説明

混相の圧縮性タンタル薄膜及びそれを形成するための方法

本発明は、窒素残留ガスを用いて、混相の圧縮性タンタル薄膜(112)を形成する方法(200)を包含する。当該方法(200)は、所定のβタンタル対αタンタル比率に応じて、プラズマスパッタリング時の窒素残留ガス圧を選択すること(204)を含むことができる。当該方法(200)は、300℃未満の基材温度において実行することができる。混相の圧縮性タンタル薄膜(112)及び流体吐出デバイス(100)も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
タンタル(Ta)薄膜は、半導体及びマイクロエレクトロメカニカル(MEM)デバイスの製造に広く用いられる。例えば、半導体集積回路の製造においては、タンタルを、銅とシリコンとの間の拡散障壁として用いることができる。タンタルはまた、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスのゲート電極として用いることもできる。タンタルはまた、X線マスクにおいてX線を吸収するために用いることもできる。プリントヘッドなどのサーマルインクジェットMEMデバイスでは、抵抗及び他の基材層上の保護被膜としてタンタルを用いて、インク泡の崩壊に起因するキャビテーションによる損傷から下層を保護する。
【0003】
圧縮応力のかかった状態ではαタンタル層を安定化させることができていないため、サーマルインクジェットデバイスの製造には通常βタンタルが用いられる。タンタル層は従来から、β相、即ち「βタンタル」として知られる、準安定な正方晶相のタンタルから構成される。βタンタルは、1)成長チャンバ内におけるガス不純物の存在、及び2)基材上にあるその下層の材料の種類、に起因して成長中に生じる。この従来の初期のβタンタル層は脆弱であり、温度が上昇すると不安定になる。300℃よりも高い温度では、βタンタルは体心立方(bcc)のα相、即ち「αタンタル」へと変わる。インク発射時に課せられる熱機械的な条件によって、初期の準安定なβタンタルはαタンタルへと変化する。αタンタルは、タンタルのバルク平衡相、即ち安定相である。引張応力下の薄膜は、基材から剥離したり、膨れ上がったり、離層したりして、プリントヘッドの耐用年数が制限されるため、圧縮性の薄膜をサーマルインクジェットプリントヘッド又は他の流体吐出デバイス上に形成することが不可欠である。
【0004】
これらの理由及び他の理由から、当分野において本発明が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
混相の圧縮性タンタル薄膜を形成するための方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
当該方法には、所定のβタンタル対αタンタル比率に応じて、プラズマスパッタリング時の窒素残留ガスの圧力を選択することにより、αタンタルに対して所定の比率のβタンタルを有する圧縮性の混相タンタル薄膜を形成することが包含される。
【0007】
本発明のさらに別の特徴及び利点は、本発明の特徴を例示する添付の図面並びに以下に記載する詳細な説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付の図面は、本発明を実施するための例示的な実施形態を図示している。それらの図面の種々の図又は実施形態において、類似の符号は類似の部品を示す。
【0009】
本発明には、窒素残留ガスを用いて、混相の圧縮性タンタル薄膜を形成する方法が含まれる。混相の圧縮性タンタル薄膜及びサーマルインクジェットプリントヘッドもまた開示する。以下、図面記載の例示的な実施形態を参照するが、それを説明するために、本明細書では特定の用語を用いることとする。とはいえ、それによって本発明の範囲を限定する意のないことは理解されたい。当業者及び本開示を手にする者であれば思い浮かぶような、本明細書に記載の本発明の特徴の変更及びさらなる改良、並びに本明細書に記載するような本発明の原理のさらに他の応用形態は、本発明の範囲内にあると見なされるべきである。
【0010】
サーマルインクジェット(TIJ)プリントヘッドは、通常、インクを加熱し且つプリントヘッドからインクを吐出するために用いられる電気的な機構を提供するための、導電層及び抵抗層を備えるシリコン基材を含む。抵抗層は、気化し泡を生成するまでインクを加熱するために用いられる。インク蒸気が膨張することにより泡が形成され、その泡によって、プリントヘッドから、インクが1つのドット、即ち画素として、目標物、通常は、紙上に、インク滴として吐出される。本明細書において用いられるとき、用語「発射する」とは、インクを加熱し、インクをインク滴として吐出し、インク蒸気泡が崩壊する、全ての工程を意味する。用語「サーマルインクジェットプリントヘッド」、「プリントヘッド基材」及び「プリントヘッド」は、本明細書では同義語として用いることができる。
【0011】
従来のTIJプリントヘッドに関連する問題としては、インク滴の発射時及び発射後に生じる高い熱機械的な応力によって起こる故障、インク泡の崩壊によって生じる機械的な衝撃(キャビテーション)並びにインクの腐食性が挙げられる。これらの理由から、プリントヘッドの寿命を延ばすために、プリントヘッドを形成する抵抗層及び他の層の上に、通常は保護層が配置される。用語「抵抗」、「抵抗素子」及び「抵抗層」は、本明細書では同義語として用いることができる。
【0012】
プリントヘッド基材上の抵抗素子は、通常、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)及びタンタルからなる保護層で被覆されている。窒化ケイ素は、セラミック材料であり、抵抗が電気的に短絡するのを防ぐ電気絶縁体である。炭化ケイ素は、硬質の半導体材料であり、構造的には非晶質である。炭化ケイ素は、インクがプリントヘッドにしみ込み、その下層に達するのを防ぐために用いられ、機械的な堅牢性をもたらす。タンタルは、インクの吐出によって生じる熱機械性の応力に耐えるための良好な機械的強度を有する。さらに、タンタルは、高温において化学的に不活性であり、インクによって引き起こされる腐食を最小限に抑える。
【0013】
図1は、混相のタンタル薄膜を含む流体吐出デバイス100の断面図である。流体吐出デバイス100は、バルク基材102、キャッピング層104、抵抗素子106、窒化ケイ素層108、炭化ケイ素層110、及び混相タンタル層112を含むことができる。バルク基材102は、シリコン若しくは任意の他の適切な半導体、又は非導電性材料から形成することができる。キャッピング層104は、種々の異なる材料、例えば、限定はしないが、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、フィールド酸化物、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素から形成することができる。TEOSは、半導体集積回路(IC)業界において一般的に用いられる、酸化ケイ素の1つの形態である。キャッピング層104の代わりに、先に記載した例示的な種々のキャッピング材料を積層して構成される多層構造を用いることもできる。
【0014】
導電性材料(明瞭にするために図示せず)並びに抵抗性材料、例えば抵抗素子106から成る種々の層を、バルク基材102又はキャッピング層104の表面上に形成して、当業者に既知の機能的な態様のTIJプリントヘッドを実施することができる。抵抗素子106は、タンタル−アルミニウム(TaAl)合金又は任意の他の適切な耐火性の抵抗性材料のような耐火性材料から形成することができる。混相のタンタル層112は、約100オングストローム(Å)〜約10,000Åの範囲の厚みを有することができる。
【0015】
窒化ケイ素層108及び炭化ケイ素層110を含んで成るパッシベーションコーティングを、抵抗素子106上に配置することができる。窒化ケイ素108は、セラミック材料であり、電気絶縁体である。窒化ケイ素層108を用いることで、抵抗素子106が電気的に短絡するのを防ぐことができる。窒化ケイ素層108の厚みは、約100Å〜約10,000Åの範囲にすることができる。炭化ケイ素110は、セラミック材料である。炭化ケイ素層110を用いることで、インクがTIJプリントヘッドにしみ込み、その下層の導電素子(図示せず)及び/又は抵抗素子106に達するのを防ぐことができる。さらに、炭化ケイ素層110は、TIJプリントヘッドに機械的な堅牢性を与える。炭化ケイ素層110の厚みは、約100Å〜約10,000Åの範囲にすることができる。流体吐出デバイス100は、熱成長酸化物又は二酸化ケイ素(SiO)のような他の層(図示せず)を含むこともできる。
【0016】
本発明と共に用いるのに適したサーマルインクジェットプリントヘッドの構造及び製造工程の例は、同一出願人による米国特許第4,719,477号、第5,317,346号及び第6,162,589号、並びに係属中の「Plurality of Barrier Layers」と題された代理人整理番号第10012068−1号(特許出願第10/210,561号)の特許出願及び「Firing Chamber Geometry for Inkjet Printhead」と題された代理人整理番号第10003319−1号(特許出願第09/804,905号)の特許出願に開示されており、それらはいずれも、参照することで本明細書に取り入れることとする。
【0017】
図2は、本発明による混相タンタル薄膜を形成する方法200のフローチャートである。方法200は、混相タンタル薄膜を受容するための基材を設けること202を含むことができる。方法200はさらに、αタンタルに対するβタンタルの所定の比率に対応して、プラズマスパッタリング時の残留窒素ガスの圧力を選択すること204を含むことができる。αタンタルに対するβタンタルの所定の比率は、本発明と矛盾することなく、約0.001〜約1,000の範囲とし得る。基材上において高度に配向した成長構造を考えると、αタンタルに対するβタンタルの所定の比率は以下の式によって測定することができる。
【0018】
【数2】

【0019】
式中、I(βTa002)及びI(αTa110)はそれぞれ、βタンタル及びαタンタルに関するX線回折顕微鏡写真における反射の積分強度である。窒素残留ガス圧は、約10−8mTorrから最高約30mTorrまで変更することができる。本明細書において用いるとき、用語「窒素残留ガス圧」は、窒素の非常に小さな分圧を指す。
【0020】
窒素残留ガスは、不活性スパッタリングガス、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン及びラドンのガス流と共に導入するか、又はそれらのガス流に混合することができる。アルゴンはおそらく、スパッタ付着工程において最も一般的に用いられる不活性ガスである。プラズマスパッタリングにおいて不活性ガスを用いることは、当業者には既知であり、それゆえ、本明細書においてこれ以上は詳述しないこととする。本明細書で説明するような少ない窒素ガス流の混合は、操作者が約10−8Torr程度の小さな増分で窒素の残留圧を調節することを可能にする個別のマスフローコントローラ装置を用いて制御することができる。
【0021】
αタンタル薄膜を形成するいくつかの方法では、スパッタリング時に基材を少なくとも300℃まで加熱することが必要となる場合がある。基材温度、流量、プラズマ組成及びプラズマエネルギーを制御することにより、隣接する原子表面温度に影響を与えることができる。本明細書において用いられる用語「基材温度」は、付加的な薄膜、例えば窒化ケイ素及び/又は炭化ケイ素のようなパッシベーション層が適用されているか、又は適用されていないバルク基材に関していう。本発明の方法200によれば、スパッタリング時に基材の温度を高める必要はない。例えば、本発明によれば、300℃未満の基材温度においてスパッタリングする際にも、混相の圧縮性タンタル薄膜を形成することができる。
【0022】
図3を参照すると、プラズマスパッタリング時に窒素残留ガスの圧力を選択すること204はさらに、約10−8mTorr〜約30mTorrの範囲にて窒素残留ガス圧を選択すること302を含むことができる。窒素残留ガスの圧力を選択すること204は、任意選択的に、プラズマスパッタリング時に基材温度を300℃未満に保持すること304、及び、上記のように、βタンタル及びαタンタルに関するX線顕微鏡写真における反射の積分強度比を計算することにより、αタンタルに対するβタンタルの所定の比率を測定すること306、を含むことができる。
【0023】
さらに、タンタル薄膜を形成するいくつかの方法は、圧縮性タンタル薄膜をもたらさない。先述したように、タンタル薄膜がウェーハに確実に接着するために、即ちウェーハから剥離しないようにするためには、圧縮性のタンタル薄膜を形成することが不可欠である。本発明の態様による圧縮性の混相タンタル薄膜を形成する例を、図2、図3及び表1、表2を参照しつつ以下に説明する。
【0024】
所定の比率のα相及びβ相のタンタルから構成される、圧縮応力のかかるタンタル薄膜を形成するために、タンタル薄膜の成長に関する一連の試験を実施した。それらの試験によって、スパッタ付着工程時のプラズマ内の窒素残留ガス圧力を調整することによって、これらの相の比率を制御し得ることが示された。試験時、各ウェーハに関しては、2重のパッシベーションコーティングを施したシリコンウェーハ基材上にタンタルを約3,000Åの厚みにて付着させた。2重のパッシベーションコーティングは、厚さ約2,400Åの窒化ケイ素層と、厚さ約1,200Åの炭化ケイ素層とから構成した。タンタルを付着させる前に、各基材のウェーハの湾曲を測定し、薄膜応力を判定した。タンタルは、以下の表1記載のパラメータに従ってスパッタ付着した。
【0025】
【表1】

【0026】
さらに、基材のプレスパッタクリーニング時にステンレス鋼基材ホルダのエッジからスパッタリングされた粒子によって一連の基材が汚染されないようにするために、次いで、厚さ約2,000Åの金の薄層をタンタル上にスパッタ付着させた。金層をウェットエッチングして金を完全に除去し、そして基材の湾曲を測定してタンタル層の応力を測定した。
【0027】
表1は、種々のβタンタル対αタンタル比率を有するタンタル薄膜の応力を、窒素流量の関数として示している。所与の窒素ガス分圧において、基材に−1〜−300Vのバイアス電圧をかけることにより、タンタル薄膜応力を変化させることができる。一般的に、負電圧バイアスを大きくすると、圧縮応力が高くなる。表1の第2列に示すように、窒素の分圧は、ウェーハ1の場合の<10−6mTorrから、ウェーハ13の場合の0.11mTorrにまで変化する。第3列は、各ウェーハに関する測定応力(MPa単位)に対応するデータを示している。第4〜6列は、窒素流量(SCCM単位、即ち立方センチメートル/分の速度で表した場合の、大気圧における標準ガスの流量)、アルゴン圧(mTorr単位)、アルゴン流量(SCCM単位)及びプラズマ電力(kW)を含む付加的な処理パラメータを提示している。
【0028】
以下の表2に、表1記載の13枚のウェーハに関するX線回折測定値を示す。第2列は、[002]方向に沿ったβタンタルの格子間隔をÅ単位で示している。第3列は、[110]方向に沿ったαタンタルの格子間隔をÅ単位で示している。第4列は、X線回折反射の積分強度から算出した、αタンタルに対するβタンタルの濃度比を示している。第5列は、βタンタル粒径をÅ単位で示している。第6列は、βタンタルのロッキングカーブを角度単位で示している。ロッキングカーブ幅は、種々の角度におけるβタンタル柱状粒子の配向分布の目安を与える。βタンタルのロッキングカーブは、ピークの半値全幅(FWHM)にて測定される。
【0029】
αタンタルに対するβタンタルの比率は、抵抗率測定のような、当業者に既知の他の技法を用いて測定することもできる。抵抗率測定は、βタンタルの抵抗率がαタンタルの抵抗率よりも約7倍大きいという事実に基づくものである。しかしながら、不純物によって、タンタルの相構造に影響が及ぼされることなく、抵抗率データが大きく変化してしまう可能性がある。したがって、本明細書に記載するX線回折技法が、αタンタルに対するβタンタルの比率のより正確な目安である。
【0030】
【表2】

【0031】
表2に示すように、当該試験におけるαタンタルに対するβタンタルの比率は、約1.1〜約151であった。しかしながら、本発明の方法200によれば、αタンタルに対するβタンタルの比率は、約0.001〜約1,000の範囲とし得る。
【0032】
図4は、本発明による表1及び表2記載のデータに対応する混相比率のβタンタルとαタンタルとを有する例示的なウェーハに関するX線回折測定を示すグラフである。反射強度ピークによって示されるように、炭化ケイ素基材上でのタンタルスパッタリング付着時の窒素残留ガス分圧を高くするにしたがって、βタンタルはαタンタルへと徐々に移行する。図4は、各々の試験ウェーハ上において成長させた、一連の厚さ3,000Åのタンタル薄膜に関するX線回折走査を示している。各々の試験ウェーハについての窒素分圧を、各グラフの右側に示す。図4記載の矢印は、それぞれβ相及びα相タンタルの(002)面及び(110)面からのピーク反射を指している。窒素の残留圧を約0.11mTorrまで変化させて示したが、本発明はそれには限定されない。本発明によれば、窒素残留ガス圧は、約10−8mTorr〜約30mTorrまで変化させることができる。本発明によれば、αタンタルに対するβタンタルの比率は、約0.001〜約1,000の範囲とし得る。
【0033】
本発明の混相の圧縮性タンタル薄膜は、任意の適切な基材に適用し得る。説明の便宜上、1つの例示的な実施形態として、サーマルインクジェットプリントヘッドに関し説明した。しかしながら、本発明の混相の圧縮性タンタル薄膜は、本明細書に開示する例示的な実施形態には限定されない。これまでに参照した構成は、本発明の原理の応用形態を例示するものにすぎないことを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の変更及び代替の構成を考案することができる。例示的な実施形態に関して本発明を図示、説明してきたが、特許請求の範囲に記載しているような本発明の原理及び概念から逸脱することなく、多数の変更を実施し得ることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態による、混相タンタル薄膜を含む流体吐出デバイスの断面図
【図2】本発明の一実施形態による、混相タンタル薄膜を形成する方法のフローチャート
【図3】本発明の一実施形態による、混相タンタル薄膜を形成する方法のフローチャート
【図4】本発明の一実施形態による、混相比率のβタンタル及びαタンタルを有する例示的なウェーハに関するX線回折測定を示すグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
αタンタルに対して所定の比率のβタンタルを有する圧縮性の混相タンタル薄膜を形成する方法200であって、αタンタルに対するβタンタルの前記所定の比率に応じて、プラズマスパッタリング時の窒素残留ガス圧を選択すること204を包含する、方法200。
【請求項2】
αタンタルに対するβタンタルの前記所定の比率が、約0.001〜約1,000の範囲である、請求項1に記載の方法200。
【請求項3】
αタンタルに対するβタンタルの前記所定の比率が、以下の式によって測定される、請求項1に記載の方法200。
【数1】


式中、I(βTa002)及びI(αTa110)はそれぞれ、βタンタル及びαタンタルに関するX線回折グラフの反射の積分強度である。
【請求項4】
前記窒素残留ガスの圧力を選択すること204が、約10−8mTorr〜約30mTorrまでの窒素圧を選択すること302を包含する、請求項1に記載の方法200。
【請求項5】
αタンタルに対してβタンタルを所定の比率にて有する混相の圧縮性タンタル薄膜112であって、αタンタルに対するβタンタルの前記所定の比率に応じて、プラズマスパッタリング時の窒素残留ガスの少なくとも1つの圧力を選択することによって形成される、混相の圧縮性タンタル薄膜112。
【請求項6】
αタンタルに対するβタンタルの前記所定の比率が、約0.001〜約1,000の範囲である、請求項5に記載の混相の圧縮性タンタル薄膜112。
【請求項7】
絶縁性セラミック材料108と、
前記絶縁性セラミック材料108に接触している第2のセラミック材料110と、
前記第2のセラミック材料110上に付着している圧縮性タンタル層112と、
を含んで成り、前記圧縮性タンタル層112が、αタンタルに対してβタンタルを所定の比率にて含む、流体吐出デバイス100。
【請求項8】
前記絶縁性セラミック材料108が、窒化ケイ素(SiN)を含む、請求項7に記載の流体吐出デバイス100。
【請求項9】
前記第2のセラミック材料110が、炭化ケイ素(SiC)を含む、請求項7に記載の流体吐出デバイス100。
【請求項10】
αタンタルに対するβタンタルの前記所定の比率が、約0.001〜約1,000の範囲である、請求項7に記載の流体吐出デバイス100。
【請求項11】
前記流体吐出デバイス100が、サーマルインクジェットプリントヘッドを含む、請求項7に記載の流体吐出デバイス100。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−517614(P2006−517614A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501130(P2006−501130)
【出願日】平成16年2月3日(2004.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/003150
【国際公開番号】WO2004/073026
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】