炊飯器
【課題】炊飯する米の銘柄を設定し、設定された銘柄に合わせた炊飯シーケンスで炊飯できる炊飯器において、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行い、ブレンド米をより良好な食味で炊き上げるようにする。
【解決手段】ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせをブレンド米設定手段7により設定し、ブレンド米設定手段7により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて炊飯シーケンス決定手段8により記憶手段6に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定する。加熱制御手段5は、炊飯シーケンス決定手段8がブレンド米設定手段7によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと鍋温度検知手段3の検知温度と計時手段4が計時した時間に基づき加熱手段2を制御して炊飯を行うよう構成する。
【解決手段】ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせをブレンド米設定手段7により設定し、ブレンド米設定手段7により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて炊飯シーケンス決定手段8により記憶手段6に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定する。加熱制御手段5は、炊飯シーケンス決定手段8がブレンド米設定手段7によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと鍋温度検知手段3の検知温度と計時手段4が計時した時間に基づき加熱手段2を制御して炊飯を行うよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯する米の銘柄を設定し、設定された銘柄に合わせた炊飯シーケンスで炊飯できる炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の炊飯器は、図11に示すように、米でんぷんの糊化開始温度より少し低い温度に水温を保ちながら米に水を吸わせる吸水工程と、鍋内を沸騰させる炊き上げ工程と、ふきこぼれの防止のために一定時間弱火加熱を行い鍋内の沸騰状態を鎮めるパワーダウン工程と、鍋内の水がなくなるまで沸騰を維持し米を吸水糊化させる沸騰維持工程と、飯粒表面に残存する遊離水を飯粒に吸収させ糊化を促進させる蒸らし工程とからなる炊飯シーケンスに従い炊飯を行っている。
【0003】
しかしながら、米にはさまざまな銘柄があり、銘柄によって性質が異なるため、これら性質の異なる銘柄の米に対して同一の炊飯シーケンスで炊飯して、米本来のおいしさを最大限に引き出すことは不可能であった。すなわち、たとえば魚沼産コシヒカリなどに代表される非常に組織の柔らかい性質の米を炊くと、炊飯中に粒の組織が崩れてべちゃつきの多い食感の悪いご飯になってしまったり、反対に北海道産米などに代表される組織の硬い性質の米を炊くと、粒の芯が硬く粘りのないご飯になってしまい、好ましい食味が得られないという問題があった。
【0004】
その理由としては、吸水工程では、吸水を促進するためおよび吸水中の糖化酵素作用を促進させるために米の中の澱粉の糊化が開始する温度より少し低い程度の高温に米と水を一定時間保っているが、広く知られているように、米の吸水速度(米が吸水時間の経過とともにどれだけの水を吸収するかを示したもの)は米の銘柄によって異なるので、吸水の速い、組織の柔らかい性質の米は過剰吸水となって次第に澱粉が溶け出しその後の炊飯工程で粒の崩れやべたつきを生じてしまう一方、吸水の遅い、組織の硬い性質の米は粒の中心まで充分に吸水しきれないまま炊き上げ工程に進んでしまいその後の炊飯工程でもなかなか澱粉のα化(アルファ化)が進まないからである。
【0005】
そこで、従来の炊飯器では、炊飯を行う前に炊飯する米の銘柄を設定できるようにして、設定された銘柄の性質に合わせた炊飯シーケンスで炊飯を行うことにより、米本来のおいしさを最大限に引き出すようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−300963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の炊飯器では、単一の銘柄の米本来のおいしさを最大限に引き出すことを目的にしており、ブレンド米(料理や好みに応じて異なる銘柄を組み合わせたもの)については考慮されておらず、例えば、魚沼産コシヒカリなどに代表される軟質米と北海道産米などに代表される硬質米をブレンドしたブレンド米を、軟質米にあわせた炊飯シーケンスで炊飯した場合は、吸水工程での硬質米への吸水が不足した状態で炊き上げ工程に進んでしまい、その後の炊飯工程でもなかなか澱粉のα化が進まず、結果として粒の芯が硬く粘りのないご飯になってしまい、反対に硬質米にあわせた炊飯シーケンスで炊飯した場合は、吸水工程での軟質米への吸水が過剰状態となり、結果として粒の組織が崩れてべちゃつきの多い食感の悪いご飯になってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、炊飯を行う前に炊飯するブレンド米に含まれる複数の銘柄を設定できるようにして、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことにより、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米をより良好な食味で炊き上げることができる炊飯器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、炊飯器本体の内部に収納され米と水を入れる鍋を加熱手段により加熱し、鍋の温度を鍋温度検知手段により検知し、加熱手段を加熱制御手段により制御し、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせをブレンド米設定手段により設定し、ブレンド米設定手段により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて炊飯シーケンス決定手段により記憶手段に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定するよう構成し、加熱制御手段は、炊飯シーケンス決定手段がブレンド米設定手段によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと鍋温度検知手段の検知温度と計時手段が計時した時間に基づき加熱手段を制御して炊飯を行うよう構成したものである。
【0009】
これにより、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米を炊飯する場合にも、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせを設定しておくだけで、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米をより良好な食味で炊き上げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炊飯器は、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米を炊飯する場合にも、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行い、より良好な食味のご飯を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、炊飯器本体の内部に収納され米と水を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、炊飯シーケンスを記憶する記憶手段と、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせを設定するブレンド米設定手段と、前記ブレンド米設定手段により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて前記記憶手段に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定する炊飯シーケンス決定手段とを備え、前記加熱制御手段は、前記炊飯シーケンス決定手段が前記ブレンド米設定手段によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと前記鍋温度検知手段の検知温度と前記計時手段が計時した時間に基づき前記加熱手段を制御して炊飯を行うよう構成したものであり、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせを設定しておくだけで、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、良好な食味のご飯を得ることができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、ブレンド米設定手段により設定した各々の米の銘柄が炊飯に使用する米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定するブレンド比率設定手段を備え、炊飯シーケンス決定手段は、前記ブレンド比率設定手段により設定されたブレンド比率に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定するよう構成したものであり、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、ブレンド比率に基づいて炊飯シーケンスを補正する炊飯シーケンス補正手段を備え、記憶手段は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、前記炊飯シーケンス補正手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段から炊飯シーケンス補正情報を取得し、前記炊飯シーケンス決定手段が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正するよう構成したものであり、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。また、ブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を使用する構成のため、複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合ごとの全ての炊飯シーケンスを用意しておく構成と比較して、小さな記憶容量で実現することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、ブレンド比率設定手段による設定に不備があった場合にエラー報知を行うエラー報知手段を備え、前記エラー報知手段は、前記ブレンド比率設定手段によって設定された各々の米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合にエラー報知を行うよう構成したものであり、ブレンド比率設定手段による設定ミスを炊飯を行う前に使用者に認識させることができ、ブレンド比率設定ミスのまま炊飯を行うことを防ぐことができるので、より確実に、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。また、図2は、同炊飯器の表示操作部を示すものである。
【0017】
図1に示すように、鍋1は、炊飯器本体(図示せず)の内部に着脱自在に収納し、内部に米と水を入れ、加熱手段2によって加熱される。鍋1の温度は鍋温度検知手段3によって検知され、加熱制御手段5に送られる。計時手段4は、時間を計時するもので、炊飯中の各炊飯工程(例えば、吸水工程)での経過時間を計測し、計測した時間を加熱制御手段5に送信する。記憶手段6は加熱制御手段5が炊飯時に使用する炊飯シーケンスを記憶するものである。
【0018】
ブレンド米設定手段7は、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせを設定するもので、図2に示すように、銘柄の設定を変更する銘柄キー10と、単一銘柄設定状態とブレンド米設定状態を切り換えるブレンドキー9と、ブレンド米設定時にブレンド米に含まれる銘柄の内どの銘柄の設定を変更するのかを選択する選択切換キー15とで構成し、使用者はLCD13に表示されている銘柄設定情報(図2は、コシヒカリときらら397のブレンドが設定されている状態)を見ながら、単一銘柄を設定する場合は、ブレンドキー9で単一銘柄設定状態にして銘柄キー10を押すことによって炊飯に使用する銘柄を設定し、ブレンド米を設定する場合は、ブレンドキー9でブレンド米設定状態にして選択切換キー15でブレンド米に含まれる銘柄の中で銘柄設定を変更したい銘柄を選択し、銘柄キー10を押すことによってブレンド米に含まれる銘柄を設定するようにしている。なお、図2において、12は取消キー、14は開始キーである。
【0019】
炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中から、ブレンド米設定手段7によって設定された単一銘柄またはブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、加熱制御手段5にその情報を送信する。加熱制御手段5は、炊飯シーケンス決定手段8が決定した記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスと鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と計時手段4が計測した各炊飯工程での経過時間に基づいて加熱手段2を制御して炊飯を行うよう構成している。
【0020】
上記構成において動作、作用を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0021】
まず、ステップS1では、使用者はブレンド米設定手段7の構成要素の1つであるブレンドキー9によって単一銘柄の設定を行うのかブレンド米の設定を行うのかを選択する。つぎに、ステップS2に進み、ステップS1でブレンド米の設定が選択されたかを判定し、ブレンド米の設定が選択されていない場合、すなわち単一銘柄の設定が選択されていた場合はステップS3に進み、ステップS3では、使用者はブレンド米設定手段7の構成要素の1つである銘柄キー10によって炊飯する銘柄を設定し、ステップS7に進む。
【0022】
一方、ステップS2において、ステップS1でブレンド米の設定が選択されたと判定した場合はステップS4に進み、ステップS4では、ブレンド米設定手段7の構成要素の1つである選択切換キー15によってブレンド米に含まれる複数の銘柄の内、設定を変更したい銘柄を選択してステップS5に進み、ステップS5では、ステップS4で選択した銘柄の設定を銘柄キー10によって変更する。つぎに、ステップS6に進み、使用者はブレンド米に含まれる複数の銘柄全ての設定が完了したかを判断し、全ての設定が完了していない場合はステップS4に戻り、全ての設定が完了するまでステップS4からステップS6までを繰り返す。
【0023】
一方、ステップS6において、使用者が全ての設定を完了したと判断した場合はステップS7に進む。ステップS7では、開始キー12による炊飯開始入力があったかを判定し、炊飯開始入力があった場合はステップS8に進み、炊飯開始入力がなかった場合は、ステップS1に戻り、再度、銘柄およびブレンド米の設定を受付ける状態となる。
【0024】
ステップS8では、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、ステップS9では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS3で設定された単一銘柄に適した炊飯シーケンスを決定し、ステップS11に進む。
【0025】
一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS10に進み、ステップS10では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS4およびステップS5で設定されたブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンス(例えば、軟質米であるコシヒカリと硬質米であるきらら397を組み合わせたブレンド米の場合は、吸水工程は軟質米に負担がかからないように常温で長めの時間自然吸水させた後に短時間の高温状態での吸水を行うことにより、軟質米が吸水過多状態になるのを防ぎつつ硬質米にも吸水させるようにし、炊き上げ工程は軟質米および硬質米の粒表面の組織が崩れないように沸騰点まで迅速に昇温させるようにし、沸騰維持工程は単位時間あたりの加熱量を低減し沸騰状態を長時間継続させることにより硬質米のα化を促進するようにした炊飯シーケンス)を決定し、ステップS11に進む。
【0026】
ステップS11では、ステップS9またはステップS10で決定した炊飯シーケンスと、鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と、計時手段4が計測した炊飯中の各工程での経過時間に基づき、加熱制御手段5が加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより炊飯を行う。つぎに、ステップS12に進み、炊飯の全工程が終了したかを判定する。ステップS12で炊飯の全工程が終了したと判定した場合は炊飯動作を終了し、炊飯の全工程が終了していないと判定した場合は、ステップS11に戻り、炊飯制御を継続する。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、ブレンド米設定手段7により炊飯開始前に炊飯するブレンド米に含まれる複数の米の銘柄を設定できるようにし、設定された複数の銘柄の組み合わせに基づいて炊飯シーケンス決定手段8が記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中から適した炊飯シーケンスを決定し、加熱制御手段5がその炊飯シーケンスを使用して炊飯を制御するようにすることにより、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄を設定しておくだけで、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、良好な食味のご飯を得ることができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、設定する銘柄としてコシヒカリやきらら397などの具体的な銘柄名を使用しているが、米の性質により分類した銘柄群(例えば、軟質米や硬質米など)などを使用しても構わない。
【0029】
また、本実施の形態では、2種類の銘柄を組み合わせたブレンド米を用いて説明しているが、3種類以上の銘柄を組み合わせても構わない。
【0030】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。また、図5は、同炊飯器の表示操作部を示すものである。
【0031】
図4に示すように、ブレンド比率設定手段16は、ブレンド米設定手段7により設定した各々の米の銘柄が炊飯に使用する米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定するものであり、図5におけるUPキー17とDOWNキー18によって構成し、使用者は、ブレンド米に含まれる銘柄の内、選択切換キー15によって選択した銘柄のブレンド比率をLCD13に表示されているブレンド比率設定情報(図5は、コシヒカリときらら397とのブレンド米におけるコシヒカリのブレンド比率が70%であると設定している状態)を見ながらUPキー17とDOWNキー18で比率を上下させることによって設定するようにしている。
【0032】
炊飯シーケンス決定手段8はブレンド比率設定手段16により設定されたブレンド比率に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定するようにするよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
上記構成において動作、作用を図6のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS12までの動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0034】
ステップS5でブレンド米に含まれる銘柄の設定を行った後、ステップS13に進み、ステップS13ではステップS5で設定した銘柄が米量全体に占める割合(ブレンド比率)をブレンド比率設定手段16によって設定する。つぎに、ステップS6に進み、ブレンド米に含まれる全銘柄の設定が完了していた場合はステップS7に進み、全銘柄の設定が完了していなかった場合はステップS4に戻り、銘柄およびブレンド比率の設定を引き続き行う。
【0035】
ステップS7で炊飯開始入力があった場合はステップS8に進み、ステップS8では、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS14に進む。
【0036】
ステップS14では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合(ブレンド比率)に適した炊飯シーケンスを決定し、ステップS11に進む。
【0037】
ステップS11では、ステップS9またはステップS14で決定した炊飯シーケンスと、鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と、計時手段4が計測した炊飯中の各工程での経過時間に基づき、加熱制御手段5が加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより炊飯を行う。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、ブレンド米設定手段7とブレンド比率設定手段16により炊飯開始前にブレンド米に含まれる銘柄と各々の銘柄が米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定できるようにし、設定されたブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせとそのブレンド比率に基づいて炊飯シーケンス決定手段8が記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中から適した炊飯シーケンスを決定し、加熱制御手段5がその炊飯シーケンスを使用して炊飯を制御するようにすることにより、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄とそのブレンド比率を設定しておくだけで、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせとそのブレンド比率に適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、ブレンド比率設定を百分率で設定するように説明しているが、米量全体に占める各銘柄の占める割合がわかるものであれば、他の方法で設定しても構わない。
【0040】
(実施の形態3)
図7は、本発明の第3の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0041】
図7に示すように、記憶手段6は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段8はブレンド米設定手段7とブレンド比率設定手段16によって設定されたブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、炊飯シーケンス補正手段19は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段6から炊飯シーケンス補正情報を取得し、炊飯シーケンス決定手段8が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正し、加熱制御手段5は炊飯シーケンス補正手段19による補正後の炊飯シーケンスと鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と計時手段4が計測した各炊飯工程での経過時間に基づいて加熱手段2を制御して炊飯を行うよう構成している。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
上記構成において動作、作用を図8のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS13までの動作は、上記実施の形態2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0043】
ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS15に進む。
【0044】
ステップS15では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる銘柄の中でブレンド比率が最も高い銘柄に適した炊飯シーケンスを決定し、ステップS16に進む。ステップS16では、ステップS15で決定した炊飯シーケンスを、ステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる銘柄の中でブレンド比率が最も高い銘柄を除いた残りの銘柄のブレンド比率に基づいて補正し、ステップS11に進む。
【0045】
ステップS11では、ステップS9で決定した炊飯シーケンス、またはステップS16で補正した炊飯シーケンスと、鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と、計時手段4が計測した炊飯中の各工程での経過時間に基づき、加熱制御手段5が加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより炊飯を行う。
【0046】
以上のように、本実施の形態においては、記憶手段6は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段8は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、炊飯シーケンス補正手段19は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段6から炊飯シーケンス補正情報を取得し、炊飯シーケンス決定手段8が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正するようにすることにより、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。また、ブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を使用する構成のため、複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合ごとの全ての炊飯シーケンスを用意しておく構成と比較して、小さな記憶容量で実現することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報の両方を1つの記憶手段に記憶しておく構成で説明したが、記憶手段を1つ追加し、それぞれ別の記憶手段に記憶しておく構成にしても構わない。
【0048】
(実施の形態4)
図9は、本発明の第4の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0049】
図9に示すように、エラー報知手段20は、ブレンド比率設定手段16による設定に不備があった場合にエラー報知を行うもので、このエラー報知手段20は、ブレンド比率設定手段16によって設定された各々の米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合にエラー報知を行うよう構成している。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
上記構成において動作、作用を図10のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS14までの動作は、上記実施の形態2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0051】
ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS17に進む。
【0052】
ステップS17では、エラー報知手段20はステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる各銘柄のブレンド比率の合計が100%になっているかを判定し、ブレンド比率の合計が100%になっている場合はステップS14に進んで炊飯シーケンスを決定してステップS11に進み炊飯動作を開始する。
【0053】
一方、ブレンド比率の合計が100%になっていない場合はステップS18に進み、ステップS18ではエラー報知手段20により、ブレンド比率の合計が100%になっていない事を使用者にお知らせするためのエラー報知を行い、ステップS1に戻り、再度、銘柄およびブレンド米の設定を受付ける状態となる。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、ブレンド比率設定手段16によって設定されたブレンド米に含まれる各米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合に、エラー報知手段20によってエラー報知を行うようにすることにより、ブレンド比率設定手段16による設定ミスを炊飯を行う前に使用者に認識させることが可能となり、ブレンド比率設定ミスのまま炊飯を行うことを防ぐことができるので、より確実に、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米を炊飯する場合にも、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行い、より良好な食味のご飯を得ることができるので、炊飯する米の銘柄を設定し、設定された銘柄に合わせた炊飯シーケンスで炊飯できる炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図
【図2】同炊飯器の表示操作部を示す図
【図3】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2における炊飯器のブロック図
【図5】同炊飯器の表示操作部を示す図
【図6】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態3における炊飯器のブロック図
【図8】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態4における炊飯器のブロック図
【図10】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図11】従来の炊飯器の炊飯シーケンスを示す図
【符号の説明】
【0057】
1 鍋
2 加熱手段
3 鍋温度検知手段
4 計時手段
5 加熱制御手段
6 記憶手段
7 ブレンド米設定手段
8 炊飯シーケンス決定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯する米の銘柄を設定し、設定された銘柄に合わせた炊飯シーケンスで炊飯できる炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の炊飯器は、図11に示すように、米でんぷんの糊化開始温度より少し低い温度に水温を保ちながら米に水を吸わせる吸水工程と、鍋内を沸騰させる炊き上げ工程と、ふきこぼれの防止のために一定時間弱火加熱を行い鍋内の沸騰状態を鎮めるパワーダウン工程と、鍋内の水がなくなるまで沸騰を維持し米を吸水糊化させる沸騰維持工程と、飯粒表面に残存する遊離水を飯粒に吸収させ糊化を促進させる蒸らし工程とからなる炊飯シーケンスに従い炊飯を行っている。
【0003】
しかしながら、米にはさまざまな銘柄があり、銘柄によって性質が異なるため、これら性質の異なる銘柄の米に対して同一の炊飯シーケンスで炊飯して、米本来のおいしさを最大限に引き出すことは不可能であった。すなわち、たとえば魚沼産コシヒカリなどに代表される非常に組織の柔らかい性質の米を炊くと、炊飯中に粒の組織が崩れてべちゃつきの多い食感の悪いご飯になってしまったり、反対に北海道産米などに代表される組織の硬い性質の米を炊くと、粒の芯が硬く粘りのないご飯になってしまい、好ましい食味が得られないという問題があった。
【0004】
その理由としては、吸水工程では、吸水を促進するためおよび吸水中の糖化酵素作用を促進させるために米の中の澱粉の糊化が開始する温度より少し低い程度の高温に米と水を一定時間保っているが、広く知られているように、米の吸水速度(米が吸水時間の経過とともにどれだけの水を吸収するかを示したもの)は米の銘柄によって異なるので、吸水の速い、組織の柔らかい性質の米は過剰吸水となって次第に澱粉が溶け出しその後の炊飯工程で粒の崩れやべたつきを生じてしまう一方、吸水の遅い、組織の硬い性質の米は粒の中心まで充分に吸水しきれないまま炊き上げ工程に進んでしまいその後の炊飯工程でもなかなか澱粉のα化(アルファ化)が進まないからである。
【0005】
そこで、従来の炊飯器では、炊飯を行う前に炊飯する米の銘柄を設定できるようにして、設定された銘柄の性質に合わせた炊飯シーケンスで炊飯を行うことにより、米本来のおいしさを最大限に引き出すようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−300963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の炊飯器では、単一の銘柄の米本来のおいしさを最大限に引き出すことを目的にしており、ブレンド米(料理や好みに応じて異なる銘柄を組み合わせたもの)については考慮されておらず、例えば、魚沼産コシヒカリなどに代表される軟質米と北海道産米などに代表される硬質米をブレンドしたブレンド米を、軟質米にあわせた炊飯シーケンスで炊飯した場合は、吸水工程での硬質米への吸水が不足した状態で炊き上げ工程に進んでしまい、その後の炊飯工程でもなかなか澱粉のα化が進まず、結果として粒の芯が硬く粘りのないご飯になってしまい、反対に硬質米にあわせた炊飯シーケンスで炊飯した場合は、吸水工程での軟質米への吸水が過剰状態となり、結果として粒の組織が崩れてべちゃつきの多い食感の悪いご飯になってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、炊飯を行う前に炊飯するブレンド米に含まれる複数の銘柄を設定できるようにして、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことにより、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米をより良好な食味で炊き上げることができる炊飯器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、炊飯器本体の内部に収納され米と水を入れる鍋を加熱手段により加熱し、鍋の温度を鍋温度検知手段により検知し、加熱手段を加熱制御手段により制御し、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせをブレンド米設定手段により設定し、ブレンド米設定手段により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて炊飯シーケンス決定手段により記憶手段に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定するよう構成し、加熱制御手段は、炊飯シーケンス決定手段がブレンド米設定手段によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと鍋温度検知手段の検知温度と計時手段が計時した時間に基づき加熱手段を制御して炊飯を行うよう構成したものである。
【0009】
これにより、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米を炊飯する場合にも、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせを設定しておくだけで、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米をより良好な食味で炊き上げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炊飯器は、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米を炊飯する場合にも、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行い、より良好な食味のご飯を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、炊飯器本体の内部に収納され米と水を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、炊飯シーケンスを記憶する記憶手段と、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせを設定するブレンド米設定手段と、前記ブレンド米設定手段により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて前記記憶手段に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定する炊飯シーケンス決定手段とを備え、前記加熱制御手段は、前記炊飯シーケンス決定手段が前記ブレンド米設定手段によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと前記鍋温度検知手段の検知温度と前記計時手段が計時した時間に基づき前記加熱手段を制御して炊飯を行うよう構成したものであり、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせを設定しておくだけで、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、良好な食味のご飯を得ることができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、ブレンド米設定手段により設定した各々の米の銘柄が炊飯に使用する米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定するブレンド比率設定手段を備え、炊飯シーケンス決定手段は、前記ブレンド比率設定手段により設定されたブレンド比率に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定するよう構成したものであり、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、ブレンド比率に基づいて炊飯シーケンスを補正する炊飯シーケンス補正手段を備え、記憶手段は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、前記炊飯シーケンス補正手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段から炊飯シーケンス補正情報を取得し、前記炊飯シーケンス決定手段が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正するよう構成したものであり、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。また、ブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を使用する構成のため、複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合ごとの全ての炊飯シーケンスを用意しておく構成と比較して、小さな記憶容量で実現することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、ブレンド比率設定手段による設定に不備があった場合にエラー報知を行うエラー報知手段を備え、前記エラー報知手段は、前記ブレンド比率設定手段によって設定された各々の米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合にエラー報知を行うよう構成したものであり、ブレンド比率設定手段による設定ミスを炊飯を行う前に使用者に認識させることができ、ブレンド比率設定ミスのまま炊飯を行うことを防ぐことができるので、より確実に、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行うことができ、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。また、図2は、同炊飯器の表示操作部を示すものである。
【0017】
図1に示すように、鍋1は、炊飯器本体(図示せず)の内部に着脱自在に収納し、内部に米と水を入れ、加熱手段2によって加熱される。鍋1の温度は鍋温度検知手段3によって検知され、加熱制御手段5に送られる。計時手段4は、時間を計時するもので、炊飯中の各炊飯工程(例えば、吸水工程)での経過時間を計測し、計測した時間を加熱制御手段5に送信する。記憶手段6は加熱制御手段5が炊飯時に使用する炊飯シーケンスを記憶するものである。
【0018】
ブレンド米設定手段7は、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせを設定するもので、図2に示すように、銘柄の設定を変更する銘柄キー10と、単一銘柄設定状態とブレンド米設定状態を切り換えるブレンドキー9と、ブレンド米設定時にブレンド米に含まれる銘柄の内どの銘柄の設定を変更するのかを選択する選択切換キー15とで構成し、使用者はLCD13に表示されている銘柄設定情報(図2は、コシヒカリときらら397のブレンドが設定されている状態)を見ながら、単一銘柄を設定する場合は、ブレンドキー9で単一銘柄設定状態にして銘柄キー10を押すことによって炊飯に使用する銘柄を設定し、ブレンド米を設定する場合は、ブレンドキー9でブレンド米設定状態にして選択切換キー15でブレンド米に含まれる銘柄の中で銘柄設定を変更したい銘柄を選択し、銘柄キー10を押すことによってブレンド米に含まれる銘柄を設定するようにしている。なお、図2において、12は取消キー、14は開始キーである。
【0019】
炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中から、ブレンド米設定手段7によって設定された単一銘柄またはブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、加熱制御手段5にその情報を送信する。加熱制御手段5は、炊飯シーケンス決定手段8が決定した記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスと鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と計時手段4が計測した各炊飯工程での経過時間に基づいて加熱手段2を制御して炊飯を行うよう構成している。
【0020】
上記構成において動作、作用を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0021】
まず、ステップS1では、使用者はブレンド米設定手段7の構成要素の1つであるブレンドキー9によって単一銘柄の設定を行うのかブレンド米の設定を行うのかを選択する。つぎに、ステップS2に進み、ステップS1でブレンド米の設定が選択されたかを判定し、ブレンド米の設定が選択されていない場合、すなわち単一銘柄の設定が選択されていた場合はステップS3に進み、ステップS3では、使用者はブレンド米設定手段7の構成要素の1つである銘柄キー10によって炊飯する銘柄を設定し、ステップS7に進む。
【0022】
一方、ステップS2において、ステップS1でブレンド米の設定が選択されたと判定した場合はステップS4に進み、ステップS4では、ブレンド米設定手段7の構成要素の1つである選択切換キー15によってブレンド米に含まれる複数の銘柄の内、設定を変更したい銘柄を選択してステップS5に進み、ステップS5では、ステップS4で選択した銘柄の設定を銘柄キー10によって変更する。つぎに、ステップS6に進み、使用者はブレンド米に含まれる複数の銘柄全ての設定が完了したかを判断し、全ての設定が完了していない場合はステップS4に戻り、全ての設定が完了するまでステップS4からステップS6までを繰り返す。
【0023】
一方、ステップS6において、使用者が全ての設定を完了したと判断した場合はステップS7に進む。ステップS7では、開始キー12による炊飯開始入力があったかを判定し、炊飯開始入力があった場合はステップS8に進み、炊飯開始入力がなかった場合は、ステップS1に戻り、再度、銘柄およびブレンド米の設定を受付ける状態となる。
【0024】
ステップS8では、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、ステップS9では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS3で設定された単一銘柄に適した炊飯シーケンスを決定し、ステップS11に進む。
【0025】
一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS10に進み、ステップS10では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS4およびステップS5で設定されたブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンス(例えば、軟質米であるコシヒカリと硬質米であるきらら397を組み合わせたブレンド米の場合は、吸水工程は軟質米に負担がかからないように常温で長めの時間自然吸水させた後に短時間の高温状態での吸水を行うことにより、軟質米が吸水過多状態になるのを防ぎつつ硬質米にも吸水させるようにし、炊き上げ工程は軟質米および硬質米の粒表面の組織が崩れないように沸騰点まで迅速に昇温させるようにし、沸騰維持工程は単位時間あたりの加熱量を低減し沸騰状態を長時間継続させることにより硬質米のα化を促進するようにした炊飯シーケンス)を決定し、ステップS11に進む。
【0026】
ステップS11では、ステップS9またはステップS10で決定した炊飯シーケンスと、鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と、計時手段4が計測した炊飯中の各工程での経過時間に基づき、加熱制御手段5が加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより炊飯を行う。つぎに、ステップS12に進み、炊飯の全工程が終了したかを判定する。ステップS12で炊飯の全工程が終了したと判定した場合は炊飯動作を終了し、炊飯の全工程が終了していないと判定した場合は、ステップS11に戻り、炊飯制御を継続する。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、ブレンド米設定手段7により炊飯開始前に炊飯するブレンド米に含まれる複数の米の銘柄を設定できるようにし、設定された複数の銘柄の組み合わせに基づいて炊飯シーケンス決定手段8が記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中から適した炊飯シーケンスを決定し、加熱制御手段5がその炊飯シーケンスを使用して炊飯を制御するようにすることにより、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄を設定しておくだけで、設定された複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、良好な食味のご飯を得ることができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、設定する銘柄としてコシヒカリやきらら397などの具体的な銘柄名を使用しているが、米の性質により分類した銘柄群(例えば、軟質米や硬質米など)などを使用しても構わない。
【0029】
また、本実施の形態では、2種類の銘柄を組み合わせたブレンド米を用いて説明しているが、3種類以上の銘柄を組み合わせても構わない。
【0030】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。また、図5は、同炊飯器の表示操作部を示すものである。
【0031】
図4に示すように、ブレンド比率設定手段16は、ブレンド米設定手段7により設定した各々の米の銘柄が炊飯に使用する米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定するものであり、図5におけるUPキー17とDOWNキー18によって構成し、使用者は、ブレンド米に含まれる銘柄の内、選択切換キー15によって選択した銘柄のブレンド比率をLCD13に表示されているブレンド比率設定情報(図5は、コシヒカリときらら397とのブレンド米におけるコシヒカリのブレンド比率が70%であると設定している状態)を見ながらUPキー17とDOWNキー18で比率を上下させることによって設定するようにしている。
【0032】
炊飯シーケンス決定手段8はブレンド比率設定手段16により設定されたブレンド比率に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定するようにするよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
上記構成において動作、作用を図6のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS12までの動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0034】
ステップS5でブレンド米に含まれる銘柄の設定を行った後、ステップS13に進み、ステップS13ではステップS5で設定した銘柄が米量全体に占める割合(ブレンド比率)をブレンド比率設定手段16によって設定する。つぎに、ステップS6に進み、ブレンド米に含まれる全銘柄の設定が完了していた場合はステップS7に進み、全銘柄の設定が完了していなかった場合はステップS4に戻り、銘柄およびブレンド比率の設定を引き続き行う。
【0035】
ステップS7で炊飯開始入力があった場合はステップS8に進み、ステップS8では、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS14に進む。
【0036】
ステップS14では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合(ブレンド比率)に適した炊飯シーケンスを決定し、ステップS11に進む。
【0037】
ステップS11では、ステップS9またはステップS14で決定した炊飯シーケンスと、鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と、計時手段4が計測した炊飯中の各工程での経過時間に基づき、加熱制御手段5が加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより炊飯を行う。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、ブレンド米設定手段7とブレンド比率設定手段16により炊飯開始前にブレンド米に含まれる銘柄と各々の銘柄が米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定できるようにし、設定されたブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせとそのブレンド比率に基づいて炊飯シーケンス決定手段8が記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中から適した炊飯シーケンスを決定し、加熱制御手段5がその炊飯シーケンスを使用して炊飯を制御するようにすることにより、炊飯を行う前にブレンド米に含まれる複数の銘柄とそのブレンド比率を設定しておくだけで、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせとそのブレンド比率に適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、ブレンド比率設定を百分率で設定するように説明しているが、米量全体に占める各銘柄の占める割合がわかるものであれば、他の方法で設定しても構わない。
【0040】
(実施の形態3)
図7は、本発明の第3の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0041】
図7に示すように、記憶手段6は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段8はブレンド米設定手段7とブレンド比率設定手段16によって設定されたブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、炊飯シーケンス補正手段19は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段6から炊飯シーケンス補正情報を取得し、炊飯シーケンス決定手段8が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正し、加熱制御手段5は炊飯シーケンス補正手段19による補正後の炊飯シーケンスと鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と計時手段4が計測した各炊飯工程での経過時間に基づいて加熱手段2を制御して炊飯を行うよう構成している。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
上記構成において動作、作用を図8のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS13までの動作は、上記実施の形態2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0043】
ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS15に進む。
【0044】
ステップS15では、炊飯シーケンス決定手段8は、記憶手段6に記憶されている炊飯シーケンスの中からステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる銘柄の中でブレンド比率が最も高い銘柄に適した炊飯シーケンスを決定し、ステップS16に進む。ステップS16では、ステップS15で決定した炊飯シーケンスを、ステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる銘柄の中でブレンド比率が最も高い銘柄を除いた残りの銘柄のブレンド比率に基づいて補正し、ステップS11に進む。
【0045】
ステップS11では、ステップS9で決定した炊飯シーケンス、またはステップS16で補正した炊飯シーケンスと、鍋温度検知手段3が検知した鍋1の温度と、計時手段4が計測した炊飯中の各工程での経過時間に基づき、加熱制御手段5が加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより炊飯を行う。
【0046】
以上のように、本実施の形態においては、記憶手段6は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段8は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、炊飯シーケンス補正手段19は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段6から炊飯シーケンス補正情報を取得し、炊飯シーケンス決定手段8が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正するようにすることにより、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。また、ブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を使用する構成のため、複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合ごとの全ての炊飯シーケンスを用意しておく構成と比較して、小さな記憶容量で実現することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報の両方を1つの記憶手段に記憶しておく構成で説明したが、記憶手段を1つ追加し、それぞれ別の記憶手段に記憶しておく構成にしても構わない。
【0048】
(実施の形態4)
図9は、本発明の第4の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0049】
図9に示すように、エラー報知手段20は、ブレンド比率設定手段16による設定に不備があった場合にエラー報知を行うもので、このエラー報知手段20は、ブレンド比率設定手段16によって設定された各々の米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合にエラー報知を行うよう構成している。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
上記構成において動作、作用を図10のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS14までの動作は、上記実施の形態2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0051】
ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されたかを判定し、ブレンド米が選択されていない場合、すなわち単一銘柄が選択されていた場合はステップS9に進み、一方、ステップS8で、ステップS1においてブレンド米が選択されていたと判定した場合はステップS17に進む。
【0052】
ステップS17では、エラー報知手段20はステップS4、ステップS5、ステップS13で設定されたブレンド米に含まれる各銘柄のブレンド比率の合計が100%になっているかを判定し、ブレンド比率の合計が100%になっている場合はステップS14に進んで炊飯シーケンスを決定してステップS11に進み炊飯動作を開始する。
【0053】
一方、ブレンド比率の合計が100%になっていない場合はステップS18に進み、ステップS18ではエラー報知手段20により、ブレンド比率の合計が100%になっていない事を使用者にお知らせするためのエラー報知を行い、ステップS1に戻り、再度、銘柄およびブレンド米の設定を受付ける状態となる。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、ブレンド比率設定手段16によって設定されたブレンド米に含まれる各米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合に、エラー報知手段20によってエラー報知を行うようにすることにより、ブレンド比率設定手段16による設定ミスを炊飯を行う前に使用者に認識させることが可能となり、ブレンド比率設定ミスのまま炊飯を行うことを防ぐことができるので、より確実に、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせと各々の銘柄の割合に適した炊飯シーケンスで炊飯を行えるようになり、さらに良好な食味のご飯を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、複数の銘柄を組み合わせたブレンド米を炊飯する場合にも、ブレンド米に含まれる複数の銘柄の組み合わせに適した炊飯シーケンスで炊飯を行い、より良好な食味のご飯を得ることができるので、炊飯する米の銘柄を設定し、設定された銘柄に合わせた炊飯シーケンスで炊飯できる炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図
【図2】同炊飯器の表示操作部を示す図
【図3】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2における炊飯器のブロック図
【図5】同炊飯器の表示操作部を示す図
【図6】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態3における炊飯器のブロック図
【図8】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態4における炊飯器のブロック図
【図10】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図11】従来の炊飯器の炊飯シーケンスを示す図
【符号の説明】
【0057】
1 鍋
2 加熱手段
3 鍋温度検知手段
4 計時手段
5 加熱制御手段
6 記憶手段
7 ブレンド米設定手段
8 炊飯シーケンス決定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体の内部に収納され米と水を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、炊飯シーケンスを記憶する記憶手段と、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせを設定するブレンド米設定手段と、前記ブレンド米設定手段により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて前記記憶手段に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定する炊飯シーケンス決定手段とを備え、前記加熱制御手段は、前記炊飯シーケンス決定手段が前記ブレンド米設定手段によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと前記鍋温度検知手段の検知温度と前記計時手段が計時した時間に基づき前記加熱手段を制御して炊飯を行うよう構成した炊飯器。
【請求項2】
ブレンド米設定手段により設定した各々の米の銘柄が炊飯に使用する米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定するブレンド比率設定手段を備え、炊飯シーケンス決定手段は、前記ブレンド比率設定手段により設定されたブレンド比率に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定するよう構成した請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
ブレンド比率に基づいて炊飯シーケンスを補正する炊飯シーケンス補正手段を備え、記憶手段は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、前記炊飯シーケンス補正手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段から炊飯シーケンス補正情報を取得し、前記炊飯シーケンス決定手段が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正するよう構成した請求項2記載の炊飯器。
【請求項4】
ブレンド比率設定手段による設定に不備があった場合にエラー報知を行うエラー報知手段を備え、前記エラー報知手段は、前記ブレンド比率設定手段によって設定された各々の米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合にエラー報知を行うよう構成した請求項2または3記載の炊飯器。
【請求項1】
炊飯器本体の内部に収納され米と水を入れる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、炊飯シーケンスを記憶する記憶手段と、ブレンド米に含まれる複数の米の銘柄の組み合わせを設定するブレンド米設定手段と、前記ブレンド米設定手段により設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて前記記憶手段に記憶している炊飯シーケンスの中から使用する炊飯シーケンスを決定する炊飯シーケンス決定手段とを備え、前記加熱制御手段は、前記炊飯シーケンス決定手段が前記ブレンド米設定手段によって設定された複数の米の銘柄の組み合わせに基づいて決定した炊飯シーケンスと前記鍋温度検知手段の検知温度と前記計時手段が計時した時間に基づき前記加熱手段を制御して炊飯を行うよう構成した炊飯器。
【請求項2】
ブレンド米設定手段により設定した各々の米の銘柄が炊飯に使用する米量全体に占める割合(ブレンド比率)を設定するブレンド比率設定手段を備え、炊飯シーケンス決定手段は、前記ブレンド比率設定手段により設定されたブレンド比率に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定するよう構成した請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
ブレンド比率に基づいて炊飯シーケンスを補正する炊飯シーケンス補正手段を備え、記憶手段は、各銘柄に適した炊飯シーケンスとブレンド比率に基づいた炊飯シーケンス補正情報を記憶し、炊飯シーケンス決定手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄に基づいて使用する炊飯シーケンスを決定し、前記炊飯シーケンス補正手段は、ブレンド比率が最も高い米の銘柄を除いた残りの米の銘柄のブレンド比率に基づいて記憶手段から炊飯シーケンス補正情報を取得し、前記炊飯シーケンス決定手段が決定した炊飯シーケンスを炊飯シーケンス補正情報に基づいて補正するよう構成した請求項2記載の炊飯器。
【請求項4】
ブレンド比率設定手段による設定に不備があった場合にエラー報知を行うエラー報知手段を備え、前記エラー報知手段は、前記ブレンド比率設定手段によって設定された各々の米の銘柄のブレンド比率の合計が100%にならない場合にエラー報知を行うよう構成した請求項2または3記載の炊飯器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−129913(P2006−129913A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318970(P2004−318970)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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