説明

無人搬送車の交差点分岐制御方法およびその装置

【課題】低コストで進行方向を制御する無人搬送車の交差点分岐制御方法を提供する。
【解決手段】本発明は、交差点通過時にカウントするカウンタと、搬送時の進行方向を制御する制御手段8bからなるコントローラ8を備えた無人搬送車において、制御手段は、カウント数毎に対応する交差点と、この各交差点での進行方向を記憶し、交差点通過中に前記カウンタがカウントしたカウント数に対応する、無人搬送車が次に通過する交差点の進行方向を読み込み(S8)、現在通過中の交差点を通過後に、読み込んだ次に通過する交差点の進行方向に応じて、無人搬送車の進行方向を案内する軌道に沿って走行するように無人搬送車の進行方向を制御する(S13)無人搬送車の交差点分岐制御方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車の交差点分岐制御方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産工場の物流自動化を目的に導入されている無人搬送車において、走行用モータを内蔵した駆動ユニットと、磁気テープ等を敷設して構成された走行軌道を読み取る軌道センサと、交差点を認識するため交差点の手前に配置された交差点マーカを検出する交差点マーカセンサとを備えた構成を有する無人搬送車が特許文献1に開示されている。
【0003】
この技術では、無人搬送車は軌道センサの出力信号に基づいて進行方向を定めて車両を直進、および右あるいは左に旋回させ、走行軌道上を逸脱することなく、走行するように制御されている。
【0004】
また、交差点での分岐動作を行なうため、交差点マーカセンサの出力に基づいて次に通過する交差点番号を把握し、交差点番号から無人搬送車の進行方向を設定し、その後、軌道センサの出力に応じて実施される軌道追従制御を通常モードから交差点分岐モードへ切り換え、交差点を指定方向へ走行するように制御する。
【特許文献1】特開2004−192058号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の従来の無人搬送車の交差点分岐制御では、交差点を把握するために交差点マーカを交差点ごとに設置する必要があり、また、無人搬送車には交差点マーカを検出する交差点マーカセンサが必要となり、コストが上昇するという課題がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、無人搬送車の交差点分岐制御において、交差点マーカおよび交差点マーカセンサを用いることなく、交差点を所定方向に軌道に沿って確実に走行する無人搬送車の交差点分岐制御方法とその装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、搬送ルートの交差点を通過中にカウント数をカウントするカウンタと、搬送時の進行方向を制御するコントローラを備えた無人搬送車において、前記コントローラは、前記カウント数毎に対応する搬送ルートの交差点と、この各交差点での進行方向を記憶し、前記無人搬送車が交差点通過中に前記カウンタがカウントしたカウント数に対応する、前記無人搬送車が次に通過する交差点の進行方向を読み込み、現在通過中の交差点を通過後に、読み込んだ次に通過する交差点の進行方向に応じて、前記無人搬送車の進行方向を案内する軌道に沿って走行するように前記無人搬送車の進行方向を制御することを特徴とする無人搬送車の交差点分岐制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、無人搬送車の交差点分岐制御において、交差点マーカや交差点マーカセンサを用いることなく、無人搬送車の交差点での進行方向を確実に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明を適用する無人搬送車の外観図であり、図2は軌道検出センサ6の取り付け部の構成図である。この無人搬送車1は、いわゆる台車状の外観を有しており、前後輪の車輪2、3に加え、無人搬送車の駆動源としての駆動モータ4a、4bに接続する駆動輪5が車両略中央に設置されている。駆動輪は左右それぞれの駆動輪5a、5bからなり、各駆動輪5a、5bが個々に個別の駆動モータ4a、4bに接続されており、各駆動モータ4a、4bの回転数に応じて無人搬送車1の進行方向や走行速度が制御される。すなわち、左右の駆動モータ4a、4bの回転数が同一であれば、直進し、左右の駆動モータ4a、4bの間に回転数差があれば、回転数の低い車輪の方向に旋回することになり、回転数差の大きさにより、旋回半径が制御される。
【0010】
また、図2に示すように無人搬送車1には、無人搬送車1の進行方向を案内する軌道7を検出するための軌道検出センサ6a〜6cが、軌道7の長手方向に直交するように3個並列に配置されている。たとえば、軌道7が磁性材料で構成され、軌道センサ6a〜6cは磁性材料を判別するセンサで構成される。
【0011】
さらに、無人搬送車1には、各軌道検出センサ6a〜6cにより検出された出力信号を入力して、駆動モータ4a、4bの回転数差や回転数を制御して無人搬送車の進行方向や走行状態を制御するコントローラ8が備えられる。
【0012】
図3は、このコントローラ8の入出力を説明する制御ブロック図である。
【0013】
コントローラ8は、軌道検出センサ6a〜6cの出力信号が入力されるセンサ入力部8aと、入力された信号に基づいてカウント数をカウントするカウンタを備えて、カウント数により交差点の識別や識別された交差点の進行方向を記憶し、駆動モータ4a、4bの回転数を設定する走行制御部8bと、走行制御部8bで設定された駆動モータ回転数に基づいて各駆動モータ4a、4bを制御するモータドライバ8cとを備えている。
【0014】
走行制御部8bは、受信部8dを介して複数の無人搬送車1を統合制御する統合制御部100からの制御信号を無線により受信して、無人搬送車1の走行開始や停止、搬送情報を入手、記憶する。ここで搬送情報には、搬送の開始点、終了点(目的地)および開始点から終了点までに通過する軌道7や通過する各交差点等の搬送ルートの情報を含んでいる。また、搬送ルートで通過するそれぞれの交差点には所定の番号(カウント数)が設定されることで区別され、カウント数は、たとえば、開始点に近い方の交差点から順番に1から順次設定される。搬送ルートの情報にはカウント数に対応する無人搬送車1が進むべき交差点の情報と、その交差点での進行方向や走行速度の情報が含まれる。
【0015】
また、無人搬送車1に備えられた軌道検出センサ6a〜6cが所定の出力パターン、たとえば3つの軌道検出センサ6a〜6cがすべてオンとなる出力パターンで、コントローラ8は、無人搬送車1が交差点を通過中であることを認識し、走行制御部8bに備えられたカウンタがカウント数をカウントし、カウントされたカウント数に応じて対応する交差点の進行方向を読み込む。
【0016】
次に図4、5を用いて交差点分岐制御で行う軌道追従制御の一例を説明する。
【0017】
図4は、コントローラ8により進行方向が制御される無人搬送車1が、所定の交差点を右折する状態を示す平面図であり、右左折方向および直進方向に伸びる軌道7a〜7cと、この交差点をコントローラ8の指示により右折する際の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせの変化を示している。
【0018】
図5は、交差点右折時の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせからなる出力パターンと、その出力信号の組み合わせに応じた無人搬送車1の走行状態、すなわち直進、左旋回および右旋回を示し、あらかじめコントローラ8の走行制御部8bは、軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンを直進用および右左折用それぞれを記憶しており、またそれらの出力パターン毎の出力信号の組み合わせに対応する走行状態を記憶している。
【0019】
図4において、図の下側から上側に向けて無人搬送車1は走行して、交差点に進入する。次の交差点で右折するようにコントローラ8により制御される無人搬送車1は、交差点の進入を確認するまで直進用軌道7bを直進して交差点に進入する(時刻t1)。なお、図中t1〜t7は時刻を示すものとする。
【0020】
ここで、無人搬送車1は、軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせによって、無人搬送車1の走行状態を設定し、出力信号の組み合わせが図4のように中央の軌道検出センサ6bのみがオンであれば、図5に示すような交差点右折時の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせに基づき直進状態を維持して走行する。また、たとえば中央と右側のセンサ6b、6cがオン状態の場合には、無人搬送車1は右旋回走行状態となる。
【0021】
無人搬送車1が交差点内に進入し、時刻t2で左側の軌道検出センサ6aが左折用の軌道7aを検出する。ここで、軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせが左と中央のセンサ6a、6bがオンとなっても交差点を右折する指示を受けているため、図5の出力パターンに基づき無人搬送車1は、直進を維持する。続いて時刻t3で軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせがすべてオンに切り換わり、コントローラ8は出力信号の組み合わせから無人搬送車1が所定の交差点に進入したことを認識する。交差点を通過中の無人搬送車1は、コントローラ8の指示に基づいて右折用の軌道7c上を走行するべく右旋回を開始する。具体的には図5に示すように交差点右折時の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせを用いて、出力信号の組み合わせがすべてオンとなればコントローラ8は、駆動モータ4a、4bを制御して無人搬送車1の右旋回を開始する。
【0022】
無人搬送車1は、右折用の軌道7cに沿って走行するべく、時刻t3〜時刻t5までは軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせに応じて右旋回を継続する。そして時刻t6で出力信号の組み合わせが直進走行の組み合わせに切り換わるとコントローラ8は、無人搬送車1の走行を右旋回から直進へと変更する。
【0023】
このように本発明の軌道追従制御によれば、軌道7を検出する軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせからなる出力パターンを通過する交差点の進行方向ごとに設定し、出力パターンに応じて無人搬送車1の進行方向を制御するため、無人搬送車1が軌道7から逸脱することなく、確実に設定された進行方向の軌道7を進行することができる。
【0024】
次に図6、7を用いて軌道追従制御の直進時の場合を説明する。
【0025】
図6は、コントローラ8により進行方向が制御される無人搬送車1が、所定の交差点を直進する状態を示す平面図であり、右左折方向および直進方向に伸びる軌道7a〜7cと、この交差点をコントローラ8の指示により直進する際の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせの変化を示している。
【0026】
図7は、交差点直進時の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせからなる出力パターンと、その出力信号の組み合わせに応じた無人搬送車1の走行状態、すなわち直進、左旋回および右旋回を示し、あらかじめコントローラ8の走行制御部8bは、軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンを直進用および右左折用それぞれを記憶しており、またそれらの出力パターン毎の出力信号の組み合わせに対応する走行状態を記憶している。
【0027】
図6において、図の下側から上側に向けて無人搬送車1は走行し、次の交差点で直進する指示を受けた無人搬送車1は、コントローラ8の指示により直進して交差点に進入する(時刻t1)。なお、図中t1〜t6は時刻を示すものとする。
【0028】
ここで、無人搬送車1は軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせによって、進行方向を認識し、出力信号の組み合わせが図6のように中央の軌道検出センサ6bのみがオンであれば、図7に示すように直進状態を維持して走行する。
【0029】
無人搬送車1が交差点内に進入し、時刻t2で軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせが左と中央のセンサ6a、6bがオンとなっても直進を維持する。続いて時刻t3で軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせがすべてオンに切り換わり、コントローラ8は出力信号の組み合わせから無人搬送車1が所定の交差点に進入したことを認識する。交差点を通過中の無人搬送車1は、コントローラ8の指示に基づいて直進の軌道7b上を走行するべく直進走行を維持する。
【0030】
無人搬送車1は直進用の軌道7bに沿って走行するべく、時刻t3〜時刻t6まで軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせに応じて直進走行を継続する。
【0031】
無人搬送車1が交差点を左折する場合においても、交差点分岐制御の内容は前述の右折時あるいは直進時と同様に行うことができ、図8に左折時の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせからなる出力パターンを示す。
【0032】
なお、各軌道検出センサ6a〜6cの取り付け間隔は、軌道7a〜7cの幅に応じて設定され、前述したように交差点内に進入した際に一時的に軌道検出センサ6a〜6cのすべてがオンとなるように設定される。また、1本の軌道に沿って無人搬送車1が走行する場合には、軌道検出センサ6a〜6cの中央のセンサ6bが軌道7の中心に沿って走行するように軌道追従制御を実施する。
【0033】
図9に、本実施形態のコントローラ8の走行制御部8bが実施する交差点分岐制御のフローチャートである。
【0034】
まず、ステップS1で各交差点毎に設定したカウント数を読み込み、無人搬送車1の現在位置に応じた初期値として設定する。コントローラ8は、前回搬送終了時の交差点分岐制御のカウンタのカウント数を記憶しておき、この記憶したカウント数を無人搬送車1の現在位置に対応するカウント数として読み込む。
【0035】
ステップS2では、読み込んだカウント数から走行開始後に通過する交差点を把握して、あらかじめ記憶したカウント数に対応する交差点ごとの進行方向のデータから、この交差点での進行方向を読み込む。続くステップS3で、読み込んだ進行方向に応じた軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンを設定する。
【0036】
そして、ステップS4で無人搬送車1の走行を開始し、ステップS5で軌道検出センサ6a〜6cの出力信号を読み込む。
【0037】
続くステップS6では、コントローラ8に備えたタイマの動作状態が動作中か否かを判定する。ここで、タイマは、交差点進入時の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号が、所定条件のとき、たとえばすべてオンになったときにタイマのカウントが開始され、所定の時間カウントする。この所定の時間は、無人搬送車1が交差点を通過するのに必要とされる時間に設定する。つまりタイマが動作中の場合、無人搬送車1は交差点を通過中と判断される。
【0038】
ステップ6で、タイマが動作中の場合にはステップS13に進み、動作していない場合にはステップS7に進む。
【0039】
ステップS7では、タイマがカウントした所定時間が経過した直後か否かを判定し、YESであればステップS8へ、NOであればステップS10へと進む。
【0040】
ステップS8では、交差点を通過して間もないと判定できるため、通過した交差点の次の交差点での進行方向をステップS11で設定したカウント数に基づき読み込んで、ステップS9で次の交差点の進行方向に応じた軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンを設定し、ステップS13に進む。
【0041】
一方、ステップS10では、軌道検出センサ6a〜6cの出力信号を読み込み、すべての出力信号がオンかどうかを判定する。オンであれば無人搬送車1が交差点を通過中であると判定され、ステップS11に進み、交差点ごとに設定したカウント数を1カウントアップする。そしてステップS12で、タイマのカウントを開始し、ステップS13に進む。
【0042】
ステップS13では、図4、図5に示したような軌道追従制御を実施し、ステップS14で無人搬送車1が交差点ごとに設定した最後のカウント数を認識して、その交差点を通過し、目的地(終了点)に到達したかどうかを判定し、目的地に到達すればこの制御を終了し、到達していなければステップS5に戻り、交差点分岐制御を繰り返す。
【0043】
このように本実施形態においては、無人搬送車の走行を制御するコントローラ8が、搬送ルートで通過する交差点にカウント数を付与し、そのカウント数に対応する各交差点での進行方向を記憶しておき、軌道検出センサ6a〜6cが所定の出力信号の出力パターンを示したときにカウント数をカウントし、次に通過する交差点の進行方向をカウントしたカウント数に基づいて読み込んで、無人搬送車1の次の交差点の進行方向を制御する。このような制御方法とすることで、従来技術に設けられていた軌道7に交差点手前に敷設される軌道マーカと、この軌道マーカを読み取る軌道マーカセンサを用いることなく、既存の軌道検出センサ6a〜6cのみを用いて交差点分岐制御を行うことができ、コストダウンを図ることが可能となる。
【0044】
次に図10から図12を用いて軌道追従制御の軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンの他の例を示す。
【0045】
まず図10は、図5に示した軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンを用いて、無人搬送車1が交差点を右折する場合の走行状態を示している。条件として図4に示す場合との相違は、無人搬送車1の走行速度で、図10の場合は図4の場合に比して走行速度が高い場合の走行状態を示している。
【0046】
まず時刻t2までは、直進用の軌道7bに沿って無人搬送車1は直進する。このとき前述したように、軌道7bの中心と無人搬送車1の中心とが一致するように軌道追従制御される。すなわち、軌道検出センサ6a〜6cのうち中央のセンサ6bのみがオン状態となる。その後、時刻t4で、すべての出力信号がオン状態となり、交差点への進入を認識し、無人搬送車1は右旋回を開始する。
【0047】
しかしながら、無人搬送車1の走行速度が速いため、右折用の軌道7cに追従することが十分ではなく、時刻t5では右旋回の出力パターンを示すものの、その次の時刻t6では右折用の軌道7cを逸脱して、出力パターンは直進を示す出力パターンとなり、続く時刻t7では左旋回の出力パターンとなって、無人搬送車1は直進用の軌道7bに沿って走行することになる。したがって、右折の軌道追従制御を行っているにもかかわらず、無人搬送車1の走行速度が速いため、軌道追従制御が追従しきれず、無人搬送車1は直進する恐れが生じる。
【0048】
このような無人搬送車1の走行速度が速い場合には、図12に示すような軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の出力パターンを用いる。この出力パターンは例として右折用の出力パターンを示し、図5に示す出力パターンに比較して、直進時において、無人搬送車1の中心線に対して軌道7の中心線が左にオフセットした位置となるような出力パターンである。この出力パターンで無人搬送車1を交差点で右折する軌道追従制御した場合、直進時には無人搬送車1の中心線に対して軌道7の中心線が左にずれて走行するような制御となる。
【0049】
具体的には軌道検出センサのうち左側と中央のセンサ6a、6bがオンの場合に無人搬送車1は直進するものとして、中央のセンサ6bのみがオンの場合には右旋回する出力パターンである。
【0050】
このような出力パターンとすることで、図11に示すように軌道検出センサ6a〜6cの出力信号の組み合わせが右旋回を指示する組み合わせとなる頻度を高めることができ、無人搬送車1の走行速度が速い場合であっても、所定の軌道を精度よく追従させることができる。
【0051】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用する無人搬送車の外観図である。
【図2】軌道検出センサの取り付け部の構成図である。
【図3】コントローラのブロック図である。
【図4】交差点での軌道追従制御を説明する概念図である(右折時)。
【図5】軌道検出センサの出力信号の出力パターンと走行状態を示す図である(右折時)。
【図6】交差点での軌道追従制御を説明する概念図である(直進時)。
【図7】軌道検出センサの出力信号の出力パターンと走行状態を示す図である(直進時)。
【図8】軌道検出センサの出力信号の出力パターンと走行状態を示す図である(左折時)。
【図9】軌道分岐制御の内容を説明するフローチャートである。
【図10】交差点での軌道追従制御を説明する概念図である(高速右折時、対策前)。
【図11】交差点での軌道追従制御を説明する概念図である(高速右折時、対策後)。
【図12】軌道検出センサの出力信号の出力パターンと走行状態を示す図である(高速右折時、対策後)。
【符号の説明】
【0053】
1:無人搬送車
2:前輪
3:後輪
4a、4b:駆動モータ
5a、5b:駆動輪
6a〜6c:軌道検出センサ
7a〜7c:軌道
8:コントローラ
8a:センサ入力部
8b:走行制御部
8c:モータドライバ
8d:受信部
100:統合制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ルートの交差点を通過中にカウント数をカウントするカウンタと、
搬送時の進行方向を制御する制御手段とからなるコントローラを備えた無人搬送車において、
前記制御手段は、
前記カウント数毎に対応する搬送ルートの交差点と、この各交差点での進行方向を記憶し、
前記無人搬送車が交差点通過中に前記カウンタがカウントしたカウント数に対応する、前記無人搬送車が次に通過する交差点の進行方向を読み込み、
現在通過中の交差点を通過後に、読み込んだ次に通過する交差点の進行方向に応じて、前記無人搬送車の進行方向を案内する軌道に沿って走行するように前記無人搬送車の進行方向を制御することを特徴とする無人搬送車の交差点分岐制御方法。
【請求項2】
前記無人搬送車の交差点通過中か否かの判定は、前記無人搬送車の進行方向を案内する軌道を検出する複数の軌道検出手段の出力状態に基づいて行われ、前記カウンタは、前記軌道検出手段の出力状態により交差点通過中と判定された場合にカウント数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車の交差点分岐制御方法。
【請求項3】
前記無人搬送車が交差点を通過中と判定した後、所定時間経過した場合に、前記無人搬送車が交差点を通過したと判断し、カウント数に対応して読み込んだ交差点の進行方向応じて、前記軌道に沿って走行するように前記無人搬送車の進行方向を制御することを特徴とする請求項2に記載の無人搬送車の交差点分岐制御方法。
【請求項4】
前記制御手段は、前記軌道検出手段の複数の出力信号の組み合わせからなる出力パターンを記憶し、前記組み合わせに応じて、前記無人搬送車が所定の前記軌道に沿って走行するように前記無人搬送車を直進あるいは旋回させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車の交差点分岐制御方法。
【請求項5】
前記出力パターンは、交差点の進行方向毎に設けられることを特徴とする請求項4に記載の無人搬送車の交差点分岐制御方法。
【請求項6】
前記軌道検出手段は、前記軌道の長手方向に対して直交して複数個配置され、前記軌道検出手段の中心が前記軌道の中心に対して、次に通過する交差点の進行方向側にオフセットするように、交差点通過前の前記無人搬送車の進行方向を制御することを特徴とする請求項2に記載の無人搬送車の交差点分岐制御方法。
【請求項7】
搬送ルートの交差点を通過中にカウント数をカウントするカウンタと、
搬送時の進行方向を制御する制御手段とからなるコントローラを備えた無人搬送車において、
前記制御手段は、
前記カウント数毎に対応する搬送ルートの交差点と、この各交差点での進行方向を記憶する記憶手段と、
前記無人搬送車が交差点通過中に前記カウンタがカウントしたカウント数に対応する、前記無人搬送車が次に通過する交差点の進行方向を読み込む進行方向設定手段と、
現在通過中の交差点を通過後に、設定した次に通過する交差点の進行方向に応じて、前記無人搬送車の進行方向を案内する軌道に沿って走行するように前記無人搬送車の進行方向を制御する進行方向制御手段とを備えることを特徴とする無人搬送車の交差点分岐制御装置。

【図9】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−117204(P2008−117204A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300446(P2006−300446)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】