説明

炭素処理された内面を有する非炭酸食品用プラスチック容器

【課題】特に非炭酸飲料用に適した高密度ポリエチレンをベースとするプラスチック容器、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ブロー成形または押出成形された容器は、バリア特性を有しており、また開口13を有する上壁部、上壁部12の下に位置した中間側壁部14、容器を支持するために中間側壁部の下に位置した基部16を含んでいる。容器は、内面22および外面を有し且つ高密度ポリエチレンから形成された成形された第1の層、および第1の層の内面上に形成されると共にこれに接着され且つ第1の層と実質的に同じ広がりを有する炭素被覆を含んでおり、炭素被覆は約10ミクロンより小さい厚みを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度ポリエチレン(HDPE)を基材とする、特に非炭酸食品用のプラスチック容器に関する。特に、本発明は、バリア特性を持ち、且つ炭素被覆/炭素処理された内面を有する、高密度ポリエチレンに基づく、成形されたプラスチック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
バリア特性を持ったプラスチック容器を提供することが大いに望まれ、さらに、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いるプラスチック容器を提供することも大いに望まれている。高密度ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)における重合体鎖(ポリマー鎖)のアモルファスつまり非晶質のもつれ(tangle)よりも、より規則性のある結晶である。また高密度ポリエチレンは低密度ポリエチレンに比べ丈夫で硬い。しかしながら、高密度ポリエチレンは、一般に、バリア特性を持っておらず、また酸素透過率が小さい。このため、高密度ポリエチレンを用いる経済的な望ましさにも拘わらず、この材料を使用することは実用的ではなかった。
【0003】
HDPEは、この材料の大きな浸透性(多孔性)を効率的且つ低コストで克服する方法を案出できる場合には、その低価格で望ましい特性のため、飲料などの非炭酸食品に用いることが特に望ましい。
【0004】
多層プラスチック容器は、食品および飲料、医薬、健康および美容、並びに、家庭製品を含む広範な分野において、商品をパッケージつまり包装などするために一般に用いられている。プラスチック容器は、成形が容易であり、コスト競争力があり、軽量であって、多くの用途に略適していることが知られている。多層プラスチック容器は、各層に異なった材料を使用できる利点があり、各材料に所望の機能を行うのに適した特定の特性を持たせることができる。
【0005】
プラスチック容器は、その物理構造が酸素や二酸化炭素のような低分子ガスが緩やかに通り抜けるのを許容するので、プラスチック容器の使用は、金属やガラスのような他の浸透性のより小さな材料から形成された容器と比べて、より望ましくない。多くの用途において、製品内容物の貯蔵寿命(賞味期限や有効期限)は、この分子浸透を効果的に処理するためのパッケージ能力に直接関係している。ジュースのような非炭酸飲料の場合、容器の周囲の大気中の酸素が、容器のプラスチック壁を通して徐々に内方に浸透し、容器の内側に達して内容物を劣化させる。高密度ポリエチレンのような浸透性の大きな容器は、容器内容物の風味を急速に劣化させてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したいくつかの問題点を解消すべく、プラスチック容器製造者は、その種のガスの吸収および/または浸透を減少ないし無くすための様々な技術を利用してきた。一般的ないくつか技術には、容器の壁の全部または部分的な厚みを増すこと、1層以上のバリア層を壁構造に組み込むこと、脱酸素または酸素反応材料を容器壁内部に含ませること、および容器の内面および/または外面に種々のコーティングを塗布すること、が含まれる。しかしながら、従来の多くのバリアおよび/または脱酸素剤は、特に長期間に亘って浸透性の大きな容器の壁を介しての浸透を効果的に低減できない。更に、通常、従来のほとんど技術に関連した他の実際的な問題、最も一般的なものとしては材料コストの増加および/または製造の非効率性、がある。
【0007】
近時、プラスチックの使用は、重要な社会的課題になってきている。リサイクルがますます重要な環境的関心事になってきており、多くの政府および監督機関がその問題の処理を続けている。多くの管内において、プラスチック容器の収集、返還、および再利用に関する立法が考慮され、あるいは既に制定されている。
【0008】
更に、その望ましい特性のため、高密度ポリエチレンは飲料など特に非炭酸食品にとって特に好ましい材料である。例えば高強度を有し、且つ低価格である。魅力的な着色製品を提供するためにカラーコンセントレート(カラーマスターバッチ)が容易に使用でき、また紫外線光による悪影響を低減ないし無くすことができる。更に、多種多様なカラーコンセントレートを効果的に使用できる。優れた加工可能性と優れた収縮性を有する。
【0009】
よって、業界において必要性があり、また本発明の目的は、特にジュースのような非炭酸飲料を保持ないし入れるために適した、高密度ポリエチレンをベースつまり基材とするプラスチック容器を提供すること、および別の材料から形成された市販の容器と比較したときに許容可能なレベルの性能を提供することである。さらに、従来の設備を用いて大量且つ営利的な割合でこの種の容器を製造する方法に対する必要性がある。
【0010】
本発明の別の目的および必要性は、バリア特性を持ち、且つ従来の多層プラスチック容器の高コストの不都合を最小化あるいは無くすことができる、高密度ポリエチレンをベースとする容器を提供することである。他の目的は、これを、妥当なコストで、工業的に実行可能な工程で、また効率的な製品として行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的および利点は本発明により容易に得ることが知得された。
特に非炭酸食品、特に飲料を保持するために使用される従来の多層プラスチック容器に関連した問題および重要性を認識して、強化されたガスバリア特性を有し、また高密度ポリエチレンをベースとする、プラスチック容器が好適に提供される。本発明の原理により構成された容器は、従来得られるものを越えるいくつかの利点を提供する。これらの利点は、概略的には、所望の高密度ポリエチレンの使用、および容器内面の炭素被覆(炭素コーティング)により実現される。本発明の容器が望ましくは脱酸素材料をも含み、また多層構造を有することは大きな利点である。さらに、この改良された容器は、従来の処理技術(加工技術)および製造設備を使用して製造できる。
【0012】
本発明の重要な特長は、望ましい高密度ポリエチレンを含む容器であることに関連する機能的および商業的(工業的)利益を有する本発明の容器の有効ないし効果的なバリア特性である。更に、本発明の原理により製造された容器を後でリサイクルする際の容易性は、本発明の実施を極めて有利にする。更に加えて、本発明は、製造者が、容器の内側層および/または外側層の縦方向の長さに沿ったいずれかの所定の位置ないし場所において材料の配置および壁厚を制御ないし調整自在に変更できるという付加的な利点を提供する。
【0013】
本発明の原理によれば、飲料などの非炭酸食品に特に適したもので、上壁部、上壁部の下側に位置した中間の側壁部(中間側壁部)、および中間側壁部の下側に位置し且つ容器を従属的(依存的)または独立的に支持するのに適合された基部を有する、ブロー成形あるいは押出成形された容器が提供される。この容器は、内面および外面を有し高密度ポリエチレンから形成された第1の層、および、第1の外側層の内面に隣接し好ましくはこの内面上に形成されると共にこれに接着され、また第1の層と実質的に同じ広がりを有する炭素被覆を含んでいる。好ましい実施形態において、第1の層の厚みは、その縦方向の長さに沿って調整自在に変えられる。必要に応じて、第1の層に、その中に組み入れられる付加的なバリア材料および/または脱酸素/酸素反応材料を含ませることもできる。
【0014】
本発明の原理によれば、大きな価値がある多層容器を提供するために、容器は第1の層に隣接した第2の層を含んでもよく、第2の層は第1の層の内面および第1の層の外面の少なくとも一方に隣接する。
【0015】
本発明において使用されるHDPEは約0.940グラム/ccを超える密度を有する。
【0016】
本発明の容器は食品などの非炭酸製品に特に適しているが、COや窒素のようなガスをその中に注入することが好ましい製品にもまた適している。
【0017】
本発明の他のおよび別の利点並びに新規な特徴は、例示および実例として本発明の実施形態が開示されている、発明を実施するための最良の形態の以下の詳細な説明を添付図面と関連させたときに、容易に明らかとなる。
本発明は、添付図面を考慮することでより容易に理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、同様の参照数字および文字が同様の構成要素を示している図面を詳細に参照すると、図1には、本発明の原理により構成された容器10の正面図が示されている。容器10は、典型的には、開口13を含む上壁部12、上壁部12の下側に位置した中間側壁部14、および中間側壁部14の下側に位置した基部16を含んでいる。基部16は、従属的(依存的)、即ち、ベースカップないし底蓋(図示せず)のような別の物体を用いて、または、独立的、即ち、略平らな表面上に容器を真直ぐに立たせるための他の物体を必要とせずに、容器10を支持するために適合されている。好ましい実施形態では、容器10は図1に図示されたような、内側凹部18により形成される自立ベースによって支持されるが、従来技術において公知のその他のベース構造も使用可能である。
【0019】
図1の領域1A、1Bおよび1Cの夫々の拡大詳細図を提供する図2〜図4を参照すると、容器10は、(a)縦方向の長さおよび内面22を有する成形された内側層20と、(b)成形された外側層24と、(c)中心の縦軸Aとを含んでいる。成形された内側層20の内面22は、炭素26の薄い層または膜によって、少なくとも部分的に被覆されている。外側層24により内側層20を完全に包囲する必要は無いが、成形された外側層24は、内側層20と実質的に一緒に広がって、つまり、同じ広がりを有し、容器10の壁への構造的支持を提供するのが好ましい。
【0020】
成形された内側層20は熱可塑性材料で構成される。以下の樹脂が、内側層20のプラスチック材料として用いられて良い。ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、エチレン−(ビニルアルコール)共重合体樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ポリビニル樹脂、塩化ポリビニリデン樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アイオノマー樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等である。食料製品が内容物として内包されるときには、内側層20は、好ましくは、未使用のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、および/または、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの混合物から形成される。しかしながら、他の熱可塑性樹脂、特に食料製品との接触が認可されたものも同様に使用しても良い。
【0021】
成形された外側層24は、高密度ポリエチレンで構成され、容器の主要な大部分を提供する。
【0022】
好ましい実施形態では、内側層20は、その縦方向の長さ(縦長さ)に沿って、0.5ミル〜5ミル(0.0127mm〜0.127mm)の範囲、より好ましくは、1〜2ミル(0.0254mm〜0.0508mm)の間の壁厚を有している。図1および図2、3、および4に図示されたように、内側層の厚さは、縦方向の長さに沿って変更されても良い。このように、容器10の異なる部分を縦方向mp長さに沿ってその厚みを自由に調整でき、これにより材料用途を改善しおよび設計自由度が増大する。例えば、上部12(図2に示されたような)に位置した内側層20の厚みを中間側壁部14(図3に示されたような)よりも薄くすることができる。同様に、基壁部16(図4に示されたような)での内側層20の厚みを中間側壁部14(図3に示されたような)内の同層の厚みよりも厚くできる。
【0023】
本発明の特徴を持たせる場合、内側層は、容器10の全重量の0.60(0.60倍)未満の重量、好ましくは、容器10の全重量の0.30(0.30倍)未満、より好ましくは、容器10の全重量の約0.15(0.15倍)未満で構成される。特に、他の従来の多層容器と比較したときに、例外的に薄い内側層20を利用できる本発明の能力は、容器の大部分を低価格な高密度ポリエチレンで作れる場合、大きな経済的利点および報酬を提供できる。
【0024】
最初に説明した通り、内側層20の内面22は、容器10に強化されたバリア特性を提供する炭素26の薄い層で被覆されている。好ましい実施形態では、炭素被覆(炭素被覆層)26は、窒素がドーピングされた、高度に水素化された非晶質(非晶形)の炭素で構成されている。炭素被覆26の厚みは約10μm未満であり、被覆26の重さは、容器の全重量の約1/10,000(1/10,000倍)未満である。本発明の重要な特徴は、僅か約3mgの炭素被覆26が、500ccプラスチック容器を処理するのに必要であることである。更に、炭素被覆26の顕著な薄さにかかわらず、得られるバリア保護の量は非常に大きく、酸素および二酸化炭素の浸透からの保護は、金属缶およびガラスビンで見られる保護と比較したとき、有利である。
【0025】
高密度ポリエチレンよりなる成形された外側層24は、容器10の全重量の少なくとも約0.40(0.40倍)の重量で構成される。但し、特定の用途のためには、容器10の全重量の0.90(0.90倍)より多く構成できる。好ましい実施形態では、外側層24は、その縦方向の長さに沿って、6〜23ミル(0.1524mm〜0.5842mm)の範囲の壁厚を有する。図1並びに図2、3、および、4に図示されているように、外側層の厚みもまた、その縦方向の長さに沿って別々におよび独立的に変更できる。このように、容器10の異なる部分(中心縦軸Aに垂直にとった)は、全てデザインにより、異なる内側層厚、異なる外側層厚、および/または、異なる全体厚寸法を持たせることができる。例えば、上部12(図2に示されるような)に位置した成形された外側層24の厚みは、中間側壁部14(図3に示されるような)よりもかなり厚くできる。同様に、基壁部16(図4に示されるような)での外側層24の厚みは、中間側壁部14(図2に示されるような)内の同層の厚みよりも厚くできる。成形された外側層24は一般的には容器10の内容物に直接接触しないより安価な高密度ポリエチレン材料で構成されるために、より安価な材料が、図1および図2に示される首フランジ30および外ねじ32のような、容器のための多くの構造的必須構成要素を形成するために使用できる。
【0026】
特定の用途においてはしばしば不必要であり、また、リサイクルプロセスを複雑にするかもしれないが、内側層20および/または外側層24は、当業技術分野において一般的に知られている付加的なバリア材料および/または脱酸素/酸素反応材料(図示せず)をさらに含んでいても良い。一般的に使用されるバリア材料の幾つかの例は、サラン、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、および、Barexのようなアクリロニトリル共重合体を含む。サランの用語は、その一般的な工業的意味において、例えば、塩化ビニリデンおよび塩化ビニルまたはメチルアクリレートを重合させて作られる重合体を意図するために用いられる。公知のように、付加的なモノマーが含まれても良い。塩化ビニリデン重合体はしばしば最も一般的に用いられるが、他の酸素バリア材料もよく知られている。脱酸素材料には、数社の大きな石油会社および樹脂製造者により、そのような目的で販売されている材料を含ませることができる。そのような材料の特定の一例は、商品名AMOSORBとして販売されており、Amoco社から商業的に入手可能である。
【0027】
本発明の他の重要な特長は、大きなバリア特性を提供し、望ましい高密度ポリエチレン材料を高い含有量で組み入れ、今日のリサイクルに有利であるその能力である。内側層20および外側層24は共にプラスチック材料で構成され、容易にリサイクルできる。分離することが困難な、多層容器に関連してしばしば用いられる多くの他のバリア材料とは異なり、本発明の炭素被覆26は、容器10が構成されるプラスチック材料のリサイクルに影響を及ぼさない。
【0028】
本発明は食料製品を保持するために使用できる強化されたバリア特性を持った容器10を提供できるという付加的な利点を含む。非晶質の炭素膜で処理された内面を有するプラスチック容器は、欧州経済共同体によって権限を与えられた規格機構であるTechnische National Onderzoekから、食料製品との接触用として認定ないし承認されている。米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration:USFDA)の認定は現在審議中である。
【0029】
本発明の容器10は、プラスチック成形された内側層20、および、高密度ポリエチレンの比較的厚い成形された外側層24を持った多層成形容器10の製造が可能ないくつかの公知の処理技術のいずれかにより形成できる。容器は押出成形あるいはブロー成形により好ましくは用意される。1つの実施形態では、多層容器10は、図5に概略的に示されたような多層プリフォーム34を含むブロー成形工程を経て形成される。必要な特徴ではないけれども、プリフォーム34は、図1に示された同じ特徴に対応する首フランジ30(取扱いの目的のための)および外ねじ32(キャップを固定するための)を含んでいて良い。容器10のブロー成形の後、図1に示されるように、但し充填動作の前の特定の時点で、容器10の内側層20の内面22は、以下にさらに説明するように炭素処理される。
【0030】
第1の好ましい実施形態では、図5に示されるように、プリフォーム34あるいは最終的な容器は、その内面22´を持った内側層20´を押出成形し、外側層24´を射出成形することで製造される。プリフォーム34の内側層20´および外側層24´は、容器10の内側層20および外側層24に対応する。プリフォームの内側層20´を押出しすることで、製造者は、従来の射出成形または共射出成形を用いて一般的に可能なよりも薄い層を製造できる。例えば、押出し成形された多層プリフォーム34の内側層は、15〜20ミル(.381mm〜0.508mm)以下程度に薄くされる。これに対して、同様な厚さの輪郭を持った内側層を信頼性良く射出成形することは、不可能でないとしても、困難である。更に、押出しまたは共押出しプロセスでは、製造者は、押出機の長さに沿って押出されている材料の厚さを容易に変更できる。内側層の厚さを変更することは、美観、効率的な材料使用およびコスト削減、並びに、種々ないし可変の強度要求を含むいくつかの理由のために好都合である。
【0031】
プリフォーム34の外側層24´はHDPEから形成され、本発明によれば、内側層20´よりも実質的に厚い。外側層24´は、内側層20´の上に射出成形、圧縮成形、または共押出し成形できる。これら追加の成形プロセスにより首フランジ30や外ねじ32の形成をさらに行うことができる。
【0032】
図6に示すように、第2の実施形態では、多層プリフォーム34は、プラスチック材料の薄いシートを熱成形し、プリフォーム34の内面22´を有する内側層20´になる部材にそのシートを成形することで製造される。熱成形のプロセスにより、非常に薄い内側層20´を持ったプリフォーム34を形成できる。実際には、3ミル(0.0762mm)以下の最小の壁厚が可能である。押出成形された内側層20´の場合、プリフォーム34の内側層20´を一旦形成すると、リサイクルプラスチックの外側層24´を多層プリフォーム34を提供するために内側層20´の上に射出または圧縮成形できる。図6は、熱成形された内側層20´と射出成形された高密度ポリエチレン外側層24´とで形成されたプリフォーム34の代表的な例である。
【0033】
多層容器は、次いで、従来のブロー成形操作を用いてブロー成形され、あるいは共押出成形された最終的な容器が直ちに得られる。プリフォーム34が、後続のブロー成形プロセスの間に引伸ばされ「薄くさせられる」ために、ブロー成形された容器の同様な部分に対応する部分におけるプリフォーム34の厚さは、始から幾分厚くされる。実際には、プリフォーム34の種々の部分の厚さは、最終的な容器10において望まれる厚み輪郭を形成するのに必要な引伸ばしおよび周膨張(hoop expansion)の量を考慮に入れて一般的に設計される。明確にするために、以下の説明においては、炭素処理されていない内外側層20、24を有する多層容器と、内面22が炭素処理された容器10を区別する。
【0034】
内側層20および外側層24を有する容器が製造された後、炭素被覆が、内側層20の内面22の少なくとも一部の上に形成される。炭素被覆26は、容器に直ちに施される必要はない。しかしながら、容器がブロー成形されて、適当な温度プロファイル内にある後に敏速に被覆26を施すのが一般により効率的である。
【0035】
好ましい実施形態では、多層容器は、従来の高速回転成形機から取除かれ、次いで、容器に炭素被覆26を施すための装置に、直接または間接的に(即ち、中間の処理ないし取扱いステップを経て)転送される。高速製造の用途においては、炭素被覆装置もまた、一般的には回転型である。容器10の内面22に炭素被覆を施すために使用できるこの種の置の例は、フランスのル・ハフレのシデル(Sidel of Le Havre)から入手可能であり、「ACTIS」の商品名で市販されているものがある。
【0036】
以下に多層容器10を炭素被覆する方法を更に詳細に説明する。容器10の内面22を炭素被覆するための好ましい方法によれば、回転運動機構および中心縦軸を有する従来の炭素被覆または炭素処理装置が提供される。炭素被覆装置は、一般に、その中心縦軸の回りに、第1の回転方向、例えば、反時計回りに、非常に高回転速度で回転する。一般に、炭素被覆装置に極めて接近して配置されたブロー成形機、若しくは、他の回転容器転送機構は、後続の炭素被覆処理のための容器のソース(源)として機能する。転送を容易化すべく、回転容器転送機構は、炭素被覆装置の回転方向とは反対の方向、例えば、時計回りに回転し、多層容器10が、容器転送機構から炭素被覆装置に機械的に移し替えられる。本発明の実施のために必要ではないが、容器10は、好ましくは、首フランジ30、または、機械的転送プロセスの間容器10を少なくとも部分的に支持するための他の物理的手段を含む。
【0037】
容器10が転送機構から炭素被覆装置に転送されるので、容器10は、好ましくは、上部12によって、開口13が略上方に向いた垂直向きに保持される。必要ならば、真空が同様に容器10を支持若しくは部分的に支持するために発生させられて使用される。転送プロセスの間、個々の容器10は、炭素被覆装置の一部である受け取り機構によって受け取られる。受け取り機構は、炭素被覆装置の中心縦軸の回りで回転し、容器を把持若しくは固定し、また容器の上部12の開口13を、蓋のように密閉する。開口13の上に隣接して適切に位置された際、受け取り機構は容器上に密から「気密」な密閉を生じさせる。
【0038】
受け取り機構は、容器の内側からのガスの導入および除去のために用いられる容器の開口13上に位置した少なくとも2つの開口部を含んでいる。受け取り機構内の第1の開口部は、真空ポンプのような真空源と連通している。受け取り機構が開口13を確実に密閉した後、容器内の空気が、真空によって第1の開口部を通じて排出される。真空のための排出時間を短縮し、そのために必要なエネルギーを節約するように、真空度は約10−2〜10−5Torrの範囲内であるのが望ましい。10−2Torrより上の低い真空度では、容器内の不純物の増加が著しく、一方、10−5Torrより下の高い真空度では、容器内の空気を排出するために長い時間および大きなエネルギーが必要となる。
【0039】
容器内部の空気が一旦吸引されてしまうと、容器は、引き続いて、炭素被覆26の形成に用いられる原料ガスで充填または「チャージ」される。原料ガスの流量は、好ましくは、約1〜100ml/分の範囲内である。好ましくは、容器内での原料ガスの拡散は、複数の噴出し開口を有するチューブのような延長部材を設けることで強化される。1つの実施形態において、延長部材は、開口が密閉された後の特定の時点で第2の開口部を通じて容器10´の内側に入り、延長部材は容器の最下部の約25.4mm〜50.8mm(1.0インチ〜2.0インチ)以内にまで延びる。
【0040】
原料ガスは、室温で気体(ガス状)または液状(液体状)の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、酸素含有炭化水素(炭化水素を含有した酸素)、窒素含有炭化水素(炭化水素を含有した窒素)などから構成されて良い。各々6個または6個より多くの炭素を有するベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、およびシクロヘキサンが好ましい。原料ガスは単独で用いられても良いが、2種または2種より多くの原料ガスの混合物も同様に使用できる。更に、原料ガスは、アルゴンやヘリウムのような不活性ガスで希釈された状態で用いられても良い。
【0041】
炭素被覆装置の受け取り機構によって容器が受け取られた後の特定の時点で、容器は、容器を収容するために提供されたシリンダーまたは他の中空空間内に挿入される。好ましい実施形態では、炭素被覆装置は、受け取り機構と同期して同じ方向に回転する複数の中空シリンダーを含む。容器の開口13を保持して密閉する受け取り機構がシリンダーを覆うためにも機能するのが更に好ましい。
【0042】
容器内への原料ガスの供給後、マイクロ波生成装置のような高周波電気エネルギー源から容器にエネルギーが印加される。電力の印加によりプラズマが発生し、大きな分子励起イオン化が生じ、炭素被覆26が容器の内面22上に形成される。
【0043】
上述の方法は、容器の内面22上に炭素被覆26を形成するための1つのプロセスを例示したものであり、他の従来の方法も同様に使用できる。例えば、上記に代えて、プラスチック容器を外部電極内に挿入および収容し、また容器内に位置した内部電極を持たせても良い。容器が吸引され、容器内に内部電極を通して供給された原料ガスがチャージされた後、高周波電源から外部電極に電力が供給される。電力の供給により外部電極と内部電極との間にプラズマが生成する。内部電極がアースされており、外部電極が絶縁部材により絶縁されているため、負の自己バイアスが外部電極上に生成されて、炭素膜が、外部電極に沿って、容器の内面上に均一に形成される。
【0044】
プラズマが外部電極と内部電極との間に生成されるとき、絶縁された外部電極の内面上に電子が蓄積されて、外部電極を負に帯電させ、外部電極上に負の自己バイアスを生成する。外部電極では、蓄積された電子のために電圧降下が起こる。この時、炭素源としての二酸化炭素がプラズマ内に存在し、正イオン化された炭素源ガスが、外部電極に沿って配置されている容器の内面22と選択的に衝突し、次いで、互いに接近した炭素が一緒に結合し、それにより、極めて密集した被覆からなる硬い炭素膜が容器の内面22上に形成される。
【0045】
炭素被覆26の厚さおよび均一さは、高周波の出力、容器内の原料ガスの圧力、容器をガスでチャージするための流量、プラズマが生成される期間、使用される自己バイアスおよび原料の種類、並びに、他の同様な変数を調節することで変更できる。しかしながら、炭素被覆26の厚さは、プラスチックへの優れた接着力、良好な寿命、および、良好な透明性に加えて、低分子有機化合物の浸透および/または吸着の有効な抑制、並びに、改良されたガスバリア特性を得るために、好ましくは、0.05〜10μmの範囲内である。
【0046】
図7は、本発明の原理に従って構成された容器100の別の実施形態の正面図を示したものである。容器100は、一般的には、開口113を含む上壁部112、上壁部112の下側に位置する中間側壁部114、および中間側壁部114の下側に位置した基部116を含んでいる。基部116は、従属的に、即ち底蓋(図示せず)のような別の物体を用いて、または、独立的に、即ち略平らな表面上に容器を真直ぐ立たせるために他の物体を必要とせずに、容器100を支持するのに適合している。好ましい実施形態では、容器100は、図7に図示されたような、内側凹部118により形成された自立ベースによって支持される。
【0047】
図7の領域100A、100B、および、100Cの夫々の拡大詳細図を示す図7〜10を参照すると、容器100は、縦方向の長さ、内面122、外面123、および、中心縦軸Bを有する成形された外側層122を含んでいる。成形された外側層120の内面122は、図1〜6の実施形態のように、炭素124の薄い層または膜によって、少なくとも部分的に被覆されている。炭素層124によって内側層120を完全に包囲することが好ましいが、特定の用途の場合には必要でないこともある。成形された外側層120は、炭素層124と実質的に一緒に広がって(同じ広がりを有し)、容器100のための構造的支持を提供するのが好ましい。
【0048】
成形された外側層120は、好適なHDPE樹脂である。しかし上述されたような他の材料をその中に含んでも良い。必要ならば、成形された外側層は100%がHDPE樹脂材料であっても良い。
【0049】
図1に関して説明したように、少量のバリア材料および/または脱酸素または酸素反応材料をHDPEに混合することが特に望ましい。例えば、重量比で5%より少ないサラン、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、および、Barexのようなアクリロニトリル共重合体である。加えて、本発明は、超低固有粘度(IV)材料、例えば、略0.60または0.55より小さいIVを有する材料を容易に使用できる。これらの材料は、しばしば、白または白みがかった色である。本発明の重要な利点は、上述の材料を用いた場合でも、製造過程のスクラップを簡単且つ効率的に処理する能力である。
【0050】
外側層120の内面122は、容器100に対し強化されたバリア特性を提供する炭素の薄い層124で被覆されている。炭素被覆124の特徴、特性、および、調製は、図1に関連して上記で説明されており、このことは、図7〜10の実施形態にも同様に当てはまる。
【0051】
成形された外側層120は、その縦長さに沿って、6〜23ミル(0.1524mm〜0.5842mm)の範囲の壁厚を有している。図8〜10に図示されたように、外側層の厚みもまた、図1の外側層24のように、その縦長さに沿って、別々且つ独立的に変更できる。図1の外側層24と同様にして、成形された外側層120が容器100の内容物に直接接触しないより安価で好ましい高密度ポリエチレンプラスチック材料で構成されるため、より安価な材料を、図7に示された首フランジ126および外ねじ128のような、容器のための多くの構造的一体構成要素を含む容器の大部分を形成するために使用できる。炭素被覆は容器の内容物に対し保護を提供する。
【0052】
同様に、内側の炭素被覆は、その厚さが、容器の縦長さに沿って変わるように、容易に変更できる。しかしながら、好ましくは、実質的に均一な炭素被覆が便宜上設けられる。
【0053】
図7〜10の実施形態は、図1〜6に関して説明した本発明の重要な利点を提供している。
【0054】
図7〜10の容器は、図1において説明されたような単層または多層成形容器の製造を行えるいくつかの公知の処理技術のいずれかによって形成されても良い。1つの実施形態では、容器100は、ブロー成形あるいは押出成形操作により形成される。図11に概略的に示された容器130は、最終的に押出成形された容器あるいはプリフォームである。必須的な特徴ではないが、図7に図示されたのと同じ特徴に対応する首フランジ132(取り扱いの目的のための)および外ねじ134(ふたを固定するための)を含ませることができる。ブロー成形が用いられる場合、その実施形態が図7に示された最終的な容器100を形成するために容器をブロー成形した後であって、充填ないし注入操作前の所定の時点において、容器の内面122は上述したような炭素処理が行われる。
【0055】
図12に示された1つの実施形態において、容器になるプリフォーム140は、プリフォーム本体146およびプリフォーム基部148、首フランジ142、並びに、外ねじ144を持ったプリフォームあるいは最終的な容器140を押出成形することで製造される。押出しプロセスにおいて、製造者は、押出機の長さに沿って押出される材料の厚さを容易に変更できる。プリフォームの厚さの変更は、美観、効率的な材料使用およびコスト削減、並びに種々の強度要求を含むいくつかの理由により望ましい。
【0056】
容器あるいはプリフォーム140はHDPE樹脂材料を基材とするものであり、これは上述したように本発明の独特な特長である。
【0057】
図11の実施形態において、プリフォームあるいは最終的な容器130は、プラスチック材料の薄いシートを熱成形し、このシートを、プリフォーム130になる部材に成形し、あるいはプリフォーム130を射出または圧縮成形することで製造される。よって、図11のプリフォーム130は、首フランジ132および外ねじ134、容器本体部になる本体部136、並びに容器の基部になる基部138を含んでいても良い。
【0058】
容器は、次いで、必要である場合には、上述したように従来のブロー成形操作を用いてブロー成形される。
【0059】
最終的な容器が形成された後、図1において上記で説明したように、容器120の内面122の少なくとも一部分の上、好ましくは内面の全面上に、炭素被覆が形成される。炭素被覆124を容器に直ちに施す必要はないが、中間容器がブローされた後で、適切な温度プロファイルにある内に、敏速に炭素被覆を施すのが一般的により効率的である。
【0060】
図7の容器は、図1の場合に加えて重要な特長を提供する。容器の基材は、従来の手段によって容易に処理できる単層材料である。更に、安価なHDPEを基材とする材料は、他の材料と容易に混ぜることができ、また内側の炭素被覆により容器の内容物に接触しないため、内容物が十分に保護される。更に、バリア特性が直ちに且つ容易に得られ、容器内容物は、不都合な香気や味による影響を受けない。更に、本発明の容器は、別体のバリア用ライナ(裏地材)や未使用の裏地材の必要性がない。少量の内側の炭素被覆はリサイクルに悪影響を与えず、また所望の着色された容器を提供するために着色材料を容易に使用でき、例えば、外側層を所望の商品の色に容易に着色できる。
【0061】
図7の容器は、バリア抵抗(barrier resistance)および低コストなどの所望の工学的特性を持った単層容器の重要な利点を提供するものである。従って、裏地材や複雑な共射出処理を用いる必要性なしに単層材料で作業するので、多層容器よりも処理が著しく容易である。更に、望ましい低コストのリサイクルプラスチックを使用しつつ、特定の特性を容易に得るためにリサイクルプラスチックを他の材料と混合できる。例えば、リサイクル材料と単層材料を使用しつつ、所望の特性を得るために製品をカスタマイズできる。
【0062】
内側の炭素被覆は容易且つ簡便に施すことができ、非常に薄く、さらに、容器の内容物内への不都合な風味や味の移行を排除する。HDPE樹脂用に様々な色、例えば琥珀色を使用することが特に望ましい。ジュースなどの製品用として、本発明において特定の色を持たせた容器を用いることが非常に望ましい。また、高度に望ましい特性を得るべく、耐熱プラスチックあるいはその他の材料をHDPEに混合することもできる。
【0063】
以上本発明の特定の好ましい実施形態を説明したが、これらの説明および図示されたものは本発明を実施する際の最良の形態の単なる例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者には、特定の代替、変更、あるいは変形は本発明の教示範囲内であり、これら代替、変更、あるいは変形は添付された請求の技術思想および範囲内であることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の原理による容器の正面図である。
【図2】容器を形成する層の相対的な厚みが図示されている、容器の種々の領域の拡大断面図である。
【図3】容器を形成する層の相対的な厚みが図示されている、容器の種々の領域の拡大断面図である。
【図4】容器を形成する層の相対的な厚みが図示されている、容器の種々の領域の拡大断面図である。
【図5】多層プリフォームの一例の一部を破断した正面図である。
【図6】多層プリフォームの他の例の一部を破断した正面図である。
【図7】本発明の原理による容器の正面図である。
【図8】容器を形成する層の相対的な厚みが図示されている、容器の種々の領域の拡大断面図である。
【図9】容器を形成する層の相対的な厚みが図示されている、容器の種々の領域の拡大断面図である。
【図10】容器を形成する層の相対的な厚みが図示されている、容器の種々の領域の拡大断面図である。
【図11】プリフォームの一例の一部を破断した正面図である。
【図12】プリフォームの他の例の一部を破断した正面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 容器
12 上壁部
14 中間側壁部
16 基部
20 内側層
22 内面
24 外側層
26 炭素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素被覆でコーティングされた、成形された容器を製造するための方法であって、
開口を有する上壁部、上壁部の下側に位置した中間側壁部、および中間側壁部の下側に位置し容器を支持するために適合された基部を含む、成形された容器を用意するステップであって、前記容器は、縦方向の長さと内面と外面とを有し且つ高密度ポリエチレンから形成されると共に6から23ミルの厚みを有する、成形された第1の層をさらに有してなるステップと、
前記容器を、前記容器を収容するために設けられた中空空間内に入れるステップと、
前記容器内の空気を排出して真空にするステップと、
前記容器の内部に原料ガスをチャージするステップと、
前記原料ガスから炭素被覆を前記容器の前記第1の層の内面上に形成するステップであって、前記第1の層の全内面に最内側の非晶質の炭素被覆を形成し且つ接着し、前記炭素被覆は約0.05から10ミクロンの厚みを有し、前記容器がリサイクル可能であり、および前記炭素被覆をその厚さが前記容器の縦方向の長さに沿って変化するように形成するステップとを有してなる、方法。
【請求項2】
前記容器をブロー成形および押出成形のいずれか一方で用意することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1の層の厚さを、中間側壁部が前記上壁部および前記基部の厚さよりも薄くなるように変化させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の層にバリヤ材料を付加することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
窒素がドーピングされた、非晶質の炭素被覆を形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
容器の前記上壁部が支持フランジを含むこと、および前記基部が内側を向いた部分を含むことの、少なくとも一方となるように成形された容器を形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記成形された容器に、第1の層に隣接した第2の層を設けることを含み、前記第2の層が、前記炭素被覆と前記第1の層の内面との間で前記第1の層の内面に隣接している、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、エチレン−(ビニルアルコール)共重合体樹脂、ポリ−4‐メチルペンテン−1樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ポリビニル樹脂、塩化ポリビニリデン樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アイオノマー樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、およびこれらの樹脂の2種以上の組み合わせからなる群より選ばれた樹脂からなるプラスチック材料から第2の層を形成することを含む、請求項7記載の容器。
【請求項9】
前記第1の層および前記第2の層の少なくとも一方を、その縦方向の長さに沿って変化する厚みを有するように形成することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記第1の層および前記第2の層の厚みを、互いに調整自在に変化させる、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記第2の層を、前記第1の層の内面に隣接すると共に0.5ミル〜5ミルの厚さを有するように設けることを含む、請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記第2の層を、前記容器の全重量の0.60倍未満の重量で設けることを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第2の層を、前記容器の全重量の0.30倍未満の重量で設けることを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第2の層を、前記容器の全重量の0.15倍未満の重量で設けることを含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記第1の層がリサイクル材料を含んでいる、請求項7記載の方法。
【請求項16】
前記炭素被覆の重量を、前記容器の全重量の約1/10,000より小さくする、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記高密度ポリエチレンが約0.940グラム/ccを超える密度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記高密度ポリエチレンが前記容器の全重量の少なくとも0.40倍の重量だけ設けられている、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記高密度ポリエチレンが前記容器の全重量の0.9倍より多くの重量だけ設けられている、請求項1記載の方法。
【請求項20】
脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、酸素含有炭化水素、およびこれらの2以上の混合物からなる群から選択された原料ガスを前記容器の内部にチャージすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記容器の内面上の前記炭素被覆の形成が高周波電源を用いて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記高周波電源が、内部電極と、負の自己バイアスを生成するための絶縁された外部電極とを有している、請求項21記載の方法。
【請求項23】
容器の内面上の前記炭素被覆がマイクロ波を用いて生成される、請求項1記載の方法。
【請求項24】
容器の第1の層の前記内面上に前記炭素被覆を形成するステップが、前記容器を中央縦軸の回りで回転させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記容器内の空気を完全に排出する前に実質的に気密な密閉を生じさせるために前記容器の開口を密閉する受け取り機構を設けるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項26】
受け取り機構が前記容器の縦軸の回りで回転し、前記容器を固定する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記受け取り機構がガスの連通用の少なくとも2つの開口部を含んでいる、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記受け取り機構が真空源と連通している、請求項25記載の方法。
【請求項29】
生成される真空度が約10−2〜10−5Torrの範囲内である、請求項1記載の方法。
【請求項30】
容器内部にチャージされる原料ガスの流量が約1〜100ml/分の範囲内である、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記ガスをチャージし、前記第1の層の内面上の前記炭素被覆の厚さを制御するために高周波を使用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項32】
窒素がドーピングされた、水素化された非晶質の炭素で構成された炭素被覆を形成するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項33】
前記第1の層がリサイクル材料を含んでいる、請求項1記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−321566(P2006−321566A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200480(P2006−200480)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【分割の表示】特願2002−534066(P2002−534066)の分割
【原出願日】平成13年9月26日(2001.9.26)
【出願人】(501141437)プラスチパック パッケージング,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】