説明

渋滞検知システム及び渋滞検知方法、移動無線信号送受信装置、固定無線信号送受信装置、渋滞検知装置ならびにそのプログラム、記録媒体

【課題】 設置費用を軽減でき、また容易に渋滞検知のシステムを設置することができる渋滞検知システムを提供する。
【解決手段】 複数の地表無線タグ2が設置された移動経路において、車載無線リーダ1が移動経路を移動する際の、移動経路の地表無線タグ2における渋滞を検知する際に、渋滞検知サーバ3が2つの地表無線タグ2の間における基準速度の情報を保持し、2つの地表無線タグ2それぞれから車載無線リーダ1が無線信号を受信する間の経過時間と、2つの地表無線タグ2の間の距離とに基づいて、当該2つの地表無線タグ2の間における車載無線リーダ1の移動速度を算出する。そして渋滞検知サーバ3は、算出した移動速度と基準速度との比較に基づいて渋滞を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動対象物が移動系路上を移動する際の当該移動経路の渋滞を検知する、渋滞検知システム及び渋滞検知方法、移動無線信号送受信装置、固定無線信号送受信装置、渋滞検知装置ならびにそのプログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、道路の交通渋滞を検出する為にVICS等の技術が開発されており、道路上に設置されている電光掲示板により交通渋滞の情報(例えば2地点間の所要時間)を表示している。なお、VICSの技術として非特許文献1が公開されている。
【非特許文献1】“VICS”、「onlien」、財団法人道路交通情報通信システムセンター、「平成16年10月14日検索」、インターネット<URL:http://www.vics.or.jp/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のVICSなどの技術は、装置の道路への設置などに多くの費用がかかるので、現状では幹線道路などに設置されているだけであり、僻地などの様々な場所への設置が困難となっている。
【0004】
そこでこの発明は、設置費用を軽減でき、また容易に渋滞検知のシステムを設置することができる渋滞検知システム及び渋滞検知方法と、そのシステムにおける移動無線信号送受信装置、固定無線信号送受信装置、渋滞検知装置ならびにそのプログラム、記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、移動対象物に取り付けられた移動無線信号送受信装置と、前記移動対象物の移動経路の複数の地点それぞれに固定的に取り付けられた固定無線信号送受信装置と、前記移動対象物の前記移動経路の移動により当該移動対象物が通過する2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する渋滞検知装置と、を有する渋滞検知システムであって、前記移動無線信号送受信装置が、無線信号を送信する無線信号送信手段と、前記固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信する無線信号受信手段と、前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録する識別情報記録手段と、前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、次に通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測する経過時間計測手段と、前記次に通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう渋滞検知用情報通知手段とを備え、前記固定無線信号送受信装置が、前記移動無線信号送受信装置へ無線信号を送信する無線信号送信手段と、自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう識別情報通知手段と、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる識別情報および経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する渋滞検知用情報送信手段とを備え、前記渋滞検知装置は、前記渋滞検知用情報に基づいて、前記2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する渋滞検知手段を備えることを特徴とする渋滞検知システムである。
【0006】
また本発明は、前記固定無線信号送受信装置の渋滞検知用情報送信手段は、前記渋滞検知用情報を隣り合う一方の固定無線信号送受信装置より受付け、前記一方の固定無線信号送受信装置より受信した前記渋滞検知用情報を、隣り合う他方の固定無線信号送受信装置へ転送することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記渋滞検知装置が、前記2つの固定無線信号送受信装置の間における基準速度の情報を保持した基準速度情報記憶手段と、前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離の情報を保持した距離記憶手段と、を備え、前記渋滞検知手段は、前記渋滞検知用情報に含まれる経過時間と前記距離記憶手段に保持される前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離とに基づいて当該2つの固定無線信号送受信装置の間における前記移動無線信号送受信装置の移動速度を算出し、前記算出した移動速度と、前記基準速度情報記憶手段に記録されている基準速度との比較に基づいて渋滞を検知することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記渋滞検知装置が、前記2つの固定無線信号送受信装置の間における基準移動時間の情報を保持した基準移動時間記憶手段を備え、前記渋滞検知手段が、前記渋滞検知用情報に含まれる経過時間と、前記基準移動時間記憶手段に記録されている基準移動時間との比較に基づいて渋滞を検知することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記固定無線信号受信装置が、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積する経過時間蓄積手段と、前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出する平均時間算出手段と、を備え、前記渋滞検知用情報送信手段は、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、移動対象物に取り付けられた移動無線信号送受信装置と、前記移動対象物の移動経路の複数の地点それぞれに固定的に取り付けられた固定無線信号送受信装置と、前記移動対象物の前記移動経路の移動により当該移動対象物が通過する2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する渋滞検知装置と、を有する渋滞検知システムの渋滞検知方法であって、前記固定無線信号送受信装置の識別情報通知手段が、自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行ない、前記固定無線信号送受信装置の無線信号送信手段が、前記移動無線信号送受信装置へ前記自装置の識別情報を含む無線信号を送信し、前記移動無線信号送受信装置の無線信号受信手段が、前記固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信し、前記移動無線信号送受信装置の識別情報記録手段が、前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録し、前記移動無線信号送受信装置の経過時間計測手段が、前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、今回通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測し、前記移動無線信号送受信装置の渋滞検知用情報通知手段が、前記今回通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行ない、前記固定無線信号送受信装置の渋滞検知用情報送信手段が、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる識別情報および経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信し、前記渋滞検知装置の渋滞検知手段は、前記渋滞検知用情報に基づいて、前記2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知することを特徴とする渋滞検知方法である。
【0011】
また本発明は、上記渋滞検知方法において、前記固定無線信号受信装置の経過時間蓄積手段が、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積し、前記固定無線信号受信装置の平均時間算出手段が、前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出し、前記固定無線信号受信装置の前記渋滞検知用情報送信手段は、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、無線信号を送信する無線信号送信手段と、固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信する無線信号受信手段と、前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録する識別情報記録手段と、前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、次に通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測する経過時間計測手段と、前記次に通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう渋滞検知用情報通知手段と、を備えることを特徴とする移動無線信号送受信装置である。
【0013】
また本発明は、移動無線信号送受信装置へ無線信号を送信する無線信号送信手段と、自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう識別情報通知手段と、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報および前記経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する渋滞検知用情報送信手段と、を備えることを特徴とする固定無線信号送受信装置である。
【0014】
また本発明は、上記固定無線信号送受信装置が、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積する経過時間蓄積手段と、前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出する平均時間算出手段と、を備え、前記渋滞検知用情報送信手段は、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、複数の固定無線信号送受信装置が設置された移動経路において、移動無線信号送受信装置が移動経路を移動する際の、前記移動経路の固定無線信号送受信装置間における渋滞を検知する渋滞検知装置であって、2つの固定無線信号送受信装置の間における基準速度の情報を保持した基準速度情報記憶手段と、前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離の情報を保持した距離記憶手段と、前記2つの固定無線信号送受信装置それぞれから前記移動無線信号送受信装置が無線信号を受信する間の経過時間と、前記距離記憶手段に保持される前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離とに基づいて、当該2つの固定無線信号送受信装置の間における前記移動無線信号送受信装置の移動速度を算出する移動速度算出手段と、前記算出した移動速度と、前記基準速度情報記憶手段に記録されている基準速度との比較に基づいて渋滞を検知する渋滞検知手段と、を備えることを特徴とする渋滞検知装置である。
【0016】
また本発明は、移動無線信号送受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、無線信号を送信する無線信号送信処理と、固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信する無線信号受信処理と、前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録する識別情報記録処理と、前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、次に通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測する経過時間計測処理と、前記次に通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を行なう渋滞検知用情報通知処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0017】
また本発明は、固定無線信号送受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、移動無線信号送受信装置へ無線信号を送信する無線信号送信処理と、自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を行なう識別情報通知処理と、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報および前記経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する渋滞検知用情報送信処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0018】
また本発明は、上記処理に加え、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積する経過時間蓄積処理と、前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出する平均時間算出処理と、を実行し、前記渋滞検知用情報送信処理において、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0019】
また本発明は、複数の固定無線信号送受信装置が設置された移動経路において、移動無線信号送受信装置が移動経路を移動する際の、前記移動経路の固定無線信号送受信装置間における渋滞を検知する渋滞検知装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記2つの固定無線信号送受信装置それぞれから前記移動無線信号送受信装置が無線信号を受信する間の経過時間と、前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離とに基づいて、当該2つの固定無線信号送受信装置の間における前記移動無線信号送受信装置の移動速度を算出する移動速度算出処理と、前記算出した移動速度と、2つの前記固定無線信号送受信装置の間における基準速度との比較に基づいて渋滞を検知する渋滞検知処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0020】
また本発明は、上述のプログラムのうち、いずれかの1つまたは複数のプログラムを記録する記録媒体である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車などの移動対象物に移動無線信号送受信装置を設置し、また道路上に固定無線信号送受信装置を設置すれば、2つの固定無線信号送受信装置の間の渋滞を容易に検知することができる。また、固定無線信号送受信装置を移動経路上に設置するだけで様々な場所の渋滞を検知することができるので、渋滞検知システムとしての拡張性が高まる。また移動無線信号送受信装置や固定無線信号送受信装置の機能構成がRFIDの機能などによって無線信号を送受信するだけの簡単な構成で製造できるので、設置コストも軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態による渋滞検知システムを図面を参照して説明する。図1は本実施形態による渋滞検知システムの構成を示す図である。この図において、符号1は車(移動対象物)に設置された車載無線リーダ(移動無線信号送受信装置)である。また2は道路上に設置された地表無線タグ(固定無線信号送受信装置)である。また3は渋滞検知サーバ(渋滞検知装置)である。また4はデータ転送装置である。そして、車載無線リーダ1と地表無線タグ2とは無線信号により情報の送受信を行なう。また地表無線タグ2は車の移動経路である道路上に複数設置されており、それぞれの地表無線タグ2は、車載無線リーダ1から受信した情報を、移動経路上に隣接して設置されている他の地表無線タグ2の決められた一方に、定期的または渋滞検地サーバ3からの要求に応じて無線または有線のいずれかの手段を用いて送信すると共に、他方の地表無線タグ2から受信した情報を前記一方の地表無線タグ2に転送する処理を行なう。つまり渋滞検知システムは、情報が各地表無線タグ2を経由して一方向に送信される通信ネットワークを形成している。そして、その通信ネットワークの終端に渋滞検知サーバ3が接続されており、それぞれの地表無線タグ2を経由して一方向に送信された情報は当該渋滞検知サーバ3が受信して蓄積する。なお、地表無線タグ2が前記一方の他の地表無線タグ2へ無線により情報を送信している場合には、その無線信号を有線の通信ネットワーク上で送信する情報に変換して転送するデータ転送装置4が備えられ、当該データ転送装置4が地表無線タグ2を経由して送信された情報を渋滞検知サーバ3に送信する。また地表無線タグ2が有線により情報を送信している場合には、直接渋滞検知サーバ3に送信するようにしてもよい。但し、互いの通信における車載無線リーダ1と地表無線タグ2の役割が逆になってもよい。つまり移動無線信号送受信装置が車載無線タグであり、固定無線信号送受信装置が地表無線リーダであってもよい。
【0023】
図2は車載無線リーダの機能ブロック図である。
図2より、車載無線リーダ1は、メモリ11、CPU12(識別情報要求通知手段、識別情報記録手段、経過時間計測手段、渋滞検知用情報通知手段)、時間をカウントするクロック処理部13、無線信号による情報の送受信を行なう無線送受信部14(無線信号送信手段、無線信号受信手段)、電源15を備えている。CPU12は、メモリ11に記録されているプログラムを読み込むことによって、地表無線タグ2に当該タグのID(識別情報)を送信するよう要求する無線信号を無線送受信部14に送信する指示を行なう処理や、無線送受信部14で受信した無線信号に含まれる情報を読み取ってメモリ11に記録する処理や、クロック処理部13のカウントする時間に基づいて、車の移動中に、地表無線タグ2から無線信号を受信した時刻から次に通過した地表無線タグ2から無線信号を受信する時刻までの時間を計測する処理などの、後述する処理を行なう。なお電源15は車載無線リーダ1が備えず、外部から電源供給を受ける構成であってもよい。
【0024】
図3は地表無線タグの機能ブロック図である。
図3より、地表無線タグ2において、符号21はメモリ(経過時間蓄積手段)、22はCPU(識別情報通知手段、平均時間算出手段、渋滞検知用情報送信手段)、23はバッテリである。また24は車載無線リーダ1と無線信号により情報を送受信する無線送受信部(無線信号送信手段)である。この無線送受信部24は、例えば、RFIDタグの機能によって無線信号を発信するものであり、内蔵されたループアンテナ等のアンテナと、IC(集積回路)とから構成されている。この場合、車載無線リーダ1が送信する無線信号の電波によってループアンテナに誘導された誘導電磁界を用いて当該無線送受信部24からメモリ21に記録された情報が送信される。25は道路上に設置されている他の地表無線タグ2との情報の送受信を行なう情報転送処理部である。ここで情報転送処理部25は無線信号により情報を送受信するような構成でも、各地表無線タグ2を物理的に接続する通信ネットワークによって情報を送受信するような構成でもよい。また情報転送処理部25は情報を渋滞検知サーバ3へ送信する場合には、直接渋滞検知サーバ3へ接続された通信ネットワークを介して送信するようにしてもよい。そして地表無線タグ2のCPU22はメモリに記録されているプログラムを読み込むことによって、車載無線リーダ1へ情報をタグIDを無線信号により送信する指示や、車載無線リーダ1から受信した情報を隣り合う他の地表無線タグ2へ送信する指示などの後述する処理を行なう。また26は各種情報を記憶するデータベースである。
【0025】
図4は渋滞検知サーバの機能ブロック図である。
図4より、渋滞検知サーバ3において、符号31は通信ネットワークを介して情報を受信する通信処理部、32は受信した情報や各種データを記憶するデータベース、33は情報を表示するモニタ、34はCPU(渋滞検知手段)である。CPU34はプログラムを読み込むことで、地表無線タグ2の間の距離をデータベース32から読み取る処理や、車の速度を計算する処理や、2つの地表無線タグ2の間における道路の渋滞を検知する処理などの後述の各処理を行なう。
【0026】
図5は地表無線タグが記憶する経過時間テーブルを示す図である。
図5に示すような経過時間テーブルをそれぞれの地表無線タグ2がメモリ21に記憶している。そしてこの経過時間テーブルは、車に設置された車載無線リーダ1が、道路上において進行方向と反対側に隣り合うそれぞれの他の地表無線タグ2からの無線信号を受信してから当該経過時間テーブルを保持している地表無線タグ2からの無線信号を受信するまでの経過時間を記憶している。ここで図5で示す経過時間テーブルを保持する地表無線タグ2は複数の道路が合流する地点などに設置されている。つまり図5で示す経過時間テーブルを保持する地表無線タグ2は、例えば道路X、Y・・・Zが進行方向で合流する該合流地点に設置されており、道路X上において進行方向とは反対側の隣り合う地表無線タグxからの経過時間と、道路Y上において進行方向とは反対側の隣り合う地表無線タグyからの経過時間と、・・・道路Z上において進行方向とは反対側の隣り合う地表無線タグzからの経過時間とを保持している。
【0027】
図6は渋滞検知サーバがデータベースで保持する距離テーブルを示す図である。
ここで、上記合流地点に設置された地表無線タグ2のタグIDを「aaaaaaaaaa」、タグIDが「aaaaaaaaaa」である地表無線タグ2とは上記道路X上の進行方向と反対側で隣り合う地表無線タグ2のタグIDを「xxxxxxxxxx」、タグIDが「aaaaaaaaaa」である地表無線タグ2とは上記道路Y上において進行方向と反対側で隣り合う地表無線タグ2のタグIDを「yyyyyyyyyy」、タグIDが「aaaaaaaaaa」である地表無線タグ2とは上記道路Z上において進行方向は反対側で隣り合う地表無線タグ2のタグIDを「zzzzzzzzzz」とする。すると図6で示すように距離テーブルは、タグID「xxxxxxxxxx」の地表無線タグ2からタグID「aaaaaaaaaa」の地表無線タグ2までの距離、タグID「yyyyyyyyyy」の地表無線タグ2からタグID「aaaaaaaaaa」の地表無線タグ2までの距離、・・・タグID「zzzzzzzzzz」の地表無線タグ2からタグID「aaaaaaaaaa」の地表無線タグ2までの距離を予め記憶している。つまり、渋滞検知サーバ3は、道路上において隣り合う2つの地表無線タグ2の距離(進行方向にむかって前方の地表無線タグと進行方向に向かって後方の地表無線タグの、隣り合う2つの地表無線タグ2の距離)を示す各距離テーブルをデータベース26で保持している。
【0028】
図7は車載無線リーダと地表無線タグの間の無線信号の送受信の処理フローを示す図である。次に図7を用いて車載無線リーダと地表無線タグの間の無線信号の送受信の処理フローについて説明する。
車載無線リーダ1は車の移動に伴って道路に設置された各地表無線タグ2を通過するが、このフローにおいて、先に通過する地表無線タグ2のタグIDを「xxxxxxxxxx」、次に通過する地表無線タグ2のタグIDを「aaaaaaaaaa」とする。また車載無線リーダ1はタグID「xxxxxxxxxx」の地表無線タグ2を通過する前に、進行方向の後方で既に他の地表無線タグ2を通過しているものとし、その地表無線タグ2のタグIDをメモリ11のタグID記憶領域に記憶し、またその地表無線タグ2から無線信号を受信した時刻からの経過時間をCPU12が計測しているものとする。また車載無線リーダ1においてはCPU12の指示に基づいて無線送受信部14が常時無線信号を送信している。この無線信号は地表無線タグ2へタグIDの送信を要求する信号となる。また地表無線タグ2と当該地表無線タグ2を通過する車載無線リーダ1との間の距離は、無線送受信部14から発信される無線信号が十分到達できる距離であるとする。
【0029】
そして、図7のフローにおいてまず、タグID「xxxxxxxxxx」のタグ地表無線タグ2は、車が通過する際に当該車に設置されている車載無線リーダ1から送信された上記タグIDを要求する無線信号を無線送受信部24で受信する(ステップS1)。すると、CPU22は無線送受信部24にタグID「xxxxxxxxxx」を示す無線信号を送信するよう指示する。そして無線送受信部24はメモリ21に予め記録されている自身のタグID「xxxxxxxxxx」を読み取って、当該タグID「xxxxxxxxxx」を示す無線信号を送信する(ステップS2)。
【0030】
次に、車載無線リーダ1の無線送受信部14は地表無線タグ2から送信された無線信号を受信する(ステップS3)。そして、CPU12がその無線信号の示すタグID「xxxxxxxxxx」を検出する。ここで、CPU12は地表無線タグ2から送信された無線信号の受信に基づいて、前回無線信号を受信してからの経過時間の計測を中止すると共に、メモリ11のタグID記憶領域に既に記録されている、前回通過した地表無線タグ2のタグIDを読み取る。そして、CPU12はステップS3で受信した無線信号から検出したタグID「xxxxxxxxxx」をメモリ11のタグID記憶領域に記録する。またCPU12は、前回通過した地表無線タグ2のタグIDと、前回地表無線タグ2から無線信号を受信してからの経過時間との組み合わせの情報を含む無線信号を、無線送受信部14に送信するよう指示する。無線送受信部14がその組み合わせの情報を含む無線信号を送信する(ステップS4)。またCPU11は、タグID「xxxxxxxxxx」を示す無線信号を受信を契機に、その無線信号を受信してからの経過時間の計測を再び開始する。
【0031】
次に、タグID「xxxxxxxxxx」の地表無線タグ2において、車載無線リーダ1の送信した前記組み合わせの情報を含む無線信号を無線送受信部24が受信する(ステップS5)。そしてCPU22は受信した無線信号に含まれる上記組み合わせの情報を読み取り、当該組み合わせの情報と自身のタグID「xxxxxxxxxx」とからなる渋滞検知用情報を、渋滞検知サーバ3に送信するために予め定められた隣り合う他の地表無線タグ2へ送信するよう情報転送処理部25に指示する。そして情報転送処理部25が渋滞検知用情報を予め定められた隣り合う他の地表無線タグ2へ送信する。ここでCPU22は、複数の車載無線リーダ1から受信した経過時間をあらかじめメモり21に記録しておき、当該複数の経過時間の平均を算出して、上記組み合わせの情報のうちの経過時間を前記算出した平均の経過時間に換えた渋滞検知用情報を、予め定められた隣り合う他の地表無線タグ2へ送信するよう情報転送処理部25に指示するようにしてもよい。なお、このとき情報転送処理部25は直接渋滞検知サーバ3に接続された有線の通信ネットワークを介して渋滞検知用情報を送信するようにしてもよい。また、情報転送処理部25は、CPU22の指示に基づいて、道路上で隣り合う2つの地表無線タグ2のうち、一方の地表無線タグ2から送信されてきた上記渋滞検知用情報を、前記渋滞検知サーバ3に送信するために予め定められた隣り合う他の地表無線タグ2へ転送する処理を行なう。なお、タグID「xxxxxxxxxx」の地表無線タグ2のCPU22は、受信した組み合わせ情報に含まれるタグIDと経過時間とを対応付けた経過時間テーブル(図5)を作成してメモリ11で保持する。
【0032】
次に、車載無線リーダ1がタグID「xxxxxxxxxx」の地表無線タグ2からタグID「xxxxxxxxxx」を示す無線信号を受信してから時間t1の経過後に、車の移動によって、車載無線リーダ1がタグID「aaaaaaaaaa」の地表無線タグ2を通過する。この時、上述の処理と同様に、車載無線リーダ1は、タグID「aaaaaaaaaa」の地表無線タグ2からタグID「aaaaaaaaaa」を示す無線信号を受信する(ステップS6)。そして、CPU12がその無線信号の示すタグID「aaaaaaaaaa」を検出する。CPU12は地表無線タグ2から送信された無線信号を受信に基づいて、前回、タグID「xxxxxxxxxx」を示す無線信号を受信してからの経過時間(t1)の計測を中止すると共に、メモリ11のタグID記憶領域に記録されている前回通過した地表無線タグ2のタグID「xxxxxxxxxx」を読み取る。そして、CPU12はステップS6で受信の無線信号から検出したタグID「aaaaaaaaaa」をメモリ11のタグID記憶領域に記録する。またCPU12は、前回通過した地表無線タグ2のタグID「xxxxxxxxxx」と、前回地表無線タグ2から無線信号を受信してからの経過時間「t1」との組み合わせの情報を含む無線信号を、無線送受信部14に送信するよう指示する。無線送受信部14がその組み合わせの情報を含む無線信号を送信する(ステップS7)。またCPU11は、タグID「aaaaaaaaaa」を示す無線信号を受信を契機に、その無線信号を受信してからの経過時間の計測を再び開始する。
【0033】
次に、タグID「aaaaaaaaaa」の地表無線タグ2において、車載無線リーダ1の送信した前記組み合わせの情報を含む無線信号を無線送受信部24が受信し(ステップS8)、上述したような、渋滞検知用情報(タグID「xxxxxxxxxx」と経過時間「t1」の組み合わせの情報と、タグID「aaaaaaaaaa」の情報)を渋滞検知サーバ3へ送信する処理が行なわれる。この処理においては、上述したようにCPU22が、複数の経過時間の平均を算出して、上記組み合わせの情報のうちの経過時間を前記算出した平均の経過時間に換えた渋滞検知用情報を、予め定められた隣り合う他の地表無線タグ2へ送信するよう情報転送処理部25に指示するようにしてもよい。
以上の処理により、道路に設置された2つの地表無線タグ2の間を車が移動する際の経過時間が渋滞検知サーバ3へ通知される。
【0034】
次に、渋滞検知サーバ3の処理フローについて説明する。
渋滞検知サーバ3において、通信ネットワークを介して上述した渋滞検知用情報<渋滞検知用情報を送信した地表無線タグ2(進行方向の前方の地表無線タグ)のタグID、渋滞検知用情報を送信した地表無線タグ2と道路上の進行方向とは反対側で隣り合う地表無線タグ2(進行方向の後方の地表無線タグ)のタグID、それら2つの地表無線タグ2それぞれから車載無線リーダ1が無線信号を受信する間の経過時間>を通信処理部が受信する。するとCPU34はその渋滞検知用情報に含まれる2つのタグIDに基づいて、データベース32が保持する距離テーブルに記録されている距離を読み取る。そして、CPU34は読み取った距離と渋滞検知用情報に含まれる経過時間とに基づいて、当該渋滞検知用情報に含まれる2つのタグIDの地表無線タグ2の間における車の移動速度を算出する(速さ=距離/経過時間)。そして、CPU34は算出した移動速度と、予めデータベース32などの記憶部(基準速度情報記憶手段)に記憶している基準速度とを比較し、基準速度よりも算出した移動速度が遅ければ、渋滞と検知する。なおこの基準速度は、地表無線タグ2の間で共通の値であるようにしてもよいし、地表無線タグ2の間で異なるような値であるようにしてもよい。また渋滞状況を基準速度に応じた数段階で判別するようにしてもよい。
【0035】
なお、渋滞検知の方法は、経過時間のみで検出するような方法であっても良い。例えば、予め進行方向の前方の地表無線タグ2と、進行方向の後方の地表無線タグ2との間の移動にかかる基準移動時間をデータベース32などの記憶部(基準移動時間記憶手段)で記憶しおく。そしてCPU34が渋滞検知用情報に含まれる経過時間と、データベース32で記憶している基準移動時間とを比較して、経過時間が基準移動時間より長ければ、その経過時間の長さに応じた渋滞の度合いを検知するようにしても良い。
そして、渋滞検知サーバ3のCPU34は、渋滞を検知した場合には、その渋滞が発生している進行方向の前方の地表無線タグ2と、進行方向の後方の地表無線タグ2の各タグIDをモニタ33に表示してユーザに通知する。
【0036】
また、本実施形態では、車載無線リーダ1による無線信号の発信に基づいて、地表無線タグ2がタグIDを送信し、またそのタグIDの受信に基づいて車載無線リーダ1が直前の地表無線タグ2のタグIDや経過時間を地表無線タグ2に送信しているが、他の実施例として、例えば、地表無線タグ2がまず無線信号を発信して、その無線信号に基づいて車載無線リーダ1のRFIDタグが直前の地表無線タグ2のタグIDや経過時間を地表無線タグ2に送信するようにしても良い。
【0037】
上述の渋滞検知システムにおける車載無線リーダや地表無線タグや渋滞検知サーバは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0038】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態による渋滞検知システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による車載無線リーダの機能構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による地表無線タグの機能構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による渋滞検知サーバの機能構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による経過時間テーブルを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による距離テーブルを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による車載無線リーダと地表無線タグの間の無線信号の送受信の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・車載無線リーダ
2・・・地表無線タグ
3・・・渋滞検知サーバ
4・・・データ転送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象物に取り付けられた移動無線信号送受信装置と、
前記移動対象物の移動経路の複数の地点それぞれに固定的に取り付けられた固定無線信号送受信装置と、
前記移動対象物の前記移動経路の移動により当該移動対象物が通過する2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する渋滞検知装置と、
を有する渋滞検知システムであって、
前記移動無線信号送受信装置が、
無線信号を送信する無線信号送信手段と、
前記固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信する無線信号受信手段と、
前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録する識別情報記録手段と、
前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、次に通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
前記次に通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう渋滞検知用情報通知手段とを備え、
前記固定無線信号送受信装置が、
前記移動無線信号送受信装置へ無線信号を送信する無線信号送信手段と、
自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう識別情報通知手段と、
前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる識別情報および経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する渋滞検知用情報送信手段とを備え、
前記渋滞検知装置は、
前記渋滞検知用情報に基づいて、前記2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する渋滞検知手段を備える
ことを特徴とする渋滞検知システム。
【請求項2】
前記固定無線信号送受信装置の渋滞検知用情報送信手段は、
前記渋滞検知用情報を隣り合う一方の固定無線信号送受信装置より受付け、
前記一方の固定無線信号送受信装置より受信した前記渋滞検知用情報を、隣り合う他方の固定無線信号送受信装置へ転送する
ことを特徴とする請求項1に記載の渋滞検知システム。
【請求項3】
前記渋滞検知装置は、
前記2つの固定無線信号送受信装置の間における基準速度の情報を保持した基準速度情報記憶手段と、
前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離の情報を保持した距離記憶手段と、
を備え、
前記渋滞検知手段は、
前記渋滞検知用情報に含まれる経過時間と前記距離記憶手段に保持される前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離とに基づいて当該2つの固定無線信号送受信装置の間における前記移動無線信号送受信装置の移動速度を算出し、
前記算出した移動速度と、前記基準速度情報記憶手段に記録されている基準速度との比較に基づいて渋滞を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の渋滞検知システム。
【請求項4】
前記渋滞検知装置は、
前記2つの固定無線信号送受信装置の間における基準移動時間の情報を保持した基準移動時間記憶手段を備え、
前記渋滞検知手段は、
前記渋滞検知用情報に含まれる経過時間と、前記基準移動時間記憶手段に記録されている基準移動時間との比較に基づいて渋滞を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の渋滞検知システム。
【請求項5】
前記固定無線信号受信装置が、
前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積する経過時間蓄積手段と、
前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出する平均時間算出手段と、
を備え、
前記固定無線信号受信装置に備えられた前記渋滞検知用情報送信手段は、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の渋滞検知システム。
【請求項6】
移動対象物に取り付けられた移動無線信号送受信装置と、
前記移動対象物の移動経路の複数の地点それぞれに固定的に取り付けられた固定無線信号送受信装置と、
前記移動対象物の前記移動経路の移動により当該移動対象物が通過する2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する渋滞検知装置と、
を有する渋滞検知システムの渋滞検知方法であって、
前記固定無線信号送受信装置の識別情報通知手段が、自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行ない、
前記固定無線信号送受信装置の無線信号送信手段が、前記移動無線信号送受信装置へ前記自装置の識別情報を含む無線信号を送信し、
前記移動無線信号送受信装置の無線信号受信手段が、前記固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信し、
前記移動無線信号送受信装置の識別情報記録手段が、前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録し、
前記移動無線信号送受信装置の経過時間計測手段が、前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、今回通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測し、
前記移動無線信号送受信装置の渋滞検知用情報通知手段が、前記今回通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行ない、
前記固定無線信号送受信装置の渋滞検知用情報送信手段が、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる識別情報および経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信し、
前記渋滞検知装置の渋滞検知手段は、前記渋滞検知用情報に基づいて、前記2つの前記固定無線信号送受信装置の間における、前記移動経路の渋滞を検知する
ことを特徴とする渋滞検知方法。
【請求項7】
前記固定無線信号受信装置の経過時間蓄積手段が、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積し、
前記固定無線信号受信装置の平均時間算出手段が、前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出し、
前記固定無線信号受信装置の前記渋滞検知用情報送信手段は、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の渋滞検知方法。
【請求項8】
無線信号を送信する無線信号送信手段と、
固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信する無線信号受信手段と、
前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録する識別情報記録手段と、
前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、次に通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
前記次に通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう渋滞検知用情報通知手段と、
を備えることを特徴とする移動無線信号送受信装置。
【請求項9】
移動無線信号送受信装置へ無線信号を送信する無線信号送信手段と、
自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を前記無線信号送信手段に行なう識別情報通知手段と、
前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報および前記経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する渋滞検知用情報送信手段と、
を備えることを特徴とする固定無線信号送受信装置。
【請求項10】
前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積する経過時間蓄積手段と、
前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出する平均時間算出手段と、
を備え、
前記渋滞検知用情報送信手段は、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する
ことを特徴とする請求項9に記載の固定無線信号送信装置。
【請求項11】
複数の固定無線信号送受信装置が設置された移動経路において、移動無線信号送受信装置が移動経路を移動する際の、前記移動経路の固定無線信号送受信装置間における渋滞を検知する渋滞検知装置であって、
2つの固定無線信号送受信装置の間における基準速度の情報を保持した基準速度情報記憶手段と、
前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離の情報を保持した距離記憶手段と、
前記2つの固定無線信号送受信装置それぞれから前記移動無線信号送受信装置が無線信号を受信する間の経過時間と、前記距離記憶手段に保持される前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離とに基づいて、当該2つの固定無線信号送受信装置の間における前記移動無線信号送受信装置の移動速度を算出する移動速度算出手段と、
前記算出した移動速度と、前記基準速度情報記憶手段に記録されている基準速度との比較に基づいて渋滞を検知する渋滞検知手段と、
を備えることを特徴とする渋滞検知装置。
【請求項12】
移動無線信号送受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
無線信号を送信する無線信号送信処理と、
固定無線信号送受信装置より当該固定無線信号送受信装置の識別情報を含む無線信号を受信する無線信号受信処理と、
前記固定無線信号送受信装置より受信した無線信号に含まれる前記識別情報を記憶部に記録する識別情報記録処理と、
前回通過した固定無線信号送受信装置より無線信号を受信した時刻から、次に通過する前記固定無線信号送受信装置より無線信号を受信する時刻までの経過時間を計測する経過時間計測処理と、
前記次に通過する固定無線信号送受信装置からの前記無線信号の受信に基づいて、前記記憶部に記録されている識別情報と前記計測した経過時間との情報を含む無線信号の送信指示を行なう渋滞検知用情報通知処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
固定無線信号送受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
移動無線信号送受信装置へ無線信号を送信する無線信号送信処理と、
自装置の識別情報を含む無線信号の送信指示を行なう識別情報通知処理と、
前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報および前記経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する渋滞検知用情報送信処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の処理に加え、
前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記経過時間を複数蓄積する経過時間蓄積処理と、
前記複数の蓄積した経過時間に基づいて、経過時間の平均を算出する平均時間算出処理と、
を実行し、
前記渋滞検知用情報送信処理において、前記移動無線信号送受信装置から受信した無線信号に含まれる前記識別情報と前記平均を算出した経過時間と自装置の識別情報とを含む渋滞検知用情報を、前記渋滞検知装置に送信する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
複数の固定無線信号送受信装置が設置された移動経路において、移動無線信号送受信装置が移動経路を移動する際の、前記移動経路の固定無線信号送受信装置間における渋滞を検知する渋滞検知装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記2つの固定無線信号送受信装置それぞれから前記移動無線信号送受信装置が無線信号を受信する間の経過時間と、前記2つの固定無線信号送受信装置の間の距離とに基づいて、当該2つの固定無線信号送受信装置の間における前記移動無線信号送受信装置の移動速度を算出する移動速度算出処理と、
前記算出した移動速度と、2つの前記固定無線信号送受信装置の間における基準速度との比較に基づいて渋滞を検知する渋滞検知処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
請求項12〜請求項15のいずれかの1つまたは複数のプログラムを記録する記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−209300(P2006−209300A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17978(P2005−17978)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】