説明

混合方法、射出成形方法、混合装置

【課題】材料を均一に混合することができる混合方法、射出成形方法、混合装置を提供することができる。
【解決手段】少なくとも異なる2種類の材料をタンブラー(容器回転式混合装置)40により混合する混合方法であって、前記タンブラー40内部に、定形の穴を有する固定板42、又は、メッシュからなる固定板42’を設けて混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合方法、射出成形方法、混合装置に関し、より詳細には、少なくとも2種類の材料をタンブラーにより混合する混合方法、射出成形方法、混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形に使用される樹脂成形材料としては、従来から石油系樹脂が主として使用されていたが、大気汚染、地球温暖化、オゾン層破壊といった問題が顕在化しており、この対策として循環型の省エネルギー社会を構築する試みがなされている。その1つとして、石油系樹脂の成形材料から生物由来の植物系樹脂の成形材料への転換が図られている。
【0003】
植物系の樹脂成形材料としては、いわゆるバイオマス樹脂(バイオマスプラスチック又はバイオプラスチックとも称す)があり、これを成形材料として種々の製品を製造する試みがなされている。
【0004】
バイオマス樹脂の代表例としては、ポリ乳酸(ポリ乳酸樹脂又はPLAとも称す)やセルロース系樹脂が挙げられる。これらのバイオマス樹脂は地球環境において二酸化炭素の取込みと発生とが差し引きゼロになる効果が期待でき、この考えはカーボンニュートラルと呼ばれている。
【0005】
しかし、バイオマス樹脂を成形材料に用い、射出成形により成形品を製造する場合には以下のいくつかの大きな問題がある。
【0006】
(難燃性付与)
バイオマス樹脂、特にPLAを成形して部材を作る場合、難燃性が要求されることが多い。家電、PC、自動車などの部材では、出火や延焼抑制の観点で、高度の難燃性が要求される。難燃性能の規格として米国のUL規格があるが、最近ではバイオマス系成形部材でも、V-1やV-0と言った高いレベルの難燃剤が要求されてきている。これに対応するためには樹脂に大量の難燃剤を練りこむ必要がある。例えば、PLA100重量部に対して難燃剤を40重量部以上練り込む必要がある。そうすると、もともとPLA樹脂が脆く、強度の出にくい材料であるのに、更に粉体(難燃剤)などを加えることによってPLA成形体の強度が到底実用に耐えないレベルに下がってしまう。
【0007】
強度を上げるためには、材料の脆さを低減すれば良く、そのために柔軟性のあるゴム成分、エラストマーなどを添加する必要がある。
【0008】
しかし、これら柔軟性成分は燃えやすく、難燃性を付与したつもりが、強度を上げようとしたために、充分な難燃性が得られないことがあり難燃性と強度の取り合いになってしまう。このバランスが非常に難しい。
【0009】
この問題に付随して、難燃剤は、特に効果の高いものをできるだけ少量加えることで強度を下げないようにする必要があり、勢い、高性能で高価な難燃剤を使わざるを得ず、コストアップが避けられないと言う問題もある。
【0010】
バイオマス樹脂の強度アップの方法としては、石油系樹脂を混合することによっても達成できるが、これでは環境負荷低減の本質的な解決にはならない。また、別の方法として、ガラス繊維などの無機繊維や石油系の有機繊維を添加する方法があり、こちらの方は成形体の植物度をあまり下げることなく強度を得ることができ、好ましい。更に別の方法として、竹やケナフ繊維など天然の成形材料を繊維化して添加する方法もあり、繊維部分もカーボンニュートラルな素材に置き換えることも考えられる。しかしこれらの方法も、なかなか実用レベルの物性が得られがたく、また難燃剤を大量に添加する必要性は、依然として解決されていない。
【0011】
(耐熱性が低い)
PLAは汎用樹脂と比べて耐熱性が低いことが加工上の問題になる。
【0012】
バイオマス樹脂は、熱溶解して容易に流動できるようになる温度と樹脂の分解温度との差が石油系樹脂に比べて小さいため、射出成形や、その前処理としての加工工程において使用可能な温度設定範囲が狭く制限されてしまう。例えば射出成形装置に供給する前の前処理においてバイオマス樹脂と添加物とを混練機で混練してペレット化するときに、高熱に長い時間曝すと、樹脂が着色したり低分子化したりし易い。特に、バイオマス樹脂を難燃化するためには、バイオマス樹脂に大量の難燃剤を練り込む必要があり、できれば、バイオマス樹脂と難然剤とを予めペレット化してから射出成形装置に供給することが好ましい。しかし、混練機での加熱加工時にバイオマス樹脂が分解してしまい、成形品の強度が低下してしまうという問題があった。
【0013】
このように、バイオマス樹脂を射出成形のための成形材料として使用するためには、難燃剤や繊維等の添加物を添加することが一般的である。そして、バイオマス樹脂の耐熱性の低さを考慮すると、バイオマス樹脂と添加物とを混練混合してペレット化するための前処理を行わず、バイオマス樹脂や添加物を射出成形装置に直接投入して成形する直接投入成形法を採用することが成形品の品質にとって好ましい。
【0014】
今まで述べたように、射出成形の従来技術としては、射出成形装置の材料供給口にコンパウンド方式やマスターバッチ方式によりペレット化した材料を投入することが広く知られている。例えば、特許文献1には、耐熱性のポリ乳酸樹脂と耐衝撃性のポリ乳酸樹脂とを予め混練押出機でブレンドしてペレットを成形し、そのペレットを射出成形装置の材料投入口に投入するマスターバッチ方式について開示されている。
【0015】
また、同様に、特許文献2には、樹脂材料の熱劣化防止やガラス繊維などの折損防止、工程削減によるメリット(品質向上、コスト低減)を達成する目的で、射出成形装置の材料投入口に直接、樹脂などの材料を投入する「直接成形法」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008−201863号公報
【特許文献2】特開平10−316832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献1では、樹脂以外の材料を樹脂に練り込みペレット化する工程が必要であり、樹脂への熱履歴が多くなり、樹脂の性能が劣化してしまうという問題があった。
【0018】
また、特許文献2は、材料の全てを直接射出成形装置の材料投入口に供給する成形方法ではなく、ガラス繊維の物性保持やコンパウンド化での均一化が弊害となる成分をなるべく混練しないで成形する場合に限定して利用されていた。
【0019】
そこで、上記の課題を解決してバイオマス樹脂の劣化を抑え工程を簡略化してコスト低減するために、射出成形装置の材料投入口に直接材料を投入する「直接成形法」に置き換えることが考えられる。各々の材料をペレット化などせずに、混合材料として成形装置に投入できればここで述べたような問題が解決できる、と考えられるからである。しかし、ただ材料を混ぜて供給すればうまく行くわけではなく、『直接成形法』で部材を成形するためには解決が必要な問題がある。
【0020】
射出成形装置は、もともとペレット状の熱可塑性樹脂を熱溶融(可塑化とも言う)してそれを金型に注入することが基本である。多少の粉体などを添加することは可能でも、ペレットと同時に大量の粉体を供給すると、射出成形機のスクリュー内でそれらを充分攪拌、分散する機能は低く、均一な成形体が得がたい。
【0021】
前述したように、PLA樹脂成形体において、難燃性と強度のバランスを取ることが難しく、しかも高度の難燃性が求められる場合、例えばULのV-0グレードに合格するようにしようとすると、UL燃焼テストにおいては、テストピースが燃焼する際に、溶けて流れ落ちないと言うことが重要になる。
【0022】
このために、テストピースが溶けて流れ落ちることを抑制する『ドリップ防止剤』の添加が必要で、このためには溶融しない微細な粒子を添加することが効果的である。
【0023】
即ち、PLA樹脂成形体の成分としてさまざまな添加剤が必要になり、更に商品として使いものになる部材を提供するためには、難燃剤(1種類とは限らない。特に難燃性能が高いものが求められる)、難燃剤の機能を補助するドリップ防止剤、柔軟剤(ゴム成分)などが必要になるのである。実際にはこれらに加えて、柔軟剤などの添加剤がPLAとなじみやすくするための相溶化剤、PLAの分解を抑制する分解防止剤、酸化防止剤、顔料など多くの部材を加える必要がある。
【0024】
このように添加剤をバランスよく配合して所望の性能の成形体を得ようとすると、特に難燃剤とドリップ防止剤は効果の高い材料を選定する必要がある。
【0025】
特に難燃剤としてはリン濃度が高く、難燃効果の高いポリリン酸系難燃剤が有効であるが、この難燃剤は粉体であり、粉体が圧密化して凝集粒子を作り易い問題がある。袋から取り出したままでは数cmの大きな凝集体が多く含まれており、このままでは均一な混合がうまくできない。
【0026】
またドリップ防止剤としては、特に微粉末タルクが有効であることが判ってきたが、10μm以下の微粉末であり、そのままでは混合時に分離しやすく、また微粉末であるため飛散しやすく、計量、搬送などのハンドリングに難がある。
【0027】
作業者の微粉末吸引と言う衛生上の問題も危惧されていたため、20μm程度の凝集粒子にすることによって、取り扱い性や混合時の分散性を改良していた。
【0028】
そして、これらの材料は、そのまま射出成形機に直接供給しても均一な成形体ができないため、事前に充分混合攪拌する必要がある。
【0029】
しかし、通常の攪拌装置では、難燃剤の凝集体が充分解れず、均質な射出成形体を得ることができなかった。難燃剤が充分細かく解れるようにすると、今度は折角凝集体を形成していたタルクが破砕されて微粉末に戻って、材料中で分離してしまい、やはり、均質な射出成形体が製造できなかった。
【0030】
即ち、射出成形機に混合した材料を直接供給する直接供給成形において、材料を充分混ぜることができ、問題となる難燃剤の凝集体も充分にほぐすことができるが、同時に、壊れては困るタルクの凝集体は、破砕を抑制して残すことができ、その結果として成形体の中の材料が充分分散されて、その物性を満足できることが好ましい。
【0031】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、材料を均一に混合することができる混合方法、射出成形方法、混合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、前記目的を達成するために、少なくとも異なる2種類の材料を容器回転式混合装置により混合する混合方法であって、前記容器回転式混合装置の容器内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて混合することを特徴とする混合方法を提供する。
【0033】
本発明によれば、異なる2種類の材料を均一に混合することができる。
【0034】
本発明において、前記固定板の穴の寸法は、最短長さが10mm以上15mm以下、且つ、最長長さが10mm以上20mm以下であることが好ましい。
【0035】
本発明において、前記固定板の開口率は、固定板の25%以上70%以下であり、且つ、前記容器内の全表面積の3%以上15%以下であることが好ましい。
【0036】
本発明において、前記固定板は、半楕円形状であって、前記容器の対称軸に対して30°以上50°以下傾いて設けられていることが好ましい。
【0037】
本発明において、前記容器内の材料充填率を40%以上70%以下として混合することが好ましい。
【0038】
本発明において、前記少なくとも異なる2種類の材料は、難燃剤、及び、少なくとも樹脂ペレットと造核剤との何れかであることが好ましい。そして、本発明において、前記樹脂ペレットは、ポリ乳酸から成る樹脂ペレットであることが好ましい。また、本発明において、前記造核剤は、タルクであることが好ましい。
【0039】
本発明では、少なくとも2種類の材料を容器回転式混合装置により混合し、容器回転式混合装置の容器内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて混合することで、材料を均一に混合することができる。
【0040】
特に、少なくとも2種類の材料が、難燃剤、及び、少なくとも樹脂ペレットと造核剤との何れかである場合について説明すると、樹脂ペレットは直径数mm程度、造核剤はもともと直径数μmの微粉末であるが、難燃剤はもともと粉体だが輸送時に圧縮されて厚密化し粉体が固結して5mmから30mm程度の凝集粒子が数多く生成している。
【0041】
凝集した難燃剤は混合しても凝集粒子が壊れにくく、容易に均一にはならない。したがって混合した材料をこのまま射出成形機に投入しても、凝集粒子が間欠的に供給されてしまい、成形体の品質が安定しない。
【0042】
また、造核剤はもともと直径数μmの微粉末であるため、分離しやすくハンドリングが難しい。そのため射出成形機に供給されるまでは10〜20μmの凝集粒子として粒子サイズを大きく(見かけ比重も大きく)した粒子を用いて、混合性を向上させる必要がある。しかし、あまり強く混合すると、凝集体が破壊されて微粒子に戻り、分離してしまう。
【0043】
即ち、5mmから30mmの大きな凝集粒子は壊して混ぜ、直径数μmの微粉末は壊さないで混ぜることが求められる。
【0044】
そこで、本発明者は、容器回転式混合装置の容器内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて材料を混合することが良いことを見出した。
【0045】
本発明は、回転式の混合容器(以下、タンブラーともいう)内に材料の混合性を高めるための固定板を取り付けているが、その固定板の定形の穴は、凝集粒子に対してはおろし金のような(あるいはチーズカッターのような)効果により凝集粒子を少しずつ削っていくが、その他の粒子は定形の穴から容易にすり抜けるため破壊しにくいという効果がある。したがって、少なくとも2種類の材料をタンブラーにより混合し、タンブラー内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて混合することで、材料を均一に混合することができる。
【0046】
なお、タンブラー内の材料充填率を40%以上70%以下として混合することが好ましいのは、材料充填率が70%より多いと材料の移動の制限を受けて凝集してしまう材料の解砕が十分に進まず、固まりが残ってしまい、材料充填率40%未満であると空間が多すぎ、材料の固定板への衝撃が強くなり微粉末の発生が増えてしまうからである。
【0047】
本発明において、前記タンブラーでは、前記少なくとも2種類の材料を30〜100rpmで10〜30min混合することが好ましい。
【0048】
30rpm未満であると混合性が悪く、大きな凝集体を砕くことができず、『ダマ』が残る。100rpmより大きいと材料の固定板への衝撃が強くなり微粉末の発生が増えてしまう。また、10min未満であると充分混合せず、30minより大きいと、折角、わざわざ凝集させている凝集体を微粉末に戻してしまいかえって分散しにくくなる。また混合工程の時間がかかり過ぎて作業効率が落ちる。
【0049】
本発明は、前記目的を達成するために、上記記載の混合方法で混合された混合材料を、射出成形装置に供給して射出成形することが好ましい。
【0050】
本発明は、前記目的を達成するために、容器回転式混合装置の容器内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けることを特徴とする混合装置を提供する。
【0051】
本発明は、前記目的を達成するために、前記固定板の開口率は、固定板の25%以上70%以下であり、且つ、前記容器内の全表面積の3%以上15%以下であることが好ましい。
【0052】
本発明は、前記目的を達成するために、前記固定板は、半楕円形状であって、前記容器の対称軸に対して30°以上45°以下傾いて設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0053】
本発明によれば、材料を均一に混合することができる混合方法、射出成形方法、混合装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る射出成形方法を説明する説明図
【図2】本発明に係る混合装置を上面からみた説明図
【図3】本発明に係る混合装置の構成を説明する説明図
【図4】本発明の効果を示す説明図
【図5】本発明に係る定形の穴の例を示す説明図
【図6】本発明の射出成形方法に用いる射出成形装置の構成を説明する説明図
【図7】実施例の表図
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明に係る混合方法と射出成形方法について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る射出成形方法を説明する説明図である。
【0056】
本発明は、樹脂への熱履歴を減らし、樹脂の性能が劣化してしまうのを抑制するために、従来の樹脂以外の材料を混練押出機で樹脂に練り込みペレット化する工程を省略するようにしたものである。
【0057】
本発明に係る混合方法や射出成形方法では、少なくとも2種類の材料を混合する。
【0058】
図1は、材料を射出成形装置に供給する前に混合する工程として、樹脂ペレット50と造核剤52と難燃剤54を加えて混合することを示した図である。なお、本発明において、材料は、樹脂ペレット50、造核剤52、難燃剤54には限定されない。
【0059】
図1に示したように、先ず、回転式の混合装置(タンブラー)40に計量された材料を投入する。混合装置40としては、容器回転式の攪拌装置であれば特に制限はなく、本特許で求めている性能が発揮できるものであればどのようなタイプの攪拌装置も、使用することができる。
【0060】
具体的には、誠和鉄工所製のタンブラーミキサー、(株)セイワ技研のタンブラーミキサーやドラムシェーカー、(株)プラテック社のタンブラー混合機、東洋ハイテック社のドラムフープミキサー、愛知電機(株)のロッキングミキサーなどが例示できる。
【0061】
より具体的には、例えば、誠和鉄工所製のタンブラーミキサー(SKD−50)や、セイワ技研製、タンブラーミキサー(TMHS−65)が好ましく用いられる。
【0062】
そして、混合装置40で混合された混合材料は、図1においては、供給装置60に送られる。
【0063】
供給装置60では混合材料を射出成形装置10に所望の量切り出して供給する。
【0064】
ここで、ただ材料をタンブラーで混ぜて射出成形装置10に供給すればうまく行くわけではない。混合しなければならない材料は性状がさまざまで、直径10〜20μmのタルク凝集体、圧縮されて5〜30mmの硬い凝集体を形成している難燃剤、直径2mm〜4mmの樹脂ペレットなどさまざまであり、またそれに加えて、それぞれの材料は、比重も0.14(微粉末タルクの見かけ比重)から1.1(PLA樹脂の見かけ比重)と幅が広いので、これらの材料を均一に混合することは難しい。
【0065】
特に、難燃剤54、及び、少なくとも樹脂ペレット50と造核剤52との何れかである場合について説明すると、樹脂ペレットは直径2〜4mm程度、造核剤はもともと直径数μmの微粉末であるが、凝集体を作って10〜20μmの粒子にしている。難燃剤はもともと粉体だが輸送時に圧縮、厚密化し粉体が固結して5mmから30mm程度の凝集粒子が数多く生成している。
【0066】
凝集した難燃剤54は、混合しても粒子が壊れにくく、容易に均一にはならない。したがって混合した材料をこのまま射出成形装置に投入しても、凝集粒子が間欠的に供給されてしまい、成形体の品質が安定しない。
【0067】
また、造核剤52は、もともと直径数μmの微粉末であるため、分離しやすくハンドリングが難しい。そのため射出成形装置に供給されるまでは10〜20μmの凝集粒子として粒子サイズを大きく(見かけ比重も大きく)した粒子を用いて、混合性を向上させる工夫をしている。しかし、あまり強く混合すると、凝集体が破壊されて微粒子に戻り、分離してしまう。
【0068】
即ち、5mmから30mmの大きな凝集粒子は壊して混ぜ、直径10〜20μmの小さな凝集体は壊さないで混ぜることが求められる。
【0069】
そこで、本発明者は、図2に示すように、タンブラー40の内部に、定形の穴を有する固定板42、又は、メッシュからなる固定板42’を設けて材料を混合することが良いことを見出した。
【0070】
図2、図3(A)に示すように、本発明では、タンブラー40内部に材料の混合性を高めるための固定板42(42’)を取り付けている。その固定板の定形の穴、又は、メッシュは、図4(A)に示すように、大きな凝集粒子に対してはおろし金のような(あるいはチーズカッターのような)効果により凝集粒子を少しずつ削っていく。
【0071】
そして、図4(B)に示すように、その他の微小粒子については、定形の穴、又は、メッシュから容易にすり抜ける。即ち、その他の粒子、特に微細の粉体を(ハンドリングの観点から)あえて凝集粒子として供給しているタルクについては、固定板42(42’)では破壊しにくいという効果がある。
【0072】
したがって、タンブラー内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて混合することで、異なる2種類以上の材料を均一に混合することができる。
【0073】
なお、穴の形状は、図2(A)のように、穴は丸形である必要はなく、楕円形、正方形、菱形であっても良い。そして、穴は、固定板42全面に対して均一に開いていることが好ましいが、均一でなくても良い。また、穴は固定板に直接を開けても良いし、エクスパンドメタルのような材料を固定板として用いても良い。
【0074】
メッシュは通常の針金を編んだフルイのようなものも使えるが、針金同士の交わる点を溶接した、溶接カナアミが、強度や、目開きの安定性の面で好ましい。
【0075】
これらの穴やメッシュの例を図5(A)〜(D)に示す。なお、図5(A)〜(D)に記載している寸法は一例であって、これらの寸法には限らない。
【0076】
穴形状が極端に長穴になる場合には、容器の回転中に固定板に材料の重量が掛かった際に目が開いてしまう懸念があり好ましくない。その場合に固定板の厚みを厚くして強度を上げる方法もあるが、回転容器の重量が大きくなり、大きな回転動力が必要になる。
【0077】
また、容器の傾く方向によって材料の流れる向きが変わるため、あまり長穴だと材料の流れる方向によってその効果が大幅に減ずることがあるので好ましくない。穴の形状が不定形である場合も同様のことが懸念されるので好ましくない。
【0078】
したがって、穴形状は、あまりアスペクト比が大きくなく、どの方向に材料が流れても、その粉砕、分配、混合機能に差が出にくい丸穴や点対称形状もしくはそれに近い形状が好ましい。本発明において穴の最短長さは10mmから15mm、最長長さは10mmから20mmが好ましい。
【0079】
本発明において、固定板42(42’)の開口率は、固定板の25%以上70%以下であり、且つ、前記容器内の全表面積の3%以上15%以下であることが好ましい。
【0080】
そして、本発明において、固定板は、図3(B)に示すように、半楕円形状であって、タンブラーの対称軸に対して30°以上50°以下傾いて設けられていることが好ましい(図3(A)参照)。
【0081】
また、本発明において、前記タンブラー内の材料充填率を40%以上70%以下として混合することが好ましい。なお、タンブラー内の材料充填率を40%以上70%以下として混合することが好ましいのは、材料充填率が70%より多いと材料の移動の制限を受けて凝集してしまう材料の解砕が十分に進まず、固まりが残ってしまい、材料充填率40%未満であると空間が多すぎ、材料の固定板への衝撃が強くなり微粉末の発生が増えてしまうからである。
【0082】
混合条件として30〜100rpmで10〜30minが好ましい。30rpm未満であると、混合が充分に行なわれず、大きな凝集粒子の粉砕も十分にできない。100rpmより大きいとこれも容器中での材料の流動がスムーズに進まず混合不良になる。同様に混合時間が10min未満であると混合性が悪く、30minより大きいと折角凝集させている粒子を壊してしまい微粒子の分離を招くほか、混合工程の時間がかかり過ぎて作業効率が悪くなる問題を生ずる。
【0083】
次に、本発明に使用する材料等の好ましい条件について説明する。
【0084】
本発明に用いる樹脂ペレットの樹脂は、ポリ乳酸、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)などの石油系樹脂にも適用可能であるが、ポリ乳酸樹脂やセルロース系樹脂のバイオマス樹脂に適用することが好ましい。すなわち、バイオマス樹脂は、強度と難燃性の両立から多くの添加剤を加える必要があり、細かくしたい凝集体と砕きたくない凝集体を含んでいる処方で成型を行うことが多いからである。
【0085】
ポリ乳酸系樹脂は、各種のものが利用可能であり、例えば、乳酸単独重合体樹脂、乳酸共重合体樹脂が挙げられる。また、ポリ乳酸系樹脂の原料である乳酸成分も特に限定されず、例えばL−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸またはこれらの混合物、または乳酸環状2量体であるL−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、またはこれらの混合物を使用できる。
【0086】
本発明に用いるポリ乳酸系樹脂の製造方法も特に限定されず、従来公知の方法で合成した樹脂が、各種、利用可能である。乳酸単独重合体樹脂は、例えば、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸等または、これらの混合物を直接脱水縮合するか、またはL−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、または、これらの混合物等の開環重合によって得ることができる。また、乳酸共重合体樹脂は、例えば、乳酸モノマーまたはラクチドと、前記モノマーと共重合可能なほかの成分とを共重合して得ることができる。共重合可能なほかの成分としては、例えば、分子内に2個以上のエステル結合形成性の官能基をもつジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及び、これらの種々の構成成分よりなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
【0087】
また、ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量も、特に限定はないが、50,000〜500,000が好ましく、より好ましくは100,000〜250,000である。
【0088】
重量平均分子量が50,000以上であると、得られる本発明の成形品の強度がより高まるので好ましい。重量平均分子量が500,000以下であると射出成形に供する成形材料が均一になり易く、それによって得られる成形品の強度が、より高まる傾向があるので好ましい。
【0089】
セルロース系樹脂は特に限定されないが、ジアセチルセルロース(DAC)やトリアセチルセルロース(TAC)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)を好ましく使用できる。セルロース系樹脂メーカーから供給されているセルロース系樹脂の粒径は、一般的に1〜30mmの範囲で不揃いな粒状体としてユーザに供給される。
【0090】
本発明において、射出成形機に供給される成形材料の樹脂であるバイオマス樹脂の含有量は、30質量%以上含有するのが好ましく50質量%以上含有するのが更に好ましい。このような構成とすることにより、成形した繊維含有射出成形体に優れた環境性能を付与することができる。
【0091】
本発明で用いる材料として、樹脂への相溶化や分散化、ベース樹脂の加水分解防止、難燃化、可塑化するものが挙げられる。可塑剤の目的では、アジピン酸類、安息香酸類、エポキシ化脂肪酸エステル、フタル酸エステル、マレイン酸エステル、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのリン酸エステル、スルホンアミドなどが挙げられる。
【0092】
また、本発明で用いる材料として、リン酸塩や水酸化マグネシウムなどの難燃剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの顔料、ガラスファイバーなどの無機フィラーが挙げられる。無機フィラーの形状は、粒状、平板状、繊維状のどれでもよい。また、その他の成分としては、酸化防止剤、離型剤などが挙げられる。
【0093】
難燃剤は、特に限定はなく、樹脂(成形品)を難燃化するために用いられる公知の難燃剤が、各種利用可能である。一例として、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、窒素化合物系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。これらの中でも、添加量をできるだけ少なくして樹脂成形体の強度を下げないと言う観点で、難燃効果の大きいリン含有難燃剤が好ましく、特にポリリン酸系難燃剤が好ましい。
【0094】
リン含有難燃剤としては特に限定はなく、公知のものを用いることができる。例えば、リン酸エステル、リン酸縮合エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物が例示される。具体的には、リン酸エステルとしては、一例として、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル等が例示される。
【0095】
また、リン酸縮合エステルとしては、一例として、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの芳香族リン酸縮合エステル等が例示される。
【0096】
更に、リン酸、ポリリン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるポリリン酸塩を挙げることもできる。
【0097】
ポリリン酸塩の代表的な塩として、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としてはピリジン塩、トリアジン等が挙げられる。
【0098】
また、本発明においては、これらの難燃剤以外に、他の難燃剤を、必要に応じて併用してもよい。例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一錫、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイドとの複合酸化物酸、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ジルコニウム系化合物、グアニジン系化合物、フッ素系化合物、黒鉛、膨潤性黒鉛などの無機系難燃剤を用いることができる。
【0099】
本特許においては、微粒子タルクが、燃焼時のドリップ防止剤として有効なほか、PLAの結晶化を促進する造核剤としても機能することが判ったため、高価なPLA専用造核剤やその他造核剤を用いずに比較的安価で複合的な作用がある微粒子タルクを用いることが良い。もちろん、他の造核剤を併用することもできる。
【0100】
図6は本発明の射出成形方法を実施できる射出成形装置の一例を示す概略構成図である。
【0101】
図6に示すように、基本的なインライン式射出成形装置10として、先端にノズル12を有する加熱シリンダー14を備え、該加熱シリンダー14内に射出スクリュー16が配設されている。加熱シリンダー14の外周にはヒーター18が、ノズル12の対向端部には材料22を射出スクリュー16に供給するホッパー20が取り付けられている。ノズル12の対向端部で、射出スクリュー16の後端には、スクリュー16を回転させ、作動油の圧力・流量(速度)の設定値でスクリュー16を軸方向(図4において左右方向)へ前進させて射出動作をさせる油圧モータ・シリンダセット26と、射出圧力を検出するためのロードセル24とが配設されている。また、ノズル12の先端は、内部にキャビティ28を形成する固定金型30及び可動金型32のゲート34に接続されている。
【0102】
ホッパー20から投入された材料22に対して、射出スクリュー16及びヒーター18によって、材料の移送、圧縮、溶融、混練、計量動作を含む可塑化操作などが行なわれる。そして、油圧モータ・シリンダセットあるいは、電動送りネジ機構26によって移動速度が制御されながら射出スクリュー16がノズル12方向へ移動され、ノズル12から一定速度で吐出した溶融樹脂がキャビティ28内に充填され、所定の時間、設定保圧力に保持されながら冷却され成形品が成形される。
【0103】
以上、本発明の射出成形方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【0104】
[実施例]
次に本発明の射出成形方法(混合方法)を満足する実施例と満足しない比較例とで、材料の分散性がどのようになるかを試験した。
【0105】
[材料]
・ポリ乳酸樹脂ペレット…ユニチカ製 TE4000 100重量部
・ポリリン酸アンモニウム系難然剤…クラリアント社製 AP422 45重量部
・相溶化剤…伏見製薬所製 ラビトルFP110 16重量部
・可塑剤…理研ビタミン製 リケマールS74 3重量部
・加水分解防止剤…ラインケミー製 スタバクゾール1FL 4重量部
・造核剤…日本タルク製 カスタムメイド品(凝集粒子20μm) 5重量部
・酸化防止剤…チバスペシャリティケミカルズ製 イルガノックス245
0.5重量部
ドリップ防止剤…ダイキン工業製 FA500H 0.5重量部
[混合方法]
高さ450mm直径Φ430mmの円柱形状のタンブラーを用いて前記材料を混合した。
【0106】
図7の表に示す混合条件で実施例及び比較例を行った。なお、固定板の穴の形状は図5に示した何れかの形状で混合を行った。
【0107】
[試験評価]
((目視による分散性の評価))
上記実施例及び比較例で混合された材料を射出成形装置で溶融した材料を以下のテストピースにして評価を行った。UL94規格に準じた長さ127mm×幅12.7mm×厚さ1.6mmの射出成形テストピースを用いた。照度3800〜4200Lxのライトテーブル(白色光)上にテストピースを置き、透過光にて、目視観察する。評価基準は以下の通り。
【0108】
◎:添加成分の塊・ムラがなく均一(良好)である。
【0109】
〇‥添加成分の塊はないが、ムラがわずかにある。
【0110】
△‥透過光で目視観察して、添加成分の塊がわずかにある。
【0111】
×‥透過光で目視観察して、添加成分の塊がはっきりある。
【0112】
((伸びによる分散性の評価))
上記実施例及び比較例で混合された材料を射出成形装置で溶融した材料を、以下のテストピースに射出成形して評価を行った。射出成形によりJIS(K−7113準拠 1号形試験片)ダンベルを作成した。島津オートグラフAGS−Jにて掴み間隔100mm、引っ張り速度(50)mm/secにて破断するまで引っ張り、破断時の伸びをそのサンプルの伸び値として元のサンプル長さ(100mm)に対する%で表示した。
【0113】
((難燃性評価))
テストピースは、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの射出成形テストピースを用いた。UL94−Vはプラスチック部品などの燃焼性試験の基本的なもので、規定された寸法の試験片にガスバーナーの炎を当てて試験片の燃焼の程度を調べる。その等級は、難燃性が高い方から順に5VA,5VB,V−0,V−1,V−2,そしてHBがあり、V−1以上の難燃性を合格(○)とし、V−2以下の難燃性を不合格(×)とした。
【0114】
[評価結果]
以上の実験から、タンブラー内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて混合することで、材料の分散性(混合性)が良いことが分かる。
【0115】
また、固定板の開口率を固定板の25%から70%とし、かつタンブラーの全表面積の3%以上15%以下にすると、より材料の分散性(混合性)が良いことが分かる。
【0116】
更に、タンブラー内の材料充填率を40%以上70%以下として混合すると、より材料の分散性(混合性)が良いことが分かる。
【符号の説明】
【0117】
10…射出成形装置、12…ノズル、14…シリンダー、16…スクリュー、16A…ダルメージ構造、18…ヒーター、20…ホッパー、22…材料、24…ロードセル、26…油圧モータ・シリンダセット、28…キャビティ、30…固定金型、32…可動金型、34…ゲート、40…混合装置(タンブラー)、50…樹脂ペレット、52…造核剤、54…難燃剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも異なる2種類の材料を容器回転式混合装置により混合する混合方法であって、
前記容器回転式混合装置の容器内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けて混合することを特徴とする混合方法。
【請求項2】
前記固定板の穴の寸法は、最短長さが10mm以上15mm以下、且つ、最長長さが10mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の混合方法。
【請求項3】
前記固定板の開口率は、固定板の25%以上70%以下であり、且つ、前記容器内の全表面積の3%以上15%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の混合方法。
【請求項4】
前記固定板は、半楕円形状であって、前記容器の対称軸に対して30°以上50°以下傾いて設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の混合方法。
【請求項5】
前記容器内の材料充填率を40%以上70%以下として混合することを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の混合方法。
【請求項6】
前記少なくとも異なる2種類の材料は、難燃剤、及び、少なくとも樹脂ペレットと造核剤との何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1に記載の混合方法。
【請求項7】
前記樹脂ペレットは、ポリ乳酸から成る樹脂ペレットであることを特徴とする請求項6に記載の混合方法。
【請求項8】
前記造核剤は、タルクであることを特徴とする請求項6又は7に記載の混合方法。
【請求項9】
前記容器回転式混合装置では、前記少なくとも2種類の材料を30〜100rpmで10〜30min混合することを特徴とする請求項1〜8の何れか1に記載の混合方法。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか1に記載の混合方法で混合された混合材料を、射出成形装置に供給して射出成形することを特徴とする射出成形方法。
【請求項11】
容器回転式混合装置の容器内部に、定形の穴を有する固定板、又は、メッシュからなる固定板を設けることを特徴とする混合装置。
【請求項12】
前記固定板の開口率は、固定板の25%以上70%以下であり、且つ、前記容器内の全表面積の3%以上15%以下であることを特徴とする請求項11に記載の混合装置。
【請求項13】
前記固定板は、半楕円形状であって、前記容器の対称軸に対して30°以上45°以下傾いて設けられていることを特徴とする請求項11又は12に記載の混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−187767(P2012−187767A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51998(P2011−51998)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】