滴下した液体窒素の直接接触による超高速食品冷凍装置
本発明は、多数の空洞を有するパッキングに入った食品を、超高速で食品を冷凍するのに十分な量の液体窒素を滴下することにより、超高速で冷凍する装置に関する。液体窒素は、大気圧で容器から分配され、真空隔離され、複数のノズルを通じ、重力でそれぞれの空洞の上部表面の中央に分配され、個々の空洞を短時間浸水させる。発生した窒素ガスは、実質的に酸素がない環境を作るのに使用され、分布後の冷凍処理を維持するのに十分な低さの温度を有する。他の冷凍処理と比べ、装置を設置して操作するのに必要な人員や設備、及び物理的空間と同様に、必要とする液体窒素が減り、関連費用が縮小される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品冷凍処理に関し、特に、容器に封じ込めた、最終消費者の元へ行く食品を冷凍したまま保存するため、液体窒素で操作する冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品を長時間保存するのには、いくつかの解決すべき問題がある。食品は、環境温度において非常に短く限られた時間しか保存できず、一般に、低温であっても長時間保存することはできない。
【0003】
比較的長期間にわたる食品の保存において、特に環境温度又は低温で保存するために、細菌やカビなどの微生物の成長による食品劣化を防ぐ必要がある。そのような食品の微生物は、保存温度や環境温度などのような状態の他に、食品に含まれる水の存在によって決まる。細菌を含む微生物の成長は、環境温度又はより高温において促進され、より高温において食品劣化速度が増し、より短期間で腐敗してしまう。
【0004】
そのため、食品を低温で保存すれば、微生物が成長する可能性を低下させ、微生物の繁殖を抑えて、食品劣化を防ぐことができる。しかしながら、食品をそのような低温で保存すると、冷凍又は冷蔵した食品を解凍する際に、下記のような問題が新たに発生する。
【0005】
今日、生鮮食品又は生の食品を劣化させることなく保つための最良の選択肢としては、それを冷凍又は冷蔵し、冷凍チャンバーに入れて保管することがある。
【0006】
食品を冷凍することは、食品に含まれる水の固化に基づいた保存方法である。そのため、製品に含まれる水量を一つの要因として考慮する必要がある。冷凍潜熱は、水量によって決まる。別の要因としては、開始温度及び終了温度があり、製品から抽出する熱量を決定する。食品分野において、冷凍は細菌による酵素過程を止めることが可能な極寒の適用として定義される。
【0007】
水は主要な成分であるため(50〜90%)、食品を冷凍することは、水温(顕熱)を下げ、さらに液相から固相に変化させる(潜熱)ことにある。食品自体を同じにする構造、すなわち、脂質、タンパク質、食物繊維、でんぷん、糖分、及び水によって、冷凍パラメータが変わるため、食品に含まれる水を冷凍するのは、ただの水を冷凍するよりも複雑である。
【0008】
冷凍の最初の段階として、水の一部の温度が下がり、氷点(0℃)に達すると、小さな氷核(“凍結種”)ができ始める。その核の周りに氷が形成され始め、凍結速度によって、氷晶が細長くなったり、端が軟化したり、大きくなったり、小さくなったり、細胞の内外に発生することがある。凍結速度により、下記の現象が起こることがある。
【0009】
タンパク質変性:製品をゆっくり冷凍したり、保存中に気温の変動があると、発生した氷晶が大きくなる時に、タンパク質に結びついた水を取り出すことにより、タンパク質の組織が破壊されてしまい、解凍する際に水を取り戻すことができず、水溶性の栄養素が引き出されてしまう。これにより、食品の特性が変化して硬化し、溶解度値及び栄養価が下がってしまう。
【0010】
でんぷん変性:でんぷんは、アミロースという直鎖状グルコース及びアミロペクチンという複雑な分岐鎖構造で構成される。でんぷん顆粒は、冷たい懸濁液内で膨張して保水力があり、一定の温度に達するとゼラチン状になり、液体の粘度を高くする。このゲルが残ると、直鎖状アミロースはもともと保有していた水を結晶化及び放出するように一体化し、この過程は離漿と呼ばれる。このため、食品におけるでんぷんは、アミロース含有率が非常に低いものを選択するのが都合良い。例として、米は16%のアミロースを含み、とうもろこしは24%含み、ソルガムやタピオカは含まない。
【0011】
脂質収縮:固体状の脂質は脂肪と呼ばれ、液体状のものは油と呼ばれる。固体から液体への変化は、脂質の融点による。食品が氷結すると、油が凝固して収縮する。
【0012】
湿度の低い食品は、溶質のために蒸気圧が下がり、初期氷点が低い。いわゆる遊離水(75%程度)が過程中で氷結するため、水の内容全てを氷結させることはできない。
【0013】
氷結の種類について:
・気体によるもの:冷気流で、最終温度に達するまで、製品から熱を抽出する。
・接触によるもの:冷表面を製品に接触させ、熱を抽出する。
・極低温によるもの:低温流体、低温窒素、又は低温炭酸ガスが使われ、冷気体が氷結効果に達するようにする。
【0014】
氷結効果
【0015】
乾燥:動物又は植物ではさらに、重量の80%程度が水で構成される。水は、動物や植物から生成される食品において、主要な成分である。食品が氷結する際、水は氷に変わり、乾燥効果が生じる。
【0016】
核形成:食品が通常気圧で氷結する際、その温度は0℃に下がり、水が氷に変化し始める。しばらく0℃のままでいるが、結晶化が完了すると、環境温度に均衡するまで温度が降下する。温度降下がなくなると、氷結潜熱(80cal/g)の抽出が必要になる。この間、状態の変化のために、冷却効果は水によって放出される熱と均衡する。温度は一定であり、グラフは水平線になり、放熱速度によって経度が変わる。この間、結晶形成及び融解は均衡している。
【0017】
水平線の部分の始まりでは、結晶化が開始する前の水の過剰冷却を示す、少しの降下が見られる(細胞や微生物のような少容量ではさらに顕著に見られる)。これは、熱除去を高速で行う時に発生し、氷晶の高速形成を確実にするものである。食品に含まれる水は純粋ではなく、食塩や砂糖、及び水溶性タンパクや、さらにコロイド懸濁液の複雑なタンパク分子の水溶液であるため、氷点が下がる。これは、溶解成分の濃度に比例する。最も一般的な食品は、0℃から−4℃の間で氷結する。これは、最大結晶形成帯として知られる。水が氷結する時、残りの水に含まれる溶解成分の濃度は次第に上がり、氷点のさらなる降下が生じる。
【0018】
結晶化:結晶化を促進するため、結晶化核として作用する粒子又は不溶性塩類が必要である。温度が下がるほど、より多くの結晶凝集の現象が起こりやすく、従って結晶の大きさは小さくなる。一方、温度が融点に近づくと、核形成の速度が遅く、結晶核がほとんどできないため、比較的大きな結晶が生じる。氷晶の形を顕微鏡で観察すると、急速冷凍した場合の方が、結晶の形がほぼ丸状で、一方、緩慢冷凍した場合、大きく、細長く、又はとがった結晶ができることが分かる。そのため、緩慢冷凍では、繊維や細胞壁が破壊され、食品の性質が失われる。固形又は粘度の高い食品では、結晶の大きさが食品の部分によって異なる。周辺部分では、結晶が急速に形成されて大きさが小さくなり、一方、内部の熱伝導は困難で、結晶の形成が緩慢になり、大きくなる。温度が下がると、残りの水及び濃縮された溶質が共に凝固する飽和点に達し、これを共晶点という。これは、多くの産業用冷凍庫で得られるものよりも低いことが多く、少量の凍らない水が発生して、微生物が成長及び繁殖できないにしても、生き残る原因となる。
【0019】
体積変化:水が氷になる時、9%近く体積が増加する。この減少により、水を多く含む食品は、多く含まないものよりも膨張する。これは破砕や亀裂の原因となる。容器を製造する際、伸縮するか考慮することが重要である。
凍結速度:冷凍製品の品質は、凍結速度によって決まる。速度は、表面と臨界点との最小距離を時間で割ったものとして定義され、臨界点は0℃から−15℃の間で変化する。そのため、冷凍過程は、下記を特徴とする:
【0020】
低速:1cm/hよりも小さい場合で、例えば、家庭用冷凍庫で、−18℃の空気が動かない状態のものである。基本的に涼しい場所で行われ、低い温度で動作するようになっている。装置は、冷凍のための特別な能力を備え、さらに空気循環のためのファンを備えている。これらの設備は、凍結速度が遅く、マーガリン及びステーキ、又は肉のような、高品質を必要としない製品に使用される。この種類の冷凍において困難なのは、製品における脱水(5%から10%)及び霜である。さらに、チャンバーが飽和状態であると、システムに負荷がかかりすぎて、希望する凍結温度に達さないので、冷凍のバランスに問題がある。
【0021】
中速:1−5cm/hの場合で、20km/hで−40℃の冷気トンネルを使用したものである。高性能な空気循環のために設計された装置があり、非常に高速な熱伝導が可能であり、製品の重量の2%から6%の脱水がある。装置は、処理と製品の特徴に合わせて選択する必要がある。この種類の冷凍には、ブラストフリーザ(Blast Freezer)、流動床、ジャイロフリーザ(Gyro Freezer)がある。
【0022】
ブラストフリーザ:この装置において、所定の方法で配置された土台付きの部屋内を、冷気が高速で循環する。ほぼ全ての製品が、この装置で冷凍できるが、脱水又は霜を避けるため、パックする前に冷凍しなければならない。これは、鉄道で輸送する生肉を冷凍する際にも使用される。
【0023】
流動床:これらの装置は、大きさが小さい製品(本来、エンドウ加工用に設計されている)に使用される。この装置において、製品を浮き上がらせて回転させるぐらいの突風が下部から上がり、均一かつ急速に冷凍を行う。この装置における主要な問題は、高速かつ冷却強度が強いために製品がだめになったり、霜がついてしまうことである。
【0024】
ジャイロフリーザ:これは、最も現代的で効率的な機械装置の一つである。この装置において、均一な冷気を生成するように設計されたファンから乱流が発生する。製品は、らせん状に回転し、45分から1時間の間、冷却される。冷気の流れが直接でないため、脱水(1%から2%)によって製品がだめになることが少なくなる。らせん状のシステムのため、たくさんの面積を必要としない。この種類の装置において不都合なのは、取得及び設置のための初期費用がかかることである。
【0025】
高速:5cm/hより大きい場合で、液体窒素に浸漬するものである。急速な氷結が、食品の特徴により、液体窒素に浸漬又は潅水することによって、非常に低温(−196℃)で行われる。この種類の冷凍では、個別急速冷凍(IQF)ができ、食品は一つずつ離れて、ベルトに付くことがない。他よりも製品の品質を状態良く保持することができる理由は下記の通りである:
【0026】
微結晶が生成されるので、細胞が変形せず、特性を損なったりすることや脱水を防ぎ、製品の品質を保持する。
【0027】
突風を生じないので、製品が変形することがなく、バンドに付くことがない。
【0028】
保存効果:温度−18℃で冷凍食品を保存するのが適切で安全なレベルであると証明されている。微生物は、この温度で成長できず、酵素作用は非常に遅いが、保存自体は食品に変化をもたらす:
【0029】
再結晶化:保管中、小さな結晶が集まって大きくなる傾向がある。これは、単位質量当たりのエネルギーが高いために、小さな結晶が大きな結晶よりもより不安定であるからである。この現象は、製品が0℃に近い温度で保存される際に顕著である。温度が下がると、効果は小さくなり、60℃になると、ほぼ無視できるぐらいになる。
【0030】
霜:熱気が冷凍チャンバーに入り込むと、内部の冷気と浸入する熱気との間で温度勾配が生じる。空気が暖められると、湿気吸収能力が増加する。冷凍チャンバーでは、冷凍食品に含まれる氷のみが湿気の元となる。熱気は、十分に保護されていない食品から湿気を取り、脱水する。そして、空気が冷却されると、湿気が冷凍庫の冷たい表面で着霜する。空気の湿気から氷を形成し、液体の状態にならないことを昇華と呼ぶ。
【0031】
冷気による霜は、冷凍食品において重要な表面乾燥であり、上記の脱水によって生じる。最表層で色素が濃縮されて酸化すると、それらは黒っぽい染みとして製品の表面に出現する。昇華後、氷によってできた隙間による灰白色の部分も出現する。この現象が長く続くと、最表層がスポンジ状になり、下層が脱水され始める。霜が小さければ、湿気に触れ、補水することによって、この現象は元に戻すことができる。これは、軽い霜の部分を調理することによって確認されている。一方、霜が深い場合、酸化が生じ、不可逆的な化学変化が生じる。そのため、水の損失を4分の1から20分の1に減らすことのできる適切なパッキングを使用することが重要である。霜は、製品の重要な損失の原因となり、その価値を損失することは、官能特性の減少の原因となる。
【0032】
昨今では、食品の極低温冷凍は、食品に最高品質で無害の保管寿命を提供するものの、ガス、装置、及び設置に費用がかかることから、ほとんど使用されてきていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、先行技術における現在までの進歩の持つ制限を考慮し、滴下した液体窒素の直接接触による超高速食品冷凍装置を提供することを目的とする。
【0034】
本発明の別の目的は、食品を長期間の間冷凍庫で保存後に解凍する際、変化なく本来の性質と味を保持する超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0035】
本発明の別の目的は、食品用の超高速極低温冷凍装置を提供することにある。
【0036】
本発明のさらなる別の目的は、食品を展示及び販売するために、個々の部分として容器に封じ込める処理に可能な超高速極低温冷凍装置を提供することにある。
【0037】
本発明のさらなる別の目的は、食品封止前の最終パッキング時に、冷凍した状態で封じ込められるため、定常状態の製造過程を確立可能な超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0038】
本発明の別の目的は、液体窒素の使用における、最大の効率を備えた超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0039】
本発明の別の目的は、液体窒素を冷凍する製品に直接的に速く正確に滴下して冷凍する超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0040】
本発明のさらなる別の目的は、そのような食品に対して正確に滴下する液体窒素を使用した超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0041】
本発明のさらなる別の目的は、価格競争力のある超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0042】
これらの発明の目的及び利点は、本発明の実施例のための図面を添付した下記の説明で明らかにされ、例示を目的とするものであり、本発明の内容を限定するものではない。
【発明の効果】
【0043】
特に冷凍による食品保存の分野における、現在までの進歩を考慮し、冷凍食品企業が手ごろな値段で極低温冷凍可能な、市場に最高品質で無害の保管寿命を提供する、費用削減可能な装置の進歩が必要である。本発明の装置をUFGF(超高速重力冷凍)と呼び、液体窒素を冷凍する製品に速く正確に滴下して冷凍する際に高い効率を上げることができ、価格競争力のある装置を提供する。
【0044】
現在の既知の方法は、本発明の装置のように冷凍食品に品質と保管寿命を提供しないが、本発明のUFGF装置を応用することによって大きく改善する。
【0045】
本発明の装置の利点は、食品に速く正確に接触する液体窒素を滴下し、水分子を冷凍して微結晶を形成して細胞壁を損傷を与えないため、製品内に細長い結晶が生じないことにある。これは、対象の食品が必要とする、液体窒素を食品に接触させる速度(−196℃又は−325Fで)及び液体窒素を正確な量だけ滴下することによって得られる。
【0046】
本発明の装置は、実際の超高速冷凍時に数々の利点を提供し、設置のために大きな空間を必要とせず、かつ軽量で、気体潅水によって冷凍する同等の能力の課程を備える従来のトンネルに比べて合理的に安価である。従来のトンネルは、冷凍する食品の表面に液体でなく気体が接触するために冷凍が遅くなり、食品の細胞を損傷する大きさの結晶を生じる。
【0047】
UFGF技術は、効果的で食品の品質を最大限に高め、ビタミン、ミネラル、タンパク質のような元の性質を保持し、適切な状態で、冷凍中や輸送中、保存中に変性させないため、食品の性質が損傷のない状態で保持される。
【0048】
UFGF装置は、取得や設置、操作場所に関して、従来の極低温冷凍装置が高額であるのに比べ、投資を必要としない。従来の装置には、気体潅水トンネルや浸漬タブがあり、本発明の装置の10倍以上の費用を必要とする。
【0049】
極低温冷凍の費用影響は、潅水又は浸漬の場合で15%から50%であり、UFGF装置では冷凍する食品によって5%から25%である。製造ラインは、潅水又は浸漬の場合は断続的(一括)であるが、UFGFの場合は、継続的(定常状態)であり、余分な時間や余剰人員にかかる費用を抑えている。
【0050】
潅水による装置及び本発明による装置について、設置して操作する面積を比較した場合、潅水トンネルでは少なくとも40m2を必要とするのに対し、本発明の装置では2−6平方メートルしか必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明による装置の実施例の正面概略図である。
【図2】図2aは、本発明による装置の実施例の右側を示す側面概略図である。図2bは、図1及び図2aに示す本発明の装置の実施例における、液体窒素が入ったタンクの底部を示す上部概略図である。
【図3】図3は、図1に示す本発明の装置の実施例における、相分離器の概略図である。
【図4】図4は、図1に示す本発明の装置の実施例の正面概略図であり、主要な構成要素を示す。
【図5】図5は、図1に示す本発明の装置の実施例の正面概略図であり、主要な制御構成要素を示す。
【図6】図6は、図1に示す本発明の装置の実施例の右側面概略図であり、主要な制御構成要素を示す。
【図7】図7は、本発明による装置の実施例の概略図である。
【図8】図8は、本発明の装置における、冷凍に使用可能な容器の概略図である。
【図9】図9は、図8に示す容器の概略図であり、本発明による装置のための分配試験で考察される放出ノズルの内径を示す。
【図10】図10は、ノズルを通じて液体窒素を均一に分配するための試験における、分配時間に応じた、分配される液体窒素量の変化を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の装置で加工した品物の、2箇所で計測した温度分布を示す、液体窒素を分配中及び分配後の、時間に応じたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
下記の説明では、上記の図面に言及し、発明概念を限定するのではなく、本発明の実施例の実例として理解されるべきものである。図面の共通の要素には同一の番号を付する。
【0053】
この発明は、望ましくは生又は調理した食品で、一般に販売するよう配置及びパッキングした個々の部分を冷凍する装置に言及する。
【0054】
図1及び図2は、本発明の装置の実施例を概略的に示したものであり、全体を(100)と示し、相分離器(110)、液体窒素分配域(120)、分配制御手段(130)、冷凍する材料を、装置に向けて装置から運搬するバンド(140)、トンネル型冷凍チャンバー(150)、及び液体窒素の大気への出口(160)を備える。
【0055】
図2に概略図で詳細を示すが、液体窒素分配域(120)は、大気圧下での液体窒素用容器(122)の輪郭を示す、真空隔離壁(123)を有するタンク(121)を備え、タンク(121)の入口を覆うキャップ(124)にある通気孔(125)で大気に開放される。キャップ及びタンクの中央には、必要であれば、窒素が人員のいる作業区域に漏れるのを防ぐための封止材が使用される。タンク(121)の底部には複数の孔があり、液体窒素の出口になる。図2bにおいて、(126a)、(126b)、(126c)、(126d)、(126e)、(126f)、(126g)、及び(126h)で示す8個の出口のある実施例を示しており、4個の孔が2本の平行な列になって位置し、それぞれが組になっている。
【0056】
図2bは、実際に液体窒素に有用な8個の出口を備える装置の実施例を示すが、冷凍する食品容器の装置に適応させるために、孔の増減をしたり、配置を変えて、ユーザーの要求を満たすよう装置を設計できる。また、下記に示すように、特定の目的のために、利用可能な全ての孔のうちの一部だけを使用することも可能である。
【0057】
図2aに戻って、タンク(121)の下部に、分配域の一部として、内部が高密度のポリウレタンフォームで隔離された区域に分配制御手段(130)がある。図の下方に、孔(126a)、(126b)、(126c)、及び(126d)に各々対応するノズル(131a)、(131b)、(131c)、及び(131d)を示す4個の突起を示す。これらのノズルの後方には、平行する孔(126e)、(126f)、(126g)、及び(126h)に対応する同一のセットがある。各々のノズルは、ソレノイド動作極低温ニードル弁(図示せず)に関連し、各々の極低温弁は、望ましくは各々(132a)、(132b)、(132c)、及び(132d)で示す空気圧式のアクチュエータによって制御される。
【0058】
制御手段は、タンク(121)内の窒素のレベル指示器(300)、液体窒素レベルレギュレータ(310)、及び窒素ガス流量計(320)のような検知装置、送信装置、表示装置、及び他の変数の制御装置を補って完全なものになる。
【0059】
液体窒素は、相分離器(110)からタンク(121)の上方にある送り孔(128)を通じて、タンク(121)へ送り込まれる。
【0060】
相分離器(110)は、図3の詳細な概略図に示すように、保存タンク(図示せず)からチューブヘッダー(111)、制御極低温弁(112)から液体窒素をチャンバー(114)に入れるディスチャージ(113)までを通じて送り込まれた液体窒素を有し、液体窒素は、ガスの孔が出口(115)に行くことができる時には環境気圧に保たれ、下部ダクト(116)を通じて分配域(120)まで送り込まれる液体窒素の適正水準を保持し、最後に、液体窒素はダクト(117)を通じて分配域(120)に行く。
【0061】
図4に示すように、分配域(120)では、液体窒素がタンク(121)から環境気圧で、タンク(121)の底部(127)にある孔(126)を通じて、単純に液体窒素の重力流で、冷凍する各々の製品の、食品の場合では個々の部分に対応する、上面の中央に液体窒素を直接送る複数のノズル(131)に向かって分配される。タンク(121)内の液体窒素の高さによって、タンクの底部の静水圧が決まるので、下記に示すように、液体窒素がノズル(131)に向かって孔(126)から通過する量の高さ制御を維持することが重要である。
【0062】
効率良く冷凍するため、液体窒素を食品の部分の冷凍を確実にするのに十分な量だけ分配する必要があり、分配する量は、冷凍する製品の特質及び性質によって決まる。上記のように、冷凍する製品が食品の場合は、加工中やチャンバーに保管している間に栄養及び官能特性が変化しないのを確実にするために重要である。これに関し、極めて重要であるため、装置は製品又は冷凍する製品に到達して良い液体窒素の量に関して、非常に精密な制御システムを備えており、図4乃至図7に制御システムを示す。
【0063】
図4に液体窒素の制御システムの基本的要素を示す。示した要素は、液体の出口の各々に共通しているので、(131a)、(131b)等のように、場所によって符号を変えず、例えば(131)のように、一括して主要な番号を付す。そのため、環境気圧でタンク(121)から重力作用で流れる液体窒素を放出する複数のノズル(131)があり、孔を通じて外に出る窒素は底部の孔(126)にあり、ノズル(131)にもたらされた液体窒素の流れは、望ましくはニードル弁型のステンレス製である極低温弁(135)の動作によって止まり、極低温弁は、その細長い部分が水平方向に配向されているため、極低温弁(135)を操作すると、液体窒素が垂直下方向に流れる。それぞれの極低温弁(135)には、単位時間当たりに一定量の液体窒素を放出するための目盛りが付され、開閉は空気供給装置(134)を備えた空気圧式のアクチュエータ(132)によって駆動され、アクチュエータへの空気供給は、5通りのソレノイド弁(133)から行われる。
【0064】
5通りのソレノイド弁(133)の操作は、連続的な開閉期間に基づき、時間制御部(200)又はタイマーによって電気的に制御され、操作者が開放時間を選択できる。図5は、送電線を例えば主電源(210)や5通りの弁のための操作線(220)のように二重実線で示し、ソレノイド弁(133)に供給を行う空気配管(136)は斜線と交わっている。制御装置は、さらに極低温弁(112)が保存タンクからもたらされたチューブヘッダー(111)から液体窒素を送るための一般スイッチ(230)及びアクチュエータ(240)を含む(図7の符号(500)を参照)。
【0065】
装置の単純な実施例では、操作者が容器をノズル(131)の下に配置する場合、時間制御(200)は手動で行われ、その容器のための冷凍サイクルを始めるのも手動で行われる。操作ボタン(250)を押すと、タイマー(200)が開始され、液体窒素が放出される。
【0066】
タンク(121)の底部が水平であるため、液体窒素の高さがどこの部分でも均一になり、試験装置の8個のノズルにおける潜在的な流れの差異を決定する比較試験で証明されるように、均一な水圧が保証される。タンクでの液体窒素の高さの違いは、レベルレギュレータ(310)によって最小限に保たれる。
【0067】
試験では、液体窒素を8個のノズルを通じて分配し、国際出願番号WO2007/011199(Maccise 2007)に記載の、図8に示すようなトレイ型の容器に封じ込める、冷凍する食品に対する装置の操作に関する配置をする。各々の空洞の中央に位置するノズルに、図9の鋳型(700)に従って番号を付する。結果は下記の表1の通り:
【0068】
【表1】
【0069】
表1で、測定は分配の際の均一性を反映し、図10のグラフで、分配する最少量の違いは十分受け入れられていることが分かる。
【0070】
冷凍する製品を運搬する容器は、1個の空洞に封じ込める食品(又は個々の製品)の方法に適合する必要があり、製品がそれぞれの空洞の中央に位置し、それぞれのノズルがその中央のちょうど上に位置するよう、狭いものでなければならない。空洞は、どんな形でも良いが、冷凍する食品が緩く収容されているのが望ましい。
【0071】
図1に示すように、容器を配置するため、本発明の装置は、例えば装置本体の前方に延びるローラーのような、その上の容器を収容できる運搬装置(140)で完成する。容器は、冷凍のためにノズル(131)の下まで引きずり込まれ、食品加工のための次の区域に運搬される。
【0072】
壁隔離チャンバー(150)を通過して生じる温度プロフィールを決定するための試験では、巻きずしのサンプルが冷凍され、巻きずしの中央にサーモカップル「1」を設定し、巻きずしの最外部の内壁にサーモカップル「2」を設定する。詳細を下記の表2に示す。巻きずしのサンプルは、容器の中で他の6個の巻きずしと一緒に冷凍されるので、表2のデータは、7個の巻きずしの値であることが重要である。
【0073】
【表2】
【0074】
巻きずしを作成するために使われる材料の特徴を持った、完成した巻きずしを冷凍するのに適切な、所定用量の液体窒素を25秒適用し、図11の結果を得た。影響力の大きなI形の線状の温度及び温度が−170℃を下回るまでの時間、及び、製品を7℃の環境温度に触れさせた状況で、−21℃に達するのに15分かかることから、時間経過によって、加工終了まで製品が物理的に変化することなく、処理をするのに十分な時間があるのが分かる。
【0075】
本発明の実施例では、運搬装置(140)は壁隔離チャンバー(150)を製造するのに使用される。チャンバー内は窒素が豊富で酸素が少ない環境になっており、液体窒素が加工済みの対象物を冷凍し続けるように接触でき(製品自体の性質の機能として)、冷凍した製品の温度分布形状を維持できるよう、低温になっている。
【0076】
運搬装置(140)は、スロット(160)を有し、そこを通じて、ノズル(131)を離れた液体と冷凍される製品及び周囲の空気又は容器の表面との間の熱衝撃で生じた窒素ガスが吸い込まれる。吸引(チャンバー(150)の出口ダクト(190)に接続される抽出装置によってなされる)によって、チャンバー(150)への入口に障壁ができ、窒素ガスが人員のいる区域に拡散するのを防ぐ。発生した窒素ガスは、矢印で示すように、さらにチャンバー(150)に沿って誘導され、冷凍した容器の上部及び下部(180)を通り、チャンバー(150)は、上記のスロット(160)と同等のスロット(170)
によって、氷点の遠位端が限定される。窒素ガスは、抽出装置(図示せず)に接続されたダクト(190)を通じて抽出され、大気に放出される。
【0077】
図7は、本発明の装置(100)を操作するのに必要な設備を示す概略図であり、液体窒素貯蔵タンク(500)、相分離器に液体窒素を送り込むチューブヘッダー(111)へ行く液体窒素の流れを制限するための弁機構(510)、及び液体窒素が移動することによって冷気が緩むのを減少させるのに必要な隔離部(520)を含む。本発明の装置及び例示の設備により、人員や敷地、及び空間と同様に、必要とする液体窒素が減り、関連費用が縮小される。
【0078】
機能的な観点から、本発明で提案される装置は、性能の面で同程度であり、現在市場に存在する装置を改善し、従来より、浸漬タブに基づく装置のような、同じ種類の動作に使用されるものである。性能を比較するために実施した試験で、表3に示す結果を得た:
【0079】
【表3】
【0080】
他と比べ、食品の加工の観点から本発明の装置に、下記のような利点が認められる:
【0081】
液体窒素と冷凍する食品が直接接触するため、いずれの冷凍した食品の品質も改善される。
【0082】
食品の栄養的な性質は完全なままであり、極低温かつ高速で冷凍するので、食品は無害のままである。
【0083】
他の種類の冷凍と比べて、保管寿命が大幅に伸び、食品の本来の特徴及び性質を維持する。
【0084】
細胞壁を損傷を与えない微結晶を形成するため、食品の本来の特徴及び性質を維持する。
【0085】
冷凍する食品に必要な、正確な量の液体窒素の分配が可能である。
【0086】
超高速で液体窒素を滴下するため、伝熱速度及び食品の量によってほとんど変わりなく、食品を冷凍する時間が大幅に減少する。
【0087】
冷凍する食品を、最終パッキングに収めることができるため、定常状態の製造ラインを確立できる。
【0088】
操作者が液体窒素に直接接触する危険がないので、高い安全性を提供する。
【0089】
製品を最終パッキング内で冷凍した後に接触しないので、製品の損失が大幅に減少する。
【0090】
必要投資に関する利点は下記の通り:
【0091】
装置及び設置にかかる費用が、現在の装置の投資費用の30%から40%で済むので、投資が著しく減少する。
【0092】
操作に必要な場所の大きさが、現在の装置に必要な場所のうち、最高で80%少ない状態に減少する。
【0093】
操作費用に関する利点は下記の通り:
【0094】
使用される液体窒素が、主に周囲に放出されて過剰に使用されるのを避けて正確に滴下されるため、冷凍にかかる費用が減少する。
【0095】
製品を処理することが減少して、製品の損失が大幅に減少し、必要とする液体窒素の滴下が正確なため、冷凍における効率及び生産性が向上する。
【0096】
上記の本発明の説明は、例証目的の実施例に基づくものであり、装置は液体窒素を分配するための8個のノズルを含む。しかしながら、当業者にとって、それぞれの特定のユーザーの操作条件に装置を合わせるように、実施例を変更することが可能であることは明らかである。例えば、8個のノズルを有する、図示した実施例では、ノズルを例えば4個操作するために、ノズルのいくつかを一時的に閉じることができる。同様に、本来多数のノズルを操作するのに適応する装置は、例えば10、8、6、4、2個のような、対で減少するのに限定されず、少ない数のノズルに対応できる。
【0097】
分配域でのタンクの底部の静水圧負荷が均一なので、孔の位置及び関連のノズルを、特定の適用を実現するように“工場から”修正可能である。さらに、タンクの垂直壁の配置を、ノズルへの液体窒素の分布形状に目立った影響を与えることなく、円筒形や平底の正角柱の形に適応するように修正することも可能である。
【0098】
実施例に例示の装置に関して記載されている手動についても、自動制御に変更して大量生産ラインにできることは明らかである。
【0099】
当業者にとって、下記の請求項の観点から、本発明の範囲内で修正を考慮することができるのは明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品冷凍処理に関し、特に、容器に封じ込めた、最終消費者の元へ行く食品を冷凍したまま保存するため、液体窒素で操作する冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品を長時間保存するのには、いくつかの解決すべき問題がある。食品は、環境温度において非常に短く限られた時間しか保存できず、一般に、低温であっても長時間保存することはできない。
【0003】
比較的長期間にわたる食品の保存において、特に環境温度又は低温で保存するために、細菌やカビなどの微生物の成長による食品劣化を防ぐ必要がある。そのような食品の微生物は、保存温度や環境温度などのような状態の他に、食品に含まれる水の存在によって決まる。細菌を含む微生物の成長は、環境温度又はより高温において促進され、より高温において食品劣化速度が増し、より短期間で腐敗してしまう。
【0004】
そのため、食品を低温で保存すれば、微生物が成長する可能性を低下させ、微生物の繁殖を抑えて、食品劣化を防ぐことができる。しかしながら、食品をそのような低温で保存すると、冷凍又は冷蔵した食品を解凍する際に、下記のような問題が新たに発生する。
【0005】
今日、生鮮食品又は生の食品を劣化させることなく保つための最良の選択肢としては、それを冷凍又は冷蔵し、冷凍チャンバーに入れて保管することがある。
【0006】
食品を冷凍することは、食品に含まれる水の固化に基づいた保存方法である。そのため、製品に含まれる水量を一つの要因として考慮する必要がある。冷凍潜熱は、水量によって決まる。別の要因としては、開始温度及び終了温度があり、製品から抽出する熱量を決定する。食品分野において、冷凍は細菌による酵素過程を止めることが可能な極寒の適用として定義される。
【0007】
水は主要な成分であるため(50〜90%)、食品を冷凍することは、水温(顕熱)を下げ、さらに液相から固相に変化させる(潜熱)ことにある。食品自体を同じにする構造、すなわち、脂質、タンパク質、食物繊維、でんぷん、糖分、及び水によって、冷凍パラメータが変わるため、食品に含まれる水を冷凍するのは、ただの水を冷凍するよりも複雑である。
【0008】
冷凍の最初の段階として、水の一部の温度が下がり、氷点(0℃)に達すると、小さな氷核(“凍結種”)ができ始める。その核の周りに氷が形成され始め、凍結速度によって、氷晶が細長くなったり、端が軟化したり、大きくなったり、小さくなったり、細胞の内外に発生することがある。凍結速度により、下記の現象が起こることがある。
【0009】
タンパク質変性:製品をゆっくり冷凍したり、保存中に気温の変動があると、発生した氷晶が大きくなる時に、タンパク質に結びついた水を取り出すことにより、タンパク質の組織が破壊されてしまい、解凍する際に水を取り戻すことができず、水溶性の栄養素が引き出されてしまう。これにより、食品の特性が変化して硬化し、溶解度値及び栄養価が下がってしまう。
【0010】
でんぷん変性:でんぷんは、アミロースという直鎖状グルコース及びアミロペクチンという複雑な分岐鎖構造で構成される。でんぷん顆粒は、冷たい懸濁液内で膨張して保水力があり、一定の温度に達するとゼラチン状になり、液体の粘度を高くする。このゲルが残ると、直鎖状アミロースはもともと保有していた水を結晶化及び放出するように一体化し、この過程は離漿と呼ばれる。このため、食品におけるでんぷんは、アミロース含有率が非常に低いものを選択するのが都合良い。例として、米は16%のアミロースを含み、とうもろこしは24%含み、ソルガムやタピオカは含まない。
【0011】
脂質収縮:固体状の脂質は脂肪と呼ばれ、液体状のものは油と呼ばれる。固体から液体への変化は、脂質の融点による。食品が氷結すると、油が凝固して収縮する。
【0012】
湿度の低い食品は、溶質のために蒸気圧が下がり、初期氷点が低い。いわゆる遊離水(75%程度)が過程中で氷結するため、水の内容全てを氷結させることはできない。
【0013】
氷結の種類について:
・気体によるもの:冷気流で、最終温度に達するまで、製品から熱を抽出する。
・接触によるもの:冷表面を製品に接触させ、熱を抽出する。
・極低温によるもの:低温流体、低温窒素、又は低温炭酸ガスが使われ、冷気体が氷結効果に達するようにする。
【0014】
氷結効果
【0015】
乾燥:動物又は植物ではさらに、重量の80%程度が水で構成される。水は、動物や植物から生成される食品において、主要な成分である。食品が氷結する際、水は氷に変わり、乾燥効果が生じる。
【0016】
核形成:食品が通常気圧で氷結する際、その温度は0℃に下がり、水が氷に変化し始める。しばらく0℃のままでいるが、結晶化が完了すると、環境温度に均衡するまで温度が降下する。温度降下がなくなると、氷結潜熱(80cal/g)の抽出が必要になる。この間、状態の変化のために、冷却効果は水によって放出される熱と均衡する。温度は一定であり、グラフは水平線になり、放熱速度によって経度が変わる。この間、結晶形成及び融解は均衡している。
【0017】
水平線の部分の始まりでは、結晶化が開始する前の水の過剰冷却を示す、少しの降下が見られる(細胞や微生物のような少容量ではさらに顕著に見られる)。これは、熱除去を高速で行う時に発生し、氷晶の高速形成を確実にするものである。食品に含まれる水は純粋ではなく、食塩や砂糖、及び水溶性タンパクや、さらにコロイド懸濁液の複雑なタンパク分子の水溶液であるため、氷点が下がる。これは、溶解成分の濃度に比例する。最も一般的な食品は、0℃から−4℃の間で氷結する。これは、最大結晶形成帯として知られる。水が氷結する時、残りの水に含まれる溶解成分の濃度は次第に上がり、氷点のさらなる降下が生じる。
【0018】
結晶化:結晶化を促進するため、結晶化核として作用する粒子又は不溶性塩類が必要である。温度が下がるほど、より多くの結晶凝集の現象が起こりやすく、従って結晶の大きさは小さくなる。一方、温度が融点に近づくと、核形成の速度が遅く、結晶核がほとんどできないため、比較的大きな結晶が生じる。氷晶の形を顕微鏡で観察すると、急速冷凍した場合の方が、結晶の形がほぼ丸状で、一方、緩慢冷凍した場合、大きく、細長く、又はとがった結晶ができることが分かる。そのため、緩慢冷凍では、繊維や細胞壁が破壊され、食品の性質が失われる。固形又は粘度の高い食品では、結晶の大きさが食品の部分によって異なる。周辺部分では、結晶が急速に形成されて大きさが小さくなり、一方、内部の熱伝導は困難で、結晶の形成が緩慢になり、大きくなる。温度が下がると、残りの水及び濃縮された溶質が共に凝固する飽和点に達し、これを共晶点という。これは、多くの産業用冷凍庫で得られるものよりも低いことが多く、少量の凍らない水が発生して、微生物が成長及び繁殖できないにしても、生き残る原因となる。
【0019】
体積変化:水が氷になる時、9%近く体積が増加する。この減少により、水を多く含む食品は、多く含まないものよりも膨張する。これは破砕や亀裂の原因となる。容器を製造する際、伸縮するか考慮することが重要である。
凍結速度:冷凍製品の品質は、凍結速度によって決まる。速度は、表面と臨界点との最小距離を時間で割ったものとして定義され、臨界点は0℃から−15℃の間で変化する。そのため、冷凍過程は、下記を特徴とする:
【0020】
低速:1cm/hよりも小さい場合で、例えば、家庭用冷凍庫で、−18℃の空気が動かない状態のものである。基本的に涼しい場所で行われ、低い温度で動作するようになっている。装置は、冷凍のための特別な能力を備え、さらに空気循環のためのファンを備えている。これらの設備は、凍結速度が遅く、マーガリン及びステーキ、又は肉のような、高品質を必要としない製品に使用される。この種類の冷凍において困難なのは、製品における脱水(5%から10%)及び霜である。さらに、チャンバーが飽和状態であると、システムに負荷がかかりすぎて、希望する凍結温度に達さないので、冷凍のバランスに問題がある。
【0021】
中速:1−5cm/hの場合で、20km/hで−40℃の冷気トンネルを使用したものである。高性能な空気循環のために設計された装置があり、非常に高速な熱伝導が可能であり、製品の重量の2%から6%の脱水がある。装置は、処理と製品の特徴に合わせて選択する必要がある。この種類の冷凍には、ブラストフリーザ(Blast Freezer)、流動床、ジャイロフリーザ(Gyro Freezer)がある。
【0022】
ブラストフリーザ:この装置において、所定の方法で配置された土台付きの部屋内を、冷気が高速で循環する。ほぼ全ての製品が、この装置で冷凍できるが、脱水又は霜を避けるため、パックする前に冷凍しなければならない。これは、鉄道で輸送する生肉を冷凍する際にも使用される。
【0023】
流動床:これらの装置は、大きさが小さい製品(本来、エンドウ加工用に設計されている)に使用される。この装置において、製品を浮き上がらせて回転させるぐらいの突風が下部から上がり、均一かつ急速に冷凍を行う。この装置における主要な問題は、高速かつ冷却強度が強いために製品がだめになったり、霜がついてしまうことである。
【0024】
ジャイロフリーザ:これは、最も現代的で効率的な機械装置の一つである。この装置において、均一な冷気を生成するように設計されたファンから乱流が発生する。製品は、らせん状に回転し、45分から1時間の間、冷却される。冷気の流れが直接でないため、脱水(1%から2%)によって製品がだめになることが少なくなる。らせん状のシステムのため、たくさんの面積を必要としない。この種類の装置において不都合なのは、取得及び設置のための初期費用がかかることである。
【0025】
高速:5cm/hより大きい場合で、液体窒素に浸漬するものである。急速な氷結が、食品の特徴により、液体窒素に浸漬又は潅水することによって、非常に低温(−196℃)で行われる。この種類の冷凍では、個別急速冷凍(IQF)ができ、食品は一つずつ離れて、ベルトに付くことがない。他よりも製品の品質を状態良く保持することができる理由は下記の通りである:
【0026】
微結晶が生成されるので、細胞が変形せず、特性を損なったりすることや脱水を防ぎ、製品の品質を保持する。
【0027】
突風を生じないので、製品が変形することがなく、バンドに付くことがない。
【0028】
保存効果:温度−18℃で冷凍食品を保存するのが適切で安全なレベルであると証明されている。微生物は、この温度で成長できず、酵素作用は非常に遅いが、保存自体は食品に変化をもたらす:
【0029】
再結晶化:保管中、小さな結晶が集まって大きくなる傾向がある。これは、単位質量当たりのエネルギーが高いために、小さな結晶が大きな結晶よりもより不安定であるからである。この現象は、製品が0℃に近い温度で保存される際に顕著である。温度が下がると、効果は小さくなり、60℃になると、ほぼ無視できるぐらいになる。
【0030】
霜:熱気が冷凍チャンバーに入り込むと、内部の冷気と浸入する熱気との間で温度勾配が生じる。空気が暖められると、湿気吸収能力が増加する。冷凍チャンバーでは、冷凍食品に含まれる氷のみが湿気の元となる。熱気は、十分に保護されていない食品から湿気を取り、脱水する。そして、空気が冷却されると、湿気が冷凍庫の冷たい表面で着霜する。空気の湿気から氷を形成し、液体の状態にならないことを昇華と呼ぶ。
【0031】
冷気による霜は、冷凍食品において重要な表面乾燥であり、上記の脱水によって生じる。最表層で色素が濃縮されて酸化すると、それらは黒っぽい染みとして製品の表面に出現する。昇華後、氷によってできた隙間による灰白色の部分も出現する。この現象が長く続くと、最表層がスポンジ状になり、下層が脱水され始める。霜が小さければ、湿気に触れ、補水することによって、この現象は元に戻すことができる。これは、軽い霜の部分を調理することによって確認されている。一方、霜が深い場合、酸化が生じ、不可逆的な化学変化が生じる。そのため、水の損失を4分の1から20分の1に減らすことのできる適切なパッキングを使用することが重要である。霜は、製品の重要な損失の原因となり、その価値を損失することは、官能特性の減少の原因となる。
【0032】
昨今では、食品の極低温冷凍は、食品に最高品質で無害の保管寿命を提供するものの、ガス、装置、及び設置に費用がかかることから、ほとんど使用されてきていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、先行技術における現在までの進歩の持つ制限を考慮し、滴下した液体窒素の直接接触による超高速食品冷凍装置を提供することを目的とする。
【0034】
本発明の別の目的は、食品を長期間の間冷凍庫で保存後に解凍する際、変化なく本来の性質と味を保持する超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0035】
本発明の別の目的は、食品用の超高速極低温冷凍装置を提供することにある。
【0036】
本発明のさらなる別の目的は、食品を展示及び販売するために、個々の部分として容器に封じ込める処理に可能な超高速極低温冷凍装置を提供することにある。
【0037】
本発明のさらなる別の目的は、食品封止前の最終パッキング時に、冷凍した状態で封じ込められるため、定常状態の製造過程を確立可能な超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0038】
本発明の別の目的は、液体窒素の使用における、最大の効率を備えた超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0039】
本発明の別の目的は、液体窒素を冷凍する製品に直接的に速く正確に滴下して冷凍する超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0040】
本発明のさらなる別の目的は、そのような食品に対して正確に滴下する液体窒素を使用した超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0041】
本発明のさらなる別の目的は、価格競争力のある超高速食品冷凍装置を提供することにある。
【0042】
これらの発明の目的及び利点は、本発明の実施例のための図面を添付した下記の説明で明らかにされ、例示を目的とするものであり、本発明の内容を限定するものではない。
【発明の効果】
【0043】
特に冷凍による食品保存の分野における、現在までの進歩を考慮し、冷凍食品企業が手ごろな値段で極低温冷凍可能な、市場に最高品質で無害の保管寿命を提供する、費用削減可能な装置の進歩が必要である。本発明の装置をUFGF(超高速重力冷凍)と呼び、液体窒素を冷凍する製品に速く正確に滴下して冷凍する際に高い効率を上げることができ、価格競争力のある装置を提供する。
【0044】
現在の既知の方法は、本発明の装置のように冷凍食品に品質と保管寿命を提供しないが、本発明のUFGF装置を応用することによって大きく改善する。
【0045】
本発明の装置の利点は、食品に速く正確に接触する液体窒素を滴下し、水分子を冷凍して微結晶を形成して細胞壁を損傷を与えないため、製品内に細長い結晶が生じないことにある。これは、対象の食品が必要とする、液体窒素を食品に接触させる速度(−196℃又は−325Fで)及び液体窒素を正確な量だけ滴下することによって得られる。
【0046】
本発明の装置は、実際の超高速冷凍時に数々の利点を提供し、設置のために大きな空間を必要とせず、かつ軽量で、気体潅水によって冷凍する同等の能力の課程を備える従来のトンネルに比べて合理的に安価である。従来のトンネルは、冷凍する食品の表面に液体でなく気体が接触するために冷凍が遅くなり、食品の細胞を損傷する大きさの結晶を生じる。
【0047】
UFGF技術は、効果的で食品の品質を最大限に高め、ビタミン、ミネラル、タンパク質のような元の性質を保持し、適切な状態で、冷凍中や輸送中、保存中に変性させないため、食品の性質が損傷のない状態で保持される。
【0048】
UFGF装置は、取得や設置、操作場所に関して、従来の極低温冷凍装置が高額であるのに比べ、投資を必要としない。従来の装置には、気体潅水トンネルや浸漬タブがあり、本発明の装置の10倍以上の費用を必要とする。
【0049】
極低温冷凍の費用影響は、潅水又は浸漬の場合で15%から50%であり、UFGF装置では冷凍する食品によって5%から25%である。製造ラインは、潅水又は浸漬の場合は断続的(一括)であるが、UFGFの場合は、継続的(定常状態)であり、余分な時間や余剰人員にかかる費用を抑えている。
【0050】
潅水による装置及び本発明による装置について、設置して操作する面積を比較した場合、潅水トンネルでは少なくとも40m2を必要とするのに対し、本発明の装置では2−6平方メートルしか必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明による装置の実施例の正面概略図である。
【図2】図2aは、本発明による装置の実施例の右側を示す側面概略図である。図2bは、図1及び図2aに示す本発明の装置の実施例における、液体窒素が入ったタンクの底部を示す上部概略図である。
【図3】図3は、図1に示す本発明の装置の実施例における、相分離器の概略図である。
【図4】図4は、図1に示す本発明の装置の実施例の正面概略図であり、主要な構成要素を示す。
【図5】図5は、図1に示す本発明の装置の実施例の正面概略図であり、主要な制御構成要素を示す。
【図6】図6は、図1に示す本発明の装置の実施例の右側面概略図であり、主要な制御構成要素を示す。
【図7】図7は、本発明による装置の実施例の概略図である。
【図8】図8は、本発明の装置における、冷凍に使用可能な容器の概略図である。
【図9】図9は、図8に示す容器の概略図であり、本発明による装置のための分配試験で考察される放出ノズルの内径を示す。
【図10】図10は、ノズルを通じて液体窒素を均一に分配するための試験における、分配時間に応じた、分配される液体窒素量の変化を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の装置で加工した品物の、2箇所で計測した温度分布を示す、液体窒素を分配中及び分配後の、時間に応じたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
下記の説明では、上記の図面に言及し、発明概念を限定するのではなく、本発明の実施例の実例として理解されるべきものである。図面の共通の要素には同一の番号を付する。
【0053】
この発明は、望ましくは生又は調理した食品で、一般に販売するよう配置及びパッキングした個々の部分を冷凍する装置に言及する。
【0054】
図1及び図2は、本発明の装置の実施例を概略的に示したものであり、全体を(100)と示し、相分離器(110)、液体窒素分配域(120)、分配制御手段(130)、冷凍する材料を、装置に向けて装置から運搬するバンド(140)、トンネル型冷凍チャンバー(150)、及び液体窒素の大気への出口(160)を備える。
【0055】
図2に概略図で詳細を示すが、液体窒素分配域(120)は、大気圧下での液体窒素用容器(122)の輪郭を示す、真空隔離壁(123)を有するタンク(121)を備え、タンク(121)の入口を覆うキャップ(124)にある通気孔(125)で大気に開放される。キャップ及びタンクの中央には、必要であれば、窒素が人員のいる作業区域に漏れるのを防ぐための封止材が使用される。タンク(121)の底部には複数の孔があり、液体窒素の出口になる。図2bにおいて、(126a)、(126b)、(126c)、(126d)、(126e)、(126f)、(126g)、及び(126h)で示す8個の出口のある実施例を示しており、4個の孔が2本の平行な列になって位置し、それぞれが組になっている。
【0056】
図2bは、実際に液体窒素に有用な8個の出口を備える装置の実施例を示すが、冷凍する食品容器の装置に適応させるために、孔の増減をしたり、配置を変えて、ユーザーの要求を満たすよう装置を設計できる。また、下記に示すように、特定の目的のために、利用可能な全ての孔のうちの一部だけを使用することも可能である。
【0057】
図2aに戻って、タンク(121)の下部に、分配域の一部として、内部が高密度のポリウレタンフォームで隔離された区域に分配制御手段(130)がある。図の下方に、孔(126a)、(126b)、(126c)、及び(126d)に各々対応するノズル(131a)、(131b)、(131c)、及び(131d)を示す4個の突起を示す。これらのノズルの後方には、平行する孔(126e)、(126f)、(126g)、及び(126h)に対応する同一のセットがある。各々のノズルは、ソレノイド動作極低温ニードル弁(図示せず)に関連し、各々の極低温弁は、望ましくは各々(132a)、(132b)、(132c)、及び(132d)で示す空気圧式のアクチュエータによって制御される。
【0058】
制御手段は、タンク(121)内の窒素のレベル指示器(300)、液体窒素レベルレギュレータ(310)、及び窒素ガス流量計(320)のような検知装置、送信装置、表示装置、及び他の変数の制御装置を補って完全なものになる。
【0059】
液体窒素は、相分離器(110)からタンク(121)の上方にある送り孔(128)を通じて、タンク(121)へ送り込まれる。
【0060】
相分離器(110)は、図3の詳細な概略図に示すように、保存タンク(図示せず)からチューブヘッダー(111)、制御極低温弁(112)から液体窒素をチャンバー(114)に入れるディスチャージ(113)までを通じて送り込まれた液体窒素を有し、液体窒素は、ガスの孔が出口(115)に行くことができる時には環境気圧に保たれ、下部ダクト(116)を通じて分配域(120)まで送り込まれる液体窒素の適正水準を保持し、最後に、液体窒素はダクト(117)を通じて分配域(120)に行く。
【0061】
図4に示すように、分配域(120)では、液体窒素がタンク(121)から環境気圧で、タンク(121)の底部(127)にある孔(126)を通じて、単純に液体窒素の重力流で、冷凍する各々の製品の、食品の場合では個々の部分に対応する、上面の中央に液体窒素を直接送る複数のノズル(131)に向かって分配される。タンク(121)内の液体窒素の高さによって、タンクの底部の静水圧が決まるので、下記に示すように、液体窒素がノズル(131)に向かって孔(126)から通過する量の高さ制御を維持することが重要である。
【0062】
効率良く冷凍するため、液体窒素を食品の部分の冷凍を確実にするのに十分な量だけ分配する必要があり、分配する量は、冷凍する製品の特質及び性質によって決まる。上記のように、冷凍する製品が食品の場合は、加工中やチャンバーに保管している間に栄養及び官能特性が変化しないのを確実にするために重要である。これに関し、極めて重要であるため、装置は製品又は冷凍する製品に到達して良い液体窒素の量に関して、非常に精密な制御システムを備えており、図4乃至図7に制御システムを示す。
【0063】
図4に液体窒素の制御システムの基本的要素を示す。示した要素は、液体の出口の各々に共通しているので、(131a)、(131b)等のように、場所によって符号を変えず、例えば(131)のように、一括して主要な番号を付す。そのため、環境気圧でタンク(121)から重力作用で流れる液体窒素を放出する複数のノズル(131)があり、孔を通じて外に出る窒素は底部の孔(126)にあり、ノズル(131)にもたらされた液体窒素の流れは、望ましくはニードル弁型のステンレス製である極低温弁(135)の動作によって止まり、極低温弁は、その細長い部分が水平方向に配向されているため、極低温弁(135)を操作すると、液体窒素が垂直下方向に流れる。それぞれの極低温弁(135)には、単位時間当たりに一定量の液体窒素を放出するための目盛りが付され、開閉は空気供給装置(134)を備えた空気圧式のアクチュエータ(132)によって駆動され、アクチュエータへの空気供給は、5通りのソレノイド弁(133)から行われる。
【0064】
5通りのソレノイド弁(133)の操作は、連続的な開閉期間に基づき、時間制御部(200)又はタイマーによって電気的に制御され、操作者が開放時間を選択できる。図5は、送電線を例えば主電源(210)や5通りの弁のための操作線(220)のように二重実線で示し、ソレノイド弁(133)に供給を行う空気配管(136)は斜線と交わっている。制御装置は、さらに極低温弁(112)が保存タンクからもたらされたチューブヘッダー(111)から液体窒素を送るための一般スイッチ(230)及びアクチュエータ(240)を含む(図7の符号(500)を参照)。
【0065】
装置の単純な実施例では、操作者が容器をノズル(131)の下に配置する場合、時間制御(200)は手動で行われ、その容器のための冷凍サイクルを始めるのも手動で行われる。操作ボタン(250)を押すと、タイマー(200)が開始され、液体窒素が放出される。
【0066】
タンク(121)の底部が水平であるため、液体窒素の高さがどこの部分でも均一になり、試験装置の8個のノズルにおける潜在的な流れの差異を決定する比較試験で証明されるように、均一な水圧が保証される。タンクでの液体窒素の高さの違いは、レベルレギュレータ(310)によって最小限に保たれる。
【0067】
試験では、液体窒素を8個のノズルを通じて分配し、国際出願番号WO2007/011199(Maccise 2007)に記載の、図8に示すようなトレイ型の容器に封じ込める、冷凍する食品に対する装置の操作に関する配置をする。各々の空洞の中央に位置するノズルに、図9の鋳型(700)に従って番号を付する。結果は下記の表1の通り:
【0068】
【表1】
【0069】
表1で、測定は分配の際の均一性を反映し、図10のグラフで、分配する最少量の違いは十分受け入れられていることが分かる。
【0070】
冷凍する製品を運搬する容器は、1個の空洞に封じ込める食品(又は個々の製品)の方法に適合する必要があり、製品がそれぞれの空洞の中央に位置し、それぞれのノズルがその中央のちょうど上に位置するよう、狭いものでなければならない。空洞は、どんな形でも良いが、冷凍する食品が緩く収容されているのが望ましい。
【0071】
図1に示すように、容器を配置するため、本発明の装置は、例えば装置本体の前方に延びるローラーのような、その上の容器を収容できる運搬装置(140)で完成する。容器は、冷凍のためにノズル(131)の下まで引きずり込まれ、食品加工のための次の区域に運搬される。
【0072】
壁隔離チャンバー(150)を通過して生じる温度プロフィールを決定するための試験では、巻きずしのサンプルが冷凍され、巻きずしの中央にサーモカップル「1」を設定し、巻きずしの最外部の内壁にサーモカップル「2」を設定する。詳細を下記の表2に示す。巻きずしのサンプルは、容器の中で他の6個の巻きずしと一緒に冷凍されるので、表2のデータは、7個の巻きずしの値であることが重要である。
【0073】
【表2】
【0074】
巻きずしを作成するために使われる材料の特徴を持った、完成した巻きずしを冷凍するのに適切な、所定用量の液体窒素を25秒適用し、図11の結果を得た。影響力の大きなI形の線状の温度及び温度が−170℃を下回るまでの時間、及び、製品を7℃の環境温度に触れさせた状況で、−21℃に達するのに15分かかることから、時間経過によって、加工終了まで製品が物理的に変化することなく、処理をするのに十分な時間があるのが分かる。
【0075】
本発明の実施例では、運搬装置(140)は壁隔離チャンバー(150)を製造するのに使用される。チャンバー内は窒素が豊富で酸素が少ない環境になっており、液体窒素が加工済みの対象物を冷凍し続けるように接触でき(製品自体の性質の機能として)、冷凍した製品の温度分布形状を維持できるよう、低温になっている。
【0076】
運搬装置(140)は、スロット(160)を有し、そこを通じて、ノズル(131)を離れた液体と冷凍される製品及び周囲の空気又は容器の表面との間の熱衝撃で生じた窒素ガスが吸い込まれる。吸引(チャンバー(150)の出口ダクト(190)に接続される抽出装置によってなされる)によって、チャンバー(150)への入口に障壁ができ、窒素ガスが人員のいる区域に拡散するのを防ぐ。発生した窒素ガスは、矢印で示すように、さらにチャンバー(150)に沿って誘導され、冷凍した容器の上部及び下部(180)を通り、チャンバー(150)は、上記のスロット(160)と同等のスロット(170)
によって、氷点の遠位端が限定される。窒素ガスは、抽出装置(図示せず)に接続されたダクト(190)を通じて抽出され、大気に放出される。
【0077】
図7は、本発明の装置(100)を操作するのに必要な設備を示す概略図であり、液体窒素貯蔵タンク(500)、相分離器に液体窒素を送り込むチューブヘッダー(111)へ行く液体窒素の流れを制限するための弁機構(510)、及び液体窒素が移動することによって冷気が緩むのを減少させるのに必要な隔離部(520)を含む。本発明の装置及び例示の設備により、人員や敷地、及び空間と同様に、必要とする液体窒素が減り、関連費用が縮小される。
【0078】
機能的な観点から、本発明で提案される装置は、性能の面で同程度であり、現在市場に存在する装置を改善し、従来より、浸漬タブに基づく装置のような、同じ種類の動作に使用されるものである。性能を比較するために実施した試験で、表3に示す結果を得た:
【0079】
【表3】
【0080】
他と比べ、食品の加工の観点から本発明の装置に、下記のような利点が認められる:
【0081】
液体窒素と冷凍する食品が直接接触するため、いずれの冷凍した食品の品質も改善される。
【0082】
食品の栄養的な性質は完全なままであり、極低温かつ高速で冷凍するので、食品は無害のままである。
【0083】
他の種類の冷凍と比べて、保管寿命が大幅に伸び、食品の本来の特徴及び性質を維持する。
【0084】
細胞壁を損傷を与えない微結晶を形成するため、食品の本来の特徴及び性質を維持する。
【0085】
冷凍する食品に必要な、正確な量の液体窒素の分配が可能である。
【0086】
超高速で液体窒素を滴下するため、伝熱速度及び食品の量によってほとんど変わりなく、食品を冷凍する時間が大幅に減少する。
【0087】
冷凍する食品を、最終パッキングに収めることができるため、定常状態の製造ラインを確立できる。
【0088】
操作者が液体窒素に直接接触する危険がないので、高い安全性を提供する。
【0089】
製品を最終パッキング内で冷凍した後に接触しないので、製品の損失が大幅に減少する。
【0090】
必要投資に関する利点は下記の通り:
【0091】
装置及び設置にかかる費用が、現在の装置の投資費用の30%から40%で済むので、投資が著しく減少する。
【0092】
操作に必要な場所の大きさが、現在の装置に必要な場所のうち、最高で80%少ない状態に減少する。
【0093】
操作費用に関する利点は下記の通り:
【0094】
使用される液体窒素が、主に周囲に放出されて過剰に使用されるのを避けて正確に滴下されるため、冷凍にかかる費用が減少する。
【0095】
製品を処理することが減少して、製品の損失が大幅に減少し、必要とする液体窒素の滴下が正確なため、冷凍における効率及び生産性が向上する。
【0096】
上記の本発明の説明は、例証目的の実施例に基づくものであり、装置は液体窒素を分配するための8個のノズルを含む。しかしながら、当業者にとって、それぞれの特定のユーザーの操作条件に装置を合わせるように、実施例を変更することが可能であることは明らかである。例えば、8個のノズルを有する、図示した実施例では、ノズルを例えば4個操作するために、ノズルのいくつかを一時的に閉じることができる。同様に、本来多数のノズルを操作するのに適応する装置は、例えば10、8、6、4、2個のような、対で減少するのに限定されず、少ない数のノズルに対応できる。
【0097】
分配域でのタンクの底部の静水圧負荷が均一なので、孔の位置及び関連のノズルを、特定の適用を実現するように“工場から”修正可能である。さらに、タンクの垂直壁の配置を、ノズルへの液体窒素の分布形状に目立った影響を与えることなく、円筒形や平底の正角柱の形に適応するように修正することも可能である。
【0098】
実施例に例示の装置に関して記載されている手動についても、自動制御に変更して大量生産ラインにできることは明らかである。
【0099】
当業者にとって、下記の請求項の観点から、本発明の範囲内で修正を考慮することができるのは明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
a.相分離器、
b.液体窒素の分配域、
c.分配制御手段、
d.冷凍する材料を前記装置に向けて、又は前記装置から運搬する運搬装置、
e.トンネル型冷凍チャンバー、及び
f.窒素ガスを大気に放出する通気孔、を備え、
タンクからの前記液体窒素は大気圧で相分離器に送られ、冷凍する製品に分配される前の分配域では、前記気相は大気に放出され、液体窒素は大気圧で隔離容器に送られて保持され、前記タンクから前記冷凍する製品への液体窒素は、単純な重力効果で複数のノズルを通じて流れ、分配される液体窒素を滴下する制御手段によって制御され、液体窒素は、望ましくは、最終パッキングに封じ込められた、冷凍する製品に直接分配され、前記最終パッキングは、前記液体窒素が分配された時に、隔離材料によって覆われ、前記製品の回りに残った窒素が冷気環境を生じるために気体化した、トンネル型冷凍チャンバーを生じる運搬装置によって前記分配域の外部に運搬され、最後に、冷凍チャンバーの終わりで、窒素ガスは大気に放出され、製品はパッキング及び保存の過程をたどることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記相分離器に送られた液体窒素は、加圧ラインからもたらされ、相の分離は圧力を大気圧まで減少させることによって生じることを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記分離器内の気相は、大気に放出されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記相分離器からの液体窒素は、重力によって前記分配域の前記隔離タンクに送られることを特徴とする。
【請求項5】
請求項4に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記分配域のタンクは、真空隔離の二重壁であることを特徴とする。
【請求項6】
請求項4に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記分配域のタンクは、平底であることを特徴とする。
【請求項7】
請求項6に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記タンクの平底は、各々複数の分配ノズルに接続された複数の出口孔を含むことを特徴とする。
【請求項8】
請求項7に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記孔は、対で分布し、多数又は対の空洞がある容器内に冷凍する食品を含む各々の空洞の中央上部に位置することを特徴とする。
【請求項9】
請求項7に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記出口孔は、前記タンクの底部に分布し、それぞれの孔が、多数の空洞がある容器内に冷凍する食品を含む空洞の中央の上のみに位置することを特徴とする。
【請求項10】
請求項7に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記タンクの底部にあるそれぞれの孔は、前記冷凍する食品に液体窒素を分配するノズルに、液体窒素の流れを制御する弁を通じて接続されることを特徴とする。
【請求項11】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
それぞれのノズルを通じての液体窒素の放出は、多数の空洞がある容器内に冷凍する食品を含む空洞の中央に位置するノズルを通じてのみ液体窒素を放出できることによって避けられることを特徴とする。
【請求項12】
請求項11に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
単位時間当たりの流れは、孔、極低温弁、及びノズル内で全て同じであることを特徴とする。
【請求項13】
請求項12に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
それぞれのノズルを通じて放出される液体窒素の量は、極低温弁が開いている時間によって決定されることを特徴とする。
【請求項14】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁は、望ましくは極低温ニードル弁であることを特徴とする。
【請求項15】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁は、望ましくはステンレス製であることを特徴とする。
【請求項16】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁のそれぞれは、個々の空気圧式のアクチュエータによって動作することを特徴とする。
【請求項17】
請求項15に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁のそれぞれは、前記極低温弁が操作される時に、前記液体窒素が垂直方向に流れるよう、その細長い部分が水平方向に配向されることを特徴とする。
【請求項18】
請求項11に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
個々の空気圧式のアクチュエータは、5通りの空気圧式ソレノイド弁によって動作することを特徴とする。
【請求項19】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、分配のための制御背普段は、
a.前記液体窒素を前記相分離器に送るための前記極低温弁を動作させるスイッチ、
b.前記装置をオン/オフするための一般スイッチ、
c.前記液体窒素が前記ノズルに流れるのを時間制御するためのタイマー、
d.手動ボタンアクチュエータ、
e.前記分配域のタンク内にある液体窒素のレベル指示器、
f.前記分配域のタンク内にある液体窒素のレベルレギュレータ、及び
g.窒素ガスの流量計、を含むことを特徴とする。
【請求項20】
請求項19に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
操作サイクルにおいて、液体窒素の放出時間をタイマーで設定し、前記操作ボタンを押すと、滴下のためのそれぞれの極低温空気圧弁に関連するそれぞれの5通りのソレノイド空気圧弁を操作するための信号が送信され、前記タイマーに設定された時間だけ開き、時間が過ぎると閉じるので、それぞれのノズルから正確な量の液体窒素が分配されることを特徴とする。
【請求項21】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記冷凍する材料の運搬装置は、前記分配域の前方から延び、前期冷凍する材料を冷凍する分配域を通って、パッキングの封止のような、次の加工工程に変わることを特徴とする。
【請求項22】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記運搬装置は、望ましくはローラコンベヤー型のコンベヤーバンドであることを特徴とする。
【請求項23】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記運搬装置に沿って、前記分配域の下及びその後に、窒素ガスが豊富な環境を形成するための、隔壁を有する前記運搬装置を取り囲むことにより、冷凍チャンバーが作られることを特徴とする。
【請求項24】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記運搬装置は、前記分配域の前方限界部分及び終端に近接する区域に、窒素ガスが抽出されるスロットを含むことを特徴とする。
【請求項25】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記スロットを通じて、前記冷凍チャンバーの入口及び出口を吸引することによって障壁ができ、前記窒素ガスが人員のいる区域に拡散するのを防ぐことを特徴とする。
【請求項26】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記冷凍チャンバーで生じた前期窒素ガスは、前記チャンバーに沿って誘導され、前記運搬装置のバンド下部を通ることを特徴とする。
【請求項27】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記窒素ガスは、前記チャンバーの前記出口ダクトに接続された抽出装置によって前記冷凍チャンバーから抽出されることを特徴とする。
【請求項1】
液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
a.相分離器、
b.液体窒素の分配域、
c.分配制御手段、
d.冷凍する材料を前記装置に向けて、又は前記装置から運搬する運搬装置、
e.トンネル型冷凍チャンバー、及び
f.窒素ガスを大気に放出する通気孔、を備え、
タンクからの前記液体窒素は大気圧で相分離器に送られ、冷凍する製品に分配される前の分配域では、前記気相は大気に放出され、液体窒素は大気圧で隔離容器に送られて保持され、前記タンクから前記冷凍する製品への液体窒素は、単純な重力効果で複数のノズルを通じて流れ、分配される液体窒素を滴下する制御手段によって制御され、液体窒素は、望ましくは、最終パッキングに封じ込められた、冷凍する製品に直接分配され、前記最終パッキングは、前記液体窒素が分配された時に、隔離材料によって覆われ、前記製品の回りに残った窒素が冷気環境を生じるために気体化した、トンネル型冷凍チャンバーを生じる運搬装置によって前記分配域の外部に運搬され、最後に、冷凍チャンバーの終わりで、窒素ガスは大気に放出され、製品はパッキング及び保存の過程をたどることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記相分離器に送られた液体窒素は、加圧ラインからもたらされ、相の分離は圧力を大気圧まで減少させることによって生じることを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記分離器内の気相は、大気に放出されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記相分離器からの液体窒素は、重力によって前記分配域の前記隔離タンクに送られることを特徴とする。
【請求項5】
請求項4に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記分配域のタンクは、真空隔離の二重壁であることを特徴とする。
【請求項6】
請求項4に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記分配域のタンクは、平底であることを特徴とする。
【請求項7】
請求項6に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記タンクの平底は、各々複数の分配ノズルに接続された複数の出口孔を含むことを特徴とする。
【請求項8】
請求項7に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記孔は、対で分布し、多数又は対の空洞がある容器内に冷凍する食品を含む各々の空洞の中央上部に位置することを特徴とする。
【請求項9】
請求項7に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記出口孔は、前記タンクの底部に分布し、それぞれの孔が、多数の空洞がある容器内に冷凍する食品を含む空洞の中央の上のみに位置することを特徴とする。
【請求項10】
請求項7に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記タンクの底部にあるそれぞれの孔は、前記冷凍する食品に液体窒素を分配するノズルに、液体窒素の流れを制御する弁を通じて接続されることを特徴とする。
【請求項11】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
それぞれのノズルを通じての液体窒素の放出は、多数の空洞がある容器内に冷凍する食品を含む空洞の中央に位置するノズルを通じてのみ液体窒素を放出できることによって避けられることを特徴とする。
【請求項12】
請求項11に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
単位時間当たりの流れは、孔、極低温弁、及びノズル内で全て同じであることを特徴とする。
【請求項13】
請求項12に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
それぞれのノズルを通じて放出される液体窒素の量は、極低温弁が開いている時間によって決定されることを特徴とする。
【請求項14】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁は、望ましくは極低温ニードル弁であることを特徴とする。
【請求項15】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁は、望ましくはステンレス製であることを特徴とする。
【請求項16】
請求項10に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁のそれぞれは、個々の空気圧式のアクチュエータによって動作することを特徴とする。
【請求項17】
請求項15に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
流れを制御する前記極低温弁のそれぞれは、前記極低温弁が操作される時に、前記液体窒素が垂直方向に流れるよう、その細長い部分が水平方向に配向されることを特徴とする。
【請求項18】
請求項11に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
個々の空気圧式のアクチュエータは、5通りの空気圧式ソレノイド弁によって動作することを特徴とする。
【請求項19】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、分配のための制御背普段は、
a.前記液体窒素を前記相分離器に送るための前記極低温弁を動作させるスイッチ、
b.前記装置をオン/オフするための一般スイッチ、
c.前記液体窒素が前記ノズルに流れるのを時間制御するためのタイマー、
d.手動ボタンアクチュエータ、
e.前記分配域のタンク内にある液体窒素のレベル指示器、
f.前記分配域のタンク内にある液体窒素のレベルレギュレータ、及び
g.窒素ガスの流量計、を含むことを特徴とする。
【請求項20】
請求項19に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
操作サイクルにおいて、液体窒素の放出時間をタイマーで設定し、前記操作ボタンを押すと、滴下のためのそれぞれの極低温空気圧弁に関連するそれぞれの5通りのソレノイド空気圧弁を操作するための信号が送信され、前記タイマーに設定された時間だけ開き、時間が過ぎると閉じるので、それぞれのノズルから正確な量の液体窒素が分配されることを特徴とする。
【請求項21】
請求項1に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記冷凍する材料の運搬装置は、前記分配域の前方から延び、前期冷凍する材料を冷凍する分配域を通って、パッキングの封止のような、次の加工工程に変わることを特徴とする。
【請求項22】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記運搬装置は、望ましくはローラコンベヤー型のコンベヤーバンドであることを特徴とする。
【請求項23】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記運搬装置に沿って、前記分配域の下及びその後に、窒素ガスが豊富な環境を形成するための、隔壁を有する前記運搬装置を取り囲むことにより、冷凍チャンバーが作られることを特徴とする。
【請求項24】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記運搬装置は、前記分配域の前方限界部分及び終端に近接する区域に、窒素ガスが抽出されるスロットを含むことを特徴とする。
【請求項25】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記スロットを通じて、前記冷凍チャンバーの入口及び出口を吸引することによって障壁ができ、前記窒素ガスが人員のいる区域に拡散するのを防ぐことを特徴とする。
【請求項26】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記冷凍チャンバーで生じた前期窒素ガスは、前記チャンバーに沿って誘導され、前記運搬装置のバンド下部を通ることを特徴とする。
【請求項27】
請求項21に記載の液体窒素による超高速食品冷凍装置であって、
前記窒素ガスは、前記チャンバーの前記出口ダクトに接続された抽出装置によって前記冷凍チャンバーから抽出されることを特徴とする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−524972(P2011−524972A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514508(P2011−514508)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/MX2008/000078
【国際公開番号】WO2009/154435
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510047085)
【出願人】(510047096)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/MX2008/000078
【国際公開番号】WO2009/154435
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510047085)
【出願人】(510047096)
【Fターム(参考)】
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