説明

無線型記憶装置、無線型記憶方法、無線型記憶プログラム、印刷装置、印刷方法および印刷プログラム

【課題】無線通信手段を有する無線USB装置と印刷装置において、利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された特徴量から利用者認証データを生成することにより、最小限のコストアップでかつ利用者本人以外の使用を制限できる高度な認証機能を有する無線USB装置と印刷装置を提供することを主な目的とする。
【解決手段】印刷装置との無線通信可能な無線型記憶装置であって、音声を入力する音声入力手段14と、情報を格納する情報記憶手段16と、利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段15と、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成手段と、前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線型記憶装置、無線型記憶方法、無線型記憶プログラム、印刷装置、印刷方法および印刷プログラムに関するものであり、特に無線通信方式を介して情報を印刷する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発達に伴い、従来有線で接続されていたものが無線での接続に変化しているケースが多く見られる。例えば、LANはIEEE802.3に代表されるイーサーネットでの接続が主流であったが、近年はIEEE802.11系統に代表される無線LANでの接続が多くの情報通信機器で採用されている。この流れは、LANに限らず、PAN(Personal Area Network)にも広がっている。その一例として、USB(Universal Serial Bus)が挙げられる。USBは現在、安価でかつ安定したPAN構築ができるため、広く普及している。このUSBの手軽さをさらに高めるために、W−USB(Wireless−USB)のような無線通信の要求が高まっている。
【0003】
一方で、無線通信はその物理特性から、無線通信中のパケットは誰でも受信できるため、セキュリティー機能が非常に重要である。このセキュリティー機能の実現は、暗号鍵を使用した認証手法が一般的であるが、暗号鍵は通信相手と予め鍵の交換を行う必要がある。W−USBのような無線USB装置における暗号鍵交換については、装置の初期設定時に行われる技術が特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−236561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、無線USB装置であるにもかかわらず、有線のインターフェースが必要となり、無駄なコストアップにつながる。その上、盗難などの不当な手段にて入手した無線USB装置を利用者本人に成りすまして使用する場合のセキュリティーには対応できない。このため、無駄なコストアップを抑えながら、高度な利用者認証機能を実現することに問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、無線通信手段を有する無線USB装置と印刷装置において、利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された特徴量から利用者認証データを生成することにより、最小限のコストアップでかつ利用者本人以外の使用を制限できる高度な認証機能を有する無線USB装置と印刷装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、印刷装置と無線通信可能な無線型記憶装置であって、音声を入力する音声入力手段と、情報を格納する情報記憶手段と、利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成手段と、前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証前に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第一の認証データを生成すること、を特徴とする。
【0009】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証時に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第二の認証データを生成すること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記認証データ生成手段は、前記音声入力手段において入力された音声に対して、メルケプストラム分析による第一の特徴量と、ピッチ周波数分析による第二の特徴量とを抽出し、前記第一の特徴量と前記第二の特徴量から求められる二次元空間の距離を量子化することにより、前記第二の認証データを生成すること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記情報記憶手段と、前記認証データ記憶手段は、単一の記憶媒体であること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項6にかかる発明は、印刷装置と無線通信可能な無線型記憶装置において実行される無線型記憶方法であって、前記無線型記憶装置は、音声を入力する音声入力手段と、情報を格納する情報記憶手段と、利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、を備え、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成工程と、前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の無線型記憶方法をコンピュータに実行させること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項8にかかる発明は、無線型記憶装置と無線通信可能な印刷装置であって、音声を入力する音声入力手段と、前記無線型記憶装置から受信した情報を印刷する情報印刷手段と、利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成手段と、前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証前に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第一の認証データを生成すること、を特徴とする。
【0016】
また、請求項10にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証時に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第二の認証データを生成すること、を特徴とする。
【0017】
また、請求項11にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記認証データ生成手段は、前記音声入力手段において入力された音声に対して、メルケプストラム分析による第一の特徴量と、ピッチ周波数分析による第二の特徴量とを抽出し、前記第一の特徴量と前記第二の特徴量から求められる二次元空間の距離を量子化することにより、前記第二の認証データを生成すること、を特徴とする。
【0018】
また、請求項12にかかる発明は、無線型記憶装置と無線通信可能な印刷装置において実行される印刷方法であって、前記印刷装置は、音声を入力する音声入力手段と、前記無線型記憶装置から受信した情報を印刷する情報印刷手段と、利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、を備え、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成工程と、前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、請求項13にかかる発明は、請求項12に記載の印刷方法をコンピュータに実行させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1にかかる発明によれば、音声と言う物理的特性を生かし、最小限のコストアップでかつ本人以外の使用を制限できる高度な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項2にかかる発明によれば、利用者認証前に認証データを生成しておくことにより、利用者認証時の手間を省き、短時間で処理可能な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項3にかかる発明によれば、音声データの記録と同時並行して、音声から抽出された特徴量に基づいて認証データを生成することにより、利用者認証時の手間を省き、短時間で処理可能であると共に、音声データの保存に必要なメモリのサイズを最小限に低減することができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項4にかかる発明によれば、認証データ生成手段としてメルケプストラム分析とピッチ周波数分析を行い、それらを二次元空間の距離で量子化することにより、認証データの基となる音声の変動に対して頑健な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項5にかかる発明によれば、利用者が任意の情報を格納できる情報記憶領域と、音声から特徴量を抽出し、抽出された特徴量を認証データとして格納する認証データ記憶領域を単一記憶媒体上で構成することにより、装置内部の記憶領域のサイズを削減することができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項6にかかる発明によれば、音声と言う物理的特性を生かし、最小限のコストアップでかつ本人以外の使用を制限できる高度な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項7にかかる発明によれば、音声と言う物理的特性を生かし、最小限のコストアップでかつ本人以外の使用を制限できる高度な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項8にかかる発明によれば、音声と言う物理的特性を生かし、最小限のコストアップでかつ本人以外の使用を制限できる高度な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項9にかかる発明によれば、利用者認証前に認証データを生成しておくことにより、利用者認証時の手間を省き、短時間で処理可能な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0029】
また、請求項10にかかる発明によれば、音声の記録と同時並行して、音声から抽出された特徴量に基づいて認証データを生成することにより、利用者認証時の手間を省き、短時間で処理可能であると共に、印刷装置の録音に必要なメモリのサイズを最小限に低減することができるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項11にかかる発明によれば、認証データ生成手段としてメルケプストラム分析とピッチ周波数分析を行い、それらを二次元空間の距離で量子化することにより、認証データの基となる音声の変動に対して頑健な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項12にかかる発明によれば、音声と言う物理的特性を生かし、最小限のコストアップでかつ本人以外の使用を制限できる高度な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項13にかかる発明によれば、音声と言う物理的特性を生かし、最小限のコストアップでかつ本人以外の使用を制限できる高度な利用者認証機能を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる無線型記憶装置、無線型記憶方法、無線型記憶プログラム、印刷装置、印刷方法および印刷プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
(第一の実施の形態)
以下、第1の実施の形態にかかる印刷システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる印刷システムのネットワーク構成を示す模式図である。本実施の形態にかかる印刷システムは、図1に示すように、無線USB装置(1)17と印刷装置(1)30とが、無線通信方式で通信接続された構成となっている。
【0035】
無線USB装置(1)17はアンテナ4と、マイク6とを備えており、印刷装置(1)30はアンテナ3と、マイク2とを備えている。本実施の形態にかかる印刷システムは、無線USB装置(1)17と印刷装置(1)30のいずれかに備えられているマイクに向かって利用者認証のキーワードを発すると、その音声によって認証処理が実行され、印刷を要求する情報指定と印刷指示を出すことによって、無線USB装置(1)17内部に記憶されている情報を読み出し、印刷装置(1)30に転送して印刷処理を実行する構成となっている。
【0036】
以下、無線USB装置(1)17の構成について説明する。図2は、第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17の内部構成を示すブロック図である。無線USB装置(1)17は、アンテナ4と、RF部7と、ベースバンド変復調部8と、CPU9と、プロトコル制御部10と、SRAM11と、ROM12と、操作表示部13と、音声入力部14と、認証データ用フラッシュメモリ15と、フラッシュメモリ16と、を備えており、全てがシステムバス1で接続された状態で交互に通信を行いながら、情報記憶装置として動作している。
【0037】
アンテナ4は、外部との無線通信を行うためのものである。アンテナ4が送受信した情報は、RF部7、ベースバンド変復調部8およびプロトコル制御部10を介して、フラッシュメモリ16への情報記憶やフラッシュメモリ16からの情報読み出しを実行される。
【0038】
RF部7は、アンテナ4が外部との無線通信を行うための動作制御部である。また、ベースバンド変復調部8は、無線通信規格に従った直交周波数分割多重方式の周波数変復調処理を実行する制御部である。直交周波数分割多重方式は、多数の搬送波を使用し、変調する信号波の位相が隣り合う搬送波間で直交するように搬送波の帯域を一部重ね合わせて周波数帯域を有効利用する方式であり、無線LAN(Local Area Network)の規格、IEEE802.11a、IEEE802.11gに採用されている。
【0039】
また、プロトコル制御部10は、周波数変復調された信号処理による通信の制御部である。音声入力部14は、マイク4によって入力された利用者の音声の処理部であり、音声データとして標準的なフォーマットのPCM(Pulse−Code Modulation)データ等による録音機能を備えている。
【0040】
ROM12は、第1の実施の形態にかかる無線型記憶プログラムおよび初期動作時の暗号鍵設定プログラムを格納しておく記憶領域である。また、CPU9は、ROM12に記憶された上記のプログラムを実行して、装置全体を制御する。主に、CPU9は、音声入力部14で入力された音声から利用者特有の特徴量を抽出し、抽出された特徴量から利用者認証データとして暗号鍵を生成する認証データ生成手段としての処理を実行すると共に、生成された暗号鍵に基づいた利用者認証のための暗号化処理、復号化処理および復号化されたデータに基づいた利用者認証手段としての処理も実行する機能を有する。なお、これらの処理については、後の印刷処理のシーケンス図において詳述する。
【0041】
また、SRAM11は、上記のプログラム実行時にCPU9がワーク領域として使用する一時記憶領域である。また、操作表示部13は、利用者が装置全体の操作を行う際の画面表示と操作を制御する。
【0042】
また、認証データ用フラッシュメモリ15は、利用者認証データの記憶領域であり、ROM12が実行する暗号鍵生成処理によって生成された暗号鍵を記憶する領域である。CPU9が、利用者認証のために復号化処理を実行する際に、記憶された暗号鍵を読み出し、利用者認証を行う。また、フラッシュメモリ16は、印刷を実行するための情報を記憶する領域である。暗号鍵生成については、詳細を後述する。
【0043】
以下、印刷装置(1)30の構成について説明する。図3は、第1の実施の形態にかかる印刷装置(1)30の内部構成を示すブロック図である。印刷装置(1)30は、アンテナ3と、RF部20と、ベースバンド変復調部21と、CPU22と、プロトコル制御部23と、SRAM24と、ROM25と、操作表示部26と、音声入力部27と、印字部29と、を備えており、全てがシステムバス5で接続された状態で交互に通信を行いながら、印刷装置として動作している。
【0044】
アンテナ3は、外部との無線通信を行うためのものである。アンテナ3が送受信した情報は、RF部20、ベースバンド変復調部21およびプロトコル制御部23を介して、印字部29へ転送され、印刷を実行される。
【0045】
RF部20は、アンテナ3が外部との無線通信を行うための動作制御部である。また、ベースバンド変復調部21は、ベースバンド変復調部8と同様に、無線通信規格に従った直交周波数分割多重方式の周波数変復調処理を実行する制御部である。また、プロトコル制御部23は、周波数変復調された信号処理による通信の制御部である。
【0046】
音声入力部27は、マイク3によって入力された利用者の音声の処理部であり、音声データとして標準的なフォーマットのPCM(Pulse−Code Modulation)データ等による録音機能を備えている。
【0047】
印字部29は、無線通信方式を介して受信された情報を印刷出力するマーキングエンジン部である。ここでは、マーキングエンジン内部の方式は特に問わないため、その構成詳細は特に述べない。本実施の形態にかかる技術の可否は、印字部29におけるマーキング方式に依存するものではない。
【0048】
ROM25は、第1の実施の形態にかかる印刷プログラムおよび初期動作時の暗号鍵設定プログラムを格納しておく記憶領域である。また、CPU22は、ROM25に記憶された上記のプログラムを実行して、装置全体を制御する。主に、CPU22は、音声入力部27で入力された音声から利用者特有の特徴量を抽出し、抽出された特徴量から利用者認証データとして暗号鍵を生成する認証データ生成手段としての処理を実行すると共に、生成された暗号鍵に基づいた利用者認証のための暗号化処理、復号化処理および復号化されたデータに基づいた利用者認証手段としての処理も実行する機能を有する。なお、これらの処理については、後の印刷処理のシーケンス図において詳述する。
【0049】
また、SRAM24は、上記のプログラム実行時にCPU22がワーク領域として使用する一時記憶領域である。また、操作表示部26は、利用者が装置全体の操作を行う際の画面表示と操作を制御する。
【0050】
以下、電源投入時の初期動作における暗号鍵生成について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17の電源投入時の初期動作を示すフローチャート図である。
【0051】
無線USB装置(1)17は、電源が投入されるとCPU9が装置の初期動作を開始する(ステップS10)。ROM12から暗号鍵設定プログラムを読み出す(ステップS11)。暗号鍵設定プログラムの読出しが完了したら、CPU9は認証データ用フラッシュメモリ15に暗号鍵が格納されているか、確認する(ステップS12)。暗号鍵が格納されていない場合、CPU9は操作表示部13に暗号鍵の設定未了であることを通知する(ステップS13)。
【0052】
操作表示部13は、CPU9からの指示により、「暗号鍵の設定未了」と言うメッセージを表示することによって、利用者に暗号鍵の設定行為を促す(ステップS14)。利用者が暗号鍵を設定する場合、まず、操作表示部13にある録音ボタン(不図示)が押され、CPU9は音声入力部14に対して録音開始命令を出す。音声入力部14は暗号鍵の元になる言葉を録音し、音声データとして標準的なフォーマットのPCM(Pulse−Code Modulation)データとしてSRAM11に保存する(ステップS15)。
【0053】
次に、音声データの保存が終了すると、CPU9はSRAM11に格納された音声データから暗号鍵Kを生成する(ステップS16)。CPU9は生成された暗号鍵Kを認証データ用フラッシュメモリ15に格納する(ステップS17)。暗号鍵Kを格納した後、操作表示部13は「暗号鍵の設定完了」メッセージを表示する(ステップS18)。また、ステップS12において、暗号鍵が既に格納されている場合は、操作表示部13は「暗号鍵の設定済」メッセージを表示する(ステップS19)。最後に、初期動作を終了する(ステップS20)。
【0054】
上述のように、初期動作時に生成された暗号鍵Kは、認証データ用フラッシュメモリ15に格納される。格納された暗号鍵Kは、認証データとして利用者認証時に読み出される。第1の実施の形態にかかる印刷システムにおいては、無線USB装置(1)17で暗号鍵を生成し、記憶しておく動作を実行するものとする。
【0055】
以下、第1の実施の形態にかかる印刷システムの動作シーケンスを説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(1)30の印刷動作を示すシーケンス図その1である。また、図6は、第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(1)30の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【0056】
図5において、利用者が印刷装置への接続要求を指示し、CPU9が接続要求をプロトコル制御部10に指示する(ステップS100)。指示されたプロトコル制御部10は接続要求フレームをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS101)。そして、ベースバンド変復調部8は接続要求フレームを変調した後RF部7に転送する(ステップS102)。その後、RF部7は無線通信を介して接続要求をRF部20に送信する(ステップS103)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20から接続要求フレームを復調し(ステップS104)、CPU22に転送する(ステップS105)。
【0057】
次に、CPU22は、接続要求フレームを認識し(ステップS106)、チャレンジテキスト生成をプロトコル制御部23に指示する(ステップS107)。指示されたプロトコル制御部23は、チャレンジテキストAを生成し(ステップS108)、生成したチャレンジテキストAをベースバンド変復調部21に転送する(ステップS109)。そして、ベースバンド変復調部21は、チャレンジテキストAを変調した後RF部20に転送する(ステップS110)。その後、RF部20は無線通信を介してチャレンジテキストAをRF部7に送信する(ステップS111)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7からチャレンジテキストAを復調し(ステップS112)、CPU9に転送する(ステップS113)。
【0058】
次に、暗号化の処理が行われる。CPU9は、暗号鍵設定プログラムのステップS17で格納された暗号鍵Kの読出しを認証データ用フラッシュメモリ15に指示する(ステップS114)。指示された認証データ用フラッシュメモリ15は、暗号鍵Kを読み出す(ステップS115)。認証データ用フラッシュメモリ15は、読み出した暗号鍵KをCPU9に転送する(ステップS116)。CPU9は、暗号鍵Kを使用して、ステップS113でCPU9に転送されたチャレンジテキストAを暗号化する(ステップS117)。
【0059】
更に、図6に移り、CPU9は、チャレンジテキストAを暗号化したX(K,A)をベースバンド変復調部8に転送する(ステップS118)。そして、ベースバンド変復調部8は、X(K,A)を変調した後RF部7に転送する(ステップS119)。その後、RF部7は、無線通信を介してX(K,A)をRF部20に送信する(ステップS120)。次に、ベースバンド変復調部21は、RF部20からX(K,A)を復調し(ステップS121)、CPU22に転送する(ステップS122)。
【0060】
一方、音声入力部27は利用者の音声を入力し(ステップS123)、音声データを転送する(ステップS124)。CPU22は音声データを保存する(ステップS125)。
【0061】
次に、復号化の処理が行われる。CPU22は、利用者の音声データから暗号鍵Mを生成する(ステップS126)。更に、CPU22は、ステップS122でCPU22に転送されたX(K,A)を暗号鍵Mで復号化する(ステップS127)。次に、CPU22は、復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一かどうかを判定する(ステップS128)。
【0062】
ステップS128で同一と判定されれば、CPU22は接続許可信号をベースバンド変復調部21に転送する(ステップS129)。そして、ベースバンド変復調部21は接続許可信号を変調した後RF部20に転送する(ステップS130)。その後、RF部20は無線通信を介して接続許可信号をRF部7に送信する(ステップS131)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7から接続許可信号を復調し(ステップS132)、CPU9に転送する(ステップS133)。
【0063】
次に、CPU9は、利用者によって指定された印刷データの読出しをフラッシュメモリ16に指示する(ステップS134)。指示されたフラッシュメモリ16は、印刷データを読み出し(ステップS135)、読み出した印刷データをCPU9に転送する(ステップS136)。そして、CPU9は印刷データをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS137)。そして、ベースバンド変復調部8は印刷データを変調した後RF部7に転送する(ステップS138)。その後、RF部7は無線通信を介して印刷データをRF部20に送信する(ステップS139)。次に、ベースバンド変復調部21は、RF部20から印刷データを復調し(ステップS140)、CPU22に転送する(ステップS141)。
【0064】
印刷データを受信したCPU22は、印字部29に印刷を指示する(ステップS142)。印字部29は、印刷を実行する(ステップS143)。
【0065】
もし、ステップS128で復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一でないと判定されれば、CPU22は接続拒否信号をベースバンド変復調部21に転送する(ステップS144)。そして、ベースバンド変復調部21は接続拒否信号を変調した後RF部20に転送する(ステップS145)。その後、RF部20は、無線通信を介して接続拒否信号をRF部7に転送する(ステップS146)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7から接続拒否信号を復調し(ステップS147)、CPU9に転送する(ステップS148)。最終的に、CPU9は接続拒否されたことを利用者に知らせる。
【0066】
上述のように、図4に示した初期動作時の暗号鍵生成プログラムで利用者の音声を使用して暗号鍵をあらかじめ生成しておき、無線USB装置内部の認証データ用フラッシュメモリ15に記憶する。記憶された暗号鍵を使用してステップS117における暗号化とステップS127における復号化の処理を実行することで、高度な利用者認証機能を提供する。
【0067】
以下、図4のステップS16および図6のステップS126における暗号鍵の生成手順について詳細を説明する。図7は、第1の実施の形態にかかる印刷システムの利用者の音声から特徴量を抽出する処理手順を示すフローチャート図である。図7に示す特徴量抽出の処理は、CPU9が演算処理するものである。
【0068】
最初に、利用者の音声を特定の領域で切り出すための窓掛け処理を行う(ステップS500)。窓掛け処理を行った音声データに高速フーリエ変換処理を実行する(ステップS510)。周波数軸のパワースペクトルを出力する(ステップS520)。周波数軸のパワースペクトルの対数変換処理を実行する(ステップS530)。
【0069】
次に、対数変換後のパワースペクトルに対して逆高速フーリエ変換処理を実行する(ステップS540)。ケプストラム窓掛け処理を行い、特徴量に適した部分を切り出す(ステップS550)。再度、フーリエ変換処理を実行して、周波数軸のパワースペクトルを算出する(ステップS560)。周波数軸のパワースペクトルのピーク値を結ぶ包絡線(エンベロープ)分析を行う(ステップS570)。一方、ステップS550におけるケプストラム窓掛け処理の後、ピーク値を示すピッチ抽出を行う(ステップS580)。ステップS570における包絡線分析とステップS580におけるピッチ抽出の処理結果を、それぞれ第一の特徴量および第二の特徴量として保存する(ステップS590)。
【0070】
引き続いて、図7に示したフローチャート図に基づいて算出した2つの特徴量を量子化する処理手順を説明する。図8は、第1の実施の形態にかかる印刷システムの2つの特徴量を量子化する処理手順を示すフローチャート図である。
【0071】
最初に、利用者の音声から抽出された第一の特徴量および第二の特徴量を記憶媒体から読み出す(ステップS600)。カウンタとなるコードブックNを初期化する(ステップS610)。ループルーチンに入る(ステップS620)。コードブックNの数値を読み出す(ステップS630)。コードブックNの数値と読み出した特徴量のユークリッド距離(二次元空間の距離)を算出する(ステップS640)。コードブックNの数値を一つ上げる(ステップS650)。Nがコードブックサイズになるまで演算を繰り返す(ステップS660)。ユークリッド距離を算出して、ユークリッド距離が最小になるコードブックNの数値を出力する(ステップS670)。
【0072】
従って、初期動作の暗号鍵設定プログラムにより、ステップS670で出力されたコードブックNの数値を暗号鍵として認証データ用フラッシュメモリ15に記憶する。
【0073】
以上述べたように、第1の実施の形態によれば、無線USB装置と印刷装置の印刷システムにおいて、無線USB装置(1)17から印刷装置(1)30に対して利用者が印刷を要求する情報を指定し、印刷指示を出す。その際、あらかじめ入力された利用者の音声から特徴量を抽出して暗号鍵を作成し、その暗号鍵を利用者認証のために使用することにより、無線通信方式を介した高度な利用者認証機能を提供する。
【0074】
(第二の実施の形態)
以下、第2の実施の形態にかかる印刷システムについて説明する。図9は、第2の実施の形態にかかる印刷装置(2)31の内部構成を示すブロック図である。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、印刷装置(2)31内部に認証データ用フラッシュメモリ28を備えた点である。第2の実施の形態にかかる印刷システムは、第1の実施の形態において図2に示した無線USB装置(1)17と、図9に示す印刷装置(2)31と、から構成される。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ部材については同じ符号で示し、説明を省略する。
【0075】
図9において、印刷装置(2)31内部の認証データ用フラッシュメモリ28は、無線USB装置(1)17内部の認証データ用フラッシュメモリ15と同様の記憶媒体であり、暗号鍵を記憶する。認証データ用フラッシュメモリ28は、ROM25が実行する処理によって生成された暗号鍵を利用者認証データとして記憶する領域であり、利用者認証のために復号化処理を実行する際に読み出される暗号鍵を記憶しておく機能を有する。
【0076】
第2の実施の形態においては、前述の初期動作時の暗号鍵設定プログラムを無線USB装置(1)17と印刷装置(2)31、それぞれで同一人物が実行して暗号鍵を生成して記憶しておく、もしくはあらかじめいずれかで生成した暗号鍵をフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等のメディアで他方にコピーして記憶しておく動作を実行するものとする。
【0077】
以下、第2の実施の形態にかかる印刷システムの動作シーケンスを説明する。図10は、第2の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その1である。また、図11は、第2の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【0078】
図10において、利用者が印刷装置への接続要求を指示し、CPU9が接続要求をプロトコル制御部10に指示する(ステップS200)。指示されたプロトコル制御部10は接続要求フレームをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS201)。そして、ベースバンド変復調部8は接続要求フレームを変調した後RF部7に転送する(ステップS202)。その後、RF部7は無線通信を介して接続要求をRF部20に送信する(ステップS203)。次に、ベースバンド変復調部21は、RF部20から接続要求フレームを復調し(ステップS204)、CPU22に転送する(ステップS205)。
【0079】
次に、CPU22は、接続要求フレームを認識し(ステップS206)、チャレンジテキスト生成をプロトコル制御部23に指示する(ステップS207)。指示されたプロトコル制御部23は、チャレンジテキストAを生成し(ステップS208)、生成したチャレンジテキストAをベースバンド変復調部21に転送する(ステップS209)。そして、ベースバンド変復調部21は、チャレンジテキストAを変調した後RF部20に転送する(ステップS210)。その後、RF部20は、無線通信を介してチャレンジテキストAをRF部7に送信する(ステップS211)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7からチャレンジテキストAを復調し(ステップS212)、CPU9に転送する(ステップS213)。
【0080】
次に、暗号化の処理が行われる。CPU9は、暗号鍵設定プログラムのステップS17で格納された暗号鍵Kの読出しを認証データ用フラッシュメモリ15に指示する(ステップS214)。指示された認証データ用フラッシュメモリ15は、暗号鍵Kを読み出す(ステップS215)。認証データ用フラッシュメモリ15は、読み出した暗号鍵KをCPU9に転送する(ステップS216)。CPU9は、暗号鍵Kを使用して、ステップS213でCPU9に転送されたチャレンジテキストAを暗号化する(ステップS217)。
【0081】
更に、図11に移り、CPU9は、チャレンジテキストAを暗号化したX(K,A)をベースバンド変復調部8に転送する(ステップS218)。そして、ベースバンド変復調部8は、X(K,A)を変調した後RF部7に転送する(ステップS219)。その後、RF部7は、無線通信を介してX(K,A)をRF部20に送信する(ステップS220)。次に、ベースバンド変復調部21は、RF部20からX(K,A)を復調し(ステップS221)、CPU22に転送する(ステップS222)。
【0082】
その後、CPU22は、図4のステップS17で格納された暗号鍵Mの読出しを認証データ用フラッシュメモリ28に指示する(ステップS223)。認証データ用フラッシュメモリ28は、暗号鍵Mを読み出し(ステップS224)、CPU22に転送する(ステップS225)。
【0083】
次に、復号化の処理が行われる。CPU22は、ステップS222でCPU22に転送されたX(K,A)を暗号鍵Mで復号化する(ステップS226)。次に、CPU22は、復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一かどうかを判定する(ステップS227)。
【0084】
ステップS227で同一と判定されれば、CPU22は接続許可信号をベースバンド変復調部21に転送する(ステップS228)。そして、ベースバンド変復調部21は接続許可信号を変調した後RF部20に転送する(ステップS229)。その後、RF部20は無線通信を介して接続許可信号をRF部7に送信する(ステップS230)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7から接続許可信号を復調し(ステップS231)、CPU9に転送する(ステップS232)。
【0085】
次に、CPU9は、利用者によって指定された印刷データの読出しをフラッシュメモリ16に指示する(ステップS233)。指示されたフラッシュメモリ16は、印刷データを読み出し(ステップS234)、読み出した印刷データをCPU9に転送する(ステップS235)。そして、CPU9は印刷データをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS236)。その後、ベースバンド変復調部8は印刷データを変調した後RF部7に転送する(ステップS237)。その後、RF部7は無線通信を介して印刷データをRF部20に送信する(ステップS238)。次に、ベースバンド変復調部21は、RF部20から印刷データを復調し(ステップS239)、CPU22に転送する(ステップS240)。
【0086】
印刷データを受信したCPU22は、印字部29に印刷を指示する(ステップS241)。印字部29は、印刷を実行する(ステップS242)。
【0087】
もし、ステップS227で復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一でないと判定されれば、第1の実施の形態にかかる印刷システムの動作で説明したステップS144〜ステップS148と同様、CPU22は、接続拒否信号をCPU9に送信し、CPU9は利用者に接続拒否を知らせる。
【0088】
以上述べたように、第2の実施の形態によれば、無線USB装置と印刷装置の印刷システムにおいて、無線USB装置(1)17から印刷装置(2)31に対して利用者が印刷を要求する情報を指定し、印刷指示を出す。その際、あらかじめ入力された利用者の音声から特徴量を抽出して暗号鍵を作成し、その暗号鍵を無線USB装置と印刷装置それぞれの認証データ用フラッシュメモリに記憶しておくことにより、無線通信方式を介した高度な利用者認証機能を提供する。
【0089】
(第三の実施の形態)
以下、第3の実施の形態にかかる印刷システムについて説明する。図12は、第3の実施の形態にかかる無線USB装置(2)18の内部構成を示すブロック図である。第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、無線USB装置(2)18が内部に音声入力部34を設け、更に音声入力部34の内部に認証データ生成部32を設け、認証データ用フラッシュメモリ15を備えていない点である。
【0090】
第3の実施の形態にかかる印刷システムは、無線USB装置(2)18と、第2の実施の形態において図9に示した印刷装置(2)31と、から構成される。第3の実施の形態において、第2の実施の形態と同じ部材については同じ符号で示し、説明を省略する。
【0091】
音声入力部34は、内部に認証データ生成部32を設けており、入力された音声データを即時に認証データ生成部32に入力する。認証データ生成部32は、入力された音声データから、認証データ生成のための前述の特徴量抽出および量子化の処理を実行する機能を有する。この処理は、入力された音声データの保存と同時並行して即時実行されるため、利用者には処理時間による遅れを全く感じさせない操作性を提供する。
【0092】
第3の実施の形態にかかる印刷システムにおいては、あらかじめ印刷装置(2)31で前述の暗号鍵設定プログラムによる暗号鍵の生成および記憶の動作を実行するものとする。
【0093】
以下、第3の実施の形態にかかる印刷システムの動作シーケンスを説明する。図13は、第3の実施の形態にかかる無線USB装置(2)18と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その1である。また、図14は、第3の実施の形態にかかる無線USB装置(2)18と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【0094】
図13において、利用者が無線USB装置への接続要求を指示し、CPU22が接続要求をプロトコル制御部23に指示する(ステップS300)。指示されたプロトコル制御部23は接続要求フレームをベースバンド変復調部21に転送する(ステップS301)。そして、ベースバンド変復調部21は接続要求フレームを変調した後RF部20へ転送する(ステップS302)。その後、RF部20は無線通信を介して接続要求フレームをRF部7に送信する(ステップS303)。次に、ベースバンド変復調部8はRF部7から接続要求フレームを復調し(ステップS304)、CPU9に転送する(ステップS305)。
【0095】
次に、CPU9は、接続要求フレームを認識し(ステップS306)、チャレンジテキスト生成をプロトコル制御部10へ指示する(ステップS307)。指示されたプロトコル制御部10は、チャレンジテキストAを生成し(ステップS308)、生成したチャレンジテキストAをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS309)。そして、ベースバンド変復調部8はチャレンジテキストAを変調した後RF部7へ転送する(ステップS310)。その後、RF部7は無線通信を介してチャレンジテキストAをRF部20に送信する(ステップS311)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20からチャレンジテキストAを復調し(ステップS312)、CPU22に転送する(ステップS313)。
【0096】
次に、暗号化の処理が行われる。CPU22は、暗号鍵設定プログラムのステップS17で格納された暗号鍵Kの読出しを認証データ用フラッシュメモリ28に指示する(ステップS314)。認証データ用フラッシュメモリ28は、暗号鍵Kを読み出し(ステップS315)、読み出した暗号鍵KをCPU22に転送する(ステップS316)。CPU22は、暗号鍵Kを使用して、ステップS313でCPU22に転送されたチャレンジテキストAを暗号化する(ステップS317)。
【0097】
更に、図14に移り、CPU22は、チャレンジテキストAを暗号化したX(K,A)をベースバンド変復調部21に転送する(ステップS318)。そして、ベースバンド変復調部21は、X(K,A)を変調した後RF部20に転送する(ステップS319)。その後、RF部20は、無線通信を介してX(K,A)をRF部7に送信する(ステップS320)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7からX(K,A)を復調し(ステップS321)、CPU9に転送する(ステップS322)。
【0098】
一方、音声入力部34は、音声を入力し(ステップS323)、入力された音声をCPU9に転送する(ステップS324)。CPU9は、音声データを保存する(ステップS325)。音声データ保存と同時に、認証データ生成部32は、音声データから暗号鍵Mを生成し(ステップS326)、生成した暗号鍵MをCPU9に転送する(ステップS327)。
【0099】
次に、復号化の処理が行われる。CPU9は、ステップS322でCPU9に転送されたX(K,A)を暗号鍵Mで復号化する(ステップS328)。復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一かどうかを判定する(ステップS329)。
【0100】
ステップS329で同一と判定されれば、CPU9は接続許可信号をベースバンド変復調部8に転送する(ステップS330)。そして、ベースバンド変復調部8は接続許可信号を変調した後RF部7に転送する(ステップS331)。その後、RF部7は無線通信を介して接続許可信号をRF部20に送信する(ステップS332)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20から接続許可信号を復調し(ステップS333)、CPU22に転送する(ステップS334)。
【0101】
次に、CPU22は、接続許可信号を認識する(ステップS335)。更に、CPU22は、利用者によって指定された印刷データ指定信号をベースバンド変復調部21に転送する(ステップS336)。そして、ベースバンド変復調部21は印刷データ指定信号を変調した後RF部20に転送する(ステップS337)。その後、RF部20は無線通信を介して印刷データ指定信号をRF部7に送信する(ステップS338)。次に、ベースバンド変復調部8はRF部7から印刷データ指定信号を復調し(ステップS339)、CPU9に転送する(ステップS340)。
【0102】
次に、CPU9は、利用者によって指定された印刷データの読出しをフラッシュメモリ16に指示する(ステップS341)。そして、フラッシュメモリ16は、印刷データを読み出し(ステップS342)、読み出した印刷データをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS343)。そして、ベースバンド変復調部8は印刷データを変調した後RF部7に転送する(ステップS344)。その後、RF部7は無線通信を介して印刷データをRF部20に送信する(ステップS345)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20から印刷データを復調し(ステップS346)、CPU22に転送する(ステップS347)。
【0103】
印刷データを受信したCPU22は、印字部29へ印刷を指示する(ステップS348)。印字部29は、印刷を実行する(ステップS349)。
【0104】
もし、ステップS329で復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一でないと判定されれば、第1の実施の形態にかかる印刷システムの動作で説明したステップS144〜ステップS148と同様、CPU9から接続拒否信号をCPU22へ送信し、CPU22は利用者に接続拒否を知らせる。
【0105】
以上述べたように、第3の実施の形態によれば、無線USB装置と印刷装置の印刷システムにおいて、印刷装置(2)31から無線USB装置(2)18に対して利用者が印刷を要求する情報を指定し、印刷指示を出す。その際、入力された利用者の音声から特徴量を抽出して暗号鍵を生成する処理を迅速に行うための認証データ生成部を設けたことにより、利用者に処理時間による遅れを感じさせることなく、操作性を改善した高度な利用者認証機能を提供する。
【0106】
(第四の実施の形態)
以下、第4の実施の形態にかかる印刷システムについて説明する。図15は、第4の実施の形態にかかる印刷装置(3)33の内部構成を示すブロック図である。第4の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、印刷装置(3)33が内部に音声入力部36を設け、音声入力部36の内部に認証データ生成部35を設けた点である。
【0107】
第4の実施の形態にかかる印刷システムは、第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と、図15に示す印刷装置(3)33と、から構成される。第4の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ部材については同じ符号で示し、説明を省略する。
【0108】
音声入力部36は、内部に認証データ生成部35を設けており、入力された音声データを即時に認証データ生成部35に入力する。認証データ生成部35は、入力された音声データから、認証データ生成のための前述の特徴量抽出および量子化の処理を実行する機能を有する。この処理は、入力された音声データの保存と同時並行して即時実行されるため、利用者には処理時間による遅れを全く感じさせない操作性を提供する。
【0109】
第4の実施の形態にかかる印刷システムにおいては、あらかじめ無線USB装置(1)17で前述の暗号鍵設定プログラムによる暗号鍵の生成および記憶の動作を実行するものとする。
【0110】
以下、第4の実施の形態にかかる印刷システムの動作シーケンスを説明する。図16は、第4の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(3)33の印刷動作を示すシーケンス図その1である。また、図17は、第4の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(3)33の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【0111】
図16において、利用者が印刷装置への接続要求を指示し、CPU9が接続要求をプロトコル制御部10に指示する(ステップS400)。プロトコル制御部10は接続要求フレームをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS401)。そして、ベースバンド変復調部8は接続要求フレームを変調した後RF部7に転送する(ステップS402)。その後、RF部7は無線通信を介して接続要求フレームをRF部20に送信する(ステップS403)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20から接続要求フレームを復調し(ステップS404)、CPU22に転送する(ステップS405)。
【0112】
次に、CPU22は、接続要求フレームを認識し(ステップS406)、チャレンジテキスト生成をプロトコル制御部23に指示する(ステップS407)。指示されたプロトコル制御部23は、チャレンジテキストAを生成し(ステップS408)、生成したチャレンジテキストAをベースバンド変復調部21に転送する(ステップS409)。そして、ベースバンド変復調部21はチャレンジテキストAを変調した後RF部20に転送する(ステップS410)。その後、RF部20は無線通信を介してチャレンジテキストAをRF部7に送信する(ステップS411)。次に、ベースバンド変復調部8はRF部7からチャレンジテキストAを復調し(ステップS412)、CPU9に転送する(ステップS413)。
【0113】
次に、暗号化の処理が行われる。CPU9は、暗号鍵設定プログラムのステップS17で格納された暗号鍵Kの読出しを認証データ用フラッシュメモリ15に指示する(ステップS414)。認証データ用フラッシュメモリ15は、暗号鍵Kを読み出し(ステップS415)、読み出した暗号鍵KをCPU9に転送する(ステップS416)。CPU9は、暗号鍵Kを使用して、ステップS413でCPU9に転送されたチャレンジテキストAを暗号化する(ステップS417)。
【0114】
更に、図17に移り、CPU9は、チャレンジテキストAを暗号化したX(K,A)をベースバンド変復調部8に転送する(ステップS418)。そして、ベースバンド変復調部8はX(K,A)を変調した後RF部7に転送する(ステップS419)。その後、RF部7は無線通信を介してX(K,A)をRF部20に送信する(ステップS420)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20からX(K,A)を復調し(ステップS421)、CPU22に転送する(ステップS422)。
【0115】
一方、音声入力部36は、音声を入力し(ステップS423)、入力された音声をCPU22に転送する(ステップS424)。CPU22は、音声データを保存する(ステップS425)。音声データ保存と同時に、認証データ生成部35は、音声データから暗号鍵Mを生成し(ステップS426)、生成した暗号鍵MをCPU22に転送する(ステップS427)。
【0116】
次に、復号化の処理が行われる。CPU22は、ステップS422でCPU22に転送されたX(K,A)を暗号鍵Mで復号化する(ステップS428)。更に、CPU22は、復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一かどうかを判定する(ステップS429)。
【0117】
ステップS429で同一と判定されれば、CPU22は、接続許可信号をベースバンド変復調部21に転送する(ステップS430)。そして、ベースバンド変復調部21は、接続許可信号を変調した後RF部20に転送する(ステップS431)。その後、RF部20は無線通信を介して接続許可信号をRF部7に送信する(ステップS432)。次に、ベースバンド変復調部8は、RF部7から接続許可信号を復調し(ステップS433)、CPU9に転送する(ステップS434)。
【0118】
次に、CPU9は、接続許可信号を認識し(ステップS435)、利用者によって指定された印刷データ読出しをフラッシュメモリ16に指示する(ステップS436)。指示されたフラッシュメモリ16は、印刷データを読み出し(ステップS437)、読み出した印刷データをベースバンド変復調部8に転送する(ステップS438)。そして、ベースバンド変復調部8は印刷データを変調した後RF部7に転送する(ステップS439)。その後、RF部7は無線通信を介して印刷データをRF部20に送信する(ステップS440)。次に、ベースバンド変復調部21はRF部20から印刷データを復調し(ステップS441)、CPU22に送信する(ステップS442)。
【0119】
印刷データを受信したCPU22は、印字部29へ印刷を指示する(ステップS443)。印字部29は、印刷を実行する(ステップS444)。
【0120】
もし、ステップS429で復号化したXと元のチャレンジテキストAが同一でないと判定されれば、第1の実施の形態にかかる印刷システムの動作で説明したステップS144〜ステップS148と同様、CPU22から接続拒否信号をCPU9へ送信し、CPU9は利用者に接続拒否を知らせる。
【0121】
以上述べたように、第4の実施の形態によれば、無線USB装置と印刷装置の印刷システムにおいて、無線USB装置(1)17から印刷装置(3)33に対して利用者が印刷を要求する情報を指定し、印刷指示を出す。その際、入力された利用者の音声から特徴量を抽出して暗号鍵を生成する処理を迅速に行うための認証データ生成部を設けたことにより、利用者に処理時間による遅れを感じさせることなく、操作性を改善した高度な利用者認証機能を提供する。
【0122】
(第五の実施の形態)
以下、第5の実施の形態にかかる印刷システムについて説明する。図18は、第5の実施の形態にかかる無線USB装置(3)19の内部構成を示すブロック図である。第5の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、図18の無線USB装置(3)19において、フラッシュメモリ37が、印刷のための情報記憶領域37aと、利用者認証のための認証データ記憶領域37bと、を単一記憶媒体として備えている点である。
【0123】
第5の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ部材については同じ符号で示し、説明を省略する。図18のように、フラッシュメモリ37が、印刷のための情報記憶領域37aと、利用者認証のための認証データ記憶領域37bと、を単一記憶媒体として備えたことにより、記憶媒体の使用サイズ、使用個数を最小限に減らすことが可能となる。動作シーケンスに関しては、記憶領域が単一記憶媒体上にあるだけで第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と特に変化はないため、第5の実施の形態にかかる印刷システムでは説明を省略する。
【0124】
以上述べたように、第5の実施の形態によれば、無線USB装置と印刷装置の印刷システムにおいて、印刷のための情報記憶領域と、利用者認証のための認証データ記憶領域とを、単一記憶媒体上に構成したことにより、記憶媒体の使用サイズ、使用個数を最小限に削減することを可能とした。
【0125】
なお、第1の実施の形態〜第5の実施の形態においては、無線通信方式としてWireless−USB(Universal Serial Bus)、音声の記録フォーマットとしてPCM(Pulse−Code Modulation)方式を採用した実施形態を述べてきたが、本実施の形態にかかる発明はこれらの技術に限定されるものではない。
【0126】
なお、本実施形態にかかる無線USB装置および印刷装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0127】
本実施形態にかかる無線USB装置および印刷装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0128】
さらに、本実施形態にかかる無線USB装置および印刷装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態にかかる無線USB装置および印刷装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0129】
本実施形態にかかる無線USB装置および印刷装置で実行されるプログラムは、上述した各部(RF部、ベースバンド変復調部、プロトコル制御部、操作表示部、音声入力部、認証データ用フラッシュメモリ、フラッシュメモリ、印字部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、記憶部、制御部、処理実行部、インターフェース制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0130】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第1の実施の形態にかかる印刷システムのネットワーク構成を示す模式図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17の内部構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる印刷装置(1)30の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17の電源投入時の初期動作を示すフローチャート図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(1)30の印刷動作を示すシーケンス図その1である。
【図6】第1の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(1)30の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【図7】第1の実施の形態にかかる印刷システムの利用者の音声から特徴量を抽出する処理手順を示すフローチャート図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる印刷システムの2つの特徴量を量子化する処理手順を示すフローチャート図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる印刷装置(2)31の内部構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その1である。
【図11】第2の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【図12】第3の実施の形態にかかる無線USB装置(2)18の内部構成を示すブロック図である。
【図13】第3の実施の形態にかかる無線USB装置(2)18と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その1である。
【図14】第3の実施の形態にかかる無線USB装置(2)18と印刷装置(2)31の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【図15】第4の実施の形態にかかる印刷装置(3)33の内部構成を示すブロック図である。
【図16】第4の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(3)33の印刷動作を示すシーケンス図その1である。
【図17】第4の実施の形態にかかる無線USB装置(1)17と印刷装置(3)33の印刷動作を示すシーケンス図その2である。
【図18】第5の実施の形態にかかる無線USB装置(3)19の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0132】
1 システムバス
2 マイク
3 アンテナ
4 アンテナ
5 システムバス
6 マイク
7 RF部
8 ベースバンド変復調部
9 CPU
10 プロトコル制御部
11 SRAM
12 ROM
13 操作表示部
14 音声入力部
15 認証データ用フラッシュメモリ
16 フラッシュメモリ
17 無線USB装置(1)
18 無線USB装置(2)
19 無線USB装置(3)
20 RF部
21 ベースバンド変復調部
22 CPU
23 プロトコル制御部
24 SRAM
25 ROM
26 操作表示部
27 音声入力部
28 認証データ用フラッシュメモリ
29 印字部
30 印刷装置(1)
31 印刷装置(2)
32 認証データ生成部
33 印刷装置(3)
34 音声入力部
35 認証データ生成部
36 音声入力部
37 フラッシュメモリ
37a 情報記憶領域
37b 認証データ記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と無線通信可能な無線型記憶装置であって、
音声を入力する音声入力手段と、
情報を格納する情報記憶手段と、
利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、
前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成手段と、
前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証手段と、
を有することを特徴とする無線型記憶装置。
【請求項2】
前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証前に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第一の認証データを生成することを特徴とする請求項1に記載の無線型記憶装置。
【請求項3】
前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証時に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第二の認証データを生成することを特徴とする請求項1に記載の無線型記憶装置。
【請求項4】
前記認証データ生成手段は、前記音声入力手段において入力された音声に対して、メルケプストラム分析による第一の特徴量と、ピッチ周波数分析による第二の特徴量とを抽出し、前記第一の特徴量と前記第二の特徴量から求められる二次元空間の距離を量子化することにより、前記第二の認証データを生成することを特徴とする請求項1に記載の無線型記憶装置。
【請求項5】
前記情報記憶手段と、前記認証データ記憶手段は、単一の記憶媒体であることを特徴とする請求項1に記載の無線型記憶装置。
【請求項6】
印刷装置と無線通信可能な無線型記憶装置において実行される無線型記憶方法であって、
前記無線型記憶装置は、音声を入力する音声入力手段と、
情報を格納する情報記憶手段と、
利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、を備え、
前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成工程と、
前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証工程と、
を有することを特徴とする無線型記憶方法。
【請求項7】
請求項6に記載の無線型記憶方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
無線型記憶装置と無線通信可能な印刷装置であって、
音声を入力する音声入力手段と、
前記無線型記憶装置から受信した情報を印刷する情報印刷手段と、
利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、
前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成手段と、
前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証前に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第一の認証データを生成することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記認証データ生成手段は、更に、前記利用者認証手段による利用者認証時に、前記音声入力手段において入力された利用者の音声から抽出された特徴量に基づいて、前記第二の認証データを生成することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記認証データ生成手段は、前記音声入力手段において入力された音声に対して、メルケプストラム分析による第一の特徴量と、ピッチ周波数分析による第二の特徴量とを抽出し、前記第一の特徴量と前記第二の特徴量から求められる二次元空間の距離を量子化することにより、前記第二の認証データを生成することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項12】
無線型記憶装置と無線通信可能な印刷装置において実行される印刷方法であって、
前記印刷装置は、音声を入力する音声入力手段と、
前記無線型記憶装置から受信した情報を印刷する情報印刷手段と、
利用者の第一の認証データを記憶する認証データ記憶手段と、を備え、
前記音声入力手段において入力された利用者の音声から特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量に基づいて、第二の認証データを生成する認証データ生成工程と、
前記第一の認証データと前記第二の認証データに基づいて、利用者を認証する利用者認証工程と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
請求項12に記載の印刷方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−176513(P2008−176513A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8538(P2007−8538)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】