、第1信号線SL1の電位が異なる。このため、第1信号線SL1の電位に基づいて、液晶パネル200gにおいて被検知体が接触した接触位置の検出を、位置検出部402が実施する。
【0265】
液晶表示装置100においては、上記の位置検出動作の他に、画像表示動作が行われる。ここでは、位置検出動作と、画像表示動作とが、交互に繰り返して実施される。
【0266】
画像表示を行う際には、ゲート線GLから走査信号を画素スイッチング素子31のゲートへ供給し、画素スイッチング素子31のスイッチング動作を制御する。そして、書き込み回路WCから、書込みスイッチSWw1,SWw2,信号線SL,画素スイッチング素子31を順次介して、映像信号を画素電極62pへ書き込むことで、画像表示を実施する。
【0267】
図26は、本発明の実施形態7にかかる液晶表示装置において、被検知体Fが液晶パネル200gの表示領域PAに接触した際の様子を示す断面図である。図26では、要部を示しており、一部の部材については、表示を省略している。
【0268】
対向基板202において液晶層203とは反対側の面に被検知体が接触して、対向基板202が押された場合には、図26(a),(b)にて示すように、対向基板202が変形してTFTアレイ基板201の側へ移動する。このとき、この対向基板202の変形に伴って、対向基板202において液晶層203側の面に設けられたタッチ電極25gが、TFTアレイ基板201の側へ移動される。そして、このタッチ電極25gは、TFTアレイ基板201に設けられた2つのタッチ電極62tgに接触する。このように、対向基板202に設けられたタッチ電極25gが、TFTアレイ基板201に設けられたタッチ電極62tgに接触することで、タッチセンサスイッチSWsgがオン状態になる。
【0269】
つまり、液晶パネル200gにおいて、押圧力が作動開始圧以上であるタッチ動作がされた場合には、センサギャップが縮小し、両方の基板201,202のタッチ電極25g,62tが接触し、タッチセンサスイッチSWsgがオン状態になる。
【0270】
図26(b)に示すように、上方のタッチ電極25gが、下方に設けられた2つのタッチ電極62tgのそれぞれに接触したときは、その押圧によって、凸部COが変形する。
このため、タッチ電極25gが凸部CO上において平坦領域HR以外にも設けられている場合には、凸部COの変形によって、タッチ電極25gに破断が生ずる場合がある。
【0271】
しかし、本実施形態では、図26に示すように、タッチ電極25gは、凸部CO上において、平坦領域HR以外の領域に形成されず、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成されている。
【0272】
このため、本実施形態では、凸部CO上に形成されたタッチ電極25gが破断することを防止することができる。
【0273】
(製造方法)
以下より、上記の液晶表示装置の要部である液晶配向膜HM1gを形成する方法について説明する。
【0274】
図27は、本発明の実施形態7にかかる液晶表示装置100において、液晶配向膜HM1gを形成する工程を示す断面図である。図27では、要部を示しており、一部の部材については、表示を省略している。
【0275】
まず、図27(a)に示すように、層間絶縁膜Szを形成する。
【0276】
ここでは、たとえば、感光性樹脂(図示なし)を塗布することによって、この層間絶縁膜Szを形成する。たとえば、ポジ型の感光性であるアクリル樹脂を塗布後、プリベーク処理を実施することで、層間絶縁膜Szを形成する。
【0277】
つぎに、図27(b)に示すように、画素電極62pおよびタッチ電極62tgを形成する。
【0278】
ここでは、層間絶縁膜Szの表面に、透明な導電膜を成膜後、パターン加工することで、画素電極62pおよびタッチ電極62tgを形成する。たとえば、スパッタリング法によって、ITOを成膜した後に、フォトリソグラフィ技術を用いてパターン加工することで、画素電極62pおよびタッチ電極62tgを形成する。
【0279】
つぎに、図27(c)に示すように、層間絶縁膜Szに溝TRを形成する。
【0280】
ここでは、フォトリソグラフィ技術によって、感光性樹脂からなる層間絶縁膜Szをパターン加工することで、溝TRを形成する。
【0281】
具体的には、マスクパターンが形成されたフォトマスクを用いて露光処理を実施する。この露光処理では、溝を形成する部分へ、露光光を照射する。
【0282】
そして、この露光処理の実施後に、現像処理を実施する。この後、ベーク処理の実施によって、層間絶縁膜Sz中の残留溶剤や低分子の未重合成分を揮発させる。このようにすることで、図27(c)に示すように、層間絶縁膜Szに溝TRを形成する。
【0283】
つぎに、図23に示すように、液晶配向膜HM1gを形成する。
【0284】
ここでは、画素電極62pおよびタッチ電極62tg上に、配向膜の材料を含む塗布液を塗布し成膜することによって、液晶配向膜HM1gを形成する。たとえば、配向膜の材料としてポリイミドが溶解された塗布液を、スピンコート法によって塗布する。そして、プリベーク処理の実施によって、塗布膜中の溶媒を揮発させた後、さらに、ベーク処理を実施して、残留溶剤を除去する。
【0285】
図23に示すように、一対のタッチ電極62tgの間には溝TRが設けられているので、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が溝TRに入り、その溝TRの近傍のタッチ電極62tgの上面を、その塗布膜が被覆するように形成されない。つまり、表面張力や重力の影響によって塗布液が溝TRに入るので、タッチ電極62tgの上面の溝TRの近傍は、塗布膜が形成されない。このため、図23に示すように、画素電極62p上を液晶配向膜HM1gが被覆するが、タッチ電極62tgの表面が露出するように、液晶配向膜HM1gが形成される。
【0286】
上記のように液晶配向膜HM1gを形成した後には、配向処理を実施する。たとえば、ラビング処理によって配向処理を実施する。この他に、光配向処理、イオンビーム配向処理、グレーティング配向処理などの配向処理を実施しても良い。なお、たとえば、液晶配向膜HM1gが、垂直配向を誘起するものである場合であって、液晶パネル200を垂直配向モードにする場合には、配向処理を別途実施する必要はない。
【0287】
そして、図23に示したように、各部が形成された対向基板202と、TFTアレイ基板201とを貼り合わせる。その後、TFTアレイ基板201と対向基板202との間に、液晶材料を注入して液晶層203を設けることによって、液晶パネル200gを形成する。
【0288】
(まとめ)
以上のように、本実施形態において、液晶パネル200gは、外圧によって変形してタッチ電極25gが、一対のタッチ電極62tgのそれぞれに接触して、この一対のタッチ電極62tgの間が電気的に接続するように構成されている。ここでは、TFTアレイ基板201のタッチ電極62tgは、凹状の溝TRが設けられた層間絶縁膜(下地層)Szが、TFTアレイ基板201との間に設けられている。そして、液晶配向膜HM1gについては、そのタッチ電極62tgが形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布した際に、凹状の溝TRに当該塗布液が入ることによって、タッチ電極62tgの上面を被覆せずに露出するように形成する。具体的には、層間絶縁膜(下地層)Szは、一対のタッチ電極62tgの間に溝TRが位置するように設け、一対のタッチ電極62tgは、その溝TRの近傍の表面が液晶配向膜HM1gによって被覆されずに露出するように形成される。
【0289】
このため、本実施形態においては、タッチ電極62tgの表面から液晶配向膜HM1gを除去する工程を別途実施せずに、タッチ電極62tgの表面を露出させることができる。よって、本実施形態は、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0290】
また、本実施形態においては、対向基板202において、TFTアレイ基板201に対向するxy面上に、凸部COが形成されている。ここでは、凸部COにおいてTFTアレイ基板201に対向する頂面に、平坦領域HRを設ける。そして、タッチセンサスイッチSWsgを構成するタッチ電極25gを、その凸部CO上において平坦領域HR以外の領域に形成せずに、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成する。よって、上述したように、繰り返し使用においてタッチ電極25gが破断することを防止可能であるので、装置の信頼性を向上することができる。
【0291】
本実施形態では、タッチセンサスイッチSWsgは、液晶パネル200gが外圧によって変形したとき、1つのタッチ電極25gが、2つのタッチ電極62tgの両者に接触し、その2つのタッチ電極62tgの間を電気的に接続するように構成されている。
【0292】
つまり、本実施形態のタッチセンサスイッチSWsgは、1点接触式ではなく、2点接触式である。1点接触式の場合には、その1点の接触位置に導電性の異物が存在して、常時、短絡した状態になった場合、位置検出が困難になる。しかし、タッチセンサスイッチSWsgは、2点接触式であるので、上部にある1つのタッチ電極25gと、下部にある2つのタッチ電極62tgの一方との間で短絡が生じても、外圧が加わらなければ、下部の2つのタッチ電極62tg間はオープンな状態を維持できる。
【0293】
したがって、本実施形態は、位置検出を的確に実施することができる。
【0294】
なお、本実施形態においては、凸部COは、テーパー形状であり、そのテーパー角θが、70°以下になるように形成することが好適である。テーパー角が、この角度を超える場合は、凸部COの変位量が大きくなり、タッチ電極25gが破損する不具合が生ずる場合がある。
【0295】
図28は、本発明の実施形態7において、凸部のテーパー角θと、変位量x(m)との関係を示す図である。ここでは、FEM構造解析シミュレータであるANSYSを用いて、凸部COの変位量について、シミュレーションをした結果について示している。このシミュレーションにおいては、ヤング率が3.5GPaであって、ポアソン比が、0.38である場合を、凸部COのセンター条件としている。また、凸部COの底面のサイズを、35μm×15μmとし、その高さを2.5μmとしている。そして、凸部の上端部分が変形する距離を、変位量として、シミュレーションを実施した結果を示している。また、図28において、「圧力」は、シミュレーションにおいて印加する圧力を示している。
【0296】
また、図29は、本発明の実施形態7において、テーパー角θに応じて凸部COが変形する様子を示す断面図である。
【0297】
上記のようなシミュレーションを実施したところ、図28に示すように、テーパー角θが68°の場合において、変位量x(m)が最も小さかった。そして、78°〜90°の場合には、変位量x(m)が大きかった。ここでは、凸部COのテーパー角θを、90°から45°へ低下するに伴って、凸部の側面が横方向へ変形した状態から、頂面が陥没した状態に変化する結果を得た。
【0298】
具体的には、図29(a)に示すように、凸部がテーパー形状でない(テーパー角θ=90°)場合、外圧によって、凸部の側面が横方向へ変形した。ここでは、凸部COの底部においては、変形が小さいが、頂面部分においては、外側に広がるように変形し、その変形が大きくなる。このように、テーパー形状でない場合には、凸部COの頂面に形成されたタッチ電極25gは、横方向に広がる引張応力が印加されるので、破損が生ずる場合がある。
【0299】
一方で、図29(b)に示すように、テーパー形状の場合には、外圧によって、凸部の側面が横方向へ変形しにくく、頂面が陥没するように変形させることができる。特に、凸部COのテーパー角θを70°以下にすることで、頂面が陥没するように変形させることが容易に可能であって、図28に示すように、凸部COの変位量を抑制可能である。このため、この場合には、凸部COの頂面に形成されたタッチ電極25gは、横方向に広がる引張応力がほとんど印加されないので、破損を効果的に防止できる。
【0300】
また、図29(b)に示すように、凸部COにてテーパー領域TPが存在する幅L1と等しい距離以上、テーパー領域TPの内側に離れた領域に、タッチ電極25gを形成することが好適である。すなわち、タッチ電極25gの端部と、凸部COの頂面がテーパー状に傾斜する側面に変曲する際の変曲点との間の距離L2を、その変曲点と、その側面が対向基板202側に位置する端部の点との間の幅L1以上にすることが好適である。このようにすることで、図29(b)に示したように、この領域は、外圧によって凸部COの頂面が陥没する。このため、この領域域内に形成されたタッチ電極25gは、応力の集中がされにくいので、破損の発生を防止することができる。
【0301】
この他に、凸部COは、ヤング率が、1〜5GPaであって、ポアソン比が、0.36〜0.40の範囲内になるように形成することが好適である。
【0302】
ポアソン比が、0.38である場合を、凸部COのセンター条件として、上記と同様に、シミュレーションを実施したところ、上記のポアソン比の範囲において、変位量が、変化しない結果を得た。また、ヤング率が、3.5GPaである場合を、凸部COのセンター条件として、上記と同様に、シミュレーションを実施したところ、上記のポアソン比の範囲において、変位量が、変化しない結果を得た。よって、上記範囲が、好適である。
【0303】
(変形例)
なお、上記においては、図23,図24に示したように、TFTアレイ基板201においては、画素電極62pとタッチ電極62tgとを、1つの膜として一体的に形成する場合について説明したが、これに限定されない。つまり、画素電極62pとタッチ電極62tgとが、物理的および電気的に接続するように形成する場合について示したが、物理的に分離するように形成しても良い。
【0304】
(変形例1)
図30は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgと、対向基板202に形成されたタッチ電極25gとを示す図である。図30において、(a)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す平面図である。また、(b)は、対向基板202において、タッチ電極25gが形成された部分を拡大して示す平面図である。
【0305】
図30(a)に示すように、TFTアレイ基板201のタッチ電極62tgについては、画素電極62p(図30では図示なし)と物理的に分離するように形成してもよい。そして、図30(a)と(b)とに示すように、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgについては、対向基板202に形成されているタッチ電極25gと、y方向において規定される幅H1,H2が、同じになるように形成する。
【0306】
本変形例では、図30(a)に示すように、TFTアレイ基板201において、一対のタッチ電極62tgを、実施形態7の場合と同様に、溝TRを挟んでx方向に並ぶように形成する。
【0307】
このため、図23に示した場合と同様に、一対のタッチ電極62tgの間には溝TRが設けられているので、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が溝TRに入る。よって、上記の実施形態と同様に、この溝TRの近傍においては、タッチ電極62tgの表面が露出するように、液晶配向膜HM1gが形成される。
【0308】
したがって、本変形例においては、上述した本実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
【0309】
(変形例2)
図31は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。図31においては、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された平面部分を、拡大して示している。
【0310】
図31に示すように、溝TRの構成については、上述した実施形態の場合に限定されない。
【0311】
たとえば、図31に示すように、TFTアレイ基板201の面(xy面)において、一対のタッチ電極62tgがx方向に並ぶ間に、溝TR1を形成すると共に、この他の位置に、溝TR2,TR3を、別途、形成してもよい。ここでは、図31に示すように、TFTアレイ基板201の面(xy面)において、x方向に並ぶ一対のタッチ電極62tgを、x方向に直線状に延在する一対の溝TR2,TR3が、y方向で挟むように、溝TR2,TR3を形成しても良い。
【0312】
この場合には、一対のタッチ電極62tgを区画するx方向に延在する辺の部分が、x方向に直線状に延在する一対の溝TR2,TR3の近傍に位置するので、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TR2,TR3に入る。よって、このx方向に延在する溝TR2,TR3の近傍においては、タッチ電極62tgの表面が露出するように、液晶配向膜HM1gが形成される。
【0313】
したがって、本変形例においては、上述した本実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
【0314】
(変形例3)
図32は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、対向基板202に形成されたタッチ電極25gを示す図である。図32では、対向基板202において、タッチ電極25gが形成された平面部分を拡大して示している。
【0315】
図32に示すように、対向基板202に形成されているタッチ電極25gと、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとにおいて、y方向において規定される幅H1,H2は、同じでなくても良い。対向基板202のタッチ電極25gについては、y方向で規定される幅H1が、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgの幅H2よりも広い方が好ましい。
【0316】
図33は、本発明にかかる実施形態7の変形例3の作用・効果を説明するための図である。図33において、(a)は、対向基板202に形成されたタッチ電極25gと、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとが、接触したときの様子を示す側面図である。そして、(b)は、変形例1の場合において、対向基板202に形成されたタッチ電極25gと、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとが接触し、タッチ電極25gに破損が生じた場合の様子を示す平面図である。そして、(c)は、変形例3の場合において、対向基板202に形成されたタッチ電極25gと、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとが接触し、タッチ電極25gに破損が生じた場合の様子を示す平面図である。
【0317】
図33(a)に示すように、対向基板202のタッチ電極25gが、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとが接触した場合には、対向基板202のタッチ電極25gが変形する場合がある。このため、図33(b),(c)に示すように、対向基板202のタッチ電極25gにおいては、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgの端部が接触した部分で、亀裂が生ずる場合がある。
【0318】
変形例1の場合には、対向基板202とTFTアレイ基板201の各タッチ電極25g,62tは、幅H1,H2が同じである。このため、図33(b)に示すように、対向基板202のタッチ電極25gにおいては、y方向で規定される幅の全域に渡って、亀裂が生じる場合がある。よって、対向基板202のタッチ電極25gにおいて、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgが接触する部分の間が、断線状態になってしまう場合があり、タッチセンサとしての信頼性が低下する場合がある。
【0319】
これに対して、変形例3の場合には、上述したように、対向基板202のタッチ電極25gの幅H1が、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgの幅H2よりも広い。この場合に、対向基板202のタッチ電極25gが、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgに接触したときには、図33(c)に示すように、y方向において中心に位置する接触部分に亀裂が生ずる。しかし、y方向において中心に位置する接触部分以外の端部は、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgが接触しないので、亀裂が生じない。このため、対向基板202のタッチ電極25gに亀裂が生じた場合でも、対向基板202のタッチ電極25gとTFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとが接触した状態では、各タッチ電極62tg間が導通しており、断線状態になることを防止できる。つまり、対向基板202のタッチ電極25gにおいてTFTアレイ基板201の一対のタッチ電極62tgに接触する部分以外の領域で、その一対のタッチ電極62tg間を電気的に接続するようにタッチ電極25gが構成されているので、信頼性を向上できる。
【0320】
(変形例4〜6)
図34〜図36は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。図34は、変形例4を示し、図35は、変形例5を示し、図36は、変形例6を示している。これらの図において、(a)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す平面図である。また、(b)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す断面図である。(b)においては、(a)に示すX1g−X2g部分の断面を示している。
【0321】
各図に示すように、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgについては、溝TRの内部の表面を覆うように、形成しても良い。
【0322】
具体的には、変形例4として、図34(a)に示すように、TFTアレイ基板201の面(xy面)において、x方向へ延在する一対のタッチ電極62tgのそれぞれに対して、y方向へ延在する溝TR1を形成してもよい。
【0323】
この場合において、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TR1に入るので、図34(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、各タッチ電極62tgのx方向に沿った断面において、溝TR1の近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0324】
また、変形例5として、図35(a)に示すように、さらに、TFTアレイ基板201の面(xy面)において、タッチ電極62tgを、x方向に直線状に延在する一対の溝TR2,TR3が、y方向で挟むように、溝TRを形成しても良い。
【0325】
この場合において配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TR1に入るので、X1g−X2g部分においては、図35(b)に示すように、変形例4と同様に、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、各タッチ電極62tgのx方向に沿った断面において、溝TRの近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0326】
また、変形例6として、図36(a)に示すように、さらに、TFTアレイ基板201の面(xy面)において、x方向に並ぶタッチ電極62tgの間に、x方向に直線状に延在する一対の溝TR4を形成しても良い。
【0327】
この場合において配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TR1,TR4に入るので、X1g−X2g部分においては、図36(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、各タッチ電極62tgのx方向に沿った断面において、溝TR1,TR4の近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0328】
したがって、各変形例においては、本実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
【0329】
なお、変形例4から6は、溝TRの内部の面を被覆するように、タッチ電極62tgが設けられているので、液晶パネル200gの面が押されて変形したときには、その溝TRの内部のタッチ電極62tgが破断する場合がある。このため、破断防止の観点からは、他の形態の方が好適である。
【0330】
(変形例7)
図37は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。図37においては、(a)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す平面図である。また、(b)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す断面図である。(b)においては、(a)に示すX1g−X2g部分の断面を示している。
【0331】
図37(a)に示すように、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgについては、矩形形状に限らない。具体的には、x方向に延在する部分62txと、y方向に延在する部分62tyとを含むように構成しても良い。ここでは、上方において、x方向に延在する部分62txが設けられており、そのx方向に延在する部分62txから下方に向かって、y方向に延在する部分62tyが、x方向にて間を隔てて複数設けられている。そして、このx方向に並ぶ、複数のy方向に延在する部分62tyの間に、溝TRaが設けられている。
【0332】
この場合において配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TR,TRaに入るので、X1g−X2g部分においては、図37(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0333】
本実施形態では、複数のy方向に延在する部分62tyの間に、溝TRaが設けられているので、この部分62tyの端部においては、液晶配向膜HM1gが被覆せずに、表面が露出した状態になる。このため、対向基板202のタッチ電極25gにおいて、中央の溝TRに対応する部分で破損が生じた場合であっても、この部分62tyにおいて、一対のタッチ電極62tgの間が電気的に接続される。よって、装置の信頼性を向上させることができる。
【0334】
したがって、本変形例においては、本実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
【0335】
(変形例8)
図38は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。図38においては、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された平面部分を拡大して示している。
【0336】
変形例1においては、図30で示したように、溝TRのy方向における幅が、タッチ電極62tgの幅と同じ場合について説明したが、これに限定されない。図38に示すように、溝TRのy方向における幅が、タッチ電極62tgの幅よりも狭くても良い。
【0337】
この場合においても、本実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
【0338】
(変形例9〜13)
図39〜図43は、本発明にかかる実施形態7の変形例として、TFTアレイ基板201に形成されたタッチ電極62tgを示す図である。図39は、変形例9を示し、図40は、変形例10を示し、図41は、変形例11を示し、図42は、変形例12を示し、図43は、変形例13を示している。これらの図において、(a)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す平面図である。また、(b)は、TFTアレイ基板201において、タッチ電極62tgが形成された部分を拡大して示す断面図である。(b)においては、(a)に示すY1g−Y2g部分の断面を示している。
【0339】
各図に示すように、x方向に直線状に延在する溝TRのみが、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgに対して形成されるように構成しても良い。つまり、下地層である層間絶縁膜Szについては、溝TRが、一対のタッチ電極62tgが並ぶx方向において延在するように設けられていてもよい。
【0340】
具体的には、変形例9として、図39(a)に示すように、TFTアレイ基板201の面(xy面)において、x方向へ延在する一対のタッチ電極62tgを、y方向に延在する溝TRが、y方向で挟むように構成してもよい。
【0341】
この場合において、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TRに入るので、図39(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、各タッチ電極62tgのy方向に沿った断面において、溝TRの近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。つまり、タッチ電極62tgのy方向における両端部分の上面が露出して形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0342】
本変形例では、溝TRの近傍に位置する上面部分が、液晶配向膜HM1gで覆われにくく、センサ特性を好適に実現できる。
【0343】
また、変形例10として、図40(a)に示すように、TFTアレイ基板201の面(xy面)にてx方向へ延在する一対のタッチ電極62tgの下方において、y方向に延在する溝TRを設けても良い。
【0344】
この場合において、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TRに入るので、図40(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、タッチ電極62tgのy方向に沿った断面において、溝TRの近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。つまり、タッチ電極62tgのy方向における一方の端部の上面が露出して形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0345】
本変形例では、変形例9と比べて全体の占有面積を小さくすることが可能となる。
【0346】
また、変形例11として、図41(a)に示すように、タッチ電極62tgについては、
xy面において、y方向に凹状に凹んだ形状であって、この凹部がy方向において対向するように、一対のタッチ電極62tgを形成しても良い。そして、この凹部の凹んだ内部において、溝TRがy方向に延在するように、構成してもよい。
【0347】
この場合において、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TRに入るので、図41(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、タッチ電極62tgのy方向に沿った断面において、溝TRの近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。つまり、タッチ電極62tgにおいて、溝TRを挟む部分の端部の上面が露出して形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0348】
本変形例では、変形例9,変形例10と比べて全体の占有面積を小さくすることが可能となる。
【0349】
また、変形例12として、図42(a)に示すように、タッチ電極62tgについては、
xy面において、y方向に凸状に突出した部分が、x方向の中央に位置する形状になるように形成しても良い。そして、この凸部がy方向において対向するように、一対のタッチ電極62tgを設けても良い。また、この凸部の突出した部分を、y方向に延在した一対の溝TRが挟むように、構成してもよい。
【0350】
この場合において、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、これらの溝TRに入るので、図42(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、タッチ電極62tgのy方向に沿った断面において、溝TRの近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。つまり、タッチ電極62tgにおいて、一対の溝TRが挟む部分の端部の上面が露出して形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0351】
本変形例では、変形例11と比べて、溝TRの近傍に位置する上面部分が、液晶配向膜HM1gで覆われにくく、センサ特性を好適に実現できる。
【0352】
また、変形例13として、図43(a)に示すように、タッチ電極62tgについては、xy面において、y方向に凸状に突出した部分が、x方向の上端部に位置する形状になるように形成しても良い。そして、この凸部がy方向において対向するように、一対のタッチ電極62tgを設けても良い。また、この凸部の突出した部分の下方に、y方向に延在した一対の溝TRが配置されるように、構成してもよい。
【0353】
この場合において、配向膜の材料を含む塗布液を塗布したときには、その塗布液が、この溝TRに入るので、図43(b)に示すように、液晶配向膜HM1gが形成される。ここでは、タッチ電極62tgのy方向に沿った断面において、溝TRの近傍に位置する上面部分が、露出するように形成される。つまり、タッチ電極62tgにおいて、溝TR側に位置する端部の上面が露出して形成される。このため、この各タッチ電極62tgにおいて表面が露出した部分に、対向基板202のタッチ電極25gが接触することで、位置検出が実施される。
【0354】
本変形例では、変形例9〜12と比べて全体の占有面積を小さくすることが可能となる。
【0355】
図44は、本発明にかかる実施形態7の変形例9〜13の作用・効果を説明するための図である。図44においては、対向基板202に形成されたタッチ電極25gと、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgとが接触し、タッチ電極25gに破損が生じた場合の様子を示す平面図である。
【0356】
変形例9〜13の場合は、上述したように、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgにて、y方向に延在するように表面が露出した部分と、対向基板202のタッチ電極25gとが接触して、各タッチ電極62tg間が電気的に接続する。このため、図44に示すように、対向基板202のタッチ電極25gにおいて、TFTアレイ基板201の各タッチ電極62tgが接触する部分に生ずる亀裂は、y方向に沿って延在するように生ずる。よって、y方向において、対向基板202のタッチ電極25gが、断線状態になることを防止することができる。
【0357】
したがって、本変形例においては、装置の信頼性を、さらに向上させることができる。
【0358】
<8.実施形態8>
以下より、本発明にかかる実施形態8について説明する。
【0359】
(液晶パネルの詳細構成)
図45,図46は、本発明の実施形態8にかかる液晶パネル200hの要部を示す図である。
【0360】
ここで、図45は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0361】
また、図46は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す上面図である。なお、図45は、図46のX1h−X2h部分について示しているが、図示の都合上、適宜、部材の表示を簡略化等している。
【0362】
図45,図46に示すように、本実施形態においては、FFS(Fringe Field Switching)方式に対応するように、画素電極62ph,共通電極23h等の各部が形成されている。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態7と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0363】
図45,図46に示すように、本実施形態においては、画素電極62phと共通電極23hとのそれぞれは、TFTアレイ基板201に設けられている。
【0364】
画素電極62phは、図45に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する面の側に形成されている。
【0365】
ここでは、画素電極62phは、図45に示すように、TFTアレイ基板201において共通電極23hを被覆するように、絶縁材料で形成された層間絶縁膜Sz2の上に設けられている。たとえば、シリコン窒化膜として形成された層間絶縁膜Sz2上に設けられている。
【0366】
本実施形態においては、液晶パネル200hがFFS方式であるので、画素電極62phは、図46に示すように、xy面においては、櫛歯状になるようにパターン加工されている。
【0367】
具体的には、図46に示すように、画素電極62phは、基幹部62pkと、枝部62peとを有する。
【0368】
画素電極62phにおいて、基幹部62pkは、図46に示すように、x方向に延在している。ここでは、図46に示すように、2本の基幹部62pkがy方向において平行に並んでいる。
【0369】
そして、画素電極62phにおいて、枝部62peは、図46に示すように、基幹部62pkに接続されており、y方向に延在している。この枝部62peは、図46に示すように、x方向において、複数がスペースを隔てて並ぶように配置されている。そして、その複数のそれぞれは、両端部が基幹部62pkに接続され、互いに平行に延在するように並んでいる。
【0370】
この画素電極62phは、図45に示すように、実施形態7の場合と同様に、タッチ電極62tgと一体になるように形成されている。
【0371】
共通電極23hは、図45に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する面の側に形成されている。ここでは、共通電極23hは、TFTアレイ基板201に形成された層間絶縁膜Sz上に設けられている。また、共通電極23hは、複数の画素Pに対応するように複数設けられた画素電極62phのそれぞれに、層間絶縁膜Sz2を介して対面している。
【0372】
そして、液晶層203については、液晶分子が水平配向するように形成される。
【0373】
(まとめ)
以上のように、本実施形態では、実施形態7と同様に、TFTアレイ基板201のタッチ電極62tgは、凹状の溝TRが設けられた層間絶縁膜(下地層)Szが、TFTアレイ基板201との間に設けられている。そして、液晶配向膜HM1gについては、そのタッチ電極62tgが形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布した際に、凹状の溝TRに当該塗布液が入ることによって、タッチ電極62tgの上面を被覆せずに露出するように形成される。具体的には、層間絶縁膜(下地層)Szは、一対のタッチ電極62tgの間に溝TRが位置するように設け、一対のタッチ電極62tgは、その溝TRの近傍の表面が液晶配向膜HM1gによって被覆されずに露出するように形成される。
【0374】
このため、本実施形態においては、タッチ電極62tgの表面から液晶配向膜HM1gを除去する工程を別途実施せずに、タッチ電極62tgの表面を露出させることができる。よって、本実施形態は、製造効率,歩留まりの向上が可能であって、製造コストが増加することを防止できる。また、装置の信頼性を向上させることができる。
【0375】
また、本実施形態においては、液晶パネル200hは、FFS方式であるが、図45に示すように、実施形態7の場合と同様に、対向基板202において、TFTアレイ基板201に対向するxy面上に、凸部COが形成されている。ここでは、図45に示すように、凸部COにおいてTFTアレイ基板201に対向する頂面に、平坦領域HRが設けられている。そして、タッチセンサスイッチSWsgを構成するタッチ電極25gが、その凸部CO上において平坦領域HR以外の領域に形成されずに、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成されている。よって、本実施形態は、実施形態7の場合と同様に、タッチ電極25gが破断することを防止可能であるので、装置の信頼性を向上することができる。
【0376】
(変形例1〜3)
図47〜図49は、本発明にかかる実施形態8の変形例として、共通電極23h、および、層間絶縁膜Sz2とを示す図である。各図は、断面を示している。
【0377】
上記においては、図45に示したように、TFTアレイ基板201においては、共通電極23h、および、層間絶縁膜Sz2について、溝TRの内部を被覆するように形成する場合に関して説明したが、これに限定されない。各図に示すように、共通電極23h、および、層間絶縁膜Sz2については、溝TRの内部を被覆するように形成しなくても良い。
【0378】
具体的には、変形例1として、図47に示すように、共通電極23hと層間絶縁膜Sz2との両者について、溝TRの内部を被覆しない点を除いて、上記の実施形態と同様に形成してもよい。
【0379】
この場合には、段差を跨いで、共通電極23hが形成されていないので、破損した際のリークの発生が少ない等のメリットがある。
【0380】
また、変形例2として、図48に示すように、層間絶縁膜Sz2のみについて、溝TRの内部を被覆しない点を除いて、上記の実施形態と同様に形成してもよい。
【0381】
また、変形例3として、図49に示すように、共通電極23hのみについて、溝TRの内部を被覆しない点を除いて、上記の実施形態と同様に形成してもよい。
【0382】
(変形例4)
図50〜図51は、本発明にかかる実施形態8の変形例の要部を示す図である。
【0383】
ここで、図50は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【0384】
また、図51は、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す上面図である。なお、図50は、図51のY1h−Y2h部分について示しているが、図示の都合上、適宜、部材の表示を簡略化等している。
【0385】
図50,図51に示すように、タッチ電極62tgについては、導電層SD(画素スイッチング素子31のソース電極に電気的に接続されている層)に接続するようにコンタクトCON,2CONが形成されている部分に、形成することが好適である。
【0386】
具体的には、本変形例は、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する面に、タッチ電極62tgに接続する導電層SDが設けられている。そして、タッチセンサスイッチSWsgは、タッチ電極62gtと導電層SDとが接続するコンタクト(CON,2COM)の部分において、一対のタッチ電極62tgのそれぞれと、タッチ電極25とが接触するように設けられている。
【0387】
この場合には、画素レイアウトを有効に配置することが可能になるので、液晶表示装置の開口率を向上させることができる。
【0388】
また、上記のFFS方式以外に、IPS(In−Plane−Swiching)方式などのように、横電界を液晶層203に印加するモードにおいて、同様に、構成した場合であっても、同様な効果を得ることができる。
【0389】
<8.その他>
本発明の実施に際しては、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。各実施形態については、適宜、組合わせてもよい。
【0390】
また、上記の実施形態においては、液晶パネルが透過型である場合について説明したが、これに限定されない。反射型や、透過型と反射型とを併用可能な半透過型として、液晶パネルを構成する場合に適用しても良い。
【0391】
また、有機ELディスプレイなどのように、液晶パネル以外の表示パネルに適用しても良い。
【0392】
また、表示パネルに内蔵する場合以外に、装置に外付けする抵抗膜式タッチセンサに適用しても良い。
【0393】
また、本実施形態の液晶表示装置100は、さまざまな電子機器の部品として適用することができる。
【0394】
図52から図56は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【0395】
図52に示すように、テレビジョン放送を受信し表示するテレビにおいて、その受信した画像を表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0396】
また、図53に示すように、デジタルスチルカメラにおいて、その撮像画像などの画像を表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0397】
また、図54に示すように、ノート型パーソナルコンピュータにおいて、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0398】
また、図55に示すように、携帯電話端末において、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0399】
また、図56に示すように、ビデオカメラにおいて、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0400】
なお、上記の実施形態において、タッチ電極25,25b,25c,25e,25f,25gは、本発明の第1タッチ電極と第2タッチ電極とのいずれかに相当する。また、上記の実施形態において、タッチ電極62t,62tb,62td,62te,62tf,62tgは、本発明の第1タッチ電極と第2タッチ電極とのいずれかに相当する。また、上記の実施形態において、弾性部材63,63b,63e,63f,71c,71dは、本発明の弾性部材に相当する。また、上記の実施形態において、液晶表示装置100は、本発明の液晶表示装置,表示装置,情報入力装置に相当する。また、上記の実施形態において、液晶パネル200,200b,200c,200d,200e,200eb,200f,200fb,200g,200hは、本発明の液晶パネルに相当する。また、上記の実施形態において、TFTアレイ基板201は、本発明の第1基板と第2基板とのいずれかに相当する。また、上記の実施形態において、対向基板202は、本発明の第1基板と第2基板とのいずれかに相当する。また、上記の実施形態において、液晶層203は、本発明の液晶層に相当する。また、上記の実施形態において、凹凸領域500,500b,500c,500d,500e,500fは、本発明の凹凸領域に相当する。また、上記の実施形態において、液晶配向膜HM1,HM1b,HM1d,HM1e,HM1f,HM1gは、第1液晶配向膜と第2液晶配向膜とのいずれかに相当する。また、上記の実施形態において、液晶配向膜HM2,HM2b,HM2c,HM2e,HM2f,HM2gは、第1液晶配向膜と第2液晶配向膜とのいずれかに相当する。また、上記の実施形態において、表示領域PAは、本発明の表示領域に相当する。また、上記の実施形態において、柱スペーサSP,SPe,SPfは、本発明の柱スペーサに相当する。また、上記の実施形態において、タッチセンサスイッチSWs,SWsb,SWsc,SWsd,SWse,SWsf,SWsgは、本発明のタッチセンサスイッチに相当する。
【符号の説明】
【0401】
11:垂直駆動回路、12:水平駆動回路、21:カラーフィルタ層、21B:青フィルタ層、21G:緑フィルタ層、21R,21Ra:赤フィルタ層、23:共通電極、25,25b,25c,25e,25f,25g:タッチ電極、31:画素スイッチング素子、62p:画素電極、62t,62tb,62td,62te,62tf:タッチ電極、63,63b,63e,63f,62tg,71c,71d:弾性部材、72e,72f:凹部領域、100:液晶表示装置、200,200b,200c,200d,200e,200eb,200f,200fb,200g,200h:液晶パネル、201:TFTアレイ基板、202:対向基板、203:液晶層、206:第1の偏光板、207:第2の偏光板、300:バックライト、400:データ処理部、401:制御部、402:位置検出部、500,500b,500c,500d,500e,500f:凹凸領域、CA:周辺領域、CL:Vcom線、F:被検知体、GL:ゲート線、HM1,HM1b,HM1d,HM1e,HM1f,HM1g:液晶配向膜、HM2,HM2b,HM2c,HM2e,HM2f,HM2g:液晶配向膜、OP:下地層、P:画素、PA:表示領域、R:照明光、RC:読み出し回路、SL:信号線、SP,SPe,SPf:柱スペーサ、SWr:スイッチ、SWs,SWsb,SWsc,SWsd,SWse,SWsf,SWsg:タッチセンサスイッチ、SWw:スイッチ、Sz1,Sz2:層間絶縁膜、WC:書き込み回路,CO:凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有し、画像を表示する表示領域にタッチセンサスイッチが内蔵されている液晶パネル
を具備しており、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極と
を有し、前記液晶パネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、
前記液晶層は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1液晶配向膜と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に設けられている第2液晶配向膜とによって液晶分子が配向されており、
前記第1タッチ電極は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝が間を隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように設けられており、
前記第1液晶配向膜は、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を塗布することによって、前記第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように形成されている
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第2タッチ電極は、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面上に、凸状に突出るように形成された弾性部材の頂面を少なくとも被覆するように形成されている、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルは、
第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられている柱スペーサ
を含み、
前記第2基板に形成された弾性部材は、前記柱スペーサよりも高さが低くなるように形成されている、
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記凹凸領域は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において、凸状に突出るように形成された弾性部材の頂面に形成されている、
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶パネルは、
第1基板と前記第2基板との間に設けられている柱スペーサ
を含み、
前記弾性部材は、前記柱スペーサと同じ高さになるように形成されている、
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記凹凸領域は、前記第1タッチ電極が被覆された状態において、凸部の幅が、0.5から5.0μmであって、凹部の幅が、0.5から5.0μmであり、凸部の頂面と凹部の底面との距離が、0.5〜2.0μmになるように形成されている、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有する液晶パネルを形成する液晶パネル形成工程
を具備しており、
前記液晶パネル形成工程は、
当該液晶パネルにおいて画像を表示する表示領域に、タッチセンサスイッチを形成するタッチセンサスイッチ形成工程と、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1液晶配向膜を設ける第1液晶配向膜形成工程と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に第2液晶配向膜を設ける第2液晶配向膜形成工程と
を含んでおり、
前記タッチセンサスイッチ形成工程は、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1タッチ電極を設ける第1タッチ電極形成ステップと、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように第2タッチ電極を設ける第2タッチ電極形成ステップと
を含み、
前記第1タッチ電極形成ステップにおいては、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように、前記第1タッチ電極を形成し、
前記第1液晶配向膜形成工程においては、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を塗布することによって、前記第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、前記第1液晶配向膜を形成する、
液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、タッチセンサスイッチが設けられている表示パネル
を具備しており、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極と
を有し、前記タッチパネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、
前記第1タッチ電極は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように設けられており、当該第1タッチ電極が形成された表面においては、当該第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、塗布膜が形成されている
表示装置。
【請求項9】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、タッチセンサスイッチが設けられているタッチパネル
を具備しており、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極と
を有し、前記タッチパネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、
前記第1タッチ電極は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面上において複数の溝がスペースを隔てて形成された凹凸領域の表面を被覆するように設けられており、当該第1タッチ電極が形成された表面においては、当該第1タッチ電極において前記凹凸領域の凸部の頂面の表面が露出するように、塗布膜が形成されている
情報入力装置。
【請求項10】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有し、画像を表示する表示領域にタッチセンサスイッチが内蔵されている液晶パネル
を具備しており、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面している第2タッチ電極と
を有し、前記液晶パネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、
前記液晶層は、前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1液晶配向膜と、前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に設けられている第2液晶配向膜とによって液晶分子が配向されており、
前記第1タッチ電極は、凹状の溝が設けられた下地層が前記第1基板との間に設けられており、
前記第1液晶配向膜は、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布した際に、前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1タッチ電極の上面を被覆せずに露出するように形成されている
液晶表示装置。
【請求項11】
前記液晶パネルは、当該液晶パネルが外圧によって変形することによって、前記第2タッチ電極が、一対の前記第1タッチ電極に接触して、当該一対の第1タッチ電極の間が電気的に接続するように構成されており、
前記第1液晶配向膜は、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布した際に、前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記一対の第1タッチ電極の上面が露出するように形成されている
請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記下地層は、前記一対の第1タッチ電極の間に前記溝が位置するように設けられており、
前記一対の第1タッチ電極は、前記溝の近傍の表面が前記第1液晶配向膜によって被覆されずに露出するように形成されている、
請求項11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第2タッチ電極は、前記第1基板の面にて前記一対の第1タッチ電極が並ぶ方向に対して直交する方向において規定される幅が、当該一対の第1タッチ電極よりも広い部分を含むように形成されている、
請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第1基板は、
当該第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられており、前記第1タッチ電極に接続する導電層
を有し、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第1タッチ電極と前記導電層とが接続するコンタクト部分において、前記一対の第1タッチ電極のそれぞれと、前記第2タッチ電極とが接触するように設けられている、
請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記下地層は、前記溝が、前記一対の第2タッチ電極が並ぶ方向において延在するように設けられており、
前記一対の第2タッチ電極は、前記溝の近傍の表面が前記第1液晶配向膜によって被覆されずに露出するように形成されている、
請求項11に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第2基板は、
前記第1基板に対向する面上において、前記第1基板に対向する方向へ凸状に突出した凸部
を含み、
前記凸部は、前記第1基板の面に沿って平坦は平坦領域が、前記第1基板に対向する頂面に設けられており、
前記第2タッチ電極は、前記凸部上において前記平坦領域以外の領域に形成されず、前記平坦領域上に孤立パターンとして形成されている、
請求項10から15のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項17】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間のスペースに設けられた液晶層とを有する液晶パネルを形成する液晶パネル形成工程
を具備しており、
前記液晶パネル形成工程は、
当該液晶パネルにおいて画像を表示する表示領域に、タッチセンサスイッチを形成するタッチセンサスイッチ形成工程と、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1液晶配向膜を設ける第1液晶配向膜形成工程と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に第2液晶配向膜を設ける第2液晶配向膜形成工程と
を含んでおり、
前記タッチセンサスイッチ形成工程は、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に第1タッチ電極を設ける第1タッチ電極形成ステップと、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように第2タッチ電極を設ける第2タッチ電極形成ステップと
を含み、
前記第1タッチ電極形成ステップにおいては、凹状の溝が設けられた下地層を前記第1基板に設けた後に、当該下地層上に前記第1タッチ電極を形成し、
前記第1液晶配向膜形成工程においては、前記第1タッチ電極が形成された表面上に配向材料を含む塗布液を塗布し、前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1液晶配向膜が前記第1タッチ電極の上面を被覆せずに露出するように、前記第1液晶配向膜を形成する、
液晶表示装置の製造方法。
【請求項18】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、画像を表示する表示領域にタッチセンサスイッチが内蔵されている表示パネル
を具備しており、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面している第2タッチ電極と
を有し、前記表示パネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、
前記第1タッチ電極は、凹状の溝が設けられた下地層が前記第1基板との間に設けられており、当該第1タッチ電極においては、表面に塗布液を塗布した際に前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1タッチ電極の上面を塗布膜が被覆せずに露出するように形成されている
表示装置。
【請求項19】
第1基板と、前記第1基板にスペースを隔てて対向している第2基板とを有し、タッチセンサスイッチが設けられているタッチパネル
を具備しており、
前記タッチセンサスイッチは、
前記第1基板にて前記第2基板に対向する面に設けられている第1タッチ電極と、
前記第2基板にて前記第1基板に対向する面に、前記第1タッチ電極からスペースを隔てて対面するように設けられている第2タッチ電極と
を有し、前記タッチパネルが外圧によって変形することによって、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極とが接触するように構成されており、
前記第1タッチ電極は、凹状の溝が設けられた下地層が前記第1基板との間に設けられており、当該第1タッチ電極においては、表面に塗布液を塗布した際に前記凹状の溝に当該塗布液が入ることによって、前記第1タッチ電極の上面を塗布膜が被覆せずに露出するように形成されている
情報入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2010−204633(P2010−204633A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265486(P2009−265486)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】