説明

液滴塗布装置、液滴塗布方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】液滴吐出処理基板の不良の原因となったノズルを短時間で確実に判別する。
【解決手段】液滴塗布装置は、基板上に液滴を吐出するために設けられた複数個のノズルを有する液滴吐出ユニット11と、ノズルが基板上に液滴を吐出する基板処理の前に各ノズルの不吐出を検出する処理前不吐出検出器と、基板処理の後に、各ノズルの不吐出を検出する処理後不吐出検出器と、処理前不吐出検出器による不吐出の検出結果と、処理後不吐出検出器による不吐出の検出結果とに基づいて基板不良の有無を判別する判別器とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にノズルから液滴を吐出する液滴塗布装置、液滴塗布方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット技術は紙媒体上に画像を形成するプリンター装置としてだけでなく、製造装置としての用途が期待されている。例えば、特許文献1では、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子放出素子、電気泳動表示装置などの製造装置として、インクジェット方式による液滴吐出素子を搭載した製造装置の構成が示されている。この特許文献1では、基板上への着弾位置精度を向上させるために、装置基体を石定盤として、基板を同一方向に搬送するステージと、ステージ進行方向と直交する方向にインクジェットヘッドを移動させるキャリッジ機構とを、それぞれ石定盤上に直結して設けている。
【0003】
インクジェット方式による汎用プリンターには、通常は液滴を吐出させる素子として150〜300ノズル/インチの間隔でノズル孔が規則配列した幅1/2〜2インチのインクジェットヘッド素子を各色毎に数個ずつ搭載した1個のインクジェットヘッドユニットを用いて画像を形成する。画像形成方法としては、記録紙を紙送りローラーで送りつつ、記録紙の搬送方向に対して直交する方向にインクジェットヘッドユニットを複数回走査することで、記録紙に画像を形成していた。
【0004】
このインクジェット方式を製造装置として用いる場合でも、インクジェットヘッド素子は汎用プリンター用と同等であり、ノズル列方向のサイズは高々1〜2インチ程度しかないのが現状である。
【0005】
一方、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子放出素子、電気泳動表示装置の製造プロセスは、大面積基板を使用して採れ数を増やすことによって低コスト及びタクトの短縮を図る傾向にあり、インクジェット方式によりこれらを製造するためには、一辺数mにも及ぶ大面積基板に対応できる製造装置が必要とされてきた。
【0006】
大面積基板に対して高速で処理できるインクジェット方式を用いた製造装置としては、複数のインクジェットヘッド素子を並べて基板サイズ以上の長さにしたラインヘッド方式がある。この方式は、高々1〜2インチの幅のインクジェット素子を、基板サイズに至る長さまで千鳥配列させるものであり、基板サイズが数mとすると少なくとも100〜200個のヘッドを配列させる必要がある。このラインヘッド方式による製造装置は、例えばカラーフィルタ基板のような、基板全面に吐出を必要とし、さらに吐出箇所が規則的である基板には、非常に効果的であるといえる。
【0007】
また、カラーフィルタ基板の製造方法の一部として、カラーフィルタ基板に着色不良部分があった場合に、不良箇所のみにカラーフィルタ材料を吐出させる構成が知られている(特許文献2)。
【0008】
また、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法であって、インクジェットヘッドによる最後の着色領域を撮像し解析することにより、製造したカラーフィルタ基板の着色異常を検出する製造方法が知られている(特許文献3)。
【0009】
これは、インクジェットヘッドはノズルが詰まって不吐出になる場合があるが、この不吐出は何らかの復旧作業を行わない限り回復しない特性を利用したものである。そして、異常が認められた場合は修復するものであり、塗布異常の早期発見を目的としている。具体的には、基板に対向配置した照明と観察カメラとを用いて、最後に着色した領域近傍の基板の輝度を計測し、着色異常を判別している。
【0010】
特許文献3に記載の発明は、着色作業時の最終着色領域を観察することで全域の着色不良を推測するものであるために、予め決められた位置に規則的なパターンを着色するような場合には有用である。
【特許文献1】特開2003−191462号公報(平成15年7月8日(2003.7.8)公開)
【特許文献2】特開2003−66218号公報(平成15年3月5日(2003.3.5)公開)
【特許文献3】特開平8−292310号公報(平成8年(1996)11月5日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
インクジェット技術を製造装置に用いる場合、製造装置は連続して稼動することが多いので、塗布異常が早期に発見できないと、異常発見までに多数の不良品を製造してしまうという課題がある。
【0012】
特許文献3に記載の構成は、例えば特許文献2に示されているカラーフィルターの欠損修復のような、点在する所望箇所への不定形な吐出動作では、使用するノズルや最終吐出場所がそれぞれ異なるために適用が難しいという問題がある。
【0013】
また、特許文献3に記載の発明では着色作業完了後に、着弾した液滴が安定する時間と領域を撮像するための時間とが必要となり、その間は基板の搬送動作に入ることが出来ないという問題がある。
【0014】
また、1画素に対して複数のノズルが着色を担う場合に、正常ノズルと異常ノズルが混在して着色作業を行うことで着色むらが発生するが、この着色むらを撮像により計測することは難しく、判別できたとしても正確に計測するためには長時間の計測を要し、その間は基板搬出動作を行うことが出来ないという問題がある。
【0015】
また、1画素に対して複数のノズルが着色を担う場合に、担当ノズル群に異常ノズルが存在することは判別できても、どのノズルが異常ノズルか判別することができず、対応策として復旧動作をする以外に選択肢はないという問題がある。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板着色後に基板を即座に搬出することができ、タクトタイムを短縮することができる液滴塗布装置、液滴塗布方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る液滴塗布装置は、上記課題を解決するために、基板上にノズルから液滴を吐出するために設けられた複数個の液滴吐出手段を有する液滴吐出ユニットと、前記液滴吐出手段が前記基板上に液滴を吐出する基板処理の後に、各液滴吐出手段の不吐出を検出する処理後不吐出検出手段と、前記処理後不吐出検出手段による不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
この特徴により、処理後不吐出検出手段による液滴吐出手段の不吐出の有無に基づいて、液滴吐出処理基板の不良の有無を判別することができる。このため、液滴吐出後の基板を観察する観察カメラ及び照明による構成を用いることなく、液滴吐出処理基板の不良の有無及び不良の原因となった液滴吐出手段を短時間で確実に判別することができる。
【0019】
本発明に係る液滴塗布装置では、前記基板処理の前に各液滴吐出手段の不吐出を検出する処理前不吐出検出手段をさらに備え、前記判別手段は、前記処理前不吐出検出手段による検出結果と、前記処理後不吐出検出手段による検出結果とに基づいて基板不良の有無を判別することが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、処理前不吐出検出手段による検出結果と、処理後不吐出検出手段による検出結果とに基づいて基板不良の有無を判別するので、基板上に点在する欠陥に応じて、複数個の液滴吐出手段のうちの所要の液滴吐出手段を選択し、液滴を吐出して欠陥を修復する欠陥修復装置に適用することができる。
【0021】
本発明に係る液滴塗布装置では、前記処理前不吐出検出手段と前記処理後不吐出検出手段とは、同一の不吐出検出手段であることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、前記処理前不吐出検出手段と前記処理後不吐出検出手段とを共通にするので、欠陥修復装置の基板不良の判別のための構成を簡単な構成にすることができ、欠陥修復装置の低コスト化、小型化を図ることができる。
【0023】
本発明に係る液滴塗布装置では、前記液滴吐出手段は、前記基板上に点在する欠陥に前記液滴を吐出し、前記基板の処理情報に基づいて、前記複数個の液滴吐出手段の中から、前記液滴を前記基板上に吐出する液滴吐出手段を決定する吐出ノズル決定手段をさらに備え、前記判別手段は、前記吐出ノズル決定手段による決定結果に基づいて基板不良の有無を判別することが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、前工程に別途設けた液滴塗布装置による液滴塗布の際に基板上に点在して生じた欠陥を、その位置情報を受け取って修復する欠陥修復装置に適用することができる。
【0025】
本発明に係る液滴塗布装置では、前記処理後不吐出検出手段は、基板処理後の基板の搬出動作及び次の基板の搬入動作のいずれかの間に各液滴吐出手段の不吐出を検出することが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、基板の搬出動作、または次の基板の搬入動作と同時に液滴吐出手段の不吐出を検出するので、液滴塗布装置のタクトタイムを短縮することができる。
【0027】
本発明に係る液滴塗布方法は、上記課題を解決するために、複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出し、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別することを特徴とする。
【0028】
この特徴によれば、液滴吐出手段の不吐出の有無に基づいて、液滴吐出処理基板の不良の有無を判別することができる。このため、液滴吐出後の基板を観察する観察カメラ及び照明による構成を用いることなく、液滴吐出処理基板の不良の有無及び不良の原因となった液滴吐出手段を短時間で確実に判別することができる。
【0029】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出する手順と、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する手順とを実行させることを特徴とする。
【0030】
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに、複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出する手順と、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する手順とを実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る液滴塗布装置は、以上のように、処理後不吐出検出手段による不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する判別手段を備えているので、液滴吐出処理基板の不良の有無及び不良の原因となった液滴吐出手段を短時間で確実に判別することができるという効果を奏する。
【0032】
本発明に係る液滴塗布方法は、以上のように、複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出し、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別するので、液滴吐出処理基板の不良の有無及び不良の原因となった液滴吐出手段を短時間で確実に判別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の一実施形態について図1ないし図29に基づいて説明すると以下の通りである。
【0034】
(実施の形態1)
<装置全体の構成説明>
図1は、実施の形態1に係る欠陥修復装置(液滴塗布装置)1の外観を示す斜視図である。図2は、欠陥修復装置1の模式的断面図である。
【0035】
欠陥修復装置1は、基体8を備えている。欠陥修復装置1には、基体8上に搭載されて基板搬入及び搬出時に移動する基板載置台9と、基板載置台9の上方を該基板載置台9に接触することなく横断しているヘッドガントリーユニット10とが設けられている。ヘッドガントリーユニット10は、基体8に連結しているガントリースライド機構11により、一方向(図1のY方向に平行な方向)に沿って往復移動できる構成となっている。
【0036】
ヘッドガントリーユニット10の側面には、複数個の液滴吐出ユニット2が設けられている。各液滴吐出ユニット2は、ヘッドガントリーユニット10の移動方向(図1のY方向に平行な方向)とは異なる方向(図1のX方向に平行な方向)に液滴吐出ユニット2を移動させることのできる吐出ユニットスライド機構18の上に搭載されている。吐出ユニットスライド機構18上に搭載された液滴吐出ユニット2は、吐出ユニットスライド機構18上の移動可能領域の範囲内で、ヘッドガントリーユニット10の移動方向と異なる方向(図1のX方向に平行な方向)にスライド可能となっている。
【0037】
液滴吐出ユニット2は、ヘッドガントリーユニット10の側面に、複数個(図1では9個)搭載され、それぞれに個別の吐出ユニットスライド機構18を有している。そして、複数の液滴吐出ユニット2は、それぞれの吐出ユニットスライド機構18上を、欠陥修復装置からの制御指令に基づいて、個別に独立して図1のX方向に平行な方向にスライドする。
【0038】
また、液滴吐出ユニット2は、その下側にヘッド吐出面を有している。ヘッド吐出面は、基板載置台9に略平行であって、かつ、ヘッド吐出面には液滴を吐出するためのノズル孔が形成されている。液滴吐出ユニット2は、欠陥修復装置からの制御指令に基づいて、基板載置台9上に載置した対象基板にヘッド吐出面から液滴を滴下する。
【0039】
装置基体8上には、基板載置台9の他に、液滴吐出ユニット2に対して、非使用時に吐出面をキャップする機構、不良吐出口を検出する機構、不良吐出口を回復する機構、などを有するメンテナンス機構12が設けられている。メンテナンス時は、ガントリースライド機構11により、ヘッドガントリーユニット10が、メンテナンス機構12の直上に移動し、液滴吐出ユニット2に対して各種メンテナンス動作を行う。
【0040】
<装置基体8の説明>
装置基体8の構成について図2を用いて説明する。
【0041】
装置基体8は、中央に位置するメインステージ8aを有しており、メンテナンス機構12を有するサブステージ8cと、サブステージ8bとをメインステージ8aの両脇に機械的に連結している。
【0042】
メインステージ8aは、御影石製の高精度のステージであり、液滴吐出ユニット2から基板載置台9上の対象基板に向けて液滴が吐出される間は、基板載置台9を正確に固定するものである。
【0043】
サブステージ8cは、メンテナンス機構12を搭載するもので、メインステージ8aに比べ精度良く製造する必要はない。
【0044】
サブステージ8bは、基板載置台9上に基板を搬入、または基板載置台9上から基板を搬出する際に、基板載置台9を装置端部に移動させる際に使用するステージである。
【0045】
それぞれのステージには、メインステージ用ガントリーガイド14a、及びサブステージ用ガントリーガイド14b・14cがそれぞれ搭載されており、ガントリーガイド14a・14b・14cは、ヘッドガントリーユニット10が異なるガントリーガイド14a・14b・14c間を跨いで自由にスライドできるように、それぞれの間に繋ぎ目を有しつつ連結されている。
【0046】
図1では、ヘッドガントリーユニット10は、浮上スライド機構16とガントリースライド機構11との間で常時エアー浮上しており、ガントリースライド機構11上の磁石式リニアスケール15と浮上スライド機構16との間のリニアモータ制御により、ヘッドガントリーユニット10の移動を可能としている。
【0047】
そして、ガントリースライド機構11及びリニアスケール15は、ヘッドガントリーユニット10がそれぞれのステージ8a・8b・8cを跨って自由に移動できるよう連続的に構成されている。また、装置基体8の地面側には図示しない従来技術の除振機構が設けられている。
【0048】
<基板載置台9の説明>
基板載置台9の上面には、図示しない微小な孔が複数形成されており、その孔の全てが図示しない吸引/送風機構に連結され、吸引/送風制御を行うことにより、基板載置台9上に載置された対象基板の吸着固定、もしくは基板載置台9からの対象基板の解放を行うことが可能となっている。
【0049】
図3は、欠陥修復装置1に設けられたヘッドガントリーユニット10及び基板載置台9の動作を説明するための模式的断面図である。基板載置台9は、装置基体8上に設けられた図示しないスライドレール上をリニアモータ制御により移動することが可能であり、基板搬入若しくは基板搬出時には、図3に示すように基板載置台9は、矢印r1の方向に沿ってメンテナンス機構12と反対方向の装置端部に移動する。
【0050】
さらに、基板載置台9には、図示しないθ回転機構が内在しており、スライドレール上をリニアモータ制御により一方向に移動することが可能となっており、また、載置した基板を面内方向に自在に回転させることが可能となっている。
【0051】
さらに、基板載置台9は、スライドレールと直交する方向にも微調移動できる機構を有している。また、基板載置台9の上面は、平坦性が良い石定盤によって形成されており、液滴吐出ユニット2の吐出面と平行である。
【0052】
<ヘッドガントリーユニット10の説明>
図4(a)は、ヘッドガントリーユニット10の構成を説明するためのZ方向から見た要部平面図であり、図4(b)は、X方向から見た要部正面図である。ヘッドガントリーユニット10の構成について、図4(a)(b)を参照して説明する。
【0053】
ヘッドガントリーユニット10は、一対のガントリー17を浮上スライド機構16により連結した構成となっている。ガントリー17の一方の装置外側に向いた側面には、液滴吐出ユニット2及び吐出ユニットスライド機構18が複数個設けられている(図1に示す例では4ユニット)。
【0054】
その反対面で、かつ2本のガントリー17の間に位置する部分には、基板の面内回転制御用のアライメントカメラ19が2台固定設置されている。図4では1台のみ図示されているが、同等のカメラ19が図4(a)の上方にさらに一台設置されている。
【0055】
ガントリー17の他方は、装置外側に向いた側面に、ガントリー17の一方と同様に液滴吐出ユニット2及び吐出ユニットスライド機構18とを複数有する(図1に示す例では5ユニット)。その反対面で、かつ2本のガントリー17に挟まれた部分に、観察用カメラユニット21が、観察用カメラユニット21をガントリー17の長手方向に移動可能にするカメラスライド機構20を介して移動可能に取り付けられている。
【0056】
<ガントリースライド機構11の説明>
ガントリースライド機構11は、浮上スライド機構16との間でヘッドガントリーユニット10をエアー浮上させるとともに、浮上スライド機構16との間のリニア駆動制御により、欠陥修復装置1本体からの制御信号に従って、ヘッドガントリーユニット10を図1のY方向に平行な方向に沿って任意の位置に移動させることが可能である。
【0057】
<液滴吐出ユニット2の説明>
図5は、液滴吐出ユニット2の構成を説明するための図1のY方向から見た要部側面図である。液滴吐出ユニット2は、ヘッドガントリーユニット10上に設置された吐出ユニットスライド機構18に搭載されており、矢印r3方向に沿ってそれぞれ独立して移動可能である。
【0058】
液滴吐出ユニット2は、吐出素子23と、駆動制御回路24と、電気接続ケーブル25と、インクタンク25aと、インク配管25bと、それらを収納する筺体22とを有している。筺体22が、吐出ユニットスライド機構18上をスライドする。
【0059】
吐出素子23の基板載置台9の上面との平行面には、ノズルプレート26が接着されており、ノズルプレート26には複数のノズル孔3が形成されている。このノズル孔3の直径は、10〜20μmである。
【0060】
吐出素子23は、圧電体基板に複数のインク室となる溝を形成した後、隔壁側面の一部に電極を形成して、隔壁の両側面の間に電界を印加して隔壁自体をせん断変形させて吐出エネルギーを発生させる公知の構成を使用した。駆動制御回路24は、図示しないケーブルにより、図示しない駆動制御システムに接続されて吐出制御が行われる。基板載置台9上に対象基板を載置した場合、ノズルプレート26の最下面である液滴吐出面と対象基板の上面との間の隙間は、0.5〜1mmになるように予め調整されている。
【0061】
<吐出ユニットスライド機構18の説明>
図6は、吐出ユニットスライド機構18の構成を説明するための図1のX方向から見た要部正面図である。図6を参照して吐出ユニットスライド機構18の構成を説明する。
【0062】
吐出ユニットスライド機構18は、2列のLMガイド28(株式会社THK製)と、2列のLMガイド28の間に設置したガントリーリニアスケール29からなり、液滴吐出ユニット2に取り付けられているリニア駆動機構27を駆動制御することで、図1のX方向に平行な方向(図6において紙面に垂直な方向)の所定の位置に液滴吐出ユニット2を摺動させることが可能である。リニアスケール29は、小型のN極及びS極の永久磁石を交互に規則配列させたものである。
【0063】
リニア駆動機構27は、交流制御でN極及びS極を自在に発生できるものであり、リニアスケール29とリニア駆動機構27との間の磁石力により吐出ユニットスライド機構18上の液滴吐出ユニット2の位置制御を可能としている。なお、LMガイド28の有効移動ストロークは250mmであり、この有効ストローク以上の範囲でリニアスケール29は設置されている。吐出ユニットスライド機構18による液滴吐出ユニット2の摺動は、基板載置台9の上面と、液滴吐出ユニット2の液滴吐出面であるノズルプレート26との間のギャップが常に一定となるように予め調整されている。このギャップは、例えば0.2mm以上0.8mm以下に調整される。一般にこのギャップを0.2mm以下に設定すると、基板面にヘッドが接触して装置を故障させる可能性が高まるとともに、液滴を基板へ着弾させたときに生じる微小な跳ね返り滴がノズル面に到達し、ノズル面上に蓄積されて結果的に大滴化してしまう恐れがある。一方、0.8mm以上とすると、液滴が飛翔する時に風の影響を受け、着弾精度が悪化する。なお、他のガントリー17の側面に設けられている吐出ユニットスライド機構18も同様の構成であるため説明を除く。
【0064】
<カメラスライド機構31の説明>
カメラスライド機構31の構成を、図6を用いて説明する。観察カメラユニット21は、ガントリースライド機構11に設けられたY方向に平行な方向の情報取得機能と、カメラスライド機構31に設けられたX方向に平行な方向の情報取得機能とにより、アライメントマークに対する対象基板のアドレス情報を出力することが可能である。観察カメラユニット21は、主に液滴吐出ユニット2から基板上に着弾した液滴の着弾画像を観察し、それぞれの液滴吐出ユニット2の吐出状態、若しくはアライメントマーク基準の着弾位置のアドレスを出力することができる。
【0065】
観察カメラユニット21で得た着弾位置座標を用いて、それぞれの液滴吐出ユニット2について、Y方向に対しては吐出タイミングの補正により、X方向に対しては吐出ユニットスライド機構18の移動量の補正により、対象基板上の所望の位置に液滴を着弾させることができる。
【0066】
カメラスライド機構31は、前述の吐出ユニットスライド機構18と同様に、2列のLMガイド32(株式会社THK製)と、2列のLMガイド32の列間に設置したカメラ用リニアスケール33とからなり、観察カメラユニット21に取り付けられているリニア駆動機構30を駆動制御することで、図1のX方向(図6における紙面に垂直な方向)の所定の位置に観察カメラユニット21を移動させることが可能である。なお、LMガイド32の有効移動ストロークは2500mmであり、この有効ストローク以上の範囲でリニアスケール33は設置されている。
【0067】
<ノズル列の配列>
図7(a)は、液滴吐出ユニット2の構成を説明するための要部下面図であり、図7(b)は、他の構成の液滴吐出ユニット2aを説明するための要部下面図である。液滴吐出ユニット内のノズル孔の配列を図7(a)(b)を用いて説明する。図7(a)は、1種類の液体を吐出する液滴吐出ユニット2を複数搭載した装置を示す。ヘッドガントリーユニット10には、吐出ユニットスライド機構18を介して、液滴吐出ユニット2が矢印X方向(図1)に移動可能に取り付けられている。液滴吐出面であるノズルプレート26に形成されたノズル孔3は一列に配列し、矢印Bに対して直角な方向から数度傾いている。配列しているノズル孔3からは全て同一の液滴材料が吐出する。
【0068】
図7(b)は、3種類の液体を吐出するノズルプレートを複数搭載した液滴吐出ユニット2aを有する装置を示す。液滴吐出ユニット2aには、第一の液滴材料を吐出するノズル孔3Rの列、第二の液滴材料を吐出するノズル孔3Gの列、及び第三の液滴材料を吐出するノズル孔3Bの列を有し、それぞれのノズル孔列が方向Bに対して直角な方向から数度傾いており、それぞれの列のB方向への投影領域はほぼ一致するように構成されている。また、それぞれのノズル孔列は、液滴吐出ユニット2a内でB方向に微小に移動可能となっていてもよい。
【0069】
A方向からのノズル孔列の傾きをθとし、ノズルピッチをpとすると、B方向に投影したノズルピッチQは、
Q=p×sinθ、
となるため、実際のノズルピッチに比べてB方向のピッチQを高密度化できる利点がある。ピッチQを高密度化することで、複数のヘッドを組み合わせて1つのユニットを作製する際に、各ヘッドの位置合わせを厳密に行わなくとも、少なくともピッチQの精度以内で配列させることが可能となる。
【0070】
なお、100〜200DPI(1インチ幅に100〜200個の孔が等ピッチで配列)のノズル孔ピッチで、1吐出素子あたり20〜80孔の吐出素子をθ=3〜10°傾斜させて用いることが好ましく、これは、吐出素子あたりの孔数が小さいほど、複数の素子を配列させてなる液滴吐出ユニットの全幅が小さくなり、不能領域が小さくすることができるためである。また、製造コストが安価な100〜200DPIの吐出素子をθ=3〜10°の範囲で傾斜させることにより、複数の吐出素子間の位置合わせを厳密に行わなくても、一度、試験吐出を行って吐出タイミング制御を行えば、B方向に投影したノズルピッチを5〜35μmにまで高密度化でき、カラーフィルタや、有機EL表示装置などの、画素サイズよりも高密度の配列を実現することができる。
【0071】
<基板搬入動作の説明>
図8(a)〜図8(c)は、ヘッドガントリーユニット10及び基板載置台9の動作を説明するための図1のX方向から見た模式的断面図である。
【0072】
従来技術では、同一基板上の有効画素部以外の領域に、インクのダミー吐出を行うことにより、不吐出検査を行っているのに対し、本実施の形態の欠陥修復装置は、不吐出検出器を含むメンテナンス機構12を、基板に塗布処理を行う領域以外の領域であるサブステージ8cに設けた構成を有している。
【0073】
図8(a)は対象基板7を処理した後の状態を示す。基板処理後は図8(b)に示すように、欠陥修復装置の基板載置台9は矢印r1の方向に沿って紙面左側(サブステージ8b側)にスライドすると共に、ヘッドガントリーユニット10は、矢印r2の方向に沿ってメンテナンス機構12の直上に移動する。そして、基板載置台9は、処理済の対象基板7の吸着を解放した後に、図示しない搬送ロボットに受け渡す。その後、搬送ロボットは次の対象基板7aを基板載置台9に載せる。そして、載せられた対象基板7aは、即座に基板載置台9にエアー吸着され、基板載置台9は図8(c)の矢印r4に示す方向に沿って元の位置(図8(a)に示す位置)に戻る。
【0074】
基板載置台9から対象基板7が搬出され、次の対象基板7aが搬入されて、基板載置台9が元の位置に戻る間に、並行して液滴吐出ユニット2に対して、通常のメンテナンス動作が行われる。メンテナンス動作では、ヘッドガントリーユニット10は、メンテナンス機構12上に移動し、移動を完了した後はメンテナンス作業を行う。具体的には、液滴吐出ユニット2のノズルプレート面は、図8(b)に示すように、ゴム製のキャップ部材13によりキャップされる。また、キャップされた後、キャップ部材13の底部にある通気口より負圧吸引されて、ノズルプレートのノズル孔から液を強制排出することによりノズル孔のダスト等を除去する。その後、ノズルプレート面を図示しないワイプブレードでワイプする。そして、後述する不吐出検出器により、ノズル孔からの吐出状態をチェックする。これら一連のメンテナンス動作の順序は、前述した順序と異なっていても良い。
【0075】
新たな対象基板7aが載置された基板載置台9と、液滴吐出ユニット2のメンテナンス動作が完了したヘッドガントリーユニット10とは、ほぼ同時に図8(c)に示す矢印r4・r5の方向にそれぞれ移動し、図8(a)に示す位置に到達する。
【0076】
<メンテナンス動作の説明>
基板の搬出及び搬入を実行する間、または基板への液滴吐出動作を長期間実施しないときは、液滴吐出ユニット2に対してメンテナンス動作を実行する。このメンテナンス動作は、不吐出検出動作と、キャップ動作と、キャップ内吸引パージ動作と、ワイピング動作とを含む。先の対象基板を処理した後に、次の対象基板の処理を直ちに行う場合、先の対象基板の搬出動作の命令が与えられるのと同時に、液滴吐出ユニット2を搭載したヘッドガントリーユニット10は、メンテナンス機構12の直上への移動命令が与えられる。
【0077】
図9(a)は、不吐出検出器4の構成を説明するための図1のX方向から見た正面図であり、図9(b)は、図1のZ方向から見たその下面図である。メンテナンス機構12は、レーザー発光素子34とレーザー受光素子35とを有する不吐出検出器4を有している。この不吐出検出器4は、液滴吐出ユニット2a毎に設置されている。
【0078】
図示しないレーザー発光回路に接続されたレーザー発光素子34は、不吐出検出の指令を受けると、レーザー受光素子35に向けてレーザー光を連続的に照射する。レーザー受光素子35に接続された受光量計測回路は、通常の受光量を記憶している。レーザー照射方向は、図9(a)(b)に示すように基板面及びノズルプレート26(・26R・26G・26B)の表面に略平行で、かつノズル孔3R・3G・3Bの列に略平行である。レーザー光は直径1mmであり、一つの液滴吐出ユニット2aの全てのノズル孔3R・3G・3Bから吐出される液滴は、このレーザー光軸内を通過するように配置されている。
【0079】
レーザー発光素子34及びレーザー受光素子35は、微動機構を有しており、万一レーザー光軸内を液滴が通過しない場合は、位置を調整する。まず初めに第一番目のノズル孔3Rから液滴を一定時間吐出させて受光量計測回路からの光量を読み取り、通常の受光量と比較して、遮光量を計測し、その値が予め設定した設定値の範囲内にあるか判断し、設定値の範囲内の場合は正常吐出とみなし、それ以外は吐出不良とみなす。
【0080】
次に2番目、3番目と順次同様の吐出制御及び遮光量計測を行い、液滴吐出ユニット2aの全てのノズル孔3R・3G・3Bについて、吐出不良の有無を確認する。吐出不良が無ければ、液滴吐出ユニット2aをキャップ位置に移動させて、基板搬入動作が完了する直前までキャッピングを行う。
【0081】
吐出不良がある場合、従来技術で行われている回復動作を実行する。例えば、液滴吐出ユニット2aをキャップ位置に移動させ、そして、キャッピングし、次に、キャップを負圧に引いてノズル孔から強制排出させ、その後、キャップ解除して、ワイピングを行い、再度、不吐出検出を行う。
【0082】
この不吐出検出と回復動作とを、吐出不良が無くなるまで数回を限度に繰り返して実行する。そして、吐出不良が回復しない場合は、その旨を欠陥修復装置に出力する。なお、先の対象基板を処理する直前の不吐出検出結果と、先の対象基板を搬出中に行う不吐検出結果とを比較して、吐出状態に変化が認められる場合には、先の対象基板の処理が不適として廃棄するか、修復工程に回すことができる。
【0083】
図10は、従来の欠陥修復装置の不吐出検査と基板の搬出入とのタイミングを説明するための図である。図11は、本実施の形態に係る欠陥修復装置の不吐出検査と基板の搬出入とのタイミングを説明するための図である。
【0084】
本実施の形態に係る欠陥修復装置のように、不吐出検出器を含むメンテナンス機構12を、基板に塗布処理を行う領域以外の領域であるサブステージ8cに設けて構成することにより、基板のロードと不吐出検査とをほぼ同時に行うことが可能となり、基板処理のタクトタイムが短縮できることを、図10・11に示すタイムチャートに従って、以下に説明する。
【0085】
まず、従来技術では、図10に示すように、基板搬出指令(P1)が出た後に、同図のように、基板載置台9が移動を開始する(P2)。この時、メンテナンス機構は、次の基板が新たに搬入されるまで、動作に入れないために、待機状態となっている。
【0086】
そして、基板載置台9の移動が完了した後、基板吸着が解除されて(P3)、基板が搬出される(P4)。この間、メンテナンス機構は、依然として待機状態である。
【0087】
基板が搬出された後、次の基板が基板載置台9の上に新たに搬入されて(P5)、さらに同図のように、次の基板が基板載置台9の上に吸着される(P6)。この間、メンテナンス機構は、依然として待機状態である。
【0088】
次の基板が吸着された後、基板載置台9が移動を開始する(P7)。この間、メンテナンス機構は、依然として待機状態である。
【0089】
基板載置台9が移動した後、最初の画素を着色する前に、液滴吐出ユニットは同一基板上の有効画素部以外の領域にインクのダミー吐出を行い、不吐出検査を行う(P8)。このように従来の構成では、基板上でなければ、不吐出検査ができないために、メインステージ8a上の基板載置台9に基板が存在しない搬出・搬入中はメンテナンス機構が動作に入れず待機状態となっている。
【0090】
そして、次の基板を載置した基板載置台9が移動した後、次の基板処理の前に、メンテナンス動作を行うために、図10に示すメンテナンス時間Tm1は、基板処理のタクトタイムとして加算される。
【0091】
次に、本実施の形態に係る基板処理のタイムチャートを図11に従って説明する。基板処理後に、基板搬出指令(P1)と不吐検出指令(メンテナンス指令)(P11)とを同時に発令する。そして、基板載置台9の移動(P2)とヘッドガントリーユニット10の不吐出検出位置への移動(P12)とが同時に開始する。
【0092】
図8(b)に示すように、欠陥修復装置の基板載置台9は矢印r1の方向に沿って紙面左側にスライドすると共に、ヘッドガントリーユニット10は、矢印r2の方向に沿ってメンテナンス機構12の直上に移動する。本実施の形態の欠陥修復装置の構成のように、不吐出検出器を含むメンテナンス機構12を、基板に液滴吐出処理を行う領域以外の領域に設けることにより、このような並行動作が可能となる。
【0093】
そして、液滴吐出処理済の対象基板の吸着を解放する(P3)。その後、図示しない搬送ロボットに対象基板を受け渡して搬出する(P4)。
【0094】
次に、搬送ロボットは、次の対象基板を基板載置台9に載せる(P5)。そして、基板載置台9に載せられた次の対象基板は、即座に基板載置台9にエアー吸着される(P6)。その後、次の対象基板を載せた基板載置台9は元の位置(図8(a)の位置)に戻る。
【0095】
図11に示す(P3)・(P4)・(P5)・(P6)・(P8)のように、基板載置台9から対象基板が吸着解除・搬出され、新たな対象基板が搬入されて、基板載置台9によって吸着されるまでの間に、並行して液滴吐出ユニット2は、通常の不吐出検出を含むメンテナンス動作が行われる。したがって、従来のメンテナンス時間(図10のTm1)に比べて、メンテナンス時間(図11のTm2)を長く取ることができ、十分な検査を行うことができる。
【0096】
ヘッドガントリーユニット10は、メンテナンス機構12の上に移動し(P12)、移動を完了後に、不吐出検出を含むメンテナンス作業を行う(P8)。図8(a)(b)(c)に示すように、メンテナンス機構12は、基板処理を行う領域が設けられたメインステージ8aを挟んで、搬送ロボットにより基板を搬出入するサブステージ8bと反対側の領域に存在する。不吐出検査では、ダミー吐出により液滴が周囲へ飛散する恐れがあるため、基板と離れたサブステージ8c上の位置でダミー吐出を行うことで、基板汚染を防止する効果がある。
【0097】
メンテナンス機構12は、レーザー発光機能とレーザー受光機能とを有する不吐出検出器を有している。この不吐出検出器は、各液滴吐出ユニット毎に設置されている。各液滴吐出ユニットの不吐出検出は、液滴吐出ユニット毎に設置された不吐出検出器により並行して行う。これにより、各液滴吐出ユニットの不吐出検査にかけられる時間が増えるために、十分な不吐出検査を行うことができる。
【0098】
新たに搬入された次の基板が基板載置台9によって吸着される(P6)までの間に、液滴吐出ユニット2のメンテナンス動作(P8)が完了する。したがって、従来技術と比べ、メンテナンス時間(図10のTm1)だけ、タクトタイムを短縮することができる。
【0099】
図11に示す(P7)(P13)のように、次の対象基板が搭載された基板載置台9と、液滴吐出ユニット2のメンテナンス動作が完了したヘッドガントリーユニット10とは、ほぼ同時に図8(c)に示す矢印r4・r5方向に移動し、図8(a)に示す位置に到達する。基板載置台9とヘッドガントリーユニット10とが図8(a)に示す位置に戻るタイミングが同時になるようにメンテナンス時間を調整することで、最も効果的にタクトアップを図り、かつメンテナンス時間を長くとることができる。
【0100】
図12は、本実施の形態に係る欠陥修復装置1のシステム構成を示すブロック図である。欠陥修復装置1は、基板処理指令制御ユニット48と、ガントリースライド機構制御ユニット44と、メンテナンス機構制御ユニット45と、基板搬送機構制御ユニット46と、基板搬出入機構制御ユニット47と、アライメント動作指令制御ユニット49とを備えている。
【0101】
欠陥修復装置1には、吐出ノズル決定部6が設けられている。吐出ノズル決定部6は、対象基板7に点在する欠陥の位置データに基づいて、液滴吐出ユニットのノズルの中から、液滴を対象基板7上の欠陥に吐出するノズルを決定する。メンテナンス機構制御ユニット45は、判別部5を有している。判別部5は、吐出ノズル決定部6によって決定されたノズルの不吐出検出器5による不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する。
【0102】
基板処理指令制御ユニット48は、基板への液滴吐出処理が完了すると、ガントリースライド機構制御ユニット44に設けられた移動指令部44aと、基板搬送機構制御ユニット46に設けられた移動開始部46aとに、基板処理指令を与える。
【0103】
そして、移動指令部44aは、ガントリースライド機構11をメンテナンス機構12の上に移動させる。次に、メンテナンス位置移動確定部44bは、ガントリースライド機構11がメンテナンス機構12の上に到達したことを確認して、メンテナンス機構制御ユニット45に設けられた不吐出検出開始部45aに通知する。
【0104】
その後、不吐出検出開始部45aは、不吐出検出器4により各液滴吐出ユニット2の不吐出検出を開始する。そして、不吐出データ処理部45bは、不吐出検出器4による各液滴吐出ユニット2の不吐出検出データを処理する。次に、回復動作指令部45cは、不吐出検出器4により不吐出が検出された液滴吐出ユニット2の回復動作の実行を指令する。その後、キャップ指令部45dは、液滴吐出ユニット2のノズル孔をキャッピングするキャップ指令を発行する。そして、キャップ時間管理部45eは、液滴吐出ユニット2のノズル孔をキャッピングしているキャップ時間を管理する。次に、キャップ解除指令部45fは、キャップ時間が経過した後、キャッピングを解除するための指令を、ガントリースライド機構制御ユニット44に設けられた移動指令部44cに与える。
【0105】
その後、移動指令部44cは、ヘッドガントリーユニット10をアライメント位置に移動させる。そして、アライメント位置移動確定部44dは、ヘッドガントリーユニット10がアライメント位置に到達したことを確認してアライメント動作指令制御ユニット49に通知する。
【0106】
基板処理指令制御ユニット48から基板処理指令を与えられた基板搬送機構制御ユニット46の移動開始部46aは、対象基板を載置した基板載置台9をサブステージ8b側に移動させる。そして、停止位置検出部46bは、基板載置台9がサブステージ8b側の搬出位置に到達して停止したことを検出する。次に、吸着解除部46cは、基板載置台9による対象基板の吸着を解除して、基板搬出入機構制御ユニット47に設けられた搬出指令部47aに通知する。
【0107】
搬出指令部47aは、基板載置台9上の対象基板のロボットによる搬出を指令する。そして、搬出確定部47bは、対象基板が搬出されたことを確認する。次に、搬入指令部47cは、次の対象基板のロボットによる基板載置台9上への搬入を指令する。その後、搬入確定部47dは、次の対象基板が基板載置台9上に搬入されたことを確認して、基板搬送機構制御ユニット46に設けられた吸着指令部46dに通知する。
【0108】
吸着指令部46dは、次の対象基板の基板載置台9への吸着指令を発行する。そして、移動開始部46eは、対象基板を吸着した基板載置台9をメインステージ8a側に移動させる。次に、停止位置検出部46fは、基板載置台9のメインステージ8a上の所定の停止位置を検出して基板載置台9を停止させる。その後、所定位置停止確定部46gは、基板載置台9が所定の停止位置に到達して停止したことを確認してアライメント動作指令制御ユニット49に通知する。
【0109】
アライメント動作指令制御ユニット49は、アライメント位置移動確定部44dからの通知と所定位置停止確定部46gからの通知とを受け取ると、アライメント動作を指令するアライメント動作指令を発行する。
【0110】
<不吐出検出の手順>
図13は、液滴吐出ユニットの不吐出検出の概略手順を示すフローチャートである。まず、液滴吐出ユニットの不吐出検出の基本的概念を説明する。欠陥修復装置は、液滴吐出ユニットが基板上に液滴を吐出する基板処理の前に各液滴吐出ユニットの不吐出を検出する処理前不吐出検出器と、基板処理の後に各液滴吐出ユニットの不吐出を検出する処理後不吐出検出器とを備えている。本実施の形態に係る欠陥修復装置1の不吐出検出器4のように、処理前不吐出検出器と処理後不吐出検出器とは、同一の不吐出検出器によって構成することが好ましい。
【0111】
まず、液滴吐出ユニットを、処理前不吐出検出器に移動させる(ステップS21)。そして、処理前不吐出検出器により、液滴吐出ユニットに形成された各ノズルの不吐出検出を行う(ステップS22)。次に、液滴吐出ユニットにより、基板上に点在する欠陥に液滴を塗布する(ステップS23)。その後、液滴吐出ユニットを、処理後不吐出検出器に移動させる(ステップS24)。そして、処理後不吐出検出器により、液滴吐出ユニットの各ノズルの不吐出検出を行う(ステップS25)。
【0112】
次に、処理前不吐出検出器による各ノズルの不吐出検出結果と、処理後不吐出検出器による各ノズルの不吐出検出結果とを比較する(ステップS26)。比較結果が一致しない場合には、比較結果が一致しなかったノズルが異常であると判断し(ステップS28)、液滴を塗布した基板を修復(リペア)工程に搬送する。比較結果が一致した場合には、ノズルは正常であると判断し(ステップS27)、次の処理工程に基板を搬送する。
【0113】
図14は、液滴吐出ユニットの不吐出検出の詳細手順を示すフローチャートである。この図14は、基板載置台9側の動き(フローチャート左側)と、ガントリーユニット10の動き(フローチャート右側)とに分かれている。N−1番目(Nは2以上の整数)の基板の塗布処理が完了した時点(ステップS51)で、N−1番目の基板は搬出されて、その後、次のN番目の基板が基板載置台9に載置されて所定位置まで移動する(S64からS70)。具体的には、N−1番目の基板の搬出指令が発行されると(ステップS64)、基板載置台9は、サブステージ8b側に移動し(ステップS65)、基板の吸着を解除して(ステップS66)、N−1番目の基板を搬出する(ステップS67)。そして、次の次のN番目の基板を基板載置台9上に搬入し(ステップS68)、この次のN番目の基板を吸着して(ステップS69)、基板載置台9は、メインステージ8a上の定位置に移動する(ステップS70)。
【0114】
一方、液滴吐出ユニット2を搭載したガントリーユニット10は、不吐出検出指令を受け(ステップS52)、その後メンテナンス機構12の直上まで移動する。(ステップS53)。
【0115】
そして、N−1番目の不吐出検出を実行する(ステップS54)。不吐検出の方法は、前述したとおりである。この不吐出検出では、ノズルの全数について吐出の有無を観測し、不吐出のノズル番号を記憶手段に記憶させる(ステップS55)。吐出ノズル決定部6(図12)は、処理基板(ここではN番目の基板)について、予め決定している塗布データに基づいて吐出させるべきノズル番号、そのノズル番号ごとの吐出タイミング及び吐出量を決定している。
【0116】
そして、不吐出のノズル番号と、吐出させるべきノズル番号とを照合し、吐出させるべきノズルに不吐出がないか判断する(ステップS56)。吐出させるべきノズルに不吐出がない場合には、基板載置台9が定位置に移動するまで、ノズル面をキャップして(ステップS60)、待機させる(ステップS61)。
【0117】
一方、吐出させるべきノズルに不吐出がある場合には、不吐ノズル情報を元に、ステップS56において、第2候補、第3候補のノズル群を選定し、所望の位置への所望パターンの描画の可否を判断する。
【0118】
描画不可との判断が出た場合、回復動作指令が発行されて(ステップS57)、キャッピング、及び負圧吸引の回復動作がなされ(ステップS58)、その後、ワイピング動作が実行される(ステップS59)。
【0119】
そして、再度、ステップS54の不吐出検出が実行され、ステップS54〜S56の判断、及び不可の場合は、ステップS57〜ステップS59までの動作を繰り返す。
【0120】
ステップS56による不可の判断が一定回数以上(n回以上)繰り返されると、液滴吐出ユニットが不良と判断されて装置停止命令が出され、装置は停止して(ステップS62)、液滴吐出ユニットの交換が実施される。
【0121】
なお、ステップS56による不可の判断n回は、ステップS64〜ステップS70が行われる時間以内に、ステップS54〜ステップS59が実行可能な最大回数とすることで、装置を効率よく稼動させることができる。
【0122】
キャップ待機している液滴吐出ユニット2を搭載したガントリーユニットは、基板載置台9の定位置移動(ステップS70)とほぼ同時期に、所定のアライメント位置まで移動する(ステップS63)。そして、N番目基板のアライメント動作を実行し(ステップS71)、N番目基板の所定位置に液滴を塗布する作業を実行する(ステップS72)。ステップS51からステップS72の動作を繰り返し実行することで、複数の処理基板に対して連続的に液滴を塗布することが可能となる。
【0123】
図15は、液滴吐出ユニットのメンテナンス動作と基板搬出入動作との手順を示すフローチャートであり、不吐出検出と不吐出ノズル情報に着目したフローチャートである。
【0124】
複数の処理基板が連続的に処理される中、N−1番目、N番目、及びN+1番目の処理基板に注目する。N−1番目の基板の処理(ステップS31)が完了すると、最初の不吐出検出が実行される(ステップS32)。そして、吐出すべきノズルが不吐出である場合は、n回を限度として回復動作、不吐出検出を繰り返す(ステップS33)。
【0125】
吐出すべきノズルに不吐出が無いとの判断が行われた場合、全ノズルの吐出/不吐出のデータである不吐出ノズル情報Aが記憶手段に記憶される。(ステップS34)。
【0126】
ここで、ステップS32において、吐出すべきノズルに不吐出が無いとの判断が行われると、ステップS32における全ノズルの吐出/不吐出のデータが不吐出ノズル情報Aとして記憶手段に記憶される。
【0127】
そして、N番目の基板への塗布作業を行う(ステップS35)。その後、N番目の不吐検出の1回目が行われる(ステップS36)。ステップS36において得られた全ノズルの吐出/不吐出のデータは、不吐出ノズル情報Bとして記憶手段に記憶され(ステップS37)、不吐出ノズル情報Aと不吐出ノズル情報Bとの間で照合、比較が行われる(ステップS38)。
【0128】
この比較において、不吐出ノズル情報Aと不吐出ノズル情報Bとの間に差が無い場合、若しくは殆ど差が無い場合は、N番目の基板の処理は良と判断される。
【0129】
一方、不吐出ノズル情報Aと不吐出ノズル情報Bとの間に大きな差が見られた場合は、N番目の基板の処理は不良と判断する。
【0130】
なお、不吐出ノズル情報Aと不吐出ノズル情報Bとの間の差による良否の判断基準は、描画パターンによって異なり、両者の間が完全一致する必要のあるもの(微小パターンを少数のノズルで受け持つ場合など)や、概ね一致してれば良いものもある。
【0131】
そして、ステップS36にて、吐出すべきノズルが不吐出の場合は、n回を限度として回復動作、不吐検出を繰り返す(ステップS39)。吐出すべきノズルに不吐出が無いとの判断が行われた場合、全ノズルの吐出/不吐出のデータである不吐出ノズル情報Cが記憶手段に記憶される(ステップS40)。
【0132】
なお、S36において、吐出すべきノズルに不吐出が無いとの判断が行われると、S39の全ノズルの吐出/不吐出のデータが不吐出ノズル情報Cとして記憶手段に記憶される。
【0133】
インクジェット方式の製造装置においては、連続して基板を処理する場合、不吐出ノズルが徐々に増加することは少なく、S32及びS33、S36及びS39は同一となる場合が殆どであり、この場合、不吐ノズル情報B及び不吐ノズル情報Cは同一となる。
【0134】
そして、N+1番目の基板への塗布作業を行う(ステップS41)。その後、N+1番目の不吐出検出の1回目が行われる(ステップS42)。ステップS42において得られた全ノズルの吐出/不吐出のデータは、不吐出ノズル情報Dとして記憶手段に記憶され(ステップS43)、不吐出ノズル情報Cと不吐出ノズル情報Dとの間で照合、比較が行われる(ステップS44)。この比較において、不吐出ノズル情報Cと不吐出ノズル情報Dとの間に差が無い場合、若しくは殆ど差が無い場合は、N+1番目の基板の処理は良と判断される。
【0135】
前述したように、不吐出ノズル情報Aと不吐出ノズル情報Bとの間の差による良否の判断基準は、描画パターンによって異なるが、この判断基準の具体例を示す。例として、液晶表示装置に用いる、カラーフィルタ基板の修正を例として説明する。
【0136】
カラーフィルタ基板の1画素に欠損(ダストなどにより本来色を表示しないもの)が見られた部分については、YAGレーザ等で欠損画素領域を矩形に除去した後、インクジェット技術で、欠損領域に液滴を滴下し、その後固化することが行われる。画素領域は、液晶表示装置の解像度、パネルサイズにより異なるが、一例として、1色画素サイズ300×100μm、厚み2μmのカラーフィルタ基板の修復について、説明する。
【0137】
液滴材料の固形分10%の液滴材料を用いると、2μm厚の固形膜を形成するためには、約10倍の液滴量を塗布したのち硬化させる必要がある。よって、300×100μm、厚み2μmのカラーフィルタ基板を修復するためには、約600plの液滴を滴下する必要があり、1滴あたり4plの液滴を吐出可能な液滴吐出ユニットでは150滴を滴下する。なお、1plとは、ピコリットル(=10−12リットル)を意味する。
【0138】
なお、カラーフィルタ基板は、一般に色再現性の観点から、厚みの許容値が設定されており、厚み許容値2±0.2μmとすると、液滴数の許容値は概ね150±15滴となる。この滴下を1ノズルで行う場合、このノズルが不吐出だと判断されると、その基板もNG(不良)と判断される。
【0139】
一方、全15ノズルで液滴を吐出するとき、1ノズル辺りの受け持ち数が均等であれば、1ノズルあたり150滴の15分の1の10滴を吐出することとなる。よって、この場合、使用する15ノズル中の1ノズルが、基板処理後に、不吐出になったと判断されても、処理された基板は良と判断されてもよい。
【0140】
逆に、使用前にOKであった使用ノズルのうち、1ノズルでも不吐となった場合には、上記判断とは別にNG(不良)と判断してもよく、その判断は処理後の基板の望まれる姿に依存する。
【0141】
また、3ノズルを使用して、ノズルAが100滴、ノズルBが40滴、ノズルCが10滴を受け持つ場合、ノズルCが不吐出となった場合にはOK(良)と判断してもよい(ノズルA+ノズルBで、必要最小限である135滴を超える140滴を満足するため)。
【0142】
また、不吐出確率が高くなるような液滴を用いる場合には、目標の液滴吐出数を多めに設定しておき、不吐出ノズル数の許容数を多くしてもよい。例えば、150滴の欠損を15ノズルで埋める場合には、11滴/ノズル⇒目標値165滴に設定しておき不良ノズルの限界数を2ノズルとする(そのままでは1ノズルのみ)。
【0143】
<液滴吐出ユニット2の配列>
図16(a)(b)は、欠陥修復装置1のアライメント動作を説明するための平面図である。図16(a)(b)は欠陥修復装置1を上方から見た図であり、ヘッドガントリーユニット10上に計9個の液滴吐出ユニット2が搭載されている。
【0144】
液滴吐出ユニット2毎に設けられている吐出ユニットスライド機構18は、ヘッドガントリーユニット10の両外側に向いた両側面にそれぞれ設けられている。ヘッドガントリーユニット10の紙面左側面には4対の液滴吐出ユニット2と吐出ユニットスライド機構18とが一定間隔を空けて取り付けられている。ヘッドガントリーユニット10の紙面右側面は、5対の液滴吐出ユニット2と吐出ユニットスライド機構18とが一定間隔を空けて取り付けられている。そして、基板載置台9の上面に対して、それぞれの吐出ユニットスライド機構18は千鳥状に配列されている。すなわち、ガントリー移動方向である矢印r3に直交する方向に互いに隣接する2つの吐出ユニットスライド機構18は、吐出ユニットスライド機構18のスライド可能方向である矢印r3の方向に沿って、それぞれのスライド可能領域の端部が一部重複するように構成されている。なお、重複する移動可能領域はその領域が大きいほど好ましく、吐出ユニットスライド機構18の長手方向の長さの三分の一以上重複していることが望ましい。
【0145】
<基板アライメント動作の説明>
対象基板のアライメント動作を図16(a)(b)及び図17(a)(b)を用いて説明する。図17(a)(b)は、ヘッドガントリーユニット10に設けられたアライメントカメラ19の構成を説明するための要部平面図である。基板載置台9上で吸着固定された対象基板7の基板端近傍には、対象基板7の面内回転方向を補正するためのアライメントマーク37が2箇所設けられている。
【0146】
ヘッドガントリーユニット10に固定されている2個のアライメントカメラ19は、図16(a)に示す位置からヘッドガントリーユニット10と一体的に図16(b)に示す位置に移動する。そして、アライメントカメラ19の画像情報を元に、対象基板7の面内回転方向のずれを算出し、前述の基板載置台9のθ回転機構と矢印r3の方向の微動機構により、図13(b)に示す回転矢印r6の方向に基板の姿勢を補正する。
【0147】
対象基板7には、予め高精度の2つのアライメントマーク37が設けられており、対象基板7の液滴塗布位置は、このアライメントマーク37を基準として、予め決定されている。このアライメントマーク37は、同心円状のマークであり、対象基板7上の2つのアライメントマーク37のピッチずれは2μm以内である。2つのアライメントマーク37のピッチと同ピッチで2つのアライメントカメラ19はヘッドガントリーユニット10上に設置されている。また、アライメントカメラ19は、複数の広視野モード部19aと狭視野モード部19bとを有し、広視野モード部19aでθ回転機構及び微動機構によりアライメントしたのち、狭視野モード部19bで再度同様なアライメント動作を行う。
【0148】
図18(a)(b)は、欠陥修復装置1のアライメント動作を説明するための要部平面図である。図19(a)(b)は、欠陥修復装置1のアライメント動作を説明するための要部拡大平面図である。図18(a)(b)は、広視野モードでのアライメントカメラ19による撮像画像を示す模式図であり、図18(a)は一対のアライメントカメラ19の一方による画像、図18(b)は一対のアライメントカメラ19の他方による画像である。
【0149】
アライメントカメラ19の広視野モードは、搬送ロボットの基板載置台9への基板の配置精度以上の視野を有するように設計されている。この広視野モードでは、まず、同心円のアライメントマーク37の外側円環部37aを用いて、アライメントマーク37と基準位置とのずれを計測し、アライメントマーク37と基準位置とが一致するように、θ回転機構及び微調整機構により基板載置台9を調整し、対象基板7の姿勢を制御する。外側円環部37aの外径は、例えば2mmであり、内側円部37bの外径は、例えば0.2mmである。
【0150】
次に図19(a)(b)に示すように、アライメントカメラ19を狭視野モードに切り替え、アライメントマーク37の同心円の内側円部37bを用いてアライメントマーク37と基準位置とのずれを計測し、アライメントマーク37と基準位置とが一致するように、θ回転機構及び微調整機構により基板載置台9を調整し、対象基板7の姿勢を制御する。また、一対のアライメントカメラ19による観察位置と液滴吐出ユニット2の液滴吐出位置は、液滴吐出ユニット2を取り付けた後の調整工程で予め計測されている。
【0151】
図20は、欠陥修復装置1のアライメント動作を示すフローチャートである。まず、欠陥修復装置1に設けられた制御ユニットからアライメント開始指令が発行されると(ステップS1),サブステージ8b側に移動した基板載置台9上に対象基板7が搬入される(ステップS2)。そして、対象基板7を載置した基板載置台9は、メインステージ8a上の定位置に移動する(ステップS3)。
【0152】
これと同時に、図16(a)に示すようにメンテナンス機構12上に位置していたヘッドガントリーユニット10は、図16(b)に示すアライメント位置に移動する(ステップS4)。そして、アライメントカメラ19の広視野モード部19aをアライメントマーク37上の標準位置に移動させる(ステップS5)。
【0153】
次に、アライメントカメラ19の広視野モード部19aは、アライメントマーク37の外側円環部37aを撮像し(ステップS6)、アライメント量を算出する(ステップS7)。その後、算出したアライメント量に基づいて、基板載置台9の位置を粗く調整する粗アライメント動作を実行する(ステップS9)。
【0154】
そして、アライメントカメラ19の狭視野モード部19bをアライメントマーク37上の標準位置に移動させる(ステップS8)。その後、アライメントカメラ19の狭視野モード部19bは、アライメントマーク37の内側円部37bを撮像し(ステップS10)、アライメント量を算出する(ステップS11)。その後、算出したアライメント量に基づいて、基板載置台9の位置を精密に調整する本アライメント動作を実行する(ステップS12)。
【0155】
その後、再び、アライメントカメラ19の狭視野モード部19bは、アライメントマーク37の内側円部37bを撮像し(ステップS13)、基板載置台9の位置精度を確認する(ステップS14)。そして、アライメント動作を確認する(ステップS15)。
【0156】
<観察カメラユニット21による液滴着弾位置の計測>
図21(a)(b)は、欠陥修復装置1に設けられた観察カメラユニット21による液滴着弾位置の計測動作を説明するための平面図である。観察カメラユニット21は、液滴吐出ユニット2の液滴吐出素子23(図5)を交換して着弾位置補正を行うための情報を取得する場合や、使用中の着弾位置を再確認する際に用いる。観察カメラユニット21は、ガントリースライド機構11とカメラスライド機構31とにより、欠陥修復装置1上面の任意の位置を撮像することができ、また、欠陥修復装置1上面の任意の位置を割り出すことが可能である。観察カメラユニット21の撮像位置は、ガントリースライド機構11とカメラスライド機構31とに内在しているスケールにより、その位置情報を出力することが可能である。
【0157】
液滴着弾位置を観察する場合、基板として、通常の対象基板7と同様の所定のアライメントマーク37が付与されたダミー基板39を欠陥修復装置1に搬入し、通常通りの基板姿勢制御を行う。次に、観察カメラユニット21は、ダミー基板39上の2つのアライメントマーク37をそれぞれ撮像し、その位置情報を取得する。
【0158】
図21(a)に示すように、ヘッドガントリーユニット10は、ダミー基板39上の任意の位置まで移動する。そして、それぞれの液滴吐出ユニット2のノズル孔からダミー基板39に向けて液滴を吐出する。このとき、全てのノズル孔から液滴を吐出しても良い。また、それぞれの液滴吐出ユニット2は、ガントリースライド機構11とそれぞれの吐出ユニットスライド機構18に内在しているスケールに基づいて、仮想の着弾位置(理想的な着弾位置)をそれぞれ認識する。
【0159】
次に、図18(b)に示すように、観察カメラユニット21は、ガントリースライド機構11とカメラスライド機構31とにより移動しながら、液滴着弾位置40を順次撮像して、アライメントマーク37に対する実際の着弾位置を割り出す。そして、仮想の着弾位置と実際の着弾位置との間の差分をそれぞれの液滴吐出ユニット2の補正データとして保管する。ずれ(差分)は、X方向、及びY方向に分解される。Y方向のずれは、ヘッドガントリーユニット10がY方向に移動しながら液滴吐出を行うため、吐出タイミングを調整することによって補正することができる。X方向のずれに関しては、吐出ユニットスライド機構18の移動量をオフセット補正する。この観察カメラユニット21の動作により、ノズル毎の不吐出を検出し、ノズル毎の着弾よれを検出することも可能である。
【0160】
<ヘッドガントリーユニット10の往復動作/液滴吐出ユニット2の移動動作>
図22(a)(b)は、ヘッドガントリーユニット10の往復動作を説明するための平面図である。姿勢制御が完了した対象基板7に対して、アライメントマーク37基準の所望位置に液滴を滴下する方法を以下に示す。
【0161】
図22(a)は、対象基板7に液滴を滴下する作業において、ヘッドガントリーユニット10が図22(a)において最も右に移動した状態を示している。一方、図22(b)は、最も左に移動した状態を示している。ヘッドガントリーユニット10は、矢印r7によって示される範囲を1回〜複数回往復する。ヘッドガントリーユニット10に搭載されている複数の液滴吐出ユニット2は、図22(a)の矢印r3に示す方向にそれぞれ独立して移動可能である。ヘッドガントリーユニット10自体は、対象基板7上を、紙面左右方向(矢印r7の方向)に往復動作する。それぞれの液滴吐出ユニット2は、液滴吐出動作を実行する前に、矢印r3に示す方向に沿って所望のアドレスに移動し停止する。そして、ヘッドガントリーユニット10が矢印r7の方向に往復動作する過程で、矢印r7方向及び矢印r3方向の所望位置のアドレスが一致した時点で、液滴を吐出する。複数の液滴吐出ユニット2は、その動作を、それぞれ独立して制御される。
【0162】
図22(b)において、矢印r7によって示されるヘッドガントリーユニット10の移動範囲は、液滴吐出ユニット2が移動する方向の直交方向の基板幅よりも大きく、基板幅の中心線をヘッドガントリーユニット10の移動範囲の略中心としている。
【0163】
このように基板幅よりも大きい範囲を液滴吐出ユニット2が移動できることにより、着目した液滴吐出ユニット2は、その液滴吐出ユニット2のヘッドガントリーユニット10の移動ストロークの範囲内の基板の所望の位置(帯状の領域)に対して、液滴を滴下することが可能となる。
【0164】
<吐出動作の具体例>
図23(a)(b)は、ヘッドガントリーユニット10の対象基板7に対する動作を説明するための平面図である。ヘッドガントリーユニット10には、X方向に独立して移動可能な9個の液滴吐出ユニット2a・2b・2c・2d・2e・2f・2g・2h・2iが搭載されており、それぞれの液滴吐出ユニット2a〜2iには、対象基板7上の受け持ち領域42a・42b・42c・42d・42e・42f・42g・42h・42iが設定されている。
【0165】
約2.2m×2.8mの対象基板7には、約30個から約300個の吐出箇所(欠陥)41が点在している。なお、基板サイズにもよるが、欠陥が30個以上の場合には、複数の液滴吐出ユニットが搬送方向と異なる方向に個別に移動する構成とすることにより、液滴吐出ユニットが1つの場合に比べてタクトタイム短縮の効果が大きくなる。一方、欠陥が300個以下の場合では、修復されたカラーフィルタ基板及び有機EL表示基板の修復部分に起因する色むらが、実使用上問題のないレベルとなり、高品位な前記基板を得ることができる。
【0166】
それぞれの液滴吐出ユニット2a〜2iには紙面横方向に帯状に伸びた受け持ち領域42a〜42iが割り当てられている。液滴吐出ユニット2aは、領域42aを受け持つ。液滴吐出ユニット2bは、領域42bを受け持つ。それぞれの液滴吐出ユニット2a〜2iは、受け持ち領域42a〜42iに点在する吐出箇所(欠陥)41に対して液滴吐出動作を行う。
【0167】
ヘッドガントリーユニット10を紙面左右方向に繰り返し往復移動させる過程で、それぞれの液滴吐出ユニット2a〜2iはそれぞれ受け持つ吐出箇所41の直上に移動すべく、X方向に個別に移動しX方向のアドレスが一致した場所で停止し、ヘッドガントリーユニット10の移動に伴って、Y方向のアドレスが一致するまで待機する。そして、処理基板7上の所望位置が直下に来るタイミングで、液滴吐出ユニットを駆動し吐出口から液滴を処理基板7上の所望位置に吐出させる。
【0168】
図23(a)(b)に示すように、9個の液滴吐出ユニット2a〜2iを2列の千鳥状に配列すると、図の点線によって示すように対象基板7を9個の領域42a〜42iに分割して、それぞれの液滴吐出ユニット2a〜2i毎にその受け持ち領域を決定することができる。
【0169】
図24(a)〜図24(d)は、液滴吐出ユニット2の欠損部に対する吐出動作を説明するための模式的平面図である。液滴吐出ユニット2が、ヘッドガントリーユニット10の往復移動の過程で、複数の長方形状凹部に液滴を吐出させる工程を説明する。このような工程は、例として、一部に欠損を有するカラーフィルター基板をこの欠陥修復装置を用いて欠損部分を修復する場合が相当する。一例として、カラーフィルター基板の画素の1色が欠損した場合の修復装置としての説明を行う。
【0170】
ここでの欠損部分とは、製造工程でダストが混入した部分、空白の窪みが形成された部分等について、レーザー等により不良部分を一定形状に凹み修正した部分である。液滴吐出ユニット2は、全て同一種類の液滴材料を吐出するものとして、1種類の画素(レッド、ブルー及びイエローのいずれか)の欠損について、その修復方法を示している。よって、全ての色の欠損部を修復するには、本実施の形態の欠陥修復装置を色材毎に3台設けて逐次処理するか、実施の形態2において例示するように、液滴吐出ユニットを、複数色の液滴を吐出可能とするように構成することで可能となる。
【0171】
図24(a)〜図24(d)は、ヘッドガントリーユニット10上に搭載されている複数の液滴吐出ユニット2のうちの1つに着目して、1つの液滴吐出ユニット2に含まれる液滴吐出面から複数の吐出箇所に吐出を行う動作を時系列に沿って示している。
【0172】
図24(a)を参照すると、処理基板上の欠損部(欠陥)41a・41b・41cは、深さ2μm程度の凹部であり、開口部はヘッドガントリーユニット10の移動方向を長辺とした200μm×70μm程度の長方形状をしている。図24(a)〜図24(d)では、欠損部(欠陥)41a・41b・41cの長辺は、ヘッドガントリーユニット10の移動方向Aに対して平行であるように描いているが、実際には図7(a)(b)に示すように数度傾いている。液滴吐出ユニット2のノズル吐出面は、対向する搬送ステージ面と平行にしており、ノズルプレート26には複数のノズル孔3が形成されている。この複数のノズル孔3は、ヘッドガントリーユニット10の移動方向である紙面左右方向に配列しており、個々のノズル孔3はそれぞれ、その背面側に液滴吐出制御可能な図示しない個別のインク加圧室と加圧制御手段とを有している。また、1列に配列しているノズル孔3は、同一の液滴材料を吐出することが可能となっている。
【0173】
ヘッドガントリーユニット10は、液滴吐出ユニット2の移動や吐出動作によらず、常に紙面左右方向に略等速度(100mm/秒〜500mm/秒)で往復移動している。欠損部41aに液滴を吐出して修復するために、液滴吐出ユニット2は吐出ユニットスライド機構18を用いて高速移動させてノズル孔3を欠損部41aの中心線上に合わせて停止する。なお、液滴吐出ユニット2の移動時間は、実際に移動する時間に加えて、停止した後に吐出ユニットスライド機構18による残留振動が液滴吐出に悪影響を与えないレベルまで低減するまでの静定時間を含んだ時間をも考慮する必要がある。
【0174】
搬送ステージの進行方向側において、欠損部41aの中心線上まで予め移動させた液滴吐出ユニット2は、搬送ステージの等速移動により相対的に矢印D方向に移動し、欠損部41a上にあるノズル孔3から液滴が吐出される。このとき、使用するノズル孔3は、欠損部41aの直上にある複数のノズル孔3を使用することができるため、1つのノズル孔を使用する場合に比べて搬送ステージの等速移動速度を上げることができ、基板全体の処理速度を向上させることが可能となる。
【0175】
次に欠損部41a上に液滴を吐出した液滴吐出ユニット2は、図24(b)に示すように、欠損部41cを修復するために、吐出ユニットスライド機構18を駆動して矢印E方向に移動して、欠損部41cの中心線がノズル孔3に一致する位置で停止する。このとき、ヘッドガントリーユニット10も一定速度で紙面左方向に移動しているため、液滴吐出ユニット2は、図24(c)の矢印F方向に相対的に移動し停止する。そして、ヘッドガントリーユニット10の移動により液滴吐出ユニット2は、相対的に矢印G方向に移動しながら、欠損部41cの直上にあるノズル孔3から液滴を吐出し、欠損部41cの修復を行う。
【0176】
そして、ヘッドガントリーユニット10は、一方向の移動を完了した後に反対方向に移動を始める。図24(d)に示すように液滴吐出ユニット2は、欠損部41bを修復するために、吐出ユニットスライド機構18を用いて矢印K方向に移動し、欠損部41bの中心線上にノズル孔3を合わせて停止する。そして、ヘッドガントリーユニット10の移動により、液滴吐出ユニット2は相対的に矢印L方向に移動して、欠損部41bの直上にあるノズル孔3で液滴を吐出する。
【0177】
このように、ヘッドガントリーユニット10の往復動作を利用して、3つの欠損部41a・41b・41cの修復を、欠損部41a、欠損部41b、欠損部41cの順で行っており、本実施の形態の欠陥修復装置の構成上の利点を最大限活用するものである。即ち、図24(c)に示すように、欠損部41aに複数のノズル孔3で吐出する際に、実際に吐出を行う紙面右端のノズル孔3が欠損部41a直上から離れるまでは、移動させることはできず、少なくとも使用するノズル孔3の両端間距離に相当する領域では、液滴吐出ユニット2を紙面上下方向に移動させて、次の欠損部の修復に向かうことはできない。
【0178】
この不能範囲Hは、処理直後の欠損部端から使用するノズル孔3の両端間距離に相当する帯状の範囲に加えて、搬送ステージの移動速度と、矢印E方向(図24(b))の移動に要する時間及び移動後の残留振動の静定に要する時間の和、を掛け合わせた領域も含まれる。
【0179】
図24(c)に示すように、欠損部41bは欠損部41aに対する不能範囲Hに入る場所に位置しているため、欠損部41aの修復の直後に欠損部41bの処理を行なわず、不能範囲Hに属さない欠損部41cの修復を行っている。そして、ヘッドガントリーユニット10の復路移動に伴って、欠損部41cの修復後に、その不能範囲Hに属さない欠損部41bの修復を行っている。
【0180】
以上は、1つの液滴吐出ユニット2の移動動作について説明を行ったが、欠陥修復装置は複数の液滴吐出ユニット2を有し、それぞれが独立して動作している。なお、本実施の形態に係る欠陥修復装置は、カラーフィルタ基板の欠陥修復装置に限るものではなく、基板上に点在する所望箇所に液滴を吐出させることが可能である。
【0181】
図25(a)〜図25(c)は、3種類の液滴材料を滴下する液滴吐出ユニット2aの移動方向が、画素43R・43G・43Bの長手方向と直交する場合の液滴吐出ユニットの吐出動作を示す模式平面図である。図26(a)〜図26(c)は、3種類の液滴材料を滴下する液滴吐出ユニット2aの移動方向が、画素43R・43G・43Bの長手方向と平行な場合の液滴吐出ユニットの吐出動作を示す模式平面図である。ダスト等の原因によって製造途中にR及びGの画素間において混色が発生してしまい、所望の色を示さない画素ができた際に、その部分を矩形状にレーザーで除去し、本欠陥修復装置を用いて矩形部に液滴を滴下する。
【0182】
図25(a)〜図25(c)及び図26(a)〜図26(c)では、液滴吐出ユニット2aとその液滴吐出ユニット2aが修復すべき画素43R・43G・43Bを示しており、画素43R及び画素43Gが混色リークしたために、あらかじめレーザーにより、混色箇所を除去して凹みを形成している。
【0183】
図25(a)は、修復前の状態を示しており、液滴吐出ユニット2aは図の矢印方向に沿って画素43R・43G・43Bに向かって移動している。図25(b)は画素43Rに液滴を滴下した直後の図であり、次に、図25(c)に示すように画素43Gに液滴を滴下する。
【0184】
画素43R・43G・43Bの長手方向がヘッドガントリーユニット(液滴吐出ユニット2a)の移動方向の場合についても同様に、図26(a)は修復前の状態を示しており、図26(b)、図26(c)の順にしたがって、画素43R、画素43Gを修復する。
【0185】
(実施の形態2)
図27(a)は、実施の形態2に係る欠陥修復装置のヘッドガントリーユニットの構成を示す平面図であり、図27(b)は、その動作を説明するための平面図である。
【0186】
実施の形態2に係る欠陥修復装置は、所定の間隔を空けて設けられた2個のヘッドガントリーユニット10を有している。各ヘッドガントリーユニット10には、4個の液滴吐出ユニット2が設けられている。従って、液滴塗布装置には計8個の液滴吐出ユニット2が搭載されている。
【0187】
1本目のヘッドガントリーユニット10に搭載された4個の液滴吐出ユニット2をスライドさせる吐出ユニットスライド機構18の移動可能領域は、互いに重複している。このため、4個の液滴吐出ユニット2は、そのいずれかが基板の任意の位置に移動可能である。2本目のヘッドガントリーユニット10にも、同様に4個の液滴吐出ユニット2が搭載されている。
【0188】
1つの液滴吐出ユニット2は吐出ユニットスライド機構18の移動範囲Pだけ移動可能であり、千鳥状に隣接する吐出ユニットスライド機構18の移動範囲は、液滴吐出ユニット2が移動する方向に沿って、一部を重複させている。このため、1つのガントリー上にある4つの液滴吐出ユニット2のいずれかが、ヘッドガントリーユニット10の長手方向に沿った位置に必ず移動することが可能である。互いに補完しながら搬送ステージ移動方向の直交方向に沿った全ての位置への移動を網羅できる液滴吐出ユニット2の集合をユニット列とすると、本実施の形態では、2本のユニット列が存在することとなる。そして、1ユニット列は4つの液滴吐出ユニットから構成されている。
【0189】
対象基板7には、図中黒点で示す複数の欠損部41がある。対象基板7の領域は、ユニット列数を列数、ユニット列毎の液滴吐出ユニット数を行数として均等分割されて、具体的には、4行×2列の領域に分割して、それぞれの液滴吐出ユニット2の受け持ち領域となる。例えば、左側のヘッドガントリーユニット10に設けられた左上の液滴吐出ユニット2は、図中のハッチングで示されている受け持ち領域42に点在する欠損部41のみを修復する。なお、図23で前述したユニット配列では、ユニット列数は1となるために、図23に示すように9行×1列に分割されている。
【0190】
図27(b)は、ヘッドガントリーユニット10の移動による対象基板7の往復動作の往路の半分の状態を示す図であり、図中の白矢印方向までヘッドガントリーユニット10は移動して往路を終える。その後、ヘッドガントリーユニット10は復路に転換し、図27(a)に示す状態まで戻る。この往復動作を1往復として、欠損部41の多少に応じて1〜数往復を繰り返すことにより、対象基板7全体の欠損部41を修復する。ここで、合計8領域ある液滴吐出ユニット2毎の受け持ち領域で欠損部41の多少の差のために、液滴吐出ユニット2毎に完了・未完了の差が生じるが、全ての液滴吐出ユニット2が欠損部41を修復するまでヘッドガントリーユニット10は往復を繰り返す。
【0191】
ここで図27(b)に示すように、前述のユニット列は1本のヘッドガントリーユニット10上に搭載された4個の液滴吐出ユニット2であり、このユニット列の中心線は、Y2−Y2、及びY3−Y3となる。本実施形態では、この2本のユニット列(ヘッドガントリーユニット10)の中心線Y2−Y2及び中心線Y3−Y3間の距離が、対象基板7の搬送方向に沿った長さの略2分の1になっている。そして、図27(b)に示すように、2本のヘッドガントリーユニット10の中心線Y2−Y2、及び中心線Y3−Y3との間の間隔が、対象基板7の幅の略半分となるように配置し、その配置位置を中心に両振幅を基板の幅の略半分の移動量で移動する。
【0192】
このように、ユニット列(ヘッドガントリーユニット10)数毎に基板幅を分割し、それぞれのユニット列がその分割領域内で走査することにより、効率よく修復作業を行うことが可能となる。なお、図23のようユニット列数が1本の場合、基板中間線をユニット列中心として、両振幅を基板幅とする。
【0193】
図28は、実施の形態2に係る欠陥修復装置のヘッドガントリーユニットの他の構成を示す平面図である。図28には、3列のユニット列(ヘッドガントリーユニット10)を有する構成の例が示されている。この場合、1ユニット当り4個の液滴吐出ユニット2が搭載され、計3列のユニット列を形成している。よって、対象基板7は4行×3列に分割されている。
【0194】
n本のユニット列を有する欠陥修復装置においては、対象基板をn分割し、そのn分割領域の中間線を中心として、それぞれのユニット列を基板幅のn分の1の両振幅で複数回走査すると良い。このようにすることにより、往復動作によるヘッドガントリーユニット10の移動総距離を最小にすることが可能となり、基板の処理時間を最も短縮することができる。この比率は厳密に適用することなくとも、±20%程度の誤差以内であれば、時間短縮の効果は大きい。
【0195】
ここで、対象基板7の幅をD、ユニット列の走査幅をd、ユニット列数をnとしたとき、
0.8d≦D/n≦1.2d、
の範囲にあると、基板の処理時間を短縮することができる。
【0196】
修復が終えられた処理基板は図示しない搬送ロボットにより取り出される。カラーフィルター基板の場合は、基板は焼成炉に入れられて液滴材料は固化、完成する。実施形態2では2個のユニット列、及び、3個のユニット列を有する欠陥修復装置について説明したことから、n個のユニット列を有する場合、基板導入方向の基板サイズDに対して、基板をn分割し、ユニット列を分割したそれぞれの領域の中間線を中心に、基板のD/2nの振幅で往復走査することが良いことがわかる。また、dをD/nと略一致させることで、装置サイズの最小化を図ることが可能となるが、±10%程度の差異であれば、装置サイズが大幅に増加することは無く装置の占有面積を小さくすることができる。また、dとD/nは一致することが望ましいが、±20%までの差異であれば、基板一枚当たりに要する処理時間が大幅に増加することはなく、タクトタイムの短縮を実現することができる。
【0197】
図29(a)(b)は、実施の形態2に係る欠陥修復装置のヘッドガントリーユニットのさらに他の構成を示す平面図である。ガントリー17の一方の側面には、液滴吐出ユニット2を搭載した吐出ユニットスライド機構18が設けられており、ガントリー17の他方の側面にも、液滴吐出ユニット2を搭載した吐出ユニットスライド機構18が設けられている。ガントリー17の一方の側面は、基板載置台6に垂直であり、ガントリー17の他方の側面は、基板載置台6に対して傾斜している。
【0198】
ガントリー9の一方の側面の液滴吐出ユニット11のスライド方向は、ヘッドガントリーユニットのスライド方向(図1のY方向に平行な方向)に垂直な方向から若干傾斜しており、ガントリー9の他方の側面の液滴吐出ユニット11のスライド方向も、ヘッドガントリーユニットのスライド方向(図1のY方向に平行な方向)に垂直な方向から若干傾斜している。このように基板搬送方向に対して液滴吐出ユニットのスライド方向が垂直でなくとも、本発明は適用可能である。また、複数のスライド機構において、搬送方向に対するそれぞれのスライド方向が異なっていても、その移動軌跡を予め把握し、スライド位置座標に基づいて液滴吐出ユニットの吐出タイミングを補正することができる。
【0199】
前述した実施の形態1及び2では、CFパネルに生じた欠陥画素の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。マトリクス状またはストライプ状に並んだ複数の被吐出部を有するエレクトロルミネッセンス(EL)表示装置の製造に対しても本発明を適用することができる。また、プラズマ表示装置の背面基板の製造に対しても本発明を適用することができ、電子放出素子を備えた画像表示装置の製造、および配線の製造に対しても本発明を適用することができる。
【0200】
また、本実施例では、ガントリーが基板上を、基板の一端から他の一端まで、繰り返し往復走査する構成を示したが、必ずしも全往復動作において基板の全領域を走査する必要は無い。
【0201】
特に、基板搬送方向と異なる方向に個別に移動可能である液滴吐出ユニットが、基板に対して略等速に搬送方向に相対移動する過程で、基板上に点在する複数の修復箇所を順次巡回して修復する場合には、相対移動の移動方向を繰り返し反転動作して、複数回基板上を走査することが可能である。
【0202】
基板上を走査するにつれて、修復すべき箇所が減少していき、複数の走査の最終段階では、基板の全域を走査する必要がなく、基板の一部領域上を走査するだけでよい。
【0203】
よって、予め基板上の修復すべき箇所がわかっている場合には、液滴吐出ユニットのそれぞれが、順次巡回する修復箇所が予め想定できるために、基板上の全ての領域上を走査する必要が無く、それぞれの走査毎に必要な部分のみを走査させることが可能となり、修復に要するタクトを低減することが可能となる。なお、本発明では、搬送方向の略等速の移動は、緩やかな加速、減速状態も含まれる。
【0204】
また、不吐出検査器を、メインステージ以外の領域に設けた例を示したが、本発明はこれに限定されない。メインステージの下側に不吐出検査器を設け、基板の搬出入時に不吐出検査器が液滴塗布ユニットまで上昇して不吐出検査を行うように構成してもよい。
【0205】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0206】
なお、上記実施形態の液滴塗布装置の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の液滴塗布装置の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0207】
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0208】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0209】
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
【0210】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0211】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0212】
本発明は、基板上にノズルから液滴を吐出する液滴塗布装置、液滴塗布方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】実施の形態1に係る欠陥修復装置の外観を示す斜視図である。
【図2】上記欠陥修復装置の模式的断面図である。
【図3】上記欠陥修復装置に設けられたヘッドガントリーユニット及び基板載置台の動作を説明するための模式的断面図である。
【図4】(a)は、上記欠陥修復装置に設けられたヘッドガントリーユニットの構成を説明するための要部平面図であり、(b)は、要部正面図である。
【図5】上記ヘッドガントリーユニットに設けられた液滴吐出ユニットの構成を説明するための要部側面図である。
【図6】上記ヘッドガントリーユニットに設けられた吐出ユニットスライド機構の構成を説明するための要部正面図である。
【図7】(a)は、上記液滴吐出ユニットの構成を説明するための要部下面図であり、(b)は、上記液滴吐出ユニットの他の構成を説明するための要部下面図である。
【図8】(a)〜(c)は、上記ヘッドガントリーユニット及び上記基板載置台の動作を説明するための模式的断面図である。
【図9】(a)は、上記欠陥修復装置に設けられたメンテナンス機構の不吐出検出器の構成を説明するための正面図であり、(b)は、その下面図である。
【図10】従来の欠陥修復装置の不吐出検査と基板の搬出入とのタイミングを説明するための図である。
【図11】上記欠陥修復装置の不吐出検査と基板の搬出入とのタイミングを説明するための図である。
【図12】上記欠陥修復装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図13】上記ヘッドガントリーユニットに設けられた液滴吐出ユニットの不吐出検出の概略手順を示すフローチャートである。
【図14】上記ヘッドガントリーユニットに設けられた液滴吐出ユニットの不吐出検出の詳細手順を示すフローチャートである。
【図15】上記ヘッドガントリーユニットに設けられた液滴吐出ユニットのメンテナンス動作と基板搬出入動作との手順を示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は、上記欠陥修復装置のアライメント動作を説明するための平面図である。
【図17】(a)(b)は、上記ヘッドガントリーユニットに設けられたアライメントカメラの構成を説明するための要部平面図である。
【図18】(a)(b)は、上記欠陥修復装置のアライメント動作を説明するための要部平面図である。
【図19】(a)(b)は、上記欠陥修復装置のアライメント動作を説明するための要部拡大平面図である。
【図20】上記欠陥修復装置のアライメント動作を示すフローチャートである。
【図21】(a)(b)は、上記欠陥修復装置に設けられた観察カメラユニットによる液滴着弾位置の計測動作を説明するための平面図である。
【図22】(a)(b)は、上記欠陥修復装置に設けられたヘッドガントリーユニットの往復動作を説明するための平面図である。
【図23】(a)(b)は、上記ヘッドガントリーユニットの対象基板に対する動作を説明するための平面図である。
【図24】(a)〜(d)は、上記液滴吐出ユニットの欠損部に対する吐出動作を説明するための模式的平面図である。
【図25】(a)〜(c)は、3種類の液滴材料を滴下する液滴吐出ユニットの移動方向が、画素長手方向と直交する場合の液滴吐出ユニットの吐出動作を示す模式平面図である。
【図26】(a)〜(c)は、3種類の液滴材料を滴下する液滴吐出ユニットの移動方向が、画素長手方向と平行な場合の液滴吐出ユニットの吐出動作を示す模式平面図である。
【図27】(a)は、実施の形態2に係る欠陥修復装置のヘッドガントリーユニットの構成を示す平面図であり、(b)は、その動作を説明するための平面図である。
【図28】実施の形態2に係る欠陥修復装置のヘッドガントリーユニットの他の構成を示す平面図である。
【図29】(a)(b)は、実施の形態2に係る欠陥修復装置のヘッドガントリーユニットのさらに他の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0214】
1 欠陥修復装置(液滴塗布装置)
2、2R、2G、2B 液滴吐出ユニット
2a〜2i 液滴吐出ユニット
3 ノズル孔
4 不吐出検出器(不吐出検出手段)
5 判別部
6 吐出ノズル決定部
7 対象基板
8 基体
8a メインステージ
8b、8c サブステージ(搬出入サブステージ、サブステージ)
9 基板載置台
10 ヘッドガントリーユニット(ガントリー)
11 ガントリースライド機構(移動手段)
12 メンテナンス機構
13 キャップ部材
14a、14b、14c ガントリーガイド
15 リニアスケール
16 浮上スライド機構
17 ガントリー
18 吐出ユニットスライド機構
19 アライメントカメラ
20 カメラスライド機構
21 観察カメラユニット
22 筐体
23 吐出素子
24 駆動制御回路
25 ケーブル
25a インクタンク
25b インク配管
26 ノズルプレート
27 リニア駆動機構
28 LMガイド
29 ガントリーリニアスケール
30 リニア駆動機構
31 カメラスライド機構
32 LMガイド
33 カメラ用リニアスケール
34 レーザ発光素子
35 レーザ受光素子
37 アライメントマーク
37a 外側円環部
37b 内側円部
39 ダミー基板
40 液滴着弾位置
41 欠損部(欠陥)
42 領域(修復領域)
43R、43G、43B 画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にノズルから液滴を吐出するために設けられた複数個の液滴吐出手段を有する液滴吐出ユニットと、
前記液滴吐出手段が前記基板上に液滴を吐出する基板処理の後に、各液滴吐出手段の不吐出を検出する処理後不吐出検出手段と、
前記処理後不吐出検出手段による不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする液滴塗布装置。
【請求項2】
前記基板処理の前に各液滴吐出手段の不吐出を検出する処理前不吐出検出手段をさらに備え、
前記判別手段は、前記処理前不吐出検出手段による検出結果と、前記処理後不吐出検出手段による検出結果とに基づいて基板不良の有無を判別する請求項1記載の液滴塗布装置。
【請求項3】
前記処理前不吐出検出手段と前記処理後不吐出検出手段とは、同一の不吐出検出手段である請求項2記載の液滴塗布装置。
【請求項4】
前記液滴吐出手段は、前記基板上に点在する欠陥に前記液滴を吐出し、
前記基板の処理情報に基づいて、前記複数個の液滴吐出手段の中から、前記液滴を前記基板上に吐出する液滴吐出手段を決定する吐出ノズル決定手段をさらに備え、
前記判別手段は、前記吐出ノズル決定手段による決定結果に基づいて基板不良の有無を判別する請求項2記載の液滴塗布装置。
【請求項5】
前記処理後不吐出検出手段は、基板処理後の基板の搬出動作及び次の基板の搬入動作のいずれかの間に各液滴吐出手段の不吐出を検出する請求項1記載の液滴塗布装置。
【請求項6】
複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出し、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別することを特徴とする液滴塗布方法。
【請求項7】
コンピュータに、複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出する手順と、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、複数個の液滴吐出手段により基板上に液滴を吐出して基板を処理した後、各液滴吐出手段の不吐出を検出する手順と、前記不吐出の検出結果に基づいて基板不良の有無を判別する手順とを実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−301447(P2007−301447A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130526(P2006−130526)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】