説明

溶解パラメータに基く薬剤送出系及び薬剤飽和濃度を変化させる方法

【課題】薬剤の送出を調節するための、皮膚に適用するための経皮組成物中の薬剤の飽和濃度を調節する方法並びに製剤の提供。
【解決手段】溶解度パラメータの異なる2種の感圧接着剤、薬剤、補助溶剤、エンハンサーのブレンド物を含む感圧接着剤組成物。2種の感圧接着剤は、代表的にはアクリレートポリマー、ポリシロキサンが選ばれる。この組成物は、皮膚中の薬剤の前もって決めた浸透速度を得ることを可能にする。この皮膚組成物は、溶液中のポリマー、薬剤、及び付加的な成分の混合、続いて加工溶剤の除去を含む、薬剤を含む接着製剤の調製方法において知られている種々の方法により製造することができる。
【効果】皮膚配合物への薬剤の選択可能な配合量を可能にし、かつ許容できる剪断、粘着、及び剥離の接着特性を維持しつつ、組成物から皮膚を通過する薬剤の送出速度の調節を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に経皮(transdermal)薬剤送出系に関するものであり、更に詳しくは、ポリマーのブレンドが使用されて組成物からの薬剤送出の速度に変化をもたらすような経皮薬剤送出組成物に関する。更に詳しくは、異なる溶解パラメーターを有し、好ましくは互いに不混和性の複数のポリマーが、そのブレンドにより形成されたポリマー接着系中の薬剤の溶解度を調節し、かつ組成物から皮膚を通過する薬剤の送出を調節する。
【背景技術】
【0002】
皮膚中の薬剤送出を実質的に一定の速度に調節する手段として、経皮組成物、例えば、薬剤を含む感圧接着剤の使用が公知である。このような既知の送出系は、担体、例えば、ポリマーマトリックス及び/または感圧接着剤配合物中の薬剤の混入を伴う。感圧接着剤は皮膚に有効に接着し、かつ担体から皮膚を通過して患者の血流中への薬剤の移動を可能にする必要がある。
【0003】
一般に、薬剤の品質、最適の送出速度、一つ以上の標的部位、治療の種類(短期または慢性)、患者のコンプライアンス、等を含む多くの因子が、徐放性または調節された放出性の薬剤送出製品、及び皮膚送出系の設計及び性能に影響する。皮膚への放出もしくは浸透の速度、またはその両方に影響することが知られている薬剤の品質の中に、分子のサイズ、形状、及び体積;溶解度(送出系中及び皮膚中の両方);分配特性;イオン化の程度;電荷;並びにタンパク質結合性を含む物理化学的性質がある。
【0004】
薬剤が担体、例えば、経皮送出用の感圧接着剤中に含まれる場合、投与の速度は担体からの薬剤の放出の速度により影響されるだけでなく、皮膚中の薬剤の通過の速度により影響されることがある。これらの速度は薬剤により変化し、また担体により変化する。種々の数式が当業界で提案されており、担体中の拡散及び皮膚の如き膜を横切るフラックスの発生に関与する物質移動現象の原理を理論的に記載していた。
【0005】
経皮薬剤送出系は二つの一般的な群、即ち、系制御装置及び皮膚制御装置に分けられる。皮膚制御装置では、正味薬剤送出は皮膚中の薬剤の浸透の速度により調節される。皮膚制御系は更にモノリス装置及び溜め装置に細分し得る。
一般に、モノリス系は、例示として、シリコーン接着剤、シリコーンゴム、アクリル接着剤、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、等の均質ポリマー物質を含むマトリックス中に分散または溶解された薬剤を含む。薬剤は、その飽和濃度に達するまでポリマーマトリックスに溶解される。付加的な薬剤はマトリックス中に分散されたままである。薬剤がマトリックスの表面から除去されるにつれて、薬剤の多くが表面における低下された濃度に応じて内部から拡散して出ていく。それ故、放出速度は経時的に一定ではないが、その代わり、薬剤濃度が低下するにつれて次第に低下する。
【0006】
皮膚中の薬剤のフラックス、即ち経皮吸収速度がフィック(Fick)の拡散の第一法則により記載される。
J=−D(dC/dx)
(式中、Jはフラックス(単位:g/cm/秒)であり、Dは皮膚中の薬剤の拡散係数(単位:cm/秒)であり、かつdC/dxは皮膚を横切る活性薬剤の濃度勾配である)
モノリス経皮装置から皮膚への送出の速度を加減するために、従来技術は典型的には特定の単一ポリマーマトリックスまたは可溶性(混和性)ポリマーのブレンドを選択することに集中していた。これらの例は米国特許第4,898,920号及び同第4,751,087号明細書に記載された新規なポリマーである。市販のポリマー成分を使用して送出の速度を加減することに対する要望が当業界にある。
【0007】
薬剤送出の速度を加減する別の普通の技術は、例えば、多価アルコールの如き補助溶剤を添加することにより、または皮膚浸透性を、例えば、エタノールの如きエンハンサーを添加することにより変化させることにより、ビヒクルまたはエンハンサーを配合物に添加してポリマーマトリックス中の薬剤の溶解度を増大することである。ビヒクルまたはエンハンサーを添加しないでポリマーマトリックスからの薬剤の送出を調節できることに対する更なる要望がある。
【0008】
接着剤ポリマーの簡単なブレンドを使用してモノリス接着剤をベースとする経皮組成物からの薬剤送出の速度に変化をもららすという例は従来技術にはない。しかしながら、1989年3月21日に付与された米国特許第4,814,168号、及びその一部継続出願である1991年2月19日に発行された米国特許第4,994,267号(共にフロリダ州マイアミにあるノーブン・ファーマシューティカルズ(Noven Pharma−ceuticals,Inc.)に譲渡された)は、担体組成物中にマルチポリマー、詳しくはエチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/酢酸ビニル/アクリルターポリマー、ゴム及び粘着付与剤を使用して接着特性を改良することを開示している。米国特許第4,994,267号の組成物は、接着特性の更なる改良のためにその系中にアクリレートポリマーを更に含んでいる。
【0009】
モノリス経皮送出装置中の薬剤濃度は、使用される薬剤及びポリマーに応じて広く変化し得る。例えば、或る種の薬剤は低投薬量で有効であり、それ故、経皮配合物は接着剤中に低濃度、例えば、5重量%以下の薬剤を含むことがある。ニトログリセリンの如きその他の薬剤は有効であるためには多い投薬量を必要とし、それ故、経皮配合物は接着剤中に高薬剤濃度、約5〜40重量%以上を含むことがある。低濃度の薬剤は典型的には接着剤の接着性、粘着性、及び剪断抵抗性に決定的には影響しない。しかしながら、接着中の低薬剤濃度は、薬剤の許容送出速度を得ることに難点を生じることがある。一方、高濃度は接着剤の接着特性に頻繁に影響する。有害な効果は、ポリマー接着剤の可塑剤用の溶剤としてまた作用する薬剤(例えば、ポリアクリレート中のニトログリセリン)により特に悪化される。
【0010】
低濃度の薬剤を選択的に混入でき、しかもそれを適切な調節された速度で送出でき、または良好な物理的接着特性を保ちつつ高濃度の薬剤を混入できる経皮送出系用の接着剤組成物に対する要望が当業界にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故、本発明の目的は、経皮組成物からの薬剤送出の速度が選択的に調節し得るような経皮薬剤送出系を提供することである。
本発明の別の目的は、経皮組成物からの薬剤送出の速度が多成分ポリマー接着剤系中の薬剤の溶解度及び/または拡散率を調節することにより選択的に調節し得るような経皮薬剤送出系を提供することである。
また、本発明の目的は、多成分ポリマー接着剤系が製造するのに簡単であるような経皮薬剤送出系を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、多成分ポリマー接着剤系の薬剤配合量が薬剤送出速度及び接着特性、例えば、接着性、粘着性、及び剪断抵抗性に悪影響しないで選択的に変化し得るような経皮薬剤送出系を提供することである。
更に、本発明の目的は、望ましい物理的性質を有する新規な多成分ポリマー接着剤系が与えられるような経皮薬剤送出系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の目的及びその他の目的は、異なる溶解パラメーターを有する少なくとも2種のポリマーのブレンドがポリマーブレンド中の薬剤の溶解度を調節し、それによりその系から皮膚中への薬剤の送出を調節するような経皮薬剤送出系を提供する本発明により達成される。
【0014】
本発明の組成物の局面によれば、生理活性物質の制御された放出のためのマトリックスとして適している型の改良された感圧接着剤組成物は、第一の溶解パラメーターを有する第一のポリマー接着剤と、第二の溶解パラメーターを有する第二のポリマー接着剤を含み、第一の溶解パラメーターと第二の溶解パラメーターが互いに異なる。それ故、ブレンドは、特徴的な正味溶解パラメーターを有する。生理活性物質を改良された感圧接着剤組成物に混入する実施態様において、特徴的な正味溶解パラメーターは、組成物中の生理活性物質の飽和濃度を調節し、それにより生理活性物質の放出を調節するように前もって選択し得る。生理活性物質の飽和濃度は、放出の速度が増進または遅延されるべきかに応じて上下に調節し得る。
【0015】
好ましい実施態様において、生理活性物質は薬剤を含んでもよい。特に好ましい実施態様において、薬剤はエストロゲンの如きステロイドもしくはプロゲステロン剤、またはこれらの組み合わせである。別の好ましい実施態様において、薬剤はアルブテロールの如きβアドレナリン作用物質、またはニトログリセリンの如き強心剤であってもよい。更に別の実施態様において、生理活性物質はピロカルピンの如きコリン作用物質、もしくはハロペリドールの如き抗精神病薬またはアルプラゾラムの如きトランキライザー/鎮静剤である。
【0016】
感圧接着剤組成物は、このような組成物中の使用につき当業界で知られているようなエンハンサー、充填剤、補助溶剤、及び賦形剤を更に含んでいてもよい。
改良された感圧接着剤の好ましい実施態様において、第一のポリマー接着剤はポリアクリレートであり、第二のポリマー接着剤はポリシロキサンである。ポリアクリレートは感圧接着剤組成物中に約2〜96重量%の範囲の量で存在することが好ましく、またポリシロキサンは約98〜4%の範囲の量で存在することが好ましい。ポリアクリレート対ポリシロキサンの比は重量基準で約2:98〜約96:4であることが好ましく、約2:98〜約86:14であることが更に好ましい。
【0017】
本発明の経皮接着剤組成物の実施態様において、多成分ポリマー接着剤系は実質的に2〜96重量%のアクリレートポリマーと、98〜4重量%のシロキサンのポリマーとのブレンドからなり、多成分ポリマー接着剤系は経皮接着剤組成物の約99〜50重量%の量である。これは全皮膚接着剤組成物の0.3〜50重量%の量の生理活性物質と組み合わされる。任意の添加剤、例えば、生理活性物質の補助溶剤(30重量%まで)及びエンハンサー(20重量%まで)が皮膚接着剤組成物中に含まれてもよい。
【0018】
経皮薬剤送出装置の実施態様において、本発明の改良された感圧接着剤は薬剤と組み合わされる。経皮薬剤送出装置は、幾つかの実施態様においてモノリス接着マトリックス装置を含んでもよい。勿論、経皮薬剤送出装置は、当業界で知られているような裏材料及びレリースライナーを含んでもよい。
薬剤を含む感圧接着剤拡散マトリックスを有する型の経皮薬剤送出装置中の薬剤の飽和濃度は、本発明の方法の局面によれば、異なる溶解パラメーターを有する少なくとも2種のポリマーをブレンドして感圧接着剤拡散マトリックスから皮膚中への薬剤の送出速度を加減する正味溶解パラメーターを有する感圧接着剤拡散マトリックスを生成することにより調節される。
添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、本発明の理解が容易にされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一つの局面において、少なくとも2種のポリマーのブレンドを含む感圧接着剤組成物が提供される。少なくとも2種のポリマーのブレンドは、本明細書中で多成分ポリマー接着剤系と称される。“ブレンド”という用語は、多成分ポリマー接着剤系中のポリマー間に化学反応または架橋が全くないが、または殆どないことを意味するように本明細書中で使用される。
【0020】
本発明の別の局面において、調節された放出性の皮膚組成物は、多成分ポリマー接着剤系と組み合わせて、薬剤、またはその他の生理活性物質を含む。この局面において、多成分ポリマー接着剤は薬剤の担体マトリックスとして作用するだけでなく、薬剤の放出の速度を促進し、それ故、経皮浸透速度を促進する。しかしながら、本発明の幾つかの実施態様において、多成分ポリマー接着剤系は経皮浸透速度を遅延するように作用する。
【0021】
本発明は、多成分ポリマー接着剤系からの薬剤の経皮浸透速度が装置中の薬剤の溶解度を調節することにより選択的に調節し得るという発見を前提としている。本明細書に使用される“経皮浸透速度”という用語は皮膚中の薬剤の通過の速度を意味する。これは、当業界で知られているように、担体からの薬剤の放出の速度により影響されたり、また影響されなかったりすることがある。
【0022】
多成分ポリマー接着剤系を構成するポリマーは薬剤に対し不活性であり、好ましくは互いに不混和性である。多成分ポリマーのブレンドの生成は、特徴的な“正味溶解パラメーター”を有する接着剤系をもたらし、その選択は多成分ポリマー接着剤系中の薬剤の溶解度を調節することにより薬剤の送出速度の選択可能な調節を有利に可能にする。
【0023】
溶解パラメーター(また、本明細書中、“SP”と称される)は、全ての分子間吸引力の合計と定義され、これらは実験上多くの化学種の相互の溶解度に関係している。溶解パラメーターの一般的な説明がボウガン(Vaughan)の文献“Usi−ng Solubility Parameters in Cosmetics Formulation”,J.Soc.Cosmet.Chem.36巻、319−333頁(1985年)に見られる。理論的な計算から完全に実験上の修正に至る範囲の多くの方法が、溶解パラメーターの測定のために開発されていた。最も便利な方法はヒルデブランド(Hildebrand)の方法であり、この方法は分子量、沸点及び密度のデータ(これらは多くの材料につき普通に入手できる)から溶解パラメーターを計算し、しかもその方法は通常その他の計算方法の範囲内にある値を生じる。
【0024】
SP=(ΔE/V)1/2
(式中、Vは分子量/密度であり、かつΔEは気化エネルギーである)
また、SP=(ΔH/V−RT/V)1/2
(式中、ΔHは気化熱であり、Rは気体定数であり、かつTは絶対温度°Kである)
としても記載される。検出するには低すぎる蒸気圧を有し、こうしてΔHが入手できない高分子量のポリマーの如き材料に関して、ΔHへの原子及び基の寄与の総和を使用する幾つかの方法が開発されていた。
【0025】
ΔH=ΣΔh
(式中、Δhは気化のモル熱へのi番目の原子または基の寄与である)
一つの便利な方法がフェドーズ(R.F.Fedors)により提案されていた(Polymer E−ngineering and Science,14巻,147頁(1974年)。この方法では、△E及びVが、ΔE=ΣΔeかつV=Σ(式中、Δe及びvは夫々気化エネルギー及びモル体積に関する加法的な原子及び基の寄与である)と簡単に仮定することにより得られる。
【0026】
材料の溶解パラメーターを計算する更に別の方法がスモール(Small)により記載されている(J.Applied Chem.3巻,71頁(1953年))。
下記の表I−Aは本発明の実施に有益である幾つかの例示の接着剤ポリマーの溶解パラメーターを示し、また分子量、遊離の−OH基及び−COOH基、架橋の程度によるSPの変化を示す。表IAはスモールの方法により計算された(cal/cm1/2及び(J/cm1/2である。
【0027】
【表IA】

【0028】

【0029】
下記の表I−Bは、フェドーズの方法により計算された溶解パラメーターを示し、(J/cm1/2の単位で表される。
【表I−B】

【0030】
本発明の原理によれば、経皮浸透速度は、薬剤の溶解パラメーターに対する多成分ポリマー接着剤系の溶解パラメーターの差を変えるように多成分ポリマー接着剤系のポリマー成分を変えることにより調節される(下記の例2〜5、または28及び29を参照のこと)。ポリマー成分の溶解パラメーターは、互いに少なくとも2(J/cm1/2の増分変化量だけ異なることが好ましい。それらは少なくとも4(J/cm1/2だけ異なることが最も好ましい。
また、経皮浸透速度は、多成分ポリマー接着剤系を構成するポリマーの相対比率を変えることにより調節される(下記の例6を参照のこと)。
【0031】
多成分ポリマー接着剤系は、それが室温で感圧接着剤であり、かつ経皮薬剤送出技術に使用される接着剤につきその他の望ましい特性を有するように配合されることが好ましい。このような特性として、皮膚への良好な接着、皮膚に殆ど外傷を与えないで剥離または除去可能なこと、エージングによる粘着性の保持、等が挙げられる。一般に、多成分ポリマー接着剤系は、示差走査熱量計を使用して測定して約−70℃〜0℃のガラス転移温度(T)を有すべきである。
【0032】
特別なポリマー組成物の選択は、装置に混入される薬剤だけでなく、薬剤の送出の所望の速度により大部分支配される。当業者は、特別な用途につきポリマー及び薬剤の適当な組み合わせを選択するために、多成分ポリマー経皮接着剤系からの薬剤の送出の速度を容易に決めることができる。種々の技術がポリマーからの薬剤の送出の速度を容易に決めるのに使用し得る。例えば、送出の速度は、経時の死体皮膚を通過する一つの室から別の室への薬剤の移動を測定し、得られたデータから薬剤送出速度またはフラックス速度を計算することにより決定し得る。
【0033】
本発明の特に好ましい実施態様において、多成分ポリマー接着剤系はアクリル感圧接着剤とシリコーン感圧接着剤のブレンドを含む。アクリル系ポリマー及びシリコーン系ポリマーは好ましくは夫々約2:98〜約96:4、更に好ましくは約2:98〜約90:10、更に好ましくは約2:98〜約86:14の重量比である。アクリル系ポリマー(以下、広義でポリアクリレートと称される)及びシリコーン系ポリマー(以下、広義でポリシロキサンと称される)の量は、その系から皮膚を通過する薬剤の送出の速度に影響するために、多成分ポリマー接着剤系中の薬剤の飽和濃度を加減するように選ばれる。
【0034】
多成分ポリマー接着剤系中の薬剤の飽和濃度の調節は、増加であってもよく、また減少であってもよい。約21(J/cm1/2の溶解パラメーターSPを有するポリアクリレートがニトログリセリン(約27(J/cm1/2のSP)モノリス系の主ポリマーとして使用される場合、ニトログリセリンの経皮浸透速度のかなりの増大が低溶解パラメーターを有するポリマー、例えば、ポリシロキサン(約15(J/cm1/2のSP)の添加により得られることがわかった。多成分ポリマー経皮接着剤系の“正味”溶解パラメーターを低下することにより、ニトログリセリンと多成分ポリマー接着剤系の溶解パラメーターの差が増大される。この増大された溶解パラメーターの差は、ニトログリセリンの低飽和濃度を生じ、それにより更に大きな熱力学的駆動力を生じる。逆に、多成分ポリマー接着剤系の組成物は、その系中の薬剤の飽和濃度が増大され、その結果、スコポラミンの投与に望ましいように送出の速度が遅延されるように選択し得る。
【0035】
有利なことに、本発明の方法及び組成物は経皮薬剤送出系中の薬剤の選択可能な配合量を可能にする。皮膚組成物中の薬剤の濃度(重量基準)は好ましくは約0.3〜約50%、更に好ましくは約0.5〜約40%、更に好ましくは約1.0〜約30%である。皮膚組成物中への薬剤の高配合量または低配合量の如何にかかわらず、本発明の多成分ポリマー接着剤系は許容できる剪断特性、粘着性、及び剥離性の接着剤特性を維持するように配合し得る。
【0036】
理論に束縛されたくないが、特に組成物の構造が分析されないような場合、種々の溶解パラメーターのポリマー、例えば、ポリシロキサンとポリアクリレートは、組成物中の相互に内部に侵入し合っているポリマー網状構造として作用するポリマー混合物の成分と共に不均一な混合物を生じるものと仮定される。換言すれば、多成分ポリマー接着剤系は、単一ポリマーまたは相互に可溶性のポリマーの溶液から得られる典型的な従来技術の経皮薬剤送出系とは対照的に、実質的に相互に不溶性または不混和性のポリマーの混合物である。
【0037】
本発明の好ましい実施態様の実施に際して、アクリル系ポリマーは種々のアクリル酸のホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、等のいずれであってもよい。このような好ましい実施態様において、アクリル系ポリマーは好ましくは全皮膚組成物の合計重量の約2%〜約95%、好ましくは約2%〜約90%、更に好ましくは約2%〜約85%を構成し、アクリレートポリマーの量は使用される薬剤の量及び種類に依存する。
【0038】
本発明のアクリレートポリマーは一種以上のアクリル酸のモノマーとその他の共重合性モノマーのポリマーである。また、アクリレートポリマーとして、アルキルアクリレート及び/またはメタクリレート及び/または共重合性の二次的なモノマーもしくは官能基を有するモノマーのコポリマーが挙げられる。添加される夫々の型のモノマーの量を変えることにより、得られるアクリレートポリマーの凝集特性が当業界で知られているように変えられる。一般に、アクリレートポリマーは少なくとも50重量%のアクリレートまたはアルキルアクリレートモノマー、0〜20%のアクリレートと共重合可能な官能性モノマー、及び0〜40%のその他のモノマーを含む。
【0039】
使用し得るアクリレートモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルブチルアクリレート、2−エチルブチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、及びトリデシルメタクリレートが挙げられる。
【0040】
上記のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと共重合可能な使用し得る官能性モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルアクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート及びメトキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0041】
本発明の実施に適しているアクリル接着剤の更なる詳細及び例が、サタス(Sa−tas)著、“Acrylic Adhesives”,Handbook of Pressure−Sensitive Adhesive Te−chnology,第二編,396〜456頁(D.サタス、編集),バン・ノストランド・ラインホールド(Van Nostrand Reinhold),ニューヨーク(1989)に記載されている。
好適なアクリル接着剤が市販されており、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Corporation,Bridgewater,New Jersey)により商品名デュロ・タック(Duro−Tak)80−1194、デュロ・タック80−1196、及びデュロ・タック80−1197として販売されるポリアクリレート接着剤が挙げられる。
【0042】
好適なポリシロキサンとして、2種の主成分、即ち、ポリマー、またはゴムと粘着付与樹脂をベースとするシリコーン感圧接着剤が挙げられる。ポリシロキサン接着剤は、通常、適当な有機溶媒中で縮合反応によりゴム、典型的には高分子量のポリジオルガノシロキサンを樹脂で架橋して三次元のシリケート構造を生じることにより調製される。樹脂対ポリマーの比は、ポリシロキサン接着剤の物理的性質を改善するために調節し得る最も重要な因子である。ソビエスキィ(Sobi−eski)ら著、“Silicone Pressure Sensitive Adhesives”,Handbook of Pressu−re−Sensitive Adhesive Technology,第二編,508−517頁(D.サタス編集),バン・ノストランド・ラインホールド,ニューヨーク(1989)。
【0043】
本発明の実施に有益であるシリコーン感圧接着剤の更なる詳細及び例が下記の米国特許第4,591,622号、同第4,584,355号、同第4,585,836号、及び同第4,655,767号明細書に記載されている。
好適なシリコーン感圧接着剤が市販されており、ダウ・コーニング社(Dow Co−rning Corporation,Medical Products,Midland,Michigan)により商品名BIO−PSAX7−3027、BIO−PSA X7−4919、BIO−PSA X7−2685、及びBIO−PSA X7−3122として販売されるシリコーン接着剤が挙げられる。BIO−PSA−3027がアルブテロールの如きアミン官能性薬剤を含む配合物中の使用に特に適している。
本発明の好ましい実施態様の実施に際して、ポリシロキサンは好ましくは全皮膚組成物の合計重量の約4%〜約97%、好ましくは約8%〜約97%、更に好ましくは約14%〜約97%を構成する。
【0044】
本発明の実施に際して、あらゆる生理活性物質が皮膚組成物中に含まれてもよい。例えば、生理活性物質は薬剤である。植物または動物において、性質の点で治療、診断または予防の如何にかかわらず、局所または全身の薬理学的応答を生じることができるあらゆる薬剤が、本発明の範囲内にある。薬剤の他に、農薬、昆虫忌避物質、日よけ剤、化粧品、等の如き生理活性物質が、本発明の範囲内にある。生理活性物質は、単独で、または2種以上のこのような薬剤の混合物として、また場合により病気を予防、治癒、診断または治療するのに充分な量で使用されてもよいことが認められるべきである。
【0045】
本発明の新規な経皮薬剤送出系により投与し得る活性薬剤の例として、下記の物質が挙げられるが、これらに限定されない。
1.心臓作用性の薬剤、例えば、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、及びイソソルビドモノニトレートの如き有機ニトレート;キニジンスルフェート;プロカインアミド;ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、及びヒドロクロロチアジドの如きチアジド;ニフェジピン;ニカルジピン;チモロール及びプロプラノロールの如きアドレナリン作用遮断薬;ベラパミル;ジルチアゼム;カプトプリル;クロニジン及びプラゾシン。
2.アンドロゲンステロイド、例えば、テストステロン、メチルテストステロン及びフルオキシメステロン。
3.エストロゲン、例えば、共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17βエストラジオール、17β−エストラジオールバレレート、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、17β−エチニルエストラジオール、及びジエチルスチルベストロール。
【0046】
4.プロゲステロン剤、例えば、プロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルエシンドロン、ノルエシンドロンアセテート、メレンゲストロール、クロルマジノン、エシステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、エチノジオールジアセテート、ノルエチノドレル、17αヒドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ジメチステロン、エチニルエストレノール、ノルゲストレル、デメゲストン、プロメゲストン、及びメゲストロールアセテート。
5.中枢神経系に作用を有する薬剤、例えば、鎮静剤、ヒポノチクス(Hypono−tics)、抗不安薬、鎮痛薬及び麻酔薬、例えば、クロラール、ブプレノルフィン、ナロキソン、ハロペリドール、フルフェナジン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、コデイン、リドカイン、テトラカイン、ジクロニン、ジブカイン、コカイン、プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、プリロカイン、ベンゾカイン、フェンタニル、及びニコチン。
【0047】
6.栄養剤、例えば、ビタミン、必須アミノ酸及び必須脂肪。
7.抗炎症剤、例えば、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、フルオチノロン、トリアムチノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、フルランドレノリド、プレドニゾン、ハルチノニド、メチルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プレドニゾン、ハルチノニド、メチルプレドニゾロン、フルドロコルチゾン、コルチコステロン、パラメタゾン、ベタメタゾン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、フェンブフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、スプロフェン、インドロメタシン、ピロキシカム、アスピリン、サリチル酸、ジフルニサール、メチルサリチレート、フェニルブタゾン、スリンダク、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、等。
【0048】
8.抗ヒスタミン薬、例えば、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリネート、ペルフェナジン、トリプロリジン、ピリラミン、クロルシクリジン、プロメタジン、カルビノキサミン、トリペレナミン、ブロムフェニラミン、ヒドロキシジン、シクリジン、メクリジン、クロルプレナリン、テルフェナジン、及びクロルフェニラミン。
9.テオフィリンの如き呼吸器系の薬剤、並びにβ−アドレナリン作用物質、例えば、アルブテロール、テルブタリン、メタプロテレノール、リトドリン、カルブテロール、フェノテロール、キンテレノール、リミテロール、ソルメファモール、ソテレノール、及びテトロキノール。
10.交感神経様作用薬、例えば、ドーパミン、ノルエピネフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニルエフリン、シュードエフェドリン、アンフェタミン、プロピルヘキセドリン及びエピネフリン。
【0049】
11.ピロカルピン、等の如き縮瞳薬。
12.コリン作用物質、例えば、コリン、アセチルコリン、メタコリン、カルバコール、ベタネコール、ピロカルピン、ムスカリン、及びアレコリン。
13.抗ムスカリン薬またはムスカリン様コリン作用遮断薬、例えば、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、メスコポラミン、ホマトロピンメチルブロミド、メタンセリン、シクロペントレート、トロピカミド、プロパンセリン、アニソトロピン、ジシクロミン、及びユーカトロピン。
14.散瞳薬、例えば、アトロピン、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユーカトロピン及びヒドロキシアンフェタミン。
15.心的エネルギー薬、例えば、3−(2−アミノプロピル)インドール、3−(2−アミノブチル)インドール、等。
【0050】
16.抗感染症薬、例えば、ペニシリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スルファセタミド、スルファメタジン、スルファジアジン、スルファメラジン、スルファメチゾール及びスルフィゾキサゾールを含む抗生物質;イドクスリジンを含む抗ウイルス剤;エリスロマイシン及びクラリスロマイシンの如き抗菌性物質;並びにニトロフラゾン等を含むその他の抗感染症薬。
19.ビタミンA及びEの如き皮膚薬。
18.天然及び合成のプロスタグランジンの如き体液性薬剤、例えば、PGE、PGEα、及びPGFα、並びにPGE類縁体のミソプロストール。
19.鎮痙薬、例えば、アトロピン、メタンセリン、パパベリン、シンナメドリン、及びメスコポラミン。
【0051】
20.抗うつ薬、例えば、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、イミプラミン、アミトリプチリン、トリミプラミン、ドキセピン、デシプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、マプロチリン、及びトラゾドン。
21.インシュリンの如き糖尿病薬、並びに、タモキシフェン及びメトトレキセートの如き抗癌薬。
22.食欲抑制薬、例えば、デキストロアンフェタミン、メトアンフェタミン、フェニルプロパノールアミン、フェンフルラミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、及びフェンテルミン。
23.抗アレルギー薬、例えば、アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラミン、ピリラミン及びフェニラミン。
【0052】
24.トランキライザー、例えば、レセルピン、クロルプロマジン、及び抗不安薬のベンゾジアゼピン、例えば、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロラゼプテート、ハラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クロナゼパム、フルラゼパム、トリアゾラム、ロラゼパム及びジアゼパム。
25.抗精神病剤、例えば、チオプロパゼート、クロルプロマジン、トリフルプロマジン、メソリダジン、ピペラセタジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプラシキセン、チオシキセン、ハロペリドール、ブロムペリドール、ロキサピン、及びモリンドン。
【0053】
26.充血除去剤、例えば、フェニレフリン、エフェドリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン。
27.アスピリン、アリチルアミド、等の如き解熱薬。
28.ジヒドロエルゴタミン及びピゾチリンの如き抗偏頭痛薬(Antimigrane ag−ent)。
29.吐き気及び嘔吐の治療用の薬剤、例えば、クロルプロマジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリエチルペラジン、トリフルプロマジン、及びトリメプラジン。
30.抗マラニア薬、例えば、4−アミノキノリン、α−アミノキノリン、クロロキン、及びピリメタミン。
31.抗潰瘍薬、例えば、ミソプロストール、オメプラゾール、及びエンプロスチル。
【0054】
32.成長解発因子の如きペプチド。
33.パーキンソン病、痙攣、及び急性筋肉痙攣用の薬剤、例えば、レボドーパ、カルビドーパ、アマンタジン、アポモルヒネ、ブロモクワプチン、セレギリン(デプレニル)、トリヘキシフェニジル塩酸塩、ベンゾトロピンメシレート、プロシクリジン塩酸塩、バクロフェン、ジアゼパム、及びダントロレン。
34.抗エストロゲン薬またはホルモン剤、例えば、タモキシフェンまたはヒトの柔毛膜性生殖腺刺激ホルモン。
【0055】
活性薬剤は、最適の送出特性を生じる形態に応じて、異なる形態で組成物中に存在し得る。こうして、これらの薬剤の場合、その薬剤は、その遊離の塩基形態または酸の形態、もしくは塩、エステル、もしくはその他の薬理学上許される誘導体の形態であってもよく、または分子複合体の成分であってもよい。
【0056】
組成物中に混入される薬剤の量は、特別な薬剤、所望の治療効果、及びその装置が治療を施す時間間隔に応じて変化する。殆どの薬剤に関して、皮膚を通しての薬剤の通過は送出の速度を制限する工程である。こうして、薬剤の量及び放出の速度は典型的には長期間にわたって零次の時間依存性を特徴とする経皮送出を与えるように選ばれる。その系中の薬剤の最小量は、その装置が治療を施す時間間隔中に皮膚を通過する薬剤の量に基いて選ばれる。通常、その系中の薬剤の量は約 0.3重量%から約50重量%まで変化し得るが、本発明により許される低投薬量に関して約1.0%から約30%まで変化することが好ましい。
【0057】
勿論、経皮薬剤送出系の組成物はまた皮膚を通しての薬剤の送出を促進することが知られている薬剤を含むことができる。これらの薬剤は皮膚浸透エンハンサー、促進剤、アジュバント、及び吸収促進剤と称されており、これらは本明細書中“エンハンサー”と総称される。この類の薬剤として、多成分ポリマー中の薬剤の溶解度及び拡散性を改良する作用を有する薬剤、及び、例えば、角質層が水分を保持する能力を変え、皮膚を軟化し、皮膚の浸透性を改善し、浸透助剤もしくは毛嚢開放物質として作用し、または境界層を含む皮膚の状態を変えることにより経皮吸収を改善する薬剤を含む異なる作用の機構を有する薬剤が挙げられる。これらの薬剤の幾つかは一つ以上の作用の機構を有するが、本質的にはそれらは薬剤の送出を促進するのに利用できる。
【0058】
エンハンサーの幾つかの例は、薬剤溶解度を高める多価アルコール、例えば、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコール;油、例えば、オーブ油、スクアレン、及びラノリン;脂肪エーテル、例えば、セチルエーテル及びオレイルエーテル;薬剤拡散性を高める脂肪酸エステル、例えば、イソプロピルミリステート;ケラチンが水分を保持する能力に影響する尿素及び尿素誘導体、例えば、アラトイン;ケラチン浸透性に影響する極性溶媒、例えば、ジメチルデシルホスホキシド、メチルオクチルスルホキシド、ジメチルラウリルアミド、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチルアセトニド、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミド;ケラチンを軟化するサリチル酸;浸透助剤であるアミノ酸;毛嚢開放物質であるベンジルニコチネート;並びに皮膚及び投与された薬剤の表面状態を変化させる高分子量の脂肪族表面活性剤、例えば、ラウリル硫酸塩である。その他の薬剤として、オレイン酸及びリノール酸、アスコルビン酸、パンテノール、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、トコフェリルアセテート、トコフェリルリノレート、プロピルオレエート、及びイソプロピルパルミテートが挙げられる。
【0059】
本発明の或る実施態様において、可塑剤または粘着付与剤が配合物中に混入されて皮膚組成物の接着特性を改善する。粘着付与剤は、薬剤がポリマーを可塑化しないような実施態様に特に有益である。好適な粘着付与剤が当業者に知られており、(1)脂肪族炭化水素;(2)混合された脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素;(3)芳香族炭化水素;(4)置換芳香族炭化水素;(5)水添エステル;(6)ポリテルペン:及び(7)水添ウッドロジンが挙げられる。使用される粘着付与剤はポリマーのブレンドと相溶性であることが好ましい。好ましい実施態様において、粘着付与剤はシリコーン液(例えば、ダウコーニング社(ミッドランド,MI)から市販されている360メディカル・フルイド(Medical Fluid))または鉱油である。シリコーン液は主成分としてポリシロキサンを含むブレンドに有益である。その他の実施態様において、例えば、ポリアクリレートが主成分である場合、鉱油が好ましい粘着付与剤である。
【0060】
血管拡張薬ニトログリセリンの如き幾つかの薬剤は組成物中で可塑剤として作用する。何となれば、それらはポリマーを含む系中で或る程度可溶性であるからである。ポリマー系中に易可溶性ではない薬剤分子に関して、薬剤及びポリマーの補助溶剤が添加し得る。補助溶剤、例えば、レシチン、レチノール誘導体、トコフェロール、ジプロピレングリコール、トリアセチン、プロピレングリコール、飽和及び不飽和の脂肪酸、鉱油、シリコーン液、アルコール、ブチルベンジルフタレート、等が、多成分ポリマー接着剤系中の薬剤の溶解度に応じて、本発明の実施に有益である。
要約すると、ポリアクリレート/ポリシロキサン実施態様に好ましい組成物及び最適の組成物は以下のとおりである。
【0061】
【表II】

【0062】
本発明の組成物は、皮膚組成物用に知られている種々の増粘剤、充填剤及びその他の添加剤を更に含んでいてもよい。組成物が水を吸収する傾向がある場合、例えば、レシチンが補助溶剤として使用される場合、親水性充填剤が特に有益である。成功して使用された親水性充填剤の一つの型はアルミニウムシリケートクレーである。
【0063】
本発明の装置の局面において、皮膚組成物はあらゆる経皮薬剤送出装置(例えば、溜め装置)の接着剤部分として使用でき、またはそれは接着剤モノリス装置を構成し得る。勿論、本発明の原理は、皮膚組成物が感圧接着剤ではなく、薬剤の溜めを構成するような実施態様に依然として適用される。
【0064】
図1を参照して、これは本発明の接着剤モノリス装置の実施態様10の略図を示す。皮膚組成物は、モノリスボデー11の一面に保護レリースライナー12を備え、別の面に裏材料層13を備えている特定の幾何学的形状のモノリスボデー11を構成する。レリースライナー12の除去は、薬剤担体マトリックス及びその系を患者に適用する手段の両方として作用する感圧多成分ポリマー接着剤を露出する。
【0065】
本発明の装置、または個々の投薬ユニットは、当業者に知られているあらゆる方法により製造し得る。皮膚組成物が生成された後、それは当業者に知られているあらゆる方法で裏材料層と接触させられてもよい。このような技術として、カレンダー被覆、ホットメルト被覆、溶液被覆、等が挙げられる。勿論、裏材料は当業界で公知であり、ポリエチレン、酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、等のプラスチックフィルム、金属箔、不織布、布及び市販のラミネートが挙げられる。裏材料は一般に2〜1000μmの範囲の厚さであり、皮膚組成物が一般に約12〜250μmの厚さの範囲の厚さで裏材料の上に配置される。
【0066】
また、好適なレリースライナーが当業界で公知であり、バイオ−レリース(Bio−Release,商標)ライナー及びシル−オフ(Syl−off,商標)7610ライナーと称されるダウ・コーニング社の市販製品が挙げられる。ポリシロキサンが多成分ポリマー接着剤系の一部である好ましい実施態様に関して、レリースライナーはシリコーン接着剤と相溶性である必要がある。好適な市販のライナーの例は3M社の1022スコッチパック(Scotch Pak)である。
【0067】
本発明の経皮送出系の形態は、必要であり、また望ましいようなあらゆる形状またはサイズのものであってもよい。例えば、単一投薬ユニットは1〜200cmの範囲の表面積を有していてもよい。好ましいサイズは5〜60cmである。
本発明の方法の局面において、異なる溶解パラメーターを有する複数のポリマーがブレンドされて(しかし、化学的に反応されず、また架橋されない)皮膚組成物、または混入された薬剤もしくは生理活性物質を含む多成分ポリマー接着剤系を生じ、これが表皮中への混入薬剤の送出を調節する。ポリマーのブレンドはポリマー系中の薬剤の飽和濃度の調節をもたらし、それ故、経皮薬剤送出速度の選択的な調節を可能にする。“ブレンド”という用語は、勿論、適当なポリマー成分、及びその割合を選択して所望の効果を得ることを含む。
【0068】
本発明の好ましい実施態様において、皮膚組成物は、必要により一種以上の適当な揮発性溶剤中で、ポリアクリレート、ポリシロキサン、薬剤、一種以上の補助溶剤、及び粘着付与剤を混合し、次いでその混合物を注型し、蒸発により一種以上の溶剤を除去してフィルムを形成することにより調製される。
適当な揮発性溶剤として、イソプロパノール及びエタノールの如きアルコール;キシレン及びトルエンの如き芳香族溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、及びヘプタンの如き脂肪族溶剤;並びに酢酸エチル及び酢酸ブチルの如きアルカン酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
調製の一般的な方法の例は以下のとおりである。
1.一種以上の溶剤に溶解した適当な量のポリシロキサン及びポリアクリレートを合わせ、容器中で一緒に充分に混合する。
2.次いで薬剤をポリマー混合物に添加し、薬剤がその中に均一に混合されるまで攪拌を行う。
3.次いで、必要により、補助溶剤及びエンハンサーを薬剤−ポリマー混合物に添加し、充分に混合する。
4.次いでその配合物を被覆操作に移し、そこでそれを調節された特定の厚さで保護レリースライナーに被覆する。
5.次いで全ての揮発性の加工溶剤を追い出すために被覆製品をオーブンに通す。
6.次いでレリースライナー上の乾燥製品を裏材料に接合し、貯蔵用のロールに巻き取る。
7.適当なサイズ及び形状の投薬ユニットをロール材料からダイで切断し、次いでパウチにする。
工程の順序、成分の量、並びに攪拌または混合の量及び時間は、配合物中に使用される特別なポリマー、薬剤、補助溶剤、及びエンハンサーに依存する加工変数である。これらの因子は、許容できる感圧接着剤特性を有する一様な製品を与えるのに必要とされるように当業者により調節し得る。
実施例
【0070】
以下の特別な実施例は、本発明の範囲内の皮膚組成物、及びその製造方法の例示として含まれる。これらの実施例は本発明の範囲を限定することを何ら目的とするものではない。
以下の市販の接着剤を、実施例の多成分ポリマー接着剤系を構成するブレンド中に使用した。“デュロータック80−1194、80−1196、及び80−1197”は、有機溶液中のアクリル接着剤(ポリアクリレート)に関するナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(Bridgewater,New Jersey)の商標である。
“BIO−PSA X7−3027、X7−4919、X7−2685、及びX7−3122”は、有機溶液中のシリコーン接着剤(ポリシロキサン)に関するダウ・コーニング社(Medical Pro−ducts,Midland,Michigan)の商標である。BIO−PSA X7−3027が、以下の実施例においてアルブテロール及ひピロカルピンの如きアミン官能性薬剤を含む配合物中の使用に特に適している。
【0071】
“ビスタネックス(Vistanex)LM−LS−LC”は、42,600〜46,100のフローリー分子量を有するポリイソブチレンポリマーに関するエクソン・ケミカル社(Exxon Ch−emical Company,Houston,Texas)の商標である。
“エルバックス(Elvax)40W”は、ポリエチレン/酢酸ビニルコポリマー(40%の酢酸ビニル含量)に関するデュポン社(Du Pont Company,Wilmington,Delaware)の商標である。
上記のポリマー接着剤を、固形分(重量%)が以下のとおりであるような溶液として供給または調製する。
【0072】

“360メディカル・フルイド”は、ポリジメチルシロキサン液に関するダウ・コーニング社の商標である。本発明の或る実施態様において、360メディカル・フルイドは最終製品の接着剤特性を改良するための粘着付与剤として添加される。
【0073】
例1
ニトログリセリン22.0部、ジプロピレングリコール1.0部、レシチン1.3部、プロピレングリコール0.8部、360 メディカル・フルイド(1000cs)2.5部、ベントナイト1.0部、ポリアクリレート(デュロータック80−1194)63.6部、及びポリシロキサン(BIO−PSA X7−4919)85.6部を合わせることによりニトログリセリン−ポリマー混合物を調製し、適当な容器中で良く混合した。ニトログリセリンは、ICI アミリカ社(ICI Americas Inc.,Wilmington,Delaware)からエタノール、トルエン、及びプロピレングリコールの如き溶剤中の溶液として入手できる。この場合、ニトログリセリンをポリアクリレートと一緒に混合されたトルエン中の溶液として添加した。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、以下に示されるような成分濃度を有していた。
【0074】

【0075】
例1の配合物、トランスデーム−ニトロ(商標)(チバ−ガイギー社の商品名)及びニトロ−ジュール(商標)(キー・ファーマシューティカルズ社の商品名)からの死体皮膚を通過する生体外のニトログリセリンフラックスの結果が、図2に要約される。図2に示されるように、例1の皮膚組成物からのニトログリセリンフラックス(20.8μg/cm時間)は、トランスデーム−ニトロ(商標)からのニトログリセリンフラックス(9.5μg/cm時間)の約2倍であり、ニトロ−ジュール(商標)からのニトログリセリンフラックス(13.4μg/cm時間)の約1.5倍であった。
【0076】
例2〜5
以下の例(2〜5)において、例1の方法を適当な量の原料で使用して表IIIに表示された下記の成分濃度を有する組成物を得た。例2は比較の目的で示され、その配合は本発明の範囲内ではない。例3及び5は、本発明の原理を説明するために選ばれたポリアクリレートと第二のポリマーのブレンドを含む接着剤組成物である。賦形剤または充填剤の如き全てのその他の成分は、例2〜5で組成及び量の点で一定のままである。
【0077】
【表III】

【0078】
図3は、例2〜5の皮膚組成物からの死体表皮を通過する生体外のニトログリセリンフラックスの結果をグラフで要約する。図3に示されるように、ポリイソブチレン(例4)またはポリシロキサン(例5)−両方ともポリアクリレートより低いSPを有する−のいずれかの添加は、全アクリレート系(例2)と較べてニトログリセリンフラックスの2倍を生じた。しかしながら、ポリエチレン酢酸ビニル(例3)−ポリアクリレートと同様のSP値を有する−は例2の系と較べてニトログリセリンフラックスに関して殆ど効果を生じなかった。こうして、例3の配合物は本発明の範囲内ではない。
【0079】
例6
一連のニトログリセリンを含む組成物(I−VI)を調製し、この場合、ポリアクリレート(X7−3122)対ポリシロキサン(デュロータック80−1194)の比を重量基準で100.0:0.0(全てアクリル)から0.0:100.0(全てシロキサン)まで変化させた。ニトログリセリン濃度を全ての組成物につき20%に保った。これらの組成物の成分濃度を下記の表IVに示す。
【0080】
【表IV】

【0081】
生体外の皮膚フラックスをこれらの組成物につき測定し、結果を表Vに要約し、図4にグラフで示す。
【表V】

【0082】
示されるように、ニトログリセリン(GNT)フラックスは、多成分ポリマー接着剤マトリックス中のポリシロキサンの濃度が最高、80%付近のポリシロキサンまで増加するにつれて増大し、その後、フラックスのそれ以上の増大は見られなかった。シロキサンポリマーの或る濃度を越えると、ニトログリセリン活性は増加を停止し(単位活性に達する)、フラックスは最早増大しないことが明らかである。飽和濃度(単位活性)の到達は、組成物VIがニトログリセリン滲出物を有していたという事実によりにより更に確かめられる。即ち、接着剤の表面は過剰のニトログリセリンで“湿潤”されていた。勿論、全てポリシロキサンである組成物IVは本発明の範囲内ではない。
【0083】
ポリマーのブレンドの組成は、ブレンドからの薬剤のフラックス速度が最大であるように選ばれることが好ましい。ここに報告された研究と同様の研究が、ブレンドの適当な成分及びその重量比を選択することを助けるのに使用し得る。別の実施態様において、フラックス速度が遅延されるような組成物を選択することが望ましいことがある。
【0084】
例7〜9
17β−エストラジオール2.0部、プロピレングリコール2.0部、レシチン3.0部、オレイン酸5.0部、ジプロピレングリコール5.0部、ポリアクリレート(デュロータック80−1196)93.3部、及びポリシロキサン(BIO−PSA X7−3122)63.1部を合わせることによりエストラジオールーポリマー混合物(例7)を調製し、適当な容器中で良く混合した。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、下記の表VIに示されるような成分濃度を有していた。
例8及び9を例7の方法に従ってつくった。例8及び9の組成物は例7と同じ薬剤及び補助溶剤の如き付加的な成分を有するが、得られる接着剤マトリックスが単一ポリマー系であるので、本発明の範囲内ではない。例8及び9は比較の目的だけで示される。
【0085】
【表VI】

例7、8、及び9の系からの生体外のエストラジオールフラックスが図5に示される。図5に示されるように、例7の多成分ポリマー接着剤(ポリアクリレート/ポリシロキサン)を使用する本発明の系からの送出は、単一ポリマー接着剤を含む従来技術の系(例8及び9)からの送出よりもかなり大きかった。
【0086】
例10〜13
下記の例(10〜13)において、例7の方法を適当な量の原料で使用して表VIIに示される成分濃度を有する組成物を得た。
【表VII】

【0087】
図6は例10〜13の組成物に関するエストラジオールフラックスの結果を示す。平均フラックスを研究の開始から0〜22時間及び22〜99時間にわたって夫々の組成物につき計算した。図6に示されるように、エストラジオールフラックスは送出の最初の22時間中にシリコーンポリマー含量の増加につれて増大したが、研究の残りの期間(22時間から99時間まで)中には大して影響されなかった。こうして、送出の初期段階中のエストラジオール送出速度のかなりの調節が、ポリシロキサン対ポリアクリレートポリマー比を調節することにより達成され、その後の送出段階では小さい効果があった。また、図6は、経時の送出特性がポリマー及び夫々の重量比の適切な選択により調節し得ることを説明する。例えば、例10の配合物は経時的にほぼ同じ速度で薬剤を送出し、一方、例13の配合物は初期段階でこれよりも迅速に送出する。
【0088】
例14〜16
ノルエシンドロンアセテート0.6部、ブチレングリコール1.0部、及びポリアクリレート(デュロータック80−1194)40.9部を合わせ、適当な容器中で良く混合することによりノルエシンドロンアセテート−ポリマー混合物を調製した。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、下記の表VIIIに示されるような成分濃度を有していた。同じ方法を使用して例15及び16をつくった。
【0089】
【表VIII】

【0090】
例14、15、及び16の系からの生体外のノルエシンドロンアセテートフラックスが図7に示される。図7に示されるように、本発明のポリアクリレート/ポリシロキサン系(例16)からのノルエシンドロンアセテート送出は、本発明のものではない単一ポリマー系(例14及び15)からの送出の中間であった。こうして、ポリアクリレート及びポリシロキサンをブレンドすることはノルエシンドロンアセテートフラックスの調節をもたらす。
【0091】
例17〜20
17βエストラジオール0.6部、ノルエシンドロンアセテート0.6部、ブチレングリコール0.6部、オレイン酸0.6部、レシチン1.5部、シリコーン液(ポリジメチルシロキサン液、ダウ・コーニング社の360 メディカル・フルイド、100cs)4.5部、及びポリシロキサン(BIO−PSA X7−4919)43.2部を合わせ、適当な容器中で良く混合することによりエストラジオール/ノルエシンドロンアセテートの組み合わせ−ポリマー混合物を調製した。例17の方法を適当な量の原料で使用して例18、19及び20の組成物を得た。例18〜20で使用したポリアクリレートはナショナル・スターチ社のアクリル接着剤、デュロータック80−1197であった。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、下記の表IXに示されるような成分濃度を有していた。
【0092】
【表IX】

【0093】
例17〜20の組成物に関するフラックスの結果が図8に示される。図8に示されるように、エストラジオール(E2)及びノルエシンドロンアセテート(NAc)の両方のフラックスは、ポリシロキサン対ポリアクリレートポリマー比が調節されたように変化する。エストラジオールフラックスは次第に増大し、次いで約15%のアクリレートで最大に低下し、またノルエシンドロンアセテートフラックスは図7のデータから予想されるように次第に増加するアクリレート含量につれて連続的に低下した。ポリシロキサン/ポリアクリレートポリマー比を変えることの更に別の効果が、図9に示されるように、ノルエシンドロンアセテートフラックスに対するエストラジオールフラックスのプロット(ノルエシンドロンアセテートフラックスで割られたエストラジオールフラックス)により示される。シリコーン対アクリレートポリマー比を調節することにより、本発明の系からの2種の薬剤(エストラジオール及びノルエシンドロンアセテート)の相対的な送出を調節することが可能であった。
【0094】
例21〜23
ピロカルピンベース5.0部、レシチン1.2部、プロピレングリコール0.8部、オレイン酸2.0部、シリコーン液(ポリジメチルシロキサン液、ダウ・コーニング社の360 メディカル・フルイド、100cs)2.5部、及びポリシロキサン(ダウ・コーニング社のシリコーン接着剤BIO−PSA X7−3027)77.0部を合わせ、適当な容器中で良く混合することによりピロカルピン−ポリマー混合物を調製した。例22はピロカルピンを、ポリアクリレートを構成するナショナル・スターチ社のアクリル接着剤、デュロータック80−1196に混入した。例23は本発明のポリシロキサンとポリアクリレートのブレンドを使用した。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、下記の表Xに示されるような成分濃度を有していた。
【0095】
【表X】

【0096】
例21、22、及び23の系の生体外のピロカルピンフラックスが図10に示される。図10に示されるように、例23の多成分ポリマー接着剤(ポリアクリレート/ポリシロキサン)を使用する本発明の系からの送出速度は、本発明のものではない単一ポリマー組成物(例21及び22)からの送出速度の中間であった。本発明のこの実施態様において、ポリアクリレート及びポリシロキサンポリマーの組み合わせは、単一ポリマー組成物により確立された範囲内でピロカルピンの送出速度を調節した。
【0097】
例24〜27
アルブテロールベース10.2部、レシチン1.5部、プロピレングリコール1.0部、オレイン酸4.1部、ジプロピレングリコール2.6部、ブチレングリコール1.5部、ビタミンEアセテート(トコペリルアセテート)1.5部、ポリアクリレート(デュロータック80−1196)25.5部、ポリシロキサンA(BIO−PSA X7−3122)11.9部、ポリシロキサンB(BIO−PSA X7−3027)20.1部、及びイソプロピルアルコール20.1部を合わせ、適当な容器中で良く混合することによりアルブテロール−ポリマー混合物を調製した。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、下記の表XIに示されるような成分濃度を有していた。
例24の方法を適当な量の原料で使用して例25、26、及び27の組成物を得た。
【0098】
【表XI】

【0099】
例24、25、26、及び27の配合物からのヒトの死体皮膚を通過する生体外のアルブテロールフラックスの結果が図11に要約される。同じ皮膚標本を通過するニトロ−ジュール(商標)からのニトログリセリンフラックスが対照として示される。例24〜27のアルブテロール組成物に関するフラックス値は約17μg/cm/時間〜約22μg/cm/時間の範囲であった。約28μg/cm/時間のニトログリセリンフラックス値は、この製品に関する文献の送出速度(5cmの系からの0.1mg/時間のニトロ−ジュール(商標)製品ラベルに基いて20μg/cm/時間)よりわずかに高かった。皮膚標本の見掛の高い浸透性につき調節するために、アルブテロールフラックスに0.714(20/28)の調節係数を掛けることができる。これは約12μg/cm/時間〜約16μg/cm/時間のフラックス値を生じる。
【0100】
治療上のアルブテロール血漿濃度は約4〜8ng/mlの範囲であり、約115〜230μg/時間の送出速度により生じられる。それ故、本発明の組成物から得られたフラックス速度(12〜16μg/cm/時間)は、約10〜20cmの系サイズから喘息の治療に必要なアルブテロール血漿レベル(4〜8ng/ml)を生じる。
【0101】
例28〜29
例7の方法に従ってエストラジオール−ポリマー混合物を調製した。例28は、ポリアクリレートがポリイソブチレン(ビスタネックスLM−LS−LC)とブレンドされている多成分ポリマー接着剤系の例である。得られる組成物は、“乾燥”基準で、即ち、揮発性加工溶剤の除去後に、下記の表XIIに示されるような成分濃度を有していた。
【0102】
【表XII】

例28及び29の系からの生体外のエストラジオールフラックスが図12に示される。図12に示されるように、例28の多成分ポリマー接着剤系からの送出は例29からの送出に匹敵する。
【0103】
例30
フラックス測定に加えて、見掛拡散係数、Dを組成物I〜VI(例6)のマトリックスから無限の流しへのニトログリセリンに関する放出データから計算した。ポール(D.R.Paul)の方法(Controlled Release Polymeric Formulations,ACS Sy−mposium Series No.33,1章(1976))を使用し、この方法では、マトリックス中のニトログリセリンの初期濃度、Cを測定し(1.0の密度と仮定する)、面積Aのマトリックスにより放出された量Mと拡散係数の関係が次式により定義される。
【0104】
/A=2C(D t/π)1/2
1/2に対してM/Aをプロットして、次式により定義される傾斜mを有するグラフを得る。
m=2C(D/π)1/2
mの値を線形回帰により確認して最良のフィットラインの傾斜を求めることができる。拡散係数が次式のように計算される。
D=π(m/2C
組成物I〜VIに関するこれらの計算の結果が下記の表XIIに示される。
【0105】
【表XIII】

【0106】
図13及び14は、組成物I〜VIに関して見掛拡散係数(D)及び正味溶解パラメーター(SP)の夫々に対してプロットされたフラックス速度(J)の関係を示す。正味溶解パラメーター、SPnetを、そのマトリックスを構成する個々のポリマーの溶解パラメーターの重量平均を使用して計算した。
SPnet=φpsSPps+φpaSPpa
(式中、φpsはポリシロキサンの重量%であり、かつSPpsはポリシロキサンの溶解パラメーターである。添字“pa”はポリアクリレートを表す)
図15は拡散係数対正味溶解パラメーターのプロットである。
【0107】
本発明が特別な実施態様及び用途に関して説明されたが、当業者は、この教示に鑑みて、本発明の範囲を越えず、また本発明の精神から逸脱しないで付加的な実施態様を生じることができる。従って、図面及びこの開示の説明は本発明の理解を容易にするように提示されるが、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明のモノリス経皮薬剤送出装置の略図である。
【図2】本発明の経皮薬剤送出組成物(例1の配合)及び二つの市販のニトログリセリンを含む経皮送出装置:即ち、トランスデーム−ニトロ(Transderm−Ni−tro,商標)(チバ・ガイギー社(Ciba−Geigy Corporation,Summit,NJ)の商品名)及びニトロ−ジュール(Nitro−Dur,商標)(キー・ファーマシューティカルズ社(Key Pharmaceuticals,Inc.,Kenilworth,NJ)の商品名)からの生体外の死体皮膚を通過する定常状態のニトログリセリンのフラックス速度のグラフ図である。
【図3】例2〜5のポリマー系に関する死体皮膚を通過するの生体外のニトログリセリンフラックスの結果を要約するグラフ図である。例2の組成物(ポリアクリレートのみの接着剤)が例3、4、及び5の多成分ポリマー組成物(ポリアクリレートが夫々ポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソブチレン、及びポリシロキサンとブレンドされている)と比較される。
【図4】種々の重量比のポリアクリレートとポリシロキサンとを含む例6の多成分ポリマー経皮接着剤系からの死体皮膚を通過する生体外の定常状態のニトログリセリンフラックスのグラフ図である。
【図5】本発明の多成分ポリマー経皮接着剤系(ポリアクリレート/ポリシロキサン)と比較して、従来技術の薬剤送出系、詳しくはシリコーン及びアクリルの単一ポリマー接着剤からの死体皮膚を通過するの生体外の定常状態のエストラジオールフラックスのグラフ図である。
【図6】種々の重量比のポリアクリレートとポリシロキサンとを含む多成分ポリマー経皮接着剤系に関する0〜22時間及び22〜99時間にわたる死体皮膚を通過する生体外の平均のエストラジオールフラックスのグラフ図である。
【図7】本発明の多成分ポリマー経皮接着剤系(ポリアクリレート/ポリシロキサン)と比較して、従来技術の薬剤送出系、詳しくはシリコーン及びアクリルの単一ポリマー接着剤からの死体皮膚を通過する生体外の定常状態のノルエシンドロンアセテートフラックスのグラフ図である。
【図8】薬剤と種々の重量比のポリアクリレート及びポリシロキサンの両方を含む多成分ポリマー経皮接着剤系に関する死体皮膚を通過する生体外の平均のエストラジオール及びノルエシンドロンアセテートフラックスのグラフ図である。
【図9】種々の重量比のポリアクリレートとポリシロキサンとを含む多成分ポリマー経皮接着剤系に関する死体皮膚を通過する生体外の平均のエストラジオール対ノルエシンドロンアセテートフラックスの比を示すグラフ図である。
【図10】本発明の多成分ポリマー経皮接着剤系(ポリアクリレート/ポリシロキサン)と比較して、従来技術の薬剤送出系、詳しくはシリコーン及びアクリルの単一ポリマー接着剤からの死体皮膚を通過する生体外のピロカルピンの定常状態のフラックスのグラフ図である。
【図11】本発明(例24〜27)の多成分ポリマー経皮接着剤系(ポリアクリレート/ポリシロキサン)、及びニトロージュール(商標)の夫々からの死体皮膚を通過する生体外の定常状態のアルブテロール及びニトログリセリンフラックスのグラフ図である。
【図12】2種の異なる多成分ポリマー経皮接着剤系ポリアクリレート/ポリシロキサン及びポリアクリレート/ポリイソブチレンからの死体皮膚を通過する生体外の定常状態のエストラジオールフラックスのグラフ図である。
【図13】例6の組成物I−VIの夫々に関して、見掛の拡散係数(D)及び正味溶解パラメーター(SP)に対してプロットされたフラックス速度(J)の関係を示す。正味溶解パラメーター、SPnetを、そのマトリックスを構成する個々のポリマーの溶解パラメーターの重量平均を使用して計算した。 SPnet=φpsSPps+φpaSPpa (式中、φpsはポリシロキサンの重量%であり、かつSPpsはポリシロキサンの溶解パラメーターである。添字“pa”はポリアクリレートを表す)
【図14】例6の組成物I−VIの夫々に関して、見掛の拡散係数(D)及び正味溶解パラメーター(SP)に対してプロットされたフラックス速度(J)の関係を示す。正味溶解パラメーター、SPnetを、そのマトリックスを構成する個々のポリマーの溶解パラメーターの重量平均を使用して計算した。 SPnet=φpsSPps+φpaSPpa (式中、φpsはポリシロキサンの重量%であり、かつSPpsはポリシロキサンの溶解パラメーターである。添字“pa”はポリアクリレートを表す)
【図15】拡散係数対正味溶解パラメーターのプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感圧接着剤マトリックスからの生理活性物質の調節された放出に適した型の改良された感圧接着剤組成物であって、
組成物が第一の溶解パラメーターを有する第一のポリマー接着剤と、第二の溶解パラメーターを有する第二のポリマー接着剤のブレンドを含み、第一の溶解パラメーターと第二の溶解パラメーターが互いに少なくとも2(J/cm1/2の増分変化量だけ異なり、かつ感圧接着剤組成物中に含まれる生理活性物質の飽和濃度を選択可能に調節でき、それにより生理活性物質の放出を調節できるブレンドの特徴的な正味溶解パラメーターを生じることを特徴とする感圧接着剤組成物。
【請求項2】
(1)(a)第一の溶解パラメーターを有する第一のポリマー材料と、
(b)第二の溶解パラメーターを有する第二のポリマー材料のブレンド[前記の第一の溶解パラメーターと第二の溶解パラメーターが互いに異なり、かつブレンドの前もって選択された正味溶解パラメーターを生じる]と、
(2)薬剤
とを含み、ブレンドの正味溶解パラメーターがブレンド中の薬剤の溶解度を決めるように前もって選択されていることを特徴とする経皮薬剤送出系。
【請求項3】
ブレンドが感圧接着剤である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項4】
感圧接着剤の一つの表面の上に置かれた裏材料を更に含み、前記裏材料がその中に含まれる薬剤に対して実質的に不浸透性である請求項3に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項5】
前記裏材料の反対側の感圧接着剤の表面の上に置かれたレリースライナーを更に含む請求項3に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項6】
薬剤がステロイドである請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項7】
スアロイドが共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17β−エストラジオール、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール、及びジエチルスチルベストロールからなる群から選ばれたエストロゲンである請求項6に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項8】
ステロイドがプロゲステロン剤である請求項6に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項9】
プロゲステロン剤がプロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルエシンドロン、ノルエシンドロンアセテート、メレンゲストロール、クロルマジノン、エシステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、エチノジオールジアセテート、ノルエチノドレル、17α−ヒドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ジメチステロン、エチニルエストレノール、ノルゲストレル、デメゲストン、プロメゲストン、及びメゲストロールアセテートからなる群から選ばれる請求項7に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項10】
薬剤がβ−アドレナリン作用物質である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項11】
β−アドレナリン作用物質がメタプロテレノール、テルブタリン、アルブテロール、カルブテロール、リミテロール、サルメファモール、フェノテロール、ソテレノール、トラトキノール、及びキンテレノールからなる群から選ばれる請求項7に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項12】
薬剤が心臓作用性の薬剤である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項13】
前記の心臓作用性の薬剤がニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、キニジンスルフェート、プロカインアミド、ベンジドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミン、ジルチアゼム、チモロール、プロプラノロール、カプトプリル、クロニジン及びプラゾシンからなる群から選ばれる請求項12に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項14】
薬剤がコリン作用物質である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項15】
コリン作用物質がコリン、アセチルコリン、メタコリン、カルバコール、ベタネコール、ピロカルピン、ムスカリン、及びアレコリンからなる群から選ばれる請求項14に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項16】
薬剤がブレンドと緊密に混合される請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項17】
前記の系が前記ブレンドを含む接着剤部分を有する溜め装置である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項18】
前記の第一のポリマー材料がポリアクリレートである請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項19】
第二のポリマー材料がポリシロキサンである請求項18に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項20】
ポリアクリレートがブレンドの約2重量%〜約96重量%の範囲の量で存在し、かつポリシロキサンがブレンドの約98重量%〜約4重量%の範囲の量で存在する請求項19に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項21】
エストロゲンが17β−エストラジオールであり、17β−エストラジオールが約1重量%〜約5重量%の量で系中に存在する請求項7に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項22】
プロゲステロン剤がノルエシンドロンアセテートであり、ノルエシンドロンアセテートが約1重量%〜約5重量%の量で系中に存在する請求項9に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項23】
β−アドレナリン作用物質がアルブテロールであり、アルブテロールが約30重量%未満の量で存在する請求項11に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項24】
心臓作用性の薬剤がニトログリセリンであり、ニトログリセリンが約25重量%未満の量で系中に存在する請求項13に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項25】
コリン作用物質がピロカルピンであり、ピロカルピンが約30重量%未満の量で薬剤を含むポリマー拡散マトリックス中に存在する請求項15に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項26】
薬剤がトランキライザーである請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項27】
トランキライザーがアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロラゼプテート、ハラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クロナゼパム、フルラゼパム、トリアゾラム、ロラゼパム及びジアゼパムからなる群から選ばれる請求項26に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項28】
トランキライザーがアルプラゾラムである請求項27に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項29】
薬剤が抗精神病剤である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項30】
抗精神病剤がチオプロパゼート、クロルプロマジン、トリフルプロマジン、メソリダジン、ピペラセタジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプラシキセン、チオシキセン、ハロペリドール、ブロムペリドール、ロキサピン、及びモリンドンからなる群から選ばれる請求項29に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項31】
抗精神病剤がハロペリドールである請求項30に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項32】
薬剤が麻酔薬である請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項33】
麻酔薬がリドカイン、テトラカイン、ジクロニン、ジブカイン、コカイン、プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、プリロカイン及びベンゾカインからなる群から選ばれる請求項32に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項34】
麻酔薬がリドカインである請求項33に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項35】
薬剤が鎮痛薬である請求の請求項2の経皮薬剤送出系。
【請求項36】
鎮痛薬がフェンタニル、ブプレノルフィン及びコデインからなる群から選ばれる請求項35に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項37】
薬剤が中枢神経系に作用を有する請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項38】
薬剤がニコチンである請求項37に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項39】
少なくとも2種の薬剤の混合物を含む請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項40】
プロゲステロン剤及びエストロゲンの混合物を含む請求項39に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項41】
前記プロゲステロン剤がプロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルエシンドロン、ノルエシンドロンアセテート、メレンゲストロール、クロルマジノン、エシステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、エチノジオールジアセテート、ノルエチノドレル、17α−ヒドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ジメチステロン、エチニルエストレノール、ノルゲストレル、デメゲストン、プロメゲストン、及びメゲストロールアセテートからなる群から選ばれる請求項40に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項42】
前記プロゲステロン剤がノルエシンドロンアセテートである請求項41に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項43】
前記エストロゲンが共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17β−エストラジオール、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール、及びジエチルスチルベストロールからなる群から選ばれる請求項40に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項44】
前記エストロゲンが17β−エストラジオールである請求項43に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項45】
第一の溶解パラメーター及び第二の溶解パラメーターが少なくとも約2(J/cm1/2の増分変化量だけ互いに異なる請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項46】
第一の溶解パラメーター及び第二の溶解パラメーターが少なくとも約4(J/cm1/2の増分変化量だけ互いに異なる請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項47】
前記の系が、単一ポリマー材料として前記の第一のポリマー材料を含む系により得られる浸透速度に対して患者の皮膚を通過する薬剤の増大された浸透速度を得る請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項48】
前記の系が、単一ポリマー材料として前記の第一のポリマー材料を含む系により得られる浸透速度に対して患者の皮膚を通過する薬剤の低下された浸透速度を得る請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項49】
エンハンサー、充填剤、補助溶剤及び賦形剤からなる群から選ばれた添加剤を更に含む請求の範囲第2項に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項50】
(a)約2重量%〜約96重量%のアクリル系ポリマーと約98重量%〜約4重量%のシリコーン系ポリマーのブレンドから実質的になる多成分ポリマー接着剤系(多成分ポリマー接着剤系は経皮薬剤送出系の約99重量%〜約50重量%の量である);
(b)その系の約0.3重量%〜約50重量%の量の薬剤;
(c)有効量の薬剤用の補助溶剤(前記の量はその系の約30重量%までである);
及び
有効量のエンハンサー(前記の量はその系の約20重量%までである)
を含むことを特徴とする経皮薬剤送出系。
【請求項51】
皮膚接着剤組成物の約1重量%〜約15重量%の量の充填剤及び賦形剤を更に含む請求項50に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項52】
少なくとも2種の薬剤を含む請求項2に記載の経皮薬剤送出系。
【請求項53】
薬剤を含む感圧接着剤を有する型の経皮薬剤送出系の製造方法であって、
その方法が、
(1)(a)第一の溶解パラメーターを有する第一のポリマー材料と、第二の溶解パラメーターを有する第二のポリマー材料のブレンド[前記の第一の溶解パラメーターと第二の溶解パラメーターが互いに異なり、かつブレンドの前もって選択された正味溶解パラメーターを生じる]と、
(b)薬剤
との混合物を生成する工程、及び
(2)その混合物を感圧接着剤マトリックスに形成する工程
を含むことを特徴とする経皮薬剤送出系の製造方法。
【請求項54】
裏材料を感圧接着剤マトリックスの一面に適用する工程を更に含み、前記裏材料がその中に含まれる薬剤に対し実質的に不浸透性である請求項53に記載の方法。
【請求項55】
レリースライナーを前記裏材料の反対側の感圧接着剤マトリックスの表面に適用する工程を更に含む請求項54に記載の方法。
【請求項56】
エンハンサー、充填剤、補助溶剤及び賦形剤からなる群から選ばれた添加剤を、前記混合物を感圧接着剤マトリックスに形成する前にその混合物と合わせる請求項53に記載の方法。
【請求項57】
薬剤をブレンドと緊密に混合する請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記の系が前記ブレンドを構成する接着剤部分を有する溜め装置である請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記の第一のポリマー材料がポリアクリレートてある請求項53に記載の方法。
【請求項60】
第二のポリマー材料がポリシロキサンである請求項59に記載の方法。
【請求項61】
ポリアクリレート対ポリシロキサンの比が感圧接着剤マトリックスの重量基準で約2:98〜約96:4である請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ポリアクリレート対ポリシロキサンの比が感圧接着剤マトリックスの重量基準で約2:98〜約90:10である請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ポリアクリレート対ポリシロキサンの比が感圧接着剤マトリックスの重量基準で約2:98〜約86:14である請求項62に記載の方法。
【請求項64】
薬剤が感圧接着剤マトリックスの約0.3重量%〜約50重量%の範囲の量で存在する請求項53に記載の方法。
【請求項65】
薬剤がステロイドである請求項53に記載の方法。
【請求項66】
ステロイドが共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17β−エストラジオール、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール、及びジエチルスチルベストロールからなる群から選ばれたエストロゲンである請求項65に記載の方法。
【請求項67】
エストロゲンが17β−エストラジオールであり、17β−エストラジオールが約1重量%〜約5重量%の量で感圧接着剤マトリックス中に存在する請求項66に記載の方法。
【請求項68】
ステロイドがプロゲステロン剤である請求項65に記載の方法。
【請求項69】
プロゲステロン剤がプロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルエシンドロン、ノルエシンドロンアセテート、メレンゲストロール、クロルマジノン、エシステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、エチノジオールジアセテート、ノルエチノドレル、17α−ヒドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ジメチステロン、エチニルエストレノール、ノルゲストレル、デメゲストン、プロメゲストン、及びメゲストロールアセテートからなる群から選ばれる請求項69に記載の方法。
【請求項70】
プロゲステロン剤がノルエシンドロンアセテートであり、ノルエシンドロンアセテートが約1重量%〜約5重量%の量で感圧接着剤マトリックス中に存在する請求項69に記載の方法。
【請求項71】
薬剤がβ−アドレナリン作用物質である請求項53に記載の方法。
【請求項72】
β−アドレナリン作用物質がメタプロテレノール、テルブタリン、アルブテロール、カルブテロール、リミテロール、サルメファモール、フェノテロール、ソテレノール、トラトキノール、及びキンテレノールからなる群から選ばれる請求項53に記載の方法。
【請求項73】
β−アドレナリン作用物質がアルブテロールであり、アルブテロールが約30重量%未満の量で感圧接着剤マトリックス中に存在する請求項72に記載の方法。
【請求項74】
薬剤が心臓作用性の薬剤である請求項53に記載の方法。
【請求項75】
前記の心臓作用性の薬剤がニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、キニジンスルフェート、プロカインアミド、ベンジトロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、チモロール、プロプラノロール、カプトプリル、クロニジン及びプラゾシンからなる群から選ばれる請求項74に記載の方法。
【請求項76】
心臓作用性の薬剤がニトログリセリンであり、ニトログリセリンが約25重量%未満の量で感圧接着剤マトリックス中に存在する請求項75に記載の方法。
【請求項77】
薬剤がコリン作用物質である請求項53に記載の方法。
【請求項78】
コリン作用物質がコリン、アセチルコリン、メタコリン、カルバコール、ベタネコール、ピロカルピン、ムスカリン、及びアレコリンからなる群から選ばれる請求項77に記載の方法。
【請求項79】
コリン作用物質がピロカルピンであり、ピロカルピンが約30重量%未満の量で感圧接着剤マトリックス中に存在する請求項78に記載の方法。
【請求項80】
薬剤がトランキライザーである請求項53に記載の方法。
【請求項81】
トランキライザーがアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロラゼプテート、ハラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クロナゼパム、フルラゼパム、トリアゾラム、ロラゼパム及びジアゼパムからなる群から選ばれる請求項80に記載の方法。
【請求項82】
トランキライザーがアルプラゾラムである請求項81に記載の方法。
【請求項83】
薬剤が抗精神病剤である請求項53に記載の方法。
【請求項84】
抗精神病剤がチオプロパゼート、クロルプロマジン、トリフルプロマジン、メソリダジン、ピペラセタジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプラシキセン、チオシキセン、ハロペリドール、ブロムペリドール、ロキサピン、及びモリンドンからなる群から選ばれる請求項83に記載の方法。
【請求項85】
抗精神病剤がハロペリドールである請求項84に記載の方法。
【請求項86】
薬剤が麻酔薬である請求項53に記載の方法。
【請求項87】
麻酔薬がリドカイン、テトラカイン、ジクロニン、ジブカイン、コカイン、プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、プリロカイン及びベンゾカインからなる群から選ばれる請求項86に記載の方法。
【請求項88】
麻酔薬がリドカインである請求項87に記載の方法。
【請求項89】
薬剤が鎮痛薬である請求項53に記載の方法。
【請求項90】
鎮痛薬がフェンタニル、ブプレノルフィン及びコデインからなる群から選ばれる請求項89に記載の方法。
【請求項91】
薬剤が中枢神経系に作用を有する請求項53に記載の方法。
【請求項92】
薬剤がニコチンである請求項91に記載の方法。
【請求項93】
少なくとも2種の薬剤の混合物を前記のポリマー材料のブレンドと合わせる請求項53に記載の方法。
【請求項94】
前記の薬剤の混合物がプロゲステロン剤及びエストロゲンを含む請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記プロゲステロン剤がプロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルエシンドロン、ノルエシンドロンアセテート、メレンゲストロール、クロルマジノン、エシステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、エチノジオールジアセテート、ノルエチノドレル、17α−ヒドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ジメチステロン、エチニルエストレノール、ノルゲストレル、デメゲストン、プロメゲストン、及びメゲストロールアセテートからなる群から選ばれる請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記プロゲステロン剤がノルエシンドロンアセテートである請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記エストロゲンが共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17β−エストラジオール、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール、及びジエチルスチルベストロールからなる群から選ばれる請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記エストロゲンが17β−エストラジオールである請求項97に記載の方法。
【請求項99】
第一の溶解パラメーター及び第二の溶解パラメーターが少なくとも約2(J/cm1/2の増分変化量だけ互いに異なる請求項53に記載の方法。
【請求項100】
第一の溶解パラメーター及び第二の溶解パラメーターが少なくとも約4(J/cm1/2の増分変化量だけ互いに異なる請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前もって決めた正味溶解パラメーターを得るように、異なる溶解パラメーターを有する複数のポリマーをブレンドする工程を含み、前記の複数のポリマーの少なくとも2種が少なくとも約2(J/cm1/2だけ異なる溶解パラメーターを有することを特徴とする経皮薬剤送出系中の薬剤の溶解度を調節する方法。
【請求項102】
第一の溶解パラメーター及び第二の溶解パラメーターが少なくとも約4(J/cm1/2の増分変化量だけ互いに異なる請求項101に記載の方法。
【請求項103】
感圧接着剤マトリックスを有する型の経皮薬剤送出系からの薬剤の送出速度を調節する方法であって、
その方法が、
(a)系が系中の薬剤の調節された溶解度を生じる前もって選択された正味溶解パラメーターを有するように、少なくとも2種の不混和性ポリマー材料を多成分ポリマー接着剤系の成分として選択する工程、及び
(b)前記の少なくとも2種のポリマー材料を薬剤と合わせて感圧接着剤マトリックスを形成する工程[マトリックスは、前記の前もって選択された正味溶解パラメーターにより決定され、かつ単一ポリマー材料として前記の少なくとも2種のポリマー材料のうちの一種を含む感圧接着剤マトリックスにより得られる送出速度とは異なる薬剤送出速度を得る]
を含むことを特徴とする薬剤の送出速度を調節する方法。
【請求項104】
薬剤を感圧接着剤マトリックス中の少なくとも2種のポリマー材料と緊密に混合する請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記ポリマー材料と前記薬剤を合わせて前記ポリマー材料のブレンドを含む接着剤部分を有する溜め装置を形成する請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記の選択の工程が、種々の重量比の選択された少なくとも2種の不混和性ポリマーからのフラックス速度を測定し、前もって選択されたフラックス速度を生じる比を選択する工程を含む請求項103に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の経皮投与のための感圧接着剤組成物であって、
(a)実質的に約2重量%〜約96重量%のポリアクリレート及び約98重量%〜約4重量%のポリシロキサンからなる2種のポリマーであって、該組成物の約99重量%〜約50重量%の量である該2種のポリマー;
(b)該組成物の約0.3重量%〜約50重量%の量の薬剤;
(c)薬剤のための有効量の補助溶剤であって、その量が該組成物の約30重量%までであるもの;及び
(d)有効量のエンハンサーであって、その量が該組成物の約20重量%までのもの
のブレンドを含む組成物。
【請求項2】
経皮組成物であって、
(a)ポリアクリレート、並びにポリシロキサン及び炭化水素ポリマーからな群から選択される第二のポリマー;及び
(b)治療的に有効な量の経皮投与のための薬剤
のブレンドを含み、該組成物が感圧接着剤であって、ポリアクリレート及び第二のポリマーが皮膚を通る薬剤の浸透速度を調節し、該組成物がポリエチレン/ビニルアセテートコポリマーを含まないことを特徴とする組成物。
【請求項3】
経皮組成物であって、
(a)第一の溶解パラメーターを有するポリアクリレート、並びに第二の溶解パラメーターを有するポリシロキサン及び炭化水素ポリマーからなる群から選択される第二のポリマーであって、該第1及び第2の溶解パラメーターが少なくとも4(J/cm31/2の増分変化量だけ互いに異なるもの;及び
(b)治療的に有効な量の経皮投与のための薬剤
のブレンドを含み、該組成物が感圧接着剤であって、ポリアクリレート及び第二のポリマーが皮膚を通る薬剤の浸透速度を調節し、該組成物がポリエチレン/ビニルアセテートコポリマーを含まないことを特徴とする組成物。
【請求項4】
薬剤の経皮投与のための組成物であって、
(a)ポリアクリレート、並びにポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ナイロン-6,6、エポキシ樹脂及びポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマーからなる群から選ばれる第二のポリマー;及び
(b)治療的に有効な量の経皮投与のための薬剤
のブレンドを含み、該組成物が感圧接着剤であって、ポリアクリレート及び第二のポリマーが皮膚を通る薬剤の浸透速度を調節し、該組成物がポリエチレン/ビニルアセテートコポリマーを含まないことを特徴とする組成物。
【請求項5】
哺乳動物に治療的に有効量の薬剤を経皮的に投与する方法であって、該哺乳動物の皮膚へ薬剤の経皮投与のための組成物を適用する工程、及び該前もって選択された薬剤の有効量が経皮的に投与されるまで組成物を皮膚に接触させて保持する工程を含み、該組成物が
(a)ポリアクリレート、並びにポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ナイロン-6,6、エポキシ樹脂、ポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマー及び炭化水素ポリマーの1又は2以上を含む2又はそれ以上のポリマーであって、該少なくとも2種のポリマーが相応する溶解パラメーターを有し、所定の比率でブレンドされて該ブレンドの正味溶解パラメーターをもたらすポリマー;及び
(b)前もって選択された薬剤
のブレンドを含み、該組成物が感圧接着剤であって、ブレンドの該正味溶解パラメーターがブレンド中の前もって選択された薬剤の溶解性を決定し、該組成物がポリエチレン/ビニルアセテートコポリマーを含まないことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物であって、該薬剤がイソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、カプトプリル、クロニジン、テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、プロゲステロン剤、ブプレノルフィン、リドカイン、テトラシン、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、プリロカイン、ベンゾカイン、フェンタニル、ニコチン、コルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、ベタメタゾン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、アルブテロール、スコポラミン、テトラサイクリン、プロスタグランジン類、ミソプロストール、フェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、アルプラゾラム、クロナアゼパム、ジアゼパム、ハロペリドール、セレギリン、バクロフェン、ニトログリセリン、エストロゲン、ノルエシンドロンアセテート、ピロカルピン、ノルエシンドロン及びアルブテロールからなる群の1又は2以上から選ばれる組成物。
【請求項7】
請求項6記載の組成物であって、エストロゲンが共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17β−エストロジオール、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール及びジエチルスチルベストロールからなる群から選ばれる組成物。
【請求項8】
請求項5記載の方法であって、薬剤がイソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、カプトプリル、クロニジン、テストステロン、メチルテストッステロン、フルオキシメステロン、プロゲステロン剤、ブプレノルフィン、リドカイン、テトラシン、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、プリロカイン、ベンゾカイン、フェンタニル、ニコチン、コルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、ベタメタゾン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、アルブテロール、スコポラミン、テトラサイクリン、プロスタグランジン類、ミソプロストール、フェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、アルプラゾラム、クロナアゼパム、ジアゼパム、ハロペリドール、セレギリン、バクロフェン、ニトログリセリン、エストロゲン、ノルエシンドロンアセテート、ピロカルピン、ノルエシンドロン及びアルブテロールからなる群の1又は2以上から選ばれる方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、エストロゲンがエストロゲンが共役エストロゲン、エステル化エストロゲン、エストロピペート、17β−エストロジオール、エクイリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール及びジエチルスチルベストロールからなる群から選ばれる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−232841(P2006−232841A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69948(P2006−69948)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【分割の表示】特願平5−501618の分割
【原出願日】平成4年6月22日(1992.6.22)
【出願人】(506017986)ノーヴェン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】