説明

溶媒和した非イオン界面活性剤および脂肪酸

【課題】室温で実質的に固体である非イオン界面活性剤および脂肪酸を溶媒和して、室温で安定な均質液体を提供する。
【解決手段】a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体である溶質;b)少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;およびc)任意的に水を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和し、室温で液体かつ易流動性である均質組成物を形成する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2003年、7月14日に出願された米国特許出願No.10/620,210および2004年、5月7日に出願された米国特許出願No.10/840,417に優先権主張し、これらの出願はさらに、引用することによってその全部が本願に組み入れられる。
【0002】
本発明は、アルコキシル化された脂肪族アルカノールアミドおよび時には水を用いて、室温で固体である非イオン界面活性剤および脂肪酸を溶媒和することに関する。より詳細には、本発明は、プロポキシル化脂肪族エタノールアミドを用いてこれらの固体物質の均質溶液を作ることに関する。
【背景技術】
【0003】
非イオン界面活性剤は、広く種々の有用性、例えば補助、増粘、発泡、乳化、分散、結合(油の相溶性を増加)、可溶化、洗浄、懸濁、伸展、湿潤およびゲル化の故に、多くの組成物に組み込まれてきた。非イオン界面活性剤は、50年以上もの間入手可能であったが、限られた数のものしか、容易に流動性の液体形態で提供されなかった。固体の非イオン界面活性剤は典型的には加熱されて、その後種々の処方物へ組み込むために流動性の形態へと固体を溶融される。
【0004】
しかしながらそのような加熱は不経済であるだけでなく、得られる処方物の他の成分へ影響を及ぼし得る。例えば、ある界面活性剤は、溶液の表面張力を減じることによって、または非相溶性の物質間の界面の表面張力を減じて物質をその中に分散させることによって、水不溶性物質、例えば芳香剤(しばしば油溶性でしかない物質)を水性系に可溶化する能力を有する。芳香剤を溶融界面活性剤中へ組み込むと、これらの物質の多くは揮発性油であるので、しばしば芳香剤の損失を生じ得る。
【0005】
固体脂肪酸はまた、種々の用途、例えば石鹸、塗料およびコーティングのための化学中間体、繊維の仕上げ処方物、クリーニングおよび個人的なケア組成物ならびに潤滑用途において使用されてきた。固体脂肪酸はまた、液体処方物へ組み込むために、加熱されてこれらの固体を溶融しなければならないことがある。そのような加熱は同様に望ましくない。
【0006】
アルコキシル化された脂肪族アルカノールアミドは、米国特許No.6,531,443に開示されている。これらのアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドとしては、カプリル、ステアリック、大豆油およびココナツ油脂肪族モノエタノールアミドを包含し、液体形態であり得る。液体のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドは、米国特許出願公開No.US2003/00364498A1に開示されているようなある種の固体界面活性剤を含む他の界面活性剤を可溶化するのに使用されてきた。さらには、米国特許出願公開No.US2003/0091667A1は、抗菌組成物およびアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを水相へ可溶化して視覚的に透明であり、実質的に無色の水性系を生じることを記載する。抗菌組成物は、ハロゲン化ヒドロキシ-ジフェニルエーテル、例えば室温で固体のトリクロサンを含む。
【0007】
コロイド化学において使用され、界面活性剤化学において使用されるように、化溶化は、不溶性物質を液体、例えば水または優位に水性の系に分散もしくは乳化することである。しかしながら、そのような分散もしくは乳化は、真の溶液または完全な溶液を生じない。すなわち、分子レベルまたはイオンレベルでの溶質および溶媒の均質混合物を生じない。可溶化された混合物は微細に分散されて、顕微鏡またはミクロンレベルで存在する個々の粒子を有する視覚的に透明なエマルジョンを生じる。言い換えれば、ある種の界面活性剤、例えば上記したアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドは、水に不溶性の物質を水性系、すなわち優位量の水を有する系に微細に分散もしくは可溶化するために使用された。しかしながらそのような系は、顕微鏡レベルで不均質、2相または多相のままである。
【0008】
さらに、多くの非イオン界面活性剤は、水に可溶または少し可溶(典型的には10質量%未満)であると記載されている。しかしながらそのように一般的に使用される用語は、真の水性溶液を形成する界面活性剤の能力に言及せず、水性分散物または乳化に適当な界面活性剤の量についての限界に言及する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドの種々の分散物および、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを含む界面活性剤系または処方物が記載されているが、室温で固体の非イオン界面活性剤および脂肪酸組成物の溶媒和はとらえどころのないままである。したがって、室温で実質的に固体である非イオン界面活性剤および脂肪酸を溶媒和して、室温で安定な均質液体を提供することの必要性がある。望ましくは、そのような溶媒和は、液体形態で与えることの便利さを提供しつつ、固体の非イオン界面活性剤および脂肪酸の公知の特質を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、環境の室温(約25℃)で固体である、ある種の非イオン界面活性剤および脂肪酸の溶媒和に関する。望ましくは、溶媒和は、非イオン界面活性剤または脂肪酸が組成物または処方物に普通に添加される特質に悪影響を及ぼさない。幾つかの場合には、溶媒和は、溶媒和した組成物が、溶媒和していない非イオン界面活性剤の使用と比べて高められた性能を提供する相乗効果を生じる。
【0011】
より詳細には、本発明は、非イオン界面活性剤または脂肪酸、少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドおよび時には水の均質液体組成物に関する。好ましい実施態様においては、プロポキシル化された脂肪族アルカノールアミド、さらに好ましくはプロポキシル化された脂肪族エタノールアミドが使用される。しかしながら、全部の非イオン界面活性剤がアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドによって有効に溶媒和されるわけではない。本明細書に記載されたそれらの種類の界面活性剤は好ましくは、約11.1〜約18.4の親水-親油バランス(HLB)を有する。約11.1未満または約18.4より大きいHLBを有する非イオン界面活性剤は、本発明において使用されるアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドで完全には溶媒和されないことがある。
【0012】
有用なプロポキシル化脂肪族エタノールアミドとしては、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルリノールアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミドおよびそれらの組合せを包含する。
【0013】
したがって、本発明は、
a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質;
b)少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;ならびに
c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、
アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して、固体溶質を溶媒和し、室温で液体かつ易流動性である均質組成物を形成する
組成物を提供する。
【0014】
本発明はさらに、室温で固体である組成物を溶媒和する方法であって、
a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質を提供すること;
b)室温で液体であるアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを選択すること;
c)溶質、任意的に水およびアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを混合すること;
d)この混合物を溶質の流動点より上の温度に加熱して、固体を液化すること;ならびに
e)均質な液体組成物が達成されるまで、混合物の温度を維持し、撹拌すること
を含む方法を提供する。
【0015】
本発明はまた、液体であり、溶媒和された増粘組成物を処方物に添加することを含む洗浄処方物を増粘する方法であって、溶媒和された増粘組成物が、
(a)プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルリノールアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルソヤミドおよびそれらの組合せからなる群より選択される溶媒;
(b)-(OCH2CH2)nの式(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、約8〜約30個の炭素原子のカルボン酸部分を有し、かつ約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有するポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含む、室温で固体の非イオン界面活性剤を含む溶質;ならびに
(c)水
を含み、溶媒和された増粘組成物が室温で均質な液体である方法を提供する。
【0016】
本発明はなおさらに、
(i)(a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質;
b)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;および
c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和し、室温で液体で容易に流動性である均質組成物を形成する組成物;
(ii)アニオン界面活性剤;ならびに
(iii)任意的に1種以上のベタイン、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤
を含むシャンプーを提供する。
【0017】
本発明はなおさらに、
(i)(a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質;
b)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;および
c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和し、室温で液体かつ易流動性である均質組成物を形成する組成物;ならびに
(ii)アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤
を含む工業用洗浄組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によって、多数の用途が予想される。本発明の溶媒和組成物を組み込むことができる多くの用途の中には、限定されることはないが、スキンケア製品、例えば石鹸、液体ハンドクレンザー、ボディウォッシュ、洗顔剤、ローション、加湿剤、サンスクリーンおよびメーキャップ;ヘアケア製品、例えばシャンプー、コンディショナー、ヘアダイ、および染髪剤およびヘアジェル;工業的クリーナー;家庭用クリーナー;洗濯洗剤;ならびに予備加湿タオル、例えば赤ちゃん用濡れティッシュおよび老人用濡れティッシュ;農薬を含む農業用製品;塗料;織物;金属クリーニング製品;金属作用製品;および潤滑剤が包含される。
【0019】
本発明を説明するために本明細書で使用され、かつ一般的化学において使用されるように、溶媒和という語およびその変形は、物質(すなわち溶媒)が、分子的相互作用であるが溶質の実質的な分子解離は除く相互作用によって、他の物質(すなわち溶質)と均質な液体溶液を形成する能力、例えば塩化ナトリウムが水によって溶解される場合に関する。そのような均質溶液においては、溶質は溶媒により溶解される。それに対して、先に記載したように、可溶化は、物質(可溶化剤)の、2種の非相溶性の、例えば非混和性の物質の分散における援助をおこなう能力に関する。しばしば可溶化剤は、非混和性物質間の界面の表面張力を減じて、その間での分散を可能にする。そのような分散は、均質な液体溶液を生じないで、単に不均質な、しばしば微細に分散されたミクロエマルジョン混合物を生じるにすぎない。かくして、本明細書で使用されるように、溶媒和された組成物についての均質性の程度は、可溶化された組成物に存在する均質性の程度を超える。本明細書で使用されるように、均質組成物は、冷凍およびその後の解凍に供したときでさえ、ほぼ室温で時間にわたって個々の構成成分へと分離しない均一組成物または真の溶液をいう。
【0020】
本発明を実施するのに有用な溶媒は、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド、好ましくはプロポキシル化脂肪族アルカノールアミドおよび時には水を含む。そのような溶媒により溶媒和され得る溶質は、室温で固体である、ある種の非イオン界面活性剤および脂肪酸を含む。アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドで溶媒和される非イオン界面活性剤は、好ましくは約11.1〜約18.4の親水-親油バランス(HLB)を有する、以下に記載される種類の非イオン界面活性剤を包含する。
【0021】
HLBは、非イオン界面活性剤の親水性部分の質量の表示である。ほとんどのポリオール脂肪酸エステルについてのHLB値は、式HLB=20*(1-S/A)を用いて計算することができ、Sはエステルの鹸化価であり、Aは回収される酸の酸価である。親水性部分がエチレンオキシドからなる場合には、HLB値は、式HLB=E/5を用いて計算することができ、Eはオキシエチレン含量の質量%である。
【0022】
本発明の溶質は、室温で固体であるものであり、
(a)好ましくは約11.1〜約18.4のHLBを有する非イオン界面活性剤であり、以下の種類から選択されるもの:
(1)約8〜約30個の炭素原子を有し、かつ式-(OCH2CH2)n(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、さらにモノ-およびジ-エステルの両方が含まれ、好ましくは約16〜約18個の炭素原子を有し、nが約8〜約150であるポリアルキレンオキシドカルボン酸エステル;
(2)式-(OCH2CH2)m(ここで、mは約5〜約150、好ましくは約6〜約31、より好ましくは約7〜約21モルのエトキシル化である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約6〜約30個の炭素原子、好ましくは約8〜約22個の炭素原子、より好ましくは約10〜約19個の炭素原子を有する脂肪族アルコール部分を有し、これらの脂肪族アルコールは、直鎖もしくは分岐鎖のアルコールであることができ、かつ飽和もしくは不飽和であることができるエトキシル化脂肪族アルコールであって、適当なエトキシル化脂肪族アルコールの限定されない例としては、オレス(oleth)-10〜オレス-20(オレスアルコールのエチレングリコールエーテルであり、数に関する意味は、存在するエチレンオキシド部分の数を示す)、ステアレス(steareth)系列の化合物、例えばステアレス-10〜ステアレス-21(ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであり、数に関する意味は、存在するエチレンオキシド部分の数を示す)を含み、他の脂肪族アルコールは、ラウリルアルコールおよびイソセチルアルコールを含み得る;
(3)約15〜約100モル、好ましくは約60〜約70モルのエチレンオキシドを有し、かつ約15〜約70モル、好ましくは約20〜約30モルのプロピレンオキシドを有する、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるポロキサマー;
(4)約6〜約30個の炭素原子を有する疎水性の基および親水性の基としての多糖(例えばポリグリコシド)を有するアルキル多糖(APS)界面活性剤(例えばアルキルポリグリコシド);任意的に疎水性部分および親水性部分を結合するポリアルキレンオキシド基があることができ、アルキル基(すなわち疎水性部分)は、飽和または不飽和、分岐または非分岐であることができ、非置換または(例えばヒドロキシで)置換されることができる;
(b)式R3COOHのカルボキシル脂肪酸(ここで、R3は約8〜約14個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であることができ、好ましくは約12〜約14個の炭素原子を有する);ならびに
(c)それらの組合せ
から選択される。
【0023】
好ましい溶質は、ポリアルキレンオキシドカルボン酸エステル、エトキシル化脂肪族アルコール、カルボキシル脂肪酸およびそれらの組合せである。
【0024】
本発明の均質組成物中に存在する溶質の量は、低濃度、例えば約10質量%以下から高濃度、例えば約80質量%以上まで変化することができ、ここで、質量%は全組成物に基づく。溶媒和され得る上記した非イオン界面活性剤の量は、溶媒和されるべき非イオン界面活性剤のHLBを含む幾つかの要因に依存する。他の要因としては、存在するなら水を含む特定の溶媒を包含し得る。好ましいHLB範囲、すなわち約11.1〜約18.4の末端では、約10質量%の非イオン界面活性剤が適当に溶媒和され得る。10質量%未満の非イオン界面活性剤を有する溶液をまた形成することができるが、これらのより希薄な溶液は、界面活性剤の官能性が希釈され得るので、好ましくない。より多い量の界面活性剤を、11.1〜18.4の間のHLB値で溶媒和することができる。例えば、約80質量%以上の約15〜約17のHLBを有する非イオン界面活性剤を、溶媒和することができる。したがって、約11.1〜約18.4の間のHLB値を有する室温で固体の非イオン界面活性剤の真の溶液は、全組成物に基づいて約10〜約80質量%、好ましくは約20〜約70質量%、さらに一般的には約20〜約65質量%の非イオン界面活性剤を有して形成され得る。
【0025】
実施例1〜14に記載されているように、プロポキシル化脂肪族エタノールアミドを用いてのある種の非イオン界面活性剤についての溶媒和レベルは、非イオン界面活性剤のHLBおよび時には水と共に変化する。最大の溶媒和限界より下で、多くに試験が行なわれ、種々の濃度の溶質および溶媒で得られる組成物の均質性を確認した。約11.1未満のHLBを有する非イオン界面活性剤は、相分離の可能性を有する、曇ったまたは濁りをおびた混合物を形成する傾向がある。約18.4より上のHLBを有する非イオン界面活性剤は、相分離の可能性および固化の可能性を有する、曇ったまたは濁りをおびた混合物である傾向がある。
【0026】
上記した溶媒和レベルはまた、非イオン界面活性剤のブレンドまたは組合せのために適当に使用することができ、それによって、得られる非イオン界面活性剤ブレンドのHLBは好ましくは約11.1〜約18.4内にある。かくして、約11.1〜約18.4のHLBを有する非イオン界面活性剤および他の非イオン界面活性剤(約11.1〜約18.4のHLBを有するかまたは有さないことができる)のブレンドを適当に溶媒和することができるが、合わせたHLBが約11.1〜約18.4であるならばそうである。好ましくは、約11.1〜約18.4のHLB範囲の外の非イオン界面活性剤は少量のみしか、溶媒和されるべき界面活性剤ブレンドに含まれない。
【0027】
非イオン界面活性剤についての溶媒和レベルはまた、使用される溶媒の量に依存する。全組合せに基づいて約10〜約80質量%の量でのアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが、本発明の溶媒和した組成物に存在することができ、好ましくは約20〜約70質量%、さらに好ましくは約20〜約65質量%である。アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを用いて非イオン界面活性剤を溶媒和して均質な液体溶液を形成するために、幾らかの水が必要とされる。一般に、非イオン界面活性剤を有する均質な液体組成物を形成するのに、少なくとも5質量%の水が使用される。均質な液体組成物は適当には、全組成物に基づいて約5〜約35質量%の水を含むことができ、好ましくは約10〜約30質量%、より好ましくは約20〜約30質量%の水を含む。
【0028】
上記したカルボキシルC8〜C14脂肪酸溶質の溶媒和は、水の添加を必要としない。約50質量%のカルボキシル脂肪酸溶質を有する溶媒和は、約50質量%のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド溶媒を用いて達成され、ここで、質量%は全組成物に基づく。増加された量のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド溶媒は適当には、室温で固体のカルボキシル脂肪酸溶質の透明な均質溶液を形成するのに使用され得る。有用な限定されない脂肪酸溶質の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸およびココナツ脂肪酸を包含する。
【0029】
アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドの脂肪族部分は好ましくは、分岐鎖もしくは直鎖の、3〜21個の炭素原子を含む、より好ましくは8〜18個の炭素原子を含むアルキルまたはアルケニル基、またはそれらの組合せである。アルコキシ部分は、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ基、またはそれらの組み合わせであり得る。好ましい実施態様においては、プロポキシル化脂肪族アルカノールアミド、より好ましくはプロポキシル化脂肪族エタノールアミドが使用される。
【0030】
有用なアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド溶媒は、式1:
【化1】

によって示されるものである。
1は、分岐鎖もしくは直鎖の、飽和もしくは不飽和のC3〜C21アルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、またはそれらの組合せであり;R2は、C1〜C2アルキル基またはそれらの組合せであり、好ましくはR2はC1アルキル基であり;xは約1〜約8、好ましくは約1〜約5、より好ましくは約1〜約3であり;yは0または1、好ましくは0であり;zは1または2、好ましくは2である。
【0031】
有用なアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドの例としては、ポリオキシプロピレン-、ポリオキシブチレン-、脂肪族エタノールアミドまたは脂肪族イソプロパノールアミドを包含する。アルコキシル化脂肪族エタノールアミドが好ましく、特にプロポキシル化脂肪族エタノールアミドが好ましい。脂肪族エタノールアミド部分は好ましくは脂肪族モノエタノールアミドであり、より好ましくは、ラウリンモノエタノールアミド、カプリンモノエタノールアミド、カプリルモノエタノールアミド、カプリル/カプリンモノエタノールアミド、デカンモノエタノールアミド、ミリスチンモノエタノールアミド、パルミチンモノエタノールアミド、ステアリンモノエタノールアミド、イソステアリンモノエタノールアミド、オレインモノエタノールアミド、リノールモノエタノールアミド、オクチルデカンモノエタノールアミド、2-ヘプチルウンデカンモノエタノールアミド、ココナツ油脂肪族モノエタノールアミド、ビーフタロウ脂肪族モノエタノールアミド、大豆油脂肪族モノエタノールアミドおよびパーム種油脂肪族モノエタノールアミドから誘導される。これらのうちで、カプリル、リノール、ステアリン、イソステアリン、大豆油およびココナツ油脂肪族モノエタノールアミドが好ましい。イソステアリンが使用されるときには、好ましくは、別のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドと組合せて使用される(比は、以下の段落に記載されている)。
【0032】
好ましいプロポキシル化脂肪族エタノールアミドとしては、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルリノールアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミドおよびそれらの組合せが包含される。プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドがより好ましい。好ましい特定の物質は、PPG-1ヒドロキシエチルカプリルアミド、PPG-2ヒドロキシエチルコカミド、PPG-3ヒドロキシエチルリノールアミド、PPG-2ヒドロキシエチルイソステアラミドおよびそれらの組合せである。PPG-2ヒドロキシエチルコカミドが特に好ましい。
【0033】
他の実施態様においては、アルコキシル化脂肪族イソプロパノールアミドが使用される。脂肪族イソプロパノールアミド部分は好ましくは脂肪族モノイソプロパノールアミドであり、より好ましくは、ラウリンモノイソプロパノールアミド、カプリンモノイソプロパノールアミド、カプリルモノイソプロパノールアミド、カプリル/カプリンモノイソプロパノールアミド、デカンモノイソプロパノールアミド、ミリスチンモノイソプロパノールアミド、パルミチンモノイソプロパノールアミド、ステアリンモノイソプロパノールアミド、イソステアリンモノイソプロパノールアミド、オレインモノイソプロパノールアミド、リノールモノイソプロパノールアミド、オクチルデカンモノイソプロパノールアミド、2-ヘプチルウンデカンモノイソプロパノールアミド、ココナツ油脂肪族モノイソプロパノールアミド、ビーフタロウ脂肪族モノイソプロパノールアミド、大豆油脂肪族モノイソプロパノールアミドおよびパーム種油脂肪族モノイソプロパノールアミドから誘導される。これらのうちで、ステアリン、イソステアリンおよびココナツ油脂肪族モノイソプロパノールアミドが好ましい。
【0034】
本発明に従う、室温で固体の溶質を溶媒和する方法は、(a)好ましくは約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有する非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される、室温で固体の溶質を提供する工程;(b)室温で液体であるアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを選択する工程;(c)溶質、任意的に水およびアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを混合する工程;(d)混合物を溶質の流動点より上の温度に加熱して、固体を液化する工程;ならびに(e)均質な液体組成物が達成されるまで、混合物の温度を維持し、撹拌する工程を含む。組成物は室温に冷却されて、室温で均質な液体組成物を形成することができる。しかしながら本発明は、溶質の液化のために、合わせた混合物を加熱することに限定されない。例えば、任意の構成成分を、個々にまたは組合せて加熱して十分なエンタルピーを提供して、固体溶質を溶かし、かつ得られる混合物を混合中液体形態に保持することができる。加熱は、異なる構成成分を合わせる前、最中またはその後に行なうことができる。
【0035】
本発明の溶媒和の技術は、(a)(i)非イオン界面活性剤、例えばポリアルキレンオキシドカルボン酸エステル、エトキシル化脂肪族アルコール、ポロキサマー、アルキル多糖およびそれらの組合せ、好ましくは約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有する非イオン界面活性剤、(ii)C8〜C14脂肪酸またはそれらの組合せからなる群より選択される、室温で固体の溶質;および(b)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド組成物;またはアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドと、必要な時には任意的に(c)水との組合せを含む、液体かつ易流動性の組成物を提供する。
【0036】
溶質がポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含むときは、別のプロポキシル化ヒドロキシエチルアルキルアミド、例えばプロポキシル化ヒドロキシエチルカプリル/カプリンアミドまたはポリプロピレングリコールヒドロキシエチルコカミドと組合せて、プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミドおよび水を含む溶媒の使用は、相乗的増粘効果を生じる。相乗とは、得られる増粘が、溶質単独または溶媒単独によりもたらされる増粘より大きいことを意味する。そのような相乗的増粘は、洗浄組成物、例えば、限定されることはないが、シャンプーにおいて有用である。例えば、実施例15および16に記載されているように、溶質として普通に使用される増粘剤を含む溶媒和された本発明の組成物は、溶質単独よりも、かつ溶媒単独よりも、3種の異なる成人用シャンプー基剤について、およびベビーシャンプー処方物について、粘度が高められた。使用された溶質は、ポリオキシエチレン(150)ジステアレートであった。使用された溶媒は、イソステアラミド/非イソステアラミドの組合せであった。溶媒和された組成物は、イソステアラミド/非イソステアラミド溶媒で溶媒和されたポリオキシエチレン(150)ジステアレート溶質を含んでおり、その溶媒和は、驚くべきことに、その個々の構成成分の寄与よりも粘度を増加させた。
【0037】
相乗的増粘のために、イソステアラミド/非イソステアラミド溶媒中のイソステアラミド成分の量は、適当には溶媒に基づいて約5〜約95質量%、好ましくは約10〜約60質量%、より好ましくは約15〜約35質量%で変化し得る。
【0038】
他の実施態様においては、相乗的増粘効果はまた、ポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含む溶質、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを含む溶媒の使用、および水で得られる。プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドは、本発明の溶媒和した組成物において、全組成物に基づいて好ましくは約5〜約50質量%の量で存在し、好ましくは約10〜約35質量%、より好ましくは約15〜約25質量%である。ポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルは好ましくは全組成物に基づいて約20〜約70質量%の量で存在し、好ましくは約30〜約60質量%、より好ましくは約45〜約55質量%である。均質な液体組成物は適当には、全組成物に基づいて約5〜約50質量%の水、好ましくは約15〜約40質量%の水、より好ましくは約25〜約30質量%の水を含む。特に驚くべき特徴は、比較的高濃度のポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルが、比較的低濃度のプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを用いて溶媒和することができることである。
【0039】
本発明の1つの態様においては、本明細書で定義した液体で容易に流動性の組成物を含む、すなわちそれから形成され、追加的にアニオン界面活性剤;および任意的に1種以上のベタイン、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤を含むシャンプーが提供される。
【0040】
さらなる態様においては、ベビーシャンプーが提供される。ベビーシャンプーは、(i)(a)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;好ましくはプロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドおよびそれらの組合せ;より好ましくはプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを含む溶媒、(b)式-(OCH2CH2)n(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約8〜約30個の炭素原子のカルボン酸部分を有し、好ましくは約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有するポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含む室温で固体の非イオン界面活性剤を含む溶質;および(c)水を含む、室温で液体であり、かつ溶媒和した増粘組成物;(ii)アニオン界面活性剤;(iii)ベタイン;(iv)非イオン界面活性剤;ならびに(v)任意的に両性界面活性剤を含む。好ましくは、アニオン界面活性剤は、全シャンプーに基づき約2〜約5質量%で存在し;ベタインは、全シャンプーに基づき約3〜約6質量%で存在し;非イオン界面活性剤は、全シャンプーに基づき約6〜約10質量%で存在し;かつ両性界面活性剤は、全シャンプーに基づき約0〜約5質量%で存在する。ベビーシャンプーのために有用なアニオン界面活性剤の限定されない例としては、トリデセス硫酸ナトリウムを包含する。ベビーシャンプーのために有用なベタインの限定されない例としては、コカミドプロピルベタインを包含する。ベビーシャンプーのために有用な非イオン界面活性剤の限定されない例としては、PEGソルビタンラウレートを包含する。ベビーシャンプーのために有用な両性界面活性剤の限定されない例としては、ラウレス硫酸ナトリウムを包含する。
【0041】
本発明の別の態様においては、成人用シャンプーが提供される。成人用シャンプーは、(i)(a)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;好ましくはプロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドおよびそれらの組合せ;より好ましくはプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを含む溶媒、(b)式-(OCH2CH2)n(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約8〜約30個の炭素原子のカルボン酸部分を有し、好ましくは約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有するポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含む室温で固体の非イオン界面活性剤を含む溶質;および(c)水を含む、室温で液体であり、かつ溶媒和した増粘組成物;(ii)アニオン界面活性剤;(iii)ベタイン;(iv)非イオン界面活性剤;ならびに(v)任意的にカチオン界面活性剤を含む。好ましくは、アニオン界面活性剤は、全シャンプーに基づき約6〜約15質量%で存在し;ベタインは、全シャンプーに基づき約2〜約6質量%で存在し;非イオン界面活性剤は、全シャンプーに基づき約1〜約4質量%で存在し;かつカチオン界面活性剤は、全シャンプーに基づき約0〜約1質量%で存在する。成人用シャンプーのために有用なアニオン界面活性剤の限定されない例としては、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、α-オレフィンスルホネートおよびそれらの組合せを包含する。成人用シャンプーのために有用なベタインの限定されない例としては、コカミドプロピルベタインを包含する。成人用シャンプーのために有用な非イオン界面活性剤の限定されない例としては、コカミドMEA、ラウラミドDEA、PPG-2ヒドロキシエチルココ/イソステアラミドおよびそれらの組合せを包含する。成人用シャンプーのために有用なカチオン界面活性剤の限定されない例としては、Polyquat-10またはベヘントリモニウムクロリドを包含する。
【0042】
本発明の別の態様においては、工業用洗浄組成物、好ましくは洗濯洗剤が提供される。工業用洗浄組成物は、
(i)(a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質;
(b)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;および
(c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、
アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和して、室温で液体かつ易流動性である均質組成物を形成する、組成物;
ならびに
(ii)アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤
を含む。
【0043】
本発明の特徴および利点を、以下の実施例によって、より完全に示すが、実施例は、説明の目的のために提供され、いかなるやり方でも本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0044】
実施例1〜14は、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドの、選択された室温で固体物質を溶媒和する能力を証明する。選択された室温で固体物質は、1質量部のプロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミドおよび3質量部のプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを有するアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド組成物(組成物A)および、任意的に水と、種々の濃度で混合された。
【0045】
実施例1〜14における固体物質は組成物Aに添加され、50℃の温度または、その融点もしくは流動点が50℃を超えるときにはその温度より少し高い温度に加熱されて、液化物質を提供した。物質は、温度を維持しながら、均質になるまで、混合羽根を用いて容器中で撹拌された。水を別に、約50℃の温度に加熱した。あるとしたら、加熱した水を、適度に撹拌しながらブレンドに添加した。得られた混合物を室温に冷却した。
【0046】
実施例1
ポリオキシエチレン(20)イソヘキサデシルエーテル(Arlasolve 200、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約15.7のHLBを有し、室温で固体である(34℃の流動点)。ポリオキシエチレン(20)イソヘキサデシルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順にしたがって、種々の割合で混合した。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が、3成分の種々の濃度で観察された。しかしながら、溶媒和には、幾らかの水が必要とされた。結果を以下の表1に示す。
【表1】

【0047】
実施例2
ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brij 35、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約16.9のHLBを有し、室温で固体である(33℃の流動点)。ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順にしたがって、種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が、3成分の種々の濃度で観察された。しかしながら、溶媒和には、幾らかの水が必要とされた。結果を以下の表2に示す。
【表2】

【0048】
実施例3
実施例1のポリオキシエチレン(20)イソヘキサデシルエーテルおよび実施例2のポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルを、組成物Aおよび水と、上記した手順にしたがって、種々の割合で混合した。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が、3成分の種々の濃度で観察された。結果を以下の表3Aに示す。
【表3】

【0049】
混合したエーテルのHLBは、ポリオキシエチレン(20)イソヘキサデシルエーテルが豊富な組成物および乏しい組成物のそれぞれについて、15.9および16.7と計算された。ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルが豊富な組成物を処方して、有効な液体非イオン発泡界面活性剤ブレンドとした。
【0050】
有効な非イオン発泡界面活性剤ブレンドをまた、組成物Aとは異なる溶媒を用いて製造した。プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド(ウニケマ(Uniqema)から入手可能なPromidium CC製品、組成物D)は、先に記載した手順に従い、幾らか水を存在させて、ポリオキシエチレン(20)イソヘキサデシルエーテルおよびポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルの組合せを溶媒和した。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が観察された。結果を以下の表3Bに示す。
【表4】

【0051】
実施例4
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(Brij 72、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約4.9のHLBを有し、室温で固体である(43℃の流動点)。ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物は得られなかった。結果を以下の表4に示す。
【表5】

【0052】
実施例5
ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(Brij 76、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約12.4のHLBを有し、室温で固体である(38℃の流動点)。ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が観察された。しかしながら、溶媒和には、幾らかの水が必要とされた。結果を以下の表5に示す。
【表6】

【0053】
実施例6
ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(Brij 78、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約15.3のHLBを有し、室温で固体である(38℃の流動点)。ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が観察された。結果を以下の表6に示す。
【表7】

【0054】
実施例7
ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(Brij 700、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約18.8のHLBを有し、室温で固体である(55℃の流動点)。ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、種々の割合で合わせた。3成分の種々の濃度で、溶媒和した、透明でかつ均質の組成物は観察されなかった。結果を以下の表7に示す。
【表8】

【0055】
実施例8
ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル(Brij 721、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約15.5のHLBを有し、室温で固体である(45℃の流動点)。ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が観察された。結果を以下の表8に示す。
【表9】

【0056】
実施例9
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(Brij 98、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約15.3のHLBを有し、室温で固体である(23℃の流動点)。ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が観察された。結果を以下の表9に示す。
【表10】

【0057】
実施例10
ポリオキシエチレン(40)ステアレート(Myrj 52、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約16.9のHLBを有し、室温で固体である(38℃の流動点)。ポリオキシエチレン(40)ステアレートを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が、3成分の種々の濃度で観察された。結果を以下の表10に示す。
【表11】

【0058】
実施例11
ポリオキシエチレン(50)ステアレート(Myrj 53、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約17.9のHLBを有し、室温で固体である(40℃の流動点)。ポリオキシエチレン(50)ステアレートを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が観察された。結果を以下の表11に示す。
【表12】

【0059】
実施例12
ポリオキシエチレン(100)ステアレート(Myrj 59、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約18.8のHLBを有し、室温で固体である(46℃の流動点)。ポリオキシエチレン(100)ステアレートを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物は観察されなかった。結果を以下の表12に示す。
【表13】

【0060】
実施例13
ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート(Tween 65、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約10.5のHLBを有し、室温で固体である(33℃の流動点)。ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレートを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物は観察されなかった。結果を以下の表13に示す。
【表14】

【0061】
実施例14
ポリオキシエチレン(150)ジステアレート(組成物C)(Estol 3734、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は約18.4のHLBを有し、室温で固体である(55℃の流動点)。組成物Cを組成物Aおよび水と、上記した手順に従って、以下に記載した割合で合わせて、組成物Bを形成した。組成物Bは、溶媒和した、透明でかつ均質の組成物であることが観察された。結果を以下の表14に示す。
【表15】

【0062】
実施例15
(1)7:3の比のラウレス硫酸ナトリウム(SLES)対ココアミドプロピルベタイン(CAB);(2)7:3の比のラウリルエーテル硫酸アンモニウム(ALES)対ラウリル硫酸アンモニウム(ALS);および(3)7:3の比のα-オレフィンスルホネート(AOS)対ココアミドプロピルベタイン(CAB)で、成人用シャンプーを調製した。実施例14の組成物B(すなわち、溶媒和されたポリオキシエチレン(150)ジステアレート溶液)およびC(すなわち、ポリオキシエチレン(150)ジステアレート)を成人用シャンプー基剤に添加した。組成物Aをまた、比較のために、シャンプー基剤に添加した。
【0063】
センチポイズ(cPs)で表した粘度を、製造業者により提供される標準の操作手順に従って、ブルックフィールドDVIIモデル粘度計で測定して、広範囲の粘度にわたる信頼性のある粘度測定値を得た。センチポイズで表した得られた組成物の粘度の結果を以下にまとめる。
【表16】

【表17】

【表18】

【0064】
比較のために、表15A〜15Cの結果を、パーセント-添加したポリオキシエチレン(150)ジステアレートに基づいて、組成物BおよびCについて以下の表15Dに示す。
【表19】

【0065】
同じ濃度のポリオキシエチレン(150)ジステアレートについての粘度増加によって示されるように、組成物Bは、組成物Cにまさって、予想されない結果を示した。
【0066】
実施例16
以下の表16Aに記載されたように、ベビーシャンプー処方物を調製した。
【表20】

【0067】
実施例14の組成物B(すなわち、溶媒和されたポリオキシエチレン(150)ジステアレート溶液)およびC(すなわち、ポリオキシエチレン(150)ジステアレート)をベビーシャンプー処方物に添加した。組成物Aをまた、比較のために、シャンプー基剤に添加した。センチポイズ(cPs)で表した粘度を、上記した標準の操作手順に従って、ブルックフィールドDVIIモデル粘度計で測定した。センチポイズで表した得られた組成物の粘度の結果を以下にまとめる。
【表21】

【0068】
組成物B、すなわち、溶媒和された本発明の組成物は、溶媒すなわち組成物A単独および溶質すなわち組成物C単独よりまさって、相乗的増粘を有した。
【0069】
比較のために、表16Bの結果を、パーセント-添加したポリオキシエチレン(150)ジステアレートに基づいて、組成物BおよびCについて以下の表16Cに示す。
【表22】

【0070】
ずっと低い濃度のポリオキシエチレン(150)ジステアレートについての粘度増加によって示されるように、組成物Bは、組成物Cにまさって、予想されない結果を示した。
【0071】
実施例17
ココナツ脂肪酸(Prifac7902、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は、室温で固体ペーストであり(25℃の融点)、室温で水に不溶性である。ココナツ脂肪酸は、それぞれ約55および約22質量%でC12およびC14脂肪酸が豊富であり、残りは、より重い(C16およびC18)脂肪酸が優勢にある。ココナツ脂肪酸を50℃に加熱して、ココナツ脂肪酸を溶融し、室温で液体であるPPG-2ヒドロキシエチルコカミド(ウニケマ(Uniqema)から入手可能なPromidium CO製品)と種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質な組成物が、種々の組合せで観察された。溶媒和に水は必要とされなかった。結果を以下の表17Aに示す。
【表23】

【0072】
PPG-2ヒドロキシエチルコカミド対ココナツ脂肪酸の質量比約1以上(すなわち、PPG-2ヒドロキシエチルコカミドの量が多い)で、透明で均質な溶液が観察された。PPG-2ヒドロキシエチルコカミド対ココナツ脂肪酸の質量比1:2では、均質な液体は観察されなかった。
【0073】
表17Aの透明な液体溶液を次に、約5℃に24時間冷却した。この冷却温度で、結晶化および/または固化が観察された。これらの冷却試料を室温に暖めたとき、すなわち溶かしたとき、透明で均質な溶液が再び観察された。これらの「凍結/解凍」の結果を以下の表17Bに示す。
【表24】

【0074】
実施例18
ラウリン酸(92〜94%)(Prifrac 2920、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は室温で固体であり(41℃の融点)、典型的には約92%で、C12脂肪酸が豊富である。ラウリン酸(98〜100%)(Prifrac 2922、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は室温で固体であり(43℃の融点)、典型的には約98%で、C12脂肪酸が豊富である。パルミチン酸(Prifrac 2960、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)は室温で固体であり(60℃の融点)、典型的には約92%で、C16脂肪酸が豊富である。脂肪酸を50℃に加熱して溶融し、PPG-2ヒドロキシエチルコカミドおよびイソステアラミド/非イソステアラミド溶媒(実施例1〜14の組成物A)と種々の割合で合わせた。溶媒和した、透明でかつ均質の組成物が、種々の組合せで観察された。溶媒和に水は必要とされなかった。結果を以下の表18Aに示す。
【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【0075】
実施例19
この実施例は、溶媒和していない非イオン界面活性剤の使用に比べて、本発明の溶媒和した非イオン界面活性剤の使用での高められた乳化を示す。第1のエマルジョンは、15.00質量%の鉱油(白)、2.25質量%の非イオン界面活性剤および82.75質量%の水を用いて製造された。使用した界面活性剤は、43質量%のポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(Brij 72、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)および57質量%のポリオキシエチレン(21) ステアリルエーテル(Brij 721、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)のブレンドであり、このブレンドは、約10.9のHLB値を有していた。室温で3週間貯蔵後、エマルジョンは、30%クリーム分離をした。すなわち、不安定なエマルジョンであった。
【0076】
第2のエマルジョンは、15.00質量%の鉱油(白)、2.25質量%の非イオン界面活性剤系および82.75質量%の水を用いて製造された。使用した界面活性剤系は、25質量%のポリオキシエチレン(21) ステアリルエーテル(Brij 721、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)、60質量%の、1質量部のプロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミドおよび3質量部のプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを有するアルコキシル化アルカノールアミド組成物(組成物A)、および15質量%の水からなる溶媒和溶液75質量%中に分散された25質量%のポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(Brij 72、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)であった。この界面活性剤系は12.5の計算されたHLBを有する。室温で3週間貯蔵後、エマルジョンは100%安定であり、すなわち分離は観察されなかった。
【0077】
実施例20
ポリオキシエチレン(150)ジステアレート(組成物C)(Estol 3734、ウニケマ(Uniqema)から入手可能)をPPG-2ヒドロキシエチルコカミド(ウニケマ(Uniqema)から入手可能なPromidium CO製品)および水と、以下に記載する割合で、上記した手順に従って合わせて、溶媒和した、透明でかつ均質な組成物を形成した。結果を以下の表20に示す。
【表31】

【0078】
何が、目下本発明の好ましい実施態様であると思われるかを述べてきたが、当業者は、本発明の意図からはずれることなく、それに対して変更および変形をなし得ること、および本発明の真の範囲内に全てのそのような変更および変形を含むことを意図することを十分理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体である溶質;
b)少なくとも1種のアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;および
c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、
前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和し、室温で液体かつ易流動性である均質組成物を形成する組成物。
【請求項2】
前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが、式1:
【化1】

(上式中、R1は、分岐鎖もしくは直鎖の、飽和もしくは不飽和のC3〜C21アルキル基またはそれらの組合せであり;R2は、C1〜C2アルキル基またはそれらの組合せであり;xは約1〜約8であり;yは0または1であり;zは1または2である)
で表される、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記非イオン界面活性剤が、約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有する、請求項1および2のいずれか1項記載の組成物。
【請求項4】
前記非イオン界面活性剤が、
(i)ポリアルキレンオキシドカルボン酸モノエステル、ポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルおよびそれらの組合せからなる群より選択されるポリアルキレンオキシドカルボン酸エステルであって、式-(OCH2CH2)n(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約8〜約30個の炭素原子のカルボン酸部分を有するポリアルキレンオキシドカルボン酸エステル;
(ii)式-(OCH2CH2)m(ここで、mは約5〜約150である)に対応するエチレンオキシド部分を有し、かつ約6〜約30個の炭素原子の脂肪族アルコール部分を有するエトキシル化脂肪族アルコール;
(iii)約15〜約100モルのエチレンオキシドおよび約15〜約70モルのプロピレンオキシドを有する、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるポロキサマー;
(iv)約6〜約30個の炭素原子を有する疎水性基を有するアルキル多糖;および
(v)それらの組合せ
からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが、プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルリノールアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルソヤミドおよびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
(i)前記非イオン界面活性剤が、式-(OCH2CH2)n(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約8〜約30個の炭素原子のカルボン酸部分を有するポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルであり、(ii)前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドがプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
組成物の洗浄処方物への添加が、溶媒和していないポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルの洗浄処方物への同質量の添加より大きい粘度に、洗浄処方物の粘度を増加させる、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
(a)前記非イオン界面活性剤溶質が、
(i)ポリアルキレンオキシドカルボン酸モノエステル、ポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルおよびそれらの組合せからなる群より選択され、式-(OCH2CH2)n(ここで、nは約8〜約150である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約16〜約18個の炭素原子のカルボン酸部分を有するポリアルキレンオキシドカルボン酸エステル;
(ii)式-(OCH2CH2)m(ここで、mは約7〜約21である)に対応するエチレンオキシド部分を有し、かつ約10〜約19個の炭素原子の脂肪族アルコール部分を有するエトキシル化脂肪族アルコール;および
(iii)それらの組合せ
からなる群より選択され、かつ
(b)前記C8〜C14脂肪酸が、式R3COOHのカルボキシル脂肪酸(ここで、R3は約12〜約14個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であることができる)である
請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
(i)前記非イオン界面活性剤溶質が、ポリオキシエチレン(20)イソヘキサデシルエーテルおよびポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルの組合せであり;かつ(ii)前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドがプロポキシル化ヒドロキシエチルコカミドを含む請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
室温で固体である組成物を溶媒和する方法であって、
a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質を提供すること;
b)室温で液体であるアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを選択すること;
c)溶質、任意的に水およびアルコキシル化脂肪族アルカノールアミドを混合すること;
d)この混合物を溶質の流動点より上の温度に加熱して、固体を液化すること;ならびに
e)均質な液体組成物が達成されるまで、混合物の温度を維持し、撹拌すること
を含む方法。
【請求項11】
混合した液化された溶質およびアルコキシル化脂肪族アルカノールアミド組成物を室温に冷却して、室温で均質な液体組成物を形成する工程をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが、プロポキシル化脂肪族エタノールアミドおよびプロポキシル化脂肪族イソプロパノールアミドからなる群より選択される請求項11記載の方法。
【請求項13】
液体の、溶媒和された増粘組成物を処方物に添加することを含む、洗浄処方物を増粘する方法であって、溶媒和された増粘組成物が、
(a)プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルリノールアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルソヤミドおよびそれらの組合せからなる群より選択される溶媒;
(b)-(OCH2CH2)nの式(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、約8〜約30個の炭素原子のカルボン酸部分を有し、かつ約11.1〜約18.4の親水-親油バランスを有するポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含む、室温で固体の非イオン界面活性剤を含む溶質;および
(c)水
を含み、溶媒和された増粘組成物が室温で均質な液体である方法。
【請求項14】
溶媒和された増粘組成物の添加工程が室温で行なわれる,請求項13記載の方法。
【請求項15】
溶媒和された増粘組成物の添加が、同質量の同様のポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルの添加によるより大きな範囲に、洗浄処方物の粘度を増加させる、請求項13または14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
洗浄処方物がシャンプーである請求項13〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
(i)(a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される、室温で固体の溶質;
b)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;および
c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和し、室温で液体でありかつ易流動性である均質組成物を形成する組成物;
(ii)アニオン界面活性剤;ならびに
(iii)任意的に1種以上のベタイン、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤
を含むシャンプー。
【請求項18】
溶質が、-(OCH2CH2)nの式(ここで、nは約5〜約200である)に対応するポリエチレンオキシド部分を有し、かつ約8〜約30個の炭素原子を有するカルボン酸部分を有するポリアルキレンオキシドカルボン酸ジエステルを含む室温で固体の非イオン界面活性剤を含む請求項17記載のシャンプー。
【請求項19】
水、および
(i)ベタイン;
(ii)非イオン界面活性剤;および
(iii)任意的に両性界面活性剤
を含む、ベビーシャンプーである,請求項17および18のいずれか1項記載のシャンプー。
【請求項20】
アニオン界面活性剤が、全シャンプーに基づき約2〜約5質量%存在し;ベタインが、全シャンプーに基づき約3〜約6質量%存在し;非イオン界面活性剤が、全シャンプーに基づき約6〜約10質量%存在し;かつ両性界面活性剤が、全シャンプーに基づき約0〜約5質量%存在する、請求項19記載のベビーシャンプー。
【請求項21】
水、および
(i)ベタイン;
(ii)非イオン界面活性剤;および
(iii)任意的にカチオン界面活性剤
を含む、成人用シャンプーである、請求項17および18のいずれか1項記載のシャンプー。
【請求項22】
アニオン界面活性剤が、全シャンプーに基づき約6〜約15質量%存在し;ベタインが、全シャンプーに基づき約2〜約6質量%存在し;非イオン界面活性剤が、全シャンプーに基づき約1〜約4質量%存在し;かつカチオン界面活性剤が、全シャンプーに基づき約0〜約1質量%存在する、請求項21記載の成人用シャンプー。
【請求項23】
前記アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが、プロポキシル化ヒドロキシエチルイソステアラミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルカプリルアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルコカミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルリノールアミド、プロポキシル化ヒドロキシエチルソヤミドおよびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項17〜22のいずれか1項記載のシャンプー。
【請求項24】
(i)(a)非イオン界面活性剤、C8〜C14脂肪酸およびそれらの組合せからなる群より選択される室温で固体の溶質;
b)アルコキシル化脂肪族アルカノールアミド;および
c)任意的に水
を含む、液体かつ易流動性の組成物であって、アルコキシル化脂肪族アルカノールアミドが溶媒として作用して固体溶質を溶媒和し、室温で液体でありかつ易流動性である均質組成物を形成する組成物;ならびに
(ii)アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤
を含む工業用洗浄組成物。

【公開番号】特開2011−173917(P2011−173917A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−103493(P2011−103493)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【分割の表示】特願2006−520214(P2006−520214)の分割
【原出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(509306591)ユニケマ アメリカ リミティド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】