説明

炉幅測定装置及び炉幅測定方法

【課題】コークス炉炭化室等の高温の炉室内における炉幅を迅速かつ容易に測定するため、冷却水配管の設置を必要とせず、かつ炉内に測定装置を挿入し測定を行い抽出するのに必要な時間内において高温に耐え得るような炉幅測定方法を提供する。
【解決手段】相対する炉壁間の幅を測定するための炉幅測定方法であって、炉幅を測定する測定ユニット2は炉幅計測器8と電源装置10とを有し、測定ユニット2は吸熱能力を有する液体7を充填したジャケットに収納され、更にジャケットの外側は断熱材4で覆われている炉幅測定装置を用いる。測定ユニット2は更に炉幅測定データを外部データ記録装置22に伝送するためのワイヤレス伝送送信機18又はワイヤレス伝送受信機及びデータ記録装置9を有する。データ記録装置において、炉幅測定データとともに水平方向の測定現在位置データを記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉炭化室等の高温の炉室内における炉幅を迅速かつ容易に測定するための炉幅測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コークス炉の炭化室をはじめとする高温の炉室においては、炉室を構成する炉壁が耐火物で構成され、該耐火物の劣化状況を的確に把握することが必要である。特にコークス炉の炭化室は、過酷な条件下で通常20年以上の長期間にわたって連続操業されるものであり、炭化室を構成する耐火煉瓦は熱的、化学的および機械的要因によって徐々に劣化する。そのため耐火煉瓦の劣化に起因するコークスの押し詰まりが生じたり、耐火煉瓦が脱落したりする。このような耐火煉瓦の脱落などの事故が生じるとその補修は困難であり、操業に著しい影響が及ぼされる。従って、炭化室内の特に炉壁を構成する耐火煉瓦の状況を常時把握しておくことは、コークス炉操業管理上極めて重要である。
【0003】
コークス炉炭化室の炉壁のように、狭い炉室において左右の炉壁が平行にあい対している場合には、炉壁耐火物が損耗すれば両炉壁間の距離が増大する。従って、両炉壁間の距離を測定することにより、炉壁を構成する耐火物の損耗状況を推定することができる。
【0004】
炉内に距離計を設置し、この距離計と炉壁との間の距離を測定して耐火物の損耗を把握しようとすると、該距離計を炉内の定まった位置に正確に配置することが必要である。一方、上記のように炉壁間の距離を測定する方法においては、たとえ炉壁測定装置の横ぶれがあったとしても、炉壁間の距離の測定値には大きな誤差は与えない。従って、炉壁間の距離を測定する方法においては測定装置の位置あわせを厳密に行う必要がなく、例えばコークス炉押し出し機の押し出しラムに炉幅測定装置を取り付けることによって炉幅を測定することができる。
【0005】
このような炉幅測定装置として、例えば特許文献1においては、コークス押出機のラム等にそれぞれの炉壁に指向する1対又は複数対の非接触式距離計を設け、その取り付け位置から左右の壁を同時測定し、その合計距離から炭化室の幅を連続測長するものが記載されている。押し出し機を水平移動することによって炭化室炉壁幅を連続的に測定することができる。
【0006】
上記特許文献1においては、非接触式距離計としてレーザー光、マイクロ波などの距離計を用いている。一方、特許文献2、特許文献3においては、接触式の距離計を用いて同じように炉壁の間隔を測定する方法が記載されている。
【0007】
コークス炉における炉幅測定は、コークス炉操業中において、製造したコークスを押し出した後、次回原料を装入する前の短時間に行う。従って、当然のことながら測定すべき炉内は高温であり、一方炉幅測定装置内の炉幅測定ユニットは電子装置であって高温環境には耐え得ないので、炉幅測定ユニットの温度上昇を防止するための対策が必要である。前記特許文献1に記載のものは、距離計を水冷ジャケット内に収納し、該水冷ジャケットに冷却水を供給循環排出するための冷却水配管を設置している。距離計の測定結果を炉外に導くための信号ケーブルは冷却水配管内に配置され、信号ケーブルを高温環境から保護している。炉幅測定装置は押し出しラムの水平移動に伴って移動するため、上記冷却水配管は巻取り装置に巻き取られ、炉幅測定装置の移動に伴って冷却水配管が送り出される。
【0008】
炉幅測定装置の冷却に循環水を用いる上記の方法では、コークス押し出し機に炉幅測定装置を取り付ける際、および取り外す際には大掛かりな組み立て・取り外し作業が必要となり、コークス炉操業の合間に短時間で測定作業を行うことが極めて困難であった。
【0009】
炉幅測定ユニット全体を断熱材で覆って炉幅測定装置を構成し、この炉幅測定装置を極めて短時間炉内に挿入して炉幅を測定し、炉幅測定ユニット自体の温度が上昇する前に炉内から取り出すことを特徴とする炉幅測定装置が知られている。冷却水配管の配設が必要ないので装置はコンパクトであり、コークス炉押し出し機等への設置も容易である。冷却水配管が存在しないため、信号ケーブルを炉外に導くことはできず、炉幅測定データは炉幅測定ユニット内のデータ記録装置に蓄え、炉幅測定装置を炉外に抽出した後にデータを取り出す。電子装置を動作させるための電源も炉幅測定ユニット内に備える。
【0010】
上記装置では、炉幅測定ユニットを積極的に冷却することはせず、単に断熱材によって熱を遮断するのみであるため、コークス炉のように高温状態の炉内に滞在できる時間はせいぜい3分程度である。コークス炉の押し出し機を炉内に挿入し炉内を1往復するだけでも通常は3分程度の時間を必要とする。従って、炉内に滞在できる時間が最大で3分では余裕時間が少なく、押出しに時間を要すと距離計等の電子機器が破損することも考えられる。また、一炉測定するたびに断熱材の蓄熱を長時間かけて放冷する必要があった。
【0011】
【特許文献1】特開昭62−293112号公報
【特許文献2】実開平2−13151号公報
【特許文献3】特開昭60−144384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、コークス炉炭化室等の高温の炉室内における炉幅を迅速かつ容易に測定するため、冷却水配管の設置を必要とせず、かつ炉内に測定装置を挿入し測定を行い抽出するのに必要な時間内において高温に耐え得るような炉幅測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)相対する炉壁間の幅を測定するための炉幅測定装置であって、炉幅を測定する測定ユニット2は炉幅計測器8と電源装置10とを有し、測定ユニット2は吸熱能力を有する吸熱箱3に収納され、更に吸熱箱3の外側は断熱材4で覆われていることを特徴とする炉幅測定装置。
(2)吸熱箱3は液体7を充填したジャケットであり、該液体が吸熱能力を有することを特徴とする上記(1)に記載の炉幅測定装置。
(3)吸熱箱3の上部には前記液体を注入するための注入口を有し、下部には液体7を排出するための排出口23を有することを特徴とする上記(2)に記載の炉幅測定装置。
(4)液体7は水であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の炉幅測定装置。
(5)炉幅計測器8は1対のレーザ距離計であり、各レーザ距離計はそれぞれ各炉壁12までの距離を測定することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の炉幅測定装置。
(6)前記レーザ距離計のレーザ受光窓の前方に更に狭帯域干渉フィルターが設置されていることを特徴とする上記(5)に記載の炉幅測定装置。
(7)前記レーザ距離計は、更にタイマーを有し、予め設定された炉幅測定装置の取り付け作業時間に相当する設定値になった時点からレーザ光の照射を開始することを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の炉幅測定装置。
(8)測定ユニット2は更に炉幅測定データを外部データ記録装置22に伝送するためのワイヤレス伝送送信機18を有することを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の炉幅測定装置。
(9)外部データ記録装置22において、炉幅測定データとともに水平方向の測定現在位置データ35を記録することを特徴とする上記(8)に記載の炉幅測定装置。
(10)測定ユニット2は更にデータ記録装置9を有することを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の炉幅測定装置。
(11)データ記録装置9は、前記測定データが予め設定された炉幅に相当する設定値になった時点から炉幅測定データの記録を開始することを特徴とする上記(10)に記載の炉幅測定装置。
(12)測定ユニット2は更に外部から測定開始時期および測定位置に関するデータを受信するためのワイヤレス伝送受信機を有することを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の炉幅測定装置。
(13)電源装置10を充電するための充電ケーブル接続プラグ25を吸熱箱3の外部に備えることを特徴とする上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の炉幅測定装置。
(14)コークス炉炭化室の炉幅を測定することを特徴とする上記(1)乃至(13)のいずれかに記載の炉幅測定装置。
(15)前記炉幅測定装置1をコークス炉押し出し機13のラム14又はラムビームに取り付け、該押し出し機を水平移動しつつ炉幅を測定することを特徴とする上記(14)に記載の炉幅測定装置。
(16)外部データ記録装置22又はデータ記録装置9は各レーザー距離計と炉壁までの距離を記録することを特徴とする上記(5)乃至(13)のいずれかに記載の炉幅測定装置。
(17)上記(3)乃至(16)のいずれかに記載の炉幅測定装置を用いた炉幅測定方法であって、一の炉室の炉幅測定が完了した後に前記排出口23を開いて吸熱箱内の液体7を排出し、その後新たな液体7を吸熱箱内に注入して次の炉室の炉幅測定を行うことを特徴とする炉幅測定方法。
(18)上記(13)乃至(16)のいずれかに記載の炉幅測定装置を用いた炉幅測定方法であって、一の炉室の炉幅測定が完了した後に前記電源装置を充電し、その後次の炉室の炉幅測定を行うことを特徴とする炉幅測定方法。
【0014】
本発明においては、炉幅測定装置1の最外周は断熱材4で覆われるため、高温の炉内においても、炉幅測定装置内への熱の移動を大幅に低減することができる。更に、本発明においては前記断熱材4と内部の測定ユニット2との間に吸熱箱3を配置する。吸熱箱3はそれ自体が吸熱能力を有し、最外周の断熱材4を通して内部に浸入した熱はこの吸熱箱3に吸収され、吸熱箱内部の測定ユニット2の温度上昇を遅らせることができる。これにより、炉幅測定装置1は高温の炉内に5分間は滞在することができるので、例えばコークス炉押し出し機13の押し出しラム14に炉幅測定装置1を取り付けて炉幅を測定するに際し、時間的に余裕を持って測定を行うことができる。また、本発明の炉幅測定装置は冷却水配管や信号ケーブルを設置する必要がないので、押し出しラム14等への設置・取り外しがきわめて容易である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の炉幅測定装置は、測定ユニットを吸熱能力を有する吸熱箱に収納し、更に吸熱箱の外側を断熱材で覆っているため、コークス炉のような高温の炉内に比較的長時間滞在しても測定ユニットの温度を一定温度以下に保持することができる。そのため、炉内の炉幅測定を充分な時間をかけて行うことが可能になる。
【0016】
本発明の炉幅測定装置は、冷却水配管や信号ケーブル配線を必要としないので、押し出しラム等の炉内挿入・移動装置に迅速かつ容易に取り付け・取り外しを行うことが可能になる。
【0017】
本発明のワイヤレス伝送送信機を有する炉幅測定装置は、測定後に測定データを抽出するために吸熱箱を開放する必要がないので作業性が良好であり、炉外にて炉幅測定位置とともにデータ処理ができるので炉幅異常の発生個所を正確に特定することができ、炉幅測定中に測定データ解析ができるので結果を迅速に次のアクションに反映させることができる。
【0018】
本発明の吸熱箱に液体排出口を有する炉幅測定装置は、連続測定においても測定装置の温度の上昇を抑えて長時間の測定を行うことができる。
【0019】
本発明の充電ケーブル接続プラグを備える炉幅測定装置は、吸熱箱を開放することなく測定を連続して行うことができ、作業性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1〜図6に基づいて本発明の説明を行う。
【0021】
吸熱箱3には吸熱能力を有する吸熱材料を用いる。吸熱材料としては、重量あたり、体積あたりの熱容量の大きいものを用いることが必要である。吸熱材料として金属材料を用いることも可能であるが、吸熱箱3を液体7を充填するジャケット構造とし、吸熱材料として該ジャケット内に充填した液体7を用いるとより好ましい。図1において、吸熱箱3は外箱5と内箱6とで構成され、該外箱5と内箱6との間が液体7を充填するジャケットとなる。液体は概して重量・体積あたりの熱容量の大きいものを選択することができる。工業的に最も容易に入手できかつ吸熱材料として最適な液体として、水を用いることが好ましい。水は熱容量が大きいため、吸熱箱内部の温度上昇を遅らせることができる。更に、水の温度が100℃に達すると沸騰により大量の気化熱を奪うため、吸熱箱内部の温度が100℃を超えることはない。水の温度が100℃に到達して沸騰を開始した際の水蒸気を放出するため、吸熱箱3の上部には開放口を設けるかあるいは安全弁を設けると良い。図5に示すように、開放口は冷却水の注入口24と兼用したものを設けることができる。本発明の炉幅測定装置においては、炉内での炉幅測定中には液体を供給排出するための配管が接続されていない点が特徴である。
【0022】
本発明の炉幅測定装置によるコークス炉炭化室の炉幅測定においては、例えばコークス押し出し機に本発明の炉幅測定装置を搭載して測定を行う場合、押し出し機はレールの上を移動しながら乾留が完了した炭化室のコークスを押し出す作業を5〜10分間隔で連続して次々と繰り返していき、この作業の中で多数の炭化室の炉幅測定を行うこととなる。1回の炭化室挿入によって吸熱箱内の液体は温度が上昇しているので、時間をおかずにこのまま次の炭化室に挿入しての測定を行うと、吸熱箱内の液体7の温度は逐次上昇し、炉内滞在可能時間が短くなる。図5に示すように、本発明の吸熱箱3の下部に内部の液体を排出するための排出口23を設けておき、炉内測定が完了する毎に温度が上昇した内部の液体7を排出して温度が低い新しい液体を投入することにより、液体7の温度上昇を防止できる。新しい液体投入時に注入口24から冷えた液体を供給しつつ排出口23からの排出を継続すれば、吸熱箱自身の温度も低下させることができる。この結果、各回毎に十分な炉内滞在時間を確保することができる。
【0023】
吸熱箱3の外側を覆う断熱材4としては、セラミックファイバーボード、またはケイ酸カルシウムボード等を用いることができる。
【0024】
コークス炉の炉幅は通常400mm程度であり、本発明の炉幅測定装置はこのスペースに収納可能な寸法とする必要がある。吸熱材料として水を用いる場合、水を収納するジャケットは炉幅方向で水の占める幅を左右それぞれ40mm〜60mm程度とする。吸熱箱外周の断熱材4としては、例えばセラミックファイバーボードを用い、断熱材4の厚さを40mm〜60mm程度とすることができる。炉幅測定装置1の外部寸法をL620mm×W360mm×H550mmとしたとき、測定ユニット2を収納する内部空間はL420mm×W160mm×H310mm程度となる。
【0025】
このような形状を有する炉幅測定装置1を炉内温度1000℃のコークス炉炭化室11に挿入したとき、測定ユニットを収納する内部空間の温度は、挿入後経過時間ごとに、3分後25℃、5分後40℃、7分後55℃となる。測定ユニットの通常使用温度上限は50℃であるから、高温の炉内に5分間は滞在することが可能である。
【0026】
炉幅測定装置1に収納される測定ユニット2は、炉幅計測器8、電源装置10と必要に応じてデータ記録装置9を有する。
【0027】
炉幅計測器8としては、非接触の距離計を用いることが好ましい。非接触の距離計としては、レーザ距離計、マイクロ波距離計等を用いることができる。レーザ距離計を用いる場合、少なくとも1対のレーザ距離計を準備し、各レーザ距離計を相対する各炉壁に向け、それぞれのレーザ距離計から各炉壁までの距離を測定する。こうして測定された両レーザ距離計からの距離を加算することにより、炉幅を計算することができる。
【0028】
炉幅計測器8として非接触のレーザ距離計等を用いる場合、レーザ距離計からのレーザ光を炉壁12に照射し炉壁12からの反射光を距離計に導くため、吸熱箱3及びその外周の断熱材4は両サイドに窓16を有する。窓16には石英ガラス等の耐熱ガラスを装着する。耐熱ガラスは金属蒸着等の手段によって外部からの輻射熱を反射する機能を有することが好ましい。また、レーザ距離計のレーザ受光窓の前方に更に図3に示すように狭帯域干渉フィルター37を設置すると好ましい。狭帯域干渉フィルター37とは、中心波長に対し半値幅10nm程度のバンドパスフィルターであり、到達した光線のうちの特定領域の波長の光線のみを透過させるものである。レーザ距離計に用いられているレーザ波長を中心波長とした狭帯域干渉フィルターを用い、測定精度に対する外乱となる波長域をカットすることでレーザー距離計の測定精度を確保することができる。
【0029】
レーザ距離計8はその光軸方向にある程度の長さを有し、一方コークス炉等の炉幅は非常に狭いので、炉幅方向にレーザ距離計を2台同軸に並べることは困難となる場合がある。図3に示すように、レーザ距離計8を炉の長手方向に配置し、鏡32による反射を用いて光軸33を炉幅方向に変更することにより、狭い炉幅を有する炉内の測定を可能にすることができる。
【0030】
本発明の炉幅測定装置は信号ケーブルを炉外まで配線することができないので、炉内で測定したデータは、測定ユニット内に配置されたデータ記録装置9に記録し、測定が完了して炉幅測定装置1を炉外に抽出してから該記録したデータを参照する。データ記録装置9としては、磁気ディスク等の磁気記憶装置、LSIカード等の半導体記憶装置、光記憶装置、光磁気記憶装置等のうちから任意に選択することができる。
【0031】
コークス炉炭化室11を水平移動しつつ炉幅測定を行う場合には、水平方向の測定位置と炉幅測定データとを対応させる必要がある。測定中においては水平方向の測定現在位置を測定ユニット2において知ることはできない。従って、測定中は測定ユニット2においては例えば現在時刻と炉幅測定データとを対応してデータ記録装置9に記録し、一方炉外においては現在時刻と押し出し機の水平方向現在位置とを対応して記録し、測定完了後に両データを時刻をパラメータとして結合することにより、水平方向の位置毎に炉幅測定データを対応させることが可能である。
【0032】
炉幅測定装置がまだ炉外にあるときは炉幅測定値は非常に大きな値となっている。炉幅測定装置を水平移動して炉内に入った時点で、炉幅測定値は実際の炉幅に略等しい値に急激に変化するので、炉幅測定装置自身が炉内挿入開始時点を認識することができる。従って、押し出し機13の移動速度が一定である場合には、炉幅測定装置自身が認識した上記炉内挿入時刻を用い、炉内挿入時刻以降のデータを移動速度一定として炉内の各位置に対応させることも可能である。
【0033】
図3、図4に示すように、測定ユニット内に上記データ記録装置9のかわりにワイヤレス伝送送信機18を配置し、測定データを炉外に送信して炉外の外部データ記録装置22にデータを記録させることもできる。ワイヤレス伝送には、電磁波を用いた無線送信、あるいは可視光や赤外線などの光を用いたワイヤレス伝送を用いることができる。ワイヤレス伝送を行う場合、吸熱箱の炉外側に向いた壁には伝送用の窓17を設ける。窓17には耐熱ガラスを装着し、伝送媒体として電磁波を用いる場合には、外部からの輻射熱侵入を防止するためのコーティングには金属膜コーティングは用いず、シリカコーティングのような非電導性材料のコーティングを行う。
【0034】
図6に示すように、ワイヤレス伝送にデジタル信号を電波で伝送するデジタル無線送受信機(27、28)を採用することができる。レーザ距離計8からはアナログの距離信号が出力されるので、この信号をA/D変換器26でデジタル信号とし、このデジタル信号をデジタル無線送信機27で送信し、炉外のデジタル無線受信機28で受信する。受信したデジタル信号はD/A変換器29でアナログ信号に変換してデータディスプレイ31などの記録計に出力したり、あるいはデジタル信号のままで記録用コンピュータ30などの記録計に記録することができる。
【0035】
測定ユニット内にワイヤレス伝送送信機18を配置した場合、炉幅測定データを測定ユニットから外部のワイヤレス伝送受信機21に伝送し、そのデータを外部データ記録装置22に記録する。その際、炉幅測定データと炉内水平方向の測定現在位置データ35を同時に外部データ記録装置32に記録することもできる。外部データ記録装置22は炉外に配置されているので、炉幅測定装置を搭載した押し出し機13の現在位置データから炉幅測定装置の測定現在位置データ35を算出して取り込むことができるからである。その結果、外部データ記録装置22においてリアルタイムに水平方向の測定位置と炉幅測定データとを対応させることが可能になり、測定中において即座に炉内の損傷個所や要補修個所を特定することができる。ワイヤレス伝送送信機18は、炉幅測定データを外部データ記録装置22に伝送するため、1対のレーザ距離計で測定した距離データを炉幅に換算した後のデータを送信することも可能であるが、もちろん各レーザ距離計で測定した距離データをそのまま送信し、外部データ記録装置22の側で炉幅に計算することも可能である。
【0036】
測定ユニット内にワイヤレス伝送送信機18を配置した場合、さらに図6に示すように測定ユニット内に測定ユニット2の温度や吸熱箱内の液体温度を測定する温度計36を設置し、測定した温度をワイヤレス伝送送信機18によって炉外に送信することもできる。これにより、炉外において現時点の炉幅測定装置の温度を把握することができ、温度が管理上限に近づいたときには測定を中止して炉幅測定装置を炉外に引き出すことにより、異常高温による炉幅測定装置の損傷を未然に防ぐこともできる。
【0037】
上記とは逆に、測定ユニット内にデータ記録装置9とワイヤレス伝送受信機を設置し、外部から測定ユニットに対して測定ユニットの炉内挿入時刻および炉内水平方向の測定現在位置データ35を常時ワイヤレス送信し、炉幅測定データと炉内水平方向の測定現在位置データ35を同時に測定ユニット内のデータ記録装置9に記録することもできる。
【0038】
ワイヤレス伝送送信機18及びワイヤレス伝送受信機21には、送信と受信の両方の機能を兼ね備えた送受信機を用いても良い。
【0039】
本発明の炉幅測定装置1は測定中は外部から動作電源を供給することができないので、測定ユニット2には電源装置10を有する。炉幅計測器8やデータ記録装置9、ワイヤレス伝送送信機18はこの電源装置10から供給される電力によって作動する。電源装置10としては、乾電池、充電式蓄電池等を用いることができる。
【0040】
電源装置10として充電できない電池を用いると、電池交換のたびに吸熱箱を開放する必要がある。また電源装置10として充電可能な電源を用いる場合においても、充電ケーブル接続プラグが吸熱箱内部に位置する場合には充電のたびに吸熱箱を開放することが必要となる。電源装置10として充電可能な電源を用い、さらに本発明の上記(13)のように、図5に示すような充電ケーブル接続プラグ25を吸熱箱3の外部に備えることにより、吸熱箱を開放せずに充電することが可能になり、作業性を改善することができる。充電ケーブル接続プラグ25は、炉内挿入時には断熱材蓋34でその外部を覆い、充電時に断熱材蓋34のみを取り外して充電ケーブルを接続するようにしても良い。
【0041】
炉幅測定装置1を例えば図2に示すように押し出し機13の押し出しラム14の一定高さ部分に装着し、押し出し機13を水平移動しつつ炉幅の測定を行って測定値をデータ記録装置9に記録すれば、コークス炉内の一定高さ部分の炉幅を連続的に測定することができる。本発明の炉幅測定装置1は形状がコンパクトかつ軽量であり、冷却配管等の設置が不要なので、押し出しラム14に取り付ける高さは任意に変更することが容易であり、所定の各高さ毎に取り付け位置を変えて測定を行うことにより、炉高全体の炉幅測定データを得ることができる。
【0042】
押し出し機以外に炭化室内に挿入可能な装置、例えば炉内測定装置を有している場合には、該炉内測定装置に本発明の炉幅測定装置を取り付け、押し出し機に取り付けた場合と同じように炉幅測定を行うこともできる。
【0043】
以上述べたように、炉内の相対する炉壁間の幅を測定する炉幅測定においては、炉幅測定装置の炉内における炉幅方向位置を正確に決定しなくても測定を行うことができるので、コークス炉炉幅方向の位置を正確に定めることのできない測定においては便利である。一方、炉幅計測器8を1対のレーザ距離計とし、各レーザ距離計はそれぞれ各炉壁12までの距離を測定する上記(5)の発明においては、測定装置の炉幅方向位置を正確に定められるのであれば、1対のレーザ距離計測定結果から炉幅を計算して用いるのではなく、各レーザ距離計による炉壁までの距離測定データから直接に左右の各炉壁の表面状況を評価できるのでより有利である。本発明は、このような炉壁表面評価を行う場合においても適用することができる。即ち、本発明の上記(16)にあるとおり、外部データ記録装置22又はデータ記録装置9は、炉幅測定値に替えて各レーザー距離計と炉壁までの距離を記録することにより、相対する各炉壁の損耗状況を個別に評価し、各炉壁に最適な炉壁補修計画を立案することが可能になる。
【0044】
炭化室の炉幅を正確に測定するためには、炉壁12に付着している付着カーボンを除去した後に炉幅の測定を行う。付着カーボンは焼き落とし等の手段によって除去する。一方、付着カーボン除去前と除去後に炉幅の測定を行い、両者の比較を行えば、付着カーボンの厚みを知ることができる。
【0045】
炉壁に目地切れがある場合には、その部分で炉幅測定値が異常に大きな値となるため、本発明の炉幅測定装置によって目地切れを検出することが可能である。従って、本発明の炉幅測定装置により、重大な炉壁の劣化も把握することが可能である。
【実施例】
【0046】
(実施例1)
コークス炉炭化室の炉幅を測定する目的で図1に示す炉幅測定装置を用いた。炉幅測定装置1の外形寸法は、高さ550mm、幅360mm、長さ620mmであり、総重量は約50kgである。
【0047】
外周の断熱材4としてセラミックファイバーボードを用い、断熱材4の厚さは50mmとした。断熱材4の内側には、ステンレス鋼製の外箱5と内箱6とからなるジャケット構造の吸熱箱3を配置した。ジャケット内には合計25リットルの水7を充填した。吸熱箱3の炉壁に面する部分において、水7の層の厚さは45mmである。
【0048】
吸熱箱3の内部の測定ユニット2に、炉幅測定器8として1対のレーザ距離計を配置した。それぞれのレーザ距離計(8a、8b)は左右の炉壁12までの距離を測定する。レーザ距離計から炉壁までの光路を確保するため、吸熱箱3及び断熱材4の左右の炉壁に面する部分には窓16を配置し、窓16には金属蒸着を行った石英ガラスをはめ込んでいる。
【0049】
測定ユニット2には、データ記録装置9として小型パソコンを配置した。また、電源装置10として充電式蓄電池を配置し、レーザ距離計8、データ記録装置9及びそれらを制御する制御装置に対する供給電源とした。
【0050】
上記炉幅測定装置1を押し出し機13の押し出しラム前面ないし後部に取り付ける。本実施例においては、図2に示すように、押し出しラム14の前面に支持装置15を用いて取り付けた。炉幅測定装置1の総重量が約50kgと比較的軽量であり、更に冷却水配管や信号ケーブルを配置する必要がないので、押し出しラム14の高さ方向の任意の位置に容易に取り付けることが可能である。本実施例においては、押し出しラム高さ方向4箇所に炉幅測定装置1の取り付け位置を設定し、各高さにおいて順次炉幅測定を実施することにより、炭化室内炉壁全面に関する炉幅測定データを採取することができた。
【0051】
押し出しラム14の所定の位置に炉幅測定装置1を取り付ける。取り付け中にレーザ光が照射されないよう、タイマーが設置されている。タイマーアップ後にレーザ照射が開始されるので、押し出し機13を所定の速度で炉内に挿入開始する。レーザ距離計部分が炉内に挿入すると同時に炉幅測定データが略所定の炉幅に等しい値となるので、炉内挿入タイミングを検出することができる。その後一定速度で押し出し機13を水平移動し、炉壁12の全長にわたって炉幅の測定を行い、炉幅データをデータ記録装置に記録することができる。
【0052】
炉幅測定装置1の炉内滞在可能時間は5分間なので、測定完了後速やかに押し出し機13を炉内から抽出する。通常は挿入開始から抽出完了まで3分間程度で完了する。吸熱箱中の測定ユニット2の温度及び吸熱箱ジャケット内の水7の温度を測定したところ、挿入開始時には測定ユニット内が15℃、水の温度が15℃であったのに対し、挿入後3分経過後の抽出時には、測定ユニット内が25℃、水の温度が30℃であった。測定ユニットの通常使用上限温度は50℃であるから、測定中の温度上昇は許容できる範囲内であった。
【0053】
測定終了後に炉幅測定装置1を押し出しラム14から取り外し、内部のデータ記録装置9に記録されたデータを外部の解析装置に読み出した。データ記録装置9には挿入開始時刻及び挿入開始後の各時刻における炉幅測定値が記録されているので、このデータに押し出しラムの挿入速度実績を加味することにより、炉内水平方向各位置における炉幅実績を知ることができた。
【0054】
目視により確認された炉壁煉瓦損耗部に対して、高さ方向3水準程度で炉幅測定を行い、健全状態での炉幅と炉幅実績を比較することで、炉壁煉瓦損耗部の損耗量等高線を描くことができる。これにより、損耗部補修において、補修方法および補修時間等の補修計画の立案が可能となり、補修効率の向上が図られた。
【0055】
(実施例2)
実施例1と同様の目的で、図3〜図6に示す炉幅測定装置を用いた。実施例1との相違点は、測定ユニット内にデータ記録装置9を配置する代わりにワイヤレス伝送送信機18を配置し、炉外にワイヤレス伝送受信機21と外部データ記録装置22を配置した点、断熱箱3の下部に冷却水の排出口23、上部に開放口を兼ねた冷却水注入口24を設けた点、吸熱箱3の外部に充電ケーブル接続プラグ25を設けた点、2個のレーザ距離計8を炭化室長手方向に配置し鏡32にて光軸33を90°曲げている点、レーザ距離計8の前方に光学フィルターとして狭帯域干渉フィルター37を配置している点である。それ以外の共通する部分については実施例1と同様であるので詳細な記述は省略する。
【0056】
ワイヤレス伝送にはデジタル信号の電波を用いた無線通信を採用している。2個のレーザ距離計8の出力及び測定ユニット内の温度を測定する温度計36の出力をA/D変換器26によってディジタル信号に変換し、RS−232Cインターフェースでデジタル信号無線送信機27に送る。デジタル信号無線送信機27がワイヤレス伝送送信機18として機能し、ワイヤレス伝送信号19を炉外のワイヤレス伝送受信機21に送る。吸熱箱3の電波が通過する部分には窓17を設け、シリカコーティングを施した石英ガラスを配置している。シリカコーティングによって炉からの輻射熱を遮断し、かつ金属コーティングではないので電波の伝搬を阻害することがない。
【0057】
炉外にはワイヤレス伝送受信機21としてデジタル信号無線受信機28が配置され、外部データ記録装置22として記録用コンピュータ30及びデータディスプレイ31が配置される。デジタル信号無線受信機28で受信したデジタル信号をRS−232CインターフェースでD/A変換器29及び記録用コンピュータ30に伝送する。記録用コンピュータ30に送られたデータはコンピュータ内に記録され、D/A変換器29から出力するアナログ信号はデータディスプレイ31に送られ、リアルタイムに測定された炉幅データを表示する。外部データ記録装置22には押し出しラム14の現在位置データに基づいて求められた測定現在位置データ35も送られてきているので、このデータも記録用コンピュータ30とデータディスプレイ31に送られる。データディスプレイ31においては、幅測定装置の測定現在位置35を横軸に、炉幅データを縦軸に実績を表示し、炉幅異常の発生個所を特定することができる。
【0058】
実施例1の場合には、測定完了後に吸熱箱3の一部を開放することによって、測定ユニット内のデータ記録装置9にデータ読取りケーブルを装着しデータを外部の解析装置に読み出したり、あるいはデータ記録装置9からデータ記録媒体を取り出す必要があったが、実施例2の場合には測定中に外部データ記録装置22に逐次データが伝送されるので、測定完了後に吸熱箱3を開ける必要がなく、測定の作業性を大幅に向上することができた。また測定中にリアルタイムで炉内の炉幅異常をキャッチし、当該炉幅異常の発生個所も正確に特定することができるので、遅滞なく当該炭化室の補修計画を立案することができた。
【0059】
一つの炭化室の炉幅測定を完了した後に続けて次の炭化室の炉幅測定を行う前に、吸熱箱下部の排出口23を開き、温度が上昇した冷却水7を排出すると同時に上部の注入口24から常温の水を注水した。15リットルの水を注水して吸熱箱3の温度を低下させた後、吸熱箱下部の排出口23を閉じ、吸熱箱内に水7を充填した。このように毎回吸熱箱3と吸熱箱内の水7の温度を十分に下げてから次の測定を行ったので、連続して炭化室の炉幅測定を行う際にも毎回5分以上の測定時間を確保することができた。
【0060】
測定ユニット内の電源装置10として用いる充電式蓄電池は、連続して5室の炭化室の炉幅測定が可能な容量を有している。充電に際しては、吸熱箱外部に配置した充電ケーブル接続プラグ25に充電ケーブルを接続して行うことができるので、充電のために吸熱箱を開放する必要がなく、良好な作業性のもとで充電を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の炉幅測定装置を炉室内に配置した状態を示す平面断面図である。
【図2】本発明の炉幅測定装置を押し出しラムに装着してコークス炉炭化室内に挿入した状況を示す断面図である。
【図3】本発明の炉幅測定装置を炉室内に配置した状態を示す平面断面図である。
【図4】本発明の炉幅測定装置を押し出しラムに装着してコークス炉炭化室内に挿入した状況を示す断面図である。
【図5】本発明の吸熱箱の側面断面図である。
【図6】ワイヤレス伝送送受信機を有する本発明の機器接続状況を示す概念図である。
【符号の説明】
【0062】
1 炉幅測定装置
2 測定ユニット
3 吸熱箱
4 断熱材
5 外箱
6 内箱
7 水(液体)
8 炉幅計測器(レーザ距離計)
9 データ記録装置
10 電源装置
11 コークス炉炭化室
12 炉壁
13 押し出し機
14 押し出しラム
15 支持装置
16、17 窓
18 ワイヤレス伝送送信機
19 ワイヤレス伝送信号
21 ワイヤレス伝送受信機
22 外部データ記録装置
23 排出口
24 注入口
25 充電ケーブル接続プラグ
26 A/D変換器
27 デジタル信号無線送信機
28 デジタル信号無線受信機
29 D/A変換器
30 記録用コンピュータ
31 データディスプレイ
32 鏡
33 光軸
34 断熱材蓋
35 測定現在位置データ
36 温度計
37 フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対する炉壁間の幅を測定するための炉幅測定装置であって、炉幅を測定する測定ユニットは炉幅計測器と電源装置とを有し、該測定ユニットは吸熱能力を有する吸熱箱に収納され、更に該吸熱箱の外側は断熱材で覆われていることを特徴とする炉幅測定装置。
【請求項2】
前記吸熱箱は液体を充填したジャケットであり、該液体が吸熱能力を有することを特徴とする請求項1に記載の炉幅測定装置。
【請求項3】
前記吸熱箱の上部には前記液体を注入するための注入口を有し、下部には前記液体を排出するための排出口を有することを特徴とする請求項2に記載の炉幅測定装置。
【請求項4】
前記液体は水であることを特徴とする請求項2又は3に記載の炉幅測定装置。
【請求項5】
前記炉幅計測器は1対のレーザ距離計であり、各レーザ距離計はそれぞれ各炉壁までの距離を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炉幅測定装置。
【請求項6】
前記レーザ距離計のレーザ受光窓の前方に更に狭帯域干渉フィルターが設置されていることを特徴とする請求項5に記載の炉幅測定装置。
【請求項7】
前記レーザ距離計は、更にタイマーを有し、予め設定された炉幅測定装置の取り付け作業時間に相当する設定値になった時点からレーザ光の照射を開始することを特徴とする請求項5又は6に記載の炉幅測定装置。
【請求項8】
前記測定ユニットは更に炉幅測定データを外部データ記録装置に伝送するためのワイヤレス伝送送信機を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の炉幅測定装置。
【請求項9】
前記外部データ記録装置において、炉幅測定データとともに水平方向の測定現在位置データを記録することを特徴とする請求項8に記載の炉幅測定装置。
【請求項10】
前記測定ユニットは更にデータ記録装置を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の炉幅測定装置。
【請求項11】
前記データ記録装置は、前記測定データが予め設定された炉幅に相当する設定値になった時点から炉幅測定データの記録を開始することを特徴とする請求項10に記載の炉幅測定装置。
【請求項12】
前記測定ユニットは更に外部から測定開始時期および測定位置に関するデータを受信するためのワイヤレス伝送受信機を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の炉幅測定装置。
【請求項13】
前記電源装置を充電するための充電ケーブル接続プラグを吸熱箱の外部に備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の炉幅測定装置。
【請求項14】
コークス炉炭化室の炉幅を測定することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の炉幅測定装置。
【請求項15】
前記炉幅測定装置をコークス炉押し出し機のラム又はラムビームに取り付け、該押し出し機を水平移動しつつ炉幅を測定することを特徴とする請求項14に記載の炉幅測定装置。
【請求項16】
前記外部データ記録装置又はデータ記録装置は各レーザー距離計と炉壁までの距離を記録し、前記ワイヤレス伝送送信機は各レーザー距離計と炉壁までの距離を伝送することを特徴とする請求項5乃至15のいずれかに記載の炉幅測定装置。
【請求項17】
請求項3乃至16のいずれかに記載の炉幅測定装置を用いた炉幅測定方法であって、一の炉室の炉幅測定が完了した後に前記排出口を開いて吸熱箱内の液体を排出し、その後新たな液体を吸熱箱内に注入して次の炉室の炉幅測定を行うことを特徴とする炉幅測定方法。
【請求項18】
請求項13乃至16のいずれかに記載の炉幅測定装置を用いた炉幅測定方法であって、一の炉室の炉幅測定が完了した後に前記電源装置を充電し、その後次の炉室の炉幅測定を行うことを特徴とする炉幅測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−127672(P2007−127672A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36448(P2007−36448)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【分割の表示】特願2001−209046(P2001−209046)の分割
【原出願日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】