説明

液滴吐出装置

【課題】液滴吐出ヘッドに供給する液状体の安定供給を図り、液滴からなるパターンの生産性を向上させた液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】水頭差圧を利用して液状体Fを供給する液状体タンクと、同液状体タンクから供給される液状体Fの供給圧力を制御する自己封止弁33の双方を、吐出ヘッドとともにスカラロボットに搭載し、これらを走査方向J(XY平面方向)に沿って走査させるようにした。そして、自己封止弁33の弁体41の軸部41bを、弁体収容室37Sと受圧室39Sとの間の連通孔37aに挿通し、弁体41を上下方向にのみ移動可能にするとともに、弁体41を変位させる加速度の方向が、ヘッドユニットの加速度の方向と垂直になるように自己封止弁33を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置には、画像を表示するための基板が備えられている。この種の基板には、品質管理や製造管理を目的として、その製造元や製品番号等の製造情報をコード化した識別コード(例えば、2次元コード)が形成されている。識別コードは、配列された多数のパターン形成領域(データセル)の一部に、パターンとしてのコードパターン(例えば、有色の薄膜や凹部等のドット)を備え、そのコードパターンの有無によって製造情報を再現可能にしている。
【0003】
識別コードの形成方法には、金属箔にレーザ光を照射してコードパターンをスパッタ成膜するレーザスパッタ法や、研磨材を含んだ水を基板等に噴射してコードパターンを刻印するウォータージェット法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
上記レーザスパッタ法は、所望するサイズのコードパターンを得るために、金属箔と基板の間隙を、数μm〜数十μmに調整しなければならない。つまり、基板と金属箔の表面に対して非常に高い平坦性が要求され、しかも、これらの間隙をμmオーダの精度で調整しなければならない。その結果、識別コードを形成できる対象基板が制限されて、その汎用性を損なう問題を招いていた。また、ウォータージェット法は、基板の刻印時に、水や塵埃、研磨剤等を飛散させるため、同基板を汚染させる問題があった。
【0005】
そこで、こうした生産上の問題を解消する識別コードの形成方法として、インクジェット法が注目されている。インクジェット法は、金属微粒子を含む液滴を液滴吐出ヘッドのノズルから吐出し、その液滴を乾燥させることによってコードパターンを形成する。そのため、識別コードを形成する基板の対象範囲を拡大することができ、同基板の汚染等を回避して識別コードを形成することができる。
【0006】
上記インクジェット法で利用する液滴吐出装置には、インクを貯留するインクタンクと液滴吐出ヘッドとの間に、インクの差圧によって開閉する弁機構が設けられている。弁機構は、液滴吐出ヘッドのインクの消費によって発生する負圧に応じて開弁し、液滴吐出ヘッドに安定した圧力でインクを供給する(例えば、特許文献3〜特許文献7)。これによって、液滴吐出装置は、インクの漏洩を回避させるとともに、液滴のサイズや着弾位置を安定させて、高い位置精度の下でコードパターンを形成させることができる。
【特許文献1】特開平11−77340号公報
【特許文献2】特開2003−127537号公報
【特許文献3】特開平8−174860号公報
【特許文献4】特開平9−290514号公報
【特許文献5】特開2001−225479号公報
【特許文献6】特開2002−36583号公報
【特許文献7】再公表特許公報WO2000/03877
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記表示装置の製造工程では、その生産性を向上させるために、1枚のマザー基板に複数の識別コードを形成する。そして、各識別コードに対応する基板の領域をそれぞれ切出し、1枚のマザー基板から複数の基板を製造させる。そのため、上記インクジ
ェット法では、マザー基板上に点在する識別コード上でのみ液滴吐出ヘッドに液滴吐出動作を実行させる。この結果、上記インクジェット法では、識別コードの形成に要する工程時間の大半を、識別コード間で移動する液滴吐出ヘッドの移動時間に費やしていた。
【0008】
そこで、上記インクジェット法では、識別コードの生産性を向上させるために、液滴吐出ヘッドを多関節ロボットに搭載して、液滴吐出ヘッドを2次元方向に高速移動させることが望まれていた。
【0009】
特許文献7は、コイルスプリングと、コイルスプリングにより弁座に常時弾接される可動膜とを有し、液滴吐出ヘッドの移動に起因するインクの揺動をコイルスプリングにより受け止めて液滴吐出ヘッドの圧力状態を安定させる。これにより、特許文献7では、液滴吐出ヘッドの加速度とインクの質量との相互作用で発現する力をコイルばねによって受け止められる。
【0010】
しかしながら、特許文献7では、液滴吐出ヘッドの加速度と弁体の質量との相互作用で発現する力に関して何ら検討がなされていない。その結果、弁体の質量が大きくなる場合、又は液滴吐出ヘッドの加速度が大きくなる場合、上記弁機構に設けられた弁体が加速度方向に力を受けて弁機構を誤動作させる虞があった。
【0011】
また、液滴吐出ヘッドを多関節ロボット等に搭載すると、液状体タンクと液滴吐出ヘッドとの間を連結する液状体の供給チューブが多関節ロボットのアーム等に絡まって、液状体の安定供給に支障を来たす虞があった。
【0012】
したがって、液滴吐出ヘッドを多関節ロボットに搭載した液滴吐出装置は、その液滴吐出動作の安定性を確保し難いものであった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、液滴吐出ヘッドに供給する液状体の安定供給を図り、液滴からなるパターンの生産性を向上させた液滴吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の液滴吐出装置は、対象物に液滴を吐出する液滴吐出ユニットと、前記液滴吐出ユニットを搭載し、前記液滴吐出ユニットを前記対象物の上方で2次元方向に移動させる多関節ロボットと、を備えた液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ユニットは、前記対象物に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッド内の液状体よりも上方に液状体を収容する液状体タンクと、前記液滴吐出ヘッドと前記液状体タンクとの間に配設されて、前記液滴吐出ヘッドに供給する液状体の圧力を所定の圧力に制御する自己封止弁と、を備え、前記自己封止弁は、前記液滴吐出ヘッド側の液状体の圧力と前記液状体タンク側の液状体の圧力との間の差圧に応じて閉弁位置と開弁位置との間を移動する弁体を有し、前記閉弁位置の前記弁体を前記開弁位置に移動させる加速度の方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と異なる位置に前記弁体を配設した。
【0014】
本発明の液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドの液状体と液状体タンクの液状体との間の水頭差圧によって、液滴吐出ヘッドに液状体を供給することができ、同液状体の供給圧力を制御させることができる。そして、これら液滴吐出ヘッドと液状体タンクの双方を、2次元方向に移動させることができる。従って、液滴吐出ヘッドと液状体タンクとの間に要する液状体の供給ラインの長さを最小限に抑えることができ、供給ラインの屈曲等による液状体の供給不良を抑制させることができる。その結果、液状体の安定供給を図ることができ、吐出した液滴によって形成するパターンの生産性を向上させることができる。
【0015】
また、液滴吐出ユニットの加速度の方向が、自己封止弁を開弁又は閉弁させる加速度の
方向と異なるため、液滴吐出ユニットの移動に起因した自己封止弁の開閉動作を抑制させることができる。従って、液状体の供給を、より安定化させることができる。
【0016】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記閉弁位置から前記開弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と異なる方向であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速度によって弁体に付与される応力の方向を、自己封止弁の開閉方向と異なる方向にすることができる。従って、液滴吐出ユニットの移動に起因した自己封止弁の開閉動作を、より安定化させることができる。
【0017】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記閉弁位置から前記開弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と略垂直であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速度によって弁体に付与される応力の方向を、自己封止弁の開閉方向と略垂直な方向にすることができる。そのため、弁体の配置位置を液滴吐出ヘッドと液状体タンクの圧力のみによって制御させることができ、液状体の供給を、さらに安定化させることができる。
【0018】
この液滴吐出装置において、前記弁体の重心の移動する方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と異なる方向であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速度によって弁体に付与される応力の方向を、開閉する弁体の重心が移動する方向と異なる方向にすることができる。従って、液滴吐出ユニットの加速度による弁体の移動を抑制することができ、液状体の安定供給を図ることができる。
【0019】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記弁体の重心の移動する方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と略垂直であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速度によって弁体に付与される応力の方向を、開閉する弁体の重心が移動する方向と略垂直な方向にすることができる。従って液滴吐出ユニットの移動に関わらず、弁体の重心、すなわち弁体の配置位置を保持させることができる。その結果、液滴吐出ユニットの加速度に関わらず、液状体の供給を、さらに安定化させることができる。
【0020】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記液状体タンクと前記液滴吐出ヘッドとを連結する連結空間に設けられて、前記液状体タンクと前記連結空間との間を遮断する第1閉弁位置と、前記液滴吐出ヘッドと前記連結空間との間を遮断する第2閉弁位置と、前記第1閉弁位置と前記第2閉弁位置との間であって前記液状体タンクと前記吐出ヘッドとの間を連通させる開弁位置と、の間を移動する弁体を有し、前記弁体は、前記液滴吐出ヘッド側の液状体の圧力と前記液状体タンク側の液状体の圧力との間の差圧に応じて前記第1閉弁位置と前記第2閉弁位置のいずれか一方と前記開弁位置との間を移動し、かつ、前記液滴吐出ユニットの加速又は減速による応力に応じて前記第1閉弁位置と前記第2閉弁位置のいずれか一方から他方に移動する構成であってもよい。
【0021】
この液滴吐出装置によれば、弁体は、液滴吐出ユニットの加速又は減速によって付与される応力により第1閉弁位置と前記第2閉弁位置のいずれか一方から他方に移動する。従って、液滴吐出ユニットの加速又は減速に関わらず、自己封止弁の閉弁状態を維持させることができる。
【0022】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記第1閉弁位置から前記第2閉弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度方向と異なる方向であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速度方向が、自己封止弁を開弁又は閉弁させる加速度方向と異なるため、液滴吐出ユニットの加速度に起因した自己封止弁の
開閉動作を抑制させることができ、自己封止弁の制御性を向上させることができる。従って、液状体の供給を、より安定化させることができる。
【0023】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記第1閉弁位置から前記第2閉弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度方向と略垂直であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速度によって弁体に付与される応力の方向を、自己封止弁の開閉方向と略垂直にすることができる。従って、液滴吐出ユニットの加速度に起因した自己封止弁の開閉動作を、より確実に抑制させることができる。従って、液状体の供給を、さらに安定化させることができる。
【0024】
この液滴吐出装置において、前記自己封止弁は、前記弁体を前記閉弁位置に付勢する付勢手段を有して、前記付勢手段の付勢する方向が前記液滴吐出ユニットの加速度方向と略垂直であってもよい。
【0025】
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ユニットの加速又は減速によって弁体に付与される応力を、付勢手段の付勢する方向と略垂直にさせることができる。従って、液滴吐出ユニットの加速又は減速に関わらず、付勢手段の付勢力に基づいて、自己封止弁の開閉動作規定させることができる。
【0026】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ユニットは、前記対称物に着弾した前記液滴にレーザ光を照射するレーザ照射手段を備えてもよい。
この液滴吐出装置によれば、レーザ照射手段を備えた液滴吐出ユニットに、液状体を安定供給させることができる。その結果、レーザ光を照射して形成するパターンの生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。まず、本発明の液滴吐出装置を利用して形成した識別コードを有する液晶表示装置1について説明する。
【0028】
図1において、基板2の一側面(被吐出面としての表面2a)には、その略中央位置に液晶分子を封入した四角形状の表示部3が形成され、その表示部3の外側には、走査線駆動回路4及びデータ線駆動回路5が形成されている。液晶表示装置1は、これら走査線駆動回路4が供給する走査信号と、データ線駆動回路5が供給するデータ信号に基づいて、前記表示部3内の液晶分子の配向状態を制御する。そして、液晶表示装置1は、図示しない照明装置からの平面光を液晶分子の配向状態によって変調して、表示部3の領域に所望の画像を表示する。
【0029】
表面2aの左側下隅には、一辺が約1mmの正方形からなるコード領域Sが区画形成されて、そのコード領域S内には、16行×16列のデータセルCが仮想分割されている。そのコード領域Sの選択されたデータセルCの領域には、それぞれパターンとしてのドットDが形成されて、これら複数のドットDによって、液晶表示装置1の識別コード10が構成されている。
【0030】
本実施形態では、ドットDの形成されたデータセルCの中心位置を「目標吐出位置P」とし、各データセルCの一辺の長さをセル幅Wという。
各ドットDは、その外径がデータセルCの一辺の長さ(前記セル幅W)で形成された半球状のパターンである。このドットDは、金属微粒子(例えば、ニッケル微粒子やマンガン微粒子)を分散媒に分散させた液状体F(図4参照)を液滴FbにしてデータセルCに
吐出し、データセルCに着弾した液滴Fbを乾燥及び焼成させることによって形成されている。着弾した液滴Fbの乾燥・焼成は、レーザ光B(図4参照)を照射することによって行われる。尚、本実施形態では、液滴Fbを乾燥・焼成することによってドットDを形成するが、これに限らず、例えばレーザ光Bの乾燥のみによって形成してもよい。
【0031】
識別コード10は、各データセルC内のドットDの有無によって、液晶表示装置1の製品番号やロット番号等を再現可能にする。本実施形態では、上記基板2の長手方向をX矢印方向とし、X矢印方向と直交する方向をY矢印方向という。
【0032】
次に、前記識別コード10を形成するための液滴吐出装置20について説明する。尚、本実施形態では、複数の前記基板2を切出し可能にした対象物としてのマザー基板2Mに、点在する複数の前記識別コード10を形成する場合について説明する。
【0033】
図2において、液滴吐出装置20には、略直方体形状に形成された装置本体を構成する基台21が備えられて、その基台21の一側(X矢印方向側)には、複数のマザー基板2Mを収容する基板ストッカ22が配設されている。基板ストッカ22は、図2における上下方向(Z矢印方向及び反Z矢印方向)に移動して、収容する各マザー基板2Mをそれぞれ基台21上に搬出し、基台21上のマザー基板2Mを対応するスロットに搬入する。
【0034】
基台21の上面21aであって、その基板ストッカ22側(反X矢印方向側)には、Y矢印方向に延びる走行装置23が配設されている。走行装置23は、その内部に走行モータMS(図8参照)を有し、走行モータMSの出力軸に駆動連結される搬送装置24をY矢印方向及び反Y矢印方向に走行させる。搬送装置24は、マザー基板2Mの裏面2Mbを吸着把持可能にした搬送アーム24aを有する水平多関節ロボットである。搬送装置24は、その内部に搬送モータMT(図8参照)を有し、搬送モータMTの出力軸に駆動連結される搬送アーム24aをXY平面上で伸縮自在に回動して上下方向に移動する。
【0035】
基台21の上面21aであって、そのY矢印方向両側には、表面2Maを上側にしてマザー基板2Mを載置する一対の載置台25R,25Lが併設されている。一対の載置台25R,25Lは、それぞれ載置するマザー基板2Mの裏面2Mb側に、前記搬送アーム24aを抜き差しする空間(凹部25a)を有している。搬送アーム24aは、凹部25aの内部で上動あるいは下動してマザー基板2Mを搬送及び載置する。
【0036】
走行装置23及び搬送装置24は、走行モータMS及び搬送モータMTが所定の駆動制御信号を受けるとき、前記基板ストッカ22内の各マザー基板2Mを搬出してマザー基板2Mを載置台25R,25Lのいずれか一方に載置する。また、走行装置23及び搬送装置24は、載置台25R,25Lに載置したマザー基板2Mを基板ストッカ22の所定のスロットに搬入して回収する。
【0037】
尚、本実施形態では、図3に示すように、載置台25R,25Lに載置されたマザー基板2Mのコード領域Sであって、その最もX矢印方向側から順に、1行目コード領域S1、2行目コード領域S2、・・・、5行目コード領域S5という。
【0038】
図2において、基台21の上面21aであって、前記一対の載置台25R,25Lの間には、多関節ロボット(以下単に、スカラロボットという。)26が配設されている。スカラロボット26には、基台21の上面21aに固設されて上方(Z矢印方向)に延びる主軸27が備えられている。主軸27の上端には、主軸27に設置された第1モータM1(図8参照)の出力軸に駆動連結される第1アーム28aが水平方向(XY平面方向)に回動可能に連結されている。第1アーム28aの先端部には、第1アーム28aに設置された第2モータM2(図8参照)の出力軸に駆動連結される第2アーム28bが水平方向
に回動可能に連結されている。第2アーム28bの先端部には、第2アーム28bに設置された第3モータM3(図8参照)の出力軸に駆動連結される円柱状の第3アーム28cがZ矢印方向に沿う軸心を回動中心にして回動可能に連結されている。第3アーム28cの下端部には、液滴吐出ユニットとしてのヘッドユニット30が配設されている。
【0039】
スカラロボット26は、これら第1、第2及び第3モータM1,M2,M3に所定の駆動制御信号を受けるとき、対応する第1、第2及び第3アーム28a,28b,28cを回動してヘッドユニット30を上面21a上の所定領域(図3に示す2点鎖線の領域:走査領域E)内で走査する。
【0040】
詳述すると、図3の矢印で示すように、スカラロボット26は、まず、第1アーム28a、第2アーム28b及び第3アーム28cを回動して、ヘッドユニット30を1行目コード領域S1上のY矢印方向に沿って走査する。この際、スカラロボット26は、各コード領域S上方で一旦減速し、各コード領域Sの間で再加速する。
【0041】
スカラロボット26は、ヘッドユニット30を1行目コード領域S1上に走査すると、第3アーム28cを回動してヘッドユニット30を180度だけ左回りに回転する。そして、スカラロボット26は、再び第1アーム28a、第2アーム28b及び第3アーム28cを回動して、ヘッドユニット30を2行目コード領域S2上の反Y矢印方向に沿って走査する。この際、スカラロボット26は、各コード領域S上方で一旦減速し、各コード領域Sの間で再加速する。以後同様に、スカラロボット26は、ヘッドユニット30を、3行目、4行目、5行目コード領域S3,S4,S5の順に、そのY矢印方向あるいは反Y矢印方向に沿って走査する。
【0042】
すなわち、本実施形態のスカラロボット26は、ヘッドユニット30の配置方向をヘッドユニット30の移動する方向(走査方向J:XY平面方向)に対応させ、ヘッドユニット30を各コード領域Sからなる九十九折り状の走査経路に沿って走査する。
【0043】
図4において、ヘッドユニット30には、箱体状に形成されたケース31が備えられている。ケース31の内部には、液状体タンク32と、同液状体タンク32の下側に連通する自己封止弁33と、が配設されている。また、ケース31の下側には、前記自己封止弁33の下側に連通する液滴吐出ヘッド(以下単に、「吐出ヘッド」という。)34が配設されている。
【0044】
液状体タンク32は、前記液状体Fを導出可能に収容し、液状体Fの水頭差圧を利用して、収容する液状体Fをその液面FSよりも下方(自己封止弁33及び吐出ヘッド34)に向けて導出する。
【0045】
図5において、自己封止弁33のバルブ本体35には、バルブ本体35の内方に延びる導入路36が形成されている。導入路36は、前記液状体タンク32に連通し、液状体タンク32からの液状体Fをバルブ本体35の内部に導入する。導入路36の一側(液状体タンク32と相対向する反対側:下流側)には、バルブ本体35に内設された断面四角形状の空間(弁体収容室37S)が形成されている。弁体収容室37Sは、導入路36からの液状体Fを収容する。弁体収容室37Sの上側には、Z矢印方向に延びる円形孔(連通孔37a)が形成されて、その連通孔37aの上側には、連通孔37aに連通してバルブ本体35の上面35aに開口する凹部(受圧凹部37b)が拡開形成されている。
【0046】
バルブ本体35の上面35aには、上下方向に撓曲可能な可撓性の受圧シート38が貼り付けられている。この受圧シート38が受圧凹部37bを封止することによって、これら受圧凹部37bと受圧シート38に囲まれてその容積を可変にする空間(受圧室39S
)が形成される。受圧室39Sは、連通する弁体収容室37Sからの液状体Fを収容する。
【0047】
受圧シート38の下側には、上下方向に変位可能な受圧板38Tが貼着されて、その受圧板38Tと受圧凹部37bの底面との間には、コイルばねSP1が配設されている。コイルばねSP1は、受圧板38T(受圧シート38)を上方に付勢して、受圧板38T(受圧シート38)と受圧凹部37bの底面との間を所定の距離(「定常距離H1」)だけ離間させる。本実施形態では、受圧室39Sの圧力であって、受圧板38Tと受圧凹部37bの底面との間の距離が前記「定常距離H1」になる圧力を、「定常圧」という。
【0048】
受圧室39Sの下流側には、反Z矢印方向に延びる導出路40が形成されている。導出路40は、受圧室39Sと前記吐出ヘッド34との間を連通する流路であって、受圧室39Sからの液状体Fを吐出ヘッド34に導出する。
【0049】
受圧室39S内の液状体Fが吐出ヘッド34に導出されるとき、受圧室39Sの圧力は前記「定常圧」よりも低くなり、受圧板38T(受圧シート38)が、コイルばねSP1の付勢力に抗して下動する。
【0050】
弁体収容室37Sの内部には、コマ状に形成された弁体41が配設されている。弁体41は、円板状に形成された鍔部41aと、鍔部41aの中心位置からZ矢印方向に延びる軸部41bと、を有し、その重心Gが鍔部41aの略中心位置になるように形成されている。弁体41は、その鍔部41aが弁体収容室37Sの内部に配置され、かつ、その軸部41bが連通孔37aに挿通されている。連通孔37aは、弁体41の上下動のみを許容する。
【0051】
弁体41の下側には、弁体41を上方に付勢する付勢手段としてのコイルばねSP2が配設されている。コイルばねSP2の付勢力は、受圧室39Sの圧力が「定常圧」であるとき、弁体41の鍔部41aを弁体収容室37Sの上面に当接させて、弁体収容室37Sと受圧室39Sとの間の連通を遮断する。
【0052】
本実施形態では、弁体41の配置位置であって、弁体41の鍔部41aが弁体収容室37Sの上面に当接し、弁体収容室37Sと受圧室39Sとの間の連通を遮断する位置を、「閉弁位置」という。また、弁体41の配置位置であって、「閉弁位置」よりも下方に位置して、弁体収容室37Sと受圧室39Sとの間を連通させる位置を、「開弁位置」という。
【0053】
図6に示すように、受圧板38Tは、受圧室39Sの内部の液状体Fが吐出ヘッド34に導出されて、受圧室39Sの圧力が「定常圧」よりも低くなるとき、コイルばねSP1の付勢力に抗して下動し、弁体41(「重心G」)を「閉弁位置」から「開弁位置」に下動させる。弁体収容室37Sは、弁体41が「開弁位置」に下動するとき、連通孔37aを介して受圧室39Sと連通し、弁体収容室37Sの液状体Fを受圧室39Sの中に導入し、受圧室39Sの圧力低下を補償する。弁体41は、受圧室39Sの圧力が再び「定常圧」に戻るとき、コイルばねSP1の付勢力によって再び「閉弁位置」に上動し、弁体収容室37Sと受圧室39Sとの間の連通を遮断する。すなわち、弁体41は、弁体収容室37Sからの液状体Fの導入を遮断し、受圧室39Sの圧力を「定常圧」に保持する。これによって、自己封止弁33は、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を「定常圧」に維持させる。
【0054】
この際、本実施形態の自己封止弁33は、その開閉方向(「閉弁位置」から「開弁位置」に向かう方向に沿う方向)が、上下方向、すなわち走査方向J(XY平面方向)に対す
る垂直方向である。つまり、「重心G」の移動する方向が、自己封止弁33の開閉方向である。そのため、本実施形態の自己封止弁33は、弁体41の加速度の方向が上下方向にならない限り、受圧室39Sの圧力のみによって開閉し、液状体Fの供給圧を「定常圧」に維持させる。
【0055】
自己封止弁33(弁体41)は、ヘッドユニット30が走査方向J(XY平面方向)に加速あるいは減速するとき、ヘッドユニット30の加速度に応じてXY平面方向の応力(加重)を受ける。一方、XY平面方向の応力は、自己封止弁33が開閉するとき、弁体41の「重心G」の移動する方向と垂直に作用する。このため、自己封止弁33は、ヘッドユニット30の加速あるいは減速によって開閉せず、受圧室39Sの圧力によってのみ開閉する。この結果、自己封止弁33は、ヘッドユニット30の加速あるいは減速に関わらず、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を「定常圧」に維持させることができる。
【0056】
図7において、吐出ヘッド34の下側には、ノズルプレート42が備えられて、そのノズルプレート42の下面(ノズル形成面42a)には、Z矢印方向に沿う複数の円形孔(ノズルN)が貫通形成されている。各ノズルNは、ヘッドユニット30の走査方向Jと直交する方向(図7において紙面に垂直な方向)に沿って配列形成されて、その形成ピッチが前記セル幅Wと同じサイズで形成されている。
【0057】
本実施形態では、マザー基板2Mの表面2Ma上であって、各ノズルNの直下(反Z矢印方向)の位置を、それぞれ「着弾位置PF」という。
図7において、各ノズルNの上側には、前記自己封止弁33(導出路40)に連通するキャビティ43が形成されて、液状体タンク32の導出する液状体Fをそれぞれ対応するノズルNの内部に供給する。各キャビティ43の上側には、上下方向に振動可能な振動板44が貼り付けられて、キャビティ43内の容積を拡大・縮小する。
【0058】
振動板44の上側には、各ノズルNに対応する複数の圧電素子PZが配設されている。各圧電素子PZは、圧電素子PZを駆動するための信号(圧電素子駆動電圧COM1:図8参照)を受けるとき、圧電素子駆動電圧COM1に応じた駆動量で上下方向に収縮・伸張する。振動板44は、圧電素子PZが収縮・伸張するとき、上下方向に振動してノズルN内の液状体Fの界面(メニスカスK)を上下方向に振動させる。
【0059】
各圧電素子PZは、それぞれ対応する「着弾位置PF」がコード領域Sの「目標吐出位置P」に位置するとき、圧電素子駆動電圧COM1を受ける。圧電素子駆動電圧COM1を受けた圧電素子PZは、メニスカスKを振動させて、所定容量の液滴Fbを対応するノズルNから吐出させる。ノズルNから吐出された液滴Fbは、自己封止弁33による液状体Fの安定供給によって所定容量に制御され、反Z矢印方向に沿って安定飛行し、対応する「着弾位置PF」(「目標吐出位置P」)に着弾する。「着弾位置PF」に着弾した液滴Fbは、表面2Maに沿って濡れ広がって、その外径をセル幅Wにする。
【0060】
本実施形態では、液滴Fbの吐出動作の開始時から、吐出した液滴Fbの外径がセル幅Wになるまでの時間を、「照射待機時間」とする。ヘッドユニット30は、この「照射待機時間」の間にセル幅Wだけ走査される。
【0061】
図4において、前記吐出ヘッド34の走査方向Jの反対側には、レーザヘッド45が配設されている。レーザヘッド45の内部には、各ノズルNに対応する複数のレーザ照射手段(複数の半導体レーザLD)がノズルNの配列方向(図4において紙面に垂直な方向)に沿って配列されている。各半導体レーザLDは、それぞれ半導体レーザLDを駆動するための信号(レーザ駆動電圧COM2:図8参照)を受けるとき、液滴Fbの吸収波長に対応した波長領域のレーザ光Bをその直下(反Z矢印方向)に出射する。
【0062】
半導体レーザLDの直下には、各半導体レーザLDに対応する光学系(複数の反射ミラーM)が前記ノズルNの配列方向に沿って配列されている。反射ミラーMは、対応する半導体レーザLDからのレーザ光Bを「着弾位置PF」側に向けて全反射し、全反射したレーザ光Bを対応する「着弾位置PF」の走査方向Jの反対側の位置(「照射位置PT」)に導く。
【0063】
尚、図7に示すように、本実施形態における「着弾位置PF」と「照射位置PT」との間の距離は、ヘッドユニット30が「照射待機時間」の間に移動する距離、すなわちセル幅Wに設定されている。
【0064】
各半導体レーザLDは、それぞれ対応する「照射位置PT」が「目標吐出位置P」に位置するとき、レーザ駆動電圧COM2を受ける。レーザ駆動電圧COM2を受けた半導体レーザLDは、出射するレーザ光Bを反射ミラーMに全反射させ、レーザ光Bを「照射位置PT」の液滴Fbの領域に照射する。液滴Fbの領域を照射するレーザ光Bは、液滴Fbの溶媒あるいは分散媒等を蒸発(乾燥)して、液滴Fbの金属微粒子を焼成する。これによって、「目標吐出位置P」には、データセルCに対応して、セル幅Wの外径からなるドットDが形成される。
【0065】
次に、上記のように構成した液滴吐出装置20の電気的構成を図8に従って説明する。
図8において、制御装置51は、CPU、RAM、ROM等を備え、ROM等に格納された各種データと各種制御プログラムに従って、走行装置23、搬送装置24及びスカラロボット26を駆動し、吐出ヘッド34及びレーザヘッド45を駆動させる。
【0066】
制御装置51には、起動スイッチ、停止スイッチ等の操作スイッチを有した入力装置52が接続されて、識別コード10の画像が既定形式の描画データIaとして入力される。制御装置51は、入力装置52からの描画データIaを受けて、ビットマップデータBMD、圧電素子駆動電圧COM1及びレーザ駆動電圧COM2を生成する。
【0067】
ビットマップデータBMDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて、圧電素子PZのオンあるいはオフを規定するものであり、二次元描画平面(マザー基板2Mの表面2Ma)上における各データセルCに液滴Fbを吐出するか否かを規定するデータである。
【0068】
制御装置51には、走行装置駆動回路53が接続されて、走行装置駆動回路53に対応する駆動制御信号を出力する。走行装置駆動回路53には、走行モータMSと走行モータ回転検出器MSEが接続されている。走行装置駆動回路53は、制御装置51からの駆動制御信号に応答して走行モータMSを正転または逆転させるとともに、走行モータ回転検出器MSEからの検出信号に基づいて、搬送装置24の移動方向及び移動量を演算する。
【0069】
制御装置51には、搬送装置駆動回路54が接続されて、搬送装置駆動回路54に対応する駆動制御信号を出力する。搬送装置駆動回路54には、搬送モータMTと搬送モータ回転検出器MTEが接続されている。搬送装置駆動回路54は、制御装置51からの駆動制御信号に応答して搬送モータMTを正転または逆転させるとともに、搬送モータ回転検出器MTEからの検出信号に基づいて、搬送アーム24aの移動方向及び移動量を演算する。
【0070】
制御装置51には、スカラロボット駆動回路55が接続されて、スカラロボット駆動回路55に対応する駆動制御信号を出力する。スカラロボット駆動回路55には、第1モータM1、第2モータM2及び第3モータM3が接続されて、制御装置51からの駆動制御信号に応答して第1、第2及び第3モータM1,M2,M3を正転または逆転させる。ス
カラロボット駆動回路55には、第1モータ回転検出器M1E、第2モータ回転検出器M2E及び第3モータ回転検出器M3Eが接続されて、第1、第2及び第3モータ回転検出器M1E,M2E,M3Eからの検出信号に基づいて、ヘッドユニット30の移動方向及び移動量を演算する。
【0071】
制御装置51は、スカラロボット駆動回路55を介して、ヘッドユニット30を走査方向Jに沿って九十九折り状に走査するとともに、スカラロボット駆動回路55からの演算結果に基づいて各種制御信号を出力する。
【0072】
制御装置51には、吐出ヘッド駆動回路56が接続されている。制御装置51は、所定のクロック信号に同期した吐出タイミング信号LPを吐出ヘッド駆動回路56に出力する。制御装置51は、圧電素子駆動電圧COM1を所定のクロック信号に同期させて吐出ヘッド駆動回路56に出力する。制御装置51は、ビットマップデータBMDに基づいて所定の基準クロック信号に同期した吐出制御信号SIを生成し、その吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路56にシリアル転送する。吐出ヘッド駆動回路56は、制御装置51からの吐出制御信号SIを、各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換する。
【0073】
吐出ヘッド駆動回路56は、制御装置51からの吐出タイミング信号LPを受けるとき、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIに基づいて選択される圧電素子PZにそれぞれ圧電素子駆動電圧COM1を供給する。すなわち、制御装置51は、吐出ヘッド駆動回路56を介し、各「着弾位置PF」が「目標吐出位置P」に位置するタイミングで、吐出制御信号SI(ビットマップデータBMD)に基づいて選択されたノズルNから液滴Fbを吐出し、吐出した液滴Fbを「目標吐出位置P」に着弾させる。制御装置51は、吐出ヘッド駆動回路56を介し、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをレーザヘッド駆動回路57に出力する。
【0074】
制御装置51には、レーザヘッド駆動回路57が接続されて、所定の基準クロック信号に同期させたレーザ駆動電圧COM2を出力する。レーザヘッド駆動回路57は、吐出ヘッド駆動回路56からの吐出制御信号SIを受けるとき、所定の時間(前記「照射待機時間」)だけ待機し、吐出制御信号SIに対応した各半導体レーザLDにそれぞれレーザ駆動電圧COM2を供給する。すなわち、制御装置51は、レーザヘッド駆動回路57を介し、ヘッドユニット30を「照射待機時間」だけ走査し、「照射位置PT」が「目標吐出位置P」に位置するタイミングで「目標吐出位置P」の液滴Fbの領域に向けてレーザ光Bを照射する。
【0075】
次に、液滴吐出装置20を使って識別コード10を形成する方法について説明する。
まず、入力装置52を操作して描画データIaを制御装置51に入力する。すると、制御装置51は、走行装置駆動回路53及び搬送装置駆動回路54を介して、走行装置23及び搬送装置24を駆動制御し、基板ストッカ22のマザー基板2Mを載置台25R(載置台25L)に搬送して載置する。
【0076】
また、制御装置51は、描画データIaに基づくビットマップデータBMDを生成して格納するとともに、圧電素子駆動電圧COM1及びレーザ駆動電圧COM2を生成する。圧電素子駆動電圧COM1及びレーザ駆動電圧COM2を生成すると、制御装置51は、スカラロボット駆動回路55を介してスカラロボット26を駆動制御し、ヘッドユニット30の走査を開始する。そして、制御装置51は、スカラロボット駆動回路55からの演算結果に基づいて、「着弾位置PF」が1行目コード領域S1の最も反Y矢印方向側に位置するデータセルC(「目標吐出位置P」)に到達したか否かを判断する。
【0077】
この間、制御装置51は、吐出ヘッド駆動回路56に吐出制御信号SIを出力するとともに、吐出ヘッド駆動回路56及びレーザヘッド駆動回路57に、それぞれ圧電素子駆動電圧COM1及びレーザ駆動電圧COM2を出力する。
【0078】
やがて、各ノズルNの走査とともに移動する「着弾位置PF」が、1行目コード領域S1の最も反Y矢印側に位置するデータセルC(「目標吐出位置P」)に到達する。すると、制御装置51は、吐出ヘッド駆動回路56に吐出タイミング信号LPを出力し、同吐出制御信号SIに基づいて選択された圧電素子PZにそれぞれ圧電素子駆動電圧COM1を供給し、選択されたノズルNから一斉に液滴Fbを吐出する。
【0079】
この際、各ノズルNには、自己封止弁33による圧力制御によって、安定した供給圧の液状体Fが供給され続ける。そのため、吐出される液滴Fbは、容量や飛行方向を安定させて、対応する「目標吐出位置P」に着弾する。そして、「目標吐出位置P」に着弾した液滴Fbは、時間の経過とともに濡れ広がり、吐出動作の開始から「照射待機時間」だけ経過すると、その外径をセル幅Wにする。
【0080】
また、制御装置51は、吐出ヘッド駆動回路56を介して、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをレーザヘッド駆動回路57に出力する。そして、吐出動作の開始から「照射待機時間」だけ経過すると、制御装置51は、各「照射位置PT」を「目標吐出位置P」に相対させて、吐出制御信号SIに基づいて選択された半導体レーザLDに、それぞれレーザ駆動電圧COM2を供給し、選択された半導体レーザLDから一斉にレーザ光Bを出射する。
【0081】
半導体レーザLDから出射されたレーザ光Bは、反射ミラーMに全反射されて、「照射位置PT」(「目標吐出位置P」)の液滴Fbの領域、すなわちセル幅Wからなる液滴Fbの領域に照射される。レーザ光Bの照射された液滴Fbは、その溶媒あるいは分散媒の蒸発と金属微粒子の焼成によって、外径がセル幅WからなるドットDとして表面2Maに固着する。これによって、セル幅Wに整合したドットDが形成される。
【0082】
以後、同様に、制御装置51は、ヘッドユニット30を走査経路に沿って走査して、各「着弾位置PF」が「目標吐出位置P」に到達する毎に、選択したノズルNから液滴Fbを吐出し、着弾した液滴Fbがセル幅Wになるタイミングで、液滴Fbの領域にレーザ光Bを照射する。これによって、マザー基板2Mの各コード領域S内に、全てのドットDを形成する。
【0083】
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、水頭差圧を利用して液状体Fを供給する液状体タンク32と、液状体タンク32から供給される液状体Fの供給圧力を「定常圧」に制御する自己封止弁33とを、吐出ヘッド34とともに、スカラロボット26に搭載し、これらを走査方向J(XY平面方向)に沿って走査する。
【0084】
従って、液状体タンク32や自己封止弁33を基台21に配設する場合に比べて、液状体Fの供給ラインを短くさせることができ、供給ラインの屈曲等による液状体Fの供給不良を回避させることができる。その結果、2次元方向に加速又は減速する吐出ヘッド34に対して、液状体Fを安定供給させることができ、液滴Fbからなる識別コード10の生産性を向上させることができる。
【0085】
(2)上記実施形態によれば、弁体41の軸部41bを、弁体収容室37Sと受圧室39Sとの間の連通孔37aに挿通し、弁体41を上下方向にのみ移動可能にした。そして、弁体41を変位させる加速度の方向が、ヘッドユニット30の加速度の方向(XY平面
方向)と垂直になる位置に自己封止弁33を配置した。
【0086】
従って、ヘッドユニット30の加速又は減速に関わらず、受圧室39Sの圧力のみによって、弁体41の配置位置を制御させることができる。その結果、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を安定させることができる。
【0087】
(3)上記実施形態によれば、自己封止弁33の開閉方向を走査方向J(XY平面方向)に対して垂直になるように構成した。従って、自己封止弁33の開閉動作を、より確実に制御させることができ、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を、より安定させることができる。
【0088】
(4)上記実施形態によれば、弁体41の重心Gの移動方向を、自己封止弁33の開閉方向にした。従って、自己封止弁33の開閉動作を、より安定化させることができ、吐出ヘッド34に供給する液状体Fを、より安定供給させることができる。
【0089】
(5)上記実施形態によれば、コイルばねSP2が、弁体41を「閉弁位置」に付勢する。従って、コイルばねSP2の付勢力に基づいて、自己封止弁33の開閉動作を規定させることができ、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を、さらに安定させることができる。
【0090】
(6)上記実施形態によれば、レーザヘッド45をヘッドユニット30に搭載した。従って、レーザ光Bで液滴Fbを乾燥させる分だけ、着弾した液滴Fbの形状制御性を向上させることができ、また識別コード10の生産性を向上させることができる。
【0091】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図9に従って説明する。尚、第2実施形態は、第1実施形態の自己封止弁33を変更したものである。そのため、以下では、自己封止弁33の変更点について詳細に説明する。
【0092】
図9において、バルブ本体35には、導入路36に連通する導入室37Rと、導出路40に連通する導出室39Rと、導入室37Rと導出室39Rとの間を連通する連通孔37aと、が設けられている。導出室39Rには、図9の紙面に垂直な方向に延びる回動軸Aが設けられ、回動軸Aを中心に回動可能な断面L字状の弁体41が配設されている。
【0093】
弁体41は、Z矢印方向に延びる板状の遮断部41cを有し、遮断部41cが導出室39Rの内壁面に当接するとき、連通孔37aと導出室39Rとの間の連通を遮断する。また、弁体41は、遮断部41cが回動軸Aを中心に右回りに回動するとき、連通孔37aと導出室39Rとの間を連通する。すなわち、自己封止弁33の開閉方向は、回動軸Aを中心とする円の周方向である。
【0094】
尚、本実施形態では、弁体41の配置位置であって、遮断部41cが導出室39Rの内壁面に当接する位置を、「閉弁位置」という。また、弁体41の配置位置であって、「閉弁位置」の遮断部41cが右回りに回動した位置を、「開弁位置」という。
【0095】
遮断部41cの下側には、走査方向Jに沿って延びる回動部41dが形成されている。回動部41dは、遮断部41cよりも大きい質量を有し、その略中心位置に弁体41の重心(「重心G」)を有している。回動部41dは、前記回動軸Aに回動可能に挿通支持されている。自己封止弁33では、弁体41の質量との相互作用により開弁あるいは閉弁する加速度の方向が、「閉弁位置」あるいは「開弁位置」の「重心G」を開閉方向に移動させる方向、すなわち、略上下方向である。つまり、自己封止弁33では、弁体41の質量
との相互作用によって開弁あるいは閉弁する加速度の方向は、走査方向J(XY平面方向)と垂直である。
【0096】
回動部41dと導出室39Rの内側壁との間には、回動部41dを「閉弁位置」側に付勢するコイルばねSP3が配設されている。
回動部41dは、導出室39Rの液状体Fが吐出ヘッド34に導出され、導出室39Rの圧力が所定の圧力(「定常圧」)よりも低くなるとき、コイルばねSP3の付勢力に抗して右回りに回動して「開弁位置」に移動する。導出室39Rの圧力は、弁体41が「開弁位置」に移動するとき、導入室37Rの液状体Fによってその圧力低下が補償される。回動部41dは、導出室39Rの圧力が再び「定常圧」に戻るとき、コイルばねSP3の付勢力によって左周りに回動し、「閉弁位置」に移動して導入室37Rと導出室39Rとの間の連通を遮断する。すなわち、弁体41は、導入室37Rからの液状体Fの導入を遮断して、導出室39Rの圧力を「定常圧」に保持する。これによって、自己封止弁33は、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を「定常圧」に維持させる。
【0097】
自己封止弁33(弁体41)は、ヘッドユニット30が走査方向J(XY平面方向)に加速あるいは減速するとき、ヘッドユニット30の加速度に応じてXY平面方向の応力(加重)を受ける。一方、XY平面方向の応力は、自己封止弁33が開閉するとき、弁体41の「重心G」の移動する方向と垂直に作用する。そのため、自己封止弁33は、ヘッドユニット30の加速あるいは減速によって開閉せず、導出室39Rの圧力によってのみ開閉する。つまり、自己封止弁33は、ヘッドユニット30の加速又は減速に関わらず、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を「定常圧」に維持させることができる。
【0098】
従って、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図10に従って説明する。尚、第3実施形態は、第2実施形態の自己封止弁33を変更したものである。そのため、以下では、自己封止弁33の変更点について詳細に説明する。
【0099】
図10において、導入室37Rと導出室39Rとの間には、導入室37Rと導出室39Rとを連通させ、球体状に形成された弁体41を移動可能に収容する連結空間としての弁体収容室41Rが内設されている。
【0100】
弁体収容室41Rの導入室37R側には、弁体収容室41Rと導入室37Rとの間を連通させる円錐孔(連通孔37h)が形成されている。連通孔37hは、図10の実線で示すように、弁体41が連通孔37hと当接するとき、弁体収容室41Rと導入室37Rとの間を連通不能にする。また、連通孔37hは、弁体41が連通孔37hと当接するとき、弁体41の上下方向の移動のみを許容する。
【0101】
弁体収容室41Rの導出室39R側には、連通孔37hと相対する円形孔(連通孔39h)が形成されている。連通孔39hは、図10の2点鎖線で示すように、弁体41が連通孔39hと当接するとき、弁体収容室41Rと導出室39Rとの間を連通不能にする。
【0102】
本実施形態では、弁体41の配置位置であって、弁体41が連通孔37hと当接する位置(図10の実線位置)を、「第1閉弁位置」とし、弁体41が連通孔39hと当接する位置(図10の2点鎖線位置)を、「第2閉弁位置」という。また、弁体41の配置位置であって、「第1閉弁位置」と「第2閉弁位置」との間の位置、すなわち導入室37Rと導出室39Rとを連通させる位置を、「開弁位置」という。
【0103】
本実施形態の自己封止弁33は、その開閉方向が、上下方向に設定され、走査方向J(XY平面方向)と垂直である。しかも、自己封止弁33は、「開弁位置」の上下両方向に閉弁位置を有する。
【0104】
弁体41の左右両側には、弁体41を「第1閉弁位置」側に付勢する一対のコイルばねSP4が配設されている。コイルばねSP4は、導出室39Rの圧力が所定の圧力(「定常圧」)にあるとき、その付勢力によって弁体41を「第1閉弁位置」に配置させる。また、コイルばねSP4は、導出室39Rの圧力が「定常圧」よりも小さくなるとき、弁体41を「開弁位置」に配置させる。また、コイルばねSP4は、「第1閉弁位置」に位置する弁体41が上方の加速度を受けるときに、その加速度と弁体41の質量との相互作用による力(加重)によって、弁体41を「第2閉弁位置」に当接させる。
【0105】
従って、自己封止弁33(弁体41)は、第1及び第2実施形成と同様に、ヘッドユニット30の走査による加速あるいは減速によって開閉せず、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を「定常圧」に維持させる。しかも、自己封止弁33は、ヘッドユニット30が不測の振動等を受けて上下方向の加速度を受ける場合であっても、弁体41の「第1閉弁位置」と「第2閉弁位置」との間の移動によって、その閉弁状態を維持させることができる。
【0106】
従って、本実施形態の構成によれば、第1及び第2実施形態の効果に加えて、閉弁状態の自己封止弁33に対し、その制御性を向上させることができる。その結果、吐出ヘッド34に供給する液状体Fの圧力を、さらに安定化させることができる。
【0107】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第一実施形態では、自己封止弁33の開閉方向、及び「重心G」の移動方向を、それぞれヘッドユニット30の走査方向J(加速度方向:XY平面方向)と垂直に構成した。これに限らず、自己封止弁33の開閉方向及びその「重心G」の移動方向は、それぞれXY平面方向に対して傾斜する方向、すなわちヘッドユニット30の加速度方向と異なる方向であってもよい。これによれば、自己封止弁33の配置位置の自由度を拡張させることができる。
【0108】
・上記第一実施形態では、自己封止弁33の開閉方向が、弁体41の「重心G」の移動方向と同一方向になるように構成した。これに限らず、例えば、「重心G」を中心にして回動する弁体41を設け、同弁体41の回動方向を自己封止弁33の開閉方向にする構成であってもよい。すなわち、自己封止弁33の開閉方向が「重心G」の移動方向と異なる構成であってもよい。
【0109】
・上記実施形態では、ヘッドユニット30にレーザヘッド45を搭載する構成にしたが、これに限らず、レーザヘッド45を搭載しない構成であってもよい。これによれば、液滴吐出ヘッド34の移動速度を、より高速で制御させることができ、識別コード10の生産性を向上させことができる。
【0110】
・上記実施形態では、液滴Fbの領域に照射するレーザ光Bによって、液滴Fbを乾燥・焼成する構成にした。これに限らず、例えば、照射するレーザ光Bのエネルギーによって、液滴Fbを所望の方向に流動させる構成にしてもよく、あるいは液滴Fbの外縁のみにレーザ光Bを照射し、液滴Fbをピニングさせる構成にしてもよい。すなわち、液滴Fbの領域に照射するレーザ光Bによって液滴Fbからなるパターンを形成する構成であればよい。
【0111】
・上記実施形態では、液滴Fbによって半円球状のドットDを形成する構成にしたが、
これに限らず、例えば、楕円形状のドットや線状のパターンを形成する構成であってもよい。
【0112】
・上記実施形態では、吐出した液滴Fbによって識別コード10のドットDを形成する構成にした。これに限らず、例えば、液晶表示装置1に設けられる各種薄膜、金属配線、カラーフィルタ等を形成する構成であってもよい。あるいは、蛍光物質を発光させる平面状の電子放出素子を備えた電界効果型装置(FEDやSED等)に設けられる各種薄膜や金属配線等を形成する構成にしてもよく、着弾した液滴Fbによってパターンを形成する構成であればよい。
【0113】
・上記実施形態では、対象物を液晶表示装置1の基板2に具体化した。これに限らず、例えば、対象物をシリコン基板やフレキシブル基板、あるいは金属基板等に具体化してもよく、着弾した液滴Fbによってパターンを形成するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本実施形態における液晶表示装置を示す平面図。
【図2】同じく、液滴吐出装置を示す概略斜視図。
【図3】同じく、液適吐出装置を示す概略平面図。
【図4】同じく、ヘッドユニットを説明する図。
【図5】同じく、自己封止弁を説明する図。
【図6】同じく、自己封止弁を説明する図。
【図7】同じく、ヘッドユニットを説明する図。
【図8】同じく、液滴吐出装置の電気的構成を示す電気ブロック回路図。
【図9】第2実施形態の自己封止弁を説明する図。
【図10】第3実施形態の自己封止弁を説明する図。
【符号の説明】
【0115】
2…対象物としての基板、20…液滴吐出装置、26…多関節ロボット、30…液滴吐出ユニットとしてのヘッドユニット、32…液状体タンク、33…自己封止弁、34…液滴吐出ヘッド、41…弁体、45…レーザ照射手段としてのレーザヘッド、B…レーザ光、F…液状体、Fb…液滴、G…重心、SP2…付勢手段としてのコイルばね。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に液滴を吐出する液滴吐出ユニットと、
前記液滴吐出ユニットを搭載し、前記液滴吐出ユニットを前記対象物の上方で2次元方向に移動させる多関節ロボットと、を備えた液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ユニットは、
前記液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッド内の液状体よりも上方に液状体を収容する液状体タンクと、
前記液滴吐出ヘッドと前記液状体タンクとの間に配設されて、前記液滴吐出ヘッドに供給する液状体の圧力を所定の圧力に制御する自己封止弁と、を備え、
前記自己封止弁は、
前記液滴吐出ヘッド側の液状体の圧力と前記液状体タンク側の液状体の圧力との間の差圧に応じて閉弁位置と開弁位置との間を移動する弁体を有し、
前記閉弁位置の前記弁体を前記開弁位置に移動させる加速度の方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と異なる位置に前記弁体を配設したことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記閉弁位置から前記開弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と異なることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記閉弁位置から前記開弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と略垂直であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記弁体の重心の移動する方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と異なる方向であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記弁体の重心の移動する方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度の方向と略垂直であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記液状体タンクと前記液滴吐出ヘッドとを連結する連結空間に設けられて、前記液状体タンクと前記連結空間との間を遮断する第1閉弁位置と、前記液滴吐出ヘッドと前記連結空間との間を遮断する第2閉弁位置と、前記第1閉弁位置と前記第2閉弁位置との間であって前記液状体タンクと前記吐出ヘッドとの間を連通させる開弁位置と、の間を移動する弁体を有し、
前記弁体は、
前記液滴吐出ヘッド側の液状体の圧力と前記液状体タンク側の液状体の圧力との間の差圧に応じて前記第1閉弁位置と前記第2閉弁位置のいずれか一方と前記開弁位置との間を移動し、かつ、前記液滴吐出ユニットの加速又は減速に応じて前記第1閉弁位置と前記第2閉弁位置のいずれか一方から他方に移動することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記第1閉弁位置から前記第2閉弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度方向と異なる方向であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記第1閉弁位置から前記第2閉弁位置に向かう方向が、前記液滴吐出ユニットの加速度方向と略垂直であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の液滴吐出装置であって、
前記自己封止弁は、
前記弁体を前記閉弁位置に付勢する付勢手段を有し、
前記付勢手段の付勢する方向が前記液滴吐出ユニットの加速度方向と略垂直であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ユニットは、前記対象物に着弾した前記液滴にレーザ光を照射するレーザ照射手段を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−160926(P2007−160926A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256166(P2006−256166)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】