説明

測定方法および測定装置

【課題】ワーク表面に形成された保護膜の厚みを精度よく測定できる測定方法および測定装置を提供すること。
【解決手段】本発明の測定方法は、ウェーハWに光吸収剤を含む保護膜61を形成するステップと、保護膜61に測定光を照射し、測定光の吸収による保護膜61の発光を受光するステップと、事前に作製された保護膜61の厚みの変化に対する保護膜61の発光による光スペクトルの変化を示す測定データを参照して、保護膜61の発光強度から保護膜61の厚みを測定するステップとを有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク表面に形成された保護膜の厚みを測定する測定方法および測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等のワークをストリートに沿って分割する方法として、レーザー加工により分割する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のレーザー加工方法では、半導体ウェーハに対するレーザー光線の照射によって、照射領域に発生する熱エネルギーにより半導体ウェーハ上がストリートに沿って連続的に加工される。半導体ウェーハ上の照射領域には、熱エネルギーが集中してデブリ(加工屑)が発生する場合があり、このデブリがLSIのボンディングパッド等に付着して半導体チップの品質を低下させるという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、本件出願人は、半導体ウェーハ表面に水溶性の保護膜を形成し、保護膜を通して半導体ウェーハにレーザー光線を照射するレーザー加工方法を考案した(例えば、特許文献2参照)。特許文献2のレーザー加工方法では、保護膜を通して半導体ウェーハが加工されるため、レーザー加工により飛散したデブリを保護膜に付着させることができる。そして、洗浄工程においてデブリが付着した保護膜が除去されることで、半導体ウェーハ表面へのデブリの付着を抑制して半導体チップの品質低下を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−120334号公報
【特許文献2】特開2004−322168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザー加工により保護膜を通して半導体ウェーハを加工するためには、保護膜の厚みが一定であることが好ましい。すなわち、保護膜の厚みがレーザー加工結果に影響を与えており、保護膜が薄すぎると、半導体ウェーハをデブリから十分に保護できず、保護膜が厚すぎると、レーザー加工の妨げとなる。このため、レーザー加工前に半導体ウェーハ上の保護膜の厚みを精度よく測定する方法が求められていたが、従来の測定方法を行う測定装置は大掛かりかつ高コストであり、測定装置を加工装置の台数分用意したり、加工装置に組み込むことが難しいという問題があった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、従来の測定装置よりも簡素にワーク表面に形成された保護膜の厚みを精度よく測定できる測定方法および測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の測定方法は、ワークをレーザー加工する際に発生する加工屑からワークの表面を保護するために前記レーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含んだ水溶性樹脂によって形成された保護膜の厚みを測定する測定方法であって、前記吸収材を含んだ水溶性樹脂によってワーク表面に所定の厚みとなる様に前記保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記保護膜形成工程の後に、ワーク表面に形成された前記保護膜に前記吸収剤が吸収する波長の光を照射して、該光の吸収によって前記吸収剤が発光する光スペクトルを受光して測定するスペクトル測定工程と、前記保護膜形成工程で形成する前記保護膜の厚みを変化させながら前記スペクトル測定工程を行うことで前記保護膜の厚み変化に対する前記光スペクトルの変化を表すマップを作製するマップ作製工程を含み、ワークの表面に塗布された前記保護膜の厚みを測定する際は、前記保護膜に前記吸収剤が吸収する波長の光を照射して前記光スペクトルを測定し、前記マップに基づいて前記保護膜の厚みを測定する保護膜厚み測定工程を実施することを特徴とする。
【0008】
本発明の測定装置は、ワークをレーザー加工する際に発生する加工屑からワークの表面を保護するために前記レーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含んだ水溶性樹脂によって形成された保護膜の厚みを測定する測定装置であって、前記吸収剤が吸収する波長の光をワーク表面に形成された保護膜に向けて照射する光照射部と、前記吸収剤が前記光照射部からの光を吸収して発光する光スペクトルを受光する受光部と、前記保護膜の厚み変化に対する前記光スペクトルの変化を表すマップを記憶する記憶手段と、前記受光部で受光した光スペクトルと前記記憶手段で記憶した前記マップに基づいて前記保護膜の厚みを求める算出手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、保護膜が加工用レーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含むため、吸収剤が吸収する波長の光の照射によって、保護膜の厚みの変化に対する光スペクトルの変化を表すマップが作製される。このマップに基づいて、吸収剤が吸収する波長の光を照射して得られる光スペクトルから保護膜の厚みを精度よく測定できる。したがって、保護膜の厚みを一定に保った状態でレーザー加工することができ、ワークに対するデブリの付着を抑えてワークの品質低下を防止することができる。また、保護膜が光を吸収して発する光スペクトルを測定するため、ワークの種類に依らず同一のマップに基づいて保護膜を測定できる。
【0010】
また本発明は、上記測定方法において、前記吸収剤が吸収する光の波長は少なくとも250nm以上かつ380nm以下、もしくは460nm以上かつ650nm以下のいずれかの波長を含んでいる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ワーク表面に形成された保護膜がレーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含むことで、吸収剤が吸収する波長の光により保護膜の厚みを精度よく従来の測定装置よりも簡素に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る測定方法の実施の形態を示す図であり、レーザー加工装置の斜視図である。
【図2】本発明に係る測定方法の実施の形態を示す図であり、レーザー加工装置の厚み測定処理の光学系の模式図である。
【図3】本発明に係る測定方法の実施の形態を示す図であり、発光強度と保護膜の種類および厚みとの関係の説明図である。
【図4】本発明に係る測定方法の実施の形態を示す図であり、厚み測定処理の説明図である。
【図5】本発明に係る測定方法の実施の形態を示す図であり、レーザー加工装置の動作のフローチャートである。
【図6】本発明に係る測定方法の変形例であり、レーザー加工装置の厚み測定処理の光学系の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、本発明に係る測定方法が適用されたレーザー加工装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るレーザー加工装置の斜視図である。なお、本発明の測定方法が適用されるレーザー加工装置は、図1に示す構成に限定されない。レーザー加工装置は、ワークに対してレーザー加工するものであれば、どのような構成を有していてもよい。また、本発明の測定方法は、図1に示すレーザー加工装置に適用される構成に限定されず、例えば、レーザー加工装置とは別体の膜厚測定専用の測定装置に適用される構成としてもよい。
【0014】
図1に示すように、レーザー加工装置1は、デブリの付着を防止する保護膜61(図2参照)をウェーハWに成膜すると共に、成膜後のウェーハWをレーザー加工するように構成されている。ウェーハWは、略円板状に形成されており、表面に格子状に配列された図示しないストリート(分割予定ライン)によって複数の領域に区画されている。ストリートによって区画された各領域には、IC、LSI等のデバイスが形成されている。また、ウェーハWは、貼着テープ63を介して環状フレーム62に支持され、カセット2内に収容された状態でレーザー加工装置1に搬入および搬出される。
【0015】
なお、本実施の形態においては、ワークとしてシリコンウェーハ(Si)、ガリウムヒソ(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)等のウェーハWを例に挙げて説明するが、この構成に限定されるものではない。例えば、チップ実装用としてウェーハWの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、半導体製品のパッケージ、セラミック、ガラス、サファイア(Al2O3)系の無機材料基板、液晶ディスプレイドライバー等の各種電気部品、ミクロンオーダーの加工位置精度が要求される各種加工材料をワークとしてもよい。
【0016】
レーザー加工装置1は、直方体状のベッド部3と、ベッド部3の側方に設けられた搬入台4と、ベッド部3および搬入台4の後方で立設する立壁部5とを有している。搬入台4には、前方側にカセット2が載置される搬入搬出機構11が設けられ、後方側にウェーハW表面に保護膜61を形成する他、加工済みのウェーハWを洗浄する保護膜形成機構12が設けられている。搬入搬出機構11および保護膜形成機構12の側方には、チャックテーブル13と、チャックテーブル13上のウェーハWをレーザー加工するレーザー加工ユニット14と、レーザー加工前に、ウェーハWの保護膜61の厚みを測定する厚み測定ユニット15とが設けられている。
【0017】
搬入台4の上面には、搬入搬出機構11に載置されたカセット2に対してウェーハWを出し入れするプッシュプル機構16が設けられている。搬入台4の上面には、プッシュプル機構16の駆動時に、ウェーハWをスライド可能にガイドする一対のガイドレール17が設けられている。一対のガイドレール17と保護膜形成機構12との間には、ベッド部3および搬入台4でウェーハWの受け渡しを行う搬送機構18が設けられている。
【0018】
搬入搬出機構11は、カセット2を載置した状態で昇降されることにより、高さ方向におけるウェーハWの出し入れ位置を調整している。プッシュプル機構16は、前後方向に移動可能に構成されており、ウェーハWの周囲の環状フレーム62を挟持する挟持部23が設けられている。挟持部23は、上下方向に離間する一対の平行板を有し、図示しないエアーアクチュエータにより駆動される。
【0019】
保護膜形成機構12は、搬入台4の上面に形成された開口部25の中央に、ウェーハWを保持する成膜用テーブル26を有している。成膜用テーブル26は、ウェーハWを吸着保持する真空チャック式であり、周囲に環状フレーム62を保持する4つのクランプ部27が設けられている。このクランプ部27は、成膜用テーブル26の四方から延びる支持板に振り子状に支持されており、成膜用テーブル26の回転によって作用する遠心力により跳ね上げられてクランプする。
【0020】
搬入台4の上面において成膜用テーブル26の近傍には、液状樹脂供給部28が設けられている。液状樹脂供給部28は、成膜用テーブル26上のウェーハWの上面に液状樹脂を塗布する。ウェーハWには、液状樹脂として、レーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含むポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性樹脂が塗布される。この場合、紫外線波長域のレーザー光線(例えば355nmの波長)を用いた加工時には、吸収剤として紫外域の範囲(例えば250nm以上かつ380nm以下の波長)の光を吸収する紫外線吸収剤が添加される。この場合、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系のプラスチック添加剤が用いられる。また、可視光の波長域のレーザー光線(例えば533nmの波長)を用いた加工時には、吸収剤として可視光の範囲(例えば460nm以上かつ650nm以下の波長)の光を吸収する光吸収剤が添加される。この場合、例えば、水溶性染料化合物、水溶性色素化合物が用いられる。そして、保護膜形成機構12は、成膜用テーブル26を下降させて搬入台4の内部で高速回転させ、液状樹脂をウェーハW全面に広げることで成膜する。
【0021】
また、保護膜形成機構12は、加工済みのウェーハWから保護膜61を除去する洗浄機構としても機能する。搬入台4の内部には、図示しない洗浄ノズルが設けられている。保護膜形成機構12は、成膜用テーブル26に加工済みのウェーハWが載置されると、開口部25を介して成膜用テーブル26を搬入台4内に下降させる。そして、成膜用テーブル26は、搬入台4内において高速回転しつつ、洗浄水が噴射されることでウェーハWから水溶性樹脂の保護膜61を洗浄除去する。その後、成膜用テーブル26は、高速回転された状態で洗浄水の噴射が停止され、ウェーハWを乾燥する。
【0022】
搬送機構18は、上下方向に延在する回動軸31と、回動軸31の上端に支持された伸縮アーム32と、伸縮アーム32の先端に設けられ、ウェーハWを吸着保持する吸着保持部33とを有している。回動軸31は、上下動可能かつ回動可能に構成されており、伸縮アーム32は延在方向に伸縮可能に構成されている。吸着保持部33は、回動軸31の回動および伸縮アーム32の伸縮により水平面内における位置調整がされ、回動軸31の上下動により高さ方向における位置調整がされる。
【0023】
そして、搬送機構18は、レーザー加工前においては、一対のガイドレール17上のウェーハWをピックアップして、成膜用テーブル26に載置し、成膜用テーブル26上の成膜済みウェーハWをピックアップして、チャックテーブル13に載置する。搬送機構18は、レーザー加工後においては、チャックテーブル13上の加工済みウェーハWをピックアップして、成膜用テーブル26に載置し、成膜用テーブル26上の洗浄済みウェーハWをピックアップして、一対のガイドレール17に戻す。
【0024】
ベッド部3の上面には、チャックテーブル13をX軸方向に加工送りすると共に、Y軸方向に割出送りするチャックテーブル移動機構35が設けられている。チャックテーブル移動機構35は、ベッド部3上においてX軸方向に延在し、互いに平行な一対のガイドレール36と、一対のガイドレール36にスライド可能に設置されたモータ駆動のX軸テーブル37とを有している。また、チャックテーブル移動機構35は、X軸テーブル37上においてY軸方向に延在し、互いに平行な一対のガイドレール38と、一対のガイドレール38にスライド可能に設置されたモータ駆動のY軸テーブル39とを有している。
【0025】
Y軸テーブル39の上部には、チャックテーブル13が設けられている。なお、X軸テーブル37およびY軸テーブル39の背面側には、それぞれ図示しないナット部が形成され、これらナット部にボールネジ41、42が螺合されている。そして、ボールネジ41、42の一端部には、それぞれ駆動モータ43、44が連結され、これら駆動モータ43、44によりボールネジ41、42が回転駆動される。
【0026】
チャックテーブル13は、Y軸テーブル39の上面においてZ軸回りに回転可能なθテーブル45と、θテーブル45の上部に設けられ、ウェーハWを吸着保持するワーク保持部46とを有している。ワーク保持部46は、ウェーハWを吸着保持する真空チャック式であり、上面にポーラスセラミック材により吸着面が形成されている。吸着面は、負圧により貼着テープ63を介してウェーハWを吸着する面であり、θテーブル45の内部の配管を介して吸引源に接続されている。
【0027】
ワーク保持部46の周囲には、θテーブル45の四方から径方向外側に延びる一対の支持アームを介して4つのクランプ部48が設けられている。この4つのクランプ部48は、エアーアクチュエータにより駆動し、ウェーハWの周囲の環状フレーム62を四方から挟持固定する。
【0028】
チャックテーブル13の後方に立設した立壁部5には、前面にアーム部51が突出して設けられている。アーム部51の先端側には、厚み測定ユニット15の測定ヘッド52と、レーザー加工ユニット14の加工ヘッド53と、アライメント用の撮像ヘッド54とが横並びに設けられている。測定ヘッド52からは、ウェーハWの保護膜61の厚みを測定する測定光が照射される。加工ヘッド53からは、ウェーハWを加工するレーザー光線が照射される。撮像ヘッド54からは、撮像用の照明光が照射される。測定ヘッド52、加工ヘッド53、撮像ヘッド54、アーム部51、立壁部5内には、各種光学系が設けられている。
【0029】
測定光は、吸収剤を含む水溶性樹脂により形成されたウェーハWの保護膜61によって吸収可能な波長に調整されている。例えば、紫外線波長域でレーザー加工される場合には、上記したように紫外線波長域の光を吸収可能な吸収剤が用いられるため、紫外線の範囲内に測定光の波長が合わせられる。また、可視光の波長域でレーザー加工される場合には、可視光を吸収可能な吸収剤が用いられるため、可視光の範囲内に測定光が合わせられる。厚み測定ユニット15は、測定光の吸収による保護膜61の蛍光発光を受光することで保護膜61の厚みを測定する。この場合、予めベッド部3内の制御部19に記憶された保護膜61の厚みの変化に対する光スペクトル(スペクトル分布)の変化を示すマップを参照して、保護膜61の厚みが測定される。そして、保護膜61の厚みが所定範囲内の場合には、レーザー加工ユニット14によってレーザー加工が開始され、保護膜61の厚みが所定範囲外の場合には、保護膜形成機構12において保護膜61が形成し直される。
【0030】
このように、レーザー加工ユニット14では、保護膜61の厚みが一定のウェーハWのみがレーザー加工される。よって、レーザー加工時における保護膜61の厚みに起因する不具合が改善され、ウェーハWに対するデブリの付着を抑えてウェーハWの品質低下が防止される。このとき、保護膜61にレーザー波長の光を吸収する吸収剤が添加されているため、レーザー加工時にウェーハWの加工と共に保護膜61も除去される。このため、ウェーハWの熱分解物の蒸気等の圧力によって、保護膜61が剥がれることがなく、保護膜61の剥がれに起因するデブリの付着も防止される。
【0031】
厚み測定ユニット15による測定位置およびレーザー加工ユニット14による加工位置は、撮像ヘッド54によるアライメント処理により位置調整される。撮像ヘッド54は、CCD等の撮像素子によりウェーハWの表面を撮像して撮像画像をベッド部3内の制御部19に出力する。制御部19は、予め記憶部に記憶された基準パターンと撮像画像に含まれるチップパターンとをマッチングさせることにより、アライメント処理を実施する。このアライメント処理により、レーザー加工時にはストリートに沿って精度よくレーザー加工される。
【0032】
制御部19は、レーザー加工装置1を統括制御するものであり、各種処理を実行するプロセッサ(算出手段)や、記憶部(記憶手段)等により構成されている。記憶部は、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。記憶部には、厚み測定処理、アライメント処理、レーザー加工処理の各処理に用いられる制御プログラム等が記憶されている。また、記憶部には、厚み測定処理に用いるマップ、アライメント処理に用いる基準パターンが記憶されている。
【0033】
図2を参照して、レーザー加工装置の厚み測定処理の光学系について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るレーザー加工装置の厚み測定処理の光学系の模式図である。なお、レーザー加工処理のレーザー光学系、アライメント処理の読み取り光学系については、詳細な説明を省略するが、一般的な構成を備えたものであればどのような構成でもよい。
【0034】
図2に示すように、レーザー加工装置の光学系には、ウェーハWの保護膜61の厚みを測定するための測定用光源55が設けられている。測定用光源55は、吸収剤に吸収される波長の測定光(本実施形態ではレーザー光線を用いる)を発振可能に設定されている。測定用光源55から出射された測定光の光路上には、ハーフミラー56、ミラー57、集光レンズ58が配置されている。ハーフミラー56は測定用光源55から出射された測定光を透過してミラー57に導き、ウェーハWの保護膜61からの発光を、ミラー57を介して受光部59に導くように構成されている。測定用光源55、ハーフミラー56、ミラー57、集光レンズ58は、測定光を保護膜61に向けて照射する光照射部として機能する。
【0035】
受光部59は、図示しない受光素子等により、測定光の吸収による保護膜61の発光強度を電圧信号に変換して制御部19に出力する。制御部19では、レーザー加工装置1の加工ヘッド53の稼働前の予備測定時に電圧信号に基づいて光スペクトルのマップを作製する他、レーザー加工装置1の加工ヘッド53の稼働時に当該マップを用いて保護膜の厚みを測定する。集光レンズ58は、光軸方向に駆動可能に構成されており、測定光の集点を調整する。なお、集光レンズ58は、単レンズ、または組み合わせレンズで構成されている。また、マップの作成処理および測定処理の詳細については、後述する。
【0036】
測定用光源55から出射された測定光は、ハーフミラー56を透過してミラー57にて集光レンズ58に向けて反射され、集光レンズ58により集光されてウェーハWの保護膜61に照射される。保護膜61は、測定光を吸収して発光する。そして、保護膜61の発光は、集光レンズ58を介してミラー57に入射され、ミラー57およびハーフミラー56で反射されて受光部59に入射される。なお、本実施の形態においては、厚み測定処理、レーザー加工処理、アライメント処理に用いられる光学系を個別に設ける構成としたが、共通の光学系で構成されてもよい。この場合、測定光として単位面積あたりの照射エネルギーを低く設定して紫外線波長域の加工用のレーザー光線を用いてもよい。
【0037】
ここで、図3を参照して、発光強度と保護膜の種類および厚みとの関係について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る発光強度と保護膜の種類および厚みとの関係の説明図である。なお、図3は、吸収剤として紫外線吸収剤を用いられる場合を示し、W1はA保護膜(厚み2μm)が発する光スペクトル、W2はA保護膜(厚み0.8μm)が発する光スペクトル、W3はB保護膜(厚み2μm)が発する光スペクトル、W4はC保護膜(厚み2μm)が発する光スペクトルをそれぞれ示す。また、A保護膜は、B保護膜よりも紫外線吸収剤の含有量が少なく、C保護膜は紫外線吸収剤が含まれていない。
【0038】
上記した厚み測定ユニット15により、保護膜61に紫外線波長域の測定光を照射して発光強度を測定することで、保護膜61の任意の厚みに対する光スペクトルが得られる。さらに、保護膜61の種類および厚みを変化させることで、例えば、図3に示すような測定データが得られる。図3に示すように、A保護膜(2.0μm)が発する光スペクトルW1は、略360nmから略560nmの波長域で発光強度が山なりに変化する。B保護膜(2.0μm)が発する光スペクトルW3は、略360nmから略560nm以上の波長域で発光強度が山なりに変化し、A保護膜(2.0μm)よりも発光強度のピーク値が高い。
【0039】
C保護膜(2.0μm)が発する光スペクトルW4は、保護膜61に紫外線吸収剤が含まれていないため、発光強度が0の状態で変化しない。このように、保護膜61の種類によって、スペクトルの分布が異なっている。A保護膜(0.8μm)の光スペクトルW2は、A保護膜(2.0μm)の光スペクトルW1よりも発光強度が低下している。このように、同一種類の保護膜61の場合には、所定の波長域において保護膜61の厚みに応じて発光強度が変化する。本発明では、この保護膜61の厚みの変化に対する発光強度の変化を利用して、ウェーハWの保護膜61の厚みを測定する。
【0040】
図4を参照して、厚み測定処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る厚み測定処理の説明図である。なお、図4に示す分布は、一例に過ぎず、測定対象の膜厚、閾値等を適宜変更することが可能である。また、図4の例では、保護膜の膜厚等による発光強度の違いが明確となる所定波長を特定するために、広波長域の発光強度の分布を示すマップを作製しているが、この構成に限定されるものではない。図4に示す広波長域の発光強度の分布を示すものではなく、予め定められた所定波長付近の測定結果のみでマップを作製してもよい。
【0041】
図4(a)に示すように、レーザー加工装置1の加工ヘッド53の稼働前の予備測定時に、光スペクトルのマップが作製される。具体的には、保護膜61の厚みTをT0μmからT4μmまで所定間隔で変化させたウェーハWを複数用意し、各ウェーハWに対して測定光を照射する。そして、保護膜61が発する光スペクトルを測定することで、保護膜61の厚みの変化に応じた光スペクトルデータが制御部19に入力される。制御部19は、光スペクトルデータからマップを作製して記憶する。この場合、各保護膜61の厚みの光スペクトルは、グラフ内両端における波長域において発光強度が0となり、所定波長L付近において保護膜61の膜厚による発光強度の違いが明確となるので、測定光の波長としてはL付近がより好ましいことが分かる。
【0042】
レーザー加工装置1の加工ヘッド53の稼働時の厚み測定処理には、このように作製された光スペクトルのマップに基づいて、ウェーハWの保護膜61の厚みが測定される。例えば、図4(b)に示すように、光スペクトルのマップに発光強度の閾値t0からt5を設定し、測定光が照射されることで保護膜61が発する光スペクトルの所定波長L付近の発光強度と閾値tとを比較することで保護膜61の厚みが測定される。図4の例では、保護膜61の厚みの測定値は、閾値t0より大きく閾値t1以下の発光強度でT0μm、閾値t1より大きく閾値t2以下の発光強度でT1μm、閾値t2より大きく閾値t3以下の発光強度でT2μm、閾値t3より大きく閾値t4以下の発光強度でT3μm、閾値t4より大きく閾値t5以下の発光強度でT4μmとなる。また、保護膜61の厚みの測定値は、閾値t0以下の発光強度でT0μm以下、閾値t5以上の発光強度でT4μm以上となる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、光スペクトルの所定波長L付近の発光強度により、保護膜61の厚みが測定される構成としたが、この構成に限定されるものではない。保護膜61の厚みは、光スペクトルの複数部分または全体により測定される構成としてもよい。
【0044】
ここで、図5を参照してレーザー加工装置の動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係るレーザー加工装置の動作のフローチャートである。レーザー加工装置1の加工ヘッド53の稼働前には、予備測定が行われて光スペクトルのマップが作製される。ここでは、搬送機構18により保護膜61が形成されていないマップ作成用のウェーハWが保護膜形成機構12に搬送され、ウェーハW表面に所定の厚みとなるように保護膜61が形成される(保護膜形成工程:ステップS01)。尚、保護膜形成工程では従来の膜厚測定装置を使用して保護膜61が所定の厚みであることの確認を行う。次に、搬送機構18によりウェーハWがチャックテーブル13に搬送され、吸収剤に吸収される波長の測定光が保護膜61に照射されることで、保護膜61の任意の厚みに対する光スペクトルが測定される(スペクトル測定工程:ステップS02)。そして、保護膜形成工程でウェーハWに形成する保護膜61の厚みを変化させながらスペクトル測定工程を必要回数繰り返すことで、複数の厚みの保護膜61が発する光スペクトルが測定される。測定結果は、制御部19に入力されて保護膜の厚みの変化に対する光スペクトルの変化を表すマップが作製される(マップ作製工程)。そして、マップ作製工程が終了することで予備測定が終了する。尚、保護膜61の測定位置は、撮像ヘッド54によるアライメント処理により調整されている。
【0045】
次に、レーザー加工装置の加工ヘッド53が稼働されると、プッシュプル機構16によりカセット2内から加工対象のウェーハWが一対のガイドレール17上に引き出され、搬送機構18によりウェーハWが保護膜形成機構12の成膜用テーブル26に搬送される。保護膜形成機構12において加工対象のウェーハW表面に所定の厚みとなるように保護膜61が形成される(ステップS03)。ここでは、成膜用テーブル26上のウェーハWに対し液状樹脂供給部28から液状樹脂が塗布される。そして、成膜用テーブル26が搬入台4内部で高速回転されることで、液状樹脂によりウェーハW全面が成膜される。
【0046】
次に、搬送機構18によりウェーハWがチャックテーブル13に搬送され、チャックテーブル13により測定ヘッド52の下方に位置付けられる。測定ヘッド52の下方にウェーハWが位置付けられると、ウェーハWの保護膜61の厚みが測定される(保護膜厚み測定工程:ステップS04)。ここでは、撮像ヘッド54によってアライメント処理が行われて、測定ヘッド52の測定位置が保護膜61上の任意の位置に調整される。測定ヘッド52により保護膜61に測定光が照射され、保護膜61の吸収剤による測定光の吸収によって発せられる光スペクトルの所定波長における発光強度が検出される。そして、制御部19において光スペクトルのマップに基づいて保護膜61の厚みが測定される。
【0047】
次に、制御部19において保護膜61の厚みが所定範囲内か否かが判定される(ステップS05)。ここでは、例えば、保護膜厚み測定工程において測定された保護膜61の厚みとマップ作製工程において予め定められた判定用の上限閾値と下限閾値とが比較される。そして、保護膜61の厚みが下限閾値以上かつ上限閾値以下の場合に、適切な厚みの保護膜61として所定範囲内と判定される。保護膜61の厚みが下限閾値より小さい場合または上限閾値より大きい場合に、厚過ぎまたは薄過ぎの保護膜61として所定範囲外と判定される。なお、ステップS05の判定処理は、保護膜61上の数か所(例えば、5箇所)で行われる。また、判定処理は、保護膜61の厚みの異常を特定可能であればよく、例えば、数か所の厚みのバラツキから判定してもよい。
【0048】
保護膜61の厚みが所定範囲内と判定されると(ステップS05:Yes)、レーザー加工が開始される(ステップS06)。ここでは、加工ヘッド53の射出口がウェーハWのストリートに位置合わせされ、ストリートに沿ってレーザー光線が照射される。この場合、ウェーハWの保護膜61が適切な厚みに形成されているため、保護膜61の厚みに起因した不具合が改善され、ウェーハWに対するデブリの付着を抑えてウェーハWの品質低下が防止される。また、保護膜61にはレーザー光線を吸収する吸収剤が含まれるため、レーザー光線により保護膜61が除去されつつウェーハWがレーザー加工される。これにより、保護膜61の剥がれに起因するデブリの付着も防止される。
【0049】
次に、ウェーハWの全てのストリートが加工されると、搬送機構18により加工済みのウェーハWがチャックテーブル13から保護膜形成機構12の成膜用テーブル26に搬送される。本実施形態では水溶性樹脂を保護膜61として使用しているので、保護膜形成機構12において加工済みのウェーハWから保護膜が洗浄除去される(ステップS07)。ここでは、搬入台4内部で洗浄水が噴射されながら、成膜用テーブル26が高速回転されることで、ウェーハW表面から保護膜61と共にデブリが洗い流される。そして、搬送機構18により洗浄済みのウェーハWが成膜用テーブル26から一対のガイドレール17に搬送され、プッシュプル機構16によりウェーハWがカセット2に収容される。
【0050】
一方、保護膜61の厚みが所定範囲外と判定されると(ステップS05:No)、保護膜厚み測定工程におけるウェーハWに対する保護膜61の形成回数が所定回数n以下か否かが判定される(ステップS08)。保護膜61の形成回数が所定回数n以下と判定された場合(ステップS08:Yes)、保護膜形成機構12に搬送されて、ステップS07と同様な洗浄処理によりウェーハWから保護膜61が洗い流され(ステップS09)、ステップS03に戻って保護膜61が形成し直される。また、保護膜61の形成回数が所定回数nより多いと判定された場合(ステップS08:No)、制御部19によりエラーが出力されてレーザー加工装置1が停止される(ステップS10)。なお、保護膜61の形成回数は、ステップS03の保護膜形成処理時にカウントされるが、ステップS04の保護膜61の厚み測定時およびステップS05の判定処理時にカウントされる構成としてもよい。また、レーザー加工装置1は、複数枚ウェーハを加工する場合には、稼働時の処理(ステップS03〜ステップS10)を枚数分繰り返す。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係る測定方法によれば、保護膜61の厚みの変化に対する光スペクトルの変化を表すマップに基づいて、保護膜61に吸収剤が吸収する測定光を照射して得られる発光強度から保護膜61の厚みを精度よく従来の測定装置よりも簡素に測定できる。したがって、測定装置を加工装置の台数分用意したり、加工装置に組み込むことが容易となり、保護膜61の厚みを一定に保った状態でレーザー加工することができ、ウェーハWに対するデブリの付着を抑えてウェーハWの品質低下を防止することができる。また、保護膜61が測定光を吸収して発光するため、ウェーハWの種類に依らず同一のマップに基づいて保護膜61を測定できる。
【0052】
なお、光学系として、例えば、図6に示すような射光式の光学系を用いてもよい。なお、図6は、可視光でレーザー加工される場合に用いられる厚み測定用の光学系を示すが、紫外光でレーザー加工される場合に用いられる厚み測定用の光学系に適用することも可能である。図6に示すように、この光学系の照射系側には、ウェーハWの保護膜61の厚みを測定するための測定用光源として白色光源65が設けられている。白色光源65は、保護膜61表面に対して斜めに照射するように構成されており、白色光源65から出射された光吸収剤が吸収する波長の光を含む測定光の光路上には、測定光の焦点を調整する集光レンズ66が配置されている。白色光源65及び集光レンズ66は、測定光を保護膜61に向けて照射する光照射部として機能する。
【0053】
この光学系の受光系側には、測定光を吸収した保護膜61の吸収剤からの発光を受光して発光強度を測定する受光部69が設けられている。保護膜61から受光部69に向かう光の光路上には、任意波長の光以外を遮断するバンドパスフィルタ67、バンドパスフィルタ67を通った光を受光部69の受光面に集光する集光レンズ68が配置されている。なお、集光レンズ66、68は、単レンズ、または組み合わせレンズで構成されている。
【0054】
白色光源65から出射された測定光は、集光レンズ66により集光されてウェーハW表面に対して斜めに照射される。保護膜61は、吸収剤により測定光を吸収して、測定光の吸収によって発光する。そして、ウェーハWからの光は、バンドパスフィルタ67、集光レンズ68を介して受光部69に入射される。なお、バンドパスフィルタ67の代わりに分光器により保護膜61からの光を分光して、任意波長の光を取得する構成としてもよい。
【0055】
また、上記した実施の形態においては、保護膜の厚みと光スペクトルとの関係を示す測定データとして、マップ形式のデータが用いられたが、この構成に限定されるものではない。測定データは、保護膜の厚みと光スペクトルとの関係を示すデータであればよく、例えば、保護膜の厚みの変化に対する保護膜の発光による光スペクトルの変化を示すテーブル形式のデータでもよい。
【0056】
また、上記した実施の形態においては、保護膜が吸収剤を含む水溶性樹脂により形成されたが、この構成に限定されるものではない。保護膜は、吸収剤を含めば、水溶性樹脂以外の樹脂材料により形成されてもよい。
【0057】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上説明したように、本発明は、吸収剤が吸収する波長の光によりワークの保護膜の厚みを精度よく測定できるという効果を有し、特に、レーザー加工によりワークを分割するレーザー加工装置に適用される測定方法および測定装置に有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 レーザー加工装置(測定装置)
11 搬入搬出機構
12 保護膜形成機構
13 チャックテーブル
14 レーザー加工ユニット
15 厚み測定ユニット
16 プッシュプル機構
18 搬送機構
19 制御部(記憶手段、算出手段)
28 液状樹脂供給部
52 測定ヘッド
53 加工ヘッド
54 撮像ヘッド
55 測定用光源(光照射部)
56 ハーフミラー(光照射部)
57 ミラー(光照射部)
58、66 集光レンズ(光照射部)
59 受光部
61 保護膜
65 白色光源(光照射部)
W ウェーハ(ワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークをレーザー加工する際に発生する加工屑からワークの表面を保護するために前記レーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含んだ水溶性樹脂によって形成された保護膜の厚みを測定する測定方法であって、
前記吸収材を含んだ水溶性樹脂によってワーク表面に所定の厚みとなる様に前記保護膜を形成する保護膜形成工程と、
前記保護膜形成工程の後に、ワーク表面に形成された前記保護膜に前記吸収剤が吸収する波長の光を照射して、該光の吸収によって前記吸収剤が発光する光スペクトルを受光して測定するスペクトル測定工程と、
前記保護膜形成工程で形成する前記保護膜の厚みを変化させながら前記スペクトル測定工程を行うことで前記保護膜の厚み変化に対する前記光スペクトルの変化を表すマップを作製するマップ作製工程を含み、
ワークの表面に塗布された前記保護膜の厚みを測定する際は、
前記保護膜に前記吸収剤が吸収する波長の光を照射して前記光スペクトルを測定し、前記マップに基づいて前記保護膜の厚みを測定する保護膜厚み測定工程を実施することを特徴とする測定方法。
【請求項2】
前記吸収剤が吸収する光の波長は少なくとも250nm以上かつ380nm以下、もしくは460nm以上かつ650nm以下のいずれかの波長を含むことを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
ワークをレーザー加工する際に発生する加工屑からワークの表面を保護するために前記レーザーの波長の光を吸収する吸収剤を含んだ水溶性樹脂によって形成された保護膜の厚みを測定する測定装置であって、
前記吸収剤が吸収する波長の光をワーク表面に形成された保護膜に向けて照射する光照射部と、
前記吸収剤が前記光照射部からの光を吸収して発光する光スペクトルを受光する受光部と、
前記保護膜の厚み変化に対する前記光スペクトルの変化を表すマップを記憶する記憶手段と、
前記受光部で受光した光スペクトルと前記記憶手段で記憶した前記マップに基づいて前記保護膜の厚みを求める算出手段と、を有することを特徴とする測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−104532(P2012−104532A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249430(P2010−249430)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】