説明

濾材の洗浄方法

【課題】 ビニル系重合体溶液の濾過において大量に処理を行うと、濾布、金網に代表される濾材に目詰まりが起こり、そのまま繰り返して濾材を利用すると濾過速度が低下して最終的には閉塞してしまう。そのため一般の濾過機すなわち逆洗機構を持たない濾過機でビニル系重合体の濾過操作を経済的かつ効率的に行うための濾材の洗浄方法が望まれていた。
【解決手段】 この課題を解決するために、0.3MPa以上に加圧して、濾材面積に対して80kg/m以上溶剤を濾材に流すこと(順洗)により目詰まり粒子を濾材より除去し、濾材の繰り返し利用が可能となる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体のスラリーから不純物を除去する濾過操作後の濾材の効率的な再利用を促進する為の濾材の洗浄方法に関する。より詳細には、本発明は、重合体のスラリーから不純物を除去する濾過操作後に、溶剤を濾過と同じ方向に流すことで濾材を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重合体の精密合成法としてリビング重合法が一般的に知られている。リビング重合は分子量、分子量分布のコントロールが可能であるというだけでなく、末端構造が明確な重合体が得る有効な方法の一つでもある。最近、ラジカル重合においても、リビング重合が可能な重合系が見いだされ、リビングラジカル重合の研究が活発に行われている。特に原子移動ラジカル重合を利用することにより分子量分布の狭い重合体が得られる。原子移動ラジカル重合の例として有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒とする重合系が挙げられる(例えば、Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614,Macromolecules1995,28,7901,Science 1996,272,866、あるいはSawamotoら、Macromolecules1995,28,1721を参照)。
【0003】
原子移動ラジカル重合で製造されるビニル系重合体中には重合触媒である遷移金属錯体が残存するため、重合体の着色、物性面への影響および環境安全性等の問題が生ずる。例えば、原子移動ラジカル重合法を利用して製造された末端にアルケニル基を有するビニル系重合体は、架橋性シリル基末端重合体に変換され、工業的に非常に有用であり得るが、原子移動ラジカル重合での残存重合触媒等が、ヒドロシリル化反応の触媒毒として働くためヒドロシリル化反応が阻害され、ヒドロシリル化反応を進行させるためには高価な遷移金属触媒を多量に用いる必要があるという問題が生じた。
【0004】
これらの問題を解決する手段として、原子移動ラジカル重合で得られるビニル系重合体を吸着剤に接触させ精製することが報告されている(特許文献1)。しかしながらヒドロシリル化反応の触媒毒を除去する為には、この際使用した吸着剤、ならびに残存する遷移金属錯体を重合体溶液から極めて低い残存量まで除去する必要がある。
【0005】
これら吸着剤、遷移金属錯体を除去する方法として、高い遠心力を有する遠心分離機が用いられている。しかしながら高粘性を有する重合体溶液から微小な無機粉末を除去する場合、粒子径によっては分離が不十分な場合もあり、結果として必要なヒドロシリル化活性が得られないこともある。また、分離した固形物の排出時に多量の軽液をロスするという問題点も挙げられる。
【0006】
リビングラジカル重合で得られた重合体を精製するときに使用した吸着剤を濾過で除去することが記載されているものもある(例えば特許文献2または3)。しかしながら、重合触媒あるいは精製に使用する吸着剤等を工業的に大量に濾過処理すると濾布、金網に代表される濾材が目詰まり濾過速度が低下するという問題が発生することが、大量生産しているなかで明らかとなった。そのため濾過速度が遅くなることによるタイムサイクルの増加による生産性の低下やコストの増大が招かれる。
【0007】
フィルター孔の閉塞制御の為に、特殊な機構をもつ濾過機において、濾材を逆洗すること(例えば特許文献4)により目詰まり粒子を除去する方法も提案されている。
【特許文献1】特開平11−193307号公報
【特許文献2】特開2001−323012号公報
【特許文献3】特願2002−320845号公報
【特許文献4】特開2005−280354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
濾材の目詰まりの制御の為に、頻繁に濾材の交換を行うと、手間がかかり、コストも増大する。濾過面積を大きくし、単位面積当たりの濾液量を少なくすると、装置が大型化し、目詰まりも緩和はされるものの、根本的には解決されない。
【0009】
濾材を逆洗することでは、特殊な機構が必要となり、一般の濾過機には汎用できない。
【0010】
そこで、本発明は、濾材の交換や特殊な機構を必要とせず、濾材を連続使用できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の濾材洗浄方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体を濾過精製する為の濾材の洗浄方法であって、濾材の単位面積あたり、80kg/m以上の量で、0.3MPa以上の加圧条件下において、溶剤を流すことを特徴とする洗浄方法、に関する。
【0013】
上記洗浄方法において、上記溶剤は、エステル系溶剤であり得る。
【0014】
上記洗浄方法において、上記溶剤は、酢酸ブチルであり得る。
【0015】
上記洗浄方法において、上記溶剤は、ビニル系重合体の濾過操作に用いる希釈剤と同一であり得る。
【0016】
上記洗浄方法において、上記ビニル系重合体は、(メタ)アクリル系重合体であり得る。
【0017】
上記洗浄方法において、上記濾過精製によって濾去され、洗浄方法によって除去される固形分が、重合触媒、珪酸アルミニウム、活性アルミナ系吸着剤、酸化マグネシウム系吸着剤、酸化アルミ系吸着剤、酸化アルミ−酸化マグネシウム系吸着剤、合成ハイドロタルサイト、活性白土、活性炭、ゼオライト、珪藻土系ろ過助剤、真珠岩系ろ過助剤、砂、アンスラサイト、セルロース、炭素質ろ過助剤、酸性白土、およびベントナイトからなる群より選択される1つあるいはこれらの組み合わせであり得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の濾材の洗浄方法を使用することにより、重合体の精製の為の濾過工程において、濾材の交換の手間が省け、生産ラインの休止の必要もなく、濾材を連続使用することができ、特に大量生産設備に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の洗浄方法は、原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体を濾過精製した後の濾材を再利用する為に用いられる。ここで、原子移動ラジカル重合とは、遷移金属錯体を重合触媒とする重合方法である。
【0020】
より詳細には、遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合とは、リビングラジカル重合の1つであり、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物などを開始剤、遷移金属を中心金属とする金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合する方法である。具体的には、たとえばマティヤスゼウスキー(Matyjaszewski)ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカルソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁、サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号パンフレット、WO97/18247号パンフレット、WO98/01480号パンフレット、WO98/40415号パンフレット、サワモト(Sawamoto)ら、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁、特開平9−208616号公報、特開平8−41117号公報などがあげられる。
【0021】
前記開始剤として用いられる有機ハロゲン化物としては、とくに反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物、たとえばα位にハロゲン原子を有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲン原子を有する化合物などが挙げられる。
【0022】
有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤としてビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合を行なうことにより、一般式(1):
−CX(R)(R) (1)
(式中、RおよびRはビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子)に示す末端構造を有するビニル系重合体 が得られる。
【0023】
前記重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては、たとえば周期律表第7族、第8族、第9族、第10族または第11族元素、好ましくは第8族、第9族、第10族または第11族元素を中心金属とする遷移金属錯体が用いられる。
【0024】
前記遷移金属錯体の中心金属としては、たとえば鉄、ニッケル、ルテニウム、銅などがあげられる。これらのうちでは、たとえば0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄、2価のニッケルが好ましく、なかでも0価または1価の銅が良好なビニル系重合体が得られる点から好ましい。
【0025】
前記遷移金属錯体を構成する金属化合物(配位子が配位する前の化合物)のうちの1価の銅化合物の具体例としては、たとえば塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅などがあげられる。
【0026】
また、前記遷移金属錯体を形成する配位子としては、たとえばポリアミン化合物、トリアミン化合物、ピリジン、ビピリジンなどがあげられる。これらのうちでは、ポリアミン化合物、トリアミン化合物が好ましい。
【0027】
銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために配位子として、たとえば2,2′−ビピリジル、その誘導体、1,10−フェナントロリン、その誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミンなどのポリアミンなどが添加される。
【0028】
また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加するのが好ましい。
【0029】
さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl(PPh)、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr(PBu)も、触媒として好適である。
【0030】
前記ビニル系重合体 の製造に用いられるビニル系モノマーにはとくに制限はなく、その具体例としては、たとえば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜50)、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル(環状アルキル基の炭素数5〜50)、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル(アリール基の炭素数6〜50)、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルエステル(アラルキル基の炭素数7〜50)、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル(アルコキシ基の炭素数1〜50、アルキル基の炭素数1〜50)、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル(ヒドロキシアルキル基の炭素数1〜50)、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの(メタ)アクリル酸エポキシ基含有アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜50)、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル(アミノアルキル基の炭素数1〜50)、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランなどの(メタ)アクリル酸アルコキシシリル基含有アルキルエステル(アルコキシ基の炭素数1〜50、アルキル基の炭素数1〜50)、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加数2〜50)、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸含フッ素アルキルエステル(含フッ素アルキル基の炭素数1〜50)などの(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸、その塩などのスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルアルコキシシランなどのケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコールなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、生成物の物性などの点から、スチレン系モノマーや(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましく、さらにはアクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーが好ましく、とくにはアクリル酸エステル系モノマーが好ましく、さらにとくにはアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−メトキシエチルが好ましい。
【0031】
本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、さらにはブロック共重合させている場合にも、ビニル系重合体と言う。その際には、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれている。
【0032】
なお、前記表現形式でたとえば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を表わす。
【0033】
前記ビニル系モノマーからビニル系重合体への重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各種の溶媒中で行なうこともできる。また、エマルジョン系または超臨界流体COを媒体とする系において重合を行なうこともできる。
【0034】
重合容器中に重合溶媒、重合開始剤および重合触媒である遷移金属錯体を仕込み、これらの存在下、例えば、ビニル系モノマーを滴下するなどして、ビニル系重合体が製造される。
【0035】
本発明のビニル系重合体は、限定はされないが、ハロゲンやアルケニル基、あるいはヒドロシリル化しているなどの修飾された末端あるいは側鎖を含む重合体であり得る。精製に供されるビニル系重合体は、従って、ハロゲン化、アルケニル基導入、ヒドロシリル化などの修飾の前後のいずれの重合体でもあり得る。
【0036】
このようなビニル系重合体は、原子移動ラジカル重合の反応混合物に存在する固体銅などの重合触媒を除去する目的で、濾過される。あるいは、このような重合触媒を除去する目的で、まず吸着処理に供され、その後濾過される。あるいは適宜、加熱、遠心分離、などの操作が行なわれた上で濾過がされる。
【0037】
精製処理の1つである前記固体銅除去処理の前処理法の一つとして、遷移金属錯体を含むビニル系重合体を、特定特性の溶媒と混合し、ビニル系重合体を溶解するとともに残存する遷移金属錯体を不溶化、肥大させる精製方法が挙げられる。特に低誘電率溶媒は遷移金属錯体の貧溶媒であるため、低誘電率溶媒の添加により遷移金属錯体は容易に不溶化し、不溶化した遷移金属同士が衝突することによって肥大する。不溶化、肥大した遷移金属錯体および遷移金属は、濾過等により除去することができる。
【0038】
あるいは、遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体を高温で処理することにより、遷移金属錯体の肥大、不溶化を促進させた後に、濾過等により除去することができる。
【0039】
重合体を溶媒に溶解させる装置としては特に制限はなく、例えばバッチ式では汎用の撹拌槽を、連続式ではラインミキサー等を用いることができる。
【0040】
また、濾過前に、吸着剤を添加する場合には、たとえば活性炭、イオン交換樹脂などの合成樹脂系吸着剤、ゼオライトなどの無機系吸着剤などの吸着剤を使用できる。これらは、いずれも好適に使用することができる。
【0041】
活性炭としては、従来より知られている各種のものを使用することができる。
【0042】
合成樹脂系吸着剤としては、たとえばイオン交換樹脂、キレート型イオン交換樹脂などが例示される。酸性イオン交換樹脂の官能基としては、たとえばカルボン酸基、スルホン酸基などが、塩基性イオン交換樹脂の官能基としては、たとえばアミノ基が、キレート型イオン交換樹脂の官能基としては、たとえばイミノジ酢酸基、ポリアミン基などが例示される。
【0043】
無機系吸着剤は、固体酸、固体塩基または中性の性格を有し、粒子は多孔質構造を持っている。このような無機系吸着剤にはとくに限定はないが、代表的なものとしてアルミニウム、マグネシウム、ケイ素などを主成分とする単独もしくはこれらを組み合わせたものがあげられる。たとえば二酸化珪素;酸化マグネシウム;シリカゲル;シリカ・アルミナ、アルミニウムシリケート;マグネシウムシリケート;活性アルミナ;酸性白土、活性白土などの粘土系吸着剤;珪酸アルミニウムナトリウムなどの含水アルミノ珪酸塩鉱物群で総称されるゼオライト系吸着剤;酸化アルミ系吸着剤;酸化アルミ−酸化マグネシウム系吸着剤;ドーソナイト類化合物;ハイドロタルサイト類化合物が例示される。ゼオライトには天然産と合成品があるがいずれも使用することができる。
【0044】
二酸化ケイ素としては、結晶性、無定形、非晶質、ガラス状、合成品、天然品などが知られているが、ここでは、粉体状であれば使用することができる。
【0045】
二酸化ケイ素の具体例としては、活性白土を酸処理して得られる粘土鉱物から作られるケイ酸、カープレックスBS304、カープレックスBS304F、カープレックス#67、カープレックス#80(いずれもシオノギ製薬)などの合成ケイ酸があげられるが、これらに限定されるわけではない。
【0046】
また、アルミニウムシリケートの具体例としては、ケイ酸のケイ素の一部がアルミニウムに置換されたもので、軽石、フライアッシュ、カオリン、ベントナイト、活性白土、ケイソウ土などが知られている。この中でも、合成のアルミニウムシリケートは比表面積も大きく吸着能力が高い。合成アルミニウムシリケートとしてはキョーワード700シリーズ(協和化学(株)製)などがあげられるが、これらに限定されるわけではない。
【0047】
合成ハイドロタルサイトとして、ハイドロタルサイト類化合物は2価の金属(Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+など)と3価の金属(Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+など)の含水水酸化物または前記水酸化物の水酸基の一部をハロゲンイオン,NO3−,CO2−,SO2−,Fe(CN)3−,CHCO,シュウ酸イオン、サリチル酸イオンなどの陰イオンに交換したものである。これらのうち2価の金属がMg2+、3価の金属がAl3+であって水酸基の一部をCO2−に交換したハイドロタルサイトものが好ましく、たとえば合成品としてはキョーワード500シリーズ、キョーワード1000シリーズ(いずれも協和化学(株)製)があげられるが、これらに限定されるわけではない。また、前記ハイドロタルサイト類を焼成して得られる吸着剤も好適に使用される。そのなかでも2価の金属がMg2+、3価の金属がAl3+であるハイドロタルサイト類を焼成して得られるMgO−AlO系固溶体が好ましく、たとえばキョーワード2000(協和化学(株)製)があげられるが、これらに限定されるわけではない。本発明においてはハイドロタルサイト類の焼成品についてもハイドロタルサイト類として分類する。
【0048】
吸着剤としては、この他に、真珠岩系ろ過助剤、砂、アンスラサイト、セルロース、炭素質ろ過助剤、および酸性白土なども使用される。
【0049】
吸着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
重合体または重合体溶液を吸着剤に接触させたのち、遠心分離、沈降分離などの他の方法と併用して、あるいは単独で濾過を行うことができる。この際、必要に応じて希釈し、目的とする重合体溶液を濾過することができる。
【0051】
本発明において、洗浄の対象とされる濾材が使用される濾過方式は、特に限定されず、フィルタープレス、ドラムフィルター、加圧ヌッチェ、加圧葉状濾過機等の機器を用いたいずれの方式も採用できる。本発明の方法においては、洗浄液の流れ方向が、逆洗と異なり同方向であるため機器の構造による制約を一切受けない。そのため全ての濾過機で適用可能であり、逆洗機構を持たない構造の濾過機に特に有効である。
【0052】
濾材は、濾紙、濾布、金網、焼結板等は適用できるが、濾過砂のような不定形の濾材は適用外である。また、濾過助剤などをボディフィード、あるいはプレコートして濾過を操作した後、堆積したケークを払い出し、本発明による洗浄を行うことは可能である。濾布としては、耐熱性、耐溶媒性、耐久性のある、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂繊維、コットン、アラミドなどが例示され、これらが本発明の洗浄方法における濾材としても好ましく使用され得る。金網、焼結板の材質も特に限定されず、網目100〜400メッシュのものが好ましく用いられる。濾過性を高めるために使用される濾過助剤は、珪藻土やパーライトなどが好適に用いられる。粒子の捕捉性と濾過速度の両立の観点から、濾過助剤としては平均粒子径5〜100μmのものが好ましく、20〜50μmのものがより好ましい。平均粒径が5μm未満では、濾過ケーキの抵抗が大きいため濾過 速度が低下し、100μmを超えると濾過助剤の間隙に粒径の小さい固形分が抵抗の大きいケーキ層を生成するため、濾過性を高める効果が得られなくなる傾向がある。
【0053】
重合体スラリーを濾過した後、濾材上に堆積した濾去された固体を払い出し、溶剤による洗浄に供する。洗浄は、濾材を濾過機から取り外して行うこともできるが、濾材を濾過機に取り付けたまま、溶剤による洗浄を行うことが好ましい。特に、例えば振動式水平盤型加圧濾過機で、濃度0.5〜5重量%の重合体スラリーを延べ0.1t〜2t処理した後に、濾材を濾過機に取り付けたまま、濾材を洗浄することが例示されるが、限定はされない。
【0054】
洗浄用溶剤は、限定はされないが、水は重合体を溶解させないので濾材中での重合体の析出を招き、目詰まりをより悪化させることになり得るので、通常好ましくない。洗浄用溶剤は、濾過操作を行うビニル系重合体を溶解する溶剤が好ましい。精製処理で重合体を希釈している溶剤と同一の溶剤がさらに好ましい。重合体を溶解する溶剤を洗浄時に使用することにより濾材中に残存する重合体を溶解、洗浄することができる。さらに精製処理時に使用する希釈溶剤と同一にすることにより、製品へのコンタミネーションを気にする必要がなくなる。このような溶剤としては、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤が含まれるがこれに限定されない。
【0055】
洗浄時は0.3MPa以上に加圧して、濾材1m当たり、合計量で80kg以上の溶剤を用いる。この時、圧力の上限はなく、濾過機の耐圧までが可能である。ここで言う「圧力」は、濾過面にかかる圧力のことをいい、供給液と濾過後の液の差圧と同じである。通常、加圧可能な濾過機において、流体注入口に設置されている圧力計によって表示される値で、出口が大気圧の通常条件下の圧力である。フィルタープレスなどの垂直方向への圧力もまた、ここでいう圧力であり、供給液と濾過後の液の差圧を指す。また、溶剤の量についても上限はないが、濾材1m当たり、200kg以下、好ましくは、100kgまでが妥当である。
【実施例】
【0056】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお実施例における洗浄はすべて順洗いである。
【0057】
(評価方法)
濾材の目詰まりを数値的に評価する方法を示す。濾過速度vと濾過圧力Pの関係は、
【化1】

(ここで、Pは圧力〔Pa〕、vは濾過速度〔m/ms〕、Rは、濾過抵抗〔m−1〕、Rcは、ケーク抵抗〔m−1〕、Rmは、濾材抵抗〔m−1〕)のように、粘度μと濾過抵抗Rの積の逆数と比例関係にある。さらに濾過抵抗Rはケーク抵抗Rcと濾材抵抗Rmに分けられる。
【0058】
図1のように横軸に時間、縦軸にP/μvをとると、ケーク抵抗Rcは経時で増加するので、時間=0の時にRc=0である。よって、切片が濾材抵抗Rmとなる。この濾材抵抗が大きいと濾材の目詰まりが起きていると判断できる。すなわち、実験的に濾材の目詰まり=濾材抵抗Rmを測定する場合、濾過圧力と単位濾過面積あたりの濾過速度を記録し、図1のようにプロットすればよい。測定本発明では、この濾材抵抗値の大小によって、濾材の目詰まりを数値化している。詳しくは「化学工学便覧 改訂六版」803〜806ページに記述されている。
【0059】
(評価の実験方法)
濾過面積28.26cmのヌッチェ式加圧濾過機に濾材抵抗を測定したい濾材をセットし、スラリーを一定圧力で濾過し、経時の濾液量を測定し、図1のグラフをプロットすることで切片が濾材抵抗Rmとなる。
【0060】
(製造例1)
ポリマー100kgあたりの必要量は以下の通りであるが、これらをスケールアップして、大量のポリマー製造を行った。攪拌機、ジャケット付きの反応機にCuBr(0.84kg)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(8.79kg)を加え、ジャケットに温水を通水し80℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(100kg)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(3.51kg)を加え、さらに80℃で25分間撹拌した。これにトリアミンを加え、反応を開始した。反応途中トリアミンを適宜添加し、反応開始から6時間後1,7−オクタジエン(21.5kg)、トリアミンを添加して6時間撹拌を続け、重合体溶液を得た。
【0061】
この重合体溶液を80℃、真空条件下で溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体100kgに酢酸ブチル125kgを添加した後、この溶液を濾過により固体の銅触媒を除去した。銅触媒の除去後の溶液に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)0.49kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.49kgを加え、100℃の温度条件下1時間加熱を行った。このスラリーを濾過により吸着剤を除去した。この重合体溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去した。
この重合体に吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)1.0kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.1kgを加え、190℃、真空条件下で撹拌を行った。次に酢酸ブチル10kgと吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)1.0kg、キョーワード700SEN(協和化学製)1.0kgを加え、180℃で9時間、撹拌を行った。酢酸ブチル90kgを加え、重合体スラリー[1]を得た。
【0062】
(製造例2)
ポリマー100kgあたりの必要量は以下の通りであるが、これらをスケールアップして、大量のポリマー製造を行った。攪拌機、ジャケット付きの反応機にCuBr(0.93kg)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(9.54kg)を加え、ジャケットに温水を通水し80℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(27.66kg)、アクリル酸エチル(39.76kg)、アクリル酸メトキシエチル(32.58kg)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(1.94kg)を加え、さらに80℃で25分間撹拌した。これにトリアミンを加え、反応を開始した。反応途中トリアミンを適宜添加し、反応開始から6時間後1,7−オクタジエン(23.78kg)、トリアミンを添加して2時間撹拌を続け、重合体溶液を得た。この重合体溶液を80℃、真空条件下で溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体100kgに酢酸ブチル125kgを添加した後、この溶液を濾過により固体の銅触媒を除去した。銅触媒の除去後の溶液に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)1.0kg、キョーワード700SEN(協和化学製)1.0kgを加え、100℃の温度条件下1時間加熱を行った。このスラリーを濾過により吸着剤を除去した。この重合体溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去した。
【0063】
この重合体に吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)1.0kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.1kgを加え、180℃、真空条件下で撹拌を行った。次に酢酸ブチル10kgと吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)1.0kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.1kgを加え、180℃で6時間、撹拌を行った。酢酸ブチル90kgを加え、重合体スラリー[2]を得た。
【0064】
(製造例3)
ポリマー100kgあたりの必要量は以下の通りであるが、これらをスケールアップして、大量のポリマー製造を行った。攪拌機、ジャケット付きの反応機にCuBr(0.84kg)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(8.79kg)を加え、ジャケットに温水を通水し80℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(100kg)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(1.76kg)を加え、さらに80℃で25分間撹拌した。これにトリアミンを加え、反応を開始した。反応途中トリアミンを適宜添加し、反応開始から6時間後1,7−オクタジエン(21.5kg)、トリアミンを添加して6時間撹拌を続け、重合体溶液を得た。
【0065】
この重合体溶液を80℃、真空条件下で溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体100kgに酢酸ブチル100kgを添加した後、この溶液を濾過により固体の銅触媒を除去した。銅触媒の除去後の溶液に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)0.5kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.5kgを加え、100℃の温度条件下1時間加熱を行った。このスラリーを濾過により吸着剤を除去した。この重合体溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去した。
【0066】
この重合体に吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)0.5kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.1kgを加え、190℃、真空条件下で撹拌を行った。次に酢酸ブチル10kgと吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)1.0kg、キョーワード700SEN(協和化学製)0.1kgを加え、180℃で6時間、撹拌を行った。酢酸ブチル90kgを加え、重合体スラリー[3]を得た。
【0067】
(実施例1)
振動式水平盤型加圧濾過機(東和技研製3段リーフフィルター濾過面積1m、使用金網350メッシュ)で重合体スラリー[1]、[2]、[3]を延べ25t処理を行った。堆積したケークを払い出し、濾過後の金網を取り外し、ヌッチェ式加圧濾過機で濾材抵抗を測定したところ金網が完全に閉塞しており、濾材抵抗は∞(測定不可能)であった。すなわち目詰まりしていた。
【0068】
この金網を取り外し、ヌッチェ式加圧濾過機にセットし、80kg/mの酢酸ブチルを仕込み、0.3MPaに加圧して、金網を洗浄した。洗浄時間は、2〜3秒であった。その後、重合体スラリー[1]で濾材抵抗を測定すると10Gm−1であり、目詰まりが解消された。
【0069】
(比較例1)
(実施例1)の閉塞した金網をヌッチェ式加圧濾過機にセットし、80kg/mの酢酸ブチルを仕込み、0.1MPaに加圧したが、閉塞したままであり、目詰まりは解消されなかった。
【0070】
(比較例2)
(実施例1)の閉塞した金網をヌッチェ式加圧濾過機にセットし、80kg/mの酢酸ブチルを仕込み、0.2MPaに加圧したが、閉塞したままであり、目詰まりは解消されなかった。
【0071】
(比較例3)
実施例の評価対象の目詰まり回復の指標を見るために、新品の350メッシュの金網をヌッチェ式加圧濾過機にセットし、重合体スラリー[1]で濾材抵抗を測定した。測定により得られた値は、1.4Gm−1であり、この値であれば、少量濾過を行っても目詰まりは発生していない。
【0072】
(実施例2)
振動式水平盤型加圧濾過機(東和技研製3段リーフフィルター濾過面積1m、使用金網350メッシュ)で重合体スラリー[3]を4t濾過後の濾材抵抗を測定すると13.5Gm−1であり、目詰まりした。
【0073】
この後に80kg/mの酢酸ブチルを振動式水平盤型加圧濾過機に仕込み、0.3MPaに加圧して、金網を洗浄した。洗浄時間は、2〜3秒であった。その後、重合体スラリー[2]を濾過し、濾材抵抗を測定すると1.2Gm−1であり、新品と同様の濾材抵抗となり目詰まりが解消された。
【0074】
(比較例4)
実施例の評価対象の目詰まり回復の指標を見るために、重合体スラリー[2]を新品のメッシュサイズ100μmのポリエステル製不織布で濾過を行い、濾材抵抗を測定した。測定値は、0.14Gm−1であり、少量濾過を行っても目詰まりは発生しない。
【0075】
(実施例3)
重合体スラリー[2]を新品のメッシュサイズ100μmのポリエステル製不織布で1m2当り、2t濾過を行い、一部を切り取り濾材抵抗を測定すると2.67Gm−1であり、目詰まりが発生した。
【0076】
このポリエステル製不織布を一部切り取り、ヌッチェ式加圧濾過機にセットし、80kg/mの酢酸ブチルを仕込んだ後、0.3MPaに加圧して、不織布を洗浄した。洗浄時間は、2〜3秒であった。その後、重合体スラリー[2]で濾材抵抗を測定すると0.51Gm−1であり目詰まりは解消された。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】濾材抵抗Rcと時間との関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体を濾過精製する為の濾材の洗浄方法であって、濾材の単位面積あたり、80kg/m以上の量で、0.3MPa以上の加圧条件下において、溶剤を流すことを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
前記溶剤が、エステル系溶剤であることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記溶剤が、酢酸ブチルであることを特徴とする請求項2記載の洗浄方法。
【請求項4】
前記溶剤が、ビニル系重合体の濾過操作時に用いる希釈剤と同一であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記ビニル系重合体が、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項6】
濾過精製によって濾去され、洗浄方法によって除去される固形分が、重合触媒、珪酸アルミニウム、活性アルミナ系吸着剤、酸化マグネシウム系吸着剤、酸化アルミ系吸着剤、酸化アルミ−酸化マグネシウム系吸着剤、合成ハイドロタルサイト、活性白土、活性炭、ゼオライト、珪藻土系ろ過助剤、真珠岩系ろ過助剤、砂、アンスラサイト、セルロース、炭素質ろ過助剤、酸性白土、およびベントナイトからなる群より選択される1つあるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の洗浄方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−36132(P2010−36132A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203349(P2008−203349)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】